JP2004512370A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 カハラリドF
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カハラリドF、非イオン性界面活性剤、増量剤、並びに脂肪族カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、及びヒドロキシポリカルボン酸からなる群から選択され、カハラリドFを溶解するのに必要である有機酸の凍結乾燥混合物を含む、カハラリドFの製剤。
【請求項2】 乳化溶解剤、アルカノール、及び水の混合物の再構成溶液と共に請求項1記載の製剤を含むキット。
【請求項3】 カハラリドF、非イオン性界面活性剤、有機酸、及び増量剤の混合物を含む、カハラリドFの再構成溶液。
【請求項4】 乳化溶解剤、アルカノール、及び水の混合物を更に含む、請求項3記載の再構成溶液。
【請求項5】 0.9%塩水で、カハラリドFの点滴に適した濃度に希釈された場合の、請求項3または4記載の再構成溶液を含む希釈再構成溶液。
【請求項6】 ガンの治療のための医薬の製造のための、請求項1記載の製剤、請求項2記載のキット、請求項3または4記載の再構成溶液、または請求項5に記載の希釈再構成溶液の使用。
【請求項7】 前立腺ガン、乳ガン、大腸ガン、非小細胞肺ガン、卵巣ガンの治療のための、神経芽腫の治療のための、または脱分化した若しくは間充織の軟骨肉腫または骨肉腫に対する医薬の製造のための、請求項6記載の使用。
【請求項8】 カハラリドFが、3週間ごとに5日連続で約1時間点滴によって投与される、請求項6または7記載の使用。
【請求項9】 カハラリドFが、別の薬剤と組み合わされて投与される、請求項6,7,または8記載の使用。
【請求項10】 カハラリドFが、難治性患者に投与される、請求項6から9のいずれか一項記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟体動物の植食海洋種、Elysia rufescensから単離されたペプチドであるカハラリドFに関する
【0002】
【従来の技術】
カハラリドFは、欧州特許出願第610,078号の主題である。この特許出願は、ヒト肺癌腫A−549及びヒト大腸癌腫HT−29のin vitro細胞培養物に対する活性を報告する。
【0003】
カハラリドFに関するさらなる情報は、例えば以下の文献に見出される:
【参考文献】
【0004】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
我々は、カハラリドFの新規な製剤及び新規な使用を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
非イオン性界面活性剤及び有機酸の組み合わせは、再構成に適したカハラリドFの凍結乾燥形態を与えるための増量剤での使用に適している。再構成は好ましくは、乳化溶解剤、アルカノール、及び水の混合で達成される。
【0006】
凍結乾燥組成物は好ましくは、少なくとも90%または少なくとも95%の増量剤のような増量剤を特に含む。増量剤の例は周知であり、スクロース及びマンニトールを含む。他の増量剤も使用できる。
【0007】
凍結乾燥組成物中の非イオン性界面活性剤は、好ましくはソルビタンエステル、より好ましくはポリエチレンソルビタンエステル、例えばポリオキシエチレンソルビタンアルカノアート、特にポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、例えばポリソルバート80である。非イオン性界面活性剤は典型的には、組成物の数%、例えば組成物の0から5%、例えば組成物の2から3%を占める。
【0008】
凍結乾燥組成物中の有機酸は典型的に、脂肪族カルボン酸、好ましくはヒドロキシカルボン酸、より好ましくはヒドロキシポリカルボン酸、特にクエン酸である。有機酸は典型的に、組成物の数%、例えば組成物の0から5%、例えば組成物の2から3%を占める。
【0009】
凍結乾燥組成物中のカハラリドFの量は典型的に、混合物の1%未満、またはしばしば混合物の0.1%未満である。適切な量は、組成物の100mg当たり50から200μg、つまり約100μgの範囲である。
【0010】
再構成剤のために乳化溶解剤は適切には、ポリエチレングリコールエステル、特に脂肪酸のエステル、より好ましくはPEGオレアート、例えばPEG−35オレアートを含む。乳化溶解剤は適切には、再構成剤の0から10%、典型的には約3から7%、つまり約5%である。アルカノールは通常エタノールであり、適切には再構成剤の0から10%、典型的には約3から7%、つまり約5%である。再構成剤の残りの部分は水であり、静脈注射に適切な再構成溶液を与える。
【0011】
0.9%塩水での再構成溶液のさらなる希釈は、カハラリドFの点滴に適しているであろう。
【0012】
特に好ましい実施態様では、再構成組成物は、100μgのカハラリドF;75から125mg、特に100mgの増量剤;1から3mg、特に約2mgの酸;及び1から3mg、特に約2mgの非イオン性界面活性剤を含む。
【0013】
次いで好ましい再構成剤は、2から7%、つまり約5%の乳化溶解剤;2から7%、つまり約5%のアルコール;及び残部の水を含む。
【0014】
本発明はさらに、凍結乾燥組成物及び再構成剤を含む別個の容器を含むキットを提供する。再構成の方法もまた提供される。
【0015】
本発明はさらに、ガンに罹患したいずれかの動物、特にヒトの治療方法を提供し、その方法は、本発明の凍結乾燥組成物の再構成によって調製された製薬組成物の治療上の有効量を、罹患患者に投与することを含む。本発明は特に、他の治療に好ましい反応を示さない難治性のガンを有する患者の治療のために使用できる。特に本発明の組成物は、他の化学療法を試して効かなかった後に使用できる。
【0016】
一つの実施態様では、再構成溶液は点滴用に調製され、約20または25μg/mlまで、典型的に15μg/mlまでの濃度での3時間の点滴で投与される。適切な点滴装置は好ましくは、ポリエチレン製のものよりもガラス容器を含む。チュービングは好ましくはシリコーン製である。
【0017】
本発明のさらなる特徴点は、カハラリドFの新規な使用に関する。特に我々は、前立腺ガン、特にアンドロゲン非依存性前立腺ガン、乳ガン、大腸ガン、非小細胞肺ガン、卵巣ガンに対する使用、及び神経芽腫の治療のための使用を考慮する。カハラリドFはまた、脱分化した間充織の軟骨肉腫及び骨肉腫に対しても活性である。本発明によって提供される新規な再構成製剤は新規な使用のために使用されて良いが、他の組成物も可能である。
【0018】
製薬組成物の例は、適切な組成物を含む、または経口、局所用、または全身性投与のための、いずれかの固体(錠剤、丸薬、カプセル、顆粒等)、または液体(溶液、懸濁液、またはエマルション)を含み、それらは純粋な化合物を含んでも良く、またはいずれかのキャリアー若しくは他の薬理学的に活性な化合物と組み合わされても良い。これらの組成物は、全身性で投与される場合滅菌される必要があって良い。
【0019】
本発明の化合物または組成物の投与は、いずれかの適切な方法によって良く、例えば静脈点滴、経口調製物、腹膜内及び静脈投与であって良い。我々は、24時間まで、より好ましくは2から12時間の点滴を使用することを好むが、2−6時間の点滴が最も好ましい。治療が一晩の滞在の必要なく実施できる短い点滴時間が特に所望される。しかしながら12から24時間、または必要であればより長い点滴であっても良い。点滴は、およそ2から4週間の適切な間隔で実施されて良い。代替的な投与プロトコールでは、カハラリドFは3週間ごとの連続した5日で約1時間投与される。他のプロトコールも変形例として使用できる。
【0020】
本発明の化合物を含む製薬組成物は、リポソームまたはナノスフェアカプセル化によって、持続放出製剤において、または他の標準的な輸送手段によって輸送されて良い。
【0021】
前記化合物の正確な投与量は、特定の製剤、適用の態様、及び特定の部位、宿主、及び処理される腫瘍に従って変化するであろう。年齢、体重、性別、食事、投与の時間、排出速度、宿主の状態、薬剤の組み合わせ、反応感度、及び疾患のひどさのような他の因子も考慮されるであろう。投与は、最大の寛容投与量の範囲内で連続的にまたは周期的に実施できる。
【0022】
本発明の化合物及び組成物は、組み合わせ治療を提供する他の薬剤と共に使用されても良い。他の薬剤は、同じ組成物の一部を形成しても良く、または同時または異時での投与のための別個の組成物として提供されても良い。他の薬剤の同定は特に制限されず、適切な候補は以下のものを含む:
a)抗細胞分裂効果を有する薬剤、特に細胞骨格エレメントを標的とするもの、タキサン薬剤(タクソール、パンクリタクセル、タクソテレ、ドセタクセルのような)、ポドフィロトキシン、またはビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン)のような微小管調節剤を含む;
b)代謝拮抗剤(5-フルオロウラシル、シタラビン、ゲンシタラビン、ペントスタチンのようなプリン類似体、メトトレキセートのような);
c)アルキル化剤、例えば窒素マスタード(シクロホスファミド、またはイフォスファミドのような):
d)DNAを標的とする薬剤、例えばアントラサイクリン薬剤、アドリアマイシン、ドクソルビシン、ファルモルビシン、またはエピルビシン;
e)トポイソメラーゼを標的とする薬剤、例えばエトポシド;
f)ホルモン及びホルモンアゴニストまたはアンタゴニスト、例えばエストロゲン、アンチエストロゲン(タモキシフェン及び関連化合物)及びアンドロゲン、フルタミド、ロイプロレリン、ゴセレリン、シプロトロン、またはオクトレオチド;
g)ヘルセプチンのような抗体類似体を含む、腫瘍細胞においてシグナル伝達を標的とする薬剤;
h)アルキル化薬剤、例えば白金薬剤(シスプラチン、カルボンプラチン、オキサリプラチン、パラプリジンアチン)、またはニトロソウレア;
i)腫瘍の転移に強力に影響する薬剤、例えばマトリックスメタロプロテイナーゼインヒビター;
j)遺伝子治療及びアンチセンス薬剤;
k)抗体治療薬;
l)海洋起源の他の生体活性化合物、特にアプリジンのようなジデミンまたはet−743のようなエクチナサイジン。
【0023】
【実施例】
本発明の基礎となる実験作業が、以下の実施例に記載される。
【0024】
実施例1:カハラリドF、KFの凍結乾燥全身性製薬製剤の開発
この実験の目的は、早期の臨床試験で使用されるKFの安定な全身性製剤を開発することであった。
方法:KFの溶解製及び安定性を、実験的デザインアプローチを使用したポリソルバート80(P80;0.1−0.5%w/v)及びクエン酸一水和物(CA;5−15mM)の濃度の関数として研究した。結晶(マンニトール)及び非晶質(スクロース)増量剤を含むKF凍結乾燥製品の安定性を、暗所で+5℃及び+30℃で試験した。凍結乾燥製品を、赤外線(IR)分光測定及び示差走査熱量測定によって特徴付けした。KP凍結乾燥製品の再構成と点滴液でのさらなる希釈の後の回復の研究を、最適な再構成ビヒクルを選択するために実施した。
結果:P80及びCAの組み合わせは、KFを溶解するのに必要であることが見出された。凍結乾燥製品は、増大するP80及びCA濃度と共にかなり不安定となり、P80濃度が主要なエフェクターであった。0.1%w/vP80及び5mM CAの組み合わせが、さらなる調査のために選択された。増量剤としてスクロースを含む凍結乾燥製品は、マンニトールを含む製品と比較してより安定であった。スクロースベースの製品のガラス転移温度は、+46℃であると測定された。製品の非晶質状態を、IR分析によって確認した。Cremophor ELエタノール及び注射水(5/5/90% v/v/vCEW)からなる溶液は、再構成と0.9%NaCl(通常塩水)でのさらなる0.5μg/mLへの希釈の後に、溶液中にKFを維持した。
結論:100μgのカハラリドF、100mgのスクロース、2.1mgのCA、及び2mgのP80を含み、5/5/90% v/v/vCEWからなるビヒクルで再構成され、通常塩水でさらに希釈される、安定な凍結乾燥製剤が提供された。
【0025】
実施例2:点滴装置中のカハラリドFの適合性と安定性
カハラリドFを、投与量単位当たり50−150μgの活性物質を含む凍結乾燥製品として製薬学的に製剤化する。静脈内投与の前に、Cremophor EL、無水エタノール、及び注射水(CEW、5/5/90% v/v/v)からなる溶液で再構成し、点滴のために0.9%w/v塩化ナトリウムでさらに希釈する。この研究の目的は、臨床試験を開始する前に、各種の点滴システムでのカハラリドFの適合性と安定性を調査することであった。点滴溶液中のCremophor ELの存在のため、ポリビニルクロリド点滴容器(PVC、Add-a-Flex(登録商標))からのジエチルへクスフタラートの浸出が見出された。表面と接触する収着の結果としてのカハラリドFの損失は、低密度ポリエチレン(LD−PE、Miniflac(登録商標))からなる点滴容器で示された。カハラリドFは、ガラス容器とシリコーンチュービングからなる投与セットを使用して、0.5μg/mLから14.7μg/mLの濃度で3時間の点滴で投与されなければならないと、我々は結論付ける。5/5/90% v/v/vCEWで再構成された点滴のためのカハラリドFの150μgバイアルパウダーは、室温(+20−25℃)及び周囲の明環境で少なくとも24時間元の容器中で安定である。室温(+20−25℃、暗所)または冷蔵条件(+2−8℃、暗所)のいずれかでのガラス点滴容器中に貯蔵された点滴溶液は、調製後少なくとも5日間安定である。
【0026】
実施例3:カハラリドFのin vitro安全性毒性
我々は、前立腺及びneu〜1(Hcr2過剰発現)乳ガン細胞に対する強力な化学毒性効果を有することが示される、ハワイの軟体動物、Ellysia rubefescensから由来する化合物であるカハラリドFの毒性に対する強さを評価した。
CellTiter96(MTS, Promega)in vitro毒性アッセイを使用して、カハラリドは、心筋細胞(Hp c2(2−1))及び骨格筋細胞(L8)に対してほとんど毒性を示さない(それぞれLD50=5mM、0.6mM)。これに対してカハラリドは、肝細胞(AML−12)及び腎細胞(NRX−52E)に対して毒性であり(それぞれLD50=0.17μM、1.6μM)、骨髄性幹細胞に対して中間的な毒性を示す(FDC−Pl、LD50=14μM)。これらのデータは、in vivo毒性データと緊密に一致する。
我々はまた、この薬剤が、我々のアッセイシステムにおいて高濃度で神経毒性を有することを見出し、これは最大寛容投与量(MTD)を超えると神経毒性を示す動物データと一致する。免疫細胞化学と結びついた蛍光生存能力染色(エチジウムホモダイマー及びカルシンAM, Molecular Probes)を使用して、我々は〜10μMのカハラリドが、中枢神経系(CNS)ニューロンに毒性である(神経線維ポジティブ)が、星状細胞(グリア線維酸性タンパク質ポジティブ)、並びに脊髄における感覚ニューロン(サブスタンスP発現)及び運動ニューロン(コリンアセチルトランスフェラーゼポジティブ)には寛容であることを測定した。
カハラリドFは、その神経毒性がMTD濃度以下で比較的穏やかであるため、前立腺ガンの治療のための有望な薬剤であると結論付ける。さらに予備的データは、カハラリドFが、もし輸送可能であれば、CNSニューロン選択性のため、神経芽腫の治療のための理想的な薬剤であること示す。
【0027】
実施例4:カハラリドFの選択的抗腫瘍活性
カハラリドFは、ホルモン非依存性前立腺ガン、neu+(Her2過剰発現)乳ガン細胞、及び神経芽腫に対するin vitro選択性を有するリソゾーム毒である。拡張したMoAは、erbB2の阻害及びEGFレセプターのブロッキング、並びにTGF遺伝子発現の阻害を含む。臨床前のin vivoモデルは、300μg/kgBWの齧歯類MTDを有するホルモン非依存性前立腺ガン(PC−3及びDU−145)の選択性及び感受性を確認した。in vitro抗増殖実験は、特定の前立腺腫瘍の間で等しいIC50活性を示す(0.27μM PC−3;0.25μM DU−145;0.73μM T−10;0.24μM DHM;及び0.19μM RB)が、ホルモン感受性LnCAPに対しては活性を有さない。他の研究は、neu+乳ガン細胞(2.5μM SK−BR−3;2μM BT−474)及び神経芽腫細胞系(1μM BE(2)C)に対して選択的ではあるがわずかに強力でないIC50活性を示す。in vitro曝露実験は、KFがスケジュール依存的ではないことを示す。1時間の最小の曝露は、ほとんどの場合で48時間と同様に強力である。さらに、毒性の迅速な効果及び遅延した効果は同じ薬物動態学を有し、治療の継続時間と共に増大しない。毎日5回毎週のスケジュールを取り込んだフェーズ1試験は、固形腫瘍に対する強力な化学療法試薬としてのKFの評価においてまもなく開始するであろう。
【0028】
実施例5:患者から直接採取されたヒト腫瘍標本に対するカハラリドF(PM92102)の効果の調査
in vitro試験は、細胞の膨張と究極的な死を引き起こすKFの活性を示した(Garcia-Rocha等, Can Letters 99: 43-50)。この研究では、新鮮なヒト腫瘍標本がKFで処理され、ヒト腫瘍クローニングアッセイを使用して活性を測定した。104の患者の腫瘍の標本を、0.01、0.1、及び1.0μMで14日間連続的にKFで曝露して処理した。標本は、37℃で2層ソフトアガークローニングシステムでインキュベートし、コロニーカウントのため14日目で取り出した。処理されたプレートにおいて形成されたコロニーを、非処理コントロールプレートで形成されたコロニー数と比較し、各濃度で生存しているコロニーのパーセントを計算した。ポジティブコントロールプレートは、細胞毒オルトナトリウムバナダート(200μg/ml)を含んだ。これらの標本の中では、約30%が適切なネガティブ及びポジティブコントロールで評価可能であった。in vitro応答(50%生存によって示される阻害応答)は、0.01、0.1及び1.0μg/Mのそれぞれで、標本の16%(5/31)、19%(6/31)、及び81%(25/31)で観察された。より高い濃度で処理されると(1.0>0.1>0.01)有意な応答(81%)で、濃度及びKFに対する応答の間でポジティブな関係が存在した。顕著な応答は、乳(100%)、大腸(75%)、非小細胞肺(100%)、及び卵巣ガン標本(91%)で観察された。KFは有望な抗ガン剤であり、それに対して広範囲のガンの標本が応答した。
【0029】
実施例6:進行性アンドロゲン難治性前立腺ガンを有する患者におけるカハラリドFのフェーズI及び薬物動態学研究
KFは、乳、大腸、非小細胞肺、及び特に前立腺ガンを含む各種の固形腫瘍モデルにおいてin vitro及びin vivoの両者の抗腫瘍活性を示す。その選択性に基づいて、KFは現在、アンドロゲン非依存性前立腺腫瘍に対する効力な抗ガン剤としてさらに開発されている。
目的:このフェーズI臨床試験及び薬物動態学(PK)試験では、KFの毒性プロフィールPK及び抗腫瘍活性が調査される。
方法:進行性または転移性のアンドロゲン難治性前立腺ガンを有する患者に、三週間後と5日の連続した間で1時間かけて静脈点滴としてKFを投与した。マウスで定義されたMTD値に基づいて、20μg/m2/日の開始投与量を選択し、それは100μg/m2の全投与量に等しい。KFのPKを、第一の過程の間で血漿で測定した。KFの生体分析を、LC−MS/MSによって実施した。各患者のLDH、AF、及び特にPSAレベルもまた、KFの活性を測定する研究の間で評価した。
結果及び議論:現在7の患者を記録している。患者は66歳の平均年齢を有した(54−75歳の範囲)。濃度当たり一人の患者が、20、40、80、及び160μg/m2/日でエントリーされた。トランスアミナーゼ上昇のため、4の患者が現在の投与レベル、320μg/m2/日でエントリーされた。この実験の第一の患者は、この投与レベルで再エントリーされた。観察された副作用は迅速に可逆的な穏やかな頭痛、疲労、痛み、及び局所的浮腫であった。今日まで薬剤のみと関連する毒性は、320μg/m2/日で生じる迅速に可逆的なCTCグレード3ASATであった。PKは、全投与量範囲に亘って、投与量及びAUCの間で直線関係を表した。全血漿クリアランスは267mL/分(±115)であり、これらの患者における静脈内KFの最終半減期は0.46h(±0.13)であった。現在の投与量レベル(35−50mg/mL)で到達する最大血漿濃度は、試験管内腫瘍細胞感受性試験において前立腺ガンに強力に活性である(15ng/mLから活性)。かくしてこのスケジュールは十分に寛容である。一人の患者は、臨床上の改良(痛みの緩和)と関連するPSAレベル(>50%)の有意な減少を示した。二人のさらなる患者は、マイナーなPSA減少を経験し、一人はまだ2のサイクルの後継続している。最大寛容投与量は、まだ到達しておらず、研究は継続中である。
【0030】
実施例7
カハラリドFは、脱分化した間充織の軟骨肉腫、CHSA、及び骨肉腫、OSAに対して毒性であり、並びに肝細胞及び前立腺癌腫細胞に対しても毒性である。それはCHSA及びOSAの増殖を有意に阻害せず、細胞に10分のような短時間曝された場合でさえ、毒性効果を引き出すことができた。
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