JPH11116602A - 食品に生理作用を付与する方法 - Google Patents
食品に生理作用を付与する方法Info
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Abstract
ること。 【解決手段】 難消化性成分の含有量が30〜60重量
%の酸添加焙焼デキストリンを、酸の存在下に加水分解
して得られる難消化性水飴及び/又は粉飴を、食品に添
加または食品の構成成分の一部と置換すること。
Description
リンを酸の存在下に加水分解して得られる難消化性水飴
及び/又は粉飴を食品に添加、または食品成分の一部と
置換することにより食品に生理作用を付与する方法に関
するものである。
い、食生活も変化し欧米の水準に近付いてきた。この結
果として平均寿命が延長し、急速な高齢化現象が起きた
ことから疾病構造が変化して成人病が著しく増加したた
めに、健康志向が飛躍的に増大している。この中で生体
調節機能を有する食品素材の例として、食物繊維やオリ
ゴ糖が便秘の改善を中心とした生体調節機能を有すると
ころから、食品の機能を高める素材として注目を集めて
いる。これらの食物繊維やオリゴ糖のような難消化性の
物質は、消化管内で種々の挙動を示し、生体に対して生
理効果を発現する。まず、上部消化管において、水溶性
の食物繊維は食物の移動速度の低下をもたらし、栄養素
の吸収遅延が起こる。例えば、糖の吸収遅延は血糖値の
上昇を抑制し、それに伴いインシュリン節約などの効果
を発現する。また、胆汁酸の排泄を促進することによ
り、体内のステロールグループが減少し、血清中のコレ
ステロールが低下するなどの効果も現れる。その他、体
内の内分泌系を介しての生理効果も報告されている。
腸までの消化吸収を免れ、大腸へ達することである。大
腸へ達したオリゴ糖や食物繊維の一部は、腸内細菌によ
り資化されて短鎖脂肪酸、腸ガス、ビタミンなどを産生
する。短鎖脂肪酸による腸内環境の酸性化は整腸作用を
もたらし、また吸収された短鎖脂肪酸は代謝されエネル
ギーになると同時にコレステロール合成を阻害すること
も報告されている。難消化性物質として、澱粉を原料と
して製造される難消化性デキストリン(食物繊維含有デ
キストリン)が知られており、水溶性であることから広
範囲の食品に使用することができる。特開平2−145
169号には、焙焼デキストリンにα−アミラーゼを作
用させて難消化性デキストリンを製造する方法が記載さ
れている。
ストリンにα−アミラーゼにつづいて、グルコアミラー
ゼを作用させ、クロマト分画で食物繊維分を採取して食
物繊維高含有デキストリンを製造する方法、クロマト分
画前にトランスグルコシダーゼを作用させて食物繊維を
増加させる方法などが記載されている。特開平6−16
6622号には、難消化性デキストリンを砂糖などの食
品に添加することによって、食品に肥満、耐糖能障害を
予防する作用を付与する方法が記載されている。これら
の難消化性デキストリンは低甘味であり、吸湿性が低
く、濃厚感を付与することができるが、一方では甘味が
低いために他の甘味料との併用が必要な場合がある。こ
の場合には、pHが中性の食品の製造中や保存中に褐変
が起こり易く、また煮詰め時の焦げ付きも起こり易いな
どの欠点を有している。
を改善し、単に低エネルギーだけでなくその保有する生
理効果を有し、煮詰めができて広範囲の食品に使用でき
る難消化性物質は開発・商品化されていないために、各
種の食品業界からその出現が切望されている。焙焼デキ
ストリンの酸加水分解に関しては、特開平4−1354
95号に無機酸添加焙焼デキストリンの水溶液をそのま
まか、または更に無機酸または有機酸を添加して加圧加
熱、中和してグルコースの生成量が約10%の酸加水分
解物を得て、これに糖化型アミラーゼを作用させて難消
化性多糖類と消化性糖類に糖化し、次に難消化性多糖類
を分離する方法が記載されている。特開平4−1354
95号にはさらに、この難消化性多糖類が低粘性で低カ
ロリーであるため、摂取カロリーや糖類の摂取を制限す
る人の食餌療法に用いられること、食物繊維として健康
維持のための食品素材として利用されることが記載され
ているが、難消化性成分とDE、分子量との相関や健康
維持のための生理作用の詳細については何も記載されて
いない。
デキストリンを酸加水分解して、そのDEと難消化性成
分の平均分子量が特定の条件を満たしたときに、酸加水
分解前にはほとんど見られなかったビフィズス菌選択増
殖活性が強く発現することが記載されている。しかし酸
加水分解前の焙焼デキストリンが有する脂質代謝の改善
作用や、血糖上昇を抑制する作用が酸加水分解によっ
て、どの様に変化するかについては、全く記載されてい
ない。
代謝の改善作用と血糖上昇の抑制作用などの生理作用を
有する食品を開発することである。さらに詳細には、本
発明の目的は、低エネルギーであることに加えて各種の
生理効果を有し、且つ適度の甘味と粘性を有し、煮詰め
ができ、さらに他の吸湿性が高くて保形性が悪い糖アル
コール類と混合してこれらの欠点を改善することができ
る難消化性水飴及び/又は粉飴を得ることである。本発
明の他の目的は、上記難消化性水飴及び/又は粉飴を食
品に添加して、食品に生理作用を付与する方法を提供す
ることである。
分を30〜60重量%含有する焙焼デキストリンの酸加
水分解物を食品の構成成分の一部とすることによって、
食品に脂質代謝の改善作用および、砂糖などと一緒に摂
取したときに、血糖の上昇を抑制する作用を付与するこ
とができるとの知見を得て本発明を完成したのである。
本発明は、難消化性成分の含有量が30〜60重量%の
酸添加焙焼デキストリンを、酸の存在下に加水分解して
得られる難消化性水飴及び/又は粉飴を食品に添加また
は食品の構成成分の一部と置換することを特徴とする、
食品に生理作用を付与する方法を提供するものである。
で分解されてできた単糖だけが、上部消化管で吸収さ
れ、二糖類以上の糖は吸収されずに大腸に達する。従っ
て、本発明の難消化性水飴及び/又は粉飴を含有する食
品では、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼで加水分解
した後のグルコース以外の部分が、難消化性成分とし
て、上部消化管で吸収されずに大腸まで達し、そこで生
理作用を発揮するので、ある程度の難消化性成分の含量
が必要である。本発明の基本的な特徴は、澱粉に酸、好
ましくは無機酸を添加し、低水分状態で加熱して生成す
る焙焼デキストリンを原料として用い、その水溶液に無
機酸または有機酸を添加し、加圧加熱して加水分解せし
めるという方法で製造された難消化性水飴及び/又は粉
飴を使用することにある。この原料焙焼デキストリン中
の難消化性成分の含有量は30〜60重量%である。す
なわちこの原料焙焼デキストリンをα−アミラーゼ、グ
ルコアミラーゼで加水分解した後の難消化性成分の含有
量は、30〜60重量%である。得られた難消化性水飴
及び/又は粉飴のDEは、好ましくは20〜50、さら
に好ましくは30〜50であり、難消化性水飴及び/又
は粉飴中の難消化性成分の含有量は、好ましくは26〜
50重量%である。本発明は、この難消化性水飴及び/
又は粉飴が、生理作用を有するという発見に基づくもの
である。
料である澱粉としては、特に限定されないが、例えばコ
ーン(とうもろこし)、ワキシー・コーン(もちとうも
ろこし)、馬鈴薯、甘藷、タピオカ、小麦、大麦、米、
等の澱粉が使用できる。以下上記方法について更に詳細
に説明する。澱粉に対して鉱酸(例えば、塩酸、硝酸、
硫酸)、好ましくは塩酸を澱粉100重量部に対して、
例えば、1重量%の塩酸水溶液として3〜10重量%添
加、加熱処理して、中間物質である焙焼デキストリンを
得る。この加熱処理の前に澱粉と鉱酸の水溶液を均一に
混合するために、適当なミキサー中で攪拌、熟成させて
から、好ましくは100℃〜120℃程度で予備乾燥し
て、混合物中の水分を5重量%程度まで減少させること
が好ましい。加熱処理は従来技術の加酸焙焼デキストリ
ン(白色デキストリン、黄色デキストリン)の加熱条件
とは異なり、例えば、140〜200℃で10分〜12
0分、好ましくは20分〜120分が適当である。加熱
処理の温度は高い方が目的生成物中の難消化性成分の含
量が増加するが、180℃付近から着色物質が増加する
ので、より好ましくは150℃前後である。
間の反応を行うことも可能であるので、例えばエクスト
ルーダーのようにごく短時間に均一な反応を行うことが
できる装置を用いれば、効率的に加熱処理することがで
きる。また、粉末状態での反応であるから大規模生産の
場合は、加熱条件を変更する必要もあるので、加熱処理
後の製品の品質を検討した上で、適宜加熱条件を変更す
ることが望ましい。このようにして得られた焙焼デキス
トリンは水に易溶性であるので、水を加えて攪拌すると
水溶液が得られる。この水溶液をそのままか、または
酸、特に塩酸や蓚酸等を加えて、pHを1.6〜2.0
に調整し、120〜140℃で15〜、30分間加圧加
熱を行って加水分解させる。このようにして得られた酸
加水分解物は、中和後、常法に従って脱色、脱塩、濃縮
して難消化性水飴とするか、またはスプレードライして
難消化性粉飴とすることができる。
て求められる出発原料の焙焼デキストリン中の難消化性
成分の含量は酸の添加量、焙焼時間により変化するが、
難消化性成分が60重量%以上のものについては得られ
た難消化性水飴及び/又は粉飴の着色やこげがはなはだ
しくなり、製品の品質が低下して食品用として不適当で
ある。また、本発明の効果を発現させるためには、難消
化性水飴及び/又は粉飴の1日当りの摂取量は、難消化
性成分換算で約4g以上であることが望ましい。従って
焙焼デキストリン中の難消化性成分の含量が30重量%
以下のものでは、大腸に達する難消化性成分の量が少な
く、かなり大量に摂取することが必要となるため、コス
トが高くなり、添加できる食品が限定される。従って本
発明において生理作用を発揮するのは原料焙焼デキスト
リン中の難消化性成分の含量が30〜60重量%の範囲
内のものである。
とによって、難消化性成分の含量が低下するが酸加水分
解後の含量が26〜50重量%の範囲内であることが好
ましい。また酸加水分解によって後記するDEの値が上
昇するが、このDEは好ましくは約20〜50の範囲
内、さらに好ましくは約30〜50の範囲内のものが生
理作用を強く発揮する。さらに酸加水分解物中の難消化
性成分の平均分子量が600〜1200であるときに生
理作用を強く発揮する。この難消化性水飴及び/又は粉
飴を食品に添加するか、または食品の成分の1部と置換
することによって、食品に脂質代謝の改善作用および、
砂糖などと一緒に摂取したときに、血糖の上昇を抑制す
る作用を付与することができる。その添加量または置換
量は、その食品の1食分あたり難消化性成分換算で約4
g以上であることが好ましい。ただし難消化性成分が生
理作用に及ぼす影響は個人差があることから、効果を見
ながら適宜増減するのが良い。
は粉飴は殆ど全ての食品に使用することができる。この
明細書において「食品」とは、ヒトの食品のみならず、
哺乳動物、鳥類、魚類、特に家畜、家禽等の飼料、ペッ
トフードなどを総称するものである。本発明の難消化性
水飴及び/又は粉飴は、澱粉を原料とした水溶性のもの
であり、食物繊維を含有し、低カロリー増量剤としても
食品に使用できることから、従来デキストリンやマルト
デキストリン、水飴、還元水飴、還元麦芽糖水飴などが
使用できる食品の全てに対して、これを添加し又はその
一部を置換することができる。本発明の難消化性水飴及
び/又は粉飴を使用して、食品本来の特徴を変化させる
ことなく、生理作用を付与できる食品として好ましいも
のは、飲料類、デザート類、菓子類、米菓、冷菓、ジャ
ム、畜肉製品、水産練製品であり、中でも果汁飲料、炭
酸飲料、乳飲料、乳酸飲料、プリン、ゼリー、キャンデ
ィー、ビスケット、ケーキ、カステラ、アイスクリー
ム、シャーベット、ジャム、畜肉製品、水産練製品が最
も好ましい食品である。
法を詳細に記す。なお表中に%とあるのは重量%であ
る。 〔定量法〕 難消化性成分含量 :プロスキーらの方法により加水分
解を行い高速液体クロマトグラフィー( 日立D-2000, カ
ラムMCIGEL-CK08EC)により測定した。 グルコース量 :ピラノースオキシダーゼ法により
測定した。 分子量 :高速液体クロマトグラフィー法に
より測定した。 構造 :箱守らの方法によりメチル化を行
いGC分析を行った。 DE :ウィルシュテッター・シューデル
法により測定した。 糖組成 :高速液体クロマトグラフィー(日
立 D-2000 ,カラムMCIGEL-CK04SS)により測定した。 消化性試験1 :小腸粘膜酵素法により測定した。 消化性試験2 :プロスキー法により測定した。 甘味度 :官能検査法により測定した。 浸透圧 :10重量%溶液をOSMOTRO
N−10型により測定した。 氷点降下度 :10重量%溶液をOSMOTRO
N−10型により測定した。 粘性 :30重量%濃度でBM型粘度計に
より測定した。 褐変反応 :10%重量溶液に1重量%のグリ
シンを加え、pH4.5及び6.5で100℃で、30
分、60分、150分間加熱して光電比色計で吸光度を
測定した。 水分 :フィルム法により測定した。 見掛比重 :ホイッピング時の100ml容重
量を測定した。 容積 :菜種で測定した。 硬度 :レオメーターで測定した。 弾力性 :レオメーターで測定した。 ゲル硬度 :レオメーターで測定した。 付着性 :レオメーターで測定した。 離水率 :試料をロートのグラスウール上に
置き、落下する液量から算出した。 吸湿率 :製造時の水分で保存後の水分増加
量(重量%)を除して、100を乗じて算出した。 嗜好性 :下記の採点法で測定し、結果を危
険率5%で有意差検定を行った。 非常に良い +4 かなり良い +3 良い +2 やや良い +1 基準(対照区) 0 やや劣る −1 劣る −2 かなり劣る −3 非常に劣る −4
塩酸を添加して、水分15%に予備乾燥後、140℃で
60分間加熱し、白度65、難消化性画分含量53%の
焙焼デキストリンを得た。さらに、この焙焼デキストリ
ン15kgを水に溶解し30%溶液とし、その約50K
gに塩酸を添加してpH1.8としたのち2.0Kg/
cm2 の加圧加熱条件下で加水分解しDE35の分解物
を得た。中和後、活性炭による脱色、イオン交換樹脂に
よる脱塩を行い、濃縮してスプレー乾燥を行い難消化性
粉飴約12Kgを得た。
液を水酸化ナトリウムでpH6.0に調整し、α−アミ
ラーゼ(ターマミル50L:商品名、ノボ・ノルディス
ク・バイオインダストリー社製造)を固形分に対して
0.2重量%添加して、85℃に昇温して1時間加水分
解を行った。次に2.0Kg/cm2 の加圧加熱条件下
で5分間加熱してα−アミラーゼを失活させ、同様に精
製、濃縮してスプレー乾燥を行い難消化性デキストリン
約3.5Kgを得た。
1の難消化性粉飴について、DE、難消化性成分、各種
のグルコシド結合の含量、及び小腸粘膜酵素とプロスキ
ー法による消化後に生成グルコース量、難消化性成分、
各種のグルコシド結合の含量を測定した。この結果を表
1に示す。
質代謝に及ぼす影響を検討する目的で、生後8週齢のS
D系雄性ラットを対象にして、参考例1の難消化性粉飴
の単回経口投与を行い、投与後120分間にわたり血糖
値の変化を測定した。その結果を図1及び図2に示す。
ショ糖1.5g/Kg投与時の血糖頂値は負荷後30分
にみられ、160.4±1.6mg/dlに達したのに
対し、難消化性粉飴0.15g/Kg投与時の頂値は9
1.0±2.8mg/dlであった。また、ショ糖に難
消化性粉飴を0.0375〜0.15g/Kg添加して
投与したとき、ショ糖単独時(血糖曲線下面積=10
0.3±4.0mg/120分)に比較して、用量依存
的に血糖値は低下して前者の57〜76%を示し、低下
の程度は既に耐糖能改善効果が知られている難消化性デ
キストリンの2倍の効果であった。
質代謝に及ぼす影響を検討する目的で、生後3週齢のS
D系雄性ラットを高ショ糖飼料(ショ糖64.5%、カ
ゼイン25%、コーン油5%、MM−2ミネラル混合4
%、Harperビタミン混合1%、塩化コリン0.2
%、ビタミンE0.05%からなる粉末飼料)で2週間
馴化飼育後、無作為に6群に分けた。第1群(10匹)
は一夜絶食後、体重、体脂肪率(インピーダンス法)を
測定した。第2群(コントロール:12匹)は高ショ糖
飼料をそのまま、第3群(12匹)は高ショ糖飼料に糖
質、脂質代謝の改善効果が知られている比較例1の難消
化性デキストリンを5%添加したもの、第4群及び第5
群(各12匹)は高ショ糖飼料に参考例1の難消化性粉
飴を2.5%及び5%添加した飼料で、それぞれ4週間
飼育した。第2〜5群は飼育期間終了後、一夜絶食後に
体重と体脂肪率及び血清成分を測定した。結果を表2に
示す。ただし、数値に下線をつけたものはコントロール
に対して危険率5%で有意差があることを示す。
性デキストリンと難消化性粉飴ともに糖質及び脂質代謝
の改善効果が認められ、体脂肪率、総コレステロール
値、中性脂肪値及びトリグリセライドはコントロール群
に比較して有意に低値を示した。難消化性粉飴では、低
下の程度は用量に依存して増加した。
的な物性を比較測定した結果を図3〜図8に示す。図3
〜8から明らかなように難消化性水飴及び/又は粉飴
は、前記生理作用の有無を除けば、従来の水飴及び/又
は粉飴とほぼ同じ物性を有するので、従来の水飴や粉飴
等と同じ用途に同じ様に使用することが出来るものであ
る。
酸を添加し、均一に混合後、150℃で60分間加熱し
て難消化性成分が53.2%の焙焼デキストリンを得
た。この焙焼デキストリンを水に溶解して30%の溶液
とし、10%塩酸水溶液を加えてpHを1.8に調整し
た。溶液をオートクレーブに移して121℃で30分間
加熱して加水分解物を得た。この加水分解物を活性炭脱
色、濾過に続いてイオン交換樹脂で脱塩処理後、濃度7
0%に濃縮してDE36.9で難消化性成分の含量が固
形分当り46.2%の難消化性水飴を得た。
て、食品に生理作用を付与する方法を、実施例によって
詳細に説明する。実施例中に試料とあるのは難消化性水
飴、難消化性デキストリン及び市販水飴の総称である。
し、加熱溶解して一旦沸騰させ、赤生餡を2回に分けて
加え、その都度沸騰させて所定の重量まで煮詰めて練り
餡を製造した。
表4に示す。
性水飴と市販水飴との間に差異は認められなかった。
した後、糖、試料を加えて溶解して沸騰させ、赤生餡を
加えて所定の重量まで煮詰め、羊羹船に流して冷却、凝
固させて練羊羹を製造した。
表6に示す。
性水飴と市販水飴との間に差異は認められなかった。
調製し、パウンド型に生地を250g宛分注して165
℃±5℃で30分間焙焼してバターケーキを製造した。
異を表8に示す。
性水飴と市販水飴との間に差異は認められなかった。
料を加え加熱沸騰させて室温まで冷却しておく。2)卵
黄をほぐし、擦りまぜながら1)を加えてよく混合す
る。予めほぐし、充分クリーミングした無塩マーガリン
に2)を徐々に加えてさらにクリーミングし、最後にラ
ム酒を混合してバタークリームを製造した。
示す。
性水飴と市販水飴との間に差異は認められなかった。
て絞り生地を調製し、絞り袋、口金を用いて成型し、1
60℃で10分間焙焼してクッキーを製造した。難消化
性デキストリンを用いた対照区2では、難消化性デキス
トリンが殆ど甘味がないので、市販水飴を甘味源として
用いた。
示す。
性水飴と市販水飴との間に差異は認められなかったが、
難消化性デキストリンを添加したものは、比容積が低下
して硬度が増加していることから明らかなように、製品
の組織がしまる傾向であり、このために口あたりと口ど
けが劣る傾向を示した。また、貯蔵による吸湿がやや増
加した。従って、難消化性デキストリンよりも難消化性
水飴の方が優れた結果を与えることが認められた。
加えて加熱沸騰させてから、40℃以下に冷却する。
2)全卵をほぐし、1)を徐々に加えながら分散し、裏
ごししてカップに分注し、蒸し器で8分間蒸してカスタ
ードプディングを製造した。
示す。
性水飴と市販水飴との間に差異は認められなかった。
解させてグラニュー糖、試料を加えて溶解沸騰させた
後、カップに分注して冷却凝固させてワインゼリーを製
造した。
示す。
性水飴と市販水飴との間に差異は認められなかった。
特徴を損なうことなく生理作用を付与出来るので、得ら
れる食品は極めて優れた健康食品となるという効果を発
揮する。
ショ糖を経口投与した際の、血糖値の変化を示すグラフ
である。
ショ糖を経口投与した際の、血糖曲線下面積を示すグラ
フである。
グルコース及びマルトースの相対的な甘味度を示すグラ
フである。
水溶液の浸透圧を示すグラフである。
水溶液の氷点降下度を示すグラフである。
水溶液の粘度を示すグラフである。
ースの褐変反応(pH4.5)の結果を示すグラフであ
る。
ースの褐変反応(pH6.5)の結果を示すグラフであ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 難消化性成分の含有量が30〜60重量
%の酸添加焙焼デキストリンを、酸の存在下に加水分解
して得られる難消化性水飴及び/又は粉飴を食品に添加
または食品の構成成分の一部と置換することを特徴とす
る、食品に生理作用を付与する方法。 - 【請求項2】 難消化性水飴及び/又は粉飴中の難消化
性成分の含有量が26〜50重量%であることを特徴と
する、請求項1に記載する食品に生理作用を付与する方
法。 - 【請求項3】 難消化性水飴及び/又は粉飴のDEが2
0〜50であることを特徴とする、請求項2に記載する
食品に生理作用を付与する方法。 - 【請求項4】 難消化性水飴及び/又は粉飴のDEが3
0〜50であることを特徴とする、請求項2に記載する
食品に生理作用を付与する方法。 - 【請求項5】 難消化性水飴及び/又は粉飴中の難消化
性成分の平均分子量が600〜1200であることを特
徴とする、請求項3又は4に記載する食品に生理作用を
付与する方法。 - 【請求項6】 食品への添加量または置換量が食品の1
食あたり難消化性水飴及び/又は粉飴に含まれている難
消化性成分換算で約4g以上であることを特徴とする、
請求項1〜5のいずれか1項に記載する食品に生理作用
を付与する方法。 - 【請求項7】 生理作用が、脂質代謝の改善作用である
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載す
る食品に生理作用を付与する方法。 - 【請求項8】 生理作用が、砂糖と一緒に摂取したとき
血糖の上昇を抑制する作用であることを特徴とする請求
項1〜6のいずれか1項に記載する食品に生理作用を付
与する方法。
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JPH11116602A true JPH11116602A (ja) | 1999-04-27 |
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