JP2807849B2 - 小麦グルテニンを利用したl.l・麺類の製造方法 - Google Patents

小麦グルテニンを利用したl.l・麺類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は麺類の製造方法に関す
る。
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】蒸し、
茹で等の操作により麺線をα化後包装殺菌処理を行った
常温長期保存の可能な、即席麺類(以後L.L麺類と称
す)は近年開発された製麺方法であり、まだ多くの問題
点を抱えている。現状でのL.L麺類にはうどん、日本
そば、焼そば、焼うどん、ラーメン等があるが、これら
麺類の製造方法において共通する絶対条件は耐熱性細菌
を対象とする衛生問題である。そのため、現状では最も
安全性の高い酸性域での加熱殺菌が行われている。すな
わち、蒸し又は茹でた麺を有機酸又は及び有機酸塩類の
水溶液に浸漬し、麺のPHを4.5以下とした後又は同
時に包装後、加熱殺菌を行うという方法が考えられてい
る。一方、麺類の保存中の経時変化として、麺質が固く
なる(ボソボソとした食感)等の老化の問題があるのと
同時に、即席に契食出来るという条件などのため化工澱
粉が使用されている。また、化工澱粉を使用することに
よって起こる製麺性の低下防止として化工澱粉に見合っ
たグルテンが添加されている。以上の様にL.L麺類を
製造するに当たり、麺のPHを低下させる点と化工澱粉
を使用することが絶対条件となってくる。その結果、例
えばうどんなどでは本来のうどんの茹で時間よりも極端
に短くなる。又は、酸浸漬、加熱殺菌の工程が入る為吸
水、加熱が再度行われるので蒸し、茹で時間を短縮する
必要性も出てくる。その為に本来麺の中に含まれるグル
テン網の熱ゲル化性が著しく抑制される。また酸浸漬に
おいて多くの水が吸収される。更に加熱殺菌工程の加熱
は麺のPHが低い為にグルテンの熱ゲル化にはあまり大
きく寄与してこない等の諸条件が加わり、LL麺類にお
いては本来の麺類が持っている歯応えのある腰が出にく
く、歯応えのない「ボソボソ」又は「プツプツ」した食
感となってしまい、著しく製品の価値を低下させてい
る。更に、保存中の経時変化としてこれらの食感が特に
強く出てくる等の問題点がある。本発明は以上の問題点
を解決し、生麺類の食感を持つLL麺の製造方法を提供
すものである。
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の点に
鑑み鋭意研究した結果、低PH域での熱ゲル化性に優れ
たグルテニンに注目し、小麦のグルテンよりグルテンニ
ン主成分分画物を取り出し、LL麺類に添加することに
より課題を解決できることを見い出した。本発明でのL
L麺類とは蒸し、茹で等の調理を行った麺類を酸性域に
PH調整を行った後、包装殺菌を行うことにより、長期
保存に耐えうると同時に即席に契食出来る麺類を対象と
している。本発明での出発原料である小麦グルテンは小
麦粉より分離された生グルテン(ウェットグルテン)で
も、その乾燥物である粉末活性グルテン(バイタルグル
テン)でもよく、好ましくは保存性、作業性等の優れて
いる粉末活性グルテンがよい。本発明におけるグルテニ
ン主成分分画物の取り出し方法は、グリアジン抽出にお
ける残物より得られるものであり、グリアジンの抽出方
法として一般的に知られている50〜70%エタノール
抽出方法、10〜30%イソプロピルアルコール抽出方
法、20〜50%アセトン抽出法等により得られる抽出
残物や酸性エタノール水抽出方法(特願平3−4999
5)により得られる抽出残物等、何れの方法でもよく分
画方法には限定されない。また抽出の方法によっては抽
出残物(グルテニン主成分分画物)中には、グルテニン
が45〜70乾燥重量%含有されてくる。好ましくは5
0乾燥重量%以上である。グルテニンは小麦の種類によ
り多少の変動はあるが、小麦中には約4〜5%含有され
ており、小麦タンパク質中には約44〜48%が含有さ
れている。本発明におけるグルテニン主成分分画物の形
態はペースト状のグリアジン抽出残物をそのまま使用し
てもよく、抽出残物を常法により乾燥粉末とした形態の
何れの形態でもよく限定されない。好ましくは保存性、
作業性の面で優れている乾燥粉末がよい。本発明におけ
る各種LL麺類へのグルテニン主成分分画物の添加方法
には、捏水への分散又は粉への分散等があるがその方法
は限定されない。本発明における各種LL麺類へのグル
テニン主成分分画物の添加量(対粉分当たりの重量%)
は純グルテニンに換算すると0.2%程度より、その効
果が発揮される。好ましくは0.4〜5%である。本発
明の作用には直接的に関与しないが、通常麺質改良剤と
して用いられる食用可能な加熱ゲル化性のある動植物タ
ンパク質、食用可能な天然の増粘多糖類、食用可能な有
機酸類及びその塩類、食用油脂、食用乳化剤の一種又は
二種以上を併用してもその効果は発揮される。更に本発
明のグルテニン主成分分画物と該麺質改良剤類の一種又
は二種以上を合剤とすることも可能である。本発明方法
によりグルテニン主成分分画物をLL麺類に添加するこ
とで従来では解決できなかった生麺類の食感を長期間維
持出来るLL麺類を提供することが出来る。
【実施例】以下実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1、比較例1、2 粉末活性グルテン(タンパク質量約80%)に5倍量の
70%エタノール水溶液を加えた後、2時間抽出を行っ
た。抽出液を遠心分離機にて分離を行い、沈殿物をドラ
ム式乾燥機で乾燥したものを微粉砕し、グルテニン主成
分分画物粉末を得た。なお、該グルテニン主成分分画物
粉末中の主な成分は純グルテニン約63%、炭水化物約
20%、その他17%は水分、タンパク質、脂肪であっ
た。該分画物粉末を用いて、比較例として粉末活性グル
テン及び無添加の群を設け、下記の配合でLLうどんを
試作した。 配合 上記の麺を乳酸でPH5に調整した茹で湯で14分間茹
でた後、素早く水洗いを行った。その後0.5%乳酸水
溶液に30秒間浸漬し、十分に水切りを行った後、油脂
をまぶしビニール袋に詰め密封後95〜100゜Cの温
水で30分間加熱殺菌を行った。殺菌後冷水にて冷却を
行いLLうどんを得た。該LLうどんのPH及び水分量
は表1に示す。
【表1】 該LLうどんを常温にて6ケ月間保存し、経時的に試作
1日後の比較例1(無添加群)を基準(70点)とし1
0人のパネラーを対象に評価を行い平均値を算出した。
なお評価は食感(硬さ、粘弾性、滑らかさ),味、匂い
等の項目について行った。また試食方法は各試料を同一
の篭に入れた後、保温性のある容器に入れ熱水を十分に
加え2分間保温した後、スープを入れ試食した。結果を
表2に示す。この結果より本発明方法により作られたL
Lうどんは、従来方法のうどんより経時変化は少なく、
うどん本風の食感に近いものであった。
【表2】 実施例2 比較例3、4 粉末活性グルテンに10倍量の5%エタノール、クエン
酸酸性水溶液(特願平3−49795)を用いてグリア
ジン主成分分画物を抽出した残物を噴霧乾燥を行いグル
テニン主成分分画物を得た。なお該分画物粉末中の主な
成分は純グルテニン約50%、炭水化物約25%、その
他25%は水分、タンパク質、脂質であった。該分画物
粉末を用いて比較例として粉末活性グルテン及び中力粉
を用いた生うどん群を設け、下記の配合でLLうどんを
試作した。 配合 上記の実施例2、比較例3は実施例と同様に行い、LL
麺を得た。比較例4は試食毎に試作した。該LLうどん
のPH、水分量は表3に示す。又比較例は実施例1の茹
で工程までは同様の操作を行った。ただし、茹で時間は
表3に示す。
【表3】 該LLうどんを常温にて6ケ月間保存し、経時的に比較
例4を基準(80点)として実施例と同様に評価を行っ
た。結果を表4に示す。その結果より本発明方法により
作られたLLうどんは生うどんに近い優れたものであっ
た。
【表4】 実施例3、比較例5、6 実施例1で得たグルテニン主成分分画物を用いて下記の
配合でLL中華麺を試作した。なお、比較例として粉末
活性グルテンを添加したLL麺と常法による生中華麺を
設けた。 配合 上記の実施例3、比較例5の麺はPH無調整の茹で湯で
50秒間茹でた後、素早く水洗いを行った。その後0.
7%乳酸水溶液に40秒間浸漬し、充分に水切りを行っ
た後、油脂をまぶしビニール袋に詰め、密封後95〜1
00゜Cの温水で30秒間加熱殺菌を行った。殺菌後冷
水にて冷却を行いLL中華麺を得た。該LL中華麺のP
H及び水分量は表5に示す。
【表−5】 該LL中華麺を常温にて6ケ月間保存し、経時的に取り
出し、実施例1と同様に復元させた。また、基準として
比較例6を評価時毎に試作し、茹で時間3分間で茹で同
一の条件で実施例1と同様に評価した。なお基準の生中
華麺(比較例6)の配点は100点とした。結果を表6
に示す。その結果より本発明方法により作られたLL中
華麺は長期にわたり、生中華麺に近い優れたものであっ
た。
【表6】
【発明の効果】以上説明したように本発明を用いると、
従来では出来なかった生麺に近い食感を持ったLL麺類
を製造することが可能になった。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦のグルテンより分画されたグルテニ
    ン主成分分画物を添加して、α化後包装処理を行った長
    期保存の可能な麺類を製造することを特徴とする麺類の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 グルテニン主成分分画物中に主成分であ
    るグルテニンが50重量%以上含有されている請求項1
    記載の麺類の製造方法。
  3. 【請求項3】 グルテニン主成分分画物と、食用可能な
    加熱ゲル化性のある動植物性タンパク質、食用可能な天
    然の増粘多糖類、食用可能な有機酸類およびその塩類、
    食用油脂、食用乳化剤の一種又は二種以上を添加する請
    求項1または2記載の麺類の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の製造
    方法により得られる麺類。
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