JP2014512176A - マルチプレックス配列決定反応における核酸鋳型の同定 - Google Patents

マルチプレックス配列決定反応における核酸鋳型の同定 Download PDF

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Abstract

本発明は一般に、マルチプレックス配列決定反応における核酸鋳型の完全性および同定を維持するための方法に関する。特定の実施形態では、本発明の方法は、鋳型核酸を含む溶液を得るステップと、識別子核酸を溶液へと導入するステップと、同じバーコード配列を鋳型核酸および識別子核酸へと組み込むステップと、鋳型核酸および識別子核酸を配列決定するステップとを伴う。一局面において、本発明の方法は、配列決定するステップの前に、前記鋳型および前記識別子を基材へと付着させることを含む。

Description

関連出願
本願は、2011年3月31日に出願された米国仮特許出願第13/077,169号(この出願は、その全体の内容が本明細書中に参考として援用される)の利益および優先権を主張する。
本発明は一般に、マルチプレックス配列決定反応における核酸鋳型の完全性および同定を維持するための方法に関する。
背景
合成による配列決定は、ヌクレオチドの、鋳型/プライマー二重鎖への、鋳型に依存する付加を伴う。ヌクレオチドの付加はポリメラーゼ酵素により媒介され、付加されたヌクレオチドは、それらの検出を容易とするために標識されうる。個別のDNAまたはRNAについてのハイスループットの配列情報を得るために、単一分子の配列決定が用いられている。試料をマルチプレックス処理する、すなわち、異なる患者試料をプールする能力は、費用を軽減し、合成による配列決定プラットフォームのスループットを増大させるために重要である。
マルチプレックス配列決定反応にそれ自体存在する1つの問題は、配列決定プロセスの全体で、試料の正確な同定を維持することである。次世代の配列決定は、典型的に、in vitroにおけるライブラリーの生成;核酸鋳型の固体支持体上の物理的に異なる場所へのアレイ化(および鋳型の、空間的に局所化されたクラスターへの任意選択のクローン増幅);および合成による配列決定反応それ自体を伴う。マルチプレックス配列決定反応において、典型的には、配列決定データを特定の試料へと逆マッピングすることができるように、異なる試料に由来する鋳型をプールする前に、独自のバーコード配列を各試料に由来する鋳型核酸に付着させる。
誤差は、ライブラリーの生成ステップ、バーコードの付着ステップ、ならびにアレイ化ステップおよび増幅ステップにおいて生じうる。一般に、試料調製の段階およびバーコード処理する段階は、その後の配列決定反応に誤差を導入することが多い。例えば、ライブラリー構築のステップは典型的に、複数の異なる試料について並行して行われるので、バーコードを各試料に付着させる前に、異なる試料に由来する鋳型核酸が交差夾雑する可能性が大きい。加えて、バーコード処理する工程は、試料に由来する鋳型核酸の所与のセットに付着させたバーコードオリゴヌクレオチドが純粋である、すなわち、他のいかなるバーコードオリゴヌクレオチドとも混ざり合っていないことを前提とする。しかし、バーコードオリゴヌクレオチドの交差夾雑は、製造元における合成中、精製中、再懸濁中に容易に生じる場合もあり、実験室における操作中に容易に生じる場合もある。いずれの状況も、配列決定の読取りの、特定の試料との不正確な関連をもたらす。したがって、このような手順における誤差を低減するかまたはなくすための方法が必要とされている。
本発明は一般に、配列決定反応の結果を確認し、試料の調製およびバーコードの付着において導入される誤差の検出を可能とするための方法を提供する。本発明では、配列決定反応の後、識別子核酸の、予測外のバーコードオリゴヌクレオチドとの関連により、試料における夾雑が明らかとなるように、鋳型核酸と独自に関連する識別子核酸を、識別子および鋳型と関連する独自のバーコードオリゴヌクレオチドと共に使用する。このようにして、識別子核酸とバーコードオリゴヌクレオチドとの正確な関連を要求することにより、偽陽性の結果および/または偽陰性の結果を回避する。
本発明は、誤差が結果に著明な影響を及ぼしうるマルチプレックス次世代配列決定の適用においてとりわけ有用である。本発明は、識別子核酸を、鋳型核酸を含む溶液へと導入し、同一のバーコードオリゴヌクレオチドを、鋳型および識別子の両方へと組み込むことに基づいている。バーコードは、任意の適切な長さ(例えば、約2〜約50ヌクレオチド)であることが可能であり、任意の数のバーコード配列を用いることができる。識別子核酸およびバーコードオリゴヌクレオチドは、妥当な配列データが、識別子核酸の、特定のバーコードとの正確な関連により確認されるように、試料に独自である。これに対し、識別子核酸の、予測外のバーコードオリゴヌクレオチドとの関連により、このバーコードと関連する試料における夾雑が明らかとなり、したがって、それらの鋳型を解析から除外することが可能となる。したがって、本発明の方法は、マルチプレックス配列決定反応において、試料の完全性が維持されるかどうかを決定し、試料調製中に試料の完全性が維持されたことを決定し、配列データの間違った試料への割当てを防止することを可能とする。
バーコードオリゴヌクレオチドを鋳型および識別子へと組み込んだ後で、鋳型および識別子を配列決定する。配列決定は、当技術分野で公知の任意の方法によることが可能である。合成による配列決定は、次世代手順において用いられる一般的な技法であり、本発明と共に良好に働く。しかし、ライゲーションによる配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定、ゲルベースの技法、および他を含めた他の配列決定方法も用いることができる。一般に、配列決定は、プライマーを、鋳型および識別子の両方とハイブリダイズさせて、鋳型/プライマー二重鎖および識別子/プライマー二重鎖を形成するステップと、検出可能に標識されたヌクレオチドの存在下、ポリメラーゼが鋳型依存的な様式でプライマーにヌクレオチドを付加することを可能とする条件下で、これらの二重鎖をポリメラーゼと接触させるステップとを伴う。次いで、組み込まれた塩基を同定するように、検出可能な標識に由来するシグナルを用い、鋳型および識別子におけるヌクレオチドの線形の順序を決定するために、これらのステップを逐次的に反復する。例示的な検出可能な標識には、放射性標識、蛍光標識、酵素的標識などが含まれる。具体的な実施形態では、検出可能な標識が、蛍光標識などの光学的に検出可能な標識でありうる。例示的な蛍光標識には、シアニン、ローダミン、フルオレセイン、クマリン、BODIPY、alexa、またはコンジュゲートされた多重色素(multi−dye)が含まれる。
配列を検出し、バーコードを同定するための多くの技法が公知であり、一部については以下で説明する。しかし、配列データを検出し、まとめるための正確な手段は、本明細書で記載される本発明の機能に影響を及ぼさない。
本発明の別の態様は、配列決定反応における夾雑率を定量するための方法を提供する。これらの方法は、識別子核酸と正確に相互関連する、配列決定反応におけるバーコードの読取りの数を決定するステップであり、識別子核酸が鋳型核酸と関連し、バーコードの読取りが配列決定装置によりなされるステップと、識別子核酸と不正確に相互関連する、配列決定反応におけるバーコードの読取りの数を決定するステップと、これら2つの数の割合を得、これにより、配列決定反応における夾雑率を定量するステップとを伴う。
本発明の別の態様は、バーコードオリゴヌクレオチドのバッチ内の夾雑を同定するための方法を提供する。これらの方法は、バーコード処理された識別子核酸の複数のバッチを調製するステップであり、各バッチが独自のバーコードオリゴヌクレオチドに付着させた独自の識別子核酸を含むステップと、これらのバッチをプールするステップと、プールされたバッチを配列決定するステップと、識別子核酸と不適正に対合するバーコードオリゴヌクレオチドを同定するステップとを伴う。
図1は、マルチプレックス化次世代配列決定反応のための複数の試料を調製するのに使用される、典型的な先行技術のワークフローを示す図面である。 図2は、マルチプレックス化次世代配列決定反応のための複数の試料を調製するのに使用される、典型的な先行技術のワークフローにおける交差夾雑の可能性を示す図面である。 図3は、本発明の方法が、いかにしてマルチプレックス配列決定反応における交差夾雑を同定することができるのかを示す図面である。 図4は、バーコードオリゴヌクレオチドのバッチの純度を定量するための方法を示す図面である。
詳細な説明
ここで、マルチプレックス化次世代配列決定反応のための複数の試料を調製するのに使用される典型的な先行技術のワークフローを示す図1を参照する。このワークフローは、2つの主要なステップである、ライブラリー構築のステップと配列決定するステップとからなる。ライブラリー構築の間、核酸(例えば、DNAまたはRNA)を試料から単離し、その後、多くのより小さな部分へと断片化する。ある場合には、これらのより小さな部分が、ゲノムのランダムな区画(例えば、ショットガンライブラリー)からなる可能性があるのに対し、他の場合には、これらの核酸のより小さな部分が、多様な可能な手法(例えば、分子反転プローブ、ハイブリダイゼーションによる選択、Selector、またはポリメラーゼ連鎖反応)により選択されたゲノムの特定の領域からなる可能性もある。次に、ライゲーション反応またはポリメラーゼ連鎖反応により、バーコード処理されたオリゴヌクレオチドを、核酸のより小さな部分の各々に付着させる。バーコードオリゴヌクレオチドは、いかなる2つの試料も、バーコード処理された同じオリゴヌクレオチドを有さないように、各試料に由来する核酸に独自のものである。バーコードは、所与の分子から特定の試料に由来する核酸へとマッピングするのに用いられる。バーコード処理したら、ライブラリーをプールし、場合によって、増幅し、最後に配列決定する。配列決定の工程は、ゲノム領域の読取りおよびバーコードの読取りという2つの読取りからなり、バーコードの読取りは、ゲノムの読取りの、所与の試料に由来する核酸へのマッピングを可能とするのに役立つ。代替的に、バーコード配列およびゲノムの配列に及ぶ単一の読取りを実施し、結果として得られるデータを配列決定後に分割することもできよう。
図1において記載されるマルチプレックス化ワークフローには、少なくとも2つの可能性のある一般的な失敗であって、所与の試料のゲノム領域の配列を別の試料と関連させうる失敗がある。ここで、マルチプレックス次世代配列決定反応のための複数の試料を調製するのに使用される典型的な先行技術のワークフローにおける交差夾雑の可能性を示す図2を参照する。潜在的な交差夾雑の領域は、ライブラリーの調製中に生じる。典型的に、バーコード処理する時点までのライブラリー構築のステップは、複数の異なる試料について並行して行われ、複数の酵素的ステップと複数の精製ステップとを伴う。よって、1つの試料に由来する核酸の、別の試料の核酸との交差夾雑の可能性は大きい。これは、試料Aに由来する対象のゲノム領域を含有する核酸断片が、このワークフローのライブラリー構築の段階中に、試料Bに由来する核酸断片中の夾雑物となる図2に示される。バーコードオリゴヌクレオチドは一般に、ライブラリー構築における最後のステップで付加されるので、試料Aに由来する核酸は、試料Bに由来する核酸と関連するバーコードオリゴヌクレオチドを受け取ることになる(図2)。このような交差夾雑をシーケンサーで同定することはできず、不正確なライブラリーへとマッピングされる分子をもたらす可能性がある。この場合、試料Aに由来する核酸は、試料Bと関連することになる(図2)。
試料の交差夾雑の別の供給源は、バーコードオリゴヌクレオチドのバッチ自体である。バーコード処理する工程は、所与の患者のゲノム領域に付着させたバーコードが純粋であり、他のいかなるバーコードオリゴヌクレオチドとも混ざり合っていないことを前提とする。しかし、バーコードの交差夾雑は、製造における合成中、精製中、再懸濁中、または実験室における操作中に容易に生じる可能性がある。ライブラリーの交差夾雑の場合と同様に、このようなバーコードの交差夾雑も、ゲノムの読取りの、試料への不正確なマッピングをもたらす。交差夾雑はまた、試料調製中および配列決定反応自体において「分子交差」の場合にも生じる。
本発明の方法は、ライブラリーの交差夾雑およびバーコードの交差夾雑のいずれの同定も可能とし、これにより、偽陽性結果および/または偽陰性結果を低減するかまたはこれらをなくす。したがって、本発明の方法は、マルチプレックス配列決定反応における試料の完全性が維持されるかどうかを決定し、配列データの間違った試料への割当てを防止することを可能とする。一般に、本発明の方法は、所与のバーコード処理された試料とともに追跡する特定の識別子核酸を使用することを伴う。配列決定後、識別子核酸の配列の、バーコードとの関連は、試料の交差夾雑を示し、したがって、特定の試行によるデータを懐疑的に見る理由をもたらす可能性がある。特定の実施形態では、本発明の方法は、鋳型核酸を含む溶液を得るステップと、識別子核酸を溶液へと導入するステップと、同一のバーコード配列を鋳型核酸および識別子核酸へと組み込むステップと、鋳型核酸および識別子核酸を配列決定するステップとを伴う。
ここで、本発明の方法が、いかにしてマルチプレックス配列決定反応における交差夾雑を同定することができるのかを示す図3を参照する。本発明の方法は、識別子核酸を、試料に由来する鋳型核酸を含む溶液へと導入するステップを伴う。識別子核酸とは、公知の配列を有する核酸を指す。識別子は、一本鎖の場合もあり、二本鎖の場合もある。各試料に独自の識別子を付加し、バーコードオリゴヌクレオチドと同様、識別子核酸を用いて異なる試料に由来する核酸を追跡することもできる。識別子核酸は、バーコードオリゴヌクレオチドを導入する前の、ライブラリー構築ワークフロー中の任意の時点で付加することができる。特定の実施形態では、識別子核酸を、核酸精製の後で導入する。
図3に示される通り、あたかも識別子核酸が所与の試料に由来する分子であるかのように、その後、識別子核酸に、ライブラリー構築、バーコード処理、および配列決定ワークフローを進める。ワークフロー中に夾雑が生じなければ、配列決定は、各試料に特異的な識別子が、予測されるバーコードオリゴヌクレオチドと対合したことを裏付けるであろう。しかし、識別子核酸を含めた後のワークフロー中の任意のステップにおいて交差夾雑が生じた場合は、試料特異的な識別子核酸が予測外のバーコードと対合したことになり、配列決定は、不正確なバーコードオリゴヌクレオチドと対合した、試料に特異的な識別子を示すデータをもたらすことになり、これにより、そのバーコード(複数可)と関連するデータを、間違ったデータとして示すであろう(図3)。
特定の実施形態では、識別子核酸を用いて、交差夾雑の結果である、特定のライブラリーへとマッピングされる読取りを推定することができる。Ncorrect→Aが、予測されるライブラリーの識別子へとマッピングされるバーコードの読取りの数であり、Nincorrect→Aが、予測外のライブラリーの識別子へとマッピングされるバーコードの読取りの数であるとすると、ライブラリーAの他のライブラリーとの交差夾雑率は:
として推定される。この割合を用いて、配列決定全体の精度について所望されるレベルに対応するフィルターを規定することができる。
特定の実施形態では、識別子核酸はまた、バーコードオリゴヌクレオチドの純度を定量する、すなわち、バーコードオリゴヌクレオチドのバッチにおける夾雑を評価するのにも用いることができる。図4は、このような方法のための一般的な戦略を示す。以下でさらに詳細に記載される通り、バーコード処理されたオリゴヌクレオチドを、ゲノム領域に付着させて、PCRまたはライゲーションにより配列決定することができる。バーコード処理されたPCRプライマー対(またはバーコード処理されたライゲーションオリゴヌクレオチド)の純度を評価するためには、バーコードの識別子核酸であって、その純度が評価されるバーコードプライマー(ライゲーションオリゴ)のユニバーサル配列で挟んだ独自の(および公知の)核酸配列を含有する識別子核酸をデザインおよび合成し、次いで、単一の識別子を各バーコードプライマー対(ライゲーションオリゴ)による増幅(ライゲーション)のための鋳型として用いてPCR(ライゲーション)を実施する。その後、複数のバーコードプライマー/識別子のPCR(ライゲーション)反応に由来する産物をポーリング(poll)し、配列決定により、バーコードの識別子が、予測される(予測外の)バーコードと関連する頻度を評価する。予測外の対を含有する読取りの数が大きければ、バーコードストックの夾雑の指標となり、再合成を必要とするプライマーを同定するのに使用することができる。
以下の節では、識別子配列の一般的な検討項目、バーコードオリゴヌクレオチド、バーコードオリゴヌクレオチドの核酸鋳型および識別子配列への付着、および核酸の配列決定、例えば、鋳型の検討項目、合成による配列決定において有用なポリメラーゼ、表面の選択、反応条件、シグナルの検出および解析について論じる。
核酸鋳型
核酸鋳型は、デオキシリボ核酸(DNA)および/またはリボ核酸(RNA)を包含する。核酸鋳型は、合成の場合もあり、天然に存在する供給源に由来する場合もあり、合成配列および天然配列の両方を包含する場合もあり、PCR産物を包含する場合もある。一実施形態では、核酸鋳型分子を、タンパク質、脂質、および鋳型以外の核酸など、他の多様な成分を含有する生物学的試料から単離する。核酸鋳型分子は、動物、植物、細菌、真菌、または他の任意の細胞生物から得られる任意の細胞材料から得ることができる。本発明において用いるための生物学的試料には、ウイルス粒子またはウイルス調製物が含まれる。核酸鋳型分子は、生物から直接得ることもでき、生物から得られる生物学的試料、例えば、血液、尿、脳脊髄液、精液、唾液、痰、糞便、および組織から得ることもできる。任意の組織標本または体液標本は、本発明において用いるための核酸の供給源として用いることができる。核酸鋳型分子はまた、初代細胞培養物または細胞系などの培養細胞からも単離することができる。そこから鋳型核酸を得る細胞または組織は、ウイルスまたは他の細胞内病原体に感染している可能性がある。試料はまた、生物学的標本から抽出される全RNAの場合もあり、cDNAライブラリーの場合もあり、ウイルスDNAの場合もあり、ゲノムDNAの場合もある。
生物学的試料から得られる核酸は、典型的に、解析に適する断片を生成させるように断片化する。一実施形態では、生物学的試料に由来する核酸を、音波処理により断片化する。核酸鋳型分子は、2003年10月9日に公開された米国特許出願公開第US2002/0190663A1号において記載されている通りに得ることができる。一般に、核酸は、Maniatisら、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor、N.Y.、280〜281頁(1982年)により記載されている技法などの多様な技法により、生物学的試料から抽出することができる。一般に、個別の核酸鋳型分子は、約1塩基〜約20kbでありうる。核酸分子は、一本鎖の場合もあり、二本鎖の場合もあり、一本鎖領域を伴う二本鎖(例えば、ステム構造およびループ構造)の場合もある。
本明細書で記載される生物学的試料は、洗浄剤または界面活性剤の存在下でホモジナイズすることもでき、分画することもできる。緩衝液中の洗浄剤の濃度は、約0.05%〜約10.0%でありうる。洗浄剤の濃度は、溶液中で洗浄剤を可溶性に維持する最大量でありうる。好ましい実施形態では、洗浄剤の濃度は、0.1%〜約2%である。洗浄剤、特に、変性作用のない弱い洗浄剤は、試料を可溶化させるように作用しうる。洗浄剤は、イオン性の場合もあり、非イオン性の場合もある。非イオン性洗浄剤の例には、Triton(登録商標)Xシリーズ(Triton(登録商標)X−100 t−Oct−C−(OCH−CHOH、x=9〜10;Triton(登録商標)X−100R;Triton(登録商標)X−114、x=7〜8)などのトリトン(triton)、オクチルグルコシド、ポリオキシエチレン(9)ドデシルエーテル、ジギトニン、IGEPAL(登録商標)CA630オクチルフェニルポリエチレングリコール、n−オクチル−ベータ−D−グルコピラノシド(ベータOG)、n−ドデシル−ベータ、Tween(登録商標)20ポリエチレングリコールソルビタンモノラウレート、Tween(登録商標)80ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、ポリドカノール、n−ドデシルベータ−D−マルトシド(DDM)、NP−40ノニルフェニルポリエチレングリコール、C12E8(オクタエチレングリコールn−ドデシルモノエーテル)、ヘキサエチレングリコールモノ−n−テトラデシルエーテル(C14EO6)、オクチル−ベータ−チオグルコピラノシド(オクチルチオグルコシド、OTG)、Emulgen、およびポリオキシエチレン10ラウリルエーテル(C12E10)が含まれる。イオン性洗浄剤(アニオン性洗浄剤またはカチオン性洗浄剤)の例には、デオキシコレート、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、N−ラウロイルサルコシン、およびセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)が含まれる。本発明の精製スキームではまた、Chaps、双性イオン(zwitterion) 3−14、および3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネートなどの両性イオン性試薬も用いることができる。また、別の洗浄剤または界面活性剤を伴うかまたは伴わずに尿素を添加しうることも想定される。
溶解溶液またはホモジネーション溶液はさらに、還元剤などの他の剤も含有してもよい。このような還元剤の例には、ジチオトレイトール(DTT)、ベータ−メルカプトエタノール、DTE、GSH、システイン、システアミン、トリカルボキシエチルホスフィン(TCEP)、または亜硫酸の塩が含まれる。
識別子核酸
識別子核酸とは、公知の配列を有する核酸を指す。識別子核酸は、一本鎖の場合もあり、二本鎖の場合もあり、一本鎖領域を伴う二本鎖(例えば、ステムループ構造)の場合もある。識別子核酸は、天然の場合もあり、合成の場合もあり、合成配列および天然配列の両方を包含する場合もあり、PCR産物を包含しうる。識別子核酸は、配列決定される標的領域に重複しないようにデザインすることもでき、標的またはバーコードオリゴヌクレオチドと同一な配列を含まないようにデザインすることもできる。
識別子核酸は、識別子が特定の試料と相互関連し、試料を識別および確認することが可能となるようにデザインされる。重複しない核酸セットまたは独自の核酸セットをデザインする方法は、例えば、それらの内容が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、Brennerら(米国特許第6,235,475号)において示されている。
バーコードオリゴヌクレオチド
本発明の方法は、バーコードオリゴヌクレオチドを、核酸鋳型および識別子核酸に付着させる、またはこれらへと組み込むステップを伴う。バーコードオリゴヌクレオチドは、鋳型の連続する領域であって、配列決定される標的を包含する領域へと組み込むことができる。バーコードオリゴヌクレオチドのセットをデザインするための例示的な方法およびバーコード配列を付着させるための他の方法は、それらの各々の内容が参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第6,138,077号;同第6,352,828号;同第5,636,400号;同第6,172,214号;同第6235,475号;同第7,393,665号;同第7,544,473号;同第5,846,719号;同第5,695,934号;同第5,604,097号;同第6,150,516号;同第RE39,793号;同第7,537,897号;同第6172,218号;および同第5,863,722号において示されている。
バーコードオリゴヌクレオチドは一般に、そのオリゴヌクレオチドを配列決定反応において有用とする、特定の特徴を包含する。例えば、バーコードオリゴヌクレオチドは、バーコード配列内のホモポリマー領域、すなわち、AAまたはCCCなど、連続した2つ以上の同じ塩基が最小限であるかまたはこれを有さないようにデザインすることができる。バーコードオリゴヌクレオチドはまた、それらが配列決定される標的領域に重複しないようにデザインすることもでき、標的と同一な配列を含まないようにデザインすることもできる。
バーコードオリゴヌクレオチドは、それらの配列が特定の試料と相互関連して、試料を識別および確認することが可能となるようにデザインする。バーコードオリゴヌクレオチドのセットをデザインする方法は、例えば、その内容が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、Brennerら(米国特許第6,235,475号)において示されている。特定の実施形態では、バーコードオリゴヌクレオチドが、約2〜約50ヌクレオチドの範囲にあり、好ましくは約4〜約20ヌクレオチドの範囲にある。バーコードオリゴヌクレオチドは、鋳型核酸および識別子核酸と共に配列決定されるので、オリゴヌクレオチド長は、付着した鋳型核酸からの最長の読取りを可能とするように、最小限の長さとすべきである。一般に、バーコードオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの塩基だけ鋳型核酸分子から隔てられる。
本発明の方法は、バーコードオリゴヌクレオチドを、鋳型核酸および識別子核酸に付着させるステップを包含する。鋳型核酸は、多様な機械的方法、化学的方法、および/または酵素的方法を用いて、所望される長さ、例えば、一般に100〜500塩基もしくはそれより長い塩基へと断片化または切断することができる。DNAは、音波処理によりランダムに切断することもでき、DNアーゼまたは1もしくは複数の制限酵素、トランスポザーゼ、あるいはニッキング酵素に曝露することもできる。RNAは、RNアーゼ、熱に加えてマグネシウムへの短時間の曝露により断片化することもでき、切断により断片化することもできる。RNAは、断片化の前にcDNAへと転換することもでき、断片化の後でcDNAへと転換することもできる。
バーコードオリゴヌクレオチドは、当技術分野で公知の方法を用いて鋳型および識別子と統合する。バーコードオリゴヌクレオチドは、例えば、リガーゼ、ポリメラーゼ、Topoクローニング(例えば、トポイソメラーゼ酵素を用いるInvitrogenのトポイソメラーゼベクタークローニングシステム)、または化学的ライゲーションもしくは化学的コンジュゲーションを用いて鋳型および識別子と統合する。リガーゼとは、オリゴヌクレオチド(RNAまたはDNA)を、鋳型核酸分子へとライゲーションすることが可能な任意の酵素でありうる。適切なリガーゼには、T4 DNAリガーゼおよびT4 RNAリガーゼ(このようなリガーゼは、New England Biolabsから市販されている)が含まれる。当技術分野では、リガーゼを用いる方法が周知である。ポリメラーゼとは、ヌクレオチドを鋳型核酸分子の3’末端および5’末端へと付加することが可能な任意の酵素でありうる。バーコードオリゴヌクレオチドは、PCR反応を介し、PCRプライマーの一部として組み込むことができる。
ライゲーションは、平滑末端の場合もあり、突出末端の使用を介する場合もある。特定の実施形態では、断片化の後、平滑末端を形成するために、断片の末端を修復することもでき、トリミングする(例えば、エクソヌクレアーゼを用いて)こともでき、充填する(例えば、ポリメラーゼおよびdNTPを用いて)こともできる。平滑末端を生成させたら、末端をポリメラーゼおよびdATPで処理して、断片の3’端および5’端への鋳型に依存しない付加を形成し、これにより単一のA突出をもたらすことができる。T−Aクローニングと称する方法においてこの単一のAを用いて、断片の、5’端からの単一のT突出とのライゲーションを導く。
代替的には、制限消化後の制限酵素により放置された突出の可能な組合せは公知であるため、末端は、そのまま、すなわち、不揃いの末端として放置することができる。特定の実施形態では、相補的な突出末端を伴う二本鎖オリゴヌクレオチドが用いられる。
表面付着
本発明の方法は、バーコード処理された核酸鋳型およびバーコード処理された識別子核酸を、固体支持体に付着または固定化するステップを包含することができる。このような方法は、例えば、それらの各々の内容が参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、Sabotら(米国特許出願第2009/0226975号)、Adessiら(米国特許第7,115,400号)、およびKawashimaら(米国特許出願第2005/0100900号)において記載されている。
本明細書で用いられる「固定化された」という用語は、共有結合的結合(複数可)または非共有結合的結合(複数可)を介する固体支持体への直接的付着または間接的付着を包含することを意図する。本発明の特定の実施形態では、共有結合的付着を用いうるが、一般に要求される全てのことは、鋳型および識別子が支持体における固定化を維持することである。典型的に、3’端が酵素的伸長に利用可能であり、配列の少なくとも一部を相補的な配列へとハイブリダイズさせることが可能であるように、オリゴヌクレオチドを固定化する。固定化は、表面に付着したオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションを介して生じうる。代替的には、固定化は、上記で示した共有結合的付着など、塩基対合によるハイブリダイゼーション以外の手段により生じうる。
本発明において用いられる基材(substrate)または支持体には、ラテックスビーズ、デキストランビーズ、ポリスチレン表面、ポリプロピレン表面、ポリアクリルアミドゲル、金表面、ガラス表面、およびシリコンウェハーが含まれるがこれらに限定されない。特定の実施形態では、固体支持体には、例えば、ポリヌクレオチドなどの分子への共有結合的付着を可能とする反応性基を含めた中間材料の層またはコーティングを適用することにより機能化された不活性基材または不活性マトリックスが含まれうる。
増幅
特定の実施形態では、本発明の方法は、鋳型を配列決定するステップの前に、バーコード処理された核酸鋳型およびバーコード処理された識別子核酸を増幅するステップを包含する。このような方法は、例えば、それらの各々の内容が参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、Sabotら(米国特許出願第2009/0226975号)、Adessiら(米国特許第7,115,400号)、およびKawashimaら(米国特許出願第2005/0100900号)において記載されている。
プライマーオリゴヌクレオチドまたは増幅配列は、増幅反応のプライマーアニーリングステップにおいて遭遇する条件下で、増幅される一本鎖ポリヌクレオチド配列に特異的にアニーリングすることが可能なポリヌクレオチド配列である。本明細書では、一般に、核酸、ポリヌクレオチド、およびオリゴヌクレオチドという用語が互換的に用いられる。別段に特別に示されない限り、異なる用語は、サイズ、配列、または他の特性の任意の特定の差違を表すことを意図しない。記載の明確さのために述べると、これらの用語は、複数の分子種を包含する特定の方法または組成物について記載する場合、1つの分子種を別の分子種から識別するのに用いることができる。
加えて、プライマーは、例えば、プライマーの固体支持体への共有結合的付着を容易とする、ヌクレオチド以外の化学改変も包含しうる。ある化学改変は、それら自体、プライマーとしての分子の機能を改善する場合もあり、プライマー(またはこれに由来する伸長したポリヌクレオチド鎖)の固体支持体からの切断を可能とする切断部位をもたらすことなど、他の一部の有用な機能性をもたらす場合もある。有用な化学改変はまた、改変が除去されまたは逆にされるまでハイブリダイゼーションまたはプライマーの伸長を防止する可逆的改変ももたらしうる。同様に、本発明に従い表面に付着した他の分子は、分子機能の特定の化学的活性を変化させる、切断可能なリンカー部分およびまたは可逆的改変も包含しうる。
本明細書で示される方法において用いられる複数のオリゴヌクレオチドは、捕捉オリゴヌクレオチドとして機能する種を包含しうる。捕捉オリゴヌクレオチドは、鋳型特異的な部分、すなわち、増幅される一本鎖ポリヌクレオチド分子など、対象の一本鎖ポリヌクレオチド分子におけるプライマー結合の配列とアニーリングすることが可能なヌクレオチド配列を包含しうる。プライマー結合配列とは一般に、公知の配列であり、したがって、一本鎖ポリヌクレオチド分子の公知の配列領域と相補的である。捕捉オリゴヌクレオチドは、捕捉配列と増幅配列とを包含しうる。例えば、捕捉オリゴヌクレオチドは、同じ基材に付着している増幅プライマーより長く、この場合、捕捉配列の5’端は、増幅プライマーのうちの1つと同じ配列を有する領域を含みうる。鋳型の3’端など、鋳型の部分は、捕捉配列の3’と相補的でありうる。鋳型の5’端は、鋳型をコピーしたら、コピーが固定化された増幅プライマーとハイブリダイズしうるように、増幅プライマーのうちの1つと同一な配列を含む領域を含有しうる。したがって、本明細書で示される方法において有用なオリゴヌクレオチド種は、捕捉配列、増幅配列、またはこれらの両方を有しうる。逆に、オリゴヌクレオチド種は、捕捉配列、増幅配列、またはこれらの両方を欠く場合もある。このようにして、オリゴヌクレオチド種のハイブリダイゼーション特異性は、本方法の特定の適用のために調整することができる。
プライマー結合配列の長さは、ポリヌクレオチド鋳型分子の公知の配列の長さと同じである必要はなく、より短い場合もあり、特に、16〜50ヌクレオチド、より特定すれば、16〜40ヌクレオチド、さらにより特定すれば、20〜30ヌクレオチドの長さでありうる。プライマーオリゴヌクレオチドの所望される長さは、多くの因子に依存する。しかし、プライマーは、典型的には、プライマー結合配列以外の配列とアニーリングする可能性が極めて低いように、十分に長い(複雑である)。したがって、鋳型配列を挟む公知の配列は、プライマー結合部分および捕捉配列、バーコード配列、またはこれらの組合せなどの他の部分を包含しうる。
本発明の特定の実施形態では、プライマーの一部が遊離してその同種の鋳型とアニーリングし、3’ヒドロキシル基が遊離してプライマーの伸長において機能するように、固相増幅のための増幅プライマーを、プライマーの5’端において、またはその近傍において、固体支持体へと共有結合的に付着させることにより固定化する。
選択される付着化学反応は典型的に、固体支持体の性質およびそれに適用される任意の機能化または誘導体化に依存する。核酸についての実施形態の場合、プライマーそれ自体は、付着を容易とするためのヌクレオチド以外の化学改変でありうる部分を包含しうる。例えば、プライマーは、5’端におけるホスホロチオエートまたはチオホスフェートなど、硫黄含有求核試薬(nucleophile)を包含しうる。固体により支持されたポリアクリルアミドヒドロゲルの場合、この求核試薬は、ヒドロゲル中に存在するブロモアセトアミド基に結合しうる。一実施形態では、プライマーを固体支持体に付着させる手段が、重合したアクリルアミドおよびN−(5−ブロモアセトアミジルペンチル)アクリルアミド(BRAPA)を含むヒドロゲルへのStホスホロチオエート付着を介する。
固定化されたオリゴヌクレオチドの一様で均一に分布した層は、オリゴヌクレオチド種の溶液を固体支持体へとカップリングさせること(グラフトすること)により形成することができる。溶液は、オリゴヌクレオチドの均一の集団を含有しうるが、典型的には、異なるオリゴヌクレオチド種の混合物を含有する。混合物は、例えば、少なくとも2つ、3つもしくはそれより多くのオリゴヌクレオチドの異なる種を包含しうる。したがって、溶液へと曝露される各表面は、溶液と反応して、曝露される固体支持体の全体にわたり一様な密度の固定化された配列を創出する。固定化された異なる配列の混合物を有する表面部分それ自体を、固定化された同じ配列の混合物を有する表面の領域により取り囲むことができる。増幅オリゴヌクレオチドの適切な密度は、少なくとも1フェムトモル/mm(1cm当たり6×1010個)、またはより最適化すれば、少なくとも10フェムトモル/mm(1cm当たり6×1011個)である。捕捉オリゴヌクレオチドの密度を制御して、最適のクラスター密度である1cm当たりのクラスター10〜10個および最適のクラスター輝度を与えることができる。増幅オリゴヌクレオチド種に対する捕捉オリゴヌクレオチド種の比は、所望されるクラスターの密度および輝度に応じて、少なくとも1:100、1:1000、または1:100000が含まれるがこれらに限定されない任意の所望される値でありうる。核酸以外の分子を表面に付着させる実施形態では、他の分子種の同様の密度または比も用いることができる。
特定の実施形態では、鋳型分子の各クラスターについて、一本鎖ポリヌクレオチド鋳型分子の相補的なコピーを、ハイブリダイゼーションにより固体支持体に付着させる。当技術分野では、ワトソン−クリック塩基対合を介して相補的な配列の間で安定的な二重鎖を形成するためのハイブリダイゼーション法が公知である。固定化された捕捉オリゴヌクレオチドは、一本鎖鋳型ポリヌクレオチド分子の領域または鋳型特異的な部分と相補的な配列の領域を包含しうる。次いで、ヌクレオチドを逐次的に付加することにより捕捉配列を伸長させて、捕捉オリゴヌクレオチドを介して固体支持体に付着した一本鎖ポリヌクレオチド配列の相補的なコピーを生成させる伸長反応を実行することができる。支持体に固定化されていない一本鎖ポリヌクレオチド配列は、変性条件下で相補的な配列から分離し、例えば、洗浄することにより除去することができる。
核酸の鎖に言及して用いられる場合の「〜を分離する(separate)」および「〜を分離すること(separating)」という用語は、例えば、一本鎖ポリヌクレオチド配列とその相補体とのワトソン−クリックDNA二重鎖内で相互作用するDNA塩基の物理的解離を指す。これらの用語はまた、これらの鎖の物理的分離も指す。したがって、この用語は、別のプライマーオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列を、二重鎖の鎖のうちの1つとアニーリングさせることを可能とする状況を創出するプロセスを指す場合がある。第1の伸長反応の後、二重鎖は、単一の5’付着を介して固定化され、よって、鎖の分離は、表面からの鎖のうちの1つの喪失を結果としてもたらしうる。二重鎖の両方の鎖を固定化した場合、鎖の分離とは、二重鎖が2つの固定化された一本鎖へと転換されることを意味する。
本発明の一態様では、増幅プライマーのうちの1または複数を改変して、一本鎖ポリヌクレオチド分子の領域または鋳型特異的な部分のハイブリダイゼーションを防止することができる。代替的に、または加えて、増幅プライマーのうちの1または複数を改変して、1または複数の伸長反応の間のプライマーの伸長を防止し、したがってハイブリダイズした鋳型のコピーを防止することも可能である。これらの改変は、一時的な場合もあり、永続的な場合もある。
一般に、捕捉配列は、複数の増幅オリゴヌクレオチドと同じ配列の領域を包含する。伸長した固定化鋳型のコピーの3’端が、増幅プライマーのうちの1つとハイブリダイズし、伸長したら、結果として得られる二重鎖は、両端で固定化され、捕捉オリゴヌクレオチド配列における塩基の全てがコピーされる。したがって、捕捉オリゴヌクレオチドは、両方の増幅プライマー配列に加えて、鋳型の末端と相補的なさらなる配列も包含しうる。典型的に、鋳型の末端と相補的な配列は、増幅プライマーのうちのいずれにも存在しない。代替的には、増幅プライマーは、一本鎖鋳型の末端と相補的な配列を含有しうるが、増幅プライマーを可逆的に遮断して、特定の増幅プロセスにおける第1の伸長ステップなど、1または複数の伸長ステップの間のハイブリダイゼーションおよび/または伸長を防止することもできる。
本発明の一態様によれば、増幅プライマーのうちの1または複数は、鋳型のハイブリダイゼーションもしくは伸長またはこれらの両方のいずれかに対して可逆的遮断として作用する改変を包含しうる。非限定的な例を目的として述べると、このような改変は、増幅プライマーと相補的なヌクレオチドのさらなる配列の存在でありうる。このさらなる配列は、増幅プライマーの一部に存在することが可能であり、したがって、分子内ヘアピン二重鎖またはプライマーの伸長を防止する3’遮断基として作用する。代替的には、さらなる配列は、増幅プライマーとハイブリダイズする別個のオリゴヌクレオチドにおいて見出すこともできる。このような改変の具体的な特徴は、改変されたプライマーオリゴヌクレオチドの機能性が回復され、方法の後のステップの間の、プライマーがハイブリダイゼーションおよび伸長を経ることが可能なように、それを除去することもでき、変化させることもでき、逆にすることもできることである。他の例の間では、遮断基が、酵素的に除去されうる3’リン酸部分など、小さな化学種の場合もあり、プライマーの3’端がハイブリダイゼーション(およびこれによる伸長)できないように、塩基性ヌクレオチドである場合もあり、例えば、特定の配列を選択的に切断する制限エンドヌクレアーゼまたはウラシルデオキシリボヌクレオチドもしくは8−オキソグアニンなどの外因性塩基を有するオリゴヌクレオチドを選択的に切断するデグリコシラーゼを用いて、固定化された鎖から選択的に切り出しうるヌクレオチド配列の場合もある。
一実施形態では、3つの種類のオリゴヌクレオチド(例えば、捕捉配列、フォワードプライマー、およびリバースプライマーを含む)のうちの複数を、固体支持体に固定化する。代替的には、3つのオリゴヌクレオチドは、フォワード増幅、遮断されるフォワード増幅、および遮断されないフォワードプライマーが捕捉配列として作用する、リバース増幅であることも可能である。
一本鎖ポリヌクレオチド分子は、DNAまたはRNAなどの一本鎖形態に由来している場合もあり、二本鎖DNA(dsDNA)形態(例えば、ゲノムDNA断片、PCR産物、および増幅産物など)に由来している場合もある。したがって、一本鎖ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチド二重鎖のセンス鎖の場合もあり、アンチセンス鎖の場合もある。当技術分野では、標準的な技法を用いる本発明の方法において用いるのに適する一本鎖ポリヌクレオチド分子を調製する方法が周知である。主要なポリヌクレオチド分子の正確な配列は、本明細書で示される方法の異なるステップにおいて公知の場合もあり、公知でない場合もある。二本鎖ポリヌクレオチドの一本鎖領域が利用可能であり、捕捉オリゴヌクレオチド配列と少なくとも部分的に相補的である限りにおいて、二本鎖ポリヌクレオチド分子を、一本鎖ポリヌクレオチド分子について本明細書で説明した固定化された捕捉オリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせうることが理解される。
本明細書では、二本鎖分子構築物のうちの一方の鎖を単離するための例示的な方法が記載される。配列が未知の試料を断片化し、その断片の両端にバーコード配列を付着させることができる。次いで、各断片の末端にアダプターを付着させる。アダプターのうちの一方の鎖は、表面に固定化するための部分、例えば、ストレプトアビジンの表面へと捕捉されうるビオチンを含有しうる。アダプターは、例えば、その内容が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、同時係属出願であるUS2007/0128624において記載されている、ミスマッチアダプターでありうる。そのうちの1つがビオチン改変を保有する増幅プライマーの対を用いるミスマッチアダプターまたは分岐型アダプターの増幅とは、各二重鎖のうちの一方の鎖がビオチン改変を保有することを意味する。ストレプトアビジン表面への鎖の固定化とは、ビオチニル化されていない鎖を、単に、変性/鎖の分離により溶出させうることを意味する。溶出した構築物は、一本鎖形態にあって、ハイブリダイゼーション条件へと曝露されると、固定化された捕捉配列に対してハイブリダイズさせるのに用いることができ、それは、伸長させ得る。
特定の実施形態では、一本鎖ポリヌクレオチド分子がDNA分子である。より特定すれば、一本鎖ポリヌクレオチド分子は、ゲノムDNA分子、またはイントロン配列およびエクソン配列(コード配列)の両方のほか、プロモーター配列およびエンハンサー配列などの非コード制御配列も包含するそれらのアンプリコンを表す。なおさらにより特定すれば、一本鎖ポリヌクレオチド分子は、ヒトゲノムDNA分子またはそれらのアンプリコンである。
当技術分野では、ワトソン−クリック塩基対合により相補的な配列の間で安定的な二重鎖を形成するためのハイブリダイゼーション法が公知である。一本鎖ポリヌクレオチドの鋳型分子の領域または部分は、固定化された捕捉配列のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部と相補的でありうる。増幅オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションおよび/もしくは伸長を防止するように改変されるか、または鋳型鎖の公知の末端と非相補的なので、ハイブリダイゼーションおよび伸長が可能なのは捕捉配列だけとなる。次いで、伸長反応であって、ヌクレオチドを逐次的に付加することにより捕捉配列プライマーを伸長させて、捕捉配列オリゴヌクレオチドを介して固体支持体に付着した一本鎖鋳型ポリヌクレオチドの相補的なコピーを生成させる伸長反応を実行することができる。支持体に固定化されていない一本鎖鋳型ポリヌクレオチド配列は、変性条件下で相補的な配列から分離することができ、例えば、洗浄することにより除去することができる。したがって、表面における個別の捕捉配列オリゴヌクレオチド間の距離により一本鎖鋳型ポリヌクレオチドの密度が制御され、よって、また、表面において後に形成されるクラスターの密度も制御される。
改変されたフォワードプライマーオリゴヌクレオチドが遮断され、伸長することが不可能な特定の実施形態では、一般に増幅プライマーオリゴヌクレオチドの全てが、一本鎖鋳型ポリヌクレオチドとハイブリダイズする。伸長反応を実行する場合は、ヌクレオチドを逐次的に付加することにより、改変されていないフォワード捕捉プライマーオリゴヌクレオチドだけを伸長させて、改変されていないフォワードプライマーオリゴヌクレオチドを介して固体支持体に付着した一本鎖鋳型ポリヌクレオチドの相補的なコピーを生成させる。支持体とハイブリダイズしていない一本鎖鋳型ポリヌクレオチド配列は、変性条件下で、伸長していない遮断されたフォワードプライマーオリゴヌクレオチドから分離し、例えば、ホルムアミドなどの化学的変性剤による洗浄によって除去することができる。したがって、表面における個別の改変されていないフォワードプライマーオリゴヌクレオチド間の距離により一本鎖鋳型ポリヌクレオチドの密度が制御され、よって、また、表面において後に形成されるクラスターの密度も制御される。
相補的な一本鎖鋳型ポリヌクレオチドを付着させた後、改変/遮断されたプライマーを処理して、それらが改変されていないフォワードプライマーオリゴヌクレオチドと機能的に同等となるように、改変を逆にするか、除去するか、または変化させることができる。例えば、別個のポリヌクレオチドをハイブリダイズさせることにより形成される場合、二本鎖構造物は、変性させることにより、例えば、加熱することにより、またはアルカリ溶液で処理するかのいずれかにより、除去することができる。代替的には、ハイブリダイズさせたポリヌクレオチドを共有結合的に連結する場合、酵素的消化を用いて鎖を配列選択的に切断した後に変性させうる。当技術分野では、二本鎖構造物を除去するためのこのような方法が公知であり、当業者にも明らかである(SambrookおよびRussell、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual」、3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001年))。
本発明の一実施形態では、当技術分野で公知のライゲーション法(SambrookおよびRussell、前出)を用いて固体支持体へと固定化された二本鎖プライマーへのライゲーションにより、一本鎖鋳型ポリヌクレオチド分子を固体支持体に付着させることができる。このような方法では、DNAリガーゼなど、リガーゼ酵素を使用して、2つのポリヌクレオチド鎖の末端の接合を実施または触媒し、この場合、共有結合的連結が形成されるように、一本鎖鋳型ポリヌクレオチド分子とプライマーオリゴヌクレオチドとをライゲーションする。この文脈において、「接合」とは、以前には共有結合的に連結されていなかった2つのポリヌクレオチド鎖の共有結合的連結を意味する。したがって、本発明の目的はまた、それらが一本鎖鋳型ポリヌクレオチドにライゲーションすることが不可能であるように、プライマーオリゴヌクレオチドのサブセットの3’端を改変することによっても達成することができる。非限定的な例を目的として述べると、酵素である末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)による2’3’ジデオキシAMP(ジデオキシAMP)の付加は、T4 DNAリガーゼが、処理された分子をまとめてライゲーションすることを、有効に防止する。
代替法は、二重鎖としての捕捉配列および一本鎖としての増幅配列を有するものとなろう。一本鎖を捕捉二重鎖へとライゲーションすると(遊離の5’ホスフェートを保有する、唯一の固定化された種となろう)、固定化された鎖の3’端を上記の通りに伸長させることができる。ハイブリダイズさせた鋳型配列を変性させたら、固定化された鎖の増幅を、記載の通りに進行させることができる。一本鎖を付着させる他のこのような方法は、他の当業者には明らかである。
本発明の特定の実施形態による次のステップでは、一本鎖ポリヌクレオチド分子が増幅プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズして、橋架け構造物の形態で複合体を形成するように、適切な条件を、固定化された一本鎖ポリヌクレオチド分子および複数の増幅プライマーオリゴヌクレオチドに適用する。当技術分野では、中和緩衝液および/またはハイブリダイズ緩衝液など、適切な条件が周知である(Sambrookら、前出;Ausubelら、「Current Protocols in Molecular Biology」、John Wiley and Sons、Baltimore、Md.(1998年)を参照されたい)。次いで、中和緩衝液および/またはハイブリダイズ緩衝液を除去することができる。
次に、伸長に適する条件を適用することにより、伸長反応を実施する。ヌクレオチドを逐次的に付加することにより複合体のプライマーオリゴヌクレオチドを伸長させて、一本鎖ポリヌクレオチド分子と相補的な伸長産物を生成させる。各鎖が固定化されるように、結果として得られる二重鎖を両方の5’端で固定化する。
当技術分野では、ポリメラーゼ活性を有する酵素を含む伸長用緩衝液/溶液など、適切な条件が周知である(Sambrookら、前出;Ausubelら、前出を参照されたい)。特定の実施形態では、伸長用緩衝液にdNTPを組み入れることができる。さらなる実施形態では、伸長用緩衝液の前にdNTPを付加しうる。この橋架け増幅技法は、例えば、それらの内容が参照により本明細書に組み込まれる、Adessiら(米国特許第7,115,400号)、およびKawashimaら(米国特許出願第2005/0100900号)に記載されている通りに実行することができる。
本発明において用いうるポリメラーゼ活性を有する酵素の例は、DNAポリメラーゼ(Klenow断片、T4 DNAポリメラーゼ)、多様な熱安定細菌に由来する熱安定DNAポリメラーゼ(Taq DNAポリメラーゼ、VENT DNAポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼ、またはTfl DNAポリメラーゼなど)のほか、それらの遺伝子改変誘導体(TaqGold、VENTexo、またはPfu exo)である。また、RNAポリメラーゼおよび逆転写酵素の組合せを用いて、伸長産物を生成させることもできる。特に、酵素は、鎖置換活性を有し、より特定すれば、酵素は、約7〜約9のpH、特に、pH7.9〜pH8+において活性となり、さらにより特定すれば、酵素は、EstまたはKlenowである。
用いられるヌクレオシド三リン酸分子は、典型的に、デオキシリボヌクレオチド三リン酸、例えば、dATP、dTTP、dCTP、dGTPであるか、またはリボヌクレオシド三リン酸、例えば、ATP、UTP、CTP、GTPである。ヌクレオシド三リン酸分子は、天然に存在するものであっても、天然に存在しないものであってもよい。
ハイブリダイゼーションステップおよび伸長ステップの後、支持体および付着した核酸を変性条件にかけることができる。一般に、変性用緩衝液の流入により伸長用緩衝液が除去されるように、フローセルを用いることができる。当技術分野では、適切な変性用緩衝液が周知である(Sambrookら、前出;Ausubelら、前出を参照されたい)。例を目的として述べると、pHの変更および低イオン強度の溶液は、実質的に等温温度で核酸を変性させうることが公知である。ホルムアミドおよび尿素は、核酸の塩基と新たな水素結合を形成して、ワトソン−クリック塩基対合をもたらす水素結合を破壊する。特定の実施形態では、ホルムアミドの濃度は、50%以上である。これらは、一本鎖核酸分子を結果としてもたらす。所望の場合、鎖は、塩濃度が極めて低く(例えば、0.01M未満のカチオン性条件)、pHが高い(>12)溶液で処理することにより分離することもでき、カオトロピック塩(例えば、塩酸グアニジン)を用いることにより分離することもできる。特定の実施形態では、強塩基を用いる。強塩基とは、酸塩基反応における微弱酸を脱プロトン化することが可能な塩基性化合物である。塩基の強度は、そのpK値により示され、pK値が約1未満である化合物を強塩基と称し、これは当業者に周知である。特定の実施形態では、強塩基が、0.05M〜0.25M、特に、0.1Mの濃度で用いられる水酸化ナトリウム(NaOH)溶液である。
上記で説明したハイブリダイゼーションステップ、伸長ステップ、および変性ステップの後、第1の核酸が、第1の鋳型である一本鎖ポリヌクレオチド分子(最初に固定化された)であり、第2の核酸が、固定化されたプライマーオリゴヌクレオチドのうちの1つから伸長する、これと相補的な核酸である、2つの固定化された核酸を存在させる。次いで、支持体を、ハイブリダイゼーション、伸長、および変性のさらなるサイクルにかけることにより、元の固定化された一本鎖ポリヌクレオチド分子および固定化されて伸長して形成されたプライマーオリゴヌクレオチドの両方とも、さらなる増幅ラウンドを開始することが可能である。
増幅法の各ステップの間に任意選択の洗浄するステップを実施することが有利でありうる。例えば、ポリメラーゼ酵素を有さずdNTPを有するかまたは有さない伸長用緩衝液を固体支持体に適用してから、これを除去し、完全な伸長用緩衝液で置き換えることができる。
このような増幅のさらなるラウンドを用いて、一本鎖ポリヌクレオチド配列およびその相補的な配列の複数の固定化されたコピーを含む核酸コロニーまたは核酸クラスターを生成させることができる。
一本鎖ポリヌクレオチド分子の最初の固定化とは、一本鎖ポリヌクレオチド分子が、この一本鎖ポリヌクレオチド分子の全長の距離内に位置するプライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしうることを意味する。範囲外である他の表面結合プライマーは、このポリヌクレオチドとハイブリダイズしない。したがって、形成される核酸コロニーまたは核酸クラスターの境界は、最初の一本鎖ポリヌクレオチド分子が固定化された場所の周囲の比較的局所的な領域に限定される。
さらなるラウンドの増幅、すなわち、さらなるラウンドのハイブリダイゼーション、伸長、および変性を実行することにより、一本鎖ポリヌクレオチド分子およびその相補体のより多くのコピーを合成したら、発生する核酸コロニーまたは核酸クラスターの境界をさらに拡張することが可能となるが、形成されるコロニーの境界は、やはり、最初の一本鎖ポリヌクレオチド分子が固定化された場所の周囲の比較的局所的な領域に限定される。例えば、増幅された各クラスターのサイズは、0.5〜5ミクロンでありうる。
したがって、本発明の方法により、複数の単一の固定化された一本鎖ポリヌクレオチド分子からの複数の核酸コロニーの発生が可能となり、固体支持体の表面にグラフトするのに用いられる改変された捕捉オリゴヌクレオチド/増幅オリゴヌクレオチドの比率を変化させることにより、これらのコロニーの密度を制御しうることを認めることができる。
一実施形態では、ハイブリダイゼーションステップ、伸長ステップ、および変性ステップの全てを、同じ温度、実質的な等温温度で実行する。例えば、温度は、37℃〜約75℃、特に、50℃〜70℃、さらにより特定すれば、60℃〜65℃である。特定の実施形態では、実質的な等温温度が、所望されるポリメラーゼの最適温度でありうる。
特定の態様では、本発明の第1の態様による方法を用いて、米国特許第7,115,400号、US2005/0100900A1、WO00/18957、およびWO98/44151(それらの内容が参照により本明細書に組み込まれる)において記載されているアレイと類似する、クラスター化された核酸コロニーのアレイを、固相増幅を介して調製する。
さらに別の態様では、複数の捕捉配列および2つを超える増幅配列、例えば、少なくとも3つまたは4つもしくはそれより多くの異なる増幅プライマー配列を、固体支持体にグラフトすることができる。このようにして、ライブラリー間で異なる共通の配列を有する複数のライブラリーであれば、例えば、2例の異なる患者から調製されたライブラリーなどのクラスターを調製するのに使用することができる。クラスターは、空間では重複しうるが、鋳型の末端間における差違のために、それらは、交互に配列決定することが可能であろう。例えば、2つの異なる試料は、2つの異なる捕捉配列を用いて捕捉することができる。これらは、同じ2つの増幅プライマーから増幅することができる。試料は、2つの異なる配列決定プライマーをハイブリダイゼーションさせるための部位として用いられうる2つの異なる捕捉配列のために差別化することができる。これにより、異なる捕捉配列の使用は、異なる配列決定プライマーを用いて試料をインデックス化する方法をもたらす。
本発明の方法により形成されるクラスター化されたアレイは、マイクロアレイなどの秩序付けられたアレイ上で通常実行される適用において用いるのに適する。非限定的な例を目的として述べると、このような適用には、ハイブリダイゼーション解析、遺伝子発現解析、タンパク質結合解析、配列決定、遺伝子型解析、核酸メチル化解析などが含まれる。クラスター化されたアレイは、例えば、蛍光RNAによるハイブリダイゼーションまたは蛍光標識されたタンパク質を用いる結合研究など、下流における適用に用いる前に配列決定することができる。
配列決定法
本発明はまた、固相増幅により生成させた、増幅された核酸を配列決定する方法も包含する。したがって、本発明は、核酸を配列決定する方法であって、上記のとおり固相増幅を用いて核酸鋳型のプールを増幅するステップと、核酸の配列決定反応を実行して、固相増幅反応により生成させた、少なくとも1つの増幅された核酸鎖の全体または一部の配列を決定するステップとを含む方法を提供する。
配列決定は、任意の適切な配列決定技法を用いて実行することができる。特に有用な方法は、5’から3’への方向にポリヌクレオチド鎖の合成を結果としてもたらす、3’遊離ヒドロキシル基にヌクレオチドを逐次付加する方法である。付加されるヌクレオチドの性質は、各ヌクレオチド付加の後で決定することもでき、配列決定プロセスの終了時点で決定することもできる。また、ライゲーションによる配列決定を用いる配列決定技法であって、全ての隣接塩基が配列決定されるわけではない配列決定技法、および塩基が表面における鎖へと付加されるのではなくて表面における鎖から除去される大規模並列処理特徴配列決定(massively parallel signature sequencing)(MPSS)などの技法も、本発明の範囲内にある。
配列決定反応の開始点は、配列決定プライマーを固相増幅反応の産物へとアニーリングすることによりもたらしうる。これに関連して、鋳型ライブラリーの形成の間に付加されるアダプターのうちの一方または両方は、配列決定プライマーを、ゲノム全体または鋳型ライブラリーの固相増幅に由来する増幅産物へとアニーリングすることを可能とするヌクレオチド配列を包含しうる。
フォワード増幅プライマーおよびリバース増幅プライマーの両方を固体表面に共有結合的に固定化する固相増幅反応の産物は、両方の鎖が5’端において固体支持体に付着している、固定化されたポリヌクレオチド鎖と固定化された相補鎖との対をアニーリングさせることにより形成されたいわゆる橋架け構造物である。従来の配列決定プライマーの、固定化された鎖のうちの1つとのハイブリダイゼーションは、標準的なハイブリダイゼーション条件下における、この鎖の、その固定化された相補鎖へのアニーリングと比較して好ましくないので、このような橋架け構造物を含むアレイは、典型的な核酸の配列決定技法には非効率的な鋳型をもたらす。
核酸を配列決定するのにより適切な鋳型をもたらすためには、少なくとも部分的に一本鎖である鋳型を生成させるために、橋架け構造物における固定化された鎖のうちの1つの実質的に全部または少なくとも一部を除去または置き換えることが有利でありうる。したがって、一本鎖である鋳型の部分は、配列決定プライマーへのハイブリダイゼーションに利用可能であろう。本明細書では、「橋架けされた」二本鎖核酸構造物における一方の固定化された鎖の全部または一部を除去するプロセスを、直鎖化と称する場合があり、これについては、その内容が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、WO07010251においてさらに詳細に記載されている。
橋架けされた鋳型構造物は、一方または両方の鎖を制限エンドヌクレアーゼで切断することにより直鎖化することもでき、一方の鎖をニッキングエンドヌクレアーゼで切断することにより直鎖化することもできる。とりわけ、化学的切断(例えば、過ヨウ素酸(periodate)によるジオール結合の切断)、エンドヌクレアーゼ(例えば、NEB製の「USER」;型番:M5505S)での切断による無塩基部位の切断、または熱もしくはアルカリへの曝露による切断、デオキシリボヌクレオチドを他の形で含む増幅産物へと組み込まれたリボヌクレオチドの切断、光化学的切断、またはペプチドリンカーの切断を含めた他の切断法も、制限酵素またはニッキング酵素への代替法として用いることができる。
切断ステップの後、切断のために用いられた方法に関わらず、切断された鎖(複数可)の固体支持体に付着していない部分(複数可)を除去するために、切断反応の産物を変性条件にかけることができる。適切な変性条件、例えば、水酸化ナトリウム溶液、ホルムアミド溶液、または熱は、標準的な分子生物学のプロトコール(Sambrookら、前出;Ausubelら、前出)を参照することにより、当業者には明らかである。変性の結果として、部分的または実質的に一本鎖である配列決定鋳型の生成がもたらされる。次いで、配列決定プライマーを、鋳型の一本鎖部分とハイブリダイゼーションさせることにより、配列決定反応を開始することができる。
したがって、本発明は、核酸の配列決定反応が、配列決定プライマーを、直鎖化された増幅産物の一本鎖領域へとハイブリダイズさせるステップと、1または複数のヌクレオチドを、配列決定される増幅鋳型鎖の領域と相補的なポリヌクレオチド鎖へと逐次的に組み込むステップと、組み込まれたヌクレオチド(複数可)のうちの1または複数に存在する塩基を同定するステップと、これにより、鋳型鎖の領域の配列を決定するステップとを含む方法を包含する。
本発明に従い用いられうる1つの配列決定法は、例えば、その内容が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、WO04018497、US2007/0166705A1および米国特許第7,057,026号において記載されている、除去可能な3’遮断物を有する改変ヌクレオチドの使用に依拠する。改変ヌクレオチドを、配列決定される鋳型の領域と相補的な、成長しつつあるポリヌクレオチド鎖へと組み込んだら、さらなる配列の伸長を方向付ける遊離3’−OH基が利用可能でなくなり、したがって、ポリメラーゼがさらなるヌクレオチドを付加することは可能でなくなる。成長しつつある鎖へと組み込まれた塩基の性質を決定したら、3’遮断物を除去して、次のヌクレオチドの逐次的な付加を可能とすることができる。これらの改変ヌクレオチドを用いて誘導された産物を順序づけることにより、DNA鋳型のDNA配列を推定することが可能である。改変ヌクレオチドの各々が、それに付着した異なる標識を有し、特定の塩基に対応し、各組込みステップの間に付加される塩基間における識別を容易とすることが公知である場合は、このような反応を単一の実験で行うことができる。代替的には、改変ヌクレオチドの各々を別個に含有する別々の反応を実行することもできる。
改変ヌクレオチドは、それらの検出を容易とするための標識を保有しうる。例えば、蛍光標識を、改変ヌクレオチドの検出のために用いることができる。したがって、各ヌクレオチドの種類は、例えば、その内容が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれるWO07135368において記載されている、異なる蛍光標識を保有しうる。しかし、検出可能な標識は、蛍光標識である必要はない。組み込まれたヌクレオチドの検出を可能とする任意の標識を用いることができる。
蛍光標識されたヌクレオチドを検出するための一方法は、標識されたヌクレオチドに特異的な波長のレーザー光の使用、または他の適切な照光供給源の使用を含む。ヌクレオチド上の標識に由来する蛍光は、CCDカメラまたは他の適切な検出手段により検出することができる。クラスター化されたアレイの画像を記録するのに適する機器は、その内容が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれるWO07123744において記載されている。
ヌクレオチドのポリヌクレオチド鎖への逐次的な組込みに依拠する、本質的に任意の配列決定法を用いうるので、本発明は、上記で概観された配列決定法の使用に限定されることを意図するものではない。適切な代替技法には、例えば、Roche/454 Life Sciences製のGenome Sequencers(Marguliesら(2005年)、Nature、437巻:376〜380頁;米国特許第6,274,320号;同第6,258,568号;同第6,210,891号)、およびApplied Biosystems(solid.appliedbiosystems.com)製のSOLiDシステム、およびIon Torrent(www.iontorrent.com)製のシークエンサーが含まれる。
参照による組込み
特許、特許出願、特許公開、雑誌、書籍、論文、ウェブコンテンツなど、他の文献に対する参照および引用は、本開示の全体において行った。このような文献の全ては、全ての目的のために、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
同等物
本発明は、その精神またはその本質的な特徴から逸脱しない限りにおいて、他の特定の形態においても実施することができる。したがって、前出の実施形態は、全ての点において、本明細書で記載される本発明について、限定的であるものではなく、例示的であると考えられるものとする。

Claims (33)

  1. マルチプレックス配列決定反応における核酸鋳型の完全性を確認するための方法であって、
    鋳型核酸を含む溶液を得るステップと、
    識別子核酸を該溶液へと導入するステップと、
    同一のバーコードオリゴヌクレオチドを、該鋳型核酸および該識別子核酸へと組み込むステップと、
    該鋳型核酸および該識別子核酸を配列決定するステップと
    を含む、方法。
  2. 配列決定するステップの前に、前記鋳型および前記識別子を基材へと付着させる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記鋳型および前記識別子を、前記基材に直接的に付着させる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記鋳型および前記識別子を、前記基材に間接的に付着させる、請求項2に記載の方法。
  5. 前記鋳型および前記識別子を増幅するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. 配列決定するステップが、合成によって配列決定するステップである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記合成によって配列決定するステップが、合成によって単一分子を配列決定するステップである、請求項6に記載の方法。
  8. 配列決定するステップが、
    プライマーを、前記鋳型および前記識別子の両方とハイブリダイズさせて、鋳型/プライマー二重鎖および識別子/プライマー二重鎖を形成するステップと、
    少なくとも1つの検出可能に標識されたヌクレオチドの存在下、ポリメラーゼ酵素が鋳型依存的な様式で両方の二重鎖の該プライマーにヌクレオチドを付加することを可能とする条件下で、両方の二重鎖を該ポリメラーゼと接触させるステップと、
    組み込まれた該標識されたヌクレオチドからのシグナルを検出するステップと、
    該接触させるステップおよび該検出するステップを少なくとも1回逐次的に反復するステップと
    を含み、ここで、組み込まれた標識されたヌクレオチドの逐次的な検出により、前記鋳型核酸および前記識別子核酸の配列を決定する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記検出可能に標識されたヌクレオチドが、光学的に標識されたヌクレオチドである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記光学的に標識されたヌクレオチドが、蛍光標識されたヌクレオチドである、請求項9に記載の方法。
  11. 配列決定反応における夾雑率を定量するための方法であって、
    識別子核酸と正確に相互関連する、配列決定反応におけるバーコードの読取りの数を決定するステップであって、該識別子核酸は鋳型核酸と関連し、該バーコードの読取りは配列決定装置によりなされる、ステップと、
    該識別子核酸と不正確に相互関連する、該配列決定反応におけるバーコードの読取りの数を決定するステップと、
    該2つの数の割合を得、これにより、該配列決定反応における夾雑率を定量するステップと
    を含む、方法。
  12. 決定するステップが、
    識別子核酸を、鋳型核酸を含む溶液へと導入するステップと、
    同一のバーコードオリゴヌクレオチドを、該鋳型核酸および該識別子核酸へと組み込むステップと、
    該鋳型核酸および該識別子核酸を配列決定するステップと
    を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 配列決定するステップの前に、前記鋳型および前記識別子を基材に付着させる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記鋳型および前記識別子を、前記基材に直接的に付着させる、請求項13に記載の方法。
  15. 前記鋳型および前記識別子を、前記基材に間接的に付着させる、請求項13に記載の方法。
  16. 前記鋳型および前記識別子を増幅するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  17. 配列決定するステップが、合成によって配列決定するステップである、請求項12に記載の方法。
  18. 前記合成によって配列決定するステップが、合成によって単一分子を配列決定するステップである、請求項17に記載の方法。
  19. 配列決定するステップが、
    プライマーを、前記鋳型および前記識別子の両方とハイブリダイズさせて、鋳型/プライマー二重鎖および識別子/プライマー二重鎖を形成するステップと、
    少なくとも1つの検出可能に標識されたヌクレオチドの存在下、ポリメラーゼ酵素が鋳型依存的な様式で両方の二重鎖の該プライマーにヌクレオチドを付加することを可能とする条件下で、両方の二重鎖を該ポリメラーゼと接触させるステップと、
    組み込まれた該標識されたヌクレオチドからのシグナルを検出するステップと、
    該接触させるステップおよび該検出するステップを少なくとも1回逐次的に反復するステップと
    を含み、ここで、組み込まれた標識されたヌクレオチドの逐次的な検出により、前記鋳型核酸および前記識別子核酸の配列を決定する、請求項12に記載の方法。
  20. 前記検出可能に標識されたヌクレオチドが、光学的に標識されたヌクレオチドである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記光学的に標識されたヌクレオチドが、蛍光標識されたヌクレオチドである、請求項20に記載の方法。
  22. バーコードオリゴヌクレオチドのバッチ内の夾雑を同定するための方法であって、
    バーコード処理された識別子核酸の複数のバッチを調製するステップであって、各バッチは独自のバーコードオリゴヌクレオチドに付着させた独自の識別子核酸を含む、ステップと、
    該バッチをプールするステップと、
    プールされた該バッチを配列決定するステップと、
    識別子核酸と不適正に対合するバーコードオリゴヌクレオチドを同定するステップと
    を含む、方法。
  23. 付着させるステップが、PCR反応を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 付着させるステップが、ライゲーション反応を含む、請求項22に記載の方法。
  25. 配列決定するステップの前に、前記バーコード処理された識別子を基材に付着させる、請求項22に記載の方法。
  26. 前記バーコード処理された識別子を、前記基材に直接的に付着させる、請求項25に記載の方法。
  27. 前記バーコード処理された識別子を、前記基材に間接的に付着させる、請求項25に記載の方法。
  28. 前記バーコード処理された識別子を増幅するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
  29. 配列決定するステップが、合成によって配列決定するステップである、請求項22に記載の方法。
  30. 前記合成によって配列決定するステップが、合成によって単一分子を配列決定するステップである、請求項29に記載の方法。
  31. 配列決定するステップが、
    プライマーを、前記バーコード処理された識別子とハイブリダイズさせて、識別子/プライマー二重鎖を形成するステップと、
    少なくとも1つの検出可能に標識されたヌクレオチドの存在下、ポリメラーゼ酵素が鋳型依存的な様式で該プライマーにヌクレオチドを付加することを可能とする条件下で、該二重鎖を該ポリメラーゼと接触させるステップと、
    組み込まれた該標識されたヌクレオチドからのシグナルを検出するステップと、
    該接触させるステップおよび該検出するステップを少なくとも1回逐次的に反復するステップと
    を含み、ここで、組み込まれた標識されたヌクレオチドの逐次的な検出により、前記バーコード処理された識別子核酸の配列を決定する、請求項22に記載の方法。
  32. 前記検出可能に標識されたヌクレオチドが、光学的に標識されたヌクレオチドである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記光学的に標識されたヌクレオチドが、蛍光標識されたヌクレオチドである、請求項32に記載の方法。
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