JP2005011966A - 基板搬送装置、基板処理装置および搬送基準位置教示方法、ならびにこれらに用いるセンサ治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板搬送装置の制御部に対して基板の搬送の際の基準となる位置を正確に自動教示することができ、かつ、その自動教示の際のオペレータの負担をより軽減する。
【解決手段】スピンチャック1のスピンベース11上に配置治具3が配置されて、その配置治具3に形成されている被検出突起32の中心位置Aの座標が求められる。その後、スピンチャック1が180°回転され、その回転後の被検出突起32の中心位置A’の座標が求められる。そして、回転前後の中心位置A,A’の座標に基づいて、スピンチャック1の回転中心位置Cの座標が演算される。
【選択図】 図1
【解決手段】スピンチャック1のスピンベース11上に配置治具3が配置されて、その配置治具3に形成されている被検出突起32の中心位置Aの座標が求められる。その後、スピンチャック1が180°回転され、その回転後の被検出突起32の中心位置A’の座標が求められる。そして、回転前後の中心位置A,A’の座標に基づいて、スピンチャック1の回転中心位置Cの座標が演算される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板を搬送するための基板搬送装置、これを適用した基板処理装置および基板搬送装置の制御部に対して基板を搬送する際の基準位置を教示する方法、ならびにこれらに用いられるセンサ治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、半導体ウエハ等の基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置では、その処理の内容に適した状態で基板を保持するための基板保持装置と、この基板保持装置に対して基板を搬送するための基板搬送ロボットとが備えられている。基板に対する処理は、基板搬送ロボットから基板保持装置に基板が受け渡されて、基板保持装置に基板が保持された状態で行われる。
【0003】
基板搬送ロボットには、基板保持装置との基板の受け渡し位置に基板を高精度で搬送することが要求される。基板が受け渡し位置に精度よく搬送されないと、基板搬送ロボットから基板保持装置に基板を上手く受け渡すことができず、その受け渡し時に基板保持装置から基板が脱落したり、基板が正規の保持位置からずれた状態で基板保持装置に保持されて、処理中に基板保持装置から基板が脱落したりするからである。また、基板が正規の保持位置からずれた状態で保持された場合には、その基板に対する処理むら(処理液の供給むらや加熱/冷却むらなど)を生じるおそれもある。
【0004】
そのため、基板保持装置および基板搬送ロボットが基板処理装置に組み付けられた後、基板搬送ロボットの動作を制御する制御装置に対して、基板搬送ロボットと基板保持装置との間での基板の受け渡し位置のティーチング(教示)が行われる。
基板処理装置内における基板保持装置の位置は設計によって決められているので、制御装置には、その設計から求められる基板の受け渡し位置が予め入力されている。したがって、基板搬送ロボットを設計通りに組み付けることができれば、その組み付け後にティーチングを行わなくても、基板搬送ロボットによって基板を受け渡し位置に精度よく搬送することができる。しかし、基板保持装置や基板搬送ロボットの組み付けには誤差が生じるため、基板保持装置および基板搬送ロボットの組み付け後のティーチングは不可欠である。
【0005】
従来、基板の受け渡し位置のティーチングは、オペレータの手作業によって行われていた。すなわち、オペレータは、基板搬送ロボットをリモート操作して、基板搬送ロボットのアーム(ハンド)に保持された基板を基板保持装置へと導き、基板保持装置との間で基板を良好に受け渡しできる位置を見つけて、その位置を基板の受け渡し位置として制御装置に入力する。
このようなオペレータによるティーチングは、非常に面倒で手間のかかる作業であり、また、オペレータの主観によって受け渡し位置が決められるので、オペレータの経験や技術力によって搬送精度に差が生じてしまう。そこで、ティーチングを自動的に行う技術が提供されている。たとえば、下記特許文献1には、基板の受け渡し位置(基板を搬送すべき位置)に被検出部をセットするとともに、基板搬送ロボットのアームにセンサ治具を保持させて、そのアームを被検出部へアクセスさせ、センサ治具によって被検出部が検出された位置を受け渡し位置として制御装置に入力することにより、基板の受け渡し位置の自動ティーチングを達成する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−156153号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の従来技術では、オペレータが基板の受け渡し位置に被検出部を正確にセットしなければならず、依然としてオペレータの手を煩わせてしまう。また、被検出部が基板の受け渡し位置からずれた位置にセットされた場合には、その被検出部のセット位置が基板の受け渡し位置として誤って教示されてしまうため、基板搬送ロボットによって基板を受け渡し位置に精度よく搬送することができない。
【0008】
そこで、この発明の目的は、アーム制御手段に対してアームによる基板の搬送の際の基準となる位置の正確な情報を自動教示することができ、かつ、その自動教示の際のオペレータの負担をより軽減することができる基板搬送装置およびこれを備えた基板処理装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、基板搬送装置の制御部に対して基板の搬送の際の基準となる位置の正確な情報を自動教示することができ、かつ、その自動教示の際のオペレータの負担をより軽減することができる基板搬送位置教示方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、所定の基準位置(C)を基準として基板(W)を搬送する基板搬送装置(2)であって、基板を保持して移動可能なアーム(21,22)と、このアームの動作を制御するためのアーム制御手段(52)と、上記アームに設けられ、上記基準位置の近傍の所定領域内に配置された被検出部(32)を検出するための検出手段(4;43〜46)と、上記所定領域内に被検出部が配置されている初期状態において、上記アームを移動させて、上記検出手段によって被検出部を検出し、これに基づいて当該初期状態における被検出部の位置情報を取得する初期位置情報取得手段(51)と、上記初期状態から上記基準位置を中心に被検出部が所定角度回転した状態において、上記アームを移動させて、上記検出手段によって被検出部を検出し、これに基づいて当該回転後の状態における被検出部の位置情報を取得する回転後位置情報取得手段(51)と、上記初期位置情報取得手段によって取得された位置情報と上記回転後位置情報取得手段によって取得された位置情報とに基づいて、上記基準位置の位置情報を取得する基準位置情報取得手段(51)と、この基準位置情報取得手段によって取得された上記基準位置の位置情報を上記アーム制御手段に教示する基準位置情報教示手段(51)とを含むことを特徴とする基板搬送装置である。
【0010】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構成によれば、初期状態における被検出部の位置情報が取得された後、被検出部が基板を搬送する際の基準位置を中心として所定角度回転した状態にされて、その回転後の状態での被検出部の位置情報がさらに取得される。そして、回転前後の被検出部の位置情報に基づいて、基板を搬送する際の基準位置の位置情報が求められ、その求められた基準位置の位置情報がアーム制御手段に教示される。
【0011】
被検出部は、たとえば、アームによって自動的に配置されてもよいし、オペレータの手によって配置されてもよい。被検出部の配置が自動で行われる場合には、アーム制御手段に対する基準位置の教示(ティーチング)の完全自動化を図ることができる。また、被検出部をオペレータが配置する場合であっても、被検出部は基準位置の近傍に配置されていればよく、被検出部を基準位置上に正確に配置される必要はないから、オペレータが基準位置(基板の受け渡し位置)に被検出部を正確に配置しなければならない従来技術に比べて、基準位置の自動教示の際のオペレータの負担を大幅に軽減することができる。また、従来技術と異なり、被検出部の配置に関係なく、基準位置の正確な位置情報をアーム制御手段に教示することができる。
【0012】
上記検出手段は、請求項2に記載のように、上記アームによって保持可能な形状の本体部(41)と、この本体部に取り付けられて、所定方向に対向して配置された少なくとも一対のレーザ投光ヘッド(43,45)およびレーザ受光ヘッド(44,46)とを含み、上記レーザ投光ヘッドから上記レーザ受光ヘッドに向けてレーザ光を発生し、上記レーザ受光ヘッドにおけるレーザ光の受光の有無に基づいて、上記レーザ投光ヘッドと上記レーザ受光ヘッドとの間における被検出部の有無を検出するものであってもよいし、請求項3に記載のように、上記アームに取り付けられて、所定方向に対向して配置された少なくとも一対のレーザ投光ヘッド(43,45)およびレーザ受光ヘッド(44,46)を含み、上記レーザ投光ヘッドから上記レーザ受光ヘッドに向けてレーザ光を発生し、上記レーザ受光ヘッドにおけるレーザ光の受光の有無に基づいて、上記レーザ投光ヘッドと上記レーザ受光ヘッドとの間における被検出部の有無を検出するものであってもよい。
【0013】
請求項4記載の発明は、基板(W)に対して所定の処理を施すための基板処理装置であって、処理対象となる基板を保持する基板保持手段(1)と、この基板保持手段に対して基板を搬送する基板搬送手段(2)とを含み、上記基板搬送手段として、請求項1ないし3のいずれかに記載の基板搬送装置が適用されていることを特徴とする基板処理装置である。
この基板処理装置では、基板搬送手段として請求項1〜3の基板搬送装置が適用されているから、基板搬送手段(基板搬送装置に備えられたアーム制御手段)に対して基板搬送の際の基準位置が自動教示され、その自動教示の際にオペレータに負担を強いることがない。
【0014】
上記基板保持手段は、請求項5に記載のように、基板を保持しつつ所定の回転軸線まわりに回転するものであってもよい。
請求項6記載の発明は、基板(W)をアーム(21,22)で保持して搬送する基板搬送装置(2)の動作を制御する制御部(52)に対して、基板の搬送の際の基準となる基準位置(C)を自動的に教示する搬送基準位置教示方法であって、上記基準位置の近傍の所定領域内に被検出部(32)が配置されている初期状態において、上記アームを移動させて、このアームに設けられた検出手段によって当該被検出部を検出し、これに基づいて当該被検出部の位置情報を取得する初期位置情報取得ステップと、上記初期状態から上記基準位置を中心に被検出部を所定角度回転させる回転ステップと、この回転ステップの後、被検出部が上記基準位置を中心に所定角度回転した状態において、上記アームを移動させて、このアームに設けられた検出手段によって当該回転後の被検出部を検出し、これに基づいて当該回転後の被検出部の位置情報を取得する回転後位置情報取得ステップと、上記初期位置情報取得ステップで取得された位置情報と上記回転後位置情報取得ステップで取得された位置情報とに基づいて、上記基準位置の位置情報を取得する基準位置情報取得ステップと、この基準位置情報取得ステップで取得された上記基準位置の位置情報を上記制御部に教示する位置情報教示ステップとを含むことを特徴とする搬送基準位置教示方法である。
【0015】
この方法によれば、請求項1に関連して述べた効果と同様な効果を得ることができる。
請求項7記載の発明は、基板(W)をアーム(21,22)で保持して搬送する基板搬送装置(2)の動作を制御する制御部(52)に対して、基板の搬送の際の基準となる基準位置(C)を自動的に教示する際に用いられるセンサ治具(4)であって、上記アームによって保持可能な形状の本体部(41)と、この本体部に配置されて、所定方向に進行するレーザ光を形成する少なくとも一対の光センサヘッド(43,44,45,46)とを備えていて、上記基準位置の近傍の所定領域内に被検出部(32)が配置されている初期状態、およびこの初期状態から上記基準位置を中心に被検出部を所定角度回転させた状態において、被検出部を検出するために用いられることを特徴とするセンサ治具である。
【0016】
このセンサ治具は、請求項1〜3の基板搬送装置、請求項4,5の基板処理装置および請求項6の搬送基準位置教示方法に用いることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す平面図である。この基板処理装置は、基板の一例である半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置であり、処理対象のウエハWを水平に保持して回転するスピンチャック1と、このスピンチャック1に対してウエハWを搬送するための基板搬送ロボット2とを備えている。ウエハWに対する処理は、基板搬送ロボット2からスピンチャック1にウエハWが受け渡されて、そのウエハWがスピンチャック1によって回転されている状態で行われる。ウエハWを回転させつつ行う処理としては、たとえば、回転中のウエハWの表面に洗浄液を供給して、ウエハWの表面からパーティクルや各種金属不純物などの不要物を除去する洗浄(エッチング)処理を例示することができる。
【0018】
スピンチャック1は、たとえば、水平に配置された円板状のスピンベース11と、このスピンベース11の周縁部に配設された複数個(この実施形態では6個)の挟持部材12とを有している。スピンベース11は、モータなどの駆動源を含む回転駆動機構からの駆動力によって、その中心を通る鉛直な軸線まわりに回転されるようになっている。複数個の挟持部材12は、ウエハWの外形に対応した円周上にほぼ等間隔で配置されていて、ウエハWの周面を異なる複数の位置で挟持することにより、ウエハWを水平な姿勢で保持することができる。複数個の挟持部材12によってウエハWを保持した状態で、スピンベース11を回転させることにより、ウエハWを水平な姿勢でスピンベース11の回転軸線(スピンベース11の中心を通る鉛直な軸線)まわりに回転させることができる。
【0019】
なお、スピンチャック1としては、このような構成のものに限らず、たとえば、ウエハWの下面を真空吸着することにより、ウエハWを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な軸線まわりに回転することにより、その保持したウエハWを回転させることができる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
基板搬送ロボット2は、いわゆるダブルアーム式のロボットであり、一対の多関節アーム21,22が基台23の上面に取り付けられた構成を有している。多関節アーム21,22は、関節の屈伸によって、各先端に備えられたハンド21H,22Hを、基台23の中心軸線(中心を通る鉛直軸線)に交差する水平な直線上で互いに独立に進退させることができる。一方のハンド21Hは、他方のハンド22Hよりも上方において進退するようになっており、ハンド21H,22Hの両方が基台23上のホームポジションに退避した状態では、ハンド21H,22Hが上下に重なり合って配置される。
【0020】
ハンド21Hは、互いに平行な一対の腕部211,212を有するフォーク形状に形成されている。そして、腕部211,212の各先端部、および腕部211,212を基端部で連結する連結部213には、それぞれウエハWを支持するための支持部材214,215,216が固定されている。ハンド22Hも同様な構成であり、互いに平行な一対の腕部221,222を有するフォーク形状に形成されていて、腕部221,222の各先端部、および腕部221,222を基端部で連結する連結部223には、それぞれ支持部材224,225,226が固定されている。ハンド21H,22Hは、それぞれ3つの支持部材214,215,216;224,225,226によって、ウエハWの周縁部を下方から支持することができる。
【0021】
基台23は、水平なY軸方向に沿って配置されたレール上に設けられていて、そのレール上をY軸方向に往復直線移動することができるようになっている。これにより、基板搬送ロボット2は、スピンチャック1が備えられている処理室以外の場所、たとえば、未処理または処理済のウエハWを収容するためのカセットが配置された場所などにアクセスすることができる。また、基台23は、その中心軸線まわり(θ方向)に回転可能であり、さらに鉛直なZ軸方向に昇降可能に構成されている。スピンチャック1に対するウエハWの受け渡しは、基台23がY軸方向と直交するX軸方向にスピンチャック1と対向する位置に移動し、その位置でハンド21H,22HをX軸方向に進退させることによって行われる。
【0022】
基板搬送ロボット2からスピンチャック1に処理前のウエハWを引き渡す際には、たとえば、一方のハンド21HにウエハWが保持されて、そのウエハWを保持したハンド21Hがスピンチャック1の上方の所定位置に進出される。そして、基台23が下降されて、ウエハWを保持したハンド21Hがスピンチャック1(挟持部材12)によるウエハWの保持位置よりも下方まで下げられる。ハンド21Hが下降する過程で、ハンド21Hに保持されたウエハWの下面の周縁部に挟持部材12が当接し、その後さらにハンド21Hが下降することにより、ウエハWの下面からハンド21H(支持部材214,215,216)が離れて、基板搬送ロボット2からスピンチャック1へのウエハWの受け渡しが達成される。
【0023】
一方、スピンチャック1から処理後のウエハWを受け取る際には、たとえば、他方のハンド22Hが、スピンチャック1に保持されているウエハWの下方の所定位置に進出される。そして、基台23が上昇されて、ハンド22Hがスピンチャック1によるウエハWの保持位置よりも上方まで下げられる。ハンド22Hが上昇する過程で、ウエハWの下面の周縁部にハンド22Hの支持部材224,225,226が当接し、その後さらにハンド22Hが上昇することにより、ウエハWがハンド22Hによって持ち上げられ、基板搬送ロボット2によるスピンチャック1からのウエハWの受け取りが達成される。
【0024】
このようにしてスピンチャック1と基板搬送ロボット2(ハンド21H,22H)との間でウエハWが受け渡されるので、その受け渡しが良好に達成されるためには、ハンド21H,22Hは、各ハンド21H,22Hに保持したウエハWの中心をハンド21H,22Hの中心とすると、それぞれハンド21H,22Hの中心がスピンベース11の回転軸線上に位置した状態で昇降されなければならない。
【0025】
基板処理装置内におけるスピンチャック1および基板搬送ロボット2の配置は設計によって決められているので、スピンチャック1および基板搬送ロボット2を設計通りに組み付けることができれば、設計に基づいてスピンチャック1の回転中心位置(回転軸線の位置)を求め、その求めた回転中心位置上にハンド21H,22Hの中心を導いてハンド21H,22Hを昇降させることにより、スピンチャック1と基板搬送ロボット2との間でのウエハWの良好な受け渡しを達成できる。ところが、スピンチャック1および基板搬送ロボット2の組み付けには誤差が生じるため、設計に基づくスピンチャック1の回転中心位置にハンド21H,22Hの中心を導いても、ハンド21H,22Hの中心はスピンチャック1の実際の回転中心位置からずれてしまう。したがって、スピンチャック1および基板搬送ロボット2を組み付けた後には、基板搬送ロボット2の動作を制御する制御部(ロボット駆動制御部52)に対して、スピンチャック1の実際の正確な回転中心位置のティーチング(教示)を行う必要がある。また、ハンド21H,22Hからスピンチャック1にウエハWを確実に引き渡したり、スピンチャック1に保持されたウエハWの下方にハンド21H,22Hを上手く潜り込ませたりするためには、スピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置をティーチングしておく必要がある。
【0026】
この基板処理装置では、スピンチャック1の実際の回転中心位置およびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置のティーチングが自動で行われる。この自動ティーチングに際しては、スピンチャック1のスピンベース11上に配置される配置治具3と、この配置治具3の位置を検出するためのセンサ治具4とが用いられる。自動ティーチングが行われることにより、オペレータに大きな負担をかけることなく、スピンチャック1の実際の正確な回転中心位置およびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置を基板搬送ロボット2の制御装置に教示することができる。
【0027】
配置治具3は、長方形板状の本体部31を有している。本体部31は、その長手方向の幅がハンド22H(21H)の腕部221,222(211,212)間の間隔よりも大きく設計されており、本体部31を腕部221,222(211,212)に跨った状態で支持することによって、配置治具3をハンド22H(21H)に保持させることができるようになっている。本体部31の一方面には、円柱状の被検出突起32が突出して形成されている。一方、本体部31の他方面には、図2に示すように、一対の下駄歯33,34が形成されている。この下駄歯33,34が形成されていることによって、配置治具3がスピンベース11上に配置されたときに、スピンベース11の上面と本体部31の他方面との間に、ハンド22H(21H)の腕部221,222(211,212)を挿入可能な間隔が確保される。また、配置治具3は、スピンベース11上に配置されたときに、被検出突起32の頂面がスピンチャック1によるウエハWの保持位置と同じ高さとなるように各部の寸法が設計されている。
【0028】
センサ治具4は、配置治具3の本体部31とほぼ同じ外形の本体部41を有している。本体部41には、その本体部41の長手方向に長い長方形状の開口42が形成されており、この開口42の周囲には、4個の光センサヘッド43,44,45,46が配置されている。光センサヘッド43,44は、X軸方向に対向して対をなしており、光センサヘッド45,46は、Y軸方向に対向して対をなしている。
【0029】
図3は、この基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。光センサヘッド43,44,45,46には、それぞれ光アンプ47から延びた光ファイバ431,441,451,461の先端が接続されている。光アンプ47には、レーザ光源を含む投光部471および光電変換素子を含む受光部472が備えられており、光ファイバ431,451の基端側は投光部471に接続され、光ファイバ441,461の基端側は受光部472に接続されている。これにより、投光部471のレーザ光源が発生するレーザ光は、光ファイバ431,451を通って、光センサヘッド43,45からそれぞれ光センサヘッド44,46に向けて出射される。光センサヘッド43,45から出射されるレーザ光の光軸上に障害物がなければ、光センサヘッド43,45からのレーザ光は、光センサヘッド44,46に入射する。そして、光ファイバ441,461を通って、受光部472の光電変換素子に与えられ、この光電変換素子によって、それぞれY位置信号およびX位置信号に変換される。
【0030】
受光部472で生成されるX位置信号およびY位置信号は、マイクロコンピュータを含む構成のロボット制御装置5に入力されるようになっている。ロボット制御装置5は、プログラム処理を実行することによって、受光部472からの入力信号に基づいてスピンチャック1の回転中心位置の座標(X座標およびY座標)を演算する中心座標演算部51、および基板搬送ロボット2に結合されたロボット駆動機構24を制御するロボット駆動制御部52を実質的に備えている。ロボット駆動機構24には、多関節アーム21,22を屈伸させるためのアーム駆動機構、基台23をY軸方向に往復直線移動させるためのY軸駆動機構、基台23を中心軸線まわりに回転させるためのθ回転駆動機構、および基台23をZ軸方向に昇降させるための昇降駆動機構が含まれる。
【0031】
また、この基板処理装置には、スピンチャック1に結合されたチャック駆動機構13を制御するためのチャック制御装置6が備えられている。チャック制御装置6は、ロボット制御装置5に接続されており、ロボット制御装置5との間で各種信号の送受信を行うことができるようになっている。チャック駆動機構13には、スピンベース11を回転させるための回転駆動機構などが含まれる。
図4は、自動ティーチングについて説明するための図解図である。ロボット駆動制御部52に対する自動ティーチングは、たとえば、スピンチャック1および基板搬送ロボット2の組み付け時に行われる。
【0032】
自動ティーチングに先立って、ロボット駆動制御部52には、設計に基づいて求められたスピンチャック1の回転中心位置が入力されている。自動ティーチングに際しては、まず、基板搬送ロボット2の一方のハンド22Hに配置治具3が保持された後、多関節アーム22が伸長されて、その配置治具3を保持したハンド22Hの中心がスピンチャック1の設計に基づく回転中心位置上へ導かれる。そして、基台23が下降されることにより、ハンド22Hに保持されている配置治具3が、スピンチャック1のスピンベース11上に配置される。スピンチャック1の設計に基づく回転中心位置は、実際の回転中心位置から大きく離れていないので、配置治具3は、スピンチャック1の実際の回転中心位置の近傍に配置されることになる。
【0033】
次に、基板搬送ロボット2の他方のハンド21Hにセンサ治具4が保持される。ハンド21H上でのセンサ治具4の保持位置は予め定められており、その保持位置にセンサ治具4が保持された状態で、光センサヘッド43,45からそれぞれ出射されるレーザ光の光軸がともにハンド21Hの中心上を通る。ハンド21Hにセンサ治具4が保持されると、多関節アーム21が伸長されて、ハンド21Hの中心がスピンチャック1の設計に基づく回転中心位置上へ導かれる。そして、基台23が所定量だけ下降されることにより、配置治具3の被検出突起32がセンサ治具4の開口42に挿通された状態にされる。
【0034】
この状態から、多関節アーム21が屈伸されて、図4(a),(b)に示すように、ハンド21HがX軸方向に沿った+X方向および−X方向に所定量だけ往復動される。このとき、光センサヘッド45から光センサヘッド46に向けてレーザ光が出射されており、光センサヘッド45からのレーザ光が被検出突起32によって遮られると、これに応答して、光アンプ47(受光部472)から中心座標演算部51に入力されるX位置信号の入力が停止する。よって、中心座標演算部51は、X位置信号の入力の有無に基づいて、ハンド21Hを+X方向に移動させたときには、被検出突起32の周面上の最も−X側に位置する部分P1が光センサヘッド45からのレーザ光の光軸上に位置したことを検知でき、ハンド21Hを−X方向に移動させたときには、被検出突起32の周面上の最も+X側に位置する部分P2が光センサヘッド45からのレーザ光の光軸上に位置したことを検知できる。
【0035】
中心座標演算部51は、たとえば、ハンド21Hのホームポジション(基台23上の退避位置)を基準として、レーザ光の光軸上に部分P1が位置したことを検知するまでのハンド21Hの+X方向の移動量を求め、その求めた移動量を部分P1のX座標として取得する。また同様に、ハンド21Hのホームポジション基準として、レーザ光の光軸上に部分P2が位置したことを検知するまでのハンド21Hの+X方向の移動量を求め、その求めた移動量を部分P2のX座標として取得する。そして、こうして取得した部分P1,P2のX座標に基づいて、被検出突起32の中心位置AのX座標X1を求める。すなわち、部分P1のX座標をXp1とし、部分P2のX座標をXp2とすると、被検出突起32の中心位置AのX座標X1は、X1=(Xp1+Xp2)/2と求めることができる。
【0036】
中心座標演算部51によって被検出突起32の中心位置AのX座標が求められると、つづいて、基台23がY軸方向に往復直線移動されて、図4(c),(d)に示すように、ハンド21HがY軸方向に沿った+Y方向および−Y方向に所定量だけ往復動される。このとき、光センサヘッド43から光センサヘッド44に向けてレーザ光が出射されており、光センサヘッド43からのレーザ光が被検出突起32によって遮られると、これに応答して、光アンプ47(受光部472)から中心座標演算部51に入力されるY位置信号の入力が停止する。よって、中心座標演算部51は、Y位置信号の入力の有無に基づいて、ハンド21Hを+Y方向に移動させたときには、被検出突起32の周面上の最も−Y側に位置する部分P3が光センサヘッド43からのレーザ光の光軸上に位置したことを検知でき、ハンド21Hを−Y方向に移動させたときには、被検出突起32の周面上の最も+Y側に位置する部分P4が光センサヘッド43からのレーザ光の光軸上に位置したことを検知できる。
【0037】
中心座標演算部51は、ハンド21Hのホームポジションを基準として、レーザ光の光軸上に部分P3が位置したことを検知するまでのハンド21Hの+Y方向の移動量を求め、その求めた移動量を部分P3のY座標として取得する。また同様に、ハンド21Hのホームポジション基準として、レーザ光の光軸上に部分P4が位置したことを検知するまでのハンド21Hの+Y方向の移動量を求め、その求めた移動量を部分P4のY座標として取得する。そして、こうして取得した部分P3,P4のY座標に基づいて、被検出突起32の中心位置AのY座標Y1を求める。すなわち、部分P3のY座標をYp3とし、部分P4のY座標をYp4とすると、被検出突起32の中心位置AのY座標Y1は、Y1=(Yp3+Yp4)/2と求めることができる。これにより、中心座標演算部51は、被検出突起32の中心位置AのX,Y座標(X1,Y1)を取得することになる。
【0038】
この後は、基台23が所定量だけ上昇されて、ハンド21Hが上昇されることにより、配置治具3の被検出突起32がセンサ治具4の開口42から抜け出た状態にされる。そして、ロボット制御装置5からチャック制御装置6に指令信号が与えられ、これに基づいて、チャック制御装置6によってチャック駆動機構13が制御されて、スピンチャック1(スピンベース11)がその中心軸線まわりに180°回転される。これにより、スピンベース11上に配置されている配置治具3の被検出突起32は、スピンチャック1の実際の回転中心位置Cに関して180°対称な位置に移動する。
【0039】
スピンチャック1の回転後、基台23が再び下降されて、配置治具3の被検出突起32がセンサ治具4の開口42に挿通された状態にされる。そして、回転前の被検出突起32の中心位置Aを求めた場合と同様に、ハンド21Hが+X,−X方向および+Y,−Y方向に往復動されて、回転後の被検出突起32の周面上の最も+X側および−X側に位置する部分のX座標、ならびに回転後の被検出突起32の周面上の最も+Y側および−Y側に位置する部分のY座標が中心座標演算部51に取得される。そして、その取得された座標に基づいて、中心座標演算部51において、回転後の被検出突起32の中心位置A’のX,Y座標(X2,Y2)が求められる。
【0040】
このようにして、中心座標演算部51は、スピンチャック1の回転前の被検出突起32の中心位置AのX,Y座標(X1,Y1)および回転後の被検出突起32の中心位置A’のX,Y座標(X2,Y2)を取得すると、その中心位置AのX,Y座標(X1,Y1)および中心位置A’のX,Y座標(X2,Y2)に基づいて、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標(Xc,Yc)を演算する。
【0041】
すなわち、図5に示すように、スピンチャック1が180°回転する前の被検出突起32の中心位置Aとスピンチャック1が180°回転した後の被検出突起32の中心位置A’とは、スピンチャック1の回転中心位置Cに関して互いに対称な位置にあるから、スピンチャック1の回転中心位置Cは、中心位置Aと中心位置A’とを結ぶ線分の中点に等しい。したがって、スピンチャック1の回転中心位置CのX座標XcおよびY座標Ycは、
Xc=(X1+X2)/2
Yc=(Y1+Y2)/2
と求めることができる。
【0042】
この後は、ハンド21Hが、たとえば、光センサヘッド45からのレーザ光が被検出突起32によって遮られる位置に導かれる。そして、基台23の上昇によって、ハンド21HがZ軸方向に上昇される。光センサヘッド45からのレーザ光の光軸が被検出突起32の上面を越えると、レーザ光が光センサヘッド46に入射し、これに応答して、光アンプ47(受光部472)から中心座標演算部51にX位置信号が入力される。よって、中心座標演算部51は、X位置信号の入力の有無に基づいて、被検出突起32の上面が光センサヘッド45からのレーザ光の光軸上に位置していることを検知できる。そして、中心座標演算部51は、たとえば、ハンド21Hのホームポジションを基準として、レーザ光の光軸上に被検出突起32の上面が位置したことを検知するまでのハンド21Hの+Z方向の移動量を求め、その求めた移動量を被検出突起32の上面のZ座標(スピンチャック1によるウエハWの保持位置のZ座標)として取得する。
【0043】
こうして取得された回転中心位置CのX,Y座標(Xc,Yc)および被検出突起32の上面のZ座標は、中心座標演算部51からロボット駆動制御部52に入力される。これでロボット駆動制御部52に対する自動ティーチングは完了であり、その後は、回転中心位置CのX,Y座標(Xc,Yc)およびスピンチャック1によるウエハWの保持位置のZ座標に基づいて、回転中心位置C上にハンド21H,22Hの中心を導いて、ハンド21H,22Hを昇降させることにより、スピンチャック1と基板搬送ロボット2との間でのウエハWの良好な受け渡しを達成することができる。
【0044】
以上のように、この実施形態によれば、スピンチャック1の実際の回転中心位置Cおよびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置(スピンチャック1によるウエハWの保持位置のZ座標)のティーチングが自動で行われる。これにより、オペレータに負担をかけることなく、スピンチャック1の実際の正確な回転中心位置およびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置を、基板搬送ロボット2の制御装置に教示することができる。
【0045】
なお、ハンド22Hによる配置治具3の保持およびハンド21Hによるセンサ治具4の保持は、自動で行われてもよいし、オペレータの手によって行われてもよい。すなわち、配置治具3およびセンサ治具4がそれぞれ所定の場所に収容されていて、その各収容場所にそれぞれハンド22H,21Hがアクセスすることによって、ハンド22H,21Hにそれぞれ配置治具3およびセンサ治具4が自動で保持されてもよいし、オペレータの手によって、ハンド22H,ハンド21H上にそれぞれ配置治具3およびセンサ治具4がセットされてもよい。配置治具3およびセンサ治具4の保持が自動で行われる場合には、ロボット駆動制御部52に対する回転中心位置Cのティーチングの完全自動化を図ることができる。
【0046】
また、配置治具3は、ハンド22Hによらずに、オペレータによってスピンベース11上に配置されてもよい。この基板処理装置では、配置治具3をスピンチャック1の実際の回転中心位置上に正確に配置する必要がないから、オペレータによって配置治具3をスピンベース11上に配置する場合であっても、従来の基板処理装置に比べて、ティーチングの際のオペレータの負担を大幅に軽減することができる。
【0047】
なお、スピンベース11上における配置治具3の配置を変えて、スピンチャック1の回転中心位置Cおよびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置を求めるための処理が複数回繰り返して行われてもよく、この場合、各処理で求められたスピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標の各平均値を求めて、その求めた各平均値をそれぞれ回転中心位置CのX,Y座標とし、また、各処理で求められたZ座標の平均値をウエハWの保持位置のZ座標とすることにより、スピンチャック1の回転中心位置Cおよびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置をより正確に取得することができる。
【0048】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、上記の実施形態では、自動ティーチングの際にはセンサ治具4が用いられ、このセンサ治具4に光センサヘッド43,44,45,46が配置されているとしたが、図6に示すように、ハンド21Hの腕部211,212の各先端部および各基端部に光センサヘッド43,44,45,46を配置して、センサ治具4を用いずに自動ティーチングが達成されるようにしてもよい。光センサヘッド43,44は、X軸方向に対して時計回りに45°傾いた水平方向に対向して対をなし、光センサヘッド45,46は、X軸方向に対して反時計回りに45°傾いた水平方向に対向して対をなしている。また、光センサヘッド43,44,45,46は、光センサヘッド43,45から出射されるレーザ光がともにハンド21Hの中心上を通るように配置されている。
【0049】
この場合、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標は、たとえば、次のようにして取得することができる。すなわち、ハンド21HをX軸方向に対して時計回りに45°傾いた水平方向(光センサヘッド43,44の対向方向)に往復動させて、光センサヘッド45からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との各接点(2つの接点)のX,Y座標を求める。また、ハンド21HをX軸方向に対して反時計回りに45°傾いた水平方向(光センサヘッド45,46の対向方向)に往復動させて、光センサヘッド43からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との各接点(2つの接点)のX,Y座標を求める。そして、各接点のX,Y座標に基づいて、4つの接点の中心のX,Y座標を求めて、これを被検出突起32の中心位置のX,Y座標とする。その後、スピンチャック1を180°回転させ、その回転後の被検出突起32の中心位置のX,Y座標を同様な手法で取得する。そして、回転前後の被検出突起32の中心位置のX,Y座標に基づいて、回転前後の被検出突起32の中心位置の中点のX,Y座標を求め、この求めたX,Y座標をスピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標として取得する。
【0050】
さらには、図6に示す構成から光センサヘッド43,44の対または光センサヘッド45,46の対の一方が省略されてもよい。この場合、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標は、たとえば、次のようにして取得することができる。すなわち、ハンド21Hを+X方向および−X方向に往復動させ、そのときのハンド21Hの移動量に基づいて、ハンド21Hを+X方向に移動させたときの光センサヘッド43または光センサヘッド45からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点のX,Y座標、およびハンド21Hを−X方向に移動させたときの光センサヘッド43または光センサヘッド45からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点のX,Y座標を求める。そして、その求めた各接点のX,Y座標に基づいて、それら接点の中点のX,Y座標を求めて、これを被検出突起32の中心位置のX,Y座標とする。その後、スピンチャック1を180°回転させ、その回転後の被検出突起32の中心位置のX,Y座標を同様な手法で取得する。そして、回転前後の被検出突起32の中心位置のX,Y座標に基づいて、回転前後の被検出突起32の中心位置の中点のX,Y座標を求め、この求めたX,Y座標をスピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標として取得する。
【0051】
なお、ハンド21Hを+Y方向および−Y方向に往復動させても、光センサヘッド43または光センサヘッド45からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点は、ハンド21Hを+X方向および−X方向に往復動させた場合と一致するから、上記した手法により回転中心位置CのX,Y座標を取得した場合と同じ結果を得ることができる。
また、上記の実施形態では、配置治具3の上面に被検出突起32が突設されていて、透過型のセンサ治具4を用いて、その被検出突起32の位置(座標)を検出する構成を取り上げたが、たとえば、配置治具3の上面に円柱状の穴が形成されていて、反射型センサを備えたセンサ治具を用いて、その配置治具3に形成された穴の位置(座標)を検出する構成が採用されてもよい。その場合、反射型センサは、検出対象物に所定間隔まで近づいたときに検出信号を出力する限定反射型センサであることが好ましく、この限定反射型センサの場合、たとえば、センサ治具を配置治具3に対して近接または離間させていき、限定反射型センサからの検出信号のオン/オフが切り換わるときのハンド21HのZ軸方向の位置を求めることにより、その求めたハンド21HのZ軸方向の位置ならびに配置治具3およびスピンチャック1の設計データに基づいて、スピンチャック1によるウエハWの保持位置のZ座標を取得することができる。
【0052】
さらにまた、光センサヘッド43,44,45,46は、水平方向に幅を有する断面スリット状のレーザ光を投受するものであってもよく、この場合、レーザ光の幅方向に配列した多数の光電変換素子が光アンプ47の受光部472に備えられていれば、配置治具3の被検出突起32がセンサ治具4の開口42に挿通された状態にした後、ハンド21Hを移動させなくても、その多数の光電変換素子からの出力信号に基づいて、被検出突起32の中心位置のX,Y座標を取得することができる。
【0053】
また、被検出突起32または穴がスピンベース11の上面の回転中心位置の近傍に形成されていれば、自動ティーチングの際に、配置治具3を必ずしも用いる必要はない。
さらには、配置治具3またはスピンベース11の上面に、複数個の被検出突起32または穴が形成されていてもよい。この場合、各被検出突起32または穴について、回転前後の中心位置のX,Y座標を取得し、これに基づいてスピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標を求め、その求めたX,Y座標のそれぞれ平均を回転中心位置CのX,Y座標とすることにより、回転中心位置CのX,Y座標をより正確に取得することができる。
【0054】
また、以上の説明では、スピンチャック1の180°回転前の被検出突起32の中心位置のX,Y座標および180°回転後の被検出突起32の中心位置のX,Y座標を求め、これに基づいて、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標を演算する場合を例にとったが、180°回転前はハンド21Hを+X方向および+Y方向に移動させ、180°回転後はハンド21Hを−X方向および−Y方向に移動させるようにすれば、被検出突起32の中心位置のX,Y座標を求めなくても、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標を求めることができる。
【0055】
たとえば、スピンチャック1の180°回転前は、ハンド21Hを+X方向に移動させて、光センサヘッド45からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点のX座標を求め、さらに、ハンド21Hを+Y方向に移動させて、光センサヘッド43からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点のY座標を求める。一方、スピンチャック1を180°回転させた後は、ハンド21Hを−X方向に移動させて、光センサヘッド45からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点のX座標を求め、さらに、ハンド21Hを−Y方向に移動させて、光センサヘッド43からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点のY座標を求める。そして、回転前後で取得したX,Y座標の各中点のX,Y座標を求めて、この求めたX,Y座標をスピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標として取得する。スピンチャック1の180°回転前後でハンド21Hを逆方向に移動させた場合、被検出突起32の厚み(直径)の影響を排除する(打ち消し合う)ことができるから、被検出突起32の中心位置のX,Y
座標を求めなくても、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標を正確に求めることができる。
【0056】
また、スピンチャック1の回転角度θは、必ずしもθ=180°でなくてもよく、0<θ<360°の範囲内の任意の角度であってよい。
スピンチャック1を回転させる前の被検出突起32の中心位置AのX,Y座標が(X1,Y1)であり、スピンチャック1を回転角度θだけ回転させた後の被検出突起32の中心位置A’のX,Y座標が(X2,Y2)であった場合、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標(Xc,Yc)は、以下のようにして求めることができる。
【0057】
図7を参照して、中心位置A,A’の中点Bと回転中心位置Cとを結ぶ線分B−CがX軸方向となす角度をα、線分B−Cの長さをb、中点BのX,Y座標を(Xb,Yb)とすると、スピンチャック1の回転中心位置CのX座標XcおよびY座標Ycは、それぞれ下記式(1),(2)に従って求めることができる。
Xc=Xb+bcosα ・・・・・・(1)
Yc=Yb+bsinα ・・・・・・(2)
ただし、Xb={(X1+X2)/2}
Yb={(Y1+Y2)/2}
ここで、線分B−Cは線分A−A’に直交し、線分A−A’の傾きは(Y2−Y1)/(X2−X1)であることから、線分B−Cの傾きKは、
K=−(Y2−Y1)/(X2−X1) ・・・・・・(3)
と表すことができる。また、線分B−Cの傾きKは、角度αを用いて、
K=tanα ・・・・・・(4)
と表すことができるから、上記式(3),(4)より、角度αは、
α=tan−1K=tan−1{−(Y2−Y1)/(X2−X1)}
と求めることができる。
【0058】
また、線分A−Bの長さをaとすると、線分B−Cの長さbは、
b=a/tan(θ/2) ・・・・・・(5)
と表すことができる。そして、線分A−Bの長さaは、
であるから、上記式(6)に従って線分A−Bの長さaを求め、これを上記式(5)に代入することによって、線分B−Cの長さbを求めることができる。
【0059】
また、上記の実施形態では、スピンチャック1の回転中心位置およびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置を、基板搬送ロボット2がスピンチャック1に対してウエハWを搬送する際の基準位置として、ロボット駆動制御部52に教示する場合を例にとったが、基準位置は、スピンチャック1の回転軸線上の任意の位置であってよい。
さらに、この発明は、たとえば、スピンチャック1にウエハWを搬送する際の基準位置をロボット駆動制御部52に教示する場合に限らず、ウエハWを多段に積層して保持するカセットに対してウエハWを搬送する際の基準位置をロボット駆動制御部52に教示する場合にも適用することができる。また、ウエハWを熱処理(たとえば、ウエハWを加熱/冷却する熱処理)するための熱処理プレートに対してウエハWを搬送する際の基準位置をロボット駆動制御部52に教示する場合にも適用することができる。
【0060】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す平面図である。
【図2】配置治具の構成を示す側面図である。
【図3】上記基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】自動ティーチングについて説明するための図解図である。
【図5】スピンチャックの回転中心位置の演算手法(180°回転)について説明するための図である。
【図6】光センサヘッドが固定配置されたハンドの構成を示す平面図である。
【図7】スピンチャックの回転中心位置の演算手法(θ回転)について説明するための図である。
【符号の説明】
1 スピンチャック
2 基板搬送ロボット
21 多関節アーム
21H ハンド
22 多関節アーム
22H ハンド
3 配置治具
32 被検出突起
4 センサ治具
41 本体部
43 光センサヘッド
44 光センサヘッド
45 光センサヘッド
46 光センサヘッド
5 ロボット制御装置
51 中心座標演算部
52 ロボット駆動制御部
C 回転中心位置
W ウエハ
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板を搬送するための基板搬送装置、これを適用した基板処理装置および基板搬送装置の制御部に対して基板を搬送する際の基準位置を教示する方法、ならびにこれらに用いられるセンサ治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、半導体ウエハ等の基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置では、その処理の内容に適した状態で基板を保持するための基板保持装置と、この基板保持装置に対して基板を搬送するための基板搬送ロボットとが備えられている。基板に対する処理は、基板搬送ロボットから基板保持装置に基板が受け渡されて、基板保持装置に基板が保持された状態で行われる。
【0003】
基板搬送ロボットには、基板保持装置との基板の受け渡し位置に基板を高精度で搬送することが要求される。基板が受け渡し位置に精度よく搬送されないと、基板搬送ロボットから基板保持装置に基板を上手く受け渡すことができず、その受け渡し時に基板保持装置から基板が脱落したり、基板が正規の保持位置からずれた状態で基板保持装置に保持されて、処理中に基板保持装置から基板が脱落したりするからである。また、基板が正規の保持位置からずれた状態で保持された場合には、その基板に対する処理むら(処理液の供給むらや加熱/冷却むらなど)を生じるおそれもある。
【0004】
そのため、基板保持装置および基板搬送ロボットが基板処理装置に組み付けられた後、基板搬送ロボットの動作を制御する制御装置に対して、基板搬送ロボットと基板保持装置との間での基板の受け渡し位置のティーチング(教示)が行われる。
基板処理装置内における基板保持装置の位置は設計によって決められているので、制御装置には、その設計から求められる基板の受け渡し位置が予め入力されている。したがって、基板搬送ロボットを設計通りに組み付けることができれば、その組み付け後にティーチングを行わなくても、基板搬送ロボットによって基板を受け渡し位置に精度よく搬送することができる。しかし、基板保持装置や基板搬送ロボットの組み付けには誤差が生じるため、基板保持装置および基板搬送ロボットの組み付け後のティーチングは不可欠である。
【0005】
従来、基板の受け渡し位置のティーチングは、オペレータの手作業によって行われていた。すなわち、オペレータは、基板搬送ロボットをリモート操作して、基板搬送ロボットのアーム(ハンド)に保持された基板を基板保持装置へと導き、基板保持装置との間で基板を良好に受け渡しできる位置を見つけて、その位置を基板の受け渡し位置として制御装置に入力する。
このようなオペレータによるティーチングは、非常に面倒で手間のかかる作業であり、また、オペレータの主観によって受け渡し位置が決められるので、オペレータの経験や技術力によって搬送精度に差が生じてしまう。そこで、ティーチングを自動的に行う技術が提供されている。たとえば、下記特許文献1には、基板の受け渡し位置(基板を搬送すべき位置)に被検出部をセットするとともに、基板搬送ロボットのアームにセンサ治具を保持させて、そのアームを被検出部へアクセスさせ、センサ治具によって被検出部が検出された位置を受け渡し位置として制御装置に入力することにより、基板の受け渡し位置の自動ティーチングを達成する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−156153号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の従来技術では、オペレータが基板の受け渡し位置に被検出部を正確にセットしなければならず、依然としてオペレータの手を煩わせてしまう。また、被検出部が基板の受け渡し位置からずれた位置にセットされた場合には、その被検出部のセット位置が基板の受け渡し位置として誤って教示されてしまうため、基板搬送ロボットによって基板を受け渡し位置に精度よく搬送することができない。
【0008】
そこで、この発明の目的は、アーム制御手段に対してアームによる基板の搬送の際の基準となる位置の正確な情報を自動教示することができ、かつ、その自動教示の際のオペレータの負担をより軽減することができる基板搬送装置およびこれを備えた基板処理装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、基板搬送装置の制御部に対して基板の搬送の際の基準となる位置の正確な情報を自動教示することができ、かつ、その自動教示の際のオペレータの負担をより軽減することができる基板搬送位置教示方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、所定の基準位置(C)を基準として基板(W)を搬送する基板搬送装置(2)であって、基板を保持して移動可能なアーム(21,22)と、このアームの動作を制御するためのアーム制御手段(52)と、上記アームに設けられ、上記基準位置の近傍の所定領域内に配置された被検出部(32)を検出するための検出手段(4;43〜46)と、上記所定領域内に被検出部が配置されている初期状態において、上記アームを移動させて、上記検出手段によって被検出部を検出し、これに基づいて当該初期状態における被検出部の位置情報を取得する初期位置情報取得手段(51)と、上記初期状態から上記基準位置を中心に被検出部が所定角度回転した状態において、上記アームを移動させて、上記検出手段によって被検出部を検出し、これに基づいて当該回転後の状態における被検出部の位置情報を取得する回転後位置情報取得手段(51)と、上記初期位置情報取得手段によって取得された位置情報と上記回転後位置情報取得手段によって取得された位置情報とに基づいて、上記基準位置の位置情報を取得する基準位置情報取得手段(51)と、この基準位置情報取得手段によって取得された上記基準位置の位置情報を上記アーム制御手段に教示する基準位置情報教示手段(51)とを含むことを特徴とする基板搬送装置である。
【0010】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構成によれば、初期状態における被検出部の位置情報が取得された後、被検出部が基板を搬送する際の基準位置を中心として所定角度回転した状態にされて、その回転後の状態での被検出部の位置情報がさらに取得される。そして、回転前後の被検出部の位置情報に基づいて、基板を搬送する際の基準位置の位置情報が求められ、その求められた基準位置の位置情報がアーム制御手段に教示される。
【0011】
被検出部は、たとえば、アームによって自動的に配置されてもよいし、オペレータの手によって配置されてもよい。被検出部の配置が自動で行われる場合には、アーム制御手段に対する基準位置の教示(ティーチング)の完全自動化を図ることができる。また、被検出部をオペレータが配置する場合であっても、被検出部は基準位置の近傍に配置されていればよく、被検出部を基準位置上に正確に配置される必要はないから、オペレータが基準位置(基板の受け渡し位置)に被検出部を正確に配置しなければならない従来技術に比べて、基準位置の自動教示の際のオペレータの負担を大幅に軽減することができる。また、従来技術と異なり、被検出部の配置に関係なく、基準位置の正確な位置情報をアーム制御手段に教示することができる。
【0012】
上記検出手段は、請求項2に記載のように、上記アームによって保持可能な形状の本体部(41)と、この本体部に取り付けられて、所定方向に対向して配置された少なくとも一対のレーザ投光ヘッド(43,45)およびレーザ受光ヘッド(44,46)とを含み、上記レーザ投光ヘッドから上記レーザ受光ヘッドに向けてレーザ光を発生し、上記レーザ受光ヘッドにおけるレーザ光の受光の有無に基づいて、上記レーザ投光ヘッドと上記レーザ受光ヘッドとの間における被検出部の有無を検出するものであってもよいし、請求項3に記載のように、上記アームに取り付けられて、所定方向に対向して配置された少なくとも一対のレーザ投光ヘッド(43,45)およびレーザ受光ヘッド(44,46)を含み、上記レーザ投光ヘッドから上記レーザ受光ヘッドに向けてレーザ光を発生し、上記レーザ受光ヘッドにおけるレーザ光の受光の有無に基づいて、上記レーザ投光ヘッドと上記レーザ受光ヘッドとの間における被検出部の有無を検出するものであってもよい。
【0013】
請求項4記載の発明は、基板(W)に対して所定の処理を施すための基板処理装置であって、処理対象となる基板を保持する基板保持手段(1)と、この基板保持手段に対して基板を搬送する基板搬送手段(2)とを含み、上記基板搬送手段として、請求項1ないし3のいずれかに記載の基板搬送装置が適用されていることを特徴とする基板処理装置である。
この基板処理装置では、基板搬送手段として請求項1〜3の基板搬送装置が適用されているから、基板搬送手段(基板搬送装置に備えられたアーム制御手段)に対して基板搬送の際の基準位置が自動教示され、その自動教示の際にオペレータに負担を強いることがない。
【0014】
上記基板保持手段は、請求項5に記載のように、基板を保持しつつ所定の回転軸線まわりに回転するものであってもよい。
請求項6記載の発明は、基板(W)をアーム(21,22)で保持して搬送する基板搬送装置(2)の動作を制御する制御部(52)に対して、基板の搬送の際の基準となる基準位置(C)を自動的に教示する搬送基準位置教示方法であって、上記基準位置の近傍の所定領域内に被検出部(32)が配置されている初期状態において、上記アームを移動させて、このアームに設けられた検出手段によって当該被検出部を検出し、これに基づいて当該被検出部の位置情報を取得する初期位置情報取得ステップと、上記初期状態から上記基準位置を中心に被検出部を所定角度回転させる回転ステップと、この回転ステップの後、被検出部が上記基準位置を中心に所定角度回転した状態において、上記アームを移動させて、このアームに設けられた検出手段によって当該回転後の被検出部を検出し、これに基づいて当該回転後の被検出部の位置情報を取得する回転後位置情報取得ステップと、上記初期位置情報取得ステップで取得された位置情報と上記回転後位置情報取得ステップで取得された位置情報とに基づいて、上記基準位置の位置情報を取得する基準位置情報取得ステップと、この基準位置情報取得ステップで取得された上記基準位置の位置情報を上記制御部に教示する位置情報教示ステップとを含むことを特徴とする搬送基準位置教示方法である。
【0015】
この方法によれば、請求項1に関連して述べた効果と同様な効果を得ることができる。
請求項7記載の発明は、基板(W)をアーム(21,22)で保持して搬送する基板搬送装置(2)の動作を制御する制御部(52)に対して、基板の搬送の際の基準となる基準位置(C)を自動的に教示する際に用いられるセンサ治具(4)であって、上記アームによって保持可能な形状の本体部(41)と、この本体部に配置されて、所定方向に進行するレーザ光を形成する少なくとも一対の光センサヘッド(43,44,45,46)とを備えていて、上記基準位置の近傍の所定領域内に被検出部(32)が配置されている初期状態、およびこの初期状態から上記基準位置を中心に被検出部を所定角度回転させた状態において、被検出部を検出するために用いられることを特徴とするセンサ治具である。
【0016】
このセンサ治具は、請求項1〜3の基板搬送装置、請求項4,5の基板処理装置および請求項6の搬送基準位置教示方法に用いることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す平面図である。この基板処理装置は、基板の一例である半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置であり、処理対象のウエハWを水平に保持して回転するスピンチャック1と、このスピンチャック1に対してウエハWを搬送するための基板搬送ロボット2とを備えている。ウエハWに対する処理は、基板搬送ロボット2からスピンチャック1にウエハWが受け渡されて、そのウエハWがスピンチャック1によって回転されている状態で行われる。ウエハWを回転させつつ行う処理としては、たとえば、回転中のウエハWの表面に洗浄液を供給して、ウエハWの表面からパーティクルや各種金属不純物などの不要物を除去する洗浄(エッチング)処理を例示することができる。
【0018】
スピンチャック1は、たとえば、水平に配置された円板状のスピンベース11と、このスピンベース11の周縁部に配設された複数個(この実施形態では6個)の挟持部材12とを有している。スピンベース11は、モータなどの駆動源を含む回転駆動機構からの駆動力によって、その中心を通る鉛直な軸線まわりに回転されるようになっている。複数個の挟持部材12は、ウエハWの外形に対応した円周上にほぼ等間隔で配置されていて、ウエハWの周面を異なる複数の位置で挟持することにより、ウエハWを水平な姿勢で保持することができる。複数個の挟持部材12によってウエハWを保持した状態で、スピンベース11を回転させることにより、ウエハWを水平な姿勢でスピンベース11の回転軸線(スピンベース11の中心を通る鉛直な軸線)まわりに回転させることができる。
【0019】
なお、スピンチャック1としては、このような構成のものに限らず、たとえば、ウエハWの下面を真空吸着することにより、ウエハWを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な軸線まわりに回転することにより、その保持したウエハWを回転させることができる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
基板搬送ロボット2は、いわゆるダブルアーム式のロボットであり、一対の多関節アーム21,22が基台23の上面に取り付けられた構成を有している。多関節アーム21,22は、関節の屈伸によって、各先端に備えられたハンド21H,22Hを、基台23の中心軸線(中心を通る鉛直軸線)に交差する水平な直線上で互いに独立に進退させることができる。一方のハンド21Hは、他方のハンド22Hよりも上方において進退するようになっており、ハンド21H,22Hの両方が基台23上のホームポジションに退避した状態では、ハンド21H,22Hが上下に重なり合って配置される。
【0020】
ハンド21Hは、互いに平行な一対の腕部211,212を有するフォーク形状に形成されている。そして、腕部211,212の各先端部、および腕部211,212を基端部で連結する連結部213には、それぞれウエハWを支持するための支持部材214,215,216が固定されている。ハンド22Hも同様な構成であり、互いに平行な一対の腕部221,222を有するフォーク形状に形成されていて、腕部221,222の各先端部、および腕部221,222を基端部で連結する連結部223には、それぞれ支持部材224,225,226が固定されている。ハンド21H,22Hは、それぞれ3つの支持部材214,215,216;224,225,226によって、ウエハWの周縁部を下方から支持することができる。
【0021】
基台23は、水平なY軸方向に沿って配置されたレール上に設けられていて、そのレール上をY軸方向に往復直線移動することができるようになっている。これにより、基板搬送ロボット2は、スピンチャック1が備えられている処理室以外の場所、たとえば、未処理または処理済のウエハWを収容するためのカセットが配置された場所などにアクセスすることができる。また、基台23は、その中心軸線まわり(θ方向)に回転可能であり、さらに鉛直なZ軸方向に昇降可能に構成されている。スピンチャック1に対するウエハWの受け渡しは、基台23がY軸方向と直交するX軸方向にスピンチャック1と対向する位置に移動し、その位置でハンド21H,22HをX軸方向に進退させることによって行われる。
【0022】
基板搬送ロボット2からスピンチャック1に処理前のウエハWを引き渡す際には、たとえば、一方のハンド21HにウエハWが保持されて、そのウエハWを保持したハンド21Hがスピンチャック1の上方の所定位置に進出される。そして、基台23が下降されて、ウエハWを保持したハンド21Hがスピンチャック1(挟持部材12)によるウエハWの保持位置よりも下方まで下げられる。ハンド21Hが下降する過程で、ハンド21Hに保持されたウエハWの下面の周縁部に挟持部材12が当接し、その後さらにハンド21Hが下降することにより、ウエハWの下面からハンド21H(支持部材214,215,216)が離れて、基板搬送ロボット2からスピンチャック1へのウエハWの受け渡しが達成される。
【0023】
一方、スピンチャック1から処理後のウエハWを受け取る際には、たとえば、他方のハンド22Hが、スピンチャック1に保持されているウエハWの下方の所定位置に進出される。そして、基台23が上昇されて、ハンド22Hがスピンチャック1によるウエハWの保持位置よりも上方まで下げられる。ハンド22Hが上昇する過程で、ウエハWの下面の周縁部にハンド22Hの支持部材224,225,226が当接し、その後さらにハンド22Hが上昇することにより、ウエハWがハンド22Hによって持ち上げられ、基板搬送ロボット2によるスピンチャック1からのウエハWの受け取りが達成される。
【0024】
このようにしてスピンチャック1と基板搬送ロボット2(ハンド21H,22H)との間でウエハWが受け渡されるので、その受け渡しが良好に達成されるためには、ハンド21H,22Hは、各ハンド21H,22Hに保持したウエハWの中心をハンド21H,22Hの中心とすると、それぞれハンド21H,22Hの中心がスピンベース11の回転軸線上に位置した状態で昇降されなければならない。
【0025】
基板処理装置内におけるスピンチャック1および基板搬送ロボット2の配置は設計によって決められているので、スピンチャック1および基板搬送ロボット2を設計通りに組み付けることができれば、設計に基づいてスピンチャック1の回転中心位置(回転軸線の位置)を求め、その求めた回転中心位置上にハンド21H,22Hの中心を導いてハンド21H,22Hを昇降させることにより、スピンチャック1と基板搬送ロボット2との間でのウエハWの良好な受け渡しを達成できる。ところが、スピンチャック1および基板搬送ロボット2の組み付けには誤差が生じるため、設計に基づくスピンチャック1の回転中心位置にハンド21H,22Hの中心を導いても、ハンド21H,22Hの中心はスピンチャック1の実際の回転中心位置からずれてしまう。したがって、スピンチャック1および基板搬送ロボット2を組み付けた後には、基板搬送ロボット2の動作を制御する制御部(ロボット駆動制御部52)に対して、スピンチャック1の実際の正確な回転中心位置のティーチング(教示)を行う必要がある。また、ハンド21H,22Hからスピンチャック1にウエハWを確実に引き渡したり、スピンチャック1に保持されたウエハWの下方にハンド21H,22Hを上手く潜り込ませたりするためには、スピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置をティーチングしておく必要がある。
【0026】
この基板処理装置では、スピンチャック1の実際の回転中心位置およびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置のティーチングが自動で行われる。この自動ティーチングに際しては、スピンチャック1のスピンベース11上に配置される配置治具3と、この配置治具3の位置を検出するためのセンサ治具4とが用いられる。自動ティーチングが行われることにより、オペレータに大きな負担をかけることなく、スピンチャック1の実際の正確な回転中心位置およびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置を基板搬送ロボット2の制御装置に教示することができる。
【0027】
配置治具3は、長方形板状の本体部31を有している。本体部31は、その長手方向の幅がハンド22H(21H)の腕部221,222(211,212)間の間隔よりも大きく設計されており、本体部31を腕部221,222(211,212)に跨った状態で支持することによって、配置治具3をハンド22H(21H)に保持させることができるようになっている。本体部31の一方面には、円柱状の被検出突起32が突出して形成されている。一方、本体部31の他方面には、図2に示すように、一対の下駄歯33,34が形成されている。この下駄歯33,34が形成されていることによって、配置治具3がスピンベース11上に配置されたときに、スピンベース11の上面と本体部31の他方面との間に、ハンド22H(21H)の腕部221,222(211,212)を挿入可能な間隔が確保される。また、配置治具3は、スピンベース11上に配置されたときに、被検出突起32の頂面がスピンチャック1によるウエハWの保持位置と同じ高さとなるように各部の寸法が設計されている。
【0028】
センサ治具4は、配置治具3の本体部31とほぼ同じ外形の本体部41を有している。本体部41には、その本体部41の長手方向に長い長方形状の開口42が形成されており、この開口42の周囲には、4個の光センサヘッド43,44,45,46が配置されている。光センサヘッド43,44は、X軸方向に対向して対をなしており、光センサヘッド45,46は、Y軸方向に対向して対をなしている。
【0029】
図3は、この基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。光センサヘッド43,44,45,46には、それぞれ光アンプ47から延びた光ファイバ431,441,451,461の先端が接続されている。光アンプ47には、レーザ光源を含む投光部471および光電変換素子を含む受光部472が備えられており、光ファイバ431,451の基端側は投光部471に接続され、光ファイバ441,461の基端側は受光部472に接続されている。これにより、投光部471のレーザ光源が発生するレーザ光は、光ファイバ431,451を通って、光センサヘッド43,45からそれぞれ光センサヘッド44,46に向けて出射される。光センサヘッド43,45から出射されるレーザ光の光軸上に障害物がなければ、光センサヘッド43,45からのレーザ光は、光センサヘッド44,46に入射する。そして、光ファイバ441,461を通って、受光部472の光電変換素子に与えられ、この光電変換素子によって、それぞれY位置信号およびX位置信号に変換される。
【0030】
受光部472で生成されるX位置信号およびY位置信号は、マイクロコンピュータを含む構成のロボット制御装置5に入力されるようになっている。ロボット制御装置5は、プログラム処理を実行することによって、受光部472からの入力信号に基づいてスピンチャック1の回転中心位置の座標(X座標およびY座標)を演算する中心座標演算部51、および基板搬送ロボット2に結合されたロボット駆動機構24を制御するロボット駆動制御部52を実質的に備えている。ロボット駆動機構24には、多関節アーム21,22を屈伸させるためのアーム駆動機構、基台23をY軸方向に往復直線移動させるためのY軸駆動機構、基台23を中心軸線まわりに回転させるためのθ回転駆動機構、および基台23をZ軸方向に昇降させるための昇降駆動機構が含まれる。
【0031】
また、この基板処理装置には、スピンチャック1に結合されたチャック駆動機構13を制御するためのチャック制御装置6が備えられている。チャック制御装置6は、ロボット制御装置5に接続されており、ロボット制御装置5との間で各種信号の送受信を行うことができるようになっている。チャック駆動機構13には、スピンベース11を回転させるための回転駆動機構などが含まれる。
図4は、自動ティーチングについて説明するための図解図である。ロボット駆動制御部52に対する自動ティーチングは、たとえば、スピンチャック1および基板搬送ロボット2の組み付け時に行われる。
【0032】
自動ティーチングに先立って、ロボット駆動制御部52には、設計に基づいて求められたスピンチャック1の回転中心位置が入力されている。自動ティーチングに際しては、まず、基板搬送ロボット2の一方のハンド22Hに配置治具3が保持された後、多関節アーム22が伸長されて、その配置治具3を保持したハンド22Hの中心がスピンチャック1の設計に基づく回転中心位置上へ導かれる。そして、基台23が下降されることにより、ハンド22Hに保持されている配置治具3が、スピンチャック1のスピンベース11上に配置される。スピンチャック1の設計に基づく回転中心位置は、実際の回転中心位置から大きく離れていないので、配置治具3は、スピンチャック1の実際の回転中心位置の近傍に配置されることになる。
【0033】
次に、基板搬送ロボット2の他方のハンド21Hにセンサ治具4が保持される。ハンド21H上でのセンサ治具4の保持位置は予め定められており、その保持位置にセンサ治具4が保持された状態で、光センサヘッド43,45からそれぞれ出射されるレーザ光の光軸がともにハンド21Hの中心上を通る。ハンド21Hにセンサ治具4が保持されると、多関節アーム21が伸長されて、ハンド21Hの中心がスピンチャック1の設計に基づく回転中心位置上へ導かれる。そして、基台23が所定量だけ下降されることにより、配置治具3の被検出突起32がセンサ治具4の開口42に挿通された状態にされる。
【0034】
この状態から、多関節アーム21が屈伸されて、図4(a),(b)に示すように、ハンド21HがX軸方向に沿った+X方向および−X方向に所定量だけ往復動される。このとき、光センサヘッド45から光センサヘッド46に向けてレーザ光が出射されており、光センサヘッド45からのレーザ光が被検出突起32によって遮られると、これに応答して、光アンプ47(受光部472)から中心座標演算部51に入力されるX位置信号の入力が停止する。よって、中心座標演算部51は、X位置信号の入力の有無に基づいて、ハンド21Hを+X方向に移動させたときには、被検出突起32の周面上の最も−X側に位置する部分P1が光センサヘッド45からのレーザ光の光軸上に位置したことを検知でき、ハンド21Hを−X方向に移動させたときには、被検出突起32の周面上の最も+X側に位置する部分P2が光センサヘッド45からのレーザ光の光軸上に位置したことを検知できる。
【0035】
中心座標演算部51は、たとえば、ハンド21Hのホームポジション(基台23上の退避位置)を基準として、レーザ光の光軸上に部分P1が位置したことを検知するまでのハンド21Hの+X方向の移動量を求め、その求めた移動量を部分P1のX座標として取得する。また同様に、ハンド21Hのホームポジション基準として、レーザ光の光軸上に部分P2が位置したことを検知するまでのハンド21Hの+X方向の移動量を求め、その求めた移動量を部分P2のX座標として取得する。そして、こうして取得した部分P1,P2のX座標に基づいて、被検出突起32の中心位置AのX座標X1を求める。すなわち、部分P1のX座標をXp1とし、部分P2のX座標をXp2とすると、被検出突起32の中心位置AのX座標X1は、X1=(Xp1+Xp2)/2と求めることができる。
【0036】
中心座標演算部51によって被検出突起32の中心位置AのX座標が求められると、つづいて、基台23がY軸方向に往復直線移動されて、図4(c),(d)に示すように、ハンド21HがY軸方向に沿った+Y方向および−Y方向に所定量だけ往復動される。このとき、光センサヘッド43から光センサヘッド44に向けてレーザ光が出射されており、光センサヘッド43からのレーザ光が被検出突起32によって遮られると、これに応答して、光アンプ47(受光部472)から中心座標演算部51に入力されるY位置信号の入力が停止する。よって、中心座標演算部51は、Y位置信号の入力の有無に基づいて、ハンド21Hを+Y方向に移動させたときには、被検出突起32の周面上の最も−Y側に位置する部分P3が光センサヘッド43からのレーザ光の光軸上に位置したことを検知でき、ハンド21Hを−Y方向に移動させたときには、被検出突起32の周面上の最も+Y側に位置する部分P4が光センサヘッド43からのレーザ光の光軸上に位置したことを検知できる。
【0037】
中心座標演算部51は、ハンド21Hのホームポジションを基準として、レーザ光の光軸上に部分P3が位置したことを検知するまでのハンド21Hの+Y方向の移動量を求め、その求めた移動量を部分P3のY座標として取得する。また同様に、ハンド21Hのホームポジション基準として、レーザ光の光軸上に部分P4が位置したことを検知するまでのハンド21Hの+Y方向の移動量を求め、その求めた移動量を部分P4のY座標として取得する。そして、こうして取得した部分P3,P4のY座標に基づいて、被検出突起32の中心位置AのY座標Y1を求める。すなわち、部分P3のY座標をYp3とし、部分P4のY座標をYp4とすると、被検出突起32の中心位置AのY座標Y1は、Y1=(Yp3+Yp4)/2と求めることができる。これにより、中心座標演算部51は、被検出突起32の中心位置AのX,Y座標(X1,Y1)を取得することになる。
【0038】
この後は、基台23が所定量だけ上昇されて、ハンド21Hが上昇されることにより、配置治具3の被検出突起32がセンサ治具4の開口42から抜け出た状態にされる。そして、ロボット制御装置5からチャック制御装置6に指令信号が与えられ、これに基づいて、チャック制御装置6によってチャック駆動機構13が制御されて、スピンチャック1(スピンベース11)がその中心軸線まわりに180°回転される。これにより、スピンベース11上に配置されている配置治具3の被検出突起32は、スピンチャック1の実際の回転中心位置Cに関して180°対称な位置に移動する。
【0039】
スピンチャック1の回転後、基台23が再び下降されて、配置治具3の被検出突起32がセンサ治具4の開口42に挿通された状態にされる。そして、回転前の被検出突起32の中心位置Aを求めた場合と同様に、ハンド21Hが+X,−X方向および+Y,−Y方向に往復動されて、回転後の被検出突起32の周面上の最も+X側および−X側に位置する部分のX座標、ならびに回転後の被検出突起32の周面上の最も+Y側および−Y側に位置する部分のY座標が中心座標演算部51に取得される。そして、その取得された座標に基づいて、中心座標演算部51において、回転後の被検出突起32の中心位置A’のX,Y座標(X2,Y2)が求められる。
【0040】
このようにして、中心座標演算部51は、スピンチャック1の回転前の被検出突起32の中心位置AのX,Y座標(X1,Y1)および回転後の被検出突起32の中心位置A’のX,Y座標(X2,Y2)を取得すると、その中心位置AのX,Y座標(X1,Y1)および中心位置A’のX,Y座標(X2,Y2)に基づいて、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標(Xc,Yc)を演算する。
【0041】
すなわち、図5に示すように、スピンチャック1が180°回転する前の被検出突起32の中心位置Aとスピンチャック1が180°回転した後の被検出突起32の中心位置A’とは、スピンチャック1の回転中心位置Cに関して互いに対称な位置にあるから、スピンチャック1の回転中心位置Cは、中心位置Aと中心位置A’とを結ぶ線分の中点に等しい。したがって、スピンチャック1の回転中心位置CのX座標XcおよびY座標Ycは、
Xc=(X1+X2)/2
Yc=(Y1+Y2)/2
と求めることができる。
【0042】
この後は、ハンド21Hが、たとえば、光センサヘッド45からのレーザ光が被検出突起32によって遮られる位置に導かれる。そして、基台23の上昇によって、ハンド21HがZ軸方向に上昇される。光センサヘッド45からのレーザ光の光軸が被検出突起32の上面を越えると、レーザ光が光センサヘッド46に入射し、これに応答して、光アンプ47(受光部472)から中心座標演算部51にX位置信号が入力される。よって、中心座標演算部51は、X位置信号の入力の有無に基づいて、被検出突起32の上面が光センサヘッド45からのレーザ光の光軸上に位置していることを検知できる。そして、中心座標演算部51は、たとえば、ハンド21Hのホームポジションを基準として、レーザ光の光軸上に被検出突起32の上面が位置したことを検知するまでのハンド21Hの+Z方向の移動量を求め、その求めた移動量を被検出突起32の上面のZ座標(スピンチャック1によるウエハWの保持位置のZ座標)として取得する。
【0043】
こうして取得された回転中心位置CのX,Y座標(Xc,Yc)および被検出突起32の上面のZ座標は、中心座標演算部51からロボット駆動制御部52に入力される。これでロボット駆動制御部52に対する自動ティーチングは完了であり、その後は、回転中心位置CのX,Y座標(Xc,Yc)およびスピンチャック1によるウエハWの保持位置のZ座標に基づいて、回転中心位置C上にハンド21H,22Hの中心を導いて、ハンド21H,22Hを昇降させることにより、スピンチャック1と基板搬送ロボット2との間でのウエハWの良好な受け渡しを達成することができる。
【0044】
以上のように、この実施形態によれば、スピンチャック1の実際の回転中心位置Cおよびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置(スピンチャック1によるウエハWの保持位置のZ座標)のティーチングが自動で行われる。これにより、オペレータに負担をかけることなく、スピンチャック1の実際の正確な回転中心位置およびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置を、基板搬送ロボット2の制御装置に教示することができる。
【0045】
なお、ハンド22Hによる配置治具3の保持およびハンド21Hによるセンサ治具4の保持は、自動で行われてもよいし、オペレータの手によって行われてもよい。すなわち、配置治具3およびセンサ治具4がそれぞれ所定の場所に収容されていて、その各収容場所にそれぞれハンド22H,21Hがアクセスすることによって、ハンド22H,21Hにそれぞれ配置治具3およびセンサ治具4が自動で保持されてもよいし、オペレータの手によって、ハンド22H,ハンド21H上にそれぞれ配置治具3およびセンサ治具4がセットされてもよい。配置治具3およびセンサ治具4の保持が自動で行われる場合には、ロボット駆動制御部52に対する回転中心位置Cのティーチングの完全自動化を図ることができる。
【0046】
また、配置治具3は、ハンド22Hによらずに、オペレータによってスピンベース11上に配置されてもよい。この基板処理装置では、配置治具3をスピンチャック1の実際の回転中心位置上に正確に配置する必要がないから、オペレータによって配置治具3をスピンベース11上に配置する場合であっても、従来の基板処理装置に比べて、ティーチングの際のオペレータの負担を大幅に軽減することができる。
【0047】
なお、スピンベース11上における配置治具3の配置を変えて、スピンチャック1の回転中心位置Cおよびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置を求めるための処理が複数回繰り返して行われてもよく、この場合、各処理で求められたスピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標の各平均値を求めて、その求めた各平均値をそれぞれ回転中心位置CのX,Y座標とし、また、各処理で求められたZ座標の平均値をウエハWの保持位置のZ座標とすることにより、スピンチャック1の回転中心位置Cおよびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置をより正確に取得することができる。
【0048】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、上記の実施形態では、自動ティーチングの際にはセンサ治具4が用いられ、このセンサ治具4に光センサヘッド43,44,45,46が配置されているとしたが、図6に示すように、ハンド21Hの腕部211,212の各先端部および各基端部に光センサヘッド43,44,45,46を配置して、センサ治具4を用いずに自動ティーチングが達成されるようにしてもよい。光センサヘッド43,44は、X軸方向に対して時計回りに45°傾いた水平方向に対向して対をなし、光センサヘッド45,46は、X軸方向に対して反時計回りに45°傾いた水平方向に対向して対をなしている。また、光センサヘッド43,44,45,46は、光センサヘッド43,45から出射されるレーザ光がともにハンド21Hの中心上を通るように配置されている。
【0049】
この場合、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標は、たとえば、次のようにして取得することができる。すなわち、ハンド21HをX軸方向に対して時計回りに45°傾いた水平方向(光センサヘッド43,44の対向方向)に往復動させて、光センサヘッド45からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との各接点(2つの接点)のX,Y座標を求める。また、ハンド21HをX軸方向に対して反時計回りに45°傾いた水平方向(光センサヘッド45,46の対向方向)に往復動させて、光センサヘッド43からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との各接点(2つの接点)のX,Y座標を求める。そして、各接点のX,Y座標に基づいて、4つの接点の中心のX,Y座標を求めて、これを被検出突起32の中心位置のX,Y座標とする。その後、スピンチャック1を180°回転させ、その回転後の被検出突起32の中心位置のX,Y座標を同様な手法で取得する。そして、回転前後の被検出突起32の中心位置のX,Y座標に基づいて、回転前後の被検出突起32の中心位置の中点のX,Y座標を求め、この求めたX,Y座標をスピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標として取得する。
【0050】
さらには、図6に示す構成から光センサヘッド43,44の対または光センサヘッド45,46の対の一方が省略されてもよい。この場合、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標は、たとえば、次のようにして取得することができる。すなわち、ハンド21Hを+X方向および−X方向に往復動させ、そのときのハンド21Hの移動量に基づいて、ハンド21Hを+X方向に移動させたときの光センサヘッド43または光センサヘッド45からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点のX,Y座標、およびハンド21Hを−X方向に移動させたときの光センサヘッド43または光センサヘッド45からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点のX,Y座標を求める。そして、その求めた各接点のX,Y座標に基づいて、それら接点の中点のX,Y座標を求めて、これを被検出突起32の中心位置のX,Y座標とする。その後、スピンチャック1を180°回転させ、その回転後の被検出突起32の中心位置のX,Y座標を同様な手法で取得する。そして、回転前後の被検出突起32の中心位置のX,Y座標に基づいて、回転前後の被検出突起32の中心位置の中点のX,Y座標を求め、この求めたX,Y座標をスピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標として取得する。
【0051】
なお、ハンド21Hを+Y方向および−Y方向に往復動させても、光センサヘッド43または光センサヘッド45からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点は、ハンド21Hを+X方向および−X方向に往復動させた場合と一致するから、上記した手法により回転中心位置CのX,Y座標を取得した場合と同じ結果を得ることができる。
また、上記の実施形態では、配置治具3の上面に被検出突起32が突設されていて、透過型のセンサ治具4を用いて、その被検出突起32の位置(座標)を検出する構成を取り上げたが、たとえば、配置治具3の上面に円柱状の穴が形成されていて、反射型センサを備えたセンサ治具を用いて、その配置治具3に形成された穴の位置(座標)を検出する構成が採用されてもよい。その場合、反射型センサは、検出対象物に所定間隔まで近づいたときに検出信号を出力する限定反射型センサであることが好ましく、この限定反射型センサの場合、たとえば、センサ治具を配置治具3に対して近接または離間させていき、限定反射型センサからの検出信号のオン/オフが切り換わるときのハンド21HのZ軸方向の位置を求めることにより、その求めたハンド21HのZ軸方向の位置ならびに配置治具3およびスピンチャック1の設計データに基づいて、スピンチャック1によるウエハWの保持位置のZ座標を取得することができる。
【0052】
さらにまた、光センサヘッド43,44,45,46は、水平方向に幅を有する断面スリット状のレーザ光を投受するものであってもよく、この場合、レーザ光の幅方向に配列した多数の光電変換素子が光アンプ47の受光部472に備えられていれば、配置治具3の被検出突起32がセンサ治具4の開口42に挿通された状態にした後、ハンド21Hを移動させなくても、その多数の光電変換素子からの出力信号に基づいて、被検出突起32の中心位置のX,Y座標を取得することができる。
【0053】
また、被検出突起32または穴がスピンベース11の上面の回転中心位置の近傍に形成されていれば、自動ティーチングの際に、配置治具3を必ずしも用いる必要はない。
さらには、配置治具3またはスピンベース11の上面に、複数個の被検出突起32または穴が形成されていてもよい。この場合、各被検出突起32または穴について、回転前後の中心位置のX,Y座標を取得し、これに基づいてスピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標を求め、その求めたX,Y座標のそれぞれ平均を回転中心位置CのX,Y座標とすることにより、回転中心位置CのX,Y座標をより正確に取得することができる。
【0054】
また、以上の説明では、スピンチャック1の180°回転前の被検出突起32の中心位置のX,Y座標および180°回転後の被検出突起32の中心位置のX,Y座標を求め、これに基づいて、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標を演算する場合を例にとったが、180°回転前はハンド21Hを+X方向および+Y方向に移動させ、180°回転後はハンド21Hを−X方向および−Y方向に移動させるようにすれば、被検出突起32の中心位置のX,Y座標を求めなくても、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標を求めることができる。
【0055】
たとえば、スピンチャック1の180°回転前は、ハンド21Hを+X方向に移動させて、光センサヘッド45からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点のX座標を求め、さらに、ハンド21Hを+Y方向に移動させて、光センサヘッド43からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点のY座標を求める。一方、スピンチャック1を180°回転させた後は、ハンド21Hを−X方向に移動させて、光センサヘッド45からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点のX座標を求め、さらに、ハンド21Hを−Y方向に移動させて、光センサヘッド43からのレーザ光の光軸と被検出突起32の周面との接点のY座標を求める。そして、回転前後で取得したX,Y座標の各中点のX,Y座標を求めて、この求めたX,Y座標をスピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標として取得する。スピンチャック1の180°回転前後でハンド21Hを逆方向に移動させた場合、被検出突起32の厚み(直径)の影響を排除する(打ち消し合う)ことができるから、被検出突起32の中心位置のX,Y
座標を求めなくても、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標を正確に求めることができる。
【0056】
また、スピンチャック1の回転角度θは、必ずしもθ=180°でなくてもよく、0<θ<360°の範囲内の任意の角度であってよい。
スピンチャック1を回転させる前の被検出突起32の中心位置AのX,Y座標が(X1,Y1)であり、スピンチャック1を回転角度θだけ回転させた後の被検出突起32の中心位置A’のX,Y座標が(X2,Y2)であった場合、スピンチャック1の回転中心位置CのX,Y座標(Xc,Yc)は、以下のようにして求めることができる。
【0057】
図7を参照して、中心位置A,A’の中点Bと回転中心位置Cとを結ぶ線分B−CがX軸方向となす角度をα、線分B−Cの長さをb、中点BのX,Y座標を(Xb,Yb)とすると、スピンチャック1の回転中心位置CのX座標XcおよびY座標Ycは、それぞれ下記式(1),(2)に従って求めることができる。
Xc=Xb+bcosα ・・・・・・(1)
Yc=Yb+bsinα ・・・・・・(2)
ただし、Xb={(X1+X2)/2}
Yb={(Y1+Y2)/2}
ここで、線分B−Cは線分A−A’に直交し、線分A−A’の傾きは(Y2−Y1)/(X2−X1)であることから、線分B−Cの傾きKは、
K=−(Y2−Y1)/(X2−X1) ・・・・・・(3)
と表すことができる。また、線分B−Cの傾きKは、角度αを用いて、
K=tanα ・・・・・・(4)
と表すことができるから、上記式(3),(4)より、角度αは、
α=tan−1K=tan−1{−(Y2−Y1)/(X2−X1)}
と求めることができる。
【0058】
また、線分A−Bの長さをaとすると、線分B−Cの長さbは、
b=a/tan(θ/2) ・・・・・・(5)
と表すことができる。そして、線分A−Bの長さaは、
であるから、上記式(6)に従って線分A−Bの長さaを求め、これを上記式(5)に代入することによって、線分B−Cの長さbを求めることができる。
【0059】
また、上記の実施形態では、スピンチャック1の回転中心位置およびスピンチャック1によるウエハWのZ軸方向の保持位置を、基板搬送ロボット2がスピンチャック1に対してウエハWを搬送する際の基準位置として、ロボット駆動制御部52に教示する場合を例にとったが、基準位置は、スピンチャック1の回転軸線上の任意の位置であってよい。
さらに、この発明は、たとえば、スピンチャック1にウエハWを搬送する際の基準位置をロボット駆動制御部52に教示する場合に限らず、ウエハWを多段に積層して保持するカセットに対してウエハWを搬送する際の基準位置をロボット駆動制御部52に教示する場合にも適用することができる。また、ウエハWを熱処理(たとえば、ウエハWを加熱/冷却する熱処理)するための熱処理プレートに対してウエハWを搬送する際の基準位置をロボット駆動制御部52に教示する場合にも適用することができる。
【0060】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す平面図である。
【図2】配置治具の構成を示す側面図である。
【図3】上記基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】自動ティーチングについて説明するための図解図である。
【図5】スピンチャックの回転中心位置の演算手法(180°回転)について説明するための図である。
【図6】光センサヘッドが固定配置されたハンドの構成を示す平面図である。
【図7】スピンチャックの回転中心位置の演算手法(θ回転)について説明するための図である。
【符号の説明】
1 スピンチャック
2 基板搬送ロボット
21 多関節アーム
21H ハンド
22 多関節アーム
22H ハンド
3 配置治具
32 被検出突起
4 センサ治具
41 本体部
43 光センサヘッド
44 光センサヘッド
45 光センサヘッド
46 光センサヘッド
5 ロボット制御装置
51 中心座標演算部
52 ロボット駆動制御部
C 回転中心位置
W ウエハ
Claims (7)
- 所定の基準位置を基準として基板を搬送する基板搬送装置であって、
基板を保持して移動可能なアームと、
このアームの動作を制御するためのアーム制御手段と、
上記アームに設けられ、上記基準位置の近傍の所定領域内に配置された被検出部を検出するための検出手段と、
上記所定領域内に被検出部が配置されている初期状態において、上記アームを移動させて、上記検出手段によって被検出部を検出し、これに基づいて当該初期状態における被検出部の位置情報を取得する初期位置情報取得手段と、
上記初期状態から上記基準位置を中心に被検出部が所定角度回転した状態において、上記アームを移動させて、上記検出手段によって被検出部を検出し、これに基づいて当該回転後の状態における被検出部の位置情報を取得する回転後位置情報取得手段と、
上記初期位置情報取得手段によって取得された位置情報と上記回転後位置情報取得手段によって取得された位置情報とに基づいて、上記基準位置の位置情報を取得する基準位置情報取得手段と、
この基準位置情報取得手段によって取得された上記基準位置の位置情報を上記アーム制御手段に教示する基準位置情報教示手段と
を含むことを特徴とする基板搬送装置。 - 上記検出手段は、上記アームによって保持可能な形状の本体部と、この本体部に取り付けられて、所定方向に対向して配置された少なくとも一対のレーザ投光ヘッドおよびレーザ受光ヘッドとを含み、上記レーザ投光ヘッドから上記レーザ受光ヘッドに向けてレーザ光を発生し、上記レーザ受光ヘッドにおけるレーザ光の受光の有無に基づいて、上記レーザ投光ヘッドと上記レーザ受光ヘッドとの間における被検出部の有無を検出するものであることを特徴とする請求項1記載の基板搬送装置。
- 上記検出手段は、上記アームに取り付けられて、所定方向に対向して配置された少なくとも一対のレーザ投光ヘッドおよびレーザ受光ヘッドを含み、上記レーザ投光ヘッドから上記レーザ受光ヘッドに向けてレーザ光を発生し、上記レーザ受光ヘッドにおけるレーザ光の受光の有無に基づいて、上記レーザ投光ヘッドと上記レーザ受光ヘッドとの間における被検出部の有無を検出するものであることを特徴とする請求項1記載の基板搬送装置。
- 基板に対して所定の処理を施すための基板処理装置であって、
処理対象となる基板を保持する基板保持手段と、
この基板保持手段に対して基板を搬送する基板搬送手段と
を含み、
上記基板搬送手段として、請求項1ないし3のいずれかに記載の基板搬送装置が適用されていることを特徴とする基板処理装置。 - 上記基板保持手段は、基板を保持しつつ所定の回転軸線まわりに回転するものであることを特徴とする請求項4記載の基板処理装置。
- 基板をアームで保持して搬送する基板搬送装置の動作を制御する制御部に対して、基板の搬送の際の基準となる基準位置を自動的に教示する搬送基準位置教示方法であって、
上記基準位置の近傍の所定領域内に被検出部が配置されている初期状態において、上記アームを移動させて、このアームに設けられた検出手段によって当該被検出部を検出し、これに基づいて当該被検出部の位置情報を取得する初期位置情報取得ステップと、
上記初期状態から上記基準位置を中心に被検出部を所定角度回転させる回転ステップと、
この回転ステップの後、被検出部が上記基準位置を中心に所定角度回転した状態において、上記アームを移動させて、このアームに設けられた検出手段によって当該回転後の被検出部を検出し、これに基づいて当該回転後の被検出部の位置情報を取得する回転後位置情報取得ステップと、
上記初期位置情報取得ステップで取得された位置情報と上記回転後位置情報取得ステップで取得された位置情報とに基づいて、上記基準位置の位置情報を取得する基準位置情報取得ステップと、
この基準位置情報取得ステップで取得された上記基準位置の位置情報を上記制御部に教示する位置情報教示ステップと
を含むことを特徴とする搬送基準位置教示方法。 - 基板をアームで保持して搬送する基板搬送装置の動作を制御する制御部に対して、基板の搬送の際の基準となる基準位置を自動的に教示する際に用いられるセンサ治具であって、
上記アームによって保持可能な形状の本体部と、この本体部に配置されて、所定方向に進行するレーザ光を形成する少なくとも一対の光センサヘッドとを備えていて、
上記基準位置の近傍の所定領域内に被検出部が配置されている初期状態、およびこの初期状態から上記基準位置を中心に被検出部を所定角度回転させた状態において、被検出部を検出するために用いられることを特徴とするセンサ治具。
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