JP2004526744A

JP2004526744A - エネルギーの長期的放出を有する食料品

Info

Publication number: JP2004526744A
Application number: JP2002577889A
Authority: JP
Inventors: マリ−エレーヌ・サニエ
Original assignee: Roquette Freres SA
Current assignee: Roquette Freres SA
Priority date: 2001-03-30
Filing date: 2002-03-28
Publication date: 2004-09-02
Also published as: CN1308349C; CA2379203A1; EP1245583A1; DE60222491D1; WO2002079266A1; ATE373680T1; EP1245583B1; FR2822642A1; CN1507455A; KR20030092039A; DK1245583T3; US20060160767A1; FR2822642B1; US20020187247A1; DE60222491T2; MXPA03008910A; ES2294088T3

Abstract

１５から３５％の間の１−６グルコシド結合、２０％未満の還元糖含量、５未満の多分子指数、及び多くとも４５００ｇ／ｍｏｌに等しい数量平均分子量Ｍｎを有する分枝状マルトデキストリンを、５０から９９．９重量％の間、好ましくは６０から９９．９重量％の間、さらにより好ましくは７０から９９．９重量％の間で含むことを特徴とする、エネルギーの長期的放出のための栄養性組成物の提供。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明の主題は、エネルギーの長期的供給を構成することが可能な、特にアスリートのために企図された栄養性組成物である。より正確には本発明の主題は、特定のサッカリドを含む、エネルギーの長期的放出を有する栄養性組成物である。本発明の主題はまた、前記栄養性組成物を含む食料品である。
【背景技術】
【０００２】
長い継続時間で運動するための能力は、筋肉中のグリコーゲン含量によって制限されている。実際、下肢におけるこの含量と、数分から数時間継続する運動の間の消尽の前の期間との間には、直線関係が存在している。従って、トレーニングの目的と、アスリートの栄養学的準備の中には、活動の前に、運動により求められる筋肉中のグリコーゲンの備蓄の増大と、活動の間での筋肉グリコーゲンの節約が存在する。運動の前、最中、及び後の炭水化物の食事は、筋肉グリコーゲンの備蓄をはかるのに必須であることが示されている。激しく持続的な活動の準備の間、前記活動の過程の間、及び前記活動の回復の間での栄養学的ストラテジーは、筋肉グリコーゲンの合成に影響する反応速度論と因子を考慮することになる。これらのストラテジーは、数多くの継続的な進化の過程にある。それらは一般的に、三つの側面：筋肉及び肝臓グリコーゲンの最適な荷重という目的を有する活動の数日前の準備、肝臓グリコーゲンの備蓄の構成を継続するという目的を有する運動に先行する数時間以内の準備、活動の間の筋肉グリコーゲン分解の制御を含む。考慮される側面によって、供給物は異なる。本発明が関連する、運動の直前及び運動の間での供給物に関して、運動の開始時点での代謝エネルギー適応に必要とされるホルモンの改変を破壊しないように、インスリンの最小の分泌を誘導する炭水化物を消費することが一般的に推奨されている。グルコースの過度の供給の場合には、例えば被験者には、高血中インスリン値を通じて運動の最初の３０分以内で高血糖値、次いで反動的な低血糖値の危険が存在し、そのことは、ひどい空腹感、不快に等しい程度の疲労感、及び運動のペースを落とす、または運動を止める必要性を引き起こす。この同じ現象は、マルトデキストリンのような炭水化物でも観察された。運動の直前での最適な飲料として、３５ｇ／ｌまでのフルクトースの溶液が現在では考慮されいる。フルクトースはあまりインスリン分泌性ではなく、その腸での吸収は比較的遅い。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【０００３】
この従来技術の知見、並びに運動の直前及び最中での供給を企図したエネルギー性組成物の開発の探求から、本出願人は、多大な研究試験の後、あらゆる予測に反して、ひどい低血糖値が引き続く血糖値の迅速な増大を生成するという欠点を示すことなく、持続的な、つまりエネルギーの消費時からと、その後の運動を通じて、エネルギー供給を構成可能な特定のサッカリドを含むエネルギー性組成物によってであれば、この目的を達成可能であることを見出した。
【０００４】
それ故本発明の主題は、１５から３５％の間の１−６グルコシド結合、２０％未満の還元糖含量、５未満の多分子指数（数量平均分子量に対する重量平均分子量の比）、及び多くとも４５００ｇ／ｍｏｌに等しい数量平均分子量Ｍｎを有する分枝状マルトデキストリンを含むことを特徴とする、エネルギーの長期的放出を有する栄養性組成物である。
【０００５】
用語「分枝状マルトデキストリン」は、本発明の目的のために、特許出願EP 1,006,128に記載されたマルトデキストリンを意味するように解される。これらの分枝状マルトデキストリンは、小腸におけるその同化を妨げることによって、その発熱量を減少する意義を有する難消化性の特徴を有する。低い重合度（「ＤＰ」）を有するその低い分子含量は、その低い発熱量に寄与してもいる。その１−６グルコシド結合の含量は２２から３５％の間であり、口腔の微生物によるその同化を減少することによって、その発熱量を減少する意義を有する。この高レベルの１−６結合はまた、分枝状マルトデキストリンに対して非常に特定の前生命的特性を与える：実際には、酪酸生産細菌、乳酸菌、またはプロピオン酸菌のような、ヒト及び動物の盲腸及び大腸の細菌は、非常に分枝した化合物を代謝するようである。さらに、これらの分枝状マルトデキストリンは、非所望の細菌の損傷に対してビフィズス因子生産菌の成長を促進する。これは、消費者の健康に非常に有益である特性を引き起こす。さらに、これらの分枝状マルトデキストリンは、比較的高い含量の残余の１−４グルコシド結合を有する。この含量は４２から５０％の間であって良く、本出願人の知見では、この含量は、２２から３５％の間の１−６結合の含量と組み合わされて記載されたことはない。かくして分枝状マルトデキストリンは、約０．６の１−６／１−４結合の比を有する。
【０００６】
多分子指数は、数量平均分子量に対する重量平均分子量の比によって与えられ、数量平均分子量は例えばゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される。
【０００７】
前記分枝状マルトデキストリンは、５００から４５００ｇ／ｍｏｌの数量平均分子量（Ｍｎ）について、５未満の多分子指数を有する。
【０００８】
かくして、その重量平均分子量（ＭＷ）は、約２０００から６０００ｇ／ｍｏｌの間である。
【０００９】
高分子量（７２０，０００ｇ／ｍｏｌ）で０．０２から０．０８の１−６／１−４結合のレベルを有するデキストリンは、運動の前後でのアスリートの準備について、文献WO 95/22562に提案されている。これらのデキストリンは実際には、複雑な炭水化物を含む食品（パスタ、ライス）と同じ態様で、運動の数日前にグリコーゲンの備蓄を強化するために企図されている。
【００１０】
本発明に係る分枝状マルトデキストリンが、小腸で緩く消化される場合、それらを消費する被験者に対してグルコースの形態でゆっくりとエネルギーを供給する。このグルコースは、分枝状マルトデキストリンの構成単位であり、次いでゆっくりと血流に出現し、摂取の後の低血糖値を引き起こさない。エネルギー供給は大腸でも継続し、そこで分枝状マルトデキストリンは、エネルギー代謝に関与する短鎖脂肪酸（揮発性脂肪酸と称される）に発酵される。その一部として、小腸で完全に吸収されるグルコースや他の単純な炭水化物の場合には、これは当てはまらない。
【００１１】
本発明の好ましい変形例によれば、前記分枝状マルトデキストリンは、２から５％の間の還元糖含量を有し、２０００から３０００ｇ／ｍｏｌの間のＭｎを有する。
【００１２】
本発明の別の好ましい変形例によれば、前記分枝状マルトデキストリンの全部または一部は水素化されている。
【００１３】
本発明に係る栄養性組成物は、耐久性の運動に参加するアスリートに対して主に企図されているが、各種の機会でエネルギー源を必要とする、子供を含むいずれの被験者のエネルギーの長期的供給についても大変適している。
【００１４】
本発明に係る栄養性組成物は、各種の方法で摂取されて良い。それは実際に、小袋に実装され、例えばミネラル、塩、ビタミン、調味料、着色料のような添加剤を任意に補った、使用の直前に飲料中で、または飲料に溶解されて摂取されるような、パウダー状の形態で提供できる。さらにそのまま服用できるシロップの形態で提供されても良い。
【００１５】
本発明の好ましい実施態様によれば、前記栄養性組成物の分枝状マルトデキストリン含量は、５０から９９．９重量％の間、好ましくは６０から９９．９重量％の間、さらにより好ましくは７０から９９．９重量％の間である。
【００１６】
本発明に係る栄養性組成物は有利には、前記分枝状マルトデキストリンと、いずれかのタイプの血糖値低下性の及び／または血中インスリン値低下性の糖、例えばフルクトースまたはタガトースとの混合物を含んでも良い。有利な変形例によれば、前記栄養性組成物は、前記分枝状マルトデキストリンと、一つ以上のペントースとの混合物を含み、この混合物は、パウダー形態または液体形態で製剤化でき、この場合、液体形態における分枝状マルトデキストリンの細菌学的安定性は、それによって有利に顕著に改良されることが知られている。例えば、本発明に係る分枝状マルトデキストリンと、例えば本出願人により市販されているMELIOSE(登録商標)700のようなフルクトースシロップとの混合物を調製することが可能である。混合物の割合は、前記混合物が企図される最終製剤によって変化する。例として、約７０％の乾物のシロップの形態で、５０％までのフルクトースを含む混合物が調製されて良い。
【００１７】
本発明に係る栄養性組成物はさらに、特にエネルギー源バー、シリアルバー、ビスケット、飲料、栄養分サプリメント、朝食用シリアル組成物、錠剤、菓子類、ヨーグルト、またはデザートクリームからなる食料品に取り込まれても良い。本発明に係る食料品は有利には、０．５から７５％、好ましくは０．５から３０％の前記栄養性組成物を含む。
【００１８】
本発明の主題はまた、エネルギーの長期的放出を供給するための、請求項１から３のいずれか一項に記載の栄養性組成物の使用である。それが被験者（例えばアスリートまたは子供）に摂取された場合、本発明に係る栄養性組成物は、低血糖値の期間を引き起こすことなく、食後の血糖値の増大を引き起こすエネルギーを提供し、このエネルギーは、長期的な態様、つまり消費の瞬間とそれ以降の長い期間で、身体に放出される。
【００１９】
本発明は、制限することなく説明の目的で示されている、以下の実施例とそれに関する図面を読むことで、より明確に理解されるであろう。
【実施例】
【００２０】
実施例１：血糖値と血中インスリン値の研究
６人の健康な被験者が、５０ｇのグルコースか、以下の組成を有する９５重量％の乾物重量の分枝状マルトデキストリンを含む５０ｇの栄養性組成物かのいずれかを摂取した：
【００２１】
【表１】

【００２２】
炭水化物の消費前、次いで摂取後１５分、３０分、４５分、６０分、９０分、１２０分、１５０分、１８０分、及び２４０分で、血糖値及び血中インスリン値を測定する。時間の関数としての血糖値及び血中インスリン値の曲線が、各炭水化物について確立され、図１に表されている。
→ 最大の血糖値及び血中インスリン値は、炭水化物の性質に拘わらず、炭水化物の摂取後３０分で得られる。
→ 血糖値及び血中インスリン値は、本発明に係る栄養性組成物を受け取った被験者では９０分以内で、それに対してグルコースを受け取った被験者では１２０分以内で、ベースラインに戻る。
→ 本発明に係る栄養性組成物の受け取った被験者では、血糖値は９０分から２４０分で一定を維持する一方で、グルコースの場合ではさらに減少し、ベースラインに到達することなく２４０分でのみ増大する。血中インスリン値はグルコースの場合ではさらに減少する一方で、分枝状マルトデキストリンの場合ではベースラインで一定を維持する。
【００２３】
これらの結果は、本発明の係る栄養性組成物の摂取が、食後の血糖値の増大を引き起こし、それ故低血糖値を引き起こすことなくエネルギーを供給できることを示す。血中インスリン値は、その一部として、グルコースと比較して顕著に低い。
【００２４】
実施例２：実施例１に係る栄養性組成物を含む食料品の調製
１）シリアルバー
つなぎのカラメルのレシピ
【００２５】
【表２】

【００２６】
方法
→ 全ての粉乳をスクロースと混合する（Ｍ１）；
→ 水、NEOSORB 70/70、及びFLOLYS E7081Sを混合する（Ｍ２）
→ 植物脂肪（事前に５０℃で溶解しておく）、レシチン、及び分枝状マルトデキストリンを混合する（Ｍ３）；
→ 攪拌しながら、混合物Ｍ１に混合物Ｍ２を加え、次いで１１０℃に到達するまで弱火で煮る；
→ １１０℃の温度に到達したら、混合物Ｍ３を段階的に注ぐ；
→ 次いで、温度の下降（約５℃）と、最終混合物の粘度の増大を観察する；
→ さらに弱火で激しく攪拌しながら、１１０℃に到達するまで最終混合物を煮る；
→ 前述の割合（７５／２５）を注視しながら、カラメルをシリアルと混合する；
→ スラブを注ぐ；
→ 煮て、切断して、ラップで包む。
【００２７】
２）飲料
９５重量％の分枝状マルトデキストリンを含む、本発明に係る栄養性組成物を含む発泡性飲料を調製する。
【００２８】
飲料の１リットルあたりのグラム単位の量：
【００２９】
【表３】

【００３０】
０．５リットルの炭酸水を準備する。次いで、甘味料と、本発明に係る栄養性組成物を加える。次いで残りの成分を取り込ませ、１リットルの容量まで水を加える。
【００３１】
３）ビスケット
実施例１のものと同じ組成を有する、９５重量％の乾物重量の分枝状マルトデキストリンを含む、本発明に係る栄養性組成物を含むビスケットを調製する。
【００３２】
１００ｇの生地当たりの量
【００３３】
【表４】

【００３４】
方法：
− 水、二炭酸アンモニウム、及び二炭酸ナトリウムを計量する。速度１でHobartニーダーで５分間混合する；
− 脂肪、及びダイズレシチンを加え、速度１で１分間攪拌し、次いで速度２で４分間攪拌する；
− 残りのパウダー類（小麦粉、スクロース、栄養性組成物、ピロリン酸水素ナトリウム、塩、及びバニラフレーバー）を計量する。それらを混合し、次いでそれらをニーダーに加える。速度１で１０分間攪拌し、一度中断してニーダーの側面と攪拌ブレードを擦ってきれいにする；
− ロータリーモールダーでビスケットを形成し、ベーキングトレーにそれらを配置する；
− ２００℃で１０分間ロータリーオーブンで焼く；
− ２５℃に冷却する。
【００３５】
４）デザートクリーム
使用された成分：
【００３６】
【表５】

【００３７】
２５リットルの水を管状エクスチェンジャー(VOMATEC B.V.)の攪拌タンクに注ぎ、次いで粉乳を加える。２０分間水和させる。
タンクを４０℃に加熱し、残りの成分を加える。
約２０分間の攪拌期間の後、１３０℃の加熱温度で１分３０秒間かけて、管状エクスチェンジャーにおいて混合物を滅菌する。
デザートクリームを、滅菌ポットに装置の流出口で回収する。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１Ａ】時間の関数としての血中インスリン値の曲線
【図１Ｂ】時間の関数としての血糖値の曲線

Claims

１５から３５％の間の１−６グルコシド結合、２０％未満の還元糖含量、５未満の多分子指数、及び多くとも４５００ｇ／ｍｏｌに等しい数量平均分子量Ｍｎを有する分枝状マルトデキストリンを、５０から９９．９重量％の間、好ましくは６０から９９．９重量％の間、さらにより好ましくは７０から９９．９重量％の間で含むことを特徴とする、エネルギーの長期的放出のための栄養性組成物。
前記分枝状マルトデキストリンが、２から５％の間の還元糖含量を有し、且つ２０００から３０００ｇ／ｍｏｌの間のＭｎを有する、請求項１に記載の栄養性組成物。
前記分枝状マルトデキストリンの全部または一部が水素化している、請求項１または２に記載の栄養性組成物。
前記分枝状マルトデキストリンと、少なくとも一つの血中インスリン値低下性の糖との混合物を含む、請求項１から３のいずれか一項に記載の栄養性組成物。
前記分枝状マルトデキストリンと、フルクトースとの液体混合物を含む、請求項４に記載の栄養性組成物。
請求項１から５のいずれか一項に記載の栄養性組成物を含む、エネルギー源バー、シリアルバー、ビスケット、飲料、栄養分サプリメント、朝食用シリアル組成物、錠剤、菓子類からなる食料品。
０．５から７５％、好ましくは０．５から３０％の前記栄養性組成物を含む、請求項６に記載の食料品。
バーである、請求項６または７に記載の食料品。
ビスケットである、請求項６または７に記載の食料品。
飲料である、請求項６または７に記載の食料品。
菓子類である、請求項６または７に記載の食料品。
エネルギーの長期的放出を提供するための、請求項１から５のいずれか一項に記載の栄養性組成物の使用。