JP2004513787A - 任意の断面形状を有する金属曲管及び金属曲棒の製造装置 - Google Patents

任意の断面形状を有する金属曲管及び金属曲棒の製造装置 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、任意の断面形状を有する金属曲管及び金属曲棒を製造する新規な方法を提案し、管壁部における肉厚バラツキや歪み、製品表面の折り曲げや皺など、従来の曲管や曲棒の製造過程で生じてきた問題点を解消することである。このために、1本又は複数本の丸棒素材を押出曲げ型の中空部で押し出し接合することができる押し出し曲げの方法を用い、偏心した円錐形の押し出し金型及び円錐形のプラグの出入り口間の中空部断面の偏心により、また、多孔のコンテナの相対的な孔のサイズ又は複数のパンチの相対的な移動速度によって、制御された傾斜型の押し出し速度により、押し出しの間、丸棒素材を曲げることができる。

Description

【0001】
技術分野
本発明は任意の断面形状を有する金属曲管及び金属曲棒の製造装置に関し、より詳しくは、任意の断面形状を有し所定の角度で曲がった中空の曲管や曲棒、及び内外面に多数のフィンをもつ種々の形状の曲管や曲棒を、押出曲げ型を備えた装置により非常に簡単に製造し得る任意の断面形状を有する金属曲管及び金属曲棒の製造装置に関する。
背景技術
従来、金属の曲管や曲棒の製造に当たっては、先ずは金属素材で直線状の管体や棒体を成形し、その後曲げ工程を通して曲管や曲棒を製造するため、曲げ工程で素材変形が生じ、かかる素材変形に因り一定形状の断面は得られず、精密で規格に合う製品を成形することができなかった。特に、上記の曲げ工程では、図8の下方に示すような内外面に多数の突出フィンをもつ曲管や、又は管や棒の形でない他の形の製品は製作されない等、曲線状の製品の成形が容易でないという問題点があった。
発明の開示
本発明は上記のような問題点を解決するために案出されたものであって、その目的は、1本以上の金属の丸棒素材をコンテナに圧入し、押出曲げ型における出入口の偏心量、コンテナの孔における直径サイズ、及びパンチの加圧速度を相対的に調節して、型内素材の移動速度の差を誘導することにより、所定の断面形状を有する曲管や曲棒をただ一回の押出曲げ加工にて製造し、従来の問題点を解消することにある。
【0002】
上記の目的を達成するために、本発明は、加熱された1本以上の金属塊、即ち、丸棒を挿入する1つ以上の孔、及び傾斜している偏心プラグを設けた多孔のコンテナと、該コンテナに上記丸棒を挿入し圧縮する押出パンチと、傾斜形の中空部を有し任意の断面形状で出入口が偏心している押出曲げ型とからなり、一回の押出曲げ工程で所望する任意の断面形状の曲管を製造し得る曲管の製造装置、及び1つ以上の孔を設けたコンテナと、丸棒素材を圧縮する押出パンチと、上記コンテナに型合され、傾斜形の中空部を有し任意の断面形状で出入口が偏心している押出曲げ型とからなり、一回の押出曲げ工程で所望する任意の断面形状の曲棒を製造し得る曲棒の製造装置で構成されることを特徴とする。
【0003】
以下、添付の図面を参照しながら本発明を詳しく説明する。
図1は四角断面を有する曲管100の製造装置を一部切開した分解斜視図である。本発明による曲管100の製造装置は、1つ以上のパンチ1を有する押出パンチA;1本以上の加熱された丸棒素材B;該丸棒素材Bを挿入する1つ以上の孔を有し、上部は円筒形で下部には押出される任意の断面形状をしているプラグ3を一体に形成した多孔のコンテナC;及び上記プラグ3を挿入する傾斜形の中空部4を有し、入口の中空断面の中心と出口の中空断面の中心とが偏心している押出曲げ型D;からなっている。
【0004】
上記押出パンチAは、1つ以上の円筒形パンチ1を取り付けた多脚型で、上記コンテナCの各孔2に嵌挿するようになっており、1つ以上のパンチ1を同じ速度で同時に押す一体型、又は1つ以上のパンチ1をそれぞれ異なる速度で押す分離型で構成されている。
上記丸棒素材Bは、熱間押出用の加工温度で加熱した金属の素材である。
【0005】
上記多孔のコンテナCは、上部に上記丸棒素材Bを挿入する1つ以上の孔2を有するが、ここで、該孔2の直径サイズを相対的に調整して流入する素材の量を異にすることで、出口側で素材の移動速度に差異を誘導させ、素材の曲率を調節することが出来る。
【0006】
また、上記コンテナ3の下部には、1つ以上の孔2に連通する1つの環状溝5、及び該環状溝5の内周面に一体に形成され、出口側に向かって傾斜しながら延出している任意の断面形状の偏心プラグ3が形成されている。このプラグ3は、環状溝5の内周面と押出曲げ型Dの出口断面(本発明では四角断面)とを等角で連結した線によって形成される表面形状を有する。上記の任意の断面形状には、例えば四角のような多角形、円形、半円形は勿論、表面に突出フィン6をもつ円形や多角形、H形など様々な形状が含まれる。また、ここで偏心とは、プラグ3において、環状溝5の円形断面の中心と出口側の断面(本発明では四角)の中心とが同じ一直線上に存在しないことを意味する。
【0007】
上記押出曲げ型Dは、傾斜形の中空部を有する型であって、入口の中空断面の中心と出口の中空断面の中心とが偏心している。この型Dにおいて中空面の構造は、入口の円形断面と出口の四角など任意の多角形断面とを等角で連結した線でなされる曲面構造であり、ここで言う偏心は、上記入口の円形断面の中心と出口の任意の多角形断面の中心とが、同じ一直線上に存在しないことを意味する。
【0008】
図6及び図7は曲棒200の製造装置を示す。本発明による曲棒200の製造装置は、1本以上の丸棒Bを挿入する1つ以上の孔2を貫通形成したコンテナC;傾斜形の中空部4を有し、入口の中空断面の中心と出口の中空断面の中心とが偏心している押出曲げ型D;からなり、該型Dにおいて中空面の構造は、入口の円形断面と出口の四角など任意の多角形断面とを等角で連結した線でなされる曲面構造である。
発明を実施するための最良の形態
このように本発明は、一般の熱間押出機に装着して曲管100や曲棒200を製造するが、以下では四角断面を有する金属曲管100の製造工程を添付の図1乃至図5に示す実施例を通して詳しく説明する。
【0009】
本実施例では、押出パンチAのパンチ1、丸棒素材B、及び丸棒素材Bを挿入する多孔のコンテナCの孔2何れも4つである場合を挙げて説明する。
先ず、熱間押出用の加工温度で加熱した4つの金属丸棒素材BをコンテナCの4つの孔2に挿入し、押出パンチAに取り付けた4つのパンチ1を上記コンテナCの4つの孔2へと平行に挿入した後、押出パンチAに圧縮荷重を加えると、4本の丸棒素材は圧縮されながら移動して、4つの孔2に連通しコンテナCの終端面に形成された環状溝5において1つの直管に接合される。こうして、円形断面を有する直管が押出される。
【0010】
このように1本の円形断面を有する直管に押出された素材は、傾斜形の中空部4を有し偏心している押出曲げ型Dと偏心プラグ3との間を継続して通過するが、この時、上記押出曲げ型Dの出入口における偏心に因ってその移動速度に差異が生じ、押出パンチAを継続して加圧すると、素材は押し出されながら上記移動速度の差異のため、押出製品は図5に示すように押出曲げ型Dの出口断面で偏心した反対方向に曲がって押し出される。この時、押出曲げ型Dにおいて、入口の円形断面の中心と出口の四角断面の中心とのズレ量、即ち偏心量でもって四角断面を有する曲管100の曲がり程度、即ち曲率を調節することができ、また、コンテナCにおいて、対向する2つの孔2の直径サイズを相対的に調整することで、押出曲げ型D内素材の移動速度の差を誘導し、曲率を調節することができる。更に、4つの孔2に挿入する対向する2つのパンチ1において、その加圧速度を相対的に調節することで押出過程中に曲率を変化させることができるため、各製品の長さごとに異なる曲率の曲管100の製造が可能になる。
【0011】
ここで、素材の曲げ原理を次のように要約する。
4本の丸棒素材Bが1本の円形断面を有する直管に接合され、偏心プラグ3の表面と出入口の偏心している傾斜形の中空部4との間を通過するとき、素材の移動通路となる出入口が偏心しているため、図面のように直線部の通路では早く押し出される反面、傾斜部ではより遅く押し出され、上記早く押出された素材は遅く押出された素材の方向に曲がるようになる。結局、このような移動速度の差により曲管100を自動に成形することができるのである。この時、曲率の方向及び程度は、プラグ及び押出曲げ型における偏心量、コンテナの孔の直径サイズ、 又はパンチの加圧速度を相対的に調整することで制御し得る。
【0012】
以上では、四角断面を有する曲管100を挙げて説明したが、コンテナCのプラグ3及び押出曲げ型Dの形状によって、図8のように円形断面を始め内外面に突出フィン6をもつ肉薄な曲管など、様々な形の曲管100を非常に簡単に製造することができる。また、コンテナCの孔の直径サイズやパンチ1の加圧速度をそれぞれ変化させ、多様な曲率の曲管100を精密に製作し得るようになる。
【0013】
一方、曲棒200の製造に際しては、図6及び図7に示すように1つ以上の孔2を設けたコンテナCに1本以上の丸棒素材Bを挿入し押出パンチAで圧縮すると、素材は、コンテナCに型合した押出曲げ型Dの出入口におけるの偏心量、コンテナCの孔2の相対的な直径サイズ、又は押出パンチ1の相対的な加圧速度に基づく素材の移動速度の差異により曲棒200に製造される。この時には、曲管100の製造装置とは違って、コンテナCの下部にプラグ3を取り付けず、これにより中実の曲棒200の製造が可能になる。
【0014】
以上は、最も望ましい例として押出パンチAのパンチ1、丸棒素材B及びコンテナCの孔2がいずれも4つである場合を挙げて説明したが、かかる部材がそれぞれ1つ以上であるならば、本発明で成し遂げようとする技術的課題を達成し得るのは勿論である。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明は一回の押出曲げ加工を通して曲管100又は曲棒200を製造することができるため、生産原価の大幅なコストダウンは勿論のこと、金属塑性加工法の一種である押出加工と曲げ加工とを同時に施すことができるため、生産性の向上に貢献するところが至大である。特に、断面形状に変化がなく表面に皺のない精密性を求められる曲管100の製造が可能であり、様々な断面形状は言うまでもなく、内外面に突出フィン6を設けた曲管100までもただ一回の押出曲げ加工により一様な断面の精密製品に加工することができるなど、多大な効果を奏する画期的な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による一部を切開した分解斜視図である。
【図2】4本の丸棒から四角断面の曲管素材への押出フローを示す図面である。
【図3】丸棒素材を多孔のコンテナに挿入する例示図である。
【図4】コンテナに押出パンチを挿入する前の例示図である。
【図5】丸棒素材を押出パンチで圧縮して曲管を押し出す状態の断面図である。
【図6】曲棒を押し出すための丸棒素材の挿入前状態を示す例示図である。
【図7】曲棒の押出状態の断面図である。
【図8】本発明で製造され得る曲管及び曲棒の例示図である。
図示された符号の説明
1:パンチ      2:孔     3:円錐型プラグ   4:中空部
5:環状溝      6:突出フィン
A:押出パンチ    B:丸棒素材  C:コンテナ
D:押出曲げ金型
100:曲管     200:曲棒

Claims (6)

  1. 1つ以上のパンチ1を有する押出パンチA;1本以上の加熱された丸棒素材B;該丸棒素材Bを挿入する1つ以上の孔2を有し、上部は円筒形で下部には押出される任意の断面形状をしているプラグ3を一体に形成した多孔のコンテナC;及び上記プラグ3を挿入する傾斜形の中空部4を有し、入口の中空断面の中心と出口の中空断面の中心とが偏心している押出曲げ型D;からなることを特徴とする任意の断面形状を有する金属曲管の製造装置。
  2. 1つ以上のパンチ1を有する押出パンチA;1本以上の加熱された丸棒素材B;該丸棒素材Bを挿入する1つ以上の孔2を貫通形成したコンテナC;及び傾斜形の中空部4を有し、入口の中空断面の中心と出口の中空断面の中心とが偏心している押出曲げ型D;からなることを特徴とする任意の断面形状を有する金属曲棒の製造装置。
  3. 上記押出パンチAのパンチ1、丸棒素材B、及び多孔コンテナCの孔の個数は、いずれも4つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の任意の断面形状を有する金属曲管の製造装置。
  4. 上記押出される断面形状は、円形や多角形など任意の断面形状であるか、或いは内外面に突出フィン6をもつ任意の断面形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の任意の断面形状を有する金属曲管及び金属曲棒の製造装置。
  5. 上記押出される断面形状は、H状である請求項1又は2に記載の任意の断面形状を有する金属曲管及び金属曲棒の製造装置。
  6. 上記プラグ3及び上記押出曲げ型Dの偏心量、多孔のコンテナCの相対的な直径サイズ、又は押出パンチAの各パンチ1の相対的な加圧速度とでもって、素材に所定の曲率を持たせることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属曲管及び金属曲棒の製造装置。
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