JP2004524968A - 自動洗浄噴霧器 - Google Patents

Abstract

本発明は、バス及びシャワールームの壁にクレンザーを噴霧するための自動化噴霧器である。この噴霧器は、シャワールーム内に取り付け可能で、逆さにしたクレンザーのボトルを収容するトレイを定めるハウジングを有する。トレイの底には長手方向軸に沿って下に延びる管があり、クレンザーはこの管を通ることができる。管の下に配置されモータを備えたヘッドは軸回りに回転可能で、ボトルからのクレンザーを計量し、クレンザーを外側に噴霧する。噴霧器はタイマー回路を含み、この回路は噴霧の開始を設定した時間だけ遅らせ、所定の期間後に噴霧を自動的に停止させる。噴霧器はまた、音声及び視覚によるアラームを含む、噴霧サイクルの開始を知らせるためのシステムも含む。シャワールームの自動化洗浄方法も開示する。

Description

【技術分野】
【０００１】
関連出願の相互参照
本願は、2001年4月13日に出願した米国仮出願第60/283,894号に基づいて優先権を主張する一部継続出願である。
米国政府支援研究開発の記述 該当なし
本発明は、バス及びシャワールームの洗浄装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
バス及びシャワールームの壁やドアは、長期間使用すると、かびが生えたり、沈積した石鹸や、硬水、ミネラル沈積着物で覆われたりする。こういった沈積物やしみを取るには、普通壁やドアを手作業でこすらなければならず、これは望ましくない仕事である。洗浄液を使用して必要なこすり量を減らすことができる。
【０００３】
一般的にはクレンザー（例えば界面活性剤含有製剤）を壁に噴霧し、活性成分が作用する時間が経った後、壁を布、ブラシ又はスクラブパッドで拭き、次いで水で流して汚れや残ったクレンザーを取り除く。しかしながら、壁をこすらなくても沈積物を取り除くことができるクレンザーが開発され市販されている。こういったクレンザーは、バス及びシャワールームの使用後に壁に噴霧され、作用する時間だけ置かれる。WO第96/22346号及びWO第98/02511号全体を参照のこと。本発明の譲受人であるS.C. Johnson & Son, Inc.もまた、こすらずに作用するシャワークレンザーを販売している。
【０００４】
こすり不要で、すすぎ不要のクレンザーを塗布するために使用する技術は、例えば、クレンザーのポンプスプレーボトルをシャワールーム内又はシャワールーム付近に置いてシャワーの後にシャワールームの壁に噴霧できるようにすることである。しかしながらこれでは、消費者が壁に噴霧するのに時間と労力が必要となる。
【０００５】
シャワールームを洗浄に要する労力を減らすために、幾つかのシステムが開発されている。米国特許第4,872,225号は、シャワーヘッドの水道と流体連通するバス及びシャワールーム用の噴霧器及び導管システムを開示している。水道をシャワーヘッドに導いたり、噴霧器に導いたりしてシャワールームを洗浄する。クレンザーの容器はシャワールームに取り付けられ、（噴射機アセンブリを介して）クレンザーを導管へと導いて壁に噴霧する。このシステムの欠点は、ユーザが（開いていなければ）手作業で水道を開き、切換弁を調節し、クレンザーを噴霧器に流し入れ、壁の洗浄後に水道を閉めなければならないことである。消費者にクレンザーが噴霧されてしまう危険もある。
【０００６】
米国特許第4,383,341号に開示されるような、より洗練されたシステムもあり、このシステムは、洗浄濃縮物が水と混ぜられる混合弁にマニホールドによって接続される複数のポップアウト噴霧ノズルを含む。米国特許第5,452,485号は、バスタブ及びシャワルームそれぞれの周りをレール沿いに移動する、大型かつ電力作動型のバスタブ及びシャワー「グライダー」を備えたバスタブ及びシャワー用の自動洗浄装置を開示する。グライダーは水道に連結し、この水道水がクレンザーと混ぜられる。グライダーは、洗浄液をバスタブやシャワーの壁に噴霧するためのスプレーヘッドを有する。グライダーはまた、壁をこするためのブラシも有する。ユーザは中央コントローラによってグライダーを作動させ、クレンザーを混合する。これらのシステムは大型で不恰好かつ高価であり、設置に多くの時間とコストを要するため好ましくない。
【０００７】
したがって当業界には、バス及びシャワールームに自動的に噴霧する改良型のシステムに対するニーズが存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、バス及びシャワールームの壁にシャワークレンザーを自動的に噴霧する装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の一つの態様は、自動的に噴霧を止める噴霧器である。この噴霧器は、クレンザーを収容する容器を含む。計量システムは、ユーザが制御手段によって始動する噴霧サイクル時に、容器からクレンザーを噴霧するスプレーヘッドへのクレンザーの流量を制御する。制御手段は、自動的に噴霧サイクルを終了する。
【００１０】
好適な態様において、噴霧（器）は、スイッチによって始動して噴霧サイクルを開始するための電子タイマーを有する。ユーザが噴霧サイクルを開始したい場合、このユーザは噴霧器の正面にあるボタンを押す。このことによって電子タイマーにようるカウントダウンが開始され、２０秒といった所定の時間だけ噴霧を遅らせる。この時間は、ユーザがシャワールームを出てドア又はカーテンを閉めるのに十分である。また、このように噴霧を遅らすことにより、ユーザがボタンを再度押して噴霧サイクルを中止する時間も与えられる。
【００１１】
音声及び視覚によるアラームを含むユーザ通知システムがカウントダウン時に作動し、噴霧器がまもなく作動することをユーザに知らせるのが好ましい。キャンセルされなければ、噴霧サイクルはカウントダウンの終了時に自動的に開始する。この時点でさらなるカウントダウン（好ましくは２０秒）をタイマーによって自動的に始動させることができ、その後さらなる入力がなければ噴霧サイクルは終了する。
【００１２】
別の態様では、噴霧器は、小売店で市販されているクレンザーの交換可能なボトルを用いて作動するように設計される。容器はトレイを有し、このトレイは容器の上部に適合した形状であり、逆さにされた容器を受ける。クレンザーのボトルは逆さにされて、蓋を取ってトレイにセットされる。トレイの底に、ボトルの口を覆っている内部シールに穴をあけるための上側に突き出た突起又はスパイクを設けてもよい。
【００１３】
口は２本の平行な通路を有し、そのうちの１本は空気を抜き易くするために上流端に流量規制部分を有する。容器と穴あけポストは、容器が穴あけポストに対して組み立てられた状態で位置し、次いで穴あけポストから取り外されたときに、結果として得られる構造では再度組み立てるときに欠陥が生じてしまうように構成及び配置される。このことによって、消費者が容器に不適切な薬剤を詰め替える可能性が低くなる。
【００１４】
本発明の自動噴霧器は、種々の計量弁及びスプレーヘッドを使用して実施することができる。例えば噴霧器は単一のモータを備えたヘッドを含むことができ、このヘッドは噴霧器の長手方向軸回りに配置され環状蓋によって覆われる分配カップを含み、環状蓋には中心に開口が設けられ、この開口を通って軸方向管がカップまで延びる。この蓋は、縁の周りに間隔を置いて配置したポイントでカップに装着される。そのためヘッドが回転すると、カップ内のクレンザーがカップと蓋との間の遠心力によって付勢されて外側へと噴霧される。カップにおけるクレンザーの液位が下がると、さらなるクレンザーを管を通してカップへと送ることができる。ヘッドが回転していないときは、カップにおけるクレンザーの液位が管の開口に達するまでクレンザーを管を通して送ることができる。
【００１５】
ヘッドはまた、管の中に配置され管の内径によって定められる弁座に着座可能なボール弁を含むことができる。ボール弁の着座は、カップにおけるクレンザーの液位によって制御可能であり、その結果カップが空の場合又はクレンザーがカップから噴霧される場合にボール弁が開き、カップにおけるクレンザーの水位が十分に高いときだけボール弁が閉まり、浮揚していたボールが弁座に着座する。
【００１６】
或いは、ボール弁を例えば慣性弁に接続されたプッシュピンによって作動させることができる。具体的には、慣性弁はヒンジで留めた上部プレートと下部プレートとを含み、プレートが互いに離れるように軸に沿って回転させたときに遠心力によって外側に駆動される１つ以上の錘を有する。慣性弁は、軸に沿って上部プレートに装着され、プレートが互いに離れるように移動するとボール弁を上昇させて弁座から離すプッシュピンを有する。
【００１７】
また、別の態様のヘッドを使用できる。例えばヘッドは、軸回りに回転可能でその中心に軸方向リセスを有するディスクを含むことができ、このリセスはそこからディスクの円周上にある出口へと半径方向に延びる通路と流体連通する。ヘッドはまた、回転可能な流体発振器及び／又はベント管の通路を選択的に塞ぐように動作可能な電磁弁を含むことができる。
【００１８】
ヘッドの上述の態様は、クレンザーに圧力を加えない場合に特に適している。しかしながらクレンザーは、エアロゾル缶などの加圧容器である可能性もある。この場合、ヘッドは軸回りに回転可能なインペラを含むことができ、このインペラはその中心に軸方向開口を有すると共に、その端部に対向するノズルが設けられる。或いは、ヘッドは円周に向かってテーパ付けされた径方向表面を有する、モータ付き偏向板を有することができ、この偏向板は長手方向軸回りに回転可能である。ヘッドはまた、半径方向に延びる複数の出口を有する静止ノズルであってもよい。いずれの場合でも、加圧システムにおいては、電気制御される電磁弁を使用してクレンザーを計量するのが好ましい。
【００１９】
或いは、カップは装置の底部にあってもよく、その上にモータがあり、容器はモータの上にある。皿にはその上部エッジの下の側部に対向する開口が設けられ、その内側にはベーンが設けられ、かつ／又は外側には可撓性を有する拡散ストリングが設けられる。モータプーリに接続された駆動シャフトがカップの蓋を駆動し、これによりカップが駆動される。
【００２０】
本発明の別の態様は、シャワールームに液体クレンザーを自動的に噴霧する方法である。この方法は、噴霧器のタイマーを作動させて第１のカウントダウンを開始するステップを含む。第１のカウントダウンの終了時に、噴霧装置が自動的に作動してクレンザーをシャワールームの側壁に噴霧する。タイマーはまた第２のカウントダウンを開始し、このカウントダウンが終了すると噴霧サイクルは自動的に終了する。
【００２１】
計量カップが側部に対向する噴霧出口を有する実質的に閉じたボウルの場合、出口の一方は（例えば種々の噴霧パターンを提供するために）他方と異なるサイズ又は形状であってもよい。モータがスプレーカップよりも上に位置する場合、モータには（複数の速度のオプションを提供するために）カップへのトランスミッションリンケージが設けられてよく、シースはカップの蓋の駆動シャフトとして作用可能であると共に容器からスプレーカップへの供給管を取り囲むことができ、穴の開いたシールは容器と使い捨て式に連動してよい。
【００２２】
他の特徴を任意に追加することもできる。この他の特徴とは、長さ調節可能なハンガーを提供すること、シャンプーや化粧品用のキャディーを（例えばボトルの上又は側部の位置に）設けること、いくらか液体がある状態で逆さにしたときにこぼれないカップ構造を提供すること、噴霧を傾斜した角度で行なえるようにするピボットを提供すること、部分的な遮蔽手段を設けて３６０度の弧のうちセンシティブな特徴を有する特定の部分に噴霧しないようにすること、動作の状態に関して音声で合図するようにサウンドチップを設けること、サイクルが終わらないうちに消費者がシャワーに入ってしまったときに動作を停止する動作センサシャットオフを提供すること、そして装置を側壁でなく天井から吊り下げるのに適した吊り下げ機構を提供することである。
【００２３】
本発明のさらに別の態様は、容器のみに焦点を当てる。容器は、（例えば−３ｐｓｉまでの）部分真空に耐えられるように十分な剛性を有する壁を備えてよい。容器の壁が内側に変形してしまうと、装置の使用前に容器の中身が全て出てしまうのを防止するのに十分な抵抗が容器に発生しないので、上記の点は重要である。
【００２４】
別の態様の容器においては、容器とそのネストとの間の封止（シール）された接続を容易にするために、容器の周囲にシール（例えばＯ−リングシール）を設けたり、口の上にエッジシールを設けてよい。これによっても、使用前に中身を流してしまうことを防止できる。
【００２５】
また、容器の底部に、支持プラットフォーム及び排水チャンネルを有する一体化された石鹸皿を設けることができる。したがって、シャワーの際に一般に使用する、石鹸を保持するための別個のシャワーキャディーは必要ない。
【００２６】
容器のさらに別の態様では、その口の付近に破断可能なフランジ及びピボット動作可能フランジからなる群から選択したフランジが設けられる。これにより容器を一度しか使えなくなるので、消費者が不適切なクリーナをボトルに詰め替えてしまうことが防止される。
【００２７】
本発明の重要な利点は、囲い込まれた領域の自動洗浄である。噴霧器のボタンにタッチすることで噴霧サイクルが始まり、このサイクルは完了時に自動的に終了するため、ユーザは洗浄プロセスを監視したり自ら終了させたりする必要がない。
【００２８】
本発明の別の利点は、そうした囲い込まれた領域の側壁全てに噴霧できることである。
【００２９】
本発明の更に別の利点は、噴霧器にクレンザーを迅速且つ簡単に追加できることである。噴霧器のハウジングは、シャワークレンザーの詰め替えボトルの上部に適合した形状に形成される。さらにハウジングは、ボトルを定位置に挿入したときにボトルの内部シールに穴をあけるための一体化したスパイクを含む。クレンザーを補充するには、新しいボトルのキャップを外し、ボトルを逆さにしてハウジングに装填するだけでよい。
【００３０】
本発明の更に別の利点は、噴霧器が噴霧サイクルごとに適切な体積のクレンザーを自動的に計量できることである。タイマーを変更して噴霧サイクルの継続時間を長くしたり短くしたりすることによって、又は回転速度を変更することによって、計量されるクレンザーの体積を種々のサイズの囲い込まれた領域に対して簡単に変更することができる。
【００３１】
本発明の更に別の利点は、水と混ざっていないクレンザーを使用した独自のポンピングシステムを備えた単独型の装置である点である。
【００３２】
本発明の更に別の利点は、囲い込まれた領域に、壁に損傷を与えることなく装置を着脱自在に取り付け可能であることである。
【００３３】
本発明のこれらの及び他の利点は、詳細な説明と図面によって明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３４】
図面では、本発明の自動噴霧器を一般に番号２０で参照する。図１〜５を参照すると、噴霧器２０は、主要構成要素として、ホルダトレイ２２、エレクトロニクスハウジング２４、スプレーヘッドアセンブリ２６及び制御、タイミング、ユーザへの通知のための電子回路３０を有する電気モータ２８を含む。噴霧器２０は、バス及びシャワーを取り囲む領域３２内、好ましくはシャワーヘッドを含む壁に取り付けられる。ハンガー３４は２本の脚２６を有し、これらの脚はその下端がエレクトロニクスハウジング２４に接続され、トレイ２２の開口を通って延出し、シャワーヘッドスパウト４０に嵌合するように寸法を決めたフック３８を形成する。噴霧器２０はさらに（又は或いは）、トレイ２２の裏側にある縦スロット４４に係合する吸盤４２によって囲い込まれた領域の壁に固定されてもよい。このように取り付けると、噴霧の流れはほぼ５フィートの高さになる。適切なスペーサ（図示せず）により、トレイ２２とハウジング２４との隙間を維持することができる。
【００３５】
トレイ２２及びエレクトロニクスハウジング２４は、適切なプラスチックから射出成形される。トレイ２２は、上述のこすり不要製剤などのシャワークレンザーの溶液を含むボトルの上部４８の形状に合った、上に開いたキャビティ４６を有するように形成される。図５に示すように、キャビティ４６はその中心にリセス５０を有し、このリセスは長手方向軸５２に沿って下方に延び、ボトル４８の口５４を収容するようにその寸法が決められる。
【００３６】
一体化されたガイドチューブ５６はリセス５０と同軸に軸方向下方に延び、トレイ２２を貫くクレンザーの通路を形成する。図７に示すように、上方向に尖ったスパイク５８がトレイ２２のリセス５０に成形されてボトルの口５４を覆っていた内部シール（図示せず）に穴を開ける。
【００３７】
エレクトロニクスハウジング２４は、上に開いたベース６０と取外し可能カバー６２を含む２つの部品に成形される。ベース６０は正面にスイッチ６４とライト６６用の開口を含み、底部に２つの排水用の開口６８を含む。ベース６０はまた、軸５２周りに配置されたモータ台７０と縦パーティション７２も含む。電子回路３０及びモータ２８は、軸５２に沿って上に延びるシャフトに垂直方向に取り付けられる。
【００３８】
電子回路３０は、バッテリーバック７４と、タイマー７８、スピーカ８０、ＬＥＤ８２及びプッシュボタンスイッチ８４を含む回路基板７６とを含む。回路基板は、ＬＥＤ８２がライト用開口６６の後部に位置しスイッチ８４がスイッチ用開口６４の後部に位置するように、パーティション７２に取り付けられる。ライト用開口６６は半透明レンズ８３によって水密に封止され、スイッチ用開口６４は水密な膜８６によって被覆される。モータ２８、バッテリーパック７４及び回路３０は、適切な配線８７によって互いに電気的に接続される。
【００３９】
電気的構成要素はカバー６２によってベース６０内に封入され、カバー６２は適切な水密接続手段によってベースに取外し可能に装着される。カバー６２は、軸５２に沿って下方に凹んだ成形カップ８８と２本の排水管９０を含む。この排水管はその上端が開いており、下方へ延びてエレクトロニクスハウジング２４のベース６０にある排水用開口６８へと至り、そうすることでカバー６２の上に飛散したクレンザーや水の排水を行う。凹んだカップ８８は軸方向開口９２を含み、この開口を通ってモータシャフトが延びる。この開口９２は適切な軸受と封止手段を含む。
【００４０】
モータシャフトは、スプレーカップ９４と環状蓋９６を含むスプレーヘッドアセンブリ２６に連結され、そのキー溝付端部９８でスプレーカップ９４の中心に成形された歯付軸方向リセス１００に係合する。スプレーカップ９４は、互いに離れて配置され、縁から上方に延びる一体成形されたピン１０２を有する。蓋９６は、クレンザートレイ２２の管５６が延びる軸方向開口１０６の側部に設けられた、半径方向に離間した２つの開口１０４とピン１０２との融着又は接着などの任意の適切な係合手段によって、スプレーカップ９４に接続される。
【００４１】
図５、６及び７を参照すると、噴霧器ヘッドアセンブリ２６はベント管５６を通るクレンザーの流量を制御し、囲い込まれた領域の内壁全てに噴霧するように好ましくは３〜６フィートにおよぶ円形の噴霧パターンをもたらす。計量プロセスは、逆さにしたクレンザーボトルの上部に閉じ込められた空気のポケット１０８を制御することによって実行される。具体的にいうと、クレンザーのボトルを噴霧器１０に装填する前は、スプレーカップ９４は空である。ボトルを噴霧器１０に装填すると（即ちボトルを逆さにしてトレイ２２にセットすると）、ボトルのホイルシールに穴が開けられてクレンザーがボトルから流れ出し、流体は同じ体積の空気に取って代わられる。空気はクレンザーよりも軽いためにボトルの上部に移動し、ボトルの底部には開口がないためにそこに閉じ込められる。スプレーカップ９４におけるクレンザーの液位が管５６の端部よりもわずかに上になるまで、クレンザーはボトルから流出し続ける。スプレーカップ９４におけるクレンザーの液位が管５６の端部よりもわずかに上になると、ボトルに閉じ込められた空気によって形成される真空のためにクレンザーはもうボトルから流れない。噴霧器１０が作動する（又はカップが何らかの他の方法で空になる）まで、噴霧器はクレンザーがボトルから流れ出さない上記の平衡状態を保つ。
【００４２】
モータ２８を通電することによってスプレーカップ９４及び蓋９６がある一定の期間（例えば、１０〜２０秒）回転し、このことによってスプレー９４内のクレンザーが軸５２回りでスピンし、遠心力を誘引してクレンザーをスプレーカップ９４の壁に対して外側に、また壁に沿って上方に移動させる。このことによって、管５６が配置されているスプレーカップ９４の中心におけるクレンザーの液位が下がり、ボトルから空気が抜ける。この結果、さらなるクレンザーが流出すると共に、ボトルに入ってくる空気に取って代わられる。クレンザーは、管５６の端部が浸されるまでカップへと流れる。クレンザーが顕著に速い回転速度に達すると（そして遠心力が十分に高くなると）、クレンザーはスプレーカップ９４と蓋９６との間に存在する継目を介して放出される。
【００４３】
蓋９６はクレンザーの圧力によってわずかに上方にたわみ、それによってこの継目が僅かに広がる。クレンザーはどんな場合でも、スプレーヘッドアセンブリ２６の回転によって円形パターンで噴霧される。蓋９６は、クレンザーの回転速度がスプレーカップ９４と蓋９６との回転速度に近くなるまで、クレンザーをスプレーカップ９４内に保持する。このことによってクレンザーがせん断されることが少なくなるため、クレンザーを（霧状やミスト状ではなく）比較的大きな液滴で維持することができる。そのため重みのある噴霧の流れを形成して、囲い込まれた領域の側壁に接触させるのに必要な距離だけ噴射することができる。
【００４４】
ユーザが（一般的にはシャワーの直後に）シャワールームの壁にクレンザーを噴霧したい場合、そのユーザは単に噴霧器１０の正面にあるスイッチ８４を押せばよい。ユーザがスイッチ８４を押すことによりタイマー７８に信号が送られてカウントダウンが始まり、２０秒といった所定の時間だけ噴霧を遅らせる。これにより、ユーザは、シャワールームから出てドア又はカーテンを閉める時間を与えられる。また、ユーザがスイッチ８４をもう１回押す（或いは別の「非常」ボタンを押す）ことによって、噴霧サイクルを中止する時間も与えることになる。最初にスイッチ８４を押すことによってユーザ通知システムも始動する。このシステムはスピーカ８０とＬＥＤ８２からなり、音声と点滅光によって噴霧器１０がまもなく作動することをユーザに警告する。
【００４５】
ユーザがキャンセルしない限り、噴霧サイクルはカウントダウンが終了すると自動的に始まる。モータ２８が通電され、スプレーヘッドアセンブリ２６が軸５２回りに回転し、そのことによってスプレーカップ９４のクレンザーが円形パターンで噴霧される。噴霧サイクルの間、必要に応じてさらなるクレンザーがスプレーカップ９４に計り入れられる。タイマー７８によって自動的に始まる、好ましくは２０秒間の第２のカウントダウンが終了するまで、噴霧サイクルは続く。第２のカウントダウンが終了すと、モータ２８への通電が停止され、ユーザからの介入がない限り、噴霧器はスタンバイモードに戻る。スプレーヘッドアセンブリ２６が低速になりスピンを停止すると、さらなるクレンザーが、管５６の端部より上の位置に来るまでスプレーカップ９４に計り入れられる。こうして噴霧器１０は、ユーザが次の噴霧サイクルを要求したときのための準備が整う。
【００４６】
こうして本発明は、バス及びシャワールームを自動的に洗浄する装置を提供する。ボタンに触るだけで噴霧サイクルが開始され、完了時には自動的に終了する。消費者は自身でシャワーに噴霧するために時間を費やす必要はなく、洗浄液に触れる危険もない。クレンザーを補充するために必要なことは、古いボトルを取り外し、新しいボトルのキャップを外し、このボトルを逆さにし、トレイに装填することだけである。
【００４７】
噴霧器は、噴霧サイクルに適した体積のクレンザーを自動的に計量する。この体積は、噴霧サイクルの継続時間を長くしたり短くしたりすることによって、種々のサイズの囲い込まれた領域に合わせて簡単に変更可能である。さらに噴霧器は水道配管に拘束されない。このことによって、この装置を既存のシャワー及びバスルームのあらゆる適切な場所に簡単に設置することができる。この装置はまた、壁に損傷を与えずに取り外し可能に取り付けることができる。
【００４８】
さらに図８〜１６に示すような別の種々の計量及び噴霧機構を用いて、本発明を実施することができる。これらの図面において、上述の実施の形態と同様の要素は、後ろに種々の文字を付けた同じ参照番号で参照する。
【００４９】
図８は、上述のようにモータ２８Ａによって回転するスプレーカップ９４Ａと環状蓋９６Ａとを有するスプレーアセンブリ２６Ａを備えた噴霧器２０Ａを示す。トレー管５６Ａの内径には、管の端部から離れた位置に円錐形の弁座１１０が形成され、この弁座にボール弁１１２が着座して管５６Ａを通る流れを遮断する。ボール弁１１２の直径は管５６Ａの一部分の内径よりも小さいが、弁座１１０の開口と管５６Ａの端部の開口よりも大きい。そのためボール弁は管５６Ａ内に捕獲されるが弁座１１０に当たって浮かんでいることができる。したがって、（噴霧器非作動時のように）スプレーカップ９４Ａにおけるクレンザーの水位が十分に高い場合、ボール弁１１２は弁座１１０に着座して管５６Ａをより確実に塞ぐ。
【００５０】
しかしながらスプレーアセンブリ２６Ａが回転してスプレーカップ９４Ａの中心におけるクレンザーの液位が下がった場合は、ボール弁１１２が管５６Ａ内の下方で浮き、それによってボトル４８Ａのクレンザーが弁座１１０の開口を通ってボール弁１１２の周りを経て管５６Ａの端部から流出する。
【００５１】
図示しないが、弁座及びボール弁は別個の細長い管の要素であってもよく、この管の一端は、管５６Ａに沿ってスプレーカップへと延び、他端はボトルの口又は別の開口を介してボトル内のクレンザーよりも上方に延びる。このもう１本の管が、上述のようにスプレーカップにおけるクレンザーの液位に基づいてボトルを介して流れる流量を制御し、トレイと一体化された元々の管は単に、クレンザーがボトルからスプレーカップへと流れるための通路となる。専用の管によって、ボトルを介して流れる流量がボトル内のクレンザーの体積とは関係なく、より一定になる。
【００５２】
図９は、別の噴霧器２０Ｂの実施の形態を示す。この実施の形態では、図８に示した例のように、管５６Ｂはボール弁１１２Ｂを有し、このボール弁は管の中で浮揚すると共に（管５６Ｂの端部にある）弁座１１０Ｂに着座して管５６Ｂの通路を塞ぎ、ボトルからのクレンザーの流れを停止させることができる。ここでボール弁１１２Ｂは、モータによって軸回りに回転する慣性弁１１４によって作動する。慣性弁１１４は、約１２０度離れた３つのヒンジ１２０によって円周で連結されたディスク状の上部プレート１１６及び下部プレート１１８を含む。各ヒンジ１２０は２本のリンク１２２を含み、このリンクはピボット動作可能に互いに接続され、またプレート１１６と１１８が互いに向かって軸方向に移動する際に半径方向内側に移動するようにプレート１１６と１１８に接続される。各ヒンジ１２０は、リンク１２２のピボット接続部分から半径方向内側に突出した錘１２４も有する。プッシュピン１２６が上部プレート１１６に接続され、軸に沿って上方に延びる。下部プレート１１８は、モータのシャフトに係合するリセスを有する軸方向ハブ１２８を含むように形成される。
【００５３】
静止状態ではヒンジ１２０は折りたたまれており、このためプレート１１６及び１１８は近接している。モータに通電すると慣性弁１１４は回転し、遠心力によって錘１２４が外側へ駆動されるために上部プレート１１６が軸方向上方に移動する。これによってプッシュピン１２６がボール弁１１２Ｂに接触すると共に、これを持ち上げ、弁座１１０Ｂから離すため、クレンザーが噴霧サイクル時に管５６Ｂを通過することができる（仮想線で示す）。モータが停止すると、上部プレート１１６は下に下がり、ボール弁１１２Ｂは再び着座して管５６Ｂを通る流れを遮断する。
【００５４】
図１０〜１４は別の噴霧機構を示し、この機構は３〜６フィート又はそれ以上の円形の噴霧パターンをもたらすために使用することができる。例えば図１０及び１１は、接着剤などの任意の適切な方法によって結合された上部ディスク１３２と下部ディスク１３４とを有するスプレーディスク１３０を示す。上部ディスク１３２は軸方向開口１３６を有し、この開口は管５６Ｃからのクレンザーを受け取る、スプレーディスク１３０のリセスとなる。下部ディスク１３４は軸とディスクの円周上の対向する２点を通る弧状の溝を有し、軸方向リセスから円周上の出口ポート１４０へとそれぞれ延びる、スプレーディスク１３０の湾曲した放射状通路１３８を形成する。スプレーディスク１３０が回転し、クレンザーが（上述のボール弁などの任意の適切な手段によって）軸方向リセスで計量される。次いで毛管作用と遠心力によってクレンザーが通路１３８を介して流れ、それによってクレンザーが出口ポート１４０から噴霧され、円形のピンホイール型噴霧パターンを形成する。通路１３８は、クレンザーと通路の壁との接触を多くして毛管作用の効果向上させるように、弧状が好ましい。
【００５５】
図１２は、振動噴霧を行なう流体発振器１４２を含む、さらに別の噴霧機構を示す。米国特許第4,562,867号全体を参照のこと。流体発振器１４２は、対抗する側面に入口１４６と出口１４８とを有するハウジング１４４を含む。バリア部材１５０がハウジング１４２の内部に固定され、入口１４６と出口１４８との間の通路を画定する。したがって入口１４６から入ったクレンザーは、バリア部材１５０の中や周りを通って出口１４８へと至る。流体発振器１４２は、当業者には既知であるように、バリア部材１５０を通る通路の両側に交互に低圧領域を形成してハウジング１４４に入った直流を振動パターンに変換することによって作動する。
【００５６】
流体発振器１４２は、出口１４８が半径方向外側に開いた状態で回転部材に取り付けられ、モータによって軸回りに回転して円形の噴霧パターンをもたらすことができる。或いは、噴霧器の周りに間隔を置いて固定された２つ以上の流体発振器を使用して３６０度の噴霧を行なってもよい。本発明のこの実施の形態は、ボトルから入口（単数又は複数）へと入ってくるクレンザーを計量可能なあらゆる適切な計量機構と共に使用できる。
【００５７】
図１３は、管５６Ｄの下に配置されモータ２８Ｄのシャフトに同軸に取り付けられたディスク形状の偏向板１５２を含む、別のスプレーヘッドを示す。偏向板１５２の上面の中心は上に向かって尖っており、そこから円周に向かって徐々に下方に傾斜している。したがって噴霧サイクル時、クレンザーは（任意の適切な手段によって）ボトルから計量され、回転する偏向板１５２の傾斜面に接触して、半径方向外側に円形の経路で放出される。このスプレーヘッドは、エアロゾルスプレー缶などの与圧されたクレンザーのボトルで使用するのに特に適している。
【００５８】
図１４は、軸に対して位置合わせされた開口１５６とスプレーノズル１６０を設けた屈曲端１５８とを有する管体１５４からなる更に別のスプレーヘッドを示す。この管体１５４は、クレンザーのボトルの下に軸回りに回転できるように取り付けられる。与圧されたボトル又はアエロゾルボトルと共に使用する場合、このスプレーヘッドは圧力を加えたクレンザーの力によって回転するインペラとして作用することができる。そうでなければモータを備えることもできる。或いはこのような装置をモータに連結させて回転させることもできる。
【００５９】
図１５及び１６は、噴霧器２０Ｅのまた別の実施の形態を示す。この実施の形態では、逆さにしたクレンザーのスプレー缶２００が、吸盤２０６及び／又は他の吊り下げ手段によって囲い込まれた領域の壁に取り付けられた逆さにしたハウジング２０４によって画定される円筒形のキャビティ２０２に納められる。ハウジング２０４の下端は開いており、そこにエレクトロニクスハウジング２０８が螺合する。Ｏリング２０９は、ハウジング２０４と２０８との間を水密に封止する。
【００６０】
エレクトロニクスハウジング２０８は、バッテリーパック２１０、電磁弁２１２並びにタイマー２１６、スピーカ２１８、ＬＥＤ（図示せず）及びスイッチ２２０を含むタイミング及びユーザ通知回路２１４を含む。エレクトロニクスハウジング２０８は、スプレー缶２００がハウジング２０８に螺合できるように中心に開口２２４を有するカバー２２２によって封入される。エレクトロニクスハウジング２０８の底部は封止された開口２２を有する。電磁弁２１２から導かれる噴霧管２２８はこの開口２２を介して延び、その下端がスプレーヘッド２３０に取り付けられる。スプレーヘッド２３０は、半径方向外側に延出する１つ以上のノズル２３２を含む。ノズル２３２をスプレーヘッド２３０の周りに間隔を置いて配置して円形の噴霧パターンをもたらすこともできるし（例えば４つのノズルを９０度の間隔を置いて配置する）、ノズルを（図１６に示すように）片側に配置して集中した噴霧を行なうこともできる。図示しないが、スプレーヘッド２３０をモータに取り付けて回転させ、円形の噴霧パターンを提供できることにも注目されたい。
【００６１】
ノズル２３２、スプレーヘッド２３０及び噴霧管２３２（２２８）は電磁弁２１２へ達する流体通路を画定し、この電磁弁が開くと、弁の可動式の金属製コアを貫く通路を介してスプレー缶２００へ至る流体連通がもたらされる。通電すると、電磁弁２１２のコアはスプレー缶２００の弁に対して移動し（下がり）、クレンザーが放出される。本実施の形態の噴霧器は、上述の実施の形態に類似した一連の動作を実行する。
【００６２】
具体的に言えば、ユーザはスイッチ２２０を押すことで噴霧サイクルを始める。スイッチ２２０を押すことによりタイマー２１６に信号が送られてカウントダウンが始まり、２０秒といった所定の時間だけ噴霧を遅らせる。この間にユーザはシャワールームから出てドア又はカーテンを閉めるか或いはスイッチ２２０をもう一度押すことでこの噴霧サイクルを中止することができる。スイッチを最初に押すことで、音声や点滅光によって噴霧器がまもなく作動することをユーザに警告するユーザ通知システムも始動する。ユーザがキャンセルしない限り、カウントダウンが終了すると噴霧が自動的に始まり、その時点で電磁弁２１２が通電されてクレンザーがスプレーヘッド２３０を介して噴霧される。クレンザーは噴霧サイクルが継続する間流れ続ける。この噴霧サイクルは、タイマー２１６によって自動的に開始される好ましくは２０秒の第２のカウントダウンが終わると、終了する。この時点で電磁弁２１２の通電が停止され、噴霧器はスタンバイモードに戻り、ユーザからの介入がなければ次の噴霧サイクルのための準備状態になる。
【００６３】
本発明の最も好適な実施の形態を、図１７〜２８で説明する。シャワー洗浄薬剤を含み、逆さにした状態でネスト３０２に対して封止された関係で保持されるボトル３０１がある。このボトルは、（例えば壁を厚くしたり、強化したり、或いはその他の方法によって）十分に剛性を有しているため、−３ｐｓｉほどの真空であってもボトルの壁が顕著に内側に変形する可能性を回避できる。ボトルとネストとの間の封止は、ボトルの底部及び／又は外周Ｏリング（図示せず）及び／又は他の封止方式によって達成することができる。供給管３０３はネストから下方へ延び、回転可能な駆動シャフト３０４の中を通ってスピン可能な皿３０５へと至る。
【００６４】
シャフト３０４は軸受３０６で回転し、その下端には（例えばｃクリップによって）蓋３０７が取り付けられる（図２４）。蓋は脚３０８を有し、この脚が皿３０５の把持ポケット３０９で留められる（図２３)。図２９に示すように、蓋は保護環３１７の周りに排水口３１６を有することができる。皿３０５に液体がある状態でこの装置が不意に逆さになった場合、液体はモータ３１０に向かって漏れるのではなくむしろ排水口３１６から排水する傾向にある。
【００６５】
モータ３１０はバッテリーユニット３１から動力を与えられる。モータはハウジングの半分３１２／３１３の２つによってシャワー環境から保護される。このハウジングは後ろからねじ留めされる。
【００６６】
後部ドア３１４が後部ハウジング部材３１３に設けられ、ハウジング部品３１２／３１３が組み立てられた状態におけるバッテリーユニットへのアクセスを提供する（図２４）。図２７に示すように、モータドライブ３２０はプーリシステム３２１／３２２を駆動し、ベルトが駆動シャフト３０４を駆動し、これによりスピン皿３０５が駆動される。或いは、歯車を使用してモータドライブと駆動シャフトとを接続してもよい。
【００６７】
モータは、プッシュボタン３２３によって作動する。ベルトドライブを使用することによって、シャフトの速度やそれに続く皿の速度を、モータの速度に基づいて変えることができる。したがって、変速モータを選択することで、種々のサイズの囲い込まれた領域に対して噴霧パターンを変えることができる。
【００６８】
図１７及び１９に示すように、２本のケーブル３２５をネスト３０２の四隅に接続することができ、そうすることで得られる２本のループはシャワーヘッド３２６に巻きつけるのに適している。フレキシブルバンド３２７は２本のループに沿ってスライド可能で、ループの長さを調節する。後部吸盤３２８をハウジング部品３１３に配置してもよい。
【００６９】
皿３０５について具体的に説明すると、図２１及び２３に示すように、皿３０５は蓋３３５で覆われ、皿と蓋との間にはＯリング３３６が配置される。皿の本体は対抗側部に開口３３６及び３３７を有し、これらの開口は異なる構造及び／又はサイズであってよい。したがって、一方の開口を任意の与えられた回転速度で長距離噴霧するのに適した構造とし、他方の開口を非常に高い位置や非常に低い位置にある領域まで届くのに適した構造としてよい（例えば、縦に細長いスロット）。ベーン３３９は、液体に回転力を与える助けとなる。
【００７０】
図３０に示すように、（例えばプラスチックからなる）一連のフレキシブルファイバ３４０を蓋と皿との間に閉じ込めてもよい。これにより、水が皿の開口（例えば３３７Ａ）から出るときに、振り回されているファイバによってさらに分散する。
【００７１】
流体が詰替可能容器から供給管を通って排出されると、皿に溜まる。皿における流体の静止状態での液位が十分に高くなると、詰替容器の空気抜きが遮断される。そのことによって排水が遅くなり、最終的には次のスピンサイクルまでに排水を止める。この実施の形態ではモータが皿よりも上にあるため、液体が皿から重力によって下へと漏れて電気部品に至ることがない。
【００７２】
図３１に示すように、蓋３４１にはキャッチ領域３４２を設けることができる。これは、使用後に装置全体を取り外したり、皿の中に洗剤が残った状態で装置を逆さにしたときに、液体がこぼれるのを防ぐ助けとなる。
【００７３】
図３２及び３３に示すように、ボトルとアクセプタ／ネストとの相互接続は、使い捨て型である。容器３５０は、壊れ易いフランジ３５１を有する。ネストへの入口３５２に傾斜が付けられているため、ボトルの縁を壊さずにボトルを挿入することができる。しかしながら、（容器が挿入されている状態で判断すると）下を向いたボトルの口の縁に形成された切り欠きは、容器を取り外すときに壊れてしまう。口のフランジが壊れてしまうと流体を液密に封止できなくなり、ボトルの中身がすぐにこぼれてしまうため、消費者はそのような不適切なボトルに洗剤を詰め替えようとは思わないであろう。
【００７４】
類似の機能を図３４及び３５で説明する。フリップオーバーバンド３６０は、ボトルと一体化した部品であってよい。このバンドは、穴あけポスト３６１との接続から外れると、再挿入を阻止する位置に反り返る。
【００７５】
別の可能な変形例を図３６に概略的に示す。この変形例の概念は、ボトルの空気を抜き易くすることで、ごぼごぼという音を防ぐことである。この装置では、ボトルの口には平行チャンネル４０１及び４０２が設けられる。開口４０３は、チャンネル４０１への流体の流入を制御する。
【００７６】
噴霧サイクル時、流体は開口４０３を通って再充填されるよりも速くチャンネル４０１から排出される。この結果、空気の抜け道が形成され、一方、流体は通路４０２を通って下方に流れる。
【００７７】
図３７は、容器が支持スタンド４０７及び傾斜の付いた排水溝４０８とを有する石鹸皿用の窪み４０６を有することを教示している。このことによって、シャワーで使用しないときに石鹸を収納する別個のシャワーキャディーが必要なくなる。
【００７８】
本発明の好適な実施の形態を詳細に説明してきた。当業者であれば、好適な実施の形態に対する本発明の精神と範囲内にある多くの変更や変動は明らかであろう。例えば開示した実施の形態を混合したものを実施することができ、電子タイマー、モータ及びユーザ通知システムを当業者には既知の対応する機械的な（巻き上げ）システムに代えてもよい。したがって、本発明は、上述の実施の形態に制限されない。本発明の完全な範囲を確認するにには、特許請求の範囲を参照されたい。
【産業上の利用可能性】
【００７９】
本発明は、バス及びシャワールームの壁に自動的に噴霧するための噴霧器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【００８０】
【図１】シャワールームのシャワースパウトに取り付けられた、本発明の自動噴霧器の側面図である。
【図２】本発明の自動噴霧器の正面上部斜視図である。
【図３】本発明の自動噴霧器の正面図である。
【図４】本発明の自動噴霧器の分解斜視図である。
【図５】図１の線５−５に沿って切ったときの側断面図である。
【図６】計量構成要素及びスプレーヘッド構成要素の拡大断面図である。
【図７】図６の線７−７に沿って切ったときの部分断面図である。
【図８】図６に類似するが、流体レベル作動ボール弁を有する別の計量システムを備えた部分断面図である。
【図９】慣性作動ピン及びボール弁を使用したさらに別の計量システムを示す。
【図１０】遠心ディスクを有する別のスプレーヘッドを示す。
【図１１】図１０のスプレーヘッドの平面図である。
【図１２】別の流体発振器スプレーヘッドを示す。
【図１３】別の偏向板スプレーヘッドを示す。
【図１４】屈曲端にノズルを備えた別のインペラスプレーヘッドを示す。
【図１５】静止スプレーノズルを有する、エアロゾル缶用の別の噴霧器の断面図である。
【図１６】図１５のスプレーノズルを示す。
【図１７】シャワーヘッドからつるされた、好適な別の実施の形態の正面下部斜視図である。
【図１８】図１７の実施の形態の正面図である。
【図１９】図１７の実施の形態の右側正面図である。
【図２０】図１７の実施の形態の上部平面図である。
【図２１】図１８の線２１−２１に沿って切ったときの部分断面図である。
【図２２】図１９の線２２−２２に沿って切ったときの部分断面図である。
【図２３】図１７の噴霧器の分解上部斜視図である。
【図２４】図１７の噴霧器の分解底部斜視図である。
【図２５】モータとカップの蓋とのリンケージの部分概略断面図である。
【図２６】図１７の実施の形態のモータの上部斜視図である。
【図２７】図２６のモータの分解上下逆転後部斜視図である。
【図２８】図２６のモータの分解上部斜視図である。
【図２９】装置に装着された蓋の、大きく拡大した底部斜視図である。
【図３０】カップ／蓋／駆動シャフトの別のアセンブリの上部斜視図である。
【図３１】カップ／蓋シャフトの別のアセンブリの一部の断面図である。
【図３２】使い捨て容器と該容器用の受け取り要素を概略的に示す。
【図３３】ボトルと受け取り要素を分離する際に、受け取り要素がどのようにボトルの一部を破壊するかを示す。
【図３４】使い捨て容器の端部と該容器用の受け取り要素を概略的に示す。
【図３５】図３３の部品がどのようにして使い捨て機能を達成するかを示す。
【図３６】上記の容器からの流体の流量を制御する助けとなるように使用可能な出口構造を有する容器を示す。
【図３７】図２３の上部に類似するが、容器の底部に石鹸皿が形成された構成を示す図である。

Claims (47)

1. 囲い込まれた領域の壁にクレンザーを噴霧する自動噴霧器であって、
   クレンザーの流量を制御する計量システムと、
   噴霧サイクル期間にクレンザーを噴霧するスプレーヘッドと、
   前記噴霧サイクルを開始し、これを自動的に終了する制御手段と、を含むことを特徴とする自動噴霧器。
2. 前記クレンザーを収容した容器をさらに含む、請求項１記載の噴霧器。
3. 前記噴霧器が、逆さにした前記容器を受けるように寸法を決めたトレイを有する、請求項２記載の噴霧器。
4. 前記トレイが下方に延びる一体化された管を含み、この管を通ってクレンザーが前記計量システムによって前記スプレーヘッドに計り入れられる、請求項３記載の噴霧器。
5. 前記噴霧器をシャワースパウトに取り付けるためのハンガーフックをさらに含む、請求項３記載の噴霧器。
6. 前記噴霧器を前記囲い込まれた領域の壁に固定するための吸盤をさらに含む、請求項５記載の噴霧器。
7. 前記計量システムに接続され、前記噴霧サイクルが開始された後で該計量システムの作動を遅らせるタイマーをさらに含む、請求項２記載の噴霧器。
8. 前記制御手段がスイッチである、請求項７記載の噴霧器。
9. 前記タイマーが電子タイミング回路である、請求項８記載の噴霧器。
10. 光又は音によるアラームを含むユーザ通知システムをさらに含む、請求項９記載の噴霧器。
11. 前記通知システムが光及び音によるアラームを含む、請求項１０記載の噴霧器。
12. 前記タイマーの作動中に前記スイッチを押すことで、前記噴霧サイクルを再始動するまで前記計量システムの作動が防止される、請求項１１記載の噴霧器。
13. 前記タイマー、スイッチ及び通知システムを含むハウジングをさらに含む、請求項１２記載の噴霧器。
14. 前記容器は、前記トレイから下方に延びる管状通路に連通する口を有し、前記トレイは、前記容器の開口を被覆するシールに穴を開けるための凸状部材を含む、請求項３記載の噴霧器。
15. 前記計量システム及びスプレーヘッドには、長手方向軸回りに配置されると共に環状蓋によって被覆される回転可能な拡散カップが設けられ、環状蓋には軸方向開口が設けられ、この開口を通って管が延びて前記カップへの前記クレンザーの通路となり、前記蓋は前記カップの縁の周りに間隔を置いて位置する複数のポイントで前記カップに装着される、請求項２記載の噴霧器。
16. 前記計量システムがボール弁をさらに含む、請求項１５記載の噴霧器。
17. 前記制御手段が、前記カップが取り付けられたモータを作動させるスイッチである、請求項１５記載の噴霧器。
18. 所定の期間後に前記モータの通電を止めるタイミング回路をさらに含む、請求項１７記載の噴霧器。
19. 前記スプレーヘッドは、中心に開口を有する環状ディスクによって画定され、前記カップと前記ディスクとの間に継目がある、請求項２記載の噴霧器。
20. 前記スプレーヘッドからの噴霧は、前記噴霧器から３フィートを超える距離に及ぶ、請求項２記載の噴霧器。
21. 前記計量システムは、長手方向スピン軸に沿って回転可能でありボール弁を弁座から離す慣性弁をさらに含む、請求項１４記載の噴霧器。
22. 前記慣性弁はヒンジで留められた上プレートと下プレートを含み、前記上下プレートが一つ以上の錘を含み、前記プレートが回転するときに前記錘が遠心力によって外側に駆動されて前記プレートが引き離され、前記慣性弁は、前記軸に沿って前記上プレートに装着され、前記ボール弁に接触してこれを弁座から離すピンを有する、請求項２１記載の噴霧器。
23. 前記制御手段は、前記下プレートに前記スピン軸に沿って連結したモータを作動させるためのスイッチと、所定の期間後に前記モータの通電を止めるためのタイミング回路である、請求項２２記載の噴霧器。
24. 前記スプレーヘッドは長手方向スピン軸回りに回転可能なディスクを含み、このディスクは中心に軸方向リセスを有し、このリセスは、そこから前記ディスクの円周上の出口へと半径方向に延びる通路と流体連通する、請求項１４記載の噴霧器。
25. 前記制御手段は、前記ディスクにスピン軸に沿って連結したるモータを作動させるためのスイッチと、所定の期間後に前記モータの通電を止めるタイミング回路である、請求項２４記載の噴霧器。
26. 前記スプレーヘッドが回転可能な流体発振器である、請求項２記載の噴霧器。
27. 前記計量システムが電磁弁を含む、請求項２記載の噴霧器。
28. 前記クレンザーに圧力が加えられる、請求項２記載の噴霧器。
29. 前記スプレーヘッドがインペラであり、該インペラが長手方向軸回りに回転可能かつ中心に軸方向開口を有し、端部に対向するノズルを有する、請求項２８記載の噴霧器。
30. 前記スプレーヘッドが、円周に向かってテーパを付けた径方向表面を有する偏向板である、請求項２８記載の噴霧器。
31. 前記偏向板は長手方向スピン軸回りに回転可能であり、前記制御手段は、前記スピン軸に沿って前記偏向板に連結されたモータを作動させるためのスイッチと、所定の期間後に前記モータへの通電を止めるためのタイミング回路である、請求項３０記載の噴霧器。
32. 前記計量弁は、選択的に作動して通路を遮断し、前記クレンザーを複数の半径方向ノズルを有する前記スプレーヘッドへ送るソレノイドである、請求項２８記載の噴霧器。
33. シャワールームに液体クレンザーを自動的に噴霧する方法であって、
    噴霧器のタイマーを作動させて第１のカウントダウンを開始するステップと、
    前記第１のカウントダウン終了時に、前記シャワールームの側壁にクレンザーを自動的に噴霧するステップと、
    前記第１のカウントダウンに続く第２のカウントダウンの終了時に噴霧サイクルを自動的に終了するステップとを含む、ことを特徴とする方法。
34. 囲い込まれた領域の壁にクレンザーを噴霧する自動噴霧器であって、
    クレンザーを収容する容器と、
    前記容器からの前記クレンザーの流量を制御する計量システムと、
    噴霧サイクル期間にクレンザーを噴霧する噴霧皿であって、駆動シャフトに接続されたカバーを上に有し、側部に少なくとも１つの開口も有し、前記カバーに動作上連結して一緒に回転する噴霧皿と、
    前記噴霧サイクルを開始する制御手段とを含む、ことを特徴とする自動噴霧器。
35. 前記皿は側部に少なくとも２つの開口を有し、この開口は互いに異なるサイズ又は形状である、請求項３４記載の噴霧器。
36. 前記皿の上に位置するモータをさらに含む、請求項３４記載の噴霧器。
37. 前記容器は液体を前記皿に送るための供給管に接続される、請求項３６記載の噴霧器。
38. 前記モータは中空の駆動シャフトを介して前記カバーに接続され、供給管は前記容器から前記駆動シャフトを貫いて通る、請求項３７記載の噴霧器。
39. 前記皿は、側部の開口から出る液体を偏向すべく、該皿に接続された可撓性を有するストリングを有する、請求項３４記載の噴霧器。
40. 前記皿は、その内面に位置するベーンを有する、請求項３４記載の噴霧器。
41. 囲い込まれた領域の壁にクレンザーを噴霧する自動噴霧器であって、
    クレンザーを収容する容器と、
    前記容器を受けるネストであって、前記容器の封止に穴を開けるための、上に向いた穴あけポストを有するネストと、
    前記容器からの前記クレンザーの流量を制御する計量システムと、
    噴霧サイクル期間にクレンザーを噴霧する噴霧皿と、
    前記噴霧サイクルを開始する制御手段とを含む、ことを特徴とする自動噴霧器。
42. 前記容器及び穴あけポストは、前記容器が前記穴あけポストと組み立てられた状態で位置し、次いで該穴あけポストから取り外されるとき、結果として得られる前記容器の構造では再度組み立てる際に欠陥が生じるように構成及び配置される、請求項４１記載の噴霧器。
43. 請求項４２記載の噴霧器で使用する容器であって、この容器の口の付近には、破断可能なフランジとピボット動作可能フランジとからなる群から選択したフランジが設けられることを特徴とする容器。
44. 囲い込まれた領域の壁にクレンザーを噴霧する自動噴霧器であって、
    クレンザーを収容する容器と、
    前記容器からの前記クレンザーの流量を制御する計量システムと、
    噴霧サイクル期間にクレンザーを噴霧する噴霧皿であって、その上にカバーを有し、このカバーを介して駆動シャフトが延び、側部に少なくとも１つの開口を有する噴霧皿と、
    前記噴霧サイクルを開始する制御手段とを含み、
    前記容器は２本の平行な通路を備えた出口を有し、この通路の１本がその上流端に流量規制部分を有することを特徴とする自動噴霧器。
45. 囲い込まれた領域の壁にクレンザーを噴霧するための自動噴霧器で使用する容器であって、
    底壁と、
    前記底壁から延出し、クレンザーを収容する内部キャビティを取り囲む側壁と、
    前記底壁の反対側にある容器の端部付近にある口と、
    前記底壁の外面に一体的に形成された皿であって、前記容器を逆さにしたときにその上で石鹸を支持するのに適した支持プラットフォームと傾斜の付いた排水チャンネルとを有する皿とを含むことを特徴とする容器。
46. 囲い込まれた領域の壁にクレンザーを噴霧する自動噴霧器であって、
    クレンザーを収容する容器と、
    前記クレンザーの流量を制御する計量システムと、
    噴霧サイクル期間にクレンザーを噴霧するスプレーヘッドと、
    前記噴霧器からの前記クレンザーの噴霧を自動的に制御する制御手段とを含み、
    前記噴霧器は前記囲い込まれた領域内にその全体を取り付け可能に構成され、そのように取り付けられた場合、前記囲い込まれた領域が設置された建物の水道から水を受け取らなくても、クレンザーを噴霧可能であることを特徴とする自動噴霧器。
47. 前記噴霧器はシャワーヘッドから吊り下げるのに適しており、電池を使用して作動する、請求項４６記載の噴霧器。