JP2005012093A - エッチング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板がローラ搬送により各処理槽に順番に通過し、且つ基板上のエッチングすべき物質がエッチング液に溶解することにより、エッチングが促進される特性のエッチング装置において、基板表面からエッチング液中に溶出する物質を有効利用する。その有効利用で問題となるエッチングむら及びエッチング処理の不安定を解消する。
【解決手段】基板10がローラ搬送によりエッチング槽30、水洗槽を順番に通過する。ディップ槽32は、前記エッチング液を収容し、そのエッチング液中に前記基板10を浸漬させて処理する。ポンプ34は、ディップ槽32内のエッチング液をノズル36,37に循環させて基板10の表面に沿った層流を形成する。タンク33では、エッチングの進行に伴うエッチング液中の溶出物質濃度の上昇を抑制するために、エッチング液にその新液を追加供給し、ポンプ35は、そのタンク33内のエッチング液をディップ槽32に供給する。
【選択図】図1
【解決手段】基板10がローラ搬送によりエッチング槽30、水洗槽を順番に通過する。ディップ槽32は、前記エッチング液を収容し、そのエッチング液中に前記基板10を浸漬させて処理する。ポンプ34は、ディップ槽32内のエッチング液をノズル36,37に循環させて基板10の表面に沿った層流を形成する。タンク33では、エッチングの進行に伴うエッチング液中の溶出物質濃度の上昇を抑制するために、エッチング液にその新液を追加供給し、ポンプ35は、そのタンク33内のエッチング液をディップ槽32に供給する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板がローラ搬送により各処理槽に順番に通過するローラ搬送式のエッチング装置に関し、更に詳しくは、基板上のエッチングすべき物質がエッチング液に溶解することにより、エッチングが促進される特性のエッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶用ガラス基板の製造では、素材であるガラス板の表面に対してレジスト塗布、エッチング、レジスト剥離を1サイクルとする処理が繰り返されることにより、基板の表面上に所定の回路が積層形成される。ここにおけるエッチング処理の一つとして銀エッチングがある。また、処理方式の一つとしてローラ搬送式がある。
【0003】
銀エッチングの特徴的な性質は、エッチングの進行に伴って基板表面からエッチング液中に銀が溶解すると、その銀が触媒として機能してエッチング反応を促進することである。この特性のために、エッチング効率を上げるためには、エッチング液中に銀を積極的に溶解する必要があり、その一方では、基板の表面近傍でエッチング液中の溶解銀に濃度差ができやすく、エッチングむらが発生しやすい問題がある。
【0004】
一方、ローラ搬送式のエッチング装置では、基板がローラ搬送によりエッチング槽、水洗槽を順番に通過する。エッチング槽では、槽上部に設けたシャワーユニットなどから基板の表面にエッチング液が供給される。水洗槽でも、槽上部に設けたシャワーユニットなどから基板の表面に洗浄水が吹き付けられる。シャワー処理以外では、例えばディップ処理(浸漬処理)も一部では考えられている(特許文献1〜3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−074089号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平11−029881号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平11−204917号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
銀エッチングでは、前述したとおり、エッチング液に銀を溶解させることが、処理効率の点から必要とされる。シャワー方式のエッチング装置の場合、基板上に供給されたエッチング液が基板上に留まることなく排出されるので、基板の表面から溶出する銀を触媒に利用することができない。このため、エッチング液に予め銀を溶解させておく必要があり、薬液コストが嵩む問題がある。
【0009】
この観点から考慮すれば、ディップ処理は非常に有望である。なぜなら、ディップ処理では、エッチング液がディップ槽内に滞留し、基板表面からエッチング液中に溶解した銀が、基板表面の近傍に留まり、基板表面の銀のエッチングに利用可能となることから、新液への銀の溶かし込みが不要になるからである。
【0010】
しかしながら、ディップ処理による銀エッチングでは、シャワー処理のような激しい液流動を期待できないために、前述したエッチングむらが発生しやすい問題がある。この問題は、ディップ槽内のエッチング液をオーバーフローさせても解決できない。加えて、槽内のエッチング液の溶解銀濃度が処理の進行に連れて上昇し、濃度管理が容易でないため、エッチング処理が安定しないという問題もある。オーバーフローの場合は、槽内での溶出銀の有効利用が困難になる。
【0011】
本発明の目的は、基板表面からエッチング液中に溶出する触媒物質を有効利用し、しかもエッチングむら、エッチング処理の不安定化の問題を解決できるエッチング装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者はディップ処理に着目し、そのディップ処理で問題になるエッチングむら及び処理不安定の現象を解消する手立てについて鋭意検討した。その結果、エッチングむらの解消に対しては、ディップ槽内で基板の表面に沿った層流を形成するのが有効であること、処理不安定の解消に対しては新液の追加供給が有効なことが判明した。
【0013】
ディップ槽内で基板の表面に沿った層流を形成すると、基板の表面から溶出する触媒物質が有効利用されつつ、表面近傍での触媒物質の濃度不均一が解消される。また、エッチングの進行に伴うエッチング液中の触媒物質の濃度上昇は基板の処理枚数に比例する。基板の処理枚数に応じて新液を追加供給すれば、エッチング液中の触媒物質濃度が精度よく一定に管理される。
【0014】
本発明のエッチング装置は、かかる知見を基礎として完成されたものであり、基板がローラ搬送により各処理槽に順番に通過し、且つ基板上のエッチングすべき物質がエッチング液に溶解することにより、エッチングが促進される特性のエッチング装置であって、前記エッチング液を収容し、そのエッチング液中に前記基板を浸漬させて処理するディップ槽と、ディップ槽内のエッチング液を操作して前記基板の表面に沿った層流を形成する第1の液操作系と、エッチングの進行に伴うエッチング液中の触媒物質濃度の上昇を抑制するべく、エッチング液にその新液を追加供給する第2の液操作系とを具備することを構成上の特徴点としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態を示すエッチング装置の構成図である。
【0016】
本実施形態のエッチング装置は、液晶用ガラス基板に対するローラ搬送式の銀エッチング装置である。このエッチング装置は、水平方向に多数配列された搬送ローラ20により、基板10を水平姿勢でエッチング槽30及び水洗槽に順次通過させる構成になっている。
【0017】
エッチング槽30は、外槽31と、外槽31内に配置されたディップ槽32と、外槽31の外に設置されたタンク33と、2つのポンプ34,35とを備えている。外槽31は角形の密閉槽である。外槽31の内部には、前記搬送ローラ20がディップ槽32の前後に位置して配列されている。また、前後の隔壁には、基板10が通過するスリット状の開口部31a,31aが設けられている。
【0018】
エッチング液を収容するディップ槽32は、基板10の全長より長い角形の開放槽である。ディップ槽32内には、所定数の搬送ローラ20が外槽31内の搬送ローラ20と同一レベルで配列されると共に、隣接するローラ間の空間を埋めるべく、そのローラ間に位置して整流体32aが設けられている。また、前壁及び後壁の内側には整流板32bが設けられている。整流体32a及び整流板32bは、ディップ槽32内の基板10の表面に沿った層流の形成を促進するためのものである。
【0019】
ディップ槽32の前壁及び後壁は、基板10の搬入・搬出のために上部が開口しており、その開口部を回動式の扉32c,32cで開閉する構造になっている。ディップ槽32内の搬送ローラ20より下には、第1の液吐出ノズル36が設けられている。第1の液吐出ノズル36は、搬送ローラ20より下でエッチング液を上流側へ噴出することにより、ディップ槽32内に循環流を形成し、搬送ローラ20より上に基板搬送方向の層流を形成する。
【0020】
ディップ槽32の上流側の端部上方には、第2の液吐出ノズル37が下流側に傾斜して設けられている。第2の液吐出ノズル37は、エッチング液を膜状に吐出するスリットノズルである。このノズルは、ディップ槽32へ基板10を投入する際に基板10の表面全体に速やかにエッチング液を塗布すると共に、基板投入後はディップ槽32内のエッチング液の表面に向けて、エッチング液を基板幅以上の膜状で斜め後方に吐出することにより、エッチング液中の基板10の表面に沿った基板搬送方向の層流の形成を促進する。
【0021】
タンク33は、ディップ槽32内の液面の昇降(特に下降)のために、ディップ槽32内のエッチング液を外槽31を介して回収する。また、その回収液にエッチング液の新液を追加する。
【0022】
第1のポンプ34は、ディップ槽32内のエッチング液を循環させるためのものであり、ディップ槽32内のエッチング液を加圧して液吐出ノズル36,37に供給する。このポンプ34は、液吐出ノズル36,37と共に、本発明での第1の液操作系を構成している。第2のポンプ35は、ディップ槽32内の液面の昇降(特に上昇)のために、タンク33内のエッチング液を加圧してディップ槽32に戻す。このポンプ35は、タンク33と共に、本発明での第2の液操作系を構成している。
【0023】
次に、本実施形態のエッチング装置を用いた銀エッチング方法について説明する。
【0024】
基板10が所定の時間的間隔でエッチング槽30に次々と搬送される。先の基板10がディップ槽32から搬出される際、ディップ槽32の扉32c,32cが開き、ここからディップ槽32内のエッチング液が排出されることにより、ディップ槽32内の液面が下がり、その液面上に搬送ラインが露出する。ディップ槽32から排出されたエッチング液は、外槽31を経由してタンク33内に回収される。
【0025】
扉32c,32cが開放されてディップ槽32内の液面が下がると、先の基板10が搬出され、代わりに次の基板10がディップ槽32内の定位置に搬入される。このとき、ポンプ34が作動することにより、液吐出ノズル36からエッチング液が吐出され、基板10の表面に塗布される。
【0026】
次の基板10がディップ槽32内の定位置に搬入されると、扉32c,32cが閉じ、ポンプ35によりタンク33内からディップ槽32内へエッチング液が供給され、液面が元の位置まで戻る。これにより、基板10がエッチング液に浸漬される。液面が戻ると、ディップ槽32内へのエッチング液の供給が停止し、ポンプ34が再作動する。これにより、ディップ槽32内のエッチング液が液吐出ノズル36,37に循環する。
【0027】
ディップ槽32内へのエッチング液の供給が停止する間もポンプ35は作動を続け、タンク33内のエッチング液を外槽31を経由して循環させることにより、タンク33内のエッチング液の温度及び濃度を均一に管理する。
【0028】
ディップ槽32内では、基板10がエッチング液に浸漬されることにより、基板10の表面がエッチング処理される。この処理に伴って基板10の表面からエッチング液中へ銀が溶出する。
【0029】
このとき同時に、液吐出ノズル36にエッチング液が循環することにより、搬送ローラ20の下では上流側への層流が形成され、これに伴って、搬送ローラ20の上では基板10の表面に沿った基板搬送方向の層流が形成される。また、液吐出ノズル37にエッチング液が循環することにより、搬送ローラ20の上に形成される基板搬送方向の層流が加速される。これらのため、基板10の表面近傍で液置換が促進され、エッチング液中への銀溶出に伴う銀濃度の差が解消される。従って、エッチングむらが防止される。
【0030】
基板10に対するエッチング処理が終わると、ディップ槽32内のエッチング液が排出され、液面が下げられる。その後、扉32c,32cが開き、基板10が搬出されると共に、代わりに次の基板10が搬入される。ディップ槽32から搬出された基板10は下流側の水洗槽に入り、水洗処理を受ける。
【0031】
これを繰り替えすことにより,ディップ槽32内で基板10が次々とエッチング処理される。エッチング処理に伴ってディップ槽32内のエッチング液中に銀が溶出し、この銀がエッチングレートの上昇に寄与することは前述したとおりである。特に、エッチング処理中、ディップ槽32のエッチング液はオーバーフローせず、ディップ槽32に循環するだけであるため、エッチング液中の銀濃度がスムーズに上昇する。即ち、基板10から溶出する銀がエッチングレートの上昇に効率的に利用される。
【0032】
しかし、その一方では、エッチング液中の銀濃度が上昇し続け、安定なエッチング処理が困難となる。しかるに、本実施形態のエッチング装置では、タンク33内のエッチング液に新液が追加され、希釈されることにより、エッチング液中の銀濃度が一定範囲内に維持される。特に、ディップ槽32で1枚の基板10を処理するごとに所定量のエッチング液がタンク33に戻され、再びディップ槽32へ送り出される。また、1枚の基板処理で銀濃度が上昇する量は一定である。これらのため、所定枚数ごとに一定量の新液をタンク33内に追加するという簡単なフィードフォワード的操作で、エッチング液中の銀濃度を一定範囲内に維持することが可能となる。なお、タンク33内の液量はオーバーフローにより一定に管理される。
【0033】
このように、本実施形態のエッチング装置では、ディップ槽32で基板10をエッチング処理することにより、基板10から溶出する銀を有効利用できる。このため、エッチング液に別途銀を溶解する操作が不要になり、液コストの節減を始めとして経済性が向上する。基板10の表面に沿った層流を形成することにより、溶出銀の有効利用を阻害することなく、エッチングむらを解消できる。また、新液の追加供給により、エッチング液中の銀濃度を簡単に維持管理できる。
【0034】
なお、本実施形態では、液吐出ノズル36,37により層流を形成したが、一方のみを使用してもよく、他の層流形成手段を単独使用又は併用してもよい。他の層流形成手段としては、例えば基板10の前後方向の往復動、スクリュウによる液攪拌などを挙げることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明のエッチング装置は、ディップ槽内で基板をエッチング処理することにより、基板表面からエッチング液中に溶出する触媒物質を有効利用できる。また、ディップ槽内で基板の表面に沿った層流を形成することにより、触媒物質の有効利用を阻害することなくエッチングむらを解消できる。更に、新液の追加供給によりエッチング処理の進行に伴うエッチング液中の触媒物質濃度の上昇を抑制し、エッチング処理の不安定も解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエッチング装置の構成図である。
【符号の説明】
10 基板
20 搬送ローラ
30 エッチング槽
31 外槽
32 ディップ槽
33 タンク
34,35 ポンプ
36,37 液吐出ノズル
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板がローラ搬送により各処理槽に順番に通過するローラ搬送式のエッチング装置に関し、更に詳しくは、基板上のエッチングすべき物質がエッチング液に溶解することにより、エッチングが促進される特性のエッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶用ガラス基板の製造では、素材であるガラス板の表面に対してレジスト塗布、エッチング、レジスト剥離を1サイクルとする処理が繰り返されることにより、基板の表面上に所定の回路が積層形成される。ここにおけるエッチング処理の一つとして銀エッチングがある。また、処理方式の一つとしてローラ搬送式がある。
【0003】
銀エッチングの特徴的な性質は、エッチングの進行に伴って基板表面からエッチング液中に銀が溶解すると、その銀が触媒として機能してエッチング反応を促進することである。この特性のために、エッチング効率を上げるためには、エッチング液中に銀を積極的に溶解する必要があり、その一方では、基板の表面近傍でエッチング液中の溶解銀に濃度差ができやすく、エッチングむらが発生しやすい問題がある。
【0004】
一方、ローラ搬送式のエッチング装置では、基板がローラ搬送によりエッチング槽、水洗槽を順番に通過する。エッチング槽では、槽上部に設けたシャワーユニットなどから基板の表面にエッチング液が供給される。水洗槽でも、槽上部に設けたシャワーユニットなどから基板の表面に洗浄水が吹き付けられる。シャワー処理以外では、例えばディップ処理(浸漬処理)も一部では考えられている(特許文献1〜3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−074089号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平11−029881号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平11−204917号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
銀エッチングでは、前述したとおり、エッチング液に銀を溶解させることが、処理効率の点から必要とされる。シャワー方式のエッチング装置の場合、基板上に供給されたエッチング液が基板上に留まることなく排出されるので、基板の表面から溶出する銀を触媒に利用することができない。このため、エッチング液に予め銀を溶解させておく必要があり、薬液コストが嵩む問題がある。
【0009】
この観点から考慮すれば、ディップ処理は非常に有望である。なぜなら、ディップ処理では、エッチング液がディップ槽内に滞留し、基板表面からエッチング液中に溶解した銀が、基板表面の近傍に留まり、基板表面の銀のエッチングに利用可能となることから、新液への銀の溶かし込みが不要になるからである。
【0010】
しかしながら、ディップ処理による銀エッチングでは、シャワー処理のような激しい液流動を期待できないために、前述したエッチングむらが発生しやすい問題がある。この問題は、ディップ槽内のエッチング液をオーバーフローさせても解決できない。加えて、槽内のエッチング液の溶解銀濃度が処理の進行に連れて上昇し、濃度管理が容易でないため、エッチング処理が安定しないという問題もある。オーバーフローの場合は、槽内での溶出銀の有効利用が困難になる。
【0011】
本発明の目的は、基板表面からエッチング液中に溶出する触媒物質を有効利用し、しかもエッチングむら、エッチング処理の不安定化の問題を解決できるエッチング装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者はディップ処理に着目し、そのディップ処理で問題になるエッチングむら及び処理不安定の現象を解消する手立てについて鋭意検討した。その結果、エッチングむらの解消に対しては、ディップ槽内で基板の表面に沿った層流を形成するのが有効であること、処理不安定の解消に対しては新液の追加供給が有効なことが判明した。
【0013】
ディップ槽内で基板の表面に沿った層流を形成すると、基板の表面から溶出する触媒物質が有効利用されつつ、表面近傍での触媒物質の濃度不均一が解消される。また、エッチングの進行に伴うエッチング液中の触媒物質の濃度上昇は基板の処理枚数に比例する。基板の処理枚数に応じて新液を追加供給すれば、エッチング液中の触媒物質濃度が精度よく一定に管理される。
【0014】
本発明のエッチング装置は、かかる知見を基礎として完成されたものであり、基板がローラ搬送により各処理槽に順番に通過し、且つ基板上のエッチングすべき物質がエッチング液に溶解することにより、エッチングが促進される特性のエッチング装置であって、前記エッチング液を収容し、そのエッチング液中に前記基板を浸漬させて処理するディップ槽と、ディップ槽内のエッチング液を操作して前記基板の表面に沿った層流を形成する第1の液操作系と、エッチングの進行に伴うエッチング液中の触媒物質濃度の上昇を抑制するべく、エッチング液にその新液を追加供給する第2の液操作系とを具備することを構成上の特徴点としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態を示すエッチング装置の構成図である。
【0016】
本実施形態のエッチング装置は、液晶用ガラス基板に対するローラ搬送式の銀エッチング装置である。このエッチング装置は、水平方向に多数配列された搬送ローラ20により、基板10を水平姿勢でエッチング槽30及び水洗槽に順次通過させる構成になっている。
【0017】
エッチング槽30は、外槽31と、外槽31内に配置されたディップ槽32と、外槽31の外に設置されたタンク33と、2つのポンプ34,35とを備えている。外槽31は角形の密閉槽である。外槽31の内部には、前記搬送ローラ20がディップ槽32の前後に位置して配列されている。また、前後の隔壁には、基板10が通過するスリット状の開口部31a,31aが設けられている。
【0018】
エッチング液を収容するディップ槽32は、基板10の全長より長い角形の開放槽である。ディップ槽32内には、所定数の搬送ローラ20が外槽31内の搬送ローラ20と同一レベルで配列されると共に、隣接するローラ間の空間を埋めるべく、そのローラ間に位置して整流体32aが設けられている。また、前壁及び後壁の内側には整流板32bが設けられている。整流体32a及び整流板32bは、ディップ槽32内の基板10の表面に沿った層流の形成を促進するためのものである。
【0019】
ディップ槽32の前壁及び後壁は、基板10の搬入・搬出のために上部が開口しており、その開口部を回動式の扉32c,32cで開閉する構造になっている。ディップ槽32内の搬送ローラ20より下には、第1の液吐出ノズル36が設けられている。第1の液吐出ノズル36は、搬送ローラ20より下でエッチング液を上流側へ噴出することにより、ディップ槽32内に循環流を形成し、搬送ローラ20より上に基板搬送方向の層流を形成する。
【0020】
ディップ槽32の上流側の端部上方には、第2の液吐出ノズル37が下流側に傾斜して設けられている。第2の液吐出ノズル37は、エッチング液を膜状に吐出するスリットノズルである。このノズルは、ディップ槽32へ基板10を投入する際に基板10の表面全体に速やかにエッチング液を塗布すると共に、基板投入後はディップ槽32内のエッチング液の表面に向けて、エッチング液を基板幅以上の膜状で斜め後方に吐出することにより、エッチング液中の基板10の表面に沿った基板搬送方向の層流の形成を促進する。
【0021】
タンク33は、ディップ槽32内の液面の昇降(特に下降)のために、ディップ槽32内のエッチング液を外槽31を介して回収する。また、その回収液にエッチング液の新液を追加する。
【0022】
第1のポンプ34は、ディップ槽32内のエッチング液を循環させるためのものであり、ディップ槽32内のエッチング液を加圧して液吐出ノズル36,37に供給する。このポンプ34は、液吐出ノズル36,37と共に、本発明での第1の液操作系を構成している。第2のポンプ35は、ディップ槽32内の液面の昇降(特に上昇)のために、タンク33内のエッチング液を加圧してディップ槽32に戻す。このポンプ35は、タンク33と共に、本発明での第2の液操作系を構成している。
【0023】
次に、本実施形態のエッチング装置を用いた銀エッチング方法について説明する。
【0024】
基板10が所定の時間的間隔でエッチング槽30に次々と搬送される。先の基板10がディップ槽32から搬出される際、ディップ槽32の扉32c,32cが開き、ここからディップ槽32内のエッチング液が排出されることにより、ディップ槽32内の液面が下がり、その液面上に搬送ラインが露出する。ディップ槽32から排出されたエッチング液は、外槽31を経由してタンク33内に回収される。
【0025】
扉32c,32cが開放されてディップ槽32内の液面が下がると、先の基板10が搬出され、代わりに次の基板10がディップ槽32内の定位置に搬入される。このとき、ポンプ34が作動することにより、液吐出ノズル36からエッチング液が吐出され、基板10の表面に塗布される。
【0026】
次の基板10がディップ槽32内の定位置に搬入されると、扉32c,32cが閉じ、ポンプ35によりタンク33内からディップ槽32内へエッチング液が供給され、液面が元の位置まで戻る。これにより、基板10がエッチング液に浸漬される。液面が戻ると、ディップ槽32内へのエッチング液の供給が停止し、ポンプ34が再作動する。これにより、ディップ槽32内のエッチング液が液吐出ノズル36,37に循環する。
【0027】
ディップ槽32内へのエッチング液の供給が停止する間もポンプ35は作動を続け、タンク33内のエッチング液を外槽31を経由して循環させることにより、タンク33内のエッチング液の温度及び濃度を均一に管理する。
【0028】
ディップ槽32内では、基板10がエッチング液に浸漬されることにより、基板10の表面がエッチング処理される。この処理に伴って基板10の表面からエッチング液中へ銀が溶出する。
【0029】
このとき同時に、液吐出ノズル36にエッチング液が循環することにより、搬送ローラ20の下では上流側への層流が形成され、これに伴って、搬送ローラ20の上では基板10の表面に沿った基板搬送方向の層流が形成される。また、液吐出ノズル37にエッチング液が循環することにより、搬送ローラ20の上に形成される基板搬送方向の層流が加速される。これらのため、基板10の表面近傍で液置換が促進され、エッチング液中への銀溶出に伴う銀濃度の差が解消される。従って、エッチングむらが防止される。
【0030】
基板10に対するエッチング処理が終わると、ディップ槽32内のエッチング液が排出され、液面が下げられる。その後、扉32c,32cが開き、基板10が搬出されると共に、代わりに次の基板10が搬入される。ディップ槽32から搬出された基板10は下流側の水洗槽に入り、水洗処理を受ける。
【0031】
これを繰り替えすことにより,ディップ槽32内で基板10が次々とエッチング処理される。エッチング処理に伴ってディップ槽32内のエッチング液中に銀が溶出し、この銀がエッチングレートの上昇に寄与することは前述したとおりである。特に、エッチング処理中、ディップ槽32のエッチング液はオーバーフローせず、ディップ槽32に循環するだけであるため、エッチング液中の銀濃度がスムーズに上昇する。即ち、基板10から溶出する銀がエッチングレートの上昇に効率的に利用される。
【0032】
しかし、その一方では、エッチング液中の銀濃度が上昇し続け、安定なエッチング処理が困難となる。しかるに、本実施形態のエッチング装置では、タンク33内のエッチング液に新液が追加され、希釈されることにより、エッチング液中の銀濃度が一定範囲内に維持される。特に、ディップ槽32で1枚の基板10を処理するごとに所定量のエッチング液がタンク33に戻され、再びディップ槽32へ送り出される。また、1枚の基板処理で銀濃度が上昇する量は一定である。これらのため、所定枚数ごとに一定量の新液をタンク33内に追加するという簡単なフィードフォワード的操作で、エッチング液中の銀濃度を一定範囲内に維持することが可能となる。なお、タンク33内の液量はオーバーフローにより一定に管理される。
【0033】
このように、本実施形態のエッチング装置では、ディップ槽32で基板10をエッチング処理することにより、基板10から溶出する銀を有効利用できる。このため、エッチング液に別途銀を溶解する操作が不要になり、液コストの節減を始めとして経済性が向上する。基板10の表面に沿った層流を形成することにより、溶出銀の有効利用を阻害することなく、エッチングむらを解消できる。また、新液の追加供給により、エッチング液中の銀濃度を簡単に維持管理できる。
【0034】
なお、本実施形態では、液吐出ノズル36,37により層流を形成したが、一方のみを使用してもよく、他の層流形成手段を単独使用又は併用してもよい。他の層流形成手段としては、例えば基板10の前後方向の往復動、スクリュウによる液攪拌などを挙げることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明のエッチング装置は、ディップ槽内で基板をエッチング処理することにより、基板表面からエッチング液中に溶出する触媒物質を有効利用できる。また、ディップ槽内で基板の表面に沿った層流を形成することにより、触媒物質の有効利用を阻害することなくエッチングむらを解消できる。更に、新液の追加供給によりエッチング処理の進行に伴うエッチング液中の触媒物質濃度の上昇を抑制し、エッチング処理の不安定も解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエッチング装置の構成図である。
【符号の説明】
10 基板
20 搬送ローラ
30 エッチング槽
31 外槽
32 ディップ槽
33 タンク
34,35 ポンプ
36,37 液吐出ノズル
Claims (1)
- 基板がローラ搬送により各処理槽に順番に通過し、且つ基板上のエッチングすべき物質がエッチング液に溶解することにより、エッチングが促進される特性のエッチング装置であって、前記エッチング液を収容し、そのエッチング液中に前記基板を浸漬させて処理するディップ槽と、ディップ槽内のエッチング液を操作して前記基板の表面に沿った層流を形成する第1の液操作系と、エッチングの進行に伴うエッチング液中の触媒物質濃度の上昇を抑制するべく、エッチング液にその新液を追加供給する第2の液操作系とを具備することを特徴とするエッチング装置。
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- 2003-06-20 JP JP2003176603A patent/JP2005012093A/ja active Pending
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