JP2004521460A - 水素と酸化炭素を含むガスを供給して燃料電池を作動させるための方法、及びそれに関する装置 - Google Patents
水素と酸化炭素を含むガスを供給して燃料電池を作動させるための方法、及びそれに関する装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明は、空気と、水素及び少なくとも100ppmの一酸化炭素を含んでいるガスが供給される薄膜燃料電池のスタックが、時間経過に対して安定して作動できるようにするための方法及び関連装置について説明しており、前記電池のアノードには、自己調整連続式又は順次断続式の方法で、酸化状態が形成されることを特徴としている。本発明の異なる実施形態が幾つか示されており、酸化状態は、水素及び一酸化炭素を含んでいるガスに、燃料電池スタックに一体化されている電気分解電池内で生成される酸素を加えることによって、或いは、二極性プレート内に作られた多孔質領域を通して空気を流すことによって、或いは、ガス拡散率の高い薄膜を用いることによって作り出され、何れの場合も、空気の流量は、空気と、水素及び一酸化炭素を含んでいるガスとの間に存在する圧力差を調節することによって調整される。本発明の方法の別の実施形態によれば、酸化状態は、制御ユニットに接続された外部接点を備えている燃料電池スタックを順次短絡させることによって作り出される。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素と酸化炭素を含むガスを供給して燃料電池を作動させるための方法、及びそれに関する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、化学反応による自由エネルギを電気エネルギに直接変換するのに適した電気化学装置として長年知られている。つまり、燃料電池は、カルノーサイクルの一般的な制約の影響を受けるものではなく、オットー及びディーゼル式の原動機や、例えば民生及び企業の暖房装置などで使用されているバーナーの殆どのような燃料燃焼に基づくシステムよりも、エネルギー変換効率が本質的に高い。更に、燃料電池は作動させても、内燃システムの場合には避けられない酸化炭素、芳香族多核炭化水素、窒素酸化物、及び粒子状物質のような有害な排出物が出ないという特徴がある。これら2つの好ましい特性と、今や広く認知されている主に大都市周辺における環境品質の漸進的劣化の問題から、近年燃料電池に対する関心が高まっており、今日では、燃料電池に関して、内部の重要な部品に新しい進化した構造材が使えるようになってきており、コスト的な制約の下で量産の可能性を備えた新しい製造方法も利用できるようになってきている。
【0003】
様々な既知の型式の中でも、薄膜燃料電池が、商業的応用の段階に極めて近づいているようである。これらの電池は、基本的に、適切な触媒を備えた2つの多孔質電極で作られており、間に薄い陽子導電性薄膜が挿入されている。この組立体は、2つの電極に反応物質を供給し、反応物質が外部環境に放出されるのを防止し、触媒が促進する化学反応によって作り出された電気エネルギーを回収するなど多くの機能を有する2枚の導電性プレートの間に収められている。従来からの用途に必要な高い電流密度を得る目的で、多数の電池を組み合わせて、最近では「スタック」と呼ばれている実際のバッテリが形成されている。この型式のスタックを適正に作動させるためには、陽子導電性薄膜は、抵抗降下(ohmic drop)による電気エネルギー損失を最小化するために、高い導電性を有していなければならない。現在利用可能な薄膜は、スルフォン化ポリマー、特に過フッ化ポリマーに基づいており、高度に水和化された状態に維持されていなければならない。この目標は、作動温度を60から90℃に限定し、上記ガスを適切に加湿した後でのみ供給することによって達成される。
【0004】
薄膜スタックを作動させることのできる反応物質は、正極電極であるカソードへ供給される酸素を含んだガスであって都合がよいのは空気であり、これと、負極電極であるアノードへ供給される水素を含んでいるガスとで構成されている。空気については、明らかに供給に関する制約はなく、問題は、粒子状物質を取り除く必要性と、特に自動車に用いる場合には圧力レベルが大気圧よりも高い方が望ましいということだけである。水素に関しては、ボトル内に加圧された状態で純粋なガスとして、又は高効率の断熱材を備えた特殊なコンテナに入った低温の液体として供給することができる。しかしながら、純粋水素の入手性は、現在のところ整っているわけではなく、民間及び企業の建物内で電気エネルギー及び熱を作り出すための定置装置や自動車に使うような、少なくとも大規模な用途に燃料電池を普及させるには、明らかに決定的な障害となっている。これらの用途は、企業の最大の関心事、即ち、開発と、それに続く実証段階に必要な大きな財政的尽力を正当化する事実を勝ち得るに至っている。このため今日では、技術は、メタン、LPG、ガソリンのような炭化水素、及びメタノール又はエタノールのようなアルコールから、既知の吸熱式又は自熱式の改質処理によって、水素を現場で生成することに向けられている。従って、ここで考慮している燃料電池システムは、スタック、改質反応器、ファン/コンプレッサのような補助構成要素、循環ポンプ、熱交換器、バルブ及び制御電子機器で構成されている。
【0005】
第1高温段階における炭化水素又はアルコールと水の間の水蒸気改質反応では、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水及び場合によっては窒素の混合物が生成されるが、それらは続いて低温で、水素、二酸化炭素、残留水及び場合によっては窒素に変換される(一般的に「CO転換(shift)」として知られている作用)。この最終的な混合物は、CO転換段階の間の状態次第で、なお通常は0.5から1%の少量の一酸化炭素を含んでいる。
二酸化炭素は悪影響を及ぼさないが、一酸化炭素(CO)が存在すると、スタックのアノードに組み込まれている触媒に関し、COが活性部位に吸着され、その部位が必要な水素との反応に使用できなくなるので、触媒の正常な作用に深刻な問題が起こる。先行技術による薄膜燃料電池の作動温度、通常は60から90℃で吸着が特に激しく、改質装置から送られてくるガス内のCOの含有量が極端に少なく、具体的には10ppmを下回っている場合にだけ吸着が起きない。この状態は、非常に特殊な触媒を備えた追加の選択的酸化反応器内の、CO転換装置のすぐ下流で実現され、即ち、水素、二酸化炭素、水、場合によっては窒素、及び約0.5から1%のCOを含むガスが、適切に調整された量の空気を追加した後、反応器内に注入され、そこで空気に含まれている酸素がCOを二酸化炭素に酸化させるのである。この装置は、一連の不都合な事象により悪影響を被るわけで、即ち、正確に言えば、水素が、部分的にしろ酸素と結合して水になって失われ、その結果、選択的酸化反応器にとって危険な温度上昇が起こり、空気中に含まれている窒素で希釈され、調整が臨界状態となり、時の経過につれて作動の信頼性が危ぶまれ、CO含有量が極端に増加するとスタックと反応して制御不能となる恐れもあり、システムにコストを追加することにもなりかねない。
【0006】
CO濃度が10ppmの臨界限界を大きく上回っている改質ガスでも、薄膜燃料電池を作動させるための代替解決法は、R.A.レモンズが、1990年のパワーソース・ジャーナル29号、251ページに記載しており、スタックの直ぐ上流で改質ガスに適切な量の空気を追加すると、スタックは、全体的にCOを含まないようなガスで得られるのと非常に近い性能を示す。
しかし、レモンズが開示している方法は、非常に正確な調整システムを必要とするが、この調整システムは、時間が経つにつれ完全には信頼できなくなること、及びシステム全体のコストを確実に増すものであることが分かっている。空気注入装置に不備があれば、触媒の不可逆的非活性化を伴うアノードにおける温度上昇を引き起こし、最悪の場合、スタック内に爆発性の水素―酸素混合気が形成されるような極端な結果を引き起こしかねない。このような考えに対する代替実施形態は、空気流調整装置を無くすことであり、DE
【0007】
19646354に記載されている。一酸化炭素の酸化に必要な酸素は、水電気分解電池内で生成され、水素と一酸化炭素を含んでいるガスに加えられるが、この場合、酸素の割合は、スタックによって生成される電気エネルギーの出力が変動しても、水電気分解電池に供給される電流を適切に調整することによって、一定に維持される。従って、適切な調整装置の力を借りる必要があり、好適な調整装置にはコストが掛かり、注入される空気流の調整に関連する先に述べた問題と同じ問題が生じる。
【0008】
DE 19710819は、水素を含んでいるガス内に存在する一酸化炭素によって機能不全に陥った燃料電池を再活性化するための方法を記載しており、この方法は、作動中に電池を周期的に短絡させることに基づいている。短絡の間、アノード薄膜の界面に存在する水が、触媒粒子の表面上に吸着されるOH・とO:遊離基に変換されるレベルにまで、アノードの電気化学的電位が上がるものと考えられる。これらの遊離基は、触媒の各部位をブロックしている一酸化炭素を、脱着される不活性な二酸化炭素に変換することができる。従って、短絡の最後では、触媒が正常に作動するようになるが、継続的に保護していないと、性能は再び低下することになる。つまり、短絡の工程を周期的に繰り返す必要がある。商業的システムで作動するスタックにこの方法を適用すると、電流出力に周期的な変化が生じ、ユーザーが許容できない事態を引き起こすのは明白である。
【0009】
先に述べた方法に関連する問題を克服するために、薄膜燃料電池技術を開発するための努力の大半は、改質及びCO転換装置から送られてくるガス内の、少なくとも100ppmの濃度のCOの存在に対して本来的に耐性を有するアノード触媒の最適化に焦点が絞られている。これらの触媒は、プラチナに、例えばルテニウムとモリブデンのような他の貴金属又は非貴金属を混合させたもので作られており、後者については米国特許第6,165,636号に記載されている。これらの調合(formulation)が依って立つ原理は、おそらく、これら合金の電子構造によってCO吸着エネルギーを弱め、水素吸着エネルギーを強化することと、ルテニウム及びモリブデンの場合のように、追加の金属によって供給される触媒部位上のOH・のような吸収される酸化種の形成を高めることの二重効果である。これらの触媒は、かなり繊細なようで、例えばモリブデンでは、過剰な電流出力の下で、或いは改質ガス流量の維持に問題が生じると、その全ての耐性を破壊する不可逆的酸化が起こることもある。最も考えられる仮説では、これまでに入手できたデータによれば、害毒耐性触媒に基づく手法は、COを約100ppmまで含むガスが使用できることを示しており、その場合、改質及びCO転換装置には、生成されるガスの純度に関して要求される保証が厳しくないとしても、設計を単純化するのに選択的酸化反応器を備えなければならなくなる。しかし、停止又は機能不全の間に組成に影響を与える強度の異常がある場合には、損傷を受ける可能性をなお排除できず、これを排除するには、スタック及び/又は改質及びCO転換反応器を追加制御する必要が生じる。
【0010】
一酸化炭素による害毒の問題を解決するための別の手法は、先に規定した60から90℃という値よりも実質的に高温での薄膜燃料電池スタックの作動を見越している。例えば、150から180℃では、一酸化炭素の吸着が実質的にごく僅かなので、0.5から1%の一酸化炭素を含んでいる改質ガスを、何らの事前処理無しで直接使用することができる。この様な状態の下で満足に作動することのできる薄膜は、機械的安定性、及び低水和レベルでの許容可能な導電性のような解決すべき問題を考慮しながら、目下研究中であり、商業的応用で利用できるようになるには長い時間を要するであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上に述べた先行技術をよく分析すると、今日、100ppmを大きく上回る高濃度のCOを含んだガスを、スタックに、簡単で、本来的に信頼できる、費用の掛からない妥当な方法で供給するための装置及び方法が強く求められていることが分かる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、カソード側に空気を供給し、アノード側に水素と一酸化炭素を含むガス、例えば炭化水素又はアルコールの吸熱式又は自熱式(autothermic)蒸気改質によって得られるガスを供給する、多数の陽子導電性薄膜燃料電池で作られているスタックを作動させるための方法及び関連する装置を開示している。本発明の装置は、完全に安全な状況の下で、スタックのアノードを、複雑で高価な設備、又は高度な調合による触媒のどちらにも依存することのない、簡単で自己調整式(self-adjusting way)のシステムによって酸化する。という一般的な原理に基づいており、前記酸化には、吸着された一酸化炭素を不活性な二酸化炭素へ変換することが含まれている。
【0013】
具体的には、本発明は、第1実施形態では、少なくともスタック内に一体化されている水電気分解電池を備えており、第2実施形態では、燃料電池が、空孔率の制御された導電性プレートと、その間に挿入されたアノード/薄膜/カソードの組立体を備えており、第3実施形態では、薄膜の酸素の拡散が強化されており、第4実施形態では、燃料電池スタック用の一連の周期的短絡システムを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の第1実施形態を図1の装置によって示しており、それは複数の燃料電池(100)と1つの水電気分解電池を備えたスタックを表している。図には燃料電池が1つだけ示されているが、各燃料電池は、一般的に二極性プレートとして定義される一対の導電性プレート(1)によって境界が定められている。これら燃料電池と水電気分解電池は、フィルタープレス(filter-press)構造として知られている配列で機械的に組み立てられ、電気的に直列に接続されている。電池(100)と(200)の組立体は、厚肉で高剛性のエンドプレート(8)に当接する、概念的に(9)で示すタイロッドによって圧縮が掛かった状態で維持されている。各燃料電池は、ガス拡散アノード(3)及びガス拡散カソード(4)と密着している陽子交換薄膜(2)と、(3)及び(4)の表面へのガス分配器としても働く2つの多孔質電流コレクタ(5)とを含んでいる。コレクタ(5)は、二極性プレート(1)と電気的に接触した状態で、薄膜/アノード/カソード組立体を維持している。アノード(3)を含んでいる各燃料電池の部分は、(10)で供給される、予め水蒸気で飽和された水素を含んでいるガス、具体的には改質ガスが横断して流れ、一方、カソード(4)を含んでいる部分には、(12)で供給される空気が横断して流れる。水素を含んでいる排気ガスと空気は、それぞれ(11)及び(13)を通して放出される。作動中、水素は電子(電流)と陽子に変換され、薄膜を通過してカソードへ移動し、そこで空気に含まれている酸素と反応して水を形成する。周囲のガスケット(6)は、各電池(100)の内側に収容されているガスが周囲の環境へ放出されるのを防ぐ。
【0015】
水電気分解電池(200)は、電流コレクタ(5)によって二極性プレート(1)と電気的に接触した状態で維持されている薄膜(2)/アノード(7)/カソード(4)の組立体を含んでいる一対の二極性プレート(1)を備えた、燃料電池(100)の構造と同じ構造を有している。燃料電池に対する相違点は、予め水蒸気で飽和された水素を含んでいるガスが、燃料電池に含まれている空気拡散カソード(4)と同じ構造を有するカソード(4)を含んでいる電池の部分を横切って流れ((200)の点線)、次に、収集器/分配器(14)を通して燃料電池(100)に送られる点である。電池(200)のアノード(7)を含んでいる部分には、何らのガスも供給されないか又は最小限の空気流が供給されるだけである。作動中、水素を含んでいるガスによって運ばれる水は、薄膜を水和し、アノード(7)で電気分解され、酸素と陽子が形成される。酸素は、電池(200)のアノードを含んでいる部分から離れて、水素を含んでいるガスの流れに混じり、電池の他の部分を横切った後で、収集器/分配器(14)に入る。陽子は、薄膜(2)を通過してカソード(4)に移動し、そこで水素を形成し、水素は、水素を含んでいる供給ガスの流れに混入する。随意的に、図1には示されていないダクトを通して液体の水を電池(200)内に注入して、薄膜(2)の水和作用の維持を助けるようにしてもよい。アノード(7)における酸素の発生は、ガス拡散アノード及びカソード(3)及び(4)の生成に用いられる触媒への支援のために使用されている活性炭素を確実に破壊しかねない強力な酸化状態を引き起こす。このため、アノード(7)の触媒は、純粋白金の微小粒子の混合物か、或いは、一層良いのは、合金又は白金とイリジウムと耐化学薬品ポリマー結合剤、好ましくは過フッ化ポリマーで作らなくてはならない。
【0016】
電池(200)を通って流れる電流は、周知のファラデーの法則に基づいて規定量の酸素を生成し、必然的に、電池(200)と電気的に直列に接続されているスタックの燃料電池(100)を通って流れる電流と同じである。更に、水素を含んでいるガスの流量は電流の出力に比例するように調整されているので、結果的に、水素を含んでいるガス内の酸素の割合は、スタックを形成している電気分解電池(200)の数と、燃料電池(100)の数の比率だけに依存して決まる。従って、実際には、水素を含んでいるガス内の酸素の割合は、スタックを組み立てるときに最適だと考えられる数値付近に予め規定され、作動中は、水素を含んでいるガスの流量の調整に関して明らかに必要な制御とは別の制御を追加する必要無しに、適正に同一のレベルに維持される。
【0017】
本発明を限定する意図はないが、実証を目的として例を挙げると、唯1つの電気分解電池を装備した100個の電池を備えているスタックに、絶対圧力200kPa(2バール)の下、80℃で水蒸気により飽和させて液体炭化水素を改質し、水蒸気の他に、体積で約55%の水素、体積で20%の二酸化炭素量、及び1000ppmの一酸化炭素を含有させて得られたガスを供給した。反応の化学量論的値よりも20%高い改質ガス流量では、電気分解によって注入される酸素の割合は、0.4モル%であり、湿ったガスについて言えば、水素だけに関しては0.7%モルと等価で、一酸化炭素に関しては4対1のモル比率であった。この様な条件の下では、絶対圧力250kPa(2.5バール)で、化学量論的に2だけ過剰で、70℃で予め加湿された空気を供給した場合、スタックの性能は、様々な電流出力値において、一酸化炭素の害毒作用(poisoning action)による劣化を何ら示さなかった。同様な結果が、95から105個の燃料電池対1個の電気分解電池で作られたスタックに関しても得られ、その場合、酸素濃度は、湿ったガスに関して0.38〜0.42モル%となる。酸素の害毒抑制効果は、最も考えられるのは、酸素がアノード触媒の活性部位へ吸着され、O:及びOH・のような吸着された遊離基が形成され、これが一酸化炭素を不活性の二酸化炭素に変換する酸化作用をもたらす種となるというものである。
電流出力がゼロとなったときには酸素が生成されなくなっているのは明白であり、そうなったときには、スタックを保護するために、制御システムは、スタックを通る改質ガスの通過を直ちに遮断し、随意的に改質ガスを適切なバイパスへ逸らすよう適切に設計されていた。
【0018】
本発明の第2の代替実施形態を図2に示しており、これは、図1の実施形態と同様なスタックではあるが電気分解電池(200)を備えていない新しい燃料電池構造(100)の概略図である。簡単にするため、図2は一対の電池(100)だけを示しているが、完全なスタックはこの電池を複数個備えている。各電池は、一対の二極性プレート(1)と、陽子交換薄膜(2)と、薄膜(2)といずれも直接接触しているアノード(3)及びカソード(4)と、アノード、カソード及び各二極性プレートの間に電気的接続を形成し、水素を含んでいるガスをアノード(3)の表面に、空気をカソード(4)の表面に、それぞれ均一に分配するという二重の機能を有する一対の多孔質電流コレクタ(5)と、電池の内部に収容されているガスが周囲の環境に放出されるのを防止する一対の周囲ガスケット(6)とを備えている。その通路内で、水素を含んでいるガスは、収集器/分配器(14)と、アノード(3)を含んでいる電池の部分(16)と、排気コレクタ(15)を通過する。空気に関する同じ経路には、収集器/分配器(17)と、カソード(4)を含んでいる電池の部分(20)と、排気コレクタ(18)とが含まれている。二極性プレート(1)の少なくとも上部領域は、例えば、二極性プレート壁内に作られている開口内に焼結金属材料を挿入するというような、特異な方法によって得られた微小多孔質部(micro porosity)(19)によって特徴付けられる領域となっている。カソード側の圧力をアノード側よりも高いレベルに維持し、圧力差を適切に調整することによって、簡単な方法で、二極性プレートの多孔質領域を通過する空気の流れを、水素を含んでいるガス内に存在する一酸化炭素の害毒作用を排除できる最良の値に達するよう変化させることができる。図1のスタックに関して述べたと同じ作動条件の下で、一酸化炭素の害毒作用に対する実際の抵抗性能は、スタックの出口ダクトによって放出される水素を含んだ排気ガス内の酸素濃度が0.8から1.2モル%のときに達成されることが分かっている。水素を含んでいるガスの流量の関数とした空気注入量の調整は、電流出力が減少して、この流量が低い値に落ちた場合には必要となるが、空気圧を下げ、その結果として、簡易決定アルゴリズム(easily determined algorithm)に基づいてカソードとアノードの間の圧力差を減じることによって簡単に実現される。空気注入の安定性が最良の状態になるのは、多孔質材料(19)を、例えば、PTFEの懸濁液による膨潤と後に続く安定化熱処理によって、疎水性にする場合であることも分かっている。結論として、本発明の本代替実施形態に従って作動させると、先行技術に関して説明したような、スタックの外側で空気を追加する際に必要であった精密な制御システムは必要が無くなる。
【0019】
本発明の第3実施形態を図3Aに示しており、これは、図1及び2の電池と基本的に同じ構成要素で作られている1つの燃料電池の断面図である。この実施形態の特徴的な要素は、陽子交換薄膜(21)が高いガス拡散特性を有しているということである。この特性は、カソードとアノードの間に適切な圧力差があると(カソードの圧力がアノードの圧力より高い)、矢印(23)で示されているように、或る規定された酸素の流れを、薄膜を通過させアノードに向かわせる。高いガス拡散特性は、色々な方法で実現することができるが、例えば、巨視的多孔質(macroscopic porosity)及びカソードとアノードの間の短絡の危険性を伴ってはいるが非常に薄い膜に頼るか、又は、ガス、特に酸素に対する高い溶解度と、高い拡散係数とを特徴とするイオノマーを膜の生成に用いる(しかし、これらの特性は、薄膜を優れた機械的性質と高いイオン導電性を備えたものとするという要求には相反する)ことによって実現することができる。機械的特性とイオン導電特性への影響を最小として、高いガス拡散特性を実現できる非常に効率的な方法を、図3Bに示しており、これは、高い内部微小多孔質部という、高い比表面積を有する化学的に不活性な材料の粒子(22)を含んでいる薄膜の図である。
【0020】
ガス拡散特性が向上することに関して最も考えられる要因は、ガスが、薄膜生成の間にイオノマーに占有されなかった粒子(22)の微孔部分を通過して迅速に拡散するという可能性である。結果的に、実際には障壁を構成しているポリマーを通過する経路は、他の条件が同じままだとすれば、ガス流量の増加と共に実質的に減少する結果となる。好適な多孔質材料は、一般的な陽子導電性薄膜で、酸性の状態に耐性があればどの様な材料でもよく、導電性は、高分子バックボーンに挿入されているスルホン群によって得られる。好適な材料は、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、一般的にいわゆるバルブ金属の全ての酸化物、具体的には、27m2/g以上、望ましくは130m2/gを超える比表面積を有するシリカであることが判明している。
【0021】
作動中の安定性に関してより好適な材料は、恐らくは、作動中にカソードで形成される反応水による内部細孔のあふれに耐える容量から、ポリテトラフルオロエチレンの粉末のような疎水特性を備えた微小多孔質材料であると実証されている。
上記型式の合成薄膜では、微小多孔質粒子の含有量が増加するにつれて、ガス拡散は着実に増大するが、薄膜の機械的特性の低下とイオン導電性の低下を回避するためには、超えられない最大限界のあることも分かっている。本発明の発明者が実行したテストによれば、ナフィオン(R)ポリマー(デュポン、アルドリッチ又はソリューションテクノロジーから供給される水溶液又は5%ハイドロアルコール(hydro alcohol)溶液)を、180m2/gの比表面積を備えた平均寸法が0.007ミクロンのシリカと混合して生成した薄膜の場合、これら相反する要件の中で最良の妥協策が、全体重量の2.5から3.5%の含有量で得られることが、実証された。
【0022】
図4は、活性表面積200cm2で、 上記のようにして得た厚さ40μmの合成ナフィオン−シリカ薄膜を装備した、1つの燃料電池で得た結果を示している。電池は、図1のスタックに与えたと同じ作動条件の下で、0.6Vの一定圧力に維持され、違いは、カソードとアノードの間の圧力差が10から90kPa(0.1から0.9バール)に設定されていたことだけであった。圧力差が小さいと、電流出力は、非常に低く留まり、一酸化炭素の無いガスを供給するときに得られる一般的なレベル(点線)に対して約20%であった。圧力差が30kPa(0.3バール)の境界を越えると、電流出力は徐々に増加し、約70kPa(0.7バール)で、一酸化炭素が存在しない場合に得られるのと同じ値に達している。この最適な作動条件では、放出される排気改質ガス内に存在する酸素は、僅か0.1%である。従って、一酸化炭素に対する保護作用の効率は、改質ガス内の必要酸素含有量が燃料電池の供給点で測定して0.4%である図1の装置で検出されるものよりも、かなり高い。この様に効率が高くなる要因は、おそらく、酸素が薄膜の表面から発生すると直ぐに、界面に配置されており反応に対する実際に唯一の決定因子である触媒の粒子と直接接触するからであろう。従って、過剰な酸素は、それぞれアノードの内部に配置されている触媒の粒子だけと反応することになり、性能にはそれほどの影響を与えない。従って、この過剰な量の酸素は必要無い。
【0023】
本発明の合成薄膜は、70から90℃で、望ましくは30から100kPa(0.3から1バール)の圧力差で測定して、薄膜の空気透過率が1平方cm当たり約1ml/hourに等しいときに、排気ガス中に存在する酸素の量が最小レベルの状態で、一酸化炭素に対して実質的に完全に無反応であるという、本発明の目的を達成するのに特に有用であることが分かっている。
【0024】
図5は、本発明の第4実施形態の電気回路を示しており、この電気回路は、複数の薄膜燃料電池(100)で作られているスタックと、スタックの直流を交流に変換するためのインバータと1つ又は複数の電気負荷とを備えている制御システム(31)と、閉じると燃料電池パッケージの短絡が起きる一連のスイッチ(24)と、順次に且つ所定の周波数でスイッチを閉じる制御ユニット(25)とで構成されている。
200kPa(2バール)で1000ppmの一酸化炭素を含んでいる改質ガス及び250kPa(2.5バール)で空気が供給されるスタック(図にはパイプを示していない)は、(31)で構成されている外部回路を通して、電流を流す。改質ガスには一酸化炭素が含まれているので、対策が取られなければ、電力出力は徐々に低下する。本発明の実施形態の場合、制御ユニット(25)は、スイッチ(24)を順次作動させ、第1スイッチが閉じているときは、関係する電池パッケージが短絡され、その結果、アノードの電位は、カソードの1つと実際に一致するまで上がる。そのような電位は、一酸化炭素を不活性な二酸化炭素へと容易に酸化することのできる吸着されたO:及びOH・遊離基を形成して、アノードに酸化状態を作り出し、この様にして、第1電池パッケージのアノードが再生され、第1電池パッケージは、通常の作動条件の下で再び作動を開始できるようになる。制御ユニットが第1スイッチを開き、第2スイッチを閉じると、同じことが第2電池パッケージに生じ、短絡が起きて、今度はそのアノードが上記のように再生される。最後の電池パッケージに接続されている最後のスイッチが作動するまで、この一連の動作が繰り返される。最後のスイッチが開くのに続いて、第1スイッチが閉じ、この一連の動作が制御ユニットによって繰り返される。
【0025】
この様な動作の結果を図6に示しており、これは、一酸化炭素を含んでいない水素を供給した100個の電池のスタックの平均電池電圧の時間経過挙動(300)と、1000ppmの一酸化炭素を含んでいる改質ガスを供給し、10個の電池のパッケージを順次短絡させた場合の同じスタックの平均電池電圧の時間経過挙動(600)と、同じガスを供給し、先行技術で説明した1個の電池を順次短絡させた場合の同じスタックの平均電池電圧の時間経過挙動(500)と、最後に、対策を講じることなく同じガスを供給した場合の同じスタックの平均電池電圧の時間経過挙動(400)である。曲線(500)と(600)を比較すると分かるように、本発明の装置は、1個の電池の順次短絡に基づく典型的な先行技術よりも遥かに優れた結果を達成することができる。実際、図7に示すように、1個の電池の場合、この動作は、外部短絡接点(27)及び(28)に近いアノードの部分(26)のみに有効であり、もっと内側の領域、特に最も遠い領域は、外部接点を通して引き出される電流の横断経路(29)及び(30)のため、二極性プレートに沿って生じる抵抗降下によって、悪影響を被る。二極性プレートの厚さが減ることによる抵抗降下、及び二極性プレートの形成に用いられている材料の無視できない抵抗による抵抗降下は、相当に大きい。これらの抵抗降下は、0.5ボルト程度の値に容易に達するので、外部接点に関して最も離れている領域にあるアノードの電気化学電位は、十分に上がらないし、上がらなくはないにしても、再活性化は殆ど無い。
【0026】
電池のパッケージを作動させることによって、抵抗降下は、各パッケージの2つの終端電池のプレート上に実質的に局所化され、中間の電池では、様々な二極性プレートの支援を受けた電圧再分配によって消えてしまう。そのような挙動の結果として、例えば10個というような短絡パッケージに含まれる電池の数が、例えば100個というようなスタックの電池の総数で制限されていれば、各パッケージは、適度な状態に留まっている電圧の低下を犠牲にして、順次的短絡の間に実質的に再生される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態によるスタックの概略断面図であり、複数の燃料電池と、1つの水電気分解電池とを備えており、フィルタープレス構造として知られている設計に従って機械的に組み立てられ、電気的に直列に接続されているいる。
【図2】本発明の第2実施形態によるスタックの断面図であり、このスタックは、複数の燃料電池を備えており、各燃料電池は、少なくとも1つの気孔率の制御された領域を備えている導電性プレートによって境界が画定されており、導電性プレートを通して、水素を含んでいるガス内に、カソードとアノードの間の圧力差によって調整された或る量の空気を注入できるようになっている。
【図3】本発明の第3実施形態を解説したもので、陽子交換薄膜を組み込んだ1つの燃料電池の断面を示した図であり、例えば、薄膜内に高い内部気孔率を呈する粒子を備えた適量の材料を埋め込むことによって達成される酸素拡散率の向上を特徴としている。同じ薄膜型であれば、酸素拡散率は、アノード/カソードの圧力差の値に働きかけることによって調整される。
【図4】図3の電池に関する電圧/電流比の挙動を、電池に1000ppmの一酸化炭素を含んだ改質ガスを供給した場合の、アノード/カソードの圧力差の関数として示している。
【図5】スタックと、燃料電池組立体の順次短絡装置を備えた、本発明の別の実施形態を示す回路図である。
【図6】純粋の水素が供給されるスタックと、1000ppmの一酸化炭素を含む改質ガスが供給され、図5の装置が電池パッケージ又は単一の電池に装着されているスタックとにおける、平均電池電圧の時間経過挙動を比較した図である。
【図7】短絡に供される1つの電池の断面図であり、二極性プレート内側の横断電流経路を示している。
【0001】
本発明は、水素と酸化炭素を含むガスを供給して燃料電池を作動させるための方法、及びそれに関する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、化学反応による自由エネルギを電気エネルギに直接変換するのに適した電気化学装置として長年知られている。つまり、燃料電池は、カルノーサイクルの一般的な制約の影響を受けるものではなく、オットー及びディーゼル式の原動機や、例えば民生及び企業の暖房装置などで使用されているバーナーの殆どのような燃料燃焼に基づくシステムよりも、エネルギー変換効率が本質的に高い。更に、燃料電池は作動させても、内燃システムの場合には避けられない酸化炭素、芳香族多核炭化水素、窒素酸化物、及び粒子状物質のような有害な排出物が出ないという特徴がある。これら2つの好ましい特性と、今や広く認知されている主に大都市周辺における環境品質の漸進的劣化の問題から、近年燃料電池に対する関心が高まっており、今日では、燃料電池に関して、内部の重要な部品に新しい進化した構造材が使えるようになってきており、コスト的な制約の下で量産の可能性を備えた新しい製造方法も利用できるようになってきている。
【0003】
様々な既知の型式の中でも、薄膜燃料電池が、商業的応用の段階に極めて近づいているようである。これらの電池は、基本的に、適切な触媒を備えた2つの多孔質電極で作られており、間に薄い陽子導電性薄膜が挿入されている。この組立体は、2つの電極に反応物質を供給し、反応物質が外部環境に放出されるのを防止し、触媒が促進する化学反応によって作り出された電気エネルギーを回収するなど多くの機能を有する2枚の導電性プレートの間に収められている。従来からの用途に必要な高い電流密度を得る目的で、多数の電池を組み合わせて、最近では「スタック」と呼ばれている実際のバッテリが形成されている。この型式のスタックを適正に作動させるためには、陽子導電性薄膜は、抵抗降下(ohmic drop)による電気エネルギー損失を最小化するために、高い導電性を有していなければならない。現在利用可能な薄膜は、スルフォン化ポリマー、特に過フッ化ポリマーに基づいており、高度に水和化された状態に維持されていなければならない。この目標は、作動温度を60から90℃に限定し、上記ガスを適切に加湿した後でのみ供給することによって達成される。
【0004】
薄膜スタックを作動させることのできる反応物質は、正極電極であるカソードへ供給される酸素を含んだガスであって都合がよいのは空気であり、これと、負極電極であるアノードへ供給される水素を含んでいるガスとで構成されている。空気については、明らかに供給に関する制約はなく、問題は、粒子状物質を取り除く必要性と、特に自動車に用いる場合には圧力レベルが大気圧よりも高い方が望ましいということだけである。水素に関しては、ボトル内に加圧された状態で純粋なガスとして、又は高効率の断熱材を備えた特殊なコンテナに入った低温の液体として供給することができる。しかしながら、純粋水素の入手性は、現在のところ整っているわけではなく、民間及び企業の建物内で電気エネルギー及び熱を作り出すための定置装置や自動車に使うような、少なくとも大規模な用途に燃料電池を普及させるには、明らかに決定的な障害となっている。これらの用途は、企業の最大の関心事、即ち、開発と、それに続く実証段階に必要な大きな財政的尽力を正当化する事実を勝ち得るに至っている。このため今日では、技術は、メタン、LPG、ガソリンのような炭化水素、及びメタノール又はエタノールのようなアルコールから、既知の吸熱式又は自熱式の改質処理によって、水素を現場で生成することに向けられている。従って、ここで考慮している燃料電池システムは、スタック、改質反応器、ファン/コンプレッサのような補助構成要素、循環ポンプ、熱交換器、バルブ及び制御電子機器で構成されている。
【0005】
第1高温段階における炭化水素又はアルコールと水の間の水蒸気改質反応では、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水及び場合によっては窒素の混合物が生成されるが、それらは続いて低温で、水素、二酸化炭素、残留水及び場合によっては窒素に変換される(一般的に「CO転換(shift)」として知られている作用)。この最終的な混合物は、CO転換段階の間の状態次第で、なお通常は0.5から1%の少量の一酸化炭素を含んでいる。
二酸化炭素は悪影響を及ぼさないが、一酸化炭素(CO)が存在すると、スタックのアノードに組み込まれている触媒に関し、COが活性部位に吸着され、その部位が必要な水素との反応に使用できなくなるので、触媒の正常な作用に深刻な問題が起こる。先行技術による薄膜燃料電池の作動温度、通常は60から90℃で吸着が特に激しく、改質装置から送られてくるガス内のCOの含有量が極端に少なく、具体的には10ppmを下回っている場合にだけ吸着が起きない。この状態は、非常に特殊な触媒を備えた追加の選択的酸化反応器内の、CO転換装置のすぐ下流で実現され、即ち、水素、二酸化炭素、水、場合によっては窒素、及び約0.5から1%のCOを含むガスが、適切に調整された量の空気を追加した後、反応器内に注入され、そこで空気に含まれている酸素がCOを二酸化炭素に酸化させるのである。この装置は、一連の不都合な事象により悪影響を被るわけで、即ち、正確に言えば、水素が、部分的にしろ酸素と結合して水になって失われ、その結果、選択的酸化反応器にとって危険な温度上昇が起こり、空気中に含まれている窒素で希釈され、調整が臨界状態となり、時の経過につれて作動の信頼性が危ぶまれ、CO含有量が極端に増加するとスタックと反応して制御不能となる恐れもあり、システムにコストを追加することにもなりかねない。
【0006】
CO濃度が10ppmの臨界限界を大きく上回っている改質ガスでも、薄膜燃料電池を作動させるための代替解決法は、R.A.レモンズが、1990年のパワーソース・ジャーナル29号、251ページに記載しており、スタックの直ぐ上流で改質ガスに適切な量の空気を追加すると、スタックは、全体的にCOを含まないようなガスで得られるのと非常に近い性能を示す。
しかし、レモンズが開示している方法は、非常に正確な調整システムを必要とするが、この調整システムは、時間が経つにつれ完全には信頼できなくなること、及びシステム全体のコストを確実に増すものであることが分かっている。空気注入装置に不備があれば、触媒の不可逆的非活性化を伴うアノードにおける温度上昇を引き起こし、最悪の場合、スタック内に爆発性の水素―酸素混合気が形成されるような極端な結果を引き起こしかねない。このような考えに対する代替実施形態は、空気流調整装置を無くすことであり、DE
【0007】
19646354に記載されている。一酸化炭素の酸化に必要な酸素は、水電気分解電池内で生成され、水素と一酸化炭素を含んでいるガスに加えられるが、この場合、酸素の割合は、スタックによって生成される電気エネルギーの出力が変動しても、水電気分解電池に供給される電流を適切に調整することによって、一定に維持される。従って、適切な調整装置の力を借りる必要があり、好適な調整装置にはコストが掛かり、注入される空気流の調整に関連する先に述べた問題と同じ問題が生じる。
【0008】
DE 19710819は、水素を含んでいるガス内に存在する一酸化炭素によって機能不全に陥った燃料電池を再活性化するための方法を記載しており、この方法は、作動中に電池を周期的に短絡させることに基づいている。短絡の間、アノード薄膜の界面に存在する水が、触媒粒子の表面上に吸着されるOH・とO:遊離基に変換されるレベルにまで、アノードの電気化学的電位が上がるものと考えられる。これらの遊離基は、触媒の各部位をブロックしている一酸化炭素を、脱着される不活性な二酸化炭素に変換することができる。従って、短絡の最後では、触媒が正常に作動するようになるが、継続的に保護していないと、性能は再び低下することになる。つまり、短絡の工程を周期的に繰り返す必要がある。商業的システムで作動するスタックにこの方法を適用すると、電流出力に周期的な変化が生じ、ユーザーが許容できない事態を引き起こすのは明白である。
【0009】
先に述べた方法に関連する問題を克服するために、薄膜燃料電池技術を開発するための努力の大半は、改質及びCO転換装置から送られてくるガス内の、少なくとも100ppmの濃度のCOの存在に対して本来的に耐性を有するアノード触媒の最適化に焦点が絞られている。これらの触媒は、プラチナに、例えばルテニウムとモリブデンのような他の貴金属又は非貴金属を混合させたもので作られており、後者については米国特許第6,165,636号に記載されている。これらの調合(formulation)が依って立つ原理は、おそらく、これら合金の電子構造によってCO吸着エネルギーを弱め、水素吸着エネルギーを強化することと、ルテニウム及びモリブデンの場合のように、追加の金属によって供給される触媒部位上のOH・のような吸収される酸化種の形成を高めることの二重効果である。これらの触媒は、かなり繊細なようで、例えばモリブデンでは、過剰な電流出力の下で、或いは改質ガス流量の維持に問題が生じると、その全ての耐性を破壊する不可逆的酸化が起こることもある。最も考えられる仮説では、これまでに入手できたデータによれば、害毒耐性触媒に基づく手法は、COを約100ppmまで含むガスが使用できることを示しており、その場合、改質及びCO転換装置には、生成されるガスの純度に関して要求される保証が厳しくないとしても、設計を単純化するのに選択的酸化反応器を備えなければならなくなる。しかし、停止又は機能不全の間に組成に影響を与える強度の異常がある場合には、損傷を受ける可能性をなお排除できず、これを排除するには、スタック及び/又は改質及びCO転換反応器を追加制御する必要が生じる。
【0010】
一酸化炭素による害毒の問題を解決するための別の手法は、先に規定した60から90℃という値よりも実質的に高温での薄膜燃料電池スタックの作動を見越している。例えば、150から180℃では、一酸化炭素の吸着が実質的にごく僅かなので、0.5から1%の一酸化炭素を含んでいる改質ガスを、何らの事前処理無しで直接使用することができる。この様な状態の下で満足に作動することのできる薄膜は、機械的安定性、及び低水和レベルでの許容可能な導電性のような解決すべき問題を考慮しながら、目下研究中であり、商業的応用で利用できるようになるには長い時間を要するであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上に述べた先行技術をよく分析すると、今日、100ppmを大きく上回る高濃度のCOを含んだガスを、スタックに、簡単で、本来的に信頼できる、費用の掛からない妥当な方法で供給するための装置及び方法が強く求められていることが分かる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、カソード側に空気を供給し、アノード側に水素と一酸化炭素を含むガス、例えば炭化水素又はアルコールの吸熱式又は自熱式(autothermic)蒸気改質によって得られるガスを供給する、多数の陽子導電性薄膜燃料電池で作られているスタックを作動させるための方法及び関連する装置を開示している。本発明の装置は、完全に安全な状況の下で、スタックのアノードを、複雑で高価な設備、又は高度な調合による触媒のどちらにも依存することのない、簡単で自己調整式(self-adjusting way)のシステムによって酸化する。という一般的な原理に基づいており、前記酸化には、吸着された一酸化炭素を不活性な二酸化炭素へ変換することが含まれている。
【0013】
具体的には、本発明は、第1実施形態では、少なくともスタック内に一体化されている水電気分解電池を備えており、第2実施形態では、燃料電池が、空孔率の制御された導電性プレートと、その間に挿入されたアノード/薄膜/カソードの組立体を備えており、第3実施形態では、薄膜の酸素の拡散が強化されており、第4実施形態では、燃料電池スタック用の一連の周期的短絡システムを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の第1実施形態を図1の装置によって示しており、それは複数の燃料電池(100)と1つの水電気分解電池を備えたスタックを表している。図には燃料電池が1つだけ示されているが、各燃料電池は、一般的に二極性プレートとして定義される一対の導電性プレート(1)によって境界が定められている。これら燃料電池と水電気分解電池は、フィルタープレス(filter-press)構造として知られている配列で機械的に組み立てられ、電気的に直列に接続されている。電池(100)と(200)の組立体は、厚肉で高剛性のエンドプレート(8)に当接する、概念的に(9)で示すタイロッドによって圧縮が掛かった状態で維持されている。各燃料電池は、ガス拡散アノード(3)及びガス拡散カソード(4)と密着している陽子交換薄膜(2)と、(3)及び(4)の表面へのガス分配器としても働く2つの多孔質電流コレクタ(5)とを含んでいる。コレクタ(5)は、二極性プレート(1)と電気的に接触した状態で、薄膜/アノード/カソード組立体を維持している。アノード(3)を含んでいる各燃料電池の部分は、(10)で供給される、予め水蒸気で飽和された水素を含んでいるガス、具体的には改質ガスが横断して流れ、一方、カソード(4)を含んでいる部分には、(12)で供給される空気が横断して流れる。水素を含んでいる排気ガスと空気は、それぞれ(11)及び(13)を通して放出される。作動中、水素は電子(電流)と陽子に変換され、薄膜を通過してカソードへ移動し、そこで空気に含まれている酸素と反応して水を形成する。周囲のガスケット(6)は、各電池(100)の内側に収容されているガスが周囲の環境へ放出されるのを防ぐ。
【0015】
水電気分解電池(200)は、電流コレクタ(5)によって二極性プレート(1)と電気的に接触した状態で維持されている薄膜(2)/アノード(7)/カソード(4)の組立体を含んでいる一対の二極性プレート(1)を備えた、燃料電池(100)の構造と同じ構造を有している。燃料電池に対する相違点は、予め水蒸気で飽和された水素を含んでいるガスが、燃料電池に含まれている空気拡散カソード(4)と同じ構造を有するカソード(4)を含んでいる電池の部分を横切って流れ((200)の点線)、次に、収集器/分配器(14)を通して燃料電池(100)に送られる点である。電池(200)のアノード(7)を含んでいる部分には、何らのガスも供給されないか又は最小限の空気流が供給されるだけである。作動中、水素を含んでいるガスによって運ばれる水は、薄膜を水和し、アノード(7)で電気分解され、酸素と陽子が形成される。酸素は、電池(200)のアノードを含んでいる部分から離れて、水素を含んでいるガスの流れに混じり、電池の他の部分を横切った後で、収集器/分配器(14)に入る。陽子は、薄膜(2)を通過してカソード(4)に移動し、そこで水素を形成し、水素は、水素を含んでいる供給ガスの流れに混入する。随意的に、図1には示されていないダクトを通して液体の水を電池(200)内に注入して、薄膜(2)の水和作用の維持を助けるようにしてもよい。アノード(7)における酸素の発生は、ガス拡散アノード及びカソード(3)及び(4)の生成に用いられる触媒への支援のために使用されている活性炭素を確実に破壊しかねない強力な酸化状態を引き起こす。このため、アノード(7)の触媒は、純粋白金の微小粒子の混合物か、或いは、一層良いのは、合金又は白金とイリジウムと耐化学薬品ポリマー結合剤、好ましくは過フッ化ポリマーで作らなくてはならない。
【0016】
電池(200)を通って流れる電流は、周知のファラデーの法則に基づいて規定量の酸素を生成し、必然的に、電池(200)と電気的に直列に接続されているスタックの燃料電池(100)を通って流れる電流と同じである。更に、水素を含んでいるガスの流量は電流の出力に比例するように調整されているので、結果的に、水素を含んでいるガス内の酸素の割合は、スタックを形成している電気分解電池(200)の数と、燃料電池(100)の数の比率だけに依存して決まる。従って、実際には、水素を含んでいるガス内の酸素の割合は、スタックを組み立てるときに最適だと考えられる数値付近に予め規定され、作動中は、水素を含んでいるガスの流量の調整に関して明らかに必要な制御とは別の制御を追加する必要無しに、適正に同一のレベルに維持される。
【0017】
本発明を限定する意図はないが、実証を目的として例を挙げると、唯1つの電気分解電池を装備した100個の電池を備えているスタックに、絶対圧力200kPa(2バール)の下、80℃で水蒸気により飽和させて液体炭化水素を改質し、水蒸気の他に、体積で約55%の水素、体積で20%の二酸化炭素量、及び1000ppmの一酸化炭素を含有させて得られたガスを供給した。反応の化学量論的値よりも20%高い改質ガス流量では、電気分解によって注入される酸素の割合は、0.4モル%であり、湿ったガスについて言えば、水素だけに関しては0.7%モルと等価で、一酸化炭素に関しては4対1のモル比率であった。この様な条件の下では、絶対圧力250kPa(2.5バール)で、化学量論的に2だけ過剰で、70℃で予め加湿された空気を供給した場合、スタックの性能は、様々な電流出力値において、一酸化炭素の害毒作用(poisoning action)による劣化を何ら示さなかった。同様な結果が、95から105個の燃料電池対1個の電気分解電池で作られたスタックに関しても得られ、その場合、酸素濃度は、湿ったガスに関して0.38〜0.42モル%となる。酸素の害毒抑制効果は、最も考えられるのは、酸素がアノード触媒の活性部位へ吸着され、O:及びOH・のような吸着された遊離基が形成され、これが一酸化炭素を不活性の二酸化炭素に変換する酸化作用をもたらす種となるというものである。
電流出力がゼロとなったときには酸素が生成されなくなっているのは明白であり、そうなったときには、スタックを保護するために、制御システムは、スタックを通る改質ガスの通過を直ちに遮断し、随意的に改質ガスを適切なバイパスへ逸らすよう適切に設計されていた。
【0018】
本発明の第2の代替実施形態を図2に示しており、これは、図1の実施形態と同様なスタックではあるが電気分解電池(200)を備えていない新しい燃料電池構造(100)の概略図である。簡単にするため、図2は一対の電池(100)だけを示しているが、完全なスタックはこの電池を複数個備えている。各電池は、一対の二極性プレート(1)と、陽子交換薄膜(2)と、薄膜(2)といずれも直接接触しているアノード(3)及びカソード(4)と、アノード、カソード及び各二極性プレートの間に電気的接続を形成し、水素を含んでいるガスをアノード(3)の表面に、空気をカソード(4)の表面に、それぞれ均一に分配するという二重の機能を有する一対の多孔質電流コレクタ(5)と、電池の内部に収容されているガスが周囲の環境に放出されるのを防止する一対の周囲ガスケット(6)とを備えている。その通路内で、水素を含んでいるガスは、収集器/分配器(14)と、アノード(3)を含んでいる電池の部分(16)と、排気コレクタ(15)を通過する。空気に関する同じ経路には、収集器/分配器(17)と、カソード(4)を含んでいる電池の部分(20)と、排気コレクタ(18)とが含まれている。二極性プレート(1)の少なくとも上部領域は、例えば、二極性プレート壁内に作られている開口内に焼結金属材料を挿入するというような、特異な方法によって得られた微小多孔質部(micro porosity)(19)によって特徴付けられる領域となっている。カソード側の圧力をアノード側よりも高いレベルに維持し、圧力差を適切に調整することによって、簡単な方法で、二極性プレートの多孔質領域を通過する空気の流れを、水素を含んでいるガス内に存在する一酸化炭素の害毒作用を排除できる最良の値に達するよう変化させることができる。図1のスタックに関して述べたと同じ作動条件の下で、一酸化炭素の害毒作用に対する実際の抵抗性能は、スタックの出口ダクトによって放出される水素を含んだ排気ガス内の酸素濃度が0.8から1.2モル%のときに達成されることが分かっている。水素を含んでいるガスの流量の関数とした空気注入量の調整は、電流出力が減少して、この流量が低い値に落ちた場合には必要となるが、空気圧を下げ、その結果として、簡易決定アルゴリズム(easily determined algorithm)に基づいてカソードとアノードの間の圧力差を減じることによって簡単に実現される。空気注入の安定性が最良の状態になるのは、多孔質材料(19)を、例えば、PTFEの懸濁液による膨潤と後に続く安定化熱処理によって、疎水性にする場合であることも分かっている。結論として、本発明の本代替実施形態に従って作動させると、先行技術に関して説明したような、スタックの外側で空気を追加する際に必要であった精密な制御システムは必要が無くなる。
【0019】
本発明の第3実施形態を図3Aに示しており、これは、図1及び2の電池と基本的に同じ構成要素で作られている1つの燃料電池の断面図である。この実施形態の特徴的な要素は、陽子交換薄膜(21)が高いガス拡散特性を有しているということである。この特性は、カソードとアノードの間に適切な圧力差があると(カソードの圧力がアノードの圧力より高い)、矢印(23)で示されているように、或る規定された酸素の流れを、薄膜を通過させアノードに向かわせる。高いガス拡散特性は、色々な方法で実現することができるが、例えば、巨視的多孔質(macroscopic porosity)及びカソードとアノードの間の短絡の危険性を伴ってはいるが非常に薄い膜に頼るか、又は、ガス、特に酸素に対する高い溶解度と、高い拡散係数とを特徴とするイオノマーを膜の生成に用いる(しかし、これらの特性は、薄膜を優れた機械的性質と高いイオン導電性を備えたものとするという要求には相反する)ことによって実現することができる。機械的特性とイオン導電特性への影響を最小として、高いガス拡散特性を実現できる非常に効率的な方法を、図3Bに示しており、これは、高い内部微小多孔質部という、高い比表面積を有する化学的に不活性な材料の粒子(22)を含んでいる薄膜の図である。
【0020】
ガス拡散特性が向上することに関して最も考えられる要因は、ガスが、薄膜生成の間にイオノマーに占有されなかった粒子(22)の微孔部分を通過して迅速に拡散するという可能性である。結果的に、実際には障壁を構成しているポリマーを通過する経路は、他の条件が同じままだとすれば、ガス流量の増加と共に実質的に減少する結果となる。好適な多孔質材料は、一般的な陽子導電性薄膜で、酸性の状態に耐性があればどの様な材料でもよく、導電性は、高分子バックボーンに挿入されているスルホン群によって得られる。好適な材料は、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、一般的にいわゆるバルブ金属の全ての酸化物、具体的には、27m2/g以上、望ましくは130m2/gを超える比表面積を有するシリカであることが判明している。
【0021】
作動中の安定性に関してより好適な材料は、恐らくは、作動中にカソードで形成される反応水による内部細孔のあふれに耐える容量から、ポリテトラフルオロエチレンの粉末のような疎水特性を備えた微小多孔質材料であると実証されている。
上記型式の合成薄膜では、微小多孔質粒子の含有量が増加するにつれて、ガス拡散は着実に増大するが、薄膜の機械的特性の低下とイオン導電性の低下を回避するためには、超えられない最大限界のあることも分かっている。本発明の発明者が実行したテストによれば、ナフィオン(R)ポリマー(デュポン、アルドリッチ又はソリューションテクノロジーから供給される水溶液又は5%ハイドロアルコール(hydro alcohol)溶液)を、180m2/gの比表面積を備えた平均寸法が0.007ミクロンのシリカと混合して生成した薄膜の場合、これら相反する要件の中で最良の妥協策が、全体重量の2.5から3.5%の含有量で得られることが、実証された。
【0022】
図4は、活性表面積200cm2で、 上記のようにして得た厚さ40μmの合成ナフィオン−シリカ薄膜を装備した、1つの燃料電池で得た結果を示している。電池は、図1のスタックに与えたと同じ作動条件の下で、0.6Vの一定圧力に維持され、違いは、カソードとアノードの間の圧力差が10から90kPa(0.1から0.9バール)に設定されていたことだけであった。圧力差が小さいと、電流出力は、非常に低く留まり、一酸化炭素の無いガスを供給するときに得られる一般的なレベル(点線)に対して約20%であった。圧力差が30kPa(0.3バール)の境界を越えると、電流出力は徐々に増加し、約70kPa(0.7バール)で、一酸化炭素が存在しない場合に得られるのと同じ値に達している。この最適な作動条件では、放出される排気改質ガス内に存在する酸素は、僅か0.1%である。従って、一酸化炭素に対する保護作用の効率は、改質ガス内の必要酸素含有量が燃料電池の供給点で測定して0.4%である図1の装置で検出されるものよりも、かなり高い。この様に効率が高くなる要因は、おそらく、酸素が薄膜の表面から発生すると直ぐに、界面に配置されており反応に対する実際に唯一の決定因子である触媒の粒子と直接接触するからであろう。従って、過剰な酸素は、それぞれアノードの内部に配置されている触媒の粒子だけと反応することになり、性能にはそれほどの影響を与えない。従って、この過剰な量の酸素は必要無い。
【0023】
本発明の合成薄膜は、70から90℃で、望ましくは30から100kPa(0.3から1バール)の圧力差で測定して、薄膜の空気透過率が1平方cm当たり約1ml/hourに等しいときに、排気ガス中に存在する酸素の量が最小レベルの状態で、一酸化炭素に対して実質的に完全に無反応であるという、本発明の目的を達成するのに特に有用であることが分かっている。
【0024】
図5は、本発明の第4実施形態の電気回路を示しており、この電気回路は、複数の薄膜燃料電池(100)で作られているスタックと、スタックの直流を交流に変換するためのインバータと1つ又は複数の電気負荷とを備えている制御システム(31)と、閉じると燃料電池パッケージの短絡が起きる一連のスイッチ(24)と、順次に且つ所定の周波数でスイッチを閉じる制御ユニット(25)とで構成されている。
200kPa(2バール)で1000ppmの一酸化炭素を含んでいる改質ガス及び250kPa(2.5バール)で空気が供給されるスタック(図にはパイプを示していない)は、(31)で構成されている外部回路を通して、電流を流す。改質ガスには一酸化炭素が含まれているので、対策が取られなければ、電力出力は徐々に低下する。本発明の実施形態の場合、制御ユニット(25)は、スイッチ(24)を順次作動させ、第1スイッチが閉じているときは、関係する電池パッケージが短絡され、その結果、アノードの電位は、カソードの1つと実際に一致するまで上がる。そのような電位は、一酸化炭素を不活性な二酸化炭素へと容易に酸化することのできる吸着されたO:及びOH・遊離基を形成して、アノードに酸化状態を作り出し、この様にして、第1電池パッケージのアノードが再生され、第1電池パッケージは、通常の作動条件の下で再び作動を開始できるようになる。制御ユニットが第1スイッチを開き、第2スイッチを閉じると、同じことが第2電池パッケージに生じ、短絡が起きて、今度はそのアノードが上記のように再生される。最後の電池パッケージに接続されている最後のスイッチが作動するまで、この一連の動作が繰り返される。最後のスイッチが開くのに続いて、第1スイッチが閉じ、この一連の動作が制御ユニットによって繰り返される。
【0025】
この様な動作の結果を図6に示しており、これは、一酸化炭素を含んでいない水素を供給した100個の電池のスタックの平均電池電圧の時間経過挙動(300)と、1000ppmの一酸化炭素を含んでいる改質ガスを供給し、10個の電池のパッケージを順次短絡させた場合の同じスタックの平均電池電圧の時間経過挙動(600)と、同じガスを供給し、先行技術で説明した1個の電池を順次短絡させた場合の同じスタックの平均電池電圧の時間経過挙動(500)と、最後に、対策を講じることなく同じガスを供給した場合の同じスタックの平均電池電圧の時間経過挙動(400)である。曲線(500)と(600)を比較すると分かるように、本発明の装置は、1個の電池の順次短絡に基づく典型的な先行技術よりも遥かに優れた結果を達成することができる。実際、図7に示すように、1個の電池の場合、この動作は、外部短絡接点(27)及び(28)に近いアノードの部分(26)のみに有効であり、もっと内側の領域、特に最も遠い領域は、外部接点を通して引き出される電流の横断経路(29)及び(30)のため、二極性プレートに沿って生じる抵抗降下によって、悪影響を被る。二極性プレートの厚さが減ることによる抵抗降下、及び二極性プレートの形成に用いられている材料の無視できない抵抗による抵抗降下は、相当に大きい。これらの抵抗降下は、0.5ボルト程度の値に容易に達するので、外部接点に関して最も離れている領域にあるアノードの電気化学電位は、十分に上がらないし、上がらなくはないにしても、再活性化は殆ど無い。
【0026】
電池のパッケージを作動させることによって、抵抗降下は、各パッケージの2つの終端電池のプレート上に実質的に局所化され、中間の電池では、様々な二極性プレートの支援を受けた電圧再分配によって消えてしまう。そのような挙動の結果として、例えば10個というような短絡パッケージに含まれる電池の数が、例えば100個というようなスタックの電池の総数で制限されていれば、各パッケージは、適度な状態に留まっている電圧の低下を犠牲にして、順次的短絡の間に実質的に再生される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態によるスタックの概略断面図であり、複数の燃料電池と、1つの水電気分解電池とを備えており、フィルタープレス構造として知られている設計に従って機械的に組み立てられ、電気的に直列に接続されているいる。
【図2】本発明の第2実施形態によるスタックの断面図であり、このスタックは、複数の燃料電池を備えており、各燃料電池は、少なくとも1つの気孔率の制御された領域を備えている導電性プレートによって境界が画定されており、導電性プレートを通して、水素を含んでいるガス内に、カソードとアノードの間の圧力差によって調整された或る量の空気を注入できるようになっている。
【図3】本発明の第3実施形態を解説したもので、陽子交換薄膜を組み込んだ1つの燃料電池の断面を示した図であり、例えば、薄膜内に高い内部気孔率を呈する粒子を備えた適量の材料を埋め込むことによって達成される酸素拡散率の向上を特徴としている。同じ薄膜型であれば、酸素拡散率は、アノード/カソードの圧力差の値に働きかけることによって調整される。
【図4】図3の電池に関する電圧/電流比の挙動を、電池に1000ppmの一酸化炭素を含んだ改質ガスを供給した場合の、アノード/カソードの圧力差の関数として示している。
【図5】スタックと、燃料電池組立体の順次短絡装置を備えた、本発明の別の実施形態を示す回路図である。
【図6】純粋の水素が供給されるスタックと、1000ppmの一酸化炭素を含む改質ガスが供給され、図5の装置が電池パッケージ又は単一の電池に装着されているスタックとにおける、平均電池電圧の時間経過挙動を比較した図である。
【図7】短絡に供される1つの電池の断面図であり、二極性プレート内側の横断電流経路を示している。
Claims (37)
- 複数の燃料電池スタックを備えてフィルタープレス構造で構成されているスタックを作動させるための方法であって、各電池は、二極性プレートによって境界を画定され、アノード/陽子導電性薄膜/カソードの組立体を備えており、前記スタックは60から90℃に維持されており、各組立体において、アノード区画には水素と少なくとも100ppmの一酸化炭素を含んでいる燃料が供給され、カソード区画には空気が供給されるようになっている方法において、同じ電池電圧の下で、時間経過に対して安定した電流出力を得るために、自己調整連続式又は順次断続式(self-adjusting continuous or sequentially discontinuous)の方法で各アノードを酸化状態に曝することを含んでいることを特徴とする方法。
- 前記酸化状態は、水蒸気を、水素と一酸化炭素を含んでいる前記燃料に加え、これを、前記スタックのフィルタープレス構造内に一体化されて燃料電池と同じ電流が供給されている少なくとも1つの薄膜電気分解電池のカソード側へ流し、前記燃料を、前記少なくとも1つの電気分解電池のアノード側で生成される酸素と混ぜ合わせ、生成された水素、一酸化炭素及び酸素を含んでいる気体混合物を、前記燃料電池の各アノードに供給することによって得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 電流出力が中断されると、前記燃料供給を自動的に停止することを含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
- 前記スタックにおいて、電気分解電池1個に対して95個から105個の間の燃料電池を配備して、水素と一酸化炭素を含んでおり水蒸気が加えられた前記燃料に混ぜ合わされる前記酸素のモル%が、前記電解電池及び前記燃料電池を通って流れる前記電流の強さとは関係なく、0.38から0.42と等しくなるようにすることを含んでいることを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
- 前記酸化状態は、前記二極性プレートの微小多孔質領域を透過させて、空気を、水素と一酸化炭素を含んでいる前記燃料に加えることによって得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記微小多孔質領域は、前記二極性プレートの上側部分に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
- 前記二極性プレートの前記微小多孔質領域を透過する空気の流れは、前記カソードへ供給される空気と、前記アノードへ供給される水素及び一酸化炭素を含んでいる燃料との間に維持される圧力差を調整することによって制御されることを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。
- 前記二極性プレートの前記微小多孔質領域は、疎水性になっていることを特徴とする、請求項5、6又は7に記載の方法。
- 前記圧力差は、水素と一酸化炭素を含んでいる排気燃料中の酸素のモル%が0.8から1.2に等しくなるように調整されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
- 前記酸化状態は、空気を前記組立体の前記薄膜を透過させて、水素と一酸化炭素を含んでいる前記燃料に加えることによって得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記薄膜を透過する前記空気の流量は、前記カソードに供給される空気と、前記アノードに供給される水素及び一酸化炭素を含んでいる燃料との間に維持される圧力差を調節することによって調整されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
- 前記薄膜は、ガス拡散率の高い薄膜であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の方法。
- 前記ガス拡散率の高い薄膜は、化学的に安定している微小多孔質材料の粒子を含んでいる陽子導電性薄膜であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 前記微小多孔質材料は、シリカ及びバルブ金属酸化物を含むグループの中で選択されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
- 前記微小多孔質材料は疎水性材料であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
- 前記疎水性材料はポリテトラフルオロエチレンの粉末であることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
- 前記ガス拡散率の高い薄膜は、温度70から90℃、圧力30から100kPa(0.3から1バール)の下で、1平方センチメートル当り1ml/hourの空気拡散率を有することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 前記酸化状態は、外部制御ユニットに接続されている接点を備えた燃料電池パッケージを順次短絡させることによって得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記パッケージ内の燃料電池の数は、前記スタックの燃料電池の総数に対して、少なくとも係数10よりも少ないことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
- 水素と酸素を生成するための少なくとも1つの水電気分解電池と、アノードに少なくとも100ppmの一酸化炭素を含んでいる燃料が供給される複数の燃料電池とを備えたフィルタープレス構造において、前記少なくとも1つの電気分解電池と前記燃料電池は、同じ電流供給システムによって電気的に直列に接続されており、前記少なくとも1つの水電気分解電池によって生成される酸素を運ぶダクトは、前記燃料電池の前記アノードに供給される燃料のガス分配マニホールドに接続されていることを特徴とするフィルタープレス構造。
- 前記電流供給システムが停止しているときには、自動的に稼動する前記燃料用のバイパス回路を備えていることを特徴とする、請求項20に記載のフィルタープレス構造。
- 前記水電気分解電池1個に対して、95から105個の燃料電池が配備されていることを特徴とする、請求項21に記載のフィルタープレス構造。
- 二極性プレートによって境界が画定され、少なくとも100ppmの一酸化炭素を含んでいる燃料がアノードに供給される燃料電池のスタックにおいて、前記二極性プレートには、ガスが透過できる微小多孔質領域が設けられていることを特徴とするスタック。
- 前記微小多孔質領域は、前記二極性プレートの上側部分に配置されていることを特徴とする、請求項23に記載のスタック。
- 前記微小多孔質領域は、随意的には疎水性になっている、金属焼結材料で満たされた開口(aperture)で構成されていることを特徴とする、請求項23又は24に記載のスタック。
- 前記燃料電池のアノードとカソードとの間の圧力差を調整するための装置を備えていることを特徴とする、請求項23から25に記載のスタック。
- 薄膜が、ガス拡散率の高い薄膜であることを特徴とする、高分子薄膜燃料電池のスタック。
- 前記ガス拡散率の高い薄膜は、化学的に安定している微小多孔質材料の粒子を含んでいる陽子導電性薄膜であることを特徴とする、請求項27に記載のスタック。
- 前記微小多孔質材料は疎水性であることを特徴とする、請求項28に記載のスタック。
- 前記疎水性材料はポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする、請求項29に記載のスタック。
- 前記微小多孔質材料は、シリカ及びバルブ金属酸化物を含むグループの中で選択されることを特徴とする、請求項28に記載のスタック。
- 前記ガス拡散率の高い薄膜は、温度70から90℃、圧力差30から100kPa(0.3から1バール)の下で、1平方センチメートル当り1ml/hourの空気拡散率を有することを特徴とする、請求項27から31のいずれかに記載のスタック。
- 前記燃料電池のアノードとカソードの間の圧力差を調整するための装置を備えていることを特徴とする、請求項27から32のいずれかに記載のスタック。
- 電池パッケージを定期的に順次短絡させるための装置を備えていることを特徴とする、アノードに100ppmの一酸化炭素を含んでいる燃料が供給される燃料電池のスタック。
- 前記短絡させるための装置は、複数のスイッチと、前記スイッチを順次作動させるのに適した制御ユニットを備えていることを特徴とする、請求項34に記載のスタック。
- 前記パッケージ内の燃料電池の数は、前記スタックの燃料電池の総数に対して、少なくとも係数10よりも少ないことを特徴とする、請求項34又は35に記載のスタック。
- 下記の説明及び図面の特徴的構造を備えているフィルタープレス構造。
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