JP2002311186A - キャスク用緩衝体、並びにキャスク用緩衝体の取付け構造および方法 - Google Patents

キャスク用緩衝体、並びにキャスク用緩衝体の取付け構造および方法

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淳 大野
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Yasuhiro Tomiita
靖博 富板
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正廣 岡田
Shinji Okame
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然木を使用することに起因する衝撃吸収特
性のばらつきを抑制するとともに、必要最小限の大きさ
でキャスクに対する緩衝作用を十分に行うこと。 【解決手段】 キャスク本体100の軸方向に木目を有
し、バルサ材で構成される緩衝材119aと、キャスク
本体100の軸方向に木目を有し、レッドウッドの集成
材で構成される緩衝材119bと、キャスク本体100
の軸に対して垂直な方向に木目をもち、レッドウッドの
集成材で構成される緩衝材119cとからなるキャスク
用緩衝体118を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃焼を終えた使
用済み核燃料集合体を収容、貯蔵するキャスクを保護す
るキャスク用緩衝体に関し、特に木材を効果的に用いた
構造によってキャスクを保護するキャスク用緩衝体、並
びにキャスク用緩衝体の取付け構造および方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】核燃料サイクルの終期にあって燃焼を終
え使用できなくなった核燃料集合体を、使用済み核燃料
という。使用済み核燃料は、FPなどの高放射能物質を
含むので熱的に冷却する必要があるから、原子力発電所
の冷却ピットで所定期間(3〜6ヶ月間)冷却される。
その後、遮蔽容器であるキャスクに収納され、トラック
や船舶等で再処理施設に搬送、貯蔵される。
【0003】キャスクがトラック等によって再処理施設
に搬送される場合、キャスク自体が使用済み核燃料の容
器であり、しかもその重量が100ton程度もあるた
め、キャスクの破壊は、大きな事故を引き起こす。この
ため、キャスク本体は、その両端面にキャスク用緩衝体
によって覆われて保護される。図14は、トラック輸送
中におけるキャスクの状態を示す説明図である。図14
において、円柱形状のキャスク本体500は、キャスク
用緩衝体514によってキャスク本体500の両端が覆
われ、トレーラ上に固定された輸送架台601上に配置
固定される。
【0004】また、トラックや船舶への搬送作業中にお
いても、キャスク本体500にキャスク用緩衝体514
が取付けられる。図15に示すように、キャスク本体5
00には、搬送作業を行うためのトラニオン513を有
し、クレーン等の吊具602をトラニオン513に掛止
することによってキャスクが搬送される。なお、キャス
ク用緩衝体514は、着脱可能である。
【0005】ここで、キャスクの構造について説明す
る。使用済み核燃料集合体をキャスク内に収容するにあ
たっては、バスケットと称する格子状断面を有する保持
要素を用いる。この使用済み核燃料集合体は、バスケッ
トに形成した複数の収納空間であるセルに1体ずつ挿入
され、これによって、輸送中の振動などに対する適切な
保持力を確保している。キャスクの従来例としては、
「原子力eye」(平成10年4月1日発行:日刊工業
出版プロダクション)や特開昭62−242725号公
報などにて様々な種類のものが開示されている。
【0006】図16は、キャスクの一例を示す斜視図で
ある。キャスク本体500は、筒形状のまたは多角形状
の胴本体501と、胴本体501の外周に設けた中性子
遮蔽体であるレジン502と、その外筒503、底部5
04および蓋部505から構成されている。胴本体50
1および底部504は、γ線遮蔽体である炭素鋼製や低
合金鋼性、ステンレス製の鍛造品である。また、蓋部5
05は、ステンレス製等の一次蓋506および二次蓋5
07からなる。胴本体501と底部504とは突き合わ
せ溶接によって結合、または胴本体501と底部504
とを一体として形成してある。一次蓋506および二次
蓋507は、胴本体501に対してステンレス製等のボ
ルトによって固定されている。蓋部505と胴本体50
1との間には、金属製のOリングが介在し、内部の気密
を保持している。
【0007】胴本体501と外筒503との間には、熱
伝導を行う複数の内部フィン508が設けられている。
内部フィン508は、熱伝導効率を高めるため、その材
料には銅を用いる。レジン502は、この内部フィン5
08によって形成される空間に流動状態で注入され、熱
硬化反応等で固化形成する。バスケット509は、14
本から69本の角パイプや菓子折構造510を束状に集
合させた構造であり、胴本体501のキャビティ511
内に拘束状態で挿入してある。
【0008】角パイプや菓子折構造510は、挿入した
使用済み核燃料集合体が臨界に達しないように中性子吸
収材(ホウ素:B)を混合したアルミニウム合金やステ
ンレス合金からなる。キャスク本体500の両側には、
キャスク本体500を吊り下げるためのトラニオン51
3が設けられている(一方のみを図示)。また、キャス
ク本体500の両端部には、内部に緩衝材として木材な
どを組み込んだキャスク用緩衝体514が取付けられて
いる(一方のみを図示)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のキャ
スク用緩衝体514は、同一種類の木材あるいは高分子
材料で構成されていた。しかし、キャスク用緩衝体51
4が衝撃力からキャスクを保護する場合、必ずしも同一
方向から衝撃力が加わる訳ではない。例えばキャスクが
落下する場合には、キャスクの軸方向から衝撃力が加わ
る場合もあるし、キャスクの軸に垂直な方向から衝撃力
が加わる場合もある。さらには、キャスクの軸に対して
斜めの方向から、すなわちキャスク用緩衝体514のコ
ーナ部分から衝撃力が加わる場合もある。ここで、キャ
スク用緩衝体514を構成する木材は、木目の方向によ
って圧縮力が異なるという性質がある。したがって、同
一種類の木材によってキャスク用緩衝体514を構成す
る場合に、木目の方向を考慮しないで木材を使用する
と、様々な方向からの衝撃力を緩和することが困難とな
る。
【0010】上記の問題を解決するために、同一種類の
木材を用いてキャスク用緩衝体を構成する場合には、圧
縮力の強い木目の方向を衝撃力が加わる方向と平行にす
ることが考えられる。しかし、落下するキャスクの方向
によって加わる衝撃力の大きさは異なるため、衝撃を受
ける方向によって木目の方向が異なるように木材を配置
してキャスク用緩衝体を構成しても、同一種類の木材を
使用する限り緩衝作用には限界があるという問題点があ
った。また、緩衝材に自然木を使用する以上、原木の個
体差等に起因する衝撃吸収特性のばらつきは避けられな
かった。
【0011】また、キャスク用緩衝体内部にはキャスク
本体を前記緩衝体内部に保持するために筒状のリブが設
けられているが、従来のキャスク用緩衝体ではこの筒状
のリブはキャスク本体とキャスク用緩衝体との重なり代
までしか軸方向の長さがなかった。このため、キャスク
の水平落下時にはキャスク用緩衝体を構成する木材には
衝撃吸収に寄与しない部分が生ずるという問題点があっ
た。
【0012】また、キャスク用緩衝体は、キャスク用緩
衝体とキャスク本体との間にシムを挿入し、両者の間に
生ずるガタを少なくしていた。しかし、従来はキャスク
用緩衝体とキャスク本体とを取付けた後にシムを挿入す
ることはできなかったため、キャスク用緩衝体またはキ
ャスク本体にシムを取付けてから両者を組み合わせてい
た。このため両者の取付け作業は非常に手間を要した。
【0013】また、キャスク用緩衝体は従来キャスク本
体に設けられた取付け金具にボルト等の締結手段によっ
て固定されていた。しかし、このような構造では、取付
け金具がキャスク用緩衝体の径方向に突き出してしまう
ため、キャスク用緩衝体の径方向におけるつぶれ代に無
効部分が生じていた。このため、キャスク用緩衝体自体
の外径が大きくなったり、キャスク内部の構造をより強
固に設計したりしなければならないという問題点があっ
た。
【0014】なお、キャスク用緩衝体の性能は、「つぶ
れ代(しろ)」と「衝撃エネルギーの吸収量」とによっ
て決まる。つぶれ代を小さくすることによって運搬形態
におけるキャスク全体の大きさを小さくすることがで
き、衝撃エネルギーの吸収量を大きくすることによって
キャスク本体発生する衝撃加速度を低減することができ
る。したがって、キャスク用緩衝体としては、許容され
るつぶれ代の範囲内で衝撃エネルギーの吸収量を大きく
できることが望ましい。
【0015】この発明は、上記に鑑みてなされたもの
で、キャスク本体に発生する衝撃加速度を低減するこ
と、必要最小限の大きさで特にキャスクが水平落下した
ときにおける衝撃を吸収できること、木材の緩衝材に存
在する衝撃吸収特性のばらつきを抑制すること、キャス
ク用緩衝体をキャスク本体に取付ける作業が容易である
こと、のいずれかまたはすべてを達成できるキャスク用
緩衝体、並びにキャスク用緩衝体の取付け構造および方
法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係るキャスク用緩衝体は、略円柱形状を
なすキャスク本体の両端面部分および両端面部分側の一
部周面をそれぞれ厚みを持たせて外装し、前記キャスク
本体を保護するキャスク用緩衝体において、前記キャス
ク本体の軸方向に木目をもつ第一の木材によって、前記
キャスク本体の両端面部分の領域まで該両端面部分の一
部をそれぞれ円盤状に外装する円盤部材と、前記キャス
ク本体の軸方向に木目をもつ第二の木材によって前記キ
ャスク本体の両端面部分の領域を超え、前記円盤部材の
外周をそれぞれ円筒状に外装する第一の円筒部材と、前
記キャスク本体の軸に対して垂直な方向に木目をもつ第
三の木材によって前記第一の円筒部材と同一の半径を有
し、前記キャスク本体の両端面部分側の一部周面をそれ
ぞれ円筒状に外装する第二の円筒部材と、を備え、前記
第一から第三の木材のうち、少なくとも一つ以上に集成
材を用いたことを特徴とする。
【0017】このキャスク用緩衝体は、キャスク用緩衝
体を構成する第一から第三の木材のうち少なくとも一つ
に集成材を使用しているため、自然の木に存在する個体
差等による特性のバラツキを抑制でき、安定した衝撃吸
収特性を発揮することができる。ここで集成材とは、同
種の木材を集め合わせて成形した二次加工材をいう。集
成材は、木片をつなげたり重ねたり接着したりすること
によって製造するものなので、自然の木から木取りでき
る以上の寸法であっても製造することができるという特
徴がある。また、特性の揃った材料を作りやすいという
特徴もある。
【0018】また、請求項2に係るキャスク用緩衝体
は、略円柱形状をなすキャスク本体の両端面部分および
両端面部分側の一部周面をそれぞれ厚みを持たせて外装
し、前記キャスク本体を保護するキャスク用緩衝体にお
いて、前記キャスク本体の軸方向に木目をもつ第一の木
材によって前記キャスク本体の両端面部分の領域まで該
両端面部分の一部をそれぞれ円盤状に外装する円盤部材
と、前記キャスク本体の軸に対して垂直な方向に木目を
もつ第二の木材によって前記キャスク本体の両端面部分
の領域を超え、前記円盤部材の外周をそれぞれ円筒状に
外装する第一の円筒部材と、前記キャスク本体の軸に対
して垂直な方向に木目をもつ第三の木材によって前記第
一の円筒部材と同一の半径を有し、前記キャスク本体の
両端面部分側の一部周面をそれぞれ円筒状に外装する第
二の円筒部材と、を備え、前記第一から第三の木材のう
ち、少なくとも一つに集成材を用いたことを特徴とす
る。
【0019】このキャスク用緩衝体は、第二の円筒部材
が、キャスク本体の軸に対して垂直な方向に木目をもつ
第三の木材によって第一の円筒部材と同一の半径を有
し、キャスク本体の両端面部分側の一部周面をそれぞれ
円筒状に外装され、キャスク本体の軸に垂直な方向から
の衝撃力(水平落下での衝撃力)を主として吸収し、第
一の円筒部材および円盤部材によって、キャスク本体の
軸方向からの衝撃力(垂直落下での衝撃力)を吸収し、
あらゆる方向からの衝撃に対しても衝撃を緩衝するよう
にしている。
【0020】さらに前記キャスク用緩衝体を構成する第
一から第三の木材のうち少なくとも一つに集成材を使用
しているため、自然の木に存在する個体差等による特性
のバラツキを抑制でき、安定した衝撃吸収特性を発揮す
ることができる。特に軸方向からの衝撃を吸収する第一
の円筒部材および円盤部材に集成材を使用すると、キャ
スクが垂直落下したときに安定した衝撃吸収特性を発揮
でき、蓋とキャスク本体との間に備えられている金属ガ
スケットをより保護できる。
【0021】また、請求項3に係るキャスク用緩衝体
は、上記キャスク用緩衝体において、前記第二および前
記第三の木材は、前記第一の木材よりも木目方向の圧縮
強度が高いことを特徴とする。
【0022】キャスク本体に係る衝撃は、キャスク本体
の端部周縁部分に加えられる。このキャスク用緩衝体で
は、第二および第三の木材が前記第一の木材に比して圧
縮強度が高い木材としているので、この端部周縁部分に
おける落下の衝撃を十分に緩衝することができる。さら
に、前記キャスク用緩衝体を構成する第一から第三の木
材のうち少なくとも一つに集成材を使用しているため、
自然の木に存在する個体差等による特性のバラツキを抑
制でき、安定した衝撃吸収特性を発揮することができ
る。特に第二および第三の木材に集成材を使用すると、
衝撃吸収特性にばらつきが少なくなり、端部周縁部を十
分に保護することができる。
【0023】また、請求項4に係るキャスク用緩衝体
は、上記キャスク用緩衝体において、前記第一の木材
は、前記第二および第三の木材と異なる種類の木材であ
ることを特徴とする。
【0024】このキャスク用緩衝体は、第一の木材を、
第二および第三の木材と異なる種類の木材として構成
し、例えば要求を満足させるべく、衝撃吸収能力の高い
第二および第三の木材を異ならせて用いることによっ
て、あらゆる方向からの衝撃に対しても衝撃を緩衝する
ことができる。さらに、第一から第三の木材のうち少な
くとも一つに集成材を使用しているため、自然の木に存
在する個体差等による特性のバラツキを抑制でき、安定
した衝撃吸収特性を発揮することができる。
【0025】また、請求項5に係るキャスク用緩衝体
は、上記キャスク用緩衝体において、前記第二および第
三の木材は、同一種類の木材であることを特徴とする。
【0026】この発明によれば、第二および第三の木材
を同一種類の材とし、例えば衝撃吸収能力の高い種類の
同一木材を第二および第三の木材として用いることによ
って、あらゆる方向からの衝撃に対しても要求を満足さ
せて、衝撃を緩衝することができる。さらに、第一から
第三の木材のうち少なくとも一つに集成材を使用してい
るため、自然の木に存在する個体差等による特性のバラ
ツキを抑制でき、安定した衝撃吸収特性を発揮すること
ができる。
【0027】また、請求項6に係るキャスク用緩衝体
は、上記キャスク用緩衝体において、前記第一の集成材
は、バルサの集成材であり、前記第二および第三の集成
材は、レッドウッドの集成材、米杉の集成材、米ヒバの
集成材、米ツガの集成材、ファープライウッドのうち少
なくとも一つから構成することを特徴とする。
【0028】この発明によれば、第一の木材をバルサ材
の集成材とし、第二および第三の木材をレッドウッド、
米杉、米ヒバ、米ツガ等の集成材として、あらゆる方向
からの衝撃に対しても衝撃を緩衝することができるキャ
スク用緩衝体を具体的に実現することができる。さら
に、第一から第三の木材のうち少なくとも一つに集成材
を使用しているため、自然の木に存在する個体差等によ
る特性のバラツキを抑制でき、安定した衝撃吸収特性を
発揮することができる。
【0029】また、請求項7に係るキャスク用緩衝体
は、円筒と、前記円筒の内部に備えられ、且つキャスク
本体の端部が重なり代をもって装入され、さらに軸方向
の長さが前記重なり代よりも大きい筒状の部材と、前記
円筒と前記筒状の部材との間に設けられた高分子材料ま
たは木材の緩衝材と、を備えたことを特徴とする。
【0030】このキャスク用緩衝体は、円筒内部に設け
られた筒状の部材である筒状のリブをキャスク本体の端
部とキャスク用緩衝体との重なり代よりも長くして、キ
ャスク用緩衝体の軸方向に延長したので、キャスクの水
平落下時にはこのリブの周囲に設けられている緩衝材の
より広い領域にこのリブが当たるようになる。したがっ
て、従来のキャスク用緩衝体と比較して、キャスクの水
平落下時における衝撃を吸収しやすくなる。ここで、キ
ャスク本体の端部とキャスク用緩衝体との重なり代と
は、キャスク本体をキャスク用緩衝体に装入することの
できるキャスク用緩衝体における軸方向の最大長さをい
う。また、緩衝材に使用できる高分子材料は、ポリウレ
タンフォームや発泡スチロール等であって、木材と同様
な機能を有するものが含まれる(金属は熱伝導性が高い
ため、800℃の温度条件における30分の耐熱試験で
キャスク温度が上昇するので、緩衝体材料としては適し
ない)。
【0031】また、請求項8に係るキャスク用緩衝体
は、キャスク本体の端部に取付けられるキャスク用緩衝
体であって、当該キャスク用緩衝体における前記キャス
ク本体の端部外周に対応する位置に、前記キャスク本体
の端部側から前記キャスク用緩衝体の軸方向外側に向か
って貫通する複数のシム挿入孔を備えたことを特徴とす
る。
【0032】このキャスク用緩衝体は、キャスク用緩衝
体にキャスク本体の端部側からキャスク用緩衝体の軸方
向外側に向かって貫通する複数のシム挿入孔を備えてい
るので、このシム挿入孔を通じてキャスク用緩衝体とキ
ャスク本体との間にシムを挿入できる。したがってキャ
スク用緩衝体をキャスク本体に取付けた後にシムを挿入
してキャスク用緩衝体とキャスク本体との隙間を調整で
きるため、キャスク用緩衝体をキャスク本体に組み付け
る作業が容易にできる。ここでキャスク用緩衝体の軸方
向外側とは、キャスク用緩衝体のうち、キャスク用緩衝
体にキャスク本体を取付けた側の反対側をいう。
【0033】また、請求項9に係るキャスク用緩衝体の
取付け方法は、上記のキャスク用緩衝体を、前記キャス
ク本体の端部に取付ける工程と、その後、前記シム挿入
孔から前記キャスク本体の端部側面と前記キャスク用緩
衝体との間にシムを挿入する工程と、を備えたことを特
徴とする。
【0034】このキャスク用緩衝体の取付け方法は、キ
ャスク本体の端部側からキャスク用緩衝体の軸方向外側
に向かって貫通する複数のシム挿入孔を備えたキャスク
用緩衝体を使用するので、このシム挿入孔を通じてキャ
スク用緩衝体とキャスク本体との間にシムを挿入でき
る。したがってキャスク用緩衝体をキャスク本体に仮組
した後にシムを挿入してキャスク用緩衝体とキャスク本
体との隙間を調整できるため、キャスク用緩衝体をキャ
スク本体に取付ける作業が容易にできる。
【0035】また、請求項10に係るキャスク用緩衝体
の取付け構造は、キャスク本体の外筒端部における周方
向に複数の凹部設けたキャスク本体の外筒と、折り返し
部をもち、折り返す手前の一端を前記キャスク用緩衝体
に取付け、折り返し側を前記凹部に取付ける取付け部材
と、を備えたことを特徴とする。
【0036】このキャスク用緩衝体の取付け構造は、キ
ャスク本体の外筒における端部外周に凹部を複数設け、
キャスク用緩衝体に取付けられた折り返し構造をもつ取
付け部材を前記凹部に取付けて、キャスク用緩衝体とキ
ャスク本体とを固定するものである。外筒における端部
外周に凹部を設けてそこにキャスク用緩衝体の取付け部
材を取付けるため、取付け部材がキャスク用緩衝体の径
方向に突き出すことはない。したがって、キャスク用緩
衝体の径方向におけるつぶれ代に無効部分はほとんど生
じない。
【0037】ここで折り返し構造をもつ取付け部材に
は、例えば断面形状が略U字形をしたものや、二枚の板
をこれらの端部で結合したもの等があるが、これに限定
されるものではない。折り返し構造とは、前記断面形状
が略U字形をした部材では曲率のついた部分をいい、ま
た、二枚の板をこれらの端部で結合したものではその結
合部近傍をいう。
【0038】また、請求項11に係るキャスク用緩衝体
の取付け構造は、上記キャスク用緩衝体の取付け構造に
おいて、さらに、前記キャスク本体の外筒端部に取付け
られ、且つ前記段部において当該凹部の底部から前記キ
ャスク本体の径方向外側へ突き出した端板を備えたこと
を特徴とする。
【0039】このキャスク用緩衝体の取付け構造は、上
記キャスク本体の外筒端部に設けた凹部に、キャスク本
体の径方向外側へ突き出した端板を供えている。キャス
ク用緩衝体が脱落しようとしたときには、この突き出し
た端板と取付け部材の端部とが掛り合って脱落を防止す
るため、取付け部材を固定するボルト等に過大な力がか
かってボルト等が破損することを防止できる。
【0040】また、請求項12に係るキャスク用緩衝体
の取付け構造は、二枚の板同士の間に一定の空間を設
け、前記二枚の板の端部に向って前記二枚の板を近接さ
せて結合し、一方の板を前記キャスク用緩衝体に取付
け、もう一方の板をキャスク本体に取付けることを特徴
とする。
【0041】このキャスク用緩衝体の取付け構造に使用
する取付け部材は、二枚の板同士の間に一定の空間を設
け、両者の端部に向って近接させて両者を結合している
もので、折り返し部に曲げRが存在しないため高さを低
く抑えることができる。このため、キャスク本体の外筒
端部に取付け部材を取付けるための凹部を設けなくと
も、キャスク用緩衝体のつぶれ代を確保することができ
る。
【0042】また、請求項13に係るキャスク用緩衝体
の取付け構造は、上記キャスク用緩衝体の取付け構造に
おいて、さらに、前記キャスク本体の外筒端部における
外周面から前記キャスク本体の径方向外側へ突き出して
前記外筒端部に取付けられた端板を備えたことを特徴と
する。
【0043】このキャスク用緩衝体の取付け構造は、上
記キャスク本体の外筒端部に、キャスク本体の径方向外
側へ突き出した端板を供えている。キャスク用緩衝体が
脱落しようとしたときには、この突き出した端板と取付
け部材の端部とが掛り合って脱落を防止するため、取付
け部材を固定するボルト等に過大な力がかかってボルト
等が破損することを防止できる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明にかかるキャスク用緩衝体の好適な実施の形態を詳
細に説明する。なお、実施の形態によりこの発明が限定
されるものではない。また、下記実施の形態の構成要素
には、当業者が容易に想定できるものが含まれるものと
する。
【0045】図1は、この発明に係るキャスク用緩衝体
を適用するキャスクの構成を示す斜視図である。図2
は、図1に示したキャスクの軸方向断面図である。図3
は、図1に示したキャスクの径方向断面図である。キャ
スク本体100は、胴本体101のキャビティ102内
面をバスケット130の外周形状に合わせて機械加工し
たものである。キャビティ102内面の機械加工は、専
用の加工装置によってフライス加工する。胴本体101
および底板104は、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の
鍛造品である。なお、炭素鋼の代わりにステンレス鋼を
用いることもできる。胴本体101と底板104は、一
体として成形してもよいし、または溶接によって結合し
てもよい。また、耐圧容器としての密閉性能を確保する
ため、一次蓋110と胴本体101との間には金属ガス
ケットを設けておく。
【0046】胴本体101と外筒105との間には、水
素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を
有するレジン106が充填されている。また、胴本体1
01と外筒105との間には、熱伝導を行う複数の銅製
内部フィン107が溶接されており、レジン106は、
内部フィン107によって形成される空間に流動状態で
注入され、熱硬化反応等で固化される。
【0047】なお、内部フィン107は、放熱を均一に
行うため、熱量の多い部分に高い密度で設けるようにす
るのが好ましい。また、レジン106と外筒105との
間には、数mmの熱膨張しろ108が設けられる。熱膨
張しろ108は、ホットメルト接着剤等にヒーターを埋
め込んだ消失型を外筒105内面に配し、レジン106
を注入固化した後、ヒーターを加熱して消失型を溶融排
出する方法や、図4に示すようにアルミハニカム108
aを配置することによって形成する。
【0048】蓋部109は、一次蓋110と二次蓋11
1によって構成される。一次蓋110は、γ線を遮蔽す
るステンレス鋼または炭素鋼からなる円盤形状である。
また、二次蓋111も、ステンレス鋼製または炭素鋼製
の円盤形状であるが、その上面には、中性子遮蔽体とし
てレジン112が封入されている。一次蓋110および
二次蓋111は、ステンレス鋼製または炭素鋼製のボル
ト113によって胴本体101に取付けられている。さ
らに、一次蓋110および二次蓋111と胴本体101
との間には、それぞれ金属ガスケットが設けられ、内部
の密封性を保持している。また、蓋部109の周囲に
は、レジン114を封入した補助遮蔽体115を設ける
こともある。
【0049】バスケット130は、使用済み核燃料集合
体を収容するセル131を構成する、例えば69本の角
パイプ132からなる。角パイプ132には、Alまた
はAl合金粉末に中性子吸収性能をもつBまたはB化合
物の粉末を添加したアルミニウム複合材またはアルミニ
ウム合金を用いる。また、中性子吸収材としては、ボロ
ンの他にカドミウムを用いることができる。なお、角パ
イプ132は、押出成形によって生成される。さらに、
このように角パイプを組み合わせてバスケット130を
構成する他に、図5に示すような板900を組み合わせ
た菓子折構造としてバスケット130を構成することも
できる。
【0050】一方、キャスク本体100の両側には、キ
ャスク本体100を吊り下げるためのトラニオン117
が設けられている。なお、図1では、補助遮蔽体115
を設けたものを示したが、キャスク本体100の搬送時
には、補助遮蔽体115を取り外してキャスク用緩衝体
118を取付ける。キャスク用緩衝体118は、ステン
レス鋼材によって製作された外筒120内にレッドウッ
ド材、ファープライウッド材、米ヒバ、米ツガ、バルサ
材等またはこれらの集成材によって構成する緩衝材11
9a〜119cを組み込んだ構造である。
【0051】なお、集成材とは、同種の木材を集め合わ
せて成形した二次加工材をいう。集成材は、木片をつな
げたり重ねたり接着したりすることによって製造するも
のなので、自然の木から木取りできる以上の寸法であっ
ても製造することができるという利点がある。
【0052】緩衝材119aは、キャスク本体100の
軸中心からキャスク本体100の半径を超えない半径を
もつバルサ材またはその集成材によって構成されてお
り、キャスク本体100の両端面を外装する。緩衝材1
19bは、緩衝材119aと同じ厚みを有し、キャスク
本体100の半径を超えて緩衝材119aの外周を円筒
状に外装し、レッドウッド材、米ツガまたは米ヒバの集
成材によって構成される。また、緩衝材119cは、キ
ャスク本体110の両端面側の一部をそれぞれ外装し、
緩衝材119bと同じ半径をもつ円筒状をなし、レッド
ウッド材、米ツガまたは米ヒバの集成材によって構成さ
れる。これら緩衝材119a〜119cは密に結合し、
厚みをもってキャスク本体100の両端部をキャップす
る形状となる。ここで、図1および図2に示す緩衝材1
19a〜119cの矢印は、各木材の木目の方向を示し
ている。木目の方向とは、柱状樹木の軸方向をいう。木
目の方向には、木材の繊維が延びているため、木目の方
向からの衝撃力に対して大きな衝撃吸収能力を発揮する
ことになる。
【0053】緩衝材119aを構成するバルサ材は柔ら
かい材質であり、レッドウッド材、米ツガまたは米ヒバ
に比較して圧縮能力は低い。緩衝材119aをバルサ材
とし、緩衝材119b,119cをレッドウッド材とし
たのは、緩衝材119b,119cの部位がキャスク本
体100端面の周縁近傍に位置し、この部分に、あらゆ
る方向からの衝撃力が加わり、この部分の緩衝能力を重
要視することによって、大きな衝撃力に対するキャスク
本体100の保護が可能となるからである。
【0054】緩衝材119aの木目の方向をキャスク本
体100の軸方向としたのは、この緩衝材119aの緩
衝機能の発揮が、キャスク本体100の略軸方向からの
衝撃力に対するものだからである。また、緩衝材119
bの木目の方向をキャスク本体100の軸方向としたの
は、緩衝材119aの衝撃吸収能力を加味し、主とし
て、キャスク本体100の軸方向からの衝撃力を吸収す
るためである。また、緩衝材119cの木目の方向をキ
ャスク本体100の軸方向に垂直な方向としたのは、緩
衝材119cを主として、キャスク本体100の軸方向
に垂直な方向からの衝撃力を吸収するためである。
【0055】なお、レッドウッド材、米ヒバ材、ファー
プライウッドの集成材に限らず、米杉、バルサ材等の集
成材も含め、上述した木目の特性を有する木材を選択す
ることによって、この実施の形態と同様な作用効果を得
ることができる。なお、緩衝材119b,119cは、
必ずしも同一種類の木材を用いる必要はない。さらに、
上記集成材には、上記作用効果を奏することを条件とし
て、その集成材に含まれる一部の木目が一方向に揃って
いない場合も含まれる。また、集成材は、木目が一方向
に揃っているもののみならず、木目が交互になるように
形成したものを用いることができる。交互とは、木目が
直交しているもの、互いに斜めになっているものが含ま
れる。かかる場合は、いずれの圧縮方向でも略同一の強
度を得ることができる。
【0056】このキャスク用緩衝体118では、キャス
ク本体100の両端部周縁近傍の緩衝材119b,11
9cに用いる木材と、端部中央部分の緩衝材119aに
用いる木材との種類を異ならせ、緩衝材119aに比し
て圧縮強度の高い緩衝材119cの木目の方向を少なく
とも、キャスク本体100の軸方向と同じ木目の方向を
有する緩衝材119aの木目の方向と異ならせるように
しているので、あらゆる方向からの衝撃力に対して高い
緩衝能力を発揮し、キャスク本体100に要求される耐
衝撃性能を低減するとともに、キャスク本体100を保
護することができる。
【0057】なお、上述した実施の形態では、キャスク
用緩衝体118の材として木材を中心として述べたが、
これに限らず、選択される木材と同様な機能を有する材
であれば、ポリウレタンフォームや発泡スチロール等の
高分子材料であってもよい。
【0058】また、上記実施の形態では、キャスク本体
の断面形状が円形の場合について説明したが、キャスク
本体の外形が八角形等の多角形になった場合でも本発明
に係るキャスク用緩衝体を適用することができる。その
場合には、キャスクにキャスク用緩衝体が取付けられる
部分の断面を円形に加工してもよいし、キャスク用緩衝
体のキャスクを取付ける部分をキャスクの外形に合わせ
てもよい。以下同様である。
【0059】図6は、この発明に係るキャスク用緩衝体
の内部構造を示す説明図である。同図(a)は軸方向断
面図、また同図(b)はA−A矢視図である。図6
(b)に示すように、キャスク用緩衝体118の内部に
は、キャスク用緩衝体118の強度を保つためにリブ2
02が放射状に設けられている。そして、この放射状の
リブ202を固定し、また、軸方向の強度を保つため、
筒状のリブ200および201が設けられている。この
筒状のリブのうち、径方向外側に設けられている筒状の
部材であるリブ200は、シム300を介してキャスク
本体100の端部側面150と接している。そして筒状
のリブ200は、キャスク本体100が水平落下したと
きにキャスク本体100の端部側面150から伝わる衝
撃力を受けて緩衝材119cに伝える役割も果たす。
【0060】図7は、従来使用されていたキャスク用緩
衝体を示す軸方向断面図である。従来のキャスク用緩衝
体118では、この筒状のリブ200は、キャスク用緩
衝体118とキャスク本体100との重なり代Xの位置
までしか軸方向の長さを持っていなかった。このためキ
ャスク本体100が水平に落下した場合には、緩衝材1
19cに落下の衝撃を吸収するために寄与しない部分が
存在していた。本発明においては筒状のリブ200の軸
方向長さを、キャスク本体100とキャスク用緩衝体1
18との重なり代Xよりも軸方向外側まで延長したた
め、この分だけ緩衝材119cに落下の衝撃力を分散さ
せて伝えることができる。したがって、本発明のキャス
ク用緩衝体118を使用すれば、従来よりも緩衝材11
9cのより広い領域を使用して落下の衝撃を吸収でき
る。
【0061】キャスク本体100が垂直落下すると、キ
ャスク用緩衝体118は垂直方向に対するつぶれ代y1
(図6参照)がつぶれて、落下の衝撃を吸収する。この
とき、前記筒状のリブ200をキャスク用緩衝体118
の軸方向におけるつぶれ代y 1の領域まで延長すると、
キャスク本体100が垂直落下したときに当該つぶれ代
1内にある筒状のリブ200の端部も落下の衝撃を受
けることになる。すると、落下の衝撃は緩衝材119b
および119cに吸収される前に筒状のリブ200を通
じてキャスク本体100の端面に伝わり、場合によって
は蓋とキャスク胴との間に備えられている金属ガスケッ
トが損傷を受ける場合もある。
【0062】したがって、キャスク本体100が水平落
下したときの衝撃を吸収するためには筒状のリブ200
を軸方向にできるだけ延長することが望ましいが、垂直
落下を考慮すると筒状のリブ200の長さは、最大でも
つぶれ代y1の領域までとすることが望ましい。すなわ
ち、筒状のリブ200においては、軸方向長さの最大値
はキャスク用緩衝体118の外筒である円筒の軸方向の
長さZとキャスク用緩衝体118の軸方向におけるつぶ
れ代y1との差であることが必要である。そして、緩衝
材119aの材料ばらつきを考慮すると、この長さから
少なくともつぶれ代y1の一割程度は短くすることが好
ましい。なお、緩衝材119a〜119cには木材の
他、ポリウレタンフォームや発泡スチロール等の高分子
材料も使用してもよく、これらの高分子材料を使用する
場合には、レッドウッド等の木材と同様な機能を有する
ことが望ましい。
【0063】つぎに、キャスク用緩衝体118をキャス
ク本体100に取付ける方法について説明する。キャス
ク本体100とキャスク用緩衝体118との間には、ガ
タを防止するためにシムを入れる必要がある。図2に示
すように、キャスク本体100の端部はキャスク本体1
00の外筒105よりも径が小さくなっており、この端
部をキャスク用緩衝体118に組み込んでキャスク用緩
衝体118をキャスク本体100に取付ける。このた
め、キャスク本体100にキャスク用緩衝体118を取
付けた後には、キャスク本体100の外筒105によっ
てキャスク用緩衝体の118のキャスク取付け口がふさ
がれてしまうため、キャスク本体100の取付け口方向
からシムを挿入することはできなかった。したがって従
来はシムをキャスク用緩衝体118あるいはキャスク本
体100に取付けてから、キャスク用緩衝体118とキ
ャスク本体100とを取付けていた。
【0064】しかし、この方法ではキャスク用緩衝体1
18とキャスク本体100との間にほとんど隙間が存在
しなくなるため、キャスク用緩衝体118をキャスク本
体100に取付ける作業は困難であり、またキャスク本
体100の端部を破損することもあった。本発明の係る
キャスク用緩衝体およびシムの挿入方法は、この問題点
を解決するために、キャスク用緩衝体118をキャスク
本体100に取付けたあと、キャスク用緩衝体118の
外側からシムを挿入する点に特徴がある。
【0065】図8は、この発明に係るキャスク用緩衝体
の内部構造を示す説明図である。同図(a)は軸方向断
面図、また同図(b)は右側がA−A矢視図、左側がB
−B矢視図である。同図(b)に示すように、キャスク
用緩衝体118の軸方向外壁125には、シム挿入孔3
10が複数設けられている。そして、キャスク用緩衝体
118の軸方向内壁123にも、軸方向外壁125に設
けられたシム挿入孔310と対応する位置にシム挿入孔
320が複数設けられている。さらに外側壁面のシム挿
入孔310と軸方向内壁123のシム挿入孔320との
間に存在する緩衝材119cには、シムを通過させるた
めの貫通孔330が貫通している。
【0066】このように、シム挿入孔310、320お
よび貫通孔330が一体となって、キャスク本体100
の端部151側からキャスク用緩衝体118の軸方向外
側へ向かって複数のシム挿入孔が貫通している。なお、
本実施の形態では、軸方向内壁123が存在している
が、これが存在しなくともリブ202を組込むことがで
きれば省略してもよい。その場合には部品点数が省略で
き、またキャスク用緩衝体118の重量を軽くすること
ができる。また、本実施の形態のシム挿入孔の周方向に
おける個数は四個であるが、本発明においてはこれに限
定されるものではない。
【0067】筒状のシム300の内径d1は、キャスク
本体100の取付部における外径d2よりもやや大きく
なっており、キャスク用緩衝体118をキャスク本体1
00に取付けやすくしてある。キャスク本体100にキ
ャスク用緩衝体118を取付けた後、金属板で製作され
たシム300を外壁のシム挿入孔310、上記貫通孔3
30および内壁のシム挿入孔320を通してキャスク本
体100とキャスク用緩衝体118との隙間に挿入す
る。このシム300の材質は特に限定されるものではな
いが、コストや加工のしやすさ等を考慮すると鉄系の材
料が好ましく、例えばSS400等を使用することがで
きる。
【0068】また、キャスク本体100とキャスク用緩
衝体118との隙間の大きさに応じて厚さの異なる数種
類のシムを用意し、キャスク用緩衝体118とキャスク
本体100とのガタを調整することが好ましい。このよ
うにして、キャスク用緩衝体118とキャスク本体10
0との間にシム300を挿入し、両者の間にガタが生じ
ないようにする。シム300を挿入した後は、ボルト等
の締結手段によってキャスク用緩衝体118をキャスク
本体100に固定する。このキャスク用緩衝体118を
使用し上記手順によってシムを取付けるようにすれば、
キャスク用緩衝体118とキャスク本体100との間に
十分な隙間が存在するため、従来と比較してキャスク用
緩衝体118をキャスク本体100に容易に取付けるこ
とができ、キャスク本体100端部の破損も防止でき
る。
【0069】図17は、従来使用されてきたキャスク用
緩衝体の取付け構造を示す説明図である。キャスクの水
平落下においては、キャスク用緩衝体118がその径方
向につぶれて落下の衝撃を吸収する。そして、キャスク
用緩衝体118は質量が100ton以上にもおよぶキ
ャスクの衝撃エネルギーを吸収する必要があるため、キ
ャスク用緩衝体118とキャスク本体100とを強固に
結合しておかないと、落下の衝撃でキャスク用緩衝体1
18が脱落するおそれもある。したがって、従来はキャ
スク本体100にキャスク用緩衝体取付け具400を設
け、キャスク用緩衝体118とキャスク本体100とを
ボルト等の締結手段によって固定していた。
【0070】しかし、キャスク本体100に設けられた
キャスク用緩衝体取付け具400はキャスク用緩衝体1
18の径方向に突き出ているため、キャスク用緩衝体1
18の径方向におけるつぶれ代y2には衝撃の吸収に寄
与しない部分、すなわち無効部分y3が生じてしまう。
この無効部分y3の影響を回避するためにキャスク用緩
衝体118の直径を大きくすることもできる。しかしな
がらキャスク用緩衝体118の直径があまり大きいと、
船室に格納できるキャスクの本数が少なくなったり、陸
送においては積荷の寸法に制限があることから輸送自体
が困難になったりするという問題がある。
【0071】図9は、この発明に係るキャスク用緩衝体
の取付け構造を示す説明図である。本実施の形態におけ
るキャスクの取付け具410は、断面がU字形状をした
部材であり、キャスク用緩衝体118に取付けられてい
る。取付け具410の材料としては金属系の材料が好ま
しいがこれに限られるものではなく、例えばCFRPや
GFRPなどの繊維強化樹脂等を使用してもよい。ま
た、取付け具410の外面側は、この取付け具410を
キャスク外筒105に固定するためのボルト等の締結具
が通る孔aを備えており、また内面側は締結用の孔bを
備えている。本実施の形態においては、締結用の孔bは
締結具であるボルトの直径よりもやや大きい直径であ
る。なお、図9はボルトを締める前の状態を示すもので
ある。
【0072】キャスク用緩衝体118をキャスク本体に
取付ける場合には、キャスク用緩衝体118に取付けら
れた取付け具410を、キャスクの外筒105に設けら
れた取付け部である凹部450にはめ込む。ここで、キ
ャスク本体の中心から取付け具410の内面側411ま
での半径r3はキャスク本体の中心から凹部450にお
ける底部451までの半径r1よりも大きいので、キャ
スク用緩衝体118は容易にキャスク本体に取付けるこ
とができる。キャスク用緩衝体118をキャスク本体1
00に取付けた後、ボルト460を凹部450の底部4
51に設けられたタップ孔にねじ込んで、取付け具41
0を凹部450に固定する。
【0073】このような構成によって、取付け具410
はキャスク本体100の外筒内に収まり、従来のように
キャスク用緩衝体取付け具がキャスク用緩衝体118の
径方向に突き出るということはない。したがって、キャ
スク用緩衝体118の径方向におけるつぶれ代に無効部
分を生ずることがなく、水平落下の際にはつぶれ代全体
を有効に使用することができる。したがって、キャスク
用緩衝体118の直径も従来よりも小さく設計すること
ができる。また、キャスク用緩衝体118によって水平
落下時の衝撃を十分に吸収できるため、キャスク本体1
00内部の耐衝撃性能を必要以上に大きくしなくともよ
い。さらに、水平落下によってキャスク用緩衝体118
とキャスク本体100とが鉛直方向へ相対的に移動して
も取付け具410の外側面412がたわむため、ボルト
460の破断等も防止できる。
【0074】なお、上記の構成のみでは、キャスク用緩
衝体118が軸方向に向って脱落しようとしたときに、
ボルト460に過大な力がかかってボルト460の破損
を招くおそれがあった。これを防止するために、さらに
次のような構成をとることもできる。この構成を図10
に示す。まずキャスク本体100の外筒105における
軸方向の端部に端板440が備えてある。そして凹部4
50における端板440は、凹部450の底部451か
らキャスク本体100の径方向外側に向かって突き出し
ており、取付け具410との掛り部を形成している。す
なわち、同図に示すように凹部450における端板44
0の半径をr2、凹部450におけるキャスク本体の中
心から底部451までの半径をr1とすると、r2>r1
の関係がある。
【0075】キャスク用緩衝体118をキャスク本体1
00に取付ける場合には、キャスク用緩衝体118に取
付けられた取付け具410を、キャスクの外筒105に
設けられた凹部450にはめ込む。このとき、取付け具
410の内面側までの半径r 1は上記端板440の半径
2よりも大きいので、キャスク用緩衝体118は容易
にキャスク本体100に取付けることができる。キャス
ク用緩衝体118をキャスク本体100に取付けた後、
ボルト460を凹部450の底部451に設けられたタ
ップ孔にねじ込んで、取付け具410を凹部450に固
定する。すると、取付け具410の内面側がたわんで凹
部450の底部451と接する。
【0076】このような構成によって、キャスク用緩衝
体118が軸方向に脱落しようとしても、取付け具41
0の折り返された先端は端板440で形成される掛り部
にかかるため、ボルトに過大な力を与えずにキャスク用
緩衝体118の脱落を防止できる。同時に、上述したキ
ャスク用緩衝体118のつぶれ代を有効に利用できる等
の効果も得られる。
【0077】図11は、この発明に係る取付け具410
の変形例を示す説明図である。この取付け具410は、
二枚の板を一定の空間421を設けて重ねて両者の端部
を溶接等によって結合した構造であり、その断面形状は
松葉状である点に特徴がある。上記の断面がU字形であ
る取付け具410は、折り返し部で曲げRが必要である
ため背が高くなってしまい(同図(a))、その高さは
通常締結ボルトの高さよりも大きくなる。このためキャ
スク本体100の外筒105に設けられた凹部450が
深くなってしまう。
【0078】この取付け具420によれば、結合部、す
なわち折り返し部に曲げRが存在しないため取付け具4
20の高さを低く抑えることができ、その結果凹部45
0の深さを小さく抑えることができる(同図(b))。
また、脱落防止のためには、端板440を凹部450の
底部451から突き出して係り部を設けてもよい(同図
(c))。なお、上記取付け具410は二枚の板の端部
を溶接等によって結合しているが、溶接等で結合する部
分は端部に限らない。例えば、同図(b)において二枚
の板が重なっている中間付近で結合してもよい。さら
に、上記取付け具410は二枚の板を結合して構成して
いるが、例えば三枚の板を結合し断面がZ状に構成する
等、三枚以上の板を結合して構成してもよい。
【0079】図12は、この発明に係る取付け具410
の第二の変形例を示す説明図である。キャスク用緩衝体
118の径方向におけるつぶれ代を確保できる程度に取
付け具420の高さを小さくできれば、同図(a)に示
すように、凹部450を設けなくともよい。また、脱落
防止のためには、端板440の径をキャスク本体100
の外筒105の径よりも大きくして係り部を設けてもよ
い(同図(b))。
【0080】図13は、この発明に係る取付け具430
の第三の変形例を示す説明図である。この取付け具43
0は、取付け具430の内面側までの半径r1が凹部4
50における端板440の半径r2よりも小さい点に特
徴がある。図11から明らかではないが、キャスク用緩
衝体118のキャスク取付け口には、環状に複数個の取
付け具430が設けられている。そして、キャスク用緩
衝体118をキャスク本体に押し込むと、取付け具43
0が端板440によって径方向外側へ持ち上げられる。
【0081】さらにキャスク用緩衝体118を押し込
み、取付け具430の端部が端板440を越えると、取
付け具430の弾性によって取付け具430の内側面4
31がキャスク本体の外筒105に設けられた凹部45
0内へはめ込まれる。この後、ボルト等の締結具でキャ
スク本体100に取付け具430を固定して、キャスク
用緩衝体118を固定する。この変形例によれば、キャ
スク用緩衝体118をキャスク本体100に取付けると
きに、キャスク用緩衝体118のキャスク取付け口に環
状に設けられた取付け具430の内側面431が最初に
端板440に当たるため、中心出しが容易になる。ま
た、締結具によって取付け具430を凹部450に固定
しなくともキャスク用緩衝体118をキャスク本体に取
付けることもできる。なお、本変形例は上記の断面がU
字である取付け具および断面が松葉状である取付け具と
もに適用できる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係るキ
ャスク用緩衝体(請求項1)では、第二の円筒部材が、
キャスク本体の軸に対して垂直な方向に木目をもつ第三
の木材によって第一の円筒部材と同一の半径を有し、キ
ャスク本体の両端面部分側の一部周面をそれぞれ円筒状
に外装され、キャスク本体の軸に垂直な方向からの衝撃
力を主として吸収し、第一の円筒部材および円盤部材に
よって、キャスク本体の軸方向からの衝撃力を吸収する
ようにした。さらに、キャスク用緩衝体を構成する第一
から第三の木材のうち少なくとも一つに集成材を使用す
るようにした。このため、あらゆる方向からの衝撃に対
しても衝撃を緩衝することができ、キャスク本体に要求
される耐衝撃性能を低減できるので、キャスク本体を衝
撃から確実に保護することができる。また、集成材を使
用することによって、自然の木に存在する個体差等によ
る特性のバラツキを抑制でき、安定した衝撃吸収特性を
発揮することができる。
【0083】また、この発明に係るキャスク用緩衝体
(請求項2)では、第二の円筒部材が、キャスク本体の
軸に対して垂直な方向に木目をもつ第三の材によって第
一の円筒部材と同一の半径を有し、キャスク本体の両端
面部分側の一部周面をそれぞれ円筒状に外装され、キャ
スク本体の軸に垂直な方向からの衝撃力を主として吸収
し、第一の円筒部材および円盤部材によって、キャスク
本体の軸方向からの衝撃力を吸収し、あらゆる方向から
の衝撃に対しても衝撃を緩衝するようにした。このた
め、キャスク本体に要求される耐衝撃性能を低減でき、
キャスク本体を衝撃から確実に保護することができる。
【0084】さらに、前記キャスク用緩衝体を構成する
第一から第三の木材のうち少なくとも一つに集成材を使
用するようにした。このため、自然の木に存在する個体
差等による特性のバラツキを抑制でき、安定した衝撃吸
収特性を発揮することができる。特に軸方向からの衝撃
を吸収する第一の円筒部材および円盤部材に集成材を使
用すると、キャスクが垂直落下したときに安定した衝撃
吸収特性を発揮できる。
【0085】また、この発明に係るキャスク用緩衝体
(請求項3)では、キャスク本体に係る衝撃は、キャス
ク本体の端部周縁部分に加えられるが、第二および第三
の木材が、前記第一の材に比して圧縮強度が高い木材と
した。このため、あらゆる方向からの衝撃に対しても衝
撃を緩衝することができ、キャスク本体に要求される耐
衝撃性能を低減でき、キャスク本体を衝撃から確実に保
護することができる。
【0086】さらに、前記キャスク用緩衝体を構成する
第一から第三の木材のうち少なくとも一つに集成材を使
用するようにした。このため自然の木に存在する個体差
等による特性のバラツキを抑制でき、安定した衝撃吸収
特性を発揮することができる。特に第二および第三の木
材に集成材を使用すると、衝撃吸収特性にばらつきが少
なくなり、端部周縁部を十分に保護することができる。
【0087】また、この発明に係るキャスク用緩衝体
(請求項4)では、第一の木材を、第二および第三の木
材と異なる種類の木材として構成し、例えば要求を満足
させるべく、衝撃吸収能力の高い第二および第三の木材
を異ならせて用いた。このため、あらゆる方向からの衝
撃に対しても衝撃を緩衝することができ、キャスク本体
に要求される耐衝撃性能を低減でき、キャスク本体を衝
撃から確実に保護することができる。さらに、第一から
第三の木材のうち少なくとも一つに集成材を使用したの
で、自然の木に存在する個体差等による特性のバラツキ
を抑制でき、安定した衝撃吸収特性を発揮することがで
きる。
【0088】また、この発明に係るキャスク用緩衝体
(請求項5)では、第二および第三の木材を同一種類の
木材とし、例えば衝撃吸収能力の高い種類の同一木材を
第二および第三の木材として用いた。このため、あらゆ
る方向からの衝撃に対しても要求を満足させて、衝撃を
緩衝することができるので、キャスク本体に要求される
耐衝撃性能を低減でき、キャスク本体を衝撃から確実に
保護することができるという効果を奏する。さらに、第
一から第三の木材のうち少なくとも一つに集成材を使用
したので、自然の木に存在する個体差等による特性のバ
ラツキを抑制でき、安定した衝撃吸収特性を発揮するこ
とができる。
【0089】また、この発明に係るキャスク用緩衝体
(請求項6)では、第一の集成材をバルサの集成材と
し、第二および第三の集成材をレッドウッド、米杉、米
ヒバ等集成材とした。このため、あらゆる方向からの衝
撃に対しても衝撃を緩衝することができるキャスク用緩
衝体を具体的に実現することができるので、キャスク本
体に要求される耐衝撃性能を低減でき、キャスク本体を
衝撃から確実に保護することができるという効果を奏す
る。さらに、第一から第三の木材のうち少なくとも一つ
に集成材を使用したので、自然の木に存在する個体差等
による特性のバラツキを抑制でき、安定した衝撃吸収特
性を発揮することができる。
【0090】また、この発明に係るキャスク用緩衝体
(請求項7)では、このキャスク用緩衝体は、円筒内部
に設けられた筒状の部材である筒状のリブをキャスク本
体の端部とキャスク用緩衝体との重なり代よりも長くし
て、キャスク用緩衝体の軸方向に延長した。このため、
キャスクの水平落下時にはこのリブの周囲に設けられて
いる緩衝材のより広い領域にこのリブが当たるようにな
る。したがって、従来のキャスク用緩衝体と比較して、
キャスクの水平落下時における衝撃を吸収しやすくな
る。
【0091】また、この発明に係るキャスク用緩衝体
(請求項8)では、このキャスク用緩衝体は、キャスク
用緩衝体にキャスク本体の端部側からキャスク用緩衝体
の軸方向外側に向かって貫通する複数のシム挿入孔を備
えた。このため、このシム挿入孔を通じてキャスク用緩
衝体とキャスク本体との間にシムを挿入できる。したが
ってキャスク用緩衝体をキャスク本体に取付けた後にシ
ムを挿入してキャスク用緩衝体とキャスク本体との隙間
を調整できるため、キャスク用緩衝体をキャスク本体に
組み付ける作業が容易にできる。
【0092】また、この発明に係るキャスク用緩衝体の
取付け方法(請求項9)では、このキャスク用緩衝体の
取付け方法は、キャスク本体の端部側からキャスク用緩
衝体の軸方向外側に向かって貫通する複数のシム挿入孔
を備えたキャスク用緩衝体を使用するようにした。この
ため、このシム挿入孔を通じてキャスク用緩衝体とキャ
スク本体との間にシムを挿入できる。したがってキャス
ク用緩衝体をキャスク本体に仮組した後にシムを挿入し
てキャスク用緩衝体とキャスク本体との隙間を調整でき
るため、キャスク用緩衝体をキャスク本体に取付ける作
業が容易にできる。
【0093】また、この発明に係るキャスク用緩衝体の
取付け構造(請求項10)では、このキャスク用緩衝体
の取付け構造は、キャスク本体の外筒における端部外周
に凹部を複数設け、キャスク用緩衝体に取付けられた折
り返し構造をもつ取付け部材を前記凹部に取付けて、キ
ャスク用緩衝体とキャスク本体とを固定するようにし
た。かかる構造では、外筒における端部外周に凹部を設
けてそこにキャスク用緩衝体の取付け部材を取付けるた
め、取付け部材がキャスク用緩衝体の径方向に突き出す
ことはない。したがって、キャスク用緩衝体の径方向に
おけるつぶれ代に無効部分はほとんど生じない。
【0094】また、この発明に係るキャスク用緩衝体の
取付け構造(請求項11)では、上記キャスク本体の外
筒端部に設けた凹部に、キャスク本体の径方向外側へ突
き出した端板を備えるようにした。このため、キャスク
用緩衝体が脱落しようとしたときには、この突き出した
端板と取付け部材の端部とが掛り合う。したがって、キ
ャスク用緩衝体が脱落しようとしたときに、取付け部材
を固定するボルト等に過大な力がかかってボルト等が破
損することを防止できる。
【0095】また、この発明に係るキャスク用緩衝体の
取付け構造(請求項12)では、このキャスク用緩衝体
の取付け構造に使用する取付け部材を、二枚の板同士の
間に一定の空間を設け、両者の端部に向って近接させて
両者を結合して構成した。したがって折り返し部に曲げ
Rが存在しないため高さを低く抑えることができる。こ
のため、キャスク本体の外筒端部に取付け部材を取付け
るための凹部を設けなくとも、キャスク用緩衝体のつぶ
れ代を確保することができる。
【0096】また、この発明に係るキャスク用緩衝体の
取付け構造(請求項13)では、上記キャスク本体の外
筒端部に、キャスク本体の径方向外側へ突き出した端板
を供えるようにした。このため、キャスク用緩衝体が脱
落しようとしたときには、この突き出した端板と取付け
部材の端部とが掛り合って脱落を防止する。その結果、
キャスク用緩衝体が脱落しようとしたときに、取付け部
材を固定するボルト等に過大な力がかかってボルト等が
破損することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るキャスク用緩衝体を適用するキ
ャスクの構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示したキャスクの軸方向断面図である。
【図3】図1に示したキャスクの径方向断面図である。
【図4】アルミハニカムを配置した熱膨張しろの拡大図
である。
【図5】菓子折構造を示す斜視図である。
【図6】この発明に係るキャスク用緩衝体の内部構造を
示す説明図である。
【図7】従来使用されていたキャスク用緩衝体を示す軸
方向断面図である。
【図8】この発明に係るキャスク用緩衝体の内部構造を
示す説明図である。
【図9】この発明に係るキャスク用緩衝体の取付け構造
を示す説明図である。
【図10】この発明に係るキャスク用緩衝体の取付け構
造を示す説明図である。
【図11】この発明に係る取付け具の変形例を示す説明
図である。
【図12】この発明に係る取付け具の第二の変形例を示
す説明図である。
【図13】この発明に係る取付け具の第三の変形例を示
す説明図である。
【図14】トラック輸送中におけるキャスクの状態を示
す説明図である。
【図15】キャスク用緩衝体を備えてキャスクを吊り上
げる状態を示す図である。
【図16】キャスクの一例を示す斜視図である。
【図17】従来使用されてきたキャスク用緩衝体の取付
け構造を示す説明図である。
【符号の説明】
100 キャスク本体 105 外筒 108a アルミハニカム 117 トラニオン 118 キャスク用緩衝体 119a〜119c 緩衝材 120 外筒 123 軸方向内壁 125 軸方向外壁 150 端部側面 151 端部 200、201 筒状のリブ 202 放射状のリブ 300 シム 310、320 シム挿入孔 330 貫通孔 410、420、430 取付け具 411 取付け具の内面側 421 空間 431 取付け具の内側面 440 端板 450 凹部 451 凹部における底部 460 ボルト 900 板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大園 勝成 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 大野 淳 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 齋藤 雄一 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 富板 靖博 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 岡田 正廣 神戸市兵庫区和田宮通七丁目1番14号 西 菱エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 大亀 信二 神戸市兵庫区小松通5丁目1番16号 株式 会社神菱ハイテック内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円柱形状をなすキャスク本体の両端面
    部分および両端面部分側の一部周面をそれぞれ厚みを持
    たせて外装し、前記キャスク本体を保護するキャスク用
    緩衝体において、 前記キャスク本体の軸方向に木目をもつ第一の木材によ
    って、前記キャスク本体の両端面部分の領域まで該両端
    面部分の一部をそれぞれ円盤状に外装する円盤部材と、 前記キャスク本体の軸方向に木目をもつ第二の木材によ
    って前記キャスク本体の両端面部分の領域を超え、前記
    円盤部材の外周をそれぞれ円筒状に外装する第一の円筒
    部材と、 前記キャスク本体の軸に対して垂直な方向に木目をもつ
    第三の木材によって前記第一の円筒部材と同一の半径を
    有し、前記キャスク本体の両端面部分側の一部周面をそ
    れぞれ円筒状に外装する第二の円筒部材と、 を備え、前記第一から第三の木材のうち、少なくとも一
    つ以上に集成材を用いたことを特徴とするキャスク用緩
    衝体。
  2. 【請求項2】 略円柱形状をなすキャスク本体の両端面
    部分および両端面部分側の一部周面をそれぞれ厚みを持
    たせて外装し、前記キャスク本体を保護するキャスク用
    緩衝体において、 前記キャスク本体の軸方向に木目をもつ第一の木材によ
    って前記キャスク本体の両端面部分の領域まで該両端面
    部分の一部をそれぞれ円盤状に外装する円盤部材と、 前記キャスク本体の軸に対して垂直な方向に木目をもつ
    第二の木材によって前記キャスク本体の両端面部分の領
    域を超え、前記円盤部材の外周をそれぞれ円筒状に外装
    する第一の円筒部材と、 前記キャスク本体の軸に対して垂直な方向に木目をもつ
    第三の木材によって前記第一の円筒部材と同一の半径を
    有し、前記キャスク本体の両端面部分側の一部周面をそ
    れぞれ円筒状に外装する第二の円筒部材と、 を備え、前記第一から第三の木材のうち、少なくとも一
    つに集成材を用いたことを特徴とするキャスク用緩衝
    体。
  3. 【請求項3】 前記第二および前記第三の木材は、前記
    第一の木材よりも木目方向の圧縮強度が高いことを特徴
    とする請求項1または2に記載のキャスク用緩衝体。
  4. 【請求項4】 前記第一の木材は、前記第二および第三
    の木材と異なる種類の木材であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか一つに記載のキャスク用緩衝体。
  5. 【請求項5】 前記第二および第三の木材は、同一種類
    の木材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    一つに記載のキャスク用緩衝体。
  6. 【請求項6】 前記第一の集成材は、バルサの集成材で
    あり、前記第二および第三の集成材は、レッドウッドの
    集成材、米杉の集成材、米ヒバの集成材、米ツガの集成
    材、ファープライウッドのうち少なくとも一つから構成
    することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記
    載のキャスク用緩衝体。
  7. 【請求項7】 円筒と、 前記円筒の内部に備えられ、且つキャスク本体の端部が
    重なり代をもって装入され、さらに軸方向の長さが前記
    重なり代よりも大きい筒状の部材と、 前記円筒と前記筒状の部材との間に設けられた高分子材
    料または木材の緩衝材と、 を備えたことを特徴とするキャスク用緩衝体。
  8. 【請求項8】 キャスク本体の端部に取付けられるキャ
    スク用緩衝体であって、当該キャスク用緩衝体における
    前記キャスク本体の端部外周に対応する位置に、前記キ
    ャスク本体の端部側から前記キャスク用緩衝体の軸方向
    外側に向かって貫通する複数のシム挿入孔を備えたこと
    を特徴とするキャスク用緩衝体。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の前記キャスク用緩衝体
    を、前記キャスク本体の端部に取付ける工程と、 その後、前記シム挿入孔から前記キャスク本体の端部側
    面と前記キャスク用緩衝体との間にシムを挿入する工程
    と、 を備えたことを特徴とするキャスク用緩衝体の取付け方
    法。
  10. 【請求項10】 キャスク用緩衝体の取付け構造であっ
    て、 キャスク本体の外筒端部における周方向に複数の凹部を
    設けたキャスク本体の外筒と、 折り返し部をもち、折り返す手前の一端を前記キャスク
    用緩衝体に取付け、折り返し側を前記凹部に取付ける取
    付け部材と、 を備えたことを特徴とするキャスク用緩衝体の取付け構
    造。
  11. 【請求項11】 さらに、前記キャスク本体の外筒端部
    に取付けられ、且つ前記段部において当該凹部の底部か
    ら前記キャスク本体の径方向外側へ突き出した端板を備
    えたことを特徴とする請求項10に記載のキャスク用緩
    衝体の取付け構造。
  12. 【請求項12】 二枚の板同士の間に一定の空間を設
    け、前記二枚の板の端部に向って前記二枚の板を近接さ
    せて結合し、一方の板を前記キャスク用緩衝体に取付
    け、もう一方の板をキャスク本体に取付けることを特徴
    とするキャスク用緩衝体の取付け構造。
  13. 【請求項13】 さらに、前記キャスク本体の外筒端部
    における外周面から前記キャスク本体の径方向外側へ突
    き出して前記外筒端部に取付けられた端板を備えたこと
    を特徴とする請求項12に記載のキャスク用緩衝体の取
    付け構造。
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