JP2004534838A - 経腸製剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、カゼイネート蛋白質と乳清または植物性のいずれかである安定化蛋白質との混合物を含有する新規な種類の経腸製剤に関する。これらの新規経腸製剤は、カゼイネートが唯一の蛋白質源であった先行技術の経腸製剤と比較すると、クリーム化を著しく減少させること示す。本発明はまた、経腸製剤におけるクリーム化を減少させる方法を含む。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定化蛋白質およびカゼイネートを含有する蛋白質システムを有する新規な種類の経腸製剤に関する。これらの製剤は、クリーム化速度の減少、および有効期間の延長を示す。
【背景技術】
【0002】
経腸製剤は、救急病院および長期医療施設(すなわち、ナーシングホーム)の双方における患者介護の重要な構成要素である。典型的には、これらの製剤は、長期にわたって唯一の栄養源として役立つ。したがって、前記製剤は、栄養不良を予防するための主要目的に合致させようとするならば、蛋白質、脂肪、ミネラル類、電解質など、かなりの量を含んでいなければならない。一般に患者が固形食品を摂取できないことから、これらの製剤は、典型的には、液体として患者に投与される。一部の患者は、この製剤を飲用することができるが、大部分の患者は、経鼻胃管(NG管または経管栄養)を経由してこれらの栄養製剤を服用する。
【0003】
経腸製剤は、2種の形態の1つにおいて販売できる。第1は、看護士または栄養士によって投与直前に再構成される粉末としてである。第2は、投与時にNG管に簡単に取付けられる即時供給液体(RTF)である。米国においては、健康管理施設では、地域社会の多くで熟練した医療従事者の不足を鑑みて即時供給製剤が圧倒的に好まれている。さらに、健康管理施設では、これらのRTF製剤が少なくとも12ヵ月の有効期間を有する期待されている。この長期安定性への期待により、多くの安定品が創製されているが、その一部が部分的解決されただけである。
【0004】
栄養不良を避けるために脂質が必要とされることから、これらのRTF製剤には相当な量の脂質が含まれている。したがって、これらのRTF製剤は、典型的に水中油型乳剤として製造される。乳剤は、乳化剤と称される物質によって懸濁液に保持される2種またはそれ以上の混和しない脂質の安定混合物である。乳化剤として働く界面活性剤が、通例、経腸製剤中に組み込まれる。蛋白質と炭水化物ポリマー類は、乳化剤としても働くことができ、さらに製剤を安定化させるために役立つが、これらの複数乳化剤は、RTF製剤に伴う安定性問題の全てを解決しているわけではない。
【0005】
このような問題の1つは、クリーム化である。クリーム化は、相分離に関する記述用語である。懸濁液において混和しない2層を有する代わりに、脂質層は水層から分離して容器の上部に浮かぶ。クリーム化は、多くの問題を引き起こす。
【0006】
1つの問題は、栄養製剤の不均一または不完全な送達である。脂肪が容器の上部にあるので、投与期間(24時間までのことがあり得る)の最終時に塊として脂質カロリーを与えられることになる。分離脂質層は、容器ならびに投与セットの側面に付着することが多く、脂質のかなりの部分が送達されないこととなる。経腸供給の合い間の長時間NG管中に脂質が残留すると、脂質が硬化してNG管を塞ぐ恐れがある。
【0007】
栄養製剤の送達問題に加えて、経腸製剤の物理的外観が、相分離によって悪い影響を受ける。このクリーム化がひどすぎれば、実際、腐敗ミルクに似た製剤となり得る。この問題を解決する試みはなされているが、現在までに開発された溶液は、特にカロリー濃度の高い製品によっては適切なものではなかった。クリーム化は、1kcal/ml以上のカロリー濃度を有する製剤において悪化する。患者の栄養必要量を約1リットルの容量に合致させる必要があることから、この範囲のカロリー濃度を使用することが多い。
【0008】
Mulchandaniらに対する米国特許明細書第5,700,513号は、経腸製剤の物理的安定性を高めることに関しており、イオタカラゲーナンおよびセルロース誘導体がクリーム化問題を軽減することを教示している。Morrisらに対する米国特許明細書第5,869,118号もまた、経腸製剤の安定性を改良することに関しており、ゲランガムがクリーム化の発生を減少させることを教示している。Hwangらに対する米国特許明細書第5,416,077号は、イオタカラゲーナンおよびカッパカラゲーナンもまたクリーム化を軽減させることを教示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの特許は当業界に対してかなりの貢献があるが、それらの溶液は、特にカロリー濃度の高い栄養製剤においては全く適切ではなかった。多くの研究者は、クリーム化の発生を減少させるために添加物または安定化剤に焦点を合わせていたが、これらの文献では、蛋白質源およびそれらのクリーム化に及ぼす影響を評価する試みは記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、経腸製剤におけるクリーム化の発生は、特定の蛋白質システムの利用によって減少させられることが発見された。この蛋白システムは、製剤の総蛋白含量を基準にして約40w/w%から約95w/w%のカゼイネートと約5w/w%から約60w/w%の安定化蛋白質を含有する。前記安定化蛋白質は、植物性蛋白質および乳清蛋白質からなる群から選択される。好ましい安定化蛋白質ははダイズである。
【0011】
この蛋白質システムを利用する経腸製剤は、カゼイネートを唯一の蛋白質源として利用する経腸製剤と比較すると、クリーム化がないか、またはその著しい減少を示す。このクリーム化がない、または減少した状態は、少なくとも12ヵ月間維持される。この知見は全く予想されなかった。カゼイネートは、乳化蛋白質として酪農産業において利用されてきた長い歴史がある。カゼイネートは、望ましい官能検査、望ましいアミノ酸プロファイルを有し、乳剤の安定性を著しく高めると考えられていたので、水中油型乳剤に慣例的に用いられている。カゼイネートが実際、相分離を促進することにより経腸製剤を不安定化させるという本発明者の知見は、全く予想されなかった。
【0012】
カゼイネートの不安定化効果にもかかわらず、本蛋白質システムは、少なくとも40%のカゼイネート含有する必要がある。本発明者らは、安定化蛋白質の含量が60%以上に増すと、この製剤は不安定になることを発見した。特に加熱処理後に蛋白質が乳剤から沈殿する。
【0013】
本発明のさらなる態様は、本蛋白システムを利用する新規な種類の経腸製剤に関する。これらの栄養製剤は、a)
i)栄養製剤の総蛋白質含量を基準にして約40w/w%から約95w/w%の量で存在するカゼイネート蛋白質源と、
ii)栄養製剤の総蛋白質含量を基準にして約5w/w%から約60w/w%の量で存在する、植物性蛋白質と乳清蛋白質からなる群から選択される安定化蛋白質とを含有する、栄養製剤の全カロリーの少なくとも16%を提供する蛋白質システムと、
b)前記栄養製剤の総カロリーの少なくとも25%を提供する脂肪源と、
c)前記栄養製剤の総カロリーの少なくとも30%を提供する炭水化物源と、
d)前記栄養製剤の1リットル当たり少なくとも8グラムの繊維源と、
を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本出願に用いられる場合:
a)用語の「経腸製剤」、「栄養製剤製剤」、および「製品」は交換可能に用いられる。
b)用語の「総カロリー」とは、完成栄養製剤製品の一定容量の総カロリー含量(すなわち、1リットルあたりのカロリー数)を言う。
c)本出願中、多くの範囲における全数値範囲の言及は、その範囲内に具体的に含まれる全ての数字、およびその範囲内に含まれる全数値の部分集合の開示を表すものとして解釈すべきである。さらに、この範囲は、その範囲におけるすべての数字、または数値の部分集合に関するクレームの支持を提供するものとして解釈すべきである。例えば、1〜10の開示は、2〜8、3〜7、5、6、1〜9、3.6〜4.6、3.5〜9.9、1.1〜9.9などの範囲を支持するものとして解釈すべきである。
d)用語の「製剤の総蛋白質含量」は、キエルダール窒素から非蛋白質窒素を引いたものに基く。
e)用語の「RDI」とは、必須ビタミン類およびミネラル類に関する「推奨された食物許容量」(RDA)に基く一連の食事摂取基準を言う。名称の「RDI」は、用語の「米国RDA」(推奨された1日の栄養所要量)に取って代わる。推奨される栄養所要量(RDA)は、米国RDAを設定するための基準として使用されるNational Academy of Scienceにより確立された一連の推定栄養所要量である。これは、現在の科学的知識を反映するために定期的に最新化される。
【0015】
本発明の要点は、上記の独特な蛋白質システムである。この蛋白質システムは、これらの水中油型乳剤における相分離を著しく減少させるか、または除去し、したがって、上記のクリーム化問題を著しく最少化する。この蛋白システムは、先行技術で経腸製剤用に発明した蛋白質システムに単に置き換えることにより、今日発売されている先行技術の経腸製剤のいずれにおいても実質的に使用できる。この蛋白システムは、一般集団用、または特定の疾患または傷害を受けている集団用にデザインされた経腸製剤においても使用できる。
【0016】
例えば、従来の経腸製剤を与えられた場合、糖尿病では血糖値の急激な上昇を経験する。したがって、これらの患者のために特別な製剤が開発された。これらの製剤は、患者の血糖応答を鈍らせるために、比較的大量の脂質を含有することが多い。これらの製剤は、著しいクリーム化問題を有するので、本発明の蛋白質システムの適用により利益を得ることができる。このような糖尿病用製剤の例としては、Abbott Laboratoriesにより発売されているGlucerna(登録商標)、およびNestleにより発売されているGlytrol(登録商標)が挙げられる。
【0017】
運動が限定されているため、患者が圧迫潰瘍を発症する危険性の高い長期医療施設用に特定の製剤がデザインされている。これらの製剤には、治癒を促進させるために増量されたカゼイネートを含有することが多く、著しいクリーム化問題をこうむる。このような製剤の例としては、Jevity(登録商標)、Jevity Plus(登録商標)、Twocal(登録商標)、Periative(登録商標)およびNutriFocus(登録商標)が挙げられ、これら全ては、Abbott Laboratriesにより発売されている。他の例としては、Nestleにより発売されているProbalance(登録商標)およびMead Johnsonにより発売されているUltracal(登録商標)が挙げられる。
【0018】
上記の特定の経腸製剤は、本発明が適用できる多くの可能性な適用を例証する意図としてのみ挙げられている。当業者は、本発明の蛋白質システムにより安定性が改善できる他の種類の製剤を容易に認識するであろう。
【0019】
当業者によく知られているように、経管供給製剤は、典型的には唯一の栄養源として役立つ。したがって、それには、蛋白質、炭水化物、脂質類、ビタミン類、およびミネラル類を含有する必要がある。これらの栄養製剤は、容易に摂取できるか、または24時間投与できる容量で、人の栄養不良を防止するために十分な量で存在しなければならない。典型的には、これは、1日当たり1000カロリーから3000カロリーのカロリー要件を伴う。これらのカロリーは、1リットルから2リットルの範囲の体積で供給する必要がある。
【0020】
本発明の製剤の一構成要素は蛋白質システムである。前記蛋白質システムは、前記栄養製剤の総カロリーの少なくとも16%を供給する必要がある。それは、総カロリーの約35%まで供給できる。さらなる実施形態において、それは、前記栄養製剤の総カロリーの約16.5%から約25%まで、より典型的には総カロリーの約18〜25%を供給できる。
【0021】
本発明に利用される蛋白質システムは、少なくとも2種の異なるタイプの蛋白質を含有する必要がある。存在しなければならない第1の蛋白質はカゼイネートである。カゼイネートは、上記の安定性問題のために製剤に存在する必要がある。驚くべきことに、安定化蛋白質の濃度が60%を超えると、異なった安定性問題に遭遇することを発見した。これらの濃度では、蛋白質は乳剤から沈殿する。食品グレードの滅菌を達成するために製剤を熱的に処理した際に、この沈殿は増加する。
【0022】
カゼイネートは、哺乳類のミルクから得られた蛋白質の酸不溶性画分である。前記カゼイネートは、ウシから得られるが、通常、人に摂取されるいずれの哺乳類ミルクからも得ることができる。カゼイネートの好適な種類としては、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カルシウム、カゼイン酸カリウム、カゼイン酸マグネシウム、カゼイン酸リチウムなどが挙げられる。カゼイネートはもとのままであることが好ましい。しかしながら、これは、わずかに加水分解され得る。加水分解されたカゼイネート源が使用されると、10%以下の加水分解度(DH)を有するはずである。加水分解度とは、切断されるペプチド結合のパーセントを言う。このことは、Journal of Agricultural Food Chemistry、27/6(1979)1256〜1262頁において、Adler−NissenによるDHを決定する方法を含めて、より詳細に記載されている。
【0023】
カゼイネートは、多数の商品源から入手できる。例えば、カゼイネート類および加水分解カゼイネート類は、ペンシルバニア州ハリスバーグのNew Zealand Milk Productsから入手できる。
【0024】
前記蛋白質システム内に含まれたカゼイネート量は種々あり得るが、前記製剤の総蛋白質含量を基準にして少なくとも40w/w%のカゼイネートを含有する必要がある。カゼイネート含量は、総蛋白質含量を基準にして95w/w%の含量まで上げられる。より典型的には、カゼイネートは、総蛋白質含量を基準にして約60w/w%から約85w/w%、より典型的には、約60w/w%から約80w/w%までの範囲の量で存在する。
【0025】
本蛋白システムの他の成分は、安定化蛋白質である。前記安定化蛋白質は、植物性蛋白質または乳清蛋白質である。植物性蛋白質は、任意の植物源(すなわち、非動物)に由来する。好適な植物性蛋白質の例としては、ダイズ、トウモロコシ、ジャガイモ、コメ、およびエンドウが挙げられる。植物性蛋白質は、元のままであることが好ましいが、僅かに加水分解されていてもよい。それは、約10%以上のDHを有してはならない。最も好ましい植物性蛋白質はダイズである。ダイズは、ダイズ蛋白濃縮液またはダイズ蛋白単離体として存在できる。
【0026】
安定化蛋白質は乳清蛋白質であってもよい。乳清蛋白質は、哺乳類ミルクから得られた蛋白質の酸溶解性画分である。前記乳清は、ウシから得られるのが好ましいが、人により日常的に摂取される任意の哺乳類ミルクから得てもよい。乳清は元のままであることが好ましいが、10%以下のDHを有してもよい。
【0027】
これらの安定化蛋白質は、多くの商品源から入手できる。例えば、元のままの乳清および加水分解乳清は、ペンシルバニア州ハリスバーグのNew Zealand Milk Productsから入手できる。ダイズ蛋白質および加水分解ダイズ蛋白質は、ミズーリ州セントルイスのProtein Technologies Internationalから入手できる。エンドウ蛋白質は、オハイオ州ロージのFeinkost Ingredients Companyから入手できる。コメ蛋白質は、カリフォルニア州ラスロップのCalifornia Natural Productsから入手できる。トウモロコシ蛋白質は、アイオワ州ケオククのEnerGenetics Inc.から入手できる。
【0028】
前記安定化蛋白質は、乳清蛋白質または植物性蛋白質のいずれかであればよい。それはまた、乳清と1種以上の植物性蛋白質との混合物、または異なる植物性蛋白質の混合物であってもよい。安定化蛋白質量は、広範囲で変えることができるが、典型的には、総蛋白質含量の約5w/w%から、総蛋白質含量の約60w/w%までの範囲である。さらなる実施形態において、前記安定化蛋白質は、総蛋白質含量の約15w/w%から約40w/w%、より典型的には、約20w/w%から約35w/w%までの量で存在する。
【0029】
当業者によく知られているように、ミルク蛋白質の単離体および濃縮液を、商品として入手でき(以後「単離体」)、経腸製剤中に組み込むことができる。これらのミルク蛋白質単離体は、種々の量の乳清、およびカゼイネートの両方を含有する。これらの単離体は、必要なカゼイネートおよび安定化蛋白質の両方を提供するために本発明の製剤に利用できる。これらの単離体は、クレームの限定に合致しているかどうかを決定する際に、単離体内に含有された乳清およびカゼイネートが別々に組み込まれるように処理する必要がある。例えば、70%カゼイネートおよび30%乳清を含有する10グラムのミルク蛋白単離体は、7グラムのカゼイネートおよび3グラムの乳清を栄養製剤に添加するように処理する必要がある。
【0030】
カゼイネートおよび安定化蛋白質に加えて、患者が以下のような添加物から利益を得る場合は、製剤に遊離アミノ酸または小型ペプチドを、場合によっては含有してもよい。例えば、アルギニンは、圧迫潰瘍の治癒を促進し、皮膚の完全性維持を補助する。外傷性傷害を患っている患者は、グルタミンの存在またはグルタミン含有ペプチド類の存在により利益を受けることができる。存在することによって利益が受けられる他のアミノ酸類またはペプチド類としては、メチオニンが挙げられる。アミノ酸類またはペプチド類が製剤に組み込まれる場合、それらの集合的な量は、前記総蛋白含量の20w/w%を超えてはならず、より好ましくは約10w/w%である。
【0031】
蛋白質に加えて、該製剤は脂質または脂肪を含有しなければならない。脂質は、エネルギーおよび必須脂肪酸を提供し、脂溶性ビタミン類の吸収を高める。本発明の製剤に利用される脂質量は、広範囲に変わり得る。しかし、クリーム化は、典型的には、脂肪含量が総カロリーの約25%以下である製剤では問題とはならない。
【0032】
しかし、一般的なガイドラインとして、脂質は製剤の総カロリーの少なくとも約25%を供給する必要があり、総カロリーの約60%まで供給できる。さらなる実施形態において、脂質は、総カロリーの約30%から約50%までを供給する。脂質源は本発明にとって重要ではない。全ての必須脂肪酸を提供し、人の摂取に好適な任意の脂質または脂質類の組合わせが利用できる。
【0033】
本発明の製剤への使用に好適な食品グレードの脂質の例としては、ダイズ油、オリーブ油、マリン油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、ベニバナ油、高オレイン酸ベニバナ油、分画ヤシ油、メンミ油、トウモロコシ油、カノーラ(canola)油、パーム油、パーム核油およびこれらの混合油が挙げられる。これらの脂肪類の多数の商品源は容易に入手でき、現在活動している当業者に知られている。例えば、ダイズ油とカノーラ油は、イリノイ州デカターのArcher Daniels Midlandから入手でき、トウモロコシ油、ヤシ油、パーム油およびパーム核油は、オレゴン州ポートランドのPremier Edible Oils Corporationから入手できる。分画ヤシ油は、イリノイ州ラグランジのHenkel Corporationから入手できる。高オレイン酸ヒマワリ油および高オレイン酸ベニバナ油は、オハイオ州イーストレークのSVO Specialty Productsから入手できる。マリン油は、日本国東京のMochida Internationalから入手できる。オリーブ油は、英国ノースハンバーサイドのAnglia Oilsから入手できる。ヒマワリ油およびメンミ油は、ミネソタ州ミネアポリスのCargilから入手できる。ベニバナ油は、カリフォルニア州リッチモンドのCalifornia Oils Corporationから入手できる。
【0034】
これらの食品グレードの油に加えて、望まれる場合は、組織状脂質を栄養製剤に加えてもよい。組織状脂質は、当業界に知られている。組織状脂質の簡潔な記載は、「Structured lipids allow fat tailoring」という標題で、INFORM、8巻、10号、1004頁(1997)に見ることができる。また、参照により本明細書に組み込まれている米国特許明細書番号第4,871,768号を参照されたい。組織状脂質は、媒体と、同じグリセロール核状の中鎖および長鎖脂肪酸との混合物を含有する主としてトリアシルグリセロール類である。経腸製剤における組織脂質類およびそれらの使用もまた、米国特許明細書第6,194,37号および米国特許明細書第6,160,007号に記載されており、その内容は参照により本明細書中に組み込まれいる。
【0035】
本発明の栄養製剤はまた、炭水化物源を含有する。炭水化物類は、容易に吸収され、利用されるので患者の重要なエネルギー源である。それらは、脳および赤血球にとって好ましい栄養物である。利用できる炭水化物量は、広範囲に変えることができる。典型的には、総カロリーの少なくとも25%を供給するのに十分な炭水化物類が利用される。炭水化物類は、総カロリーの約60%までを供給することができる。典型的には、炭水化物類は総カロリーの約25%から約55%までを供給する。
【0036】
これらの製剤に使用できる炭水化物類を幅広く変えることができる。典型的に産業に使用される炭水化物はいずれも使用できる。利用できる好適な炭水化物類の例としては、加水分解トウモロコシデンプン、マルトデキストリン、グルコースポリマー、ショ糖、トウモロコシシロップ固体、グルコース、フルクトース、高フルクトーストウモロコシシロップおよびフルクトオリゴ糖が挙げられる。
【0037】
特殊な炭水化物混合物が、中等度の血糖レベルを補助するために糖尿病用にデザインされている。このような炭水化物混合物の例としては、Cashmereらに対する米国特許明細書第4,921,877号、Wibertらに対する米国特許明細書第5,776,887号、Audryらに対する米国特許明細書第5,292,723号、Laughlinらに対する米国特許明細書第5,470,839号に記載されており、その内容は全て参照により組み込まれいる。これらの炭水化物混合物のいずれも、本発明の栄養製剤に利用できる。
【0038】
炭水化物源と共に、本発明の製剤はまた、繊維源も含有する。クリーム化に対する繊維の正確な影響は不明だが、本発明より認められた最も重要なクリーム化問題は、かなりの量の繊維を含有する製剤に生じた。本明細書中およびクレームに用いられる食物繊維は、人の消化管中の酵素によって血流に吸収される小分子に分解されない全ての食物成分であると解される。これらの食物成分は、主としてセルロース類、ヘミセルロース類、ペクチン、ガム類、粘質物類、およびリグニン類である。繊維類は、化学組成や物理的構造がかなり異なり、したがって、生理的機能も異なる。
【0039】
生理的機能に影響を与える繊維(または繊維システム)の性質は、溶解性および発酵性である。溶解性に関しては、繊維は、一定のpHにおいて緩衝液中に可溶化される繊維物質の能力に基いて、溶解タイプと不溶性タイプに分けることができる。繊維源によって、それらが含有する溶解性繊維と不溶性繊維の量が異なる。本明細書中およびクレームに用いられる「溶解性」および「不溶性」の食物繊維は、American Association of Cereal Chemists(AACC)法32−07を用いて測定する。本明細書中およびクレームに用いられる「総食物繊維」または「食物繊維」は、AACC法32−07により測定された溶解性繊維と不溶性繊維の合計であると解され、そこでは重量で少なくとも繊維源の70%は食物繊維を含む。本明細書中およびクレームに用いられる「溶解性」食物繊維源は、少なくとも60%の食物繊維がAACC法32−07により決定された溶解性繊維である繊維源であり、「不溶性」食物繊維源は、少なくとも60%の食事用繊維がAACC法32−07により決定された溶解性繊維である繊維源である。
【0040】
代表的な溶解性食物繊維源は、アラビアゴム、カルボキメチルセルロースナトリウム、、グアーゴム、シトラスペクチン、低および高メトキシペクチン、エンバクおよびオオムギグルカン類、カラゲーナンおよびオオバコである。溶解性食物繊維の多数の商品源が入手できる。例えば、アラビアゴム、加水分解カルボキメチルセルロース、グアーゴム、ペクチン、低および高メトキシペクチン類は、メリーランド州ベルキャンプのTIC Gums Inc.から入手できる。エンバクおよびオオムギグルカン類は、ネブラスカ州オマハのMountain Lake Specialty Ingredients、Inc.から入手できる。オオバコは、ニュージャジー州ノースバーゲンのMeer Corporationから入手でき、一方、カラゲーナンは、ペンシルバニア州フィラデルフィアのFMC Corporationから入手できる。
【0041】
代表的な不溶性食物繊維源は、エンバク殻繊維、エンドウ殻繊維、ダイズ殻繊維、ダイズ子葉繊維、テンサイ糖繊維、セルロースおよびトウモロコシぬかである。多数の不溶性食事用繊維源が入手できる。例えば、トウモロコシぬかは、イリノイ州シカゴのQuaker Oatsから入手でき;エンバク殻繊維はミネソタ州ケンブリッジのCanadian Harvestから;エンドウ殻繊維はカナダ国ウィニペッグのWoodstone Foodsから;ダイズ殻繊維とエンバク殻繊維はメリーランド州ラヴェールのThe Fibrad Groupから;ダイズ子葉繊維はミズーリ州セントルイスのProtein Technologies Internationalから;テンサイ糖繊維は、ミネソタ州ミネアポリスのDelta Fiber Foodsから;およびセルロースは、ニュージャージー州サドルブルックのJames River Corp.から入手できる。
【0042】
繊維類とそれらの製剤への組み入れについてのより詳細な考察は、Garlebらに対して発行された米国特許明細書第5,085,883号に見ることができ、これは参照により本明細書中に組み込まれている。
【0043】
製剤中に利用される繊維量は変わり得るが、製剤は1リットル当たり少なくとも8グラムの繊維を含有する必要がある。栄養製剤は、典型的に繊維を1リットル当たり約10グラムから約35グラム含有する。繊維は、1リットル当たり約10グラムから約20グラムの範囲量で存在することが最も好ましい。利用される繊維の具体的な種類は特に重要ではない。人の摂取に好適であり、かつ栄養製剤のマトリックス中で安定である繊維はいずれも利用できる。
【0044】
繊維物質に加えて、栄養製剤はまた、フルクトオリゴ糖(FOS)またはグルコオリゴ糖(GOS)などのオリゴ糖を含有できる。オリゴ糖は、大腸に生息する嫌気性微生物によって短鎖脂肪酸へと迅速かつ広範囲で発酵する。これらのオリゴ糖は、大部分のビフィズス菌種の優先的エネルギー源であるが、クロストリジウム・パーフィンゲンス、クロストリジウム・ディフィシレまたはエシュリヒア・コリなど、病原となる可能性がある生物によっては利用されない。
【0045】
本発明の栄養製剤は、関連するRDIの全てを満たす十分なビタミン類およびミネラル類を含有する。当業者は、製品の有効期間にわたりRDIを満たすことを保証するために、しばしばある一定のビタミン類およびミネラル類で栄養価を高める必要があることを認識している。当業者はまた、ある一定の微量養分が、患者が患っている基礎疾患または疾病に依って、人々に利益を与える可能性があることを認識している。例えば、糖尿病は、クロム、カルニチン、タウリンおよびビタミンEなどの栄養物から利益を得る。全てのRDI、ならびに特定の集団のニーズを満たすようにビタミンおよびミネラル含量を加減することは、十分に当業者の技術範囲内にある。
【0046】
本発明の製剤用ビタミンおよびミネラルシステムの一例は典型的に、約1リットルから約2リットルの範囲の容量中、A、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K、ベータ−カロテン、ビオチン、葉酸、パントテン酸、ナイアシンおよびコリンなどのビタミン類;カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、リン、および塩化物などのミネラル類;鉄、亜鉛、マンガン、銅およびヨウ素などの微量金属;クロム、モリブデン、セレンなどの超微量金属;およびm−イノシトール、カルニチンおよびタウリンなどの条件付きで必須の栄養製剤、に関して少なくとも100%のRDIを含む。
【0047】
当業者によく知られているように、種々のカロリー濃度の経腸製剤があり得る。製剤のカロリー濃度が増すにつれてクリーム化が問題となる。上記の安定化蛋白質システムは、約1キロカロリー(kcal)/ミリリットルから2.5kcal/mlの範囲のカロリー濃度を有する製剤に特に適用できる。これは、1.2kcal/mlから2.0kcal/mlの間のカロリー濃度を有する製剤に特に適用できる。
【0048】
人工甘味料もまた、製剤の感覚受容性を高めるために栄養製剤に添加できる。好適な人工甘味料の例としては、サッカリン、アスパルテーム、アセスルフェーム(acesulfame)Kおよびスクラロース(sucralose)が挙げられる。本発明の栄養製剤製品は、風味付けおよび/または着色を場合によっては含むことができ、外観のアピールおよび経口摂取のために受容できる味を有する栄養製剤製品を提供できる。有用な風味付けの例としては、典型的には、例えば、イチゴ、桃、バターペカン、チョコレート、バナナ、キイチゴ、オレンジ、ブルーベリーおよびバニラが挙げられる。
【0049】
本発明の栄養製剤製品は、当業者によく知られた技術を用いて製造できる。確かに栄養製剤の製剤技術における製造変法は当業者に十分よく知られているが、2、3の製造法を実施例に詳細に記載する。一般的に言って、油と繊維の混合物を、油、任意の乳化剤、繊維および脂溶性ビタミン類を全て含んで調製する。さらに3種のスラリ(炭水化物および2種の蛋白質)を、別に水中、炭水化物とミネラル類および蛋白質を一緒に混合することにより調製する。次に前記スラリを油混合物と一緒に混合する。生じた混合物を均一化し、加熱処理し、水溶性ビタミン類で標準化し、風味付けし、最後に滅菌する。次いでこの製剤を、消費者または健康管理業者にとって望ましい任意の形態で包装できる。
【0050】
以下の実施例は、本発明をさらに例示するために示される。それらは、いかなる様式においても本発明を限定するものとして解釈してはいけない。これらの実施例によって例示された具体的な実施形態により、当業者に対し本発明の安定化蛋白質システムの広範囲にわたる適用性が説明される。
【実施例1】
【0051】
16.7%の蛋白質カロリー、29%の脂肪カロリーおよび53.3%炭水化物カロリーを有する2種の1.06Kcal/ml繊維含有即時供給用経管栄養製品を、蛋白質および繊維成分の複数ロットを用いてパイロットプラント施設において製造した。表1および表2は、コントロール(100%カゼイネート類)および20%SPI製剤の1000lbバッチのBOMを示した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
カノーラ油、高オレイン酸ベニバナ油および中鎖トリグリセリド油をタンクに入れて2種の油中蛋白質スラリを、調製し、この油混合物を140°Fから150°Fの範囲の温度に加熱する。攪拌下、油溶解性ビタミン類およびパノダン(Panodan)の目標量を油混合物に加える。次に、ダイズ蛋白質単離体またはカゼイン酸ナトリウムを油混合物に加える。
【0055】
目標重量の蛋白質を約400lbsの水に分散させることにより水中蛋白質スラリを調製し、攪拌下、130°Fから140°Fにスラリを徐々に加熱する。
【0056】
約150lbsの水を湯沸しに入れて炭水化物/ミネラルスラリを調製し、この水を130°Fから150°Fに加熱する。攪拌下、目標量の塩類、繊維類およびマルトデキストリン類を加える。使用するまでスラリを130°Fから150°Fで保持する。
【0057】
ビタミン類、カルニチン、コリンおよびタウリンを約26lbsの水に溶解させることによりビタミン溶液を調製し、45%KOHを用いて6.5から10.5に溶液のpHを調整する。
【0058】
攪拌下、水スラリ中の蛋白質に炭水化物スラリを加えて混合液を調製する。次に、油中蛋白質スラリを前記混合液に加え、1N KOHを用いて混合液のpHを6.6から6.8に調整する。混合液はUHTであり、均一化する。次に前記ビタミン溶液を均一化した混合液に加え、水を加えて脂肪、蛋白質および全固体濃度を所望の範囲に調整する。次いで、標準化した製品を半透明プラスチック容器に満たし、無菌状態になるまで滅菌する。
【0059】
完成製品を室温、直立位置で保存し、複数サンプルを物理試験室に引渡し、有効期間中のクリーム層の厚さを測定する(表3)。用語の「クリーム」とは、製品の上部に浮かんでいる粘性油状液体を言い、保存後にだけ見えるようになる。即時供給製品の粘性クリーム層の存在は、その製品の魅力を低下させる。さらに、このクリーム層は、振った後に、容器の頚部域に付着しがちであり、製品の品質について消費者の懸念を生じさせる。したがって、クリーム化の欠点は、製品の有効期間を制限する重要な要因の1つである。
【0060】
我々は、蛋白質システムの一部としてSPIの含有により、クリーム化の発生を遅らせることを見出した(表3)。最初の5ヵ月保存において測定できたクリーム化はなかった。
【0061】
【表3】
【0062】
我々は、7ヵ月齢のサンプルを、転倒容器3を用いて3秒間振とうさせた後、肉眼による検査をした。SPI含有により、容器へのクリーム付着量が有意に減少することが認められた。
【実施例2】
【0063】
18%の蛋白質カロリー、29%の脂肪カロリーおよび53%の炭水化物カロリーを有する3種の1.2Kcal/ml繊維含有即時供給用経管栄養製品を、実施例1に記載された方法とまったく同様の方法を用いてパイロットプラント施設において製造した。表5、6および7は、コントロール(100%カゼイネート類)および20%SPI製剤の1000lbバッチのBOMを示した。
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
完成製品を室温、直立位置で保存し、有効期間試験中、クリーム層の厚さを測定する(表8)。我々は、蛋白質システムの一部としてSPIの含有により、クリーム化の発生を遅らせ、有益な効果がSPI濃度の働きであることを見出した(表8)。
【0068】
【表7】
【実施例3】
【0069】
25%の蛋白質カロリー、23%の脂肪カロリーおよび52%の脂肪カロリーを含有する2種の繊維含有経管製品を、繊維および蛋白質の種々のロットを用いてパイロットプラントへの2度の訪問を含めて実施例1に記載された方法を用いて製造する。表9および10に、これら2種の製剤のBOMを示した。
【0070】
【表8】
【0071】
【表9】
【0072】
我々は、有効期間中のクリーム層の厚さを測定した(表11)。たとえ、安定剤を含有しなくても、SPI製剤は、6ヵ月貯蔵後のクリーム化が少ないことを認識した(表9および10)。クリーム安定性の改善は蛋白質システムの一部としてSPIを含有することによるものであると考えられた。
【0073】
【表10】
【実施例4】
【0074】
我々は、2種の49%の脂肪カロリー含有製品を、実施例1に記載された方法を用いて製造した。製剤1は、16.7%蛋白質カロリーを含有し、その蛋白質源として100%カゼイネートを用い(表12)、一方、製剤2は、18%蛋白質カロリーを含有し、その蛋白質システム内に20%SPIを含む〔表13)。
【0075】
【表11】
【0076】
【表12】
【0077】
我々は、有効期間中のクリーム層の厚さを測定し、SPIの含有により、クリーム化の発生を遅らせることが判った(表14)。
【0078】
【表13】
【実施例5】
【0079】
種々の蛋白質システムによる全部で18のJevity FOSを、方法1に記載された方法を用いてなされた。無菌4品の肉眼検査をし、0から5のポイントシステムに基きスコア化した。スコア5は、製品が目に見えるクリーム化を示さず、蛋白質凝固の徴候もないことを示す。スコア4は、製品が2mm未満のクリーム化を示すが、蛋白質凝固の徴候がないことを示す。スコア3は、製品が2mm以上のクリーム化を有するが、この製品は、まだ蛋白質凝固がないことを示す。スコア2は、製品において蛋白質凝固によると思われる、目に見える粒子が存在することを示す。スコア1は、蛋白質凝集物が、0.1cm未満であるが、製品が、3日以内に液体上部に乳清化が現れるほど早く沈殿することを示す。スコア0は、蛋白質凝集物が直径0.1cm以上で、製品が1日以内で乳清化が現れることを示す。スコア1以下の製品は、供給管を詰まらせる恐れがあり、機能的に許容できないと考えられる。スコア3未満の製品は、美感上許容できない。
【0080】
【表14】
【0001】
本発明は、安定化蛋白質およびカゼイネートを含有する蛋白質システムを有する新規な種類の経腸製剤に関する。これらの製剤は、クリーム化速度の減少、および有効期間の延長を示す。
【背景技術】
【0002】
経腸製剤は、救急病院および長期医療施設(すなわち、ナーシングホーム)の双方における患者介護の重要な構成要素である。典型的には、これらの製剤は、長期にわたって唯一の栄養源として役立つ。したがって、前記製剤は、栄養不良を予防するための主要目的に合致させようとするならば、蛋白質、脂肪、ミネラル類、電解質など、かなりの量を含んでいなければならない。一般に患者が固形食品を摂取できないことから、これらの製剤は、典型的には、液体として患者に投与される。一部の患者は、この製剤を飲用することができるが、大部分の患者は、経鼻胃管(NG管または経管栄養)を経由してこれらの栄養製剤を服用する。
【0003】
経腸製剤は、2種の形態の1つにおいて販売できる。第1は、看護士または栄養士によって投与直前に再構成される粉末としてである。第2は、投与時にNG管に簡単に取付けられる即時供給液体(RTF)である。米国においては、健康管理施設では、地域社会の多くで熟練した医療従事者の不足を鑑みて即時供給製剤が圧倒的に好まれている。さらに、健康管理施設では、これらのRTF製剤が少なくとも12ヵ月の有効期間を有する期待されている。この長期安定性への期待により、多くの安定品が創製されているが、その一部が部分的解決されただけである。
【0004】
栄養不良を避けるために脂質が必要とされることから、これらのRTF製剤には相当な量の脂質が含まれている。したがって、これらのRTF製剤は、典型的に水中油型乳剤として製造される。乳剤は、乳化剤と称される物質によって懸濁液に保持される2種またはそれ以上の混和しない脂質の安定混合物である。乳化剤として働く界面活性剤が、通例、経腸製剤中に組み込まれる。蛋白質と炭水化物ポリマー類は、乳化剤としても働くことができ、さらに製剤を安定化させるために役立つが、これらの複数乳化剤は、RTF製剤に伴う安定性問題の全てを解決しているわけではない。
【0005】
このような問題の1つは、クリーム化である。クリーム化は、相分離に関する記述用語である。懸濁液において混和しない2層を有する代わりに、脂質層は水層から分離して容器の上部に浮かぶ。クリーム化は、多くの問題を引き起こす。
【0006】
1つの問題は、栄養製剤の不均一または不完全な送達である。脂肪が容器の上部にあるので、投与期間(24時間までのことがあり得る)の最終時に塊として脂質カロリーを与えられることになる。分離脂質層は、容器ならびに投与セットの側面に付着することが多く、脂質のかなりの部分が送達されないこととなる。経腸供給の合い間の長時間NG管中に脂質が残留すると、脂質が硬化してNG管を塞ぐ恐れがある。
【0007】
栄養製剤の送達問題に加えて、経腸製剤の物理的外観が、相分離によって悪い影響を受ける。このクリーム化がひどすぎれば、実際、腐敗ミルクに似た製剤となり得る。この問題を解決する試みはなされているが、現在までに開発された溶液は、特にカロリー濃度の高い製品によっては適切なものではなかった。クリーム化は、1kcal/ml以上のカロリー濃度を有する製剤において悪化する。患者の栄養必要量を約1リットルの容量に合致させる必要があることから、この範囲のカロリー濃度を使用することが多い。
【0008】
Mulchandaniらに対する米国特許明細書第5,700,513号は、経腸製剤の物理的安定性を高めることに関しており、イオタカラゲーナンおよびセルロース誘導体がクリーム化問題を軽減することを教示している。Morrisらに対する米国特許明細書第5,869,118号もまた、経腸製剤の安定性を改良することに関しており、ゲランガムがクリーム化の発生を減少させることを教示している。Hwangらに対する米国特許明細書第5,416,077号は、イオタカラゲーナンおよびカッパカラゲーナンもまたクリーム化を軽減させることを教示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの特許は当業界に対してかなりの貢献があるが、それらの溶液は、特にカロリー濃度の高い栄養製剤においては全く適切ではなかった。多くの研究者は、クリーム化の発生を減少させるために添加物または安定化剤に焦点を合わせていたが、これらの文献では、蛋白質源およびそれらのクリーム化に及ぼす影響を評価する試みは記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、経腸製剤におけるクリーム化の発生は、特定の蛋白質システムの利用によって減少させられることが発見された。この蛋白システムは、製剤の総蛋白含量を基準にして約40w/w%から約95w/w%のカゼイネートと約5w/w%から約60w/w%の安定化蛋白質を含有する。前記安定化蛋白質は、植物性蛋白質および乳清蛋白質からなる群から選択される。好ましい安定化蛋白質ははダイズである。
【0011】
この蛋白質システムを利用する経腸製剤は、カゼイネートを唯一の蛋白質源として利用する経腸製剤と比較すると、クリーム化がないか、またはその著しい減少を示す。このクリーム化がない、または減少した状態は、少なくとも12ヵ月間維持される。この知見は全く予想されなかった。カゼイネートは、乳化蛋白質として酪農産業において利用されてきた長い歴史がある。カゼイネートは、望ましい官能検査、望ましいアミノ酸プロファイルを有し、乳剤の安定性を著しく高めると考えられていたので、水中油型乳剤に慣例的に用いられている。カゼイネートが実際、相分離を促進することにより経腸製剤を不安定化させるという本発明者の知見は、全く予想されなかった。
【0012】
カゼイネートの不安定化効果にもかかわらず、本蛋白質システムは、少なくとも40%のカゼイネート含有する必要がある。本発明者らは、安定化蛋白質の含量が60%以上に増すと、この製剤は不安定になることを発見した。特に加熱処理後に蛋白質が乳剤から沈殿する。
【0013】
本発明のさらなる態様は、本蛋白システムを利用する新規な種類の経腸製剤に関する。これらの栄養製剤は、a)
i)栄養製剤の総蛋白質含量を基準にして約40w/w%から約95w/w%の量で存在するカゼイネート蛋白質源と、
ii)栄養製剤の総蛋白質含量を基準にして約5w/w%から約60w/w%の量で存在する、植物性蛋白質と乳清蛋白質からなる群から選択される安定化蛋白質とを含有する、栄養製剤の全カロリーの少なくとも16%を提供する蛋白質システムと、
b)前記栄養製剤の総カロリーの少なくとも25%を提供する脂肪源と、
c)前記栄養製剤の総カロリーの少なくとも30%を提供する炭水化物源と、
d)前記栄養製剤の1リットル当たり少なくとも8グラムの繊維源と、
を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本出願に用いられる場合:
a)用語の「経腸製剤」、「栄養製剤製剤」、および「製品」は交換可能に用いられる。
b)用語の「総カロリー」とは、完成栄養製剤製品の一定容量の総カロリー含量(すなわち、1リットルあたりのカロリー数)を言う。
c)本出願中、多くの範囲における全数値範囲の言及は、その範囲内に具体的に含まれる全ての数字、およびその範囲内に含まれる全数値の部分集合の開示を表すものとして解釈すべきである。さらに、この範囲は、その範囲におけるすべての数字、または数値の部分集合に関するクレームの支持を提供するものとして解釈すべきである。例えば、1〜10の開示は、2〜8、3〜7、5、6、1〜9、3.6〜4.6、3.5〜9.9、1.1〜9.9などの範囲を支持するものとして解釈すべきである。
d)用語の「製剤の総蛋白質含量」は、キエルダール窒素から非蛋白質窒素を引いたものに基く。
e)用語の「RDI」とは、必須ビタミン類およびミネラル類に関する「推奨された食物許容量」(RDA)に基く一連の食事摂取基準を言う。名称の「RDI」は、用語の「米国RDA」(推奨された1日の栄養所要量)に取って代わる。推奨される栄養所要量(RDA)は、米国RDAを設定するための基準として使用されるNational Academy of Scienceにより確立された一連の推定栄養所要量である。これは、現在の科学的知識を反映するために定期的に最新化される。
【0015】
本発明の要点は、上記の独特な蛋白質システムである。この蛋白質システムは、これらの水中油型乳剤における相分離を著しく減少させるか、または除去し、したがって、上記のクリーム化問題を著しく最少化する。この蛋白システムは、先行技術で経腸製剤用に発明した蛋白質システムに単に置き換えることにより、今日発売されている先行技術の経腸製剤のいずれにおいても実質的に使用できる。この蛋白システムは、一般集団用、または特定の疾患または傷害を受けている集団用にデザインされた経腸製剤においても使用できる。
【0016】
例えば、従来の経腸製剤を与えられた場合、糖尿病では血糖値の急激な上昇を経験する。したがって、これらの患者のために特別な製剤が開発された。これらの製剤は、患者の血糖応答を鈍らせるために、比較的大量の脂質を含有することが多い。これらの製剤は、著しいクリーム化問題を有するので、本発明の蛋白質システムの適用により利益を得ることができる。このような糖尿病用製剤の例としては、Abbott Laboratoriesにより発売されているGlucerna(登録商標)、およびNestleにより発売されているGlytrol(登録商標)が挙げられる。
【0017】
運動が限定されているため、患者が圧迫潰瘍を発症する危険性の高い長期医療施設用に特定の製剤がデザインされている。これらの製剤には、治癒を促進させるために増量されたカゼイネートを含有することが多く、著しいクリーム化問題をこうむる。このような製剤の例としては、Jevity(登録商標)、Jevity Plus(登録商標)、Twocal(登録商標)、Periative(登録商標)およびNutriFocus(登録商標)が挙げられ、これら全ては、Abbott Laboratriesにより発売されている。他の例としては、Nestleにより発売されているProbalance(登録商標)およびMead Johnsonにより発売されているUltracal(登録商標)が挙げられる。
【0018】
上記の特定の経腸製剤は、本発明が適用できる多くの可能性な適用を例証する意図としてのみ挙げられている。当業者は、本発明の蛋白質システムにより安定性が改善できる他の種類の製剤を容易に認識するであろう。
【0019】
当業者によく知られているように、経管供給製剤は、典型的には唯一の栄養源として役立つ。したがって、それには、蛋白質、炭水化物、脂質類、ビタミン類、およびミネラル類を含有する必要がある。これらの栄養製剤は、容易に摂取できるか、または24時間投与できる容量で、人の栄養不良を防止するために十分な量で存在しなければならない。典型的には、これは、1日当たり1000カロリーから3000カロリーのカロリー要件を伴う。これらのカロリーは、1リットルから2リットルの範囲の体積で供給する必要がある。
【0020】
本発明の製剤の一構成要素は蛋白質システムである。前記蛋白質システムは、前記栄養製剤の総カロリーの少なくとも16%を供給する必要がある。それは、総カロリーの約35%まで供給できる。さらなる実施形態において、それは、前記栄養製剤の総カロリーの約16.5%から約25%まで、より典型的には総カロリーの約18〜25%を供給できる。
【0021】
本発明に利用される蛋白質システムは、少なくとも2種の異なるタイプの蛋白質を含有する必要がある。存在しなければならない第1の蛋白質はカゼイネートである。カゼイネートは、上記の安定性問題のために製剤に存在する必要がある。驚くべきことに、安定化蛋白質の濃度が60%を超えると、異なった安定性問題に遭遇することを発見した。これらの濃度では、蛋白質は乳剤から沈殿する。食品グレードの滅菌を達成するために製剤を熱的に処理した際に、この沈殿は増加する。
【0022】
カゼイネートは、哺乳類のミルクから得られた蛋白質の酸不溶性画分である。前記カゼイネートは、ウシから得られるが、通常、人に摂取されるいずれの哺乳類ミルクからも得ることができる。カゼイネートの好適な種類としては、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カルシウム、カゼイン酸カリウム、カゼイン酸マグネシウム、カゼイン酸リチウムなどが挙げられる。カゼイネートはもとのままであることが好ましい。しかしながら、これは、わずかに加水分解され得る。加水分解されたカゼイネート源が使用されると、10%以下の加水分解度(DH)を有するはずである。加水分解度とは、切断されるペプチド結合のパーセントを言う。このことは、Journal of Agricultural Food Chemistry、27/6(1979)1256〜1262頁において、Adler−NissenによるDHを決定する方法を含めて、より詳細に記載されている。
【0023】
カゼイネートは、多数の商品源から入手できる。例えば、カゼイネート類および加水分解カゼイネート類は、ペンシルバニア州ハリスバーグのNew Zealand Milk Productsから入手できる。
【0024】
前記蛋白質システム内に含まれたカゼイネート量は種々あり得るが、前記製剤の総蛋白質含量を基準にして少なくとも40w/w%のカゼイネートを含有する必要がある。カゼイネート含量は、総蛋白質含量を基準にして95w/w%の含量まで上げられる。より典型的には、カゼイネートは、総蛋白質含量を基準にして約60w/w%から約85w/w%、より典型的には、約60w/w%から約80w/w%までの範囲の量で存在する。
【0025】
本蛋白システムの他の成分は、安定化蛋白質である。前記安定化蛋白質は、植物性蛋白質または乳清蛋白質である。植物性蛋白質は、任意の植物源(すなわち、非動物)に由来する。好適な植物性蛋白質の例としては、ダイズ、トウモロコシ、ジャガイモ、コメ、およびエンドウが挙げられる。植物性蛋白質は、元のままであることが好ましいが、僅かに加水分解されていてもよい。それは、約10%以上のDHを有してはならない。最も好ましい植物性蛋白質はダイズである。ダイズは、ダイズ蛋白濃縮液またはダイズ蛋白単離体として存在できる。
【0026】
安定化蛋白質は乳清蛋白質であってもよい。乳清蛋白質は、哺乳類ミルクから得られた蛋白質の酸溶解性画分である。前記乳清は、ウシから得られるのが好ましいが、人により日常的に摂取される任意の哺乳類ミルクから得てもよい。乳清は元のままであることが好ましいが、10%以下のDHを有してもよい。
【0027】
これらの安定化蛋白質は、多くの商品源から入手できる。例えば、元のままの乳清および加水分解乳清は、ペンシルバニア州ハリスバーグのNew Zealand Milk Productsから入手できる。ダイズ蛋白質および加水分解ダイズ蛋白質は、ミズーリ州セントルイスのProtein Technologies Internationalから入手できる。エンドウ蛋白質は、オハイオ州ロージのFeinkost Ingredients Companyから入手できる。コメ蛋白質は、カリフォルニア州ラスロップのCalifornia Natural Productsから入手できる。トウモロコシ蛋白質は、アイオワ州ケオククのEnerGenetics Inc.から入手できる。
【0028】
前記安定化蛋白質は、乳清蛋白質または植物性蛋白質のいずれかであればよい。それはまた、乳清と1種以上の植物性蛋白質との混合物、または異なる植物性蛋白質の混合物であってもよい。安定化蛋白質量は、広範囲で変えることができるが、典型的には、総蛋白質含量の約5w/w%から、総蛋白質含量の約60w/w%までの範囲である。さらなる実施形態において、前記安定化蛋白質は、総蛋白質含量の約15w/w%から約40w/w%、より典型的には、約20w/w%から約35w/w%までの量で存在する。
【0029】
当業者によく知られているように、ミルク蛋白質の単離体および濃縮液を、商品として入手でき(以後「単離体」)、経腸製剤中に組み込むことができる。これらのミルク蛋白質単離体は、種々の量の乳清、およびカゼイネートの両方を含有する。これらの単離体は、必要なカゼイネートおよび安定化蛋白質の両方を提供するために本発明の製剤に利用できる。これらの単離体は、クレームの限定に合致しているかどうかを決定する際に、単離体内に含有された乳清およびカゼイネートが別々に組み込まれるように処理する必要がある。例えば、70%カゼイネートおよび30%乳清を含有する10グラムのミルク蛋白単離体は、7グラムのカゼイネートおよび3グラムの乳清を栄養製剤に添加するように処理する必要がある。
【0030】
カゼイネートおよび安定化蛋白質に加えて、患者が以下のような添加物から利益を得る場合は、製剤に遊離アミノ酸または小型ペプチドを、場合によっては含有してもよい。例えば、アルギニンは、圧迫潰瘍の治癒を促進し、皮膚の完全性維持を補助する。外傷性傷害を患っている患者は、グルタミンの存在またはグルタミン含有ペプチド類の存在により利益を受けることができる。存在することによって利益が受けられる他のアミノ酸類またはペプチド類としては、メチオニンが挙げられる。アミノ酸類またはペプチド類が製剤に組み込まれる場合、それらの集合的な量は、前記総蛋白含量の20w/w%を超えてはならず、より好ましくは約10w/w%である。
【0031】
蛋白質に加えて、該製剤は脂質または脂肪を含有しなければならない。脂質は、エネルギーおよび必須脂肪酸を提供し、脂溶性ビタミン類の吸収を高める。本発明の製剤に利用される脂質量は、広範囲に変わり得る。しかし、クリーム化は、典型的には、脂肪含量が総カロリーの約25%以下である製剤では問題とはならない。
【0032】
しかし、一般的なガイドラインとして、脂質は製剤の総カロリーの少なくとも約25%を供給する必要があり、総カロリーの約60%まで供給できる。さらなる実施形態において、脂質は、総カロリーの約30%から約50%までを供給する。脂質源は本発明にとって重要ではない。全ての必須脂肪酸を提供し、人の摂取に好適な任意の脂質または脂質類の組合わせが利用できる。
【0033】
本発明の製剤への使用に好適な食品グレードの脂質の例としては、ダイズ油、オリーブ油、マリン油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、ベニバナ油、高オレイン酸ベニバナ油、分画ヤシ油、メンミ油、トウモロコシ油、カノーラ(canola)油、パーム油、パーム核油およびこれらの混合油が挙げられる。これらの脂肪類の多数の商品源は容易に入手でき、現在活動している当業者に知られている。例えば、ダイズ油とカノーラ油は、イリノイ州デカターのArcher Daniels Midlandから入手でき、トウモロコシ油、ヤシ油、パーム油およびパーム核油は、オレゴン州ポートランドのPremier Edible Oils Corporationから入手できる。分画ヤシ油は、イリノイ州ラグランジのHenkel Corporationから入手できる。高オレイン酸ヒマワリ油および高オレイン酸ベニバナ油は、オハイオ州イーストレークのSVO Specialty Productsから入手できる。マリン油は、日本国東京のMochida Internationalから入手できる。オリーブ油は、英国ノースハンバーサイドのAnglia Oilsから入手できる。ヒマワリ油およびメンミ油は、ミネソタ州ミネアポリスのCargilから入手できる。ベニバナ油は、カリフォルニア州リッチモンドのCalifornia Oils Corporationから入手できる。
【0034】
これらの食品グレードの油に加えて、望まれる場合は、組織状脂質を栄養製剤に加えてもよい。組織状脂質は、当業界に知られている。組織状脂質の簡潔な記載は、「Structured lipids allow fat tailoring」という標題で、INFORM、8巻、10号、1004頁(1997)に見ることができる。また、参照により本明細書に組み込まれている米国特許明細書番号第4,871,768号を参照されたい。組織状脂質は、媒体と、同じグリセロール核状の中鎖および長鎖脂肪酸との混合物を含有する主としてトリアシルグリセロール類である。経腸製剤における組織脂質類およびそれらの使用もまた、米国特許明細書第6,194,37号および米国特許明細書第6,160,007号に記載されており、その内容は参照により本明細書中に組み込まれいる。
【0035】
本発明の栄養製剤はまた、炭水化物源を含有する。炭水化物類は、容易に吸収され、利用されるので患者の重要なエネルギー源である。それらは、脳および赤血球にとって好ましい栄養物である。利用できる炭水化物量は、広範囲に変えることができる。典型的には、総カロリーの少なくとも25%を供給するのに十分な炭水化物類が利用される。炭水化物類は、総カロリーの約60%までを供給することができる。典型的には、炭水化物類は総カロリーの約25%から約55%までを供給する。
【0036】
これらの製剤に使用できる炭水化物類を幅広く変えることができる。典型的に産業に使用される炭水化物はいずれも使用できる。利用できる好適な炭水化物類の例としては、加水分解トウモロコシデンプン、マルトデキストリン、グルコースポリマー、ショ糖、トウモロコシシロップ固体、グルコース、フルクトース、高フルクトーストウモロコシシロップおよびフルクトオリゴ糖が挙げられる。
【0037】
特殊な炭水化物混合物が、中等度の血糖レベルを補助するために糖尿病用にデザインされている。このような炭水化物混合物の例としては、Cashmereらに対する米国特許明細書第4,921,877号、Wibertらに対する米国特許明細書第5,776,887号、Audryらに対する米国特許明細書第5,292,723号、Laughlinらに対する米国特許明細書第5,470,839号に記載されており、その内容は全て参照により組み込まれいる。これらの炭水化物混合物のいずれも、本発明の栄養製剤に利用できる。
【0038】
炭水化物源と共に、本発明の製剤はまた、繊維源も含有する。クリーム化に対する繊維の正確な影響は不明だが、本発明より認められた最も重要なクリーム化問題は、かなりの量の繊維を含有する製剤に生じた。本明細書中およびクレームに用いられる食物繊維は、人の消化管中の酵素によって血流に吸収される小分子に分解されない全ての食物成分であると解される。これらの食物成分は、主としてセルロース類、ヘミセルロース類、ペクチン、ガム類、粘質物類、およびリグニン類である。繊維類は、化学組成や物理的構造がかなり異なり、したがって、生理的機能も異なる。
【0039】
生理的機能に影響を与える繊維(または繊維システム)の性質は、溶解性および発酵性である。溶解性に関しては、繊維は、一定のpHにおいて緩衝液中に可溶化される繊維物質の能力に基いて、溶解タイプと不溶性タイプに分けることができる。繊維源によって、それらが含有する溶解性繊維と不溶性繊維の量が異なる。本明細書中およびクレームに用いられる「溶解性」および「不溶性」の食物繊維は、American Association of Cereal Chemists(AACC)法32−07を用いて測定する。本明細書中およびクレームに用いられる「総食物繊維」または「食物繊維」は、AACC法32−07により測定された溶解性繊維と不溶性繊維の合計であると解され、そこでは重量で少なくとも繊維源の70%は食物繊維を含む。本明細書中およびクレームに用いられる「溶解性」食物繊維源は、少なくとも60%の食物繊維がAACC法32−07により決定された溶解性繊維である繊維源であり、「不溶性」食物繊維源は、少なくとも60%の食事用繊維がAACC法32−07により決定された溶解性繊維である繊維源である。
【0040】
代表的な溶解性食物繊維源は、アラビアゴム、カルボキメチルセルロースナトリウム、、グアーゴム、シトラスペクチン、低および高メトキシペクチン、エンバクおよびオオムギグルカン類、カラゲーナンおよびオオバコである。溶解性食物繊維の多数の商品源が入手できる。例えば、アラビアゴム、加水分解カルボキメチルセルロース、グアーゴム、ペクチン、低および高メトキシペクチン類は、メリーランド州ベルキャンプのTIC Gums Inc.から入手できる。エンバクおよびオオムギグルカン類は、ネブラスカ州オマハのMountain Lake Specialty Ingredients、Inc.から入手できる。オオバコは、ニュージャジー州ノースバーゲンのMeer Corporationから入手でき、一方、カラゲーナンは、ペンシルバニア州フィラデルフィアのFMC Corporationから入手できる。
【0041】
代表的な不溶性食物繊維源は、エンバク殻繊維、エンドウ殻繊維、ダイズ殻繊維、ダイズ子葉繊維、テンサイ糖繊維、セルロースおよびトウモロコシぬかである。多数の不溶性食事用繊維源が入手できる。例えば、トウモロコシぬかは、イリノイ州シカゴのQuaker Oatsから入手でき;エンバク殻繊維はミネソタ州ケンブリッジのCanadian Harvestから;エンドウ殻繊維はカナダ国ウィニペッグのWoodstone Foodsから;ダイズ殻繊維とエンバク殻繊維はメリーランド州ラヴェールのThe Fibrad Groupから;ダイズ子葉繊維はミズーリ州セントルイスのProtein Technologies Internationalから;テンサイ糖繊維は、ミネソタ州ミネアポリスのDelta Fiber Foodsから;およびセルロースは、ニュージャージー州サドルブルックのJames River Corp.から入手できる。
【0042】
繊維類とそれらの製剤への組み入れについてのより詳細な考察は、Garlebらに対して発行された米国特許明細書第5,085,883号に見ることができ、これは参照により本明細書中に組み込まれている。
【0043】
製剤中に利用される繊維量は変わり得るが、製剤は1リットル当たり少なくとも8グラムの繊維を含有する必要がある。栄養製剤は、典型的に繊維を1リットル当たり約10グラムから約35グラム含有する。繊維は、1リットル当たり約10グラムから約20グラムの範囲量で存在することが最も好ましい。利用される繊維の具体的な種類は特に重要ではない。人の摂取に好適であり、かつ栄養製剤のマトリックス中で安定である繊維はいずれも利用できる。
【0044】
繊維物質に加えて、栄養製剤はまた、フルクトオリゴ糖(FOS)またはグルコオリゴ糖(GOS)などのオリゴ糖を含有できる。オリゴ糖は、大腸に生息する嫌気性微生物によって短鎖脂肪酸へと迅速かつ広範囲で発酵する。これらのオリゴ糖は、大部分のビフィズス菌種の優先的エネルギー源であるが、クロストリジウム・パーフィンゲンス、クロストリジウム・ディフィシレまたはエシュリヒア・コリなど、病原となる可能性がある生物によっては利用されない。
【0045】
本発明の栄養製剤は、関連するRDIの全てを満たす十分なビタミン類およびミネラル類を含有する。当業者は、製品の有効期間にわたりRDIを満たすことを保証するために、しばしばある一定のビタミン類およびミネラル類で栄養価を高める必要があることを認識している。当業者はまた、ある一定の微量養分が、患者が患っている基礎疾患または疾病に依って、人々に利益を与える可能性があることを認識している。例えば、糖尿病は、クロム、カルニチン、タウリンおよびビタミンEなどの栄養物から利益を得る。全てのRDI、ならびに特定の集団のニーズを満たすようにビタミンおよびミネラル含量を加減することは、十分に当業者の技術範囲内にある。
【0046】
本発明の製剤用ビタミンおよびミネラルシステムの一例は典型的に、約1リットルから約2リットルの範囲の容量中、A、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K、ベータ−カロテン、ビオチン、葉酸、パントテン酸、ナイアシンおよびコリンなどのビタミン類;カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、リン、および塩化物などのミネラル類;鉄、亜鉛、マンガン、銅およびヨウ素などの微量金属;クロム、モリブデン、セレンなどの超微量金属;およびm−イノシトール、カルニチンおよびタウリンなどの条件付きで必須の栄養製剤、に関して少なくとも100%のRDIを含む。
【0047】
当業者によく知られているように、種々のカロリー濃度の経腸製剤があり得る。製剤のカロリー濃度が増すにつれてクリーム化が問題となる。上記の安定化蛋白質システムは、約1キロカロリー(kcal)/ミリリットルから2.5kcal/mlの範囲のカロリー濃度を有する製剤に特に適用できる。これは、1.2kcal/mlから2.0kcal/mlの間のカロリー濃度を有する製剤に特に適用できる。
【0048】
人工甘味料もまた、製剤の感覚受容性を高めるために栄養製剤に添加できる。好適な人工甘味料の例としては、サッカリン、アスパルテーム、アセスルフェーム(acesulfame)Kおよびスクラロース(sucralose)が挙げられる。本発明の栄養製剤製品は、風味付けおよび/または着色を場合によっては含むことができ、外観のアピールおよび経口摂取のために受容できる味を有する栄養製剤製品を提供できる。有用な風味付けの例としては、典型的には、例えば、イチゴ、桃、バターペカン、チョコレート、バナナ、キイチゴ、オレンジ、ブルーベリーおよびバニラが挙げられる。
【0049】
本発明の栄養製剤製品は、当業者によく知られた技術を用いて製造できる。確かに栄養製剤の製剤技術における製造変法は当業者に十分よく知られているが、2、3の製造法を実施例に詳細に記載する。一般的に言って、油と繊維の混合物を、油、任意の乳化剤、繊維および脂溶性ビタミン類を全て含んで調製する。さらに3種のスラリ(炭水化物および2種の蛋白質)を、別に水中、炭水化物とミネラル類および蛋白質を一緒に混合することにより調製する。次に前記スラリを油混合物と一緒に混合する。生じた混合物を均一化し、加熱処理し、水溶性ビタミン類で標準化し、風味付けし、最後に滅菌する。次いでこの製剤を、消費者または健康管理業者にとって望ましい任意の形態で包装できる。
【0050】
以下の実施例は、本発明をさらに例示するために示される。それらは、いかなる様式においても本発明を限定するものとして解釈してはいけない。これらの実施例によって例示された具体的な実施形態により、当業者に対し本発明の安定化蛋白質システムの広範囲にわたる適用性が説明される。
【実施例1】
【0051】
16.7%の蛋白質カロリー、29%の脂肪カロリーおよび53.3%炭水化物カロリーを有する2種の1.06Kcal/ml繊維含有即時供給用経管栄養製品を、蛋白質および繊維成分の複数ロットを用いてパイロットプラント施設において製造した。表1および表2は、コントロール(100%カゼイネート類)および20%SPI製剤の1000lbバッチのBOMを示した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
カノーラ油、高オレイン酸ベニバナ油および中鎖トリグリセリド油をタンクに入れて2種の油中蛋白質スラリを、調製し、この油混合物を140°Fから150°Fの範囲の温度に加熱する。攪拌下、油溶解性ビタミン類およびパノダン(Panodan)の目標量を油混合物に加える。次に、ダイズ蛋白質単離体またはカゼイン酸ナトリウムを油混合物に加える。
【0055】
目標重量の蛋白質を約400lbsの水に分散させることにより水中蛋白質スラリを調製し、攪拌下、130°Fから140°Fにスラリを徐々に加熱する。
【0056】
約150lbsの水を湯沸しに入れて炭水化物/ミネラルスラリを調製し、この水を130°Fから150°Fに加熱する。攪拌下、目標量の塩類、繊維類およびマルトデキストリン類を加える。使用するまでスラリを130°Fから150°Fで保持する。
【0057】
ビタミン類、カルニチン、コリンおよびタウリンを約26lbsの水に溶解させることによりビタミン溶液を調製し、45%KOHを用いて6.5から10.5に溶液のpHを調整する。
【0058】
攪拌下、水スラリ中の蛋白質に炭水化物スラリを加えて混合液を調製する。次に、油中蛋白質スラリを前記混合液に加え、1N KOHを用いて混合液のpHを6.6から6.8に調整する。混合液はUHTであり、均一化する。次に前記ビタミン溶液を均一化した混合液に加え、水を加えて脂肪、蛋白質および全固体濃度を所望の範囲に調整する。次いで、標準化した製品を半透明プラスチック容器に満たし、無菌状態になるまで滅菌する。
【0059】
完成製品を室温、直立位置で保存し、複数サンプルを物理試験室に引渡し、有効期間中のクリーム層の厚さを測定する(表3)。用語の「クリーム」とは、製品の上部に浮かんでいる粘性油状液体を言い、保存後にだけ見えるようになる。即時供給製品の粘性クリーム層の存在は、その製品の魅力を低下させる。さらに、このクリーム層は、振った後に、容器の頚部域に付着しがちであり、製品の品質について消費者の懸念を生じさせる。したがって、クリーム化の欠点は、製品の有効期間を制限する重要な要因の1つである。
【0060】
我々は、蛋白質システムの一部としてSPIの含有により、クリーム化の発生を遅らせることを見出した(表3)。最初の5ヵ月保存において測定できたクリーム化はなかった。
【0061】
【表3】
【0062】
我々は、7ヵ月齢のサンプルを、転倒容器3を用いて3秒間振とうさせた後、肉眼による検査をした。SPI含有により、容器へのクリーム付着量が有意に減少することが認められた。
【実施例2】
【0063】
18%の蛋白質カロリー、29%の脂肪カロリーおよび53%の炭水化物カロリーを有する3種の1.2Kcal/ml繊維含有即時供給用経管栄養製品を、実施例1に記載された方法とまったく同様の方法を用いてパイロットプラント施設において製造した。表5、6および7は、コントロール(100%カゼイネート類)および20%SPI製剤の1000lbバッチのBOMを示した。
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
完成製品を室温、直立位置で保存し、有効期間試験中、クリーム層の厚さを測定する(表8)。我々は、蛋白質システムの一部としてSPIの含有により、クリーム化の発生を遅らせ、有益な効果がSPI濃度の働きであることを見出した(表8)。
【0068】
【表7】
【実施例3】
【0069】
25%の蛋白質カロリー、23%の脂肪カロリーおよび52%の脂肪カロリーを含有する2種の繊維含有経管製品を、繊維および蛋白質の種々のロットを用いてパイロットプラントへの2度の訪問を含めて実施例1に記載された方法を用いて製造する。表9および10に、これら2種の製剤のBOMを示した。
【0070】
【表8】
【0071】
【表9】
【0072】
我々は、有効期間中のクリーム層の厚さを測定した(表11)。たとえ、安定剤を含有しなくても、SPI製剤は、6ヵ月貯蔵後のクリーム化が少ないことを認識した(表9および10)。クリーム安定性の改善は蛋白質システムの一部としてSPIを含有することによるものであると考えられた。
【0073】
【表10】
【実施例4】
【0074】
我々は、2種の49%の脂肪カロリー含有製品を、実施例1に記載された方法を用いて製造した。製剤1は、16.7%蛋白質カロリーを含有し、その蛋白質源として100%カゼイネートを用い(表12)、一方、製剤2は、18%蛋白質カロリーを含有し、その蛋白質システム内に20%SPIを含む〔表13)。
【0075】
【表11】
【0076】
【表12】
【0077】
我々は、有効期間中のクリーム層の厚さを測定し、SPIの含有により、クリーム化の発生を遅らせることが判った(表14)。
【0078】
【表13】
【実施例5】
【0079】
種々の蛋白質システムによる全部で18のJevity FOSを、方法1に記載された方法を用いてなされた。無菌4品の肉眼検査をし、0から5のポイントシステムに基きスコア化した。スコア5は、製品が目に見えるクリーム化を示さず、蛋白質凝固の徴候もないことを示す。スコア4は、製品が2mm未満のクリーム化を示すが、蛋白質凝固の徴候がないことを示す。スコア3は、製品が2mm以上のクリーム化を有するが、この製品は、まだ蛋白質凝固がないことを示す。スコア2は、製品において蛋白質凝固によると思われる、目に見える粒子が存在することを示す。スコア1は、蛋白質凝集物が、0.1cm未満であるが、製品が、3日以内に液体上部に乳清化が現れるほど早く沈殿することを示す。スコア0は、蛋白質凝集物が直径0.1cm以上で、製品が1日以内で乳清化が現れることを示す。スコア1以下の製品は、供給管を詰まらせる恐れがあり、機能的に許容できないと考えられる。スコア3未満の製品は、美感上許容できない。
【0080】
【表14】
Claims (15)
- a)
i)栄養製剤の総蛋白質含量を基準にして約40w/w%から約95w/w%の量で存在するカゼイネート蛋白質源と、
ii)栄養製剤の総蛋白質含量を基準にして約5w/w%から約60w/w%の量で存在する、植物性蛋白質と乳清蛋白質質からなる群から選択される安定化蛋白質と
を含有する、液体栄養製剤の全カロリーの少なくとも16%を提供する蛋白質システムと、
b)前記栄養製剤の総カロリーの少なくとも25%を提供する脂肪源と、
c)前記栄養製剤の総カロリーの少なくとも30%を提供する炭水化物源と、
d)1リットル当たり少なくとも8グラムの繊維源と、
を含む液体栄養製剤。 - 前記カゼイネート蛋白質が、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カルシウムおよび加水分解されたカゼイネートからなる群から選択される請求項1に記載の液体栄養製剤。
- 前記植物性蛋白質が、ダイズである請求項1に記載の液体栄養製剤。
- 前記安定化蛋白質が、乳清である請求項1に記載の液体栄養製剤。
- 前記蛋白質が、前記栄養製剤の総カロリーの16%から約28%を提供する請求項1に記載の液体栄養製剤。
- 前記カゼイネートが、前記栄養製剤の総蛋白質含量を基準にして約60w/w%から85w/w%の量で存在する請求項1に記載の液体栄養製剤。
- 前記安定化蛋白質が、前記栄養製剤の総蛋白質含量を基準にして約15w/w%から約40w/w%の量で存在する請求項1に記載の液体栄養製剤。
- 前記脂肪源が、総カロリーの約25%から約50%を提供する請求項1に記載の液体栄養製剤。
- 前記炭水化物が、総カロリーの約30%から約60%を提供する請求項1に記載の液体栄養製剤。
- 前記繊維が、可溶性繊維および不溶性繊維からなる群から選択される繊維源を提供する請求項1に記載の液体栄養製剤。
- 前記繊維源が、アラビアゴム、カルボキメチルセルロース、グアーゴム、コンニャク粉、キサンタンガム、アルギン酸塩、ゲランガム、アカシアゴム、シトラスペクチン、低および高メトキシペクチン、修飾セルロース、エンバクおよびオオムギグルカン類、カラゲーナン、オオバコ、ダイズ多糖、エンバク殻繊維、エンドウ殻繊維、ダイズ殻繊維、ダイズ子葉繊維、テンサイ糖繊維、セルロース、トウモロコシぬかおよび上記繊維の加水分解体からなる群から選択される請求項1に記載の液体栄養製剤。
- 前記栄養製剤が、少なくとも1kcal/mlから約2kcal/mlのカロリー濃度を有する請求項1に記載の液体栄養製剤。
- 前記脂肪源が、ダイズ油、オリーブ油、マリン油、ヒマワリ油、高オレイン酸含有ヒマワリ油、ベニバナ油、高オレイン酸ベニバナ油、分画ヤシ油、メンミ油、トウモロコシ油、カノーラ(油、パーム油、パーム核油およびこれらの混合油からなる群から選択される請求項1に記載の液体栄養製剤。
- 少なくとも1.2kcal/mlのカロリー濃度を有する請求項1に記載の液体栄養製剤。
- a)栄養的に完全な液体製剤に、
i)1つの蛋白質は、前記栄養製剤の総蛋白質含量を基準にして約45w/w%から約85w/w%の量で存在するカゼイネート蛋白質であり、
ii)第2の蛋白質は、前記安定化蛋白質が前記栄養製剤の総蛋白質含量を基準にして約15w/w%から約55w/w%の量で存在するダイズ蛋白質および乳清蛋白質からなる群から選択される安定化蛋白質である、
少なくとも2種の異なった蛋白質を含む蛋白質源を組み入れることを含む、栄養的に完全な液体製剤におけるクリーム化を減少させる方法。
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