JP3333628B2 - 鉄道車両の振動制御方法 - Google Patents
鉄道車両の振動制御方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、制御効果の向上を図
った鉄道車両の振動制御方法に関する。
った鉄道車両の振動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両の車体に発生する振動を抑制す
る方法としては、車体と台車の間に振動方向に合わせて
流体作動機構を設置し、該車体の振動に対し逆位相の制
御力を発生させる方法、例えば特開昭56−17754
号「車両の振動制御装置」等が知られている。
る方法としては、車体と台車の間に振動方向に合わせて
流体作動機構を設置し、該車体の振動に対し逆位相の制
御力を発生させる方法、例えば特開昭56−17754
号「車両の振動制御装置」等が知られている。
【0003】その一例を図4(A)、(B)に示す。こ
の装置は、車体19と台車20の間に設置された上下方
向流体作動機構21と左右方向流体作動機構22をサー
ボ弁23で駆動し振動を制御するものである。前記サー
ボ弁23への制御入力は以下のようにして決定される。
の装置は、車体19と台車20の間に設置された上下方
向流体作動機構21と左右方向流体作動機構22をサー
ボ弁23で駆動し振動を制御するものである。前記サー
ボ弁23への制御入力は以下のようにして決定される。
【0004】先ず、車体19に設置された上下方向加速
度計24の出力から積分器26、位相進み要素27、ゲ
イン要素28から構成される振動制御器29を用いて振
動に対する制御入力を決定する。
度計24の出力から積分器26、位相進み要素27、ゲ
イン要素28から構成される振動制御器29を用いて振
動に対する制御入力を決定する。
【0005】一方、車体19に設置された左右方向加速
度計25の出力から、遠心加速度に対応する周波数0.
3Hz以下の加速度成分を検出するローパスフィルタ3
0、該ローパスフィルタ30での位相遅れを補償する位
相進み要素31、ゲイン要素32から構成される遠心加
速度補償器33を用いて遠心加速度に対する制御入力を
決定する。なお、図中の34は流体源である。
度計25の出力から、遠心加速度に対応する周波数0.
3Hz以下の加速度成分を検出するローパスフィルタ3
0、該ローパスフィルタ30での位相遅れを補償する位
相進み要素31、ゲイン要素32から構成される遠心加
速度補償器33を用いて遠心加速度に対する制御入力を
決定する。なお、図中の34は流体源である。
【0006】前記のような振動制御装置を構成すること
により、軌道狂いが原因となって発生する振動の逓減を
同時に行なうことができる。更に、フィードバック制御
において、影響の大きい流体作動系の応答遅れや制御力
の演算による遅れを補償するための方法として特開昭6
3−315367号「車両の振動制御装置」がある。
により、軌道狂いが原因となって発生する振動の逓減を
同時に行なうことができる。更に、フィードバック制御
において、影響の大きい流体作動系の応答遅れや制御力
の演算による遅れを補償するための方法として特開昭6
3−315367号「車両の振動制御装置」がある。
【0007】この装置は図5に示すように、車体19と
台車20との間に設置された流体作動機構35を駆動し
て振動を制御するものであるが、前記特開昭56−17
754号のように車体の振動を検知計で検知してフィー
ドバックするのではなく、軌道位置検出装置36で検出
した車両の軌道上位置における軌道凹凸不整量を軌道情
報装置37により出力し、軌道と台車間の振動伝達関数
Fと、台車と車体間の振動伝達関数Hと制御弁における
制御電流と車体変位間の制御伝達関数Gの比H/Gとの
積F・H/Gからなる信号を出力する予見補償回路38
により制御演算をし、制御が行なわれるのである。この
装置によれば、遅れの少ない効果的な振動抑制を図るこ
とができる。
台車20との間に設置された流体作動機構35を駆動し
て振動を制御するものであるが、前記特開昭56−17
754号のように車体の振動を検知計で検知してフィー
ドバックするのではなく、軌道位置検出装置36で検出
した車両の軌道上位置における軌道凹凸不整量を軌道情
報装置37により出力し、軌道と台車間の振動伝達関数
Fと、台車と車体間の振動伝達関数Hと制御弁における
制御電流と車体変位間の制御伝達関数Gの比H/Gとの
積F・H/Gからなる信号を出力する予見補償回路38
により制御演算をし、制御が行なわれるのである。この
装置によれば、遅れの少ない効果的な振動抑制を図るこ
とができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭56−17
754号等の振動制御装置は、制御車両自体の振動を検
知してフィードバック信号により振動制御を行なうた
め、その振動の検知信号に基づいて演算して得た制御信
号を流体作動機構へ出力して制御力が発生するから、制
御器における演算時間や流体作動機構の動作遅れ等によ
って、実際の振動に対し遅れた制御力しか得られないた
め、制御効果に限界がある。
754号等の振動制御装置は、制御車両自体の振動を検
知してフィードバック信号により振動制御を行なうた
め、その振動の検知信号に基づいて演算して得た制御信
号を流体作動機構へ出力して制御力が発生するから、制
御器における演算時間や流体作動機構の動作遅れ等によ
って、実際の振動に対し遅れた制御力しか得られないた
め、制御効果に限界がある。
【0009】また、特開昭63−315367号の振動
制御装置は、軌道の不整を予め制御入力として保有して
おき、該軌道不整量を用いて車体に生じる振動を予知
し、この振動を抑制する制御出力によって遅れのない制
御を行なうものであるが、実際の車体振動を全く検知せ
ずに制御するため、軌道と車体間の伝達関数が不正確で
あったり、軌道不整が経年変化した場合には制御効果が
悪化する。また、軌道不整による外乱を正確に検出する
ことは困難であり、更に流体作動機構の動作遅れが大き
いと制御効果は減少する。
制御装置は、軌道の不整を予め制御入力として保有して
おき、該軌道不整量を用いて車体に生じる振動を予知
し、この振動を抑制する制御出力によって遅れのない制
御を行なうものであるが、実際の車体振動を全く検知せ
ずに制御するため、軌道と車体間の伝達関数が不正確で
あったり、軌道不整が経年変化した場合には制御効果が
悪化する。また、軌道不整による外乱を正確に検出する
ことは困難であり、更に流体作動機構の動作遅れが大き
いと制御効果は減少する。
【0010】この発明は、前記のごとく従来の振動制御
装置に見られる欠点を除くため、一編成の前方車両の車
体振動を後方の制御車両の制御器に予見信号として入力
することにより、効果的な制御ができる鉄道車両の振動
制御方法を提供するものである。
装置に見られる欠点を除くため、一編成の前方車両の車
体振動を後方の制御車両の制御器に予見信号として入力
することにより、効果的な制御ができる鉄道車両の振動
制御方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の鉄道車両の振動制御方法は、台車と車体
との間の二次ばねに並列して上下方向と左右方向に作用
する流体作動機構を設置し、車体に設けた振動検知計の
検出信号に基づいて、制御器内で車体の振動防止に必要
な制御力を演算し、求めた制御信号を前記流体作動機構
に出力して制御する方法において、一編成の前方車両の
車体振動を後方の制御車両の制御器に予見信号として入
力し振動を制御する。
め、この発明の鉄道車両の振動制御方法は、台車と車体
との間の二次ばねに並列して上下方向と左右方向に作用
する流体作動機構を設置し、車体に設けた振動検知計の
検出信号に基づいて、制御器内で車体の振動防止に必要
な制御力を演算し、求めた制御信号を前記流体作動機構
に出力して制御する方法において、一編成の前方車両の
車体振動を後方の制御車両の制御器に予見信号として入
力し振動を制御する。
【0012】また、前記振動制御方法において、一編成
の前方車両と後方の制御車両の同じ側の台車中心間距離
をその時々の走行速度を用いて伝達時間に換算し、該伝
達時間経過した時点を制御車両において振動が発生する
時点とし、該時点より流体作動機構や制御機器での演算
時間等による制御系の遅れ時間だけ早めて制御系の遅れ
を補償し制御車両の制御系に制御信号を出力して振動を
制御する。
の前方車両と後方の制御車両の同じ側の台車中心間距離
をその時々の走行速度を用いて伝達時間に換算し、該伝
達時間経過した時点を制御車両において振動が発生する
時点とし、該時点より流体作動機構や制御機器での演算
時間等による制御系の遅れ時間だけ早めて制御系の遅れ
を補償し制御車両の制御系に制御信号を出力して振動を
制御する。
【0013】更に、前記振動制御方法において、一編成
の前方車両と後方の制御車両の同じ側の台車中心間距離
をその時々の走行速度を用いて伝達時間に換算し、該伝
達時間経過した時点を制御車両において振動が発生する
時点とし、該時点より流体作動機構や制御機器での演算
時間等による制御系の遅れ時間だけ早めて制御系の遅れ
を補償することと、制御車両自体の振動検出信号とを組
み合せて求めた制御信号を制御車両の制御系に出力して
振動を制御する。
の前方車両と後方の制御車両の同じ側の台車中心間距離
をその時々の走行速度を用いて伝達時間に換算し、該伝
達時間経過した時点を制御車両において振動が発生する
時点とし、該時点より流体作動機構や制御機器での演算
時間等による制御系の遅れ時間だけ早めて制御系の遅れ
を補償することと、制御車両自体の振動検出信号とを組
み合せて求めた制御信号を制御車両の制御系に出力して
振動を制御する。
【0014】
【作用】この発明の振動制御方法を実施するための装置
を概念的に示した図1に基づいて、この発明の作用を説
明する。この発明は、一編成の前方車両の車体振動を後
方の制御車両の制御器に予見信号として入力し振動を制
御することを基本構成とし、図1には前方車両6に予見
用振動検知計1を、制御車両7にフィードバック用振動
検知計2を設けているが、これらの振動検知計1、2は
通常の車体振動制御装置用として設置されている車体左
右側の上下方向振動検知計と車体中央の左右方向振動検
知計から構成されているものを概念的に示している。
を概念的に示した図1に基づいて、この発明の作用を説
明する。この発明は、一編成の前方車両の車体振動を後
方の制御車両の制御器に予見信号として入力し振動を制
御することを基本構成とし、図1には前方車両6に予見
用振動検知計1を、制御車両7にフィードバック用振動
検知計2を設けているが、これらの振動検知計1、2は
通常の車体振動制御装置用として設置されている車体左
右側の上下方向振動検知計と車体中央の左右方向振動検
知計から構成されているものを概念的に示している。
【0015】列車は同じ軌道上を走行するので、軌道の
狂いにより発生する車体振動は、一編成内の各車両でほ
ぼ同じであり、予見用振動検知計1の検知信号を制御車
両7の制御器4に入力して制御車両7に生じる振動を予
知することができる。すなわち、前方車両6の予見用振
動検知計1と制御車両7のフィードバック用振動検知計
2との距離L、そのときの車両の走行速度Vにより、下
記1式で求まる時間を遅延時間T1として制御車両7に
生じる振動の発生時点を予見する。
狂いにより発生する車体振動は、一編成内の各車両でほ
ぼ同じであり、予見用振動検知計1の検知信号を制御車
両7の制御器4に入力して制御車両7に生じる振動を予
知することができる。すなわち、前方車両6の予見用振
動検知計1と制御車両7のフィードバック用振動検知計
2との距離L、そのときの車両の走行速度Vにより、下
記1式で求まる時間を遅延時間T1として制御車両7に
生じる振動の発生時点を予見する。
【0016】
【数1】
【0017】また、制御車両7の流体作動機構の動作遅
れ時間T2だけ遅延時間T1より差し引いて流体作動機構
の動作遅れ時間を補償することにより、制御性能の向上
が図れる。これらの遅延時間T1と動作遅れ時間T2は遅
延補償器3により演算し、その遅延補償器3からの出力
を制御器4に入力し、ここで制御演算を行ない、その結
果を制御弁5に出力して制御車両7の各流体作動機構へ
の流出入量を制御し、流体作動機構に制御力を発生さ
せ、車体の振動を低減する。
れ時間T2だけ遅延時間T1より差し引いて流体作動機構
の動作遅れ時間を補償することにより、制御性能の向上
が図れる。これらの遅延時間T1と動作遅れ時間T2は遅
延補償器3により演算し、その遅延補償器3からの出力
を制御器4に入力し、ここで制御演算を行ない、その結
果を制御弁5に出力して制御車両7の各流体作動機構へ
の流出入量を制御し、流体作動機構に制御力を発生さ
せ、車体の振動を低減する。
【0018】前記のごとく、前方車両6の予見用振動検
知計1による予見信号のみで制御車両7の振動制御を行
なうと、走行速度Vの変化や伝送ノイズの影響を受ける
可能性があるため、制御車両7のフィードバック用振動
検知計2によるフィードバック信号を併用して制御する
ことができる。このときフィードバック信号Sfと遅れ
補償後の予見信号Spとは下記2式のように組み合せる
ことができる。
知計1による予見信号のみで制御車両7の振動制御を行
なうと、走行速度Vの変化や伝送ノイズの影響を受ける
可能性があるため、制御車両7のフィードバック用振動
検知計2によるフィードバック信号を併用して制御する
ことができる。このときフィードバック信号Sfと遅れ
補償後の予見信号Spとは下記2式のように組み合せる
ことができる。
【0019】S=a・Sf+b・Sp 2式 ただし、a+b=1
【0020】前記2式において、a=1のときは完全な
フィードバック制御となり、またb=1のときは予見信
号のみの制御となる。
フィードバック制御となり、またb=1のときは予見信
号のみの制御となる。
【0021】前記a、bの値は、通常それぞれ0.5程
度でよいが、前方車両と制御車両との振動特性が異なる
場合には、a>bとしてフィードバック制御を主体とし
た制御が望ましい。また、流体作動機構の動作遅れが大
きい場合には、a<bとして予見制御を主体とした制御
を行なう。なお、流体作動機構の遅れ補償時間T2は空
圧アクチュエータの場合には50〜250m・sec程
度がよい。そして、制御器の演算時間による遅れが大き
い場合には、その時間も遅れ補償時間T2に含める。
度でよいが、前方車両と制御車両との振動特性が異なる
場合には、a>bとしてフィードバック制御を主体とし
た制御が望ましい。また、流体作動機構の動作遅れが大
きい場合には、a<bとして予見制御を主体とした制御
を行なう。なお、流体作動機構の遅れ補償時間T2は空
圧アクチュエータの場合には50〜250m・sec程
度がよい。そして、制御器の演算時間による遅れが大き
い場合には、その時間も遅れ補償時間T2に含める。
【0022】更に、前方車両と制御車両との振動特性が
明らかに異なる場合は、それぞれの車両における軌道狂
いZ0から車体振動ZBへの伝達関数を実験または計算に
より求めておくと、前方車両の振動ZBpから推定される
制御車両の振動ZBfは下記3式で求められる。この振動
ZBfを信号として用いることにより、より正確な予見制
御を行なうことができる。
明らかに異なる場合は、それぞれの車両における軌道狂
いZ0から車体振動ZBへの伝達関数を実験または計算に
より求めておくと、前方車両の振動ZBpから推定される
制御車両の振動ZBfは下記3式で求められる。この振動
ZBfを信号として用いることにより、より正確な予見制
御を行なうことができる。
【0023】
【数2】
【0024】
【数3】
【0025】この発明の振動制御方法は、曲線路ばかり
でなく平坦路線でも実施することができ、いかなる軌道
においても車体振動を正確に予知し、また流体作動機構
の動作遅れや制御機器での演算時間等による制御系の遅
れを補償して、常に効果的な振動制御ができる。
でなく平坦路線でも実施することができ、いかなる軌道
においても車体振動を正確に予知し、また流体作動機構
の動作遅れや制御機器での演算時間等による制御系の遅
れを補償して、常に効果的な振動制御ができる。
【0026】
【実施例】この発明の振動制御方法を実施するための振
動制御装置を設置した車両例を図2、図3について説明
する。制御車両7に対する前方車両6の前後台車に設け
た予見用振動検知計16を制御車両7の遅延補償器を付
設した制御器14に接続し、予見用振動検知計16から
の検知信号を遅延補償器を介して制御器14に入力し制
御演算するように設ける。また、制御車両7の前後台車
に設けたフィードバック用振動検知計17のフィードバ
ック信号を制御器14に入力するように接続する。前記
予見用振動検知計16及びフィードバック用振動検知計
17は、前記したように、いずれも左右一対の上下方向
振動検知計10と一つの左右方向振動検知計9からな
る。その具体例を制御車両7について図3に示す。
動制御装置を設置した車両例を図2、図3について説明
する。制御車両7に対する前方車両6の前後台車に設け
た予見用振動検知計16を制御車両7の遅延補償器を付
設した制御器14に接続し、予見用振動検知計16から
の検知信号を遅延補償器を介して制御器14に入力し制
御演算するように設ける。また、制御車両7の前後台車
に設けたフィードバック用振動検知計17のフィードバ
ック信号を制御器14に入力するように接続する。前記
予見用振動検知計16及びフィードバック用振動検知計
17は、前記したように、いずれも左右一対の上下方向
振動検知計10と一つの左右方向振動検知計9からな
る。その具体例を制御車両7について図3に示す。
【0027】制御車両7の車体と台車8との間には、左
右の二次ばね13に並列して上下方向流体作動機構11
と中央に左右方向流体作動機構12が設けられている。
また、車体には左右両側に上下方向振動検知計10と中
央に左右方向振動検知計9が設置されている。これらの
振動検知計はいずれもその検知信号を前記制御器14に
入力するように接続されており、図2に示すフィードバ
ック用振動検知計17を構成するものである。上下方向
流体作動機構11は、制御器14からの制御信号により
開閉する制御弁15、15を介して動作し、また同様
に、左右方向流体作動機構12は、制御弁18、18を
介して動作するように構成されている。なお、前方車両
6の予見用振動検知計16も前記制御車両7のフィード
バック用振動検知計17と同様に左右両側の上下方向振
動検知計10と中央の左右方向振動検知計9から構成さ
れている。また、前方車両6及び制御車両7に設けた各
台車に対する上下方向振動検知計10と左右方向振動検
知計9は通常の車体傾斜制御のため各車両ごとに単独に
使用することができる。
右の二次ばね13に並列して上下方向流体作動機構11
と中央に左右方向流体作動機構12が設けられている。
また、車体には左右両側に上下方向振動検知計10と中
央に左右方向振動検知計9が設置されている。これらの
振動検知計はいずれもその検知信号を前記制御器14に
入力するように接続されており、図2に示すフィードバ
ック用振動検知計17を構成するものである。上下方向
流体作動機構11は、制御器14からの制御信号により
開閉する制御弁15、15を介して動作し、また同様
に、左右方向流体作動機構12は、制御弁18、18を
介して動作するように構成されている。なお、前方車両
6の予見用振動検知計16も前記制御車両7のフィード
バック用振動検知計17と同様に左右両側の上下方向振
動検知計10と中央の左右方向振動検知計9から構成さ
れている。また、前方車両6及び制御車両7に設けた各
台車に対する上下方向振動検知計10と左右方向振動検
知計9は通常の車体傾斜制御のため各車両ごとに単独に
使用することができる。
【0028】実施例1 前記図2、図3に示す振動制御装置を有する一編成の列
車において、制御車両7に対する前方車両6の予見用振
動検知計16で検知した車両左右側の上下方向振動及び
車両中央の左右方向振動は、予見信号として制御器14
に入力する。そして、制御器内で車体の振動防止に必要
な制御力を演算し、求めた制御信号を制御車両7の前記
制御弁15、18に出力して弁を開閉して流出入量を制
御し、当該上下方向流体作動機構11及び左右方向流体
作動機構12に制御力を発生させ、車体の振動を低減す
る。
車において、制御車両7に対する前方車両6の予見用振
動検知計16で検知した車両左右側の上下方向振動及び
車両中央の左右方向振動は、予見信号として制御器14
に入力する。そして、制御器内で車体の振動防止に必要
な制御力を演算し、求めた制御信号を制御車両7の前記
制御弁15、18に出力して弁を開閉して流出入量を制
御し、当該上下方向流体作動機構11及び左右方向流体
作動機構12に制御力を発生させ、車体の振動を低減す
る。
【0029】実施例2 また、制御車両7に対する前方車両6の予見用振動検知
計16で検知した車両左右側の上下方向振動及び車両中
央の左右方向振動は、予見信号として制御器14に入力
するが、この際前方車両6と後方の制御車両7の中心間
距離Lをその時々の走行速度Vを用いて伝達時間に換算
する。すなわち、前記1式で求まる伝達時間を遅延時間
T1として制御車両7に生じる振動の発生時点とする。
なお、この予見信号は制御器内に入力して演算処理する
前に遅延補償器に通して、各流体作動機構や制御機器で
の演算時間等による制御系の遅れ時間だけ早めて制御系
の遅れを補償したのち、演算して制御車両の制御系に制
御信号を出力して振動を制御する。
計16で検知した車両左右側の上下方向振動及び車両中
央の左右方向振動は、予見信号として制御器14に入力
するが、この際前方車両6と後方の制御車両7の中心間
距離Lをその時々の走行速度Vを用いて伝達時間に換算
する。すなわち、前記1式で求まる伝達時間を遅延時間
T1として制御車両7に生じる振動の発生時点とする。
なお、この予見信号は制御器内に入力して演算処理する
前に遅延補償器に通して、各流体作動機構や制御機器で
の演算時間等による制御系の遅れ時間だけ早めて制御系
の遅れを補償したのち、演算して制御車両の制御系に制
御信号を出力して振動を制御する。
【0030】実施例3 更に、前方車両6と後方の制御車両7の中心間距離Lを
その時々の走行速度Vを用いて伝達時間に換算し、その
伝達時間を遅延時間T1として制御車両7に生じる振動
の発生時点とし、該時点より流体作動機構や制御機器で
の演算時間等による制御系の遅れ時間だけ早めて制御系
の遅れを補償した予見信号Spと、制御車両自体のフィ
ードバック信号Sfとを組み合せて前記2式で求めた制
御信号Sを制御車両7の制御系に出力して振動を制御す
る。
その時々の走行速度Vを用いて伝達時間に換算し、その
伝達時間を遅延時間T1として制御車両7に生じる振動
の発生時点とし、該時点より流体作動機構や制御機器で
の演算時間等による制御系の遅れ時間だけ早めて制御系
の遅れを補償した予見信号Spと、制御車両自体のフィ
ードバック信号Sfとを組み合せて前記2式で求めた制
御信号Sを制御車両7の制御系に出力して振動を制御す
る。
【0031】
【発明の効果】この発明の振動制御方法によれば、いか
なる軌道においても車体振動を正確に予知し、また流体
作動機構の動作遅れや制御機器での演算時間等による制
御系の遅れを補償して、常に効果的な振動制御ができ
る。
なる軌道においても車体振動を正確に予知し、また流体
作動機構の動作遅れや制御機器での演算時間等による制
御系の遅れを補償して、常に効果的な振動制御ができ
る。
【図1】この発明の鉄道車両の振動制御方法を実施する
ための基本構成を示す説明図である。
ための基本構成を示す説明図である。
【図2】この発明の鉄道車両の振動制御方法を実施する
ための具体的装置例を示す説明図である。
ための具体的装置例を示す説明図である。
【図3】図2の制御車両を正面から見て制御系を示した
説明図である。
説明図である。
【図4】(A)は従来の鉄道車両の振動制御装置の一例
を示す説明図、(B)はその振動制御装置の制御ブロッ
ク図である。
を示す説明図、(B)はその振動制御装置の制御ブロッ
ク図である。
【図5】従来の他の鉄道車両の振動制御装置における制
御回路を示す説明図である。
御回路を示す説明図である。
1、16 予見用振動検知計 2、17 フィードバック用振動検知計 3 遅延補償器 4、14 制御器 5、15、18 制御弁 6 前方車両 7 制御車両 8 台車 9 左右方向振動検知計 10 上下方向振動検知計 11 上下方向流体作動機構 12 左右方向流体作動機構 13 二次ばね 19 車体 20 台車 21 上下方向流体作動機構 22 左右方向流体作動機構 23 サーボ弁 24 上下方向加速度計 25 左右方向加速度計 26 積分器 27、31 位相進み要素 28、32 ゲイン要素 29 振動制御器 30 ローパスフィルタ 33 遠心加速度補償器 34 流体源 35 流体作動機構 36 軌道位置検出装置 37 軌道情報装置 38 予見補償回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−102771(JP,A) 特開 昭56−17754(JP,A) 特開 昭63−315367(JP,A) 特開 平1−269666(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61F 5/24
Claims (3)
- 【請求項1】 台車と車体との間の二次ばねに並列して
上下方向と左右方向に作用する流体作動機構を設置し、
車体に設けた振動検知計の検出信号に基づいて、制御器
内で車体の振動防止に必要な制御力を演算し、求めた制
御信号を前記流体作動機構に出力して制御する方法にお
いて、一編成の前方車両の車体振動を後方の制御車両の
制御器に予見信号として入力し振動を制御する鉄道車両
の振動制御方法。 - 【請求項2】 台車と車体との間の二次ばねに並列して
上下方向と左右方向に作用する流体作動機構を設置し、
車体に設けた振動検知計の検出信号に基づいて、制御器
内で車体の振動防止に必要な制御力を演算し、求めた制
御信号を前記流体作動機構に出力して制御する方法にお
いて、一編成の前方車両と後方の制御車両の同じ側の台
車中心間距離をその時々の走行速度を用いて伝達時間に
換算し、該伝達時間経過した時点を制御車両において振
動が発生する時点とし、該時点より流体作動機構や制御
機器での演算時間等による制御系の遅れ時間だけ早め
て、制御系の遅れを補償し、制御車両の制御系に制御信
号を出力して振動を制御する鉄道車両の振動制御方法。 - 【請求項3】 台車と車体との間の二次ばねに並列して
上下方向と左右方向に作用する流体作動機構を設置し、
車体に設けた振動検知計の検出信号に基づいて、制御器
内で車体の振動防止に必要な制御力を演算し、求めた制
御信号を前記流体作動機構に出力して制御する方法にお
いて、一編成の前方車両と後方の制御車両の同じ側の台
車中心間距離をその時々の走行速度を用いて伝達時間に
換算し、該伝達時間経過した時点を制御車両において振
動が発生する時点とし、該時点より流体作動機構や制御
機器での演算時間等による制御系の遅れ時間だけ早めて
制御系の遅れを補償することと、制御車両自体の振動検
出信号とを組み合せて求めた制御信号を制御車両の制御
系に出力して振動を制御する鉄道車両の振動制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08226794A JP3333628B2 (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 鉄道車両の振動制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08226794A JP3333628B2 (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 鉄道車両の振動制御方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07267085A JPH07267085A (ja) | 1995-10-17 |
JP3333628B2 true JP3333628B2 (ja) | 2002-10-15 |
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ID=13769713
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08226794A Expired - Fee Related JP3333628B2 (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 鉄道車両の振動制御方法 |
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JP (1) | JP3333628B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP3966050B2 (ja) * | 2002-04-10 | 2007-08-29 | 住友金属工業株式会社 | 鉄道車両の振動制御装置及び鉄道車両 |
JP2009023475A (ja) * | 2007-07-19 | 2009-02-05 | Kayaba Ind Co Ltd | 鉄道車両のサスペンション制御装置 |
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-
1994
- 1994-03-28 JP JP08226794A patent/JP3333628B2/ja not_active Expired - Fee Related
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