JP4560647B2 - 可溶性澱粉の製造法 - Google Patents

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本発明は可溶性澱粉の製造法に関し、より詳しくは歩留が良くて廃水への負荷が少ない可溶性澱粉の製造法に関する。
従来、可溶性澱粉の製造は、澱粉を水に懸濁し、塩酸や硫酸などの酸で処理して酸処理澱粉とするか、又は酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムや高度サラシ粉で処理して酸化澱粉とする方法で製造されている。両者は水中で澱粉の粒子を残した状態で酸又は酸化剤で澱粉分子を切断して低分子化し、その後中和、水洗、脱水、乾燥の工程を経て製造されている。
酸又は酸化剤による澱粉の分解は、澱粉の非晶質部分が分解され易くて不均一な分解になるので、高分子である澱粉分子を低分子化すると共に冷水に溶解するようになるまで分解した低分子区分を併せて生成する。この水に溶解する低分子区分は水洗により廃水に移行し、歩留の低下と廃水の負荷を来たし、環境に対する負荷とコストアップの要因になっている。
可溶性澱粉の主用途は醤油、味噌、各種エキス類などの粉末化基材としての利用である。これら調味料は個包装の容易さや利便性から粉末化されることが多いが、成分的にペプタイド、遊離アミノ酸、糖類、酸類、無機塩類、芳香成分などを含み、これら成分の逸散を最小限にして粉末化を容易にし、得られた粉末のブロック化防止などの点から粉末化助剤たる粉末化基材が必要である。またこれらの粉末化には主に噴霧乾燥が用いられ、乾燥効率からは乾燥前の濃度をなるべく高くするのが好ましいが、噴霧できる粘度に制約があり、粉末化基材としてはなるべく粘度の低い可溶性澱粉が望ましい。
しかし、従来の製造法では、粘度の低い可溶性澱粉を製造するには酸又は酸化剤の使用量を多く必要とし、冷水に溶解する低分子区分の生成も増大して歩留及び廃水の問題をより深刻にするので、この問題と粘度の低い可溶性澱粉のニ−ズを勘案して、20質量%、50℃の粘度が20〜50mPa.s程度のものが主に製造されている。その場合でも、例えば次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合には有効塩素として澱粉に対して4−5質量%程度使用され、その歩留は90質量%前後となっている。
一方、澱粉を粉体状で処理して低分子化した製品として焙焼デキストリンがある。焙焼デキストリンは塩酸や硝酸を加えるか又は加えずに、粉体状で110〜200℃程度で焙焼して所謂デキストリンとしたもので、可溶性澱粉に較べるとかなり低分子化が進んでいて、粘度は低いが冷水溶解分も多いなど物性的にも可溶性澱粉とは異なるものである。また焙焼時に生じる低分子物質による刺激味があるので、主に工業用途に利用されている。
上述するように、なるべく低粘性であって歩留、廃水の問題が改善された可溶性澱粉の製造法が、コスト的な面だけでなく環境にやさしいと言う意味からも強く求められている。
本発明が解決しようとする課題は、酸及び/又は酸化剤の使用量を大幅に低減して廃水に移行する成分の生成を抑制し、製品の歩留及び廃水の負荷を顕著に改善した低粘性の可溶性澱粉の製造法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、澱粉に少量の塩酸を加えて粉体状で加熱処理して一次分解し、次いで酸化剤で処理することにより課題を解決することができることを見いだし本発明を完成した。
即ち、本発明は澱粉に少量の塩酸を加えて粉体状で加熱処理して一次分解した後、水懸濁液として酸及び/又は酸化剤で処理する可溶性澱粉の製造法に関し、更に詳しくは加熱処理した後の粘度が20質量%、50℃に於て15〜100mPa.sであり、且酸化剤での処理が加熱処理した澱粉に対し有効塩素で0.1〜1.0質量%の酸化剤好ましくは次亜塩素酸ナトリウムであり、より好ましくは用いる澱粉がもち種の澱粉である可溶性澱粉の製造法に関する。
本発明の可溶性澱粉の製造に用いる原料澱粉は、市販の澱粉、例えば馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシ−コ−ンスタ−チ、コ−ンスタ−チ、小麦澱粉、甘藷澱粉、米澱粉、ワキシ−ソルガムなど何れも用いることができるが、これらの中でも加熱処理による一次分解に於ける粘度低下がより容易であって、より穏やかな条件が採用できると共に冷水に溶解する成分の生成がより少なくなる点でもち種澱粉がより好ましい。もち種澱粉は殆どがアミロペクチンからなる澱粉を指称し、具体的にはワキシ−コ−ンスタ−チ、もち米澱粉、もち種小麦澱粉、ワキシ−ソルガムなどが挙げられる。
本発明では先ず澱粉に少量の塩酸を加えて粉体状で加熱処理して一次分解する。一次分解する程度は所望の可溶性澱粉の粘度により広い範囲で選択することができ、所望により高粘性の可溶性澱粉を本発明に従って製造することもできるが、高粘性の可溶性澱粉の場合には従来法でもさほど極端な歩留低下がなく、本発明の特徴が生かされるのは低粘性の可溶性澱粉であり、その意味に於て20質量%、50℃に於ける粘度が概ね100mPa.s以下になるように分解するのが好ましい。
一次分解に於ける粘度を低くしておけば、得られる可溶性澱粉の粘度も低いものが得られるが、一次分解を進めて低粘度にするに従って冷水溶解分も多くなり、冷水溶解分はその後の酸及び/又は酸化剤による処理の際に廃水に移行するので、この区分がなるべく少ない範囲にとどめるのが好ましい。
一次分解について種々検討を重ねた結果、20質量%、50℃に於ける粘度を15mPa.s程度にとどめると、冷水溶解分を概ね5質量%以下にでき、これらを酸化剤で処理しても、冷水溶解分の値に近いロスで済むことを見いだした。
従って、一次分解に於ける分解の程度は、20質量%、50℃に於ける粘度で15〜100mPa.s程度であり、この範囲の一次分解での冷水溶解分は一次分解の粘度に相関し、粘度を設定することにより概略の冷水溶解分が限定されてくる。なお、一次分解に於ける粘度が15mPa.sより低くなってくると、冷水可溶分は5質量%を越えてやや多くなってくる。
本発明に於て少量の塩酸とは、澱粉に対して塩酸純分として100〜1000ppm程度が挙げられる。塩酸量は一次分解に於ける分解速度、つまり粘度低下の速度に影響するが、その要因は塩酸量の他に加熱温度にもよるので、これらと加熱処理時間を勘案してその量を決めれば良いが、一般に塩酸量が少ないと処理温度を高くするか、処理時間を永くすることを要するし、塩酸量を多くするとその逆となる。
本発明では上述の量の塩酸を0.5〜2質量%程度の濃度に水で希釈して添加する。添加方法は限定されず、澱粉と塩酸がより均一になり易い方法が採られれば良く、例えばリボンミキッサ−、ナフタミキサ−などの混合機で澱粉を攪拌しながら希釈した塩酸を噴霧するなどの方法で添加する。更により均一化する上で、混合機による混合を必要時間行う手段、混合した後に粉砕機を通す手段、熟成時間を取る手段などの手段を所望により採ることができる。またより均一性を望むなら、澱粉懸濁液に必要量の塩酸を加え、脱水し、所望の水分に乾燥する方法を採ることもできる。
塩酸を添加した澱粉の水分は、塩酸の添加量、添加する塩酸の濃度にもよるが、概ね15〜22質量%程度であり、必須ではないが粉体の流動性や加熱処理の効率化の上から5〜10質量%程度に予備乾燥するのが望ましい。その方法は特に限定されず、通常の乾燥方法、例えばフラッシュ乾燥、減圧乾燥などが適用できる。但し、通常焙焼デキストリンの製造に際して行われているように絶乾物近くまで予備乾燥すると冷水溶解分が多くなる傾向にあるので好ましくない。
本発明に於ては必要に応じて予備乾燥した塩酸を含む澱粉を粉体状で加熱処理する。加熱処理する装置としては、焙焼デキストリンを製造する装置、例えばロ−タリ−キルン、減圧焙焼機、流動焙焼機などを用いることができる。加熱処理の温度は、実用的な好ましい態様としては80〜150℃程度であり、この程度の温度範囲の中で用いる塩酸の量及び処理時間を勘案して選択するのが実用的である。この温度は必ずしも限定的ではなく、80℃より低い温度であっても塩酸量を多くしたり、処理時間を永くとれば可能であるし、150℃を越える温度でも塩酸量を少なくすれば可能であるが、あまり高い温度にすると冷水溶解分が多くなる傾向にあるので好ましくない。また、加熱処理は所望の粘度が得られるまで行えば良く、その時間は用いる塩酸量及び温度によって異なるが、概ね10〜60分程度になるように条件設定するのが実用的である。
本発明の可溶性澱粉は、前段で上述のように少量の塩酸を含む澱粉を粉体状で加熱処理して一次分解し、次いでこれを水懸濁液として酸化剤で処理する二段階の処理で製造する。これにより酸化剤の添加量を大幅に軽減できると共に低粘性の可溶性澱粉が歩留良く得られ、廃水の負荷を著しく軽減することができる。
後段の酸又は/及び酸化剤処理では、一次分解した澱粉を先ず水懸濁液とする。その濃度は十分に攪拌できる範囲であれば良く、例えば20〜40質量%とし、次いで酸化剤を加えて処理をする。
従来、可溶性澱粉には酸で処理したものと酸化剤で処理したものがあることは前述するところであり、この両者は物性的にも異なっている。本質的に本発明の可溶性澱粉も、従来の酸処理品に物性的に匹敵するのは後段で酸処理したものであり、従来の酸化剤処理品に匹敵するのは後段で酸化剤処理したものである。要すれば、両者を併用することもできるが、従来より酸化剤による可溶性澱粉が圧倒的に多く生産されていて、その意味で本発明に於ても酸化剤処理がより重要である。
上記の通り、本発明では、酸だけによる処理は行わない。
一方、酸化剤による処理は、好ましくは苛性ソ−ダなどのアルカリ剤でアルカリ側にし、酸化剤を加えてその酸化剤が概ね消失するまで、例えば0.5〜5時間、常温乃至40℃程度の温度で攪拌を続ける。酸化剤としては次亜塩素酸ナトリウム、高度サラシ粉、亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、過硫酸アンモン、過酢酸などを用い得るが、得られた可溶性澱粉の透明性がより良くなる点で酸化剤の中では次亜塩素酸ナトリウムがより好ましい。
次亜塩素酸ナトリウムの使用量は熱処理した澱粉に対し有効塩素で約1.0質量%以下が好ましい。酸化剤の使用量をこの程度にとどめることにより、酸化剤処理工程での冷水溶解分の増加、即ちロスの増加は殆ど見られないが、約1.0質量%を越えて多く用いるとロスが増大する。尚、次亜塩素酸ナトリウム以外の酸化剤を用いる場合にも上述の次亜塩素酸ナトリウムの量に相当する量を用いることが好ましい。
本発明の酸化剤処理は前段の加熱処理と組み合わせることにより、従来の酸化剤のみで処理した可溶性澱粉に較べて大幅に酸化剤の使用量を減らすことができると共に廃水に移行する成分を顕著に減少させて歩留を大幅に向上させることができる。併せて、加熱処理によって生じた異味、異臭を除き、白度を向上させる効果を持ち、この目的の為には加熱処理した澱粉に対して有効塩素で少なくとも約0.1質量%の次亜塩素酸ナトリウムを用いることが好ましい。
また本発明に於いては後段の処理を、要すれば酸及び酸化剤を用いて行うことができる。その場合酸及び酸化剤を同時に作用させるのではなく、上述の酸及び酸化剤による処理に準じて酸及び酸化剤で別々に処理することが好ましい。即ち酸で処理した後に酸化剤で処理する、又は酸化剤で処理した後に酸で処理する。この際の酸及び酸化剤の量は、必ずしも限定的ではないが、廃水に移行する成分の生成の観点から酸と酸化剤を合わせて1質量%程度にとどめるのが好ましい。下限量はそれぞれの好ましい下限量となる。このように両者を併用することにより得られた可溶性澱粉は、それぞれ単独で処理して得た可溶性澱粉の中間的物性を有し、そのような物性が望まれる際に有用である。
なお、本発明で述べる冷水溶解分は、以下の方法により測定される。即ち、試料約10gを精秤してビ−カ−に採り、20℃の脱イオン水約50mlを加えて均一に分散させ、100mlに20℃の脱イオン水でメスアップする。その後、時々振盪して攪拌しながら20℃の恒温槽に60分置く。次いで、東洋ろ紙No.5Aでろ過し、そのろ液を蒸発皿に50ml採って蒸発乾固し、恆量になるまで105℃の乾燥器で乾燥した後秤量してろ液中に溶解していた量から冷水溶解分を算出する。
また、本発明で述べる20質量%、50℃の粘度及び単に粘度と記す場合も同じ意味で用い、以下の方法で測定した値である。即ち、試料40gと脱イオン水160gをビ−カ−に採り、沸騰浴中で攪拌しながら90℃に達温後更に10分加熱して糊液を調製し、加熱時に蒸発した水分を補充して50℃に冷却し、B型粘度計、60rpmで測定する。
本発明の製造法は、後段の酸化剤処理と前段の加熱処理とを組み合わせることにより、従来の酸化剤のみで処理した可溶性澱粉に較べて大幅に酸化剤の使用量を減らすことができると共に、廃水に移行する成分を顕著に減少させて歩留を大幅に向上させることができる。加えて加熱処理によって生じた異味、異臭を除き、白度を向上させる効果を発揮する。従って産業上に於ける効果は極めて大きい。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例及び比較例で部は質量部、%は質量%を表す。
ワキシ−コ−ンスタ−チ4.5Kgをパドルドライヤ−(株式会社奈良機械製作所製、容積10L)に採り、攪拌しながら1%塩酸水溶液160gを噴霧し、攪拌混合して均一化した後、60℃に加温して水分含量7.5%に予備乾燥した。次いで、加熱温度を115℃にして加熱処理し、経時的にサンプリングして加熱処理時間の異なる一次分解物を製造した。その粘度と冷水溶解分を測定し、その結果を表1に示す。
Figure 0004560647
ここで得た表1に記載するEx.2, 3, 5, 6, 7 の試料それぞれ100部に水120部を加えて懸濁液とし、3%苛性ソ−ダ水溶液でpH10に調整すると共にその後も同じpHに維持しながら、有効塩素で表2に示す量の次亜塩素酸ナトリウムをそれぞれに加え、室温で有効塩素が消滅するまで、約1〜2時間処理した後、塩酸で中和し、水洗、脱水、乾燥して得た可溶性澱粉の粘度、歩留を表2に示す。
Figure 0004560647
加熱処理による一次分解に於て、その粘度で15mPa.s程度までにとどめれば、冷水溶解分は5%程度以下になるし、有効塩素で対澱粉1%以下の次亜塩素酸ナトリウムでの処理であれば、酸化剤処理に於ける歩留は、加熱処理に於ける冷水溶解分に少し上乗せした程度のロスとなる。
比較例1
(従来の酸化剤による可溶性澱粉の製造例)
ワキシ−コ−ンスタ−チ100部を水120部に分散させて懸濁液とし、3%苛性ソ−ダ水溶液でpH10に調整すると共にその後も同じpHに維持しながら、有効塩素で対澱粉4.0%の次亜塩素酸ナトリウムを加え、室温で4時間反応した。この時点で有効塩素は殆ど消滅していた。その後、塩酸で中和し、水洗、脱水、乾燥して従来法に準じた可溶性澱粉を得た。得られた可溶性澱粉の粘度は31mPa.s、歩留は90.3%であった。
実施例1に於て、ワキシ−コ−ンスタ−チを馬鈴薯澱粉に替え、加熱処理時間を45分とした他は同様にして加熱処理による一次分解物を得た。その粘度は31mPa.sで、冷水溶解分は3.8%であった。これを実施例1と同様に有効塩素で対澱粉0.8%の次亜塩素酸ナトリウムで処理して得た可溶性澱粉は、粘度が27mPa.sで、歩留が95.5%であった。
実施例1に於て、ワキシ−コ−ンスタ−チをもち米澱粉に替え、塩酸の添加量を5.5部とし、加熱温度を95℃、加熱時間を30分とした他は同様にして加熱処理による一次分解物を得た。その粘度は27mPa.s、冷水溶解分は2.0%であった。次いで、実施例1と同様に水懸濁液とし、澱粉に対し有効塩素で0.6%の次亜塩素酸ナトリウムを加え、室温で1時間処理した後、中和、水洗、脱水、乾燥して得た可溶性澱粉は、歩留97.5%、粘度25mPa.sで、異味異臭を有さず、透明性も良好であった。
実施例1の加熱処理による一次分解によって得た試料Ex.4を用い、試料100部を水120部に分散させて水懸濁液とし、試料に対し塩酸0.7部を加え、35℃で5時間処理した後、苛性ソ−ダで中和し、水洗、脱水、乾燥して得た可溶性澱粉は、歩留97.4%、粘度28.5mPa.sで異味異臭を有さず、この糊液を20℃に冷却すると、酸処理澱粉特有の軽くゲル化する性質を示した。
ワキシ−コ−ンスタ−チ4Kgを実施例1で用いたパドルドライヤ−に採り、攪拌しながら0.5%塩酸水溶液120gを噴霧し、攪拌混合して均一化した後、60℃に加温して水分含量6%に予備乾燥した。次いで、加熱温度を145℃にして30分加熱処理した。得られた一次分解物は、粘度が29mPa.s、冷水溶解分が2.1%であった。この一次分解物100部を水120部に分散して懸濁液とし、一次分解物に対して有効塩素で0.5%の次亜塩素酸ナトリウムを添加して室温で2時間処理した後、苛性ソーダで中和し、水洗,脱水,乾燥して可溶性澱粉を得た.得られた可溶性澱粉は歩留97.5%、粘度27mPa.sで異味異臭を有さず、白度、糊液の透明性ともに良好であった。
実施例3の加熱処理により得た一次分解物100部に水120部を加えて懸濁液とし、3%苛性ソ−ダを添加してpH11.3に調整した。次いで一次分解物に対して0.6%の過酸化水素を添加して40℃で5時間処理した後、塩酸で中和し、水洗、脱水、乾燥して得た可溶性澱粉は、歩留96.9%,粘度23mPa.sで、異味、異臭を有さず、白度も良好であったが、実施例3で得た可溶性澱粉に較べると透明性が劣っていた。

Claims (2)

  1. 澱粉に少量の塩酸を加え、粉体状で加熱処理して、冷水可溶成分が.5質量%以下で且つ20質量%、50℃の粘度が15〜100mPa.sとなる様に一次分解した後、水懸濁液として有効塩素で0.1〜1.0質量%の酸化剤で処理することをと特徴とする可溶性澱粉の製造法。
  2. 澱粉がもち種澱粉である請求項1に記載の可溶性澱粉の製造法。
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