JP2004511663A - 銅浴および無光沢銅被膜の電着方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電解銅めっき浴およびサブストレート(基板)上への、より具体的にはプリント回路基板の表面上への銅被膜の電着方法に関する。
【0002】
銅の層は、たいてい良好な導電性を有する基層上に電着されて、多目的に役立つ。銅の層は、例えば、プラスチックおよび金属の部品上に装飾被膜を生成するのに役立つ。この用途において、銅の層は通常ニッケルおよびクロムのような他の金属の層で被覆される。銅の層はさらに、機能を果たすためにサブストレート上に被着される。その一例はプリント回路基板の製造である。プリント回路基板のボアホール壁上の導電性層だけでなくプリント回路基板の表面上の導体ラインおよびランドを生み出すために、ボアホール壁を含む基板の表面一体に銅がめっきされる。その理由は、銅が非常に良好な導電性を有し、高純度の状態で容易に電着できるからである。
【0003】
プリント回路基板技術において、通常作製される銅層は光沢がある。これらの層は、非常に良好な機械的性質、より具体的には高い破壊伸長および引張強さを含む、種々の要件を満たさなければならない。作製された層はさらに、プリント回路基板材上のすべての場所で可能な限り同じ厚さを有するものでなければならない。より具体的には細かいホール中で、そのホール中では電界ラインの小さい密度が支配的であるにもかかわらず、電流密度は、プリント回路基板の外面上の電流密度からほんの少しだけ外れているべきである。さらに加えて、短い処理時間内にできるだけ厚い銅層の電着を可能にするために高い陰極電流密度が印可される場合に特に、上述した性質もまた達成されるべきである。無電解銅めっきは、必要とされるようなPCTインターコネクトのための導電性を提供しない。
【0004】
銅めっき浴は、米国特許第3682788号、同第4376685号、同第4134803号、同第4336114号、同第4555315号、同第4781801号、同第4975159号、同第5328589号および同第5433840号に記載されてきた。一般的な言葉で言えば、当該浴は通常硫酸銅および硫酸ならびに少量の塩化物を含有する組成物である。それらに示された組成物は、光沢のある被膜を電着するのに役立ち、良好な機械的性質の層を形成するのに実質的に好適である。さらに、これらの浴で作製された銅の層は、複合形状に成形された基板のすべての場所で一様な厚さを実質的に有する。
【0005】
導体ラインおよびランドのような他の構造物を作製するために、および前記構造物の形成後に、作製された銅層は、有機保護被膜によって通常、被覆され、その保護被膜は、構造物を確立するために使用されるエッチング剤からその下にある銅層を保護するか、またははんだ付けの工程の間ずっと流体はんだが銅表面に接触するのを防止するかのいずれかに役立つ。慣例上、使用される有機保護被膜は、フォトレジストの層である。
【0006】
有機保護被膜は銅表面上にしっかりと接合していなければならない。この目的のために、光沢のある銅層は先ず清浄され、酸化物フィルムだけでなく脂肪およびダスト不純物もその工程で除去される。十分なプロファイリング深さを持った表面だけが、平滑な光沢のある表面よりも表面に有機層をより良好に接合させるから(Handbuch der Leiterplattentechnik[プリント回路基板技術のマニュアル、第3巻、Eugen G. Leuze−Verlag,Saulgau,480ページ]、銅の層はさらに、ある種の粗さおよび構造を与えられるべきである。従って、レジスト層は銅表面上に直接被着することができず、これらは前もって粗化されなければならない。
【0007】
特公昭49−028571号公報に関するChemical Abstracts82:112816において、無電解銅めっき浴が開示されており、その浴は、銅塩、還元剤、錯化剤、pH調整剤、および浴の寿命を延ばし、めっきされた表面上の不純物の沈積を防止するポリグリセリンもしくはそのエステルまたはソルビタンエステルからなる群より選択された0.005〜5g/リットルの化合物を含有する。このタイプの浴は、1μm以上の厚さの銅層を沈積し、こうして電気めっき用の土台を提供するかもしれない。
【0008】
細粒の延性銅を電着するための酸性電気めっき銅浴がEP 0137397 A2で提案されており、前記浴は、3〜10の炭素原子と1個または数個の二重結合及び/又は三重結合とを持った1〜50モル%の1種または数種の不飽和アルコールの存在下に重合される、プロパンの2官能性誘導体からのポリマーを含有する。好ましいプロパンの2官能性誘導体は、より具体的にはモノクロロヒドリン、エピクロロヒドリンおよびグリシドールである。この明細書の実施例によれば、および、浴に添加されるポリマーを作製するために、エピクロロヒドリン、モノクロロヒドリンおよびグリシドールがそれぞれ、ブチン−1,4−ジオール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、ヘキシン−3−ジオール−2,5および2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールとそれぞれ共重合される。硫酸銅および硫酸ならびに低濃度の塩化物イオンを含有する銅浴にこれらの物質を添加することによって、微晶質の延性銅電着物が得られ、それ以前に公知の浴で得られるものよりも、高い値の破壊伸長とショック試験でのより良好な挙動とを有することが開示されている。これらの浴を利用すると、均一電着性がさらに改善される。原則として印可できる陰極電流密度は0.5〜10A/dm2の範囲である。本明細書での独自の実施例によれば、0.3mmの直径を有するボアホール中の、基板の表面上の被膜厚さに関して90%の被膜厚さは、使用された陰極電流密度が0.5〜1.0A/dm2になるときに得られる。かかるより低い電流密度は、PCB生産において不利な点を与える。
【0009】
しかし、EP 0137397 A2の実施例で示された値を超えて陰極電流密度を上げると、浴の均一電着性がかなり低下することが証明された。それゆえ、d≦0.3mmのような極めて小さい直径のプリント回路基板が製造されることになっている場合には、陰極電流密度は1A/dm2の最大値に設定されるべきである。より高い陰極電流密度は支持できない。陰極電流密度をかかる小さな値に設定すると、しかし、その方法の低生産性は達成される。
【0010】
それゆえ、本発明の主な目的は、基板上に、より具体的にはプリント回路基板面上に銅被膜を電着する電解銅めっき浴および方法であって、小さな直径のボアホールの中でさえも非常に一様な被膜厚さの銅の層を短時間内に電着することを可能にする方法を見いだすことにある。
【0011】
本発明のさらなる目的は、例えば高い破壊伸長および高い引張強さのような良好な機械的性質を有する銅層を電気めっきする電解銅めっき浴および方法を提供することにある。
【0012】
本発明のさらなる別の目的は、有機被膜で、より具体的には、追加の粗化なしに銅層上にしっかりと接合されるフォトレジストで、被覆されてもよい銅層を電気めっきする電解銅めっき浴および方法を提供することにある。
【0013】
本発明による電解銅めっき浴は、銅の無光沢層を作製するのに好適であり、その方法は、被処理物の表面上に銅の無光沢層を電着するのに役立つ。本発明による電解銅めっき浴は、ポリ(1,2,3−プロパントリオール)、ポリ(2,3−エポキシ−1−プロパノール)およびそれらの誘導体からなる群より選択された少なくとも1種のポリグリセリン化合物を含む。
【0014】
本方法は、次の工程を含む。
a.被処理物、少なくとも1つの陽極および銅めっき浴を提供する工程と、
b.被処理物の表面および少なくとも1つの陽極を、それぞれ、ポリ(1,2,3−プロパントリオール)、ポリ(2,3−エポキシ−1−プロパノール)およびそれらの誘導体からなる群より選択された少なくとも1種のポリグリセリン化合物を含む銅浴と接触させる工程と、
c.陰極の極性が少なくとも1つの陽極に関して被処理物に行う方法で、被処理物の表面と少なくとも1つの陽極との間に電圧を印可する工程。
【0015】
本発明による銅めっき浴および方法は、より具体的には、プリント回路基板を製造する方法において銅の層を電着するために使用される。例えば衛生陶器での使用、建具金物、ランプおよびリビング分野、ファッションアクセサリに関連した他の部品の製造での使用、ならびに同様に自動車産業での使用のためのような、他の機能または装飾目的のために、表面上に被着される層を作製すべく、該浴および方法を利用することもまた原則として考えられる。実際のところ、本発明による浴および方法は、機能目的のために表面上にもっぱら電着される無光沢層を作製するのに好適であるだけでなく、該浴および方法で生み出された層は非常に等しく無光沢であり、その結果、外観の美しさによる魅力的な効果が達成されるかもしれないので、装飾効果を達成することを意図される無光沢層を作製するためにも好適である。
【0016】
本発明による銅めっき浴および方法は、より具体的にはプリント回路基板を製造する際に銅の層を作製するのに利用される。電着された層は無光沢であるので、有機被膜が前記層上に直接しっかりと接合されてもよい。それゆえ、本発明はまた、電解銅めっき浴と、被処理物の表面上の無光沢銅層上に有機被膜を形成する工程をさらに含む方法とに関する。有機被膜は例えばフォトレジスト層であってもよい。より具体的には、光構造はんだレジストマスク(photostructural solder resist mask)が、前もって前記銅の層を粗化しなければならないことなく、銅の無光沢層上に電着されてもよい。必要とあれば、銅表面は、清浄して、脂肪、ダストおよび酸化物フィルムのような不純物を除去することだけを必要とする。
【0017】
本発明による電解銅めっき浴は、一般式I
【化7】
(式中、nは整数>1、好ましくは>2であり、かつ、
R1、R2、R3は、同一であるかまたは異なり、水素、アルキル、アシル、フェニルおよびベンジルからなる群より選択され、ここでアルキルは好ましくは直鎖または分枝のC1〜C18アルキルであり、及び/又はアシルは好ましくはR5−COであり、ここでR5は直鎖または分枝のC1〜C18アルキル、フェニルまたはベンジルであり、式I中のアルキル、フェニルおよびベンジルは置換されていてもよい)を有する少なくとも1種の直鎖のポリグリセリン化合物を含有する。
【0018】
式Iで表される直鎖のポリグリセリン化合物が好ましくは使用される。原則として、浴はまた他のポリグリセリン化合物、より具体的には分枝のポリグリセリン化合物、最も好ましくは一般式II
【化8】
(式中、nは整数>0であり、
mは整数>0であり、かつ、
R1、R2、R3、R4は、同一であるかまたは異なり、水素、アルキル、アシル、フェニルおよびベンジルからなる群より選択され、ここでアルキルは好ましくは直鎖または分枝のC1〜C18アルキルであり、及び/又はアシルは好ましくはR5−COであり、ここでR5は直鎖または分枝のC1〜C18アルキルであり、フェニルおよびベンジルは置換されていてもよい)に従ってα−β−分枝を有するポリグリセリン化合物を含有してもよい。
【0019】
浴はまた、好ましくは環状エーテル部分を有する、一般式III
【化9】
(式中、nは整数>0であり、かつ、
R1、R2、R3、R4は、同一であるかまたは異なり、水素、アルキル、アシル、フェニルおよびベンジルからなる群より選択され、ここでアルキルは好ましくは直鎖または分枝のC1〜C18アルキルであり、及び/又はアシルは好ましくはR5−COであり、ここでR5は直鎖または分枝のC1〜C18アルキル、フェニルまたはベンジルであり、フェニルおよびベンジルは置換されていてもよい)を有する他のポリグリセリン化合物を含有してもよい。
【0020】
本明細書で示された式I、IIおよびIIIは、非置換ポリグリセリン化合物ならびにそれらの誘導体、すなわちアルキル−、フェニル−及び/又はベンジル−置換末端基を持った誘導体、アルキル−、フェニル−及び/又はベンジル−置換アルコール基を持った誘導体ならびに末端基と誘導体とを持った誘導体であって、そのアルコール基がカルボン酸で置換されている誘導体を含む。
【0021】
EP 0137793 A2に記載された共重合体とは対照的に、本明細書で表されたポリグリセリン化合物はホモポリマーである。
【0022】
本発明による電解銅めっき浴および方法は、公知の浴および方法よりも次の利点を有する。
【0023】
a)該浴および方法は、例えば2.5A/dm2を超える高い陰極電流密度でさえも、銅の非常に平らな層を電着することを可能にする。製造されることになるプリント回路基板が非常に小さな直径の例えば0.3mm以下のボアホールを有する場合、ボアホール中の電界強度は、プリント回路基板の表面上よりもはるかに小さい。その結果として、ボアホール中の陰極電流密度は通常、プリント回路基板の表面上の電流密度に比べて非常に小さいであろう。この差は、銅電着の方法において過電圧を抑えることによって部分的に相殺されるかもしれない。
【0024】
これが、例えば1A/dm2までの小さな平均電流密度(全電流/ボアホール壁面を含む基板の全表面)範囲を用いる公知の浴および方法で、ボアホール壁上の電流密度が、基板表面上の電流密度に関して最大10%だけ低下することが観察されている理由である。例えばEP 0137397 A2は、この点では、0.3mmの直径を有するボアホール中で陰極電流密度が0.5〜1.0A/dm2になる場合、外面上の導体ラインに関して90%を超える銅の均一電着性が達成されてもよいことを示している。しかし、おそらく十分に遮蔽されている導体ライン上では、電着される銅の層は全めっき面積上の銅に比べて厚くなく、その結果、数学的により高い均一電着性値が得られるであろうから、金属の均一電着性を示すのに導体ラインの被膜厚さを参照することは一般に認められないことを考慮しなければならない。
【0025】
EP 0137397 A2の実施例により利用された陰極電流密度はさらに比較的小さく、その結果としてより有利な値が得られる。経験上、小さな電流密度では、得られた均一電着性の値は一般に良好であることが示されている。しかし、かかる低い電流密度を利用すると、達成される銅めっきの生産性は非常に低い。より高い平均電流密度を選択すると、ボアホール壁上の均一電着性は基板の表面上のそれに関して減少し、その結果、被膜厚さは、当該技術の浴の使用に関してあらかじめ定められた許容範囲内に保持することができない。我々の評価では、EP 0137397 A2に記載された共重合体が銅浴に添加される場合、および0.3mm直径のボアホールを持った1.6mm厚の基板が2.5A/dm2の陰極電流密度で銅めっきされる場合、60〜70%の値が達成されるに過ぎない。
【0026】
それに反して、本発明による銅めっき浴および方法を用いる場合、例えば4A/dm2の比較的高い平均電流密度でさえも非常に狭いボアホールの壁で十分に高い局部電流密度が確認されており、その結果、十分な被膜厚さもそこで達成されるかもしれない。1.6mm厚さ(ホールの長さ:1.6mm)の基板中の0.3mm幅のボアホールの中心において2.5A/dm2の平均陰極電流密度を使用するときには、電着された層の厚さは基板の上面上の層の全エリアの厚さに関して80%になり、EP 0137397 A2に記載された添加剤を使用した場合のようにたったの60〜70%ではない。
【0027】
述べられた条件は直流の使用に関係する。あるいはまた、パルス直流(単極パルス電流)または逆転パルス技術(二極パルス電流)が使用されてもよい。この目的のために、パルス電流が被処理物と少なくとも1つの陽極との間を流れるような方法で、電圧が変えられる。パルス電流を使用することによって、被膜厚さはさらに一層平らになるかもしれない。
【0028】
b)銅電着物は無光沢であり、非常に一様な細かい粗さを示す。この粗さは、追加の前処理なしに、銅の層の表面上に被着される有機被膜の、より具体的にはレジストの十分な接合を提供するために必要である。プリント回路基板の製造においては、銅の層は通常、導体ラインならびにボンドパッドおよびはんだパッドのような他の回路構造物(ランド)を作製するために形成される。回路構造物が完成すると、光構造はんだレジストが通常、プリント回路基板の外面上に被着される。熱的および化学的ストレスの下でさえも、前記レジストは、何の問題もなく銅表面上にしっかりと付着していなければならない。銅の層の一様な粗さは、光電性レジストにとって特に良好なベースを構成し、その結果、はんだレジストと銅表面との間に強い接合が形成されるかもしれない。
【0029】
c)一様な平らな表面は、さらに他の利点を有する。回路構造物を製造すると、プリント回路基板は光学的方法によって試験される。光学的に試験された場合、通常非常に光沢のある銅の層は、構造物の認識でエラーをもたらすかもしれない。これに反して、無光沢の被膜表面は、誤認識を締め出すことを可能にする。
【0030】
d)本発明による銅めっき浴および方法で作製される銅の層は、非常に一様な細かい粗さを示すが、一方、公知の層の構造は幾分より粗い性質である。製造されたプリント回路基板が高周波目的に使用される場合、これは、より不都合な電気的特性をもたらす。さらに、導体ラインの端の定義は不正確である。公知の浴によって電着された層のより粗い表面構造は、層中の微結晶のより粗いサイズのためである。
【0031】
公知の浴および方法で作製された層を通る断面と、本発明による銅めっき浴および方法で生み出されたかかる層を通る断面との研磨を比較するとき、公知の浴および方法で作製された層は、本発明による銅浴および方法で生み出された層よりもかなり大きい微結晶を含むことが確認されるかもしれない。これは、断面が電解研磨された場合に特によく視覚化されるかもしれない。公知の浴で作製された層はまた、それらの微結晶のより粗い構造のために減少した破壊伸長を示す。
【0032】
e)本発明による銅めっき浴および方法で電着された銅の層の機械的性質は非常に良好である。一面では、得られた層は非常に高い破壊伸長を有し、他面では、それらは高い引張強さを有する。得られた破壊伸長の値は、2.5A/dm2を超える陰極電流密度でさえも19%になる。その結果として、たとえ層が高い陰極電流密度で作製されたとしても、銅の層はプリント回路基板のはんだ付けの間ずっとひび割れしないであろう。もし破壊伸長及び/又は引張強さが十分に高くないならば、銅の層は温度の急上昇によって引き起こされる基板の樹脂材料の熱膨張に従うことができないであろうし、より具体的には基板の表面からボアホールの壁への変わり目で、ひび割れするであろう。本発明による銅めっき浴および方法から作製された層は、プリント回路基板が288℃の温度を有するはんだ浴上に、あるいはまた、288℃の温度の油浴上に浮かせるために繰り返し置かれ、続いて熱源からそれらを取り去って急冷される通常のショック試験に何の問題もなく耐える。
【0033】
それに反して、6〜20%の破壊伸長は、EP 0137397に記載された浴が利用される場合、50μm厚のフィルムで得られる。
【0034】
ポリグリセリン化合物は、公知の方法に従って製造される。
【0035】
製造の条件に関する指示は、次の出版物、例えば、Cosmet. Sci. Technol. Ser.,グリセリン,ページ106,1991,Behrens,Mieth,Die Nahrung(食品),第28巻、ページ821,1984、DE−A−2527701および米国特許第3945894号に含まれている。
【0036】
グリセリン、グリシドールまたはエピクロロヒドリンが、ポリグリセリン化合物を製造するのにとりわけ使用されてもよい。これらは、例えば200〜275℃の範囲の温度でアルカリ性物質を使用する触媒作用下に重合させられる。あるいはまた、重合はまた、硫酸または三フッ化ホウ素の存在下に実施されてもよい。
【0037】
製造方法の第1の変形において、エピクロロヒドリンは、苛性ソーダアルカリ液またはソーダ溶液と共に加熱して加水分解される。それによってグリセリンおよびグリセリンのオリゴマーが生成する。次に、グリセリンが通常の方法によって分離され、粗ポリグリセリンが脱水され、ジグリセリンが精密蒸留によって除去される。残留物の分留により、小含量の高級オリゴマー/ポリマーを含むテトラグリセリンが得られる。このポリグリセリンは、少なくとも90重量%のn=4のポリグリセリン化合物と最大10重量%のn=3及び/又は5のポリグリセリン化合物とを含有し、その中のポリグリセリン化合物の割合の合計がその100重量%になる混合物Aを構成する。ポリグリセリン化合物は、直鎖であっても、分枝していてもよく及び/又は環状部分を有してもよい。銅浴は例えば、それぞれが一般式I、IIおよびIIIの1つの有する少なくとも2種のポリグリセリン化合物のかかるポリグリセリン混合物Aを含有してもよい。
【0038】
製造方法の第2の変形において、エピクロロヒドリンの反応は第1の変形と同様に実施される。次に、同様に、グリセリンが分離され、粗ポリグリセリンが脱水され、ジグリセリンが精密蒸留によって除去される。テトラグリセリンに加えて、この残留物はまた、他のポリグリセリン、より具体的にはトリグリセリンおよびより高級な縮合ポリグリセリン化合物も含有する。これによって得られた混合物Bは、少なくとも40重量%のn=4のポリグリセリン化合物と最大50重量%のn=2、3及び/又は5のポリグリセリン化合物と最大20重量%のn=6、7、8及び/又は9のポリグリセリン化合物とを含有し、混合物B中のポリグリセリン化合物の割合の合計はその100重量%になる。ポリグリセリンは、直鎖であっても、分枝していてもよく及び/又は環状部分を有してもよい。電解銅めっき浴は、例えばそれぞれが一般式I、IIおよびIIIのそれぞれ1つの有する少なくとも2種のポリグリセリン化合物のかかる混合物Bを含有してもよい。
【0039】
ポリグリセリン化合物の混合物の組成は、ポリグリセリン化合物混合物が合成された後、種々の蒸留条件を用いることによって変えられてもよい。
【0040】
ポリグリセリン化合物の混合物、特に混合物AおよびBのどれかを適切な割合で混合するか、または従来の分離技術によって混合物A及び/又はBから個々のポリグリセリン化合物を単離して任意の混合物をさらに複合するかのいずれかによって、ポリグリセリン化合物のさらに他の混合物さえ製造されてもよい。こうして、混合物Cが製造されてもよく、混合物Cで各ポリグリセリン化合物は、直鎖、分枝であってもよい及び/又は環状部分を有してもよい一般式I、IIおよびIIIの少なくとも1つを有する。混合物Cは、30〜35重量%のn=4のポリグリセリン化合物と50〜60重量%のn=2、3及び/又は5のポリグリセリン化合物と10〜15重量%のn≧6のポリグリセリン化合物とを含有し、混合物C中のポリグリセリン化合物の割合の合計はその100重量%になる。
【0041】
ポリグリセリン化合物の置換は、アルコールのエステル化および置換のような一般的な有機化学反応によって達成されてもよい(Jerry March,Advanced Organic Reactions)。
【0042】
有利なことに、一般式I、IIまたはIIIを有するポリグリセリン化合物のさらにより高級の同族体、より具体的にはn>9、例えばn=16の同族体が使用されてもよい。
【0043】
本発明の好ましい実施態様において、電解銅めっき浴中のポリグリセリン化合物の混合物Aの濃度は、0.3g/リットル〜1.3g/リットルの範囲にある。電解銅めっき浴中のポリグリセリン化合物の混合物Bの濃度は、好ましくは0.7g/リットル〜2.6g/リットルの範囲、より具体的には0.8〜2g/リットルの範囲にある。電解銅めっき浴中のポリグリセリン化合物の混合物Cの濃度は、0.7g/リットル〜2.6g/リットルの範囲であり、より具体的には0.8〜2g/リットルの範囲にある。
【0044】
ポリグリセリン化合物は好ましくは166〜6000g/モルの範囲の、特に好ましい実施態様において240〜1600g/モルの範囲の分子量を有する。
【0045】
本発明による電解銅めっき浴は、少なくとも1種の銅塩と少なくとも1種の酸とを含有する。銅塩は、好ましくは硫酸銅およびフルオロホウ素酸銅からなる群より選択される。酸は、好ましくは硫酸およびフルオロホウ素酸からなる群より選択される。さらに、浴は塩化物イオンを含有してもよい。アルカリ塩、より具体的には塩化ナトリウムまたは塩化カリウムが例えば利用されてもよい。当然のこととして、塩酸もまた使用されてもよい。原則として、上述の塩または酸の代わりにそれぞれ、他の化合物が利用されてもよい。
【0046】
浴成分の濃度は次のとおりである。
銅含量:18〜30g/リットル、CuSO4・5H2Oに関して
好ましくは20〜30g/リットル
濃硫酸:180〜250g/リットル
好ましくは220〜250g/リットル
塩化物含量:35〜130mg/リットル
好ましくは50〜70mg/リットル
【0047】
本発明による電解銅めっき浴は、さらに鉄(II)化合物を含有してもよい。鉄(II)塩、より具体的にはFeSO4が例えば含まれてもよい。かかる塩は例えば可溶性陽極の代わりに不溶性陽極を使用するのに利用される。この場合、陽極で形成された鉄(III)イオンは、好ましくは別個の容器に含有される銅片により鉄(III)イオンを銅片と反応させて鉄(II)イオンと銅(II)イオンとを形成することによって、鉄(II)イオンを生成するのに役立つ。このように、Cu2+は浴溶液中で生み出される。
【0048】
さらに、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールならびにそれらのブロック共重合体からなる群より選択されたクラスからの例えば基本レベリング剤(basic leveling agent)のような、さらなる浴成分が銅めっき浴中に含有されてもよい。浴はまた、メリキノイド(meriquinoid)化合物、ピリジンおよびピリジニウムスルホベタインからなる群より選択されたクラスの化合物のようなスローイング添加剤および結晶微細化剤を含んでもよい。
【0049】
陰極電流密度は公知の方法におけるよりも高く選ばれてもよく、被膜厚さはプリント回路基板のすべての場所で狭い許容範囲(80〜100%)内に保持されるかもしれない。通常、得られた銅の層は、陰極電流密度が0.5〜4A/dm2の範囲に選ばれる場合、広範囲にわたって一様である。値がこの範囲内に設定される場合、一様に無光沢である層がまた得られるかもしれない。陰極電流密度が0.5A/dm2を超えない場合、電着物はシルク−無光沢仕上がり(silk−matt finish)を有する。1〜4A/dm2の範囲の電流密度は、非常に良好な結果を与える。典型的には、優れた結果は約2.5A/dm2の陰極電流密度で得られる。
【0050】
運転の間ずっと、銅浴の温度は20〜40℃の範囲、好ましくは25〜35℃の範囲の値に好ましくは調節される。
【0051】
電解銅めっき浴は、強力な流れによって、およびおそらくは、浴の表面が強く動くような方法で浴の中に清浄な空気を吹き込むことによって攪拌されてもよい。その結果として、被処理物および陽極の近くへの物質の移送が最大限になり、その結果、より高い電流密度が可能になる。被処理物を動かすこともまた、それぞれの表面での物質の移送を改善する。増加した対流および電極の動きは、制御された拡散で一定の電着を達成することを可能にする。基板は、水平、垂直方向に及び/又は振動によって動かされてもよい。それを銅めっき浴中への空気の吹き込みと組み合わせることは、特に有効である。
【0052】
電着過程で消費される銅は、銅陽極により電気化学的に補充されてもよい。可溶性陽極に使用される銅は、0.02〜0.067重量パーセントのリンを含有してもよい。陽極は、電解液中に直接つり下げることができるか、またはボールもしくは小片の形態で使用することができ、この目的のために浴中に置かれたチタンかごの中へ満たすことができる。原則として、不溶性陽極もまた銅浴中で利用されてもよく、その外部の幾何学的形状は、電着過程の間ずっと不変のままである。前記陽極は例えばチタンまたは鉛から構成されてもよいが、高い陽極過電圧を避けるために、例えば白金のような金属触媒で被覆されてもよい。
【0053】
慣例上使用される被覆設備の中で、プリント回路基板は通常、電着過程の間ずっと垂直または水平位置に維持される。プリント回路基板がラインによって水平方向に運ばれるそれらの被覆設備が好都合であり、その方法で銅めっきされる。参照のために本明細書に援用される、DE 323545 C2、DE 3624481 C2およびEP 0254962 A1は、例えばプリント回路基板を電気的に接触させるための、および設備を通ってそれらを同時に運ぶための建設的解決法を提案している。
【0054】
次の実施例は、本発明を説明するのに役立つ。
【0055】
実施例1
10.2%ジグリセリン、12.7%トリグリセリン、32.1%テトラグリセリン、31.4%ペンタグリセリン、8.9%ヘキサグリセリン、4.7%ヘプタグリセリンおよび少量の高級同族体からなるポリグリセリン化合物の混合物Cを、ポリグリセリン化合物の混合物Cを形成するための作製方法の第2変形に従って生成した。[%]での表示は、n=2〜7のポリグリセリン化合物について合わせて100%になる相対的な値である。その値は、混合物中での重量パーセントに関連する。
【0056】
ポリグリセリン化合物の上述の混合物Cを利用して、成分を水に溶解することによって次の組成の銅浴を作製した。
1リットルの水中
CuSO4・5H2O 80g(Δ20gCu2+)
濃硫酸 240g
NaCl 52mg
ポリグリセリン化合物の混合物C 1g。
【0057】
75分以内に、25℃の浴温で2.5A/dm2の平均陰極電流密度で、本明細書で記載された浴から、前もって無電解ニッケルめっきした銅キャリア上に銅層を電着させた。銅陽極を利用した。得られた層は、一様に無光沢であり、全キャリア一面に33μmの一様な厚さを与えた。
【0058】
図1は、走査電子顕微鏡によって1000倍の倍率で得られた被膜表面の写像を表す。十分に形成された微結晶を写像上に概観できるであろう。
【0059】
その後、ニッケルめっきしたキャリアから銅の層を容易に剥離することができ、こうして銅のフィルムを得た。その結果として銅のフィルムの機械的性質を容易に測定することができた。フィルムは、19%の破壊伸長および39kN/cm2の引張強さを有した。
【0060】
次に、1.6mmの厚さと0.3mmの直径を有するボアホールとを持ったプリント回路基板材を、同じ浴で2.5A/dm2の平均電流密度で銅めっきした。
【0061】
図2は、材料の外面からボアホールの壁への銅の層の変わり目の電解研磨断面の作製に関して顕微鏡により2500倍の倍率で形成された画像を表す。十分に形成された微結晶を画像上に概観することができる。
【0062】
研磨断面を作製し、ボアホールの中心における被膜厚さと材料の外面上の被膜厚さとを測定することによって、ボアホールにおける被膜厚さ分布を測定した。この目的のために、それぞれの被膜厚さの比を測定することによって、各ボアホールの中心における厚さを材料の外面での厚さと関連づけた。この方法により、均一電着性は80%と測定した。
【0063】
プリント回路基板材上の銅の層の機械的性質を測定するために、基板の銅めっきした片をはんだショック試験によって調べた。この目的のために、基板の片を、288℃の温度を有する錫/鉛はんだ浴上に10秒間置き、続いて冷却した。このサイクルを10回行った。
【0064】
次に、ボアホール中の銅の層を通って研磨断面を作製することによって、銅の層の結着性を調べた。ボアホールの入口での外面からボアホール壁への変わり目で銅の層にひび割れは全く確認されなかった。ボアホール中の銅の層から銅の内部層への変わり目がボアホールによって裂かれたという観察は全く見られなかった。
【0065】
実施例2
混合物Aを与えるために上に略述した手順に従ってポリグリセリン化合物の混合物を調製した。この混合物は、少なくとも90重量%のテトラグリセリンと最大10重量%のトリグリセリン及び/又はペンタグリセリンとを含有した。この混合物を、水中で次の組成を有する電解銅めっき浴に適用した。
水1リットル中
CuSO4・5H2O 72g(Δ:18gCu+2)
濃硫酸 180g
Cl− 50mg
ポリグリセリン化合物の混合物A 0.1〜1.3g。
【0066】
銅めっき浴中のポリグリセリン化合物の量を上記の範囲内で変化させた。
【0067】
先ず10リットル浴中で、その後110リットル浴中で試験を行った。銅浴の温度は20〜24℃の範囲であった。陰極電流密度は2.5A/dm2に設定した。
【0068】
次に1.6mmの厚さを有するプリント回路基板材を銅浴で処理した。基板材には、0.3mmの直径(アスペクト比:5.3:1)を有するスルーホールを備えつけた。
【0069】
得られた銅めっき層の外観、はんだ付け性能および均一電着性を試験するに先立って、20アンペア時電荷を浴の各リットルに通電するまでの間、基板材を浴中で処理した。
【0070】
銅めっきすると、むらなく無光沢の銅層が形成され、層は薄ローズ色からサーモンピンク色であり、何のピットも示さなかった。はんだショック試験は、銅層がIPC6規格をパスすることを示した。均一電着性を実施例1で記載したように試験した。それは76±5%であることが分かった。
【0071】
比較例
次の組成の銅浴を調製した。
水1リットル中
硫酸銅 75g
濃硫酸 200g
NaCl 55mg
無光沢銅浴用に商業的に入手可能な添加剤 6ミリリットル。
【0072】
この浴から、26℃の浴温で2.5A/dm2の平均電流密度で、直径0.3mmのボアホールを有する1.6mm厚のプリント回路基板上に銅層を電着させた。30分後に、銅電着物の厚さは、材料の外面上で16μmに、ボアホール中で10μmになった。銅陽極を使用した。
【0073】
上述の実施例と同じ方法でボアホールの中心における被膜厚さと材料の外面上の被膜厚さとを測定することによって、ボアホール中の被膜厚さ分布を測定した。この方法により、均一電着性は60〜70%になった。
Claims (27)
- ポリ(1,2,3−プロパントリオール)、ポリ(2,3−エポキシ−1−プロパノール)およびそれらの誘導体からなる群より選択された少なくとも1種のポリグリセリン化合物を含む、銅の無光沢層を電着するための電解銅めっき浴。
- アルキルが直鎖または分枝のC1〜C18アルキルであり、及び/又はアシルがR5−CO(式中、R5は直鎖または分枝のC1〜C18アルキル、フェニルまたはベンジルである)である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電解銅めっき浴。
- 少なくとも2種のポリグリセリン化合物の混合物Aであって、各ポリグリセリン化合物が一般式I、IIおよびIIIの少なくとも1つを有し、少なくとも90重量%のn=4のポリグリセリン化合物と最大10重量%のn=3及び/又は5のポリグリセリン化合物とを含有し、混合物Aの中の該ポリグリセリン化合物の割合の合計がその100重量%になる混合物Aを含有する、請求項2〜5のいずれか1項に記載の電解銅めっき浴。
- 前記銅浴中の前記ポリグリセリン化合物の混合物Aの濃度が0.3g/リットル〜1.3g/リットルの範囲である、請求項6に記載の電解銅めっき浴。
- 少なくとも2種のポリグリセリン化合物の混合物Bであって、各ポリグリセリン化合物が一般式I、IIおよびIIIの少なくとも1つを有し、少なくとも40重量%のn=4のポリグリセリン化合物と最大50重量%のn=2、3及び/又は5のポリグリセリン化合物と最大20重量%のn=6、7、8及び/又は9のポリグリセリン化合物とを含有し、混合物Bの中の該ポリグリセリン化合物の割合の合計がその100重量%になる混合物Bを含有する、請求項2〜5のいずれか1項に記載の電解銅めっき浴。
- 前記銅浴中の前記ポリグリセリン化合物の混合物Bの濃度が0.7g/リットル〜2.6g/リットルの範囲である、請求項8に記載の電解銅めっき浴。
- 少なくとも2種のポリグリセリン化合物の混合物Cであって、各ポリグリセリン化合物が一般式I、IIおよびIIIの少なくとも1つを有し、30〜35重量%のn=4のポリグリセリン化合物と50〜60重量%のn=2、3及び/又は5のポリグリセリン化合物と10〜15重量%のn≧6のポリグリセリン化合物とを含有し、混合物Cの中の該ポリグリセリン化合物の割合の合計がその100重量%になる混合物Cを含有する、請求項2〜5のいずれか1項に記載の電解銅めっき浴。
- 前記銅浴中の前記ポリグリセリン化合物の混合物Cの濃度が0.7g/リットル〜2.6g/リットルの範囲である、請求項10に記載の電解銅めっき浴。
- 前記ポリグリセリン化合物が166〜6000g/モルの範囲の分子量を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電解銅めっき浴。
- a.被処理物、少なくとも1つの陽極および電解銅めっき浴を提供する工程と、
b.該被処理物の表面および該少なくとも1つの陽極を、それぞれ、銅浴と接触させる工程と、
c.陰極の極性が該少なくとも1つの陽極に関して該被処理物に行うような方法で、該被処理物の表面と該少なくとも1つの陽極との間に電圧を印可する工程と、
を含む、被処理物の表面上に銅の無光沢層を電着する方法であって、
該銅浴が、ポリ(1,2,3−プロパントリオール)、ポリ(2,3−エポキシ−1−プロパノール)およびそれらの誘導体からなる群より選択された少なくとも1種のポリグリセリン化合物を含有する方法。 - アルキルが直鎖または分枝のC1〜C18アルキルであり、及び/又はアシルがR5−CO(式中、R5は直鎖または分枝のC1〜C18アルキル、フェニルまたはベンジルである)である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
- 前記銅浴が、少なくとも2種のポリグリセリン化合物の混合物Aであって、各ポリグリセリン化合物が一般式I、IIおよびIIIの少なくとも1つを有し、少なくとも90重量%のn=4のポリグリセリン化合物と最大10重量%のn=3及び/又は5のポリグリセリン化合物とを含有し、混合物Aの中の該ポリグリセリン化合物の割合の合計がその100重量%になる混合物Aを含有する、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 前記銅浴中の前記ポリグリセリン化合物の混合物Aの濃度が0.3g/リットル〜1.3g/リットルの範囲である、請求項18に記載の方法。
- 前記銅浴が、少なくとも2種のポリグリセリン化合物の混合物Bであって、各ポリグリセリン化合物が一般式I、IIおよびIIIの少なくとも1つを有し、少なくとも40重量%のn=4のポリグリセリン化合物と最大50重量%のn=2、3及び/又は5のポリグリセリン化合物と最大20重量%のn=6、7、8及び/又は9のポリグリセリン化合物とを含有し、混合物Bの中の該ポリグリセリン化合物の割合の合計がその100重量%になる混合物Bを含有する、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 前記銅浴中の前記ポリグリセリン化合物の混合物Bの濃度が0.7g/リットル〜2.6g/リットルの範囲である、請求項20に記載の方法。
- 前記銅浴が、少なくとも2種のポリグリセリン化合物の混合物Cであって、各ポリグリセリン化合物が一般式I、IIおよびIIIの少なくとも1つを有し、30〜35重量%のn=4のポリグリセリン化合物と50〜60重量%のn=2、3及び/又は5のポリグリセリン化合物と10〜15重量%のn≧6のポリグリセリン化合物とを含有し、混合物Cの中の該ポリグリセリン化合物の割合の合計がその100重量%になる混合物Cを含有する、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 前記銅浴中の前記ポリグリセリン化合物の混合物Cの濃度が0.7g/リットル〜2.6g/リットルの範囲である、請求項22に記載の方法。
- 前記ポリグリセリン化合物が166〜6000g/モルの分子量を有する、請求項13〜23のいずれか1項に記載の方法。
- パルス電流が前記被処理物と前記少なくとも1つの陽極との間に流れるような方法で、前記電圧が変えられる、請求項13〜24のいずれか1項に記載の方法。
- 被処理物表面上の銅の無光沢層上に有機被膜を形成する工程をさらに含む、請求項13〜25のいずれか1項に記載の方法。
- 前記有機被膜がフォトレジスト層である、請求項26に記載の方法。
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