JP2004537572A - 酸の存在下、水性媒体中のグルテンからグリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションを製造する方法 - Google Patents

酸の存在下、水性媒体中のグルテンからグリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションを製造する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、酸の存在下、水性媒体中のグルテンから、グリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションを製造する方法であって、5〜30%の乾燥物質含有量で、グルテンを連続的に又は不連続的に水に分散させ、そのことによって、分散体のpHを4.4〜4.8に調整し、グルテン−水の混合物をせん断作用に付し、そのことによって、分散体を連続的に又は不連続的に、グリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションに、分別することができ、そのことによって、少なくとも2.5のグリアジン/グルテニン比を有する一つのグリアジンに富むフラクションが得られ、0.8未満のグリアジン/グルテニン比を有する一つのグルテニンに富むフラクションが得られることを特徴とする製造方法を提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、酸の存在下、水性媒体中のグルテンから、グリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションを製造する改良された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許明細書及び科学文献に、小麦グルテンをグリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションとに分離する(又は分別する)ための方法が記載されている。これらのフラクション(画分もしくは区分:fraction)の利用も、多くの特許明細書と科学文献の主題(又はテーマ)である。
【0003】
実験室規模(又はラボスケール)において、種々の溶媒と異なる条件を用いる多くの技術が、二つのフラクションを分離するために検討されてきた。「Proteines vegetales」(1985), p.161-210 という刊行物で、Pipineau は、これらの技術の詳細な検討を報告したが、多くの場合、これらの技術を商業規模に外挿することはできない。なぜならば、それらは食品の製造に許容されない溶媒を一般に使用し、また、(医薬業で使用するには適当であるが)コストが高いので食品産業では使用することができない分取クロマトグラフ等の工程を含むからである。
【0004】
食品成分を製造する際に使用が許容されている溶媒の中で、水−アルコール混合物、酢酸溶液は、たんぱく質フラクションを分離する能力が実験室規模で試験されている。
【0005】
欧州特許明細書 EP 685 164 は、30〜70体積%の濃度のエタノール水溶液、10〜20体積%の濃度のイソプロピルアルコールもしくはn−プロパノール水溶液、又は20〜50体積%の濃度のアセトン水溶液を使用する抽出法を開示し、80%以上の濃度のグリアジンを有するフラクションが製造された。抽出は5〜30体積%の濃度を有し、pH3.5〜5.5のエタノール酸性水溶液を用いて行うこともでき、50%以上の濃度のグリアジンのフラクションを得ることができた。使用可能な酸として、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アジピン酸、フマル酸、酒石酸、グルコン酸、リン酸及びフィチン酸が例示されている。
【0006】
引火性の溶媒を用いると、安全性に関する追加手段を必要とするので、そのような溶媒を用いなければならないプロセスを有さないことは、長所として考慮される。
【0007】
そのようなプロセスは、C. de Meester による 「Industries Alimentaires et Agricoles」 (1974) に記載されており、そのプロセスでは、0.01〜0.1M酢酸溶液が、生きている小麦グルテンからたんぱく質を抽出するために使用される。1〜8時間の抽出時間後、最終収率は、20〜55%である。可溶性フラクションであるグリアジンに富むものは、中性のpHで、沈殿させることで回収された。不溶化グリアジンは、極めてスティッキー(又は粘着性)なので、そのような技術は産業上の応用に好適ではなく、たんぱく質沈殿工程は、回収プロセスにおいて避けなければならない。この方法は、実験室規模では精巧に作られているが、商業規模では行えない。
【0008】
他の溶媒を含まないプロセスは、国際公開 WO 9710260 に記載されている。この出願は、小麦グルテンを分別する方法を開示する。この方法に基づいて、まず、小麦グルテンを、還元剤の存在下、第一の酸性pHにて水性酸性媒体中に分散し、グルテンたんぱく質中のジスルフィド結合を還元する。その後、分散体のpHを該第一pHより上の第二レベルに上げ、分散中に懸濁したグリアジンを残しながら、グルテニンを沈殿させ、最後に、グルテニンとグリアジンを各々のフラクション(又は区分)に分離する。
【0009】
欧州特許明細書 EP 992 193 も、pHが4.5以下であって、0.1〜10%重量/体積(0.1 to 10 % weight/volume)の少なくとも一種の有機酸を含む水溶液を使用する水性抽出法(aqueous extraction method)を開示する。選択可能な酸として、クエン酸、乳酸、リンゴ酸及び酢酸が例示されているが、リン酸及びその塩も例示されている。この出願は、そのような水性抽出をいかに行うかということに関し、詳細を開示していない。
【0010】
「Intern. Journal of Food Science & Technology」(1994),p. 489-502 にて Berot 他は、酸性水溶液を用いる、グルテンを分別するパイロットスケール(又は試験的規模)のプロセスを記載する。この刊行物に基づくと、小麦グルテンと薄い酸溶液は、高せん断ミキサーを用いて二分間混合され、連続して30分間撹拌された。水性媒体とグルテンとの比は、7:1〜16:1(体積/重量)の間であった。可溶性のグリアジンに富むフラクションは、ウエストファリア水平遠心デカンター(Westfalia horizontal centrifuge decanter)を用いて分離し、その後残部は、再び水又は希酸と混合し、第二遠心工程に付した。これによって、不溶性のグルテニンに富むフラクションと中間フラクションを生じた。中間フラクションの全体的特徴は、小麦のグルテンから大きく離れていなかった。
【0011】
このプロセスは、グリアジンに富むフラクションを提供するが、副生成物として中間フラクションが得られるので、魅力に乏しい。この副生成物は、収率の点で、重大な短所と考えられる。
【0012】
更に、プロセスの構成が全く複雑であり、好ましくは分別される物質の特性を損なうことなく、当然簡単にすべきである。
【0013】
Berot のプロセスの複雑な本質から離れて、中間フラクションを新しいグルテンと後混合して再処理できないことが認められた。この中間生成物のリサイクルは、フラクションの純度と品質の低下をもたらすことが確認された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、酸の存在下、水性媒体中のグルテンから、グリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションを製造する方法であって、上述の短所を示さない製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、
酸の存在下、水性媒体中のグルテンから、グリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションを製造する方法であるが、
それによって、グルテンを、5〜30%の乾燥物質含有量で、連続的にもしくは不連続的に、水中に分散し、それによって
・分散体(もしくは分散液)のpHを4.4〜4.8の間に調整(モニター、もしくはモニターして調整)し、
・グルテン−水混合物を、せん断作用に付し、
そのことによって、連続的にもしくは不連続的に、グリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションに、分散体を分別することができ、
そのことによって、少なくとも2.5のグリアジン/グルテニン比を有する一つのグリアジンに富むフラクションが得られ、0.8より小さいグリアジン/グルテニン比を有する一つのグルテニンに富むフラクションを得る
製造方法を提供することで達成される。
【0016】
本発明に基づく好ましい製造方法において、分別後のグルテン分散体の沈殿物(沈降物又は堆積物)の体積は、「スピンテスト(spin test)」で測定して、15〜35%となるように、グルテン−水混合物をせん断作用に付す。
【0017】
本発明に基づく製造方法において、該沈殿物の体積は、20〜30%であることがより好ましい。
【0018】
本発明に基づく他の好ましい製造方法において、該沈殿物は、グルテン分散体中に存する乾燥物質の48〜58%を含んで成る。
【0019】
本発明に基づく製造方法において、該沈殿物は、グルテン分散体中に存する乾燥物質の50〜55%を含んで成ることがより好ましい。
【0020】
本発明に基づく更に他の好ましい製造方法において、分散体のpHは、4.5〜4.7に調整する(モニターする又はモニターして調整する)。
【0021】
本発明に基づく製造方法において、混合手段を用いて、500〜3000rpmの間の速度で60分より短い時間、グルテンと水とを混合することによって、グルテンを好ましく分散させることができる。
【0022】
本発明に基づく製造方法において、30分より短い時間、混合を行うことがより好ましい。
【0023】
本発明に基づく好ましい製造方法において、分散体の分別は、遠心手段(もしくは遠心分離手段)、例えば、自動自己スラッジ除去遠心機(もしくはオートマチック・セルフ−デスラッジング・セントリヒュージ:automatic self-desludging centrifuge)を用いる遠心手段又はデカンター遠心機(decanter centrifuge)を用いる遠心手段を用いて行う。
【0024】
本発明に基づく他の好ましい製造方法において、分散体の乾燥物質含有量は、10〜15%である。
【0025】
本発明に基づく更に他の好ましい製造方法において、酸として、リン酸を使用する。
【0026】
以下、本発明をより詳細に説明する。この詳細な説明の目的は、本発明のより明確な概要を与えることと、更に本発明の長所と詳細を示すことである。また、実施例を明示して用いる。この発明の詳細な説明と実施例の明示は、本発明の利用分野の制限として、また特許請求の範囲で要求する特許権の制限として、解釈してはならない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
この発明の詳細な説明において、添付した図面を参照する。
【0028】
有機酸又は無機酸を用いて酸性にすることができる。使用できる典型的な酸として、酢酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、塩酸、硫酸及びリン酸を例示できるが、それらに制限されるものではない。リン酸を用いることが好ましい。分散体のpHを、4.5〜4.7に調整(モニター又はモニターして調整)することが好ましく、4.6付近に調整することがより好ましい。
【0029】
分散体中のグルテン濃度は、5〜30%重量/体積(w/v)であり、濃度は10〜15%重量/体積であることが好ましい。例えば、本発明のフラクションに分別できる分散体を得るために、十分な時間、500〜3000rpmで回転するナイフを有する混合ブレード又は他の装置を用いて、グルテンと水とを混合することで、小麦グルテンを分散させることができる。
【0030】
機械的インプットと混合条件は、得られる分散体が、グリアジン/グルテニン比が少なくとも2.5であるグリアジンに富むフラクションと、0.8より小さいグリアジン/グルテニン比を示すグルテニンに富むフラクションとに分別できるように、選択しなければならない。標準的グルテン組成物では、グリアジン/グルテニン比は、典型的には1〜1.3である。これらの種々の小麦たんぱく質の種類は、以下に説明する分析方法を用いて測定される。
【0031】
本発明の製造方法は、グリアジン、グルテニン、アルブミン及びグロブリンを分離するために、種々の溶媒に、小麦たんぱく質種の溶解性が異なることを利用する。種々の溶媒中のたんぱく質の分配(又は分布)は、ケルダール分析法(Kjeldahl analysis)によって定量する。
【0032】
装置:
・40mlのポリプロピレン製遠心管
・遠心機(15000gで回転可能)
・化学天秤
・0.5M Nacl
・1.5%SDS溶液
・95%エタノール
・10℃の恒温室(incubation chamber)
・ケルダール装置(Kjeldahl apparatus)
・ケルダールタブレット(Kjeldahl tablet)
【0033】
方法(図2に示した):
全ての抽出を、室温で30分間行う。
・±40mlのPP遠心管にサンプルを秤量する。±150〜160mgのたんぱく質に対応する本発明の方法のサンプルの量は、小麦粉2g、グルテン200mgである。
・20mlの0.5MNaClを加える。室温(RT)で30分間撹拌する。抽出後、室温で15分間、500gで遠心分離する。注意深く、上澄みを清浄なPP管にデカント(decant)する。別の20mlの0.5MNaClを残部(沈殿A)に加えて、抽出と遠心分離を繰り返す。この第二の上澄みを第一の上澄みと合わせた後、室温で15分間、15000gで遠心分離する。その上澄みは、アルブミンとグロブリンを含む。
・残部(沈殿B)に、6mlの1.5%SDS溶液を加える。混合物を均質にして、沈殿Aと合わせる。室温で30分間抽出する。その後、14mlの無水エタノールを滴下して加え、混合物を室温で30分間撹拌する。室温で15分間、500gで遠心分離した後、沈殿と上澄み3を得る。この全部の手順を得られた沈殿について、繰り返して、沈殿Cと上澄み4を得る。
・上澄み3と4を小さなビーカー中で合わせて、10℃の恒温室内で60分間保管する。細かい沈殿が生成する。この混合物を、沈殿Cを含む遠心管に移す。直ちに、混合物を遠心機に移し、10℃で15分間、15000gで回転する。これによって、グリアジンを含む上澄みとグルテニンを含む沈殿を得る。
【0034】
ケルダール測定法:
アルブミン/グロブリン及びグリアジンを含む溶液(±40ml)を、定量的に分解フラスコ(destruction flask)(750ml)に移す。タブレット、14mlの濃硫酸及び3滴のオクタノール(消泡剤)を加え、サンプル(約15ml)をケルダール管に移し、窒素を標準的なケルダール法を用いて測定する。
グルテニンフラクションは、凍結乾燥し、窒素含量を乾燥生成物中で測定する。
【0035】
結果を、種々の種において見出されるたんぱく質の量として記録し、また、回収されたたんぱく質のパーセントとして示す。
【0036】
機械的エネルギーをインプットすることで、例えば「スピンテスト(spin test)」を用いて測定して、沈殿物の特定の体積値を示す分散体を生ずる場合、遠心後に、上述したグリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションを得ることができることが観察された。
【0037】
「スピンテスト」は、標準的なラボ遠心機(もしくは実験室レベルの遠心機)と、0.1mlスケールの目盛りを有する15mlの遠心管を用いる。遠心管を10mlのグルテン分散体で満たす。遠心管を1800gで10分間遠心分離する。沈殿物の体積(体積%で示される)を、沈殿物(ml)と遠心管の体積(ml)との比で測定し、100を掛ける。
【0038】
適当な分散体は、沈殿物の体積が15〜35%にあり、好ましくは20〜30%にあることによって特徴付けられる。そのことによって、沈殿物は、グルテン分散体中に存する乾燥物質(又は固形分)の48〜58%、より好ましくは50〜55%を含んで成る。分散体の乾燥物質含有量は、5〜30%であってよく、10〜15%であることが好ましい。せん断の強さ及び/もしくは混合時間が適当でない場合、上述の値に該当するフラクションを得ることはできない。
【0039】
分散体の分別は、遠心手段、例えば、自己スラッジ除去遠心機(self-desludging centrifuge)を用いて、また、デカンター遠心機(decanter centrifuge)を用いて行われる。遠心機は、最適な分離条件下で用いられる。
【0040】
本発明に基づく典型的な分別方法は、10〜40℃の温度で典型的に行われる。図1に示した概要に基づいて、pH安定装置によってpHを連続的にモニター(又は調整)しながら、混合タンク内で乾燥小麦グルテンを酸性溶液と混合する。このように、得られるグルテン分散体は、遠心分離に付され、それによってグリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションを得る。グリアジンに富むフラクションは、乾燥前に、限外ろ過濃縮工程を用いて濃縮できる。グリアジンに富むフラクションは、いずれかの既知の方法を用いて乾燥できる。噴霧乾燥が好ましい。透過物はリサイクルして、混合工程で使用できる。グルテニンに富むフラクションも乾燥する。
【実施例】
【0041】
実施例1
バッチ式の製造
市販の乾燥小麦グルテンを、出発物質として用いた。25kgの市販の小麦グルテンを、スクリュー(Katrion)を用いてチューブを介して、225lの水道水と450gのリン酸(75%)を含む反応器内の、撹拌した分散剤の渦部に直接加えた。pHは、pH安定装置を用いて終始モニターして、pH=4.6に維持した。グルテンを10分以内で分散させ、分散相内の物質を45〜50%で含む分散体が得られるまで、混合を続けた。これは、「スピンテスト」値で27%に対応する。
【0042】
高せん断ミキサーを用いて混合した。従って、得られた分散体は、デカンター遠心機(decanter centrifuge)(Westfalia CA150)を用いて分別した。デカンターの上澄み中に、乾燥物質の約45%を含むように、遠心機の設定(又はセッティング)を調整した。
【0043】
その後、グリアジンに富むフラクションを、噴霧乾燥工程に付した。このフラクションは、80%のたんぱく質含有量を有した。グリアジン含有量は、全たんぱく質含有量の68%であり、天然グルテンの45〜48%と比較されたい。グリアジン/グルテニン比は、3.1であった。
【0044】
表1に、Berot の方法を用いて得られたグルテンフラクションのサンプル(Popineau et Berot から受け取ったサンプル)と、本発明に基づく方法を用いて得られたサンプルとの間の組成の比較を示した。全てのサンプルは、上述した方法を用いて分析した。
【0045】
【表1】
Figure 2004537572
【0046】
実施例2
連続式の製造
25kgの市販の小麦グルテンを、スクリュー(Katron)を用いチューブを介して、225lの水道水と450gのリン酸(75%)を含む反応器内の、撹拌した分散剤の渦部に直接加えた。pHは、pH安定装置を用いて終始モニターして、pH=4.6に維持した。グルテンを10分以内で分散し、「スピンテスト」値で25%を有する分散体を得られるまで、混合を続けた。グルテンが分散した後、20分以内にそのような値に到達するように、必要なせん断を加えた。
【0047】
pHを終始モニターして、リン酸を加えることでpH=4.6に維持しながら、追加の水とグルテンを定期的に撹拌した分散体の渦部に加えた。追加する速度は、一時間当たり、グルテン20kgと水200lである。反応器のオーバーフローを、60lの撹拌した緩衝反応器に導き、それを用いて、デカンター(Westfalia CA150)に定期的に供給した。加えた量は、デカンターを介して処理された量(フィード速度 20l/h;2500rpm;差(differential)10〜15)に対応する。従って、得られたグリアジンフラクションは、6%の乾燥物質含有量を有し、更に、限外ろ過工程を用いて処理された。透過水を、第一撹拌タンクでグルテンを分散するために使用した。約10%の乾燥物質含有量を有する濃縮液(レテンテート:retentate)は、噴霧乾燥を用いて乾燥した。
【0048】
グルテニンに富むフラクションは、炭酸ナトリウムを用いて中和してpH=7とし、水で洗浄した後、リングドライヤー(ring drier)で乾燥した。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明に基づく典型的な分別方法の概略図を示す。
【図2】図2は、グリアジン、グルテニン、アルブミン及びグロブリンを分別(又は分離)する抽出手順の概略を示す。

Claims (11)

  1. 酸の存在下、水性媒体中のグルテンから、グリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションを製造する方法であって、
    グルテンを、5〜30%の乾燥物質含有量で、連続的にもしくは不連続的に、水中に分散させ、そのことによって
    ・分散体のpHを4.4〜4.8の間に調整し、
    ・グルテン−水の混合物を、せん断作用に付し、
    そのことによって、連続的にもしくは不連続的に、グリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションに、分散体を分別することが可能であり、
    そのことによって、少なくとも2.5のグリアジン/グルテニン比を有する一つのグリアジンに富むフラクションが得られ、0.8未満のグリアジン/グルテニン比を有する一つのグルテニンに富むフラクションを得る
    ことを特徴とする製造方法。
  2. 分別後のグルテン分散体の沈殿物の体積が、「スピンテスト」で測定して、15〜35%となるように、グルテン−水の混合物をせん断作用に付すことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 該沈殿物の体積が、20〜30%であることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 該沈殿物が、グルテン分散体中に存する乾燥物質の48〜58%を含んで成ることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  5. 該沈殿物が、グルテン分散体中に存する乾燥物質の50〜55%を含んで成ることを特徴とする請求項4記載の製造方法。
  6. 分散体のpHを、4.5〜4.7に調整することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  7. 混合手段を用いて、500〜3000rpmの間の速度で、60分より短い時間、グルテンと水とを混合することによって、グルテンを分散させることができることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  8. 30分未満の時間、混合を行うことを特徴とする請求項7記載の製造方法。
  9. 分散体の分別が、遠心手段、例えば、自動自己スラッジ除去遠心機を用いる遠心手段又はデカンター遠心機を用いる遠心手段を用いて行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 分散体の乾燥物質含有量が、10〜15%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 酸として、リン酸を用いることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
JP2003518294A 2001-08-10 2002-07-30 酸の存在下、水性媒体中のグルテンからグリアジンに富むフラクションとグルテニンに富むフラクションを製造する方法 Expired - Fee Related JP4208712B2 (ja)

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