JP2004528016A - ゲノムdnaの直接多重処理による性状分析 - Google Patents

ゲノムdnaの直接多重処理による性状分析 Download PDF

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    • C12Q1/686Polymerase chain reaction [PCR]

Abstract

本発明は、増幅、検出および遺伝子型決定を含む核酸反応を多重処理する新規な方法を目的とする。本発明は、対応する標的核酸の存在下で環状化され、切断され、続いて増幅されるプレサークルプローブの使用を必要とする。

Description

【0001】
本出願は、USSN60/242901(2000年10月24日出願、前記は参照により本明細書に含まれる)の継続出願である。
本発明は、米国予防衛生研究所が提供するHG00205により政府の補助を受けて達成された。合衆国政府は本発明に関して一定の権利を有する。
本発明は、増幅、検出および遺伝子型決定を含む核酸反応を多重処理する新規な方法に関する。本発明は、該当する標的核酸の存在下で環状化され、切断され、続いて増幅されるプレサークルプローブの使用を必要とする。
【0002】
【従来技術】
ヒトの疾患は、DNA多形性または変異と環境因子との複雑な相互作用により発生した。一ヌクレオチド多形性(SNP)が遺伝型決定の潜在的に強力な手段として最近認定され、遺伝的付随、遺伝的連関およびマッピング研究の基準としてマイクロサテライトリピート分析にとって代わると予想されている。
ヒトの遺伝学における主要な目的は、DNA配列の変動と表現型の変動との間の関係を突きとめることである。これらの研究では、分子の多形性は、通常の減数分裂マッピング、微細構造マッピングおよびハプロタイプ分析にとって必須である。しかしながら、予想されるリファレンスヒトゲノムの配列決定およびヒト全遺伝子の特定のために、複雑な遺伝的疾患の研究は、もし付随や連関の不均衡の研究によってヒトの全ての遺伝子を機能的変種について系統的に調査することができればより効率的になるであろうと考えられる。このためには、ヒトのDNAにおける遺伝的変動(主として、もっとも豊富である一ヌクレオチド多形性(SNP))を系統的に見つけ出す技術および方法が要求される。
【0003】
いくつかの異なるタイプの多形性が報告された。制限フラグメントの長さの多形性(RFLP)は、Botsteinら(Am. J. Hum. Genet. 32:314−331(1980))が記載したように、制限フラグメントの長さを変えるDNA配列における変動を意味する。制限フラグメント長の多形性は制限部位を創出または欠落させ、したがって制限フラグメントの長さを変えることができる。RFLPはヒトおよび動物の遺伝子分析に広く用いられている(例えば以下を参照されたい:WO90/13668; WO90/11369; Donis−Keller, Cell 51:319−337(1987); Lander et al., Genetics 121:85−99(1989))。ある遺伝性特質を特定のRFLPと連関させることができるとき、各個体の前記RFLPの存在を用いて、前記動物が前記特質を示すであろうという蓋然性を予測することができる。
【0004】
他の多形性は短い縦並びリピート(STR)の形態を有し、前記には縦列2−、3−および4−ヌクレオチド繰返しモチーフが含まれる。前記縦列リピートはまた不定数縦列リピート(VNTR)多形性とも称される。VNTRは個体特定および親子鑑定(U.S. Pat.5,075,217; Armour et al., FEBS Lett. 307:113−115 (1992); Horn et al., WO91/14003; Jeffreys, EP370,719)、および多くの遺伝子マッピング実験で用いられる。
【0005】
他の多形性は、同じ種の個体間での一ヌクレオチド変化の形態をとる。前記のような多形性はRFLP、STRおよびVNTRよりもはるかに頻繁に存在する。数個の一ヌクレオチド多形性がタンパク質コード配列に生じ、このような場合には、前記多形性型のあるものは不完全タンパク質または他の変種タンパク質を生じるであろう。別の一ヌクレオチド多形性は非コード領域に生じる。これらの多形性のいくつかはまた、(例えば不完全なスプライシングの結果として)不完全タンパク質または変種タンパク質の発現をもたらすであろう。他の一ヌクレオチド多形性は表現型への影響をもたない。一ヌクレオチド多形性は、他の多形性形態よりも極めて高頻度で発生し、さらにゲノム全体により均一に配置されている。一ヌクレオチド多形性が高頻度および均一的であるということは、前記多形性が他の多形性の場合よりも問題の遺伝子座に極めて接近して見出されるであろうということを意味する。SNPの存在は、例えば一定の個体群、病的状態、または病的状態への傾向と連関させることができる。
【0006】
一般的に、多形性は一定の疾患または病的状態の発生に対する感受性と密接に関連する。タンパク質構造における変化を生じる多形性の存在は、一定のタイプまたは“特質”を生じる蓋然性と極めて高い相関性を有する。したがって、対象者の遺伝子型の迅速で安価な決定を可能にする方法が希求される。病的状態発生の可能性の高さと結びつく遺伝子座を早期に特定することによって、早期治療および疾患発生の予防が可能になるであろう。
ゲノム薬理学は、個体の遺伝子型と外来化合物または薬剤に対する前記個体の反応との関係を調べる学問である。治療薬の代謝における相違は、薬理活性を有する薬剤の用量と血中濃度との関係を変化させることによって重大な毒性または治療の不成功をもたらす。したがって、医師は、薬剤のタイプおよび投与量および/または治療計画の決定において対応するゲノム薬理学研究で得られた情報を利用することを考慮するであろう。
【0007】
ゲノム薬理学は、罹患者における薬剤の性質の変化および薬剤の異常な作用のために生じる薬剤に対する反応の臨床的に重大な遺伝性変化を取り扱う(例えば以下を参照されたい:M. Eichelbaum et al.(1996) Clin. Exp. Pharmacol. Physiol. 23(10−11):983−985; M.W. Linder et al.(1997) Clin. Chem. 43(2):254 −266)。一般的に、2つのタイプの遺伝的薬理異常を区別することができる。薬剤が身体に作用する態様を変化させる単一因子として伝達される遺伝的異常(薬剤作用の変化)または身体が薬剤に対して作用する態様を変化させる単一因子として伝達される遺伝的異常(薬剤代謝の変化)である。前記の遺伝的薬理異常は、稀な遺伝的欠損として、または天然に存在する多形性として生じるであろう。例えば、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ欠損症(G6PD)は一般的な遺伝性酵素病であり、前記疾患の主要な合併症は、酸化剤(抗マラリア薬、スルホンアミド、鎮痛剤、ニトロファラン)摂取後およびファーバビーン(fava bean)消費後の出血である。したがって、対象者の遺伝子型を決定し、それによって最善の治療を予測することができる迅速で安価な方法が希求される。
【0008】
したがって、既知の配列の領域内において高処理で非常に低コストでヌクレオチド配列(例えばSNP)を識別し、多形性遺伝子(例えばSNP)の対立遺伝子を特定することが希求される。これまでのところ、多形性(例えばSNP)をスクリーニングするために利用可能な多くの方法が存在する。典型的な遺伝子型の決定方法は3つの基本的工程を含む。第一の工程は標的DNAの増幅から成る。ヒト遺伝子は3×10の塩基対のDNAを含み、ほとんどのアッセイは少数の塩基、特にただ1つの塩基をこのように複雑な混合物から正確に検出するには感度と選択性の両方を欠いているために、標的DNAの増幅が必要である。結果として、現在用いられているほとんどの方法は、スクリーニングするべき多形性領域を含む数百の塩基領域をPCRを用いて先ず増幅することを必要とする。前記反応は、増幅される各領域(“アンプリコン”)のために2つの固有のプライマーを必要とする。いったんコンプレキシティーを減少させたら、従来用いられている方法での第二の工程は、対立遺伝子を弁別的に標識し、それによって遺伝子型の特定を可能にすることができる。この工程は、いくつかの識別可能なマーカー(例えば蛍光標識、質量タグなど)をアッセイされる塩基に特異的な態様で結合させることを含む。従来用いられている方法の第三の工程は、対立遺伝子を検出し個体の遺伝子型を決定することから成る。検出メカニズムには、蛍光シグナル、蛍光シグナルの偏光、質量タグを特定する質量分光法などが含まれる。
【0009】
感度、すなわち検出限界は核酸検出系の重大な障害として残されており、多様な技術がこの問題のために開発された。簡単に記せば、これらの技術は標的増幅またはシグナル増幅のいずれかに分類することができる。標的増幅は、検出されるべき標的配列を増幅(すなわち複製)し、標的分子数の顕著に増加させることを必要とする。標的増幅法にはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、鎖置換増幅(SDA)および核酸配列依存増幅(nucleic acid sequence based amplification; NASBA)が含まれる。
【0010】
また別には、標的の増幅に代わって、代替技術では鋳型として標的を使用してシグナル発生プローブを複製し、少数の標的分子によって多数のシグナル発生プローブを生成させ、続いて前記プローブを検出することができる。シグナル増幅法には、リガーゼ連鎖反応(LCR)、サイクリングプローブ技術(CPT)、侵入切断技術(例えばインベーダー(登録商標)技術)、Q−ベータレプリカーゼ(QβR)技術、および一標的配列と結合するマルチ標識プローブを生じる“増幅プローブ”(例えば“分枝プローブ”)の使用が含まれる。
【0011】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は広く用いられ文献に記載されているが、プライマーの伸長をサーモサイクルと組み合わせて使用して標的配列を増幅させることを含む(例えば以下の文献を参照されたい:U.S. Pat. 4,683,195; 4,683,202; PCR Essential Data, J.W. Willey & sons, ed. C.R. Newton, 1995(前記文献は全て参照により本明細書に含まれる)。さらに、多数の変型PCRが有り、それらもまた本発明で有用である。前記変型PCRには、とりわけ“定量的競合PCR”または“QC−PCR”、“任意プライムPCR”(または“APPCR”)、“イムノ−PCR”、“Alu−PCR”、“PCR一本鎖構造多形性”(または“PCR−SSCP”)、対立遺伝子PCR(Newton et al. Nucl. Acid Res. 17:2503(1989)、“逆転写酵素PCR”(または“RT−PCR”)、“ビオチン捕捉PCR”、“ベクタレットPCR”、“パンハンドルPCR”および“PCRセレクトcDNAサブトラクション”が含まれる。
【0012】
鎖置換増幅(SDA)は概括的には以下に記載されている:Walker et al., ”Molecular Methods for Virus Detection, Academic Press, Inc.,(1995); U.S. Pat. 5,455,166; 5,130,238(前記全ての文献は参照により本明細書に含まれる)。
核酸配列依存増幅(NASBA)は概括的には以下に記載されている:U.S. Pat. 5,409,818; ”Profiting from Gene−based Diagnostics”, CTB International Publishing Inc., N.J., 1969(前記文献はともに参照により本明細書に含まれる)。
サイクリングプローブ技術(CPT)は、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で実施されるような標的増幅ではなくシグナルまたはプローブ増幅を基本にする核酸検出系である。サイクリングプローブ技術は、RNAの切れやすい結合を含むモル過剰の標識プローブを必要とする。前記プローブと標的とのハイブリダイゼーションに際して、生じたハイブリッドはRNA:DNA部分を含む。このRNA:DNA二重体領域はリボヌクレアーゼHによって認識され、RNAが切り出され、プローブの切断をもたらす。前記プローブはこのとき2つのより小さな配列から成り、それらは遊離され、したがって標的は無傷で残され、再度の反応に使用される。未反応プローブは除去され、続いて標識が検出される。CPTは以下に概括的に記載されている:U.S. Pat. 5,011,769; 5,403,711; 5,660,988; 4,876,187; PCT公開公報WO95/05480; WO95/1416; WO95/00667(前記の全ての文献は参照により本明細書に含まれる)。
【0013】
オリゴヌクレオチド連結アッセイ(OLA;時に連結連鎖反応(LCR)と称される)は、リガーゼのための鋳型として標的配列を用いて、少なくとも2つのより小さなプローブを1つの長いプローブに連結することを必要とする(概括的に以下を参照されたい:U.S. Pat. 5,185,243; 5,679,524; 5,573,907; EP0320308 B1; EP0439182B1; WO90/01069; WO89/12696; WO89/09835(前記文献は全て参照により本明細書に含まれる)。
インベーダー(登録商標)技術は、位置特異的態様で核酸を切断する構造特異的ポリメラーゼを必要とする。2つのプローブが用いられる:“インベーダー”プローブおよび“シグナル”プローブである。前記は互いに近接して非相補的なオーバーラップを有する標的配列とハイブリダイズする。酵素は、“テール”を認識することによってオーバーラップを切断し、前記“テール”を標識とともに遊離させる。続いてこの標識が検出される。インベーダー(登録商標)技術は以下に記載されている:U.S. Pat. 5,846,717; 5,614,402; 5,719, 028; 5,541,311; 5,843,669(前記文献は全て参照により本明細書に含まれる)。
【0014】
これまで用いられてきた方法のいずれも低コストで高処理するためには十分に適切であるとはいえない。前記利用可能な方法の主要な欠点の1つは、多形性分析(すなわち遺伝子型決定)用の比較的単純なDNA鋳型を生成するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)におけるその信頼性である。個々の多形性を特定する各アッセイが別々の反応を必要とすることが避けられないこの反応を多重処理することは容易ではない。このことは、必要な数の多形性をスクリーニングするためには数百万の反応を実施する必要があるために、いずれの高処理アッセイも煩雑で高価なものになる。したがって、数千の多形性領域(例えばSNP)を1つの反応容器で分析し定量することを可能にする、処理量が高く分析コストが安価な方法が必要である。
【0015】
【発明の内容】
上記で概略した目的にしたがって、本発明は、第一および第二の標的ドメインを含む標的配列をサンプル中で検出する方法を提供する。本方法は、標的配列をプレサークルプローブとハイブリダイズさせ、第一のハイブリダイゼーション複合体を形成することを含む。前記プレサークルプローブは以下を含む:第一の向標的(targeting)ドメイン、第二の向標的ドメイン、少なくとも第一の万能プライミング部位および切断部位。前記第一および第二の向標的ドメインは前記第一および第二の標的ドメインとハイブリダイズする。第一のハイブリダイゼーション複合体はリガーゼと接触して閉環状プローブを形成し、さらに前記閉環状プローブを前記切断部位で切断して切断されたプローブを生じる。前記切断されたプローブは増幅されて複数のアンプリコンを生成し、前記アンプリコンを検出して、前記サンプル中における前記標的配列の存在を検出する。前記プレサークルプローブは場合によって、第二の万能プライミング部位を含み、さらに第二の接触工程は前記切断されたプローブを第二の万能プライマーと接触させることを含む。前記切断部位は場合によって第一および第二の万能プライミング部位の間に配置される。
【0016】
さらに、標的配列は、第一および第二の標的ドメインの間にギャップドメインを含むことができる。本方法はさらに、閉環状プローブを生成する前に、伸長酵素および少なくとも1つの審問NTPと第一のハイブリダイゼーション複合体を接触させる追加工程を含む。また別には、本方法はさらに、前記閉環状プローブを生成する前に、少なくとも1つのギャップオリゴヌクレオチドと前記第一のハイブリダイゼーション複合体を接触させる追加工程を含む。ここで、前記ギャップオリゴヌクレオチドは前記ギャップドメインと完全に相補的な核酸配列を有し、前記アンプリコンの検出によって前記ギャップドメインが特定される。
また別の特徴では、本方法はさらに、前記閉環状プローブの切断の前に一切の直鎖状プレサークルプローブを消化する追加工程を含む。
また別の特徴では、本方法はさらに、前記審問dNTPの添加前に一切のdNTPを分解する追加工程を含む。
【0017】
さらに別の特徴では、本発明は、第一および第二の標的ドメイン並びに前記第一および第二の標的ドメイン間に存在するギャップドメインを含む標的配列をサンプル中で検出する、以下の工程を含む方法を提供する:
a)複数のプレサークルプローブの少なくとも1つを前記標的配列とハイブリダイズさせて複数の第一のハイブリダイゼーション複合体を生成し、前記プレサークルプローブの各々は以下のi)からvi)を含み:
i)第一の向標的ドメイン;
ii)第二の向標的ドメイン;
iii)検出ドメイン;
iv)少なくとも第一の万能プライミング部位;
v)切断部位;および
vi)バーコード配列;
(ここで前記複数の第一および第二の向標的ドメインは前記複数の第一および第二の標的ドメインと相補的であり、さらに前記ギャップドメインは前記複数の検出ドメインの少なくとも1つとハイブリダイズする)、
b)前記複数の第一のハイブリダイゼーション複合体をリガーゼと接触させて複数の閉環状プローブを生成し;
c)前記複数の閉環状プローブを前記切断部位で切断して複数の切断プローブを生成し;
d)前記切断プローブを増幅させてアンプリコンを生成し;
e)前記アンプリコンの存在を検出して前記サンプルにおける前記複数の標的配列の存在を検出する。
【0018】
さらに別の特徴では、本発明は、複数の標的配列をサンプル中で検出する以下の工程を含む方法を提供し、ここで前記複数の標的配列の各々は第一および第二の標的ドメインを含む:
a)前記複数の標的配列を複数のプレサークルプローブとハイブリダイズさせて複数の第一のハイブリダイゼーション複合体を生成し、前記プレサークルプローブの各々は以下のi)からv)を含み:
i)第一の向標的ドメイン;
ii)第二の向標的ドメイン;
iii)少なくとも第一の万能プライミング部位;
iv)切断部位;および
v)バーコード;
(ここで前記複数の第一および第二の向標的ドメインは前記複数の第一および第二の標的ドメインとハイブリダイズする)、
b)前記複数の第一のハイブリダイゼーション複合体をリガーゼと接触させて複数の閉環状プローブを生成し;
c)前記複数の閉環状プローブを前記切断部位で切断して複数の切断プローブを生成し;
d)前記切断プローブを増幅させてアンプリコンを生成し;
e)前記アンプリコンの存在を検出して、前記サンプル中における前記複数の標的配列の存在を検出する。
【0019】
さらに別の特徴では、本発明は、以下の工程を含む、ギャップドメインによって分離されている第一および第二の標的ドメインを含む標的配列中の検出場所に存在する塩基を特定する方法を提供し、ここで前記ギャップドメインは前記検出場所を含む:
a)前記標的配列をプレサークルプローブとハイブリダイズさせて第一のハイブリダイゼーション複合体を生成し、前記プレサークルプローブは以下のi)からiv)を含み:
i)5´側の第一の向標的ドメイン;
ii)3´側の第二の向標的ドメイン;
iii)少なくとも第一の万能プライミング部位;および
iv)切断部位;
(ここで前記第一および第二の向標的ドメインは前記第一および第二の標的ドメインとハイブリダイズする)、
b)前記第一のハイブリダイゼーション複合体をポリメラーゼおよび少なくとも1つの審問dNTPと接触させて伸長されたプレサークルプローブを生成し;
c)前記伸長プレサークルプローブおよび前記標的配列を含む前記第一のハイブリダイゼーション複合体をリガーゼと接触させて閉環状プローブを生成し;
d)前記閉環状プローブを前記切断部位で切断して切断プローブを生成し;
e)前記切断プローブを増幅させて複数のアンプリコンを生成し;
f)前記アンプリコンの存在を検出して、前記サンプル中における前記標的配列の存在を検出する。
【0020】
さらに別の特徴では、本発明は、第一および第二の標的ドメインを含む標的配列をサンプル中で増幅する、以下の工程を含む方法を提供する:
a)前記標的配列をプレサークルプローブとハイブリダイズさせて第一のハイブリダイゼーション複合体を生成し、前記プレサークルプローブは以下のi)からiv)を含み:
i)第一の向標的ドメイン;
ii)第二の向標的ドメイン;
iii)少なくとも第一の万能プライミング部位;および
iv)切断部位;
(ここで前記第一および第二の向標的ドメインは前記複数の第一および第二の標的ドメインとハイブリダイズする)、
b)前記第一のハイブリダイゼーション複合体をリガーゼと接触させて閉環状プローブを生成し;
c)前記閉環状プローブを前記切断部位で切断して切断プローブを生成し;さらに
d)前記切断プローブを増幅させる。
【0021】
さらに別の特徴では、本発明は、第一および第二の標的ドメインを含む標的配列をサンプル中で検出する、以下の工程を含む方法を提供する:
a)前記標的配列をプレサークルプローブとハイブリダイズさせて第一のハイブリダイゼーション複合体を生成し、前記プレサークルプローブは以下のi)からiii)を含み:
i)第一の向標的ドメイン;
ii)第二の向標的ドメイン;および
iii)少なくとも第一の万能プライミング部位;
(ここで前記第一および第二の向標的ドメインは前記第一および第二の標的ドメインとハイブリダイズする)、
b)前記第一のハイブリダイゼーション複合体をリガーゼと接触させて閉環状プローブを生成し;
c)前記閉環状プローブを少なくとも第一の万能プライマー、伸長酵素およびdNTPと接触させて伸長生成物を生成し;
d)前記伸長生成物を増幅させてアンプリコンを生成し;
e)前記アンプリコンを検出して、前記サンプル中における前記標的配列の存在を検出する。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、増幅、検出および遺伝子型決定反応、特にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(ただし本明細書に記載するように多様な増幅技術を用いることができる)を多重処理する新規な方法を目的とする。当業者には理解されるところであるが、使用可能な種々の構成およびアッセイがある。一般的には本発明は以下に示すとおりで、図面では一般的に表されている。概して2つの方法論、“一段階”工程および“二段階”工程が存在する。
【0023】
“一段階”工程は一般的に以下のように説明することができる。第一および第二の標的ドメインを含むサンプルの標的配列にプレサークルプローブを添加してハイブリダイゼーション複合体を生成する。下記でさらに詳しく概略するように、標的配列中のこれらの標的ドメインは直に接していてもよいし、または1つもしくは2つ以上のヌクレオチドのギャップによって分離されていてもよい。前記プレサークルプローブは、第一および第二の向標的ドメインをその末端に含み、前記ドメインは前記標的配列の標的ドメインと実質的に相補的である。前記プレサークルプローブは、1つまたは場合によって2つ以上の万能プライミング部位(前記部位は切断部位によって分離されてある)およびバーコード配列を含む。標的配列の標的ドメイン間にギャップが存在せず、さらにプレサークルプローブの5´および3´ヌクレオチドが標的ドメインの結合部の対応する塩基と完全に相補的である場合、前記プレサークルプローブの5´および3´ヌクレオチドは互いに“接端”してあり、リガーゼを用いて連結して閉環状プローブを生成することができる。核酸分子の5´および3´末端は、リガーゼおよび適切な条件の存在下でそれらが共有結合を形成することができるほど十分に近接してあるとき互いに“接端”しているという。
【0024】
本方法は、プレサークルプローブの2つの向標的ドメインが標的鎖とハイブリダイズする場合、さらにつながれる2つの塩基に完全な相補性が存在する場合、前記2つの向標的ドメインは、接端するように優先的に連結させることができるという事実を根拠としている。前記末端の完全な相補性は、2つの末端がつながれ閉環状プローブを生成できる連結物質の生成を可能にする。前記のような相補性が存在しない場合、連結物質は生成されず、プローブは評価できるほどには連結されないであろう。
【0025】
いったんプレサークルプローブがつながれたら、非連結プレサークルプローブおよび/または標的配列は場合によって除去または不活化される。続いて閉環状プローブが切断部位での切断によって直鎖状にされ、前記切断プローブの新しい末端に万能プライミング部位を含む切断プローブを生じる。万能プライマー、例えばポリメラーゼのような伸長酵素およびNTPの添加によって切断プローブを増幅させアンプリコンを生成する。これらのアンプリコンは多様な方法で検出することができる。例えば、バーコード配列を用いる場合は、当分野で周知のようにバーコードを含むアンプリコンを万能バイオチップアレイに添加することができる(ただし、当業者には理解されるところであるが、溶液相アッセイを含む他の多数の検出方法も実施することができる)。
【0026】
好ましい実施態様では、標的配列の標的ドメイン間にはギャップが存在する。遺伝子型決定反応の場合は一ヌクレオチドギャップが存在し、前記は検出場所、例えばSNPの位置を構成する。ただ1つのタイプのdNTPおよびポリメラーゼをハイブリダイゼーション複合体へ添加することによって、もし前記dNTPが前記検出場所の塩基と完全に相補的である場合、前記ギャップは“充填”される。前記dNTPを場合によって除去し、リガーゼを添加して閉環状プローブを生成する。切断、増幅および検出は上記のように進行させる。
また別には、標的ドメインの間には2つ以上のヌクレオチドを含むギャップがあってもよい。下記でさらに詳細に説明するが、この場合は、複数のdNTP(図3Cに一般的に記載されているような“ギャップオリゴヌクレオチド”)または図3Dに一般的に示したように“フラップ”をもつプレサークルプローブのどちらかを用いて反応を完成させることができる。
【0027】
“二段階”プロセスは上記に概略した工程と類似している。しかしながら、この実施態様ではプレサークルプローブを環状化した後でただ1つの万能プライマーが(ポリメラーゼおよびdNTPの存在下で)添加され、それによって前記閉環状プローブの、新しい末端を有する直鎖状コピーが生成される。前記“二段階”プロセスは、その後に続く増幅反応から生じる望ましくないバックグラウンドシグナルを減少させるために特に有利である。これは、切断されたときにいずれのプローブの増幅も防止する切断部位をプレサークルプローブ内にデザインすることによって達成することができる。さらに別のバックグラウンドを減少させるプロセスもまた本発明の組成物または方法に取り込むことが可能で、本明細書でさらに詳細に考察される。
【0028】
本発明の方法は、多数のプローブ間の交差ハイブリダイゼーションおよび相互反応(これは望ましくないバックグラウンド増幅をもたらす)に付随する問題を減少させるために特に有利である。プレサークルプローブを環状化させ、エキソヌクレアーゼで反応物を処理することによって、直鎖状核酸は分解され、したがって増幅反応に加わることができない。これにより、本発明の方法は、直鎖状プローブを必要とする他の増幅方法よりも強靭で、多重処理が可能である。
したがって、本発明は、標的核酸配列をサンプル中で検出し、定量し、および/または遺伝子型を決定する組成物および方法を提供する。一般的に、本明細書で述べる遺伝子型の決定方法はヌクレオチドの置換の検出に関連するが、当業者には理解されるように欠失、挿入、倒置などもまた検出することができる。
【0029】
当業者には理解されるところであるが、サンプル溶液は多数の物質を含むことができる。前記には、実質的に任意の生物の体液(血液、尿、血清、リンパ、唾液、肛門および膣分泌物、汗および精液が含まれるが、ただしこれらに限定されない)または固形組織サンプル(哺乳類のサンプルが好ましく、ヒトのサンプルが特に好ましい);環境サンプル(大気、農業、水および土壌のサンプルが含まれるが、ただしこれらに限定されない);生物兵器サンプル;研究サンプル;精製サンプル(例えば精製または未加工ゲノムDNA、RNA、タンパク質など);未加工サンプル(細菌、ウイルス、ゲノムDNA、mRNAなど)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。当業者には理解されるところであるが、実質的に任意の実験的処理をサンプルに施すことができる。
【0030】
鋳型核酸の供給源に関して制限はなく、真核細胞[例えば哺乳類(例えばヒト、マウス、ヒツジ、ウシ)または植物]由来でも、または原核細胞(例えば細菌、原虫)由来でも、ウイルス由来でもよい。
核酸標本は、“侵襲的”または“非侵襲的”サンプリング手段のいずれかを用いて分析されるべき個々の種から入手できる。サンプリング手段が、動物(特にネズミ、ヒト、ヒツジ、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコを含む)の皮膚または器官内から核酸を採集することを必要とする場合は、前記手段は“侵襲的”であると称される。侵襲的な方法の例には、血液採取、精液採取、注射針生検、胸膜吸引、臍帯生検などが含まれる。前記方法の例は以下によって考察されている:C.H. Kim et al., J. Virol. 66:3897−3882(1992); B. Biswas et al., Annals NY Acad. Sci. 590:582−583(1990); B. Biswas et al., J. Clin. Microbiol. 29:2228−2233(1991)。
【0031】
対照的に、“非侵襲的”サンプリング手段は、核酸分子が動物の内部表面または外部表面から回収される手段である。そのような“非侵襲的”サンプリング手段の例には、涙、唾液、尿、糞便、汗の“綿棒ぬぐい”採集、毛髪などが含まれる。本明細書で用いられるように、“綿棒ぬぐい”とは、生細胞、表面の残屑および/または死細胞もしくは剥げ落ちた細胞または細胞屑の採集に十分な態様で吸着物質を表面に含むアプリケーターおよび/または採集具(“綿棒”)を接触させることを意味する。そのような採集は、鼻、口、直腸、膣または耳の開口部を綿棒でぬぐうか、皮膚または涙管と接触させるか、毛包を採集するなどして実施できる。
核酸標本の単離方法は当分野では公知で、単離される核酸のタイプによって左右される。核酸がRNAの場合は、RNAの分解を回避するように注意しなければならない(例えばRNAsinの含有などによる)。例えば、ゲノムDNAは、ヒトの細胞から例えば米国特許第6027889号に記載されたように調製できる。
【0032】
本発明は、遺伝子型決定および/またはサンプル中における標的核酸の有無の検出を目的とする組成物および方法を提供する。本明細書の“核酸”または“オリゴヌクレオチド”とは、共有結合された少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。本発明の核酸は一般的にはホスホジエステル結合を含むであろうが、いくつかの事例(例えばプローブのデザインの場合)には、下記に概略するように、また別の例えば以下を含む骨格を有する核酸類似体も含まれる:ホスホルアミド(Beaucage et al., Tetrahedron 49(10):1925(1993)およびその中の引用文献; letsinger, J. Org. Chem. 35:3800(1970); Spinzl et al., Eur. J. Biochem. 81:579(1977); Letsinger et al., Nucl. Acids Res. 14:3487(1986); Sawai et al., Chem. Lett. 805(1984); Letsinger et al., J. Am. Chem. Soc. 110:4470(1988); Pauwels et al., Chemica Scripta 26:1419(1986))、ホスホロチオエート(Mag et al., Nucleic Acids Res. 19:1437(1991); U.S. Pat. No.5,644,048)、ホスホロジチオエート(Briu et al., J. Am. Chem. Soc. 111:2321(1989))、O−メチルホスホロアミダイト結合(Eckstein, ”Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach”, Oxford University Press)並びにペプチド核酸骨格および結合(Egholm, J. Am. Chem. Soc. 114:1895(1992); Meier et al., Chem. Int. Ed. Engl. 31:1008(1992); Nielsen, Nature 365:566(1993); Carlsson et al., Nature 380:207(1996))(前記全ての文献は参照により本明細書に含まれる)。
【0033】
他の核酸類似体には、正の骨格をもつもの(Denpcy et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:6097(1995); 非イオン性骨格をもつもの(U.S. Pat. No.5,386,023, No.5,637,684, No.5,602,240, No.5,216,141, No.4,469,863; Kiedrowshi et al., Angew. Chem. Intl. Ed. English 30:423(1991); Letsinger et al., J. Am. Chem. Soc. 110:4470(1988); Letsinger et al., Nucleoside & Nucletide 13:1597(1994); ASC Symposium Series 580, ”Carbohydrate Modifications in Antisense Research”, Chapter 2 and 3, Ed. Y.S. Sanghui & P. Dan Cook; Mesmaeker et al., Bioorganic & Medical Chem. Lett. 4:395(1994); Jeffs et al., J. Biomolecular NMR 34:17(1994); Tetrahedron Lett. 37:743(1996))および非リボース骨格をもつもの(以下に記載されたものを含む:U.S. Pat No.5,235,033, No.5,034,506: ASC Symposium Series 580, ”Carbohydrate Modifications in Antisense Research”, Chapter 2 and 3, Ed. Y.S. Sanghui & P. Dan Cook)が含まれる。1つまたは2つ以上の炭素環式糖を含む核酸もまた核酸の定義内に含まれる(Jenkins et al., Chem. Soc. Rev. (1995) pp169−176)。いくつかの核酸類似体が以下の文献に記載されている:Rawls, C & E News, June 2, 1997 page 35。前記文献は全て参照により本明細書に含まれる。リボース−リン酸骨格のこのような改変は、標識の添加を容易にするために、またはそのような改変分子の生理学的環境における安定性および半減期を高めるために実施することができる。
当業者には理解されるところであるが、これら核酸類似体のいずれも本発明で有用であろう。さらに、天然に存在する核酸および類似体の混合物を製造することができる。また別に、種々の核酸類似体の混合物および天然に存在する核酸および類似体の混合物を製造してもよい。
【0034】
核酸は指定のとおりに一本鎖でも二本鎖でもよく、または二本鎖配列と一本鎖配列の両方の部分を含んでいてもよい。核酸はDNAでも、ゲノムDNAおよびcDNAの両方、RNAまたはハイブリッドでもよい。ハイブリッドの場合、核酸はデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの任意の組み合わせ、および塩基(ウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサタニン、ヒポキサタニン、イソシトシン、イソグアニンなどを含む)の任意の組み合わせを含む。好ましい実施態様では、下記でより完全に説明するとおり、ある割合のウラシルを含む核酸プローブが用いられる。ある実施態様では、標的配列ではなく他のプローブに対して相補的であるようにデザインした核酸でイソシトシンおよびイソグアニンが用いられ、これによって、米国特許第5681702号に一般的に記載されたように非特異的ハイブリダイゼーションが減少する。本明細書で用いられるように、“ヌクレオシド”という用語には、ヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体と同様にヌクレオチドおよび改変ヌクレオシド(例えば標識ヌクレオシド)が含まれる。さらに、“ヌクレオシド”には天然には存在しない類似体構造物も含まれる。したがって、例えばペプチド核酸の個々のユニット(各々が塩基を含む)は、本明細書ではヌクレオシドと称される。同様に、“ヌクレオチド”(本明細書では時に“TNP”と略記される)にはリボ核酸およびデオキシリボ核酸(本明細書では時に“dNTP”と略記される)の両方が含まれる。下記の多くの記述では“dNTP”という用語を用いているが、多くの事例でNTPが鋳型および酵素にしたがって代用できることは特記されよう。
【0035】
本発明の組成物および方法は標的配列の検出を目的とする。本明細書の“標的配列”または“標的核酸”という用語は、一本鎖核酸の核酸配列を意味する。標的配列は、遺伝子の一部分、調節配列、ゲノムDNA、cDNA、RNA(mRNAおよびrRNAを含む)または他のものであろう。ここに概略するように、標的配列は、サンプルの標的配列、または二次標的、例えば遺伝子決定反応または増幅反応の生成物、例えばつながれた環状化プローブ、増幅反応のアンプリコン(例えばPCR)などであろう。したがって、例えば、サンプルの標的配列は増幅されて二次標的(アンプリコン)を生成し、前記が検出される。また別には、下記にさらに完全に説明するように、増幅させることができるものはプローブ配列であるが、ただしこれは一般的には好ましくない。標的配列はどのような長さでもよいが、より長い配列はより特異性を有することは理解されよう。当業者には理解されるところであるが、相補的標的配列は多くの形態をとることができる。例えば、前記はより大きな核酸配列(すなわち遺伝子またはmRNAの全部または一部分、とりわけプラスミドまたはゲノムDNAの制限フラグメント)内に含まれてあってもよい。下記にさらに完全に説明するように、プローブは標的配列とハイブリダイズするように作製され、サンプル中の標的配列の存在または量が決定される。一般的に言えば、前記関係は当業者には理解されるところである。好ましい標的配列はサイズが約20から約1000000、より好ましくは約50から約10000で、約40から約50000がもっとも好ましい。
【0036】
必要な場合には、標的配列は公知の技術を用いて調製される。例えば、サンプルは、公知の溶解緩衝液、音波破砕、エレクトロポレーションなどを用いて処理して細胞を溶解し、必要な場合には当業者には理解されるところであるが下記に概略するように精製および増幅することができる。さらに、本明細書に概略するように、反応は、当業者には理解されるところであるが多様な方法で実施することができる。反応成分は、同時にまたは任意の順序で連続的に添加できるが、好ましい実施態様は下記に概略される。さらに反応には、アッセイに含むことができる他の多様な試薬を包含させることができる。前記試薬には、塩、緩衝剤、中性タンパク質(例えばアルブミン)、洗剤などの試薬が含まれ、前記試薬を用いて、最適なハイブリダイゼーションおよび検出を容易にし、および/または非特異的なバックグラウンドの相互反応を減少させることができる。さらにまた、その他の点でアッセイ効率を改善する試薬、例えばプロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗菌剤などを、サンプルの調製方法および標的の純度に応じて用いることができる。
【0037】
さらに、ほとんどの実施態様では、二本鎖の標的核酸を変性させて一本鎖にし、それによってプライマーおよび本発明の他のプローブとのハイブリダイゼーションを可能にする。好ましい実施態様では、熱工程、一般的には反応温度を約95℃に上昇させることによる熱工程が利用されるが、pH変化または他の技術も用いることができる。
さらに、いくつかの事例では、例えばゲノムDNAを用いる場合には、前記は例えば沈澱またはサイズ排除技術を用いて捕捉することができる。また別には、DNAを周知の技術、例えば水力せん断または制限エンドヌクレアーゼを用いて化工処理し、均一な長さのフラグメントを得ることができる。
【0038】
本発明の標的配列は、一般的には少なくとも第一および第二の標的ドメインを含む。標的ドメインは標的配列の部分である。一般的には、各標的ドメインは任意の長さでよいが、より長い配列がより特異的であることは理解されよう。プローブにおける標的ドメインの最適な長さは、その領域のGC含有量および前記領域の二次構造を含む因子によって左右される。考慮されることは、プライマーとして使用される適切な配列を特定するために考慮されることと同様で、下記でさらに説明する。プローブの長さおよびGC含有量は、ハイブリッドのTm、したがってプローブと鋳型核酸との特異的なハイブリダイゼーションに必要なハイブリダイゼーション条件を決定するであろう。これらの因子は当業者には周知で、アッセイでもテストすることができる。核酸のハイブリダイゼーションのための広範囲の手引きは以下の文献で見出すことができる:Tijssen (1993), ”Laboratory Techniques in biochemistry and molecular biology−hybridization with nucleic acid probes”。一般的には、ある限定イオン強度およびpHで個々の配列について熱溶融点(Tm)より約5℃低くなるようにストリンジェントな条件は選択される。
【0039】
Tmは、完全にマッチしたプローブと標的配列の50%が(限定イオン強度およびpHの下で)ハイブリダイズする温度である。高ストリンジェントな条件は、特定のプローブに対するTm点が等しいように選択される。時には、“Td”という用語が、少なくとも半分のプローブが完全にマッチした標的核酸から解離する温度を示すために用いられる。いずれの場合にも、TmまたはTdを概算するために多様な概算技術を用いることができる。前記は上掲書(Tijssen)に一般的に記載されている。典型的には、約80−100℃の理論的最高値までデュープレックス中のG−C塩基対はTmに対して約3℃寄与するとして概算され、一方、A−T塩基対は約2℃寄与すると概算される。しかしながら、TmおよびTdのもっと複雑なモデルが利用可能であり適切である。前記モデルでは、G−C重積作用、溶媒の影響、所望のアッセイ温度などが考慮される。例えばプローブは、以下の式を用いて約60℃の解離温度(Td)をもつようにデザインできる:
Td=(((((3×#GC)+(2×#AT))×37)−562)/#bp)−5;
式中、#GC、#ATおよび#bpは、鋳型DNAとプローブのアニーリングに含まれる、それぞれグアニン−シトシン塩基対の数、アデニン−チミン塩基対の数および全塩基対の数である。
【0040】
完全にマッチしたデュープレックスおよびミスマッチのデュープレックスとの間の安定性の相違は、特に前記ミスマッチが一塩記のみである場合は、前記2つの間のTmの相違がわずかに0.5℃であるのと対応して極めて小さいであろう(例えば以下を参照されたい:N. Tibanyenda et al., Eur. J. Biochem. 13919 (1984); S. Ebel et al., Biochem. 31:12083(1992))。より重要なことには、相同な領域の長さが増すにつれ、全デュープレックスの安定性に対する一塩記のミスマッチの影響は減少するということは理解されよう。したがって、プローブと標的ドメインとの間にミスマッチが存在する可能性がある場合、プローブがより長い標的ドメインを含むことが推奨されるであろう。
【0041】
したがって、プローブの特異性および選択性は、標的ドメインについて適切な長さおよび適切なハイブリダイゼーション条件を選択することによって調節できる。鋳型核酸がゲノムDNA(例えば哺乳類のゲノムDNA)である場合、標的ドメインの選択性は、ゲノムDNAから直接処理することを可能にするために、3×10の大きさの正確な塩基を特定するために十分に高くなければならない。しかしながら、ゲノムDNAの一部分が残りのDNAから先ず分離される、例えば1つまたは2つ以上の染色体が残りの染色体から分離される状況下では、プローブの選択性または特異性の重要性は小さい。
【0042】
プローブの長さ、したがってハイブリダイゼーション条件はまた、1つのプローブが鋳型核酸とハイブリダイズされるか、またはいくつかのプローブがハイブリダイズされるかによっても変動するであろう。いくつかのプローブが用いられる場合、さらに全てのプローブを鋳型核酸に同時にハイブリダイズさせる場合、種々のプローブの標的ドメインを、それらのTmおよび/またはTdが同じになるように、それら全てのプローブが鋳型核酸と特異的にハイブリダイズするようにデザインするのが望ましい。これらの条件は、上記で述べた因子をプライマーに関して述べた因子と同様に考慮することによって、当業者が決定することができる。
【0043】
しかしながらプレサークルプローブの長さのために、各標的ドメインは約5塩基から約100塩基のサイズ範囲で、約5から約40のサイズ範囲が特に好ましい。当業者には理解されるところであるが、標的ドメインは同じ長さでも異なる長さでもよく、大きく異なるTmを有していてもよい。“第一”および“第二”という用語は、標的配列の5´−3´方向に対して配列の向きを定めることを意味しない。例えば、相補的な標的配列の5´−3´の向きを仮に定めた場合、第一の標的ドメインは第二のドメインに対して5´側に配置されていても、または第二のドメインに対して3´側に配置されてあってもよい。
本明細書に概略するように、標的ドメインは隣接(すなわち連続)してあっても、または分離されてあってもよい(すなわち“ギャップ”によって)。分離されている場合は、標的ドメインは、一ヌクレオチドまたは複数のヌクレオチド(1から約2000が好ましく、1から約500が特に好ましい)によって分離できる。ただし当業者には理解されるところであるが、もっと長いギャップもいくつかの実施態様では有用であろう。
【0044】
好ましい実施態様では例えば遺伝子型決定の場合、下記にさらに完全に説明するが、標的配列は遺伝情報が所望される位置(本明細書では一般的には“検出場所”と称される)を含む。特に好ましい実施態様では、検出場所は一ヌクレオチドである。ただし別の実施態様では、検出場所は、互いに連続してあるか、または1つまたは2つ以上のヌクレオチドによって分離されてある複数のヌクレオチドを含むことができる。本明細書で用いられるように“複数”とは少なくとも2つを意味する。本明細書で用いられるように、標的内の検出場所の塩基を有する塩基対の塩基は“審問場所”と称される。一ヌクレオチドギャップが用いられる事例では、検出場所と完全な相補性を有するNTPは“審問NTP”と称される。
【0045】
“ミスマッチ”とは、比較の用語であり、さらに同定場所(本明細書では“検出場所”と称される)の塩基の同一性が2つの配列間で相違することを示すことがここでは特記されるべきである。一般的に、野生型と異なる配列はミスマッチと称される。しかしながら、さらにSNPの場合には特に、何が“野生型”を構成するかは、集団内に多数の対立遺伝子が比較的頻繁に観察されるので決定が困難であり、したがってこの場合の“ミスマッチ”は標準物として1つの配列の人為的採用を必要とする。したがって、本発明の目的のために、配列は本明細書では“完全なマッチ”および“ミスマッチ”と称される。“ミスマッチ”はまた時には“対立遺伝子変種”とも称される。“対立遺伝子”(本明細書では“対立遺伝子変種”と互換的に用いられる)という用語は、遺伝子またはその部分のまた別の形態を指す。対立遺伝子は、相同染色体の同じ遺伝子座または場所を占める。対象者がある遺伝子で2つの同一の対立遺伝子を有するとき、前記対象者は前記遺伝子または対立遺伝子についてホモ接合であると称される。対象者がある遺伝子で2つの異なる対立遺伝子を有するとき、前記対象者は前記遺伝子についてヘテロ接合であると称される。ある特定の遺伝子の対立遺伝子は、一ヌクレオチドまたは数ヌクレオチドが互いに異なっていることが可能で、ヌクレオチドの置換、欠失および挿入を含むことができる。ある遺伝子のある対立遺伝子はまた変異を含む遺伝子形であってもよい。“遺伝子の多形性領域の対立遺伝子変種”という用語は、同じ種の他の個体の前記遺伝子の前記領域で見出されるいくつかのヌクレオチド配列の1つを有する遺伝子領域を指す。
【0046】
本発明は、本明細書に記載するように、標的配列とハイブリダイズするプレサークルプローブを提供する。一般的に、本発明のプローブは、標的配列(サンプルの標的配列または、本明細書に記載されるように他のプローブの配列、例えば万能プライマーおよびバーコード)と相補的であるようにデザインされ、それによって標的と本発明のプローブのハイブリダイゼーションが生じる。この相補性は完全である必要はなく、任意の数の塩基対のミスマッチが存在し、前記ミスマッチは標的配列と本発明の一本鎖核酸との間のハイブリダイゼーションに干渉するであろう。しかしながら、変異の数が非常に大きくてハイブリダイゼーションがもっとも低いストリンジェントな条件下でさも生じない場合は、前記配列は相補的な標的配列ではない。したがって、本明細書で“実質的に相補的”という場合、プローブは、選択された反応条件下でハイブリダイズするために十分に相補的であることを意味する。
【0047】
本発明では、中等度および低ストリンジェント条件を含む多様なハイブリダイゼーション条件を用いることができる(例えば以下の文献を参照されたい:Maniatis et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Edition, 1989; Short Protocols in Molecular Biology, ed. Ausubel et al.(前記文献は参照により本明細書に含まれる))。ストリンジェントな条件は配列によって変動し、別の環境下ではまた異なるであろう。 より長い配列はより高い温度で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションについての広範囲の手引きは以下の文献で見出される:Tijssen, Techniques in Biochemistry and Molecular BiologyHybridization with Nucleic Acid Probes, ”Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid assays” (1993)。一般的に、ストリンジェントな条件は、ある限定イオン強度およびpHで特定の配列についてその熱溶融点(Tm)より約5から10℃低くなるように選択される。
【0048】
前記Tmとは、(限定イオン強度、pHおよび核酸濃度下で)、標的と相補的なプローブの50%が、前記標的と平衡状態でハイブリダイズする温度である(標的配列が過剰に存在するとき、Tmではプローブの50%が平衡状態で占有されている)。ストリンジェントな条件は以下のようなものであろう:塩濃度は約1.0M未満のナトリウムイオン、典型的には約0.01から1.0Mのナトリウムイオン濃度(または他の塩)、pHは7.0から8.3、温度は、短いプローブ(例えば10から50ヌクレオチド)では少なくとも約30℃で、長いプローブ(例えば50ヌクレオチドよりも大きい)では少なくとも約60℃である。ストリンジェントな条件はまた、らせん脱安定化剤(例えばホルムアミド)の添加により達成できる。ハイブリダイゼーション条件はまた、当分野で公知のように非イオン性骨格(すなわちPNA)が用いられるときに変動するであろう。さらに、架橋剤は標的結合後に添加して、ハイブリダイゼーション複合体の2つの鎖を架橋、すなわち共有結合させることができる。
【0049】
したがって、一般的にはアッセイは、標的の存在下でのみハイブリダイゼーション複合体を形成させるストリンジェントな条件下で実施される。ストリンジェンシーは、熱力学的変数(温度、ホルムアミド濃度、塩濃度、カオトロピズム塩の濃度、pH、有機溶媒濃度などを含むが、ただしこれらに限定されない)の工程パラメーター変更することによって制御することができる。
また別には、一本鎖結合タンパク質も特異性を高めるために用いることができる。
これらのパラメーターもまた、米国特許第5681697号に一般的に概略されているように非特異的結合の制御に用いることができる。したがって、ある種の工程をより高いストリンジェンシー条件下で実施して非特異的結合を減少させることが望ましいであろう。
【0050】
本発明のプレサークルプローブのデザイン、調製および使用をこれから詳細に述べる。上記で概略しここでさらに完全に説明するように、本発明のプレサークルプローブは、少なくとも第一および第二の向標的ドメイン並びに少なくとも1つの万能プライミング部位または配列を含む。場合によって、プレサークルプローブは、さらに1つまたは2つ以上の切断部位、バーコード配列、1つまたは2つ以上の制限部位および/または標識配列を含むことができる。
“万能”プライミング部位は、万能プライマーがハイブリダイズする部位である。一般的に“万能”とは、複数の増幅反応のために一プライマーまたは一プライマーセットを使用することを指す。例えば、100個の異なる標的配列の検出または遺伝子型決定において、全てのプレサークルプローブは同一の万能プライミング配列を共有し、これによって一プライマーセットを用いて100個の異なるプローブの増幅を多重処理することが可能になる。これは合成を容易にし(例えばただ1つのプライマーセットを作製するだけである)、コストを減少させるとともに、ハイブリダイゼーションの動的変化において有利である。極めて重要なことには、そのようなプライマーを使用することによって多重処理が極めて単純化され、ただ2つのプライマーが複数のプローブの増幅に必要とされるだけである。
【0051】
万能プライミング配列/プライマーの複数の“セット”を用いることができることはまた特記されるべきであろう。例えば、多重化された反応では、ただ1つのセットを用いるのではなくいくつかの万能配列セットを用いるのが有用であろう。例えば、100個の異なるプレサークルプローブは同じプライミング配列を有し、第二のセットの100個は同じプライミング配列を有する。
当業者には理解されるところであるが、本発明のプレサークルプローブは多様な構成を有することができる。初歩的な事柄として、プレサークルプローブは、向標的ドメインの5´および3´末端が標的配列で隣接するヌクレオチドとハイブリダイズするようにデザインされるか、または下記でもっと完全に説明するようにギャップをもつようにデザインされる。
好ましい実施態様では、プレサークルプローブは、標的配列の標的ドメインと隣接して(すなわち一切ギャップヌクレオチドを含まず)ハイブリダイズする2つの向標的ドメインを含む。前記は、本明細書ではときに“接端”プレサークルプローブと称される。この実施態様は、検出および/または遺伝子型決定の両方を目的とする利用で有用である。
【0052】
好ましい実施態様では、前記接端プレサークルプローブは、遺伝子型決定よりはむしろ標的配列の検出に用いられる。この実施態様では、標的配列は特定の検出場所を含まない。したがって、接端プレサークルプローブは、標的配列の互いに直接隣接する標的ドメインと完全に相補的にハイブリダイズする5´および3´末端をもつようにデザインされる。その結果、プローブが標的とハイブリダイズしたとき、前記5´および3´末端は互いにその一端を接する(接端する)。完全な相補性が5´および3´末端に存在する場合にのみ、下記に概略するように、前記接端プレサークルプローブの2つの末端はリガーゼの存在下でつながれて閉環状プローブを生成し、前記を続いて下記に概略するように処理することができる。もちろんのこと、非相補的配列がつながれる部位から離れていればいるほど、プローブがつながれる可能性が高くなることは当業者には理解されよう。
また別の実施態様では、接端プレサークルプローブは、標的配列中の検出場所の遺伝子型決定に用いられる。この実施態様では、少なくとも1つの接端プレサークルプローブが、その3´または5´末端のどちらかに審問塩基(例えば標的配列の検出場所と完全な相補性を有するヌクレオチド)を含む。当業者には理解されるところであるが、3´または5´のどちらかを用い、両末端間に完全な塩基対形成が存在しないかぎりリガーゼによる連結が生じないようにすることができる。この実施態様は図3Aに一般的に示されている。
【0053】
特に好ましい実施態様では、複数の接端プレサークルプローブが用いられる。そのような実施態様の1つでは、各接端プレサークルプローブは、下記でさらに完全に述べるように異なるバーコード配列を含む。例えば、SNPの場所が二対立遺伝子性である場合(例えば2つの異なる塩基を含む場合)、2つの接端プレサークルプローブ(各々は異なる審問塩基および異なるバーコードを含む)が用いられる。完全な相補性が前記審問塩基と検出場所との間に存在する場合にのみ連結反応が生じる。この実施態様では、バーコード配列は“標識”または“タグ”タイプとして機能し、前記審問場所にどの塩基が存在するかを特定する。また別には、審問塩基は異なるがバーコードは同じである2つの接端プレサークルプローブが用いられる。この実施態様では、プローブは別々の反応混合物中で用いられ、本明細書に記載するように別個に処理され、検出される。その結果、審問塩基と検出場所との間に完全な相補性を有するプローブのみがつながれて閉環状プローブを生成し検出される。後者の実施態様は、例えば問題の遺伝子のメージャーな対立遺伝子とマイナーな対立遺伝子とを区別するために用いることができる。
【0054】
本発明のプレサークルプローブはまた、標的配列上で互いに隣接してハイブリダイズしない(すなわち、標的配列の対応する標的ドメインが1つまたは2つ以上のヌクレオチドを含むギャップドメインによって分離されている)非接端向標的ドメインを含むことができる。これらのプローブはまた、検出、増幅および/または遺伝子型決定を目的とする応用で用いることができる。
そのような実施態様の1つでは、プレサークルプローブは、標的配列中で一ヌクレオチドギャップドメイン(一ヌクレオチドギャップ位置)によって分離されている2つの標的ドメインとハイブリダイズする2つの向標的ドメインを含む。繰り返せば、この実施態様は、検出および/または遺伝子型決定の両方の利用に有用であるが、遺伝子型決定での利用が好ましい。
【0055】
好ましい実施態様では、一ギャッププレサークルプローブが標的配列の遺伝子型決定に用いられる。この実施態様では、標的配列はギャップドメインに特定の検出場所を含み、プレサークルプローブは、標的配列の一ヌクレオチドによって分離された標的ドメインと完全に相補的にハイブリダイズする向標的ドメインを有するようにデザインされている。この実施態様では、ポリメラーゼと1つのdNTP種が添加される。前記dNTPが審問dNTPである場合、例えばそれが検出場所のヌクレオチドと完全な相補性を有する場合、前記ポリメラーゼはプレサークルプローブを伸長させて連結構造物を生成する。本明細書に概略するようにリガーゼの添加はしたがって環状化プローブの生成をもたらす。
【0056】
この遺伝子型決定の実施態様では、別々の複数の反応が必要である。すなわち、対立遺伝子が二対立遺伝子である場合、少なくとも2つの反応が実施され、各反応は異なるdNTPを含む。同様に、三対立遺伝子間の場所については少なくとも3つの反応が実施される。各反応混合物は、(例えばアレーに添加して)別々に処理および検出するか、または前記反応混合物を環状化し余分のdNTPを除去した後1つにプールして一緒に処理してもよい。特に好ましい実施態様では、4種のdNTP反応の全てを別々の反応混合物(各々が異なるdNTPを含む)で同時に実施し、対立遺伝子の相補性を同定するか、または固有のバックグラウンドの測定を提供することができる。
【0057】
当業者には理解されるところであるが、また別には、一ギャッププレサークルプローブを用い、単純に4種のdNTPの全てをポリメラーゼとともに同じ反応混合物に同時に添加することによって検出および/または増幅を実施できる(前記ポリメラーゼは、完全な相補性の下でdNTPを前記検出場所に添加し、続いてプローブを連結し増幅させる)。
別の好ましい実施態様では、プレサークルプローブは2つの向標的ドメインを含む。前記向標的ドメインは、複数のヌクレオチドを含むギャップドメイン(“オリゴ−ギャップ”)によって分離されてある2つの標的ドメインとハイブリダイズする。上記のように、この実施態様は、検出、増幅または遺伝子型決定反応のいずれかで有用で、“フラップ−ギャップ”または1つもしくは2つ以上の追加のオリゴヌクレオチド(ときに本明細書では“ギャップオリゴヌクレオチド”または“介在オリゴヌクレオチド”と称される)を含むどちらかのプローブが必要である。
【0058】
特に好ましい実施態様では、オリゴ−ギャッププレサークルプローブは増幅反応に用いられる。この実施態様では、図3Bに一般的に示されているように、反応は、リガーゼの存在下でポリメラーゼおよびdNTPを用いて進行し、閉環状プローブを生成する。続いて本明細書に概略するように前記閉環状プローブを切断し増幅させる。当業者には理解されるところであるが、異なる複数の標的配列に対する複数のプローブの各々に同じプライマーを含ませることによって、1つの反応容器で対象となるの多数の標的を同時に増幅することができる。
別の好ましい実施態様では、1つまたは2つ以上のギャップオリゴヌクレオチドを含むマルチヌクレオチドギャッププローブが用いられる。この実施態様では、図3Cに一般的に示されているように、酵素によりギャップを充填する代わりに、実質的に相補的なギャップオリゴヌクレオチドが用いられ、続いて本明細書で概略するように各末端が連結される。当業者には理解されるところであるが、この実施態様はまた複数のギャップオリゴヌクレオチドの使用を必要とする。
【0059】
好ましい実施態様では、オリゴ−ギャッププローブは遺伝子型決定反応で用いられる。この実施態様では、検出場所はギャップの“中間”(例えばギャップの内部)にあり、“フラップ−ギャップ”プローブが用いられる。この実施態様は図3Dに一般的に示されている。本明細書に概略する他の反応とは異なり、この実施態様は、種々のストリンジェンシー条件(温度、緩衝条件など)を利用する伝統的なハイブリダイゼーション方法により検出場所のヌクレオチドを識別する。したがって、反応は、審問塩基が前記検出塩基と完全に相補的であるときにのみ連結が可能になる条件下で実施される。すなわち、他の全てのパラメーターは同じであるので、完全に相補的なプローブはより安定で、おそらくいずれの温度においてもミスマッチを含むプローブよりも離脱が遅いであろう。したがって、異なるプローブ(それぞれ審問場所に異なる塩基を含む)を用いることによって、検出場所の塩基が特定される。上記で概略したように、同一または異なるバーコードをプローブに取り込んで、それぞれ別々の反応混合物または同一反応混合物で続いて検出を実施できる。相違は異なる温度を用いることによって増幅させることができる。この実施態様では、末端から遠い審問塩基を有する長いギャップもハイブリダイズし連結を可能にさせるので、ギャップの長さおよび審問塩基の場所が考慮されねばならないということもまた特記する必要があろう。
【0060】
また別には、図3Cに示すように、1つまたは2つ以上のギャップオリゴヌクレオチドを用いて同じタイプの反応を実施することができる。この実施態様では、審問場所がギャップオリゴヌクレオチドの内部にある場合は、伝統的なストリンジェンシー条件が実施される。また別に、審問場所がギャップオリゴヌクレオチドの5´または3´(またはその両方、2つのSNP検出場所が互いに接近している場合)末端にあってもよい。この実施態様は、特異性の関係で標的ドメインが長くなければならない場合に有用であろう。しかしながら、一般的にはプレサークルプローブが長ければ長いほど、合成における品質管理の問題は増加する。
同様に、複数のギャップオリゴヌクレオチドを用いて遺伝子型決定反応を実施することができる。繰り返せば、前記ギャップオリゴヌクレオチドは内部審問場所またはその一端もしくは両端に審問場所をもつことができる。
【0061】
本発明の前述の実施態様は全て、その後の増幅反応でバックグラウンドシグナルを減少させる利点を有するであろう。本明細書でさらに詳細に述べるように、一切の未反応プローブおよび/または標的配列を種々の態様で増幅に利用できなくすることができる。好ましい態様には、連結後にエキソヌクレアーゼを添加して残余の直鎖状核酸を分解させる、および/または適切な標識(例えばビオチン)を取り込ませて未反応プローブまたは環状化プローブ:標的複合体(特に後者がゲノムDNAを含む場合)を分離または除去するものが含まれる。さらに別の減少工程も本発明で意図され、下記で詳細に考察するが、それらには例えば、環状化プローブを伸長してこの伸長生成物をさらに分析するものが含まれる。
【0062】
図面に一般的に示しさらに本文に記載するように、本発明には“一段階”プロセスおよび“二段階”プロセスを含む種々の実施態様があり、後者はプレサークルプローブの連結の後で用いることができる。
“一段階”プロセスでは、閉環状プローブは切断されてそのまま増幅される。“二段階”プロセスでは、閉環状プローブは先ずただ1つの万能プライミング部位を用いてコピーされ前記閉環状プローブの伸長生成物を生成する。続いて前記閉環状プローブは、標的配列および一切の非環状化プレサークルプローブとともに除去される。前記伸長生成物(または“第二の鎖”)は、本明細書に概略する技術を用いて増幅される。この実施態様は一般的に図5A−5Iに示されている。
【0063】
下記に概略するように、用いることができる極めて多様な増幅方法があり、それらは、ただ1つの万能プライミング部位または2つのプライミング部位を有するであろう。好ましい実施態様では、増幅反応はPCR反応であり、プレサークルプローブは、PCR反応で使用される、それぞれの向きを有する2つの万能プライマーを含む。すなわち、当分野で公知のように、プライマーの向きは、指数関数的増幅を可能にするものであり、第一の万能プライミング配列は“センス”方向で、第二の万能プライミング配列は“アンチセンス”方向を有する。
好ましい実施態様では、万能プライマーは、図1−3に一般的に示されているような方向を有し、それによって連結およびその後の切断に際して介在する向標的ドメインおよび任意のバーコードのPCR増幅が達成されるであろう。この実施態様は、例えば標的配列の増幅に特に好ましい。また別には、プライマーは図4に一般的に示されているようにバーコードに接する方向を有することができる。それによってバーコードおよびプライマーのみがその後のPCR反応で指数関数的に増幅させることができる。さらにまた、得られたアンプリコンもまた下記でさらに詳細に述べるように切断部位を組み入れることによって短縮させることができる。
【0064】
一般的に、万能プライミング配列/プライマーは各々長さが約12から40の範囲で、約15から約25が好ましい。適切な万能プライミング配列には本明細書で特に例証するものが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
下記に概略する他の増幅反応も、1つまたは2つ以上の万能プライミング配列を同様に必要とするであろう。
向標的ドメインおよび万能プライミング部位の他に、プレサークルプローブは好ましくは少なくとも第一の切断部位を含む。好ましい切断部位は特定の位置で核酸の切断を可能にするものである。適切な切断部位には、ウラシルまたは他のリボースヌクレオチドが組み入れられたもの、制限エンドヌクレアーゼ部位などが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0065】
好ましい実施態様では、前記切断部位はウラシル塩基を含む。これによってウラシル−N−グリコリラーゼ(ウラシル塩基を除去するがリボースは無傷のままに残す酵素)の使用が可能になる。前記処理と併せて加熱によってpHを(アルカリに)変化させるか、または塩基性ヌクレオチドを切断する非プリン性エンドヌクレアーゼを前記部位に接触させることによって、閉環状プローブの高度に特異的な切断が可能になる。
好ましい実施態様では、制限エンドヌクレアーゼ部位(好ましくは稀なもの)が用いられる。当業者には理解されるところであるが、前記は制限部位にハイブリダイズさせるために第二の鎖の添加を必要とするかもしれない。なぜならば、多くの制限エンドヌクレアーゼはその作用に二本鎖核酸を要求するからである。ある実施態様では、制限部位はプライマー配列の一部で、その結果、プライマーのアニーリングにより制限部位が二本鎖になり切断が可能になる。
【0066】
2つのプライミング部位を用いるときは、切断部位は好ましくは前記2つのプライミング部位の間に位置し、それによって切断に際して末端にプライミング部位をもつ直鎖状プローブが生成され、中間に存在する全ての増幅が可能になる。
いくつかの実施態様では2つ以上の切断部位が含まれる。この実施態様では、図5Fで一般的に示されているように、プレサークルプローブ内に複数の切断部位が存在する。これは種々の理由で実施される。ある実施態様では、多数の切断部位を用いて全てのプローブを増幅不能にさせることができる。これは、本明細書の二段階プロセスで考察したように望ましくないPCRバックグラウンドの抑制に用いることができる。別の実施態様では、プレサークルプローブの一部分を切断除去することによって、増幅に必要な成分が少なくなる。例えば、標的ドメインと他の成分との結合部で切断することによって、バーコードと万能プライマーだけを増幅する必要があるだけである。2つのプライマーの間以外に切断部位を配置するまた別の利点は、特に上記で述べた二段階プロセスで見せかけの増幅の防止に用いることができるということである。
【0067】
向標的ドメイン、切断部位および万能プライミング部位の他に、本発明のプレサークルプローブはさらにバーコード配列を含むことができる。“バーコード”、“アダプター”、“タグ”および“ジップコード”はいずれも、核酸フラグメントプールの分離を可能にするためにアンプリコンに付加される人工的配列を示すために用いられた。バーコードの好ましい形態の1つはハイブリダイゼーションバーコードである。この実施態様では、バーコードは、アレーの表面で相補的な捕捉プローブとのハイブリダイゼーションを可能にするために選択される。バーコードはプローブの固有の認識票として機能する。一般的には、バーコードと対応する捕捉プローブのセットは、それら自身および反応混合物の他の成分(標的配列および標的配列の外側のより大きな核酸配列上の配列を含む)(例えばゲノムDNA内の配列)との交差ハイブリダイゼーションを最小限にするために考えられた。バーコードの他の形態は、質量分光法を用いて分離することができる質量タグ、電気泳動移動度を基準に分離することができる電気泳動タグなどである。
【0068】
一般的に、バーコードおよび万能プライミング配列/プライマーはともに種々の方法で選択して交差ハイブリダイゼーションを回避し、それによって個々のプライマーと標的核酸との間の競合を防止し、さらに溶液中でのプライマーのデュープレックス形成およびPCR時のプライマーの連鎖物形成を防止することができる。プライマー中に2つ以上の定常領域が存在する場合、前記プラマーの定常領域は、それらが自己ハイブリダイズしないように、またはヘアピン構造を形成しないように選択される。
当業者には、上記の選択工程を実施する多様な方法があり、さらにそれら多様な工程が適切であることは理解されよう。もっとも典型的には、選択工程は、上記に概略した選択を実施する簡単なコンピュータプログラムを用いて実施される。しかしながら、これら工程の全ては場合によって手動で実施される。利用可能なプライマー選択用コンピュータプログラムの1つは、マックベクター(MacVector)TMプログラム(Kodak)である。
【0069】
さらに、デザインしたプライマーを鋳型核酸内の公知の配列と比較して、鋳型核酸とプライマーとの非特異的ハイブリダイゼーションを回避することができる。例えば、ヒトゲノムDNA中のヌクレオチドの検出に用いるプライマーは、例えばNCBI(National Center for Biotechnology Information)(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)のGenBankヒト配列と“ブラストさせる”ことができる。
配列(例えばプローブ配列)を鋳型DNA配列並びにプローブおよびプライマー配列と比較するために用いることができる多くのアルゴリズムが存在する。これらアルゴリズムには、シークェンチャー、GCGおよびHGSアイリスソフトウェアが含まれる。配列をアラインさせ相同性を有する領域を見つけることができるいずれのソフトウェアも用いることができ、また配列は手動で比較してもよい。
【0070】
アレーハイブリダイゼーション(例えば高密度アレー)での検出用バーコードは、好ましくはほぼ20ヌクレオチドの長さで、例えば文献に記載されている(Shoemaker et al.(1996) Nature Genetics 14:450)。バーコード配列は最大限に異なっているべきであるが、なお、高密度オリゴヌクレオチドアレーで同時に容易に分析することができるように同様なハイブリダイゼーション特性を保持していなければならない。上掲書(Shoemaker et al.)に記載されているように、1つのアルゴリズムを用いて、類似の溶融温度を有し、2つの配列間に二次構造類似性および強い類似性をもたない(6以上のミスマッチ)と予想される20量体のバーコード配列が最大で何千(9000を越える)も選択することができる。さらにまた、ハイブリダイゼーションは鋭敏で、ハイブリダイゼーションシグナルにおける小さな相違を検出することができる。例えば、さらに上掲書(shoemaker et al.)に記載されているように、120のオリゴヌクレオチドを含むハイブリダイゼーション混合物の存在下で2倍の濃度変化が検出された。
【0071】
バーコードの使用は“万能アレー”の使用を可能にする。例えば、アレーは、種々に応用できる1組の捕捉プローブを用いて作製できる。万能アレーの使用を可能にするバーコード配列の使用は限定された関係の中で記載されている。例えば以下を参照されたい:Chee et al., Nucleic Acid Res.(1991) 19:3301; Shoemaker et al.,(1998) Nature Genetics 14:450; F. Barany, (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:189−193; EP0,799,897 A1; WO 97/31256(前記文献は全て参照により本明細書に含まれる)。
当業者には理解されるところであるが、バーコード配列の長さは、所望の結合“強度”および所望される異なるバーコードの数にしたがって変動するであろう。好ましい実施態様では、バーコード配列は長さが約6から約500塩基対で、約8から約100塩基対が好ましく、約10から約25塩基対が特に好ましい。
【0072】
ある実施態様では、核酸バーコードは、そのハイブリダイゼーション特性ではなく長さの相違で用いられる。バーコード配列を異なる分子量を生じるように変化させる。この実施態様で重要なことは、各バーコードは異なる分子量をもつということである。本明細書で述べるように、前記バーコードをアンプリコンの残余部から切断し、質量分光分析または分子量の相違を分離に用いる他の技術(例えば電気泳動)に付す。
好ましいバーコード配列(したがってさらにその対応する相補的捕捉プローブ配列)は実施例に示されてあり、アフィメトリクスのジェンフレックス(Affymetrix GenFlex)チップに相補的なバーコード配列が含まれる。
【0073】
好ましい実施態様では、プレサークルプローブはまた追加の成分を含むことができる。ここに概略するように、標識配列もまた用いることができる。標識配列は、標識を含む標識プローブと実質的な相補性を有する。下記でさらに完全に説明するように、標識配列はアンプリコンにそれらを標識するために添加することができる。繰り返せば、“万能”標識配列または配列セットを用いて、必要とされる配列合成の量を最小限にし、多数のプローブおよび/または多数の標的を使用する多重化を単純にすることが好ましい。
【0074】
したがって、本発明は、多数の成分(向標的ドメイン、万能プライミング部位、切断部位、バーコード配列および標識配列を含むが、ただしこれらに限定されない)を含むプレサークルプローブを提供する。当分野で公知のように、これらプレサークルプローブ(およびプライマーおよび本明細書に概略する捕捉プローブ)は多様な方法で作製できる。前記は化学的に、例えばBeaucage & Caruthers(Tetrahedron Letts.,(1981) 22(20):1859−1862)が記載した固相ホスホルアミダイトトリエステル法にしたがい、例えばNeedham−VanDevanterら(Nucleic Acids Res.(1984) 12:6159−6168)が記載した自動合成装置を用いて合成することができる。オリゴヌクレオチドはまた、注文製造が可能で、当業者に公知の種々の供給元に発注することができる。必要な場合にはオリゴヌクレオチドの精製が、典型的には天然のアクリルアミドゲル電気泳動によってまたは陰イオン交換HPLC(Pearson & Regnier, (1983) J. Chrom. 255:137−149)によって実施される。合成オリゴヌクレオチドの配列は、Maxam & Gilbertの化学分解法(Grossman and Moldave (eds), (1980) Academic Press, NY, Methods in Enzymology 65:499−560)を用いて立証することができる。注文オリゴも当業者に公知の種々の供給元に容易に発注することができる。
【0075】
プローブを合成方法により調製する場合、オリゴヌクレオチド合成装置は通常は5´末端にリン酸を有するオリゴヌクレオチドを生成しないので、前記プローブの5´末端をリン酸化する必要があろう。プローブの5´末端にリン酸が存在しない場合、プローブの5´および3´末端の連結が妨げられるであろう。リン酸化は、当分野で周知の方法にしたがって、例えば米国特許第5593840号に記載されたようにT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて実施することができる。
プローブおよびプライマーはまた、遺伝子組換え方法によって、例えばホスト細胞(例えば細菌)で複製可能なプラスミドにプローブを組み入れることによって調製し、増幅させ、さらに当分野で公知の方法によって単離することができる。続いてプローブをプローブの周辺を切断する制限酵素を用いてプラスミドから切り出すことができる。また別には、大量のプローブは、プローブの5´および3´末端と相補的なプラ−マーを用いてPCR増幅によって調製することができる。続いて前記プローブを当分野で公知の方法にしたがって精製することができる。
【0076】
プローブは、例えば完全なプローブを合成することによって一段階で合成することができる。また別には、プローブは少なくとも2つの部分を合成し、連結オリゴヌクレオチドにより一緒に連結してもよい。例えば、プレサークルプローブの2つの部分を合成し、架橋オリゴヌクレオチドを用いて、前記を一緒に連結することができる(架橋オリゴヌクレオチドは、プローブのAおよびB部分と相補的な配列を含む)。前記は実施例7でさらに説明する。架橋オリゴヌクレオチドは好ましくは少なくとも約20から約50ヌクレオチドの長さで、例えば30から40ヌクレオチドである。架橋オリゴヌクレオチドは、プローブのA部分およびB部分と相補的な好ましくは少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約15から20ヌクレオチドを含む。架橋オリゴヌクレオチドをデザインするときに考慮するべき基準は、上記で述べたように、特定の配列とハイブリダイズさせるプライマーのデザインで要求される基準と同じである。架橋オリゴヌクレオチドの存在下での連結は、通常の連結方法によって実施することができる。
【0077】
本発明の方法はプレサークルプローブの標的配列への添加とともに進行する。プレサークルプローブの向標的ドメインは標的配列の標的ドメインとハイブリダイズする。ギャップが存在する場合、前記反応は、1つまたは2つ以上のNTPおよび伸長酵素(または本明細書に記載するようにギャップオリゴ)の添加とともに進行する。本明細書の“伸長酵素”とは、NTPの付加によって配列を伸長させる酵素を指す。当分野で知られているように、適切な種々の伸長酵素が存在し、そのうちでポリメラーゼ(標的配列およびプレサークルプローブの組成に応じてRNAおよびDNAポリメラーゼの両者)が好ましい。好ましいポリメラーゼは鎖置換活性を欠くもので、それによって前記ポリメラーゼは、プローブの末端に必要な塩基のみを添加することができ、プローブを伸長させて標的ドメインと相補的なヌクレオチドを組み入れることがなく、したがって環状化を防止することができる。適切なポリメラーゼには、DANおよびRNAポリメラーゼの両者[DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメント、シークェナーゼ(SEQUENASE)1.0およびシークェナーゼ2.0(U.S. Biochemical)、T5DNAポリメラーゼ、Phi29DNAポリメラーゼおよび種々のRNAポリメラーゼ(例えばテルムス(Thermus)sp.由来のもの、バクテリオファージ由来のQベータレプリカーゼを含む)]が含まれるが、ただしこれらに限定されない。さらにまた、とりわけSP6、T3、T4およびT7RNAポリメラーゼを用いることができる。
【0078】
さらに好ましいポリメラーゼは、本質的に5´から3´方向のエキソヌクレアーゼ活性を欠くもので、それによってプローブがその5´末端を越えて伸張しないことが担保される。5´から3´エキソヌクレアーゼ活性を欠く典型的な酵素には、DNAポリメラーゼのクレノーフラグメントおよびDNAPTaqポリメラーゼのストッフェル(Stoffel)フラグメントが含まれる。例えば、TaqDNAポリメラーゼのストッフェルフラグメントは、遺伝子操作(N−末端289アミノ酸を欠く切端タンパク質を生じる)により5´から3´エキソヌクレアーゼ活性を欠いている(例えば以下を参照されたいLawyer et al., J. Biol. Chem. 264: 6427−6437(1989); Lawyer et al., PCR Meth. Appl. 2:275−287(1983))。類似の変異体ポリメラーゼが、T.マリティマ(maritima)、Tsps17、TZ05、TthおよびTafに由来するポリメラーゼについて作製された。
【0079】
さらに好ましいポリメラーゼは3´から5´方向へのエキソヌクレアーゼ活性を欠くものである。前記活性は一般に校正活性と称され、プライマー−鋳型複合体の3´末端でミスマッチの塩基を除去する。3´から5´エキソヌクレアーゼ活性の存在は鎖の合成における正確性を高めるが、耐熱性DNAポリメラーゼ(例えばTma、5´から3´エキソヌクレアーゼ活性を欠くTma変異体型を含む)で認められる3´から5´エキソヌクレアーゼ活性はまた、一本鎖DNA(例えばPCRで用いられるプライマー)、一本鎖鋳型および一本鎖PCR生成物を分解する。新しい鎖の伸長が開始するのはこの3´末端からであるので、プライマー伸長工程で用いられるオリゴヌクレオチドプライマーの3´末端の完全性は必須である。3´末端の分解は短縮されたオリゴヌクレオチドをもたらし、この短縮オリゴヌクレオチドは続いてプライミング反応における特異性の低下をもたらす(すなわち、プライマーが短ければ短いほど、見せかけまたは非特異的プライミングが発生の可能性が高くなる)。
【0080】
さらに好ましいポリメラーゼは耐熱性ポリメラーゼである。本発明の目的のためには、耐熱酵素とは、最適条件下において40℃で1時間後にその活性の大半を保持する一切の酵素と定義される。5´から3´および3´から5´へのエキソヌクレアーゼ活性の両方を欠く耐熱性ポリメラーゼの例には、TaqDNAポリメラーゼのストッフェルフラグメントが含まれる。このポリメラーゼは、遺伝子操作のために5´から3´エキソヌクレアーゼ活性を欠き、さらにTaqポリメラーゼは本来3´から5´エキソヌクレアーゼを欠くので3´から5´エキソヌクレアーゼ活性をもたない。TthDNAポリメラーゼは、テルムス=テルモフィルス(Thermus thermophilus)に由来し以下から入手できる:Epicentre Technologies, Molecular Biology Resource Inc.,またはPerkin−Elmer Corp。3´エキソヌクレアーゼ活性を欠く他の有用なDNAポリメラーゼには、Vent[R](exo−)およびHotTubDNAポリメラーゼが含まれる。前者は、New England Biolabs, Inc.から入手でき、前記は古細菌テルモコッカス=リトラリス(Thermococcus litoralis)のDNAポリメラーゼ遺伝子を保持する大腸菌株から精製された。後者はテルムス=フラブス(Thermus flavus)に由来し、Amersham Corporationから入手できる。
【0081】
耐熱性でさらに5´から3´エキソヌクレアーゼ活性および3´から5´エキソヌクレアーゼ活性を欠く他の好ましい酵素にはAmpliTaqゴールドが含まれる。少なくとも実質的に同等な他のDNAポリメラーゼも、他のN−末端切端形のテルムス=アクォティクス(Thermus aquaticus)(Taq)DNAポリメラーゼIと同様に用いることができる。KlenTaqIおよびKlenTaqLAと称されるポリメラーゼも前記目的に極めて適している。もちろんのこと、前記の性状を有する他のいずれのポリメラーゼも本発明にしたがって用いることができる。
【0082】
プローブの3´末端に1つまたは2つ以上のヌクレオチドを付加するための条件は使用する個々の酵素に左右され、一般的には使用する酵素の製造元が推奨する条件にしたがう。
ヌクレオチドは、約0.01μMから約100μM,好ましくは約0.1μMから10μMの最終濃度で反応物中に添加される。添加されるべきリガーゼの濃度は以下の節で述べる。TaqDNAポリメラーゼのストッフェルフラグメントの好ましい量は0.05単位/μLを含む。典型的な反応容積は約10から20μLである。鋳型およびプローブDNAの好ましい量もまた以下の節で述べる。
【0083】
好ましい実施態様では、鋳型核酸およびプローブは、リガーゼ、リガーゼ緩衝液およびポリメラーゼと一緒に反応混合物中で混合される。続いて鋳型およびプローブを、例えば95℃で約5から10分インキュベートして変性させ、続いて例えば反応温度を下げることによってアニールさせる。上記で述べたように、アニーリング条件は相同性領域のTmに左右されるであろう。続いてヌクレオチドを添加した後、引き続いて例えば65℃で約10分インキュベートして重合化および連結を実施する。また別には、先ず始めに酵素の非存在下で核酸を一緒にインキュベートし変性させ、アニールさせてから酵素を添加し、さらに反応物を例えば65℃で約10分インキュベートする。
【0084】
非相補的なヌクレオチドの結合および連結から生じるバックグラウンドを減少させるために、ただ1つのdNTPを重合反応に添加する代わりに、他の3つのddNTPとともに1つのdNTPを添加することができよう。これらのddNTPは連結を可能にしないが、少量の夾雑ヌクレオチドに対して反応の感受性を低下させることができる。
バックグラウンドシグナルはまた、試薬中のヌクレオチドの存在およびプローブへのその結合のために“正しい”ヌクレオチドの存在からも生じるであろう。試薬のヌクレオチドによる夾雑は、遊離ヌクレオチドを分解する酵素で試薬を処理することによって減少させることができる。好ましい酵素にはアピラーゼおよびホスファターゼが含まれるが、前者が特に好ましい。実施例で述べるように、アピラーゼは通常、1つまたは2つ以上のdNTPの添加前に、約20μLの典型的な反応物中に約0.5mU/μLの濃度で添加される。一般的には、続いて反応を20℃で数分から30分までインキュベートする。さらに、反応物を95℃で約5から10分インキュベートして酵素を変性させる。また別にはアルカリ性ホスファターゼ、例えばエビのアルカリ性ホスファターゼを用いてもよい。
【0085】
プローブの3´および5´末端の連結は酵素を用いるかまたは化学的に実施することできる。好ましくは連結は標準的なプロトコルでリガーゼを用いて酵素により実施される。多くのリガーゼが公知であり本発明の使用に適している。例えば以下の文献を参照されたい:Lehman, Science, 186:790−797(1974); Engler et al., DNA Ligases, pp3−30, ”The Enzymes”, Boyer ed., vol.15B, Academic Press, New York, 1982など。好ましいリガーゼにはT4DNAリガーゼ、T7DNAリガーゼ、大腸菌DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Pfuリガーゼ、およびTthリガーゼが含まれる。前記を使用するためのプロトコルは周知である。例えば以下を参照されたい:Sambrook et al.(上記で引用);Barany, PCR Methods and Applications, 1:5−16(1991); Marsh et al., Strategies, 5:73−76(1992)など。一般的には、リガーゼは、端を接する鎖の3´ヒドロキシルとの連結に5´リン酸基が存在することを必要とする。好ましいリガーゼには耐熱性(または好熱性)リガーゼ、例えばpfuリガーゼ、Tthリガーゼ、Taqリガーゼおよびアンプリガーゼ(Ampligase)TMDNAリガーゼ(Epicentre Technologies, Madison, Wis.)が含まれる。アンプリガーゼは低い平滑端連結活性を有する。
【0086】
好ましいリガーゼは、ミスマッチ連結活性およびギャップ縦断連結活性が最も少ないものである。リガーゼの特異性は、より特異性の低いT4DNAリガーゼの代わりにより特異性の高いNAD+依存性リガーゼ(例えば大腸菌リガーゼおよび(耐熱性の)Taqリガーゼを用いることによって高めることができる。連結反応でNAD類似体を使用することによって、さらに連結反応の特異性が高まる。例えば米国特許第5508179号(Wallace et al.)を参照されたい。
連結を実施する条件は使用する個々のリガーゼにより左右され、一般的に製造元の推奨にしたがう。例えば、好ましいアンプリガーゼ濃度は約0.0001から約0.001U/μLで、好ましくは約0.0005U/μLである。好ましいプローブ核酸濃度は約0.001から約0.01ピコモル/μLで、より好ましくは約0.015ピコモル/μLである。鋳型核酸の好ましい濃度は約1ゼプトモル/μLから約1アットモル/μL、もっとも好ましくは約5ゼプトモル/μLを含む。典型的な反応は合計約20μLで実施される。
【0087】
好ましい実施態様では、鋳型核酸およびプローブは、リガーゼおよびリガーゼ緩衝液とともに反応混合物に混合される。続いて鋳型およびプローブを、例えば95℃で約5から10分インキュベートして変性させ、続いて例えば反応温度を下げることによってアニールさせる。本明細書のいずれかの場所で述べるように、アニーリング条件は相同性領域のTmに左右されるであろう。アニーリングは、95℃から約Tmまで、またはTmより数度低い温度までゆっくりと冷却することによって実施できる。また別には、アニーリングは、反応物をTmより数度低い温度で約10から約60分インキュベートすることによって実施することができる。例えばアニーリング工程は約15分実施してもよい。続いて反応物を65℃で約10分インキュベートして連結反応を実施することができる。
また別には、核酸はリガーゼの非存在下で変性およびアニーリングされ、さらにアニーリングされた核酸にリガーゼが添加され、続いて例えば65℃で約10分インキュベートされる。この実施態様は好ましくは熱非安定性リガーゼ用である。
【0088】
先に述べたように、未反応プローブは望ましくない非特異的増幅のバックグラウンドの一因となる。好ましい実施態様では、未反応プレサークルプローブおよび/または標的配列は増幅に利用できなくされる。当業者には理解されるところであるが、これは多様な方法で実施できる。ある実施態様では、一切の直鎖状核酸を分解し閉環状プローブを残すエキソヌクレアーゼが添加される。適切な3´エキソヌクレアーゼには、exoI、exoIII、exoVII、exoV、およびポリメラーゼ(多くのポリメラーゼが優れたエキソヌクレアーゼ活性を有するので)などが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0089】
別の好ましい実施態様では、ターミナルトランスフェラーゼを用いて、分離標識(例えばビオチン)を含むヌクレオチドを任意の直鎖状分子に付加し、続いて混合物をストレプトアビジン系に通して一切の直鎖状核酸を除去し、閉環状プローブのみを残すことができる。例えば、ゲノムDNAを標的として用いるとき、これを種々の技術を用いてビオチン化し、さらにプレサークルプローブを添加し環状化させることができる。環状化プローブはゲノムDNA上で鎖状に連結されるので、直鎖状の未反応プレサークルプローブは洗い流すことができる。続いて閉環状プローブを切断し、それによってゲノムDNAから取り外し、採集して増幅させることができる。同様に、ターミナルトランスフェラーゼを用いて連鎖終結ヌクレオチドを付加し、伸長および/または増幅を防止することができる。適切な連鎖終結ヌクレオチドには、ジデオキシトリホスフェートヌクレオチド(ddNTP)、ハロゲン化dNTPおよびアシクロヌクレオチド(NEN)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。後者の連鎖終結ヌクレオチド類似体は、Deepvent(exo)およびテルモシークェナーゼの特に良好な基質である。
【0090】
さらに別に、サイズによる公知の分離技術を用いて閉環状プローブをもつゲノムDNAと直鎖状プローブを分離することができる。
さらに、鋳型に沿ってプローブの3´末端のポリメラーゼによる伸長から生じるPCRバックグラウンドが存在することを特記することは重要であろう。このバックグラウンドを減少させて、特異的に連結されたプローブの高レベルの濃縮を得ることができる。以下にPCRバックグラウンドの抑制技術例が示される。これらの技術は、元のプローブおよび/または鋳型核酸の排除を必要とするであろう。
【0091】
“二段階”プロセスのある実施態様では、プローブを連結した後、第一のプローブプライマーに相補的なビオチン付加プライマーが導入される。続いて伸長重合化反応が実施され、完全長のプローブ相補物(連結されたプローブの場合)または第二のプライマー部位を失った切端形プローブ(連結されなかったプローブの場合)のどちらかが得られる(例えば図1を参照)。続いてこの生成物を磁性ストレプトアビジンビーズに捕捉し、鋳型および元のプローブを洗い流す。続いてPCRをこの“洗浄”生成物を用いて実施することができる。非連結プローブ生成物は第二のプライマー部位を欠くのでそれらは増幅されない。多数のそのような反応例が実施例に提供されている。ビオチン付加プローブはオリゴヌクレオチド合成装置で合成できる。
【0092】
また別の実施態様では、プローブは、第一のプライマー配列と第一の相同配列との間にウラシル塩基を含むように作製される。上記(前記二段階プロセス)のように洗い流し反応の後、ウラシル−N−グリコシラーゼを用い、元のプローブの全てで鎖の分割を誘導して一切のPCRを停止させる。完全長の伸長生成物だけが増幅されるであろう。
さらに別の実施態様では、上記のような伸長反応の代わりに、ローリングサークル型重合化反応を実施することができる。このようにして連結されたプローブの多くの連鎖コピーが生成され、非連結プローブに対して連結プローブの濃度が効率的に増加し非連結プローブの増幅レベルが低下する。この技術は、例えば実施例2および米国特許第5854033号(Lizardi et al.)に記載されている。
【0093】
バックグラウンド増幅(すなわち非特異的増幅)を減少させるまた別の方法は、一切の非連結プローブを分解するエキソヌクレアーゼの使用を含む。増幅に先立って、一切のエキソヌクレアーゼは反応混合物から、例えば前記ヌクレアーゼの熱変性によって除去しなければならない。
いったん閉環状プローブが生成されたら、前記プローブは、本明細書に述べるように2つの道のどちらかをたどる。好ましい実施態様では、一切の残存する直鎖状プローブ、配列およびプライマーは除去され、ここで述べるように閉環状プローブのみが残され、さらに下記で述べるように増幅されてアンプリコンを生成する(“一段階”プロセス)。また別には、閉鎖プローブの直鎖状コピーが生成され、増幅反応に用いられるのはこの直鎖状コピー(新しい末端を含む)である。
いったん切断したら、直鎖化された切断プローブは続いて増幅させることができる。しかしながら、遺伝子型決定で“ギャップ”を用いる実施態様では、審問dNTPの添加前に一切のdNTPを先ず除去または分解することが有用である。これは、ここに概略する種々の態様で実施することができる。一般的にはヌクレオチド分解酵素(ここに概略するようにアピラーゼが含まれるが、ただしこれに限定されない)が添加される。
【0094】
いったん切断したら、続いて直鎖化切断プローブを増幅させることができる。当業者には理解されようが、本発明のアンプリコンを生成するために用いることができる極めて多様な増幅技術が存在する。続いて前記アンプリコンは、(一般的にはアレーの使用により)下記にさらに完全に説明するように検出される。適切な増幅方法は標的増幅およびシグナル増幅の両者を含み、これらには、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、連結連鎖反応(ときにオリゴヌクレオチドリガーゼ増幅(OLA)と称される)、サイクリングプローブ技術(CPT)、鎖置換アッセイ(SDA)、転写仲介増幅(TMA)、核酸配列依存増幅(NASBA)および侵襲切断技術が含まれるが、ただしこれらに限定されない。これらの方法のいずれも、標的配列とハイブリダイズしてハイブリダイゼーション複合体を生成するプライマー核酸(核酸類似体を含む)を必要とし、さらに何らかの態様でプライマーを改変し改変プライマーを生成する酵素が添加される。例えばPCRは、一般的に2つのプライマー、dNTPおよびDNAポリメラーゼを必要とする。LCRは、標的配列と隣接してハイブリダイズする2つのプライマーとリガーゼを必要とする。CPTは、1つの切断可能プラマーおよび切断酵素を要求し、侵襲切断法は2つのプライマーおよび切断酵素を要求する、云々。したがって、一般的には、切断されるプローブは、必要な増幅成分を含む反応混合物に添加され、アンプリコンが生成される。
【0095】
一般的には、アンプリコンは検出可能な標識(例えば蛍光標識)を含む。前記標識は酵素によって取り込まれるか、または元のプライマーに存在する。必要に応じて、未反応プライマーは多様な方法で除去される。前記方法は当業者には周知であろう。続いてハイブリダイゼーション複合体を分離させ、アンプリコンを検出し、場合によってアレーで定量する。いくつかの事例では、第一のアンプリコンは第二の反応の標的配列として機能し、続いて多数の第二のアンプリコンを生成し、ここに概略するように前記第二のアンプリコンを検出することができる。
したがって、前記反応は、ハイブリダイゼーション複合体を生成する標的配列にプライマー核酸を添加することによって開始する。プライマーと標的配列との間でハイブリダイゼーション複合体が形成されたら、酵素(ときに“増幅酵素”と称される)を用いて前記プライマーを改変する。ここに概略する全ての方法の場合、酵素はアッセイのいずれの時点でも(プライマーの添加前、添加中または添加後)添加できる。酵素が何であるかは、下記でさらに完全に説明するように使用される増幅技術に左右される。同様に、改変も下記で説明するように増幅技術により変動するであろう。
【0096】
酵素がプライマーを改変しアンプリコンを生成したら、ハイブリダイゼーション複合体を分離させる。ある特徴では、分離はアッセイ条件の改変によって実施される。別の特徴では、改変プライマーは標的核酸ともはやハイブリダイズしなくなり分離される。前記特徴の1つまたは両方で、下記で述べるように、シグナル増幅反応および標的増幅反応を用いることができる。一般的に、増幅工程は、元の標的配列のコピー数および検出の感度に応じて、多数のサイクルを可能にする一定時間中繰り返される。前記サイクル数は1から数千であり、10から100サイクルが好ましく、15から50サイクルが特に好ましい。ある種の実施態様では、例えば特定の配列を定量したい場合、各々が異なる数のサイクルを含むいくつかの増幅反応を並行して実施するのが好ましい。それによって、少なくとも1セットの反応で増幅反応が指数関数期にあり、したがって増幅される生成物のレベルと元の配列数との間に正比例が得られる。
【0097】
適切な増幅時間後に、必要な場合は、当業者の知る多様な方法で未反応プライマーを除去し、さらにハイブリダイゼーション複合体を分離させる。一般的には、アンプリコンは、検出可能標識(例えば蛍光標識)(前記は酵素によって取り込まれるかまたは元のプライマーに存在する)を含み、前記アンプリコンを下記に概略するようにアレーに添加する。検出は、下記でさらに完全に説明するように、標的配列の有無または量を表示する標識を検出することによって実施される。
好ましい実施態様では増幅は標的の増幅である。標的増幅は、標的配列のコピー数が増加するような、検出されるべき標的配列の増幅(複製)を必要とする。適切な標的増幅技術には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、鎖置換増幅(SDA)、転写仲介増幅(TMA)および核酸配列依存増幅(NASBA)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0098】
好ましい実施態様では標的増幅技術はPCRである。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は広く用いられ、さらに報告もされているが、サーモサイクルと組み合わせたプライマー伸長を用い標的配列の増幅を必要とする(例えば以下を参照されたい:U.S. Pat. 4,683,195および4,683,202; PCR Essential Data, J.W. Willey & sons, Ed. C.R. Newton, 1995(前記文献は全て参照により本明細書に含まれる))。さらに、多数のPCRの変型があるが、それらもまた本発明で有用であり、以下が含まれる:“定量的競合PCR”または“QC−PCR”、“任意プライミングPCR”または“AP−PCR”、“イムノ−PCR”、“Alu−PCR”、“PCR一本鎖構造多形性”または“PCR−SSCP”、“逆転写酵素PCR”または“RT−PCR”、“ビオチン捕捉PCR”、“ベクトレットPCR”、“パンハンドルPCR”および“PCRセレクトcDNAサブトラクション”、“対立遺伝子特異的PCR”。
【0099】
一般的には、PCRは単純に下記のように説明することができる。二本鎖の標的核酸を変性させ(一般的には温度を上昇させることによって)、続いて過剰なプライマーの存在下で冷却し、前記プライマーは第一の標的鎖とハイブリダイズする。続いて、DNAポリメラーゼがdNTPとともに作用してプライマーを伸長させ、ハイブリダイゼーション複合体を形成する新しい鎖を合成する。続いてサンプルを再び加熱し、前記ハイブリダイゼーション複合体を分離させ、さらに前記工程を繰り返す。相補的な標的鎖のための第二のPCRプライマーを用いることによって、迅速で指数関数的増幅が得られる。したがって、PCR工程は変性、アニーリングおよび伸長である。PCRの詳細は周知で、耐熱性ポリメラーゼ(例えばTaqIポリメラーゼ)およびサーモサイクリングが含まれる。
【0100】
したがって、PCR反応は少なくとも1つのPCRプライマー、ポリメラーゼおよび一式のdNTPを必要とする。ここに概略するように、プライマーが標識を含んでいても、またはdNTPの1つまたは2つ以上が標識を含んでいてもよい。
好ましい実施態様では、標的増幅技術はSDAである。鎖置換増幅(SDA)は以下の文献に一般的に記載されている:Walker et al., ” Molecular Methods for Virus Detection,” Academic Press, Inc., 1995; U.S. Pat. 5,455,166;U.S. Pat 5,130,238(前記全ての文献は参照により本明細書に含まれる)。
【0101】
一般的に、SDAは以下のように説明できる。一本鎖標的核酸(通常はDNA標的核酸)をSDAプライマーと接触させる。“SDAプライマー”は一般に長さが25から100ヌクレオチドであるが、約35ヌクレオチドのSDAが好ましい。SDAプライマーは実質的には標的配列の3´末端の領域と相補的であり、前記プライマーは、下記で概略するようにその5´末端に(標的と相補的である領域の外側に)、制限エンドヌクレアーゼ(ときに本明細書では“ニッキング酵素”または“ニッキングエンドヌクレアーゼ”と称する)の認識配列である配列を有する。続いてSDAプライマーを標的配列とハイブリダイズさせる。SDA反応混合物はまた、ポリメラーゼ(下記で概略するように“SDAポリメラーゼ”)および4種の全てのデオキシヌクレオシド三燐酸(デオキシヌクレオチドまたはdNTPとも称される、すなわちdATP、dTTP、dCTPおよびdGTP)の混合物を含み、前記デオキシヌクレオシド三燐酸の少なくとも1種は置換または改変されたdNTPである。したがってSDAプライマーは、改変(すなわち伸長)されて改変プライマー(本明細書でときに“新規合成鎖”と称される)を生成する。置換dNTPは、置換dNTPを含む鎖の切断は抑制するが、他の鎖の切断は抑制しないように改変されるであろう。適切な置換dNTPの例には、2´デオキシアデノシン5´−O−(1−チオトリホスフェート)、5−メチルデオキシシチジン5´−トリホスフェート、2´−デオキシウリジン5´−トリホスフェート、adn7−デアザ−2´−デオキシグアノシン5´−トリホスフェートが含まれるが、ただしこれらに限定されない。さらに、dNTPの置換は新規合成鎖に取り込まれた後で実施してもよい。例えばメチラーゼを用いてメチル基を合成鎖に付加することができる。さらに、全てのヌクレオチドが置換された場合、ポリメラーゼは5´から3´方向のエキソヌクレアーゼ活性を有することができる。しかしながら全てのヌクレオチドが置換されるまでは、ポリメラーゼは好ましくは5´から3´方向のエキソヌクレアーゼ活性を欠く。
【0102】
当業者には理解されるところであるが、認識部位/エンドヌクレアーゼ対は公知の多様な組み合わせのいずれでもよい。エンドヌクレアーゼは、認識部位またはそれに対して3´もしくは5´側で鎖を切断するように選択され、相補的配列は切断しない。なぜならば、前記酵素は一方の鎖を切断するだけであるため、または置換ヌクレオチドの取込みのためである。適切な認識部位/エンドヌクレアーゼ対は当分野で周知である。適切なエンドヌクレアーゼには、HincII、HindII、AvaI、Fnu4HI、TthlIII、NcII、BstXI、BamHIなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。使用に適切な酵素、それらの対応する認識部位および改変dNTPは米国特許第5455166号(前記文献は参照により本明細書に含まれる)に記載されている。
【0103】
いったんニックを入れたら、ポリメラーゼ(“SDAポリメラーゼ”)を用いて、新しくニックの入った鎖を5´から3´方向に伸長し、それによって別の新しく合成された鎖を生成する。選択したポリメラーゼは、ニック部位で5´から3´方向に重合を開始することができなければならず、さらにまたニックから下流で重合された鎖を置き換えなければならず、さらに5´から3´方向のエキソヌクレアーゼ活性を欠いていなければならない(これは封鎖剤の添加によって追加的に達成できる)。したがって、SDAで適切なポリメラーゼには、DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメント、シークェナーゼ(SEQUENASE)1.0およびシークェナーゼ2.0(U.S. Biochemical)、T5DNAポリメラーゼおよびPhi29DNAポリメラーゼが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0104】
したがって、SDA反応は、固有の順序ではないがSDAプライマー、SDAポリメラーゼ、ニッキングエンドヌクレアーゼ、およびdNTP(そのうちの少なくとも1種は改変されている)を必要とする。
一般的に、SDAはサーモサイクリングを必要としない。反応温度は一般的に非特異的ハイブリダイゼーションを防止するために十分高いが、特異的なハイブリダイゼーションを可能にするために十分低くあるように設定される。これは一般的に約37℃から約42℃で酵素によって異なる。
好ましい実施態様では、ここで述べる増幅技術のほとんどに関して、第二の増幅反応は相補的な標的配列を用いて実施され、設定時間での増幅に実質的な増加が得られる。すなわち、第二のプライマー核酸は第二の標的核酸(第一の標的配列と実質的に相補的である)とハイブリダイズし、第二のハイブリダイゼーション複合体を生成する。第二のハイブリダイゼーション複合体を分離させた後、酵素を添加して多数の新しく合成された第二の鎖が生成される。
【0105】
好ましい実施態様では、標的増幅技術は核酸配列依存増幅(NASBA)である。NASBAは以下の文献に一般的に記載されている:U.S. Pat.5,409,818; Sooknanan et al., ”Nucleic Acid Sequence−Based Amplification”, Ch. 12(pp. 261−285) of Molecular Methods for Virus Detection, Academic Press, 1995; ”Profiting from Gene−based Diagnostics”, CTB International Publishing Inc., N.J., 1996(前記文献は全て参照により本明細書に含まれる)。NASBAはTMAおよびQBRの両者に非常に類似している。転写仲介増幅(TMA)は、米国特許第5399491号、同5888779号、同5705365号、同5710029号(前記文献は全て参照により本明細書に含まれる)に記載されている。NASBAとTMAとの間の主要な相違は、NASBAはRNA分解のためにリボヌクレアーゼHの添加を利用し、TMAは逆転写酵素の固有のリボヌクレアーゼH活性を利用する。
【0106】
これらの技術は一般的に下記で説明されるであろう。一本鎖標的核酸(通常はRNA標的核酸、ときに本明細書では“第一の標的配列”または“第一の鋳型”と称され、切断された環状プローブである)を第一のプライマーと接触させる。前記第一のプライマーは本明細書では一般的に“NASBAプライマー”と称される(“TMAプライマー”もまた適切であるが)。DNA標的配列を用いての開始は下記で説明する。前記のプライマーは一般的には長さが25から100ヌクレオチドで、ほぼ50から75ヌクレオチドのNASBAプライマーが好ましい。第一のプライマーは好ましくは、第一の鋳型の3´末端と実質的に相補的な配列をその3´末端に有するDNAプライマーである。第一のプライマーはまた、その5´末端にRNAポリメラーゼプロモーター(または、前記系の構成にしたがってその相補物(アンチセンス))を有する。続いて前記第一のプライマーを第一の鋳型とハイブリダイズさせて第一のハイブリダイゼーション複合体を生成する。前記反応混合物はまた、逆転写酵素(“NASBA逆転写酵素”)および4種のdNTPの混合物を含み、それによって、第一のNASBAプライマーが改変され(すなわち伸長され)、改変された第一のプライマーを生成し、前記はRNA(第一の鋳型)およびDNA(新しく合成された鎖)のハイブリダイゼーション複合体を含む。
【0107】
本明細書の“逆転写酵素”または“RNA依存DNAポリメラーゼ”とは、DNAプライマーおよびRNA鋳型からDNAを合成することができる酵素を意味する。適切なRNA依存DNAポリメラーゼには、ニワトリ骨髄芽球症ウイルスの逆転写酵素(“AMVRT”)およびモロニーネズミ白血病ウイルスのRTが含まれるが、ただしこれらに限定されない。増幅反応がTMAであるとき、逆転写酵素は下記で概略するようにさらにRNA分解活性を有する。
上記に挙げた成分の他に、NASBA反応はまた、RNA:DNAハイブリッドのRNAを加水分解するが一本鎖もしくは二本鎖のRNAまたはDNAは加水分解しないRNA分解酵素(本明細書ではときにまたリボヌクレアーゼと称される)を含む。適切なリボヌクレアーゼには大腸菌およびウシ胸腺のリボヌクレアーゼHが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
リボヌクレアーゼ活性はハイブリダイゼーション複合体中の第一のRNA鋳型を分解してハイブリダイゼーション複合体を分離させ、第一の一本鎖の新しく合成されたDNA鎖(本明細書ではときに“第二の鋳型”と称する)を残す。
【0108】
さらに、NASBA反応はまた、第二のNASBAプライマー(一般的にはDNAを含むが、ただしプライマーを含む本明細書の全てのプローブの場合、核酸類似体もまた用いることができる)を含む。この第二のNASBAプライマーは、第二の鋳型の3´末端と実質的に相補的な配列をその3´末端に有し、さらにまた機能的プロモーターのためのアンチセンス配列および転写開始部位のアンチセンス配列を含む。したがって、このプライマー配列は、第三のDNA鋳型を合成するための鋳型として用いられるとき、RNAポリメラーゼの特異的で効率的な結合および所望の部位での転写の開始を可能にする十分な情報を含んでいる。好ましい実施態様ではアンチセンスプロモーターが利用され、さらに転写開始部位はT7RNAポリメラーゼのそれであるが、ただし下記に概略するように、他のRNAポリメラーゼのプロモーターおよび開始部位も同様に用いることができる。
【0109】
第二のプライマーは第二の鋳型とハイブリダイズし、DNAポリメラーゼ(“DNA依存DNAポリメラーゼ”とも称される)も反応に存在し、第三の鋳型(第二の新しく合成されるDNA鎖)を合成し、第二の新しく合成されたDNA鎖を含む第二のハイブリダイゼーション複合体を生成させる。
最終的には、RNAポリメラーゼおよび必要な4種のリボヌクレオシド三燐酸(リボヌクレオチドまたはNTP)を包含させることによって、RNA鎖(本質的に第一の鋳型と同じである第三の新規に合成された鎖)の合成がもたらされる。RNAポリメラーゼ(本明細書ではときに“DNA依存RNAポリメラーゼ”と称される)は前記プロモーターを認識し、開始部位で特異的にRNA合成を開始する。さらに、前記RNAポリメラーゼは好ましくは、DNAデュープレックスにつき数コピーのRNAを合成する。好ましいRNAポリメラーゼには、T7RNAポリメラーゼおよび他のバクテリオファージRNAポリメラーゼ(ファージT3、ファージΦII、サルモネラファージsp6またはシュードモナスファージgh−1のRNAポリメラーゼを含む)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0110】
いくつかの実施態様では、TMAおよびNASBAは出発DNA標的配列を用いて実施される。この実施態様では、RNAポリメラーゼプロモーターを含む第一のプライマーおよびDNAポリメラーゼ酵素を用い、前記プロモーター配列を含む新しく合成される鎖が含まれた二本鎖DNAハイブリッドを生成することを必要とする。続いて、前記ハイブリッドを変性させ第二のプライマーを添加する。
したがって、NASBAは、下記に概略する検出成分の他に、特定の順序ではないが第一のNASBAプライマー、RNAポリメラーゼプロモーターのアンチセンス配列を含む第二のNASBAプライマー、前記プロモーターを認識するRNAポリメラーゼ、逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、RNA分解酵素、NTPおよびdNTPを必要とする。
前記の成分はただ1つの出発RNA鋳型を生じ、これはただ1つのDNAデュープレックスを生成する。しかしながらこのDNAデュープレックスは多数のRNA鎖(前記RNA鎖は続いて前記反応を再び開始させるために用いられる)を生成させるので、増幅は迅速に進行する。
【0111】
したがって、TMAは、下記に概略する検出成分の他に、特定の順序ではないが第一のTMAプライマー、RNAポリメラーゼプロモーターのアンチセンス配列を含む第二のTMAプライマー、前記プロモーターを認識するRNAポリメラーゼ、RNA分解活性を有する逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、NTPおよびdNTPを必要とする。
前記の成分はただ1つの出発RNA鋳型を生じ、これはただ1つのDNAデュープレックスを生成する。しかしながらこのDNAデュープレックスは多数のRNA鎖(前記RNA鎖は続いて前記反応を再び開始させるために用いられる)を生成させるので、増幅は迅速に進行する。
【0112】
このようにして、多数の二次標的分子(例えばアンプリコン)が生成される。下記でさらに完全に説明するように、これらの反応(すなわちこれらの反応の生成物)は多数の方法で検出することができる。
未反応直鎖状プローブが除去される実施態様では、標的増幅のまた別の選択肢は、固有のプローブ配列(例えばバーコード配列)との相互作用をベースにするシグナル増幅である。好ましい実施態様では増幅技術はシグナル増幅である。シグナル増幅は、鋳型として限定された数の標的分子を使用して、多数のシグナリングプローブを生成するか、または多数のシグナリングプローブの使用を可能にすることを必要とする。シグナル増幅方法には、OLA、CPT、QβRおよび侵襲的切断技術が含まれる。
【0113】
好ましい実施態様では、一塩基伸長(SBE;ときに“ミニ配列決定”と称される)が増幅に用いられる。簡単に記せば、SBEは、標的核酸(この場合は少なくともバーコード配列)とハイブリダイズする伸長プライマーを利用する技術である。ポリメラーゼ(一般的にDNAポリメラーゼ)を用いて、ここに記載するように検出標識で標識したヌクレオチド類似体を用いて前記プライマーの3´末端を伸長させる。前記酵素の忠実性により、ヌクレオチドは、標的鎖の隣接ヌクレオチドと相補的である場合にヌクレオチドが伸長プライマーに取り込まれる。一般的に、前記ヌクレオチドは、更なる伸長が生じないように、ただ1つのヌクレオチドが付加されるように誘導される。標識ヌクレオチドが付加されたら、ここに概略するように標識の検出が進行する(一般的には例えば以下の文献を参照されたい:Sylvanen et al., Genomics 8:684−692(1990); U.S. Pat. 5,846,710および5,888,819; Pastinen et al., Genomics Res. 7(6):606−614(1997)、全ての前記文献は参照により本明細書に含まれる)。
【0114】
前記反応は、切断された環状プローブを含むアッセイ複合体を、第一のヌクレオチド(しばしばヌクレオチド類似体)を含む溶液に導入することによって開始される。本明細書の“ヌクレオチド類似体”とは、デオキシヌクレオシド三燐酸(デオキシヌクレオチドまたはdNTP(すなわちdATP、dTTP、dCTPおよびdGTP)とも称される)を意味し、前記は連鎖を終結させることができるようにさらに誘導される。当業者には理解されようが、ポリメラーゼ酵素が審問場所に前記ヌクレオチドを取り込むことができるかぎりいずれのヌクレオチド類似体も用いることができる。好ましい実施態様は、ジデオキシ三燐酸ヌクレオチド(ddNTP)を利用する。一般的には、ddATP、ddCTP、ddGTPおよびddTTPを含むヌクレオチド一式が用いられ、少なくともそのうちの1つは標識を含み、好ましくは4種全てが標識を含む。
【0115】
好ましい実施態様では、前記ヌクレオチド類似体は検出可能な標識を含み、前記標識は、下記に概略するように一次検出性または二次検出性標識であろう。蛍光発色団を含むヌクレオチドの酵素による取込みは多くの条件下で貧弱である。したがって、好ましい実施態様では二次検出性標識が用いられる。
第一のヌクレオチドの他に、前記溶液は伸長酵素(一般にDNAポリメラーゼ)も含む。適切なDNAポリメラーゼには、DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメント、シークェナーゼ1.0およびシークェナーゼ2.0(U.S. Biochemical)、T5DNAポリメラーゼおよびPhi29DNAポリメラーゼが含まれるが、ただしこれらに限定されない。NTPが、標的配列(伸長プライマーと隣接する)の検出場所の塩基と相補的である場合、伸長酵素は前記NTPを伸長プライマーに付加するであろう。したがって、伸長プライマーは改変され(すなわち伸長され)、改変プライマー(本明細書ではときに“新しく合成された鎖”と称する)を生成する。
【0116】
この方法の限界は、標的核酸の濃度が十分でない場合、反応中の非伸長プライマーの量は生成される伸長標識プライマーをはるかに超えるということである。過剰な非伸長プライマーは、本明細書に記載するアッセイで前記標識プライマーの検出に競合する。したがって、SBEを用いる場合は、好ましい実施態様では、ここに概略するように非伸長プライマーを除去する方法が用いられる。
この限界を克服する1つの方法はサーモサイクルミニ配列決定であり、前記方法では、サーモサイクラーおよび耐熱性ポリメラーゼを用いるアニーリング、プライマー伸長および熱変性サイクルの繰返しによって伸長プローブの増幅が可能になり、伸長プライマーが蓄積される。例えば、最初の非伸長プライマー対標的核酸濃度が100:1から100の場合に、サーモサイクルおよび伸長が実施され、プライマーの大半が伸長される。
したがって、SBE反応は、特定の順序ではないが伸長プライマー、ポリメラーゼおよびdNTP(そのうちの少なくとも1つは標識される)を必要とする。
【0117】
好ましい実施態様では、シグナル増幅技術はOLAである。OLA(前記は二本鎖基質が用いられるときは連結連鎖反応(LCR)と称される)は、標的配列を鋳型として用いて2本の短いプローブを1本の長いプローブに連結することを含む。LCRでは、連結されたプローブ生成物は、反応が進行するにつれ優勢な鋳型となる。前記方法は2つの異なる態様で実施することができる。第一の実施態様では、標的配列の1つの鎖のみが連結のための鋳型として用いられる。また別の態様では両方の鎖を用いることができる。一般的に以下の文献を参照されたい:U.S. Pat. 5,185,243; 5,679,524および5,573,907; EP320, 308B1; EP336, 731B1;EP439182B1; WO90/01069; WO89/12696; WO97/31256; WO89/09835; U.S.S.N.60/078102および60/073011(全ての前記文献は参照により本明細書に含まれる)。
【0118】
好ましい実施態様では、切断された環状プローブは第一の標的ドメインおよび第二の標的ドメインを含み、前記は隣接し連続的で、バーコード配列の上に広がっているはずである。第一のOLAプライマーおよび第二のOLAプライマー核酸が添加されるが、それらは対応する標的ドメインと実質的に相補的で、したがって標的ドメインとハイブリダイズするであろう。これら標的ドメインは直接隣接(すなわち連続)していても、または多数のヌクレオチドによって分離されていてもよい。それらドメインが非連続的である場合、ヌクレオチドは、プライマーの1つにヌクレオチドを付加することができるヌクレオチド結合手段(例えばポリメラーゼ)と一緒に添加される。続いて、例えばリガーゼ酵素(例えば当分野で公知のもの)を用いて2つのOLAプライマーを共有結合させ、改変プライマーを生成する。これによって、連結プローブと標的配列を含む第一のハイブリダイゼーション複合体が生成される。続いて前記ハイブリダイゼーション複合体を変性させ(分離させ)、さらに前記プロセスを繰り返して連結プローブプールを作製する。
【0119】
好ましい実施態様では、OLAは二本鎖標的配列の2つの鎖について実施される。標的配列を変性させ、2組のプローブを添加する(1組は上記で概略したように標的の1つの鎖用で、別の組(すなわち第三および第四のプローブ核酸)は標的の他方の鎖用である)。好ましい実施態様では、増幅が生じることができるように、第一と第三のプローブがハイブリダイズし、第二と第四のプローブがハイブリダイズする。すなわち、第一および第二のプローブが結合したとき、連結されたプローブは、第二の標的配列の他に、第三および第四のプローブの結合のための鋳型として用いられる。同様に、連結された第三および第四のプローブは、第一の標的鎖の他に、第一および第二のプローブの結合のための鋳型として機能するであろう。このようにして、指数関数的(単なる直線状ではなく)増幅が得られる。
【0120】
繰り返せば、上記で概略したように、LCR反応の検出はまた、プライマーの一方または両方が少なくとも1つの検出可能な標識を含む場合には直接実施でき、また追加プローブの使用によりサンドイッチアッセイを用いて間接的に実施することができる。すなわち、連結されたプローブは標的配列として機能することができ、検出は、増幅プローブ、捕捉プローブ、捕捉伸長プローブ、標識プローブおよび標識伸長プローブを利用することができる。
好ましい実施態様では、シグナル増幅技術は侵襲的切断技術である。前記は、以下を含む多数の特許および特許出願に記載されている:U.S.Pat. 5,846,717; 5,614,402; 5,719,028; 5,541,311;および5,843,669(全ての前記文献は参照により本明細書に含まれる)。侵襲的切断技術は、位置特異的態様で核酸を切断する構造特異的ヌクレアーゼを基にする。2つのプローブが用いられる。すなわち、“インベーダー”プローブおよび“シグナリング”プローブで、それらは標的配列とオーバーラップしながら隣接してハイブリダイズする。ミスマッチ識別のために、インベーダー技術は、切断が生じるオーバーラップの場所の相補性を必要とする。前記オーバーラップを酵素が切断し、(標識または非標識)“テール”を遊離させる。続いてこのテールが検出される。
【0121】
侵襲的切断技術は一般的に以下のように説明することができる。切断された環状プローブは2つの別個のプローブによって認識される。第一のプローブ(本明細書では一般的には“インベーダー”プローブと称される)は、前記切断された環状プローブの第一の部分と実質的に相補的である。この実施態様では、切断環状プローブの第一の部分は標的特異的ドメインを含むことができるので、バーコードは不要である。第二のプローブ(本明細書では一般的に“シグナルプローブ”と称される)は、切断環状プローブの標的ドメインと部分的に相補的である。前記シグナルオリゴヌクレオチドの3´末端は切断環状プローブと実質的に相補的であるが、一方、5´末端は非相補的で、好ましくは一本鎖の“テール”または“アーム”を形成する。第二のプローブの前記非相補的末端は好ましくは、下記で述べるように標的配列の有無を示すために用いられる“属特異的”または“固有”の配列(例えばバーコード配列)を含む。第二のプローブのバーコード配列は、好ましくは少なくとも1つの検出可能な標識を含むが、ただし、ここで概略するようにこの検出配列は捕捉プローブのために標的配列として機能するので、標識プローブを利用するサンドイッチ構成もまた実施可能である。
【0122】
標的核酸上で互いに近傍でまたは隣接して第一および第二のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズして多数の構造物を生成する。好ましい実施態様では、フォークをもつ切断構造物が生成され、前記はシグナルオリゴヌクレオチドから検出配列を切断するヌクレアーゼの基質である。切断部位は、インベーダーオリゴヌクレオチドとシグナルオリゴヌクレオチドの下流のフォークとの間の距離またはオーバーラップによって制御される。したがって、いずれのオリゴヌクレオチドも、ミスアラインが生じたとき、または標的核酸と結合しないときは切断されない。
【0123】
好ましい実施態様では、フォークを有する切断構造を認識し、テールの遊離を触媒するヌクレアーゼは耐熱性で、それによって所望の場合は切断反応のサーマルサイクリングを可能にする。望ましくない副作用である合成活性が少なくなるように改変した耐熱DNAポリメラーゼに由来する好ましいヌクレアーゼは、米国特許第5719028号および5843669号に開示されている(前記文献は参照により本明細書に含まれる)。前記DNAポリメラーゼの合成活性は、前記が切断反応の検出および遊離テールの検出に干渉しないレベルまで低下している。好ましくは前記DNAポリメラーゼは検出可能なポリメラーゼ活性をもたない。ヌクレアーゼの例は、テルムス=アクォティクス(Thermus aquaticus)、テルムス=フラブス(Thermus flavus)またはテルムス=テルモフィルス(Thermus thermophilus)に由来するものである。
【0124】
別の実施態様では、古細菌種由来のFEN−1またはFEN−2様ヌクレアーゼから選択された耐熱性の構造特異的ヌクレアーゼはフラップ(Flap)エンドヌクレアーゼ(FEN)で、例えば、メタノコッカス=ヤナスキー(Methanococcus jannaschii)、ピロコッカス=フリオーシス(Pyrococcus furiosis)、ピロコッカス=ウェーシー(Pyrococcus woesei)およびアーケオグロブス=フルギドゥス(Archaeoglobus fulgidus)由来のFEN−1である(U.S. Pat. 5,843,669; Lyamichev et al., 1999, Nature Biotechnology 17:292−297(両文献は参照により本明細書に含まれる)。
【0125】
好ましい実施態様では、前記ヌクレアーゼはAfuFEN1またはpfuFEN1ヌクレアーゼである。フォークをもつ構造物を切断するために、これらのヌクレアーゼは、シグナルプローブと侵襲的プローブとの間に少なくとも1つのオーバーラップするヌクレオチドを必要とし、これによってシグナルプローブの5´末端を認識しこれを切断する。インベーダーオリゴヌクレオチドの3´末端のヌクレオチドを切断するために、標的核酸と相補的であることは要求されない。対照的に、切断部位の1塩基上流でのシグナルプローブのミスマッチはオーバーラップの生成および切断を妨げる。
好ましい実施態様では、シグナル増幅技術はCPTである。CPT技術は以下を含む多数の特許および特許出願に記載されている:U.S. Pat. 5,011,769, 5,403711, 5, 660,988および4,876,187; PCT出願公開WO95/05480, WO95/1416およびWO95/00667; U.S.S.N.09/014,304(全ての前記文献は参照により本明細書に含まれる)。
【0126】
一般的に、CPTは以下のように説明できる。CPTプライマー(本明細書ではときに“易切断性プライマー”と称される)は、易切断性結合によって分離されてある2つのプローブを含む。CPTプライマーは標的配列と実質的に相補的で、したがって標的配列とハイブリダイズしてハイブリダイゼーション複合体を生成する。易切断性結合は、標的配列を切断することなく切断され、分離された2つのプローブ配列を生じる。したがって、2つのプローブ配列は標的からさらに容易に分離され、反応を任意の回数繰り返すことができる。一般的に、第一のプローブ配列(例えばプライマーの一方の端)は捕捉タグ(例えばビオチン)を含み、他方(第二のプローブ配列)は少なくとも1つの標識を含む。反応完了時に、前記捕捉タグの結合相手は、全ての未反応プローブおよび切断された第一のプローブ配列を除去するために用いられ、あとに第二のプローブ配列を残し、これを例えばアレーに結合させて検出することができる。本発明では、CPTプライマーおよびプレサークルプローブは、第二のプローブ配列として機能するのがバーコード配列であるように構築される。
【0127】
本明細書の“易切断性結合”とは、易切断性プローブがハイブリダイゼーション複合体の部分であるとき(すなわち二本鎖複合体が形成されるとき)に切断される易切断性プローブ内にある結合を意味する。易切断性結合が易切断性プローブのみを切断し、それがハイブリダイズしている配列(すなわち標的配列またはプローブ配列)は切断せず、それによって標的配列をシグナル増幅反応で再使用することができるということは重要である。本明細書で用いられるように、易切断性結合とは、2つのプローブを結合させ、さらにプローブ配列または易切断性プローブがハイブリダイズしている配列のどちらも切断することなく選択的に切断されることができる任意の化学的結合構造である。易切断性結合は単結合でもよく、またはマルチユニット配列であってもよい。当業者には理解されるところであるが、多数の可能な易切断性結合を用いることができる。
【0128】
好ましい実施態様では易切断性結合はRNAを含む。上記で概略したとおり以前に記載されたこのシステムは、ある種の二本鎖形成ヌクレアーゼ(特にリボヌクレアーゼ)はRNAヌクレオシドにニックを入れるか、またはRNA:DNAハイブリダイゼーション複合体からRNAヌクレオシドを切り出すという事実を基にしている。この実施態様で特に有用なものはリボヌクレアーゼH、エキソIIIおよび逆転写酵素である。
CPTは酵素によってまたは化学的に実施できる。すなわち、リボヌクレアーゼHの他に、RNA(または他の核酸)易切断性結合の切断に有用な他のいくつかの切断剤が存在する。例えば、いくつかの化学的ヌクレアーゼが報告された。例えば以下を参照されたい:Sigman et al., Annu. Rev. Biochem. 1990, 59:207 −236; Sigman et al., Chem. Rev. 1993, 93:2295−2316; Bashkin et al., J. Org. Chem. 1990, 55:5125−5132; Sigman et al., Nucleic Acids and Molecular Biology, vol.3, F. Eckstein and D.M.J. Lilley (Eds), Springer−Verlag, Heiderberg 1989, pp.13−27(全ての前記文献は参照により本明細書に含まれる)。
【0129】
CPT方法の第一の工程は、一次易切断性プライマー(また一次易切断性プローブとも称される)を標的とハイブリダイズさせることを必要とする。これは、当業者には理解されるように、好ましくは、より長い一次プローブの結合および前記一次プローブのより短い切断部分の分離の両方を可能にする温度で実施される。
一般的には、前記易切断性プローブはモル過剰でそれらの標的に導入され、易切断性プローブ:標的比は少なくとも約100:1、好ましくは少なくとも1000:1、特に好ましくは少なくとも約10000:1である。いくつかの実施態様では、標的に対するプローブの過剰ははるかに大きいであろう。さらに、前記ような割合はここに概略する全ての増幅技術について用いることができる。
【0130】
いったん一次易切断性プローブと標的との間でハイブリダイゼーション複合体が形成されたら、前記複合体を切断条件におく。理解されるところであるが、前記条件は易切断性プローブの組成に左右される。もしそれがRNAの場合はリボヌクレアーゼHが導入される。ある種の環境下[例えば一般的にWO95/00666およびWO95/00667(前記文献は参照により本明細書に含まれる)に概略されているようなもの]では、二本鎖形成結合剤、例えばリボヌクレアーゼHの使用によって、一次プローブ:標的ハイブリダイゼーション複合体のTmを越える温度でさえ反応の進行を可能にすることができることは特記されるべきであろう。したがって、易切断性プローブの標的への添加は、最初に実施し続いて切断剤もしくは切断条件を導入するか、またはプローブを切断剤もしくは切断条件の存在下で添加することができる。
【0131】
前記切断条件によって、2つの(またはそれ以上の)プローブ配列が前記一次易切断性プローブから分離される。結果として、より短いプローブ配列はもはや標的配列にハイブリダイズされた状態で残留することはなく、したがってハイブリダイゼーション複合体は、標的配列を無傷のまま残して分離させられる。CPT反応を実施するための最適温度は一般的に約5℃から約25℃で、プローブ:標的ハイブリダイゼーション複合体の溶融温度より低い。これによって高速ハイブリダイゼーションおよび標的配列に対する高い特異性が提供される。個々のハイブリダイゼーション複合体のTmは、当分野で公知であり本明細書にも記載されているとおり塩濃度、GC含有量および複合体の長さに左右される。
【0132】
これらの工程は、一定の時間の間反応を進行させることによって繰り返される。反応は、通常は約15分から約1時間実施される。一般的には、標的配列の各分子は前記の時間に、プローブの長さおよび配列、固有の反応条件および切断方法に応じて100から1000回のターンオーバーを繰り返すであろう。例えば、テストサンプル中に存在する標的配列の各コピーの場合、100から1000分子がリボヌクレアーゼHによって切断されるであろう。より高レベルの増幅は、反応をより長時間進行させるか、またはここに概略するように二次、三次、四次プローブを使用することによって得られる。
反応終結(一般的に切断時間または切断量によって決定される)に際して、未切断プローブが検出プローブに結合して偽の陽性シグナルを生じないように、切断されていない易切断性プローブを検出の前に除去または中和しなければならない。当業者には理解されるところであるが、前記は多様な方法で実施できる。
好ましい実施態様では、分離は一次プローブを含むビーズの使用によって促進される。したがって、易切断性プローブをビーズに結合させる場合、ろ過、遠心分離、磁場の適用、荷電ビーズとの静電気的相互作用、吸着などで前記ビーズを除去して未切断プローブを除去する。
【0133】
必要に応じて未切断プローブを除去した後、検出は、下記に概略するように切断されたプローブ配列をアレー組成物に添加することにより実施される。一般的には、切断プローブは捕捉プローブに直接または間接的に結合されて標識が検出される。好ましい実施態様では、より高次のプローブは用いられず、検出は一次プライマーのプローブ配列により実施される。好ましい実施態様では、少なくとも1つ(より好ましくは2つ以上)の二次プローブ(本明細書ではまた二次プライマーと称される)が用いられ、前記二次プローブは切断プローブのドメインとハイブリダイズする。
したがってCPTは、また特定の順序ではないが、第一のプローブ配列、易切断性結合および第二のプローブを含む第一のCPTプライマー並びに切断剤を必要とする。
前記態様では、CPTは大量の切断されたプライマーを生成し、続いて前記プライマーを下記で概略するように検出することができる。
【0134】
ここで述べる増幅方法の全てで標識が用いられる。一般的には、標的生成物(例えばアンプリコン)の直接または間接的検出を実施することができる。ここで用いられる“直接的“検出は、本明細書に概略する他の反応の場合のように、標識、本事例では検出可能標識、好ましくは光学標識(例えば蛍光発光団)のアンプリコンへの取込みを必要とし、検出は下記に概略するように実施される。この実施態様では、標識は多様な方法で取り込ませることができる:(1)プライマーが標識を含む、例えば塩基、リボース、ホスフェートまたは核酸類似体中の類似の構造物に結合させられてある;(2)塩基またはリボース(または核酸類似体中の類似の構造物)のどちらかで標識により改変された改変ヌクレオシドが用いられる、これら標識改変ヌクレオシドを続いて三燐酸形に変換して新しく合成される鎖に伸長酵素(例えばポリメラーゼ)によって取り込ませる;(3)検出可能標識を付加するために(酵素反応後に)用いることができる官能基を含む改変ヌクレオチドを用いる;(4)同様な態様で検出可能標識を付加するために用いることができる官能基を含む改変プライマーを用いる;または(5)直接標識された、アンプリコンの一部とハイブリダイズする標識プローブを用いることができる。前記方法のいずれも検出可能なアンプリコンを生成する。
したがって、改変鎖は検出標識を含む。ここでいう“検出標識”または“検出可能標識”は、検出を可能にする成分を指す。前記は一次標識または二次標識である。したがって、検出標識は、一次標識(すなわち直接検出できる)または二次標識(間接的に検出できる)であろう。
【0135】
好ましい実施態様では、検出標識は一次標識である。一次標識は、分光分析的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的または化学的手段によって直接検出できる標識である。本発明で有用な標識にはスペクトル標識、例えば蛍光染料(例えばフルオレセインイソチオシアネート、テキサスレッド、ローダミン、ジキソゲニン、ビオチンなど)、放射能標識(例えばH、125I、35S、14C、32P、33Pなど)、酵素(例えばセイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)、分光比色標識(例えば金コロイド、着色ガラスもしくはプラスチック(例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズ、磁性標識、電気的標識、温度標識および質量タグが含まれる。標識にはまた、酵素(セイヨウワサビペルオキシダーゼなど)および磁性粒子が含まれる。好ましい標識には、発色団またはリン光体が含まれるが、蛍光染料が好ましい。本発明の使用に適した染料には蛍光成分が含まれるが、ただしこれに限定されない。
【0136】
本発明の標識に含まれる蛍光成分は一般的に公知である。前記には以下が含まれる:テキサスレッド、ジキソゲニン、ビオチン、1−および2−アミノナフタレン、p,p−ジアミノスチルベン、パイレン、第四フェナントリジン塩、9−アミノアクリジン、p,p´−ジアミノベンゾフェノンイミン、アントラセン、オキサカルボシアニン、メロシアニン、3−アミノエキレニン、ペリレン、ビス−ベンゾキサゾール、ビス−p−オキサゾリルベンゼン、1,2−ベンゾフェナジン、レチノール、ビス−3−アミノピリジニウム塩、ヘレブリゲニン、テトラサイクリン、ステロフェノール、ベンゾイミダゾリルフェニルアミン、2−オキソ−3−クロメン、インドール、7−ヒドロキシクーマリン、フェノキサジン、カリシレート、ストロファンチジン、ポルフィリン、トリアリルメタンおよびフラビン。
【0137】
本発明のアッセイまたは装置での検出が所望される成分との結合に必要な官能基を有するか、またはそのような官能基を取り込ませるために改変することができる個々の蛍光化合物には例えば以下が含まれる:ダンシルクロリド;フルオレセイン、例えば3,6−ジヒドロキシ−9−フェニルキサンチドロール;ローダミンイソチオシアネート;N−フェニル1−アミノ−8−スルフォナトナフタレン;N−フェニル2−アミノ−6−スルフォナトナフタレン;4−アセトアミド−4−イソチオシアナト−スチルベン−2,2´−ジスルホン酸;パイレン−3−スルホン酸;2−トルイジノナフタレン−6−スルホネート;N−フェニル−N−メチル−2−アミノナフタレン−6−スルフォネート;臭化エチジウム;ステブリン;アウロミン−0,2−(9´−アントロイル)パルミテート;ダンシルホスファチジルエタノールアミン;N,N´−ジオクタデシルオキサカルボシアニン;N,N´−ジヘキシルオキサカルボシアニン;メロシアニン,4−(3´−ピレニル)ステアレート;d−3−アミノデソキシ−エキレニン;1,2−(9´−アントロイル)ステアレート;2−メチルアントラセン;9−ビニルアントラセン;2,2´(ビニレン−p−フェニレン)ビスベンゾキサゾール;p−ビス(2−メチル−5−フェニル−オキサゾリル)ベンゼン;6−ジメチルアミノ−1,2−ベンゾフェナジン;レチノール;ビス(3´−アミノピリジニウム)1,10−デカニジルジアイオダイド;ヘリブリエニンのスルホナフチルヒドラゾン;クロロテトラサイクリン;N−(7−ジメチルアミノ−4−メチル−2−オキソ−3−クロメニル)マレイミド;N−(p−(2ベンゾイミダゾリル)−フェニル)マレイミド;N−(4−フルオランチル)マレイミド;ビス(ホモバニリン酸);レサザリン;4−クロロ−7−ニトロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール;メロシアニン540;レゾルフィン;ローズベンガル;2,4−ジフェニル−3(2H)−フラノン、蛍光ランタニド複合体(ヨーロピウムおよびテルビウムの蛍光複合体を含む)、フルオレセイン、ローダミン、テトラメチルローダミン、エオシン、エリスロシン、クーマリン、メチル−クーマリン、量子ドット(“ナノクリスタル”とも称される、U.S.S.N.09/315,584を参照されたい、前記文献は参照により本明細書に含まれる)、パイレン、マラカイトグリーン、スチルベン、ルシファーイェロー、カスケードブルー(登録商標)、テキサスレッド、Cy染料(Cy3、Cy5など)、アレキサ染料、フィコエリシン、ボディピーおよび以下の文献に記載された上記以外のもの(Molecular Probes Handbook, Richard P. Haugland, 6th ed.(前記文献は参照により本明細書に含まれる))。他の標識はUSSN60/242901(2000年10月24日出願)(前記文献は参照により本明細書に含まれる)に記載されている。
【0138】
好ましい実施態様では検出可能な二次標識が用いられる。二次標識は間接的に検出される標識である。例えば、二次標識は検出用の一次標識と結合または反応することができるか、さらにまた別の生成物と作用して一次標識(例えば酵素)を生成することができるか、または二次標的を含む化合物を未標識物質から分離することができる、等である。二次標識には、結合パートナー対の一方;化学的に改変可能な成分;ヌクレアーゼインヒビター、酵素(例えばセイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼ)などが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0139】
好ましい実施態様では、二次標識は結合パートナー対である。例えば標識はハプテンまたは抗原であろう。前記はその結合パートナーと結合する。好ましい実施態様では、前記結合パートナーは固相に結合され、伸長プライマーと非伸長プライマーの分離を可能にする。例えば、適切な結合パートナー対には、抗原(例えばタンパク質でペプチドを含む)と抗体(そのフラグメント(FAbなど)を含む);タンパク質と小型分子(ビオチン/ストレプトアビジンを含む);酵素と基質またはインヒビター;他のタンパク質−タンパク質相互作用対;レセプター−リガンド;および炭水化物とその結合パートナーが含まれるが、ただしこれらに限定されない。核酸−核酸結合タンパク質対もまた有用である。一般的に、対の小さいほうが、プライマーへの取込みのためにNTPに結合される。好ましい結合パートナー対には、ビオチン(またはイミノ−ビオチン)とストレプトアビジン、ジゴキシニンと抗体およびプロリンクス(Prolinx)(登録商標)試薬(www.prolinxinc. Com/ie4/home.hmtlを参照されたい)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0140】
好ましい実施態様では、結合パートナー対は、一次検出標識(例えばNTPに結合され、したがってアンプリコンに結合される)および抗体(前記一次検出標識と特異的に結合する)を含む。本明細書の“特異的に結合する”とは、パートナーが、前記対と系の他の成分または夾雑物質とを区別するために十分な特異性をもって結合することを意味する。前記結合は、アッセイ条件下で結合を保持するために十分なものでなければならない。前記アッセイ条件は、非特異的結合を除去するための洗浄工程を含む。いくつかの実施態様では、前記対の解離定数は約10−4から10−6−1未満で、約10−5から10−9−1未満が好ましく、約10−7から10−9−1未満が特に好ましい。
【0141】
好ましい実施態様では、二次標識は化学的に改変された成分である。この実施態様では、反応性官能基を含む標識が核酸に取り込まれる。続いて前記官能基は一次標識で標識される。適切な官能基には、アミノ基、カルボキシ基、マレイミド基、オキソ基およびチオール基が含まれるが、ただしこれらに限定されない。アミノ基およびチオール基が特に好ましい。例えば、アミノ基を含む一次標識はアミノ基を含む二次標識に結合させることができる。前記結合は、例えば当分野で周知のようにリンカーを用いて実施される。リンカーは例えば周知のようなホモ−またはヘテロ−二官能基リンカーである(例えばピアスケミカルカンパニー(Pierce Chemical Company)カタログ(1994)(technical section on cross −linkers, pages 155−200)を参照されたい(前記文献は参照により本明細書に含まれる))。
【0142】
ある実施態様では、下記でさらに完全に説明するように標識は質量タグである。
いったん標識されたら、(適用可能な場合)本発明のバーコードを含むアンプリコンが検出される。本明細書の方法および組成物のいずれも、一般的にミスマッチの有無に応じて弁別的反応を起こさせることによって、標的核酸の検出場所に存在する塩基を検出、定量および/または決定する方法に利用することができる。反応生成物は、一般的にはここに概略するようにアレー上で検出されるが、多数の異なる検出方法も用いることができる。
【0143】
したがって、本発明は核酸の検出に有用な方法および組成物を提供する。当業者には理解されるところであるが、本発明の組成物は、図面に一般的に概略されているように多様な構成をとることができる。下記でさらに完全に説明するように、本発明の好ましい系は以下のように機能する。アンプリコンはアレー部位で(ハイブリダイゼーションにより)結合される。前記の結合は、一般的にはアンプリコン上のバーコードと対応する捕捉プローブとの間の直接ハイブリダイゼーションである。ただしいくつかの事例では、前記系は、当分野で公知のように捕捉伸長プローブによる間接的な“サンドイッチ“複合体を用いてもよい。好ましい実施態様では、標的配列(例えばアンプリコン)それ自体が標識を含む。また別には標識プローブが添加され、前記プローブはアンプリコン上の標識配列とハイブリダイズしアッセイ複合体を形成する。アレーの捕捉プローブは、バーコード配列と実質的に(さらに好ましくは完全に)相補的である。
【0144】
長さの決定、長さによる分離アッセイ、および長さによる分離アッセイ用媒体とは、DNAフラグメントを長さ、サイズ、質量、または他のいずれかの物理的特性を基準に分離する方法および関連する装置を指すために共通して用いられる。前記には一般的に、液体クロマトグラフィー、電気泳動および直接質量分光法が含まれ、より具体的にはそれぞれ高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および毛細管電気泳動またはゲル電気泳動およびMALDI−TOFMSを指す。
前記タグがハイブリダイゼーションタグである場合は、高い特異性を維持するために、ハイブリダイゼーションは通常はもっともストリンジェントな条件下で実施され、前記条件は種々の温度、塩、洗剤、溶媒、カオトロピズム剤および変性剤の組み合わせによって達成される。そのような条件は、相同領域およびプライマーに関してここでさらに詳細に述べる。
【0145】
多数のサンプル核酸のハイブリダイゼーションアッセイは、多様なフィルターおよび固形支持体様式で実施された(以下を参照されたい:G.A. Beltz et al., Methods in Enzymology, vol.100, B. Part, R. Wu, L. Grossmam, K. Moldave, Eds., Academic Press, New York, Chapter 19, pp.266−308, 1985)。ある様式、いわゆる“ドットブロット”ハイブリダイゼーションは、標的DNAのフィルターへの非共有結合を必要とする。前記フィルターは続いて放射性同位元素で標識されたプローブとハイブリダイズされる。“ドットブロット”ハイブリダイゼーションは広く使用され、多くの変型が開発された(以下を参照されたい:M.L.M. Anderson and B.D. Young, Nucleic Acid Hybridization: A Practical Approach, B.D. Hames and S.J. Higgins, Eds., IRL Press, Washington D.C., Chapter 4, pp. 73−111, 1985)。“ドットブロット”ハイブリダイゼーションは、ゲノム変異のマルチ分析のために(D. Nanibhushan and D. Rabin, EPA 022 8075(1987年7月8日))、さらにオーバーラップクローンの検出およびゲノムマップの構築のためにさらに進歩した(U.S. Pat. 5,219,726(G.A. Evans, 1993年6月15日)。
【0146】
また別の様式、いわゆる“サンドイッチ”ハイブリダイゼーションは、オリゴヌクレオチドプローブを固形支持体に共有結合させ、それらを用いて多数の核酸標的を捕捉および検出することを含む(M.Ranki et al., Gene, 21, pp.75−85, 1983;英国特許出願GB2156074A(A.M. Palva, T.M. Ranki and H.E. Soderlund, 1985年10月2日); U.S. Pat.4,563,419(T.M. Ranki and H.E. Soderlund, 1986 年1月7日);PCTWO86/03782(A.D.B. Malcolm and J.A. Langdale, 1986年7月3日);U.S. Pat4,751,177(Y. Stabinsky, 1988年1月14日); PCTWO90/01564(T.H. Adams et al., 1990年2月22日);R.B. Wallace et al., Nucleic Acid Res. 11:3543(1979); B.J. Connor et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA 80:278−282 (1983))。前記様式の多重処理型は“リバースドットブロット”と称される。
マトリックスハイブリダイゼーションのまた別のアプローチでは、マイクロロボット系が用いられ、特異的なDNA配列を含む微量滴下物がガラス基層上の個々の微小サンプルウェルに分注された(Beattie et al., The 1992 San Diego Conference: Genetic Recognition, November, 1992)。各サンプルウェル中でのハイブリダイゼーションは、各マイクロウェルを交流(AC)電場で取囲む審問用小型電極による検査造作によって検出される。
【0147】
本発明の好ましい特徴の1つは、それが高処理スクリーニング性能をもたらすということである。ここに述べるアッセイで、数個から数百万個の異なるタグ、例えばSNPを同時に特定できる。例えば、単純なドットブロットハイブリダイゼーション方法を用いて、数千個の固定プローブを含む膜をタグのスクリーニングのために作製することができる。下記で述べる固相技術を応用して、1平方インチ当たり文字通り数百万の種々の固定核酸を包含させることができる。同様にして、極めて大量の増幅DNAセット(例えばタグセット)を膜に固定し、1つまたは2つ以上の配列に対して同時にスクリーニングすることができる。
ある実施態様では、増幅生成物が何であるかは、例えばクロマトグラフィーまたは質量分光分析によって、前記増幅生成物またはそのフラグメントの分子量を検出して決定される。
【0148】
例えば、増幅生成物またはその分断フラグメントの粗分子量を検出してもよい。上記で説明したように、プローブライブラリーの各メンバー(すなわち反応中の全てのプローブ)は、タグの個々の配列により固有の分子量標識を有している。例えば質量分光分析は高い検出感度および正確な質量測定を提供し、これらは、長さが同一であるが配列にただ1つの塩基の相違があるプローブ間を識別することができる。したがって、タグ配列中のG/C/A/T含有量を変動させて各増幅生成物の全体的な分子量を検出できるように計算することによって複雑なライブラリーを構築することができる。ある好ましい実施態様では、検出中に核酸配列は、そのただ1つの可変配列としてタグ配列を含み、鋳型との相同領域は含まない。そのようなフラグメントは、例えばタグ配列と側面を接する制限部位を含むことによって、またはタグ配列のみが共有結合による閉環状生成物(これは増幅生成物中に含まれる)のただ1つの可変領域であるようにPCRプライマーを選択することによって作製できる。換言すれば、検出中の増幅生成物がまた鋳型相同領域を含む実施態様では、タグ配列の計算およびデザインはTHR中の可変性を同様に含む必要があり、それによって固有の分子量をもつ生成物を生成でき、質量分光分析または選択することができる他の検出手段によって互いに識別が可能になる。
【0149】
当業者には、非常に単純なアルゴリズムを用いて、必要な場合には鋳型相同領域を考慮しながら、ライブラリーの各メンバーの分子量をタグの配列を変動させることによって計算できることは理解されるところである。タグの分子量の複雑さはプローブの長さを配列同様変動させることによって増加させることができる。
ある種の事例では、ライブラリーは、質量分光分析による検出前にクロマトグラフィー技術により解きほぐすことができる。例えば、サンプルを分光計に導入する前に、混合物を最初に半精製することができる。サイズ(例えばゲルろ過)、可溶性(例えば等電点沈澱)または電荷(例えば電気泳動、等電点フォーカシング、イオン交換クロマトグラフィー)による分離方法を用いてアンプリマー混合物を分離してもよい。好ましい分離方法は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)である。
【0150】
ある種の実施態様では、増幅生成物は配列決定の多重処理のために組み込まれた質量標識を含むことができる。この事例の質量改変による多重処理は、例えば糖または塩基成分レベルでの核酸プライマーの質量改変によって実施される。そのような実施態様は、増幅工程前ではなく増幅工程後に検出のために増幅生成物を混合することができる場合に極めて実際的である。
本発明での使用に適した質量分光分析には本発明のDNA分析が含まれるが、これには以下が含まれる:衝突誘発解離(CID)分断化分析(例えばMS/MS構成と併用したCID、以下を参照されたい:K. Schram, (1990) ”Mass Spectrometry of Nucleic Acid Components”, in Biochemical Applications of Mass Spectrometry 34:203−287; P. Crain, (1990) Mass Spectrometry Reviews 9:505−554);高速原子衝撃(FAB質量分光分析)およびプラズマ放出(PD質量分光分析)(以下を参照されたい:Koster et al., (1987) Biomedical Environmental Mass Spectro−metry 14:111−116);並びにエレクトロスプレー/イオンスプレー(ES)およびマトリックス支援レーザー放出/イオン化(MALDI)質量分光分析(以下を参照されたい:Fenn et al., (1984) J. Phys. Chem. 88:4451−4459; Smith et al., (1990) Anal. Chem. 62:882−889; B. Ardrey, (1992) Spectroscopy Europe 4:10−18)。タイムオブフライト(TOF)構成を質量分析装置として用いる場合(MALDI−TOF)、MALDI質量分光分析が前記のような分析に特に良好に適合する。以下の文献を参照されたい:国際公開WO97/33000(1997年9月12日公開); Huth−Fehre et al.,(1992) Rapid Communi −cations in Mass Spectrometry 6:209−213; Williams et al.,(1990) Rapid Com −munications in Mass Spectrometry 4:348−351。
【0151】
本発明の質量タグ分析での使用に適した質量分光分析には以下が含まれる:衝突誘発解離(CID)分断化分析(例えばMS/MS構成と併用したCID、以下を参照されたい:K. Schram, (1990) ”Mass Spectrometry of Nucleic Acid Components”, in Biochemical Applications of Mass Spectrometry 34:203−287; P. Crain, (1990) Mass Spectrometry Reviews 9:505−554);高速原子衝撃(FAB質量分光分析)およびプラズマ放出(PD質量分光分析)(以下を参照されたい:Koster et al., (1987) Biomedical Environmental Mass Spectrometry 14:111− 116);並びにエレクトロスプレー/イオンスプレー(ES)およびマトリックス支援レーザー放出/イオン化(MALDI)質量分光分析(以下を参照されたい:Fenn et al., (1984) J. Phys. Chem. 88:4451−4459; Smith et al., (1990) Anal. Chem. 62:882−889; B. Ardrey, (1992) Spectroscopy Europe 4:10−18)。タイムオブフライト(TOF)構成を質量分析装置として用いる場合(MALDI−TOF)、MALDI質量分光分析が前記のような分析に特に良好に適合する。以下の文献を参照されたい:国際公開WO97/33000(1997年9月12日公開); Huth−Fehre et al.,(1992) Rapid Communications in Mass Spectrometry 6:209−213; Williams et al.,(1990) Rapid Communications in Mass Spectrometry 4:348−351。
前記に関しては、核酸との使用に適した多数の質量タグが知られている(U.S.Pat. 5,003,059(Brennan)およびU.S. Pat. 5,547,835(Koster)を参照されたい)が、前記には核酸から切断することができる質量タグが含まれる(国際公開WO97/27331を参照されたい)。
【0152】
また別の実施態様では、種々のタグ配列を鎖状につなぎ、慣習的な配列決定技術(例えばサンガーまたはマキサム=ギルバート法)によって配列決定を実施することができる。更なる説明のために、増幅生成物を生成し、タグ配列と側面を接する制限部位を包含させることができる。したがって、増幅生成物は、リンカー−タグ−リンカーの式によって表すことができる。前記増幅生成物を前記制限酵素で処理した後、リンカー−タグ−リンカーフラグメントを連結して連鎖核酸分子を生成する。例えば5´および3´リンカーはそれぞれBamHIおよびBglII部位を保有し、それによって適合可能な粘着末端を生成することができる。例示した例では、BamHIおよびBglIIの存在下で連結を実施することによって、得られた連鎖物質は、BamHI/BamHIおよびBglII/BglII連結生成物の再消化のために頭対尾様式で連結された制限フラグメントを生じる(いずれの制限酵素によっても認識される配列を生じないBamHI/BglII連結生成物の再消化は生じない)。
前記連鎖物アレーは、好ましくは2から3kbフラグメントとして単離され、増幅ベクターに連結することができる。続いて増幅されたアレーは、1つのタグ配列から次のタグ配列の境界の目印となる制限酵素の結合部位により容易に配列決定される。
【0153】
別の実施態様では、ハイブリダイゼーションタグは、ミクロ形式多重処理またはマトリックス装置(例えばDNAチップ)上で検出される(M. Barinaga, Science, 253:1498(1991); W. Bains, 10 Bio/Technology, 10:757−758(1992))。前記の方法は、特異的なDNA配列を固形支持体の非常に小さな特定の領域(例えばDNAチップのマイクロウェル)に結合させる。ある変型例では、本発明は、迅速で特異的な多数の多形性ヌクレオチド(例えばSNP)の検出のために固相アレーに応用される。典型的には、オリゴヌクレオチドは固形支持体に連結され、タグ核酸を前記オリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせる。オリゴヌクレオチドもしくはタグのいずれか、またはその両者を、典型的には蛍光発色団で標識できる。タグを標識する場合、ハイブリダイゼーションは結合蛍光によって検出される。オリゴヌクレオチドが標識される場合は、ハイブリダイゼーションは典型的には標識の消光によって検出される。オリゴヌクレオチドとタグの両方が標識される場合は、ハイブリダイゼーションの検出は典型的には2つの結合標識の接近により生じる色のシフトをモニターすることによって実施される。特に蛍光系の利用についての多様な標識方法および標識などが上掲書に記載されている。
【0154】
ある実施態様では、オリゴヌクレオチドアレーは固形支持体上で合成される。典型的な固形支持体にはガラス、プラスチック、ポリマー、金属、半金属、セラミクス、有機物などが含まれる。チップ被覆技術および光防御化学を用いて、秩序だった核酸プローブアレーを作製することができる。“DNAチップ”または非常に大規模の固定ポリマーアレー(“VLSIPS・TM”アレー)として知られているこれらのアレーは、約1平方センチメートルから数平方センチメートルの面積をもつ基層上に数百万の限定されたプローブ領域を含み、それによって数個から数百万個のプローブセットを含むことができる。
【0155】
標的核酸を検出するための固相核酸アレーの構築および使用は以下の文献に詳しく記載されている:Fodor et al.,(1991) Science 251:767−777; Sheldon et al.,(1993) Clinical Chemistry 39(4):7180719; Kozal et al.,81996) Nature Medicine 2(7):753−759; U.S. Pat.5,571,639(Hubbell);PCT/US/95/16155(WO96/17958)(Pinkel et al.)。簡単に記せば、組み合わせ方式によって、最少数の合成工程を用いて大量のプローブを含むアレーの合成が可能になる。例えば、32の化学合成工程を用いて、全ての可能なDNA8量体オリゴヌクレオチド(48または65536の可能な組み合わせ)を合成し結合させることが可能である。一般的に、VLSIPS・TM法は、わずかに4nの合成工程を用いてアレー上に4nの異なるオリゴヌクレオチドプローブを製造する方法を提供する。
【0156】
ガラス表面上でのオリゴヌクレオチドアレーの光誘導組み合わせ合成は、自動ホスホルアミダイト反応およびチップ被覆技術(コンピュータチップ産業におけるフォトレジスト技術に類似する)を用いて実施される。典型的には、光感受性保護基で封鎖された官能基(例えばヒドロキシルまたはアミン基)を含むシラン試薬でガラス表面を修飾する。写真平板マスクを通して光分解を選択的に用いて官能基(後に続くの5´−光保護ヌクレオシドホスホルアミダイトと既に反応している)を暴露する。前記ホスホルアミダイトは照射される(したがって光感受性封鎖基の除去によって暴露される)部位とのみ反応する。したがって、ホスホルアミダイトは、先行する工程から選択的に暴露された領域にのみ付加される。これらの工程は、所望の配列アレーが固形表面上に合成されるまで繰り返される。
【0157】
96ウェルの自動多重処理オリゴヌクレオチド合成装置(AMOS)が開発され、数千個のオリゴヌクレオチドの製造能力を有する(Lashkari et al.,(1995) PNAS 93:7912)。現在の光誘導合成技術は、65000を超えるオリゴヌクレオチドを含む高密度アレーを生成することができる(Lipshutz et al.,(1995) BioTec. 19:442)。
アレー上の種々の場所での種々のオリゴヌクレオチド類似体の組み合わせ合成は、合成時の照射パターンおよびカップリング試薬の添加順序によって決まる。標的核酸とアレーとのハイブリダイゼーションのモニタリングは、典型的には蛍光顕微鏡またはレーザー走査顕微鏡により実施される。利用可能な技術を用いてプローブアレーのデザイン、構築および使用が可能であるがその他に、当業者は、アレー製造専門の製造業者に注文製造アレーおよびアレー読み取り装置を発注することもできる。例えば、アフィメトリクス社(Affymetrix Corp., Santa Clara, CA)はDNA・VLSIP・TMアレーを製造する。
【0158】
オリゴヌクレオチドデザインは目的とする利用により影響されることは理解されよう。例えば、いくつかのオリゴヌクレオチド−タグ相互作用が単一アッセイ、例えば単一DNAチップ上で検出されるべきである場合、全てのプローブが類似の溶融温度をもつことが望ましい。したがって、プローブの長さは、アレー上の全プローブの溶融温度が近似するように調節される(別個のプローブが異なるGC含有量を有する場合、別個のプローブについて長さが異なることは、固有のT[m]を達成するために必要であるかもしれないことは理解されるところである)。溶融温度はプローブデザインで考慮すべき主要なものであるが、他の因子(例えばプライマーの自己相補性を防ぐための選別など)も場合によって、プローブ構築をさらに調節するために用いられる。装置の“能動的”性質は、特異的な各極小部位で生じるハイブリダイゼーション反応(または他の一切の親和性反応)の全ての局面に対して他から影響されない電子の制御を提供する。前記の装置は、電子のストリンジェンシー制御(ESC)と称される、ハイブリダイゼーション反応に影響を及ぼす新しいメカニズムを提供する。種々のストリンジェンシー条件を必要とするDNAハイブリダイゼーション反応の場合、ESCによって通常のアレー技術に固有の限界が克服される。本発明の前記能動的装置は電子的に“種々のストリンジェンシー条件”を各極小部位に作り出す。したがって、全てのハイブリダイゼーションは同じバルク溶液で最適に実施できる。これらのアレーは米国特許第6051380号(Sosnowski et al.)に記載されている。
【0159】
したがって、本発明は、個々の部位を含む表面を有する少なくとも第一の基層を含むアレー組成物を提供する。ここでいう“アレー”または“バイオチップ”は、アレー形式にある複数の核酸を意味する。アレーのサイズはアレーの組成および最終用途によって左右される。核酸アレーは当分野で公知であり、多数の態様で分類できる。オーダード(ordered)アレー(例えば個々の部位の化学特性を解析する能力)およびランダムアレー(例えばビーズアレー)が含まれる。オーダードアレーには、写真平板術(Affymetrix GeneChip(登録商標))、スポッティング術(Synteniおよび他の製造業者)、印刷術(Hewlett PackardおよびRosetta)、電極アレー、三次元“ゲルパッド”アレーなどを用いて製造されるものが含まれるが、ただしこれらに限定されない。液体アレーもまた用いることができる。
当業者には理解されるところであるが、アレーのサイズは変動するであろう。2つの異なる捕捉プローブから何百万個も含むアレーを製造することができ、非常に大きなアレーも可能である。一般的に、好ましいアレーは約100個の異なる捕捉プローブから約100000個の捕捉プローブの範囲で、したがってアレー密度は変動する。
【0160】
一般的に、アレーは結合させた捕捉プローブを有する基層を含む。ここでいう“基層”または“固形支持体”は、捕捉プローブの付着または結合に適切な個々に分離した部位を含むように改変することができ、さらに少なくとも1つの検出方法に順応し易い任意の物質を意味する。当業者には理解されるところであるが、可能な基層の数は非常に大きい。可能な基層には、ガラスおよび改変または官能基を有するガラス、プラスチック(アクリル、ポリスチレンおよびスチレンと他の材料のコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタン、テフロン(登録商標)などを含む)、多糖類、ナイロンもしくはニトロセルロース、樹脂、シリカもしくはシリカ系材料(シリコンおよび改変シリコンを含む)、炭素、金属、無機ガラス、プラスチック、光ファイバーの束、および多様な他のポリマーが含まれるが、ただしこれらに限定されない。一般的に、基層は光学的検出を可能にし、さらにそれ自体認識されるほどに蛍光性であってはならない。
アレーにアプリコンを添加し洗浄しさらに検出する方法は周知である。したがって、本発明の組成物は多様な研究、臨床、品質管理、野外検査設定で用いることができる。
【0161】
好ましい実施態様では、本発明はPCR反応の定量で有用である。したがって、本発明は、核酸サンプル中の1つまたは2つ以上の核酸配列の数を定量する方法を提供する。前記方法は、検出される生成物が最初の鋳型配列の量と正比例して存在するかぎり、上記で述べたいずれかの方法と同様であろう。これは、例えばその方法が鋳型DNAとのハイブリダイゼーション工程、プローブの環状化、プライマーの伸長および伸長生成物の検出を含む場合である。好ましい実施態様では、前記方法はさらに増幅工程を含み、前記増幅工程は制御された増幅である。これは、例えばPCR増幅を用い、さらにPCR反応を指数関数期に停止させる場合である。この状況での増幅生成物の量は、核酸サンプル中の最初の配列の量に正比例するであろう。したがって、好ましい実施態様では、いくつかの増幅反応を並行して実施し、それら反応の各々で異なる増幅サイクル回数を用いる。これによって、反応の少なくとも1つが指数関数期に停止することを担保できるであろう。
【0162】
サンプル中の特定配列の数を定量する方法では、ある種の状況でマーカー核酸を包含することがまた所望されるであろう。マーカー核酸はハイブリダイゼーション段階またはその後の任意の段階で反応に添加され、さらに同じ反応に付すか、または別の反応に付すことができる。また別には、マーカーDNAは、単に増幅生成物の量を増幅工程の最後に決定するために用いられる。
遺伝子型決定のための方法および定量のための方法は、増幅生成物の量がサンプル核酸中の最初の配列の量に正比例するようにプロセスが制御されるかぎり、同時に用いることができる。
【0163】
本発明の方法にしたがって検出される核酸の変型(すなわち遺伝的変型)には、核酸サンプル中の1つまたは2つ以上の連続的または非連続的ヌクレオチドにおける変型が含まれる。これら変型は一核酸分子(例えば染色体)に存在していても、またはいくつかの核酸分子に存在していてもよい。本発明は特に、可変性ゲノム領域、例えば多形性領域の対立遺伝子の正体(本明細書ではまた“多形成領域の対立遺伝子変種”とも称する)を決定するために用いることができる。これは、(新規な可変性領域の発見とは対照的に)異なる個体はいくつかの可能な対立遺伝子の1つをもつことができるということが以前に確立された状況である。一般的には、本発明の方法は、ヌクレオチドの挿入、欠失、置換、染色体の転座および他の遺伝子病巣または変型を検出することができる。
【0164】
典型的な可変領域にはSNPが含まれる。ある種のSNPは2つの対立遺伝子をもち、他は3つの対立遺伝子をもち、また他のものは4つの対立遺伝子を有する。SNPの存在は、例えば一定の集団、疾患または疾患の傾向の指標であるかもしれない。
他の可変性領域には、2つ以上のヌクレオチド(多形性領域であってもよい)、単純配列リピート(SSR)、短い縦列リピート(STR)、およびミクロサテライトリピート(MR)が含まれる。
別の実施態様では、本発明の方法は、微生物(例えば哺乳類に感染する病原体)の検出および同定を可能にする。したがって、本発明は、例えばヒトに感染するウイルスの特定の株、例えばとりわけヒト免疫不全ウイルス、またはパピローマウイルス(HPV)の特定株の同定に用いることができる。微生物株ではしばしば互いに数ヌクレオチドが相違し、一方それらの残りのゲノムは同一である。したがって、プローブは、保存領域を認識し、特定の可変ヌクレオチドを同定するように作製できる。
【0165】
例えば、極めて広範囲の感染性疾患が本発明の方法によって検出できる。典型的にはこれら疾患は細菌、ウイルス、寄生虫および真菌感染体によって惹起される。種々の感染体の薬剤に対する耐性もまた本発明を用いて決定できる。
本発明によって検出できる細菌感染体には、大腸菌、サルモネラ、赤痢菌、クレブシーラ、シュードモナス、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、ヒト結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、トリ結核菌(Mycobacterium aviumintra −cellulare)、エルジニア、フランシセラ、パスツレラ、ブルセラ、クロストリジア、百日咳菌(Bordetella pertussis)、バクテロイデス、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)、β型溶血連鎖球菌、コリネバクテリウム、レジオネラ、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、クラミジア、淋菌(Neisseria gonorrhea)、髄膜炎菌(Neisseria meningitides)、インフルエンザ菌(Hemophilus influenza)、エンテロコッカス=フェカーリス(Enterococcus faecalis)、プロテウス=ブルガーリス(Proteus vulgaris)、プロテウス=ミラビリス(Proteus mirabilis)、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、梅毒トレポネーマ(Treponema palladium)、ヒトライム病菌(Borrelia burgdorferi)、回帰熱ボレリア菌(Borrelia recurrentis)、リケッチア病原体、ノカルジア、および放線菌が含まれる。
【0166】
本発明によって検出できる真菌の感染体には、クリプトコッカス=ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、ブラストマイセス=デルマチチディス(Blastomyces dermatitidis)、ヒストプラズマ=カプスラツム(Histoplasma capsulatum)、コクシディオイデス=イムミチス(Coccidioides immitis)、パラコクシディオイデス=ブラジリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、鵞口瘡カンジダ、アスペルギルス=フミガウツス(Aspergillus fumigautus)、藻菌類(クモノスカビ属)、スポロトリクス=シェンキー、色素酵母菌症原因菌および菌腫原因菌が含まれる。
本発明によって検出できるウイルス感染体には、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス、肝炎ウイルス(例えばB型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス)、エプスタイン=バーウイルス、サイトメガロウイルス、ヒトパピローマウイルス、オルトミクソウイルス、パラミクソウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、ラブドウイルス、ポリオウイルス、トガウイルス、ブンヤウイルス、アレーナウイルス、ルベラウイルスおよびレオウイルスが含まれる。
【0167】
本発明によって検出できる寄生虫体には以下が含まれる:熱帯熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、回旋糸状虫(Onchoverva volvulus)、リーシュマニア、トリパノソーマ、住血吸虫、赤痢アメーバ、クリプトスポリジウム、ジアルジア、トリコモナス、大腸バランチジウム、バンクロフト糸状虫、トキソプラズマ、エンテロビウス=ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)、回虫、ヒト鞭虫、メジナ虫、吸虫類、広節裂頭条虫、テニア属条虫、ニューモシスチス=カリニ(Pneumocystis carinii)およびアメリカ鉤虫(Nacator americanis)。
本発明はまた感染体の薬剤耐性の検出に有用である。例えば、バンコマイシン耐性エンテロコッカス=ファエシウム(Enterococcus faecium)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、多剤耐性ヒト結核菌およびAZT耐性ヒト免疫不全ウイルスは全て本発明で特定できる。
【0168】
遺伝的疾患もまた本発明の方法によって検出できる。前記は、染色体および遺伝子異常について、または遺伝疾患について、出生前または出生後スクリーニングによって実施できる。検出可能な遺伝的疾患の例には以下が含まれる:21ヒドロキシラーゼ欠損、嚢胞性線維症、脆弱X症候群、ターナー症候群、デュシェンヌ筋ジストロフィー、ダウン症候群または他のトリソミー、心疾患、一遺伝子疾患、HLA型、フェニルケトン尿症、鎌状赤血球貧血、テイ=サックス症、サラセミア、クラインフェルター症候群、ハンチントン病、自己免疫疾患、リピドーシス、肥満障害、血友病、先天性代謝異常および糖尿病。
【0169】
本発明の方法によって検出できる癌は一般的にオンコジーン、腫瘍抑制遺伝子、またはDNA増幅、複製、組換えもしくは修復に必要な遺伝子を含む。前記遺伝子の例には、BRCA1遺伝子、p53遺伝子、APC遺伝子、Her2/Neu増幅、Bcr/Ab1、K−ras遺伝子およびヒトパピローマウイルス16型および18型が含まれる。本発明の種々の特徴を用いて、下記の一般的なヒトの癌における前記遺伝子の増幅、大きな欠損の他にも点変異および小さな欠失/挿入を特定できる:白血病、大腸癌、乳癌、肺癌、前立腺癌、脳腫瘍、中枢神経系腫瘍、膀胱腫瘍、メラノーマ、肝臓癌、骨肉腫および他の骨の癌、精巣および卵巣の癌、頭部および頸部の腫瘍、および子宮頸部の新生物。
【0170】
環境モニタリング領域では、本発明は、天然または人為的生態系、並びにミクロコスモス、例えば地方自治体の排水浄化システムおよび貯水槽またはバイオ作用により修復中の汚染地域における病原性および土着微生物の検出、同定およびモニタリングに用いることができる。さらにまた、外来生物薬剤を代謝することができる遺伝子を含むプラスミドの検出、集団動態研究における特定の標的微生物の追跡、または遺伝的に改変された微生物の環境内または工業プラント内における検出、同定または追跡も可能である。
本発明はまた、多様な法医学分野(軍関係職員および犯罪捜査のための人物特定、親子鑑定および家族関係分析を含む)、HLA適合型、および血液、精子または移植器官の汚染に対するスクリーニングでも用いることができる。
【0171】
食品および飼料工業で本発明は広く利用される。例えば、本発明は、生産生物、例えばビール、ワイン、チーズ、ヨーグルト、パンなどの製造用酵母の同定および性状分析に用いることができる。また別の使用領域は、品質管理および夾雑物についての製品および行程(例えば家畜、滅菌および肉の加工)の認証に関する。他の使用には、育種を目的とする植物、球根および種子の性状分析、植物特異的病原体の有無の認定、並びに獣医領域の感染症および動物交配プログラムにおける検出および特定が含まれる。
以下の実施例は、上記に述べた発明の使用態様をより完全に説明するとともに、本発明の種々の特徴を実施するための最良の態様を説明するために供される。これら実施例は本発明の範囲を限定するために供されるのではなく、例示を目的として提示されることは理解されよう。本明細書に引用した全ての文献は参照により本明細書に含まれる。
【0172】
【実施例】
実施例1:1ヌクレオチドが異なる2つの鋳型の識別
本実施例は、1ヌクレオチドが異なる2つの核酸を、PCR増幅前に前記核酸にオリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせることによって識別することができることを示す。
8つの反応を平行して実施した。前記反応では、互いに1ヌクレオチドが異なる2つの鋳型DNA(ここでは“SNP”と称する)の1つを2つのオリゴヌクレオチドプローブの存在下または非存在下でインキュベートした。種々の組み合わせが表1に示されている。鋳型DNAS7は600bpの長さの二本鎖DNAでビール酵母菌(S. cerevisiae)S288C株から増幅され、ヌクレオチド配列5´ATCTCGGGATATCAGACTTAGCGGACCGTCCTCACCG3´(配列識別番号:10)を含み;鋳型DNAY7は600bpの長さの二本鎖DNAでビール酵母菌YJM789株に由来し、ヌクレオチド配列5´ATCTCGGGATATCAGACTTAGCGGACCGTCCTCACCG3´(配列識別番号:11)を含む。2つの鋳型DNAは下線部のヌクレオチドを除いて同一である。
【0173】
オリゴヌクレオチドプローブ“S”(Y2:L:S288Cとも称される)は、ヌクレオチド配列、5´CCGCTAAGTCTGATATCCCGAGAT/GTCCACGAGGTCTCTAGTC/GACCTGCAGCGTACG/CGGACCTCAAGTGAAGTACA/CGGTGAGGACGGT/G3´(配列識別番号:12)を有し;さらにオリゴヌクレオチドプローブ“Y”(Y2:L:yjm789とも称される)は、ヌクレオチド配列、5´CCGCTAAGTCTGATATCCCGAGAT/GTCCACGAGGTCTCTAGTC/GACCTGCAGCGTACG/CGGACCTCAAGTGAAGTACA/CGGTGAGGACGGT/A3´(配列識別番号:13)を有する。プローブ配列中の“/”はプローブの別個の部分、すなわち相同性1/プライマー1/プライマー2/バーコード/相同性2/SNPを示す。前記オリゴヌクレオチドプローブYはプローブSと同一であるが、ただしもっとも3´側の塩基は、鋳型DNAY7のSNPヌクレオチドと相補的であることは除かれる。
表1:種々の反応の内容
Figure 2004528016
【0174】
反応当たり8μLの5×Tthリガーゼ緩衝液(Marsh Biomedical, Rochester, New York)、0.32μLのTthリガーゼ(Marsh Biomedical, Rochester, New York)および29.7μLの水を混合してリガーゼミックスを調製した。リガーゼミックス38μLに、1μLの鋳型DNA(10pmol/μL)を添加した。反応物を55℃で60分インキュベートして鋳型DNAとプローブをハイブリダイズさせ、前記オリゴヌクレオチドプローブの3´と5´末端を連結した。前記反応物の12.5μLに続いて37.5μLのPCRミックスを添加した。前記PCRミックスは反応当たり以下を混合して調製した:5μLの10×Taqゴールド緩衝液(PE Biosystems, Foster City, CA);6μLのdNTP(1.25mM);0.2μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5ユニット/μL(PE Biosystems, Foster City, CA);1μLのプライマーp1BAR(10pmol/μL);1μLのプライマーP2(10pmol/μL);および24.3μLの水。前記プライマーp1Barはヌクレオチド配列、5´GACTAGAGACCTCGTGGAC3´(配列識別番号:1)およびプライマーP2はヌクレオチド配列、5´GACCTGCAGCGTACG3´(配列識別番号:2)を有する。続いて、前記反応物を95℃で10分インキュベートして鋳型を変性させ、さらに続いて95℃20秒;57℃(各サイクルで0.5℃ずつ低下させる)で1分を14サイクル、さらに続いて95℃20秒;50℃で45秒を16サイクル実施し、続いて4℃でインキュベートした。
【0175】
続いて、増幅生成物の各々20μLを2重量/容積%のアガロースゲルで電気泳動に付し、増幅生成物を臭化エチジウム染色およびUV光で可視化した。結果は、プローブが、鋳型DNAに存在するSNPヌクレオチドと相補的なSNPヌクレオチドを含む反応生成物を含むレーンには約100ヌクレオチドのバンドが存在するが、他のレーンには存在しないことを示した。したがって、プローブSは鋳型DNAS7のSNPを識別し、プローブYは鋳型DNAY7のSNPを識別する。鋳型DNAS7とプローブYを含む反応混合物、または鋳型DNAY7とプローブSを含む反応混合物から生成物は増幅されない。
したがって、本実施例は、ハイブリダイゼーション、連結およびそれに続くPCR増幅を含む方法によるSNPの認識を示している。
【0176】
実施例2:“ギャップ”充填によるSNPの特定
本実施例は、ヌクレオチドが何であるか(例えばSNP)を決定する方法を述べる。前記方法は、ポリメラーゼ、リガーゼおよび4種のヌクレオチドの1つを含む4つの反応物にオリゴヌクレオチドプローブを添加することを含む。
4つの異なるSNPを一重処理反応でテストした。16の反応を平行に実施し、この反応では、4種のDNA鋳型の各々を4つのプローブの各々とインキュベートした。本実施例では、鋳型DNAはビール酵母菌由来の36から42塩基のオリゴヌクレオチドであった。種々の組み合わせは表2に示されている。鋳型およびプローブのヌクレオチド配列は以下のとおりである(プローブの構造は相同性1/プライマー1/プライマー2/バーコード/(+/−DraI)/相同性2として表示されている):
鋳型DNA、Y1:TOS:Tは、
5´ACATTTAGATCTGCAGTTTCTAATATGAATTCAGTGGAAAAT3´(配列識別番号:14);
鋳型DNA、Y2:TOS:Cは、
5´TCGGGATATCAGACTTAGCGGCACCGTCCTCACCGT3´(配列識別番号:15);
鋳型DNA、Y3:TOS:Aは、
5´GATCAAATGCGACCATATTCATCAAACTTATAGGCG3´(配列識別番号:16);
鋳型DNA、Y5:TOS:Gは、
5´CCAGTCCCTTGAGTTCGCGAATAGTAATTTTGGTGATACCTG3´(配列識別番号:17);
プローブ、Y1:PL:119:31(またSNP1とも称される)は、
5´GAAACTGCAGATCTAAATGTACC/UGTCCACGAGGTCTCTAGTC/TGTAAAACGACGGCCAGTU/GCTGGAGTTCGCACGCTATA/ATTTTCCACTGAATTCATATT3´(配列識別番号:18);
プローブ、Y2:PL:C:119:55(またSNP2とも称される)は、
5´CCGCTAAGTCTGATATCCCGAGAT/UGTCCACGAGGTCTCTAGTC/TGTAAAACGACGGCCAGTU/CAAAGGTGGAGCTGCACACT/TTTAAA/ACGGTGAGGACGGT3´(配列識別番号19);
プローブ、Y3:PL:C:119:131(またSNP3とも称される)は、
5´ATGGTCGCATTTGATCGAG/UGTCCACGAGGTCTCTAGTC/TGTAAAACGACGGCCAGTU/GCCTGGGTTACGTGTCTACT/TTTAAA/CGCCTATAAGTTTGATGAA3´(配列識別番号:20);および
プローブ、Y5:PL:119:167(またSNP5とも称される)は、
5´GCGAACTCAAGGGACTGGTAC/UGTCCACGAGGTCTCTAGTC/TGTAAAACGACGGCCAGTU/GCAATATGTAACTCTCTGGG/CAGGTATCACCAAAATTACTATT3´(配列識別番号:21)。
【0177】
表2:種々の反応の内容
Figure 2004528016
Figure 2004528016
Figure 2004528016
Figure 2004528016
【0178】
反応当たり2μLのpfuリガーゼ緩衝液(Stratagene, San Diego, CA);0.1mμLの鋳型オリゴヌクレオチド(400fmol/μL);0.4μLのプローブオリゴ(また“バーコードオリゴ”とも称される)(10pmol/μL);および17.5μLの水を混合してDNAミックスを調製した。DNAは、前記の反応物を95℃で5分間インキュベートして変性させた。続いて、前記反応物を65℃で1時間インキュベートして核酸をアニールさせた。鋳型の最終濃度は40フェムトモル/反応で、プローブオリゴのそれは4ピコモル/反応であった。各反応に、予め加温した(65℃で1分)20μLのポリメラーゼ/リガーゼ/dNTPミックスを添加した。前記ミックスは反応当たり以下を混合して調製した:2μLの10×pfuリガーゼ緩衝液(stratagene, San Diego, CA);2μLのdNTPの1種(1mM);0.05μLのTaqDNAポリメラーゼストッフェルフラグメント(10ユニット/μL)(PE Biosystems, Foster City, CA);1μLのpfuリガーゼ(4ユニット/μL)(stratagene, San Diego, CA);および14.95μLの水。40μLの前記反応物を65℃で10分インキュベートした。
【0179】
続いて、鋳型DNAを以下のようにローリングサイクル増幅に付した。4μLの上記反応物を32μLのRCAミックス(予め65℃で10分加温)に添加した。RCAミックスは以下を混合して調製した:4μLの10×Vent緩衝液(New England Biolabs, Beverly, MA);2μLのDMSO;6.4μLのVentDNAポリメラーゼExo−(2ユニット/μL)(NEB);0.36μLのRCAプライマー(100pmol/μL);0.93μLのT4遺伝子32タンパク質(1.7mg/mL)(USB);0.4mLのMgSO(100mM);および17.91μLの水。RCAプライマーのヌクレオチド配列は、その5´末端にプライマー2の配列の一部分との相補物を含みその後にプライマー1の配列が続き、さらにヌクレオチド配列5´GTCGTTTTACAGACTAGAGACCTCGTGGAC3´(配列識別番号:22)を有する。続いて反応物を92℃で3分インキュベートし(熱変性)、その後、4μLの予め加温したdNTPミックス(4種全てのヌクレオチド4mMを含む)を添加し、さらに反応物を65.5℃で4.5時間インキュベートした。この増幅によって、5´末端にRCAプライマーを有し、その後に残りの部分プライマー2−プライマー1−HR1−HR2−タグ−プライマー2−[プライマー1−HR1−HR2−タグ−プライマー2−]nが続く長い鎖が合成された。
【0180】
前記PCR増幅行程の場合、上記反応物の各々1μLを19μLのPCRミックスと混合することによって、各々の鋳型/プローブの組合せに対して2つの反応を実施した。PCRミックスは反応当たり以下を含む:2μLの10×Taqゴールド緩衝液(PE Biosystems, Foster City, CA);0.75μLのdNTP(4.0mM);0.15μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5ユニット/μL)(PE);0.16μLのP1barプライマー(配列識別番号:1)(100pmol/μL);0.16μLのM13プライマー(すなわちプライマー2)(100pmol/μL);2μLのMgCl(25mM);および13.78μLの水。M13プライマーのヌクレオチド配列は、5´TGTAAAACGACGGCCAGT3´(配列識別番号:3)である。PCR反応物は95℃で5分間変性させ、続いて95℃で20秒および50℃で1分を15または25サイクルさせた。
【0181】
続いて、各反応物20μLを2%アガロースでゲル電気泳動に付し、実施例1で述べたように生成物を可視化した。結果は、異なるdNTPをそれぞれ含む4つの反応の各々において、DNA中のSNPに相補的なdNTPを含む増幅生成物が得られることを示した。例えば、SNPヌクレオチドとしてチミジンを含むプローブにdATPが添加された反応では、dCTP、dGTPまたはdTTPが添加された反応と比較してより多くの増幅生成物が検出された。
したがって、本実施例は、プローブと核酸とのハイブリダイゼーション、重合化および連結反応を介して固有のdNTPを付加することによるギャップの充填、プライマーの伸長、連結、PCR増幅;並びに増幅生成物の検出を含む、核酸内のヌクレオチドを特定する方法を示す。
【0182】
実施例3:ビオチン−ストレプトアビジンを用いるランオフ生成物の捕捉によるバックグラウンドの抑制
本実施例は、PCR増幅時に非連結オリゴプローブによって開始される伸長反応により生じるバックグラウンドを抑制するために用いられるビオチン捕捉クリーンアップ方法を示す。ビオチン化プライマーを用いて連結プローブの第一のコピーを生成する。このコピーをストレプトアビジン被覆磁性ビーズで捕捉し、一方、他の全ての分子を洗い流す。続いて前記捕捉コピーをPCR反応で増幅する。
鋳型DNAおよびプローブは実施例1で用いられるものと同一であった。すなわち、用いられる2つの鋳型DNAは、それぞれ配列識別番号:10および11を含むS7およびY7と称する600bpのアンプリコン(互いに1ヌクレオチドが異なっている)であり、さらに2つのプローブSおよびYはそれぞれ配列識別番号:12および13を有していた。
【0183】
鋳型およびプローブの種々の組み合わせは表3に示す。
表3:反応混合物の成分
Figure 2004528016
Figure 2004528016
2つのバーコードオリゴミックスは(各バーコードオリゴの1つについて)、20μLの5×Tthリガーゼ緩衝液;15μLのバーコードオリゴヌクレオチドSまたはY(10pmol/μL);および62.5μLの水を混合することによって調製し、このミックスの19.5μLを8本の細管に加えた。各細管に0.5μLの対応するPCR鋳型S7およびY7(0.004μg/μL)を加えた。最終バーコードおよび鋳型量は、反応当たりそれぞれ30ピコモルおよび40フェムトモルであった。
【0184】
36μLの5×Tthリガーゼ緩衝液および135μLの水を混合して調製した21.5μLのリガーゼミックスを細管3および6(リガーゼ無しの反応)に加えた。3.5μLのTthリガーゼ(50ユニット/μL、Marsch Bio.)を残りのリガーゼミックスに加え、このミックスの21μLを残りの管に加えた。前記の管を65℃で1分加温し、各管の20μLをDNAを含む細管の各々に加えた。各反応の容積は40μLであった。
ビオチン化P1Barプライマーは、前記が5´ビオチンを用いて合成されたことを除いてP1barプライマー(配列識別番号:1)と同一である。
【0185】
ローリング増幅の場合、伸長ミックス(RCAミックス)は以下を混合することによって調製した(20反応用):40μLの10×vent緩衝液;20μLのDMSO;64μLのVentDNAポリメラーゼexo−(2ユニット/μL)(NEB);3.6μLのP1barビオチンプライマー(配列識別番号:1)(100pmol/μL);9.3μLのT4遺伝子32タンパク質1.7m/mL;4μLのMgSO(100mM);4種のdNTPの各々(4mM)の40μL;および179.2μLの水で最終容積360μLを得る。18μLのRCAミックス(65℃で1分予備加温)を2μLの上記反応物に加え、65℃で2.5分インキュベートした。これによって、8本の管の各々がTaqおよびVent伸長ビオチンP1barプライマーを得た。
【0186】
ビオチン化ランオフ生成物はストックダイナビーズ(Dynabead)(10μg/μL)を用いて単離した。前記ビーズは、10μLのストックを用いて20ピコモルのビオチン化オリゴを捕捉できる。各反応管から40μLのうち20μLをとり、以下のようにダイナビーズで捕捉させた:ストックビーズを先ず2MのNaCl緩衝液(サンプルと同じ容積の緩衝液を用いる)で3回洗浄した;サンプルと洗浄ビーズの等容積を混合して最終1MのNaClミックスを得た;このミックスを4℃で15分1400rpmで遠心分離した;ビーズを2回100μLのNaCl緩衝液で洗浄し、続いて2回蒸留水100μLで洗浄した(ピペッティングではなく軽くタップして洗浄);ビーズを50mMのNaOH50μL中に再懸濁し、室温で5分インキュベートした;上清(0.5MのHClで調和することができる)を除去した;ビーズを最初のサンプル容積(例えば20μL)に1×TEを用いて再懸濁させた。
【0187】
PCRミックスは以下を混合して調製した:48μLの10×Taqゴールド緩衝液;18μLのdNTP(4.0mM);3.84μLのP1Barプライマー(配列識別番号:1)(100pmol/μL);3.84μLのM13プライマー(配列識別番号:3)(100pmol/μL);48μLのMgCl(25mM);および330.7μLの水で総容積456μLを得る。ビーズスラリー反応物の1.0μLを19μLのPCRミックスに添加し、95℃で5分間変性させ;さらに以下のように30または40サイクルのPCRに付した:95℃で20秒および60℃で1分。
続いて各反応物の20μLを2%アガロースで電気泳動に付し、先の実施例で述べたように可視化した。結果は、より多くの増幅生成物は、プローブが鋳型DNAと完全にマッチし、さらにリガーゼを加えられた反応(すなわち反応2および5)で得られることを示した。さらに、ランオフ生成物のビーズ上での単離はより完全な増幅を可能にする。
【0188】
実施例4:増幅前のウラシル−N−グリコシラーゼでのプローブの消化によるバックグラウンドの抑制
PCR時に非連結オリゴヌクレオチドプローブから伸長の結果として生じるバックグラウンドを抑制するまた別の方法は、PCR増幅前に非連結プローブをウラシル−N−グリコシラーゼで消化することである。非連結オリゴヌクレオチドプローブのウラシル−N−グリコシラーゼ(また“UNG”とも称される)による消化によって、プローブは3つのフラグメントに分断され、前記フラグメントはPCRバックグラウンドとなるアンプリコンの生成をもはや開始させることができない。
本実施例は、ランオフ生成物のビオチン単離クリーンアップ方法の比較としてウラシル−N−グリコシラーゼを用いる方法を述べる。
【0189】
鋳型DNAおよびプローブは実施例3で用いたものと同じで(これらのオリゴヌクレオチドは表示の位置にU塩基を用いて合成されたことに留意されたい)、さらに種々の組み合わせもまた同じであった(表3)。本実施例では、Tthリガーゼの代わりにpfuリガーゼを用いた。
2つのバーコードオリゴミックス(各バーコードオリゴについて1つ)は以下を混合して調製した:10μLの5×Tthリガーゼ緩衝液;15μLのバーコードオリゴヌクレオチドS(配列識別番号:12)またはY(配列識別番号:13)(10pmol/μL);および72.5μLの水。このミックス19.5μLを8本の細管に加えた。各細管に、それぞれのPCR鋳型S7またはY7(0.40μg/μL)の0.5μLを添加した。最終バーコードおよび鋳型量は、反応当たりそれぞれ30ピコモルおよび40フェムトモルであった。
【0190】
反応混合物(DNAを含む)を95℃で5分間変性させ、さらに65℃で15分間アニールさせた。24μLの10×pfuリガーゼ緩衝液と204μLの水を混合して調製したリガーゼミックス23.75μLを細管3および6に加えた。10μLのpfuリガーゼ(4U/μL)(Stratagene)を残りのミックス204.25μLに加えた。各管(3および6を除く)に、20μLのリガーゼミックス(予め65℃1分加温)を加え、反応物を65℃で10分間インキュベートした(連結反応)。最終反応容積は40μLであった。
2μLの連結反応物を18μLの伸長ミックスに添加した。前記伸長ミックスは以下を混合して調製した:40μLの10×Taqゴールド緩衝液;15μLのdNTP(各々4mM);3μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5U/μL)(P.E.);3.2μLのビオチンRCAP1Barプライマー(5´GTCGTTTTACAGACTAGAGACCTCGTGGAC3´(配列識別番号:28))(100pmol/μL)(実施例3と同じ);40μLのMgCl(25mM);および258.8μLの水を加えて最終容積360μLのPCR反応ミックスを得た。続いて前記反応物を95℃で10分間インキュベートし、Taqゴールドを活性化するとともに連結された生成物を変性させた。続いて反応物1セットを65℃で2分間インキュベートし、もう一方のセットも同様にインキュベートした。前記の1セットの反応物を続いて65℃で15分インキュベートし生成物をランオフさせ、もう一方のセットは65℃でインキュベートしなかった(非ランオフコントロール)。これによって、Taqによって伸長されたビオチンRCAプライマーを含む2×8本の管ができた。RCAビオチンプライマーはP1プライマーの5´末端に付加された配列を含み、ビーズがPCR反応を立体的に妨害する場合に、前記プライマーとビーズとの間の距離を増すために用いられた。
【0191】
2つのPCRミックスを実施例3で述べたように調製し、さらに反応当たり1μLのウラシル−N−グリコシダーゼ(PE Biosystems, Foster City, CA)を添加したものおよびしないものを作製した。1.0μLの伸長反応物を19μLのPCRミックスに添加し;95℃で5分間変性させ;さらに95℃で20秒および64℃で1分のPCRサイクルの25サイクルを実施した。さらにまたコントロールとして、連結反応物の1:10希釈物(伸長無し)を19μLのPCRミックスに添加し、95℃で5分間変性させ、さらに95℃で20秒および64℃で1分のPCRサイクルを25サイクル実施した。
続いて各反応物の20μLを2%アガロースの電気泳動に付し、先行実施例で述べたようにバンドを可視化した。結果は、伸長無しのコントロールでは、プローブのUNG消化によって全てのバックグラウンドは排除されることを示している(レーン1、3、4、6、7、8)。さらに、前記コントロールは、特異的なシグナルもまた伸長工程無しに排除されることを示し(レーン2および5)、したがって最初のプローブはUNGによって分解され、伸長はシグナルに必要であることが確認された。本伸長実験は、UNGはバックグラウンドを排除するが(レーン1、3、4、6、7、8)特異的シグナルは排除しない(レーン2および5)ということを示している。
【0192】
実施例5:アピラーゼによるバックグラウンドの抑制
バックグラウンドシグナルのまた別の供給源は、種々の試薬(例えばリガーゼおよび鋳型調製物)中の夾雑ヌクレオチドに由来する。これらの夾雑ヌクレオチドは、たとえ付加されたヌクレオチドが被検SNPと相補的でなくともポリメラーゼ−リガーゼ工程でシグナルを生じる。このバックグラウンド供給源を排除するために、アピラーゼ(ヌクレオチドを分解する酵素)を全ての試薬に反応組み立て時に添加した。DNA変性工程の前に、夾雑ヌクレオチドを20℃でインキュベートして分解した。アピラーゼは変性およびアニーリング工程の間に熱により不活化され、その結果、後で添加される特異的なヌクレオチドは分解されない。
実施される種々の反応は表4に要約する。
【0193】
表4:種々の反応の成分
Figure 2004528016
Figure 2004528016
Figure 2004528016
Figure 2004528016
3つの鋳型/バーコードミックスを、各々6μLの10×pfuアンプリガーゼ緩衝液中で以下を混合して調製した:1.8μLのバーコードオリゴ(配列識別番号:19に示す配列を有する);3μLのPCR鋳型(配列識別番号:10のS7、配列識別番号:11のY7または水)(前記鋳型は実施例1で用いたものと同じである);49.2μLの水を加えて最終容積60μLを得る。各々12μLを管に分注した。
【0194】
12μLのリガーゼミックスを16本の細管に分注した。前記ミックスは表5に示すように種々の反応用に調製し、さらにリガーゼ希釈物は、5μLの10×アンプリガーゼ緩衝液を44.33μLの水および0.67μLのアンプリガーゼ(5U/μL)を混合して調製し、0.067U/μLのアンプリガーゼを含む溶液を得た。
表5:リガーゼミックスの調製
Figure 2004528016
A:10×アンプリガーゼ緩衝液
B:アンプリガーゼ希釈物
C:TaqDNAポリメラーゼストッフェルフラグメント10U/μL
D:アピラーゼ50mU/μL
【0195】
前記バーコード/鋳型ミックスは95℃で5分間変性させ、65℃で15分間アニールさせた。8μLのリガーゼミックスを前記アニールさせたDNAミックスに添加した。続いてこれらを20℃で2分インキュベートした。さらに前記バーコード/鋳型ミックスを95℃で5分変性させ、65℃で15分アニールさせた。温度を65℃に上昇させ、2μLのdXTP(1mM)を適切な管に添加し、その後、それらを65℃で10分インキュベートした。最終反応容積は20μLであった。酵素リガーゼの最終濃度は、リガーゼ反応物中で0.00042U/μL(全量0.0084U)であった。最終バーコード濃度は0.015ピコモル/μLで最終鋳型濃度は約2フェムトモル/μLであった。(この工程の順序を確認されたい。)
【0196】
2μLの各連結反応物を18μLのPCR伸長ミックスに添加した。前記伸長ミックスは下記を混合して調製した:85μLの4×E/U緩衝液(4×Taqゴールド緩衝液;3.2pmol/μLのP1barプライマー(配列識別番号:1);10mMのMgCl;0.6mMのdNTP);2.55μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(P.E. Biosystems, Foster City, CA)(5U/μL);および218.5μLの水を添加して最終容積306μLを得た。前記反応物を95℃で10分間インキュベートして連結生成物を変性させるとともに、Taqゴールドを活性化させた。続いて反応物を65℃で2分インキュベートしてランオフさせた。
【0197】
UNGクリーンアップおよび増幅は以下のように実施した。各反応物(20μL)に20μLのUNG/PCRミックスを添加した。前記ミックスは以下を混合して調製した:85μLの4×E/U緩衝液;2.55μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(PE)(5U/μL);17μLのUNG(1U/μL、PE Biosystems, Foster City, CA);5.44μLのM13プライマー(配列識別番号:3)(100pmol/μL);および230μLの水を加えて最終容積340μLを得た。前記反応物を37℃で20分インキュベートし、続いて95℃で5分間熱変性させた。PCRは以下の33サイクル実施した:95℃20秒および60℃1分。
【0198】
増幅生成物は先行実施例と同じように分析した。結果は、反応物にアピラーゼが存在することによってバックグラウンド増幅が大きく低下することを示した。これは例えば最初の4つのレーン、3および4を比較することによって認められる:dCTP(鋳型DNA中のSNPと相補的でないヌクレオチド)を含む管にアピラーゼが存在しないことによってバンドが生じ、一方、同じ反応でアピラーゼが存在することによってバンドは生じない。比較すれば、最初の2つのレーン[dATP(鋳型DNA中のSNPと相補的なヌクレオチド)を用いて実施された反応を示す]では、アピラーゼの有無は観察されるシグナルに影響を与えない。したがって、シグナルは特異的であり、バックグラウンド増幅から生じたものではないことを示している。したがって、アピラーゼの使用はバックグラウンド増幅を減少させることができる。
【0199】
実施例6:一反応での2つのSNPの検出
本実施例は、2つのSNPを同時に検出する反応例を述べる。アピラーゼを用いるバックグラウンド減少方法、およびウラシル−N−グリコシラーゼ消化、または伸長生成物のビオチン捕捉が包含される。
鋳型およびプローブの組み合わせは表6に示されている。DNA鋳型はビール酵母菌から増幅された600bpのDNAフラグメントであった。鋳型S7(配列識別番号:10)は実施例1に記載されている。鋳型S37は600bpの長さの二本鎖DNAでビール酵母菌S288C株から増幅され、ヌクレオチド配列、5´CCAGTCCCTTGAGTTCGCGAATAGTAATTTTGGTGATACCTG(配列識別番号:179)を含んでいる。バーコードオリゴヌクレオチドはSNP2(配列識別番号:19)およびSNP5(配列識別番号:21)である。
【0200】
表6:反応の成分
Figure 2004528016
DNA鋳型/プローブ反応混合物は表7に示すように調製した。表に挙げた酵素ミックスは以下を混合して調製した:154.3μLの水;22μLの10×アンプリガーゼ緩衝液;2.2μLのアピラーゼ(50mU/μL);1.38μLのアンプリガーゼ希釈物(5μLの10×アンプリガーゼ緩衝液、44.33μLの水および0.67μLのアンプリガーゼ(5U/μL);および0.55μLのTaqDNAポリメラーゼストッフェルフラグメント(10U/μL)。
【0201】
表7:DNA/酵素ミックスの成分
Figure 2004528016
18μLの前記ミックスを細管に分注した。前記反応物を20℃で4分間インキュベートし、潜在的夾雑ヌクレオチドdXTPを分解させた。続いて反応物を95℃で5分間加熱し、さらに65℃で15分間インキュベートしてアニールさせた。表6に示したように対応する0.1mMのdXTP、2μLを前記反応物に添加し、さらに反応物を65℃で10分間インキュベートした(連結反応)。前記連結反応(20μL)で、最終バーコード濃度は0.015ピコモル/μLであり、鋳型は約2フェムトモル/μLであった。連結反応中の最終リガーゼ濃度は0.00042U/μLであった(全量0.0084U)。
【0202】
6μLの連結反応物を54μLの伸長ミックス(95℃で1分間予備加温)に添加した。伸長ミックスは以下を混合して調製した:54μLの10×Taqゴールド緩衝液;4.05μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5U/μL);64.8μLのdNTP(各々1.25mM);54μLのMgCl(25mM);4.32μLのP1BAR(配列識別番号:1)ビオチンプライマー(100pmol/μL);および101.61μLの水。
前記反応物を95℃で10分間インキュベートして連結された生成物を変性させるとともに、Taqゴールドを活性化させ、続いて55℃から79℃の勾配で2分インキュベートしてランオフさせた。続いて反応物を4℃に冷却した。
【0203】
以下の三通りのクリーンアップを実施した:UNGクリーンアップ、低ストリンジェンシービオチンクリーンアップ(3回洗浄)、および高ストリンジェンシービオチンクリーンアップ(6回洗浄)。各反応物の20μLをダイナビーズ捕捉に付した。ストックビーズは、サンプルと同じ容積の緩衝液を用いて2MのNaCl緩衝液で3回洗浄した。ビーズ25μLに75μLのNACl(1M)を添加した。20μLのサンプルをNaCl中のビーズ80μLと混合して最終1MのNaClミックスを得て、これを43℃で15分インキュベートし、5分毎にピペットで吸引吹出しを実施した。続いてビーズを3から6回200μLのNaCl(0.5M)/NaOH(0.5M)緩衝液で洗浄し、続いてTE中のNaCl(0.5M)、200μLで洗浄した。100mMのNaCl、TE、0.25%のDMSO、0.01%のトリトンを含む200μL中に前記ビーズを再懸濁させ、70℃で15−20分加熱した。これによってビーズに非特異的に結合した生成物が遊離される。続いてビーズを200μLのTEで再度洗浄した。1×TEを用いてビーズを最初のサンプル容積(例えば20μL)に再懸濁させた。
【0204】
クリーンアップされる伸長生成物の増幅は、20μLの伸長生成物を20μLのUNG/PCRミックスと混合することによって実施した。UNG/PCRミックスは以下を混合して調製した:18μLの10×TaqAQゴールド緩衝液;1.35μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5U/μL);21.6μLのdNTP(各々1.25mM);18μLのMgCl(25mM);1.44μLのP1Barプライマー(配列識別番号:1)(100pmol/μL);1.44μLのM13プライマー(配列識別番号:3)(100pmol/μL);9μLのUNG(1U/μL);および109.17μLの水。前記反応物を37℃で20分インキュベートし、95℃で5分間変性させ、さらに90℃20秒の変性、63℃1分のアニーリングおよび72℃10秒の伸長を含む14PCRサイクル、続いて95℃20秒、56℃45秒および72℃10秒の20サイクルに付した。反応物をさらに72℃で10秒インキュベートし続いて4℃でインキュベートした。
【0205】
反応生成物は、先行実施例と同じ方法で分析した。結果は、予想どおり、レーン2、3、6および7(鋳型DNA中のSNPに相補的でdNTPを含む反応に該当する)で他のレーンと比較して強いシグナルが得られることを示した。レーン6および7は2つの鋳型DNAおよび同じ2つのプローブを含み、さらに前記反応は、一方の反応にはdCTPが添加され、他方の反応にはdGTPが添加されたこと以外は同一であったので、これらの結果は、2種のdNTPが同じ反応中に含まれる場合、2つの異なるSNPは同じ反応を用いて特定できることを示している。
【0206】
反応6および7由来の増幅生成物をまたDraI制限消化に付した(DraIはタグ配列と相同領域THR2の間を切断する)。2つの異なるプローブは異なる長さの相同領域を有するので、各反応でどちらのプローブが増幅されたかを高解析ゲルで特定することができることは明白である。プローブ5は109塩基から成り、一方、プローブ2は104塩基から成る。
したがって、1μLのDraI酵素を反応6および7のPCR生成物20μLに添加し、37℃で1時間インキュベートした。結果は、予想どおり反応6で観察された増幅生成物はプローブSNP2に一致し、一方、反応7で観察された増幅生成物はプローブSNP7と一致した。これらの結果は多重処理をさらに支持する。
【0207】
実施例7:1パートプローブに代わる2パートプローブの使用
上記で述べた全てのプローブオリゴヌクレオチドは一分子として合成された。本実施例は、2つの部分が連結されたオリゴヌクレオチドプローブの機能的な使用を示す。これらのプローブは、40塩基オリゴヌクレオチドを60塩基オリゴヌクレオチドに架橋オリゴヌクレオチド(全プローブについて共通)を用いて連結することによって構築した。
鋳型/プローブの組み合わせは表8に示されている。鋳型S37およびプローブSNP5(配列識別番号:21)は先行実施例で述べた。SNP5は実施例2で述べた(配列識別番号:21)。SNP5の2パートプローブは、パートA(鋳型相同性領域1およびプライマー1相同性領域を含む)をパートB(プライマー2相同性領域、バーコード配列、DraIおよび鋳型相同性領域2を含む)に連結して構築した。前記2つの部分は酵素によって下記配列を有する架橋オリゴヌクレオチドに連結させた:5´ACTGGCCGTCGTTTTACA/GACTAGAGACCTCGTGGAC3´(配列識別番号:226)。前記配列中“/”はそれぞれパートAおよびパートBに相補的な部分を示す。連結は以下のように実施した:SNP5パートA、SNP5パートBおよび架橋オリゴヌクレオチドの各々10ピコモルを、1×アンプリガーゼ緩衝液中で5単位のアンプリガーゼと60℃で1時間インキュベートした。プローブは、プライマー2相同領域とバーコード配列との間にウラシル塩基を含んでいる。
【0208】
表8:反応の成分
Figure 2004528016
Figure 2004528016
酵素ミックスは以下を混合して調製した:148.3μLの水;20μLのpfuアンプリガーゼ緩衝液;5μLの鋳型S37(0.04μg/μL);2μLのアピラーゼ(50mU/μL);1.25μLのアンプリガーゼ希釈物(5μLの10×アンプリガーゼ緩衝液、44.33μLの水および0.67μLのアンプリガーゼ(5U/μL));および0.5μLのTaqDNAポリメラーゼストッフェルフラグメント(10U/μL)。DNA酵素ミックスは、79.7μLの酵素ミックスを1.35μLのいずれかのプローブ(1pmol/μL)と混合して調製した。連結反応(20μL)では、最終バーコード濃度は0.015ピコモル/μLで、鋳型は約2フェムトモル/μLであった。連結反応での最終リガーゼ濃度は0.00042U/μL(全量0.084単位)であった。
【0209】
18μLを細管に分注した。潜在的夾雑dXTPヌクレオチドは20℃で4分インキュベートして分解した。続いてDNAを95℃で5分インキュベートして変性させ、65℃で15分インキュベートしてアニールさせる。2μLの対応するdXTP(0.1mM)を適切な反応に加え、65℃で10分インキュベートした(連結反応)。
2μLの連結反応物を18μLの伸長ミックス(95℃に予備加温)に添加した。伸長ミックスは以下を混合して調製した:45μLの4×E/U緩衝液(実施例5に記載);1.35μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5U/μL);および115.65μLの水。前記反応物を95℃で10分インキュベートし、連結生成物を変性させるとともにTaqゴールドを活性化させた。前記反応物を2分インキュベートしてランオフさせ、続いて4℃にした(伸長反応)。
【0210】
UNGクリーンアップおよび増幅は、20μLの伸長反応物を20μLのUNG/PCRミックスと混合して実施した。UNG/PCRミックスは以下を混合して調製した:85μLの4×E/U緩衝液;2.55μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5U/μL);17μLのUNG(1U/μL);5.44μLのM13プライマー(配列識別番号:3)(100pmol/μL);および230μLの水。前記反応物を37℃で20分インキュベートし;95℃で10分変性させ;95℃20秒、69.6℃1分(各サイクル毎に0.4℃ずつ低下させる)および72℃10秒のPCRサイクルに14回付し;続いて95℃20秒、64℃45秒および72℃10秒のPCRサイクルを20回実施した。続いて反応物を72℃10秒インキュベートし、されに4℃に浸漬した。
反応生成物は先行実施例と同じ方法で分析した。結果は、増幅はレーン2および6(両者ともdGTPを含み、このヌクレオチドは鋳型DNAのSNPと相補的なヌクレオチドである)でのみ観察されることを明瞭に示している。さらに、2つの反応のバンドは類似しており、2パートプローブは1パートプローブと同様に機能することを示している。
【0211】
実施例8:ビール酵母菌ゲノムDNA中のSNPの検出
本実施例はビール酵母菌ゲノムDNA中のSNPの検出を述べる。本実施例では、2パートプローブによるポリメラーゼ/リガーゼ法、並びにバックグラウンド増幅を減少させるためのアピラーゼおよびUNGが用いられる。
本実施例で用いられるPCR鋳型DNAは、ビール酵母菌ゲノムDNA(ゲノム鋳型と称する)単独であるか、または鋳型DNAS37(配列識別番号:179、先行実施例に記載)が種々の濃度でビール酵母菌ゲノムDNAに含まれている。S37ゲノムDNAの種々の希釈を得るために、本実施例で用いたプローブはSNP5(配列識別番号:21)であった。プローブDNAを先ず0.3pmol/μLに希釈し、前記希釈から19μLの4つの部分標本を調製した。S37DNAの1μLを第一の管に添加し、この希釈の1μLを次の管に添加し、このようにしてPCR鋳型S37をプローブゲノムDNAによって連続的に希釈する。反応7および8では、PCR鋳型は添加されず、ゲノムDNA鋳型のみが存在する。
【0212】
種々のプローブおよび鋳型DNAの組み合わせは表9に示す。
表9:反応の成分
Figure 2004528016
Figure 2004528016
【0213】
反応は実施例7に記載したように実施した。簡単に記せば、鋳型およびプローブDNAを混合し、100ngのゲノム酵母DNA、アピラーゼ、アンプリガーゼおよびTaqDNAポリメラーゼストッフェルフラグメントとともに20℃で4分インキュベートして潜在的夾雑dXTPヌクレオチドを分解した。続いて反応物を95℃でインキュベートして変性させ、30分かけて温度を65℃に下げることによってアニールさせ、さらに65℃で10分インキュベートした。
各反応の2μLを、反応当たり以下を混合して調製した18μLのランオフミックスに添加した:2μLの10×Taqゴールド緩衝液;0.75μLのdNTP(各々4mM);0.15μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5U/μL);0.16μLのP1barビオチンプライマー(配列識別番号:1)(100pmol/μL);2μLのMgCl(25mM);および12.94μLの水。前記反応物を95℃で10分熱変性させ、さらに60℃で2分インキュベートしてランオフ生成物を得た。反応物がなお60℃であるときに、20μLの反応物を、以下を混合して調製したUNG/PCRミックスに移した:2μLの10×Taqゴールド緩衝液;0.75μLのdNTP(各々1.25mM);0.3μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(100pmol/μL);1μLのUNG;0.32μLのM13プライマー(配列識別番号:3)(100pmol/μL);2μLのMgCl(25mM);および13.31μLの水。前記反応物を37℃で20分インキュベートし、95℃で5分熱変性させ、各々95℃20秒および60℃1分の増幅サイクルを14から30回実施した。
【0214】
増幅生成物を上記のように分析した。結果は、dCTP(鋳型DNA中のSNPと相補的なヌクレオチド)との反応物を含むレーンには増幅生成物が存在するが、dGTPとの反応物を含むレーンには増幅生成物が存在しないことを示している。したがって、鋳型DNAが酵母DNAで高度に希釈されてあってもSNPの特定は明瞭であった。さらに、強いバンドがレーン7に認められたが(レーン7はゲノム鋳型のみを含みS37鋳型は含んでいなかった)、レーン8ではバンドは認められなかった(レーン8はdGTPを含んでいた)。したがって、本実施例は、SNPはゲノムDNA中の固有配列で特定することができることを明瞭に示している。
レーン7および8ではPCR鋳型は添加されず、存在する鋳型はゲノム鋳型のみであり、これはSNPはゲノムDNAから検出できることを示している。
【0215】
実施例9:同じ反応中での5つのSNPの検出
本実施例は、一反応で鋳型DNA中の5つのSNPの特定を示す。本実施例では、リガーゼ/ポリメラーゼ法、2パートプローブを用い、さらにアピラーゼ、伸長生成物のビオチン単離およびUNGバックグラウンド減少法が用いられる。
鋳型DNAは、ビール酵母菌から増幅された600塩基対PCR鋳型;S−7(配列識別番号:10)、S−26(配列識別番号:238)、S−30(配列識別番号:167)およびS−37の混合物である。
S−26(配列識別番号:238)は以下の配列を含む:5´ACATTTAGATCTGCAGTTTCTAATATGAATTCAGTGGAAAAT3´。
S−30(配列識別番号:167)は以下の配列を含む5´GATCAAATGCGACCATATTCATCAAACTTATAGGCG3´。
S−37は、5´TACTGTACCCATTTTTTTGTCGCTTAAGGTTTCGCGT3´(配列識別番号:5)および配列識別番号:17の両方を含む。用いたプローブはSNP1、2、3および5で、これらは以前に(例えば実施例2に)記載された。SNP4(Y4:PL:C:119:159)は以下のヌクレオチド配列を有する:5´ACAAAAAAATGGGTACAGTATAA/UGTCCACGAGGTCTCTAGTC/TGTAAAACGACGGCCAGT/UGGTAGTACGGTGCTCTTACA/TTTAAA/ACGCGAAACCTTAAG3´(配列識別番号:23;配列は相同性1/プライマー1/プライマー2/バーコード/DraI/相同性2を表している;Uはウラシルである)。
【0216】
鋳型DNAとプローブの種々の組み合わせは表10に示されている。
表10:各反応の成分
Figure 2004528016
Figure 2004528016
【0217】
前記反応は実施例8に記載したように実施した。簡単に記せば、鋳型およびプローブDNAを混合し、さらにアピラーゼ、アンプリガーゼおよびTaqDNAポリメラーゼストッフェルフラグメントと20℃で4分インキュベートしてdXTPを分解した。前記酵素ミックスは以下を混合して調製した:109.1μLの水;18μLの10×pfuアンプリガーゼ緩衝液;2.7μLの各バーコードオリゴ;4.5μLの各鋳型DNA;1.8μLのアピラーゼ(50mU/μL);1.125μLのアンプリガーゼ希釈物(5μLのアンプリガーゼ緩衝液;44.33μLの水および0.67μLのアンプリガーゼ5U/μL);および0.45μLのTaqDNAポリメラーゼストッフェルフラグメント(10U/μL)。18μLの前記ミックスを細管に移し、前記細管を20℃で4分インキュベートして潜在的な夾雑ヌクレオチドを分解した。続いて、反応物を95℃で5分インキュベートして変性させ、さらに65℃で15分間アニールさせた。2μLの対応するdXTPを添加し、さらに反応物を65℃で10分インキュベートした。連結反応(20μL)では、最終バーコードプローブ濃度は0.015ピコモル/μLで、鋳型濃度は約2フェムトモル/μLであった。連結反応の最終リガーゼ濃度は0.00042U/μL(全量0.0084単位)であった。
【0218】
各反応の2μLを以下を混合して調製した18μLのランオフミックス(95℃で予備加温)に添加した:34μLの10×Taqゴールド緩衝液;40.8μLのdNTP(各々1.25mM);2.25μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5U/μL);2.72μLのP1barビオチンプライマー(配列識別番号:1)(100pmol/μL);34μLのMgCl(25mM);および306μLの水。前記反応物を95℃で10分熱変性させ、さらにランオフ生成物は60℃で2分インキュベートして得られた。続いて反応物を4℃に戻した。
ビオチンクリーンアップを実施例6に記載したように実施した。簡単に記せば、記載したようにビーズを洗浄し、2容積の2MのNaClに再懸濁させた。各反応物の20μLを20μLのビーズに添加し1MのNaClミックスを得た。前記ミックスを43℃で15分インキュベートし、5分毎にピペットで吸引吹き出しを実施した。続いて前記ビーズを200μLのNaCl(0.5M)/NaOH(0.5M)緩衝液で6回洗浄し、続いてTE中のNaCl(0.5M)200μLで洗浄した。ビーズを以下の液200μLに再懸濁し(100mMのNaCl、TE、0.25%DMSO、0.01%トリトン)、さらに70℃で15−20分加熱した。前記処置は、ビーズに非特異的に結合した生成物を遊離させる。続いて、ビーズを200μLのTEで再度洗浄した。1×TEを用いてビーズを最初のサンプル容積(例えば20μL)に再懸濁させた
【0219】
反応物の20μLをUNG/PCRミックスに移した。前記ミックスは以下を混合して調製した:18μLの10×Taqゴールド緩衝液;21.6μLのdNTP(各々1.25mM);1.35μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(100pmol/μL);1.44μLのP1Barプライマー(配列識別番号:1)(100pmol/μL);9μLのUNG;2.88μLのM13ビオチンプライマー(配列識別番号:3)(100pmol/μL);18μLのMgCl(25mM);および107.9μLの水。前記反応物を37℃で20分インキュベートし、95℃で5分間熱変性させ、さらに、95℃20秒;69.6℃1分(各サイクル毎に0.4℃ずつ低下させる);および72℃10秒の増幅サイクルを14サイクル実施し、さらに64℃45秒および72℃10秒の増幅サイクルを20サイクル実施した。続いて、反応物を72℃で10秒インキュベートし、さらに4℃でインキュベートした。
【0220】
増幅生成物はゲル電気泳動で分析した。結果は、増幅生成物は予想どおり各ヌクレオチドについて認められることを示している(それぞれレーン1、2、3、4でA、C、G、T)。調べた5つのSNPは以下のヌクレオチドマッチを有していた:SNP1,dATP;SNP2,dGTP;SNP3,dTTP;さらにSNP4およびSNP5の両者はdCTP。したがって、異なるSNPが各レーンで増幅されるが、ただしこれはゲル電気泳動では識別することができない。
【0221】
増幅生成物はさらに各多重反応物をDNAチップにハイブリダイズさせて分析した。各dXTP反応物(5プローブに対して多重処理)を別々のチップとハイブリダイズさせた。各事例で、ハイブリダイゼーション混合物は以下から成っていた:2μLの上記PCR反応物、0.5μLのコントロール(ボーダー)オリゴ(0.7fm/μL)、2.9μLのM13相補的オリゴ(10pm/μL)(PCR反応物のM13プライマーに対して10倍過剰)、6×SSPE−T緩衝液(0.005%トリトンを含む6×SSPE)で160μLにする。前記混合物を95℃で2分変性させ、続いて氷上で5分インキュベートした。前記溶液をDNAチップにロードし、42℃で4時間ハイブリダイズさせた。前記時間経過後に、チップを6×SSPE−Tで5回洗浄し、蛍光標識のために以下をロードした:0.5μLのストレプトアビジンR−フィコエリスリン共役物(1mg/mL)、10μLのBSA(20mg/mL)、SSPE−T緩衝液で160μLにする。チップを42℃で10分インキュベートした。この後、チップを再度SSPE−T緩衝液で5分洗浄し、レーザー蛍光スキャナーで多重反応生成物を分析した。問題の5つのプローブの各特徴部のシグナルを各特徴部当たり8×8ピクセルについて平均化し、バックグラウンドを差し引き、続いてコントロール(ボーダー)の特徴部の平均シグナル強度を用いて標準化した。これによって、4つの異なるチップ上でのハイブリダイゼーション効率における相違が効率的に標準化された。表11は、4つのハイブリダイゼーションから得られた標準化シグナル強度(各ヌクレオチドについて1つ)を示す。シグナル:ノイズ比は、予想されるヌクレオチドの標準化シグナル:他の3つのヌクレオチドの最高標準化シグナルに一致する。
【0222】
表11:DNAチップハイブリダイゼーションの標準化シグナル強度
Figure 2004528016
DNAチップハイブリダイゼーションの結果は示されていないが、3つの別々のハイブリダイゼーションを実施した。dATPが添加された反応は緑色に着色された。dCTPが添加された反応は青色であった。dGTPが添加された反応は赤色であった。対立遺伝子の判定は、与えられたSNPタグの位置:SNP1:A;SNP2:GおよびSNP5:Cのスポットの色によって示される。
したがって、本実施例は、本発明を用いて多重処理を実施することができること、および種々のSNPは容易にDNAチップとのハイブリダイゼーションによって特定できることを示している。
【0223】
実施例10:ビール酵母菌ゲノムDNAを用いた多重処理
本実施例は、ギャップモジュール合成並びにバックグラウンド減少にアピラーゼおよびUNGを用いる酵母ゲノムDNAの多重処理を示す。
ビール酵母菌由来の鋳型DNA(197ng/μLのS96ゲノムDNA[S96DNAとは何か。われわれは酵母S96およびYJMの2つの株をテストし、全実施例でS96を用いた])を、表12に示すように1つまたは2つ以上のSNPプローブとインキュベートした。2パートプローブの配列は先行実施例で示されている。
【0224】
表12:反応の成分
Figure 2004528016
Figure 2004528016
Figure 2004528016
*全:5つのプローブ全て
【0225】
反応は実施例9で述べたように実施した。簡単に記せば、鋳型およびプローブDNAを混合し、アピラーゼ、アンプリガーゼおよびTaqDNAポリメラーゼストッフェルフラグメントとともに20℃で4分インキュベートしてdXTPを分解した。酵素ミックスは以下を混合して調製した:409.95μLの水、60μLの10×pfuアンプリガーゼ緩衝液;15.3μLの鋳型DNA(197ng/μL);6μLのアピラーゼ(50mU/μL);0.75μLのアンプリガーゼ;および3μLのTaqDNAポリメラーゼストッフェルフラグメント(10U/μL)。18μLを細管に移した。最終ミックスは、5反応用に74.5μLの酵素ミックス;1.35μLの各バーコードオリゴプローブおよび必要な場合には容積81μLを得るためにTEを混合して調製した。
【0226】
続いて前記反応を95℃でインキュベートして変性させ、65℃で15分間アニールさせた。対応するdXTP(0.1mM)の2μLを添加し、反応物を65℃で10分インキュベートした。連結反応(20μL)では、最終バーコードプローブ濃度は0.015ピコモル/μLであった。
各反応の3μLを27μLのランオフミックスに加えた。前記ランオフミックスは以下を混合して調製した:78μLの10×Taqゴールド緩衝液;93.6μLのdNTP(各々1.25mM);5.85μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5U/μL);6.24μLのP1barビオチンプライマー(配列識別番号:1)(100pmol/μL);78μLのMgCl(25mM);および440.31μLの水。前記反応物を95℃で10分間熱変性させ(さらにTaqを活性化し)、さらに60℃で2分インキュベートしてランオフ生成物を得た。続いて反応を4℃でインキュベートして冷却した。
【0227】
前記反応の20μLをUNG/PCRミックスに移した。前記ミックスは以下を混合して調製した:78μLの10×Taqゴールド緩衝液;93.6μLのdNTP(各々1.25mM);78μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ;39μLのUNG;12.48μLのM13プライマー(配列識別番号:3)(100pmol/μL);6.24μLのP1Barプライマー(配列識別番号:1)(100pmol/μL);78μLのMgCl(25mM);および466.83μLの水。前記反応を37℃で20分インキュベートし、95℃で10分熱変性させ、さらに95℃20秒;69.6℃(各サイクル毎に0.4℃降下させる)で1分の増幅サイクルを14サイクル、続いて95℃20秒;64℃45秒;および72℃10秒の増幅サイクルを30サイクル実施した。前記反応物を続いて72℃で10秒インキュベートし、続いて4℃に浸漬した。
【0228】
増幅生成物は実施例8に記載したように分析した。結果は、添加されたdNTPが鋳型DNA中のSNPと相補的である反応で増幅生成物が存在することをはっきりと示した。例えば、レーン7はSNP2とdGTPを含む反応を示しているが、dGTPは鋳型DNAのSNPと相補的なヌクレオチドである。同様に、レーン18は、鋳型DNA中のSNP5に相補的であるdCTPの添加により生じた増幅生成物を示している。反応22、23および24では、バンドはまた明瞭に示され、増幅が多重反応で生じることを示唆している。
【0229】
dCTPおよびdGTPヌクレオチド反応はまたDNAチップとのハイブリダイゼーションによって分析した。ハイブリダイゼーション条件は、20μLのPCR反応をハイブリダイゼーションミックスで用い、さらにチップを12時間ハイブリダイズさせたことを除いて実施例9のそれと同様であった。表13は、2つのハイブリダイゼーションから得た標準化シグナル強度を示している。シグナル:ノイズ比は、予想されるヌクレオチドの標準化シグナル:他のヌクレオチドの標準化シグナルに一致する。
表13:DNAチップハイブリダイゼーションの標準化シグナル強度
Figure 2004528016
【0230】
実施例11:極めて高い複雑度を有するDNA中のSNPの検出
ヒトDNAの遺伝子型決定に要求されるDNAの複雑度および量に類似させ、しかもこれまでの酵母特異的プローブを用いるために、等モル量またはさらに希釈したウシ胸腺DNAとビール酵母菌DNAを混合してSNP遺伝子型決定反応を実施した。ウシ胸腺DNAは哺乳類DNAであり、ヒトDNAとほぼ同じ塩基配列の複雑度を含んでいる。
反応は表143に示されている。酵母ゲノムDNA(200ng/μL)を以下のようにウシ胸腺(100ng/μL)中に段階希釈した。酵母S96の1μLをウシ胸腺19μLと混合した(希釈1)。2μLの希釈1を18μLのウシ胸腺と混合した(希釈2)。希釈2の2μLを18μLのウシ胸腺と混合した(希釈3)。
【0231】
表143:反応の成分
Figure 2004528016
Figure 2004528016
鋳型およびプローブDNAを含む酵素ミックスを(反応当たり)以下を混合して調製した:4.875、11.875、13.875または14.575μLの水;2μLの10×pfuアンプリガーゼ緩衝液;0.3μLのバーコードオリゴ;10、3、1または0.3μLの酵母ゲノム希釈物;0.2μLのアピラーゼ(50mU/μL);0.125μLのアンプリガーゼ;および0.5μLのTaqDNAポリメラーゼストッフェルフラグメント(10U/μL)。18μLを細管に移した。潜在的夾雑dXTPヌクレオチドを4℃で20分インキュベートして分解した。続いて反応物を95℃で5分インキュベートし、さらに65℃まで温度を下げた。100μMに希釈したdXTP2μLを添加し、反応物を65℃で10分インキュベートした。
【0232】
Taqランオフのために、2μLの連結ミックスを18μLのランオフミックスに添加し、95℃で10分間熱変性させた。ランオフミックスは(反応当たり)以下を混合して調製した:2μLの10×Taqゴールド緩衝液;0.75μLのdNTP(各々4mM);0.15μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5U/μL);0.16μLのP1barビオチンプライマー(配列識別番号:1)(10pmol/μL);2μLのMgCl(25mM);1μLのUNG;および13.87μLの水。反応物を95℃で10分熱変性させ(さらにTaqを活性化させ)、さらに60℃で2分インキュベートしてランオフ生成物を得た。
【0233】
ランオフの後、混合物が未だ60℃のときに、20μLの伸長反応物をUNG/PCRミックスに移した。前記ミックスは(反応当たり)以下を混合して調製した:2μLの10×Taqゴールド緩衝液;0.75μLのdNTP(各々1.25mM);0.15μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5U/μL);1μLのUNG;0.16μLのM13プライマー(配列識別番号:3)(100pmol/μL);0.16μLのP1Barプライマー(配列識別番号:1)(100pmol/μL);2μLのMgCl(25mM);および13.87μLの水。反応物を37℃で20分インキュベートし、95℃で5分熱変性させ、さらに95℃20秒;64℃45秒;および72℃10秒のPCRサイクルを35サイクル実施した。続いて前記反応物を72℃で10秒インキュベートし、さらに4℃に浸漬した。
増幅生成物は先行実施例で述べたようにゲル電気泳動で分析した。結果は、dCTP(鋳型核酸中のSNPと相補的なヌクレオチド)の存在下で実施された反応物を含む全てのレーンに増幅生成物が存在することを示した。このことは、十数億のDNA塩基対が存在していてもSNPをこの方法によって検出できることを示している。
【0234】
実施例12:ヒトDNA中のSNPの増幅
本実施例は、ヒトゲノムDNA中のSNPを特定するシステムの使用を示す。本実施例では、2パート合成プローブを用いるポリメラーゼ/リガーゼ法並びにアピラーゼとUNGによるバックグラウンド減少法が用いられた。
2つのDNAサンプルは北欧人ドナーおよびインド人ドナーから得た。サンプルはヒトATM遺伝子(GenBankアクセス番号HSU82828)の2つのマーカーについてスクリーニングした。前記遺伝子は2つのSNPを含む多くの多形性を含んでいる。前記SNPの1つは塩基46611(イントロン17;GからA:34107)にあり、さらに第二のSNPは塩基60136(イントロン22;TからC:35107)にある。塩基46611にあるSNPの検出のためにデザインされたプローブは、上記で述べたように架橋オリゴヌクレオチドを用いて2つのオリゴヌクレオチドを連結し、以下のヌクレオチド配列をもつプローブを生成して調製された:5´AGAATAATTGTTTTTATTTCTTTGAAC/UGTCCACGAGGTCTCTAGTC/TGTAAAACGACGGCCAGT/UATGCGTACCCTCGACTGAG/TTTAAA/TAGAGAAAACACTGTCTGCC3´(配列識別番号:264)。前記配列は、相同性1/プライマー1/プライマー2/バーコード/DraI/相同性2(“U”はウラシル塩基を示す)として表されている。第二のSNPを検出するためのプローブもまた、架橋オリゴヌクレオチドを用いて2つのオリゴヌクレオチドを連結し、以下の部クレオチド配列を有するプローブを生成することによって構築した:5´AATAACCTTTCAGTGAGTTTTGAC/UGTCCACGAGGTCTCTAGTC/TGTAAAACGACGGCCAGT/UACTGTCACCGGAGTCTGAG/TTTAAA/GACATATTGGAAGTAACTTA3´(配列識別番号:275)。
【0235】
反応の組成は表145に示されている。
表145:反応の成分
Figure 2004528016
Figure 2004528016
Figure 2004528016
Figure 2004528016
NEは北欧人を指し、EIはインド人を指す。
【0236】
鋳型およびプローブDNAを含む酵素ミックスは以下を混合して調製した:232.7μLの水;40μLの10×pfuアンプリガーゼ緩衝液;4μLのアピラーゼ(50mU/μL);2.5μLのアンプリガーゼ;および0.5μLのTaqDNAポリメラーゼストッフェルフラグメント(10U/μL)。4つの酵素/DNAミックスは以下を混合して調製した:65.07μLの酵素ミックス;13.5μLの鋳型DNA;および0.54μLのプローブDNA。18μLを細管に移した。潜在的夾雑dXTPヌクレオチドを4℃で20分インキュベートして分解した。続いて、反応物を95℃で5分インキュベートして変性させ、温度を65℃に約15分間下げた。2μLのdXTP(100μM希釈)を添加し、反応物を58℃で10分インキュベートした。
【0237】
Taqランオフのために、2μLの連結ミックスを18μLのランオフミックスに添加し、95℃に加温した。ランオフミックスは以下を混合して調製した:34μLの10×Taqゴールド緩衝液;12.75μLのdNTP(各々1.25mM);2.55μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5U/μL);2.72μLのP1barビオチンプライマー(配列識別番号:1)(10pmol/μL);34μLのMgCl(25mM);および220μLの水。反応物を95℃で10分熱変性させ(さらにTaqを活性化させ)、さらに60℃で2分インキュベートしてランオフ生成物を得て、続いて4℃に冷却した。
【0238】
20μLの伸長反応物をUNG/PCRミックスに移した。前記ミックスは以下を混合して調製した:34μLの10×Taqゴールド緩衝液;12.75μLのdNTP(各々1.25mM);2.55μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5U/μL);17μLのUNG(1U/μL);2.72μLのM13プライマー(配列識別番号:3)(100pmol/μL);2.72μLのP1Barプライマー(配列識別番号:1)(100pmol/μL);34μLのMgCl(25mM);および234.26μLの水。反応物を37℃で20分インキュベートし、95℃で10分熱変性させ、さらに95℃20秒;64℃45秒;および72℃10秒の増幅サイクルを35サイクル実施した。続いて前記反応物を72℃で10秒インキュベートし、さらに4℃に浸漬した。
【0239】
増幅生成物は先行実施例で述べたようにゲル電気泳動で分析した。結果は、ATM46611SNPのレーン3および11で増幅生成物が存在することを示し、このことは、両方のゲノムDNAがこのSNPについてGのホモ接合であることを示唆している。北欧人ドナーの場合、レーン6に増幅生成物が存在し、レーン8には存在しないことは、ATM60136SNPについてこのゲノムDNAはCのホモ接合であることを示し、一方、東インド人のゲノムDNAは、レーン14および16にそれぞれ生成物が存在するのでCおよびTのヘテロ接合であることを示している。
【0240】
実施例13:ウラシル−N−グリコシラーゼ消化を用いゲノムDNAから連結環状プローブを遊離させることによるシグナルの増加
ポリメラーゼが、プライミングが実施される環状化プローブを、それが長いDNA鋳型の周囲で環状化されてあるときにコピーすることは困難であるので、前記連結プローブがゲノムDNA鋳型から遊離され、プライマーおよびポリメラーゼが前記連結されたプローブに自由にアクセスできるならば、シグナルは改善されるであろう。本実施例では、これは以下のようにして達成することができる:ウラシル−N−グリコシラーゼ(またUNGとも称される)により連結環状化プローブを脱ピリミジン化し、続いて加熱により非塩基性部位を熱分割し、連結プローブを直鎖状化し、前記を続いてゲノムDNAから熱変性させて分離させる。
【0241】
本実施例は、UNG標的塩基、ウラシル(dUTPまたは単にU)を含むプローブ(プローブA9UおよびA10U)と前記を含まないプローブ(A9およびA10)とを消化酵素ウラシル−N−グリコシラーゼを含む反応または含まない反応で比較する方法を述べる。
用いた鋳型DNAは精製ヒトゲノムDNAで、用いたプローブはそれぞれ以下のヌクレオチド配列5´A9、A10、A9U、A10Uを含んでいた:
A9:5´TATGACCAGAGGTTTCTGACTGTCCACGAGGTCTCTAGTCTGTAAAACGACGGCCAGTGGGTACATCCAAGCAACCGAGTTTCCTGGCATTATATCATCT(配列識別番号:X)
A10:5´ACCTGGAAGCCAACTTCGTCCACGAGGTCTCTAGTCTGTAAAACGACGGCCAGTAGCGTACTCTGAATGCCGTCGCCAGAAATTAGTCAAGGAAA(配列識別番号:X)
A9U:5´UTATGACCAGAGGTTTCTGACTGTCCACGAGGTCTCTAGTCUTGTAAAACGACGGCCAGTGGGTACATCCAAGCAACCGAGTTTCCTGGCATTATATCATCT(配列識別番号:X)
A10U:5´UCACCTGGAAGCCAACTTCGTCCACGAGGTCTCTAGTCUTGTAAAACGACGGCCAGTAGCGTACTCTGAATGCCGTCGCCAGAAATTAGTCAAGGAAA(配列識別番号:X)。
【0242】
一ヌクレオチドギャップ充填反応ミックスは以下を混合して調製した:48μLの10×アンプリガーゼ反応緩衝液(Epicentre)、0.6μLのアピラーゼ(500mU/μL(Sigma)、2.4μLのTaqポリメラーゼストッフェルフラグメント(10U/μL)(ABI)、0.6μLのアンプリガーゼ酵素(5U/μL)(Epicentre)、24μLのヒトゲノムDNA(100ng/μL)、および345μLの水。前記反応ミックスの44.75μLを各プローブ(1.25フェムトモル/μL)の0.25μLに添加し、前記の9μLを反応プレートの4箇所の各々にピペットで分注した(各ヌクレオチドについて1箇所)。
【0243】
前記反応混合物(DNAを含む)を20℃で4分インキュベートし、95℃で5分間変性させ、55℃で15分間アニールさせた。各管に1μLの1.25μMのデオキシヌクレオチド(Pharmacia)を(表XXに示したように)添加し、反応物を55℃で10分インキュベートした。この時点で、もし正しいヌクレオチドが添加されていたならば、プローブはゲノムDNAの周りで環状化されてある。続いて反応混合物を95℃で2分インキュベートし、さらに37℃にする。各ウェルに25μLのウラシル−N−グリコシラーゼミックスを添加した。前記酵素ミックスは、2.5μLの10×Taqゴールド緩衝液(ABI)、1.6μLの25mMのMgCl、水および10μLのUNG(表XXに表示されている場合)から成る。前記反応物を37℃で20分インキュベートして脱ピリミジン化し、続いて95℃で10分インキュベートして非塩基性部位を破壊する。
【0244】
表XX:種々の反応の成分
Figure 2004528016
Figure 2004528016
Figure 2004528016
Figure 2004528016
【0245】
連結されたプローブ生成物を25μLの増幅ミックスに添加し、前記混合物で95℃20秒、64℃45秒および72℃10秒のサーモサイクリングを31サイクル実施して増幅させた。前記増幅ミックスは以下から成る:2.5μLの10×Taqゴールド緩衝液(ABI)、1.6μLのMgCl(25mM)、2.24μLのdNTP(各々1.25mM)、0.08μLのM13プライマー(配列識別番号:XX)(197pmol/μL)、0.09μLのP1Barプライマー(配列識別番号:XX)(186pmol/μL)、0.4μLのAmpliTaqゴールドDNAポリメラーゼ(5U/μL)(ABI)および水。
続いて各反応の20μLを4%アガロースで電気泳動し、先行実施例で述べたようにバンドを可視化した。結果は、シグナル(左側で泳動されているDNAラダーと比較したとき100塩基対の位置に移動しているのが観察されるバンド)は、ウラシルを含むプローブを用い、ウラシル−N−グリコシラーゼとインキュベートされた反応で大きく増強されることを示し、酵素とプローブ上の標的ウラシルの両方が、ゲノムDNAから環状化プローブを遊離させ効率的な増幅を可能にするために必要であることが示唆された。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明のプレサークルプローブの好ましい実施態様の模式図である。前記プレサークルプローブは、第一および第二の向標的ドメイン、第一の普遍的プライマー、切断部位、第二のオプションプライマー、オプションバーコードおよびオプション制限酵素を含む。
【図2】
図2A−2Hは、接端(“ギャップのない”)プレサークルプローブを用いる本発明の好ましいアッセイを示す。図2Aはハイブリダイゼーション複合体の生成を示し、この場合、プレサークルプローブの向標的ドメインは標的配列の標的ドメインとハイブリダイズし、前記結合したプローブの5´および3´末端を隣り合わせる。遺伝子型決定反応の場合には、プレサークルプローブの5´または3´末端のどちらかが審問場所を含むことができ、複数のプレサークル(その各々が異なる塩基を審問場所に含み、さらに異なるバーコード配列を含む)を用いてもよい。図2Bは、リガーゼを用いてプレサークルプローブを環状化し閉環の生成を示す。場合によって(図には示されていない)、残りの直鎖状プローブおよび/または標的配列は除去、分解するか、また別には増幅できないようにすることができる。図2Cは、切断部位での切断を示し、標的配列はまだ存在している。図2D−2Gは好ましいPCR増幅反応を示し、第一の普遍的プライマーのアニーリング(2D)、第一のプライマーの伸長(2E)、第二および第一のプライマーのアニーリング(2F)並びにプライマーの伸長(2G)が含まれている。場合によって、制限酵素を使用して、バーコードおよび第二の普遍的プライミング配列(本明細書に概略するように標識することができる)を遊離させることができる。
【図3】
図3A−3Dは、本発明のギャッププレサークルプローブの種々の実施態様を示す。図3Aは、一ヌクレオチドギャッププレサークルプローブを示し、この場合、前記ギャップの位置は標的配列内のSNP検出場所に一致する。正しいNTPおよび伸長酵素の添加、続いてリガーゼによる連結に際して、前記方法は図2のように進行する。図3Bは、マルチヌクレオチドギャッププレサークルプローブを示し、前記は伸長酵素を用いてNTPにより充填することができる。図3Cは、ギャップオリゴヌクレオチドを用いて前記プレサークルプローブのギャップが充填されるのを示す。前記では連結はギャップオリゴの両端で生じる。図3Dは、“フラップ−ギャップ”のプレサークルプローブを示す。これらのいずれも図2に示す一般的方法で用いることができる。
【図4】
図4は、本発明の組成物および方法の変形を示す。この実施態様(接端またはギャッププレサークルのいずれも用いられる)では、普遍的プライマーはバーコード配列と側面を接している。本実施態様は多様な形態をとることができる。すなわち、ある実施態様では、プレサークルプローブは標的配列とハイブリダイズし、ギャップは要求に応じて充填され、前記プレサークルプローブは連結されて閉環状プローブを生成する。本実施態様では、一切の非環状化プローブが除去されることが重要である。普遍的プライマーが添加され、バーコード配列が増幅される。これは、閉環状プローブを用いて実施するか、またはプローブは場合によって1つまたは2つ以上の位置で切断することができる。
【図5】
図5A−5Kは本発明の“二段階”実施態様を示す。前記は接端プレサークルプローブで開始されるが、当業者には理解されるように、ギャッププローブのいずれも同様に用いることができる。図5Aはプレサークルプローブを示す。図5Bはハイブリダイゼーション複合体の生成を示す。この場合、プレサークルプローブの向標的ドメインは標的配列の標的ドメインとハイブリダイズして5´および3´末端を隣接させる。遺伝子型決定反応の場合には、プレサークルプローブの5´または3´末端のどちらかが審問場所を含むことができ、複数のプレサークル(その各々が異なる塩基を審問場所に含み、さらに異なるバーコード配列を含む)を用いてもよい。図5Cは、リガーゼを用いてプレサークルプローブを環状化させ閉環の生成を示している。場合によって(図には示されていない)、残りの直鎖状プローブおよび/または標的配列は除去、分解するか、また別には増幅できないようにすることができる。図5Dは第一のプライマーのアニーリングを示し、続いてNTPおよび伸長酵素を用いて伸長が実施される(図5E)。図5Fは切断部位での切断を示し、これによって全てのプローブは増幅不能となる。図5G−5Jは、5Eで生成された伸長生成物の好ましいPCR増幅反応を示し、これは第二の普遍的プライマーのアニーリング(5G)、プライマーの伸長(5H)、第二および第一のプライマーのアニーリング(5I)、およびプライマーの伸長(5J)を含む。場合によって、制限酵素を使用して、バーコードおよび第二の普遍的プライミング配列(本明細書に概略するように標識することができる)を遊離させることができる(図5K)。
【図6】
図6A−6Dは、ある遺伝子の2つの対立遺伝子座についての本発明の“リガーゼ”型の方法の模式図を示す。この場合、1方の対立遺伝子座はSNP検出位置にAを有し、他方の対立遺伝子座は前記の位置にTを有する。
【図7】
図7は、ある遺伝子の対立遺伝子座についての本発明の“リガーゼ/ポリメラーゼ”型の方法の模式図を示す。この場合、1方の対立遺伝子座はSNPの位置にAを有し、他方の対立遺伝子座は前記の位置にTを有する。
【図8】
図8は、挿入変異において対象者がホモ接合性であるかヘテロ接合性であるかを決定する代表的な方法の模式図を示す。

Claims (47)

  1. 以下の工程を含む、第一および第二の標的ドメインを含む標的配列をサンプル中で検出する方法:
    a)前記標的配列を以下のi)からiv)を含むプレサークルプローブとハイブリダイズさせて第一のハイブリダイゼーション複合体を生成し:
    i)第一の向標的ドメイン;
    ii)第二の向標的ドメイン;
    iii)少なくとも第一の万能プライミング部位;および
    iv)切断部位;
    (ここで前記第一および第二の向標的ドメインは前記第一および第二の標的ドメインとハイブリダイズする)、
    b)前記第一のハイブリダイゼーション複合体をリガーゼと接触させて閉環状プローブを生成し;
    c)前記閉環状プローブを前記切断部位で切断して切断プローブを生成し;
    d)前記切断プローブを増幅させて複数のアンプリコンを生成し;さらに
    e)前記アンプリコンを検出して前記標的配列の前記サンプル中の存在を検出する。
  2. 前記増幅が、前記切断プローブを下記のa)からc)と接触させることによって実施される請求項1に記載の方法:
    a)少なくとも第一の万能プライマー;
    b)伸長酵素;および
    c)NTP。
  3. 前記伸長酵素がポリメラーゼである請求項2に記載の方法。
  4. 前記プレサークルプローブがさらに第二の万能プライミング部位を含み、前記第二の接触工程がさらに、前記切断プローブを第二の万能プライマーと接触させることを含む請求項1に記載の方法。
  5. 前記切断部位が前記第一および第二の万能プライミング部位の間に存在する請求項4に記載の方法。
  6. 前記標的配列がさらに前記第一および第二の標的ドメインの間にギャップドメインを含み、前記方法がさらに、前記閉環状プローブの生成前に、前記第一のハイブリダイゼーション複合体を伸長酵素および少なくとも1つの審問NTPと接触させる追加工程を含む請求項1に記載の方法。
  7. 前記標的配列がさらに前記第一および第二の標的ドメインの間にギャップドメインを含み、前記方法がさらに、前記閉環状プローブの生成前に、前記第一のハイブリダイゼーション複合体を少なくとも1つのギャップオリゴヌクレオチドと接触させる追加工程を含み、前記ギャップオリゴヌクレオチドが前記ギャップドメインと完全に相補的な配列を有し、前記アンプリコンの検出によって前記ギャップドメインが特定される請求項1に記載の方法。
  8. 前記標的配列がさらに前記第一および第二の標的ドメインの間にギャップドメインを含み、前記プレサークルプローブがさらに、前記ギャップドメインと完全に相補的な1つまたは2つ以上の核酸を含む最3´または5´側検出ドメインを含み、前記アンプリコンの検出によって前記ギャップドメインが特定される請求項1に記載の方法。
  9. 前記検出ドメインが前記第二の向標的ドメインと結合されてある請求項8に記載の方法。
  10. 前記ギャップドメインが1から約1000ヌクレオチドである請求項8に記載の方法。
  11. 前記ギャップドメインが、前記標的配列内の1ヌクレオチド多形性と一致する請求項8に記載の方法。
  12. 前記閉環状プローブの切断の前に一切の直鎖状プレサークルプローブを消化する追加工程を含む請求項1に記載の方法。
  13. さらに、前記審問dNTPの添加前に一切のdNTPを分解することを含む請求項1に記載の方法。
  14. 前記分解がアピラーゼを用いて実施される請求項13に記載の方法。
  15. 前記切断部位がウラシルであり、前記切断工程が前記閉環状プローブをウラシル−N−グリコリラーゼと接触させることを含む請求項1に記載の方法。
  16. 前記切断部位が制限部位であり、前記切断工程が前記閉環状プローブを制限酵素と接触させることを含む請求項1に記載の方法。
  17. 前記万能プライマーの少なくとも1つが標識される請求項1に記載の方法。
  18. 前記NTPの少なくとも1つが標識される請求項1に記載の方法。
  19. 前記標識がビオチンを含み、前記方法がさらに、前記増幅工程の前にビオチン化アンプリコンを分離する追加工程を含む請求項17または18に記載の方法。
  20. 以下の工程を含む、第一および第二の標的ドメイン並びに前記第一および第二の標的ドメインの間に存在するギャップドメインを含む標的配列をサンプル中で検出する方法:
    a)複数のプレサークルプローブの少なくとも1つを前記標的配列とハイブリダイズさせて複数の第一のハイブリダイゼーション複合体を生成し、前記プレサークルプローブは各々以下のi)からvi)を含み:
    i)第一の向標的ドメイン;
    ii)第二の向標的ドメイン;
    iii)検出ドメイン;
    iv)少なくとも第一の万能プライミング部位;
    v)切断部位;および
    vi)バーコード配列;
    (ここで前記複数の第一および第二の向標的ドメインは前記複数の第一および第二の標的ドメインと相補的であり、さらに前記ギャップドメインは前記複数の検出ドメインの少なくとも1つとハイブリダイズする)、
    b)前記複数の第一のハイブリダイゼーション複合体をリガーゼと接触させて複数の閉環状プローブを生成し;
    c)前記複数の閉環状プローブを前記切断部位で切断して複数の切断プローブを生成し;
    d)前記切断プローブを増幅させてアンプリコンを生成し;
    e)前記アンプリコンの存在を検出して前記複数の標的配列の前記サンプル中の存在を検出する。
  21. 前記増幅が、前記切断プローブを下記のa)からc)と接触させることによって実施される請求項20に記載の方法:
    a)少なくとも第一の万能プライマー;
    b)伸長酵素;および
    c)NTP。
  22. 前記伸長酵素がポリメラーゼである請求項21に記載の方法。
  23. 前記複数のプレサークルプローブが各々さらに第二の万能プライミング部位を含み、前記接触工程がさらに、前記複数の切断プローブを第二の万能プライマーと接触させることを含む請求項20に記載の方法。
  24. 前記切断部位が前記第一および第二の万能プライミング部位の間に存在する請求項22に記載の方法。
  25. 前記標的配列がさらに前記第一および第二の標的ドメインの間にギャップドメインを含み、前記複数のプレサークルプローブが各々固有のバーコードを含み、さらに前記ギャップドメインと相補的な1つまたは2つ以上の核酸を含む最3´または5´側検出ドメインを含み、前記バーコードの検出によって前記ギャップドメインが特定される請求項20に記載の方法。
  26. 以下の工程を含む、複数の標的配列をサンプル中で検出する方法であって、前記複数の標的配列の各々が第一および第二の標的ドメインを含む前記方法:
    a)前記複数の標的配列を複数のプレサークルプローブとハイブリダイズさせて複数の第一のハイブリダイゼーション複合体を生成し、前記プレサークルプローブの各々は以下のi)からv)を含み:
    i)第一の向標的ドメイン;
    ii)第二の向標的ドメイン;
    iii)少なくとも第一の万能プライミング部位;
    iv)切断部位;および
    v)バーコード;
    (ここで前記複数の第一および第二の向標的ドメインは前記複数の第一および第二の標的ドメインとハイブリダイズする)、
    b)前記複数の第一のハイブリダイゼーション複合体をリガーゼと接触させて複数の閉環状プローブを生成し;
    c)前記複数の閉環状プローブを前記切断部位で切断して複数の切断プローブを生成し;
    d)前記切断プローブを増幅させてアンプリコンを生成し;さらに
    e)前記アンプリコンの存在を検出して、前記複数の標的配列の前記サンプル中の存在を検出する。
  27. 前記増幅が、前記切断プローブを下記のa)からc)と接触させることによって実施される請求項26に記載の方法:
    a)少なくとも第一の万能プライマー;
    b)伸長酵素;および
    c)NTP。
  28. 前記伸長酵素がポリメラーゼである請求項27に記載の方法。
  29. 前記複数のプレサークルプローブが各々さらに第二の万能プライミング部位を含み、前記接触工程がさらに、前記複数の切断プローブを第二の万能プライマーと接触させることを含む請求項26に記載の方法。
  30. 前記切断部位が前記第一および第二の万能プライミング部位の間に存在する請求項29に記載の方法。
  31. 前記複数の標的配列の各々がさらに前記第一および第二の標的ドメインとの間にギャップドメインを含み、前記方法がさらに、前記リガーゼと前記複合体を接触させる前に、前記複数の第一のハイブリダイゼーション複合体をポリメラーゼおよび少なくとも1つのdNTPと接触させて複数の前記閉環状プローブを生成する追加工程を含む請求項26に記載の方法。
  32. 前記複数の標的配列の各々がさらに前記第一および第二の標的ドメインとの間にギャップドメインを含み、前記方法がさらに、前記複数の閉環状プローブを生成する前に、前記複数の第一のハイブリダイゼーション複合体を少なくとも1つのギャップオリゴヌクレオチドと接触させる追加工程を含み、前記ギャップオリゴヌクレオチドが、前記複数のギャップドメインの少なくとも1つと相補的な核酸配列を有し、前記アンプリコンを検出することによって前記ギャップドメインが特定される請求項26に記載の方法。
  33. 前記複数の標的配列の各々がさらに前記第一および第二の標的ドメインとの間にギャップドメインを含み、前記複数のプレサークルプローブの各々が固有のバーコードを含み、さらに、前記ギャップドメインの少なくとも1つと相補的な1つまたは2つ以上の核酸を含む検出領域を含む請求項26に記載の方法。
  34. 以下の工程を含む、ギャップドメインによって分離されている第一および第二の標的ドメインを含む標的配列中の検出場所に存在する塩基を特定する方法であって、前記ギャップドメインが前記検出場所を含む前記の塩基特定方法:
    a)前記標的配列をプレサークルプローブとハイブリダイズさせて第一のハイブリダイゼーション複合体を生成し、前記プレサークルプローブは以下のi)からiv)を含み:
    i)5´側の第一の向標的ドメイン;
    ii)3´側の第二の向標的ドメイン;
    iii)少なくとも第一の万能プライミング部位;および
    iv)切断部位;
    (ここで前記第一および第二の向標的ドメインは前記第一および第二の標的ドメインとハイブリダイズする)、
    b)前記第一のハイブリダイゼーション複合体をポリメラーゼおよび少なくとも1つの審問dNTPと接触させて伸長されたプレサークルプローブを生成し;
    c)前記伸長プレサークルプローブおよび前記標的配列を含む前記第一のハイブリダイゼーション複合体をリガーゼと接触させて閉環状プローブを生成し;
    d)前記閉環状プローブを前記切断部位で切断して切断プローブを生成し;
    e)前記切断プローブを増幅させて複数のアンプリコンを生成し;
    f)前記アンプリコンの存在を検出して前記標的配列の前記サンプル中の存在を検出する。
  35. さらに、前記審問dNTPの添加前に一切のdNTPを分解することを含む請求項34に記載の方法。
  36. 前記分解がアピラーゼで実施される請求項35に記載の方法。
  37. 以下の工程を含む、第一および第二の標的ドメインを含む標的配列をサンプル中で増幅する方法:
    a)前記標的配列をプレサークルプローブとハイブリダイズさせて第一のハイブリダイゼーション複合体を生成し、前記プレサークルプローブは以下のi)からiv)を含み:
    i)第一の向標的ドメイン;
    ii)第二の向標的ドメイン;
    iii)少なくとも第一の万能プライミング部位;および
    iv)切断部位;
    (ここで前記第一および第二の向標的ドメインは前記第一および第二の標的ドメインとハイブリダイズする)、
    b)前記第一のハイブリダイゼーション複合体をリガーゼと接触させて閉環状プローブを生成し;
    c)前記閉環状プローブを前記切断部位で切断して切断プローブを生成し;さらに
    d)前記切断プローブを増幅させる。
  38. 前記標的配列がさらに前記第一および第二の標的ドメインとの間にギャップドメインを含み、前記方法がさらに、前記複合体と前記リガーゼを接触させる前に、前記第一のハイブリダイゼーション複合体をポリメラーゼおよび少なくとも1つのNTPと接触させて前記閉環状プローブを生成する追加工程を含む請求項37に記載の方法。
  39. 前記閉環状プローブを切断する前に、一切の直線状プレサークルプローブを消化する追加工程を含む請求項37に記載の方法。
  40. 以下の工程を含む、第一および第二の標的ドメインを含む標的配列をサンプル中で検出する方法:
    a)前記標的配列をプレサークルプローブとハイブリダイズさせて第一のハイブリダイゼーション複合体を生成し、前記プレサークルプローブは以下のi)からiii)を含み:
    i)第一の向標的ドメイン;
    ii)第二の向標的ドメイン;および
    iii)少なくとも第一の万能プライミング部位;
    (ここで前記第一および第二の向標的ドメインは前記第一および第二の標的ドメインとハイブリダイズする)、
    b)前記第一のハイブリダイゼーション複合体をリガーゼと接触させて閉環状プローブを生成し;
    c)前記閉環状プローブを少なくとも第一の万能プライマー、伸長酵素およびdNTPと接触させて伸長生成物を生成し;
    d)前記伸長生成物を増幅させてアンプリコンを生成し;さらに
    e)前記アンプリコンを検出して前記標的配列の前記サンプル中の存在を検出する。
  41. 前記増幅が、前記伸長生成物を下記のa)からc)と接触させることによって実施される請求項40に記載の方法:
    a)少なくとも第一の万能プライマー;
    b)伸長酵素;および
    c)NTP。
  42. 前記標的配列がさらに前記第一および第二の標的ドメインとの間にギャップドメインを含み、前記方法がさらに、前記閉環状プローブを生成する前に、前記第一のハイブリダイゼーション複合体を伸長酵素および少なくとも1つの審問NTPと接触させる追加工程を含む請求項40に記載の方法。
  43. 前記標的配列がさらに前記第一および第二の標的ドメインとの間にギャップドメインを含み、前記方法がさらに、前記閉環状プローブを生成する前に、前記第一のハイブリダイゼーション複合体を少なくとも1つのギャップオリゴヌクレオチドと接触させる追加工程を含み、前記ギャップオリゴヌクレオチドが、前記ギャップドメインと完全に相補的な核酸配列を有し、前記アンプリコンを検出することによって前記ギャップドメインが特定される請求項40に記載の方法。
  44. 前記標的配列がさらに前記第一および第二の標的ドメインとの間にギャップドメインを含み、前記プレサークルプローブがさらに、前記ギャップドメインと完全に相補的な1つまたは2つ以上の核酸を含む最3´または5´側検出ドメインを含み、前記アンプリコンを検出することによって前記ギャップドメインが特定される請求項40に記載の方法。
  45. 前記プレサークルプローブがさらに少なくとも1つの切断部位を含み、前記閉環状プローブが前記伸長生成物の増幅前に切断される請求項40に記載の方法。
  46. 前記少なくとも1つの切断部位がウラシルを含み、前記切断工程が、前記閉環状プローブをウラシル−N−グリコリラーゼと接触させることを含む請求項41に記載の方法。
  47. 前記切断部位が制限部位であり、前記切断工程が、前記閉環状プローブと制限酵素を接触させることを含む請求項45に記載の方法。
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