JP2005010020A - 使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケット - Google Patents
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Abstract
【課題】央部から周縁部への伝熱性能に優れ、組立が容易であり、且つ、十分な構造強度を持つ、使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットを提供する。
【解決手段】使用済燃料輸送貯蔵キャスク1のバスケット2は、角部の外側22に凹凸形状からなる切り欠き23を有するボロン添加アルミニウムからなる複数の角パイプ20を切り欠き23が係合するように千鳥状に配置し、その外周を覆うように形成されたボロン添加アルミニウムからなる複数の拘束治具30のターンバックル33を回転させて、複数の角パイプ20を拘束することにより形成される。切り欠き23は、凸部23a及び凹部23bとからなり、凸部23aの曲率半径R1が凹部23bの曲率半径R2よりも大きい。また、角パイプ20の辺部の厚さ方向について、角部の外側22から内側21までの肉厚が辺部の肉厚以上となるように角部の内側21の曲率半径R3が形成される。
【選択図】 図2
【解決手段】使用済燃料輸送貯蔵キャスク1のバスケット2は、角部の外側22に凹凸形状からなる切り欠き23を有するボロン添加アルミニウムからなる複数の角パイプ20を切り欠き23が係合するように千鳥状に配置し、その外周を覆うように形成されたボロン添加アルミニウムからなる複数の拘束治具30のターンバックル33を回転させて、複数の角パイプ20を拘束することにより形成される。切り欠き23は、凸部23a及び凹部23bとからなり、凸部23aの曲率半径R1が凹部23bの曲率半径R2よりも大きい。また、角パイプ20の辺部の厚さ方向について、角部の外側22から内側21までの肉厚が辺部の肉厚以上となるように角部の内側21の曲率半径R3が形成される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットに関し、特に、複数の角パイプにより形成される使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、原子炉で発生する使用済燃料は、キャスクと呼ばれる容器に入れられて輸送及び貯蔵が行われる。このキャスク内には、使用済燃料から発生する中性子を吸収するとともに、使用済燃料から発生する熱を除熱するように構成されたバスケットが備えられている。そして、このバスケットは、使用済燃料を所定の位置に格納するように構成されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、切り欠き部が設けられた複数の金属板を互いに嵌合させることにより、使用済燃料を格納するための格子状の区画を形成する構造のバスケットの技術が記載されている。また、特許文献1に記載された技術によると、複数の金属板を連結部材で挾持してボルト止めし、上縁部に環状の枠体を嵌めこむことによりバスケットを完成させている。
【0004】
そして、特許文献2には、市松模様上に配設した角パイプを溶接することにより、使用済燃料を格納するセルを形成する構造のバスケットの技術が記載されている。また、特許文献2に記載された技術によると、外周部の角パイプ間を金属板で溶接することによりバスケットを完成させている。
【0005】
【特許文献1】
特許第3071576号公報(図1、段落0023〜0030参照)
【特許文献2】
特開2001−133586号公報(図1、図2、段落0006〜0007参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された技術によると、バスケットを構成する金属板に多数のスリット加工が必要となるため、コストアップの原因となる。また、金属板の部品数が多く、バスケットの組立作業に時間がかかり、コストアップの原因となる。更に、構造が複雑であるため、格子状に画成されたバスケットの中央部から周縁部への伝熱性能が悪い。
【0007】
また、特許文献2に記載された技術によると、バスケットが角パイプ同士を溶接した溶接構造であるため、溶接部分に歪が出やすい。また、角パイプ同士を長手方向に溶接する必要があり、溶接方法が難しいとともに、溶接時間がかかるため、コストアップの原因となる。
【0008】
更に、使用済燃料輸送貯蔵キャスクは設計要件として、9m落下に耐える必要がある。従って、バスケット中に使用済燃料の燃料集合体が装荷された状態で9mの水平落下が行われた場合、燃料集合体による衝撃荷重をバスケットで受けなければならならず、バスケットが十分な構造強度を持つことが必要である。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、中央部から周縁部への伝熱性能に優れ、組立が容易であり、且つ、十分な構造強度を持つ、使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットは、複数の角パイプを束にして一体となるようにバスケットが形成され、当該バスケットの周縁部が拘束治具により拘束されており、当該角パイプで形成される空間に使用済燃料を収納することを特徴とする。
【0011】
請求項1によると、複数の角パイプで形成されたバスケットの外周を拘束治具により拘束している。従って、拘束治具のみで角パイプを密着することができ、溶接が不要となり、伝熱性能を確保することができるとともに、製造コスト及び手間を削減することができる。
【0012】
請求項2の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項1に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記バスケットはキャスクのキャビティ内に挿入され、前記拘束治具は前記キャビティと同じ形状で形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2によると、バスケットの形状がキャスクのキャビティの形状と同一となる。従って、拘束治具によりバスケットを形成することにより、キャビティ内にバスケットを密着して挿入することができる。
【0014】
請求項3の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項2に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記キャビティの形状が円柱であることを特徴とする。
【0015】
請求項3によると、キャスクのキャビティの形状及びバスケットの形状が円柱となる。従って、キャビティの形状が円柱であることが多い従来のキャスクに対して、本発明のバスケットを対応させることができる。また、拘束治具による拘束が容易になるとともに、使用済燃料に対するバスケットの除熱性能を平坦化することができる。
【0016】
請求項4の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記角パイプの角部の外角部分に係合部が形成され、当該係合部同士を係合することにより当該角パイプが組み合わされてバスケットが形成されることを特徴とする。
【0017】
請求項4によると、角パイプの角部の外角部分に設けられた係合部同士が突き合わされることによりバスケットが形成される。従って、バスケットの構造が単純で容易に製造することができる。
【0018】
請求項5の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項4に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記角パイプの断面が略四角形であり、千鳥状に配置されてバスケットが形成されることを特徴とする。
【0019】
請求項5によると、断面が略四角形である角パイプを千鳥状に配置してバスケットを形成している。従って、斜め隣に配置された角パイプの角部の係合部同士を突き合わせることによりバスケットを形成することができる。
【0020】
請求項6の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項5に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記バスケットを形成する複数の前記角パイプが同一形状であり、且つ、同一材質であることを特徴とする。
【0021】
請求項6によると、角パイプが全て同一形状、同一材質である。従って、使用中に使用済燃料から発生する熱で温度が上昇した場合に、線膨張係数の違いによる熱応力が発生するのを避けることができる。
【0022】
請求項7の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項4〜6のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記係合部が凹凸形状の切り欠きであることを特徴とする。
【0023】
請求項7によると、角パイプの角部に設けられた切り欠きの凹部及び凸部同士が噛み合わされることによりバスケットが形成される。従って、バスケットの構造が単純で容易に製造することができる。
【0024】
請求項8の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項7に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記角パイプの辺部の厚さ方向について、前記係合部が形成された前記角パイプの角部の外側から内側までの肉厚が前記角パイプの辺部の肉厚以上となるように、前記角パイプの角部の内側の曲率半径が形成されていることを特徴とする。
【0025】
請求項8によると、角パイプの辺部の厚さ方向について、角パイプの係合部の外側から内側までの肉厚が角パイプの辺部の肉厚以上である。従って、係合部の切り欠きにより角パイプの角部に発生するせん断応力を緩和することができ、十分な構造強度を持つことが可能となる。
【0026】
請求項9の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項7または8に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記係合部の切り欠きの凸部の角の曲率半径が、凹部の角の曲率半径よりも大きいことを特徴とする。
【0027】
請求項9によると、係合部の切り欠きの凸部と凹部の角の曲率半径に若干の違いが設けられている。従って、係合部同士が干渉して隙間が開くことがなく、係合部同士が密着してスムーズに噛み合わせることができる。
【0028】
請求項10の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記拘束治具が、前記バスケットの周縁部を拘束するときの締付力を調整する締付手段を有することを特徴とする。
【0029】
請求項10によると、拘束治具による締付力を調整する締付手段が設けられている。従って、締付手段により締付力を調整することにより、拘束治具とバスケットの周縁部との接触部位に生じるばらつきを容易に修正することができるようになり、より均一な除熱性能を得ることができる。また、締付手段により締付力を調整することにより、角パイプ(バスケット)と拘束治具の材質が異なる場合に、使用環境における温度で両者間に生じる熱応力を考慮した締付力を設定することもできる。
【0030】
請求項11の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記拘束治具が、前記角パイプと同一の材質で形成されていることを特徴とする。
【0031】
請求項11によると、拘束治具と角パイプとが同一の材質で形成されている。従って、使用中に使用済燃料から発生する熱で温度が上昇した場合に、線膨張係数の違いによる熱応力が発生するのを避けることができる。
【0032】
請求項12の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記角パイプの材質が、ボロン添加アルミニウム合金であることを特徴とする。
【0033】
請求項12によると、角パイプの材質がボロン添加アルミニウム合金である。従って、アルミニウム材は押出加工できるため、角部の凹凸形状の切り欠きを含む角パイプの断面形状を簡易に製造することができるとともに、ボロンによる中性子吸収機能を付与することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0035】
まず、本実施の形態に関わる使用済燃料輸送貯蔵キャスクの構成について、図7に基づいて説明する。図7は、使用済燃料輸送貯蔵キャスクの概要構成図である。
【0036】
図7に示すように、本実施の形態に関わる使用済燃料輸送貯蔵キャスク(以下、「キャスク」と略する。)1は、炭素鋼等の鍛造品からなり、有底の筒状に形成されており、キャスク1の内部(キャビティ)1aにバスケット2が挿入されている。キャスク1の開口部には、キャスク1と同じ材質の一次蓋6が取り付けられ、その外側に二次蓋7が取り付けられている。
本実施形態では、キャスク1は有底円筒状に形成されており、バスケット2が挿入されるキャビティ1aは円柱状となっている。
【0037】
キャスク1の外周部には、中性子遮蔽材3が外筒4に覆われて配置されて、遮蔽層が形成されている。中性子遮蔽材3の中には、キャスク1から外筒4に伝熱するためのフィン3aが設けられている。また、外筒4の外周面には、キャスク1を運搬する際に取手として利用するトラニオン4aが設けられている。
【0038】
一次蓋6の外面には、中性子遮蔽材8が設けられている。また、一次蓋6の外周部は、ガスケットを介してキャスク1の端面に圧着され、図示しないボルトで螺合されている。
【0039】
二次蓋7の鏡板の外周には、フランジ7aが取り付けられている。そして、フランジ7aを押え部材5で端面方向に押さえつけ、この端面がキャスク1の端面に圧着されることにより二次蓋7がシール構造でキャスク1に取り付けられている。
【0040】
次に、本実施の形態に係る使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットの構造について、図1及び図2に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係るバスケットの斜視図である。図2は、本実施の形態に係るバスケットの径方向断面図である。
【0041】
図1及び図2に示すように、バスケット2は、角部が突き合わされて千鳥状に配置された複数の角パイプ20と、その複数の角パイプ20の外周部に配置された拘束治具30とからなり、角パイプ20の全体が一体となるように、外周から締め付ける締付手段であるターンバックル33を有している拘束治具30により拘束されている。
【0042】
まず、バスケット2を形成する角パイプ20の構造について、図4〜図6に基づいて説明する。図4は、本実施形態に係る角パイプの径方向断面図である。図5は、本実施形態に係る角パイプの角部同士を接続した場合の角パイプの径方向断面図である。図6は、本実施形態に係る角パイプの角部同士を接続した場合の角パイプの一つの角部の径方向拡大断面図であり、(a)及び(b)は、角パイプの角部の内側の曲率半径と肉厚との関係とを示した図である。尚、複数の角パイプ20の全てが同一材質、同一形状で形成される。
【0043】
図4に示すように、角パイプ20は、臨界制御機能を備えるべく、ボロンを添加したアルミニウム(以下、「ボロン添加アルミニウム」と略する。)又はボロンを添加したステンレス鋼(以下、「ボロン添加ステンレス鋼」と略する。)からなり、断面が略正方形の筒状に形成されている。
尚、ボロンにはB−10とB−11の同位体(天然ボロンは、B−10の比率が約20%)があり、例えば、ボロン添加アルミニウムを用いる場合、アルミニウムに添加できる含有量が最大数wt%に制限されるので、中性子吸収性能に優れているB−10の比率を高めた濃縮ボロンを用いるのが望ましい。
本実施形態においては、角パイプ20の外形寸法□(一辺の長さ)が152mmとなり、角パイプ20の辺部における内側21から外側22までの厚さ(以下、「肉厚」と略する。)T1が9mmとなり、角パイプ20の軸方向の長さLが4500mmとなるように、ボロン添加アルミニウム合金からなる角パイプ20が加工されている。
【0044】
そして、角パイプ20の四隅にある角部の外側22には、凸部23aと凹部23bとが交互に配置されている切り欠き(係合部)23が形成されている。切り欠き23は、凸部23aの角部の曲率半径R1が凹部23bの角部の曲率半径R2よりも大きくなるように形成されている。
本実施の形態においては、凸部から凹部までの長さT2が3mmとなるように凸部23aと凸部23bとが交互に形成されており、凸部23aの角部の曲率半径R1が0.5mmとなり、凹部23bの角部の曲率半径R2が0.4mmとなるように、角パイプ20が加工されている。尚、向かい合う角部同士が同じ凹凸形状となるように、角パイプ20の凹凸形状が加工される。
【0045】
また、角パイプ20の四隅にある角部の内側21は、その断面が円弧状になるように形成されている。そして、図5に示すように、この角パイプ20の角部の内側21の曲率半径R3は、角パイプ20の辺部の厚さ方向において、切り欠き23が形成された角パイプ20の角部の肉厚W1,W2が角パイプ20の辺部の肉厚T1以上となるように形成されている。つまり、図5に示すように、角パイプ20同士がその角部に設けられた切り欠き23で係合されるため、バスケット1中に使用済燃料の燃料集合体が装荷された状態で9mの水平落下が行われた場合、燃料集合体による衝撃荷重(例えば、図5の角パイプの左上の角部については、図中に示す矢印)を切り欠き23で受けなければならならず、角パイプ20同士が接合される切り欠き23のせん断応力が考慮される。
ここで、角パイプの一つの角部を用いて、図6に基づいて具体的に説明する。図6(a)の例では、切り欠き23が形成された角パイプ20の角部の局所的な肉厚W2が角パイプ220の辺部の肉厚T1よりも大きいが、肉厚W1が角パイプ20の辺部の肉厚T1よりも小さいため、肉厚W1の部分のせん断応力が肉厚T1のせん断応力よりも大きくなり、構造強度的に弱い部分が生じてしまう。一方、図6(b)の例では、切り欠き23が形成された角パイプ20の角部の局所的な肉厚W1及びW2が角パイプ20の辺部の肉厚T1よりも大きな関係が得られるように、角パイプ20の角部の内側21の曲率半径R3を大きくしたため、肉厚T1の部分のせん断応力が肉厚W1,W2のせん断応力よりも大きくなり、局所的な構造弱部が無くなる。
本実施の形態においては、図4に示すように、角部の内側21の曲率半径R3が6mmとなるように角パイプ20が加工されており、切り欠き23が形成された角パイプ20の角部の局所的な肉厚Wは、角パイプ20の辺部の肉厚T1よりも大きな関係が得られている。
【0046】
次に、バスケット1を形成する拘束治具30の構造について、図1及び図2に基づいて説明する。
【0047】
拘束治具30は、角パイプ20と同じ材質からなり、角パイプ20の軸方向に数箇所設けられた締付手段であるターンバックル33で接続された4組の金属部材31により、複数の角パイプ20の外周を覆うように配置されて形成されている。金属部材31は、軸方向の長さが角パイプ20と同じ長さである2枚の板を、外側の面が上述したキャスクのキャビティ1aの形状に沿う形状、内側の面が外周に配置された角パイプ20の辺部及び角部を嵌めこむことができる形状となるように加工されて形成されている。尚、拘束治具30を形成する金属部材31の内側の面の角パイプ20の角部と接する部分は、角パイプ20の四隅にある角部の外側22に形成された凸部23aと凹部23bとが交互に配置されている切り欠き(係合部)23と同じ形状であることが好ましい。
本実施の形態においては、キャスクのキャビティの形状は円筒状であり、拘束治具30を形成する各金属部材31の外側の面は、キャビティ形状に沿う形状として円弧状になるように形成されている。また、ターンバックル(締付手段)33及びボルト・ナット32は、同じピッチで角パイプ20の軸方向に7箇所設けられている。
【0048】
そして、上述のように形成された角パイプ20は、上述のように形成された拘束治具30のターンバックル(締付手段)33を回すことにより締付けられて、図2のX部拡大図である図3に示すように、角パイプ20と斜め隣に配置された角パイプ20について、それぞれの角部に設けられた切り欠き23に荷重(図3中に示す矢印)がかかり、それぞれの凸部23aと凹部23bとが噛み合わされて拘束される。
このとき、荷重により角パイプが降伏して潰れない程度にターンバックル(締付手段)33を締付ける必要がある。本実施の形態のターンバックル33に代表されるようなネジ構造の締付け手段は、構造が容易である上、締付け力の調整も容易に行うことができるので好ましい。
【0049】
次に、本実施形態に係る使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルを用いた伝熱試験とこれを再現した伝熱解析について、図8〜図11、表1及び表2を用いて説明する。図8は、使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルの径方向断面図である。図9は、図8のY部拡大図である。図10は、使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルの軸方向断面図である。図11は、使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルの径方向の一部断面図である。
【0050】
図8及び図9に示すように、使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルでは、32個の角パイプ120の外周を拘束治具130で締め付けて、角パイプに所定の荷重が作用するよう拘束することにより、角パイプ120の切り欠き123同士を係合した、断面積が略八角形のバスケット100を想定しており、使用済燃料の燃料集合体収納体数は52体である。また、図10に示すように、バスケット100の上部端面及び下部端面には断熱材141により断熱されており、バスケット100の中央にヒータ140を一本設置しているため、この試験体モデルでは、熱は径方向に除熱される。尚、図10に示すように、本バスケット100は、軸方向の高さが500mm、径方向の幅が約1500mmであり、ヒータ140の直径がφ100mmである。
そして、伝熱試験では、図8に示すように、×印で示した部位(対称位置におけるA−a〜A−d、B−a〜B−d、C−a〜C−d、D−a〜D−d、Ea−〜Ed、F−a〜F−d、G〜Kと、外気におけるPの計30箇所)において、熱電対により定常状態の温度を測定した。尚、熱電対は試験体モデルの軸方向の中央に設置し、測定位置を試験体モデルの軸方向の中央部分とした。
【0051】
上述の使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルを用いた伝熱試験の測定結果を表1に示す。表1は、対称位置における外気温からの上昇温度をそれらの平均値で規格化して、ばらつきを示した伝熱試験の結果である。
【0052】
【表1】
【0053】
従来技術に係る使用済燃料輸送貯蔵キャスクの様な角パイプの単なる組み合わせ構造では、角パイプの実際の製造公差や製品のばらつきの為に、角パイプ同士を完全に密着することは困難である。従って、角パイプ同士の係合部において伝熱抵抗となる部位が多く、使用済燃料の燃料集合体から発生する熱をスムーズに除熱できない場合がある。
しかし、表1から分かるように、本実施形態に係る使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルを用いた伝熱試験の結果、対称位置でのばらつきは±3%以内であり、角パイプ120の係合部における除熱性能のばらつきが殆どないことが確認できる。
これは、角パイプ120の外周を所定の締付力で締め付ける締付手段(図示せず)を有する拘束治具130で拘束してバスケット100を形成したため、角パイプ120の係合部の大きな隙間や接触部位に大きなばらつきが生じず、均一な除熱性能が得られたと考えられる。
【0054】
尚、拘束治具を、締付手段により締付力を調整しうるように構成すれば、接触部位のばらつきを容易に修正できるようになり、より均一な除熱性能をバスケットに与えることができるので好ましい。
また、拘束治具を、締付手段により締付力を調整しうるよう構成することにより、角パイプ(バスケット)と拘束治具の材質が異なる場合に、使用環境における温度で両者間に生じる熱応力を考慮した締付力を設定することもできる。
【0055】
次に、上述の使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルを用いた伝熱試験を再現した伝熱解析の結果を表2に示す。表2は、伝熱試験の測定結果と伝熱解析の結果を相対的に比較した結果である。
尚、この伝熱解析では、図11に示すように、角パイプ120の○印で示した位置(A〜J、L〜O、Qの計15箇所)を評価部位としている。また、伝熱解析では、角パイプ120の接触部に均一な伝熱抵抗を設けて実施した。
【0056】
【表2】
【0057】
表2の結果から、伝熱試験の測定結果及び伝熱試験を再現した伝熱解析の結果はよく一致しており、除熱性能が十分であることが確認できる。
【0058】
このように、本実施形態の使用済燃料輸送貯蔵キャスク1のバスケット2によれば、複数の角パイプ20で形成されたバスケット2の外周を拘束治具30により拘束している。
その結果、拘束治具30のみで角パイプ20を密着することができ、溶接が不要となり、伝熱性能を確保することができるとともに、製造コスト及び手間を削減することができる。
【0059】
また、バスケット2の形状がキャスク1のキャビティ1aの形状と同一となる。
その結果、拘束治具30によりバスケット2を形成することにより、キャビティ1a内にバスケット2を密着して挿入することができる。
【0060】
また、キャスク1のキャビティ1aの形状及びバスケット2の形状が円柱となる。
その結果、キャビティ1aの形状が円柱であることが多い従来のキャスク1に対して、本実施形態に係るバスケット2を対応させることができる。また、拘束治具30による拘束が容易になるとともに、使用済燃料に対するバスケット2の除熱性能を平坦化することができる。
【0061】
また、角パイプ30の角部の外角部分に設けられた切り欠き23同士が噛み合わされることによりバスケット2が形成される。
その結果、バスケット2の構造が単純で容易に製造することができる。
【0062】
また、断面が略四角形である角パイプ20を千鳥状に配置してバスケット2を形成している。
その結果、斜め隣に配置された角パイプ20の角部の切り欠き23同士を噛み合わせることによりバスケット2を形成することができる。
【0063】
また、角パイプ20が全て同一形状、同一材質である。
その結果、使用中に使用済燃料から発生する熱で温度が上昇した場合に、線膨張係数の違いによる熱応力が発生するのを避けることができる。
【0064】
また、角パイプ20の角部に設けられた切り欠き23の凹部23b及び凸部23a同士が噛み合わされることによりバスケット2が形成される。
その結果、バスケット2の構造が単純で容易に製造することができる。
【0065】
また、角パイプ20の辺部の厚さ方向について、角パイプ2の切り欠き23の外側22から内側21までの肉厚Wが角パイプ20の辺部の肉厚T1以上である。
その結果、切り欠き23により角パイプ20の角部に発生するせん断応力を緩和することができ、十分な構造強度を持つことが可能となる。
【0066】
また、切り欠き23の凸部23aの角の曲率半径R1と凹部23bの角の曲率半径R2において、R1を若干大きい寸法に設定している。
その結果、切り欠き23同士が干渉して隙間が開くことがなく、切り欠き23同士が密着してスムーズに噛み合わせることができる。
【0067】
また、拘束治具30による締付力を調整する締付手段であるターンバックル33が設けられている。
その結果、ターンバックル33により締付力を調整することにより、拘束治具30とバスケット2の周縁部との接触部位に生じるばらつきを容易に修正することができるようになり、より均一な除熱性能を得ることができる。また、ターンバックル33により締付力を調整することにより、角パイプ20(バスケット2)と拘束治具30の材質が異なる場合に、使用環境における温度で両者間に生じる熱応力を考慮した締付力を設定することもできる。
【0068】
また、拘束治具30と角パイプ20とが同一の材質で形成されている。
その結果、使用中に使用済燃料から発生する熱で温度が上昇した場合に、線膨張係数の違いによる熱応力が発生するのを避けることができる。
【0069】
また、角パイプ20の材質がボロン添加アルミニウム合金である。
その結果、アルミニウム材は押出加工できるため、角部の凸部23aと凹部23bの切り欠き23を含む角パイプ20の断面形状を簡易に製造することができるとともに、ボロンによる中性子吸収機能を付与することができる。尚、ボロン同位体のうち、B−10は中性子吸収性能が高いため、臨界制御を行うことができる。
【0070】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな変更が可能なものである。
【0071】
上述の実施の形態では、図1に示すように、拘束治具30は、長さが角パイプ20と同じである金属部材31を、ボルト・ナット32及びターンバックル33により螺子止めすることにより一体となって形成されているがそれに限らない。
例えば、図12に示すように、角パイプ220よりも長さが短い金属部材をボルト・ナット232及びターンバックル233により螺子止めすることにより一体となって形成された金属部材231を、角パイプ220の外周を覆うように、軸方向に一定の間隔で複数(図12では7個)配置することにより、拘束治具230を形成しても良い。
【0072】
また、拘束治具は、ベルト状の部材を、角パイプの外周に巻きつけるとともに、これを締め付けるよう構成されるものであっても良い。
また、拘束治具は、径方向に分割された板同士を、バネ部材を介して弾性的に連結するものであっても良い。例えば、図2におけるボルト・ナット32のナット締込み側に皿バネ(バネ部材)を配置するようにしても良い。この場合、角パイプと拘束治具が異なる材料であっても熱膨張差をバネ部材の変位で吸収することができる。
【0073】
また、拘束治具は、ターンバックル以外の締付手段により締付力を調整しうるように構成されるものであっても良い。
【0074】
更に、上述の実施の形態では、図4に示すように、角パイプ20は、断面が略正方形の筒状に形成されているが、それに限らない。
例えば、断面が略六角形の筒状に形成されていても良い。
【0075】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1によると、複数の角パイプで形成されたバスケットの外周を拘束治具により拘束している。従って、拘束治具のみで角パイプを密着することができ、溶接が不要となり、伝熱性能を確保することができるとともに、製造コスト及び手間を削減することができる。
【0076】
請求項2によると、バスケットの形状がキャスクのキャビティの形状と同一となる。従って、拘束治具によりバスケットを形成することにより、キャビティ内にバスケットを密着して挿入することができる。
【0077】
請求項3によると、キャスクのキャビティの形状及びバスケットの形状が円柱となる。従って、キャビティの形状が円柱であることが多い従来のキャスクに対して、本発明のバスケットを対応させることができる。また、拘束治具による拘束が容易になるとともに、使用済燃料に対するバスケットの除熱性能を平坦化することができる。
【0078】
請求項4によると、角パイプの角部の外角部分に設けられた係合部同士が突き合わされることによりバスケットが形成される。従って、バスケットの構造が単純で容易に製造することができる。
【0079】
請求項5によると、断面が略四角形である角パイプを千鳥状に配置してバスケットを形成している。従って、斜め隣に配置された角パイプの角部の係合部同士を突き合わせることによりバスケットを形成することができる。
【0080】
請求項6によると、角パイプが全て同一形状、同一材質である。従って、使用中に使用済燃料から発生する熱で温度が上昇した場合に、線膨張係数の違いによる熱応力が発生するのを避けることができる。
【0081】
請求項7によると、角パイプの角部に設けられた切り欠きの凹部及び凸部同士が噛み合わされることによりバスケットが形成される。従って、バスケットの構造が単純で容易に製造することができる。
【0082】
請求項8によると、角パイプの辺部の厚さ方向について、角パイプの係合部の外側から内側までの肉厚が角パイプの辺部の肉厚以上である。従って、係合部の切り欠きにより角パイプの角部に発生するせん断応力を緩和することができ、十分な構造強度を持つことが可能となる。
【0083】
請求項9によると、係合部の切り欠きの凸部と凹部の角の曲率半径に若干の違いが設けられている。従って、係合部同士が干渉して隙間が開くことがなく、係合部同士が密着してスムーズに噛み合わせることができる。
【0084】
請求項10によると、拘束治具による締付力を調整する締付手段が設けられている。従って、締付手段により締付力を調整することにより、拘束治具とバスケットの周縁部との接触部位に生じるばらつきを容易に修正することができるようになり、より均一な除熱性能を得ることができる。また、締付手段により締付力を調整することにより、角パイプ(バスケット)と拘束治具の材質が異なる場合に、使用環境における温度で両者間に生じる熱応力を考慮した締付力を設定することもできる。
【0085】
請求項11によると、拘束治具と角パイプとが同一の材質で形成されている。従って、使用中に使用済燃料から発生する熱で温度が上昇した場合に、線膨張係数の違いによる熱応力が発生するのを避けることができる。
【0086】
請求項12によると、角パイプの材質がボロン添加アルミニウム合金である。従って、アルミニウム材は押出加工できるため、角部の凹凸形状の切り欠きを含む角パイプの断面形状を簡易に製造することができるとともに、ボロンによる中性子吸収機能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るバスケットの斜視図である。
【図2】本実施の形態に係るバスケットの径方向断面図である。
【図3】図2のX部拡大図である。
【図4】本実施形態に係る角パイプの径方向断面図である。
【図5】本実施形態に係る角パイプの角部同士を接続した場合の角パイプの径方向断面図である。
【図6】本実施形態に係る角パイプの角部同士を接続した場合の角パイプの一つの角部の径方向拡大断面図であり、(a)及び(b)は、角パイプの角部の内側の曲率半径と肉厚との関係とを示した図である。
【図7】使用済燃料輸送貯蔵キャスクの概要構成図である。
【図8】使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルの径方向断面図である。
【図9】図8のY部拡大図である。
【図10】使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルの軸方向断面図である。
【図11】使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルの径方向の一部断面図である。
【図12】別の実施の形態に係るバスケットの斜視図である。
【符号の説明】
1 使用済燃料輸送貯蔵キャスク
1a キャビティ
2 バスケット
20 角パイプ
21 内側
22 外側
23 切り欠き(係合部)
23a 凸部
23b 凹部
30 拘束治具
33 ターンバックル(締付手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットに関し、特に、複数の角パイプにより形成される使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、原子炉で発生する使用済燃料は、キャスクと呼ばれる容器に入れられて輸送及び貯蔵が行われる。このキャスク内には、使用済燃料から発生する中性子を吸収するとともに、使用済燃料から発生する熱を除熱するように構成されたバスケットが備えられている。そして、このバスケットは、使用済燃料を所定の位置に格納するように構成されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、切り欠き部が設けられた複数の金属板を互いに嵌合させることにより、使用済燃料を格納するための格子状の区画を形成する構造のバスケットの技術が記載されている。また、特許文献1に記載された技術によると、複数の金属板を連結部材で挾持してボルト止めし、上縁部に環状の枠体を嵌めこむことによりバスケットを完成させている。
【0004】
そして、特許文献2には、市松模様上に配設した角パイプを溶接することにより、使用済燃料を格納するセルを形成する構造のバスケットの技術が記載されている。また、特許文献2に記載された技術によると、外周部の角パイプ間を金属板で溶接することによりバスケットを完成させている。
【0005】
【特許文献1】
特許第3071576号公報(図1、段落0023〜0030参照)
【特許文献2】
特開2001−133586号公報(図1、図2、段落0006〜0007参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された技術によると、バスケットを構成する金属板に多数のスリット加工が必要となるため、コストアップの原因となる。また、金属板の部品数が多く、バスケットの組立作業に時間がかかり、コストアップの原因となる。更に、構造が複雑であるため、格子状に画成されたバスケットの中央部から周縁部への伝熱性能が悪い。
【0007】
また、特許文献2に記載された技術によると、バスケットが角パイプ同士を溶接した溶接構造であるため、溶接部分に歪が出やすい。また、角パイプ同士を長手方向に溶接する必要があり、溶接方法が難しいとともに、溶接時間がかかるため、コストアップの原因となる。
【0008】
更に、使用済燃料輸送貯蔵キャスクは設計要件として、9m落下に耐える必要がある。従って、バスケット中に使用済燃料の燃料集合体が装荷された状態で9mの水平落下が行われた場合、燃料集合体による衝撃荷重をバスケットで受けなければならならず、バスケットが十分な構造強度を持つことが必要である。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、中央部から周縁部への伝熱性能に優れ、組立が容易であり、且つ、十分な構造強度を持つ、使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットは、複数の角パイプを束にして一体となるようにバスケットが形成され、当該バスケットの周縁部が拘束治具により拘束されており、当該角パイプで形成される空間に使用済燃料を収納することを特徴とする。
【0011】
請求項1によると、複数の角パイプで形成されたバスケットの外周を拘束治具により拘束している。従って、拘束治具のみで角パイプを密着することができ、溶接が不要となり、伝熱性能を確保することができるとともに、製造コスト及び手間を削減することができる。
【0012】
請求項2の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項1に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記バスケットはキャスクのキャビティ内に挿入され、前記拘束治具は前記キャビティと同じ形状で形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2によると、バスケットの形状がキャスクのキャビティの形状と同一となる。従って、拘束治具によりバスケットを形成することにより、キャビティ内にバスケットを密着して挿入することができる。
【0014】
請求項3の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項2に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記キャビティの形状が円柱であることを特徴とする。
【0015】
請求項3によると、キャスクのキャビティの形状及びバスケットの形状が円柱となる。従って、キャビティの形状が円柱であることが多い従来のキャスクに対して、本発明のバスケットを対応させることができる。また、拘束治具による拘束が容易になるとともに、使用済燃料に対するバスケットの除熱性能を平坦化することができる。
【0016】
請求項4の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記角パイプの角部の外角部分に係合部が形成され、当該係合部同士を係合することにより当該角パイプが組み合わされてバスケットが形成されることを特徴とする。
【0017】
請求項4によると、角パイプの角部の外角部分に設けられた係合部同士が突き合わされることによりバスケットが形成される。従って、バスケットの構造が単純で容易に製造することができる。
【0018】
請求項5の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項4に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記角パイプの断面が略四角形であり、千鳥状に配置されてバスケットが形成されることを特徴とする。
【0019】
請求項5によると、断面が略四角形である角パイプを千鳥状に配置してバスケットを形成している。従って、斜め隣に配置された角パイプの角部の係合部同士を突き合わせることによりバスケットを形成することができる。
【0020】
請求項6の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項5に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記バスケットを形成する複数の前記角パイプが同一形状であり、且つ、同一材質であることを特徴とする。
【0021】
請求項6によると、角パイプが全て同一形状、同一材質である。従って、使用中に使用済燃料から発生する熱で温度が上昇した場合に、線膨張係数の違いによる熱応力が発生するのを避けることができる。
【0022】
請求項7の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項4〜6のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記係合部が凹凸形状の切り欠きであることを特徴とする。
【0023】
請求項7によると、角パイプの角部に設けられた切り欠きの凹部及び凸部同士が噛み合わされることによりバスケットが形成される。従って、バスケットの構造が単純で容易に製造することができる。
【0024】
請求項8の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項7に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記角パイプの辺部の厚さ方向について、前記係合部が形成された前記角パイプの角部の外側から内側までの肉厚が前記角パイプの辺部の肉厚以上となるように、前記角パイプの角部の内側の曲率半径が形成されていることを特徴とする。
【0025】
請求項8によると、角パイプの辺部の厚さ方向について、角パイプの係合部の外側から内側までの肉厚が角パイプの辺部の肉厚以上である。従って、係合部の切り欠きにより角パイプの角部に発生するせん断応力を緩和することができ、十分な構造強度を持つことが可能となる。
【0026】
請求項9の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項7または8に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記係合部の切り欠きの凸部の角の曲率半径が、凹部の角の曲率半径よりも大きいことを特徴とする。
【0027】
請求項9によると、係合部の切り欠きの凸部と凹部の角の曲率半径に若干の違いが設けられている。従って、係合部同士が干渉して隙間が開くことがなく、係合部同士が密着してスムーズに噛み合わせることができる。
【0028】
請求項10の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記拘束治具が、前記バスケットの周縁部を拘束するときの締付力を調整する締付手段を有することを特徴とする。
【0029】
請求項10によると、拘束治具による締付力を調整する締付手段が設けられている。従って、締付手段により締付力を調整することにより、拘束治具とバスケットの周縁部との接触部位に生じるばらつきを容易に修正することができるようになり、より均一な除熱性能を得ることができる。また、締付手段により締付力を調整することにより、角パイプ(バスケット)と拘束治具の材質が異なる場合に、使用環境における温度で両者間に生じる熱応力を考慮した締付力を設定することもできる。
【0030】
請求項11の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記拘束治具が、前記角パイプと同一の材質で形成されていることを特徴とする。
【0031】
請求項11によると、拘束治具と角パイプとが同一の材質で形成されている。従って、使用中に使用済燃料から発生する熱で温度が上昇した場合に、線膨張係数の違いによる熱応力が発生するのを避けることができる。
【0032】
請求項12の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットは、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケットであって、前記角パイプの材質が、ボロン添加アルミニウム合金であることを特徴とする。
【0033】
請求項12によると、角パイプの材質がボロン添加アルミニウム合金である。従って、アルミニウム材は押出加工できるため、角部の凹凸形状の切り欠きを含む角パイプの断面形状を簡易に製造することができるとともに、ボロンによる中性子吸収機能を付与することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0035】
まず、本実施の形態に関わる使用済燃料輸送貯蔵キャスクの構成について、図7に基づいて説明する。図7は、使用済燃料輸送貯蔵キャスクの概要構成図である。
【0036】
図7に示すように、本実施の形態に関わる使用済燃料輸送貯蔵キャスク(以下、「キャスク」と略する。)1は、炭素鋼等の鍛造品からなり、有底の筒状に形成されており、キャスク1の内部(キャビティ)1aにバスケット2が挿入されている。キャスク1の開口部には、キャスク1と同じ材質の一次蓋6が取り付けられ、その外側に二次蓋7が取り付けられている。
本実施形態では、キャスク1は有底円筒状に形成されており、バスケット2が挿入されるキャビティ1aは円柱状となっている。
【0037】
キャスク1の外周部には、中性子遮蔽材3が外筒4に覆われて配置されて、遮蔽層が形成されている。中性子遮蔽材3の中には、キャスク1から外筒4に伝熱するためのフィン3aが設けられている。また、外筒4の外周面には、キャスク1を運搬する際に取手として利用するトラニオン4aが設けられている。
【0038】
一次蓋6の外面には、中性子遮蔽材8が設けられている。また、一次蓋6の外周部は、ガスケットを介してキャスク1の端面に圧着され、図示しないボルトで螺合されている。
【0039】
二次蓋7の鏡板の外周には、フランジ7aが取り付けられている。そして、フランジ7aを押え部材5で端面方向に押さえつけ、この端面がキャスク1の端面に圧着されることにより二次蓋7がシール構造でキャスク1に取り付けられている。
【0040】
次に、本実施の形態に係る使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットの構造について、図1及び図2に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係るバスケットの斜視図である。図2は、本実施の形態に係るバスケットの径方向断面図である。
【0041】
図1及び図2に示すように、バスケット2は、角部が突き合わされて千鳥状に配置された複数の角パイプ20と、その複数の角パイプ20の外周部に配置された拘束治具30とからなり、角パイプ20の全体が一体となるように、外周から締め付ける締付手段であるターンバックル33を有している拘束治具30により拘束されている。
【0042】
まず、バスケット2を形成する角パイプ20の構造について、図4〜図6に基づいて説明する。図4は、本実施形態に係る角パイプの径方向断面図である。図5は、本実施形態に係る角パイプの角部同士を接続した場合の角パイプの径方向断面図である。図6は、本実施形態に係る角パイプの角部同士を接続した場合の角パイプの一つの角部の径方向拡大断面図であり、(a)及び(b)は、角パイプの角部の内側の曲率半径と肉厚との関係とを示した図である。尚、複数の角パイプ20の全てが同一材質、同一形状で形成される。
【0043】
図4に示すように、角パイプ20は、臨界制御機能を備えるべく、ボロンを添加したアルミニウム(以下、「ボロン添加アルミニウム」と略する。)又はボロンを添加したステンレス鋼(以下、「ボロン添加ステンレス鋼」と略する。)からなり、断面が略正方形の筒状に形成されている。
尚、ボロンにはB−10とB−11の同位体(天然ボロンは、B−10の比率が約20%)があり、例えば、ボロン添加アルミニウムを用いる場合、アルミニウムに添加できる含有量が最大数wt%に制限されるので、中性子吸収性能に優れているB−10の比率を高めた濃縮ボロンを用いるのが望ましい。
本実施形態においては、角パイプ20の外形寸法□(一辺の長さ)が152mmとなり、角パイプ20の辺部における内側21から外側22までの厚さ(以下、「肉厚」と略する。)T1が9mmとなり、角パイプ20の軸方向の長さLが4500mmとなるように、ボロン添加アルミニウム合金からなる角パイプ20が加工されている。
【0044】
そして、角パイプ20の四隅にある角部の外側22には、凸部23aと凹部23bとが交互に配置されている切り欠き(係合部)23が形成されている。切り欠き23は、凸部23aの角部の曲率半径R1が凹部23bの角部の曲率半径R2よりも大きくなるように形成されている。
本実施の形態においては、凸部から凹部までの長さT2が3mmとなるように凸部23aと凸部23bとが交互に形成されており、凸部23aの角部の曲率半径R1が0.5mmとなり、凹部23bの角部の曲率半径R2が0.4mmとなるように、角パイプ20が加工されている。尚、向かい合う角部同士が同じ凹凸形状となるように、角パイプ20の凹凸形状が加工される。
【0045】
また、角パイプ20の四隅にある角部の内側21は、その断面が円弧状になるように形成されている。そして、図5に示すように、この角パイプ20の角部の内側21の曲率半径R3は、角パイプ20の辺部の厚さ方向において、切り欠き23が形成された角パイプ20の角部の肉厚W1,W2が角パイプ20の辺部の肉厚T1以上となるように形成されている。つまり、図5に示すように、角パイプ20同士がその角部に設けられた切り欠き23で係合されるため、バスケット1中に使用済燃料の燃料集合体が装荷された状態で9mの水平落下が行われた場合、燃料集合体による衝撃荷重(例えば、図5の角パイプの左上の角部については、図中に示す矢印)を切り欠き23で受けなければならならず、角パイプ20同士が接合される切り欠き23のせん断応力が考慮される。
ここで、角パイプの一つの角部を用いて、図6に基づいて具体的に説明する。図6(a)の例では、切り欠き23が形成された角パイプ20の角部の局所的な肉厚W2が角パイプ220の辺部の肉厚T1よりも大きいが、肉厚W1が角パイプ20の辺部の肉厚T1よりも小さいため、肉厚W1の部分のせん断応力が肉厚T1のせん断応力よりも大きくなり、構造強度的に弱い部分が生じてしまう。一方、図6(b)の例では、切り欠き23が形成された角パイプ20の角部の局所的な肉厚W1及びW2が角パイプ20の辺部の肉厚T1よりも大きな関係が得られるように、角パイプ20の角部の内側21の曲率半径R3を大きくしたため、肉厚T1の部分のせん断応力が肉厚W1,W2のせん断応力よりも大きくなり、局所的な構造弱部が無くなる。
本実施の形態においては、図4に示すように、角部の内側21の曲率半径R3が6mmとなるように角パイプ20が加工されており、切り欠き23が形成された角パイプ20の角部の局所的な肉厚Wは、角パイプ20の辺部の肉厚T1よりも大きな関係が得られている。
【0046】
次に、バスケット1を形成する拘束治具30の構造について、図1及び図2に基づいて説明する。
【0047】
拘束治具30は、角パイプ20と同じ材質からなり、角パイプ20の軸方向に数箇所設けられた締付手段であるターンバックル33で接続された4組の金属部材31により、複数の角パイプ20の外周を覆うように配置されて形成されている。金属部材31は、軸方向の長さが角パイプ20と同じ長さである2枚の板を、外側の面が上述したキャスクのキャビティ1aの形状に沿う形状、内側の面が外周に配置された角パイプ20の辺部及び角部を嵌めこむことができる形状となるように加工されて形成されている。尚、拘束治具30を形成する金属部材31の内側の面の角パイプ20の角部と接する部分は、角パイプ20の四隅にある角部の外側22に形成された凸部23aと凹部23bとが交互に配置されている切り欠き(係合部)23と同じ形状であることが好ましい。
本実施の形態においては、キャスクのキャビティの形状は円筒状であり、拘束治具30を形成する各金属部材31の外側の面は、キャビティ形状に沿う形状として円弧状になるように形成されている。また、ターンバックル(締付手段)33及びボルト・ナット32は、同じピッチで角パイプ20の軸方向に7箇所設けられている。
【0048】
そして、上述のように形成された角パイプ20は、上述のように形成された拘束治具30のターンバックル(締付手段)33を回すことにより締付けられて、図2のX部拡大図である図3に示すように、角パイプ20と斜め隣に配置された角パイプ20について、それぞれの角部に設けられた切り欠き23に荷重(図3中に示す矢印)がかかり、それぞれの凸部23aと凹部23bとが噛み合わされて拘束される。
このとき、荷重により角パイプが降伏して潰れない程度にターンバックル(締付手段)33を締付ける必要がある。本実施の形態のターンバックル33に代表されるようなネジ構造の締付け手段は、構造が容易である上、締付け力の調整も容易に行うことができるので好ましい。
【0049】
次に、本実施形態に係る使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルを用いた伝熱試験とこれを再現した伝熱解析について、図8〜図11、表1及び表2を用いて説明する。図8は、使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルの径方向断面図である。図9は、図8のY部拡大図である。図10は、使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルの軸方向断面図である。図11は、使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルの径方向の一部断面図である。
【0050】
図8及び図9に示すように、使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルでは、32個の角パイプ120の外周を拘束治具130で締め付けて、角パイプに所定の荷重が作用するよう拘束することにより、角パイプ120の切り欠き123同士を係合した、断面積が略八角形のバスケット100を想定しており、使用済燃料の燃料集合体収納体数は52体である。また、図10に示すように、バスケット100の上部端面及び下部端面には断熱材141により断熱されており、バスケット100の中央にヒータ140を一本設置しているため、この試験体モデルでは、熱は径方向に除熱される。尚、図10に示すように、本バスケット100は、軸方向の高さが500mm、径方向の幅が約1500mmであり、ヒータ140の直径がφ100mmである。
そして、伝熱試験では、図8に示すように、×印で示した部位(対称位置におけるA−a〜A−d、B−a〜B−d、C−a〜C−d、D−a〜D−d、Ea−〜Ed、F−a〜F−d、G〜Kと、外気におけるPの計30箇所)において、熱電対により定常状態の温度を測定した。尚、熱電対は試験体モデルの軸方向の中央に設置し、測定位置を試験体モデルの軸方向の中央部分とした。
【0051】
上述の使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルを用いた伝熱試験の測定結果を表1に示す。表1は、対称位置における外気温からの上昇温度をそれらの平均値で規格化して、ばらつきを示した伝熱試験の結果である。
【0052】
【表1】
【0053】
従来技術に係る使用済燃料輸送貯蔵キャスクの様な角パイプの単なる組み合わせ構造では、角パイプの実際の製造公差や製品のばらつきの為に、角パイプ同士を完全に密着することは困難である。従って、角パイプ同士の係合部において伝熱抵抗となる部位が多く、使用済燃料の燃料集合体から発生する熱をスムーズに除熱できない場合がある。
しかし、表1から分かるように、本実施形態に係る使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルを用いた伝熱試験の結果、対称位置でのばらつきは±3%以内であり、角パイプ120の係合部における除熱性能のばらつきが殆どないことが確認できる。
これは、角パイプ120の外周を所定の締付力で締め付ける締付手段(図示せず)を有する拘束治具130で拘束してバスケット100を形成したため、角パイプ120の係合部の大きな隙間や接触部位に大きなばらつきが生じず、均一な除熱性能が得られたと考えられる。
【0054】
尚、拘束治具を、締付手段により締付力を調整しうるように構成すれば、接触部位のばらつきを容易に修正できるようになり、より均一な除熱性能をバスケットに与えることができるので好ましい。
また、拘束治具を、締付手段により締付力を調整しうるよう構成することにより、角パイプ(バスケット)と拘束治具の材質が異なる場合に、使用環境における温度で両者間に生じる熱応力を考慮した締付力を設定することもできる。
【0055】
次に、上述の使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルを用いた伝熱試験を再現した伝熱解析の結果を表2に示す。表2は、伝熱試験の測定結果と伝熱解析の結果を相対的に比較した結果である。
尚、この伝熱解析では、図11に示すように、角パイプ120の○印で示した位置(A〜J、L〜O、Qの計15箇所)を評価部位としている。また、伝熱解析では、角パイプ120の接触部に均一な伝熱抵抗を設けて実施した。
【0056】
【表2】
【0057】
表2の結果から、伝熱試験の測定結果及び伝熱試験を再現した伝熱解析の結果はよく一致しており、除熱性能が十分であることが確認できる。
【0058】
このように、本実施形態の使用済燃料輸送貯蔵キャスク1のバスケット2によれば、複数の角パイプ20で形成されたバスケット2の外周を拘束治具30により拘束している。
その結果、拘束治具30のみで角パイプ20を密着することができ、溶接が不要となり、伝熱性能を確保することができるとともに、製造コスト及び手間を削減することができる。
【0059】
また、バスケット2の形状がキャスク1のキャビティ1aの形状と同一となる。
その結果、拘束治具30によりバスケット2を形成することにより、キャビティ1a内にバスケット2を密着して挿入することができる。
【0060】
また、キャスク1のキャビティ1aの形状及びバスケット2の形状が円柱となる。
その結果、キャビティ1aの形状が円柱であることが多い従来のキャスク1に対して、本実施形態に係るバスケット2を対応させることができる。また、拘束治具30による拘束が容易になるとともに、使用済燃料に対するバスケット2の除熱性能を平坦化することができる。
【0061】
また、角パイプ30の角部の外角部分に設けられた切り欠き23同士が噛み合わされることによりバスケット2が形成される。
その結果、バスケット2の構造が単純で容易に製造することができる。
【0062】
また、断面が略四角形である角パイプ20を千鳥状に配置してバスケット2を形成している。
その結果、斜め隣に配置された角パイプ20の角部の切り欠き23同士を噛み合わせることによりバスケット2を形成することができる。
【0063】
また、角パイプ20が全て同一形状、同一材質である。
その結果、使用中に使用済燃料から発生する熱で温度が上昇した場合に、線膨張係数の違いによる熱応力が発生するのを避けることができる。
【0064】
また、角パイプ20の角部に設けられた切り欠き23の凹部23b及び凸部23a同士が噛み合わされることによりバスケット2が形成される。
その結果、バスケット2の構造が単純で容易に製造することができる。
【0065】
また、角パイプ20の辺部の厚さ方向について、角パイプ2の切り欠き23の外側22から内側21までの肉厚Wが角パイプ20の辺部の肉厚T1以上である。
その結果、切り欠き23により角パイプ20の角部に発生するせん断応力を緩和することができ、十分な構造強度を持つことが可能となる。
【0066】
また、切り欠き23の凸部23aの角の曲率半径R1と凹部23bの角の曲率半径R2において、R1を若干大きい寸法に設定している。
その結果、切り欠き23同士が干渉して隙間が開くことがなく、切り欠き23同士が密着してスムーズに噛み合わせることができる。
【0067】
また、拘束治具30による締付力を調整する締付手段であるターンバックル33が設けられている。
その結果、ターンバックル33により締付力を調整することにより、拘束治具30とバスケット2の周縁部との接触部位に生じるばらつきを容易に修正することができるようになり、より均一な除熱性能を得ることができる。また、ターンバックル33により締付力を調整することにより、角パイプ20(バスケット2)と拘束治具30の材質が異なる場合に、使用環境における温度で両者間に生じる熱応力を考慮した締付力を設定することもできる。
【0068】
また、拘束治具30と角パイプ20とが同一の材質で形成されている。
その結果、使用中に使用済燃料から発生する熱で温度が上昇した場合に、線膨張係数の違いによる熱応力が発生するのを避けることができる。
【0069】
また、角パイプ20の材質がボロン添加アルミニウム合金である。
その結果、アルミニウム材は押出加工できるため、角部の凸部23aと凹部23bの切り欠き23を含む角パイプ20の断面形状を簡易に製造することができるとともに、ボロンによる中性子吸収機能を付与することができる。尚、ボロン同位体のうち、B−10は中性子吸収性能が高いため、臨界制御を行うことができる。
【0070】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな変更が可能なものである。
【0071】
上述の実施の形態では、図1に示すように、拘束治具30は、長さが角パイプ20と同じである金属部材31を、ボルト・ナット32及びターンバックル33により螺子止めすることにより一体となって形成されているがそれに限らない。
例えば、図12に示すように、角パイプ220よりも長さが短い金属部材をボルト・ナット232及びターンバックル233により螺子止めすることにより一体となって形成された金属部材231を、角パイプ220の外周を覆うように、軸方向に一定の間隔で複数(図12では7個)配置することにより、拘束治具230を形成しても良い。
【0072】
また、拘束治具は、ベルト状の部材を、角パイプの外周に巻きつけるとともに、これを締め付けるよう構成されるものであっても良い。
また、拘束治具は、径方向に分割された板同士を、バネ部材を介して弾性的に連結するものであっても良い。例えば、図2におけるボルト・ナット32のナット締込み側に皿バネ(バネ部材)を配置するようにしても良い。この場合、角パイプと拘束治具が異なる材料であっても熱膨張差をバネ部材の変位で吸収することができる。
【0073】
また、拘束治具は、ターンバックル以外の締付手段により締付力を調整しうるように構成されるものであっても良い。
【0074】
更に、上述の実施の形態では、図4に示すように、角パイプ20は、断面が略正方形の筒状に形成されているが、それに限らない。
例えば、断面が略六角形の筒状に形成されていても良い。
【0075】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1によると、複数の角パイプで形成されたバスケットの外周を拘束治具により拘束している。従って、拘束治具のみで角パイプを密着することができ、溶接が不要となり、伝熱性能を確保することができるとともに、製造コスト及び手間を削減することができる。
【0076】
請求項2によると、バスケットの形状がキャスクのキャビティの形状と同一となる。従って、拘束治具によりバスケットを形成することにより、キャビティ内にバスケットを密着して挿入することができる。
【0077】
請求項3によると、キャスクのキャビティの形状及びバスケットの形状が円柱となる。従って、キャビティの形状が円柱であることが多い従来のキャスクに対して、本発明のバスケットを対応させることができる。また、拘束治具による拘束が容易になるとともに、使用済燃料に対するバスケットの除熱性能を平坦化することができる。
【0078】
請求項4によると、角パイプの角部の外角部分に設けられた係合部同士が突き合わされることによりバスケットが形成される。従って、バスケットの構造が単純で容易に製造することができる。
【0079】
請求項5によると、断面が略四角形である角パイプを千鳥状に配置してバスケットを形成している。従って、斜め隣に配置された角パイプの角部の係合部同士を突き合わせることによりバスケットを形成することができる。
【0080】
請求項6によると、角パイプが全て同一形状、同一材質である。従って、使用中に使用済燃料から発生する熱で温度が上昇した場合に、線膨張係数の違いによる熱応力が発生するのを避けることができる。
【0081】
請求項7によると、角パイプの角部に設けられた切り欠きの凹部及び凸部同士が噛み合わされることによりバスケットが形成される。従って、バスケットの構造が単純で容易に製造することができる。
【0082】
請求項8によると、角パイプの辺部の厚さ方向について、角パイプの係合部の外側から内側までの肉厚が角パイプの辺部の肉厚以上である。従って、係合部の切り欠きにより角パイプの角部に発生するせん断応力を緩和することができ、十分な構造強度を持つことが可能となる。
【0083】
請求項9によると、係合部の切り欠きの凸部と凹部の角の曲率半径に若干の違いが設けられている。従って、係合部同士が干渉して隙間が開くことがなく、係合部同士が密着してスムーズに噛み合わせることができる。
【0084】
請求項10によると、拘束治具による締付力を調整する締付手段が設けられている。従って、締付手段により締付力を調整することにより、拘束治具とバスケットの周縁部との接触部位に生じるばらつきを容易に修正することができるようになり、より均一な除熱性能を得ることができる。また、締付手段により締付力を調整することにより、角パイプ(バスケット)と拘束治具の材質が異なる場合に、使用環境における温度で両者間に生じる熱応力を考慮した締付力を設定することもできる。
【0085】
請求項11によると、拘束治具と角パイプとが同一の材質で形成されている。従って、使用中に使用済燃料から発生する熱で温度が上昇した場合に、線膨張係数の違いによる熱応力が発生するのを避けることができる。
【0086】
請求項12によると、角パイプの材質がボロン添加アルミニウム合金である。従って、アルミニウム材は押出加工できるため、角部の凹凸形状の切り欠きを含む角パイプの断面形状を簡易に製造することができるとともに、ボロンによる中性子吸収機能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るバスケットの斜視図である。
【図2】本実施の形態に係るバスケットの径方向断面図である。
【図3】図2のX部拡大図である。
【図4】本実施形態に係る角パイプの径方向断面図である。
【図5】本実施形態に係る角パイプの角部同士を接続した場合の角パイプの径方向断面図である。
【図6】本実施形態に係る角パイプの角部同士を接続した場合の角パイプの一つの角部の径方向拡大断面図であり、(a)及び(b)は、角パイプの角部の内側の曲率半径と肉厚との関係とを示した図である。
【図7】使用済燃料輸送貯蔵キャスクの概要構成図である。
【図8】使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルの径方向断面図である。
【図9】図8のY部拡大図である。
【図10】使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルの軸方向断面図である。
【図11】使用済燃料輸送貯蔵キャスクの試験体モデルの径方向の一部断面図である。
【図12】別の実施の形態に係るバスケットの斜視図である。
【符号の説明】
1 使用済燃料輸送貯蔵キャスク
1a キャビティ
2 バスケット
20 角パイプ
21 内側
22 外側
23 切り欠き(係合部)
23a 凸部
23b 凹部
30 拘束治具
33 ターンバックル(締付手段)
Claims (12)
- 複数の角パイプを束にして一体となるようにバスケットが形成され、当該バスケットの周縁部が拘束治具により拘束されており、当該角パイプで形成される空間に使用済み燃料を収納することを特徴とする使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケット。
- 前記バスケットはキャスクのキャビティ内に挿入され、前記拘束治具は前記キャビティと同じ形状で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケット。
- 前記キャビティの形状が円柱であることを特徴とする請求項2に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケット。
- 前記角パイプの角部の外角部分に係合部が形成され、当該係合部同士を係合することにより当該角パイプが組み合わされてバスケットが形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケット。
- 前記角パイプの断面が略四角形であり、千鳥状に配置されてバスケットが形成されることを特徴とする請求項4に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケット。
- 前記バスケットを形成する複数の前記角パイプが同一形状であり、且つ、同一材質であることを特徴とする請求項5に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケット。
- 前記係合部が凹凸形状の切り欠きであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケット。
- 前記角パイプの辺部の厚さ方向について、前記係合部が形成された前記角パイプの角部の外側から内側までの肉厚が前記角パイプの辺部の肉厚以上となるように、前記角パイプの角部の内側の曲率半径が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケット。
- 前記係合部の切り欠きの凸部の角の曲率半径が、凹部の角の曲率半径よりも大きいことを特徴とする請求項7または8に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケット。
- 前記拘束治具が、前記バスケットの周縁部を拘束するときの締付力を調整する締付手段を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケット。
- 前記拘束治具が、前記角パイプと同一の材質で形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケット。
- 前記角パイプの材質が、ボロン添加アルミニウム合金であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスク用のバスケット。
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-
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- 2003-06-19 JP JP2003174621A patent/JP2005010020A/ja active Pending
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