JP6471036B2 - 上下動ダンパ装置、鉄道車両、及び、鉄道車両の制振方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両に設けられる上下動ダンパ装置、鉄道車両、及び、鉄道車両の制振方法に関し、特に軌道不整に起因して瞬間的に発生する上下振動を抑制したものに関する。
近年、地方交通線を走行する観光特急列車や、幹線・地方交通線を問わず観光名所を周遊する豪華列車などが運用されるようになり、幹線に対して比較的軌道整備水準の低い地方交通線においても相応の乗り心地が要求されるようになっている。
軌道の整備水準を厳しくすれば車両動揺の抑制には有利であるが、軌道の整備水準はその路線の輸送量や列車速度によって定められており、特定の列車の乗り心地向上のためだけに整備水準を引き上げることは現実的ではない。
このため、軌道不整の程度によらず、車両側で常に優れた乗り心地を実現する方策が求められている。
このような課題に対し、車体の加速度を検出し、この加速度に応じて可変減衰ダンパ等の制振手段が発生する制振力(ダンパ発生力・減衰力)を遂次変化させる制振制御を行なうことによって、車体の上下方向の振動を抑制し、乗客が体感する乗り心地を向上させる方法が知られている。
例えば、特許文献1には、車体の剛体振動及び一次曲げ振動(弾性振動)の双方を低減することを目的として、検出された振動を車体の上下並進モード、ピッチングモード、ローリングモード、及び、一次曲げモード等の各振動モードに分解し、各モードに対応した可変減衰ダンパの設定値を算出し、可変減衰ダンパでその力を発生させることにより振動を低減する方法が記載されている。この方法により、車両の剛体振動が大幅に低減され、乗り心地の向上に有効であることが非特許文献1により確認されている。
特許第4700862号 菅原能生・小島崇著「上下制振制御システムの開発と実用化」一般社団法人日本鉄道技術協会刊 JREA Vol.54(2011年) No.7, 第44乃至47頁
しかし、上述した各従来技術のような制振制御を行なった場合であっても、例えばレールの継ぎ目部の道床の支持力が低下して、周囲に比べてレールがやや沈下した状態となるいわゆる「継ぎ目落ち」など、軌道不整(路面の凹凸)が大きい箇所を走行する際に、比較的大きな上下方向の加速度が瞬間的に発生する場合がある。
このような振動が発生すると、乗客が乗り心地に対してゴツゴツとした不快な感覚を覚えることから、乗り心地のさらなる向上が要望されていた。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、軌道不整に起因して瞬間的に発生する上下振動を抑制した上下動ダンパ装置、鉄道車両、及び、鉄道車両の制振方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明の上下動ダンパ装置は、車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねとを有する鉄道車両に設けられる上下動ダンパ装置であって、前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパと、前記車体の振動を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段の出力に応じて前記可変減衰ダンパが前記車体の振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出する目標減衰力演算手段と、前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を出力する減衰力制御手段とを備え、前記減衰力制御手段は、前記制御目標減衰力に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際の前記可変減衰ダンパの減衰力が予め設定された上限値以下となるように前記減衰力指令値を制限するリミッタ手段を有し、前記上限値を設定することにより、前記車体に走行時に作用する上下方向加速度のピーク値を、前記上限値を設定しない場合に対して低減したことを特徴とする。
これによれば、台車枠が車体に対して相対的に上昇する方向の減衰力指令値に対して、リミッタ手段による制限を加えるのみの簡素な構成によって、瞬間的に大きな車体上下加速度が発生することを防止し、乗り心地を改善することができる。
また、本発明の他の態様に係る上下動ダンパ装置は、車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねとを有する鉄道車両に設けられる上下動ダンパ装置であって、前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパと、前記車体の振動を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段の出力に応じて前記可変減衰ダンパが前記車体の振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出する目標減衰力演算手段と、前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を出力する減衰力制御手段とを備え、前記可変減衰ダンパは、前記減衰力制御手段が出力する減衰力指令値に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際に発生する減衰力が予め設定された上限値以下となるように構成され、前記上限値を設定することにより、前記車体に走行時に作用する上下方向加速度のピーク値を、前記上限値を設定しない場合に対して低減したことを特徴とする。
この発明においても、上述した効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
また、本発明の他の態様に係る上下動ダンパ装置は、車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねとを有する鉄道車両に設けられる上下動ダンパ装置であって、前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパと、前記車体の振動を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段の出力に応じて前記可変減衰ダンパが前記車体の振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出する目標減衰力演算手段と、前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を出力する減衰力制御手段とを備え、前記減衰力制御手段は、前記制御目標減衰力に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際の前記可変減衰ダンパの減衰力が予め設定された上限値以下となるように前記減衰力指令値を制限するリミッタ手段を有し、前記上限値は、前記車体に対して前記台車枠が相対的に下降する際の前記可変減衰ダンパの最大減衰力よりも小さく設定されることを特徴とする。
また、本発明の他の態様に係る上下動ダンパ装置は、車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねとを有する鉄道車両に設けられる上下動ダンパ装置であって、前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパと、前記車体の振動を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段の出力に応じて前記可変減衰ダンパが前記車体の振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出する目標減衰力演算手段と、前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を出力する減衰力制御手段とを備え、前記可変減衰ダンパは、前記減衰力制御手段が出力する減衰力指令値に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際に発生する減衰力が予め設定された上限値以下となるように構成され、前記上限値は、前記車体に対して前記台車枠が相対的に下降する際の前記可変減衰ダンパの最大減衰力よりも小さく設定されることを特徴とする。
これらに各発明においても、上述した各発明の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
また、本発明の他の態様に係る上下動ダンパ装置は、車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねとを有する鉄道車両に設けられる上下動ダンパ装置であって、前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するダンパを備え、前記ダンパは、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際の最大減衰力が、前記車体に対して前記台車枠が相対的に下降する際の最大減衰力に対して小さく設定された上限値以下となるように構成されることを特徴とする。
これによれば、可変減衰ダンパを用いた制振制御を行なわない場合であっても、上述した各発明の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
上記各発明において、前記上限値を設定することにより、前記車体に走行時に作用する上下方向加速度のピーク値を、前記上限値を設定しない場合に対して低減した構成とすることができる。
また、上述した課題を解決するため、本発明の鉄道車両は、上記いずれか1項に記載の上下動ダンパ装置を有することを特徴とする。
また、上述した課題を解決するため、本発明の鉄道車両の制振方法は、車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと、前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパとを有する鉄道車両の制振方法であって、前記車体の振動に応じて前記可変減衰ダンパの振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出し、前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を設定するとともに、前記制御目標減衰力に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際の前記可変減衰ダンパの減衰力が予め設定された上限値以下となるように前記減衰力指令値を制限し、前記上限値を設定することにより、前記車体に走行時に作用する上下方向加速度のピーク値を、前記上限値を設定しない場合に対して低減したことを特徴とする。
また、本発明の他の態様に係る鉄道車両の制振方法は、車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと、前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパとを有する鉄道車両の制振方法であって、前記車体の振動に応じて前記可変減衰ダンパの振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出し、前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を設定するとともに、前記可変減衰ダンパを、前記減衰力指令値に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際に発生する減衰力が予め設定された上限値以下となるように構成し、前記上限値を設定することにより、前記車体に走行時に作用する上下方向加速度のピーク値を、前記上限値を設定しない場合に対して低減したことを特徴とする。
また、本発明の他の態様に係る鉄道車両の制振方法は、車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと、前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパとを有する鉄道車両の制振方法であって、前記車体の振動に応じて前記可変減衰ダンパの振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出し、前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を設定するとともに、前記制御目標減衰力に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際の前記可変減衰ダンパの減衰力が予め設定された上限値以下となるように前記減衰力指令値を制限し、前記上限値は、前記車体に対して前記台車枠が相対的に下降する際の前記可変減衰ダンパの最大減衰力よりも小さく設定されることを特徴とする。
また、本発明の他の態様に係る鉄道車両の制振方法は、車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと、前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパとを有する鉄道車両の制振方法であって、前記車体の振動に応じて前記可変減衰ダンパの振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出し、前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を設定するとともに、前記可変減衰ダンパを、前記減衰力指令値に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際に発生する減衰力が予め設定された上限値以下となるように構成し、前記上限値は、前記車体に対して前記台車枠が相対的に下降する際の前記可変減衰ダンパの最大減衰力よりも小さく設定されることを特徴とする。
また、本発明の他の態様に係る鉄道車両の制振方法は、車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと、前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するダンパとを有する鉄道車両の制振方法であって、前記ダンパを、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際の最大減衰力が前記車体に対して前記台車枠が相対的に下降する際の最大減衰力に対して小さく設定された上限値以下となるように構成することを特徴とする。
上記各発明において、前記上限値を設定することにより、前記車体に走行時に作用する上下方向加速度のピーク値を、前記上限値を設定しない場合に対して低減した構成とすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、軌道不整に起因して瞬間的に発生する上下振動を抑制した上下動ダンパ装置、鉄道車両の制振方法、及び、鉄道車両を提供することができる。
本発明を適用した上下動ダンパ装置及び鉄道車両の第1実施形態の構成を示す図である。 第1実施形態及び比較例1,2の鉄道車両の走行時における車体の加速度PSDの周波数分布を示すグラフである。 比較例1の上下動ダンパ装置及び鉄道車両における走行時の車体上下方向加速度、ダンパへの縮み側指令値、減衰力の推移を示すグラフである。 比較例2の上下動ダンパ装置及び鉄道車両における走行時の車体上下方向加速度、ダンパへの縮み側指令値、減衰力の推移を示すグラフである。 第1実施形態の上下動ダンパ装置及び鉄道車両における走行時の車体上下方向加速度、ダンパへの縮み側指令値、減衰力の推移を示すグラフである。 本発明を適用した上下動ダンパ装置及び鉄道車両の第3実施形態における上下動ダンパの減衰力特性を模式的に示すグラフである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1乃至第3実施形態に係る上下動ダンパ装置、鉄道車両、及び、鉄道車両の制振方法について説明する。
各実施形態の上下動ダンパ装置は、車体の前後下部に2軸のボギー台車を有する旅客用の鉄道車両に設けられ、台車枠と車体との間の2次ばね系と並列に設けられるダンパを備えている。
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の上下動ダンパ装置及び鉄道車両の構成を示す図である。
第1実施形態の上下動ダンパ装置は、本発明の鉄道車両の制振方法の第1実施形態を行うものである。
図1に示すように、車両1は、車体10、1位台車20、2位台車30、上下動ダンパ装置100等を有して構成されている。
車体10は、乗客などが収容される部分であって、上部に床板が設けられる台枠の上部に、側構、妻構、屋根構などを設けて、実質的に六面体状に形成された構体を有する。
1位台車20、2位台車30は、車体10の前後に離間して設けられた2軸のボギー台車である。
1位台車20、2位台車30は、車体10の下部に、枕ばね装置や図示しない牽引装置等を介して、車体10に対して鉛直軸回りに回動可能、かつ、上下方向に相対変位可能に取り付けられている。
1位台車20、2位台車30は、台車枠21,31、輪軸22,32、軸箱23,33、軸箱支持装置24,34、枕ばね装置25,35等を備えて構成されている。
台車枠21,31は、台車20,30の本体部を構成する構造部材である。
台車枠21,31は、軸箱支持装置24,25及び軸箱23,33を介して輪軸22,32が取り付けられるとともに、枕ばね装置25,35等を介して車体10の下部に取り付けられるものである。
輪軸22,23は、軌道上を転動する左右車輪を、円柱状の車軸の両端部に組み込んで構成されている。
輪軸22,23は、台車枠21,31の前後方向に離間してそれぞれ一対設けられている。
軸箱23,33は、輪軸22,32の両端部に形成されたジャーナル部を回転可能に支持するものであって、軸受、潤滑装置等を備えている。
軸箱支持装置24,34は、軸箱23,33を台車枠21,31に対して、上下方向や転舵方向に相対変位可能に支持するものである。
軸箱支持装置24,34は、1次ばね系である軸ばね及び軸ダンパ、軸箱23,33の上下変位を許容しつつ、軸箱23,33を前後、左右方向に支持するための軸ばりや、弾性変形によって曲線通過時の操舵性を確保するための弾性体ブッシュ等を備えている。
枕ばね装置25,35は、台車枠21,31と車体10との間に設けられる2次ばねである枕ばね等を備えている。
枕ばねは、車体10と台車枠21,31との上下方向の相対変位に応じたばね反力を発生する空気ばねである。
この枕ばねには、後述する上下動ダンパ装置100の可変減衰上下動ダンパ121,122が並列に設けられている。
車体10の上下振動を抑制する制振装置である上下動ダンパ装置100は、制御装置110、可変減衰上下動ダンパ121,122、加速度センサ131,132,133等を有して構成されている。
制御装置110は、上下動ダンパ装置100を統括的に制御するものである。
制御装置110は、CPU等の情報処理手段、RAMやROM等の記憶手段、入出力インターフェイス及びこれらを接続するバス等を有して構成されている。
制御装置110は、車両1の走行時に加速度センサ131,132,133が検出した車体10の加速度に基づいて、可変減衰上下動ダンパ121,122に制御値を出力し、減衰力特性を逐次変更させる。
制御装置110は、モード分離手段111、積分手段112、制御ゲイン乗算手段113、制御値合成手段114、リミッタ手段115等を備えて構成されている。
モード分離手段111は、加速度センサ131,132,133が検出した車体10の各位置における上下振動加速度に基づいて、車体の振動を上下成分、ピッチ成分、曲げ成分、ロール成分にモード分離するものである。
上下成分は、車体10が上下方向に並進する方向の振動の成分である。
ピッチ成分は、車体10が枕木方向に沿った軸回りに揺動する方向の振動の成分である。
曲げ成分は、車体10の構体全体が周期的に弓なり(1次振動の場合)等に変形する弾性曲げ振動の成分である。
ロール成分は、車体10が車両前後方向に沿った軸回りに揺動する方向の振動の成分である。
積分手段112は、モード分離手段111によって分離された各振動モード成分の検出値を、成分毎にそれぞれ積分することによって、車体10の上下方向、ピッチ方向、曲げ方向、ロール方向のばね上速度、角速度をそれぞれ算出するものである。
制御ゲイン乗算手段113は、積分手段112が出力する各振動モード成分のばね上速度、角速度に、例えば公知のスカイフック制御側に基づいて設定されるゲインを乗算することによって、各モードの振動を抑制するために効果的な減衰力の制御値を算出するものである。
制御値合成手段114は、制御ゲイン乗算手段113が出力する各振動モード成分毎の制御値を合成し、各可変減衰力上下動ダンパ121,122に制御理論上指示すべき制御値を生成し出力するものである。
リミッタ手段115は、制御値合成手段114が出力する制御値を、可変減衰上下動ダンパ121,122に指令値(指令電流の電流値)として伝達するものである。
可変減衰上下動ダンパ121,122の減衰力は、指令値の増加に応じて増大するように構成されている。
このとき、リミッタ手段115は、縮み側の指令値が予め設定されたリミット値を超過している場合には、このリミット値以下となるように制限してから出力する。
このリミット値は、軌道不整等により瞬間的に発生する上下方向振動の低減効果を最適化するよう考慮して適宜設定される。
可変減衰上下動ダンパ121,122は、枕ばね装置25,35の枕ばねと並列に設けられている。
可変減衰上下動ダンパ121,122は、台車枠21,31と車体10との上下方向相対速度(伸縮速度)に応じた減衰力を発生するものである。
可変減衰上下動ダンパ121,122として、一例として、車体10に対して台車枠21,31が上昇する方向に変位する際に縮むように配置された油圧緩衝器を用いることができる。
可変減衰上下動ダンパ121,122は、例えば、ストロークに応じて作動油が通過し、減衰力を発生するオリフィスに、比例ソレノイドリリーフ弁(減衰力制御弁)を有するバイパス流路を設けて構成され、制御装置110からの指令値(指令電流)に応じて、比例ソレノイドリリーフ弁を駆動することによって、減衰特性を逐次変更することが可能となっている。
可変減衰上下動ダンパ121,122は、指令電流を供給しない場合には、通常のパッシブ上下動ダンパとして機能し、システムのフェールセーフ性を確保する。
なお、枕ばねとして空気ばねを用いる車両では、空気ばねベローズと補助空気室との間に設けた絞りによって上下方向の減衰を得ることが一般的であるが、このように可変減衰上下動ダンパを設ける場合には、この絞りは設けずに、実質的に全ての減衰要素を可変減衰上下動ダンパにおいて負担させるようにすることが制振性能上好ましい。
可変減衰上下動ダンパ121は、1位台車20の台車枠21の左右両側部にそれぞれ設けられている。
可変減衰上下動ダンパ122は、2位台車30の台車枠31の左右両側部にそれぞれ設けられている。
可変減衰上下動ダンパ121,122に制御信号を伝達する配線は、制御装置110と接続されている。
制御装置110がリミッタ手段115を有するため、可変減衰上下動ダンパ121,122における縮み側のダンパ発生力(減衰力)は、スカイフック制御側による演算結果に基づく目標減衰力に関わらず、所定の上限値以下となるように制限される。
その結果、可変減衰上下動ダンパ121,122が車両1の運転中に伸び側、縮み側においてそれぞれ発生する最大のダンパ力(減衰力)は、縮み側のほうが伸び側に対して小さくなっている(後述する図5下段を参照)。
加速度センサ131,132,133は、車体10の床部に設けられ、各設置箇所における車体10の上下方向加速度を検出するものである。
加速度センサ131は、車体10の床部における車両前後方向中央部に、枕木方向(車幅方向)に離間して例えば一対が設けられている。
加速度センサ132は、車体10の床部における1位台車20の近傍かつ車幅方向中央部に設けられている。
加速度センサ133は、車体10の床部における2位台車30の近傍かつ車幅方向中央部に設けられている。
以下、上述した第1実施形態の効果(実走行を模擬した加振試験結果)を、以下説明する本発明の比較例1,2と対比して説明する。
なお、比較例1,2及び後述する第2、第3実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に共通する箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
比較例1は、第1実施形態のような可変減衰上下動ダンパのセミアクティブ制振制御を行わず、可変減衰上下動ダンパ121,122に対して常時一定の指令値を与えたものである。
比較例1は、減衰特性が実質的に一定であるパッシブ式のダンパを車体10と台車枠21,31との間の上下動ダンパとして用いたものに相当する。
比較例2は、第1実施形態から、リミッタ手段115のリミット値を撤廃し、可変減衰上下動ダンパ121,122に対して、伸び側、縮み側ともにスカイフック制御側に基づいた制御値を制限することなく指令値を生成するものである。
加振試験は、車両長20.8m、台車中心間距離14.4mの空気ばね台車をもつ車両を用い、軌道不整の大きい線区の走行を模擬した加振を行った。
図2は、第1実施形態、比較例1、比較例2の鉄道車両の走行時における車体の加速度パワースペクトル密度(PSD)を示すグラフである。
図3、図4、図5は、それぞれ比較例1、比較例2、第1実施形態の鉄道車両における車体加速度、縮み側指令値、減衰力(ダンパ発生力)の推移を示すグラフである。
図2に示すように、比較例2によれば、可変減衰上下動ダンパ121,122のセミアクティブ制御を行うことによって、制御を行わない比較例1に対して、特に0.5乃至2Hzの低周波数帯域において加速度PSDを顕著に低減することが可能である。
しかし、比較例2においては、図4の上段に示すように、瞬間的に比較的大きな上下方向加速度が作用していることを示すスパイク状の波形(図4に丸印を付して示す)が認められる。
このような瞬間的な加速度が発生すると、乗客が衝撃的な振動として感じるため、乗り心地がゴツゴツとした印象を与え、不快に感じさせることになる。
これに対し、第1実施形態によれば、図5の中段に示すように可変減衰上下動ダンパ121,122の縮み側指令値にリミット値(例えば、約0.8A)を設け、図5の下段に示すように縮み側のダンパ発生力(減衰力)を抑制することによって、図5の上段に示すように、比較例2のように瞬間的に大きな上下方向加速度が発生することを防止し、車体に衝撃的に発生する振動を抑制して乗り心地を改善することができる。
また、図2に示すように、低周波数の領域においては、比較例2と実質的に同等であり、かつ比較例1に対して顕著に有利な制振効果を発揮させることができる。
さらに、第1実施形態は、一般的な可変減衰上下動ダンパのセミアクティブ制御である比較例2に対して、単に制御値のリミッタを設けることのみによって適用可能であることから、既存の鉄道車両や上下動ダンパ装置への実装が簡単であり、調整(車種や走行線区に応じたチューニング)もリミット値の設定のみでよいことから容易である。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態においては、第1実施形態のように制御装置110において、リミッタ手段115によって可変減衰上下動ダンパ121,122への縮み側の指令値を制限することに代えて、可変減衰上下動ダンパ121,122の機械的構成により、縮み側においては指令値に関わらず、ダンパ発生力が予め設定された所定値を超過しないように構成している。
このような特性は、例えば、比例ソレノイドリリーフ弁の動作範囲の制限や、ダンパ作動油の圧力がダンパ縮み側で所定値以上となった際に作動油をバイパスさせる圧力リリーフ弁を設けること等によって得ることができる。
以上説明した第2実施形態においても、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態においては、第1、第2実施形態のような減衰力可変制御(セミアクティブ制御)を行わず、伸縮速度とダンパ発生力との相関が実質的に一定であるパッシブ式のダンパを可変減衰上下動ダンパ121,122に代えて設けている。
図6は、このダンパの減衰力特性を模式的に示す図である。
図6においては、横軸は、ダンパの伸縮速度を示しており、右側がダンパの伸び側(台車枠21,31が車体10に対して相対下降する側)、左側がダンパの縮み側(台車枠21,31が車体10に対して相対上昇する側)を示している。
また、縦軸は、ダンパ発生力(減衰力)を示している。
なお、図6において、伸び側、縮み側の減衰力特性が実質的に同じである一般的なダンパの減衰力特性を破線で図示している。
図6に示すように、ダンパ発生力(減衰力)は、伸び側、縮み側ともに伸縮速度に応じて増加するが、縮み側においては、伸縮速度が所定値以上の領域においては、伸び側に対してダンパ発生力の増加が抑制され、車両1の運転中に発生する最大減衰力が伸び側に対して小さくなるように減衰力特性を設定している。
このような特性は、例えば、伸び側、縮み側でダンパ油路を独立して設け、縮み側で作動油が通過する油路に、所定値以上の圧力発生時に作動油をバイパスさせるバイパス油路や圧力リリーフ弁を設けることによって得ることが可能である。
以上説明した第3実施形態によれば、減衰力可変制御を行わない鉄道車両(上下動ダンパ装置)であっても、上述した第1、第2実施形態と同様に、軌道不整等に起因して瞬間的に大きな上下振動が発生することを防止し、乗り心地を改善することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)車両、台車、上下動ダンパ装置等の構成は、上述した実施例に限らず、適宜変更することが可能である。
例えば、第1、第2実施形態の加速度センサの配置は一例であって、適宜変更することが可能である。
また、台車、軸箱支持装置、牽引装置などの構成も適宜変更することが可能である。
さらに、適用の対象となる車両の種類も、旅客用のものに限らず、貨物用車両、機関車、軌道試験車等の事業用車両等であってもよい。
また、本発明は、各実施形態のような一般的な鉄道車両に限らず、例えば磁気浮上式リニアモーターカーの台車枠(浮上用磁石等が設けられ車体に対して上下方向に相対変位する構造部材)と車体との間に設けられるダンパにも適用することが可能である。
(2)第1、第2実施形態においては、ダンパ減衰力制御を行う制御側として、例えばスカイフック制御側を用いているが、制御側はこれに限定されず、例えばH∞制御等の他の制御側を用いてもよい。
1 車両 10 車体
20 1位台車 21 台車枠
22 輪軸 23 軸箱
24 軸箱支持装置 25 枕ばね装置
30 2位台車 31 台車枠
32 輪軸 33 軸箱
34 軸箱支持装置 35 枕ばね装置
100 上下動ダンパ装置(制振装置)
110 制御装置 111 モード分離手段
112 積分手段 113 制御ゲイン乗算手段
114 制御値合成手段 115 リミッタ手段
121,122 可変減衰上下動ダンパ
131,132,133 加速度センサ

Claims (13)

  1. 車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、
    前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、
    前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと
    を有する鉄道車両に設けられる上下動ダンパ装置であって、
    前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパと、
    前記車体の振動を検出する振動検出手段と、
    前記振動検出手段の出力に応じて前記可変減衰ダンパが前記車体の振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出する目標減衰力演算手段と、
    前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を出力する減衰力制御手段とを備え、
    前記減衰力制御手段は、前記制御目標減衰力に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際の前記可変減衰ダンパの減衰力が予め設定された上限値以下となるように前記減衰力指令値を制限するリミッタ手段を有し、
    前記上限値を設定することにより、前記車体に走行時に作用する上下方向加速度のピーク値を、前記上限値を設定しない場合に対して低減したこと
    を特徴とする上下動ダンパ装置。
  2. 車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、
    前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、
    前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと
    を有する鉄道車両に設けられる上下動ダンパ装置であって、
    前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパと、
    前記車体の振動を検出する振動検出手段と、
    前記振動検出手段の出力に応じて前記可変減衰ダンパが前記車体の振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出する目標減衰力演算手段と、
    前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を出力する減衰力制御手段とを備え、
    前記可変減衰ダンパは、前記減衰力制御手段が出力する減衰力指令値に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際に発生する減衰力が予め設定された上限値以下となるように構成され
    前記上限値を設定することにより、前記車体に走行時に作用する上下方向加速度のピーク値を、前記上限値を設定しない場合に対して低減したこと
    を特徴とする上下動ダンパ装置。
  3. 車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、
    前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、
    前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと
    を有する鉄道車両に設けられる上下動ダンパ装置であって、
    前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパと、
    前記車体の振動を検出する振動検出手段と、
    前記振動検出手段の出力に応じて前記可変減衰ダンパが前記車体の振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出する目標減衰力演算手段と、
    前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を出力する減衰力制御手段とを備え、
    前記減衰力制御手段は、前記制御目標減衰力に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際の前記可変減衰ダンパの減衰力が予め設定された上限値以下となるように前記減衰力指令値を制限するリミッタ手段を有し、
    前記上限値は、前記車体に対して前記台車枠が相対的に下降する際の前記可変減衰ダンパの最大減衰力よりも小さく設定されること
    を特徴とする上下動ダンパ装置。
  4. 車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、
    前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、
    前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと
    を有する鉄道車両に設けられる上下動ダンパ装置であって、
    前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパと、
    前記車体の振動を検出する振動検出手段と、
    前記振動検出手段の出力に応じて前記可変減衰ダンパが前記車体の振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出する目標減衰力演算手段と、
    前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を出力する減衰力制御手段とを備え、
    前記可変減衰ダンパは、前記減衰力制御手段が出力する減衰力指令値に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際に発生する減衰力が予め設定された上限値以下となるように構成され、
    前記上限値は、前記車体に対して前記台車枠が相対的に下降する際の前記可変減衰ダンパの最大減衰力よりも小さく設定されること
    を特徴とする上下動ダンパ装置。
  5. 車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、
    前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、
    前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと
    を有する鉄道車両に設けられる上下動ダンパ装置であって、
    前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するダンパを備え、
    前記ダンパは、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際の最大減衰力が、前記車体に対して前記台車枠が相対的に下降する際の最大減衰力に対して小さく設定された上限値以下となるように構成されること
    を特徴とする上下動ダンパ装置。
  6. 前記上限値を設定することにより、前記車体に走行時に作用する上下方向加速度のピーク値を、前記上限値を設定しない場合に対して低減したこと
    を特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の上下動ダンパ装置。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の上下動ダンパ装置を有すること
    を特徴とする鉄道車両。
  8. 車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、
    前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、
    前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと、
    前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパと
    を有する鉄道車両の制振方法であって、
    前記車体の振動に応じて前記可変減衰ダンパの振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出し、前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を設定するとともに、前記制御目標減衰力に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際の前記可変減衰ダンパの減衰力が予め設定された上限値以下となるように前記減衰力指令値を制限し、
    前記上限値を設定することにより、前記車体に走行時に作用する上下方向加速度のピーク値を、前記上限値を設定しない場合に対して低減したこと
    を特徴とする鉄道車両の制振方法。
  9. 車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、
    前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、
    前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと、
    前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパと
    を有する鉄道車両の制振方法であって、
    前記車体の振動に応じて前記可変減衰ダンパの振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出し、前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を設定するとともに、前記可変減衰ダンパを、前記減衰力指令値に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際に発生する減衰力が予め設定された上限値以下となるように構成し、
    前記上限値を設定することにより、前記車体に走行時に作用する上下方向加速度のピーク値を、前記上限値を設定しない場合に対して低減したこと
    を特徴とする鉄道車両の制振方法。
  10. 車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、
    前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、
    前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと、
    前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパと
    を有する鉄道車両の制振方法であって、
    前記車体の振動に応じて前記可変減衰ダンパの振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出し、前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を設定するとともに、前記制御目標減衰力に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際の前記可変減衰ダンパの減衰力が予め設定された上限値以下となるように前記減衰力指令値を制限し、
    前記上限値は、前記車体に対して前記台車枠が相対的に下降する際の前記可変減衰ダンパの最大減衰力よりも小さく設定されること
    を特徴とする鉄道車両の制振方法。
  11. 車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、
    前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、
    前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと、
    前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力指令値に応じて減衰力特性を変更可能な可変減衰ダンパと
    を有する鉄道車両の制振方法であって、
    前記車体の振動に応じて前記可変減衰ダンパの振動を抑制可能な制御目標減衰力を算出し、前記可変減衰ダンパが発生する減衰力が前記制御目標減衰力に近づくよう前記減衰力指令値を設定するとともに、前記可変減衰ダンパを、前記減衰力指令値に関わらず、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際に発生する減衰力が予め設定された上限値以下となるように構成し、
    前記上限値は、前記車体に対して前記台車枠が相対的に下降する際の前記可変減衰ダンパの最大減衰力よりも小さく設定されること
    を特徴とする鉄道車両の制振方法。
  12. 車体に対して上下方向に相対変位可能に取り付けられるとともに、軌道に対して上下方向に相対変位可能である台車枠と、
    前記軌道に対する前記台車枠の上下方向の相対変位に応じて伸縮する1次ばねと、
    前記台車枠に対する前記車体の上下方向の相対変位に応じて伸縮する2次ばねと、
    前記車体と前記台車枠との上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するダンパと
    を有する鉄道車両の制振方法であって、
    前記ダンパを、前記車体に対して前記台車枠が相対的に上昇する際の最大減衰力が前記車体に対して前記台車枠が相対的に下降する際の最大減衰力に対して小さく設定された上限値以下となるように構成すること
    を特徴とする鉄道車両の制振方法。
  13. 前記上限値を設定することにより、前記車体に走行時に作用する上下方向加速度のピーク値を、前記上限値を設定しない場合に対して低減したこと
    を特徴とする請求項10から請求項12までのいずれか1項に記載の鉄道車両の制振方法。
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