JP2004529339A - 蛍光信号参照デバイス - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、蛍光検出システムのイメージング特性および信号感度を比較可能とし、蛍光信号の試験特異的な参照を可能にするデバイスに関する。本発明はさらに上記デバイスの製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物医学試験は、多くの場合、その実体(Identitaet)もしくはその構成が分っている分子またはアフィニティマトリックス(プローブ)と、検出すべき未知の1つまたは複数の分子(標的分子または標的)との相互作用を検出することに基づいている。
【0003】
現代の試験では、プローブは、それらが分子である場合、物質ライブラリーの形態で既知の量と配置とで基材上に固定化されることが多い。そのようなデバイスはプローブアレイまたはプローブチップとも称される。通常、プローブアレイは、多くの場合、特定の分子プローブが多重コピーで固定化されているプローブアレイ領域である数個のいわゆるアレイエレメントからなる。したがって、すべての占有アレイエレメントの合計がプローブアレイを構成する。
【0004】
分子プローブをプローブアレイ上に物質ライブラリーの形態で固定化することにより、検出すべき標的分子を含有する試料を数個のプローブ上で同時に並行して分析することができる。これによって、短時間でハイスループットな体系的分析が可能になる〔ハイスループットスクリーニング,ディー ジェイ ロックハート(D.J.Lockhart),イー エイ ウィンツェラー(E.A.Winzeler),“Genomics,Gene Expression and DNA Arrays”,Nature,第405巻,827‐836ページ,2000年〕。プローブアレイを製造するためには、プローブは、通常、国際公開第00/12575号(例えば、米国特許第5,412,087号、国際公開第98/36827号参照)に記載のように、適当なマトリックス上に規定の方法で固定されるか、または合成される(例えば、米国特許第5,143,854号参照)。
【0005】
基本的に、プローブと標的分子との相互作用の証明は、以下のように行われる:
1つまたは複数のプローブを規定の方法で特定のマトリックスにプローブアレイの形態で結合させる。次いで、溶液中で標的をプローブに接触させ、規定条件下にインキュベートする。相補的特性のゆえに、プローブと標的分子が互いに対するアフィニティーを有する場合、インキュベーション中に、プローブと標的との特異的相互作用が生じる。このプロセス中に生じる結合は、標的分子に特異的ではないプローブに標的分子が結合する場合より安定しているのは明らかである。非特異的に結合した標的分子を除去するために、システムを個別の溶液で洗浄、もしくは加熱するか、またはそれに相当するような限定的効果を有する処置を施す。
【0006】
さらに、標的とそのプローブとの特異的相互作用の証明は、一般に、実験の意図に応じて、標的分子とプローブアレイとの相互作用中または相互作用後に標的分子またはプローブ分子中に導入されたマーカーのタイプに依存する多くの方法で実施することができる。そのようなマーカーは、例えば、蛍光団、放射性マーカー、酵素または化学発光分子などであってよく、使用すべき証明法はマーカーのタイプによって決められる〔エイ マーシャル(A.Marshall),ジェイ ホッジソン(J.Hodgson),“DNA Chips:An Array of Possibilities”,Nature Biotechnology,第16巻,27‐31ページ,1998年;ジー ラムゼイ(G.Ramsay),“DNA Chips:State of the Art”,Nature Biotechnology,第16巻,40‐44ページ,1998年〕。
【0007】
この試験原理を利用して、プローブアレイ上に固定化された物質ライブラリーに応じ、かつ標的分子の化学的性質に応じて、核酸間、タンパク質間、および核酸とタンパク質間の相互作用を調べることができる〔概説に関しては、エフ ロッツパイヒ(F.Lottspeich),エイチ ツォルバス(H.Zorbas),“Bioanalytik”,スペクトルムアカデミシャー出版(Spektrum Akademischer Verlag),ハイデルベルク/ベルリン所在,1998年を参照のこと〕。
【0008】
以下のものは、プローブアレイまたはプローブチップ上に固定化し得る実現可能な物質ライブラリーとみなすことができる:抗体ライブラリー、受容体ライブラリー、ペプチドライブラリーおよび核酸ライブラリー。核酸ライブラリーは、飛び抜けて重要な役割を果たすと推測され、DNA分子ライブラリーまたはRNA分子ライブラリーは特に頻繁に用いられる。これに関連して、核酸間相互作用についてのプローブアレイを用いる分析は、核酸ハイブリダイゼーション技術の原理に従う〔エイ エイ ライチ(A.A.Leitch),ティー シュワルツァッハー(T.Schwaruzacher), ディー ジャクソン(D.Jackson),アイ ジェイ ライチ(I.J.Leitch),“In vitro−Hybridisierung”, スペクトルムアカデミシャー出版(Spektrum Akademischer Verlag),ハイデルベルク/ベルリン/オックスフォード所在,1994年〕。
【0009】
通常、プローブと標的との特異的相互反応の証明は、蛍光光学的評価によって得られるが、これは、それらの方法が、良好な感度、使用し得るマーカーに関する汎用性と、(特に、質量分析法と比べて)比較的少ない費用で相互作用の位置分解・時間分解検出が可能であることのみならず、放射線標識試薬を用いた場合に起こる放射線被爆がないことをも特徴とするからである。さらに、標識に用いられるフルオロフォアに応じて、励起波長範囲および検出波長範囲を設定することができる。
【0010】
しかし、実用時には、蛍光光学的定性・定量評価は、蛍光分光鏡検査法自体、選択される蛍光マーカーのタイプ、および使用される検出システムのタイプと構成とに関連する多くの要素によって悪影響を受ける。そのような要素には、特に、蛍光マーカー固有の光学特性(例えば、使用染料の退色、消光または蛍光消光)の結果として、プローブまたは標的およびそれらの溶液の物理化学的特性(例えば、自己蛍光)の結果として、光学システムにおける変動(例えば、光源の照射強度および外部光)の結果として、また、使用検出システムの構成およびタイプ(例えば、アセンブリ要素の自己蛍光や、空間・時間解像度、散乱、反射についての検出器の能力)の結果として発生する非特異的バックグラウンドシグナル(シグナルノイズ)が含まれる。
【0011】
したがって、測定された蛍光強度が信号に相当するか、または単にシグナルノイズの一部を構成するに過ぎないかを評価するためには、かく乱作用を排除または最小限にすると共に、測定された蛍光信号の参照を可能にするデバイスおよび方法を用いる必要がある。そのようなデバイスは蛍光較正用標品(Fluoreszenzeichstandard)とも称される。
【0012】
デバイス関連シグナルノイズを最小限にしようとする取り組みには、蛍光信号の定性評価と定量評価の両方を可能にする高感度検出器の製造に多額な技術費用がかかる。特に、プローブアレイのハイスループットスクリーニングの際の評価には、ある程度の自動化が必要であり、特別に適合された検出システムが要求される。
【0013】
光学効果(散乱、反射)を定性判別するために、(反射光顕微鏡検査または透過光顕微鏡検査を介して)暗視野でフルオロフォアを励起させる標準的なエピ蛍光システム、例えば、CCD(Charged Coupled Device;電荷結合素子)検出器による分子プローブアレイの蛍光光学的読出しが用いられる〔シー イー フーパー(C.E.Hooper)ら,“Quantitive Photone Imaging in the Life Sciences Using Intensified CCD Cameras”,Journal of Bioluminescence and Chemiluminescence,337‐344ページ,1990年〕。このプロセスにおいて、プローブアレイのイメージング(画像化)は、高解像度光学系を用いた露光またはラスタ変換処理によって行われる。発生する自己蛍光を最小限にするため、またはプローブアレイ全体にわたる照度均一性などのシステム固有の光学効果を得るためには、複雑な照明光学系とフィルタ系とが必要である。
【0014】
(米国特許第5,304,810号に記載されている)走査型共焦点システムにより、試料の選択された平面からの蛍光信号を評価することができる。これらのシステムは、ピンホールによって光軸に沿った蛍光信号を選択することに基づいており、これは、試料に関連して極めて多大な調整努力を要するだけでなく、強力な自動焦点システムの構築も必要になる。そのようなシステムを技術的に実行することは非常に手間がかかり、レーザー、ピンホール、(冷却)検出器(例えば、PMT、アバランシェ・ダイオード、CCDシステム)、高精度機械変換素子および光学系を含む必要な部品を組み込んで、かなりの費用をかけて相互に最適化する必要がある(米国特許第5,459,325号、米国特許第5,192,980号、米国特許第5,834,758号に記載)。
【0015】
上述のように、例えば、プローブアレイを用いる実験で生じるような蛍光マーカーを有する標的と特異的プローブとの分子相互作用を検出し得る検出システムは公知である。シグナルノイズを最小限にするために用いられる検出システムのタイプおよび構成に応じて発生する上述の極めて多額な技術費用にも拘わらず、シグナルノイズを完全になくすことは不可能である。したがって、測定された蛍光信号の定性・定量評価には、蛍光較正用標品を用いて実験および検出デバイスを参照または較正することが引き続き必要である。とりわけ、感度、空間・時間解像度、画像の幾何学的収差、例えば各システムの像面湾曲などに関する表示を可能にするために、蛍光較正用標品を用いた検出システムの較正を実施する。
【0016】
(多くの場合、長寿命の)実蛍光信号と(多くの場合、短寿命の)自己蛍光信号とを判別するためには、長期にわたって信号を測定しなければならないので、検出デバイスをそれらの時間解像度に関して較正する必要がある。
【0017】
CCD型検出器を使用する場合、標品を用いて、例えば、使用蛍光波長範囲における検出器の線形性および感度、空間・時間解像度、ならびに検出器の像面湾曲(フラットフィールド測定)を測定する必要がある。共焦点検出システムは、励起される領域または全体的な強度に貢献する領域に関する較正が必要である。
【0018】
マーカーとして用いられるフルオロフォアは暴露される環境条件(例えば、溶媒成分の自己蛍光、pH値、温度、照射時間)により蛍光収量にかなりの変動を受けるので、蛍光較正用標品による実験の較正が必要であり、したがって、例えばプローブアレイのハイブリダイゼーション収量の絶対数量化は、なんらかの留保付きの場合にのみ可能である。
【0019】
また、種々の蛍光検出システムの蛍光較正用標品による較正は、そのような較正によってのみ、種々の検出システムおよび1つのシステム内の種々のデバイスを用いた実験で得られた蛍光信号を比較すること(システムレベルまたはデバイスレベルでの比較)ができるので極めて重要である。
【0020】
当該技術の現状において、蛍光検出システムまたは蛍光信号の較正を可能にすることを目的とする種々の教示が公知である。
蛍光検出デバイスを較正するためには、例えば、蛍光性高分子層を有するチップを用いることが可能である。そのような較正用標品は、検出システムをそれらの空間解像度または広範な蛍光範囲にわたるそれらの動的特性に関して較正し得ないという不利点を有する。同様に、これらの標品を用いて、例えば、CCD検出器の像面湾曲を測定することは、チップの厚さのために、チップを通過する蛍光信号の均一化が生じるので不可能である。したがって、蛍光信号の検出に及ぼす幾何学的関係の影響(特に、異なる検出システムおよび原理の場合に重要な役割を果たし得る影響)はデバイスレベルでもシステムレベルでも較正することができない。
【0021】
CCD型蛍光検出器を用いる場合、特にじょうご形もしくはビーム形レーザーまたは例えば冷光源などの多スペクトル感応性照明システムにより励起を実施する場合、例えば、可動ディフュージョンディスクを用いて照明の均一性を調節するには、フラットフィールドを規定するための費用のかかる計算と画像操作が必要である。当該技術の現状から、そのようなダイレクトイメージングシステムの照明均一性を補正するためにフラットフィールドを規定し得る蛍光較正用標品は知られていない。
【0022】
さらに、ドープガラスをベースとする蛍光較正用標品もある。これらの標品も、それらの特質のゆえにガラスの体積の結果として信号の均一化が起こるので、検出システムをそれらの空間解像度に関してまたはそれらの幾何学的特性に関して較正し得ないという不利点を有する。さらに、そのような標品を用いても、光軸に沿った特定の領域および層のみが励起されるか、全体強度に貢献し、かつ上に乗っている構造層を介した透過損失問題が存在する共焦点システムをそれらの幾何学的特性に関して較正することはできない。
【0023】
国際公開第01/06227号は、ミクロ粒子またはナノ粒子をベースとする蛍光較正用標品の製造と、さらに、蛍光検出システムを較正しかつ蛍光定量アッセイにおいて蛍光信号強度を参照するためのそれらの応用例を記載している。これらの標品も、蛍光検出システムをそれらの空間解像度に関して較正するのには不適である。したがって、プローブアレイを用いる実験で得られた信号強度データに関するデバイスレベルでの比較はいずれも、なんらかの留保付きの場合にのみ可能である。
【0024】
(例えば、自己蛍光溶媒分子の)短寿命バックグラウンド蛍光と実蛍光信号との区別を可能にするため、および実信号の参照を可能にするために、標品として長期発光マーカー物質を用いることが可能であり、そのようなマーカー物質の信号は時間分解検出法により検証される。多くの場合、これらのマーカー物質は、発光性希土類金属キレート(特に、ユウロピウムまたはテルピウムのもの)である。しかし、これらの物質は、紫外光源によってしか励起し得ないという不利点を有する。さらに、用いられるキレートは水性形態では不安定なことが多い。
【0025】
プローブアレイを用いる実験で蛍光測定により分子相互作用の定量評価を達成するため、および較正または参照を目的としてそのような信号の標準化を達成するために、プローブ分子を二重着色して、例えば、競合ハイブリダイゼーションにより実験を実施する〔エム シェーナ(M.Shena),ディー シャロン(D.Shalon),アール ダブリュー デイビス(R.W.Davis),ピー オー ブラウン(P.O.Brown),“Quantitative monitoring of gene expression patterns with a complementary DNA microarray”,Science,第220巻,467−70ページ,1995年,およびディー シャロン,エス ジェイ スミス(S.J.Smith),ピー オー ブラウン,“A DNA microarray system for analyzing complex DNA samples using two−color fluorescent probe for hybridization”,Genome Res.,第6巻,639−45ページ,1996年〕。そのような較正用標品においては、参照分子により得られた信号は常に現実の実験条件に依存するので、デバイスレベルまたはシステムレベルで定量的比較を行うのは難しい。
【0026】
当該技術の現状から知られている蛍光較正用標品の不利点は、蛍光検出システムをそれらの空間および時間解像度に関してだけでなくそれらの幾何学的特性および動的特性に関しても較正し得るデバイスが大いに必要とされていることを明らかに示している。
【0027】
さらに、例えば、プローブアレイを用いる実験の蛍光信号をシステムレベルおよびデバイスレベルで比較することならびに/または個々の試験レベルで比較することを可能にする蛍光信号参照デバイスが大いに求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明の目的は、蛍光信号を測定された強度に関して参照することならびに/または蛍光検出システムをそれらの感度、空間・時間解像度、および/もしくは幾何学的・動的特性に関して較正することを可能にするデバイスを提供することである。本発明のさらなる目的は、例えば、プローブアレイを用いる実験由来の蛍光信号をデバイスレベルおよびシステムレベルで容易に比較し得るデバイスを提供することである。さらに、本発明の目的は、蛍光信号データを個々の試験レベルで比較し得る蛍光較正用標品を提供することである。さらに、本発明の目的は、退色防止効果および蛍光消光効果を考慮に入れた蛍光信号の参照または標準化を可能にするデバイスを提供することである。
【0029】
本発明のさらなる目的は、上記蛍光較正用標品を製造する方法を提供することである。
独立請求項の特性は、本発明の説明に詳述されている上記および他の目的を達成するのに役立つ。本発明の有利な実施形態は従属請求項に明記されている。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明によれば、これらの目的は、本質的に非蛍光性の基材の規定領域に、これらの領域に相応の照射をした後に蛍光を発する少なくとも1つの高分子層を塗布することによって達成され、塗布される高分子層には、厚さおよび/または組成が異なるものがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以後蛍光較正用標品または標品とも称される上記の本発明デバイスの規定領域は、相応の照射後、その強度を予決定可能かつ再現可能に設定できる蛍光を発する。したがって、本発明の蛍光較正用標品は、種々の蛍光検出システムを、それらの空間・時間解像度、幾何学的・動的特性、感度に関して較正するのに用い得る。
【0032】
本発明の蛍光較正用標品の規定領域に相応の照射後に発生する蛍光の波長範囲は、高分子層の組成を変えることにより予決定可能かつ再現可能に設定できるので、本発明の蛍光較正用標品は、種々の蛍光検出システムをそれらの動的特性に関して較正するのに用い得る。
【0033】
本発明のデバイスの高分子層は、形状およびサイズを予決定可能かつ再現可能に設定し得る規定領域に塗布される。そのような蛍光較正用標品は、構造化蛍光較正用標品とも称され、種々の蛍光検出システムをそれらの空間解像度に関して較正するのに用い得る。
【0034】
本発明の蛍光較正用標品の蛍光特性は、規定領域に塗布された高分子層の厚さおよび/または組成のみに依存し、例えば標的溶液の成分には影響を受けないので、例えば、プローブアレイを用いる実験で測定された蛍光信号を、デバイスレベルもしくは検出レベルおよび/または個々の試験レベルで評価・参照するのに適している。
【0035】
本発明のデバイスの規定領域に塗布される高分子層は、1層または組成および/もしくは厚さが異なる数層の高分子層であってよい。高分子層は、少なくとも1種の蛍光性高分子または高分子混合物を含み、この混合物中の少なくとも1種の高分子成分は蛍光を発する。好ましい蛍光性高分子としては、例えば、SU8などのエポキシ樹脂およびノボラック樹脂および/またはPMMAおよび/または感光性ポリイミドおよび/またはベンゾシクロブテンをベースとするポジ型感光性コーティング材および/またはネガ型感光性コーティング材が含まれる。本発明の蛍光較正用標品の製造に適した高分子、すなわち、相応の照射後に蛍光を示す高分子は、米国特許第6,091,488号および米国特許第4,482,424号からも公知である。
【0036】
本発明のデバイスの高分子層は、少なくとも1種の高分子に加えて、高分子ではない蛍光物質を追加で含み得る。これらの物質は高分子層内に埋め込まれているので、それらの蛍光特性は、環境要素(例えば、標的溶液の成分)には影響を受けない。そのような蛍光物質は、好ましくは、発色団、例えば、アゾ染料、トリフェニルメタン染料、ポルフィニン染料(Porphyninenfarbstoffe)などの有機染料、および/または、例えば、金属性染料などの無機染料、特にランタニドを包含する。そのような物質としては、さらに、エイチ ランガールス(H.Langhals),ジェイ カロリン(J.Karolin),エル ビー−エイ ヨハンソン(L.B.‐A.Johansson),“Spectroscopic properties of new and convenient standards for measuring fluorescence quantum yields”,J.Chem.Soc.,Faraday Trans.,第94巻,2919‐2922ページ,1998年、および、エス カリーニン(S.Kalinin),エム シュペックバッハー(M.Speckbacher),エイチ ランガールス,エル ビー‐エイ ヨハンソン,“A new and versatile fluorescence standard for quantum yield determination”,Phys.Chem.Chem.Phys.,第3巻,172‐174ページ,2001年に記載されているペリレン誘導体も含まれる。特に、これらの誘導体は、N,N′‐ビス(1‐ヘキシルヘプチル)‐3,4:9,10‐ペリレンビス(ジカルボキシイミド)、ペリレン‐3,4,9,10‐テトラカルボキシルテトラメチルエステル、ペリレン‐3,4,9,10‐テトラカルボキシルテトラナトリウム塩およびN2,N3‐[ビス(1‐ヘキシルヘプチル)‐ベンゾ[ghi]ペリレン‐2,3,8,9,11,12‐ヘキサカルボキシル‐2,3:8,9:11,12‐トリス(ジカルボキシイミド)‐N1,N1′‐(1,2‐エチル)‐[N2′‐(I‐オクチルノニル)‐ペリレン‐3,4:9,10‐ビス(ジカルボキシイミド)を包含し得る。
【0037】
本発明のデバイスにおいて、規定領域で相応の照射後に発生する蛍光の波長範囲は、高分子層の組成を選択することにより設定することができる。本発明の好ましい実施形態において、規定領域で非蛍光性基材に塗布された高分子層は、広帯域にわたって発生する固有蛍光を特徴とするので、狭帯域励起後に、高励起波長範囲および可視スペクトル範囲内に加えて近赤外・紫外域内の蛍光信号を発する。本発明の別の好ましい実施形態において、高分子層は規定領域で狭帯域の固有蛍光を示し、この固有蛍光の波長範囲は、高分子層の組成によって決まる。
【0038】
本発明の好ましい実施形態においては、高分子層が1種の高分子のみしか含んでいないので、蛍光の波長範囲はこの高分子にのみ依存する。本発明のさらなる好ましい実施形態では、高分子層は、1種もしくは数種の非蛍光性高分子および/または1種もしくは数種の追加蛍光物質を含んでいるので、本発明のこれらのデバイスの蛍光波長範囲は、高分子および/または蛍光物質のタイプと組合せとによって決まる。
【0039】
本発明によれば、相応の照射後に規定領域の高分子層が発する蛍光の強度は、種々の方法で予決定可能に設定することができる。本発明によれば、相応の照射後に規定領域で発生する蛍光の強度は、高分子層の組成および/または高分子層の厚さによって設定し得る。本発明によれば、用語「規定領域の高分子層の厚さ」とは、1つの領域に数層の高分子層が塗布されている場合のその領域における個々の高分子層の厚さと、1つの領域における個々の高分子層の厚さを合計した厚さの両方を指す。
【0040】
本発明の好ましい実施形態において、規定領域における強度の設定は、この領域に均一組成の高分子層を逐次塗布することによって行われる。この領域に形成される高分子層は均一組成を有する。したがって、すべての規定領域に、組成は均一であるが層厚が異なる高分子層を有する本発明の蛍光較正用標品を製造することができる。本発明の特に好ましい実施形態において、この方法で、相応の照射後にある領域で発生した蛍光の強度がその領域に塗布された高分子層の厚さに比例する蛍光較正用標品を製造し得る。
【0041】
本発明の較正用標品の規定領域における蛍光の強度は、高分子層の組成を変えることにより設定することもできる。本発明によれば、用語「高分子層の組成」とは、高分子層における高分子成分および/または追加蛍光物質のタイプおよび数、ならびに単位面積当たりの高分子成分および/または追加蛍光物質の量を指す。
【0042】
本発明の好ましい実施形態において、均一厚さを有する高分子層を種々の規定領域に塗布するが、これらの高分子層は、単位面積当たりの追加蛍光粒子の量に関してのみ異なっている。このように、相応の照射後に規定領域で発生する蛍光の強度が、層厚が同じである場合、種々の規定領域における蛍光粒子の量に比例する、本発明の蛍光較正用標品を製造することができる。本発明の別の好ましい実施形態では、例えば、高分子中の蛍光粒子の濃度が一定である場合、層厚を変えることによって、得られる強度を準線形に設定することができる。
【0043】
本発明に従って製造される蛍光較正用標品の強度を設定するためのさらなる選択肢は、製造プロセス中に、本発明の高分子層に、照射および温度処理(焼戻し)などの物理的処理を施すことからなる。仮説に拘束されることは本意ではないが、これらの処理法によって、高分子層の結合度または架橋度と、それに対応する高分子層の蛍光特性が変わるという仮説が存在する。当業者には、用語「結合度」または「架橋度」は公知である。特に、デュロプラスチック(duroplastische)架橋結合を有する高分子、例えば、上述のSU8などの感光性塗料は、架橋度変更法により高分子層の強度を設定するのに適している。
【0044】
本発明によれば、同一基材上の数個の規定領域に、種々の厚さおよび/または種々の組成および/または種々の架橋度を有する高分子層を次々に塗布して、相応の照射後に発生する蛍光の強度と波長領域に関して大きく帯域幅が異なる蛍光較正用標品を製造することができる。そのような本発明の蛍光較正用標品は、多くの用途において、蛍光検出システムをそれらの空間・時間解像度および動的・幾何学的特性に関して較正するのに用い得る。さらに、そのような本発明のデバイスは、蛍光信号を種々の検出システム間でも1つのシステム内のデバイス間でも容易に比較し得る蛍光較正用標品として使用することができる。
【0045】
例えば蛍光領域の量子収量などの蛍光特性は、用いられる高分子および追加蛍光物質の化学的・物理的特性により照射期間を通して変化を受ける。その結果、得られる強度は特定の使用期間後に低下する〔退色に関しては、さらに、ミーラー(Miehler),“Kunststoff−Mikromechanik:Morphologie,Deformations− und Bruchmechanismen”,ミュンヘン/ウィーン所在のハンザー(Hanser)社,1992年参照〕。
【0046】
本発明によれば、適当な製造プロトコルにより(例えば、いわゆる焼戻しプロトコルにより)、規定領域に堆積される高分子層をそれらの経時的強度変化に関して最適化することができるので、これらの変化は線形になり、したがって、構造化標品の個々の規定領域で得られる蛍光の強度の関係が一定に保たれる。
【0047】
そのような本発明の蛍光較正用標品は、蛍光検出デバイスをそれらの時間解像度に関して較正したり、実験をそれらの経時的進行に関して標準化したりするのに用い得る。そのような本発明の蛍光較正用標品においては、経時的強度変化は線形なので、これらの標品は、光学特性(例えば、レーザー出力またはランプ出力)が経時的変化を受ける検出デバイスでの実験を標準化するのに用い得る。
【0048】
好ましい実施形態として、蛍光収量が照射期間および経時的変化プロセスにわたって線形または適切に予決定可能であると称し得る本発明の蛍光較正用標品を製造することができる。そのような蛍光較正用標品は、例えば、時間内の異なる時点で実施された実験の蛍光信号を参照するのに用い得る。さらに、この較正用標品によって、蛍光信号をデバイスレベルおよびシステムレベルで比較することができる。
【0049】
本発明の好ましい実施形態において、高分子層は、本質的に非蛍光性の基材上の、形状および/またはサイズが異なる規定領域に塗布される。特に好ましい実施形態において、これらの領域は、正方形、長方形および/または円形であり、それらの辺長または直径は500nm〜5mmの範囲である。
【0050】
そのような構造化された本発明の蛍光較正用標品は、異なる蛍光検出システムをそれらの空間解像度に関して較正するのに用い得る。本発明に関連して、用語「空間解像度」とは、画像化された蛍光性の2点の分離能を指す。
【0051】
規定領域が10nm範囲の寸法許容差を有する本発明の蛍光較正用標品を製造できるので、そのような蛍光較正用標品は、例えば、共焦点3‐D顕微鏡検査法のような顕微鏡法において横方向・軸方向距離標準化装置として用い得る。
【0052】
特に好ましい実施形態において、規定領域は基材にアレイ状に塗布されている、すなわち、同一のサイズおよび形状を有する数個の規定領域が1つのアレイエレメントを構成するようにグループ化されており、他の形状および/またはサイズを有する領域は他のアレイエレメントを構成するようにグループ化されている。
【0053】
本発明の蛍光較正用標品の好ましい実施形態において、高分子層の厚さは、1つの領域中の種々の高分子層の最大厚さが市販の共焦点検出システムの最小焦点深度より有意に小さくなるように設定し得る。本発明によれば、そのような蛍光較正用標品の好ましい層厚は、数ナノメートル〜最大50マイクロメートル、好ましくは数nm〜20μm、100nm〜10μm、特に好ましくは200nm〜5μmであろう。本発明によれば、用語「焦点深度」とは、蛍光信号を検出し得る光軸に沿った範囲を指す。従来の顕微鏡検査法では、この範囲は開口数で決定されるが、走査型共焦点顕微鏡検査法では、この範囲はピンホールのサイズで決定される。そのような本発明の蛍光較正用標品は、物理的構造およびデバイスの較正、蛍光信号の取得、ならびに相応に標識された物質および物質群の蛍光信号の参照に用い得る。
【0054】
本発明によれば、高分子層は、本質的に非蛍光性の基材、好ましくは光透過性を有する基材に塗布される。このデバイスの好ましい実施形態において、これらの基材は、ガラス、特に好ましくは石英ガラスおよびボロフロートガラス、または光透過性を有する非蛍光性高分子プレート、特に好ましくは、ポリカーボネート、PMMAおよび/またはフィルムである。場合によって、光透過性を有さない、本質的に固有蛍光を持たない材料も適当な基材であり得る。
【0055】
本発明の好ましい実施形態において、蛍光較正用標品は、さらなる基材システムに結合される。これらの基材システムは、本質的に非蛍光性の材料をも包含する。これらの材料は、ガラス、特に好ましくは石英ガラスなどの光透過性を有する材料であるのが好ましいが、光透過性を有さない、本質的に固有蛍光を持たないプラスチックおよび/または金属などの材料も好ましい。
【0056】
特に好ましい実施形態において、この基材システムは、例えば、免疫蛍光顕微鏡検査法に用いられるような市販の顕微鏡スライドである。例えば、そのような基材に細胞または組織切片を固定化し、それらの信号を本発明の蛍光較正用標品と並べて比較することにより、それらを直接評価することができる。
【0057】
本発明の蛍光較正用標品を、例えば、物質ライブラリーがプローブアレイ状に固定化されているか、固定化されるであろう基材上に直接一体化することもできる。そのような蛍光較正用標品によって、蛍光信号を速やかに参照することことができ、それによって、試験特異的実験の評価が可能になる。物質ライブラリーを結合させるために、基材表面の少なくとも物質ライブラリーが収容される領域を、以下の基:アミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基またはエポキシ基で機能化することができる。物質ライブラリーを結合させるためのさらなる官能基は当業者には公知である。
【0058】
本発明によれば、蛍光較正用標品または物質ライブラリーがプローブアレイ状に固定化される基材は、それらが本質的に非蛍光性であり、必要なら、光透過性を与えるように選択しなければならない。そのような基材の形成に好ましい材料は、ガラス、特に好ましくは石英ガラス、ボロフロートガラスおよび/またはポリマーおよび/またはシリコンである。光透過性は与えないが本質的に非蛍光性である材料を選択してもよい。
【0059】
本発明の蛍光較正用標品をプローブアレイに一体化するために、これらのプローブアレイを、タンパク質、ペプチドまたは核酸をベースとする物質ライブラリーによって機能化することができる。本発明の蛍光較正用標品の機能化に用いられるタンパク質物質ライブラリーは、抗体ライブラリー、受容体ライブラリー、受容体‐リガンドライブラリーおよび/またはホルモンライブラリーであるのが好ましい。
【0060】
通常、本発明に従って蛍光較正用標品を機能化するペプチドライブラリーは、薬学的または生物学的に活性なペプチド、抗原ライブラリーおよび/または受容体‐リガンドライブラリーおよび/またはホルモンライブラリーである。
【0061】
本発明に従って蛍光較正用標品を機能化する核酸ライブラリーは、好ましくは、DNA分子ライブラリーおよび/またはRNA分子ライブラリーである。特に好ましいのは、mRNAライブラリー、rRNAライブラリー、ゲノムDNAライブラリーおよび/またはcDNAライブラリーおよび/またはプラスミドである。
【0062】
好ましい実施形態において、本発明の蛍光較正用標品は、デバイスのオンライン較正が可能になるように蛍光検出システムに直接一体化することができる。本発明の蛍光較正用標品の特性は、製造プロセスや高分子層の組成および厚さ、ならびに相応の照射後に蛍光を発する高分子層の規定領域のサイズおよび形状により予決定可能に設定できるので、種々の検出システムで測定されたプローブアレイを用いる実験の蛍光強度を互いにシステムレベルおよびデバイスレベルで直接比較することができる。
【0063】
本発明の蛍光較正用標品は、数個の異なる検出システムを上記方法で較正するための外部ツールとしても用い得る。
また、本発明の蛍光較正用標品は、密閉チャンバシステム(例えば、PCRチャンバおよび/またはハイブリダイゼーションチャンバ)内に組み込むこともできる。
【0064】
本発明の蛍光較正用標品は、照射後に蛍光を発する層を本発明に従って目標設定したように基材の規定領域に塗布する方法に従って製造することができる。そのような方法は、例えば、半導体テクノロジー(米国特許第6,091,488号)から公知である。本発明の蛍光較正用標品の高分子層は、フォトリソグラフィ法、スポッティング、ドライエッチング、イオン注入、プリント技術法、ローリング、射出成形、または表面型押によって基材に塗布することができる。
【0065】
一般に、機能性高分子層または機能層とも称される本発明の高分子層は、化学的および/または物理的コーティング法によって基材に塗布することができる。化学的方法の場合、高分子層の塗布は、(例えば、CVDもしくは酸化により)気相から、(例えば、電解質、電気化学法もしくは他の湿式化学法により)液相から、または(例えば、酸化により)固相から行うことができる。物理的方法の場合、塗布は、(例えば、PVD、スパッタリングもしくは蒸着により)気相もしくはプラズマから、(例えば、スピンオン法、塗装もしくは浸漬により)液相から、または(例えば、貼合せにより)固相から行うことができる。これらの方法を組み合わせたり、またはその後でイオン注入などの改質を加えてもよい(例えば、PECVD)。それぞれの方法および該当する実施形態は当業者には公知である〔例えば、ダブリュー メンツ(W.Menz),ジェイ モール(J.Mohr),“Mikrosystemtechnik fuer Ingenieure”,VCH,1997年参照〕。
【0066】
本発明の高分子層は、当業者には公知の種々の方法を用いて構造化することができる。それらの方法は、生物化学的方法、例えば(国際公開第98/08086号に記載されている)酵素的に処理される選択的構造化、または化学的および/もしくはマイクロ技術的方法であってよい。これらの方法には、エッチング液にも非感受性のマスキング処理をした機能層の選択的エッチング(例えば、液体エッチングまたはドライエッチング)が含まれる。他の適用可能な方法は、照射、例えば、紫外線またはレーザーを用いた照射により特性を選択的に変化させる方法である。この方法にはフォトリソグラフィが含まれる。他の方法としては自己集合層などがある。これらの方法は、マスキングを用いるか、または「直接描画」装置(スポッティング)を用いて実施し得る。スポッティングもしくはオフセット印刷などの印刷技術法またはローリング、打抜き、射出成形もしくは表面型押法などの他の方法を用いてもよい。これらの方法の種々の実施形態は当業者には公知である〔例えば、ダブリュー メンツ,ジェイ モール,“Mikrosystemtechnik fuer Ingenieure”,VCH,1997年参照〕。
【0067】
好ましい実施形態において、高分子層は、ネガ型またはポジ型フォトリソグラフィ法、特に好ましくはネガ型フォトリソグラフィ法によって形成される。特に好ましいのは、高分子層が照射後に現像主薬に不溶性となるネガ型フォトリソグラフィ法である。それに対し、非露光領域は現像主薬に可溶性のままであり、除去され得る。フォトレジストを用いて構造を転写するそのようなフォトリソグラフィ法は当業者には公知である。これに関連して、基材に均一な機能層を塗布し得る化学的・物理的方法が好ましい。特に好ましい方法には、CVD法、PVD法およびスピンオン法が含まれる。
【0068】
フォトリソグラフィ法の場合(および他の方法の場合にも)高分子層の厚さの設定を可能にするために選択されるパラメータには、循環速度、製造プロセスの持続時間、高分子の粘度、温度および/または大気湿度などの処理パラメータ(加工パラメータ)が含まれる。感光性樹脂を用いる場合、処理パラメータにはさらに、照射線量、現像プロセスおよび焼戻しプロセスのパラメータも含まれる。
【0069】
フォトリソグラフィ法の場合、高分子層が塗布される規定領域の形状およびサイズは、マスクおよび/またはピンホールを用いて、例えば、1:1スケールのマスクを用いて決定し得る。本発明に従って、マスクの開口部(Aussparung)に応じて規定領域に種々の幾何学的形状およびサイズを設定することができる。さらに、この方法により、種々の規定領域に高分子層がアレイ状に塗布された本発明の蛍光較正用標品を製造することもできる。ガラスおよび/または石英上に構造化されたクロムをピンホールとして用いるのが好ましい。
【0070】
このフォトリソグラフィプロセスを繰り返して、種々の領域に組成および/または厚さが異なる高分子層が塗布された本発明の蛍光較正用標品を製造することができる。さらに、フォトリソグラフィ法で用いられる焼戻しプロトコルおよび/または照射プロトコルを変えて、規定領域で高分子層の架橋度(したがって、強度)を目標設定したように変えることができる。焼戻しプロトコルを変えることにより、本発明の蛍光較正用標品の退色挙動を目標設定したように設定することも可能である。
【0071】
本発明に従って製造された蛍光較正用標品を、例えば、光透過性を有する本質的に非蛍光性の基材システムと結合させるためには、蛍光較正用標品の特性に悪影響を及ぼさずに較正用標品と基材システムとを結合させる任意の方法を用い得る。取り付けには、基材の規定領域(例えば、外縁)に関して蛍光層を所定の高さで所定の位置に確実に配置し得るように、適当な方法およびデバイスを用いて、標品の表面を試料基材の平面に関して整合させることが必要である。このためには、例えば、仮接着または真空デバイスが適している。蛍光較正用標品は、接着、位置調整または真空システムにより基材システムに取り付けるのが好ましい。
【0072】
そのような本発明の蛍光較正用標品を製造する際には、蛍光較正用標品とプローブアレイとを組み立てる方法が部品の機能に悪影響を与えないように注意しなければならない。したがって、例えば、使用される接着剤が自己蛍光を示さないことや、使用される部品の結果として有意な散乱または反射が生じないことを確実にしなければならない。
【0073】
例えば、蛍光較正用標品がプローブアレイとして物質ライブラリーで機能化されると、蛍光較正用標品は物質ライブラリーが位置する基材システムに結合し得る。
別の好ましい実施形態においては、先ず、基材上の蛍光較正用標品をウエハスケールで形成し、その後で、物質ライブラリーをアレイ状に固定化させて対応する個々の蛍光較正用標品を機能化し得る。
【0074】
本発明の蛍光較正用標品は、蛍光検出システムを較正するために様々に使用し得る。機器特異的較正用に本発明の蛍光較正用標品を用いることにより、機器特性を定義することができる。例えば、相応の照射後に蛍光を発する高分子層が堆積されている規定領域のそれぞれの形状およびサイズを空間解像度の測定に用いることができる。数個の規定された幾何学的領域に厚さは異なるが均一組成の高分子層を有し、その結果として、種々の領域で相応の照射後に発生する蛍光の強度が高分子層の厚さに比例する本発明の蛍光較正用標品により、該当する検出システムをその動的特性に関して較正することができる。本発明によれば、用語「動的特性(ダイナミック特性)」とは、1回の読出しの際に評価可能な蛍光強度の範囲を指す。例えば、このようにして、CCD検出器が線形に作動する強度範囲を決定することができる。そのような本発明の蛍光較正用標品は、検出システムの感度の設定、すなわち、検出システムがどの最小または最大蛍光強度を未だ信号であるとみなすかを決定するのにも用い得る。
【0075】
厚さおよび/または組成が異なる高分子層を有する種々の幾何学的領域で相応の照射後に発生する蛍光の強度が予決定可能かつ制御可能に減衰する本発明の蛍光較正用標品は、蛍光信号の機器特異的退色に関する結論を導き出すのに用い得る。
【0076】
さらに、本発明の蛍光較正用標品は、検出システムの幾何学的特性の較正、特にCCD検出器の場合には像面湾曲の修正(フラットフィールド測定)にも用い得る。
本発明によれば、用語「幾何学的特性」とは、一般に、局所解像度、画像スケール、像面湾曲、および光学構造に起因する他の幾何学的収差を指す。
【0077】
本発明の蛍光較正用標品の蛍光特性は外部要素には依存せず、予決定可能かつ再現可能に設定できるので、同じ検出原理を利用する異なるデバイスの較正(デバイスレベルでの較正)または異なる検出原理を利用するデバイスの較正(システムレベルの較正)に用い得る。較正は、例えば、研究グループおよび実験室で用いられる標準値に関連して行い、その後で、この標準値に実験で測定された蛍光信号を関連付けることができる。
【0078】
このようにして、例えば、プローブアレイを用いる実験の評価中に種々の検出システムを用いて得られた信号を直接比較し得る(個々の試験レベルでの比較)。
高分子層照射後に規定領域で発生する蛍光の波長および強度に関して大きな帯域幅を有する本発明の蛍光較正用標品は、蛍光信号の試験特異的参照にも用い得る。これが可能なのは、試験特異的信号を、例えば、規定領域の蛍光に関連付けることができ、この蛍光の特性が試験信号範囲内に存在するからである。このように、試験信号の標準化が可能である。本発明の蛍光較正用標品を用いて得られた標準化実験データから、異なる検出器の使用または異なる検出器の設定に起因する誤差が有意に修正される。それによって、これらのデータを直接比較することができる。したがって、本発明の蛍光較正用標品により、プローブアレイを用いる実験および試験中に得られた蛍光信号の強度を個々の試験レベルおよびデバイスレベルで比較することができる。
【0079】
通常、スキャナの設定は得られた該当の読取り値に一致させる。プローブアレイを用いる実験で、得られた蛍光信号が弱ければ、検出器のレーザー出力または感度(例えば、PMTシステムを用いる場合にはバイアス電圧、またはCCDシステムを用いる場合には積分時間)を増大させる。さらに、デバイスは、デバイス特異的な変動を生じ易い。これは、特に異なる期間に得られた結果を比較する場合には重要である。というのは、例えばレーザースキャナの場合、用いられるレーザーの出力が劇的に変化し得るからである。本発明の蛍光較正用標品の場合には、時効によるデバイスの変動は標品の退色挙動により標準化し得るので、同じタイプのプローブアレイを用いる実験中ではあるが、異なる時点で測定された蛍光強度信号の比較(時間比較)は問題なく行うことができる。このように、本発明の蛍光較正用標品により、検出システムを、それらの時効特性、例えばランプ出力の変化などに関して較正することもできる。
【0080】
種々のプローブアレイを用いる実験中に測定された蛍光信号を互いに比較する場合、結果の評価に関する限り、特に試料の生物化学的処理および流体処理の不均一性ならびにスポット検出に係わる難しさが評価の際に大きな問題を引き起こす。これらの問題は、異なるプローブアレイの定性比較をより困難にする。本発明の蛍光較正用標品によって誤差をかなり制限することができる。したがって、同一デバイス上の異なるプローブアレイを用いて実験を実施したときに得られた結果の定性比較(試験間比較)が可能になる。
【0081】
提供された蛍光較正用標品によって異なる検出システムの較正も可能になるので、プローブアレイを用いる実験の結果を、デバイスレベルおよびシステムレベルで、したがって実験室レベルでも分析することができる。
【0082】
本質的に非蛍光性の基材の1個または数個の規定領域に層厚および組成が均一の高分子層が塗布されていることを特徴とするデバイスは、蛍光信号の参照にも用い得る。そのようなデバイスは、数個の規定領域を有する場合、蛍光検出システムをそれらの空間解像度に関してデバイスレベルおよびシステムレベルで較正するのに特に適している。
【0083】
本発明によれば、そのようなデバイスの高分子層は、上述のように同一組成のものであってよい、すなわち、蛍光性高分子、少なくとも1種の蛍光性高分子を含有する高分子混合物、および/または追加蛍光物質を含んでいてよい。
【0084】
これらのデバイスにおいて、相応の照射後に規定領域で発生する蛍光の強度および波長範囲は、高分子層の組成を選択し、層厚を選択し、架橋度を変えることによって、予決定可能かつ再現可能に設定し得る。退色挙動や、規定領域のサイズおよび形状などの他の特性も上述のように設定し得る。同様に、そのようなデバイスは上述の方法のいずれかを用いて製造することができる。
【0085】
上記デバイスは、一般に、蛍光信号の定性的および定量的参照に使用可能であり、特に好ましくは、プローブアレイを用いる試験で得られた蛍光信号の参照および/または蛍光検出システムの較正に用い得る。
【0086】
特に好ましくは、上記デバイスは、蛍光検出システムをそれらの空間解像度に関して較正するのに用い得る。1個または数個の規定領域に塗布された高分子層はそれらの組成および層厚に関して均一なので、蛍光検出システムの動的特性の較正には不適である。また、これらのデバイスは、異なる領域の照射後に生じる異なる強度間の関係を比較して検出システムを較正するのに用いることもできない。
【0087】
しかし、上記デバイスは、例えば、実験によって得られた蛍光信号データを標準値に整合させ、それによって、蛍光信号をデバイスレベルおよびシステムレベルで比較するのに用い得る。これらのデバイスによって、検出システムを、高分子層の組成および厚さによって決まる強度および波長範囲におけるそれらの感度およびデバイス特異的な退色挙動に関して較正することもできる。
【0088】
以下に、本発明の蛍光較正用標品の特に好ましい実施形態または用途を示す実施例を記載する。記載されている実施例は決して限定的なものと解釈すべきではない。
【実施例1】
【0089】
フォトリソグラフィによる本発明の蛍光較正用標品のウエハスケール形成(図1):
この実施例は、ネガ型フォトリソグラフィを用いて高分子基材上に本発明の普遍的な蛍光較正用標品を形成する方法を示している。この実施例では、形状およびサイズが同一の異なる領域に、厚さは異なるが組成は本質的に同一の高分子層を有する本発明の蛍光較正用標品を形成する。したがって、相応の照射後にそれらの領域で発生する蛍光の強度は層厚に比例する。
【0090】
基材としては、所望の蛍光スペクトルにおいて高い透明性と低い固有蛍光を示す材料を用いた。この実施例では、基材材料として、ショット社(Schott)のボロフロートガラス(BF40、直径:100mm、厚さ:0.7mm)を選択した。その一方、実際の機能性材料(すなわち、高分子層)は、強力な固有蛍光を示さなくてはならない。選択された実施形態では、高分子として、上記要件を満たすという理由で、PGMEA〔シグマ社(Sigma)の有機溶媒〕に溶解させたSU8‐10を選択した。SU8‐10は、エポキシベースのネガ型感光性高分子であり、365nm未満の紫外線照射で重合する(米国特許第4,882,254号)。固有蛍光および光構造化性(Photostrukturierbarkeit)は、選択された高分子がフォトリソグラフィ法により構造化され得るという点で大きな利点となる。
【0091】
製造プロセスの始めに、基材材料を焼戻しした(180℃、20分)。その結果、吸着物(多くの場合、H2O)が除去されたが、これは、SU8高分子層が基材に適切に接着するのを吸着物が妨げるからである。ポジ作用を強化するために、基材表面を3‐グリシドキシプロピルトリメトキシシランで改質した。
【0092】
次いで、基材に所望の蛍光または所望の感度に応じた厚さを有する第1層を塗布した(図1参照)。これにはスピンオン法を使用し、パラメータを選択して(持続時間:30秒、回転速度:5000rpm、加速:100rpm/秒で10秒および1000rpm/秒で20秒、PGMEAでの希釈度)所望の厚さすなわち蛍光を設定した。この結果として、高分子は基材上に均一に分配され、溶媒が除去された。その後のガラス転移温度を超える温度での焼戻し(95℃、15分、いわゆるプリベーク)により、高分子層が形成され、均質化された。
【0093】
次いで、通常のマイクロフォトリソグラフィにより高分子層を構造化した。このために、感光性高分子を紫外光で照射(約300〜450nm、15mW/cm2で15分、いわゆる露光)して、現像液(この場合は、PGMEA)中での溶解度を変えた。SU8‐10は、デンシティ‐ステップ(Tonwert)のネガ型の挙動、すなわち、紫外線に暴露された領域は重合するが、暴露されなかった領域は現像主薬に可溶性のままであるという挙動を示した。照射は、石英上に相応に薄いクロムの構造物を有するリソグラフィマスクを用いたマスク投影により行った。この石英マスクは標品の望ましい水平方向の形状を有しており、この形状は高分子上に1:1スケールで映された。したがって、マスクの最小構造は、標品の最小構造、または解像度試験で検出されるべき標品に関する最小解像度試験の最小構造をも決定した。
【0094】
次いで、焼戻しステップで、露光領域の架橋結合が完了した(95℃、15分、いわゆる露光後ベーク)。この段階では、非露光領域はまだ現像主薬に侵されないままであった。この後、上記手順(スピンオン、プリベーク、露光、露光後ベーク)を数回繰り返したが、先に照射した(したがって、架橋結合した)領域は、対応するマスクにより、その後の照射ステップで照射に暴露されないままに保たれた。この実施例では、感光性コーティング、照射への暴露、および焼戻しを連続3回実施した(図1)。このプロセスで、層は、高分子に関して以下のように構成された。
第1層: PGMEA(シグマ社)に50重量%で溶解させたSU8−10〔マクロケムインコーポレイティッド社(MicroChem Inc.)〕
第2層: PGMEA(シグマ社)に30重量%で溶解させたSU8−10(マクロケムインコーポレイティッド社)
第3層: PGMEA(シグマ社)に20重量%で溶解させたSU8−10(マクロケムインコーポレイティッド社)
感光性高分子SU8‐10を種々の重量比でPGMEAに溶解させた。この結果として、溶液の粘度に差ができたので、種々の厚さの高分子層を形成することができた。その後、溶媒をかなりの程度まで(95%以上)除去したので、高分子層の組成は本質的に同一であった。
【0095】
この後、高分子構造物をPGMEA(シグマ社)に浸漬して現像した(120℃、30分、いわゆるハードベーク)。これによって、ステップ状の幾何構造(図1)を得た。この場合、ステップの高さは各蛍光強度に相当し、水平方向の形状は解像度に相当した。
【実施例2】
【0096】
本発明の蛍光較正用標品の実施例
図2Aは、実施例1に記載の方法に従って、マイクロリソグラフィによりボロフロートガラス(ショット社)上に形成されたアレイ状の本発明蛍光較正用標品を示している。この標品は9つのアレイ要素を備えており、これらのエレメントはすべて正方形の蛍光性高分子層を有する。9つのアレイ要素の正方形は、3種の異なる厚さに由来する3種の強度段階を有していた。構造上のサイズと間隔とを様々に変えることにより、種々の分子アレイ集積密度をシミュレートした。標品はウエハスケールで形成し、個々のチップにした。
【0097】
この標品は、読取り時の各デバイスの空間解像度、幾何学的誤差、画像化のための光学・電気機械・情報処理システム、および感度の測定に適している。さらに、この標品は、プローブアレイを用いる実験の蛍光信号をデバイスレベルで評価するのにも用い得る。この趣旨で、上記蛍光標品を種々の読取りシステムで読み込み、16bit‐*.tif画像として保存し、特殊ソフトウエア〔クロンディアーク社(Clondiag)製IconoClust〕で分析した。蛍光較正用標品上の異なるサイズの蛍光構造物は、異なる検出システムの幾何学的偏差の補正に用い得る。例えば、開示されている蛍光較正用標品を用いて、蛍光検出用光学システムの像面湾曲を適当な画像処理法により分析し得る。次いで、光学部品または情報処理部品を相応に設定して像面湾曲を排除することができる。
【0098】
さらに、検出システムの設定を、例えば、レーザー出力もしくはランプ出力、各スポット/サブアレイの積分時間、または検出器の信号の増幅/設定に関して、得られた標品の蛍光の特定値に適合させることができる。このように、例えば、使用されるレーザー、ランプまたは検出器の時効過程によって生起し得る検出器の長期的傾向を測定することができる。
【0099】
このように、本発明の蛍光較正用標品を用いて、種々の蛍光システムをそれらの性能決定パラメータに関して較正し得る。したがって、異なる検出システムを用いたプローブアレイを用いる実験の評価中に測定された蛍光信号を互いに直接比較することができる。
【0100】
図2Bは、スポッティングによりボロフロートガラス(ショット社)上に形成された、アレイ状の本発明の蛍光較正用標品を示している。先ず、質量比が1:2、1:3、1:5のSU8〔MCCインコーポレイティッド社(MCC Inc.)〕とノボラック樹脂〔AZ 1514 クラリアント社(Clariant)〕との高分子混合物を生成し、それらをガラス基材に貼り付けて、種々の基材上に蛍光標品を形成した。このために、顕微鏡スライドを清浄にし、スロットのないスポットピン〔Solidpins/バイオロボティクス社(Biorobotics)〕を用いて、ピンスポッター(Microgrid 2/バイオロボティクス社)で高分子混合物をスポットした。代替として、ピエゾ式ディスペンサーヘッド〔直径100μm、マイクロドロップ社(Microdrop)の加熱ノズル〕を用いて高分子混合物を塗布した。このディスペンサーノズルは加熱した(55℃)。
【0101】
次いで、試料を以下のように処理した:
プリベーク: 95℃、15分
露光: 1分、15mW/cm2、均等照明
ポストベーク: 95℃、15分
ハードベーク: 120℃、60分
このようにして形成された標品は均一な寸法の円形の領域(スポット)を有し、これらのスポットの高分子層は厚さも組成も異なっている。したがって、この標品は、広範な強度および波長範囲の蛍光をスポットから発生し得る。この標品は、図4Aに示されているように用い得る。
【実施例3】
【0102】
本発明の蛍光較正用標品の基材システムへの組み込み
図3は、どのように本発明の蛍光較正用標品が接着剤で顕微鏡スライドに貼り付けられているかを示している。接着剤としては、ポリジメチルシロキサン〔ダウ社(Dow)製Sylgard、登録商標〕を用いた。そのような標品は、種々の検出システムを較正するための外部ツールとして用い得る。
【実施例4】
【0103】
本発明の蛍光較正用標品の強度および退色挙動の設定 〜数回の読取り実施期間における本発明の蛍光較正用標品の使用
この実施例は、3種の異なる厚さ(d1、d2、d3)の高分子層を有する蛍光較正用標品をマイクロリソグラフィ形成する場合に、多重照射後に規定領域で発生する蛍光の強度において線形の減衰が存在するように焼戻しプロトコルを選択し得ることを示している。
【0104】
図4Aは熱処理を加えていない3つの層の退色挙動を示している。退色挙動は非線形である。図4Bは、熱処理後の3層の退色挙動を示している。退色挙動は線形である。得られる蛍光強度における変化の経時的変化を線形化するために、製造プロセス中に、プローブをオーブン中180℃で2時間熱処理してから、40mW/cm2で約40分間520〜600nmの波長範囲で照射した。このプロセスで、強度の挙動は、厚さ比がもはや得られる強度比に比例しなくなるほど変化する。しかし、厚さが異なる構造の強度比は照射中一定である(図4C参照)。
【0105】
焼戻しプロトコルを変えることにより、退色挙動がはるかに弱く、かつはるかに一定である蛍光較正用標品を製造し得ることが分る。測定値は、100%レーザー出力および85%PMT検出の共焦点バイオチップスキャナScanarray(登録商標)4000〔パッカード社(Packard)〕を用いて得た。
【0106】
そのような長期安定蛍光較正用標品は、3種の層厚の強度が同程度に変化し、したがって、厚さが異なるこれらの層の強度比が一定のままなので、蛍光検出システムをそれらの時効特性に関して較正するのに特に適している(図4C参照)。
【実施例5】
【0107】
蛍光信号の参照
規定領域に種々の厚さの高分子層を塗布した実施例1に記載のような蛍光較正用標品を製造した。
【0108】
図5は、この標品を用いると、種々の波長範囲における測定値の参照が可能になり(Cy3とCy5は異なる吸収波長を有する)、測定された強度は層厚(d1、d2、d3)に比例することを示している。このように、この蛍光標品は、異なる波長範囲におけるその広帯域な蛍光挙動の故に、読取りシステムの較正に用い得る。また、広帯域にわたって固有の蛍光を有するそのような蛍光較正用標品により、種々の波長範囲の蛍光信号を参照することも可能である。さらに、そのような標品により、レーザースキャナをそれらの感度に関して較正することができる。測定値は、100%レーザーおよび85%PMT検出の共焦点バイオチップスキャナScanarray(登録商標)4000(パッカード社)を用いて行った。
【実施例6】
【0109】
プローブアレイを用いる実験の標準化
プローブアレイを用いる実験を標準化するために、これもプローブアレイを有する本発明の蛍光較正用標品を用いた。このように、この蛍光較正用標品は、生化学的相互作用反応の実施の前または後の読出し手順の際にも取り入れることができる(図6A参照)。
【0110】
超音波穿孔および接着により、エポキシ化顕微鏡スライド(QMT)に、高分子の厚さは同じだが高分子成分の含量が異なる高分子層を規定領域に有する本発明の蛍光較正用標品を貼り付けた。したがって、相応の照射後、これらの領域の強度は異なっていた。この後、スポッティング(バイオロボティクス社 Microgrid II)により、基材に、多数のPCR産物(aceA、acs、amiB、ampG、argC、atpA、creB、icdA、napH、rpoA、rpoH、rpoS)をスポットした。蛍光染料〔Cy3またはCy5、アマシャム社(Amersham)〕を用いて標識した特別に精製されたcDNAを、ハイブリダイゼーションを介してPCRスポット上に固定化した。次いで、共焦点レーザースキャナ(Affymetrix(登録商標)、パッカード社)を用いて試料を読み出し、結果を特殊ソフトウエア(クロンディアーク社製IconoClust)で解析した。その結果を、蛍光較正用標品の種々の領域の様々な強度に参照して評価した。
【0111】
cDNAの3本の棒グラフは、標品のそれぞれ強度が異なる3つの領域への、ハイブリダイゼーションの信号データの参照を表している。この趣旨で、結果を異なる強度段階に対して標準化し、高分子層の含量を考慮に入れて計算して1つの段階にした。図表(図6B)は、cDNAの読取りに関連する領域に関係なく、各cDNAについて同じ結果が得られるので、そのような逆算が許容されることを示している。したがって、高分子層の含量が分っていれば、参照用に各領域を用いることが許容される。これによって標品の普遍性が増大する。測定値は、100%レーザー出力および85%PMT検出の共焦点バイオチップスキャナScanarray(登録商標)4000(パッカード社)を用いて得た。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】多段階式フォトリソグラフィ(ネガ法)による本発明の蛍光較正用標品の形成を示す図。
【図2A】マイクロリソグラフィによりボロフロートガラス上に形成されたアレイ状の本発明の蛍光較正用標品を示す図。
【図2B】ボロフロートガラス上へのスポッティングにより形成されたアレイ状の本発明の蛍光較正用標品を示す図。
【図3】顕微鏡スライド上の蛍光較正用標品を示す図。
【図4A】可視領域での照射効果の結果として得られた発光強度の変化(退色)を示すグラフ。強度はグレースケール値で示されている。
【図4B】適切な焼戻しプロトコル実施後の白光/CCDシステムにおける、多数回の読取りについての蛍光強度の変化を示すグラフ。強度はグレースケール値で示されている。
【図4C】適切な焼戻しプロトコルを用いて、実施された多数回の読取りについての蛍光収量の変化が得られる強度比に影響を及ぼさないように高分子層の退色挙動を調整することができることを示すグラフ。上の線は図4Aのd3/d2比を示し、下の線はd2/d1比を示している。
【図5】種々の染料に関するスキャンの測定結果のグラフ。強度はグレースケール値として示されている。これらの標品は異なる波長範囲における結果を標準化するのに適している。
【図6A】プローブアレイのスポットの逆スキャンを示す図。蛍光較正用標品(1)は上部に示されている。プローブアレイ(2)はその下にある。これらはCy3/Cy5で標識されたcDNAとのハイブリダイゼーション後のPCR産物スポットである。
【図6B】種々のPCR産物をスポットし、cDNAとハイブリダイズさせた結果を示す図。結果を、異なる領域の異なる強度段階に対して標準化し(それぞれ、3本の棒グラフ)、高分子層中の物質含量を考慮に入れて計算して1つの段階にした結果を表すグラフ。このグラフは、そのような逆算が許容されることを示している。したがって、含量が分っていれば、標準化にどの領域を用いてもかまわない。
Claims (72)
- 蛍光信号参照デバイスであって、本質的に非蛍光性の基材の規定領域に相応の照射後に蛍光を発する少なくとも1つの高分子層が塗布されており、少なくとも2つの前記高分子層がその厚さおよび組成の少なくともいずれかに関して異なることを特徴とするデバイス。
- 高分子層が1種以上の高分子を含んでなり、少なくとも1種の前記高分子が相応の照射後に蛍光を発することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
- 高分子が、特にSU8などのエポキシ樹脂、ノボラック樹脂、PMMA、感光性ポリイミド、およびベンゾシクロブテンのうち少なくともいずれかを基剤とするポジ型感光性コーティング材およびネガ型感光性コーティング材のうち少なくともいずれかを含んでなることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
- 高分子層が少なくとも1種の高分子のほかに蛍光物質を追加で含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデバイス。
- 蛍光物質が、有機染料(特にアゾ染料、トリフェニルメタン染料、ポルフィニン染料)および無機染料(特に金属染料、ランタニド染料、およびペリレン誘導体のうち少なくともいずれか)のうち少なくともいずれかを含んでなることを特徴とする、請求項4に記載のデバイス。
- 相応の照射後に規定領域で発生する蛍光の強度を、高分子層の層厚および組成の少なくともいずれかを選択することによって調節できることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のデバイス。
- 相応の照射後に規定領域で発生する蛍光の強度を、規定領域に塗布される高分子層の厚さに比例するように調節できることを特徴とする、請求項6に記載のデバイス。
- 相応の照射後に規定領域で発生する蛍光の強度を、製造プロセス中の物理的処理法、特に、照射および温度処理の少なくともいずれかによって調節できることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のデバイス。
- 高分子層の励起波長範囲を、高分子および追加蛍光物質の少なくともいずれかを選択することによって調節できることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のデバイス。
- 長時間にわたる相応の照射後に規定領域で生じる蛍光の退色挙動を、高分子の種類、量、および組成の少なくともいずれかを選択すること、ならびに追加蛍光物質の種類、量、および組成の少なくともいずれかを選択することのうち少なくともいずれかによって調節できることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のデバイス。
- 長時間にわたる相応の照射後に規定領域で生じる蛍光の退色挙動を、製造プロセス中の物理的処理法、特に、照射および温度処理の少なくともいずれかによって調節できることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のデバイス。
- 少なくとも1つの規定領域の高分子層の最大厚さが、蛍光測定に用いられる検出システムの最小焦点深度より有意に小さいことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のデバイス。
- 高分子層の最大厚さが、数ナノメートル〜最大50マイクロメートル、好ましくは100ナノメートル〜10マイクロメートル、特に好ましくは200ナノメートル〜5マイクロメートルであることを特徴とする、請求項12に記載のデバイス。
- 規定領域が形状およびサイズの少なくともいずれかにおいて異なることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載のデバイス。
- 規定領域が、数ナノメートル〜5ミリメートル、特に好ましくは100ナノメートル〜1ミリメートルの辺長を有する正方形および長方形の少なくともいずれかであることを特徴とする、請求項14に記載のデバイス。
- 規定領域が、数ナノメートル〜5ミリメートル、特に好ましくは100ナノメートル〜1ミリメートルの直径を有する円形であることを特徴とする、請求項14に記載のデバイス。
- 規定領域が基材上にアレイ状に塗布されていることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載のデバイス。
- 基材が、好ましくはガラス、蒸着ガラス、シリシウム、金属、およびプラスチックの少なくともいずれかを含んでなる本質的に非蛍光性の材料からなることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載のデバイス。
- 基材が、好ましくはガラス(特に好ましくは石英ガラスおよびボロフロートガラスの少なくともいずれか)ならびにプラスチック(特に好ましくはPMMAおよびポリカーボネートの少なくともいずれか)の少なくともいずれかを含んでなり光透過性を有する本質的に非蛍光性の材料からなることを特徴とする、請求項18に記載のデバイス。
- 少なくとも1つの蛍光較正用標品が、好ましくはガラス、蒸着ガラス、シリシウム、金属およびプラスチックの少なくともいずれかから成る本質的に非蛍光性の基材システムに結合されていることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載のデバイス。
- 蛍光較正用標品が、好ましくはガラス(特に好ましくは石英ガラスおよびボロフロートガラスの少なくともいずれか)ならびにプラスチック(特に好ましくはPMMAおよびポリカーボネートの少なくともいずれか)の少なくともいずれかから成る光透過性を有し本質的に非蛍光性の基材システムに結合されていることを特徴とする、請求項20に記載のデバイス。
- 基材システムが通常の顕微鏡スライドであることを特徴とする、請求項21に記載のデバイス。
- 基材または基材システムは、少なくとも1つの物質ライブラリーが固定化されているプローブアレイであることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1項に記載のデバイス。
- 物質ライブラリーが、ペプチドおよびタンパク質の少なくともいずれかの形態、好ましくは、抗体、受容体、受容体‐リガンド分子、ホルモンまたは生物学的に活性なペプチドの形態でプローブアレイ上に固定化されていることを特徴とする、請求項23に記載のデバイス。
- 物質ライブラリーが、核酸分子の形態、好ましくはDNA分子およびRNA分子の少なくともいずれかの形態、特に好ましくはゲノムDNA、mRNA、cDNA、およびrRNAの少なくともいずれかの形態でプローブアレイ上に固定化されていることを特徴とする、請求項23に記載のデバイス。
- 細胞、組織切片、薬学的に活性な化合物、およびプラスミドの少なくともいずれかが基材システムまたは顕微鏡スライド上に固定化されていることを特徴とする、請求項21または22に記載のデバイス。
- 高分子層を基材に塗布することと、マイクロ技術法(好ましくはフォトリソグラフィ法、ドライエッチングおよびイオン注入の少なくともいずれか)ならびにプリント技術法(好ましくはスポッティング、オフセット印刷およびローリングの少なくともいずれか)の少なくともいずれかにより、射出成形により、または表面型押により高分子層を構造化することと、の少なくともいずれかを特徴とする、請求項1〜26のいずれか1項に記載のデバイスの製造法。
- 高分子層を基材に塗布すること、およびポジ型またはネガ型フォトリソグラフィ法により構造化することの少なくともいずれかを特徴とする、請求項27に記載のデバイス製造法。
- マイクロ技術法、好ましくはCVD、PVD、特に好ましくはスピンオン法により、高分子層を均質層として基材に塗布することを特徴とする、請求項27に記載のデバイス製造法。
- 高分子層の厚さを、製造法のパラメータに応じて、特に好ましくは、高分子の粘度、温度、大気湿度または循環速度に応じて、フォトリソグラフィ法の場合特に好ましくは、照射線量、現像プロセスおよび焼戻しプロセスに応じて設定し得ることを特徴とする、請求項27〜29のいずれか1項に記載のデバイス製造法。
- 相応の照射後に蛍光を発する領域の幾何学的形状が、石英上に構造化されたクロムを基盤とするマスク、好ましくはピンホールの、相応の開口部によって決定されることを特徴とする、請求項27〜30のいずれか1項に記載のデバイス製造法。
- 高分子層の架橋結合の挙動を焼戻しプロトコルおよび照射プロトコルの少なくともいずれかによって調節できることを特徴とする、請求項27〜31のいずれか1項に記載のデバイス製造法。
- デバイスと、好ましくは光透過性を有する本質的に非蛍光性の基材システムとを、接着、位置調整、および真空システムの少なくともいずれかにより結合させることを特徴とする、請求項27〜32のいずれか1項に記載のデバイス製造法。
- 蛍光検出システムを、それらの空間もしくは時間解像度、ならびにそれらの幾何学的特性もしくは動的特性の少なくともいずれか、およびそれらの経時変化に起因する特性の少なくともいずれか、の少なくともいずれかに関して較正するため、好ましくはオンライン較正するための、請求項1〜26のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- レーザー出力の測定および調節の少なくともいずれか、ならびにランプ出力の測定および積分時間の調節の少なくともいずれか、ならびに解像度の適合の、少なくともいずれかのための、請求項34に記載のデバイスの使用。
- CCD読取りシステムのフラットフィールド測定および線形化の少なくともいずれかのための、請求項34に記載のデバイスの使用。
- 蛍光信号、好ましくはプローブアレイを用いる相互作用研究の蛍光信号の参照、ならびに蛍光信号のシステム間、デバイス間、および試験間の少なくともいずれかの比較のための、請求項1〜26のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 得られた高分子層の蛍光強度に対して実験結果を標準化することにより、蛍光信号をシステム間およびデバイス間の少なくともいずれかについて比較するための、請求項37に記載のデバイスの使用。
- 絶対的な結果を規定するため、または高分子層の蛍光に基く相対的な結果を規定するために、得られた高分子層の蛍光強度に対して実験結果を標準化することにより蛍光信号を定量するための、請求項37に記載のデバイスの使用。
- 蛍光信号が、好ましくはタンパク質‐タンパク質相互作用研究由来、特に好ましくは抗体‐抗原および受容体‐リガンドの少なくともいずれかの相互作用研究由来、ならびに核酸‐核酸相互作用研究由来、特に好ましくはDNA‐RNA、DNA‐DNA、RNA‐RNAの少なくともいずれかの相互作用研究、ならびにタンパク質‐核酸相互作用研究の少なくともいずれか由来である、請求項37〜39のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 蛍光顕微鏡検査によって評価可能な細胞局在実験および組織切片を、システム間、デバイス間、および試験間の少なくともいずれかについて比較するための、請求項1〜26のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 本質的に非蛍光性の基材を有し、基材の1つ以上の規定領域に相応の照射後に同規定領域が蛍光を発するべく層厚および組成に関して均一な高分子層が塗布されているデバイスの、蛍光信号の参照および蛍光検出システムの較正の少なくともいずれか、ならびに蛍光信号のシステム間、デバイス間、および試験間の少なくともいずれかについての比較のための使用。
- 高分子層が1種以上の高分子を含んでなり、該高分子の少なくとも1種が相応の照射後に蛍光を発し、好ましくは、特にSU8などのエポキシ樹脂、ノボラック樹脂、PMMA、感光性ポリイミド、およびベンゾシクロブテンを基剤とするポジ型感光性コーティング材およびネガ型感光性コーティング材の少なくともいずれかである、請求項42に記載のデバイスの使用。
- 高分子層が、少なくとも1種の高分子と、高分子ではない追加蛍光物質、好ましくは有機染料(特にアゾ染料、トリフェニルメタン染料、ポルフィニン染料)および無機染料(特に金属性染料、ランタニド、およびペリレン誘導体の少なくともいずれか)の少なくともいずれかを含む、請求項42または43に記載のデバイスの使用。
- 相応の照射後に規定領域で発生する蛍光の強度を、高分子層の厚さおよび高分子層の組成の少なくともいずれかを選択することにより調節できる、請求項42〜44のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 相応の照射後に規定領域で発生する蛍光の強度を、製造プロセス中の物理的処理法、好ましくは照射処理および温度処理の少なくともいずれかにより調節できる、請求項42〜45のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 高分子層の励起波長範囲を、高分子および追加蛍光物質の少なくともいずれかを選択することにより調節できる、請求項42〜46のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 長時間にわたる相応の照射後に規定領域で生じる蛍光の退色挙動を、高分子の種類、量、および組成の少なくともいずれかを選択すること、ならびに追加蛍光物質の種類、量、および組成の少なくともいずれかを選択することのうち少なくともいずれかによって調節できる、請求項42〜47のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 長時間にわたる相応の照射後に規定領域で生じる蛍光の退色挙動を、製造プロセス中の物理的処理法、好ましくは、照射および温度処理の少なくともいずれかによって調節できる、請求項42〜48のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 高分子層の最大厚さが蛍光測定に用いられる検出システムの最小焦点深度より有意に小さい、請求項42〜49のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 高分子層の最大厚さが、数ナノメートル〜最大50マイクロメートル、好ましくは100ナノメートル〜10マイクロメートル、特に好ましくは200ナノメートル〜5マイクロメートルである、請求項50に記載のデバイスの使用。
- 規定領域が形状およびサイズの少なくともいずれかにおいて異なる、請求項42〜51のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 規定領域が、数ナノメートル〜5ミリメートル、特に好ましくは100ナノメートル〜1ミリメートルの辺長を有する正方形および長方形の少なくともいずれかである、請求項52に記載のデバイスの使用。
- 規定領域が、数ナノメートル〜5ミリメートル、特に好ましくは100ナノメートル〜1ミリメートルの直径を有する円形である、請求項52に記載のデバイスの使用。
- 規定領域が基材にアレイ状に塗布されている、請求項42〜54のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 基材が、本質的に非蛍光性の材料、好ましくは、ガラス、蒸着ガラス、シリシウム、金属、およびプラスチックの少なくともいずれかからなる、請求項42〜55のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 基材が、光透過性を有する本質的に非蛍光性の材料、好ましくはガラス(特に好ましくは石英ガラスおよびボロフロートガラスの少なくともいずれか)ならびにプラスチック(特に好ましくはPMMAおよびポリカーボネートの少なくともいずれか)の少なくともいずれかからなる、請求項56に記載のデバイスの使用。
- 蛍光較正用標品が、好ましくは、ガラス、蒸着ガラス、シリシウム、金属およびプラスチックの少なくともいずれかからなる本質的に非蛍光性の基材システムに結合されている、請求項42〜57のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 蛍光較正用標品が、好ましくはガラス(特に好ましくは石英ガラスおよびボロフロートガラスの少なくともいずれか)ならびにプラスチック(特に好ましくはPMMAおよびポリカーボネートの少なくともいずれか)の少なくともいずれかからなる光透過性を有し本質的に非蛍光性の基材システムに結合されている、請求項58に記載のデバイスの使用。
- 基材システムが通常の顕微鏡スライドであることを特徴とする、請求項59に記載のデバイスの使用。
- 基材または基材システムは、好ましくは少なくとも1つの物質ライブラリーが固定化されているプローブアレイであることを特徴とする、請求項42〜60のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 物質ライブラリーが、ペプチドおよびタンパク質の少なくともいずれかの形態、好ましくは、抗体、受容体、受容体‐リガンド分子、ホルモンまたは生物学的に活性なペプチドの形態でプローブアレイ上に固定化されていることを特徴とする、請求項61に記載のデバイスの使用。
- 物質ライブラリーが、核酸分子の形態、好ましくはDNA分子およびRNA分子の少なくともいずれかの形態、特に好ましくはゲノムDNA、mRNA、cDNA、およびrRNAの少なくともいずれかの形態でプローブアレイ上に固定化されていることを特徴とする、請求項61に記載のデバイスの使用。
- 細胞、組織切片、薬学的に活性な化合物、およびプラスミドの少なくともいずれかが基材システムまたは顕微鏡スライド上に固定化されていることを特徴とする、請求項59または60に記載のデバイスの使用。
- 蛍光検出システムを、それらの空間解像度、感度、幾何学的特性および経時変化に起因する特性の少なくともいずれかに関して較正するための、請求項42〜64のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 検出システムを、それらのレーザー出力、レーザー調節、ランプ出力、および解像度の適合の少なくともいずれかに関して較正する、請求項42〜64のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 蛍光検出システムの較正がオンラインで行なわれる、請求項65または66に記載のデバイスの使用。
- 参照が、蛍光信号のシステム間、デバイス間、および試験間の少なくともいずれかについて比較することを含んでなり、蛍光信号が好ましくはプローブアレイを用いる相互作用研究に由来する、請求項42〜64のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
- 蛍光信号のシステム間およびデバイス間の少なくともいずれかについての比較が、得られた高分子層の蛍光強度に対して実験結果を標準化することにより行われる、請求項68に記載のデバイスの使用。
- 参照が、絶対的な結果を規定するため、または高分子層の蛍光に基づく相対的な結果を規定するために、得られた高分子層の蛍光強度に対して実験結果を標準化することにより蛍光信号を定量することを含んでなる、請求項68に記載のデバイスの使用。
- 蛍光信号が、好ましくはタンパク質‐タンパク質相互作用研究由来、特に好ましくは抗体‐抗原および受容体‐リガンドの少なくともいずれかの相互作用研究由来、ならびに核酸‐核酸相互作用研究由来、特に好ましくはDNA‐RNA、DNA‐DNA、RNA‐RNAの少なくともいずれかの相互作用研究由来、ならびにタンパク質‐核酸相互作用研究の少なくともいずれか由来である、請求項68〜70のいずれか1項に記載のデバイス
の使用。 - 比較が、蛍光顕微鏡検査によって評価できる細胞局在実験および組織切片のシステム間、デバイス間、および試験間の少なくともいずれかについての比較である、請求項42〜64のいずれか1項に記載のデバイスの使用。
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