JP2004519321A - 分離プロセス - Google Patents

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Abstract

【課題】ナノ濾過を用いた分離プロセスを提供する。
【解決手段】本発明は、小さなモル質量を持つ化合物を、該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を有する化合物から、ナノ濾過を使用して分離するプロセスに関する。該小さなモル質量を持つ化合物は250g/mol未満の典型的なモル質量を有する。本発明の一つの態様において、ペントース糖類がヘキソース糖類から分離される。本発明は例えば、古液からのキシロースの回収に、および甜菜パルプ抽出物からのベタインの回収に適用されることができる。

Description

【0001】
発明の背景
本発明は、小さなモル質量を有する化学化合物を、該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量より単に僅かに大きいモル質量、典型的に1.9倍未満のモル質量を有する化合物から分離する新規プロセスに関する。本発明のプロセスは、ナノ濾過の使用に基く。本発明は例えば、キシロースをバイオマス加水分解物から、例えばパルプ化プロセスから、典型的にはスルフィットパルプ化プロセスから入手される古液から回収することに適用されることができる。本発明はまた、ベタインのバイオマスからの、例えば甜菜パルプ抽出物からの回収に適用されることもできる。
【0002】
ナノ濾過は、逆浸透と限外濾過との間に分類される比較的新しい圧力駆動膜濾過プロセスである。ナノ濾過は典型的に、300g/molより大きいモル質量を持つ大きい有機分子を残留させる。最も重要なナノ濾過膜は、界面重合により作製された複合膜である。ポリエーテルスルホン膜、スルホン化ポリエーテルスルホン膜、ポリエステル膜、ポリスルホン膜、芳香族ポリアミド膜、ポリビニルアルコール膜およびポリピペラジン膜は、広く使用されているナノ濾過膜の例である。無機膜およびセラミック膜もまたナノ濾過のために使用されることができる。
【0003】
単糖類、例えばグルコースおよびマンノースを二糖類およびより高分子量の糖類から分離するためにナノ濾過を使用することは従来技術に既知である。単糖類、二糖類およびより高分子量の糖類を含む出発混合物は例えば、デンプン加水分解物であり得る。
【0004】
米国特許第5869297号(アーチャー・ダニエルス・ミッドランド・コーポレイション)は、デキストロースを作製するためのナノ濾過プロセスを開示する。このプロセスは、不純物としてより高分子量の糖類、例えば二糖類および三糖類を含むデキストロース組成物をナノ濾過することを含む。少なくとも99%のデキストロースの固形分含量を有するデキストロース組成物が入手される。架橋された芳香族ポリアミド膜が、ナノ濾過膜として使用される。
【0005】
WO99/28490(ノボ・ノルディスクAS)は、糖類の酵素反応のための方法、並びに単糖類、二糖類、三糖類およびより高分子量の糖類を含む酵素処理された糖溶液のナノ濾過のための方法を開示する。単糖類が透過分中に入手され、一方、二糖類およびより高分子量の糖類を含有するオリゴ糖シロップが残留分中に入手される。二糖類およびより高分子量の糖類を含む残留分が回収される。100g/mol未満のカットオフ寸法を有する薄フィルム複合ポリスルホン膜が例えば、ナノ濾過膜として使用される。
【0006】
米国特許第4511654号(UOPインコーポレイテッド)は、グルコース/マルトース含有フィードストックをアミログルコシダーゼおよびβ−アミラーゼより選択される酵素で処理して、部分加水分解反応混合物を形成し、生じた部分加水分解反応混合物に限外濾過膜を通過させて、透過分と残留分とを形成し、残留分を酵素処理工程に循環させ、そして高グルコースまたはマルトースシロップを含む透過分を回収することによる、高グルコースまたはマルトースシロップの生産のためのプロセスに関する。
【0007】
米国特許第6126754号(ロケット・フレレス)は、高デキストロース含量を持つデンプン加水分解物の製造のためのプロセスに関する。このプロセスにおいて、デンプンミルクに酵素処理を受けさせて、粗糖化加水分解物を入手する。こうして得られた加水分解物にその後ナノ濾過を受けさせて、ナノ濾過透過分として所望の高デキストロース含量を持つデンプン加水分解物を収集する。
【0008】
膜技術、例えば限外濾過を使用して、キシロースを回収するためにスルフィットパルプ化古液を精製することもまた既知である(例えば、ペーパーメイキング・サイエンス・アンド・テクノロジー、ブック3:フォレスト・プロダクツ・ケミストリー、86頁、ヨハン・グリフセン、ハンヌ・パウラプロおよびペル・ステニウス編、ヘルシンキ・ユニバーシティー・オブ・テクノロジー、フィニッシュ・ペーパー・エンジニアーズ・アソシエイションおよびTAPPIとの共同出版、グンメルス、ユバスキラ、フィンランド国、2000)。キシロースは、パルプ産業において、例えば硬木原料のスルフィット蒸煮において大量に生産される。キシロースに加えて、スルフィットパルプ化古液は、典型的な成分として、リグノスルホネート、スルフィット蒸煮化学物質、キシロン酸、オリゴ糖類、二糖類および単糖類(所望のキシロース以外)、並びにカルボン酸、例えば酢酸、並びにウロン酸を含有する。高モル質量リグノスルホネートはそれ故、限外濾過により低モル質量成分、例えばキシロースから分離されることができる。
【0009】
ナノ濾過を使用して、大きなモル質量を有する化合物、例えばスルフィット古液中に存在するリグノスルホネートを、小さなモル質量を有する化合物、例えばキシロースから分離し、それにより、大きなモル質量を有する化合物(リグノスルホネート)が残留分中に分離され、そして小さなモル質量を有する化合物(キシロース)が透過分中に濃縮されることも既知である。例えば塩からのキシロースのさらなる濃縮が、例えばイオン排除を使用するクロマトグラフィー法で可能である。
【0010】
キシロースの他の単糖類、例えばグルコースからの膜技術による分離は、最新技術には開示されていない。
【0011】
キシロースは典型的に、結晶化により、例えば様々な起源および純度のキシロース含有溶液から回収される。結晶化の前に、セルロース性材料の加水分解の結果として入手されたキシロース含有溶液を、様々な方法、例えば機械的不純物を除去するための濾過、限外濾過、イオン交換、脱色、イオン排除もしくはクロマトグラフィーまたはそれらの組み合わせにより、必要とされる純度まで精製することが原則として必要である。
【0012】
キシロースの例えば古液からの分離は、例えば米国特許第4631129号(スオメン・ソケリ・オイ)において記載されている。このプロセスにおいて、スルフィット古液に二工程クロマトグラフィー分離を受けさせて、実質的に精製された糖類画分(例えばキシロース)と、リグノスルホネート画分とを形成する。第一クロマトグラフィー分画は、二価金属塩形態にある、典型的にカルシウム塩形態にある樹脂を使用して行われ、また第二クロマトグラフィー分画は、一価塩形態にある、例えばナトリウム塩形態にある樹脂を使用して行われる。
【0013】
米国特許第5637225号(キシロフィン・オイ)は、少なくとも二つのクロマトグラフィー部分充填材料ベッドを含む連続クロマトグラフィー擬似移動ベッドシステムによるスルフィット古液の分画のための方法であって、少なくとも一つの単糖類に富んだ画分と、一つのリグノスルホネートに富んだ画分とが入手される方法を開示する。部分充填材料ベッド中の材料は、典型的にCa2+形態にある強酸性カチオン交換樹脂である。
【0014】
米国特許第5730877号(キシロフィン・オイ)は、溶液、例えばスルフィット蒸煮液を、異なるイオン形態にある少なくとも二つのクロマトグラフィー部分充填ベッドを含むシステムを使用するクロマトグラフィー分離方法により分画する方法を開示する。プロセスの第一ループの部分充填ベッドの材料は本質的に二価カチオン形態、例えばCa2+形態にあり、そして最終ループでは本質的に一価カチオン形態、例えばNa形態にある。
【0015】
WO96/27028(キシロフィン・オイ)は、比較的低いキシロース純度、典型的に溶解している乾燥固形分に基いて30ないし60重量%のキシロースを有する溶液からの結晶化および/または沈殿によるキシロースの回収のための方法を開示する。処理されるキシロース溶液は、例えばスルフィットパルプ化液からクロマトグラフィーにより入手される濃縮物であり得る。
【0016】
発明の簡単な要約
本発明の目的は、小さなモル質量を有する化学化合物を、該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を有する化合物から分離する方法を提供することにある。特許請求の範囲に記載された発明のプロセスは、ナノ濾過の使用に基く。
【0017】
本発明に従うと、複雑かつ煩わしいクロマトグラフィー工程またはイオン交換工程は、完全にまたは部分的により複雑でないナノ濾過膜技術により置き換えられることができる。本発明のプロセスは、小さなモル質量を持つ化合物に富み、かつ小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物を本質的に含まない溶液を与える。本発明の一つの態様において、本発明は、キシロースに富み、かつバイオマス加水分解物の慣用の不純物、例えばスルフィットパルプ化古液中に存在するものを含まないキシロース溶液を与える。本発明の他の態様において、本発明は、ベタインに富み、かつ望ましくない単糖類成分、例えばグルコース、エリトリトールおよびイノシトールを含まない溶液を与える。
本発明のより詳細な説明は、以下の記載および添付する特許請求の範囲において与えられる。
【0018】
発明の詳細な説明
本発明の好ましい態様の詳細な説明を今や説明する。
【0019】
本発明は、小さなモル質量を有する化合物を、該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を有する化合物から分離するプロセスに関する。
【0020】
本発明は、
小さなモル質量を持つ化合物と、該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物とを含む出発溶液を用意し、
該溶液に、小さなモル質量を持つ化合物に富んだ画分と、該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物に富んだ画分とを入手するためにナノ濾過を受けさせ、
小さなモル質量を持つ化合物に富んだ画分を回収し、そして
所望により該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物に富んだ画分を回収する
ことを特徴とする。
【0021】
前記小さなモル質量を持つ化合物は典型的に、250g/molまで、好ましくは200g/molまでのモル質量を有する。該小さなモル質量を持つ化合物は典型的に、糖類、糖アルコール、イノシトール、ベタイン、シクロデキストリン、アミノ酸、ウロン酸およびカルボン酸より選択される。該糖類は、ケトース糖類およびアルドース糖類から選択され得る。該糖類は、無水形態またはデオキシ形態にあり得る。該糖アルコールは、ヘキシトール、ペンチトール、テトリトール等より選択され得る。該カルボン酸は、アルドン酸、例えばグルコン酸より選択され得る。
【0022】
前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物は、前記小さなモル質量を持つ化合物より僅かに大きいモル質量を有する化合物である。本発明に関して、該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物は、該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量より高いが、しかし該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を有する化合物に関する。
【0023】
前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物はそれ故、典型的に475g/mol未満、好ましくは380g/mol未満のモル質量を有する。本発明の好ましい態様において、これらの化合物は、該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.5倍まで、即ちそれぞれ375g/molまで、また300g/molまでのモルを有する。
【0024】
小さなモル質量を持つ糖類の例はキシロースおよびアラビノースを含み、それらは、150.13g/molのモル質量を有し、そしてペントース糖類である。カルボン酸の例は、クエン酸(192.13g/mol)および乳酸(90.08g/mol)、グルコン酸(196.16g/mol)およびグルクロン酸(194.14g/mol)を含む。
【0025】
前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ糖類の例は、グルコース(180.16g/mol)、ガラクトース(180.16g/mol)、ラムノース(164.16g/mol)およびマンノース(180.16g/mol)であり、それらはヘキソース糖類である。
【0026】
本発明の一つの態様において、前記小さなモル質量を有する化合物はベタイン(117.15g/mol)であり、またベタインから分離される化合物は、グルコース(180.16g/mol)およびイノシトール(180.16g/mol)である。本発明の他の態様において、ベタインから分離される化合物は、エリトリトール(122.12g/mol)である。
【0027】
本発明はまた、マルトース(342.30g/mol)のマルトトリオース(504.45g/mol)からの分離に適用され得る。
【0028】
本発明のさらなる態様において、本発明は、カルボン酸の、単糖類、例えばケトース糖類、例えばフルクトース(180.16g/mol)およびタガトース(180.16g/mol)からの分離に適用され得る。
【0029】
本発明の典型的な態様において、前記小さなモル質量を有する化合物に富んだ画分は、乾燥物質含量に基いて、前記出発溶液の該化合物の含量の1.1倍以上、好ましくは1.5倍以上、そして最も好ましくは2.5倍以上の該化合物の含量を有する。該小さなモル質量を有する化合物に富んだ画分は典型的に、乾燥物質含量に基いて、前記出発溶液の含量の1.5ないし2.5倍以上の含量を有する。
【0030】
本発明の一つの態様において、前記小さなモル質量を持つ化合物に富んだ画分は、ナノ濾過透過分として回収され、また前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物は、ナノ濾過残留分として回収される。
【0031】
本発明の他の態様において、前記小さなモル質量を持つ化合物に富んだ画分は、ナノ濾過残留分として回収され、また前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物に富んだ画分は、ナノ濾過透過分として回収される。
【0032】
本発明の一つの態様において、前記小さなモル質量を持つ化合物はペントース糖類を含み、また前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物はヘキソース糖類を含む。ペントース糖類は典型的に、キシロースおよびアラビノースを含み、またヘキソース糖類はグルコース、ガラクトース、ラムノースおよびマンノースを含む。該ペントース糖類に富んだ画分はナノ濾過透過分として回収され、また該ヘキソース糖類に富んだ画分はナノ濾過残留分として回収される。
【0033】
本発明の他の態様において、前記小さなモル質量を持つ化合物はキシリトール(152.15g/mol)であり、また前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物はソルビトール(182.17g/mol)である。キシリトールに富んだ画分はナノ濾過透過分として回収され、またソルビトールに富んだ画分はナノ濾過残留分として回収される。
【0034】
本発明の他の態様において、前記小さなモル質量を持つ化合物はベタインより選択され、また該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物はエリトリトールから選択される。本発明のこの態様において、ベタインに富んだ画分は典型的にナノ濾過透過分として回収され、またエリトリトールに富んだ画分はナノ濾過残留分として回収される。本発明の他の態様において、ナノ濾過膜に依存して、ベタインに富んだ画分はナノ濾過残留分として回収され、またエリトリトールに富んだ画分はナノ濾過透過分として回収される。
【0035】
本発明のさらなる態様において、前記小さなモル質量を持つ化合物はベタインより選択され、また該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物はグルコースおよびイノシトールより選択される。本発明のこの態様において、ベタインに富んだ画分はナノ濾過残留分として回収され、またグルコースおよびイノシトールに富んだ画分はナノ濾過透過分として回収される。本発明の他の態様において、ナノ濾過膜に依存して、ベタインに富んだ画分はナノ濾過透過分として回収され、またグルコースおよびイノシトールに富んだ画分はナノ濾過残留分として回収される。
【0036】
ベタインのナノ濾過残留分への分離は典型的に疎水性膜で行われ、一方、ベタインのナノ濾過透過分への分離は典型的に親水性膜で行われる。
【0037】
ベタインは典型的に、バイオマス抽出物、例えば甜菜パルプ抽出物から分離される。出発バイオマス抽出物は、大きい分子、例えば糖類を典型的な成分として含み得る。望ましいベタインがナノ濾過残留分として回収される本発明の態様において、ベタインに富んだ画分はそれ故、大きな分子、例えば糖類を含む。純粋なベタイン画分を入手するために、糖類はベタインから第二ナノ濾過工程を使用して分離されることができる。該ベタインに富んだ画分は、ナノ濾過残留分として回収され、また糖類に富んだ画分は、ナノ濾過残留分として回収される。
【0038】
本発明はまた、一種またはそれ以上のアミノ酸のベタインからの分離に適用され得る。このプロセスは、ベタインと、一種またはそれ以上のアミノ酸とを含む出発溶液を用意し、該溶液に、ベタインに富んだ画分と、一種またはそれ以上のアミノ酸に富んだ画分とを入手するためにナノ濾過を受けさせ、該ベタインに富んだ画分を回収し、そして該一種またはそれ以上のアミノ酸に富んだ画分を回収することを含む。本発明はまた、一種またはそれ以上のアミノ酸のバイオマス加水分解物またはバイオマス抽出物からの分離に適用されることができる。このプロセスにおいて、該バイオマス加水分解物または該バイオマス抽出物にナノ濾過を受けさせ、そして一種またはそれ以上のアミノ酸に富んだ画分が回収される。該一種またはそれ以上のアミノ酸は典型的に、ロイシン、イソロイシン、セリン、プロリンおよびバリンより選択される。
【0039】
本発明はまた、カルボン酸の一種またはそれ以上の単糖類からの分離に適用されることができる。このプロセスは、カルボン酸と、一種またはそれ以上の単糖類とを含む出発溶液を用意し、該溶液に、カルボン酸に富んだ画分と、一種またはそれ以上の単糖類に富んだ画分とを入手するためにナノ濾過を受けさせ、該一種またはそれ以上の単糖類に富んだ画分を回収し、そして該カルボン酸に富んだ画分を回収することを含む。該一種またはそれ以上の単糖類はケトース糖類、特にタガトースより選択され得る。
【0040】
前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物に富んだ画分は、さらに二価イオンに富み得る。
【0041】
前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物に富んだ画分はさらに、小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9ないし4倍のモル質量を持つ化合物、および小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の4倍より大きいモル質量を持つ化合物に富み得る。
【0042】
分離される化合物は本質的に非荷電分子である。
【0043】
本発明に関して、大きなモル質量を持つ化合物は、小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の4倍より大きいモル質量を有する化合物、例えばリグノスルホネートに関する。比較的大きいモル質量を持つ化合物は、小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9ないし4倍のモル質量を有する化合物、例えばオリゴ糖類に関する。
【0044】
本発明のナノ濾過において、イオン性物質、例えば二価イオンは典型的に残留分中に残る。本発明のプロセスにおいて、イオン性物質はそれ故、小さなモル質量を持つ化合物から同時に分離される。
【0045】
本発明のプロセスに従って分子される化合物は典型的に、バイオマス加水分解物、例えばパルプ化プロセスから入手される古液中に存在する。分離される化合物はまた、バイオマス抽出物、例えば甜菜パルプ抽出物中に存在し得る。
【0046】
前記出発溶液の典型的な乾燥物質含量は、3ないし50重量%、好ましくは8ないし25重量%である。該出発溶液中の小さな化合物の含量は典型的に、乾燥物質含量に基いて、5ないし95%、好ましくは15ないし55%、より好ましくは15ないし40%、また特に8ないし27%である。
【0047】
ナノ濾過供給液として使用される前記出発溶液の乾燥物質含量は好ましくは30重量%未満である。
【0048】
前記出発溶液に一つまたはそれ以上の前処理工程を受けさせることができる。該前処理工程は典型的に、イオン交換、限外濾過、クロマトグラフィー、濃縮、pH調節、濾過、希釈、結晶化およびそれらの組合せより選択される。
【0049】
本発明の好ましい態様において、本発明は、キシロース溶液をバイオマス加水分解物から生産するプロセスに関する。本発明のプロセスは、該バイオマス加水分解物をナノ濾過し、そして透過分としてキシロースに富んだ溶液を回収することを特徴とする。
【0050】
本発明において有用なバイオマス加水分解物は、あらゆるバイオマス、典型的にはキシラン含有植物材料の加水分解から入手される。該バイオマス加水分解物は、バイオマスの直接酸加水分解から、予備加水分解(例えば、蒸気または酢酸で)によるバイオマスから入手される予備加水分解物の酵素または酸加水分解から、およびスルフィットパルプ化プロセスから入手されることができる。キシラン含有植物材料は、様々な木種、特に硬木、例えばカバ、ポプラおよびブナからの木材材料、穀物の様々な部分(例えばワラおよび殻、特にトウモロコシおよび大麦の殻並びにトウモロコシ穂軸並びにトウモロコシ繊維)、バガス、ココナッツ殻、綿花表皮等を含む。
【0051】
本発明のプロセスにおいて、出発バイオマス加水分解物のキシロース含量の1.1倍、好ましくは1.5倍、最も好ましくは2.5倍より多いキシロース含量(乾燥物質含量に基いて)を有するキシロース溶液が、例えばバイオマス加水分解物のキシロース含量およびpH並びに使用されるナノ濾過膜に依存して入手される。典型的に、出発バイオマス加水分解物のキシロース含量の1.5ないし2.5倍以上のキシロース含量(乾燥物質含量に基いて)を有するキシロース溶液が、例えばバイオマス加水分解物のキシロース含量およびpH並びに使用されるナノ濾過膜に依存して入手される。
【0052】
本発明に従いキシロースの回収のために使用されるバイオマス加水分解物は典型的に、パルプ化プロセスから入手される古液である。該古液は特に、スルフィットパルプ化古液、特に酸スルフィットパルプ化古液である。該スルフィットパルプ化古液は典型的に、硬木スルフィットパルプ化から入手される。
【0053】
前記出発バイオマス加水分解物、例えば古液の乾燥物質含量は、3ないし50重量%、好ましくは8ないし25重量%である。
【0054】
ナノ濾過供給液の乾燥物質含量は典型的に30%未満である。
【0055】
前記出発バイオマス加水分解物は典型的に、乾燥物質含量に基いて、5ないし95重量%、好ましくは15ないし55重量%、より好ましくは15ないし40重量%、また特に8ないし27重量%のキシロース含量を有する。
【0056】
処理される古液のキシロース含量は典型的に、乾燥物質含量に基いて、10ないし40重量%である。硬木スルフィットパルプ化から直接に入手される古液は、乾燥物質含量に基いて、10ないし20%の典型的なキシロース含量を有する。
【0057】
硬木スルフィットパルプ化古液はまた、キシロース含量に基いて、10ないし30%の典型的な量で他の単糖類をも含有する。該他の単糖類は、グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノースおよびマンノースを含む、さらに、硬木スルフィットパルプ化古液は典型的に、パルプ化化学物質の残留物およびパルプ化化学物質の反応生成物、リグノスルホネート、オリゴ糖類、二糖類、キシロン酸、ウロン酸、金属カチオン、例えばカルシウムカチオンおよびマグネシウムカチオン、並びに硫酸イオンおよび亜硫酸イオンを含む。出発材料として使用されるバイオマス加水分解物はまた、バイオマスの加水分解のために使用された酸の残留物をも含有する。
【0058】
処理される古液は典型的に、パルプ化プロセスから入手されるキシロース含有古液である。本発明において有用な典型的な古液は、キシロース含有スルフィットパルプ化古液であり、それは好ましくは酸スルフィットパルプ化から入手される。該古液は、スルフィットパルプ化から直接に入手され得る。それはまた、濃縮されたスルフィットパルプ化液またはスルフィット蒸煮から入手された側流でもあり得る。それはまた、スルフィットパルプ化液またはスルフィットパルプ化液の限外濾過により得られる透過分から入手されるキシロース含有画分であり得る。さらに、中性蒸煮から入手される後加水分解古液が適している。
【0059】
本発明において有用な古液は好ましくは、硬木パルプ化から入手される。軟木パルプ化から入手された古液、好ましくは例えば発酵によりヘキソースが除去されたものもまた適している。
【0060】
本発明において、処理される古液はまた、バイオマス、典型的にはセルロース材料の酸での消化または加水分解から入手されるあらゆる他の液であり得る。そのような加水分解物は、セルロース材料から、例えば無機酸、例えば塩酸、硫酸または二酸化硫黄での処理により、または有機酸、例えば蟻酸または酢酸での処理により入手されることができる。溶媒をベースとするパルプ化、例えばエタノールをベースとするパルプ化から入手される古液もまた使用され得る。
【0061】
前記プロセスは一つまたはそれ以上の前処理工程をも含み得る。前記ナノ濾過の前の前処理は典型的に、イオン交換、限外濾過、クロマトグラフィー、濃縮、pH調節、濾過、希釈およびそれらの組合せより選択される。該ナノ濾過の前に、出発液はそれ故、例えば限外濾過またはクロマトグラフィーにより好ましく前処理される。さらに、固形物質を除去するための前濾過工程は、該ナノ濾過の前に使用されることができる。該出発液の前処理はまた、例えば蒸発による濃縮および中和を含み得る。該前処理はまた結晶化を含み、それにより該出発液は、例えばキシロースの結晶化から入手された母液であり得る。
【0062】
本発明の他の好ましい態様において、本発明は、ベタインのバイオマス抽出物からの回収に関する。ベタインの回収のための典型的な出発材料は、甜菜パルプ抽出物である。
【0063】
キシロースを回収するためのナノ濾過は典型的に、1ないし7、好ましくは3ないし6.5、最も好ましくは5ないし6.5のpHで行われる。該pHは、出発バイオマス加水分解物の組成およびナノ濾過のために使用される膜および糖類または回収される成分の安定性に依存する。必要ならば、古液のpHはナノ濾過の前に所望の値に調節される。キシロースのパルプ化プロセスから入手される古液からの回収に関する態様において、パルプ化工程においてと同じ試薬、例えばCa(OH)またはMgOが好ましく使用される。
【0064】
ベタインを回収するためのナノ濾過は典型的に、1ないし12、好ましくは4ないし11のpHで行われる。
【0065】
前記ナノ濾過は典型的に、10ないし50bar、好ましくは15ないし35barの圧力で行われる。典型的なナノ濾過温度は、5ないし95℃、好ましくは30ないし80℃の温度である。キシロースを回収するためのナノ濾過は典型的に、5ないし95℃、好ましくは30ないし60℃の温度で行われる。
【0066】
前記ナノ濾過は典型的に、10ないし100L/mhの透過流動で行われる。
【0067】
本発明において使用されるナノ濾過膜は、100ないし2500g/mol、好ましくは150ないし1000g/mol、最も好ましくは150ないし500g/molのカットオフ寸法を有するポリマー膜および無機膜より選択されることができる。
【0068】
本発明において有用な典型的なポリマーナノ濾過膜は例えば、ポリエーテルスルホン膜、スルホン化ポリエーテルスルホン膜、ポリエステル膜、ポリスルホン膜、芳香族ポリアミド膜、ポリビニルアルコール膜およびポリピペラジン膜並びにそれらの組合せを含む。本発明において使用されるナノ濾過膜はまた、セルロースアセテート膜より選択され得る。
【0069】
典型的な無機膜は、例えばZrO膜およびAl膜を含む。
【0070】
キシロースの回収のための好ましいナノ濾過膜は、スルホン化ポリスルホン膜およびポリピペラジン膜より選択される。例えば、特に有用な膜は例えば:Desal−5DKナノ濾過膜(製造者オスモニクス)およびNF−200ナノ濾過膜(製造者ダウ・ドイッチェランド)である。
【0071】
本発明において有用なナノ濾過膜は負電荷または正電荷を有し得る。該膜はイオン性膜であることができ、即ち、それらはカチオン基またはアニオン基を含有し得るが、しかしながら中性膜も有用である。ナノ濾過膜は、疎水性膜および親水性膜より選択され得る。
【0072】
ナノ濾過膜の典型的な形態は平面シート形態である。膜形状はまた、管、螺旋状膜および中空繊維より選択される。“高剪断”膜、例えば振動膜および回転膜もまた使用されることができる。
【0073】
ナノ濾過手順の前に、ナノ濾過膜は例えばアルカリ洗剤またはエタノールで前処理され得る。
【0074】
典型的なナノ濾過操作において、処理される液、例えば古液は、ナノ濾過膜を通し上記した温度条件および圧力条件を使用して供給される。該液はそれ故、キシロースを含む低モル質量画分(透過分)と、古液の望ましくない成分を含む高モル質量画分(残留分)とに分画される。
【0075】
本発明において有用なナノ濾過装置は、供給液を残留分部分と透過分部分とに分割する少なくとも一つのナノ濾過膜要素を含む。ナノ濾過装置は典型的に、圧力および流れを制御する手段、例えばポンプおよびバルブ並びに流量計および圧力計をも含む。該装置はまた、平行にまたは連続して配置された、異なる組合せにある幾つかのナノ濾過要素を含む。
【0076】
透過分の透過流動は本発明に従い変化する。一般に、通常の操作範囲で、圧力が高ければ高い程、透過流動はより高くなる。透過流動はまた温度と共に変化する。操作温度の上昇は透過流動を増加する。しかしながら、より高い温度およびより高い圧力では、膜破壊の傾向が増大する。無機膜については、ポリマー膜についてよりもより高い温度および圧力並びにより高いpH範囲を使用することができる。
【0077】
本発明に従うナノ濾過は、バッチ式または連続式に行われることができる。ナノ濾過手順は、一度または数度繰り返されることができる。供給容器への透過分および/または残留分の再循環(全循環式濾過)もまた使用されることができる。
【0078】
ナノ濾過の前に、前記出発溶液に一つまたはそれ以上の前処理工程を受けさせ得る。該前処理工程は、イオン交換、限外濾過、クロマトグラフィー、濃縮、pH調節、濾過、希釈、結晶化およびそれらの組合せより選択される。
【0079】
前記プロセスはまた、一つまたはそれ以上の後処理工程を含み得る。該後処理工程は典型的に、イオン交換、結晶化、クロマトグラフィー、濃縮および脱色より選択される。
【0080】
ナノ濾過後、キシロースは透過分から、例えば結晶化により回収され得る。ナノ濾過された溶液は、結晶化のためにそのままで、さらなる精製工程および分離工程なしに使用されることができる。所望により、ナノ濾過されたキシロース含有液に、例えばクロマトグラフィー、イオン交換、蒸発もしくは逆浸透による濃縮、または脱色によるさらなる精製を受けさせることができる。キシロースにまた、例えば触媒水素化による還元を受けさせて、キシリトールを入手することもできる。
【0081】
前記プロセスはまた、リグノスルホネート類、ヘキソース類、オリゴ糖類および塩類に富んだ溶液を残留分として回収するさらなる工程をも含み得る。
【0082】
本発明の典型的な態様において、ペントース類に富んだ溶液が透過分として回収され、またヘキソース類に富んだ溶液が残留分として回収される。さらに、二価塩類に富んだ溶液が残留分として入手される。
【0083】
本発明はまた、バイオマス加水分解物、例えば古液の乾燥物質含量を調節することによる透過分のキシロース含量を調節する方法を提供する。
【0084】
本発明はまた、本発明により入手されたキシロース溶液に関する。さらに本発明は、こうして入手されたキシロース溶液のキシリトールの生成のための使用に関する。キシリトールは、例えば触媒水素化により、入手されたキシロース生成物を還元することにより入手される。
【0085】
本発明の好ましい態様は以下の例により詳細に記載されるが、それらは本発明の範囲を制限すると解釈されない。
【0086】
実施例において並びに明細書および特許請求の範囲を通して、以下の定義が使用される:
DSは、カール・フィッシャー滴定により測定され、重量%として表される乾燥物質含量に関する。
RDSは、重量%として表される、屈折率乾燥物質含量に関する。
【0087】
透過流動は、膜表面の1平方メートル当りで計算された、ナノ濾過膜を通して1時間の間に透過する溶液の量(リットル)L/(m時)に関する。
汚水度は、ナノ濾過の前後に測定された純水の透過流動値の百分率差に関する:
汚水度(%)=[(PWFb−PWFa)/PWFb]×100
[式中、PWFbは、キシロース溶液のナノ濾過前の純水の透過流動を表し、そしてPWFaは、同圧力下でキシロース溶液のナノ濾過後の純水の透過流動を表す。]。
残留率は、膜により残留させられた測定化合物の比率に関する。残留率値が高ければ高い程、膜を通して移動する化合物の量は少なくなる:
残留率(%)=[(供給−透過)/供給]×100
[式中、“供給”は、供給溶液中の化合物の濃度(例えばg/Lにおいて表される)に関し、また“透過”は、透過溶液中の化合物の濃度(例えばg/Lにおいて表される)に関する。]。
HPLCは、液体クロマトグラフィーに関する。
【0088】
以下の膜を実施例において使用した:
−Desal−5DK(ポリエステル層、ポリスルホン層および二つの特許層からなり、150ないし300g/molのカットオフ寸法、5.4L/(m時bar)の透過率(25℃)、および98%(2g/L)のMgSO−保持率を有する四層膜、製造者オスモニクス)、
−Desal−5DL(ポリエステル層、ポリスルホン層および二つの市販層からなり、150ないし300g/molのカットオフ寸法、7.6L/(m時bar)の透過率(25℃)、96%(2g/L)のMgSO−保持率を有する四層膜、製造者オスモニクス)、
−NTR−7450(500ないし1000g/molのカットオフ寸法、9.4L/(m時bar)の透過率(25℃)、51%(5g/L)のNaCl−保持率を有するスルホン化ポリエーテルスルホン膜、製造者ニットー・デンコー)、および
−NF−200(200g/molのカットオフ寸法、7〜8L/(m時bar)の透過率(25℃)、70%のNaCl−保持率を有するポリピペラジン膜、製造者ダウ・ドイッチュランド)、
−TS−80(製造者トリセプ)、
−ATF−60(製造者PTIアドバンスト・フィルタレーション・インコーポレイテッド)、
−DesalAG(製造者オスモニクス)、
−DesalG10(2500g/molのカットオフ寸法、3.4L/(m時bar)の透過率(25℃)、10%のNaCl−保持率、95%のデキストラン(1500g/mL)の保持率、50%のグルコースの保持率を有する芳香族ポリアミド/ポリスルホン材料の薄フィルム膜、製造者オスモニクス)、
−ASP10(ポリスルホン上のスルホン化ポリスルホンからなり、16L/(m時bar)の透過率(25℃)、10%のNaCl−保持率を有する膜、製造者アドバンスト・メンブレン・テクノロジー)、
−TS40(全芳香族ポリアミドからなり、5.6L/(m時bar)の透過率(25℃)を有する膜、製造者トリセプ)、
−ASP20(ポリスルホン上のスルホン化ポリスルホンからなり、12.5L/(m時bar)の透過率(25℃)、20%のNaCl−保持率を有する膜、製造者アドバンスト・メンブレン・テクノロジー)、
−UF−PES−4H(ポリプロピレン上のポリエーテルスルホンからなり、約4000g/molのカット−オフ寸法、7ないし17L/(m時bar)の透過率(25℃)を有する膜、製造者ヘキスト)、
−NF−PES−10(1000g/molのカット−オフ寸法、5ないし11L/(m時bar)の透過率(25℃)、15%未満(5g/L)のNaCl−保持率を有するポリエーテルスルホン膜、製造者ヘキスト)、
−NF45(芳香族ポリアミドからなり、4.8L/(m時bar)の透過率(25℃)、45%のNaCl−保持率を有する膜、製造者ダウ・ドイッチュランド)。
【0089】
実施例I
様々なナノ濾過膜を様々なpH値で使用するキシロースのスルフィットパルプ化古液からの分離
本実施例は、キシロースの分離におけるナノ濾過(濾過C1、C3、C6およびC8)の性能についての膜およびpHの影響を説明する。処理する液は、カバパルプ化から入手したMg2+形態にあるイオン交換樹脂を使用してクロマトグラフィー精製したMgをベースとするスルフィットパルプ化古液の結晶化の希釈流出液である。該溶液のpHをMgOで所望の値(表I参照)に調節した。ナノ濾過の前に、該液を、希釈により(濾過C1およびC3)、濾紙を通した濾過により(濾過C6)、または濾紙を通した濾過と組み合わせたMgO投与で(濾過C7およびC8)前処理した。
バッチ式ナノ濾過を、0.0046mの膜面積を有する矩形直交流平面シートモジュールからなる実験室ナノ濾過装置を使用して行った。透過分と残留分との双方を供給容器に再循環した(全循環式濾過)。供給体積は20リットルであった。濾過の間、直交流速度は6m/秒であり、圧力は18barであった。温度は40℃で維持した。
表Iは全循環式濾過の結果を表す。表Iにおける透過流動値は濾過の3時間後に測定した。表Iは、供給液中の乾燥物質含量(DS)(%)、供給液中および透過分中のキシロース含量(乾燥物質含量に基く)、18barの圧力での透過分透過流動、並びに汚水度により引き起こされた透過流動減少を表す。膜はDesal−5DKおよびNTR−7450であった。
【表1】
Figure 2004519321
二つの膜の平均値
表Iの結果は、ナノ濾過が供給液の濃度の1.5ないし2.5倍のキシロース濃度を与えたことを表す。供給液中のpHが高いとき、透過分中のRDSでのキシロース含量は高い。透過分中のRDSでのキシロース含量は例えば、pHが5.9または6.1であるときに高い。さらに、透過流動は、より高いpH値では二倍にまで改良される。高pHでのDesal−5DK膜は、最良の結果を与えた。
【0090】
実施例II
様々な温度でのキシロースの分離
温度の効果を、実施例1と同じ装置および同じ古液溶液を使用して研究した。ナノ濾過の間の温度を、25℃から55℃まで上昇させた。膜はDesal−5DKであり、またナノ濾過条件は以下のものであった:pH3.4、圧力16bar、直交流速度6m/秒、DS7.8%。供給液濃度および圧力は実験の間一定に維持した。
表IIは、乾燥物質含量に基く、供給液中および透過液中のキシロース含量を表す(浸透分の値は二つの膜の平均値である。)。
【表2】
Figure 2004519321
表IIの結果は、温度が高ければ高い程、キシロースのより高い濃度を入手できることを表す。
【0091】
実施例III
前処理として限外濾過を使用するキシロースの分離
(A)限外濾過での前処理
濃縮式限外濾過DU1およびDU2をREフィルター(回転強化フィルター)を使用して行った。このフィルターにおいて、ブレードは膜表面の近傍を回転し、濾過の間の濃度の分極化を最小限にする。該フィルターは自家製直交回転フィルターであった。回転速度は700rpmである。濾過DU1において、膜はC5F・UF(5000g/molのカットオフ寸法を有する再生セルロースの膜、製造者ヘキスト/セルガード)であった。濾過DU2において、膜はDesalG50(2500g/molのカットオフ寸法を有する薄フィルム膜、製造者オスモニクス/ディーザル)であった。
濃縮式濾過を、カバパルプ化から入手したMgをベースとするスルフィットパルプ化古液を使用して為した。濾過は、35℃の温度および3.6のpHで行った。結果を表IIIaに表す。
【表3】
Figure 2004519321
(B)ナノ濾過
流出分を収集する1日の実験室規模実験を、実施例1でと同じ装置で行った(濾過DN1およびDN2)。処理する液は、カバパルプ化から入手したMgをベースとするスルフィットパルプ化古液であった。
濾過DN1において、限外濾過した古液(C5F膜を使用するDU1)を、供給溶液として使用した。該溶液のpHをMgOを使用して4.5に調節し、そして該液をナノ濾過の前に濾紙を通して前濾過した。ナノ濾過を19barの圧力および40℃の温度で行った。
濾過DN2を、希釈した元来の古液を使用して行った。そのpHを4.8に調節し、そして該溶液をナノ濾過の前に濾紙を通して前濾過した。ナノ濾過を17barの圧力および40℃の温度で行った。約20時間の濾過の後、5リットルの浸透分体積および20リットルの濃縮分体積を入手した。
濾過DN1とDN2との双方を、6m/秒の直交流速度で行った。汚水度は双方の濾過において約1%であった。双方の濾過におけるナノ濾過膜は、Desal−5DKであった。
各々の濾過DN1およびDN2において、ナノ濾過膜を三つの異なる方法で前処理した:(1)前処理無し、(2)膜をエタノールで洗浄、および(3)膜をアルカリ洗剤で洗浄。
結果を表IIIbにおいて説明する。
【表4】
Figure 2004519321
(N.A.=未分析)
表IIIbの結果は、ナノ濾過から入手した浸透分の乾燥固形分におけるキシロースの比率が、前処理工程として限外濾過を使用したときに幾らか変化したことを表す。他方、エタノールまたはアルカリ洗剤での膜の洗浄は、キシロース含量を顕著に増加させた。
【0092】
実施例IV
様々な圧力でのキシロースの分離
実験DS1を、全循環式濾過で操作するDSSラブスタク濾過装置(製造者ダニシュ・セパレーション・システムAS、デンマーク国)を使用して行った。処理する液は、実施例IIIにおいてと同じであった。温度は35℃であり、流速は4.6L/分であった。膜はDesal−5DKであった。実験の前に、古液のpHを4.5に調節し、そして該液を濾紙を通して前濾過した。
結果を表IVaに表す。
【表5】
Figure 2004519321
さらなる実験(濾過DV1およびDV2)を、高剪断比率フィルターである、V・SEPフィルター(製造者ニュー・ロジック)を使用して行った。その効率は、膜表面に高剪断力を引き起こす振動運動に基く。濾過DV1において、供給液濃度は、容器への新たな濃縮された供給液の添加により濾過の間に増加した。同時に、圧力もまた増加した。表Vは、二つの供給液乾燥固形分濃度での供給液中および透過分中の乾燥固形分含量に基くキシロース含量を表す。
【表6】
Figure 2004519321
表IVaおよびIVbの結果から、ナノ濾過圧力および供給液中の乾燥固形分含量の同時の増加が、透過分のキシロース含量を増加させたことが解る。
【0093】
実施例V
供給乾燥固形分の様々な値でのキシロースの分離
処理する液は、実施例IIIの濾過DU2からの限外濾過した液である(限外濾過をオスモニクス/ディーザルからのDesalG10膜で行った。)。ナノ濾過を30barの圧力、35℃の温度および5.3のpHで行った。ナノ濾過膜はDesal−5DK、Desal−5DLおよびNF200であった。
膜性能についての供給液乾燥固形分含量の効果を表Vに表す。
【表7】
Figure 2004519321
比較目的のために、他の炭水化物(キシロースに加え)、オリゴ糖類、キシロン酸、金属カチオン(Ca2+およびMg2+)並びに亜硫酸イオンおよび硫酸イオンの含量を、三つの異なる濃度(供給液試料)での濃縮式限外濾過(DS4)から取った試料から、および三つの異なるナノ濾過膜でのナノ濾過から入手した対応する浸透分(浸透分試料)から分析した。
結果を表Vaで説明する。表Vaにおいて、試料番号A、BおよびCは、5.6、10.3および18.5の三つの異なる乾燥物質含量(DS)での濃縮式濾過における供給液(DesalG10膜で限外濾過された液)から取った試料に関し、試料番号D、EおよびFは、Desal−5DK膜でのナノ濾過から入手した透過分から取った対応する試料に関し、試料番号G、HおよびIは、Desal−5DL膜でのナノ濾過から入手した透過分から取った対応する試料に関し、また試料番号J、KおよびLは、NF200膜でナノ濾過から入手した透過分から取った対応する試料に関する。
表Vaにおいて、炭化水素の含量は、Pb2+形態イオン交換カラムおよびRI検出でのHPLCを使用して、二糖類はNa形態イオン交換カラムを使用して、またキシロン酸の含量はアニオン交換カラムおよびPED検出でのHPLCを使用して分析した。
さらに、表Vbは、18.5%の乾燥物質含量での供給液(上記試料C)の、並びに対応する透過分試料(上記試料F、IおよびL)の炭化水素含量および幾つかの他の分析結果を表す(前処理工程としての限外濾過;ナノ濾過条件:35℃、30bar、pH5.3、供給液中のDS18.5%、DSSラブスタクM20)。
【表8】
Figure 2004519321
n.a.=未分析
n.d.=未検出
【表9】
Figure 2004519321
表VaおよびVbは、本質的な量の二糖類、キシロン酸、マグネシウムおよび硫酸イオンをキシロース溶液から除去しつつ、ナノ濾過が効率的に浸透分中のペントース類、例えばキシロースおよびアラビノースを濃縮したことを表す。ヘキソース類、例えばグルコース、ガラクトース、ラムノースおよびマンノースは、浸透分中に濃縮されない。
キシロース溶液の純度はそれ故、ナノ濾過により効率的に増加させることができる。さらに、ナノ濾過は、98%の二価イオンを除去することにより、古液を脱塩する。
【0094】
実施例VI
キシリトールおよびソルビトールの分離
この実施例は、キシリトールおよびソルビトールを、これら二つの化合物を含む供給溶液からナノ濾過で分離することを説明する。該ナノ濾過は、DSSラブスタクM20フィルターで、約0.6m/秒の直交流速度、50℃の温度、18barの圧力および7ないし8の範囲のpHを使用して行った。ナノ濾過膜は、Desal−5DK、Desal−5DLおよびTS−80であった。該ナノ濾過は二工程で行った:始めに、50%の体積減少までのバッチ式濃縮濾過、次いで、透析濾過の開始時の供給体積と同量の透過液が入手される限りの一定供給体積での透析濾過。双方のナノ濾過工程(バッチ式濃縮濾過および透析濾過)において、濃縮液を供給液に再循環した。最初のナノ濾過工程の供給液(供給液1)のRDSは、10.4g/100gであった。第二工程の供給液(供給液3、透析濾過の終了で)のRDSは10.6g/100gであった。表VIは、キシリトールおよびソルビトールの含量(RDSでの%で)、並びに二つの供給液(供給液1および供給液3)中および三つの異なる膜での各供給液のナノ濾過から入手したナノ濾過透過分中のキシリトールとソルビトールとの比率を表す。
【表10】
Figure 2004519321
キシリトール(152.15g/mol)はソルビトール(182.17g/mol)より好ましく浸透した。キシリトールはナノ濾過透過分中に濃縮され、そしてそれ故、ナノ濾過残留分中に残留するソルビトールから分離することができる。
【0095】
実施例VII
アラビノースおよびラムノースのの分離
この実施例は、約10%のDSを有し、またDSで60%のアラビノースおよびDSで40%のラムノースを含有する供給溶液からアラビノースおよびラムノースの分離を説明する。ナノ濾過は、DSSラブスタクM20フィルターで、約0.6m/秒の直交流速度、50℃の温度、21barの圧力および7のpHを使用して行った。ナノ濾過膜は、ATF−60、Desal−5DK、Desal−5DLおよびTS−80であった。該ナノ濾過は二工程で行った:始めに、50%の体積減少までのバッチ式濃縮濾過、次いで、透析濾過の開始時の供給体積と同量の透過液が入手される限りの一定供給体積での透析濾過。双方のナノ濾過工程(バッチ式濃縮濾過および透析濾過)において、濃縮液を供給液に再循環した。表VIIは、供給液中および四つの異なる膜でのナノ濾過から入手したナノ濾過透過分中のアラビノースとラムノースとの比率を表す。
【表11】
Figure 2004519321
アラビノース(150.13g/mol)のラムノース(164.16g/mol)との比率は、供給液中よりも透過液中で約二倍高かった。ペントース糖としてのアラビノースはナノ濾過透過分中に濃縮され、そしてそれ故、ナノ濾過残留分中に残留するラムノース(ヘキソース糖)から分離されることができる。
【0096】
実施例VIII
エリトリトールおよびグリセロールからのベタインの分離
この実施例は、エリトリトールおよびグリセロールからのベタインの分離を説明する。9%のDSを持つ供給溶液は、20.5g/Lの量のベタイン、24g/Lの量のエリトリトール、および45.3g/Lの量のグリセロールを含有した。ナノ濾過は、DSSラブスタクM20フィルターで、約0.6m/秒の直交流速度、70℃の温度、17barの圧力および7.3のpHを使用して行った。ナノ濾過膜は、DesalAG、NF45、Desal−5DLおよびDesal−5DKであった。該ナノ濾過の結果を表VIIIにおいて説明する。
【表12】
Figure 2004519321
ベタイン(117.15g/mol)の残留率は、エリトリトール(122.12g/mol)およびグリセロール(92.09g/mol)の残留率より顕著に高かった。
【0097】
実施例IX
グルコース、イノシトールおよびエリトリトールからのベタインの分離
この実施例は、グルコース、イノシトールおよびエリトリトールからのベタインの分離を説明する。元来の供給溶液は8.8g/100gのRDSを有し、またDSで20%の等量で全四つの化合物を含有していた。ナノ濾過は、DSSラブスタクM20フィルターで、約0.6m/秒の直交流速度、70℃の温度、18barの圧力および6.9のpHを使用して行った。ナノ濾過膜は、Desal−5DKおよびDesal−5DLであった。該ナノ濾過は二工程で行った:始めに、50%の体積減少までのバッチ式濃縮濾過、次いで、透析濾過の開始時の供給体積と同量の透過液が入手される限りの一定供給体積での透析濾過。表IXは、供給液中の各化合物の含量および透析濾過後の各化合物の残留率(%)を表す。
【表13】
Figure 2004519321
ベタイン(117.15g/mol)の残留率は90%にも達した。ベタインのエリトリトール(122.12g/mol)からの分離は、それらのモル質量における差異が非常に小さいにも関わらず非常に明瞭であった。
【0098】
実施例X
グルコースおよびイノシトールからのベタインの分離
この実施例は、NTR−7450ナノ濾過膜を使用する、グルコースおよびイノシトールからのベタインの分離を説明する。元来の供給溶液は8.8g/100gのRDSを有し、またDSで20%の等しい量で全三つの化合物を含有していた。ナノ濾過は、DSSラブスタクM20フィルターで、約0.6m/秒の直交流速度、70℃の温度、18barの圧力および6.9のpHを使用して行った。該ナノ濾過は二工程で行った:始めに、50%の体積減少までのバッチ式濃縮濾過、次いで、透析濾過の開始時の供給体積と同量の透過液が入手される限りの一定供給体積での透析濾過。表Xは、残留率(%)および透析濾過後の供給液組成(g/L)を表す。
【表14】
Figure 2004519321
NTR−7450膜はベタインを残留させず、そしてグルコースおよびイノシトールの残留率は、ベタインの残留率より良好であった。ベタインはそれ故、ナノ濾過透過分中に濃縮された。
【0099】
実施例XI
この実施例はマルトースのマルトトリオースからの分離を説明する。
処理する液は、RDSで約84%または液重量で約7.6〜7.8%のマルトース含量、RDSで約8.5ないし8.8または液重量で約0.8%のマルトトリオース含量、および約9.2重量%の乾燥物質含量を有するマルトースシロップであった。
九つの異なるナノ濾過膜でのバッチ式ナノ濾過を、0.0046mの膜面積を有する矩形直交流平面シートモジュールからなる実験室ナノ濾過装置を使用して行った。該ナノ濾過装置は三つのナノ濾過要素を並列に含み、それにより三つの異なる膜を同時に同じ供給液で試験できた。全ての試験における供給体積は20リットルであった。ナノ濾過前に、膜を水で洗浄した。
ナノ濾過温度は約35℃であった。最初の三つの濾過(試験1ないし14)において、pHは6と7との間であった。第四の濾過(試験15ないし19)において、pHは4.5であった。
第一の濾過(試験1ないし6)において、圧力は、8barから18barまで徐々に増加させた。続く濾過(試験7ないし19)は、18barの圧力で為した。全ての試験は6m/秒の直交流速度で行った。
液重量(液重量の%)および/またはRDS(RDSの%)での炭化水素(マルトトリオースおよびマルトース)の含量は、ナノ濾過前の供給液から、九つの異なるナノ濾過膜でのナノ濾過から入手した透過分から、およびナノ濾過後の供給液(ナノ濾過から入手した残留分)から分析した。さらに、金属イオン(Na、Ca)の含量(mg/kgRDS)並びにマルトースとマルトトリオースとの比率を同じ試料から測定した。ナノ濾過試験の結果を表XIおよびXIIで説明する。
表XIおよびXIIの結果は、試験した膜がマルトースより高い比率のマルトトリオースを残留させ、透過分中のマルトースのマルトトリオースとの比率における明らかな増加を生じたことを表す。最良の結果は、NTR−7450膜およびDesalG10膜で得られた。例えば、DesalG10膜で、透過分中のマルトースとマルトトリオースとの比率は、ナノ濾過前の供給液中の対応する比率と比較して約28倍であった。結果はまた、オリゴ糖類はナノ濾過膜により殆ど完全に保持されることを表す。
結論として、マルトトリオースはそれ故、ナノ濾過を使用してマルトースから効率的に分離されることができる。
【表15】
Figure 2004519321
(続く)
(続き)
【表16】
Figure 2004519321
【表17】
Figure 2004519321
(続く)
(続き)
【表18】
Figure 2004519321
【0100】
実施例XII
供給液中の様々なマルトース濃度でのマルトースのマルトトリオースからの分離
この実施例は、供給液中の異なるマルトース濃度での、マルトトリオースおよび他のオリゴマー類からのマルトースの分離を説明する。ナノ濾過に使用される液は、クロマトグラフィー分離から入手した画分またはその混合物であった。供給液は、様々なマルトース濃度(それぞれ3.9、7.3、10.7および15.0g/100g)、および14.3ないし15.7%の範囲内のDS(ナノ濾過供給液のDS値は略同じであった。)を有する。ナノ濾過を、NTR7450ナノ濾過膜、25ないし30barのナノ濾過圧、約0.6m/秒の流速、および35℃の温度を使用して行った。
結果を表XIIIにおいて説明する。オリゴマー類は、マルトトリオースを含む3またはそれより高い重合度を持つオリゴマー類に関する。
【表19】
Figure 2004519321
オリゴマー類(マルトトリオースを含む)の残留率は、より高い濃度でさえ高く保持されたが、一方、マルトースの残留率は供給液中のマルトースの濃度が増加すると共に減少した。マルトースの透過はそれ故、マルトース濃度が増加すると共に増加した。これにより、マルトースのマルトトリオースおよび他のオリゴ糖類からの分離は、供給液中のマルトース濃度を増加させることで改良される。
【0101】
実施例XIII
アミノ酸およびベタインの分離
この実施例は、Desal−5DL膜およびDesal−5DK膜を使用するアミノ酸(セリンおよびプロリン)のベタインからの分離を説明する。供給溶液は、ベタインおよびアミノ酸を含有し、また2.6ないし3.0g/100gの範囲内のDSを有した。ナノ濾過は、約0.6m/秒の流速、70℃の温度、16barないし25barの圧力および約10のpHを使用して行った。平均残留率として表される結果を表XIVで説明する。
【表20】
Figure 2004519321
プロリンはベタインおよびセリンより明らかに分離された。
【0102】
上記の一般的な議論および実験例は、本発明の説明であることのみが意図され、そして制限すると解釈されない。本発明の真意および範囲の内の他の変法が可能であり、そしてそれらは当業者に示されるだろう。

Claims (67)

  1. 小さなモル質量を持つ化合物を、該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を有する化合物から分離するプロセスであって、
    小さなモル質量を持つ化合物と、該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物とを含む出発溶液を用意し、
    該溶液に、小さなモル質量を持つ化合物に富んだ画分と、該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物に富んだ画分とを入手するためにナノ濾過を受けさせ、
    該小さなモル質量を持つ化合物に富んだ画分を回収し、そして
    所望により該小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物に富んだ画分を回収する
    ことを特徴とするプロセス。
  2. 前記小さなモル質量を持つ化合物は、250g/molまで、好ましくは200g/molまでのモル質量を有することを特徴とする、請求項1記載のプロセス。
  3. 前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を有する化合物は、前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.5倍までのモル質量を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 前記小さなモル質量を有する化合物に富んだ画分は、乾燥物質含量に基いて、前記出発溶液の該化合物の含量の1.1倍以上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2.5倍以上、また最も好ましくは3.5倍以上の該化合物の含量を有することを特徴とする、請求項1ないし3のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記小さなモル質量を有する化合物に富んだ画分は、乾燥物質含量に基いて、前記出発溶液の該化合物の含量の1.5ないし3.5倍以上の該化合物の含量を有することを特徴とする、請求項4記載のプロセス。
  6. 前記小さなモル質量を持つ化合物に富んだ画分は、ナノ濾過透過分として回収されることを特徴とする、請求項1ないし5のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物に富んだ画分は、ナノ濾過残留分として回収されることを特徴とする、請求項6記載のプロセス。
  8. 前記小さなモル質量を持つ化合物に富んだ画分は、ナノ濾過残留分として回収されることを特徴とする、請求項1ないし5のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物に富んだ画分は、ナノ濾過透過分として回収されることを特徴とする、請求項8記載のプロセス。
  10. 前記小さなモル質量を持つ化合物は、糖類、糖アルコール、イノシトール、ベタイン、シクロデキストリン、アミノ酸、ウロン酸およびカルボン酸より選択されることを特徴とする、請求項1ないし9のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  11. 前記小さなモル質量を持つ化合物はペントース糖類を含み、また前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物はヘキソース糖類を含むことを特徴とする、請求項10記載のプロセス。
  12. 前記ペントース糖類はキシロースおよびアラビノースを含み、また前記ヘキソース糖類はグルコース、ガラクトース、ラムノースおよびマンノースを含むことを特徴とする、請求項11記載のプロセス。
  13. ペントース糖類に富んだ画分はナノ濾過透過分として回収され、またヘキソース糖類に富んだ画分はナノ濾過残留分として回収されることを特徴とする、請求項11または12に記載のプロセス。
  14. 前記小さなモル質量を持つ化合物はキシリトールから選択され、また前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物はソルビトールから選択されることを特徴とする、請求項10記載のプロセス。
  15. キシリトールに富んだ画分はナノ濾過透過分として回収され、またソルビトールに富んだ画分はナノ濾過残留分として回収されることを特徴とする、請求項14記載のプロセス。
  16. 前記小さなモル質量を持つ化合物はベタインから選択され、また前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物はエリトリトールから選択されることを特徴とする、請求項10記載のプロセス。
  17. 前記小さなモル質量を持つ化合物はベタインから選択され、また小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物はグルコースおよびイノシトールから選択されることを特徴とする、請求項10記載のプロセス。
  18. 前記出発溶液はバイオマス加水分解物またはバイオマス抽出物を含むことを特徴とする、請求項1ないし17のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  19. 前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物に富んだ画分は、さらに二価イオンに富んでいることを特徴とする、請求項1ないし7および11ないし13のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  20. 前記小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9倍未満のモル質量を持つ化合物に富んだ画分は、さらにモル質量を持つ化合物のモル質量の1.9ないし4倍のモル質量を持つ化合物、および小さなモル質量を持つ化合物のモル質量の4倍以上のモル質量を持つ化合物に富んでいることを特徴とする、請求項19記載のプロセス。
  21. 前記出発溶液に一つまたはそれ以上の前処理工程を受けさせることを特徴とする、請求項1ないし20のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  22. 前記前処理工程は、イオン交換、限外濾過、クロマトグラフィー、濃縮、pH調節、濾過、希釈、結晶化およびそれらの組合せより選択されることを特徴とする、請求項21記載のプロセス。
  23. 前記出発溶液は、3ないし50重量%、好ましくは8ないし25重量%の乾燥物質含量を有することを特徴とする、請求項1ないし22のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  24. 前記出発溶液は、乾燥物質含量に基いて、5ないし95%、好ましくは15ないし55%、より好ましくは15ないし40%、また特に8ないし27%の前記小さなモル質量を持つ化合物の含量を有する、請求項1ないし23のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  25. ナノ濾過供給液として使用される前記出発溶液は、30重量%未満の乾燥物質含量を有することを特徴とする、請求項1ないし24のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  26. ナノ濾過は、1ないし12、好ましくは4ないし11のpHで行われることを特徴とする、請求項1ないし25のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  27. ナノ濾過は、10ないし50bar、好ましくは15ないし35barの圧力で行われることを特徴とする、請求項1ないし26のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  28. ナノ濾過は、5ないし95℃、好ましくは30ないし80℃の温度で行われることを特徴とする、請求項1ないし27のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  29. 前記ナノ濾過は、2ないし100リットル/mh、好ましくは10ないし60リットル/mhの透過流動で行われることを特徴とする、請求項1ないし28のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  30. ナノ濾過は、100ないし2500g/molのカットオフ寸法を有するポリマー膜および無機膜より選択されるナノ濾過膜を使用して行われることを特徴とする、請求項1ないし29のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  31. 前記ナノ濾過膜のカットオフ寸法は150ないし1000g/molであることを特徴とする、請求項30記載のプロセス。
  32. 前記ナノ濾過膜のカットオフ寸法は150ないし500g/molであることを特徴とする、請求項31記載のプロセス。
  33. 前記ナノ濾過膜はイオン性膜より選択されることを特徴とする、請求項30ないし32のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  34. 前記ナノ濾過膜は親水性膜より選択されることを特徴とする、請求項30ないし32のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  35. 前記ナノ濾過膜は疎水性膜より選択されることを特徴とする、請求項30ないし32のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  36. 前記ナノ濾過膜は、セルロースアセテート膜、ポリエーテルスルホン膜、スルホン化ポリエーテルスルホン膜、ポリエステル膜、ポリスルホン膜、芳香族ポリアミド膜、ポリビニルアルコール膜およびポリピペラジン膜並びにそれらの組合せより選択されることを特徴とする、請求項30ないし32のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  37. 前記ナノ濾過膜は、スルホン化ポリエーテルスルホン膜およびポリピペラジン膜より選択されることを特徴とする、請求項36記載のプロセス。
  38. 前記ナノ濾過膜は、NF−200、Desal−5DK、ATF60、NF45およびNTR−7450の膜より選択されることを特徴とする、請求項35ないし37のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  39. 前記ナノ濾過膜の形態は、シート、管、螺旋状膜および中空繊維より選択されることを特徴とする、請求項30ないし38のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  40. 前記ナノ濾過膜は高剪断型膜より選択されていることを特徴とする、請求項30ないし39のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  41. 前記ナノ濾過膜は洗浄により前処理されることを特徴とする、請求項1ないし40のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  42. 洗浄剤は、エタノールおよび/またはアルカリ洗剤より選択されることを特徴とする、請求項41記載のプロセス。
  43. 前記ナノ濾過プロセスは少なくとも一度繰り返されることを特徴とする、請求項1ないし42のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  44. 前記プロセスはバッチ式または連続式に行われることを特徴とする、請求項1ないし43のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  45. 前記プロセスは、平行にまたは連続して配置された幾つかのナノ濾過要素を含むナノ濾過装置を使用して行われることを特徴とする、請求項1ないし44のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  46. 前記出発溶液に一つまたはそれ以上の前処理工程を受けさせることを特徴とする、請求項1ないし45のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  47. 前記前処理工程は、イオン交換、限外濾過、クロマトグラフィー、濃縮、pH調節、濾過、希釈、結晶化およびそれらの組合せより選択されることを特徴とする、請求項46記載のプロセス。
  48. 前記プロセスはまた、一つまたはそれ以上の後処理工程を含むことを特徴とする、請求項1ないし47のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  49. 前記後処理工程は、イオン交換、結晶化、クロマトグラフィー、濃縮および脱色より選択されることを特徴とする、請求項48記載のプロセス。
  50. 前記バイオマス加水分解物にナノ濾過を受けさせ、そしてナノ濾過透過分としてキシロースに富んだ溶液を回収することを特徴とする、キシロースをバイオマス加水分解物から分離するための、請求項1ないし7、10ないし13および18ないし48のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  51. 前記出発溶液の乾燥物質含量は、3ないし50重量%、好ましくは8ないし25重量%であることを特徴とする、請求項50記載のプロセス。
  52. 前記出発溶液は、乾燥物質含量に基いて、5ないし95重量%、好ましくは15ないし55重量%、より好ましくは15ないし40重量%、また特に8ないし27重量%のキシロース含量を有することを特徴とする、請求項50または51に記載のプロセス。
  53. 前記ナノ濾過は、1ないし7、好ましくは3ないし6.5、最も好ましくは5ないし6.5のpHで行われることを特徴とする、請求項50ないし52のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  54. 前記ナノ濾過は、5ないし95℃、好ましくは30ないし60℃の温度で行われることを特徴とする、請求項50ないし53のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  55. 前記出発溶液は、パルプ化プロセスから入手される古液であることを特徴とする、請求項50ないし54のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  56. 前記パルプ化プロセスから入手される古液は、スルフィットパルプ化古液であることを特徴とする、請求項55記載のプロセス。
  57. 前記プロセスは、リグノスルホネート類、ヘキソース糖類、オリゴ糖類および二価塩類に富んだ溶液を残留分として回収するさらなる工程を含むことを特徴とする、請求項50ないし56のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  58. 前記バイオマス抽出物にナノ濾過を受けさせ、そしてベタインに富んだ画分を回収することを特徴とする、ベタインをバイオマス抽出物から分離するための、請求項1ないし10、16ないし18および21ないし49のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  59. 前記ベタインに富んだ画分はナノ濾過透過分として回収されることを特徴とする、請求項58記載のプロセス。
  60. 前記ベタインに富んだ画分はナノ濾過残留分として回収されることを特徴とする、請求項58記載のプロセス。
  61. 前記バイオマス抽出物は甜菜パルプ抽出物であることを特徴とする、請求項58ないし60のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  62. ベタインと、一種またはそれ以上のアミノ酸とを含む出発溶液を用意し、
    該溶液に、ベタインに富んだ画分と、一種またはそれ以上のアミノ酸に富んだ画分とを入手するためにナノ濾過を受けさせ、
    該ベタインに富んだ画分を回収し、そして
    該一種またはそれ以上のアミノ酸に富んだ画分を回収する
    ことを特徴とする、一種またはそれ以上のアミノ酸をベタインから分離するための、請求項1ないし10、18、19および21ないし49のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  63. 前記バイオマス加水分解物またはバイオマス抽出物にナノ濾過を受けさせ、そして一種またはそれ以上のアミノ酸に富んだ画分を回収することを特徴とする、一種またはそれ以上のアミノ酸をバイオマス加水分解物またはバイオマス抽出物から分離するための、請求項1ないし10、18、19および21ないし49のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  64. 前記一種またはそれ以上のアミノ酸は、ロイシン、イソロイシン、セリン、プロリンおよびバリンより選択されることを特徴とする、請求項62または63に記載のプロセス。
  65. カルボン酸と、一種またはそれ以上の単糖とを含む出発溶液を用意し、
    該溶液に、カルボン酸に富んだ画分と、一種またはそれ以上の単糖に富んだ画分とを入手するためにナノ濾過を受けさせ、
    該一種またはそれ以上の単糖に富んだ画分を回収し、そして
    所望により該カルボン酸に富んだ画分を回収する
    ことを特徴とする、カルボン酸を一種またはそれ以上の単糖から分離するための、請求項1ないし10、18、19および21ないし49のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
  66. 前記一種またはそれ以上の単糖はケトース糖類より選択されることを特徴とする、請求項65記載のプロセス。
  67. 前記ケトース糖類はタガトースより選択されることを特徴とする、請求項66記載のプロセス。
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