JP5206059B2 - メチル化されたdnaの含量を測定する方法 - Google Patents

メチル化されたdnaの含量を測定する方法 Download PDF

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    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/154Methylation markers

Description

本発明は、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの含量を測定する方法等に関する。
生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的とするDNA領域におけるDNAのメチル化状態を評価するための方法としては、例えば、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの含量を測定する方法が存在している(例えば、非特許文献1及び2参照)。この測定方法では、まず、生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料から、目的とするDNA領域を含むDNAを抽出する必要がある。該抽出方法としては、例えば、ゲル濾過、シリカ支持体、有機溶媒等による抽出方法等が知られているが、いずれの抽出方法も操作が煩雑である。次いで、抽出されたDNAの目的領域におけるメチル化されたDNAの含量を測定する方法としては、例えば、(1)亜硫酸塩等を用いて該DNAを修飾した後、DNAポリメラーゼによるDNA合成の連鎖反応(Polymerase Chain Reaction;以下、PCRと記すこともある。)に供することにより目的領域を増幅する方法、(2)メチル化感受性制限酵素を用いて該DNAを消化した後、PCRに供することにより、目的領域を増幅する方法等を挙げることができる。
Clark SJ, Harrison J, Paul CL, Frommer M., High sensitivity mapping of methylated cytosines. Nucleic Acids Res. 1994 Aug 11;22(15):2990-7. Ushijima T, Morimura K, Hosoya Y, Okonogi H, Tatematsu M, Sugimura T, Nagao M., Establishment of methylation-sensitive- representational difference analysis and isolation of hypo- and hypermethylated genomic fragments in mouse liver tumors.Proc Natl Acad Sci U S A. 1997 Mar 18;94(6):2284-9.
しかし、上記のいずれの方法とも、PCRに供するまでの操作(具体的には例えば、メチル化検出のためのDNAの修飾及びその後の生成物の精製等)に非常に時間と労力とを要する。更に、PCRが、増幅しようとする目的領域のDNAの塩基配列に対して相補的な1組のオリゴヌクレオチドプライマー(以下、プライマー対と記すこともある。)を用いて液相中にて行われるために、増幅されたDNA断片を精製した後、これをPCRのための反応容器へ移し換える操作、また目的領域を増幅させるための前記プライマー対を含む反応試薬を反応系に添加するための操作等も必要である。更に、増幅しようとする目的領域のDNAの増幅を確認するために、電気泳動等の分析操作に供する必要もあり、これらの操作は極めて繁雑である。このように、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの含量を測定するための一連の操作には、多大な手間が存在していた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡便にメチル化されたDNAを定量又は検出する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成させた。即ち、本発明は以下の発明を含む。
[発明1]
生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの含量を測定する方法であって、
(1)生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料をメチル化感受性制限酵素による消化処理を行う第一工程、
(2)第一工程で得られた消化処理が行われたDNA試料から目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)を取得し、該一本鎖DNA(正鎖)と、該一本鎖DNAの3’末端の一部(但し、前記の目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性のある塩基配列を有する一本鎖固定化オリゴヌクレオチドとを結合させることにより、前記一本鎖DNAを選択する第二工程、
(3)第二工程で選択された一本鎖DNAを鋳型として、前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチドをプライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖DNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第三工程、及び、
(4)下記の各本工程の前工程として、第三工程で得られた伸長形成された二本鎖DNAを一本鎖状態に一旦分離する工程(前工程)を有し、且つ、本工程として
(a)生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)と前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチド(負鎖)とを結合させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを選択する第A1工程と、
第A1工程で選択された一本鎖状態であるDNAを鋳型として、前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチドをプライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第A2工程と、を有する第A工程(本工程)と、
(b)生成した一本鎖状態であるDNA(負鎖)を鋳型として、前記一本鎖状態であるDNA(負鎖)が有する塩基配列の部分塩基配列(負鎖)であって、且つ、前記目的とするDNA領域の塩基配列(正鎖)に対して相補性のある塩基配列(負鎖)の3’末端より更に3’末端側に位置する部分塩基配列(負鎖)に対して相補性のある塩基配列(正鎖)を有するプライマー(リバース用プライマー)を伸長プライマーとして、該伸長プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第B工程(本工程)とを有し、
更に前記各本工程で得られた伸長形成された二本鎖DNAを一本鎖状態に一旦分離した後、繰り返すことにより、前記目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAを検出可能な量になるまで増幅し、増幅されたDNAの量を定量する第四工程、
を有することを特徴とする方法。
[発明2]
第二工程において目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)と、該一本鎖DNAの3’末端の一部(但し、前記目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性のある塩基配列を有する一本鎖固定化オリゴヌクレオチドとを結合させる際に、二価陽イオンを含有する反応系中で結合させる発明1に記載の方法。
[発明3]
二価陽イオンがマグネシウムイオンである発明2に記載の方法。
[発明4]
第四工程の前工程の前操作段階において、
前記目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)の3’末端の一部(但し、前記目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性のある塩基配列を有し且つ遊離状態である一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)を反応系内に添加する工程(追加前工程)を追加的に有し、且つ、
第四工程の各本工程として、下記の1つの工程を更に追加的に有する方法。
(c)(i)生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)と、前記追加前工程で反応系内に添加された一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)とを結合させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを選択する第C1工程と、
(ii)第C1工程で選択された一本鎖状態であるDNAを鋳型として、前記一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)をプライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第C2工程とを有する第C工程(本工程)
[発明5]
第四工程の前工程の後操作段階において、
前記目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)の3’末端の一部(但し、前記目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性のある塩基配列を有し且つ遊離状態である一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)を反応系内に添加する工程(追加前工程)を追加的に有し、且つ、
第三工程及び前記追加前工程を経て得られた未消化物である伸長形成された二本鎖DNA(前記メチル化感受性制限酵素の認識部位にアンメチル状態のCpG対を含まない伸長形成された二本鎖DNA)を一本鎖状態に一旦分離する工程(追加再前工程)を有し、且つ、
第四工程の各本工程として、下記の1つの工程を更に追加的に有する方法。
(c)(i)生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)と、前記追加前工程で反応系内に添加された一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)とを結合させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを選択する第C1工程と、
(ii)第C1工程で選択された一本鎖状態であるDNAを鋳型として、前記一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)をプライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第C2工程とを有する第C工程(本工程)
[発明6]
発明1〜5のいずれか一に記載の方法の工程として、下記の2つの工程を更に追加的に有するメチル化割合の測定方法。
(5)発明1〜5のいずれか一に記載の方法の第一工程を行うことなく、発明1〜5のいずれか一に記載の方法における第二工程から第四工程を行うことにより、前記目的とするDNA領域のDNA(メチル化されたDNA及びメチルされていないDNAの総量)を検出可能な量になるまで増幅し、増幅されたDNAの量を定量する第五工程、及び、
(6)発明1〜5のいずれか一に記載の第四工程により定量されたDNAの量と、第五工程により定量されたDNAの量とを比較することにより得られる差異に基づき前記目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの割合を算出する第六工程
[発明7]
生物由来検体が、哺乳動物の血清又は血漿である発明1〜6のいずれか一に記載の方法。
[発明8]
生物由来検体が、哺乳動物の血液又は体液である発明1〜6のいずれか一に記載の方法。
[発明9]
生物由来検体が、細胞溶解液又は組織溶解液である発明1〜6のいずれか一に記載の方法。
[発明10]
生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料が、該ゲノムDNAが有する目的とするDNA領域を認識切断部位としない制限酵素で予め消化処理されてなるDNA試料である発明1〜9のいずれか一に記載の方法。
[発明11]
生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料が、予め精製されてなるDNA試料である発明1〜10のいずれか一に記載の方法。
[発明12]
メチル化感受性制限酵素による消化処理が、目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)と、メチル化感受性制限酵素の認識部位の塩基配列と相補的な塩基配列からなるマスキング用オリゴヌクレオチドとを混合することにより、該メチル化感受性制限酵素の認識部位が保護されてなる一本鎖DNAを生成させる第一(A)工程と、
第一(A)工程で選択された一本鎖DNAをメチル化感受性制限酵素で消化処理する第一(B)工程とからなる消化処理である発明1〜11のいずれか一に記載の方法。
[発明13]
メチル化感受性制限酵素が、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的とするDNA領域の中に認識切断部位を有する制限酵素である発明1〜12のいずれか一に記載の方法。
[発明14]
メチル化感受性制限酵素が、HpaII又はHhaIである発明1〜13のいずれか一に記載の方法。
[発明15]
生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの含量を測定する方法であって、
(1)生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料をメチル化感受性制限酵素による消化処理を行う第一工程、
(2)第一工程で得られた消化処理が行われたDNA試料から目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)を取得し、該一本鎖DNA(正鎖)と、該一本鎖DNAの一部に対して相補性のある塩基配列を有する一本鎖固定化オリゴヌクレオチドとを結合させることにより、前記の一本鎖DNAを選択する第二工程、
(3)第二工程で選択された一本鎖DNAを一本鎖状態に一旦分離する工程を有し、生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)を鋳型として、前記目的とするDNA領域の塩基配列(正鎖)の3’末端より更に3’末端側に位置する部分塩基配列(正鎖)に対して相補性のある塩基配列(負鎖)を有するフォーワード用プライマーを伸長プライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖DNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第三工程、及び、
(4)下記各本工程の前工程として、第三工程で得られた伸長形成された二本鎖DNAを一本鎖状態に一旦分離する工程(前工程)を有し、且つ、本工程として
(a)生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)と前記フォーワード用プライマー(負鎖)とを結合させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを選択する第A1工程と、第A1工程で選択された一本鎖状態であるDNAを鋳型として、前記フォーワード用プライマーを伸長プライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第A2工程とを有する第A工程(本工程)と、
(b)生成した一本鎖状態であるDNA(負鎖)を鋳型として、前記一本鎖状態であるDNA(負鎖)が有する塩基配列の部分塩基配列(負鎖)であって、且つ、前記目的とするDNA領域の塩基配列(正鎖)に対して相補性のある塩基配列(負鎖)の3’末端より更に3’末端側に位置する部分塩基配列(負鎖)、に対して相補性のある塩基配列(正鎖)を有するリバース用プライマーを伸長プライマーとして、該伸長プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第B工程(本工程)とを有し、
更に第四工程の各本工程を、前記各本工程で得られた伸長形成された二本鎖DNAを一本鎖状態に一旦分離した後、繰り返すことにより、前記目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAを検出可能な量になるまで増幅し、増幅されたDNAの量を定量する第四工程、
を有することを特徴とする方法。
[発明16]
一本鎖固定化オリゴヌクレオチドが、5’或いは3’末端が固定化されてなる一本鎖固定化オリゴヌクレオチドである発明15に記載の方法。
[発明17]
第二工程において目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)と、該一本鎖DNAの3’末端の一部(但し、前記目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性のある塩基配列を有する一本鎖固定化オリゴヌクレオチドとを結合させる際に、二価陽イオンを含有する反応系中で結合させる発明15又は16に記載の方法。
[発明18]
発明15又は16に記載の方法の工程として、下記の2つの工程を更に追加的に有するメチル化割合の測定方法。
(5)発明15又は16に記載の方法の第一工程を行うことなく、発明1〜5のいずれか一に記載の方法における第二工程から第四工程を行うことにより、前記目的とするDNA領域のDNA(メチル化されたDNA及びメチルされていないDNAの総量)を検出可能な量になるまで増幅し、増幅されたDNAの量を定量する第五工程、及び、
(6)発明15又は16に記載の第四工程により定量されたDNAの量と、第五工程により定量されたDNAの量とを比較することにより得られる差異に基づき前記目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの割合を算出する第六工程
[発明19]
生物由来検体が、哺乳動物の血清又は血漿である発明15又は16に記載の方法。
[発明20]
生物由来検体が、哺乳動物の血液又は体液である発明15又は16に記載の方法。
[発明21]
生物由来検体が、細胞溶解液又は組織溶解液である発明15又は16に記載の方法。
[発明22]
生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料が、該ゲノムDNAが有する目的とするDNA領域を認識切断部位としない制限酵素で予め消化処理されてなるDNA試料である発明15又は16に記載の方法。
[発明23]
生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料が、予め精製されてなるDNA試料である発明15又は16に記載の方法。
[発明24]
メチル化感受性制限酵素による消化処理が、目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)と、メチル化感受性制限酵素の認識部位の塩基配列と相補的な塩基配列からなるマスキング用オリゴヌクレオチドとを混合することにより、該メチル化感受性制限酵素の認識部位が保護されてなる一本鎖DNAを生成させる第一(A)工程と、
第一(A)工程で選択された一本鎖DNAをメチル化感受性制限酵素で消化処理する第一(B)工程とからなる消化処理である発明15又は16に記載の方法。
[発明25]
メチル化感受性制限酵素が、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的とするDNA領域の中に認識切断部位を有する制限酵素である発明15又は16に記載の方法。
[発明26]
メチル化感受性制限酵素が、HpaII又はHhaIである発明15又は16に記載の方法。
本発明により、簡便にメチル化されたDNAを定量又は検出する方法を提供することが可能となる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明における「生物由来検体」としては、例えば、細胞溶解液、組織溶解液(ここでの組織とは、血液、リンパ節等を含む広義の意味である。)若しくは、哺乳動物においては、血漿、血清、リンパ液等の体液、体分泌物(尿や乳汁等)等の生体試料及びこれら生体試料から抽出して得られたゲノムDNAを挙げることができる。前記生物由来検体中には、例えば、微生物やウイルスを含んでいる可能性がある。従って、本発明における「ゲノムDNA」とは、生物由来検体自身のゲノムDNAに留まらず、生物由来検体中に含まれる微生物やウイルスのゲノムDNAをも含んだものである。哺乳動物由来の検体が血液である場合には、定期健康診断や簡便な検査等での本発明の利用が期待できる。
ゲノムDNAを哺乳動物由来の検体から得るには、例えば、市販のDNA抽出用キット等を用いてDNAを抽出すればよい。因みに、血液を検体として用いる場合には、血液から通常の方法に準じて血漿又は血清を調製し、調製された血漿又は血清を検体として、その中に含まれる遊離DNA(胃癌細胞等の癌細胞由来のDNAが含まれる)を分析すると、血球由来のDNAを避けて胃癌細胞等の癌細胞由来のDNAを解析することができ、胃癌細胞等の癌細胞、それを含む組織等を検出する感度を向上させることができる。
尚、前記ゲノムDNA由来のDNA試料は、所定の方法により予め精製されてなるDNA試料であってもよい。
本発明における「メチル化されたDNA」とは、下記のようなDNAを意味するものである。通常、遺伝子(ゲノムDNA)を構成する塩基は4種類である。これらの塩基のうち、シトシンのみがメチル化されるという現象が知られており、このようなDNAのメチル化修飾は、5’−CG−3’で示される塩基配列(Cはシトシンを表し、Gはグアニンを表す。以下、該塩基配列を「CpG」と記すこともある。)中のシトシンに限られている。シトシンにおいてメチル化される部位は、その5位である。細胞分裂に先立つDNA複製に際して、複製直後は鋳型鎖の「CpG」中のシトシンのみがメチル化された状態となるが、メチル基転移酵素の働きにより即座に新生鎖の「CpG」中のシトシンもメチル化される。従って、DNAのメチル化の状態は、DNA複製後も、新しい2組のDNAにそのまま引き継がれることになる。このようなメチル化修飾により生じたDNAを意味するものである。
「CpG対」とは、CpGで示される塩基配列と、これに相補するCpGが結合してなる二本鎖オリゴヌクレオチドを意味するものである。
本発明における「目的とするDNA領域」(以下、目的領域と記すこともある。)は、該領域に含まれるシトシンのメチル化有無を調べたいDNA領域であって、少なくとも1種類以上のメチル化感受性制限酵素の認識部位を有するものであり、例えば、Lysyl oxidase、HRAS-like suppressor、bA305P22.2.1、Gamma filamin、HAND1、Homologue of RIKEN 2210016F16、FLJ32130、PPARG angiopoietin-related protein、Thrombomodulin、p53-responsive gene 2、Fibrillin2、Neurofilament3、disintegrin and metalloproteinase domain 23、G protein-coupled receptor 7、G-protein coupled somatostatin and angiotensin-like peptide receptor、Solute carrier family 6 neurotransmitter transporter noradrenalin member 2等の有用タンパク質遺伝子のプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列中のシトシンを含むDNAの領域等を挙げることができる。
具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子がLysyl oxidase遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のLysyl oxidase遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号1で示される塩基配列(Genbank Accession No.AF270645に記載される塩基配列の塩基番号16001〜18661で示される塩基配列に相当する。)が挙げられる。配列番号1で示される塩基配列においては、ヒト由来のLysyl oxidaseタンパク質のアミノ末端のメチオニンをコードするATGコドンが、塩基番号2031〜2033に示されており、上記エクソン1の塩基配列は、塩基番号1957〜2661に示されている。配列番号1で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシン、とりわけ配列番号1で示される塩基配列においてCpGが密に存在する領域中に存在するCpG中のシトシンは、例えば、胃癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、胃癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号1で示される塩基配列において、塩基番号1539、1560、1574、1600、1623、1635、1644、1654、1661、1682、1686、1696、1717、1767、1774、1783、1785、1787、1795等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子がHRAS-like suppressor遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のHRAS-like suppressor遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号2で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC068162に記載される塩基配列の塩基番号172001〜173953で示される塩基配列に相当する。)があげられる。配列番号2で示される塩基配列においては、ヒト由来のHRAS-like suppressor遺伝子のエクソン1の塩基配列は、塩基番号1743〜1953に示されている。配列番号2で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシン、とりわけ配列番号2で示される塩基配列においてCpGが密に存在する領域中に存在するCpG中のシトシンは、例えば、胃癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、胃癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号2で示される塩基配列において、塩基番号1316、1341、1357、1359、1362、1374、1390、1399、1405、1409、1414、1416、1422、1428、1434、1449、1451、1454、1463、1469、1477、1479、1483、1488、1492、1494、1496、1498、1504、1510、1513、1518、1520等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、bA305P22.2.1遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のbA305P22.2.1遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号3で示される塩基配列(Genbank Accession No.AL121673に記載される塩基配列の塩基番号13001〜13889で示される塩基配列に相当する。)があげられる。配列番号3で示される塩基配列においては、ヒト由来のbA305P22.2.1タンパク質のアミノ末端のメチオニンをコードするATGコドンが、塩基番号849〜851に示されており、上記エクソン1の塩基配列は、塩基番号663〜889に示されている。配列番号3で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシン、とりわけ配列番号3で示される塩基配列においてCpGが密に存在する領域中に存在するCpG中のシトシンは、例えば、胃癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、胃癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号3で示される塩基配列において、塩基番号329、335、337、351、363、373、405、424、427、446、465、472、486等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、Gamma filamin遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のGamma filamin遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号4で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC074373に記載される塩基配列の塩基番号63528〜64390で示される塩基配列の相補的配列に相当する。)があげられる。配列番号4で示される塩基配列においては、ヒト由来のGamma filaminタンパク質のアミノ末端のメチオニンをコードするATGコドンが、塩基番号572〜574に示されており、上記エクソン1の塩基配列は、塩基番号463〜863に示されている。配列番号4で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシン、とりわけ配列番号4で示される塩基配列においてCpGが密に存在する領域中に存在するCpG中のシトシンは、例えば、胃癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、胃癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号4で示される塩基配列において、塩基番号329、333、337、350、353、360、363、370、379、382、384、409、414、419、426、432、434、445、449、459、472、474、486、490、503、505等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、HAND1遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のHAND1遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号5で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC026688に記載される塩基配列の塩基番号24303〜26500で示される塩基配列の相補的配列に相当する。)があげられる。配列番号5で示される塩基配列においては、ヒト由来のHAND1タンパク質のアミノ末端のメチオニンをコードするATGコドンが、塩基番号1656〜1658に示されており、上記エクソン1の塩基配列は、塩基番号1400〜2198に示されている。配列番号5で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシン、とりわけ配列番号5で示される塩基配列においてCpGが密に存在する領域中に存在するCpG中のシトシンは、例えば、胃癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、胃癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号5で示される塩基配列において、塩基番号1153、1160、1178、1187、1193、1218、1232、1266、1272、1292、1305、1307、1316、1356、1377、1399、1401、1422、1434等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、Homologue of RIKEN 2210016F16遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のHomologue of RIKEN 2210016F16遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号6で示される塩基配列(Genbank Accession No.AL354733に記載される塩基配列の塩基番号157056〜159000で示される塩基配列の相補的塩基配列に相当する。)があげられる。配列番号6で示される塩基配列においては、ヒト由来のHomologue of RIKEN 2210016F16タンパク質のエクソン1の塩基配列は、塩基番号1392〜1945に示されている。配列番号6で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシン、とりわけ配列番号6で示される塩基配列においてCpGが密に存在する領域中に存在するCpG中のシトシンは、例えば、胃癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、胃癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号6で示される塩基配列において、塩基番号1172、1175、1180、1183、1189、1204、1209、1267、1271、1278、1281、1313、1319、1332、1334、1338、1346、1352、1358、1366、1378、1392、1402、1433、1436、1438等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、FLJ32130遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のFLJ32130遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号7で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC002310に記載される塩基配列の塩基番号1〜2379で示される塩基配列の相補的塩基配列に相当する。)があげられる。配列番号7で示される塩基配列においては、ヒト由来のFLJ32130タンパク質のアミノ酸末端のメチオニンをコードするATGコドンが、塩基番号2136〜2138に示されており、上記エクソン1と考えられる塩基配列は、塩基番号2136〜2379に示されている。配列番号7で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシン、とりわけ配列番号7で示される塩基配列においてCpGが密に存在する領域中に存在するCpG中のシトシンは、例えば、胃癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、胃癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号7で示される塩基配列において、塩基番号1714、1716、1749、1753、1762、1795、1814、1894、1911、1915、1925、1940、1955、1968等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、PPARG angiopoietin-related protein遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のPPARG angiopoietin-related protein遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号8で示される塩基配列があげられる。配列番号8で示される塩基配列においては、ヒト由来のPPARG angiopoietin-related proteinタンパク質のアミノ末端のメチオニンをコードするATGコドンが、塩基番号717〜719に示されており、上記エクソン1の5’側部分の塩基配列は、塩基番号1957〜2661に示されている。配列番号8で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシン、とりわけ配列番号8で示される塩基配列においてCpGが密に存在する領域中に存在するCpG中のシトシンは、例えば、胃癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、胃癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号8で示される塩基配列において、塩基番号35、43、51、54、75、85、107、127、129、143、184、194、223、227、236、251、258等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、Thrombomodulin遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のThrombomodulin遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号9で示される塩基配列(Genbank Accession No.AF495471に記載される塩基配列の塩基番号1〜6096で示される塩基配列に相当する。)があげられる。配列番号9で示される塩基配列においては、ヒト由来のThrombomodulinタンパク質のアミノ末端のメチオニンをコードするATGコドンが、塩基番号2590〜2592に示されており、上記エクソン1の塩基配列は、塩基番号2048〜6096に示されている。配列番号9で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシン、とりわけ配列番号9で示される塩基配列においてCpGが密に存在する領域中に存在するCpG中のシトシンは、例えば、胃癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、胃癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号9で示される塩基配列において、塩基番号1539、1551、1571、1579、1581、1585、1595、1598、1601、1621、1632、1638、1645、1648、1665、1667、1680、1698、1710、1724、1726、1756等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、p53-responsive gene 2遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のp53-responsive gene 2遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号10で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC009471に記載される塩基配列の塩基番号113501〜116000で示される塩基配列の相補的配列に相当する。)があげられる。配列番号10で示される塩基配列においては、ヒト由来のp53-responsive gene 2遺伝子のエクソン1の塩基配列は、塩基番号1558〜1808に示されている。配列番号10で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシンは、例えば、膵臓癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、膵臓癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号10で示される塩基配列において、塩基番号1282、1284、1301、1308、1315、1319、1349、1351、1357、1361、1365、1378、1383等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、Fibrillin2遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のFibrillin2遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号11で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC113387に記載される塩基配列の塩基番号118801〜121000で示される塩基配列の相補的配列に相当する。)があげられる。配列番号11で示される塩基配列においては、ヒト由来のFibrillin2遺伝子のエクソン1の塩基配列は、塩基番号1091〜1345に示されている。配列番号11で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシンは、例えば、膵臓癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、膵臓癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号11で示される塩基配列において、塩基番号679、687、690、699、746、773、777、783、795、799、812、823、830、834、843等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、Neurofilament3遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のNeurofilament3遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号12で示される塩基配列(Genbank Accession No.AF106564に記載される塩基配列の塩基番号28001〜30000で示される塩基配列の相補的配列に相当する。)があげられる。配列番号12で示される塩基配列においては、ヒト由来のNeurofilament3遺伝子のエクソン1の塩基配列は、塩基番号614〜1694に示されている。配列番号12で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシンは、例えば、膵臓癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、膵臓癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号12で示される塩基配列において、塩基番号428、432、443、451、471、475、482、491、499、503、506、514、519、532、541、544、546、563、566、572、580等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、disintegrin and metalloproteinase domain 23遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のdisintegrin and metalloproteinase domain 23遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号13で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC009225に記載される塩基配列の塩基番号21001〜23300で示される塩基配列に相当する。)があげられる。配列番号13で示される塩基配列においては、ヒト由来のdisintegrin and metalloproteinase domain 23遺伝子のエクソン1の塩基配列は、塩基番号1194〜1630に示されている。配列番号13で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシンは、例えば、膵臓癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、膵臓癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号13で示される塩基配列において、塩基番号998、1003、1007、1011、1016、1018、1020、1026、1028、1031、1035、1041、1043、1045、1051、1053、1056、1060、1066、1068、1070、1073、1093、1096、1106、1112、1120、1124、1126等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、G protein-coupled receptor 7遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のG protein-coupled receptor 7遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号14で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC009800に記載される塩基配列の塩基番号75001〜78000で示される塩基配列に相当する。)があげられる。配列番号14で示される塩基配列においては、ヒト由来のG protein-coupled receptor 7遺伝子のエクソン1の塩基配列は、塩基番号1666〜2652に示されている。配列番号14で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシンは、例えば、膵臓癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、膵臓癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号14で示される塩基配列において、塩基番号1480、1482、1485、1496、1513、1526、1542、1560、1564、1568、1570、1580、1590、1603、1613、1620等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、G-protein coupled somatostatin and angiotensin-like peptide receptor遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、のプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のG-protein coupled somatostatin and angiotensin-like peptide receptor遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号15で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC008971に記載される塩基配列の塩基番号57001〜60000で示される塩基配列の相補的配列に相当する。)があげられる。配列番号15で示される塩基配列においては、ヒト由来のG-protein coupled somatostatin and angiotensin-like peptide receptor遺伝子のエクソン1の塩基配列は、塩基番号776〜2632に示されている。配列番号15で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシンは、例えば、膵臓癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、膵臓癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号15で示される塩基配列において、塩基番号470、472、490、497、504、506、509、514、522、540、543、552、566、582、597、610、612等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
また具体的には例えば、有用タンパク質遺伝子が、Solute carrier family 6 neurotransmitter transporter noradrenalin member 2遺伝子である場合には、そのプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のSolute carrier family 6 neurotransmitter transporter noradrenalin member 2遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列を挙げることができ、より具体的には、配列番号16で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC026802に記載される塩基配列の塩基番号78801〜81000で示される塩基配列の相補的配列に相当する。)があげられる。配列番号16で示される塩基配列においては、ヒト由来のSolute carrier family 6 neurotransmitter transporter noradrenalin member 2遺伝子のエクソン1の塩基配列は、塩基番号1479〜1804に示されている。配列番号16で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシンは、例えば、膵臓癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、膵臓癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号16で示される塩基配列において、塩基番号1002、1010、1019、1021、1051、1056、1061、1063、1080、1099、1110、1139、1141、1164、1169、1184等で示される塩基番号であるシトシンを挙げることができる。
本発明における「(目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAを検出可能な量になるまで増幅し、)増幅されたDNAの量」とは、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的領域におけるメチル化されたDNAの増幅後の量そのもの、即ち、本発明の第四工程で求めた量を意味するものである。例えば、生物由来検体が1mLの血清であった場合には、血清1mL中に含まれる前記メチル化されたDNAに基づいて増幅されたDNAの量を意味する。
本発明における「メチル化割合」とは、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの増幅後の量とメチル化されていないDNAの増幅後の量との合計量を、メチル化されたDNAの増幅後の量で除した数値を意味するものである。
「相補性によって結合(相補的な(塩基対合による)結合)」とは、塩基同士の水素結合による塩基対合により二本鎖DNAを形成することを意味する。例えば、DNAを構成する二本鎖の各々一本鎖DNAを構成する塩基が、プリンとピリミジンの塩基対合により二本鎖を形成することであり、より具体的には、複数の連続した、チミンとシトシン、グアニンとアデニンの水素結合による塩基結合により、二本鎖DNAを形成することを意味する。相補性によって結合することを「相補的な結合」と呼ぶこともある。「相補的な結合」は、「相補的に塩基対合しうる」又は「相補性により結合」と表現することもある。また、相補的に結合しうる塩基配列を互いに「相補性を有する」[相補性である]と表現することもある。尚、人工的に作成されるオリゴヌクレオチドに含まれるイノシンがシトシン、アデニン、チミンと水素結合の水素結合で結合することも意味する。
「目的とするDNA領域(に対して相補性である塩基配列)を含む一本鎖DNA」とは、目的とするDNA領域を含む一本鎖DNAとの結合体(二本鎖)を形成するために必要な塩基配列、即ち、目的とするDNA領域の塩基配列の一部に相補的な塩基配列を含む塩基配列であることを意味し、「相補的塩基配列」と表現することもある。また、相補的塩基配列は、「相補的」と表現することもある。
第一工程において、生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料をメチル化感受性制限酵素による消化処理を行う。
「メチル化感受性制限酵素」とは、例えば、メチル化されたシトシンを含む認識配列を消化せず、メチル化されていないシトシンを含む認識配列のみを消化することのできる制限酵素等を意味する。即ち、メチル化感受性制限酵素が本来認識することができる認識配列に含まれるシトシンがメチル化されているDNAの場合には、該メチル化感受性制限酵素を該DNAに作用させても、該DNAは切断されない。これに対して、メチル化感受性制限酵素が本来認識することができる認識配列に含まれるシトシンがメチル化されていないDNAの場合には、該メチル化感受性制限酵素を該DNAに作用させれば、該DNAは切断される。このようなメチル化感受性酵素の具体的な例としては、例えば、HpaII、BstUI、NarI、SacII、HhaI等を挙げることができる。尚、前記メチル化感受性制限酵素は、すでにGruenbaumらにより明らかにされている(Nucleic Acid Research, 9、 2509-2515)。
該メチル化感受性制限酵素による消化の有無を調べる方法としては、具体的には例えば、前記DNAを鋳型とし、解析対象とするシトシンを認識配列に含むDNAを増幅可能なプライマー対を用いてPCRを行い、DNAの増幅(増幅産物)の有無を調べる方法を挙げることができる。解析対象とするシトシンがメチル化されている場合には、増幅産物が得られる。一方、解析対象とするシトシンがメチル化されていない場合には、増幅産物が得られない。このようにして、増幅されたDNAの量を比較することにより、解析対象となるシトシンのメチル化されている割合を測定することができる。即ち、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAがメチル化されていれば、前記メチル化感受性制限酵素がメチル化状態であるDNAを切断しないという特性を利用することにより、前記生物由来検体中に含まれるゲノムDNAにおける前記メチル化感受性制限酵素の認識部位の中に存在している少なくとも1つ以上のCpG対におけるシトシンがメチル化されていたか否かを区別することができる。言い換えれば、前記メチル化感受性制限酵素で消化処理することにより、仮に生物由来検体生物由来検体中に含まれるゲノムDNAにおける前記メチル化感受性制限酵素の認識部位の中に存在している少なくとも1つ以上のCpG対におけるシトシンがメチル化されていないのであれば、該メチル化感受性制限酵素により切断される。また、仮に生物由来検体中に含まれるゲノムDNAにおける前記メチル化感受性制限酵素の認識部位の中に存在している全てのCpG対におけるシトシンがメチル化されていたのであれば、該メチル化感受性制限酵素により切断されない。従って、消化処理を実施した後、後述のように、前記目的とするDNA領域を増幅可能な一対のプライマーを用いたPCRを実施することにより、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAにおける前記制限酵素の認識部位の中に存在している少なくとも1つ以上のCpG対におけるシトシンがメチル化されていないのであれば、PCRによる増幅産物は得られず、一方、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAにおける前記メチル化感受性制限酵素の認識部位の中に存在している全てのCpG対におけるシトシンがメチル化されていたのであれば、PCRによる増幅産物が得られることになる。
第一工程は、具体的には例えば、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが哺乳類由来のゲノムDNAの場合には、以下のように実施すればよい。哺乳類由来のゲノムDNAに、最適な10×緩衝液(330mM Tris-Acetate pH 7.9、660mM KOAc、100mM MgOAc2、5mM Dithothreitol)を3μL、1mg/mL BSA水溶液を3μL、メチル化感受性制限酵素HpaII又はHhaI(10U/μL)等を夫々1.5μL加え、次いで該混合物に滅菌超純水を加えて液量を30μLとし、37℃で1時間〜3時間インキュベーションすればよい。
メチル化感受性制限酵素による消化処理が、目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)と、メチル化感受性制限酵素の認識部位の塩基配列と相補的な塩基配列からなるマスキング用オリゴヌクレオチドとを混合することにより、該メチル化感受性制限酵素の認識部位が保護されてなる一本鎖DNAを生成させる第一(A)工程と、第一(A)工程で選択された一本鎖DNAをメチル化感受性制限酵素で消化処理する第一(B)工程とからなる消化処理であってもよい。
この場合、「マスキング用オリゴヌクレオチド」とは、メチル化感受性制限酵素の認識部位の塩基配列と相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、一本鎖DNA中の目的とするDNA領域に含まれる数箇所あるメチル化感受性制限酵素の認識配列のうち、少なくとも1箇所(全ての個所でも良い)と相補的に結合することで二本鎖を形成し(即ち、前記箇所を二本鎖状態にして)、二本鎖DNAのみを基質とするメチル化感受性制限酵素でも前記箇所を消化できるように、また、試料が一本鎖DNAである場合、一本鎖DNAを消化できるメチル化感受性制限酵素(一本鎖DNAを消化できるメチル化感受性制限酵素は二本鎖DNAも消化でき、その消化効率は、二本鎖DNAに対する方が一本鎖DNAに対するよりも高い)での前記箇所の消化効率を向上させることができるようにするためのオリゴヌクレオチドであり、且つ、目的とする領域のDNAを含む一本鎖DNAと一本鎖固定化オリゴヌクレオチドとの二本鎖の形成を阻害しないオリゴヌクレオチドを意味する。また、該マスキング用オリゴヌクレオチドは、後述のリバース用プライマー(正鎖)を伸長プライマーとして、該マスキング用オリゴヌクレオチド(負鎖)を鋳型として、伸長プライマーを伸長させる反応に利用できないオリゴヌクレオチドでなければならない。尚、塩基長としては、8〜200塩基長が望ましい。
ゲノムDNA由来のDNA試料に混合させるマスキング用オリゴヌクレオチドは、1種類でもよく複数種類でも良い。複数種類を用いると、目的とするDNA領域を含む一本鎖DNAのメチル化感受性制限酵素の認識部位の多くが二本鎖状態になり、メチル化感受性制限酵素での、後述の「DNAの切れ残し」を最小限に抑えることができる。マスキング用オリゴヌクレオチドは、例えば、目的とするDNA領域に含まれる数箇所あるメチル化感受性制限酵素の認識配列のうち、メチル化している場合には消化せずにメチル化していない場合には消化したい箇所(例えば、疾患患者検体では100%メチル化されており、健常者検体では100%メチル化されていない箇所等)に応じて設計し、これを使用することが特に有用である。
尚、第一工程におけるメチル化感受性制限酵素による消化処理での懸念点として、メチル化されていないシトシンを含む認識配列を完全に消化できない(所謂「DNAの切れ残し」)虞を挙げることができる。このような虞が問題となる場合には、メチル化感受性制限酵素の認識部位が多く存在すれば、「DNAの切れ残し」を最小限に抑えることができるので、目的とするDNA領域としては、メチル化感受性制限酵素の認識部位を少なくとも1つ以上有しており、その認識部位が多ければ多いほどよいと考えられる。
本発明又は後述のメチル化割合測定方法において、「生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料」が、該ゲノムDNAが有する目的とするDNA領域を認識切断部位としない制限酵素で予め消化処理されてなるDNA試料であることを好ましい態様の一つとして挙げることができる。ここで、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAの消化物を固定化オリゴヌクレオチドで選択する場合には、短い鋳型DNAの方がより選択され易く、また、PCRで目的領域を増幅する場合にも、鋳型DNAが短い方がよいと考えられるので、目的とするDNA領域を認識切断部位としない制限酵素を生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料に直接使用し消化処理を実施してもよい。尚、目的とするDNA領域を認識切断部位としない制限酵素により消化処理する方法としては、一般的な制限酵素処理法を用いればよい。これらの好ましい態様は、生物由来検体そのものを予め上記のような制限酵素で消化処理しておくことにより、メチル化量を精度良く求めることができるためである。該方法は、上記のような「DNAの切れ残し」を無くすのに有用である。
生物由来検体に含まれるゲノムDNA由来の試料をメチル化感受性制限酵素により消化する方法としては、生物由来検体がゲノムDNA自体の場合には前記方法と同様な方法でよく、生物由来検体が組織溶解液、細胞溶解液等の場合には前記方法と同様な方法に準じて、大過剰のメチル化感受性制限酵素、例えば、25ngのDNA量に対して500倍量(10U)又はそれ以上のメチル化感受性制限酵素を用いて消化処理を実施すればよい。ゲノムDNAは、基本的には二本鎖DNAとして存在している。したがって、本操作においては、一本鎖を消化できるメチル化感受性制限酵素(例えば、HhaI)だけでなく、二本鎖DNAを消化できるメチル化感受性制限酵素(例えば、HpaII、BstUI、NarI、SacII、HhaI等)を用いることができる。
第二工程において、第一工程で得られた消化処理が行われたDNA試料から目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)を取得し、該一本鎖DNA(正鎖)と、該一本鎖DNAの3’末端の一部(但し、前記目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性である塩基配列を有する一本鎖固定化オリゴヌクレオチドとを結合させることにより、前記一本鎖DNAを選択する。
「一本鎖固定化オリゴヌクレオチド」は、目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)の3’末端の一部(但し、前記目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性である塩基配列を有する一本鎖固定化オリゴヌクレオチド(以下、本固定化オリゴヌクレオチドと記すこともある。)である。
本固定化オリゴヌクレオチドは、生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料から、目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)を選択するために用いられる。本固定化オリゴヌクレオチドは、5〜50塩基長であることが好ましい。
本固定化オリゴヌクレオチドの5’末端側は、担体と固定化され得るものであり、一方その3’末端側は、後述する第三工程及び第A2工程により5’末端から3’末端に向かって進行する一回伸長反応が可能なようにフリーな状態であってもよい。
または、本固定化オリゴヌクレオチドは、5’或いは3’末端が担体と固定化されてもよい。
「担体と固定化され得るもの」とは、前記目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)を選択する際に本固定化オリゴヌクレオチドが担体に固定化されていればよく、(1)該一本鎖DNA(正鎖)と本固定化オリゴヌクレオチドとの結合前の段階で、本固定化オリゴヌクレオチドと担体との結合により固定化されるものであってもよく、また(2)該一本鎖DNA(正鎖)と本固定化オリゴヌクレオチドとの結合後の段階で、本固定化オリゴヌクレオチドと担体との結合により固定化されるものであってもよい。
このような構造を得るには、目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)の3’末端の一部(但し、前記目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性である塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、本オリゴヌクレオチドと記すこともある。)の5’末端を通常の遺伝子工学的な操作方法又は市販のキット・装置等に従い、担体に固定すればよい(固相への結合)。具体的には例えば、本オリゴヌクレオチドの5’末端をビオチン化した後、得られたビオチン化オリゴヌクレオチドをストレプトアビジンで被覆した支持体(例えば、ストレプトアビジンで被覆したPCRチューブ、ストレプトアビジンで被覆した磁気ビーズ等)に固定する方法を挙げることができる。
また、本オリゴヌクレオチドの5’末端側に、アミノ基、アルデヒド基、チオール基等の活性官能基を有する分子を共有結合させた後、これを表面がシランカップリング剤等で活性化させたガラス、シリカ若しくは耐熱性プラスチック製の支持体に、例えば、トリグリセリドを5個直列に連結したもの等のスペーサー、クロスリンカー等を介して共有結合させる方法も挙げられる。またさらに、ガラス若しくはシリコン製の支持体の上で直接、本オリゴヌクレオチドの5’末端側から化学合成させる方法も挙げられる。
第二工程は、具体的には例えば、本固定化オリゴヌクレオチドがビオチン化オリゴヌクレオチドの場合には、
(a)まず、生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料に、アニーリングバッファー及びビオチン化オリゴヌクレオチド(該一本鎖DNA(正鎖)と本固定化オリゴヌクレオチドとの結合後の段階で、本固定化オリゴヌクレオチドと担体との結合により固定化されるものであるために、現段階では遊離状態にあるもの)を添加することにより、混合物を得る。次いで、得られた混合物を、生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料に存在する目的とするDNA領域を含む二本鎖DNAを一本鎖にするために、95℃で数分間加熱する。その後、ビオチン化オリゴヌクレオチドとの二本鎖を形成させるために、ビオチン化オリゴヌクレオチドのTm値の約10〜20℃低い温度まで速やかに冷却し、その温度で数分間保温する。
(b)その後、室温に戻す。
(c)ストレプトアビジンで被覆した支持体に、上記(b)で得られた混合物を添加し、さらに、これを37℃で数分間保温することにより、ビオチン化オリゴヌクレオチドをストレプトアビジンで被覆した支持体に固定する。
因みに、前述の如く、上記(a)〜(c)では、前記目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)と、ビオチン化オリゴヌクレオチドとの結合を、ビオチン化オリゴヌクレオチドとストレプトアビジンで被覆した支持体との固定よりも前段階で実施しているが、この順番は、どちらが先でも構わない。即ち、例えば、ストレプトアビジンで被覆した支持体に固定化されたビオチン化オリゴヌクレオチドに、生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料を添加することにより混合物を得て、得られた混合物を生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料に存在する目的とするDNA領域を含む二本鎖DNAを一本鎖にするために、95℃で数分間加熱し、その後ビオチン化オリゴヌクレオチドとの二本鎖を形成させるために、ビオチン化オリゴヌクレオチドのTm値の約10〜20℃低い温度まで速やかに冷却し、その温度で数分間保温してもよい。
(d)このようにしてビオチン化オリゴヌクレオチドをストレプトアビジンで被覆した支持体に固定した後、残溶液の除去及び洗浄(DNA精製)を行う。
より具体的には例えば、ストレプトアビジンで被覆したPCRチューブを使用する場合には、まず溶液をピペッティング又はデカンテーションにより取り除いた後、これに生物由来検体の容量と略等量のTEバッファーを添加し、その後該TEバッファーをピペッティング又はデカンテーションにより取り除けばよい。またストレプトアビジンで被覆した磁気ビーズを使用する場合には、磁石によりビーズを固定した後、まず溶液をピペッティング又はデカンテーションにより取り除いた後、生物由来検体の容量と略等量のTEバッファーを添加し、その後該TEバッファーをピペッティング又はデカンテーションにより取り除けばよい。
次いで、このような操作を数回実施することにより、残溶液の除去及び洗浄(DNA精製)を行う。
該操作は、固定化されていないDNA、又は、後述の制限酵素で消化された溶液中に浮遊しているDNA、を反応溶液から取り除くため、重要である。これら操作が不十分であれば、反応溶液中に浮遊しているDNAが鋳型となり、増幅反応で予期せぬ増幅産物が得られることとなる。支持体と生物由来検体中DNAとの非特異的結合を避けるためには、目的領域とはまったく異なる塩基配列を有するDNA(例えば、ヒトの生物由来検体の場合は、ラットDNA等)を大量に生物由来検体に添加し、上記の操作を実施すればよい。
第二工程における好ましい態様としては、目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)と、該一本鎖DNAの3’末端の一部(但し、前記目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性である塩基配列を有する一本鎖固定化オリゴヌクレオチドとを結合させる際に、二価陽イオンを含有する反応系中で結合させることを挙げることができる。より好ましくは、二価陽イオンがマグネシウムイオンであることが挙げられる。ここで「二価陽イオンを含有する反応系」とは、前記一本鎖DNA(正鎖)と前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチドとを結合させるために用いられるアニーリングバッファー中に二価陽イオンを含有するような反応系を意味し、具体的には例えば、マグネシウムイオンを構成要素とする塩(例えば、MgOAc2、MgCl2等)を1mM〜600mMの濃度で含まれることがよい。
第三工程において、第二工程で選択された一本鎖DNAを鋳型として、前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチドをプライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖DNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる。この場合、該一本鎖DNAを鋳型として、前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチドをプライマーとして、該プライマーを1回伸長させるためには、DNAポリメラーゼを用いて伸長反応を実施すればよい。
第三工程は、具体的には例えば、本固定化オリゴヌクレオチドがビオチン化オリゴヌクレオチドの場合には、以下のように実施すればよい。
第二工程で選択された前記目的とするDNA領域を含む一本鎖DNAに、滅菌超純水を17.85μL、最適な10×緩衝液(100mM Tris-HCl pH 8.3、500mM KCl、15mM MgCl2)を3μL、2mM dNTPを3μL、5N ベタインを6μL加え、次いで該混合物にAmpliTaq(DNAポリメラーゼの1種:5U/μL)を0.15μL加えて液量を30μLとし、37℃で2時間インキュベーションする。その後、インキュベーションされた溶液をピペッティング又はデカンテーションにより取り除いた後、これに生物由来検体の容量と略等量のTEバッファーを添加し、該TEバッファーをピペッティング又はデカンテーションにより取り除けばよい。
より具体的には例えば、ストレプトアビジンで被覆したPCRチューブを使用する場合には、まず溶液をピペッティング又はデカンテーションにより取り除いた後、これに生物由来検体の容量と略等量のTEバッファーを添加し、その後該TEバッファーをピペッティング又はデカンテーションにより取り除けばよい。またストレプトアビジンで被覆した磁気ビーズを使用する場合には、磁石によりビーズを固定した後、まず溶液をピペッティング又はデカンテーションにより取り除いた後、生物由来検体の容量と略等量のTEバッファーを添加し、その後該TEバッファーをピペッティング又はデカンテーションにより取り除けばよい。次いで、このような操作を数回実施することにより、残溶液の除去及び洗浄(DNA精製)を行う。
また、第三工程は、第二工程で選択された一本鎖DNAを固定化オリゴヌクレオチドから分離して一本鎖状態に一旦分離する工程を有し、生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)を鋳型として、前記目的とするDNA領域の塩基配列(正鎖)の3’末端より更に3’末端側に位置する部分塩基配列(正鎖)に対して相補性のある塩基配列(負鎖)を有するフォーワード用プライマーを伸長プライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記の一本鎖DNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる工程であってもよい。
この場合の方法としては、具体的に例えば、二本鎖DNAを一本鎖にするために、95℃で数分間加熱すればよい。さらに、フォーワード用プライマーを添加した後、フォーワード用プライマーのTm値の約10〜20℃低い温度まで速やかに冷却し、その温度で数分間保温し、前記の生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)とフォーワード用プライマーとの二本鎖を形成させる。生成した二本鎖DNAの溶液に、最適な10×緩衝液(100mM Tris-HCl pH 8.3、500mM KCl、15mM MgCl2)を3μL、2mM dNTPを3μL、5N ベタインを6μL加え、次いで当該混合物にAmpliTaq(DNAポリメラーゼの1種:5U/μL)を0.15μL加え、滅菌超純水を加えて液量を30μLとし、37℃で2時間インキュベーションする。
なお、第三工程は、第四工程と独立に実施しても良いし、第四工程で実施されるPCR反応と連続して実施しても構わない。
第四工程において、下記の各本工程の前工程として、第三工程で得られた伸長形成された二本鎖DNA(前記メチル化感受性制限酵素の認識部位にアンメチル状態のCpG対を含まない伸長形成された二本鎖DNA)を一本鎖状態に一旦分離する工程(前工程)を有し、且つ、本工程として
(a)生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)と前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチド(負鎖)とを結合させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを選択する第A1工程と、第A1工程で選択された一本鎖状態であるDNAを鋳型として、前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチドをプライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第A2工程とを有する第A工程(本工程)と、
(b)生成した一本鎖状態であるDNA(負鎖)を鋳型として、前記一本鎖状態であるDNA(負鎖)が有する塩基配列の部分塩基配列(負鎖)であって、且つ、前記目的とするDNA領域の塩基配列(正鎖)に対して相補性である塩基配列(負鎖)の3’末端よりさらに3’末端側に位置する部分塩基配列(負鎖)、に対して相補性である塩基配列(正鎖)を有する伸長プライマー(リバース用プライマー)を伸長プライマーとして、該伸長プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第B工程(本工程)とを有し、
さらに第四工程の各本工程を、前記各本工程で得られた伸長形成された二本鎖DNAを一本鎖状態に一旦分離した後、繰り返すことにより、前記目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAを検出可能な量になるまで増幅し、増幅されたDNAの量を定量する。
第四工程では、まず、下記の各本工程の前工程として、第三工程で得られた未消化物である伸長形成された二本鎖DNA(前記メチル化感受性制限酵素の認識部位にアンメチル状態のCpG対を含まない伸長形成された二本鎖DNA)を一本鎖状態に一旦分離する。具体的には例えば、第三工程で得られた未消化物である伸長形成された二本鎖DNA(前記メチル化感受性制限酵素の認識部位にアンメチル状態のCpG対を含まない伸長形成された二本鎖DNA)に、アニーリングバッファーを添加することにより、混合物を得る。次いで、得られた混合物を95℃で数分間加熱する。
その後、本工程として、
(i)生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)を、前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチド(負鎖)にアニーリングさせるために、前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチド(負鎖)のTm値の約10〜20℃低い温度まで速やかに冷却し、その温度で数分間保温する。
(ii)その後、室温に戻す。(第A工程における第A1工程)
(iii)上記(i)で選択された一本鎖状態であるDNAを鋳型として、前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチドをプライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる(即ち、第A工程における第A2工程)。具体的には例えば、後述の説明や前述の本発明の第二工程における伸長反応での操作方法等に準じて実施すればよい。
(iv)生成した一本鎖状態であるDNA(負鎖)を鋳型として、前記一本鎖状態であるDNA(負鎖)が有する塩基配列の部分塩基配列(負鎖)であって、且つ、前記目的とするDNA領域の塩基配列(正鎖)に対して相補性である塩基配列(負鎖)の3’末端よりさらに3’末端側に位置する部分塩基配列(負鎖)、に対して相補性である塩基配列(正鎖)を有する伸長プライマー(リバース用プライマー))を伸長プライマー(リバース用プライマー)として、該伸長プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる(即ち、第B工程)。具体的には例えば、上記(iii)と同様に、後述の説明や前述の本発明の第二工程における伸長反応での操作方法等に準じて実施すればよい。
(v)さらに第四工程の各本工程を、前記各本工程で得られた伸長形成された二本鎖DNAを一本鎖状態に一旦分離した後、繰り返すこと(例えば、第A工程及び第B工程)により、前記目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAを検出可能な量になるまで増幅し、増幅されたDNAの量を定量する。具体的には例えば、上記と同様に、後述の説明や前述の本発明の第四工程における前工程、第A工程及び第B工程での操作方法等に準じて実施すればよい。
メチル化感受性制限酵素による消化処理の後に目的とするDNA領域(即ち、目的領域)を増幅する方法としては、例えば、PCRを用いることができる。目的領域を増幅する際に、片側のプライマーとして固定化オリゴヌクレオチドを用いることができるので、もう一方のプライマーのみ添加してPCRを行うことにより、増幅産物が得られ、その増幅産物も固定化されることとなる。この際、予め蛍光等で標識されたプライマーを使用してその標識を指標とすれば、電気泳動等の煩わしい操作を実施せずに増幅産物の有無を評価できる。PCR反応液としては、例えば、本発明の第三工程で得たDNAに、50μMのプライマーの溶液を0.15μlと、2mM dNTPを2.5μlと、10×緩衝液(100mM Tris-HCl pH 8.3、500mM KCl、20mM MgCl2、0.01% Gelatin)を2.5μlと、AmpliTaq Gold (耐熱性DNAポリメラーゼの一種: 5U/μl)を0.2μlとを混合し、これに滅菌超純水を加えて液量を25μlとした反応液を挙げることができる。
目的とするDNA領域(即ち、目的領域)は、GCリッチな塩基配列が多いため、時に、ベタイン、DMSO等を適量加えて反応を実施してもよい。反応条件としては、例えば、前記ような反応液を、95℃にて10分間保温した後、95℃にて30秒間次いで55〜65℃にて30秒間さらに72℃にて30秒間を1サイクルとする保温を30〜40サイクル行う条件があげられる。かかるPCRを行った後、得られた増幅産物を検出する。例えば、予め標識されたプライマーを使用した場合には、先と同様の洗浄・精製操作を実施後、固定化された蛍光標識体の量を測定することができる。また、標識されていない通常のプライマーを用いたPCRを実施した場合は、金コロイド粒子、蛍光等で標識したプローブ等をアニーリングさせ、目的領域に結合した該プローブの量を測定することにより検出することができる。また、増幅産物の量をより精度よく求めるには、例えば、リアルタイムPCR法を用いればよい。リアルタイムPCR法とは、PCRをリアルタイムでモニターし、得られたモニター結果をカイネティックス分析する方法であり、例えば、遺伝子量に関して2倍程度のほんのわずかな差異をも検出できる高精度の定量PCR法として知られる方法である。該リアルタイムPCR法には、例えば、鋳型依存性核酸ポリメラーゼプローブ等のプローブを用いる方法、サイバーグリーン等のインターカレーターを用いる方法等を挙げることができる。リアルタイムPCR法のための装置及びキットは市販されるものを利用してもよい。以上の如く、検出については特に限定されることはなく、これまでに周知のあらゆる方法による検出が可能である。これら方法では、反応容器を移し換えることなく検出までの操作が可能となる。
さらに、固定化オリゴヌクレオチドと同じ塩基配列のビオチン化オリゴヌクレオチドを片側のプライマー、又は、固定化オリゴヌクレオチドより、3’端側に新しいビオチン化オリゴヌクレオチドを設計しそれを片側のプライマーとし、その相補側プライマーを用いて、目的領域を増幅することもできる。この場合、得られた増幅産物は、ストレプトアビジンで被覆した支持体があれば固定化されるので、例えば、ストレプトアビジンコートPCRチューブでPCRを実施した場合には、チューブ内に固定されるため、上記の通り、標識されたプライマーを用いれば、増幅産物の検出が容易である。また、先の固定化オリゴヌクレオチドが共有結合等による固定化の場合であれば、PCRで得られた増幅産物を含む溶液をストレプトアビジン被覆支持体が存在する容器に移し、増幅産物を固定化することが可能である。検出については、上述の通り実施すればよい。目的領域を増幅する相補側のプライマーは、メチル化感受性制限酵素の認識部位を1つ以上有する目的領域を増幅でき、かつ、その認識部位を含まないプライマーでなければいけない。この理由は、以下の通りである。選択及び1回伸長反応で得られた二本鎖DNAの固定化オリゴヌクレオチド側のDNA鎖(新生鎖)の一番3’端側のメチル化感受性制限酵素の認識部位のみがメチル化されていない場合には、その部分だけがメチル化感受性制限酵素で消化されることになる。消化後、前述のように洗浄操作を行っても、新生鎖で言う3’端の一部だけを失った二本鎖DNAが固定化されたままの状態で存在する。相補側のプライマーが、この一番3’端側のメチル化感受性制限酵素の認識部位を含んでいた場合には、該プライマーの3’端側の数塩基が、新生鎖の3’端の数塩基とアニーリングし、その結果、目的領域がPCRにより増幅する可能性があるからである。
本発明は、第四工程の前工程の前操作段階又は後操作段階において、前記目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)の3’末端の一部(但し、前記目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性である塩基配列を有し且つ遊離状態である一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)を反応系内に添加する工程(追加前工程)を追加的に有するような変法を含む。
即ち、
(変法1)
本発明の第四工程の前工程の前操作段階において、
前記目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)の3’末端の一部(但し、前記目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性である塩基配列を有し且つ遊離状態である一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)を反応系内に添加する工程(追加前工程)を追加的に有し、且つ、
本発明の第四工程の各本工程として、下記の1つの工程をさらに追加的に有することを特徴とする方法。
(c)(i)生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)と、上記の追加前工程で反応系内に添加された一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)とを結合させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを選択する第C1工程と、
(ii)第C1工程で選択された一本鎖状態であるDNAを鋳型として、前記一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)をプライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第C2工程とを有する第C工程(本工程)
(変法2)
本発明の第四工程の前工程の後操作段階において、
前記目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)の3’末端の一部(但し、前記目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性である塩基配列を有し且つ遊離状態である一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)を反応系内に添加する工程(追加前工程)を追加的に有し、且つ、第三工程及び上記の追加前工程を経て得られた未消化物である伸長形成された二本鎖DNA(前記メチル化感受性制限酵素の認識部位にアンメチル状態のCpG対を含まない伸長形成された二本鎖DNA)を一本鎖状態に一旦分離する工程(追加再前工程)を有し、且つ、
本発明の第四工程の各本工程として、下記の1つの工程をさらに追加的に有することを特徴とする方法(以下、本発明メチル化割合測定方法と記すこともある。)
(c)(i)生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)と、上記の追加前工程で反応系内に添加された一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)とを結合させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを選択する第C1工程と、
(ii)第C1工程で選択された一本鎖状態であるDNAを鋳型として、前記一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)をプライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記一本鎖状態であるDNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第C2工程とを有する第C工程(本工程)
該変法では、外部から「前記目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)の3’末端の一部(但し、前記目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性である塩基配列を有し且つ遊離状態である一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)」を反応系内に添加すること等により、第四工程における前述の目的とするDNA領域の増幅効率を容易に向上させることが可能となる。なお、追加前工程で反応系内に添加される一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)は、一本鎖DNAの3’末端の一部(但し、前記目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性である塩基配列であって、5’末端が、前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチドと同じである塩基配列を有する遊離状態である一本鎖オリゴヌクレオチドであれば、前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチドと同じ塩基配列であっても、又は、短い塩基配列であっても、或いは、長い配列であっても良い。ただし、前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチドよりも長い配列の場合には、前記リバース用プライマー(正鎖)を伸長プライマーとし、該一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)を鋳型として、伸長プライマーを伸長させる反応に利用できない遊離状態である一本鎖オリゴヌクレオチドでなければならない。
目的領域を増幅する際に、片側のプライマーとして固定化オリゴヌクレオチドを用いて、もう一方のプライマーのみ添加してPCRを行う例を前記したが、目的産物の検出のために他の方法(例えば、PCRで得られた各々の増幅産物の量を比較することができる分析方法)を実施するのであれば、上記の如く、目的領域を増幅する際に、固定化オリゴヌクレオチドを一方(片側)のプライマーとして使用せず、一対のプライマーを添加してPCRを実施してもよい。かかるPCRを行った後、得られた増幅産物の量を求める。
第四工程は繰り返し工程を有するが、例えば、第A1工程における「生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)」とは、第1回目の第四工程の操作及び第2回目以降の第四工程の繰り返し操作の両操作において「生成した『遊離の』一本鎖状態であるDNA(正鎖)」を意味することになる。
また、第B工程における「生成した一本鎖状態であるDNA(負鎖)」とは、第1回目の第四工程の操作及び第2回目以降の第四工程の繰り返し操作の両操作において「生成した『固定の』一本鎖状態であるDNA(正鎖)」を意味する。但し、第四工程がさらに追加的にC工程を有する場合には、第1回目の第四工程の操作において「生成した『固定の』一本鎖状態であるDNA(正鎖)」を意味し、一方、第2回目以降の第四工程の繰り返し操作において「生成した『固定の』一本鎖状態であるDNA(正鎖)」と「生成した『遊離の』一本鎖状態であるDNA(正鎖)」との両者を意味することになる。
また、第四工程の各本工程で得られた「伸長形成された二本鎖DNA」とは、第A工程の場合には、第1回目の第四工程の操作において「前記メチル化感受性制限酵素の認識部位に、アンメチル状態のCpG対を含まない伸長形成された二本鎖DNA」を意味し、一方、第2回目以降の第四工程の繰り返し操作において「前記メチル化感受性制限酵素の認識部位に、アンメチル状態のCpG対を含まない伸長形成された二本鎖DNA」と「前記メチル化感受性制限酵素の認識部位に、アンメチル状態のCpG対を含む伸長形成された二本鎖DNA」との両者を意味することになる。第B工程の場合には、第1回目の第四工程の操作及び第2回目以降の第四工程の繰り返し操作の両操作において「前記メチル化感受性制限酵素の認識部位では全てがアンメチル状態のCpG対である伸長形成された二本鎖DNA」を意味することになる。
尚、第四工程がさらに追加的にC工程を有する場合にも同様である。
また、第四工程がさらに追加的にC工程を有する場合において、第C1工程における「生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)」とは、第1回目の第四工程の操作及び第2回目以降の第四工程の繰り返し操作の両操作において「生成した『遊離の』一本鎖状態であるDNA(正鎖)」を意味することになる。
また本発明は、本発明の工程として、下記の2つの工程をさらに追加的に有することを特徴とするメチル化割合の測定方法(即ち、本発明メチル化割合測定方法)を含む。
(5)本発明(前記変法を含む)の第一工程及び第二工程を行った後、本発明(前記変法を含む)の第三工程を行うことなく、本発明(前記変法を含む)の第四工程を行うことにより、前記目的とするDNA領域のDNA(メチル化されたDNA及びメチルされていないDNAの総量)を検出可能な量になるまで増幅し、増幅されたDNAの量を定量する第五工程、及び、
(6)本発明(前記変法を含む)の第四工程により定量されたDNAの量と、第五工程により定量されたDNAの量とを比較することにより得られる差異に基づき前記目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの割合を算出する第六工程
該メチル化割合測定方法は、下記のような場面において利用すればよい。
各種疾患(例えば、癌)においてDNAのメチル化異常が起こることが知られており、このDNAメチル化異常を検出することにより、各種疾患の度合いを測定することが可能と考えられている。例えば、疾患由来の生物由来検体中に含まれるゲノムDNAにおいて100%メチル化されているDNA領域があり、そのDNA領域について本発明又は本発明メチル化割合測定方法を実施すれば、測定されるメチル化されたDNAの量は多くなり、例えば、疾患由来の生物由来検体中に含まれるゲノムDNAにおいて100%メチル化されていないDNA領域があり、そのDNA領域について本発明又は本発明メチル化割合測定方法を実施すれば、測定されるメチル化されたDNAの量はほぼ0に近い値となるであろう。また、例えば、健常者の生物由来検体中に含まれるゲノムDNAにおいてメチル化割合が低く且つ疾患患者の生物由来検体中に含まれるゲノムDNAにおいてメチル化割合が高いDNA領域があり、そのDNA領域について、本発明又は本発明メチル化割合測定方法を実施すれば、健常者の場合にはメチル化されたDNAの量は0に近い値を示し、一方、疾患患者の場合には健常者の場合における値よりも有意に高い値を示すため、この値の差異に基づき、「疾患の度合い」を判定することができる。ここでの「疾患の度合い」とは、一般に該分野において使用される意味と同様であって、具体的には、例えば、生物由来検体が細胞である場合には該細胞の悪性度を意味し、また例えば、生物由来検体が組織である場合には該組織における疾患細胞の存在量等を意味している。さらに、生物由来検体が血漿・血清である場合にはその個体が疾患を有する確率を意味している。従って、本発明又は本発明メチル化割合測定方法は、メチル化異常を調べることにより、各種疾患を診断することを可能にする。
このような本発明又は本発明メチル化割合測定方法における、目的領域のメチル化されたDNA量の測定、メチル化割合の測定を行うための各種方法で使用し得る制限酵素、プライマー又はプローブは、検出用キットの試薬として有用である。本発明は、これら制限酵素、プライマー又はプローブ等を試薬として含有する検出用キットや、これらプライマー又はプローブ等が担体上に固定化されてなる検出用チップも提供しており、本発明又は本発明メチル化割合測定方法の権利範囲は、該方法の実質的な原理を利用してなる前記ような検出用キットや検出用チップのような形態での使用ももちろん含むものである。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
配列番号17で示される塩基配列からなるHpaIIの認識配列がメチル化されているメチル化オリゴヌクレオチドGPR−2079−2176/98mer-M(7)、及び、配列番号2で示される塩基配列からなるHpaIIの認識配列がメチル化されていないアンメチル化オリゴヌクレオチドGPR−2079−2176/98mer-UMを合成して、夫々につき0.001pmol/10μL TEバッファー溶液を調製した。
<HpaIIの認識配列がメチル化されているメチル化オリゴヌクレオチド>
Nはメチル化シトシンを示す。
GPR7-2079-2176/98mer-M(7):
5’- GTTGGCCACTGCGGAGTCGNGCNGGGTGGCNGGCCGCACCTACAGNGCCGNGNGNGCGGTGAGCCTGGCCGTGTGGGGGATCGTCACACTCGTCGTGC -3’ (配列番号17)
<HpaIIの認識配列がメチル化されていないアンメチル化オリゴヌクレオチド>
GPR7-2079-2176/98mer-UM:
5’- GTTGGCCACTGCGGAGTCGCGCCGGGTGGCCGGCCGCACCTACAGCGCCGCGCGCGCGGTGAGCCTGGCCGTGTGGGGGATCGTCACACTCGTCGTGC -3’ (配列番号18)
A群(無処理群):上記で調製された一本鎖DNAに、HpaII及びHhaIに最適な10×緩衝液(330mM Tris-Acetate pH 7.9、660mM KOAc、100mM MgOAc2、5mM Dithothreitol)を5μLと、10×BSA(Bovine serum albumin 1mg/ml)を5μLとを加えて、さらに該混合物に滅菌超純水を加えて液量を50μLとした。
B群(HpaIIによる消化処理群):上記で調製された一本鎖DNAに、HpaIIを12Uと、HpaII及びHhaIに最適な10×緩衝液(330mM Tris-Acetate pH 7.9、660mM KOAc、100mM MgOAc2、5mM Dithiothreitol)を5μLと、10×BSA(Bovine serum albumin 1mg/ml)を5μLとを加えて、さらに該混合物に滅菌超純水を加えて液量を50μLとした。
C群(マスキング用オリゴヌクレオチド添加+HpaIIによる消化処理群):上記で調製された一本鎖DNAに、HpaIIを12Uと、HpaII及びHhaIに最適な10×緩衝液(330mM Tris-Acetate pH 7.9、660mM KOAc、100mM MgOAc2、5mM Dithiothreitol)を5μLと、10×BSA(Bovine serum albumin 1mg/ml)を5μLと、配列番号19で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドMAをマスキング用オリゴヌクレオチドとして5pmol加えて、さらに該混合物に滅菌超純水を加えて液量を50μLとした。
<マスキング用オリゴヌクレオチド>
MA:5’- GCCACCCGGCGCGA -3’ (配列番号19)
各々の反応液を37℃で18.5時間インキュベーション(消化処理)した。
また、配列番号20で示される塩基配列からなる5’末端ビオチン標識オリゴヌクレオチドBio−GPR7−2176Rを合成し、0.1μM TEバッファー溶液を調製した。
<5’末端ビオチン標識オリゴヌクレオチド>
Bio-GPR7-2176R:5’- GCACGACGAGTGTGACGATC -3’ (配列番号20)
得られたメチル化オリゴヌクレオチド、又は、アンメチル化オリゴヌクレオチドの夫々の消化処理溶液各50μLに、5’末端ビオチン標識オリゴヌクレオチドを1μLを添加し、95℃で5分間加熱した。その後、ビオチン化オリゴヌクレオチドとメチル化オリゴヌクレオチド、又は、アンメチル化オリゴヌクレオチドとの二本鎖を形成させるために、50℃まで速やかに冷却し、その温度で5分間保温した。次いで、これを37℃で5分間保温した後、室温に戻した(メチル化オリゴヌクレオチド及びアンメチル化オリゴヌクレオチドにつき、各々3本作製)。
次に、ストレプトアビジンで被覆したPCRチューブに、上記のようにして、前調製された混合物を添加し、さらに、これを37℃で5分間保温することにより、ビオチン化オリゴヌクレオチドをストレプトアビジンで被覆した支持体に固定した。
次いで、前記PCRチューブから溶液を除去した後、100μLの洗浄バッファー[0.05% Tween20含有リン酸バッファー(1mM KH2PO4、3mM Na2HPO・7H2O、154mM NaCl pH7.4)]を添加し、該バッファーをピペッティングにより取り除いた。この操作をさらに2回繰り返した。
次に、上記のPCRチューブに、配列番号21及び配列番号22で示される塩基配列からなるプライマーの各溶液(PF1及びPR1)及び、下記の反応条件を用いてPCRを行うことにより、目的とするDNA領域(GPR7-2079-2176、配列番号23、メチル化シトシンもCで表す)におけるメチル化されたDNAを増幅した。
<PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー>
PF1:5’-GTTGGCCACTGCGGAGTCG-3’ (配列番号21)
PR1:5’-GCACGACGAGTGTGACGATC-3’ (配列番号22)
<目的とするDNA領域>
GPR7-2079-2176:5’- GTTGGCCACTGCGGAGTCGCGCCGGGTGGCCGGCCGCACCTACAGCGCCGCGCGCGCGGTGAGCCTGGCCGTGTGGGGGATCGTCACACTCGTCGTGC -3’ (配列番号23)
PCRの反応液としては、鋳型とするDNAに、3μMに調製された配列番号21及び配列番号22で示される塩基配列からなるプライマーの溶液各5μLと、each 2mM dNTPを5μLと、緩衝液(100mM Tris-HCl pH 8.3、500mM KCl、15mM MgCl2、0.01% Gelatin)を5μLと、耐熱性DNAポリメラーゼ(AmpliTaq Gold)5U/μLを0.25μLと、5Nベタイン水溶液を10μLとを混合し、これに滅菌超純水を加えて液量を50μLとしたものを用いた。該反応液を、95℃にて10分間保温した後、95℃にて30秒間次いで59℃にて30秒間さらに72℃にて45秒間を1サイクルとする保温を31サイクル行う条件でPCRを行った。
PCRを行った後、2%アガロースゲル電気泳動により増幅を確認した。その結果は、以下の通りであった。
その結果を図1に示した。A処理群(無処理群)の場合とB処理群(HpaII処理群)の場合、HpaIIの認識配列がメチル化されているメチル化オリゴヌクレオチドGPR7−2079−2176/98mer−M(7)(M)と、HpaIIの認識配列がメチル化されていないアンメチル化オリゴヌクレオチドGPR7−2079−2176/98mer−UM(U)ともに、増幅が確認されその増幅産物(目的とするDNA領域:GPR7−2079−2176)が得られた。C処理群(マスキング用オリゴヌクレオチド添加+HpaIIによる消化処理群)の場合、HpaIIの認識配列がメチル化されているメチル化オリゴヌクレオチドGPR7−2079−2176/98mer−M(7)(M)では、増幅が確認されその増幅産物(目的とするDNA領域:GPR7−2079−2176)が得られたが、HpaIIの認識配列がメチル化されていないアンメチル化オリゴヌクレオチドGPR7−2079−2176/98mer−UM(U)では、増幅が確認されずその増幅産物は得られなかった。
以上より、前記目的とするDNA領域を含む一本鎖DNAを選択することが可能であること、且つ、マスキング用オリゴヌクレオチドを添加しメチル化感受性制限酵素を用いることにより、前記目的とするDNA領域におけるメチル化されていないDNAを増幅することなく、メチル化されたDNAのみを検出可能な量になるまで増幅できることが確認された。
本発明により、簡便にメチル化されたDNAを定量又は検出する方法を提供することが可能となる。
図1は、実施例において、調製されたサンプルに、「A(無処理)」、「B(HpaII処理)」又は「C(マスキング用オリゴヌクレオチド添加+HpaII処理)」のいずれかの処理を施し、配列番号7で示された塩基配列からなる領域におけるDNAをPCRにて増幅し、得られた増幅産物を2%アガロースゲル電気泳動した結果を示した図である。 図中の一番左のレーンから、HpaIIの認識配列がメチル化されているメチル化オリゴヌクレオチドGPR7-2079-2176/98mer-M(7)(M)の「A」処理が施されたサンプル、HpaIIの認識配列がメチル化されていないアンメチル化オリゴヌクレオチドGPR7-2079-2176/98mer-UM(U)の「A」処理が施されたサンプル、HpaIIの認識配列がメチル化されているメチル化オリゴヌクレオチドGPR7-2079-2176/98mer-M(7)(M)の「B」処理が施されたサンプル、HpaIIの認識配列がメチル化されていないアンメチル化オリゴヌクレオチドGPR7-2079-2176/98mer-UM(U)の「B」処理が施されたサンプル、HpaIIの認識配列がメチル化されているメチル化オリゴヌクレオチドGPR7-2079-2176/98mer-M(7)(M)の「C」処理が施されたサンプル、HpaIIの認識配列がメチル化されていないアンメチル化オリゴヌクレオチドGPR7-2079-2176/98mer-UM(U)の「C」処理が施されたサンプルでの結果を示している。
[配列表フリーテキスト]
配列番号17
実験のために設計されたメチル化オリゴヌクレオチド
配列番号18
実験のために設計されたアンメチル化オリゴヌクレオチド
配列番号19
実験のために設計されたマスキング用オリゴヌクレオチド
配列番号20
支持体への固定化のために設計されたビオチン標識オリゴヌクレオチド
配列番号21
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号22
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号23
目的とするDNA領域(GPR7-2079-2176、メチル化シトシンもCで表す)からなるオリゴヌクレオチド

Claims (23)

  1. 生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの含量を測定する方法であって、
    (1)生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料が一本鎖DNA(正鎖)であって、該一本鎖DNA(正鎖)と、メチル化感受性制限酵素の認識部位の塩基配列と相補的な塩基配列からなるマスキング用オリゴヌクレオチドとを混合することにより、該メチル化感受性制限酵素の認識部位が保護されてなる二本鎖DNAを生成させる第一(A)工程と、
    第一(A)工程で生成された二本鎖DNAをメチル化感受性制限酵素で消化処理する第一(B)工程とからなる第一工程、
    (2)第一工程で得られた消化処理が行われた二本鎖DNAから目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)を取得し、該一本鎖DNA(正鎖)と、該一本鎖DNAの3’末端の一部(但し、前記の目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性のある塩基配列を有する一本鎖固定化オリゴヌクレオチドとを結合させることにより、前記一本鎖DNAを選択する第二工程、
    (3)第二工程で選択された一本鎖DNAを鋳型として、前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチドをプライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記の一本鎖DNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第三工程、及び、
    (4)第三工程で得られた伸長形成された二本鎖DNAから、前記一本鎖固定化オリゴヌクレオチド(負鎖)と、前記目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)に対して相補性のある塩基配列の部分塩基配列(負鎖)であって、且つ、前記目的とするDNA領域の塩基配列(正鎖)に対して相補性のある塩基配列(負鎖)の3’末端より更に3’末端側に位置する部分塩基配列(負鎖)に対して相補性のある塩基配列(正鎖)を有するリバース用プライマーとをプライマーとして、ポリメラーゼ連鎖反応を行うことにより、前記目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAを検出可能な量になるまで増幅し、増幅されたDNAの量を定量する第四工程、
    を有することを特徴とする方法。
  2. 第二工程において目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)と、該一本鎖DNAの3’末端の一部(但し、前記の目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性のある塩基配列を有する一本鎖固定化オリゴヌクレオチドとを結合させる際に、二価陽イオンを含有する反応系中で結合させる請求項1に記載の方法。
  3. 二価陽イオンがマグネシウムイオンである請求項2に記載の方法。
  4. 第四工程において、
    前記目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)の3’末端の一部(但し、前記の目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性のある塩基配列を有し且つ遊離状態である一本鎖オリゴヌクレオチド(負鎖)をプライマーとして反応系内に追加的に添加しポリメラーゼ連鎖反応を行う工程を追加的に有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法の工程として、下記の2つの工程を更に追加的に有するメチル化割合の測定方法。
    (5)請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法の第一工程を行うことなく、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法における第二工程から第四工程を行うことにより、前記目的とするDNA領域のDNA(メチル化されたDNA及びメチルされていないDNAの総量)を検出可能な量になるまで増幅し、増幅されたDNAの量を定量する第五工程、及び、
    (6)請求項1〜4のいずれか一項に記載の第四工程により定量されたDNAの量と、第五工程により定量されたDNAの量とを比較することにより得られる差異に基づき前記目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの割合を算出する第六工程
  6. 生物由来検体が、哺乳動物の血清又は血漿である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 生物由来検体が、哺乳動物の血液又は体液である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 生物由来検体が、細胞溶解液又は組織溶解液である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料が、
    (i)該ゲノムDNAが有する目的とするDNA領域を認識切断部位としない制限酵素で予め二本鎖DNAを消化処理する工程、及び、
    (ii)消化処理された二本鎖DNAを一本鎖DNAに解離する工程、
    により得られた一本鎖DNAである請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料が、予め精製されてなるDNA試料である請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. メチル化感受性制限酵素が、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的とするDNA領域の中に認識切断部位を有する制限酵素である請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. メチル化感受性制限酵素が、HpaII又はHhaIである請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの含量を測定する方法であって、
    (1)生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料が一本鎖DNA(正鎖)であって、該一本鎖DNA(正鎖)と、メチル化感受性制限酵素の認識部位の塩基配列と相補的な塩基配列からなるマスキング用オリゴヌクレオチドとを混合することにより、該メチル化感受性制限酵素の認識部位が保護されてなる二本鎖DNAを生成させる第一(A)工程と、
    第一(A)工程で生成された二本鎖DNAをメチル化感受性制限酵素で消化処理する第一(B)工程とからなる第一工程、
    (2)第一工程で得られた消化処理が行われた二本鎖DNAから目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)を取得し、該一本鎖DNA(正鎖)と、該一本鎖DNAの一部に対して相補性のある塩基配列を有する一本鎖固定化オリゴヌクレオチドとを結合させることにより、前記の一本鎖DNAを選択する第二工程、
    (3)第二工程で選択された一本鎖DNAを一本鎖状態に一旦分離する工程を有し、生成した一本鎖状態であるDNA(正鎖)を鋳型として、前記目的とするDNA領域の塩基配列(正鎖)の3’末端より更に3’末端側に位置する部分塩基配列(正鎖)に対して相補性のある塩基配列(負鎖)を有するフォーワード用プライマーを伸長プライマーとして、該プライマーを1回伸長させることにより、前記の一本鎖DNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第三工程、及び、
    (4)第三工程で得られた伸長形成された二本鎖DNAから、前記フォーワード用プライマー(負鎖)と、前記目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)に対して相補性のある塩基配列の部分塩基配列(負鎖)であって、且つ、前記目的とするDNA領域の塩基配列(正鎖)に対して相補性のある塩基配列(負鎖)の3’末端より更に3’末端側に位置する部分塩基配列(負鎖)、に対して相補性のある塩基配列(正鎖)を有するリバース用プライマーとをプライマーとして、ポリメラーゼ連鎖反応を行うことにより、前記の目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAを検出可能な量になるまで増幅し、増幅されたDNAの量を定量する第四工程、
    を有することを特徴とする方法。
  14. 一本鎖固定化オリゴヌクレオチドが、5’或いは3’末端が固定化されてなる一本鎖固定化オリゴヌクレオチドである請求項13に記載の方法。
  15. 第二工程において目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)と、該一本鎖DNAの3’末端の一部(但し、前記の目的とするDNA領域を含まない。)に対して相補性のある塩基配列を有する一本鎖固定化オリゴヌクレオチドとを結合させる際に、二価陽イオンを含有する反応系中で結合させる請求項13又は14に記載の方法。
  16. 請求項13又は14に記載の方法の工程として、下記の2つの工程を更に追加的に有するメチル化割合の測定方法。
    (5)請求項13又は14に記載の方法の第一工程を行うことなく、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法における第二工程から第四工程を行うことにより、前記目的とするDNA領域のDNA(メチル化されたDNA及びメチルされていないDNAの総量)を検出可能な量になるまで増幅し、増幅されたDNAの量を定量する第五工程、及び、
    (6)請求項13又は14に記載の第四工程により定量されたDNAの量と、第五工程により定量されたDNAの量とを比較することにより得られる差異に基づき前記目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの割合を算出する第六工程
  17. 生物由来検体が、哺乳動物の血清又は血漿である請求項13又は14に記載の方法。
  18. 生物由来検体が、哺乳動物の血液又は体液である請求項13又は14に記載の方法。
  19. 生物由来検体が、細胞溶解液又は組織溶解液である請求項13又は14に記載の方法。
  20. 生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料が、
    (i)該ゲノムDNAが有する目的とするDNA領域を認識切断部位としない制限酵素で予め二本鎖DNAを消化処理する工程、及び、
    (ii)消化処理された二本鎖DNAを一本鎖DNAに解離する工程、
    により得られた一本鎖DNAである請求項13又は14に記載の方法。
  21. 生物由来検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料が、予め精製されてなるDNA試料である請求項13又は14に記載の方法。
  22. メチル化感受性制限酵素が、生物由来検体中に含まれるゲノムDNAが有する目的とするDNA領域の中に認識切断部位を有する制限酵素である請求項13又は14に記載の方法。
  23. メチル化感受性制限酵素が、HpaII又はHhaIである請求項13又は14に記載の方法。
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