JP2004530770A - ディーゼル燃料抵抗性の成形部材 - Google Patents

ディーゼル燃料抵抗性の成形部材 Download PDF

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Abstract

本発明はポリオキシメチレンA)からなる成形部材のディーゼル燃料抵抗性を向上するためのカルボン酸亜鉛B)少なくとも1種の使用に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明はポリオキシメチレンA)からなる成形部材のディーゼル燃料抵抗性を向上するための、少なくとも1種のカルボン酸亜鉛B)の使用に関する。
【0002】
本発明はさらに本発明による使用により得られる成形部材に関する。
【0003】
ポリアセタールはその高い結晶性に基づいて数多くの化学薬品に対する良好な抵抗性を有し、その際、燃料(メタノール含有燃料を含む)、グリース、オイル、ブレーキ液および冷却液に対する高い抵抗性が特に優れている。ポリアセタールはごくわずかな膨潤性を示すのみであり、従って高い形状安定性を有する。(その他の工業用熱可塑性プラスチックと比較して)ポリアセタールの良好な加工収縮性はタンクケーシング(燃料取り出し装置)を製造する際に利用される。というのも、この適用に統合されるプラグコネクタは高い気密性を有していなくてはならないからである。同時に、法律によって要求されるクラッシュ時のための要求を満足するために、タンクケーシングに使用される材料の高い破断点伸びが必要とされる。ポリアセタールはこのためにも、ならびに燃料の供給および返送システムの範囲での所望の高い熱時の形状安定性のためにも選択される材料である。
【0004】
しかしポリアセタールのこれらの良好な特性は60℃までの温度であるにすぎない。
【0005】
ますます性能がよく、同時に経済的なエンジンが開発される自動車分野における傾向に基づいて、特にディーゼル車両の範囲で予測されていなかった問題が生じた。ディーゼル燃料の最適な燃焼を達成するためにはディーゼル燃料を約1300バールの圧力で噴霧する。引き続き0バールまでの急速な放圧を行う。いわゆる共同噴射装置中でのこの工程においてエンジン室中で短時間、160℃までの温度が生じる。この結果、ディーゼル燃料と接触する全ての部材は相応して著しく加熱され、かつタンクからの冷たい燃料とエンジン領域からの熱い燃料との混合により燃料の供給および返送システム中で約90℃の温度が生じる。タンク領域においてもなお90℃を越える温度が生じる。というのも、燃料供給システムから過剰の、まだ熱いディーゼル燃料がタンクへと返送されるからである。この条件下でポリアセタールは分解し、かつ導管中に沈着するので、該導管は一方では脆化し、かつ他方ではディーゼル燃料が通過できなくなる。
【0006】
さらにディーゼル燃料は硫黄または硫黄化合物を含有しており、これらはさらにPOMマトリックスを損傷する。というのも、特に空気の供給下で酸性の硫黄化合物が発生し、これがポリマーを分解するからである。
【0007】
このような硫黄化合物は同様に、加硫エラストマーを含有するか、または該エラストマーにより包囲されている自動車部材(たとえば煤塵保護の理由からエラストマーパッキンを有する運転および操舵範囲における貯蔵部材)中にも見られる。
【0008】
場合によりベンゾトリオール誘導体を有する立体障害アミン(HALS化合物)は通常、UV安定性を高めるためにPOM組成物中で使用され、その際、これらはその適用に応じてその他のUV安定剤と組み合わせることができる:たとえばEP−A448038、EP−A171941、EP−A586988、DE−A3315115およびDE−A4404081を参照のこと。
【0009】
EP−A855424からディーゼル燃料抵抗性を向上するための立体障害アミンの使用が公知である。より最近の出願であるDE−A10030553、DE−A10030635およびDE−A10030632にはこの目的のためにポリエチレンイミンが提案されている。
【0010】
ポリオキシメチレンへの亜鉛化合物の添加は特にDE−A19925491、JP−A11/181232、JP−A07/150004およびJP−A07/150005から公知である。
【0011】
従って本発明の課題は、高い長期使用温度で使用することができ、かつディーゼル燃料に対して、または加硫エラストマーに対して抵抗性であり、その際、上記の良好な使用特性は十分に維持されているポリアセタールからなる成形部材を提供することである。
【0012】
これに応じて冒頭で定義したカルボン酸亜鉛の使用が判明した。有利な実施態様は請求項2以降に記載されている。
【0013】
成分A)として本発明により使用可能な成形材料はポリオキシメチレンのホモポリマーまたはコポリマーを10〜99.99質量%、有利には30〜99質量%、および特に90〜99質量%含有する。
【0014】
このようなポリマーは当業者に自体公知であり、かつ文献に記載されている。
【0015】
これらのポリマーは殊に一般的にポリマー主鎖中に繰返単位−CHO−を少なくとも50モル%含有している。
【0016】
ホモポリマーは一般に、ホルムアルデヒドまたはトリオキサンの重合により、有利には適切な触媒の存在下で製造される。
【0017】
本発明の範囲では、ポリオキシメチレンコポリマー、特に繰り返し単位−CHO−以外にさらに繰り返し単位
【0018】
【化1】
Figure 2004530770
[式中、R〜Rは相互に無関係に水素原子、C〜C−アルキル基または1〜4個の炭素原子を有するハロゲン置換されたアルキル基を表し、かつRは−CH−、−CHO−、C〜C−アルキル−またはC〜C−ハロゲンアルキル置換されたメチレン基または相応するオキシメチレン基を表し、かつnは0〜3の範囲の値を表す]を50モル%まで、有利には0.1〜20モル%、特に0.3〜10モル%および特に有利には2〜6モル%含有しているポリオキシメチレンコポリマーが成分Aとして有利である。有利にはこれらの基は環式エーテルの開環によりコポリマー中に導入することができる。有利な環式エーテルは式
【0019】
【化2】
Figure 2004530770
[式中、R〜Rおよびnは上記のものを表す]のエーテルである。例としてエチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,3−ブチレンオキシド、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソランおよび1,3−ジオキセパンが環式エーテルとしてが挙げられ、ならびに直鎖状のオリゴホルマールまたはポリホルマール、たとえばポリジオキソランまたはポリジオキセパンがコモノマーとしてあげられる。
【0020】
成分A)として同様に、たとえばトリオキサン、前記の環式エーテルと第三のモノマー、有利には式
【0021】
【化3】
Figure 2004530770
[式中、Zは化学結合、−O−、−ORO−(R=C〜C−アルキレンまたはC〜C−シクロアルキレン]の二官能性化合物の反応により製造されるオキシメチレンターポリマーが適切である。
【0022】
この種の有利なモノマーはいくつかの例を挙げるとするならば、エチレンジグリシド、ジグリシジルエーテルおよびグリシジルとホルムアルデヒド、ジオキサンまたはトリオキサンから2:1のモル比でなるジエーテルならびにグリシジル化合物2モルと2〜8個の炭素原子を有する脂肪族ジオール1モルとからなるジエーテル、たとえばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、シクロブタン−1,3−ジオール、1,2−プロパンジオールおよびシクロヘキサン−1,4−ジオールのジグリシジルエーテルである。
【0023】
前記のホモポリマーおよびコポリマーを製造する方法は当業者に公知であり、かつ文献に記載されているので、ここで詳細な記載は不要である。
【0024】
有利なポリオキシメチレンコポリマーは少なくとも150℃の融点および5000〜250000、有利には7000〜150000の範囲の分子量(質量平均)Mを有する。
【0025】
鎖の末端にC−C−結合を有する末端基安定化ポリオキシメチレンポリマーは特に有利である。
【0026】
成分A)として特に、比較的高い割合(一般に>0.1質量%)の熱的に不安定な成分を含有する生成物を使用することもできる。成分C)およびD)は特に、これらを混合前にポリオキシメチレンと前混合する場合にはこのような粗製ポリオキシメチレンを極めて良好に安定化する。
【0027】
成分B)として本発明により使用可能な成形材料は成分A)〜D)に対して少なくとも1種のカルボン酸亜鉛を0.01〜5質量%、有利には0.1〜4質量%および特に0.1〜3質量%含有する(成分A)〜D)の質量%の合計は常に100%である)。
【0028】
有利にはカルボン酸基は2〜44個の炭素原子、特に3〜40個の炭素原子を有する。有利なカルボン酸基は脂肪酸基である。脂肪酸とはモリソン/ボイドの教科書、org. Chemie、第1138頁、第3版、1973年、Verlag Chemie GmbHによれば、多くの場合、有利には3〜18個の炭素原子を有していてもよい直鎖状の化合物である。3〜5個の炭素原子を有する化合物以外に通常は、偶数の炭素を有する酸のみが著量で存在していてもよい。
【0029】
有利な酸としてモンタン酸(30〜40個の炭素原子を有する脂肪酸の混合物)
プロピオン酸 CHCHCOOH
酪酸 CH(CHCOOH
吉草酸 CH(CHCOOH
カプロン酸 CH(CHCOOH
カプリル酸 CH(CHCOOH
カプリン酸 CH(CHCOOH
ラウリン酸 CH(CH10COOH
ミリスチン酸 CH(CH12COOH
パルミチン酸 CH(CH14COOH
ステアリン酸 CH(CH16COOH
オレイン酸 シス−9−オクタデカジエン酸
リノール酸 シス−シス−9,12−オクタデカジエン酸
リノレン酸 シス,シス,シス−9,12,15−オクタデカトリエン酸
ならびにペラルゴン酸、マルガリン酸、ベヘン酸、ドデカンジ酸が挙げられる。
【0030】
特に有利なカルボン酸亜鉛としてステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛およびモンタン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、コハク酸亜鉛、酢酸亜鉛またはこれらの混合物が挙げられる。その他の有利なカルボン酸亜鉛として、亜鉛セッケンBIIとしてBaerlocher社から市販されている二重の反応により得られる二塩基性のステアリン酸亜鉛が挙げられる。多塩基性のカルボン酸塩も同様に使用することができる。前記のカルボン酸塩の混合物を使用することもできることは自明である。
【0031】
成分C)として、本発明により使用することができる成形材料はB)とは異なる亜鉛化合物を0〜5質量%、有利には0.01〜4質量%および特に0.1〜3質量%含有していてもよい。適切な亜鉛化合物は
アセチルアセトン酸亜鉛
亜鉛ハロゲン化物
炭酸亜鉛
ヘキサフルオロケイ酸亜鉛
水酸化亜鉛
ヒドロキシ炭酸亜鉛
硝酸亜鉛
酸化亜鉛
硫酸亜鉛
硫化亜鉛
テトラフルオロホウ酸亜鉛
チタン酸亜鉛(ZnTiO
であり、その際、酸化亜鉛および硫化亜鉛が特に有利である。製造方法は当業者に公知であるので、このためのさらなる詳細はここでは不要である。
【0032】
成分D)として本発明による成形材料はその他の添加剤を0〜70質量%、有利には0〜30質量%含有していてもよい。
【0033】
立体障害フェノールD)として原則として、フェノール環に少なくとも1つの立体的に要求の多い基を有するフェノール構造を有する全ての化合物が適切である。
【0034】
有利にはたとえば式
【0035】
【化4】
Figure 2004530770
[式中、RおよびRはアルキル基、置換されたアルキル基または置換されたトリアゾール基を表し、その際、基RおよびRは同じか、または異なっていてもよく、かつRはアルキル基、置換されたアルキル基、アルコキシ基または置換されたアミノ基を表す]の化合物が考えられる。
【0036】
前記の種類の酸化防止剤はたとえばDE−A2702661(US−A4,360,617)に記載されている。
【0037】
有利な立体障害フェノールの別の基は、置換されたベンゼンカルボン酸から、特に置換されたベンゼンプロピオン酸から誘導される。
【0038】
この種の特に有利な化合物は式
【0039】
【化5】
Figure 2004530770
[式中、R、R、RおよびRは相互に無関係にC〜C−アルキル基を表し、これらは自体置換されていてもよく(少なくともそのうちの1つは立体的に要求の多い基である)、かつRは1〜10個の炭素原子を有する2価の脂肪族基を表し、該基は主鎖中にC−O−結合を有していてもよい]の化合物である。
【0040】
この式に相応する有利な化合物は、
【0041】
【化6】
Figure 2004530770
である。
【0042】
立体障害フェノールとして次のものが例として挙げられる:
2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリトリル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ジステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ−[2.2.2]オクト−4−イル−メチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルアミン、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン、4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ジメチル−アミンおよびN,N′−ヘキサメチレン−ビス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド。
【0043】
特に有効であることが判明し、従って有利に使用される化合物は2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]−プロピオネート(Irganox (R) 259)、ペンタエリトリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]および前記のCiba Geigy社のIrganox (R) 245であり、これが特に好適である。
【0044】
酸化防止剤(D)は単独でも、混合物としても使用することができ、通常は、成形材料A)〜C)の全質量に対して2質量%までの量で、有利には0.005〜2質量%、特に0.1〜1質量%の量で含有されていてもよい。
【0045】
多くの場合、フェノールのヒドロキシ基に対してオルト位に立体障害基を1つより多く有していない立体障害フェノールが特に有利であることが判明した。特に拡散光中で長期間にわたって貯蔵する際に色安定性を評価する際に有利である。
【0046】
成分D)として使用することができるポリアミドは自体公知である。半結晶質もしくは非晶質の樹脂、たとえばEncyclopedia of Polymer Science and Engineering、第11巻、第315〜489頁、John Wiley & Sons. Inc.、1988年に記載されているものを使用することができ、その際、該ポリアミドの融点は有利には225℃未満、特に215℃未満である。
【0047】
このための例は、ポリヘキサメチレンアゼライン酸アミド、ポリヘキサメチレンセバシン酸アミド、ポリヘキサメチレンドデカンジ酸アミド、ポリ−11−アミノウンデカン酸アミドおよびビス−(p−アミノシクロヘキシル)−メタンドデカン酸ジアミドまたはラクタム、たとえばポリラウリンラクタムの開環により得られる生成物である。テレフタル酸またはイソフタル酸をベースとするポリアミドもまた酸成分として、および/またはトリメチルヘキサメチレンジアミンまたはビス−(p−アミノシクロヘキシル)−プロパンはジアミン成分として、ならびに2種以上の前記のポリマーまたはこれらの成分の共重合により製造されたポリアミドベースの樹脂が適切である。
【0048】
特に好適なポリアミドとしてカプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、p,p′−ジアミノジシクロヘキシルメタンおよびアジピン酸をベースとする混合ポリアミドが挙げられる。このための例は商品名Ultramid (R) 1CでBASF社から市販されている製品である。
【0049】
その他の適切なポリアミドはDu Pont社から商品名Elvamide (R)で市販されている。
【0050】
これらのポリアミドの製造は同様に前記の文献に記載されている。末端アミノ基対末端酸基の比は出発化合物のモル比を変えることにより制御することができる。
【0051】
本発明による成形材料中のポリアミドの割合は2質量%まで、有利には0.005〜1.99質量%、特に0.01〜0.08質量%である。
【0052】
多くの場合、2,2−ジ−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)とエピクロロヒドリンとからなる重縮合生成物を併用することにより、使用されるポリアミドの分散性を改善することができる。
【0053】
このようなエピクロロヒドリンとビスフェノールAとからなる縮合生成物は市販されている。その製造方法は当業者に同様に公知である。重縮合物の市販の名称はPhenoxy (R)(Union Carbide Corporation)またはEpikote (R)(Shell社)である。重縮合物の分子量は広い範囲で変えることができる。原則として市販されている種類は全て適切である。
【0054】
その他の安定化剤として本発明によるポリオキシメチレン−成形材料は成形材料の全質量に対して1種もしくは数種のアルカリ土類金属ケイ酸塩および/またはアルカリ土類金属グリセロリン酸塩を2.0質量%まで、有利には0.005〜0.5質量%および特に0.01〜0.3質量%含有していてもよい。ケイ酸塩およびグリセロリン酸塩を形成するためのアルカリ土類金属として有利にはカルシウムおよび特にマグネシウムが有利であることが判明した。有利にはグリセロリン酸カルシウムおよび好ましくはグリセロリン酸マグネシウムおよび/またはケイ酸カルシウムおよび好ましくはケイ酸マグネシウムを使用し、その際、アルカリ土類金属ケイ酸塩として特に、式
Me・xSiO・nH
[式中、
Meはアルカリ土類金属、有利にはカルシウムまたは特にマグネシウムであり、
xは1.4〜10の数、有利には1.4〜6であり、かつ
nは0以上の数、有利には0〜8である]により記載されるものが有利である。
【0055】
該化合物は有利には微粉砕された形で使用する。100μmより小さい、有利には50μmより小さい平均粒径を有する生成物が特に好適である。
【0056】
有利にはケイ酸カルシウムおよびケイ酸マグネシウムおよび/またはグリセロリン酸カルシウムおよびグリセロリン酸マグネシウムを使用する。これらはたとえば次の特性値によってより詳細に特徴付けることができる:
ケイ酸カルシウムもしくはケイ酸マグネシウム:
CaOもしくはMgOの含有率:4〜32質量%、有利には8〜30質量%および特に12〜25質量%、
SiO:CaOもしくはSiO:MgOの比:MgO(モル/モル):1.4〜10、有利には1.4〜6および特に1.5〜4、
かさ密度:10〜80g/100ml、有利には10〜40g/100mlおよび平均粒径:100μm未満、有利には50μm未満および
グリセロリン酸カルシウムもしくは−マグネシウム:
CaOもしくはMgOの含有率:70質量%以上、有利には80質量%以上、
強熱残留物:45〜65質量%、
融点:300℃以上および
平均粒径:100μm未満、有利には50μm未満。
【0057】
有利な滑剤D)として本発明による成形材料は10〜40個の炭素原子、有利には16〜22個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和脂肪族カルボン酸とポリオールとの、または2〜40個、有利には2〜6個の炭素原子を有する脂肪族飽和アルコールまたはアミンとの、またはアルコールとエチレンオキシドから誘導されるエーテルとのエステルまたはアミドを含有していてもよい。
【0058】
カルボン酸は1価でも2価でもよい。例としてペラルゴン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、マルガリン酸、ドデカンジ酸、ベヘン酸および特に有利にステアリン酸、カプリン酸ならびにモンタン酸(30〜40個の炭素原子を有する脂肪酸からなる混合物)が挙げられる。
【0059】
脂肪族アルコールは1〜4価であってよい。アルコールのための例としてn−ブタノール、n−オクタノール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリトリットが挙げられ、その際、グリセリンおよびペンタエリトリットが有利である。
【0060】
脂肪族アミンは1〜3価であってよい。このための例は、ステアリルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジ(6−アミノヘキシル)アミンであり、その際、エチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンが特に有利である。有利なエステルまたはアミドは相応するグリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、エチレンジアミンジステアレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリントリラウレート、グリセリンモノベヘネートおよびペンタエリトリットテトラステアレートである。
【0061】
種々のエステルまたはアミドまたはエステルとアミドの混合物もまた組み合わせて使用することができ、その際、混合比は任意である。
【0062】
さらに、1価もしくは多価のカルボン酸、有利には脂肪酸によりエステル化もしくはエーテル化されているポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールが適切である。適切な生成物はHenkel社からLoxiol (R) EP 728として市販されている。
【0063】
アルコールおよびエチレンオキシドから誘導される有利なエーテルは一般式
RO(CHCHO)
[式中、Rは6〜40個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつnは1以上の整数である]を有する。n≒50を有する飽和のC16〜C18−脂肪アルコールがRに関して特に有利であり、これはBASF社からLutensol (R) AT50として市販されている。
【0064】
本発明による成形材料はメラミン−ホルムアルデヒド−縮合物を0〜5質量%、有利には0.001〜5質量%、好ましくは0.01〜3質量%および特に0.05〜1質量%含有していてもよい。有利には該縮合物は微粒子状で架橋し、かつ水不溶性の沈澱縮合物である。ホルムアルデヒド対メラミンのモル比は有利には1.2:1〜10:1、特に1.2:1〜2:1である。このような縮合物を製造するための構成および方法はDE−A2540207に記載されている。
【0065】
成分D)として本発明による成形材料は成核剤を0.0001〜1質量%、有利には0.001〜0.8質量%および特に0.01〜0.3質量%含有していてもよい。
【0066】
成核剤として全ての公知の化合物、たとえばメラミンシアヌレート、ホウ素化合物、たとえば窒化ホウ素、ケイ酸、顔料、たとえばHeliogenblau (R)(銅フタロシアニン顔料;BASF社の登録商標)または分枝鎖状のポリオキシメチレンが考えられ、これらはこのような少ない量で核形成作用を有する。
【0067】
特に成核剤として組成Mg[(OH)/Si10]またはMgO・4SiO・HOの水和したケイ酸マグネシウムであるタルクを使用する。これらのいわゆる三層のフィロケイ酸塩はフレーク状の外観と共に三斜晶系、単斜晶系もしくは斜方晶系の結晶構造を有する。その他の微量元素にはMn、Ti、Cr、Ni、NaおよびKが存在していてもよく、その際、OH基は部分的にフッ化物により代えられていてもよい。
【0068】
特に有利にはその粒径が100%まで<20μmであるタルクを使用する。粒径分布は通常、沈降分析により測定し、かつ有利には次のとおりである:
<20μm 100質量%
<10μm 99質量%
< 5μm 85質量%
< 3μm 60質量%
< 2μm 43質量%。
【0069】
このような生成物はMicro-Talc I.T. extra(Norwegian Talc Minerals)として市販されている。
【0070】
充填剤として50質量%までの量で、有利には5〜40質量%の量でたとえばチタン酸カリウムホイスカ、炭素繊維および有利にはガラス繊維が挙げられ、その際、ガラス繊維はたとえばガラスの織布、マット、不織布および/またはガラスフィラメントのロービングの形で、または直径5〜200μm、有利には8〜50μmを有するアルカリ分の少ないEガラスからなる切断されたガラスフィラメントの形で使用することができ、その際、繊維状の充填剤はその混入後に有利には0.05〜1μm、特に0.1〜0.5μmの平均長さを有する。
【0071】
その他の適切な充填剤はたとえば炭酸カルシウムまたはガラスビーズ、有利には粉砕した形またはこれらの充填剤の混合物としてである。
【0072】
その他の添加剤として、50質量%まで、有利には0〜40質量%の量で、耐衝撃性に変性されたポリマー(以下ではゴム弾性ポリマーまたはエラストマーとよぶ)が挙げられる。
【0073】
このようなエラストマーの有利な種類はいわゆるエチレン−プロピレン(EPM)もしくはエチレン−プロピレン−ジエン−(EPDM)ゴムである。
【0074】
EPMゴムは一般に実質的に二重結合をもはや有しておらず、その一方でEPDMゴムは炭素原子100個あたり1〜20の二重結合を有していてもよい。
【0075】
EPDMゴムのためのジエンモノマーとしてたとえば共役ジエン、たとえばイソプレンおよびブタジエン、5〜25個の炭素原子を有する非共役ジエン、たとえばペンタ−1,4−ジエン、ヘキサ−1,4−ジエン、ヘキサ−1,5−ジエン、2,5−ジメチルヘキサ−1,5−ジエンおよびオクタ−1,4−ジエン、環式ジエン、たとえばシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエンおよびジシクロペンタジエン、ならびにアルケニルノルボルネン、たとえば5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネンおよびトリシクロジエン、たとえば3−メチルトリシクロ(5.2.1.0.2.6)−3,8−デカジエンまたはこれらの混合物が挙げられる。有利にはヘキサ−1,5−ジエン−5−エチリデン−ノルボルネンおよびジシクロペンタジエンである。EPDMゴムのジエン含有率はゴムの全質量に対して有利には0.5〜50質量%、特に1〜8質量%である。
【0076】
EPDMゴムはその他のモノマーにより、たとえばグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリルアミドによりグラフトされていてもよい。
【0077】
有利なゴムの別の群はエチレンと(メタ)アクリル酸のエステルのコポリマーである。さらにゴムはエポキシ基を有するモノマーを含有していてもよい。これらのエポキシ基を有するモノマーは有利には一般式IまたはII
【0078】
【化7】
Figure 2004530770
[式中、R〜R10は水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表し、かつmは0〜20の整数、gは0〜10の整数およびpは0〜5の整数を表す]のエポキシ基を含有するモノマーをモノマー混合物に添加することによりゴム中に組み込むことができる。
【0079】
有利には基R〜Rは水素を表し、その際、mは0または1であり、かつgは1である。相応する化合物はアリルグリシジルエーテルおよびビニルグリシジルエーテルである。
【0080】
式IIの有利な化合物はエポキシ基を有するアクリル酸および/またはメタクリル酸のエステル、たとえばグリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートである。
【0081】
有利にはコポリマーはエチレン50〜98質量%、エポキシ基を有するモノマー0〜20質量%ならびに残部が(メタ)アクリル酸エステルからなる。
【0082】
特に有利であるのは、
エチレン50〜98質量%、特に55〜95質量%、特にグリシジルアクリレート0.3〜20質量%、および/または
グリシジルメタクリレート0〜40質量%、特に0.1〜20質量%および
n−ブチルアクリレートおよび/または2−エチルヘキシルアクリレート1〜50質量%、特に10〜40質量%
からなるコポリマーである。
【0083】
アクリル酸および/またはメタクリル酸のその他の有利なエステルはメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステルおよびi−もしくはt−ブチルエステルである。
【0084】
さらにビニルエステルおよびビニルエーテルもまたコモノマーとして使用することができる。
【0085】
前記のエチレンコポリマーは自体公知の方法により、有利には高圧および高温下でのランダム共重合により製造することができる。相応する方法は一般に公知である。
【0086】
有利なエラストマーはエマルションポリマーであり、その製造はたとえばBlackleyによる著書"Emulsion Polymerization"中に記載されている。使用することができる乳化剤および触媒は自体公知である。
【0087】
基本的に均一に構成されたエラストマーあるいはまたシェル構造を有するものを使用することができる。シェル状の構造は特に個々のモノマーの添加順序により決定される。ポリマーの形態もまたこの添加順序により影響を与えることができる。
【0088】
代表的なもののみであるが、ここでエラストマーのゴム部分を製造するためのモノマーとして、アクリレート、たとえばn−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレート、相応するメタクリレート、ブタジエンおよびイソプレンならびにこれらの混合物が挙げられる。これらのモノマーは別のモノマー、たとえばスチレン、アクリルニトリル、ビニルエーテルおよびその他のアクリレートまたはメタクリレート、たとえばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートおよびプロピルアクリレートと共重合することができる。
【0089】
エラストマーの軟質もしくはゴム相(ガラス転移温度0℃以下)はコア、外被または中間の被覆(2層より多くの構造を有するエラストマーの場合)であってもよく、多層の被覆を有するエラストマーの場合、複数の被覆がゴム層からなっていてもよい。
【0090】
ゴム相以外にさらに1種もしくは数種の硬質成分(ガラス転移温度20℃以上)がエラストマーの構造に関与していてもよく、これらは一般に主モノマーとしてのスチレン、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、たとえばメチルアクリレート、エチルアクリレートおよびメチルメタクリレートを重合することにより製造される。さらにここでも少量の別のコモノマーを使用することができる。
【0091】
場合によっては表面に反応性の基を有するエマルションポリマーを使用することが有利であることが判明した。このような基はたとえばエポキシ基、アミノ基またはアミド基、ならびに一般式
【0092】
【化8】
Figure 2004530770
[式中、置換基は次のものを表すことができる:
15は水素またはC〜C−アルキル基であり、
16は水素、C〜C−アルキル基またはアリール基、特にフェニル基であり、
17は水素、C〜C10−アルキル基、C〜C12−アリール基または−OR18であり、
18はC〜C−アルキル基またはC〜C12−アリール基であり、これらは場合によりO−もしくはN−含有の基により置換されていてもよく、
Xは化学結合、C〜C10−アルキレン基またはC〜C12−アリーレン基であるか、または
【0093】
【化9】
Figure 2004530770
である]のモノマーを併用することにより導入することができる官能基である。
【0094】
EP−A208187に記載されているグラフトモノマーもまた反応性の基を表面に導入するために適切である。
【0095】
別の例としてさらにアクリルアミド、メタクリルアミドおよびアクリル酸もしくはメタクリル酸の置換されたエステル、たとえば(N−t−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート、(N,N−ジメチルアミノ)メチルアクリレートおよび(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレートが挙げられる。
【0096】
さらにゴム相の粒子は架橋していてもよい。架橋剤として作用するモノマーはたとえばブタ−1,3−ジエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ブタンジオールジアクリレートおよびジヒドロジシクロ−ペンタジエニルアクリレートならびにEP−A50265に記載されている化合物である。
【0097】
さらにいわゆるグラフト架橋したモノマー(グラフト結合モノマー)、つまり重合の際に異なった速度で反応する2つ以上の重合性二重結合を有するモノマーも使用することができる。有利には少なくとも1つの反応性の基がその他のモノマーとほぼ同じ速度で重合し、その一方でその他の反応性の基がたとえば明らかにより遅く重合する化合物を使用する。異なった重合速度によりゴム中に不飽和二重結合が特定の割合で生じる。引き続きこのようなゴム上に別の相をグラフトする場合、該ゴム中に存在する二重結合は少なくとも部分的にグラフトモノマーと反応して化学結合を形成する、つまりグラフト相は少なくとも部分的に化学結合によってグラフトベースと結合する。
【0098】
このようなグラフト架橋性モノマーのための例はアリル基を有するモノマー、特にエチレン性不飽和カルボン酸のアリルエステル、たとえばアリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネートまたはこれらのジカルボン酸の相応するモノアリル化合物である。さらに多数のその他の適切なグラフト架橋性モノマーが生じる。さらなる詳細に関してはここではたとえばUS−P4,148,846を参照されたい。
【0099】
一般に成分D)におけるこれらの架橋性モノマーの割合はD)に対して5質量%まで、有利には3質量%を超えない。
【0100】
以下にいくつかの有利なエマルションポリマーを記載する。まずここではコアおよび少なくとも1つの外被を有するグラフトポリマーが挙げられ、これらは以下の構造を有する:
【0101】
【表1】
Figure 2004530770
【0102】
多層の構造を有するグラフトポリマーの代わりに均質な、つまりブタ−1,3−ジエン、イソプレンおよびn−ブチルアクリレートまたはこれらのコポリマーからなる1つの被覆を有するエラストマーもまた使用することができる。これらの生成物もまた架橋性モノマーまたは反応性の基を有するモノマーを併用することにより製造することができる。
【0103】
記載したエラストマーD)はその他の通例の方法により、たとえば懸濁重合によっても製造することができる。
【0104】
別の適切なエラストマーとして熱可塑性ポリウレタンが挙げられ、これはたとえばEP−A115846およびEP−A115847ならびにEP−A117664に記載されている。
【0105】
当然のことながら前記の種類のゴムの混合物もまた使用することができる。
【0106】
本発明による成形材料はさらに通例の添加剤および加工助剤を含有していてもよい。例としてここではホルムアルデヒドを捕捉するための添加剤(ホルムアルデヒドスカベンジャー)、可塑剤、カップリング剤および顔料が挙げられる。このような添加剤の割合は一般に0.001〜5質量%の範囲である。
【0107】
成分D)として本発明による成形材料は成分A)〜D)の全質量に対してアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を0〜2質量%、有利には10ppm〜1.5質量%および特に0.001〜1質量%含有していてもよい。
【0108】
一般に全てのアルカリ金属カチオンおよび/またはアルカリ土類金属カチオンを使用することができ、その際、リチウム、ナトリウム、カリウムおよびカルシウムのカチオンが有利である。
【0109】
アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物とは本発明によれば、水性の溶液または懸濁液中でアルカリ性反応する無機もしくは有機塩であると理解する。
【0110】
無機塩としてたとえば炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、酸化物または燐酸塩が挙げられ、その際、アルカリ金属炭酸塩、たとえば炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムが特に有利である。
【0111】
有機塩はたとえばC〜C12−アルコールのアルコラート、2〜12個の炭素原子を有するカルボン酸のフェノレートまたは塩であり、その際、クエン酸塩、シュウ酸塩または酒石酸塩が特に有利である。
【0112】
特に有利であるのはアルカリ金属水酸化物、特に水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムであり、これらは有利には10〜70%の水溶液、有利には40〜60%の水溶液の形でPOM成形材料を製造する際に添加することができ、その際、供給はカーボンブラックと一緒に行うことができる。
【0113】
本発明による熱可塑性成形材料の製造は、成分を自体公知の方法で混合することにより行い、従ってここでは詳細な記載は不要である。有利には成分の混合を押出機で行う。
【0114】
成分B)ならびに場合により成分C)およびD)は有利な製造方法では好ましくは室温でA)の顆粒上に施与し、かつ引き続き押出す。
【0115】
もう1つの有利な実施態様では熱可塑性プラスチック溶融物A)へのB)の添加を溶液もしくは分散液および/またはエマルション、有利には水溶液により行う。これらは通常、0.005〜5、有利には0.1〜1%の固体含有率を有する。
【0116】
本発明により使用することができる熱可塑性成形材料はバランスの取れた特性スペクトルにより優れている。ここから製造される成形部材は高い長期使用温度のために適切であり、かつディーゼル燃料抵抗性である。従ってこの種の成形部材は特にディーゼル燃料エンジンもしくはエンジン室中での成形体として、および自動車駆動および操縦領域での貯蔵部材として適切である。
【0117】
実施例
次の成分を使用した:
成分A)
トリオキサン98.8質量%およびブタンジオールホルマール1.2質量%からなるポリオキシメチレンコポリマー。生成物はさらに約3質量%の未反応のトリオキサンおよび5質量%の熱的に不安定な成分を含有していた。熱的に不安定な成分を分解した後、該コポリマーは11cm/10分(190℃、ISO1133により塗布量2.16kg)の溶融体積速度(melt volume rate)を有していた。
【0118】
成分B)
成分B/1
ステアリン酸亜鉛(Peter Greven Fett-Chemie社のLiga 101)
成分B/2
Baerlocher社の亜鉛セッケンBII。製造業者の指示によればこれは二重の反応により得られる二塩基性のステアリン酸亜鉛である。
【0119】
成分C
ZnO(Wihart社から間接的に得られる亜鉛白)
成分D
D/1:Ciba-Geigy社のIrganox (R) 245
【0120】
【化10】
Figure 2004530770
D/2:
【0121】
【化11】
Figure 2004530770
D/3
約3000の分子量を有するポリアミド−オリゴマー;これはUS−A3,960,984の実施例5−4(PA−ジキャップド(dicapped))によりカプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびプロピオン酸(分子量調節剤として)から製造される。
D/4
次の特性を有する合成Mg−ケイ酸塩(Societe Nobel社、Bozal、PuteauxのAmbosol (R)):
【0122】
【表2】
Figure 2004530770
D/5
DE−A2540207の例1によるメラミン−ホルムアルデヒド縮合生成物。
D/6 グリセリンジステアレート(Cognis社のLoxiol (R) P1206)
それぞれのPGM混合物は加工助剤として成分D/1を0.35質量%、成分D/2を0.1質量%、成分D/3を0.04質量%、成分D/4を0.05質量%、成分D/5を0.20質量%および成分D/6を0.15質量%含有していた。
【0123】
混合物を製造するために成分Aを第1表に記載した量で成分B/1もしくはB/2および前記の量での成分D/1、D/2、D/3、D/4、D/5およびD/6と混合し、かつ二軸スクリュー押出機中220℃で配合し、脱気し、かつストランドとして押し出し、ならびに造粒した。引き続き190℃で射出形成した試験体を製造した。
【0124】
熱いディーゼル燃料に対するポリアセタール材料の抵抗性を実験室中で、質量を変更した標準試験体を使用して測定した。より実地に近く、かつ短い試験時間を達成するために、ISO527の方法で1Aタイプの厚さ4mmの試験体を4分の1に小さくすることにより得られる厚さ1mmの試験体を使用した(以下では略して「1/4サイズのISO試験棒」とよぶ。
【0125】
ポリアセタール試験体を熱いディーゼル燃料中で貯蔵した結果は多数のパラメータ、特に次のパラメータに依存する:
− 貯蔵温度、
− 試験体の寸法、
− 試験体数/ディーゼル燃料体積の比、
− ディーゼル燃料の種類(標準化された基準燃料の場合でもしばしば、バッチごとに著しい結果の相違が観察された)、
− ディーゼル燃料の交換頻度、
− 空気または酸素の供給。
【0126】
確実で利用可能な結果を得るためには、公知の性能を有するPOM基準材料からなる試験体を一緒に貯蔵することが必須であることが判明した。POM基準材料として、数年来、タンク範囲で有利に使用されているUltraform (R) S1320 003を使用した。
【0127】
以下の実施例および比較例のために次の構成および周辺条件を選択した:
− V2A−特殊鋼製のオートクレーブ、容量3リットル、半分までHaltermann社(Hamburg)の標準燃料CEC−RF 90−A−92により充てん、
− オートクレーブあたり射出成形した1/4サイズのISO試験棒(未着色のUltraform S1320 003の一定の装入物からそのつど15本およびその他の3つの材料調製物から15本)、
− 貯蔵温度100℃、
− 燃料の交換はしない、
− オートクレーブ中に存在する材料調製物全てのそのつど5つの試験体を室温で秤量することにより質量の変化を観察;試験体はオートクレーブから取り出した後に吸水紙で慎重に、付着している燃料残留物を除去し、かつ室温に冷却させた、
− 基準材料から製造された試験体がその出発質量の40%を失う時点まで、同様にその他のオートクレーブ中に存在する材料調製物に関する質量損失を測定した;この時点における基準材料の質量損失/材料調製物の質量損失の比率から材料特性値K1が得られる。
【0128】
K1>1である場合、基準材料の抵抗性が上回っている。K1が高いほど、抵抗性はより良好である。
【0129】
成形材料の組成および測定結果は表から読みとることができる
【0130】
【表3】
Figure 2004530770

Claims (10)

  1. ポリオキシメチレンA)からなる成形部材のディーゼル燃料抵抗性を向上するためのカルボン酸亜鉛B)少なくとも1種の使用。
  2. 成分B)のカルボン酸基が2〜44個の炭素原子を有する、請求項1記載の使用。
  3. 成分B)が、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、モンタン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、コハク酸亜鉛、酢酸亜鉛またはこれらの混合物から構成されている、請求項1または2記載の使用。
  4. ポリオキシメチレンがB)とは異なるその他の亜鉛化合物C)を5質量%までの量で含有していてもよい、請求項1から3までのいずれか1項記載の使用。
  5. ポリオキシメチレンA)がA)〜D)からなる成形材料に対して別の添加剤をさらに0〜70質量%含有していてもよい、請求項1から4までのいずれか1項記載の使用。
  6. 成分B)の量がA)〜D)に対して0.01〜5質量%である、請求項1から5までのいずれか1項記載の使用。
  7. 成分C)の量がA)〜D)に対して0.01〜5質量%である、請求項1から6までのいずれか1項記載の使用。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項記載の使用により得られるディーゼル燃料抵抗性の成形体。
  9. 請求項1から7までのいずれか1項記載の使用により得られる、自動車エンジン、ならびに自動車の駆動および操舵範囲のためのエンジンルーム部材および軸受け部材のための熱いディーゼル燃料抵抗性の成形部材。
  10. 請求項1から7までのいずれか1項記載の使用により得られる燃料取り出し装置、ロールオーバーバルブ、ディーゼル燃料用導管、負圧弁、ディーゼル燃料用ポンプのためのホルダー、ポンプケーシング、ディーゼル燃料用ポンプの内側部分、特に電動モータのローターおよびステーター。
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