JP2005000887A - 塗工方法及び塗工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被塗工物W1に対して二種類の塗工層(膜状塗工層F1と液滴塗工層F2)を重ね合わせるうよに連続して塗工できるようにする。
【解決手段】走行する被塗工物W1の表面に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成する膜状塗工工程と、被塗工物W1の表面に、被塗工物W1の表面から離隔して被塗工物走行方向(矢符A方向)と交差する方向(矢符B方向)に沿って設けた複数個の塗工用吐出口3aの各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成する液滴塗工工程とからなり、これら工程のいずれか一方の工程を先に行い、その後に他方の工程を行うことで、膜状塗工層F1と液滴塗工層F2とを重ね合わすこと。
【選択図】 図1
【解決手段】走行する被塗工物W1の表面に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成する膜状塗工工程と、被塗工物W1の表面に、被塗工物W1の表面から離隔して被塗工物走行方向(矢符A方向)と交差する方向(矢符B方向)に沿って設けた複数個の塗工用吐出口3aの各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成する液滴塗工工程とからなり、これら工程のいずれか一方の工程を先に行い、その後に他方の工程を行うことで、膜状塗工層F1と液滴塗工層F2とを重ね合わすこと。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックフィルム,紙若しくは金属箔等のシート状の被塗工物又はプラスチック板若しくはガラス板等の板状の被塗工物に、導電剤,絶縁剤,有機発光剤又は樹脂剤等を含む塗工液を塗工する塗工方法及び塗工装置に関するものであって、具体的には近接させて配置した複数の塗工ヘッドで連続して塗工するものに係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の塗工方法及び塗工装置は、塗工ヘッドとして塗工ロールを備えたもの又はダイを備えたものを用い、シート状又は板状の被塗工物に塗工液を塗工していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−31912号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、各種塗工ヘッドが大型であるため、一組の塗工装置に二種類の塗工ヘッドを組み込んむことが困難であった。そのため、二種類の塗工を行う場合には、二組の塗工装置を備えると共に、各塗工装置の後に乾燥装置又は硬化装置を配置して、各塗工装置で塗工して得た塗工層を乾燥又は硬化させて次の塗工へ移行させる必要があり、設備全体の大型化が問題となっていた。そのため、連続して二種類の塗工できる塗工方法及び塗工装置の出現が要請されていた。
【0005】
また、塗工ロール又はダイを備えた塗工ヘッドは、連続した塗工や一定の間欠塗工には適しているが、塗工パターンを適宜変化させる塗工は不向きであった。
【0006】
そこで、本発明は、これら問題を解決のために、連続して二種類の塗工ができる塗工方法及び塗工装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を重ね合わせるように連続した塗工ができるようにするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、走行する被塗工物の表面に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層を形成する膜状塗工工程と、該被塗工物の表面に、該被塗工物の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口の各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層を形成する液滴塗工工程とからなり、これら工程のいずれか一方の工程を先に行い、その後に他方の工程を行うことで、前記膜状塗工層と前記液滴塗工層とを重ね合わすことを特徴とする塗工方法である。膜状塗工層とは、塗工基板の表面を厚みが一定となるように塗工液が連続に広がって一つの膜の状態となっているものを言う。
本発明にあっては、液滴塗工工程において、走行する被塗工物の表面から離隔して設けた各吐出口と被塗工物とを接触させることなく液滴塗工層を形成することで、液滴塗工工程と膜状塗工工程とを連続して行うことができる。
【0008】
液滴塗工層の塗工パターンを変更できるようにするために請求項2記載の本発明が採用した手段は、前記液滴塗工工程は、複数個の塗工用吐出口の中で選択した吐出口から設定した時間帯に液滴を次々と飛び出す請求項1記載の塗工方法である。
本発明にあっては、複数個の塗工用吐出口の中で選択した吐出口から設定した時間帯に液滴を次々と飛び出して塗着することで、液滴塗工層を部分的に形成できると共に、塗工パターンを変更できる。
【0009】
被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を重ね合わすことなく交互に連続して塗工できるようにするために請求項3記載の本発明が採用した手段は、走行する被塗工物の表面の第1塗工領域に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層を形成する膜状塗工工程と、該被塗工物の表面の該第1塗工域を除く第2塗工域に、該被塗工物の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口の各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層を形成する液滴塗工工程とからなり、これら工程の何れか一方の工程を先に行い、その後に他方の工程を行うことで、前記膜状塗工層と前記液滴塗工層とを交互に形成することを特徴とする塗工方法である。
本発明にあっては、液滴塗工工程において、走行する被塗工物の表面から離隔して設けた各吐出口と被塗工物とを接触させることなく液滴塗工層を形成することで、膜状塗工工程と液滴塗工工程とを連続して行って膜状塗工層と液滴塗工層とを重ね合わすことなく交互に得ることができる。
【0010】
被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を隣接部で重ね合わせて交互に連続して塗工できるようにするために請求項4記載の本発明が採用した手段は、その表面に重複領域を挟んで第1塗工領域と第2塗工領域を交互に形成して走行する被塗工物に対して、第1塗工領域及び該第1塗工領域に隣接する重複領域に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層を形成する膜状塗工工程と、被塗工物の第2塗工領域及び該第2塗工領域に隣接する重複領域に、該被塗工物の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口の各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層を形成する液滴塗工工程とからなり、これら工程の何れか一方の工程を先に行い、その後に他方の工程を行うことで、前記膜状塗工層と前記液滴塗工層を重複領域で重合させつつ交互に形成することを特徴とする塗工方法である。
本発明にあっては、液滴塗工工程において、走行する被塗工物の表面から離隔して設けた各吐出口と被塗工物とを接触させることなく液滴塗工層を形成すことで、液滴塗工工程と膜状塗工工程とを連続して行って液滴塗工層と膜状塗工層を隣接部で重ね合わせて交互に得ることができる。
【0011】
枚葉の被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を連続して塗工できるようにするために請求項5記載の本発明が採用した手段は、前記被塗工物は適宜大きさの枚葉物であり、次々と走行する各葉毎に前記膜状塗工層及び前記液滴塗工層を形成する請求項1,2,3又は4記載の塗工方法である。
本発明にあっては、枚葉の被塗工物に対して液滴塗工工程と膜状塗工工程とを連続して行うことができる。
【0012】
被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を連続して塗工できるようにするために請求項6記載の本発明が採用した手段は、被塗工物の走行路と対面する一方の外側に、該走行路を横断する方向に沿って延設され、塗工液を膜状に塗着させる膜状塗工用ヘッドと、該走行路から離隔して該走行路を横断する方向に沿って設けた複数個の吐出口から液滴を走行路へ向かって飛び出させるドット塗工用ヘッドとを配設し、該走行路の上流側に、これら塗工用ヘッドの何れか一方を設け、該シート走行路の下流側に、他方を設けたことを特徴とする塗工装置である。
本発明にあっては、走行する被塗工物の表面に対してドット塗工用ヘッドの各吐出口を接触させることなく、ドット塗工用ヘッドによる塗工と膜状塗工用ヘッドによる塗工を連続して行うことができる。
【0013】
塗工パターンの変更が容易にできるようにするため請求項7記載の本発明が採用した手段は、前記ドット塗工用ヘッドは、複数個の吐出口の中で選択した吐出口から設定した時間帯に液滴を飛び出させる制御器を備えた請求項6記載の塗工装置である。
本発明にあっては、ドット塗工用ヘッドの液滴を飛び出させる吐出口を制御器で適宜選択できる。
【0014】
未塗工域を形成しつつ膜状塗工層を得る間欠塗工が容易にできるようにするため請求項8記載の本発明が採用した手段は、前記膜状塗工用ヘッドは、スリットの先端開口部から塗工液を間欠的に吐出するダイを備えた請求項6又は7記載の塗工装置である。
本発明にあっては、ダイのスリットからの塗工液の吐出を停止することで未塗工域を形成し、ダイのスリットから塗工液を吐出することで膜状塗工層を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る塗工方法(以下、「本発明塗工方法」という)と、本発明に係る塗工装置(以下、「本発明塗工装置」という)を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0016】
(本発明塗工装置の第1の実施の形態)
図1は本発明塗工装置の第1の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図、同図(C)はドット塗工用ヘッドの吐出口が設けられた外側面を示す図である。本実施の形態に係る本発明塗工装置1は、走行するシート状の被塗工物W1の片面に膜状塗工用ヘッド2及びドット塗工用ヘッド3で塗工液を塗工するものである。
【0017】
本発明塗工装置1は、シート状の被塗工物W1の走行路R1と対面する一方の外側に、走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って延設され、塗工液を膜状に塗着させる膜状塗工用ヘッド2と、走行路R1から離隔して走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って設けた複数個の吐出口3aから液滴(図示略)を走行路R1へ向かって飛び出させるドット塗工用ヘッド3とを配設したものである。本実施例では、走行路R1の上流側に膜状塗工用ヘッド2を設けると共に、その下流側にドット塗工用ヘッド3を設けることで、両塗工用ヘッド2,3を並設してある。
【0018】
前記走行路R1は、ロール4,5,5で形成され、ロール4,5,5の外周面に接触するシート状の被塗工物W1を案内しつつ、回転駆動するロール4で被塗工物W1を所定速度で走行させるようにしてある。本発明塗工装置1は、バックアップロール4の外側に、膜状塗工用ヘッド2及びドット塗工用ヘッド3を設け、バックアップロール4の外周面に接触しつつ安定走行するシート状の被塗工物W1に対して安定した状態で塗工できるようにしてある。
【0019】
本実施例において前記膜状塗工用ヘッド2は、二つのブロックを接合して両ブロックの境界にスリット(図示略)を形成し、該スリットの左右方向に延設した先端開口部2aから塗工液を吐出するダイで構成してある。ダイ方式の膜状塗工用ヘッド2は、先端開口部2aから、連続的又は設定した時間帯だけ間欠的に塗工液を吐出して、被塗工物W1の表面に膜状塗工層F1を連続的(図2及び図3参照)又は断続的(図4参照及び図5参照)に形成するように構成してある。一つの膜状塗工層F1は、塗工基板Wの表面を層厚みが一定となるように塗工液が連続に広がって一つの膜の状態となっている。間欠的に塗工液を吐出する構造としては、先端開口部2aをシャッターで断続的に開閉する構造(例えば、特開平10−28915号公報)や、前記スリットの途中を開閉弁で断続的に開閉する構造(例えば、特開平8−257467公報)や、前記スリットと塗工液供給装置(図示略)を接続する配管の途中を切替弁で断続的に開閉する構造(例えば、特開平9−108605公報)等がある。また、ダイ方式の膜状塗工用ヘッド2は、先端開口部2aをシム等で部分的に塞ぐことで、左右方向(矢符B方向)に沿って塗工域(先端開口部2aの開口した領域に対応した部分)と未塗工域(先端開口部2aの塞がれた領域に対応した部分)とを交互に形成することも可能である(図2(B)参照)。
【0020】
前記ドット塗工用ヘッド3は、走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って複数個の吐出口(ノズル孔)3aを一列(図示略)又は複数列(図1(C)は二列)を設け、各吐出口3aから塗工液の液滴を次々に飛び出させ、走行路R1を走行する被塗工物W1の片面へ液滴を塗着させるようにしてある。複数個の吐出口3aが列状に延設する矢符B方向は、図(A)に示す如く走行路R1を走行するシート状の被塗工物W1の走行方向である矢符A方向と直交させる場合と、矢符A方向と斜め交差させる場合(図示略)とがある。
【0021】
前記ドット塗工用ヘッド3は、各吐出口3aから液滴を飛び出させる構造として公知のインクジェットヘッドと同様の構造が採用され、例えば、ヘッド内の塗工液用液路に面する圧電素子にパルス状の電圧を印加し、圧電素子の変形で液路内の塗工液を加圧して液路先端の吐出口3aから液滴を次々に飛び出させる圧電素子型(例えば、特公昭53−12138号公報等)、または、発熱抵抗体にパルス状の電圧を印加して発熱抵抗体の発する熱を液路の塗工液に瞬間的に与えて、沸騰気泡の体積膨張を利用して液路先端の吐出口3aから液滴を次々に飛び出させる沸騰気泡ジェット型(例えば、特開昭54−51837号公報等)が採用される。前記ドット塗工用ヘッド3は、パルス状の電圧を印加する圧電素子または発熱抵抗体を、吐出口3aの各宛毎に備えるか、また吐出口3aの複数個を一組として各組毎に備える。前記ドット塗工用ヘッド3は、塗工液供給装置(図示略)が接合され、塗工液供給装置から各塗工用ヘッド内の塗工液用液路へ塗工液が供給されるようになっている
【0022】
前記圧電素子型のドット塗工用ヘッド3は、塗工液の粘度に使用限界があるものの適用液体の種類が多く、また粘度の高い液体を吐出する場合の問題を解決する手段も開発されており、粘度100mPa・s(100cp)までの液体を吐出することが可能である。逆に、沸騰気泡ジェット型はその特性上、使用する液体が限定され、使用範囲が狭い。
【0023】
前記ドット塗工用ヘッド3は、液滴を飛び出させる時間帯を設定する方式として、パルス状の電圧を印加して吐出口3aから液滴を飛び出させる飛翔時間帯と電圧を印加しないで吐出口3aから液滴を飛び出させない休止時間帯とを交互に設定するドロップオンデマンド型、または、休止時間帯を設けることなくパルス状の電圧を連続して印加するコンティニュアス型(例えば、特開昭55−37352号公報等)が採用される。パルス状の電圧は、制御器6からドット塗工用ヘッド3の圧電素子または発熱抵抗体のドライバーに発せられる。前記ドット塗工用ヘッド3は、パルス状の電圧を印加する圧電素子または発熱抵抗体を選択することで、液滴を飛び出させる吐出口3aを選択して、任意の塗工パターンを得ることができる。パルス状の電圧を印加する圧電素子または発熱抵抗体の選択は、制御器6に内蔵したコンピュータ−に組み込まれたプログラムに従って行うことができる。
【0024】
更に、前記ドット塗工用ヘッド3は、吐出口3aから飛び出した液滴に空気流による飛翔力を与え、液滴の噴射速度を向上させることもある(例えば、特公昭57−20906号公報等)。
【0025】
本発明塗工装置1は、シート状の被塗工物W1に塗着した塗工層を乾燥又は硬化させるための処理装置7が必要に応じて設けられ、処理装置7を走行路R1が貫通するようにしてある。処理装置7としては、通過するシート状の被塗工物W1をノズルから吹き出すガスで浮揚状態に支持するタイプのもの、または、複数本のガイドロールでシート状の被塗工物W1を案内するタイプのもの等が採用される。
【0026】
本発明塗工装置1は、走行路R1を走行するシート状の被塗工物W1の表面に、先ず膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着し、その後に、該表面から離隔したドット塗工用ヘッド3の各吐出口3aから次々と飛び出す液滴を塗着させることで、被塗工物W1と各吐出口3aの接触を無くした状態で、図2乃至図5に示す塗工パターンで所望層厚みの膜状塗工層F1及び液滴塗工層F2を得る下記の本発明塗工方法を実施することができる。
【0027】
(本発明塗工方法の第1の実施の形態)
図2及び図3は本発明塗工方法の第1の実施の形態で得た塗工パターンを示す平面図である。図2(A)は被塗工物W1の表面に、被塗工物幅方向(矢符B方向)に沿う塗工域Dの全域に亙って被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って膜状塗工層F1を形成すると共に、膜状塗工層F1の上の全体に液滴塗工層F2を重ね合わせるように形成したものである。図2(B)は被塗工物W1の表面に、被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って延びる未塗工域W1bを残して塗工域Dを複数に分割した各分割域W1cの全域に長手方向(矢符A方向)へ沿って膜状塗工層F1を形成すると共に、各膜状塗工層F1の上の全体に液滴塗工層F2を重ね合わせるように形成したものである。図3(A)は被塗工物W1の表面に、塗工域Dの全域に亙って被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って膜状塗工層F1を形成すると共に、膜状塗工層F1の上に平面形状が適宜形状(図示の場合は四角形)からなる複数の液滴塗工層F2を点在させて形成したものである。図3(B)は被塗工物W1の表面に、塗工域Dの全域に亙って被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って膜状塗工層F1を形成すると共に、膜状塗工層F1の上に幅方向(矢符B方向)に延びる平面形状が四角形の液滴塗工層F2を断続的に形成したものである。
【0028】
本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図1に示す本発明塗工装置1を用いて実施され、膜状塗工層F1を形成した後に、続けて、液滴塗工層F2を形成するものである。本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図1に示す走行路R1を走行する被塗工物W1の表面の塗工域Dに、膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着して図2(A)に示す膜状塗工層F1を形成し、膜状塗工層F1の表面の全体(図2(A)(B)の場合)又は一部(図3(A)(B)の場合)に、ドット塗工用ヘッド3の複数個の吐出口3aの各々から次々と飛び出す液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成することである。膜状塗工層F1は、図2(A)及び図3(A)(B)に示す如く、被塗工物W1の両耳端部W1a,W1aを除く塗工域Dの全域で走行方向(矢符A方向)へ連続的に形成するか、または、図2(B)に示す如く、未塗工域W1bを残して塗工域Dを複数に分割した各分割域W1cの全域で被塗工物W1の走行方向(矢符A方向)へ連続的に形成する。液滴塗工層F2は、膜状塗工層F1の上に重なり合うように形成される。なお、図2(A)(B)は、後で塗工した液滴塗工層F2の一部を切り取って図示してある。
【0029】
前記ドット塗工用ヘッド3は、図3(A)に示すように液滴塗工層F2を点在させ形成するか、または、同図(B)に示すように液滴塗工層F2を走行方向(矢符A方向)へ沿って間欠的(断続的)に形成することもある。前記ドット塗工用ヘッド3は、オンデマンド型を採用するとき、パルス状の電圧を印加する飛翔時間帯に吐出口3aから液滴を次々と飛び出させて液滴塗工層F2を形成し、電圧を印加しない休止時間帯に未塗工域を形成する。このとき、ドット塗工用ヘッド3は、制御器6(図1(B)参照)から指令を受けて、複数個の吐出口3aの中から吐出口3aを選択し、この選択した吐出口3aから設定した時間帯に液滴を次々と飛び出させて液滴塗工層F2を形成する。また、連続噴射型を採用するときには、吐出口3aから飛び出す液滴を被塗工物W1へ直進させて液滴塗工層F2を形成すると共に、吐出口3aから飛び出す液滴を被塗工物W1へ到達させないように進行方向を偏向してガータ(図示略)等で回収して未塗工域を形成する。
【0030】
本実施の形態に係る本発明塗工方法にあっては、走行路R1(図1参照)を走行する被塗工物W1の表面に対して、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成する膜状塗工工程と、被塗工物W1の表面に対して、被塗工物W1の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口3aの各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成する液滴塗工工程とをこの順番で連続して行うことにより、被塗工物W1の表面に形成した膜状塗工層F1の上に、各吐出口3aの接触の無い状態で所望層厚みの液滴塗工層F2を図2及び図3に示すような塗工パターンで重ね合わせるようにして塗工できる。
【0031】
(本発明塗工方法の第2の実施の形態)
図4は本発明塗工方法の第2の実施の形態で得た塗工パターンを示す平面図であり、被塗工物W1の表面に、複数の膜状塗工層F1と複数の液滴塗工層F2とを重ね合わせないようにして交互に形成したものである。
【0032】
本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図1に示す本発明塗工装置1を用いて実施され、膜状塗工層F1を形成した後に、続けて、液滴塗工層F2を形成するものである。本実施の形態に係る本発明塗工方法は、走行する被塗工物W1の表面の部分的な第1塗工域W1dに、図1に示す膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成し、被塗工物W1の表面の該第1塗工域W1dを除く第2塗工域W1eに、ドット塗工用ヘッド3の複数個の吐出口3aから設定した時間帯に次々と飛び出す液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成することである。本発明塗工方法は、第1塗工域W1d及び第2塗工域W1e以外に、矢符B方向に延びる未塗工域W1fを形成してある。本発明塗工方法は、未塗工域W1fを形成しないこともある。なお、ドット塗工用ヘッド3は、複数個の吐出口3aの中で選択した吐出口3aから設定した時間帯に次々と飛び出す液滴を塗着して適宜平面形状の液滴塗工層F2を点在的に形成することもある。
【0033】
前記ドット塗工用ヘッド3の作動は、オンデマンド型を採用するとき、パルス状の電圧を印加する飛翔時間帯に吐出口3aから液滴を次々と飛び出させて塗工層F2を形成し、電圧を印加しない休止時間帯に未塗工域W1fを形成する。また、連続噴射型を採用するときには、吐出口3aから飛び出す液滴を被塗工物W1へ直進させて塗工層F2を形成し、吐出口3aから飛び出す液滴を被塗工物W1へ到達させないように進行方向を偏向してガータ(図示略)等で回収して未塗工域W1fを形成する。
【0034】
本実施の形態に係る本発明塗工方法にあっては、走行路R1(図1参照)を走行する被塗工物W1の表面に対して、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成する膜状塗工工程と、被塗工物W1の表面に対して、被塗工物W1の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口3aの各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成する液滴塗工工程とをこの順番で連続して行うことにより、被塗工物W1と各吐出口3aの接触がなく、所望層厚みの液滴塗工層F2とを図4に示す塗工パターンの如く重ね合わせることなく交互に得ることができる。
【0035】
(本発明塗工方法の第3の実施の形態)
図5は本発明塗工方法の第3の実施の形態で得た塗工パターンを示す平面図であり、被塗工物W1の表面に、膜状塗工層F1と液滴塗工層F2を重複領域W1kで重合させつつ交互に形成したものであり、(A)は塗工領域Dの全域に亙って塗工層F1,F2を形成し、(B)は未塗工域W1mを被塗工物W1の被塗工物長手方向(矢符A方向)に沿って形成してある。なお、図5(A)(B)は、後で塗工した液滴塗工層F2の一部を切り取って図示してある。
【0036】
本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図1に示す本発明塗工装置1を用いて実施され、走行する被塗工物W1の上流側で膜状塗工層F1を先ず形成し、その後に続けて、下流側で液滴塗工層F2を形成するものである。本実施の形態に係る本発明塗工方法は、その表面に重複領域W1kを挟んで第1塗工領域W1gと第2塗工領域W1hを交互に形成するように走行する被塗工物W1に対して、被塗工物W1の第1塗工領域W1g及び該第1塗工領域W1gに隣接する重複領域W1k,W1kに、図1に示す膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を間欠的に形成し、その後に被塗工物W1の第2塗工領域W1h及び該第2塗工領域W1hに隣接する重複領域W1k,W1kに、ドット塗工用ヘッド3の複数個の吐出口3aの中で選択した吐出口3aから設定した時間帯に次々と飛び出す液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成することにより、膜状塗工層F1と液滴塗工層F2を重複領域W1kで重合させつつ交互に形成するものである。重複領域W1kでは、膜状塗工層F1の上に液滴塗工層F2が積層するように形成される。同図(B)は未塗工域W1mを被塗工物W1の走行方向(矢符A方向)に沿って形成してある。なお、本発明塗工方法で得た塗工済シートの一例としは、被塗工物W1を合成樹脂フィルムからなる可撓性とし、膜状塗工層F1を導電性とし、液滴塗工層F2を絶縁性とすることで、電池等に用いる電極の素材とすることができる。
【0037】
前記ドット塗工用ヘッド3の作動は、オンデマンド型を採用するとき、または連続噴射型を採用するときも、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態と実質的に同一であるので、ここでの説明を省略する。
【0038】
本実施の形態に係る本発明塗工方法にあっては、走行路R1(図1参照)を走行する被塗工物W1の表面に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成する膜状塗工工程と、被塗工物W1の表面に、被塗工物W1の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口3aの各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成する液滴塗工工程とをこの順番で連続して行うことにより、膜状塗工層F1と各吐出口3aの接触がなく、所望層厚みの膜状塗工層F1と液滴塗工層F2とを両者の隣接部で重ね合わせて交互に得ることができる。
【0039】
(本発明塗工装置の第2の実施の形態)
図6は本発明塗工装置の第2の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。本実施の形態に係る本発明塗工装置21が前記第1の実施の形態に係る本発明塗工装置1(図1参照)と相違する点は、走行路R1の上流側にドット塗工用ヘッド3を設けると共に、その下流側に膜状塗工用ヘッド2を設けたことである。この相違点以外の構成は、本発明塗工装置1と実質的に同一であり、図1に示す符号と同一の符号は同一の構成部材等を示す。
【0040】
本発明塗工装置21は、走行路R1を走行するシート状の被塗工物W1の表面に、先ずドット塗工用ヘッド3の各吐出口3aから次々と飛び出す液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成し、その後に、膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着し、図7乃至図9に示す塗工パターンで所望層厚みの膜状塗工層F1及び液滴塗工層F2を得る下記の本発明塗工方法を実施することができる。
【0041】
(本発明塗工方法の第4の実施の形態)
図7及び図8は本発明塗工方法の第4の実施の形態で得た塗工パターンを示す平面図である。図7(A)は被塗工物W1の表面に、被塗工物幅方向(矢符B方向)の塗工域Dの全域に亙って被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って液滴塗工層F2を形成すると共に、液滴塗工層F2の上の全体に膜状塗工層F1を重ね合わせるように形成したものである。図7(B)は被塗工物W1の表面に、被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って延びる未塗工域W1bを残して塗工域Dを複数に分割した各分割域W1cの全域に長手方向(矢符A方向)へ沿って液滴塗工層F2を形成すると共に、各液滴塗工層F2の上の全体に膜状塗工層F1を重ね合わせるように形成したものである。図8(A)は被塗工物W1の表面に、平面形状が適宜形状(図示の場合は四角形)からなる複数の液滴塗工層F2を点在させて形成すると共に、各液滴塗工層F2に上に重ね合わせて、被塗工物幅方向(矢符B方向)の塗工域Dの全域に亙って被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って膜状塗工層F1を形成したものである。図8(B)は被塗工物W1の表面に、幅方向(矢符B方向)に延びる平面形状が四角形の液滴塗工層F2を断続的に形成すると共に、各液滴塗工層F2に上に重ね合わせて、被塗工物幅方向の塗工域Dの全域に亙って被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って膜状塗工層F1を形成したものである。
【0042】
本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図6に示す本発明塗工装置21を用いて実施され、先ず液滴塗工層F2を形成し、その後に続けて、膜状塗工層F1を形成するものである。本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図6に示す走行路R1を走行する被塗工物W1の表面の塗工域Dの全体(図7(A)および図8(B)の場合)又は一部(図7(B)および図8(A)の場合)に、ドット塗工用ヘッド3の複数個の吐出口3aの各々から次々と飛び出す液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成し、続けて、膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成することである。膜状塗工層F1は、図7(A)及び図8(A)(B)に示す如く、被塗工物W1の両耳端部W1a,W1aを除く塗工域Dの幅方向全域で走行方向(矢符A方向)へ連続的に形成するか、または、図7(B)に示す如く、未塗工域W1bを残して塗工域Dを複数に分割した各分割域W1cの全域で走行方向(矢符A方向)へ連続的に形成される。膜状塗工層F1は、液滴塗工層F2の上に重なり合うように形成される。なお、図7及び図8は、後で塗工した膜状塗工層F1の一部を切り取って図示してある。
【0043】
前記ドット塗工用ヘッド3は、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態と同様に、図8(A)に示すように液滴塗工層F2を点在させ形成するか、または、同図(B)に示すように液滴塗工層F2を走行方向(矢符A方向)へ沿って間欠的(断続的)に形成する。
【0044】
本実施の形態に係る本発明塗工方法にあっては、走行路R1(図6参照)を走行する被塗工物W1の表面に、被塗工物W1の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口3aの各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成する液滴塗工工程と、被塗工物W1の表面に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成する膜状塗工工程とをこの順番で連続して行うことにより、被塗工物W1の表面に、各吐出口3aの接触の無い状態で所望層厚みの液滴塗工層F2を形成し、この液滴塗工層F2の上に、膜状塗工層F1を塗着することで、図7及び図8に示すような塗工パターンで重ね合わせるようにして塗工できる。
【0045】
前記ドット塗工用ヘッド3の作動は、オンデマンド型を採用するとき、または連続噴射型を採用するときも、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態と実質的に同一であるので、ここでの説明を省略する。
【0046】
(本発明塗工方法の第5の実施の形態)
図9は本発明塗工方法の第5の実施の形態で得た塗工パターンを示す平面図であり、被塗工物W1の表面に、液滴塗工層F2と膜状塗工層F1を重複領域W1kで重合させつつ交互に形成したものであり、(A)は塗工領域Dの全域に亙って塗工層F1,F2を形成し、(B)は未塗工域W1mを被塗工物W1の被塗工物長手方向(矢符A方向)に沿って形成してある。
【0047】
本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図6に示す本発明塗工装置21を用いて実施され、走行する被塗工物W1の上流側で液滴塗工層F2を先ず形成し、その後に続けて、下流側で膜状塗工層F1を形成するものである。本実施の形態に係る本発明塗工方法は、その表面に重複領域W1kを挟んで第1塗工領域W1gと第2塗工領域W1hを交互に形成するように走行する被塗工物W1に対して、被塗工物W1の第1塗工領域W1g及び該第1塗工領域W1gに隣接する重複領域W1k,W1kに、図6に示すドット塗工用ヘッド3の複数個の吐出口3aの中で選択した吐出口3aから設定した時間帯に次々と飛び出す液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成し、その後に被塗工物W1の第2塗工領域W1h及び該第2塗工領域W1hに隣接する重複領域W1k,W1kに、膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を間欠的に形成することにより、液滴塗工層F2と膜状塗工層F1を重複領域W1kで重合させつつ交互に形成するものである。重複領域W1kでは、液滴塗工層F2の上に膜状塗工層F1が積層するように形成される。同図(B)は未塗工域W1mを被塗工物W1の走行方向(矢符A方向)に沿って形成してある。
【0048】
前記ドット塗工用ヘッド3の作動は、オンデマンド型を採用するとき、または連続噴射型を採用するときも、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態と実質的に同一であるので、ここでの説明を省略する。
【0049】
本実施の形態に係る本発明塗工方法にあっては、走行路R1(図6参照)を走行する被塗工物W1の表面に、被塗工物W1の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口3aの各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成する液滴塗工工程と、被塗工物W1の表面に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成する膜状塗工工程とをこの順番で連続して行うことにより、膜状塗工層F1と各吐出口3aの接触がなく、所望層厚みの液滴塗工層F2と膜状塗工層F1とを部分的に重ね合わせて交互に得ることができる。
【0050】
(本発明塗工装置の第3の実施の形態)
図10は本発明塗工装置の第3の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。本実施の形態に係る本発明塗工装置31が前記本発明塗工装置の第1の実施の形態に係る本発明塗工装置1(図1参照)と大きく相違する点は、塗工ロール33を備えたロール塗工ヘッドで膜状塗工用ヘッド32を構成したことである。この相違点以外の構成は、本発明塗工装置1(図1参照)と実質的に同一であり、図1に示す符号と同一の符号は同一の構成部材等を示す。
【0051】
本発明塗工装置31は、被塗工物W1の走行路R1と対面する一方の外側に、走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って延設され、塗工液を膜状に塗着させる膜状塗工用ヘッド32と、走行路R1から離隔して走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って設けた複数個の吐出口3aから液滴(図示略)を走行路R1へ向かって飛び出させるドット塗工用ヘッド3とを配設したものである。本実施例では、走行路R1の上流側に膜状塗工用ヘッド32を設けると共に、その下流側にドット塗工用ヘッド3を設けることで、両塗工用ヘッド32,3を並設してある。
【0052】
前記膜状塗工用ヘッド32は、被塗工物W1の走行方向と逆方向へ回転する塗工ロール33と、塗工ロール33が浸漬する塗工液槽34と、塗工液槽34を通過する塗工ロール33の外周面33aに付着した塗工液層の厚みを調節する計量ロール35とからなり、低粘度乃至中粘度の塗工液に適したボトムフィード型リバース塗工方式のものである。膜状塗工用ヘッド32は、バックアップロール4に向かって進退自在に配置して、被塗工物W1に塗工液を膜状に塗着する塗工位置から被塗工物W1に塗工液を塗着させない待機位置まで間を移動できるようにして、被塗工物W1に膜状塗工層と非塗工域とを交互に形成する間欠塗工ができるようにすることもある。また、膜状塗工用ヘッド32は、塗工ロール33の外周面33aに環状の凹溝を設けることにより、被塗工物W1の走行方向(矢符A方向)に沿って塗工液を塗工しない未塗工部分を該環状の凹溝の部分で形成することもできる。
【0053】
本発明塗工装置31を用いることにより、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態(図2及び図3参照)、前記本発明塗工方法の第2の実施の形態(図4参照)および前記本発明塗工方法の第3の実施の形態(図5参照)と実質的に同一の塗工方法を実施することができる。
【0054】
(本発明塗工装置の第4の実施の形態)
図11は本発明塗工装置の第4の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。本実施の形態に係る本発明塗工装置41が前記本発明塗工装置の第1の実施の形態に係る本発明塗工装置1(図1参照)と大きく相違する点は、膜状塗工用ヘッド42を塗工ロール43を備えたロール塗工ヘッドで構成したことである。この相違点以外の構成は、本発明塗工装置1(図1参照)と実質的に同一であり、図1に示す符号と同一の符号は同一の構成部材等を示す。
【0055】
本発明塗工装置41は、被塗工物W1の走行路R1と対面する一方の外側に、走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って延設され、塗工液を膜状に塗着させる膜状塗工用ヘッド42と、走行路R1から離隔して走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って設けた複数個の吐出口3aから液滴(図示略)を走行路R1へ向かって飛び出させるドット塗工用ヘッド3とを配設したものである。本実施例では、走行路R1の上流側に膜状塗工用ヘッド42を設けると共に、その下流側にドット塗工用ヘッド3を設けることで、両塗工用ヘッド42,3を並設してある。
【0056】
前記膜状塗工用ヘッド42は、被塗工物W1の走行方向(矢符A方向)と逆方向へ回転する塗工ロール43と、塗工ロール33の外周面43aに付着した塗工液層の厚みを調節する計量ロール45と、塗工ロール43と計量ロール45と間の上方に塗工液を溜める液溜部44とからなり、高粘度の塗工液に適したトップフィード型リバース塗工方式のものである。膜状塗工用ヘッド42は、バックアップロール4に向かって進退自在に配置して、被塗工物W1に塗工液を膜状に塗着する塗工位置から被塗工物W1に塗工液を塗着させない待機位置まで間を移動できるようにして、被塗工物W1に膜状塗工層と非塗工域とを交互に形成する間欠塗工ができるよにすることもある(特開2001−293411号公報参照)。また、膜状塗工用ヘッド42は、塗工ロール33の外周面33aに環状の凹溝を設けると共に、環状の凹溝に溜まる塗工液を凹溝内から排除する吸引装置等の排除機構を設けることにより、被塗工物W1の走行方向(矢符A方向)に沿って塗工液を塗工しない未塗工部分を該環状の凹溝の部分で形成することも可能である。
【0057】
本発明塗工装置41を用いることにより、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態(図2及び図3参照)、前記本発明塗工方法の第2の実施の形態(図4参照)および前記本発明塗工方法の第3の実施の形態(図5参照)と実質的に同一の塗工方法を実施することができる。
【0058】
(本発明塗工装置の第5の実施の形態)
図12は本発明塗工装置の第5の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。本実施の形態に係る本発明塗工装置51は、走行するプラスチック板若しくはガラス板等の板状からなる枚葉の被塗工物W2の片面に膜状塗工用ヘッド2及びドット塗工用ヘッド3で塗工液を塗工するものである。
【0059】
本発明塗工装置51は、被塗工物W2の走行路R2と対面する一方の外側(図示の場合には上方)に、走行路R2を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って延設され、塗工液を膜状に塗着させる膜状塗工用ヘッド2と、走行路R2から離隔して走行路R2を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って設けた複数個の吐出口3aから液滴(図示略)を走行路R2へ向かって飛び出させるドット塗工用ヘッド3とを配設したものである。本実施例では、走行路R2の上流側に膜状塗工用ヘッド2を設けると共に、その下流側にドット塗工用ヘッド3を設けることで、両塗工用ヘッド2,3を並設してある。
【0060】
該走行路R2は、後方の搬入用搬送装置52と、中間の塗工用搬送装置53と、前方の搬出用搬送装置54とから形成されている。搬送装置52,53,54の各々は、前後の案内ローラ55,55に無端ベルト56を張架して構成され、回転駆動する無端ベルト56で被塗工物W2を所定速度で走行させるようにしてある。なお、搬送装置52,53,54の各々は、図示は省略したが、通気性の無端ベルトと、無端ベルトの裏面側に配置した吸引箱とを備え、無端ベルトの搬送面に被塗工物W2を吸着した状態で搬送できるようにし、被塗工物W2を垂直方向又は傾斜方向へ走行できるようにすることも可能である。また、走行路R2は、枚葉の被塗工物W2を吸引保持して走行する吸盤の吸引面側に形成することもある。
【0061】
前記膜状塗工用ヘッド2(ダイ方式)及びドット塗工用ヘッド3は、前記本発明塗工装置の第1の実施の形態(図1参照)で用いたものと実質的に同一であるので、ここでの説明を省略する。ドット塗工用ヘッド3は、第1の実施の形態と同様に、複数個の吐出口3aの中で選択した吐出口3aから設定した時間帯に液滴を飛び出させる制御器6を備えている。本発明塗工装置51は、中間の塗工用搬送装置53に搬入・搬出される被塗工物W2を検知する検知装置57が設けられ、検知装置57の検知信号に基づいて膜状塗工用ヘッド2及びドット塗工用ヘッド3の塗工開始・停止を制御して、所望の塗工パターンが得られるようにしてある。本発明塗工装置51は、塗工用搬送装置53の外側にドット塗工用ヘッド3を設けることにより、塗工用搬送装置53で安定走行する枚葉の被塗工物W2にドット塗工用ヘッド3を接触させることなく安定した塗工ができる。
【0062】
本実施の形態に係る本発明塗工装置51は、枚葉の被塗工物W2の片面について、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態(図2及び図3参照)、前記本発明塗工方法の第2の実施の形態(図4参照)および前記本発明塗工方法の第3の実施の形態(図5参照)と実質的に同一の塗工方法を実施することができる。なお、走行する前方の被塗工物W2と後方の被塗工物W2との間に隙間があるときには、前後の被塗工物W2,W2の走行と共に該隙間の部分が、ダイ方式の膜状塗工用ヘッド2及びドット塗工用ヘッド3と対向する領域を通過するときに、膜状塗工用ヘッド2の吐出口2a及びドット塗工用ヘッド3の吐出口3aから該隙間に向かって液滴を吐出又は飛び出させないようにするとよい。
【0063】
(本発明塗工装置のその他の実施の形態)
前記本発明塗工装置の第3の実施の形態(図10)、前記本発明塗工装置の第4の実施の形態(図11)及び前記本発明塗工装置の第5の実施の形態(図12)は、走行路R2(R3)の上流側に膜状塗工用ヘッド32(42,2)を設けると共に、その下流側にドット塗工用ヘッド3を設けているが、これに限定するものではなく、図示は省略したが、走行路R2(R3)の上流側にドット塗工用ヘッド3を設けると共に、その下流側に膜状塗工用ヘッド32(42,2)を設けることも勿論可能である。この場合には、前記本発明塗工方法の第2の実施の形態(図4参照)、前記本発明塗工方法の第4の実施の形態(図7および図8参照)および前記本発明塗工方法の第5の実施の形態(図9参照)と実質的に同一の塗工方法を実施することができる。
【0064】
また、ドット塗工用ヘッド3は、その複数組を並設して、塗工能力を向上させることも勿論可能である。
【0065】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明塗工方法は、液滴塗工工程と膜状塗工工程とを連続して行うことで、被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を重ね合わせるように連続して塗工できる。
【0066】
請求項2記載の本発明塗工方法は、液滴塗工層を部分的に形成できると共に、液滴塗工層の塗工パターンを容易に変更できる。
【0067】
請求項3記載の本発明塗工方法は、膜状塗工工程と液滴塗工工程とを連続して行うことで、被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を重ね合わすことなく交互に連続して塗工できる。
【0068】
請求項4記載の本発明塗工方法は、液滴塗工工程と膜状塗工工程とを連続して行うことで、被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を隣接部で重ね合わせて交互に連続して塗工できる。
【0069】
請求項5記載の本発明塗工方法は、枚葉の被塗工物に対して液滴塗工工程と膜状塗工工程とを連続して行うことで、枚葉の被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を連続して塗工できる。
【0070】
請求項6記載の本発明塗工装置は、ドット塗工用ヘッドによる塗工と膜状塗工用ヘッドによる塗工を連続して行うことができるので、被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を連続して塗工できるようになる。
【0071】
請求項7記載の本発明塗工装置は、ドット塗工用ヘッドの液滴を飛び出させる吐出口を制御器で適宜選択できるので、塗工パターンの変更が容易にできる。
【0072】
請求項8記載の本発明塗工装置は、ダイのスリットからの塗工液の吐出を停止することで未塗工域を形成し、ダイのスリットから塗工液を吐出することで膜状塗工層を得ることができるため、未塗工域を形成しつつ膜状塗工層を得る間欠塗工が容易にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明塗工装置の第1の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図、同図(C)はドット塗工用ヘッドの吐出口が設けられた外側面を示す図である。
【図2】(A)及び(B)の各々は、本発明塗工方法の第1の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図3】(A)及び(B)の各々は、本発明塗工方法の第1の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図4】本発明塗工方法の第2の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図5】(A)及び(B)の各々は、本発明塗工方法の第3の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図6】本発明塗工装置の第2の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。
【図7】(A)及び(B)の各々は、本発明塗工方法の第4の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図8】(A)及び(B)の各々は、本発明塗工方法の第4の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図9】(A)及び(B)の各々は、本発明塗工方法の第5の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図10】本発明塗工装置の第3の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。
【図11】本発明塗工装置の第4の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。
【図12】本発明塗工装置の第5の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す正面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。
【符号の説明】
W1,W2…被塗工物、R1,R2…走行路、2(32,42)…膜状塗工用ヘッド、3…ドット塗工用ヘッド、2a…先端開口部、3a…吐出口、6…制御器、57…検知装置、F1…膜状塗工層、F2…液滴塗工層
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックフィルム,紙若しくは金属箔等のシート状の被塗工物又はプラスチック板若しくはガラス板等の板状の被塗工物に、導電剤,絶縁剤,有機発光剤又は樹脂剤等を含む塗工液を塗工する塗工方法及び塗工装置に関するものであって、具体的には近接させて配置した複数の塗工ヘッドで連続して塗工するものに係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の塗工方法及び塗工装置は、塗工ヘッドとして塗工ロールを備えたもの又はダイを備えたものを用い、シート状又は板状の被塗工物に塗工液を塗工していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−31912号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、各種塗工ヘッドが大型であるため、一組の塗工装置に二種類の塗工ヘッドを組み込んむことが困難であった。そのため、二種類の塗工を行う場合には、二組の塗工装置を備えると共に、各塗工装置の後に乾燥装置又は硬化装置を配置して、各塗工装置で塗工して得た塗工層を乾燥又は硬化させて次の塗工へ移行させる必要があり、設備全体の大型化が問題となっていた。そのため、連続して二種類の塗工できる塗工方法及び塗工装置の出現が要請されていた。
【0005】
また、塗工ロール又はダイを備えた塗工ヘッドは、連続した塗工や一定の間欠塗工には適しているが、塗工パターンを適宜変化させる塗工は不向きであった。
【0006】
そこで、本発明は、これら問題を解決のために、連続して二種類の塗工ができる塗工方法及び塗工装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を重ね合わせるように連続した塗工ができるようにするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、走行する被塗工物の表面に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層を形成する膜状塗工工程と、該被塗工物の表面に、該被塗工物の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口の各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層を形成する液滴塗工工程とからなり、これら工程のいずれか一方の工程を先に行い、その後に他方の工程を行うことで、前記膜状塗工層と前記液滴塗工層とを重ね合わすことを特徴とする塗工方法である。膜状塗工層とは、塗工基板の表面を厚みが一定となるように塗工液が連続に広がって一つの膜の状態となっているものを言う。
本発明にあっては、液滴塗工工程において、走行する被塗工物の表面から離隔して設けた各吐出口と被塗工物とを接触させることなく液滴塗工層を形成することで、液滴塗工工程と膜状塗工工程とを連続して行うことができる。
【0008】
液滴塗工層の塗工パターンを変更できるようにするために請求項2記載の本発明が採用した手段は、前記液滴塗工工程は、複数個の塗工用吐出口の中で選択した吐出口から設定した時間帯に液滴を次々と飛び出す請求項1記載の塗工方法である。
本発明にあっては、複数個の塗工用吐出口の中で選択した吐出口から設定した時間帯に液滴を次々と飛び出して塗着することで、液滴塗工層を部分的に形成できると共に、塗工パターンを変更できる。
【0009】
被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を重ね合わすことなく交互に連続して塗工できるようにするために請求項3記載の本発明が採用した手段は、走行する被塗工物の表面の第1塗工領域に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層を形成する膜状塗工工程と、該被塗工物の表面の該第1塗工域を除く第2塗工域に、該被塗工物の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口の各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層を形成する液滴塗工工程とからなり、これら工程の何れか一方の工程を先に行い、その後に他方の工程を行うことで、前記膜状塗工層と前記液滴塗工層とを交互に形成することを特徴とする塗工方法である。
本発明にあっては、液滴塗工工程において、走行する被塗工物の表面から離隔して設けた各吐出口と被塗工物とを接触させることなく液滴塗工層を形成することで、膜状塗工工程と液滴塗工工程とを連続して行って膜状塗工層と液滴塗工層とを重ね合わすことなく交互に得ることができる。
【0010】
被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を隣接部で重ね合わせて交互に連続して塗工できるようにするために請求項4記載の本発明が採用した手段は、その表面に重複領域を挟んで第1塗工領域と第2塗工領域を交互に形成して走行する被塗工物に対して、第1塗工領域及び該第1塗工領域に隣接する重複領域に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層を形成する膜状塗工工程と、被塗工物の第2塗工領域及び該第2塗工領域に隣接する重複領域に、該被塗工物の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口の各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層を形成する液滴塗工工程とからなり、これら工程の何れか一方の工程を先に行い、その後に他方の工程を行うことで、前記膜状塗工層と前記液滴塗工層を重複領域で重合させつつ交互に形成することを特徴とする塗工方法である。
本発明にあっては、液滴塗工工程において、走行する被塗工物の表面から離隔して設けた各吐出口と被塗工物とを接触させることなく液滴塗工層を形成すことで、液滴塗工工程と膜状塗工工程とを連続して行って液滴塗工層と膜状塗工層を隣接部で重ね合わせて交互に得ることができる。
【0011】
枚葉の被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を連続して塗工できるようにするために請求項5記載の本発明が採用した手段は、前記被塗工物は適宜大きさの枚葉物であり、次々と走行する各葉毎に前記膜状塗工層及び前記液滴塗工層を形成する請求項1,2,3又は4記載の塗工方法である。
本発明にあっては、枚葉の被塗工物に対して液滴塗工工程と膜状塗工工程とを連続して行うことができる。
【0012】
被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を連続して塗工できるようにするために請求項6記載の本発明が採用した手段は、被塗工物の走行路と対面する一方の外側に、該走行路を横断する方向に沿って延設され、塗工液を膜状に塗着させる膜状塗工用ヘッドと、該走行路から離隔して該走行路を横断する方向に沿って設けた複数個の吐出口から液滴を走行路へ向かって飛び出させるドット塗工用ヘッドとを配設し、該走行路の上流側に、これら塗工用ヘッドの何れか一方を設け、該シート走行路の下流側に、他方を設けたことを特徴とする塗工装置である。
本発明にあっては、走行する被塗工物の表面に対してドット塗工用ヘッドの各吐出口を接触させることなく、ドット塗工用ヘッドによる塗工と膜状塗工用ヘッドによる塗工を連続して行うことができる。
【0013】
塗工パターンの変更が容易にできるようにするため請求項7記載の本発明が採用した手段は、前記ドット塗工用ヘッドは、複数個の吐出口の中で選択した吐出口から設定した時間帯に液滴を飛び出させる制御器を備えた請求項6記載の塗工装置である。
本発明にあっては、ドット塗工用ヘッドの液滴を飛び出させる吐出口を制御器で適宜選択できる。
【0014】
未塗工域を形成しつつ膜状塗工層を得る間欠塗工が容易にできるようにするため請求項8記載の本発明が採用した手段は、前記膜状塗工用ヘッドは、スリットの先端開口部から塗工液を間欠的に吐出するダイを備えた請求項6又は7記載の塗工装置である。
本発明にあっては、ダイのスリットからの塗工液の吐出を停止することで未塗工域を形成し、ダイのスリットから塗工液を吐出することで膜状塗工層を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る塗工方法(以下、「本発明塗工方法」という)と、本発明に係る塗工装置(以下、「本発明塗工装置」という)を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0016】
(本発明塗工装置の第1の実施の形態)
図1は本発明塗工装置の第1の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図、同図(C)はドット塗工用ヘッドの吐出口が設けられた外側面を示す図である。本実施の形態に係る本発明塗工装置1は、走行するシート状の被塗工物W1の片面に膜状塗工用ヘッド2及びドット塗工用ヘッド3で塗工液を塗工するものである。
【0017】
本発明塗工装置1は、シート状の被塗工物W1の走行路R1と対面する一方の外側に、走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って延設され、塗工液を膜状に塗着させる膜状塗工用ヘッド2と、走行路R1から離隔して走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って設けた複数個の吐出口3aから液滴(図示略)を走行路R1へ向かって飛び出させるドット塗工用ヘッド3とを配設したものである。本実施例では、走行路R1の上流側に膜状塗工用ヘッド2を設けると共に、その下流側にドット塗工用ヘッド3を設けることで、両塗工用ヘッド2,3を並設してある。
【0018】
前記走行路R1は、ロール4,5,5で形成され、ロール4,5,5の外周面に接触するシート状の被塗工物W1を案内しつつ、回転駆動するロール4で被塗工物W1を所定速度で走行させるようにしてある。本発明塗工装置1は、バックアップロール4の外側に、膜状塗工用ヘッド2及びドット塗工用ヘッド3を設け、バックアップロール4の外周面に接触しつつ安定走行するシート状の被塗工物W1に対して安定した状態で塗工できるようにしてある。
【0019】
本実施例において前記膜状塗工用ヘッド2は、二つのブロックを接合して両ブロックの境界にスリット(図示略)を形成し、該スリットの左右方向に延設した先端開口部2aから塗工液を吐出するダイで構成してある。ダイ方式の膜状塗工用ヘッド2は、先端開口部2aから、連続的又は設定した時間帯だけ間欠的に塗工液を吐出して、被塗工物W1の表面に膜状塗工層F1を連続的(図2及び図3参照)又は断続的(図4参照及び図5参照)に形成するように構成してある。一つの膜状塗工層F1は、塗工基板Wの表面を層厚みが一定となるように塗工液が連続に広がって一つの膜の状態となっている。間欠的に塗工液を吐出する構造としては、先端開口部2aをシャッターで断続的に開閉する構造(例えば、特開平10−28915号公報)や、前記スリットの途中を開閉弁で断続的に開閉する構造(例えば、特開平8−257467公報)や、前記スリットと塗工液供給装置(図示略)を接続する配管の途中を切替弁で断続的に開閉する構造(例えば、特開平9−108605公報)等がある。また、ダイ方式の膜状塗工用ヘッド2は、先端開口部2aをシム等で部分的に塞ぐことで、左右方向(矢符B方向)に沿って塗工域(先端開口部2aの開口した領域に対応した部分)と未塗工域(先端開口部2aの塞がれた領域に対応した部分)とを交互に形成することも可能である(図2(B)参照)。
【0020】
前記ドット塗工用ヘッド3は、走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って複数個の吐出口(ノズル孔)3aを一列(図示略)又は複数列(図1(C)は二列)を設け、各吐出口3aから塗工液の液滴を次々に飛び出させ、走行路R1を走行する被塗工物W1の片面へ液滴を塗着させるようにしてある。複数個の吐出口3aが列状に延設する矢符B方向は、図(A)に示す如く走行路R1を走行するシート状の被塗工物W1の走行方向である矢符A方向と直交させる場合と、矢符A方向と斜め交差させる場合(図示略)とがある。
【0021】
前記ドット塗工用ヘッド3は、各吐出口3aから液滴を飛び出させる構造として公知のインクジェットヘッドと同様の構造が採用され、例えば、ヘッド内の塗工液用液路に面する圧電素子にパルス状の電圧を印加し、圧電素子の変形で液路内の塗工液を加圧して液路先端の吐出口3aから液滴を次々に飛び出させる圧電素子型(例えば、特公昭53−12138号公報等)、または、発熱抵抗体にパルス状の電圧を印加して発熱抵抗体の発する熱を液路の塗工液に瞬間的に与えて、沸騰気泡の体積膨張を利用して液路先端の吐出口3aから液滴を次々に飛び出させる沸騰気泡ジェット型(例えば、特開昭54−51837号公報等)が採用される。前記ドット塗工用ヘッド3は、パルス状の電圧を印加する圧電素子または発熱抵抗体を、吐出口3aの各宛毎に備えるか、また吐出口3aの複数個を一組として各組毎に備える。前記ドット塗工用ヘッド3は、塗工液供給装置(図示略)が接合され、塗工液供給装置から各塗工用ヘッド内の塗工液用液路へ塗工液が供給されるようになっている
【0022】
前記圧電素子型のドット塗工用ヘッド3は、塗工液の粘度に使用限界があるものの適用液体の種類が多く、また粘度の高い液体を吐出する場合の問題を解決する手段も開発されており、粘度100mPa・s(100cp)までの液体を吐出することが可能である。逆に、沸騰気泡ジェット型はその特性上、使用する液体が限定され、使用範囲が狭い。
【0023】
前記ドット塗工用ヘッド3は、液滴を飛び出させる時間帯を設定する方式として、パルス状の電圧を印加して吐出口3aから液滴を飛び出させる飛翔時間帯と電圧を印加しないで吐出口3aから液滴を飛び出させない休止時間帯とを交互に設定するドロップオンデマンド型、または、休止時間帯を設けることなくパルス状の電圧を連続して印加するコンティニュアス型(例えば、特開昭55−37352号公報等)が採用される。パルス状の電圧は、制御器6からドット塗工用ヘッド3の圧電素子または発熱抵抗体のドライバーに発せられる。前記ドット塗工用ヘッド3は、パルス状の電圧を印加する圧電素子または発熱抵抗体を選択することで、液滴を飛び出させる吐出口3aを選択して、任意の塗工パターンを得ることができる。パルス状の電圧を印加する圧電素子または発熱抵抗体の選択は、制御器6に内蔵したコンピュータ−に組み込まれたプログラムに従って行うことができる。
【0024】
更に、前記ドット塗工用ヘッド3は、吐出口3aから飛び出した液滴に空気流による飛翔力を与え、液滴の噴射速度を向上させることもある(例えば、特公昭57−20906号公報等)。
【0025】
本発明塗工装置1は、シート状の被塗工物W1に塗着した塗工層を乾燥又は硬化させるための処理装置7が必要に応じて設けられ、処理装置7を走行路R1が貫通するようにしてある。処理装置7としては、通過するシート状の被塗工物W1をノズルから吹き出すガスで浮揚状態に支持するタイプのもの、または、複数本のガイドロールでシート状の被塗工物W1を案内するタイプのもの等が採用される。
【0026】
本発明塗工装置1は、走行路R1を走行するシート状の被塗工物W1の表面に、先ず膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着し、その後に、該表面から離隔したドット塗工用ヘッド3の各吐出口3aから次々と飛び出す液滴を塗着させることで、被塗工物W1と各吐出口3aの接触を無くした状態で、図2乃至図5に示す塗工パターンで所望層厚みの膜状塗工層F1及び液滴塗工層F2を得る下記の本発明塗工方法を実施することができる。
【0027】
(本発明塗工方法の第1の実施の形態)
図2及び図3は本発明塗工方法の第1の実施の形態で得た塗工パターンを示す平面図である。図2(A)は被塗工物W1の表面に、被塗工物幅方向(矢符B方向)に沿う塗工域Dの全域に亙って被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って膜状塗工層F1を形成すると共に、膜状塗工層F1の上の全体に液滴塗工層F2を重ね合わせるように形成したものである。図2(B)は被塗工物W1の表面に、被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って延びる未塗工域W1bを残して塗工域Dを複数に分割した各分割域W1cの全域に長手方向(矢符A方向)へ沿って膜状塗工層F1を形成すると共に、各膜状塗工層F1の上の全体に液滴塗工層F2を重ね合わせるように形成したものである。図3(A)は被塗工物W1の表面に、塗工域Dの全域に亙って被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って膜状塗工層F1を形成すると共に、膜状塗工層F1の上に平面形状が適宜形状(図示の場合は四角形)からなる複数の液滴塗工層F2を点在させて形成したものである。図3(B)は被塗工物W1の表面に、塗工域Dの全域に亙って被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って膜状塗工層F1を形成すると共に、膜状塗工層F1の上に幅方向(矢符B方向)に延びる平面形状が四角形の液滴塗工層F2を断続的に形成したものである。
【0028】
本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図1に示す本発明塗工装置1を用いて実施され、膜状塗工層F1を形成した後に、続けて、液滴塗工層F2を形成するものである。本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図1に示す走行路R1を走行する被塗工物W1の表面の塗工域Dに、膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着して図2(A)に示す膜状塗工層F1を形成し、膜状塗工層F1の表面の全体(図2(A)(B)の場合)又は一部(図3(A)(B)の場合)に、ドット塗工用ヘッド3の複数個の吐出口3aの各々から次々と飛び出す液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成することである。膜状塗工層F1は、図2(A)及び図3(A)(B)に示す如く、被塗工物W1の両耳端部W1a,W1aを除く塗工域Dの全域で走行方向(矢符A方向)へ連続的に形成するか、または、図2(B)に示す如く、未塗工域W1bを残して塗工域Dを複数に分割した各分割域W1cの全域で被塗工物W1の走行方向(矢符A方向)へ連続的に形成する。液滴塗工層F2は、膜状塗工層F1の上に重なり合うように形成される。なお、図2(A)(B)は、後で塗工した液滴塗工層F2の一部を切り取って図示してある。
【0029】
前記ドット塗工用ヘッド3は、図3(A)に示すように液滴塗工層F2を点在させ形成するか、または、同図(B)に示すように液滴塗工層F2を走行方向(矢符A方向)へ沿って間欠的(断続的)に形成することもある。前記ドット塗工用ヘッド3は、オンデマンド型を採用するとき、パルス状の電圧を印加する飛翔時間帯に吐出口3aから液滴を次々と飛び出させて液滴塗工層F2を形成し、電圧を印加しない休止時間帯に未塗工域を形成する。このとき、ドット塗工用ヘッド3は、制御器6(図1(B)参照)から指令を受けて、複数個の吐出口3aの中から吐出口3aを選択し、この選択した吐出口3aから設定した時間帯に液滴を次々と飛び出させて液滴塗工層F2を形成する。また、連続噴射型を採用するときには、吐出口3aから飛び出す液滴を被塗工物W1へ直進させて液滴塗工層F2を形成すると共に、吐出口3aから飛び出す液滴を被塗工物W1へ到達させないように進行方向を偏向してガータ(図示略)等で回収して未塗工域を形成する。
【0030】
本実施の形態に係る本発明塗工方法にあっては、走行路R1(図1参照)を走行する被塗工物W1の表面に対して、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成する膜状塗工工程と、被塗工物W1の表面に対して、被塗工物W1の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口3aの各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成する液滴塗工工程とをこの順番で連続して行うことにより、被塗工物W1の表面に形成した膜状塗工層F1の上に、各吐出口3aの接触の無い状態で所望層厚みの液滴塗工層F2を図2及び図3に示すような塗工パターンで重ね合わせるようにして塗工できる。
【0031】
(本発明塗工方法の第2の実施の形態)
図4は本発明塗工方法の第2の実施の形態で得た塗工パターンを示す平面図であり、被塗工物W1の表面に、複数の膜状塗工層F1と複数の液滴塗工層F2とを重ね合わせないようにして交互に形成したものである。
【0032】
本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図1に示す本発明塗工装置1を用いて実施され、膜状塗工層F1を形成した後に、続けて、液滴塗工層F2を形成するものである。本実施の形態に係る本発明塗工方法は、走行する被塗工物W1の表面の部分的な第1塗工域W1dに、図1に示す膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成し、被塗工物W1の表面の該第1塗工域W1dを除く第2塗工域W1eに、ドット塗工用ヘッド3の複数個の吐出口3aから設定した時間帯に次々と飛び出す液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成することである。本発明塗工方法は、第1塗工域W1d及び第2塗工域W1e以外に、矢符B方向に延びる未塗工域W1fを形成してある。本発明塗工方法は、未塗工域W1fを形成しないこともある。なお、ドット塗工用ヘッド3は、複数個の吐出口3aの中で選択した吐出口3aから設定した時間帯に次々と飛び出す液滴を塗着して適宜平面形状の液滴塗工層F2を点在的に形成することもある。
【0033】
前記ドット塗工用ヘッド3の作動は、オンデマンド型を採用するとき、パルス状の電圧を印加する飛翔時間帯に吐出口3aから液滴を次々と飛び出させて塗工層F2を形成し、電圧を印加しない休止時間帯に未塗工域W1fを形成する。また、連続噴射型を採用するときには、吐出口3aから飛び出す液滴を被塗工物W1へ直進させて塗工層F2を形成し、吐出口3aから飛び出す液滴を被塗工物W1へ到達させないように進行方向を偏向してガータ(図示略)等で回収して未塗工域W1fを形成する。
【0034】
本実施の形態に係る本発明塗工方法にあっては、走行路R1(図1参照)を走行する被塗工物W1の表面に対して、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成する膜状塗工工程と、被塗工物W1の表面に対して、被塗工物W1の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口3aの各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成する液滴塗工工程とをこの順番で連続して行うことにより、被塗工物W1と各吐出口3aの接触がなく、所望層厚みの液滴塗工層F2とを図4に示す塗工パターンの如く重ね合わせることなく交互に得ることができる。
【0035】
(本発明塗工方法の第3の実施の形態)
図5は本発明塗工方法の第3の実施の形態で得た塗工パターンを示す平面図であり、被塗工物W1の表面に、膜状塗工層F1と液滴塗工層F2を重複領域W1kで重合させつつ交互に形成したものであり、(A)は塗工領域Dの全域に亙って塗工層F1,F2を形成し、(B)は未塗工域W1mを被塗工物W1の被塗工物長手方向(矢符A方向)に沿って形成してある。なお、図5(A)(B)は、後で塗工した液滴塗工層F2の一部を切り取って図示してある。
【0036】
本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図1に示す本発明塗工装置1を用いて実施され、走行する被塗工物W1の上流側で膜状塗工層F1を先ず形成し、その後に続けて、下流側で液滴塗工層F2を形成するものである。本実施の形態に係る本発明塗工方法は、その表面に重複領域W1kを挟んで第1塗工領域W1gと第2塗工領域W1hを交互に形成するように走行する被塗工物W1に対して、被塗工物W1の第1塗工領域W1g及び該第1塗工領域W1gに隣接する重複領域W1k,W1kに、図1に示す膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を間欠的に形成し、その後に被塗工物W1の第2塗工領域W1h及び該第2塗工領域W1hに隣接する重複領域W1k,W1kに、ドット塗工用ヘッド3の複数個の吐出口3aの中で選択した吐出口3aから設定した時間帯に次々と飛び出す液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成することにより、膜状塗工層F1と液滴塗工層F2を重複領域W1kで重合させつつ交互に形成するものである。重複領域W1kでは、膜状塗工層F1の上に液滴塗工層F2が積層するように形成される。同図(B)は未塗工域W1mを被塗工物W1の走行方向(矢符A方向)に沿って形成してある。なお、本発明塗工方法で得た塗工済シートの一例としは、被塗工物W1を合成樹脂フィルムからなる可撓性とし、膜状塗工層F1を導電性とし、液滴塗工層F2を絶縁性とすることで、電池等に用いる電極の素材とすることができる。
【0037】
前記ドット塗工用ヘッド3の作動は、オンデマンド型を採用するとき、または連続噴射型を採用するときも、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態と実質的に同一であるので、ここでの説明を省略する。
【0038】
本実施の形態に係る本発明塗工方法にあっては、走行路R1(図1参照)を走行する被塗工物W1の表面に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成する膜状塗工工程と、被塗工物W1の表面に、被塗工物W1の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口3aの各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成する液滴塗工工程とをこの順番で連続して行うことにより、膜状塗工層F1と各吐出口3aの接触がなく、所望層厚みの膜状塗工層F1と液滴塗工層F2とを両者の隣接部で重ね合わせて交互に得ることができる。
【0039】
(本発明塗工装置の第2の実施の形態)
図6は本発明塗工装置の第2の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。本実施の形態に係る本発明塗工装置21が前記第1の実施の形態に係る本発明塗工装置1(図1参照)と相違する点は、走行路R1の上流側にドット塗工用ヘッド3を設けると共に、その下流側に膜状塗工用ヘッド2を設けたことである。この相違点以外の構成は、本発明塗工装置1と実質的に同一であり、図1に示す符号と同一の符号は同一の構成部材等を示す。
【0040】
本発明塗工装置21は、走行路R1を走行するシート状の被塗工物W1の表面に、先ずドット塗工用ヘッド3の各吐出口3aから次々と飛び出す液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成し、その後に、膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着し、図7乃至図9に示す塗工パターンで所望層厚みの膜状塗工層F1及び液滴塗工層F2を得る下記の本発明塗工方法を実施することができる。
【0041】
(本発明塗工方法の第4の実施の形態)
図7及び図8は本発明塗工方法の第4の実施の形態で得た塗工パターンを示す平面図である。図7(A)は被塗工物W1の表面に、被塗工物幅方向(矢符B方向)の塗工域Dの全域に亙って被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って液滴塗工層F2を形成すると共に、液滴塗工層F2の上の全体に膜状塗工層F1を重ね合わせるように形成したものである。図7(B)は被塗工物W1の表面に、被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って延びる未塗工域W1bを残して塗工域Dを複数に分割した各分割域W1cの全域に長手方向(矢符A方向)へ沿って液滴塗工層F2を形成すると共に、各液滴塗工層F2の上の全体に膜状塗工層F1を重ね合わせるように形成したものである。図8(A)は被塗工物W1の表面に、平面形状が適宜形状(図示の場合は四角形)からなる複数の液滴塗工層F2を点在させて形成すると共に、各液滴塗工層F2に上に重ね合わせて、被塗工物幅方向(矢符B方向)の塗工域Dの全域に亙って被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って膜状塗工層F1を形成したものである。図8(B)は被塗工物W1の表面に、幅方向(矢符B方向)に延びる平面形状が四角形の液滴塗工層F2を断続的に形成すると共に、各液滴塗工層F2に上に重ね合わせて、被塗工物幅方向の塗工域Dの全域に亙って被塗工物長手方向(矢符A方向)へ沿って膜状塗工層F1を形成したものである。
【0042】
本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図6に示す本発明塗工装置21を用いて実施され、先ず液滴塗工層F2を形成し、その後に続けて、膜状塗工層F1を形成するものである。本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図6に示す走行路R1を走行する被塗工物W1の表面の塗工域Dの全体(図7(A)および図8(B)の場合)又は一部(図7(B)および図8(A)の場合)に、ドット塗工用ヘッド3の複数個の吐出口3aの各々から次々と飛び出す液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成し、続けて、膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成することである。膜状塗工層F1は、図7(A)及び図8(A)(B)に示す如く、被塗工物W1の両耳端部W1a,W1aを除く塗工域Dの幅方向全域で走行方向(矢符A方向)へ連続的に形成するか、または、図7(B)に示す如く、未塗工域W1bを残して塗工域Dを複数に分割した各分割域W1cの全域で走行方向(矢符A方向)へ連続的に形成される。膜状塗工層F1は、液滴塗工層F2の上に重なり合うように形成される。なお、図7及び図8は、後で塗工した膜状塗工層F1の一部を切り取って図示してある。
【0043】
前記ドット塗工用ヘッド3は、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態と同様に、図8(A)に示すように液滴塗工層F2を点在させ形成するか、または、同図(B)に示すように液滴塗工層F2を走行方向(矢符A方向)へ沿って間欠的(断続的)に形成する。
【0044】
本実施の形態に係る本発明塗工方法にあっては、走行路R1(図6参照)を走行する被塗工物W1の表面に、被塗工物W1の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口3aの各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成する液滴塗工工程と、被塗工物W1の表面に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成する膜状塗工工程とをこの順番で連続して行うことにより、被塗工物W1の表面に、各吐出口3aの接触の無い状態で所望層厚みの液滴塗工層F2を形成し、この液滴塗工層F2の上に、膜状塗工層F1を塗着することで、図7及び図8に示すような塗工パターンで重ね合わせるようにして塗工できる。
【0045】
前記ドット塗工用ヘッド3の作動は、オンデマンド型を採用するとき、または連続噴射型を採用するときも、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態と実質的に同一であるので、ここでの説明を省略する。
【0046】
(本発明塗工方法の第5の実施の形態)
図9は本発明塗工方法の第5の実施の形態で得た塗工パターンを示す平面図であり、被塗工物W1の表面に、液滴塗工層F2と膜状塗工層F1を重複領域W1kで重合させつつ交互に形成したものであり、(A)は塗工領域Dの全域に亙って塗工層F1,F2を形成し、(B)は未塗工域W1mを被塗工物W1の被塗工物長手方向(矢符A方向)に沿って形成してある。
【0047】
本実施の形態に係る本発明塗工方法は、図6に示す本発明塗工装置21を用いて実施され、走行する被塗工物W1の上流側で液滴塗工層F2を先ず形成し、その後に続けて、下流側で膜状塗工層F1を形成するものである。本実施の形態に係る本発明塗工方法は、その表面に重複領域W1kを挟んで第1塗工領域W1gと第2塗工領域W1hを交互に形成するように走行する被塗工物W1に対して、被塗工物W1の第1塗工領域W1g及び該第1塗工領域W1gに隣接する重複領域W1k,W1kに、図6に示すドット塗工用ヘッド3の複数個の吐出口3aの中で選択した吐出口3aから設定した時間帯に次々と飛び出す液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成し、その後に被塗工物W1の第2塗工領域W1h及び該第2塗工領域W1hに隣接する重複領域W1k,W1kに、膜状塗工用ヘッド2で塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を間欠的に形成することにより、液滴塗工層F2と膜状塗工層F1を重複領域W1kで重合させつつ交互に形成するものである。重複領域W1kでは、液滴塗工層F2の上に膜状塗工層F1が積層するように形成される。同図(B)は未塗工域W1mを被塗工物W1の走行方向(矢符A方向)に沿って形成してある。
【0048】
前記ドット塗工用ヘッド3の作動は、オンデマンド型を採用するとき、または連続噴射型を採用するときも、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態と実質的に同一であるので、ここでの説明を省略する。
【0049】
本実施の形態に係る本発明塗工方法にあっては、走行路R1(図6参照)を走行する被塗工物W1の表面に、被塗工物W1の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口3aの各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層F2を形成する液滴塗工工程と、被塗工物W1の表面に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層F1を形成する膜状塗工工程とをこの順番で連続して行うことにより、膜状塗工層F1と各吐出口3aの接触がなく、所望層厚みの液滴塗工層F2と膜状塗工層F1とを部分的に重ね合わせて交互に得ることができる。
【0050】
(本発明塗工装置の第3の実施の形態)
図10は本発明塗工装置の第3の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。本実施の形態に係る本発明塗工装置31が前記本発明塗工装置の第1の実施の形態に係る本発明塗工装置1(図1参照)と大きく相違する点は、塗工ロール33を備えたロール塗工ヘッドで膜状塗工用ヘッド32を構成したことである。この相違点以外の構成は、本発明塗工装置1(図1参照)と実質的に同一であり、図1に示す符号と同一の符号は同一の構成部材等を示す。
【0051】
本発明塗工装置31は、被塗工物W1の走行路R1と対面する一方の外側に、走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って延設され、塗工液を膜状に塗着させる膜状塗工用ヘッド32と、走行路R1から離隔して走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って設けた複数個の吐出口3aから液滴(図示略)を走行路R1へ向かって飛び出させるドット塗工用ヘッド3とを配設したものである。本実施例では、走行路R1の上流側に膜状塗工用ヘッド32を設けると共に、その下流側にドット塗工用ヘッド3を設けることで、両塗工用ヘッド32,3を並設してある。
【0052】
前記膜状塗工用ヘッド32は、被塗工物W1の走行方向と逆方向へ回転する塗工ロール33と、塗工ロール33が浸漬する塗工液槽34と、塗工液槽34を通過する塗工ロール33の外周面33aに付着した塗工液層の厚みを調節する計量ロール35とからなり、低粘度乃至中粘度の塗工液に適したボトムフィード型リバース塗工方式のものである。膜状塗工用ヘッド32は、バックアップロール4に向かって進退自在に配置して、被塗工物W1に塗工液を膜状に塗着する塗工位置から被塗工物W1に塗工液を塗着させない待機位置まで間を移動できるようにして、被塗工物W1に膜状塗工層と非塗工域とを交互に形成する間欠塗工ができるようにすることもある。また、膜状塗工用ヘッド32は、塗工ロール33の外周面33aに環状の凹溝を設けることにより、被塗工物W1の走行方向(矢符A方向)に沿って塗工液を塗工しない未塗工部分を該環状の凹溝の部分で形成することもできる。
【0053】
本発明塗工装置31を用いることにより、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態(図2及び図3参照)、前記本発明塗工方法の第2の実施の形態(図4参照)および前記本発明塗工方法の第3の実施の形態(図5参照)と実質的に同一の塗工方法を実施することができる。
【0054】
(本発明塗工装置の第4の実施の形態)
図11は本発明塗工装置の第4の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。本実施の形態に係る本発明塗工装置41が前記本発明塗工装置の第1の実施の形態に係る本発明塗工装置1(図1参照)と大きく相違する点は、膜状塗工用ヘッド42を塗工ロール43を備えたロール塗工ヘッドで構成したことである。この相違点以外の構成は、本発明塗工装置1(図1参照)と実質的に同一であり、図1に示す符号と同一の符号は同一の構成部材等を示す。
【0055】
本発明塗工装置41は、被塗工物W1の走行路R1と対面する一方の外側に、走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って延設され、塗工液を膜状に塗着させる膜状塗工用ヘッド42と、走行路R1から離隔して走行路R1を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って設けた複数個の吐出口3aから液滴(図示略)を走行路R1へ向かって飛び出させるドット塗工用ヘッド3とを配設したものである。本実施例では、走行路R1の上流側に膜状塗工用ヘッド42を設けると共に、その下流側にドット塗工用ヘッド3を設けることで、両塗工用ヘッド42,3を並設してある。
【0056】
前記膜状塗工用ヘッド42は、被塗工物W1の走行方向(矢符A方向)と逆方向へ回転する塗工ロール43と、塗工ロール33の外周面43aに付着した塗工液層の厚みを調節する計量ロール45と、塗工ロール43と計量ロール45と間の上方に塗工液を溜める液溜部44とからなり、高粘度の塗工液に適したトップフィード型リバース塗工方式のものである。膜状塗工用ヘッド42は、バックアップロール4に向かって進退自在に配置して、被塗工物W1に塗工液を膜状に塗着する塗工位置から被塗工物W1に塗工液を塗着させない待機位置まで間を移動できるようにして、被塗工物W1に膜状塗工層と非塗工域とを交互に形成する間欠塗工ができるよにすることもある(特開2001−293411号公報参照)。また、膜状塗工用ヘッド42は、塗工ロール33の外周面33aに環状の凹溝を設けると共に、環状の凹溝に溜まる塗工液を凹溝内から排除する吸引装置等の排除機構を設けることにより、被塗工物W1の走行方向(矢符A方向)に沿って塗工液を塗工しない未塗工部分を該環状の凹溝の部分で形成することも可能である。
【0057】
本発明塗工装置41を用いることにより、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態(図2及び図3参照)、前記本発明塗工方法の第2の実施の形態(図4参照)および前記本発明塗工方法の第3の実施の形態(図5参照)と実質的に同一の塗工方法を実施することができる。
【0058】
(本発明塗工装置の第5の実施の形態)
図12は本発明塗工装置の第5の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。本実施の形態に係る本発明塗工装置51は、走行するプラスチック板若しくはガラス板等の板状からなる枚葉の被塗工物W2の片面に膜状塗工用ヘッド2及びドット塗工用ヘッド3で塗工液を塗工するものである。
【0059】
本発明塗工装置51は、被塗工物W2の走行路R2と対面する一方の外側(図示の場合には上方)に、走行路R2を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って延設され、塗工液を膜状に塗着させる膜状塗工用ヘッド2と、走行路R2から離隔して走行路R2を横断する左右方向(矢符B方向)に沿って設けた複数個の吐出口3aから液滴(図示略)を走行路R2へ向かって飛び出させるドット塗工用ヘッド3とを配設したものである。本実施例では、走行路R2の上流側に膜状塗工用ヘッド2を設けると共に、その下流側にドット塗工用ヘッド3を設けることで、両塗工用ヘッド2,3を並設してある。
【0060】
該走行路R2は、後方の搬入用搬送装置52と、中間の塗工用搬送装置53と、前方の搬出用搬送装置54とから形成されている。搬送装置52,53,54の各々は、前後の案内ローラ55,55に無端ベルト56を張架して構成され、回転駆動する無端ベルト56で被塗工物W2を所定速度で走行させるようにしてある。なお、搬送装置52,53,54の各々は、図示は省略したが、通気性の無端ベルトと、無端ベルトの裏面側に配置した吸引箱とを備え、無端ベルトの搬送面に被塗工物W2を吸着した状態で搬送できるようにし、被塗工物W2を垂直方向又は傾斜方向へ走行できるようにすることも可能である。また、走行路R2は、枚葉の被塗工物W2を吸引保持して走行する吸盤の吸引面側に形成することもある。
【0061】
前記膜状塗工用ヘッド2(ダイ方式)及びドット塗工用ヘッド3は、前記本発明塗工装置の第1の実施の形態(図1参照)で用いたものと実質的に同一であるので、ここでの説明を省略する。ドット塗工用ヘッド3は、第1の実施の形態と同様に、複数個の吐出口3aの中で選択した吐出口3aから設定した時間帯に液滴を飛び出させる制御器6を備えている。本発明塗工装置51は、中間の塗工用搬送装置53に搬入・搬出される被塗工物W2を検知する検知装置57が設けられ、検知装置57の検知信号に基づいて膜状塗工用ヘッド2及びドット塗工用ヘッド3の塗工開始・停止を制御して、所望の塗工パターンが得られるようにしてある。本発明塗工装置51は、塗工用搬送装置53の外側にドット塗工用ヘッド3を設けることにより、塗工用搬送装置53で安定走行する枚葉の被塗工物W2にドット塗工用ヘッド3を接触させることなく安定した塗工ができる。
【0062】
本実施の形態に係る本発明塗工装置51は、枚葉の被塗工物W2の片面について、前記本発明塗工方法の第1の実施の形態(図2及び図3参照)、前記本発明塗工方法の第2の実施の形態(図4参照)および前記本発明塗工方法の第3の実施の形態(図5参照)と実質的に同一の塗工方法を実施することができる。なお、走行する前方の被塗工物W2と後方の被塗工物W2との間に隙間があるときには、前後の被塗工物W2,W2の走行と共に該隙間の部分が、ダイ方式の膜状塗工用ヘッド2及びドット塗工用ヘッド3と対向する領域を通過するときに、膜状塗工用ヘッド2の吐出口2a及びドット塗工用ヘッド3の吐出口3aから該隙間に向かって液滴を吐出又は飛び出させないようにするとよい。
【0063】
(本発明塗工装置のその他の実施の形態)
前記本発明塗工装置の第3の実施の形態(図10)、前記本発明塗工装置の第4の実施の形態(図11)及び前記本発明塗工装置の第5の実施の形態(図12)は、走行路R2(R3)の上流側に膜状塗工用ヘッド32(42,2)を設けると共に、その下流側にドット塗工用ヘッド3を設けているが、これに限定するものではなく、図示は省略したが、走行路R2(R3)の上流側にドット塗工用ヘッド3を設けると共に、その下流側に膜状塗工用ヘッド32(42,2)を設けることも勿論可能である。この場合には、前記本発明塗工方法の第2の実施の形態(図4参照)、前記本発明塗工方法の第4の実施の形態(図7および図8参照)および前記本発明塗工方法の第5の実施の形態(図9参照)と実質的に同一の塗工方法を実施することができる。
【0064】
また、ドット塗工用ヘッド3は、その複数組を並設して、塗工能力を向上させることも勿論可能である。
【0065】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明塗工方法は、液滴塗工工程と膜状塗工工程とを連続して行うことで、被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を重ね合わせるように連続して塗工できる。
【0066】
請求項2記載の本発明塗工方法は、液滴塗工層を部分的に形成できると共に、液滴塗工層の塗工パターンを容易に変更できる。
【0067】
請求項3記載の本発明塗工方法は、膜状塗工工程と液滴塗工工程とを連続して行うことで、被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を重ね合わすことなく交互に連続して塗工できる。
【0068】
請求項4記載の本発明塗工方法は、液滴塗工工程と膜状塗工工程とを連続して行うことで、被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を隣接部で重ね合わせて交互に連続して塗工できる。
【0069】
請求項5記載の本発明塗工方法は、枚葉の被塗工物に対して液滴塗工工程と膜状塗工工程とを連続して行うことで、枚葉の被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を連続して塗工できる。
【0070】
請求項6記載の本発明塗工装置は、ドット塗工用ヘッドによる塗工と膜状塗工用ヘッドによる塗工を連続して行うことができるので、被塗工物に対して二種類の塗工層(膜状塗工層と液滴塗工層)を連続して塗工できるようになる。
【0071】
請求項7記載の本発明塗工装置は、ドット塗工用ヘッドの液滴を飛び出させる吐出口を制御器で適宜選択できるので、塗工パターンの変更が容易にできる。
【0072】
請求項8記載の本発明塗工装置は、ダイのスリットからの塗工液の吐出を停止することで未塗工域を形成し、ダイのスリットから塗工液を吐出することで膜状塗工層を得ることができるため、未塗工域を形成しつつ膜状塗工層を得る間欠塗工が容易にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明塗工装置の第1の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図、同図(C)はドット塗工用ヘッドの吐出口が設けられた外側面を示す図である。
【図2】(A)及び(B)の各々は、本発明塗工方法の第1の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図3】(A)及び(B)の各々は、本発明塗工方法の第1の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図4】本発明塗工方法の第2の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図5】(A)及び(B)の各々は、本発明塗工方法の第3の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図6】本発明塗工装置の第2の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。
【図7】(A)及び(B)の各々は、本発明塗工方法の第4の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図8】(A)及び(B)の各々は、本発明塗工方法の第4の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図9】(A)及び(B)の各々は、本発明塗工方法の第5の実施の形態で得た塗工パターンを示すものである。
【図10】本発明塗工装置の第3の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。
【図11】本発明塗工装置の第4の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す平面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。
【図12】本発明塗工装置の第5の実施の形態を示すものであり、同図(A)は概略的に示す正面図、同図(B)は概略的に示す側面図である。
【符号の説明】
W1,W2…被塗工物、R1,R2…走行路、2(32,42)…膜状塗工用ヘッド、3…ドット塗工用ヘッド、2a…先端開口部、3a…吐出口、6…制御器、57…検知装置、F1…膜状塗工層、F2…液滴塗工層
Claims (8)
- 走行する被塗工物の表面に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層を形成する膜状塗工工程と、該被塗工物の表面に、該被塗工物の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口の各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層を形成する液滴塗工工程とからなり、これら工程のいずれか一方の工程を先に行い、その後に他方の工程を行うことで、前記膜状塗工層と前記液滴塗工層とを重ね合わすことを特徴とする塗工方法。
- 前記液滴塗工工程は、複数個の塗工用吐出口の中で選択した吐出口から設定した時間帯に液滴を次々と飛び出す請求項1記載の塗工方法。
- 走行する被塗工物の表面の第1塗工領域に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層を形成する膜状塗工工程と、該被塗工物の表面の該第1塗工域を除く第2塗工域に、該被塗工物の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口の各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層を形成する液滴塗工工程とからなり、これら工程の何れか一方の工程を先に行い、その後に他方の工程を行うことで、前記膜状塗工層と前記液滴塗工層とを交互に形成することを特徴とする塗工方法。
- その表面に重複領域を挟んで第1塗工領域と第2塗工領域を交互に形成して走行する被塗工物に対して、第1塗工領域及び該第1塗工領域に隣接する重複領域に、塗工液を膜状に塗着して膜状塗工層を形成する膜状塗工工程と、被塗工物の第2塗工領域及び該第2塗工領域に隣接する重複領域に、該被塗工物の表面から離隔して被塗工物走行方向と交差する方向に沿って設けた複数個の塗工用吐出口の各々から次々と飛び出す塗工液の液滴を塗着して液滴塗工層を形成する液滴塗工工程とからなり、これら工程の何れか一方の工程を先に行い、その後に他方の工程を行うことで、前記膜状塗工層と前記液滴塗工層を重複領域で重ね合わせつつ交互に形成することを特徴とする塗工方法。
- 前記被塗工物は適宜大きさの枚葉物であり、次々と走行する各葉毎に前記膜状塗工層及び前記液滴塗工層を形成する請求項1,2,3又は4記載の塗工方法。
- 被塗工物の走行路と対面する一方の外側に、該走行路を横断する方向に沿って延設され、塗工液を膜状に塗着させる膜状塗工用ヘッドと、該走行路から離隔して該走行路を横断する方向に沿って設けた複数個の吐出口から液滴を走行路へ向かって飛び出させるドット塗工用ヘッドとを配設し、該走行路の上流側に、これら塗工用ヘッドの何れか一方を設け、該シート走行路の下流側に、他方を設けたことを特徴とする塗工装置。
- 前記ドット塗工用ヘッドは、複数個の吐出口の中で選択した吐出口から設定した時間帯に液滴を飛び出させる制御器を備えた請求項6記載の塗工装置。
- 前記膜状塗工用ヘッドは、スリットの先端開口部から塗工液を間欠的に吐出するダイを備えた請求項6又は7記載の塗工装置。
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