JP2983516B2 - 編成列車の車体傾斜制御装置 - Google Patents

編成列車の車体傾斜制御装置

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JP2983516B2
JP2983516B2 JP10119472A JP11947298A JP2983516B2 JP 2983516 B2 JP2983516 B2 JP 2983516B2 JP 10119472 A JP10119472 A JP 10119472A JP 11947298 A JP11947298 A JP 11947298A JP 2983516 B2 JP2983516 B2 JP 2983516B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両の編成列
車における車体傾斜制御装置に関し、曲線走行時に車体
を傾斜して、たとえば乗客に作用する遠心力に起因した
床面平行成分である横方向の力を感じさせないようにし
て乗り心地を向上することができる編成列車の車体傾斜
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両が線路の曲線を走行していると
きには、遠心力が作用するので、車体内の乗客は、横方
向加速度、したがって横方向の力を感じることになる。
遠心力は、曲率半径1/ρに反比例し、車体速度vの2
乗に比例するので、急曲線を高速度で走行する車両で
は、乗り心地が非常に悪くなる。
【0003】従来から、曲線ではカントを付け、車体を
傾斜させることによって、重力の床面平行成分と遠心力
の床面平行成分とを釣り合わせており、体感される横方
向加速度を打ち消そうとしている。車体を傾斜すると、
遠心力と重力の床面に対する成分が上述のように釣り合
い、床面には、横方向加速度は作用しない。このとき、
乗客は体重が増加したと感じるだけであって、横方向の
力を感じないので、乗り心地が向上する。ところが遠心
力は車体速度に依存する。したがって全ての運転速度に
対して、横方向加速度を適切に打ち消すことはできな
い。特に高速走行を行う鉄道車両では、カントが不足す
る。
【0004】典型的な先行技術は、特開平8−1753
85である。この先行技術は、編成車両で構成される鉄
道車両の車体傾斜を制御する装置において、走行地点を
検出する親局と、車体傾斜の操作量を演算して出力する
子局と、車両状態を諸センサで検出し車高サーボを実施
する孫局との合計3つの構成要素を含む。親局と孫局と
は、一編成中の複数の車両毎に設けられる。孫局は各車
両毎に設けられる。孫局への子局からの操作量出力は、
通信ラインによって伝送される。こうして親局は、速度
発電機からの信号をカウンタで計数し、列車の走行位置
を検出し、その地点データを各子局に伝送し、子局は、
孫局から伝送される諸センサ値と親局から伝送される地
点データとから、各車両の制御出力を演算し、各孫局に
制御指令を伝達する。孫局は、子局からの制御指令によ
って、各車両の車体を傾斜させる。
【0005】この構成によって、編成列車全体における
構成を簡略化することができ、設備費および施工費の節
減が可能になる。
【0006】またこの先行技術では、親局では、列車の
走行位置を検出し、その地点データを上述のように子局
に伝送するので、その地点データを、大容量のメモリに
予めストアしておく必要がある。さらに列車の走行位置
を検出するので、走行距離が長くなるほど、走行位置の
累積誤差が大きくなる。
【0007】前述のメモリが大容量になるという問題を
解決するとともに、走行位置の誤差が大きくなることに
よって地点データを正確に得ることができないという問
題を解決するために、本件出願人は先に、鉄道車両の車
体傾斜制御のための装置を提案した(特願平8−212
67)。この提案された構成では、ヨーレート情報から
線路の曲線を検出し、その曲線において遠心力をフィー
ドバックすることによって車体の傾斜角を算出し、空気
ばねの強制的な急排気を行うことによって、車体を左右
に傾斜制御する。
【0008】しかし、この提案された技術では、本質的
に、ヨーレートセンサの検出遅れに起因する曲線検知遅
れは補償できず、したがって曲線部への高速突入時に、
たとえば外軌側空気ばねの底づき現象が発生してしま
い、車高制御性能の低下を招いている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、編成
列車の後続車両における乗客などに、遠心力に起因した
横方向の力を感じさせないようにして乗り心地を向上す
る編成列車の車体傾斜制御装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)先頭車
両と、その先頭車両に後続する複数の後続車両とを有
し、これらの各車両は、台車50と、台車50上に旋回
可能に設けられる車体80と、台車50の台車枠9上で
車体80を昇降する左右の空気ばね19,20と、各空
気ばね19,20に圧縮空気を供給または排気して車体
8を左右に傾斜する電磁弁23〜26とを有する編成列
車の車体傾斜制御装置において、 (b)先頭車両に搭載され、線路の曲線を検出する曲線
検出手段であって、先頭車両の車体のヨーイング方向の
角速度ωを検出するヨーレートセンサ10と、先頭車両
の走行速度vを検出する速度センサ11と、ヨーレート
センサ10の出力に応答し、約1Hz付近および約10
Hz以上の範囲の周波数を遮断する複数次のフィルタ3
1と、速度センサ11とフィルタ31との出力に応答
し、線路の曲率ρ(=ω/v)を演算するとともに、さ
らにその曲率ρの時間変化率dρ/dtを演算して、そ
の時間変化率dρ/dtをレベル弁別し、時間変化率d
ρ/dtが予め定める弁別レベルth1以上であると
き、曲線検出信号を導出する曲線検出回路12とを有す
る曲線検出手段が設けられ、 (c)各車両毎に、制御手段33がそれぞれ設けられ、
各制御手段は、車体8の幅方向の床面34に平行な加速
度成分を検出する加速度センサ35と、加速度センサ3
5の出力に応答し、加速度の車体8の床面34に平行な
左右方向の成分がほぼ零となるための車体8の左右の傾
斜角γを算出する傾斜角算出手段38,39と、傾斜角
算出手段38,39の出力に応答し、傾斜角γが達成さ
れるように、前記電磁弁23〜26を制御する電磁弁制
御信号45,46を導出する車高制御手段41と、車高
制御手段41と前記電磁弁23〜26との間に介在さ
れ、曲線検出信号が与えられて導通するゲート14とを
有し、 (d)曲線検出回路12からの曲線検出信号は、先頭車
両のゲート14に直接に与えられ、 (e)各後続車両6,7に遅延回路48,49がそれぞ
れ設けられ、各遅延回路48,49は、曲線検出回路1
2と速度センサ11とからの出力に応答し、曲線検出信
号を、時間(Td−Tp)だけ、遅延して、その遅延回
路に対応するゲート14にそれぞれ与え、第i番目の後
続車両の時間Tdは、車両の総数nとし、速度センサ1
1によって検出される走行速度をvとし、Liを、第i
番目の後続車両6,7が走行方向下流側に隣接する車両
5,6の対応する台車50,50a間の心皿間の走行方
向に沿う距離とするとき、
【数1】 であり、時間Tpは、曲線検出手段による曲線検出遅れ
時間であることを特徴とする編成列車の車体傾斜制御装
置である。
【0011】後述の実施の形態では、後続車両6,7の
構成要素には、先頭車両5の構成要素の参照符に、添え
字a,bを付して表してあるけれども、請求項および上
述の説明では、添え字a,bを省略して数字だけで総括
的に表してある。本発明に従えば、先頭車両に搭載され
た曲線検出手段によって曲線が検出された出力を、遅延
時間(Td−Tp)、遅延して電磁弁を制御するように
したので、複数の後続する各車両毎に、乗客などの重力
の床面平行成分と遠心力の床面平行成分とが釣り合うよ
うにして、乗客などに横方向の力を感じさせないように
することができる。これによって後続の各車両における
乗り心地が向上される。
【0012】こうして先頭車両で検出した曲線に関する
情報を基に、後続車両では、曲線の開始を事前に予見す
ることが可能となる。したがって後続車両では、事前に
車体傾斜制御を行うことができる。したがって車高制御
性能を向上することができる。
【0013】さらに曲線検出手段は、先頭車両にのみ設
けておけばよく、後続車両に設ける必要はないので、設
備費および施工費の低減が図られる。
【0014】また本発明に従えば、曲線検出手段によっ
て線路の曲線が検出されたときにのみ、電磁弁による後
続車両の傾斜駆動を行うようにしたので、後述のように
たとえば外軌側の空気ばねの底づき現象が回避されると
ともに、先頭車両および後続車両における車体のヨーイ
ング方向の固有周波数成分およびノイズに起因して、車
体傾斜駆動手段が不所望に頻繁に傾斜駆動を繰返す動作
を防止することができ、動作の安定性を向上するととも
に、空気ばねに圧縮空気を給気し、または排気する電磁
弁の開閉動作が頻繁に行われず、寿命を長くすることが
できる。
【0015】
【0016】本発明に従えば、線路の曲線を検出するた
めに、ヨーレートセンサによって走行している車両のヨ
ーイング方向の角速度ωを検出するとともに、速度発電
機などの速度センサによって車両の走行速度vを検出
し、こうして得られた角速度ωおよび走行速度vによっ
て予め定める演算式である曲率ρ=角速度ω/走行速度
vに代入することによって、線路の曲率ρを算出するこ
とができる。こうして得られた曲率ρを、予め定める弁
別レベルth1でレベル弁別することによって、走行中
の線路が曲線かまたは直線かを判別することができる。
【0017】こうして走行速度の大小に依存しないでリ
アルタイムで精度よく線路曲率ρを検出することができ
る。したがって先行技術のように膨大な線路データを収
集してメモリにストアする必要がなく、線路データを収
集する作業が不要となり、また大容量のメモリが不要と
なる。またノイズなどに起因した誤動作を防ぐことがで
きる。
【0018】さらにヨーレートセンサによる角速度ωの
検出のために検出遅れ時間が比較的大きい値、たとえば
0.5〜1.0secであっても、後続車両の車体の傾
斜駆動を、実際の線路の曲線走行に正確に対応させて駆
動制御することができる。
【0019】
【0020】本発明では、フィルタが用いられ、これに
よってヨーレートセンサからの出力のノイズを除去す
る。ヨーレートセンサの出力は、線路の曲線形状と走行
速度vとによって異なるけれども、一般的には、たとえ
ば走行速度v=100km/hでは約0.1Hzであ
る。このヨーレートセンサの出力には、そのヨーレート
センサが設けてある先頭車両のヨーイング方向の固有周
波数の成分が混入し、またノイズが混入する。前記固有
周波数は、約1Hzである。ノイズは約10Hz以上の
範囲である。ヨーレートセンサの出力をフィルタに与え
ることによって、前記ノイズを除去することができる。
このフィルタは、線路の形状と走行速度とによって得ら
れる線路の曲線に対応したたとえば約0.1Hzのヨー
レートセンサからの出力を導出し、先頭車両の車体のヨ
ーイング方向の固有周波数成分約1Hz付近および約1
0Hz以上のノイズを遮断するローパス+バンドストッ
プフィルタである。
【0021】フィルタを用いることによって、その時定
数に起因して曲線検出信号が遅延されて各後続車両の制
御手段に与えられることになるけれども、このようなフ
ィルタの時定数に対応して、曲線検出遅れ時間Tpを設
定することによって、後続車両の傾斜駆動を、最適に行
うことができる。
【0022】
【0023】本発明に従えば、フィルタの次数は、複数
であり、これによって次数が大きいほど、減衰量(単位
dB/oct)を大きくして、急峻な周波数特性を得る
ことができる。フィルタの次数が大きくなると、その時
定数が大きくなり、これに応じて、前記曲線検出遅れ時
間Tpを大きく設定する。これによって後続車両の傾斜
駆動を最適に行うことができる。
【0024】
【0025】本発明に従えば、各後続車両を左右に傾斜
駆動するために、空気ばねと、その空気ばねに圧縮空気
を供給しまたは排気する電磁弁とが設けられ、各後続車
両には、車体の床面に平行な加速度を検出する加速度セ
ンサが設けられ、その床面に平行な加速度が零となるよ
うに車体を傾斜角γを算出し、車高制御手段によって電
磁弁を開閉制御する。こうして各後続車両の構成が異な
っていても、また乗客などの荷重が後続の各車両毎に異
なっていても、各後続車両の乗客は、横方向の力を感じ
ないようにして、乗り心地を向上することができる。
【0026】さらに本発明に従えば、ゲート14は、曲
線検出時にのみ導通され、すなわち曲線が検出されてい
るときにのみ、電磁弁が開閉制御される。したがって直
線走行時などに、電磁弁が不所望に開閉制御されるおそ
れがなく、動作が安定し、また電磁弁の寿命を長くする
ことができる。また本発明は、フィルタは、5次または
6次のフィルタであることを特徴とする。本発明に従え
ば、フィルタは5次または6次の高次のフィルタであ
り、したがって減衰量を大きくして、急峻な周波数特性
を得ることができて好ましく、したがって先頭車両のヨ
ーイング方向の固有周波数の成分である約1Hzが除去
され、またノイズである約10Hz以上の範囲の成分が
除去されて好ましい。このような高次のフィルタでは、
曲線検出遅れ時間Tpが大きくなるけれども、本発明で
は、このような曲線検出遅れ時間Tpに拘わらず、後続
車両の乗客が横方向の力を感じないようにして、乗り心
地を向上することが確実に可能になる。また本発明は、
各後続車両の前記距離Liが等しく、第i番目の後続車
両の前記時間Tdを、Td1とするとき、各遅延回路4
8,49における第i番目の後続車両の前記時間Td
は、Td=i・Td1に定められることを特徴とする。
本発明に従えば、第i番目の後続車両の前記時間Tdの
演算が容易に定められ、構成の簡略化を図ることができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
全体の構成を簡略化して示すブロック図である。1つの
編成列車4は、先頭車両5である1号車と複数(たとえ
ば2)の後続車両である2号車6と3号車7とが連結さ
れる。後続車両は、3以上であってもよい。先頭車両5
および後続車両6,7は、類似の構造を有し、後続車両
の構成要素には先頭車両5の対応する部分の数字に添え
字a,bを付して示し、総括的には、これらの添え字
a,bを省略して示すことがある。先頭車両5および後
続車両6,7は、台車50上に車体8が旋回することが
できるように支持されて構成される。台車50は、左右
の車輪17,18と、それらを支持する台車枠9と、台
車枠9上で車体8を支持する左右の空気ばね19,20
とを備える。車体8は、空気ばね19,20によって緩
衝されて台車50に支持されるとともに、車体8を左右
に傾斜するように車高を制御することができる。
【0028】図2は、先頭車両5に関連する構成を示す
ブロック図である。一対のレール27は、線路28の曲
線でカントC1(次の図3参照)を有し、水平面に対す
るレール面傾斜角は図2において参照符αで示されてい
る。レール27によって台車50の車輪17,18が案
内される。車輪17,18の回転速度に対応した電圧を
導出する速度発電機などの速度センサ11は、ライン2
9を介して車両の速度を表す信号を導出して曲線検出回
路12に与える。
【0029】車体8には、その車体8のヨーイング方向
の角速度ωを検出するヨーレートジャイロなどのヨーレ
ートセンサ10が備えられる。ヨーレートセンサ10か
らの出力は、ライン30を介して曲線検出回路12に与
えられる。ライン30には、フィルタ31が設けられ
る。このフィルタ31は、複数次、たとえば5次ないし
6次のローパス+バンドストップフィルタであり、その
遮断周波数は約1Hz付近および約10Hz以上であ
る。このフィルタ31によって、ヨーレートセンサ10
からの線路28の形状および走行速度v、たとえば10
0km/hに依存するたとえば約0.1Hzの角速度ω
を表す信号だけが曲線検出回路12に与えられ、車体8
のヨーイング方向のたとえば約1Hzの固有周波数の成
分を除去するとともに、約10Hz以上のノイズを除去
することができる。
【0030】曲線検出回路12は、線路28の曲率ρ
(=ω/v)を演算するとともに、さらにその曲率ρの
時間変化率である微分値dρ/dtを演算して、後述の
図6に関連して述べるようにレベル弁別し、曲線を検出
して、その出力をライン32に導出する。
【0031】制御手段33において、車体8の床面34
には、加速度センサ35が設けられる。この加速度セン
サ35は、車体8の幅方向(すなわち走行方向に垂直方
向、図2の左右方向)の床面34に平行な加速度成分
を、検出する。この加速度センサ35の出力は、ライン
36を介してフィルタ37に与えられ、ノイズなどが除
去され、傾斜角算出手段38に与えられる。この傾斜角
算出手段38には、加速度指令値設定手段39からの加
速度指令値を表す信号が与えられる。この加速度指令値
は、加速度の車体8の床面34に平行な左右方向の成分
がほぼ零となるための値である。傾斜角算出手段38
は、加速度センサ35によって検出される加速度がほぼ
零となるための車体8の左右の傾斜角γを算出してライ
ン40に与える。
【0032】台車枠9と車体8との間に、後述の図7に
示されるように、車高検出手段42,43が設けられ、
車体8の左右の車高情報が得られる。この車高情報は、
ライン44を介して、前述のライン40からの傾斜角γ
を表す信号とともに、車高制御手段41に与えられる。
車高制御手段41は、傾斜角γが達成されるように、空
気ばね19,20の空気圧を供給/排出するための左右
の電磁弁制御信号をライン45,46にそれぞれ導出す
る。
【0033】ライン45,46には、スイッチング手段
であるゲート14が設けられる。ゲート14は、ライン
32からの曲線検出信号に応答し、曲線が検出されたと
きにのみ、導通状態となり、これによって空気ばね1
9,20の膨張収縮が制御されることになる。
【0034】図3は、先頭車両5の曲線走行状態を示す
簡略化した断面図である。線路28のカントは参照符C
1で示されている。図3の参照符8で示される車体の姿
勢は、傾斜制御が行われた状態を示しており、床面34
上の乗客には、遠心力Fの床面平行成分Fcosβが作用
する。その乗客には、重力をmとするとき、重力の床面
平行成分mg・sinβが作用する。ここでgは重力加速
度である。参照符48は、車体の傾斜制御が行われず、
床面34が水平面に対してレール面傾斜角αと同一であ
る状態を示している。
【0035】乗客が、横方向の力を感じないようにして
乗り心地を向上するには、 mg・sinβ = F・cosβ …(1) が成立する必要がある。ここで β = α+γ …(2) である。傾斜角γは、乗客の重力mgの鉛直方向が床面
34に垂直な直線47と成す角度である。カントC1に
対応したレール面傾斜角αを、角度βから差し引いた傾
斜角γ(=β−α)は、乗客に横方向の力を感じさせな
いために必要な空気ばね19,20によって達成される
べき傾斜角である。
【0036】図4(a)は鉄道線路の平面形状の一例を
示す平面図であり、図4(b)は図4(a)に対応する
曲率ρを示すグラフ、図4(c)は図4(a)に対応す
る曲率微分dρ/dtを示すグラフである。図4(a)
において、鉄道車両1が鉄道線路5を地点A〜地点Dの
順番で通過しており、鉄道線路28は、図4(b)に示
すように、1)地点Aから手前は曲率ρ=0である直線
部分、2)地点A〜地点Bの範囲は曲率ρが0から徐々
に変化する入口緩和曲線部分、3)地点B〜地点Cの範
囲は一定の曲率ρを持つ本曲線部分、4)地点C〜地点
Dの範囲は曲率ρが一定値から0に向けて徐々に変化す
る出口緩和曲線部分、5)地点Dから以降は曲率ρ=0
である直線部分、となる形状を例示している。
【0037】図4(b)に示すように、線路状態に応じ
た区間を特定するために、入口緩和曲線部分で閾値th
1が設定され、出口緩和曲線部分で閾値th2が設定さ
れている。
【0038】図4(c)は、図4(b)のグラフを微分
したものであり、曲率ρが時間変化しない範囲、すなわ
ち地点Aの手前、地点B〜地点C、および地点D以降に
おいて曲率微分dρ/dt=0となる。また、地点A〜
地点Bにおいて上に凸のピークが現われ、地点C〜地点
Dにおいて下に凸のピークが現われる。
【0039】図4(c)においても同様に、線路状態に
応じた区間を特定するために、入口緩和曲線部分で閾値
th3が設定され、出口緩和曲線部分で閾値th4が設
定されている。
【0040】図5は、横軸に曲率ρ、縦軸に曲率微分d
ρ/dtをとって2次元表示したグラフである。曲率ρ
に関して、正および負の閾値th1、th2がそれぞれ
設定されており、閾値th1、th2は必ずしも一致し
ていなくてもよい。また、曲率微分dρ/dtに関し
て、閾値Th3、th4が設定されている。
【0041】このグラフにおいて、1)−th1<ρ<
th1、または−th2<ρ<th2の領域は直線、
2)ρ≧th1、およびdρ/dt≧th3の領域は右
入口緩和曲線、3)ρ≧th1、ρ≧th2およびth
3<dρ/dt<th4の領域は右本曲線、4)ρ≧t
h2、およびdρ/dt≦th4の領域は右出口緩和曲
線、5)ρ≦−th1、およびdρ/dt≧th3の領
域は左入口緩和曲線、6)ρ≦−th1、ρ≦−th
2、およびth3<dρ/dt<th4の領域は左本曲
線、7)ρ≦−th2、およびdρ/dt≦th4の領
域は左出口緩和曲線、にそれぞれ分類することができ
る。
【0042】たとえば、図4(a)の線路上を鉄道車両
1が走行する場合、線路状態を示す座標(ρ、dρ/d
t)は地点Aから手前でρ=0、dρ/dt=0の原点
に位置しており、地点Aに進入すると次第に右斜め上方
に移動して、閾値th1と交差する点aで右入口緩和曲
線の領域に入って右回りに回転して、次に閾値th3と
交差する点bで右本曲線の領域に入る。さらに、鉄道車
両1が右本曲線を走行している間は、座標(ρ、dρ/
dt)は曲率ρ=一定値で、曲率微分dρ/dt=0に
留まり、地点Cにさしかかると閾値th4と交差する点
cで右出口緩和曲線の領域に入って右回りに回転し、次
に閾値th2と交差する点dで直線領域に入ってから地
点Dを通過する時点で、原点に戻る。こうして線路状態
を示す座標(ρ、dρ/dt)の軌跡を調べることによ
って、線路の状態を認識することが可能になる。
【0043】図6は、曲線検出回路12の動作を示すフ
ローチャートである。ヨーレートセンサ10からの角速
度ωおよび車速センサ11からの走行速度vに基づいて
線路の曲率ρを算出し、その時間微分である曲率微分d
ρ/dtも演算した後、まずステップs1において曲率
ρ≧0か否かを判定し、すなわち線路が右カーブか左カ
ーブかを判別する。なお、ここでは右カーブのとき曲率
ρが正の値となる例を説明している。
【0044】ρ≧0であれば、ステップs2に移行して
曲率微分dρ/dt≧0か否かを判定し、すなわち線路
が緩和曲線であるかを判別する。dρ/dt≧0であれ
ば、ステップs3に移行して曲率ρ≧th1か否かを判
定し、曲率ρが閾値th1より小さければ現在位置の線
路は直線部分であると判断した後、次の測定のためにス
タートへ戻る。ステップs3において、曲率ρが閾値t
h1以上であれば、次のステップs4で曲率微分dρ/
dt≧th3か否かを判定し、曲率微分dρ/dtが閾
値th3より小さければ現在位置の線路が右本曲線であ
ると判断した後、スタートへ戻る。また、曲率微分dρ
/dtが閾値th3以上であれば、右入口緩和曲線であ
ると判断してスタートへ戻る。
【0045】ステップs2において曲率微分dρ/dt
が負の値であればステップs5へ移行して、曲率ρ≧t
h2か否かを判定し、曲率ρが閾値th2より小さけれ
ば現在位置の線路は直線部分であると判断した後、スタ
ートへ戻る。また、曲率ρが閾値th2以上であれば、
次のステップs6で曲率微分dρ/dt≦th4か否か
を判定し、曲率微分dρ/dtが閾値th4より大きけ
れば現在位置の線路が右本曲線であると判断した後、ス
タートへ戻る。また、曲率微分dρ/dtが閾値th4
以下であれば、右出口緩和曲線であると判断してスター
トへ戻る。
【0046】左カーブについても同様に、ステップs1
においてρ≧0でなければ(すなわちρ<0であれ
ば)、ステップs7に移行して曲率微分dρ/dt≦0
か否かを判定し、すなわち線路が緩和曲線であるかを判
別する。dρ/dt≦0であれば、ステップs8に移行
して曲率ρ≦−th2か否かを判定し、曲率ρが閾値−
th2より大きければ現在位置の線路は直線部分である
と判断した後、次の測定のためにスタートへ戻る。ステ
ップs8において、曲率ρが閾値−th2以下であれ
ば、次のステップs9で曲率微分dρ/dt≦th4か
否かを判定し、曲率微分dρ/dtが閾値th3より大
きければ現在位置の線路が左本曲線であると判断した
後、スタートへ戻る。また、曲率微分dρ/dtが閾値
th4以下であれば、左入口緩和曲線であると判断して
スタートへ戻る。
【0047】ステップs7において曲率微分dρ/dt
が0より大きければステップs10へ移行して、曲率ρ
≦−th1か否かを判定し、曲率ρが閾値−th1より
大きければ現在位置の線路は直線部分であると判断した
後、スタートへ戻る。また、曲率ρが閾値−th1以下
であれば、次のステップs11で曲率微分dρ/dt≦
th3か否かを判定し、曲率微分dρ/dtが閾値th
3より小さければ現在位置の線路が左本曲線であると判
断した後、スタートへ戻る。また、曲率微分dρ/dt
が閾値th3以上であれば、左出口緩和曲線であると判
断してスタートへ戻る。
【0048】こうして曲率ρおよび曲率微分dρ/dt
の値を各閾値と比較することによって、座標(ρ、dρ
/dt)が図5のどの領域に位置するかを判断すること
ができる。
【0049】図7は、先頭車両5における空気ばね1
9,20に関連する構成を簡略化して示す断面図であ
る。コンプレッサ21からの圧縮空気は、空気溜22に
貯留された後、分岐して給気弁23,24を経由して空
気ばね19,20に送られる。余分な圧力は、排気弁2
5,26を経由して大気に放出される。給気弁23,2
4および排気弁25,26は、電磁弁から構成される。
車高検出手段42,43が設置され、先頭車両5が曲線
を走行する際に発生する超過遠心力によって空気ばね1
9,20が過度に変形して車体8の下部と台車50の台
車枠9との接触によるいわゆる底づき現象が発生するこ
とを防ぐために、本発明では、これらの空気ばね19,
20が潰れてしまわないように、車高フィードバック制
御が車高制御手段41によって行われる。
【0050】再び図1を参照して、後続車両6,7に
は、先頭車両5と同様な構成要素が搭載されている。た
だし後続車両6,7では、ヨーレートセンサ10と速度
センサ11と曲線検出回路12とは省略されている。後
続車両6,7には、遅延回路48,49がそれぞれ設け
られ、ライン32を介する曲線検出回路12からの曲線
検出信号が与えられて、遅延されて、ゲート14a,1
4bにそれぞれ与えられる。
【0051】先頭車両5と後続車両6との間の線路に沿
う対応する2つの部分(走行方向下流側(すなわち前
方)の台車50,50a間の心皿)間の距離をL1とす
るとき、編成列車の走行時に、線路上の同一位置を先頭
車両5が通過した時点から後続車両6が通過するまでの
時間Td1は、 Td1 = L1/v …(3) である。また同様に後続車両6,7間の対応する部分間
の走行方向に沿う距離をL2とするとき、線路上の同一
位置を後続車両6が通過した時点から、後続車両7が通
過するまでの時間Td2は、 Td2 = L2/v …(4) である。本発明に従えば、一般的に言えば、先頭車両5
と後続車両6,7との車両の総数をnとし、2号車6を
第1の後続車両とし、3号車7を第2の後続車両とし、
第(i+1)号車を第i番目の後続車両とするとき、そ
の第i番目の後続車両が先頭車両5から時間Tdだけ遅
れる。
【0052】
【数1】
【0053】ここでLiは、第i番目の後続車両6,7
が、その走行方向下流側、すなわち前方に隣接する車両
5,6の対応する部分間、すなわち台車50,50a間
の心皿間の走行方向に沿う距離を表す。
【0054】ヨーレートセンサ10、フィルタ31およ
び速度センサ11からの各出力によって曲線検出回路1
2で曲線を検出する曲線検出遅れ時間Tpは、たとえば
前述のように0.5〜1.0secである。遅延回路4
8,49は、時間Tdよりも曲線検出遅れ時間Tpだけ
短い時間(Td−Tp)、後続の図8(a)の時刻t1
から遅延して、ライン32の曲線検出信号をゲート14
a,14bにそれぞれ与える。遅延回路48は、ライン
32の曲線検出信号を、時間(Td1−Tp)、遅延す
る。また遅延回路49は、ライン32の曲線検出信号
を、時間(Td1+Td2−Tp)、遅延する。遅延回
路48,49では、車両の速度vに関するデータは、速
度センサ11からライン32を介して、伝送する。距離
Liが等しいときには、第i番目の後続車両では、Td
=i・Td1である。
【0055】このようにして先頭車両5における曲線検
出信号を、後続車両6,7の路線状態予見情報として時
間Tpだけ早めて使用することによって、曲線突入時以
前に車高制御を行うことが可能になる。こうして曲線開
始前に事前にある程度車体傾斜を行っておくことによっ
て、曲線突入時の線路カント変化に伴う外軌側空気ばね
20a,20bの底づき現象を防ぐことができるととも
に、前述のように乗客に横方向の力を感じさせることな
く、乗り心地を向上させることができる。
【0056】図8は、編成列車4が曲線を走行するとき
の状態を示す図である。先頭車両5は、図8(a)に示
されるように、その先頭車両5の予め定める部分が、時
刻t1〜t6の時間にわたって曲線を走行する。第2号
車である後続車両6は、図8(b)に示されるように、
先頭車両5の前記部分に対応する部分が、遅延時間Td
1だけ遅延して時刻t3以降に通過する。3号車である
後続車両7は、図8(c)に示されるように、先頭車両
5の前記部分に対応する部分が時間(Td1+Td2)
だけ遅れた時刻t5に曲線に到達する。本発明に従え
ば、後続車両6の遅延回路48は、図8(d)に示され
るように、時間Td1よりも曲線検出遅れ時間Tpだけ
短い時間(Td1−Tp)、遅延してライン32からの
曲線検出信号をゲート14aに与える。
【0057】後続車両7の遅延回路49は、時間(Td
1+Td2)よりも曲線検出遅れ時間Tpだけ短い時間
(Td1+Td2−Tp)、遅延してゲート14bにラ
イン32からの曲線検出信号を与える。こうして後続車
両6,7では、時刻t2,t4で線路の曲線に到達した
ものと仮定して、車体8a,8bの傾斜駆動をする。こ
こで先頭車両5および後続車両6,7の走行方向の長さ
が等しいとき、時間t6−t1=t7−t3=t8−t
5=t9−t2=t10−t4である。
【0058】図9は、後続車両6の外軌側空気ばね20
aが本発明に従って底づき現象を防ぐことができること
を説明するための図である。図9(a)では、先頭車両
5が時刻t11において線路の実際の曲線開始点である
始端に到達し、その後の時間Tpa経過した時刻t14
において、曲率ρを表す信号が曲線検出回路12におい
て算出され、ヨーレートセンサ10およびフィルタ31
などの動作遅れに起因して、その曲線の検出が遅れる。
したがって本発明の予見処理をしない先行技術では、図
9(b)に示されるように、先頭車両5の車体8を支持
する外軌側空気ばね20は、時刻t12〜t13の時間
において、底づき現象を生じ、乗客の横方向の力を打ち
消すことができない。
【0059】本発明では、後続車両6,7における外軌
側の空気ばね20a,20bの底づき現象を防ぐため
に、遅延回路48では、ゲート14aに与えるライン3
2からの曲線検出信号を、図9(c)のように時間Tp
だけ時刻t14から速い時刻t15において与える。こ
れによって後続車両6では、外軌側の空気ばね20aが
図9(d)に示されるように変位し、その空気ばね20
aの底づき現象を避けることができる。
【0060】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、先頭車両に
搭載された曲線検出手段によって線路の曲線を検出し、
各後続車両には、曲線開始を事前に予見し、その後続車
両の車体傾斜制御を事前に行うことが可能になり、動作
遅れが生じることはない。これによって車高制御性能を
向上することができ、後続車両の乗客は、横方向の力を
感じないようにして、乗り心地を向上することができ
る。
【0061】また本発明によれば、曲線検出手段は、先
頭車両にのみ設けられればよく、これによって設備費お
よび施工費を低減することができる。
【0062】曲線を検出するために、ヨーレートセンサ
および速度センサを用いるので、従来のように膨大な線
路データを収集してメモリにストアする必要がなく、大
容量のメモリを必要としない。また車両の走行位置を検
出する必要がなく、後続車両の傾斜駆動の誤動作を生じ
るおそれはない。
【0063】ヨーレートセンサの出力に含まれるノイズ
を除去するためのフィルタが備えられ、したがってその
フィルタの時定数を考慮して前記曲線検出遅れ時間Tp
を設定することによって、後続車両の車体の傾斜駆動を
正確に行うことができる。
【0064】フィルタの周波数特性を急峻にするために
複数次とし、たとえば5〜6次のフィルタとし、これに
よってノイズの混入を防ぐとともに、先頭車両および後
続車両のヨーイングの固有周波数の成分を除去して、電
磁弁を制御することができ、しかもその複数次のフィル
タの時定数は大きいけれども、前記曲線検出遅れ時間T
pをそのフィルタの時定数に対応して大きく設定するこ
とによって、後続車両の車体傾斜を正確に駆動すること
ができる。
【0065】後続車両の車体の緩衝をするための空気ば
ねを用いて、後続車両の床面に平行な加速度が零または
ほぼ零となるように、車体の左右の傾斜角γを算出して
電磁弁を開閉制御し、車高制御を行うようにしたので、
前述のように後続車両の乗客に体感される横方向加速度
を打ち消すことができる。
【0066】曲線検出時にのみ車高制御手段によって電
磁弁が開閉制御されるので、たとえば直線走行時などに
おいて電磁弁が不所望に頻繁に開閉制御されることはな
く、これによって電磁弁などの構成要素の寿命を長くす
ることができる。請求項2の本発明によれば、フィルタ
は5次または6次であり、急峻な周波数特性を得ること
ができ、先頭車体のヨーイング方向の固有周波数成分約
1Hz付近を除去することができるとともに、約10H
z以上のノイズを除去することができる。しかもこのよ
うな高次のフィルタであっても、後続車両の横方向の加
速度を0として、乗客の乗り心地を向上することができ
る。請求項3の本発明によれば、遅延回路48,49に
おけるi番目の後続車両の時間Tdの演算を容易に行う
ことができ、構成の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体の構成を簡略化し
て示すブロック図である。
【図2】先頭車両5に関連する構成を示すブロック図で
ある。
【図3】先頭車両5の曲線走行状態を示す簡略化した断
面図である。
【図4】図4(a)は鉄道線路の平面形状の一例を示す
平面図であり、図4(b)は図4(a)に対応する曲率
ρを示すグラフ、図4(c)は図4(a)に対応する曲
率微分dρ/dtを示すグラフである。
【図5】横軸に曲率ρ、縦軸に曲率微分dρ/dtをと
って2次元表示したグラフである。
【図6】曲線検出回路12の動作を示すフローチャート
である。
【図7】先頭車両5における空気ばね19,20に関連
する構成を簡略化して示す断面図である。
【図8】編成列車4が曲線を走行するときの状態を示す
図である。
【図9】後続車両6の外軌側空気ばね20aが本発明に
従って底づき現象を防ぐことができることを説明するた
めの図である。
【符号の説明】
4 編成列車 5 先頭車両 6,7 後続車両 8 車体 9 台車枠 10 ヨーレートセンサ 11 速度センサ 12 曲線検出回路 14 ゲート 17,18 車輪 19,20 空気ばね 21 コンプレッサ 22 空気溜 23,24 給気弁 25,26 排気弁 27 レール 28 線路 31,37 フィルタ 33 制御手段 34 床面 35 加速度センサ 38 傾斜角算出手段 39 加速度指令値設定手段 41 車高制御手段 42,43 車高検出手段 47 直線 48,49 遅延回路 50 台車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 清 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番 18号 川崎重工業株式会社 兵庫工場内 (72)発明者 山田 忠 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番 18号 川崎重工業株式会社 兵庫工場内 (72)発明者 柿沼 博彦 北海道札幌市中央区宮ノ森4条13丁目7 −12 (72)発明者 野田 勝美 北海道札幌市手稲区稲穂4条3丁目117 −186 (72)発明者 後藤 昭祐 北海道札幌市東区北7条18丁目1−11− 302 (72)発明者 佐藤 頼光 北海道江別市文京台南町30番の11 (56)参考文献 特開 昭59−199364(JP,A) 特開 平9−207774(JP,A) 特開 平8−175385(JP,A) 特開 平7−267085(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B61F 5/10 B61F 5/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)先頭車両と、その先頭車両に後続
    する複数の後続車両とを有し、 これらの各車両は、 台車50と、 台車50上に旋回可能に設けられる車体80と、 台車50の台車枠9上で車体80を昇降する左右の空気
    ばね19,20と、 各空気ばね19,20に圧縮空気を供給または排気して
    車体8を左右に傾斜する電磁弁23〜26とを有する編
    成列車の車体傾斜制御装置において、 (b)先頭車両に搭載され、線路の曲線を検出する曲線
    検出手段であって、 先頭車両の車体のヨーイング方向の角速度ωを検出する
    ヨーレートセンサ10と、 先頭車両の走行速度vを検出する速度センサ11と、 ヨーレートセンサ10の出力に応答し、約1Hz付近お
    よび約10Hz以上の範囲の周波数を遮断する複数次の
    フィルタ31と、 速度センサ11とフィルタ31との出力に応答し、線路
    の曲率ρ(=ω/v)を演算するとともに、さらにその
    曲率ρの時間変化率dρ/dtを演算して、その時間変
    化率dρ/dtをレベル弁別し、時間変化率dρ/dt
    が予め定める弁別レベルth1以上であるとき、曲線検
    出信号を導出する曲線検出回路12とを有する曲線検出
    手段が設けられ、 (c)各車両毎に、制御手段33がそれぞれ設けられ、
    各制御手段は、 車体8の幅方向の床面34に平行な加速度成分を検出す
    る加速度センサ35と、 加速度センサ35の出力に応答し、加速度の車体8の床
    面34に平行な左右方向の成分がほぼ零となるための車
    体8の左右の傾斜角γを算出する傾斜角算出手段38,
    39と、 傾斜角算出手段38,39の出力に応答し、傾斜角γが
    達成されるように、前記電磁弁23〜26を制御する電
    磁弁制御信号45,46を導出する車高制御手段41
    と、 車高制御手段41と前記電磁弁23〜26との間に介在
    され、曲線検出信号が与えられて導通するゲート14と
    を有し、 (d)曲線検出回路12からの曲線検出信号は、先頭車
    両のゲート14に直接に与えられ、 (e)各後続車両6,7に遅延回路48,49がそれぞ
    れ設けられ、 各遅延回路48,49は、 曲線検出回路12と速度センサ11とからの出力に応答
    し、曲線検出信号を、時間(Td−Tp)だけ、遅延し
    て、その遅延回路に対応するゲート14にそれぞれ与
    え、 第i番目の後続車両の時間Tdは、車両の総数nとし、
    速度センサ11によって検出される走行速度をvとし、
    Liを、第i番目の後続車両6,7が走行方向下流側に
    隣接する車両5,6の対応する台車50,50a間の心
    皿間の走行方向に沿う距離とするとき、 【数1】 であり、 時間Tpは、曲線検出手段による曲線検出遅れ時間であ
    ることを特徴とする編成列車の車体傾斜制御装置。
  2. 【請求項2】 フィルタは、5次または6次のフィルタ
    であることを特徴とする請求項1記載の編成列車の車体
    傾斜制御装置。
  3. 【請求項3】 各後続車両の前記距離Liが等しく、第
    i番目の後続車両の前記時間Tdを、Td1とすると
    き、 各遅延回路48,49における第i番目の後続車両の前
    記時間Tdは、 Td=i・Td1に定められることを特徴とする請求項
    1または2記載の編成列車の車体傾斜制御装置。
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