JP2896422B2 - グルテニンを主成分とする分画物の製造方法 - Google Patents
グルテニンを主成分とする分画物の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグルテニンを主成分
とする分画物の製造方法に関する。
とする分画物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グルテニンは、小麦蛋白質であるグルテ
ンから70容量%エタノール水溶液により抽出されるグ
リアジンを分離してえられる該エタノール水溶液に不溶
性の抽出残物から採取される蛋白質として知られてい
る。この方法でグルテニンを工業的に製造するには、溶
剤のコストが高く、その回収コストも高い。また、高濃
度のエタノール中で操作を行うため、溶剤の回収装置を
はじめ、抽出、乾燥装置及びその環境を防爆装置とする
必要があり、採用するには困難な方法である。
ンから70容量%エタノール水溶液により抽出されるグ
リアジンを分離してえられる該エタノール水溶液に不溶
性の抽出残物から採取される蛋白質として知られてい
る。この方法でグルテニンを工業的に製造するには、溶
剤のコストが高く、その回収コストも高い。また、高濃
度のエタノール中で操作を行うため、溶剤の回収装置を
はじめ、抽出、乾燥装置及びその環境を防爆装置とする
必要があり、採用するには困難な方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明において
は、安価、かつ安全で工業的に採用容易なグルテニンを
主成分とする分画物の製造方法を提供することを目的と
する。
は、安価、かつ安全で工業的に採用容易なグルテニンを
主成分とする分画物の製造方法を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決するため鋭意研究の結果、低エタノール濃度の水溶
液であっても酸性エタノール水溶液を用いると防爆装置
の必要なく、容易にグルテニン濃度の高い分画物を得る
ことが可能なことを見出し、本発明に到達した。
解決するため鋭意研究の結果、低エタノール濃度の水溶
液であっても酸性エタノール水溶液を用いると防爆装置
の必要なく、容易にグルテニン濃度の高い分画物を得る
ことが可能なことを見出し、本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は、小麦蛋白質であるグ
ルテンから、有機酸の一種または二種以上を0.01〜
5.0重量/容量%含有する1〜20容量%エタノール
水溶液(以下、酸性エタノール水ということがある)抽
出方法により得られる抽出残物または該抽出残物を乾燥
させるグルテニンを主成分とする分画物(以下、グルテ
ニン主成分分画物ということがある)の製造方法であ
る。
ルテンから、有機酸の一種または二種以上を0.01〜
5.0重量/容量%含有する1〜20容量%エタノール
水溶液(以下、酸性エタノール水ということがある)抽
出方法により得られる抽出残物または該抽出残物を乾燥
させるグルテニンを主成分とする分画物(以下、グルテ
ニン主成分分画物ということがある)の製造方法であ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に使用する小麦蛋白質であ
るグルテンとしては、小麦粉より分離された生グルテン
(ウエットグルテン)でも、その乾燥物である粉末活性
グルテン(バイタルグルテン)でもよい。
るグルテンとしては、小麦粉より分離された生グルテン
(ウエットグルテン)でも、その乾燥物である粉末活性
グルテン(バイタルグルテン)でもよい。
【0007】本発明のグルテニン主成分分画物の取り出
し方法は、グリアジン抽出における残物より得られるも
のであり、特願平3−49795号に記載した酸性エタ
ノール水抽出によるグリアジン抽出残物を利用する方法
である。すなわち、本発明における酸性エタノール水抽
出方法は、1〜20容量%のエタノール水溶液、好まし
くは5〜10容量%のエタノール水溶液で0.01〜
5.0重量/容量%の有機酸、好ましくは0.2〜0.
5重量/容量%の有機酸を溶解したものを抽出溶媒とす
る方法である。
し方法は、グリアジン抽出における残物より得られるも
のであり、特願平3−49795号に記載した酸性エタ
ノール水抽出によるグリアジン抽出残物を利用する方法
である。すなわち、本発明における酸性エタノール水抽
出方法は、1〜20容量%のエタノール水溶液、好まし
くは5〜10容量%のエタノール水溶液で0.01〜
5.0重量/容量%の有機酸、好ましくは0.2〜0.
5重量/容量%の有機酸を溶解したものを抽出溶媒とす
る方法である。
【0008】有機酸としては、例えばクエン酸、乳酸、
リンゴ酸及び酢酸から選ばれる一種または二種以上、特
にクエン酸が好ましく用いられる。
リンゴ酸及び酢酸から選ばれる一種または二種以上、特
にクエン酸が好ましく用いられる。
【0009】抽出条件としては、粉末グルテンの7〜1
0倍量の上記抽出溶媒を用いて、プロペラ等のついた抽
出槽で溶液温度を20〜30℃に保ちながら、1〜3時
間の抽出操作を行う。その後、遠心分離操作又は濾過操
作により沈殿物、すなわち抽出残物を上澄液と分離し、
所望により分離された抽出残物を水に細かく分散させ、
それをフラッシュドライヤー等の手段により乾燥して、
グルテニン主成分分画物の粉末が得られる。
0倍量の上記抽出溶媒を用いて、プロペラ等のついた抽
出槽で溶液温度を20〜30℃に保ちながら、1〜3時
間の抽出操作を行う。その後、遠心分離操作又は濾過操
作により沈殿物、すなわち抽出残物を上澄液と分離し、
所望により分離された抽出残物を水に細かく分散させ、
それをフラッシュドライヤー等の手段により乾燥して、
グルテニン主成分分画物の粉末が得られる。
【0010】得られる抽出残物又は乾燥粉末中には、グ
ルテニンが45〜70乾燥重量%含有されてくる。好ま
しくは50乾燥重量%以上である。グルテニンは小麦の
種類により、多少の変動はあるが、小麦中には約4〜5
重量%含有されており、小麦蛋白質中には約44〜48
重量%含有されている。
ルテニンが45〜70乾燥重量%含有されてくる。好ま
しくは50乾燥重量%以上である。グルテニンは小麦の
種類により、多少の変動はあるが、小麦中には約4〜5
重量%含有されており、小麦蛋白質中には約44〜48
重量%含有されている。
【0011】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はない。
に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はない。
【0012】実施例1 粉末活性グルテン100gに10倍量の5容量%エタノ
ール、クエン酸酸性水溶液(クエン酸0.33重量%)
を加え、2時間抽出を行った。抽出液を遠心分離機で分
離した残物を水に細かく分散させ、噴霧乾燥を行い、グ
ルテニン主成分分画物の乾燥粉末65を得た。該分画物
の主な成分はグルテニン約50重量%、炭水化物25重
量%、その他25重量%は水分、蛋白質、脂質であっ
た。本実施例においては、気化状態におけるエタノール
の爆発限界である20容量%よりはるかに低濃度の溶媒
を用いたため防爆装置を要せず、作業安全性も高く、溶
媒の回収率に左右されるコストに対する影響も少なく、
グルテニン主成分分画物を分離することができた。
ール、クエン酸酸性水溶液(クエン酸0.33重量%)
を加え、2時間抽出を行った。抽出液を遠心分離機で分
離した残物を水に細かく分散させ、噴霧乾燥を行い、グ
ルテニン主成分分画物の乾燥粉末65を得た。該分画物
の主な成分はグルテニン約50重量%、炭水化物25重
量%、その他25重量%は水分、蛋白質、脂質であっ
た。本実施例においては、気化状態におけるエタノール
の爆発限界である20容量%よりはるかに低濃度の溶媒
を用いたため防爆装置を要せず、作業安全性も高く、溶
媒の回収率に左右されるコストに対する影響も少なく、
グルテニン主成分分画物を分離することができた。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低濃度のエタノールでグリアジンとの分離を行うことが
できるため、防爆装置を要せず、安全で安価なグルテニ
ン主成分分画物の工業的製造方法を提供することができ
る。
低濃度のエタノールでグリアジンとの分離を行うことが
できるため、防爆装置を要せず、安全で安価なグルテニ
ン主成分分画物の工業的製造方法を提供することができ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 小麦蛋白質であるグルテンから、有機酸
の一種または二種以上を0.01〜5.0重量/容量%
含有する1〜20容量%エタノール水溶液抽出方法によ
り得られる抽出残物または該抽出残物を乾燥させるグル
テニンを主成分とする分画物の製造方法。 - 【請求項2】 有機酸がクエン酸、乳酸、リンゴ酸及び
酢酸から選ばれる一種または二種以上である請求項1記
載のグルテニンを主成分とする分画物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32600496A JP2896422B2 (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | グルテニンを主成分とする分画物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32600496A JP2896422B2 (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | グルテニンを主成分とする分画物の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4180257A Division JP2807849B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 小麦グルテニンを利用したl.l・麺類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09169798A JPH09169798A (ja) | 1997-06-30 |
JP2896422B2 true JP2896422B2 (ja) | 1999-05-31 |
Family
ID=18183027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32600496A Expired - Fee Related JP2896422B2 (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | グルテニンを主成分とする分画物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2896422B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BE1014340A3 (nl) * | 2001-08-10 | 2003-09-02 | Amylum Europe Nv | Methode voor het bereiden van gliadine- en gluteninerijke fracties uit gluten in een waterig midden en in aanwezigheid van een zuur. |
-
1996
- 1996-11-21 JP JP32600496A patent/JP2896422B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
遠藤悦雄著「小麦蛋白質−その化学とDRZ技術−」食品研究社(昭和55−3−5)p.26−31 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09169798A (ja) | 1997-06-30 |
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