JP3966050B2 - 鉄道車両の振動制御装置及び鉄道車両 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両の車体、特に併結車両や最後尾車両の車体に発生する振動を、その振動特性に応じて前記車両における各台車の制御を変化させることで、常に最適状態で制御できる鉄道車両の振動制御装置、及び、その振動制御装置を搭載した鉄道車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両は、走行条件によって車体に作用する振動が異なる。例えば、トンネル外の明かり区間とトンネル区間では車体に作用する左右振動の卓越周波数が1Hz付近から2〜3Hzに推移する(図11(a)参照)。また、編成列車の内の中間車両と最後尾車両を比較すると、尻振り現象により最後尾車両の方が振動が大きくなる(図11(b)参照)。
【0003】
これらを解決する手段として、本出願人は特開平8−207765号(特許第3107133号)を提案した。この特開平8−207765号で提案した振動制御装置によれば、明かり区間とは車体振動特性の異なるトンネル区間でも、明かり区間と同様の制振効果を達成でき、また、パンタグラフ付き車両や最後尾車両のように空力特性の特殊な車両でも制振効果の良い最適な制御を行うことができる。
【0004】
ところで、近年は、運行車両の効率化等の観点から、例えば2つの編成列車を併結して運行し、途中で前後の編成列車を切り離し、切り離し後は各編成列車は別々の終着駅に向かって運行する場合が多くなってきている。
【0005】
このような複数の編成列車を併結して運行する場合、併結車両の形状が、編成列車中の中間の連結車両のような同じ大きさの箱型同士ではなく、例えば新幹線や在来線の特急電車の先頭車両や最後尾車両ような流線型同士の場合には、本発明者の調査によれば、図12に示したように、併結部分に図中細線で示したようなすさまじい乱気流が発生していた。なお、図12中の1aは併結車両のうちの進行方向に向かって前側の車両(以下、「併結前車両」と言う。)、1bは併結車両のうちの進行方向に向かって後側の車両(以下、「併結後車両」と言う。)を示す。
【0006】
このような乱気流が発生すると、併結前車両1aは従来の単独編成の最後尾車両と同様のメカニズムで振動が発生する一方、この併結前車両1aが加振源となって併結後車両1bの振動は更に大きくなり、結果的にこの併結後車両1bの振動が併結前車両1aに伝達されて、併結車両は前後の車両共に従来の単独編成の最後尾車両の振動よりも大きくなることが、本発明者の調査によって判明した。
【0007】
なお、前記併結車両の揺れを抑制するための解決策として、併結時にハード的に揺れないようにするため、併結前車両1aと併結後車両1bの両車体を、図13に示したように、ヨーダンパ2やロールダンパ3で連結するとか、幌4で覆うという方法が考えられるが、このような方法は現実的なものとは言えない。
【0008】
また、本発明者の更なる調査によれば、同じ併結車両であっても、特に併結後車両では進行方向に向かって前側(併結側)の台車直上の振動と、後側(非併結側)の台車直上の振動ではその卓越周波数が異なることが判明した(図14参照)。このような併結後車両における前記前側(併結側)の台車と後側(非併結側)の台車の左右振動の卓越周波数の違いは、従来の最後尾車両や併結前車両でも、おおよそ発生していた現象であろうが、顕著でなかったために気付かなかったものと考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、走行中に発生する編成列車の特に併結車両や最後尾車両の振動に対応し、前記車両の各台車に応じて制振効果の高い制御データを選択して前記各台車の振動を効果的に抑制することにより、乗り心地の更なる向上を図った鉄道車両の振動制御装置、及び、鉄道車両を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係る鉄道車両の振動制御装置は、編成列車中の併結車両を検知し、併結後車両や併結前車両における各台車の制御や、検知した最後尾車両の各台車の制御を行うにあたり、制振のターゲットとする振動周波数を、各台車毎に異ならせるように設定する機能を、振動制御装置の制御器に持たせたこととしている。そして、このようにすることで、併結後車両や併結前車両、最後尾車両の車体の振動を更に効果的に抑制できるようになる。
【0011】
また、上記の本発明に係る鉄道車両の振動制御装置を鉄道車両に搭載した場合には、併結後車両や併結前車両、最後尾車両の乗り心地の更なる向上が図れることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明者は、最後尾車両よりも乗り心地の悪い併結車両を他の車両と区別し、制御特性(制御データ)を変更することとした。
図3に示した例は、車両からの情報に基づき、併結車両、最後尾車両、それ以外の中間車両や先頭車両を判定し、夫々に対する制御特性(例えば併結車両はC、最後尾車両はC’、それ以外の車両はC”)を用いて、予め入力された各車体の振動加速度値から制御演算して、各振動モード(例えば、ヨーイング振動、左右動+ローリング振動)に分解し、前記各車両の進行方向に向かって前側の台車に設けたアクチュエータの制御弁、進行方向に向かって後側の台車に設けたアクチュエータの制御弁に制御信号を出力するものである。
【0013】
なお、併結車両であるか否かは、従来より車両に搭載されている車両情報制御装置の端末から、リアルタイムな通信によって、編成状態、号車情報、走行方向等の情報を振動制御装置が得ることで検出でき、併結車両が検出できれば、当然に併結前車両や併結後車両も判別できる。
【0014】
次に、従来技術であるトンネル内走行の有無にしたがって、併結車両の制御特性を変更するために、図4に示すように、制御しない状態での併結車両の左右振動加速度のパワースペクトル密度(PSD)解析を行い、メインの周波数をターゲットとしてその制御特性を設計する。
【0015】
例えば、併結車両が明かり区間を走行する場合とトンネル区間を走行する場合の、併結車両の振動加速度のPSDが図5に示したような線図で表されるとすると、明かり区間を走行する場合(図5の細線)は、振動数1.2Hzを制振のターゲットにし、また、トンネル区間を走行する場合(図5の太線)は、振動数2.0Hzを制振のターゲットとした制御特性を夫々設計する。以後、振動数1.2Hzを制振のターゲットとした制御特性をA、振動数2.0Hzを制振のターゲットとした制御特性をBとして説明する。
【0016】
ここで、ある周波数をターゲットとする制御特性を設計するとは、ターゲットの周波数で一番大きくなるような重み関数を整形し(例えば図5に示した振動加速度のPSDならば、図6に示したように、明かり区間(図6の細線)では振動数1.2Hz、トンネル区間(図6の太線)では2.0Hzに大きな比重をおいた重み関数)、その重み関数を用いて現代制御理論の一つであるH∞制御設計(例えば、社団法人計測自動制御学会発行「H∞制御の実プラントへの応用」第6章「鉄道車両用アクティブサスペンションへの応用」平成8年5月31日発行)により、制御特性を得るのである。
【0017】
本発明者は、前記得られた制御特性A,B及び制御特性C’,C”を用いて制御した編成列車を走行させ、その効果を確認した。その場合のフロー図を図7に示すが、本来はこの図7に示したフローにしたがって、走行区間が明かり区間かトンネル区間かで併結車両における制御特性は、制御特性Aと制御特性Bに切替わるが、比較試験のため、制御特性Aの場合のトンネル内走行も実験した。その結果を図8に示す。なお、図8は併結後車両における結果を示したものである。
【0018】
図8に示したように、振動制御を行なわない場合(図8の白抜きグラフ)には、併結後車両における非併結側台車に対して、振動が大きく、左右乗り心地レベルが悪かった併結側台車では、振動制御を行い、かつ、その振動特性を1.2Hz(図8の黒色グラフ)から2.0Hz(図8の灰色グラフ)に切替えることにより、大幅な改善が得られた。
【0019】
一方、併結後車両における非併結側台車は、振動特性を1.2Hz(図8の黒色グラフ)として振動制御を行った場合には、左右乗り心地レベルの改善が得られたが、振動特性を2.0Hz(図8の灰色グラフ)に切替えると、振動制御を行なわない場合よりも改善されてはいるものの、振動特性を1.2Hzとして振動制御を行った場合よりも逆に左右乗り心地レベルは悪化した。
【0020】
従来、ターゲットとする周波数を1つとして決定した制御特性を用いると、上記したように車両中の進行方向に向かって前後の台車側で夫々の乗り心地レベルの改善具合が異なり、トレードオフが発生する。従って、このトレードオフを調整するために、制御特性の設計にかなりの工数が発生していた。
【0021】
一方で、前記図4に示したH∞制御設計による制御特性の決定フローにおいて、図9に示したように、ターゲットを2つとして重み関数を整形する場合も、この整形する作業自体の工数が増加する。そして、結局は得られた制御特性自体も、トレードオフを含んでいて、ターゲットが1つの場合に比べて、前記両台車側で最適な乗り心地レベルを得ることは困難である。
【0022】
そこで、本発明者は、併結後車両における併結側台車と非併結側台車で制御特性を別々にして、例えば非併結側台車は1.2Hzをターゲット(制御特性A)に、また、併結側台車は2.0Hzをターゲット(制御特性B)とする制御を行った結果、図10に灰色グラフで示したように、併結後車両における併結側台車と非併結側台車で最適な乗り心地になった。
なお、図示省略したが、併結前車両や最後尾車両においても、上記と同様の傾向が得られたことは言うまでもない。
【0023】
本発明に係る鉄道車両の振動制御装置は、本発明者による上記の各種調査、実験に基づいてなされたものであり、その第1は、編成列車に搭載され、鉄道車両の車体と台車間に設置された流体アクチュエータと、この流体アクチュエータを駆動する制御弁と、車体の振動を検知する検知計と、この検知計の出力に基づき前記制御弁への制御入力を決定する制御器から構成され、車体に発生する振動をアクティブに制御する鉄道車両の振動制御装置において、
編成列車中の併結車両を検知し、当該併結車両中の併結後車両における各台車の制御を行うにあたり、制振のターゲットとする振動周波数を、進行方向に向かって前側(併結側)の台車と後側(非併結側)の台車とで異ならせるように設定する機能を、前記制御器に持たせたものである。
【0024】
本発明に係る第1の鉄道車両の振動制御装置では、トンネル内走行中等の特に大きな振動を発生する併結車両中の併結後車両における各台車の制御を行うにあたり、制振のターゲットとする振動周波数を、併結側台車と非併結側台車とで異ならせるので、併結後車両の振動を更に効果的に抑制することができるようになる。
【0025】
上記の本発明に係る第1の鉄道車両の振動制御装置において、
併結車両中の併結後車両における各台車の制御に加えて、併結前車両における各台車の制御も、制振のターゲットとする振動周波数を進行方向に向かって前側(非併結側)の台車と後側(併結側)の台車とで異ならせるように設定する機能を、前記制御器に持たせた場合には、併結後車両に加えて併結前車両の振動も効果的に抑制することができるようになる。
【0026】
また、本発明に係る第2の鉄道車両の振動制御装置は、編成列車に搭載され、鉄道車両の車体と台車間に設置された流体アクチュエータと、この流体アクチュエータを駆動する制御弁と、車体の振動を検知する検知計と、この検知計の出力に基づき前記制御弁への制御入力を決定する制御器から構成され、車体に発生する振動をアクティブに制御する鉄道車両の振動制御装置において、
最後尾車両を検知し、当該最後尾車両における各台車の制御を行うにあたり、制振のターゲットとする振動周波数を、進行方向に向かって前側の台車と後側の台車とで異ならせるように設定する機能を、前記制御器に持たせたものである。
【0027】
本発明に係る第2の鉄道車両の振動制御装置では、最後尾車両における各台車の制御を行うにあたり、制振のターゲットとする振動周波数を、進行方向に向かって前台車と後台車とで異ならせるので、最後尾車両の振動を更に効果的に抑制することができるようになる。
【0028】
また、上記の本発明に係る第1の鉄道車両の振動制御装置と、第2の鉄道車両の振動制御装置を組み合わせることも可能である。これが、本発明に係る第3の鉄道車両の振動制御装置である。
【0029】
また、上記の本発明に係る第1〜第3の鉄道車両の振動制御装置の何れかを搭載した鉄道車両では、併結後車両や併結前車両、最後尾車両の更なる乗り心地の向上が図れることになる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明に係る鉄道車両の振動制御装置を図1及び図2に示す1実施例に基づいて説明し、この本発明に係る鉄道車両の振動制御装置を備えた鉄道車両の説明に及ぶ。
図1は本発明に係る鉄道車両の振動制御装置の一例を示す説明図、図2は本発明に係る鉄道車両の振動制御装置の一例を示すフロー図である。
【0031】
図1において、11は前台車12a及び後台車12bに空気ばね13により支持された車体であり、この車体11と前記前台車12a及び後台車12b間の左右方向には、例えば複動型の空圧シリンダ14a(前台車12a側) ,14b(後台車12b側) 及び比例圧力制御弁15aa,15ab(前台車12a側) 及び15ba,15bb(後台車12b側) が設置されている。
【0032】
16a,16bは車体11の左右振動加速度を検知する左右振動加速度計、17a,17bは車体11の上下振動加速度を検知する上下振動加速度計であり、これらの左右振動加速度計16a,16bや上下振動加速度計17a,17bの出力、及び、地点検知装置18の信号に基づいて制御器19では、前記比例圧力制御弁15aa,15ab及び15ba,15bbへの制御出力を決定する。なお、図1中の20a,20bは左右動ダンパ、22a,22bは空気源である。
【0033】
前記した構成からなる振動制御装置において、地点検知装置18により検知された検知信号が制御器19に入力されると、車体11の左右振動加速度計16a,16bで検知した左右振動加速度、車体11の上下振動加速度計17a,17bで検知した上下振動加速度が制御器19に入力される。
【0034】
制御器19内では、前記入力された左右振動加速度、上下振動加速度が、例えばA/D変換装置19aでディジタル化され、ローパスフィルタ19bを通して動揺のみを抽出された後、制御量演算装置19cに入力される。
【0035】
一方、制御量演算装置19cに前記地点検知装置18から地点検出信号が入力されると、例えば図2のフロー図に示したように、併結後車両か、最後尾車両か、或いは前記車両以外の中間車両又は先頭車両か、トンネル内の走行か、トンネル外の走行かの判断に基づいて、それぞれに対応した制御特性A,B,C’,C”の何れかが選定され、その制御特性を基に制御出力が演算される。そして、その制御出力は、D/A変換装置19dにてアナログ化され、増幅装置19eを通して各比例圧力制御弁15aa,15ab及び15ba,15bbに出力される。
【0036】
各比例圧力制御弁15aa,15ab及び15ba,15bbは、前記制御出力に基づいて給排気し、空圧シリンダ14a,14bが駆動され、例えばトンネル内走行時には、併結後車両の車体11の傾斜制御が前台車12a及び後台車12bごとに最適に行なわれる。
【0037】
前記した構成の本発明に係る鉄道車両の振動制御装置を図2に示すフロー図を用いて更に詳細に説明する。なお、図2に示すフロー図は、トンネル内走行時における併結車両中の併結後車両のみ、各台車の制御特性を異ならせた場合のものである。
【0038】
車両情報制御装置の端末からの各種情報により、先ず併結後車両か否かを判断する。
そして、併結後車両の場合は、次にトンネル内の走行か否かを判断し、トンネル内の走行の場合は、図4に示したようにして予め求めてある、併結後車両の併結側台車と非併結側台車の制御特性A,Bと、前記各左右振動加速度計16a,16b及び各上下振動加速度計17a,17bで検知したセンサ値を用いて制御量演算装置19cではH∞制御演算して、例えばヨーイング振動、左右動+ローリング振動に分解し、各比例圧力制御弁15aa,15ab及び15ba,15bbに出力する。
【0039】
一方、トンネル内の走行でないと判断した場合は、併結後車両の併結側台車と非併結側台車は共に、前記制御特性Aと、前記各左右振動加速度計16a,16b及び各上下振動加速度計17a,17bで検知したセンサ値を用いて制御量演算装置19cではH∞制御演算して、例えばヨーイング振動、左右動+ローリング振動に分解し、各比例圧力制御弁15aa,15ab及び15ba,15bbに出力する。
【0040】
併結後車両でない場合は最後尾車両か否かを判断する。
そして、最後尾車両の場合は、予め求めてある最後尾車両の制御特性C’と、前記各左右振動加速度計16a,16b及び各上下振動加速度計17a,17bで検知したセンサ値を用いて制御量演算装置19cではH∞制御演算して、例えばヨーイング振動、左右動+ローリング振動に分解し、各比例圧力制御弁15aa,15ab及び15ba,15bbに出力する。
【0041】
一方、最後尾車両でもない場合は前記車両以外の中間車両又は先頭車両であると判断する。そして、予め求めてある中間車両又は先頭車両の制御特性C”と、前記各左右振動加速度計16a,16b及び各上下振動加速度計17a,17bで検知したセンサ値を用いて制御量演算装置19cではH∞制御演算して、例えばヨーイング振動、左右動+ローリング振動に分解し、各比例圧力制御弁15aa,15ab及び15ba,15bbに出力する。
【0042】
上記の図2に示した実施例では、トンネル内走行時における併結車両中の併結後車両のみ、各台車の制御特性を異ならせた場合のものであるが、更にトンネル内走行時における併結車両中の併結前車両における各台車の制御特性を異ならせたものでも、また、最後尾車両の各台車の制御特性を異ならせたものでも良い。また、トンネル内走行時以外の明かり区間の走行時において、併結車両や最後尾車両の各台車の制御特性を異ならせたものでも良い。
【0043】
そして、上記の何れかの構成の鉄道車両の振動制御装置を搭載した本発明に係る鉄道車両では、併結後車両や併結前車両、最後尾車両の更なる乗り心地の向上が図ることができるようになる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、走行中に発生する編成列車の特に併結車両や最後尾車両の振動に対応し、前記車両の各台車に応じて制振効果の高い制御データを選択して前記各台車の振動を効果的に抑制できるようになり、鉄道車両の乗り心地は更に向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄道車両の振動制御装置の一例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る鉄道車両の振動制御装置の一例を示すフロー図である。
【図3】併結車両、最後尾車両をその他の車両と区別して制御する場合の制御フロー図である。
【図4】H∞制御設計による制御特性の決定フロー図である。
【図5】併結車両における明かり区間とトンネル区間の振動加速度のPSDと周波数の関係を示した図である。
【図6】H∞制御設計に使用する重み関数の説明図である。
【図7】併結車両、最後尾車両をその他の車両と区別し、かつ、トンネル内走行時に切替え制御する場合の制御フロー図である。
【図8】(a)は併結後車両における非併結側台車と併結側台車の説明図、(b)は併結後車両における非併結側台車と併結側台車の制御特性の変更による従来の乗り心地レベルを示した図である。
【図9】ターゲットが2つの場合の重み関数の説明図である。
【図10】併結後車両における非併結側台車と併結側台車の制御特性の変更による本発明の乗り心地レベルを示した図である。
【図11】(a)は鉄道車両における明かり区間とトンネル区間の振動加速度のPSDと周波数の関係を示した図、(b)は最後尾車両と中間車両の振動加速度のPSDと周波数の関係を示した図である。
【図12】併結車両が流線型同士の場合における併結部分に発生する乱気流の説明図である。
【図13】併結車両の揺れを防止するための解決策の一例を説明する図である。
【図14】併結後車両における振動加速度のPSDと周波数の関係を示した図で、(a)は非併結側台車付近、(b)は併結側台車付近である。
【符号の説明】
11 車体
12a 前台車
12b 後台車
14a 空圧シリンダ
14b 空圧シリンダ
15aa 比例圧力制御弁
15ab 比例圧力制御弁
15ba 比例圧力制御弁
15bb 比例圧力制御弁
16a 左右振動加速度計
16b 左右振動加速度計
17a 上下振動加速度計
17b 上下振動加速度計
18 地点検知装置
19 制御器
Claims (5)
- 編成列車に搭載され、鉄道車両の車体と台車間に設置された流体アクチュエータと、この流体アクチュエータを駆動する制御弁と、車体の振動を検知する検知計と、この検知計の出力に基づき前記制御弁への制御入力を決定する制御器から構成され、車体に発生する振動をアクティブに制御する鉄道車両の振動制御装置において、
編成列車中の併結車両を検知し、当該併結車両中の進行方向に向かって後側の車両における各台車の制御を行うにあたり、制振のターゲットとする振動周波数を、進行方向に向かって前側(併結側)の台車と後側(非併結側)の台車とで異ならせるように設定する機能を、前記制御器に持たせたことを特徴とする鉄道車両の振動制御装置。 - 請求項1記載の鉄道車両の振動制御装置において、
併結車両中の進行方向に向かって後側の車両における各台車の制御に加えて、進行方向に向かって前側の車両における各台車の制御も、制振のターゲットとする振動周波数を進行方向に向かって前側(非併結側)の台車と後側(併結側)の台車とで異ならせるように設定する機能を、前記制御器に持たせたことを特徴とする鉄道車両の振動制御装置。 - 編成列車に搭載され、鉄道車両の車体と台車間に設置された流体アクチュエータと、この流体アクチュエータを駆動する制御弁と、車体の振動を検知する検知計と、この検知計の出力に基づき前記制御弁への制御入力を決定する制御器から構成され、車体に発生する振動をアクティブに制御する鉄道車両の振動制御装置において、
最後尾車両を検知し、当該最後尾車両における各台車の制御を行うにあたり、制振のターゲットとする振動周波数を、進行方向に向かって前側の台車と後側の台車とで異ならせるように設定する機能を、前記制御器に持たせたことを特徴とする鉄道車両の振動制御装置。 - 請求項1又は2記載の鉄道車両の振動制御装置において、
併結車両の検知に加えて、最後尾車両も検知し、当該最後尾車両の各台車の制御も、進行方向に向かって前側の台車と後側の台車とで異ならせるように、制振のターゲットとする振動周波数を設定する機能を、前記制御器に持たせたことを特徴とする鉄道車両の振動制御装置。 - 請求項1〜4の何れかに記載の振動制御装置を搭載したことを特徴とする鉄道車両。
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