JP2005014160A - 用紙穿孔装置、用紙処理装置及び画像形成システム - Google Patents

用紙穿孔装置、用紙処理装置及び画像形成システム Download PDF

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仁 服部
Shinji Asami
真治 浅見
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Abstract

【課題】小型で高速処理が可能な用紙穿孔装置を低コストで提供し、特に、穿孔動作のための駆動モータとしてDCブラシモータを使用したときに、モータ停止精度を良好に構成する。
【解決手段】パンチモータ回転方向フラグをチェックし(S101)、正回転側であると、パンチモータを正回転させ(S102)、逆回転側であると逆回転させる(S103)。そして、ホームポジションセンサがOFFになりホームポジションを検出すると(S104)、エンコーダのパルスカウントを開始する(S105)。次いで、ブレーキ開始パルス数Pbを演算し(S106)、パルスカウント値がPbになると(S107)、パルスモータにブレーキをかける(S108)。パルスモータが停止すると(S109)、パンチモータ回転方向フラグを反転させ(S110)、処理を終える。
【選択図】 図16

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
複写機、プリンタ、印刷機などから排出された用紙に対して穿孔する用紙穿孔装置、この用紙穿孔装置を搭載した用紙処理装置、及びこの用紙処理装置が一体または別体に設けられた画像形成装置とからなる画像形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、装置の小型、低コスト化が求められてきている。用紙穿孔装置(以下、パンチユニットとも称す)においても小型、低コストを目指しDCブラシモータが穿孔駆動モータとして用いられてきている。一方、2穴/3穴切替えパンチ機能や、パンチ動作の高速化(パンチ時間の短縮化)も求められ、それによって停止精度が悪くなる傾向にあり、停止精度の向上が課題となっている。
【0003】
回転駆動をパンチ動力とするパンチユニットは特許文献1に示すように従来から知られており、動力源のモータ種類は、ステッピングモータ、ブラシレスモータ、DCブラシモータ等がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平2002−337095号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載されているように、2穴/3穴切替え機能があり、この副作用としてはパンチ刃の退避位置(刃が下フレームから突出しない位置)にあるモータ駆動範囲が狭くなる。このため、モータ停止精度が悪いと停止時にパンチ刃が下フレームから突出してしまい、紙搬送等に不具合が発生する。一方、この種のパンチユニットの動力源としてのモータとしては、ステッピングモータ、ブラシレスモータ、DCブラシモータ等が使用されている。停止位置を向上させるには、前記モータのうちステッピングモータのように回転量を制御できるモータの使用が望ましいが、ステッピングモータのような回転量を制御できるモータによって用紙穿孔に必要なトルクを確保するためにはモータが大型化し、コストも高くなる。更に近年、後処理装置の高速化に伴いパンチ時間の高速化も求められるようになり、これによってもモータの大型化、コスト高となりやすい。
【0006】
そこで、本発明の目的は、小型で高速処理が可能、かつモータ停止精度も良好な低コストの用紙穿孔装置、この用紙穿孔装置を備えた用紙処理装置、及びこの用紙処理装置を備えた画像形成システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、第1の手段は、搬入されてきた用紙に対して穿孔する用紙穿孔装置において、穿孔動作のためのモータと、前記モータの駆動量を検出するためのモータ駆動量検出手段と、穿孔対象となる用紙の紙厚を認識する紙厚認識手段と、前記紙厚認識手段によって認識した紙厚に応じて穿孔動作時のモータ停止動作を変化させる制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
第2の手段は、第1の手段において、前記モータはDCブラシモータであり、モータ停止手段は短絡ブレーキであることを特徴とする。
【0009】
第3の手段は、第1の手段において、前記モータはDCブラシモータであり、モータ停止手段は逆転ブレーキと短絡ブレーキを組み合わせたものであることを特徴とする。
【0010】
第4の手段は、第1ないし第3の手段において、前記制御手段は、モータ停止動作開始位置を変更することを特徴とする。
【0011】
第5の手段は、第1ないし第4の手段において、前記モータ駆動量検出手段は、モータの駆動に伴って回転するエンコーダと、光学センサとからなることを特徴とする。
【0012】
第6の手段は、第1ないし第5の手段において、穿孔するためのパンチ刃のホームポジション位置を検出するためのホームポジション検出手段を備え、このホームポジション検出手段が、前記モータの駆動に伴って回転するフィラーと、光学センサとからなることを特徴とする。
【0013】
第7の手段は、第1ないし第6の手段において、前記紙厚認識手段は、通信手段を介して接続された画像形成装置から用紙の紙厚情報を受け取って紙厚を認識することを特徴とする。
【0014】
第8の手段は、第1ないし第7の手段に係る用紙穿孔装置と、用紙に対して前記穿孔処理を含む処理を実行して排紙する用紙処理手段とを備えていることを特徴とする。
【0015】
第9の手段は、第8の手段に係る用紙処理装置と、前記用紙処理装置が一体または別体に設けられた画像形成装置とから画像形成システムを構成したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は本発明の実施形態に係る用紙後処理装置の概略構成を示す図、図2及び図3は図1に示した用紙後処理装置を備えた画像形成システムの概略構成を示す図である。図2に示した形態は複写機としてのシステムの概略を示しており、画像形成装置PR、用紙を前記画像形成装置に供給する給紙装置PF、画像を読み込むためのスキャナSC及び循環式自動原稿給送装置ARDFからなる。前記画像形成装置PRにより画像形成された用紙は中継ユニットCUを経由して、フィニッシャFRの入口ガイド板に搬送されることになる。図3はスキャナSC及び循環式自動原稿給送装置ARDFのないプリンタ形態のシステムの概略で、その他の構成は、上記複写機と同様である。
【0018】
フィニッシャFRとして示した用紙後処理装置は、前記に示すように画像形成装置PRの側部に取り付けられており、画像形成装置PRから排出された用紙は用紙後処理装置FRに導かれ、用紙後処理装置FRの持つ機能により各種の後処理が施される。なお、画像形成装置PRは、例えば電子写真方式の画像形成プロセスの装置やインクジェット方式の印字ヘッドを持った装置など、公知の画像形成機能を有する装置であればよいので、詳細な説明は省略する。
【0019】
用紙処理装置としての用紙後処理装置FRでは、図1に示すように画像形成装置PRから受け入れられた用紙は、1枚の用紙に後処理を施す穿孔手段としてパンチユニット3を有する入口搬送路Aを通り、排紙ローラ7からプルーフトレイ18へ導く上搬送路B、シフトコロ9へ導く中間搬送路C、整合及びステイプル綴じ等を行うステイプルトレイ10へ導く下搬送路Dへ、分岐爪24、ターンガイド36及び分岐爪25、ターンガイド37によって振り分けられるように構成される。搬送ローラ33,34,35によってステイプルトレイ10上に搬送された用紙はステイプルトレイ10上で、ジョガーフェンス12により用紙搬送方向と垂直な方向に整合され、搬送方向は叩きコロ8により後端フェンス27を基準に整合される。その後、端面綴じの場合は所定位置でのステイプル処理が行われ、放出爪11により上方へ搬送され、放出ローラ15によって排紙トレイ17に排紙され積載される。符号16は放出ローラ
図5は、前記放出爪11の駆動部の概略を示したものであるが、放出ベルト14が巻回されたタイミングプーリ101,102の駆動側のタイミングプーリ101には、駆動軸103が連結され、当該駆動軸に設けられたギヤ列104,105を介してステッピングモータ106から駆動力を得ている。
【0020】
一方、中綴じの場合には、用紙束が揃えられた後、束搬送ローラ対13a,13bにより下方へ束搬送され、中綴じ位置で綴じ処理が行われる。そして、中綴じ処理が終了すると、束搬送ローラ26a,26bにより折り位置までの搬送が実施され、折りプレート19と折りローラ対20によって中折り処理がなされ、中折り排紙ローラ22によって中折り排紙トレイ23に排紙され、積載される。
【0021】
上搬送路B、中間搬送路C、下搬送路Dの上流で各々に対し共通な入口搬送路Aには、画像形成装置PRから受け入れる用紙を検出する入口センサ301、その下流に搬送ローラ31、パンチユニット3、その下流に分岐爪24、ターンガイド36が順次配置されている。
【0022】
分岐爪24は図示しないバネにより図1の実線の状態に保持されており、図示しないソレノイドをONすることにより、図示反時計方向に回動し、下搬送路D方向へ用紙を振り分け、ソレノイドOFFならば上搬送路Bへ用紙を振り分ける。分岐爪25は図示しないバネにより図1の実線の状態に保持されており、図示しないソレノイドをONすることにより、時計方向に回動し、中間搬送路Cへ用紙を振り分ける。ソレノイドOFFならば、用紙はそのまま下搬送路Dへ送られ、搬送ローラ33,34により搬送される。ターンガイド36,37はそれぞれ分岐爪24,25による用紙の振り分けを助ける働きを有する。これらのターンガイド36,37は、分岐爪24,25によって搬送方向を曲げられた用紙が当たって連れ回りし、小径の分岐部での用紙の搬送抵抗を低減する機能を有する。
【0023】
中間搬送路Cには用紙を搬送方向と直角方向に一定量だけ移動可能なシフトコロ9が備えられている。シフトコロ9は、図示しない駆動手段により搬送方向と直角方向に移動させることによりシフト機能を発揮する。搬送ローラ32及びターンローラ37を経て中間搬送路Cへ送られて来た用紙はシフトコロ9で搬送中に搬送方向と直角方向に一定量移動することによって、用紙が搬送方向と直角方向に一定量ずれ、その状態のまま放出ローラ15によって排紙され、排紙トレイ17に積載される。なお、前記タイミングは、コロシフトセンサ303の用紙検知情報及び用紙のサイズ情報等に基づき決定される。
【0024】
下搬送路Dにはステイプルトレイ排紙センサ305が設けられ、搬送路中の用紙の有無及びステイプルトレイ10へ用紙を排出する際の揃え動作のトリガとしている。搬送路Dに送られた用紙は、搬送ローラ33,34,35によって順次搬送され、ステイプルトレイ10に積載後、整合される。
【0025】
ステイプルトレイ10に排紙された用紙の後端は、第1の用紙束規制手段としての後端フェンス27を基準に整合が行われる。後端フェンス27は、図6に示すように束搬送ローラ13aの中心軸を中心に回動可能な構成となっており、ソレノイド70により後端フェンス27のソレノイド側の端部27aが駆動され、先端部27bが搬送路から待避する。これにより、用紙束の搬送が妨げられないように構成されている。なお、符号71は後端フェンス27の先端部27bを常時搬送路から退避する側に弾性付勢するバネである。
【0026】
ステイプルトレイ10に積載された用紙は、叩きコロ8によって随時下に落とされて下端が揃えられる。叩きコロ8は支点8aを中心に、ステイプルトレイ10回りの機構を示す斜視図である図4に示すように、叩きソレノイド8sによって振り子運動を与えられ、ステイプルトレイ10へ送り込まれた用紙に間欠的に作用して用紙を後端フェンス27に突き当てる。なお、叩きコロ8はタイミングベルト8tにより反時計回りに用紙を後端フェンス27へ移動させる方向に回転している。ステイプルトレイ10に積載された用紙の搬送方向と直角方向の揃えは、ジョガーフェンス12によって行なわれる。ジョガーフェンス12は図4に示す正逆転可能なジョガーモータ12mによりタイミングベルト12bを介して駆動され、用紙の搬送方向と直角方向に往復移動する。この運動で用紙の端面を押さえる動作を行うことにより、搬送方向と直角の用紙の揃えを行う。この動作は用紙積載中及び最終用紙の積載後の随時に行なわれる。ステイプルトレイ10に備えられたセンサ306は、ステイプルトレイ10上の用紙の有無を検知する所謂用紙検知センサである。これら叩きコロ8、後端フェンス27及びジョガーフェンス12が用紙束を用紙搬送方向に対して平行な方向と直交する方向に整合させる整合手段を構成している。
【0027】
束搬送ローラ13a,13b及び26a,26bは、図7に示す機構により、加圧、解放動作が可能であり、解放した状態で用紙束を間に通した後、加圧して用紙束を搬送する。束搬送ローラ13a,13b及び26a,26bは圧解除モータ63により圧接離間移動が自在になっている。前記搬送コロ13a,13b及び26a,26bはステッピングモータ50により回転駆動され、このステッピングモータ50の回転数を制御することにより用紙束の搬送量が制御される。各束搬送ローラ13a,13b及び26a,26bの両者はそれぞれ別個独立して圧接離間移動が自在になっている。各束搬送ローラの圧解除機構は、同様となっているので束搬送ローラ13a,13bについて詳細に説明する。
【0028】
図7に示すように束搬送ローラ13a,13bは、回転方向が反対でかつ同速度で回転するように駆動系が連結されている。駆動は、ステッピングモータ50を駆動源として束搬送ローラ13aに同軸に配されたタイミングプーリ53およびギアプーリ54に、タイミングベルト52をステッピングモータ50の駆動軸51を介して駆動することにより伝達される。さらにギアプーリ54から、アイドラプーリ55を経て、アーム56を介して束搬送ローラ13bと同軸上に配されたタイミングプーリ58にタイミングベルト57により駆動力が伝達され、束搬送ローラ13bが回転することになる。アーム56は、ギアプーリ55を中心に回動可能となっており、束搬送ローラ13b軸に設けられた引張スプリング64により用紙へ圧接する方向に作用している。また、束搬送ローラ13b軸にはリンク59が連結されており、前記リンクの他方側には長穴59aが設けられ、ギヤ60の円周上に設けられた凸部60pに回動自在に遊嵌されている。また、前記ギア60の一端には束搬送ローラ13a,13bの開放状態をフィラー60aによって検知するためのセンサ61が設けられ、ステッピングモータ63を反時計回り及び時計回りに回転させ、駆動ギア62によりギア60を駆動し、圧接及び圧解除を行う。図7(a)が圧解除の状態、図7(b)が圧接の状態である。
【0029】
ステイプルユニット5は針を打ち出すステッチャ部5aと用紙束に打ち込まれた針の先端を曲げるクリンチャ部5bから構成されている。本実施形態におけるステイプルユニット5では、これらステッチャ5aとクリンチャ5bが別体に構成され、ステイプラ移動ガイド6によって用紙束搬送方向と直角方向に移動可能となっており、ステッチャ5aとクリンチャ5bは図示しない相対的位置決め機構と移動機構を備えている。用紙束の搬送方向のステイプル位置は、束搬送ローラ13a,13bにより用紙束を搬送することによって行う。これらにより、用紙束の様々な位置にステイプル止めを行うことができる。
【0030】
ステイプルユニット5の用紙搬送方向下流側(用紙を折る場合の下流側、位置的には下側)にあるのが、中折り機構部である。これは、折りローラ対20、折りプレート19、ストッパ21などから成り、上流のステイプルユニット5で、用紙の搬送方向中央にステイプル止めした用紙束を束搬送ローラ13a,13bによりストッパ21に突き当るまで搬送し、一旦、束搬送ローラ13bのニップ圧を解除することにより、用紙束の折り基準位置の位置が決められる。その後、束搬送ローラ26a,26bのニップ圧をかけて用紙束を保持し、ストッパ21が後退して用紙束後端から外れ、画像形成装置本体から送られた用紙サイズ信号により、必要な距離を搬送されて折りの位置が出される。折りの位置(通常は用紙束搬送方向の中央)まで搬送され、停止した用紙束は、折りプレート19によって折りローラ対20のニップに押し込まれ、折りローラ対20が用紙束を加圧、回転することより中折りされる。その際、用紙サイズが大きいと前記ストッパ21よりも用紙搬送方向下流側に用紙束が送られる。そこで、この実施形態では、ストッパ21配設位置より下流側の搬送経路を湾曲させて用紙束の端部を水平方向に導いている。このように構成することにより、大きな用紙サイズのものであっても、用紙の搬送が可能となり、用紙後処理装置FRの高さ方向のサイズをコンパクトにすることが可能となる。
【0031】
なお、図8に示すように第2の用紙束規制手段としてのストッパ21は束搬送ローラ26aの中心軸を中心に回動可能な構成となっており、ソレノイド72によりソレノイド側の端部21aが駆動され、先端部21bが搬送路から待避する構成となっている。符号73はストッパ21の先端部21bを常時搬送路に突出させるためにストッパ21を弾性付勢するバネである。折られた用紙束は中折り排紙ローラ22によって、中折り排紙トレイ23に排紙され、積載される。中折り部のセンサ310,311は用紙の有無を検知する。また、中折り排紙トレイ23のセンサ313は、中折り排紙トレイ23上の用紙束の有無を検知し、用紙束無しの状態から排紙した用紙束の数をカウントすることにより、中折り排紙トレイ23の満杯検知を擬似的に行うために用いられる。また、折りエンドストッパ位置検知センサ312は、ストッパ21の作動及びストッパが解除されたときの用紙束の端部位置を検出する。
【0032】
端面綴じの動作を図9に示す。図9(a)では、用紙搬送方向後端部と用紙搬送方向に直交する方向とが揃えられ、1部の用紙の必要枚数が揃った状態である。この状態から図9(b)に示すように束搬送ローラ13a,13bに銜え込まれ、図9(c)に示すように後端フェンス27が後退してスティプルユニット5が綴じ位置に移動し、図9(d)に示すように綴じ位置で綴じ動作が行われる。
【0033】
中綴じ製本の動作を図10に示す。図10(a)では、用紙搬送方向後端部と用紙搬送方向に直交する方向とが揃えられ、1部の用紙の必要枚数が揃った状態である。この状態から図10(b)に示すように束搬送ローラ13a,13bに銜え込まれ、後端フェンス27が後退し、用紙束を折りプレート19方向(下方)に搬送する。そして、用紙束はスティプルユニット5による綴じ位置である用紙束の搬送方向長さの中央で止められ、中綴じされる。
【0034】
中綴じされた用紙束は、図10(c)に示すようにさらに下方に搬送され、ストッパ21に当接させて位置決めした後、綴じ位置が折りプレート19の位置(折り位置)に達するまで、さらに搬送される。そして、図10(d)に示すように前記位置で用紙束を停止させ、折りプレート10を突出させて折りローラ20にニップに押し込む。このようにして、綴じ位置で2つ折りすることが可能になる。なお、折りプレート19の先端が用紙束に接触する程度突出させておけば、前記折り位置に達するとスティプル針が折りプレート19に当接するので、折り位置の位置精度が確保できる。
【0035】
図11は本実施形態に係る用紙後処理装置FRの制御回路を画像形成装置とともに示すもので、制御装置としてのメイン制御板350は、CPU360を中心とするマイクロコンピュータからなり、パルスカウンタ361及びタイマ362を備え、画像形成装置PR本体のコントロールパネルの各スイッチ等、および入口センサ301、上排紙センサ302、コロシフトセンサ303、スティプル排紙センサ305、ステイプルトレイ紙有無センサ306、放出爪位置検知センサ307、排紙センサ308、紙面検知センサ309、折りユニット紙有無検知センサ310、折りローラ配置検知センサ311、折りエンドストッパ位置検知センサ312、紙有無検知センサ313等の各センサ371からの信号がCPU360へ入力される。CPU360は、入力された信号に基づいて、各種モータ372,373やソレノイド374,375などの制御を司る。また、パンチユニット3もパンチ中継基板380を介してセンサやスイッチ385からの入力に応じてクラッチやモータ381,382,383をモータドライバ384を介して制御することによりCPU360の指示によって孔明けを実行する。
【0036】
なお、用紙後処理装置FRの制御は前記CPU360が図示しないROMに書き込まれたプログラムを、RAM363をワークエリアとして使用しながら実行することにより行われる。
【0037】
以下、本実施形態におけるパンチユニット部について説明する。
本発明の一実施形態に係るパンチユニットの外観を示す斜視図を図12に、側面図を図13に、パンチモータ近傍の拡大図を図14に、駆動伝達機構部の拡大図を図15に示す。
【0038】
図12に示すように、本実施形態に係るパンチユニットは、2穴(3−1)及び3穴(3−2)のパンチが可能なパンチユニットであり、2穴で穿孔するか3穴で穿孔するかの選択、及びそのときの駆動機構は、前述の特許文献1記載の発明と同等であり、公知の技術であるので、ここでの説明は省略する。
【0039】
用紙後処理装置FRに搬送された用紙は図13のギャップ3−11からパンチユニット3に進入し、穿孔動作が行われる。図14に示すDCモータとしてのDCブラシモータ(パンチモータ)3−6は穿孔の駆動源である。DCブラシモータ3−6が回転すると、図15に示すギア3−8、クランクギア3−9が回転し、スライドリンク3−10が左右にスライドする。スライドリンク3−10のスライドによって、パンチ刃3−1又は3−2が上下に動き穿孔動作が行われる。スライドをパンチの上下動に伝達する機構は、例えば前述の特許文献1に記載された公知の機構が使用される。
【0040】
図14に示すDCブラシモータ3−6が回転すると、DCブラシモータ3−6の軸上に取り付けられたエンコーダ3−5が回転し、パルスカウントセンサ3−3の出力が変化する。図11に示すように、センサ385の出力はCPU360のパルス入力ポートから入力されCPU360内のパルスカウンタ361によってカウントされる。ホームポジションフィラー3−7は、クランクギア3−9の軸上に取り付けられており、パンチ刃3−1又は3−2がホームポジション(パンチ刃が下フレームからギャップ3−11に突出しない位置)にある時に、ホームポジションセンサ3−4がホームポジションフィラー3−7の切り欠きを検出するように取り付けられている。ホームポジションフィラー3−7の切り欠きは、180°対向する位置に計2つあり、どちらもパンチ刃が下フレームからギャップ3−11に突出しない位置となる。
【0041】
パンチ刃3−1又は3−2がホームポジションの状態から、ホームポジションフィラー3−7を半回転させて停止させると、回転方向に応じてパンチ刃3−1又は3−2のどちらかが穿孔動作(上下動)を行い再びホームポジションの状態になる。この状態から前回と逆方向にDCブラシモータ3−6を回転させると、前回と同じパンチ刃(3−1又は3−2)が再び穿孔動作を行う。前回と同方向にDCブラシモータ3−6を回転させた場合は、前回と違うパンチ刃(3−1又は3−2)が穿孔動作を行う。
【0042】
DCブラシモータ3−6を動力源に使用した場合の一番大きな課題は、停止精度の悪さである。全く同一の制御において穿孔から停止動作を行った場合、モータの特性のばらつき、駆動電圧のばらつき、穿孔用紙の紙厚の違い、ユニット間の機械的負荷のばらつき、等によって停止位置が大きく変動する。停止精度が悪いと、停止時にパンチ刃がホームポジションから外れて、紙搬送等に不具合が発生する。
【0043】
そこで、本実施形態では、以下のように制御している。
イニシャル動作及び穿孔動作時にDCブラシモータ3−6の回転に伴い、ホームポジションフィラー3−7が回転するとホームポジションの切り欠きのエッジ(ホームポジションOFF)をホームポジションセンサ3−4が検出する。同時にCPU360内のパルスカウンタ361によってパルスカウントを開始する。これによって、その後いつでもホームポジションOFFからのカウントパルス数P、つまりはパンチ刃3−1又は3−2の上下方向の位置を知ることができる。
【0044】
カウントパルス数Pが、規定値Pbiになった時点でモータ3−6にブレーキをかけ、モータ3−6を停止させる場合、紙厚が薄く駆動負荷が軽いとモータ速度が速くので、停止位置が狙いに対してオーバーランする傾向になる。逆に、紙厚が厚く駆動負荷が重いとモータ速度が遅くなるので、停止位置が狙いに対して手前にくる傾向になる。そこで、いつでも狙いの停止位置に極力近づけるためにブレーキ開始位置を補正する。この補正は、紙厚が薄い場合、ブレーキ開始位置を早めにし、紙厚が厚い場合、ブレーキ開始位置を遅めにすることによりおこなわれる。
【0045】
ブレーキ開始位置の計算式の一例を以下に示す。
ブレーキ開始位置のパルスカウント値をPbとすると、紙厚が薄い場合ブレーキ開始位置を早めにし、紙厚が厚い場合ブレーキ開始位置を遅めにするには、
Pb=Pd+K×Ptc・・・(1)
の計算式を使用する。この場合、
Pb:ブレーキ開始位置のホームポジションOFFからのパルスカウント値
Pd:規定パルス数
K:補正係数
Ptc:紙厚補正値(紙厚が厚いほど大きい値を設定する)
となる。
【0046】
このときの制御手順を図16のフローチャートに示す。
まず、この穿孔動作では、まず、パンチモータ3−6回転方向フラグをチェックし(ステップS101)、正回転側であると、パンチモータ3−6を正回転させ(ステップS102)、逆回転側であると逆回転させる(ステップS103)。そして、ホームポジションセンサ3−4がOFFになりホームポジションを検出すると(ステップS104)、エンコーダ3−5のパルスカウントを開始する(ステップS105)。次いで、前記(1)式に基づいてブレーキ開始パルス数Pbを演算し(ステップS106)、パルスカウント値がPbになると(ステップS107)、パルスモータ3−6にブレーキをかける(ステップS108)。パルスモータ3−6が停止すると(ステップS109)、パンチモータ回転方向フラグを反転させ(ステップS110)、処理を終える。
【0047】
(1)式のPd、K、Ptcの設定は、ユニット、モータ特性等によって最適値を実験値から決定する。また、この実施形態では、補正式は、(1)式のように設定し、この実施形態の動作を(1)式に沿って説明したが、補正式は、ユニット、モータ特性等によって最適な式を実験値から決定するべきものである。
【0048】
なお、紙厚の検知は、用紙後処理装置側で行っても良いが、画像形成装置側で検知する方法が一般的であり、その場合、通信手段を介して用紙後処理装置FRに通知する。画像形成装置側での紙厚検知方法は、オペレータの入力や、例えば特開2002−195802号公報開示のような公知の検知手段が用いられる。
【0049】
モータブレーキ動作は、停止精度の面から短絡ブレーキ(図3に示すモータドライバにてDCブラシモータ3−6の2端子をショートさせる)が望ましい。しかし、一定時間逆転ブレーキ→一定時間後短絡ブレーキの動作で停止させることで、穿孔時間を短縮することが出来る。
【0050】
ブレーキ動作の開始は、出来るだけCPUの割込み処理を使用すると停止精度がさらに向上する。
【0051】
このように本実施形態によれば、パンチモータ(穿孔駆動モータ)3−6としてDCブラシモータを採用し、このように制御することにより、モータ停止精度も良好とすることが可能となり、結果として小型、高速、低コストなパンチユニットを提供することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、小型で高速処理が可能な用紙穿孔装置、この用紙穿孔装置を備えた用紙処理装置、この用紙処理装置を備えた画像形成システムを低コストで提供することができ、特に、穿孔動作のための駆動モータとしてDCブラシモータを使用したときに、モータ停止精度を良好に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示した用紙後処理装置を備えた画像形成システム(複写機形態)の概略構成を示す図である。
【図3】図1に示した用紙後処理装置を備えた画像形成システム(プリンタ形態)の概略構成を示す図である。
【図4】スティプルトレイ回りの機構を示す斜視図である。
【図5】放出ベルトと放出爪の駆動部の概略を示す図である。
【図6】後端フェンスの駆動機構を示す図である。
【図7】束搬送ローラの接離機構及び動作を示す図である。
【図8】ストッパの駆動機構を示す図である。
【図9】端面綴じの動作を示す図である。
【図10】中綴じの動作を示す図である。
【図11】本実施形態に係る用紙後処理装置の制御回路を画像形成装置とともに示すブロック図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るパンチユニットの外観を示す斜視図である。
【図13】図12の側面図である。
【図14】パンチモータ近傍の拡大図である。
【図15】パンチユニットの駆動伝達機構部の拡大図である。
【図16】本発明の実施形態に係る用紙穿孔装置の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 パンチユニット
3−1 2穴のパンチ
3−2 3穴のパンチ
3−3 パルスカウントセンサ
3−4 ホームポジションセンサ
3−5 エンコーダ
3−6 DCブラシモータ
3−7 ホームポジションフィラー
3−8 ギア
3−9 クランクギア
3−10 スライドリンク
3−11 ギャップ
350 制御装置
360 CPU
FR 用紙後処理装置(フィニッシャ)
PR 画像形成装置

Claims (9)

  1. 用紙に対して穿孔する用紙穿孔装置において、
    穿孔動作のためのモータと、
    前記モータの駆動量を検出するためのモータ駆動量検出手段と、
    穿孔対象となる用紙の紙厚を認識する紙厚認識手段と、
    前記紙厚認識手段によって認識した紙厚に応じて穿孔動作時のモータ停止動作を変化させる制御手段と、
    を備えていることを特徴とする用紙穿孔装置。
  2. 前記モータはDCブラシモータであり、モータ停止手段は短絡ブレーキであることを特徴とする請求項1記載の用紙穿孔装置。
  3. 前記モータはDCブラシモータであり、モータ停止手段は逆転ブレーキと短絡ブレーキを組み合わせたものであることを特徴とする請求項1記載の用紙穿孔装置。
  4. 前記制御手段は、モータ停止動作開始位置を変更することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の用紙穿孔装置。
  5. 前記モータ駆動量検出手段は、モータの駆動に伴って回転するエンコーダと、光学センサとからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の用紙穿孔装置。
  6. 穿孔するためのパンチ刃のホームポジション位置を検出するためのホームポジション検出手段を備え、このホームポジション検出手段が、前記モータの駆動に伴って回転するフィラーと、光学センサとからなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の用紙穿孔装置。
  7. 前記紙厚認識手段は、通信手段を介して接続された画像形成装置から用紙の紙厚情報を受け取って紙厚を認識することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の用紙穿孔装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の用紙穿孔装置と、
    用紙に対して前記穿孔処理を含む処理を実行して排紙する用紙処理手段と、
    を備えていることを特徴とする用紙処理装置。
  9. 請求項8記載の用紙処理装置と、
    前記用紙処理装置が一体または別体に設けられた画像形成装置と、
    からなる画像形成システム。
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