JP2004510001A - 自己配列分子を含む接着剤組成物、接着剤、物品および方法 - Google Patents

自己配列分子を含む接着剤組成物、接着剤、物品および方法 Download PDF

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Abstract

自己配列分子を含む接着剤組成物、接着剤および接着剤から製造された接着剤物品、ならびにかかる接着剤を製造し使用する方法。

Description

【0001】
自己配列フィルム、典型的には単分子層フィルムを形成する自己配列分子(self−assembled film)は様々な用途で用いられてきた。例えば、それらの分子は、金属表面の特性を改質するため、固体基材上に小寸法の模様を形成するため、生物学的分子のためのセンサーを製造するため、摩擦を減少させるとともにインクジェットペンのオリフィスの表面エネルギーを改良するために用いられてきた。それらの分子は、典型的には金属表面を浸食する水および腐食性物質に対する保護バリアを提供するとともに、金属表面の上に重なるポリマーの接着性を促進するためにも用いられてきた。
【0002】
薄い自己配列フィルムは、自己配列両親媒性物質の希釈溶液に対象基材を浸漬被覆することにより、または両親媒性物質を含有する気相にさらしフィルム形成を進行させることにより大抵の場合調製される。かかる分子は、概ね整った分子構成を自発的に基材上に作り出す。かかるフィルムは、一旦形成されると、自己配列されないポリマーフィルムとは異なり、フィルムが沈殿した溶媒に再び溶解しない。長い滞留時間および多くの場合に用いられる可燃性溶媒は、この処理を使いがたくするとともに製造状況に適応することを難しくする。したがって、自己配列フィルムを提供する新規手段が望まれている。
【0003】
本発明の組成物は、自己配列単分子層フィルム向けの前駆物質を接着剤組成物に組み込むことにより、改質された表面の生成に際して高価または不便な工程を排除する手段を提供する。自己配列分子は、改質しようとする基材に関する親和性、接着剤への制御された溶解度、および自己配列前駆物質が基材表面を見つけた時に、自己配列前駆物質が接着剤と基材との間の界面に付着するとともに界面で自発的にフィルムを形成するような分子構成を有するように選択される。
【0004】
したがって、本発明は、自己配列分子(self−assembling molecules)を含む接着剤組成物、接着剤および該接着剤から製造された接着剤物品、ならびにかかる接着剤を製造し使用する方法を提供する。かかる材料は、接着剤組成物が様々な機能を果たすことができるので有利である。例えば、本発明の接着剤組成物は、接着剤成分のための剥離剤として機能できる低表面エネルギーフィルムなどの自己配列フィルムのための供給手段として機能を果たすことが可能である。そして、低表面エネルギーフィルムは、金属酸化物表面または他の無機表面などの表面を保護することができる。本発明の接着剤組成物は、接着剤が十分に接着しない表面、例えば、油汚れ表面または別な風に汚れた表面、特に金属表面が別途に下塗される必要がないように自己下塗接着剤として用いることも可能である。
【0005】
一実施形態において、接着剤成分と接着剤が被着される表面の特性を改質することが可能な現場(in situ)自己配列フィルムの前駆物質とを含む接着剤組成物が提供される。表面の特性を改質する方法も提供される。本方法は、接着剤成分と接着剤組成物が被着される表面の特性を改質することが可能な現場(in situ)自己配列フィルムの前駆物質とを含む接着剤組成物を表面に被着させる工程を含む。本明細書において、「現場(in situ)自己配列フィルムの前駆物質」は、「前駆物質」または「自己配列フィルム前駆物質」あるいは「自己配列分子」とも呼び、構造式Y−Z−(CQ−W−Xを有する。式中、Yは、H、ハロゲン、接着剤と相互作用することが可能な官能基、または接着剤と相互作用することが可能な官能基を任意に含む有機基(好ましくは、特定の実施形態において、有機基はパーフルオロアルキル基である)であり、Zは共有結合または有機連結基であり、QはHまたはFであり、Wは共有結合または有機連結基であり、Xは、接着剤組成物が配置される基材と相互作用する非イオン基であり、nは少なくとも約7である。但し、(CQがCHF基も交互CHCF基も含まないことを条件とする。この場合、この化合物は、中性(pH約7)水中の0.1重量%より多い化合物の混合物が多相組成物を生じさせる点で特徴付けられる中性水に実質的に不溶性である。本明細書において、どの2種の材料(例えば、接着剤と自己配列フィルム内の官能基または基材と自己配列フィルム内の官能基)間の相互作用も、引き付け相互作用、反発相互作用または結合相互作用(例えば、共有結合またはイオン結合)であることが可能である。
【0006】
もう一つの実施形態において、基材に接着された接着剤が提供される。接着剤は、接着剤成分と直ぐ上で記載した構造式を有する前駆物質から調製される薄い自己配列フィルムとを含む。本明細書において、フィルムは、各層が5オングストローム〜30オングストロームのオーダーの厚さでフィルム全体が500オングストローム未満の厚さである単分子層または多分子層を指している。最も好ましい層厚さは単分子である。
【0007】
本発明のなおもう一つの実施形態は、本明細書で開示された接着剤によって互いに接着された少なくとも二個の基材を有する物品を含む。好ましくは、基材は金属基材または金属酸化物基材である。好ましくは、基材は、高温(例えば、約71℃以下)、高湿度(例えば、約100%以下)、塩水(例えば、2重量%〜6重量%の濃度)またはそれらの組合わせにさらされた後に強度を保持する接着剤結合によって互いに接着される。
【0008】
もう一つの実施形態は、低表面エネルギーフィルムを提供できる接着剤組成物および表面上に低表面エネルギーフィルムを提供する方法を目指している。接着剤組成物は、接着剤成分と約35ダイン/センチメートル(ダイン/cm)未満の表面エネルギーを有する現場(in situ)自己配列低表面エネルギーフィルムの前駆物質とを含む。本方法は、かかる接着剤組成物を表面に被着させることを含む。好ましくは、本方法は、接着剤成分を除去することをさらに含む。これらの低表面エネルギー実施形態において、好ましくは、前駆物質は、構造式Y−Z−(CQ−W−Xの前駆物質である。式中、Yは、H、F、式C2m+1(mは約10以下である)のパーフルオロアルキル基であり、Zは共有結合であり、QはHまたはFであり、Wは共有結合または有機連結基であり、Xは、接着剤組成物が配置される基材と相互作用する非イオン基であり、nは少なくとも約7である。但し、(CQがCHF基又は交互CHCF基を含まないことを条件とする。この場合、22℃の中性水中における少なくとも約0.1重量%の前駆物質は多相組成物を形成する。
【0009】
もう一つの実施形態は、自己下塗である接着剤組成物および表面を下塗する必要を排除する方法を目指している。自己下塗接着剤組成物は接着剤成分と現場(in situ)自己配列フィルムの前駆物質とを含む。本方法は、かかる自己下塗接着剤組成物を表面に被着させることを含む。かかる自己下塗実施形態において、前駆物質は構造式Y−Z−(CQ−W−Xの前駆物質である。式中、Yは、接着剤成分と相互作用することが可能な官能基、または前記接着剤成分と相互作用することが可能な官能基を任意に含む有機基であり、Zは共有結合または有機連結基であり、QはHであり、Wは共有結合または有機連結基であり、Xは、接着剤組成物が配置される基材と相互作用する非イオン基であり、nは少なくとも約7である。この場合、22℃の中性水中における少なくとも約0.1重量%の前駆物質は多相組成物を形成する。
【0010】
接着剤組成物を製造する方法も提供される。かかる方法は、用いられる接着剤成分の種類に応じて異なる。本明細書で用いられる「a」または「an」あるいは「the」は、改質されるエレメントの「一つ以上」を意味する「少なくとも一つ」と互換可能に用いられる。
【0011】
一般に、基材の表面は接着剤結合の前に改質される。例えば、剥離表面は、適する溶媒から基材上に低表面エネルギー材料の層を被着させることにより作り出される。その後、接着剤は、この低エネルギー表面に被着され、よって接着剤を後で容易に除去できる構造を作り出す。もう一つの例は、改善された接着剤結合および特に改善された耐久性を求めて表面を調製することである。大抵の場合、基材表面は、意図的に被着されえたか、または偶発的に起きうる油の層を伴う。産業界は、改善された耐久性を求めて金属表面を調製する多くの方法を用いてきた。これらには、溶媒ワイピングほどに単純な技術および陽極酸化ほどに複雑且つ高価な技術が挙げられる(A.V.Pocius,Adhesion and Adhesives Technology,An Introduction,Hanser Publishers,Ch.7,1977を参照すること)。多くの場合、表面調製には、適する溶媒から被着される腐食抑制下塗が後で行われる。改善された結合および耐久性を求める低エネルギー表面の生成または表面の改質のために、多くの工程が用いられ、余分のコストと作業員の安全に関する問題である有害化学薬品の多用につながる。
【0012】
本発明は、自己配列分子のための供給手段を形成する接着剤組成物を提供する。この組成物は、表面上の剥離剤または保護フィルム、あるいは表面、特に例えば油汚れ表面への接着性を強化できる表面上の下塗を提供するために有用である。したがって、接着剤組成物は自己自身の下塗または剥離剤として機能することが可能である。
【0013】
意義深いことには、材料の選択に応じて、自己配列分子の接着剤組成物への組み込みは、表面への接着剤結合の初期構造強度を改善し、様々な表面、特に汚れた表面との接着剤の適合範囲を広げるとともに、表面への接着剤結合の耐久性を改善することが可能である。接着性を強化するこの方法は、油汚れ表面のために特に有利である。典型的には油汚れ材料と適合性である接着剤が選択されなければならない。
【0014】
一旦油が接着剤によって収着されてしまうと、油収着成分が付いた接着剤は、典型的には特性の低下を被る。しかし、自己配列分子の組み込みによって、接着剤の油収着性の懸念は薄れる。本発明者らは理論に縛られることを望まないけれども、自己配列分子が基材上の吸着サイトを求めて汚染物と活発に競争し、よって油の押し退けにつながることが考えられる。
【0015】
さらに、この実施形態において、界面に自己配列フィルムが存在すると、初期接着剤結合強度を高めることが可能である。重ね剪断強度に関するASTM D1002−72仕様によって測定して、自己配列分子のない同じ接着剤を基準として、自己配列分子を含む接着剤の初期結合強度において、好ましくは少なくとも約30%(より好ましくは少なくとも約40%、最も好ましくは少なくとも約200%)の改善がある。さらに、自己配列分子の選択に応じて、自己配列分子は、(特に分子が水に対する疎水性バリアを形成するアルキル長鎖を含む場合)バリア特性を提供することによって、および清浄表面または(典型的には約0.4mg/cm以下の炭化水素油または約0.6mg/cm以下の乳化油を有する)油汚れ表面上の基材/接着剤界面を安定化させることにより多分、(特に本明細書に記載された式の「Y」基の選択に際して)結合強度の保持を促進することが可能である。好ましくは、重ね剪断強度に関するASTM D1002−72仕様によって測定して、および清浄表面または(典型的には約0.4mg/cm以下の炭化水素油または約0.6mg/cm以下の乳化油を有する)油汚れ表面上でのASTM B117塩噴霧暴露法を用いて測定して、接着剤結合の塩噴霧暴露後に結合強度の少なくとも約60%(より好ましくは少なくとも約80%)の保持がある。好ましい自己配列前駆物質によって、初期接着剤結合強度が改善されるだけでなく、不利な環境での接着剤結合の耐久性も改善される。意義深いことには、好ましくは、初期結合強度の少なくとも約30%の改善および塩噴霧暴露後に接着剤結合の少なくとも約60%の結合強度保持の両方がある。
【0016】
図1に示したように、従来の構造接着剤10は、油15汚れを上に有する金属酸化物などの無機基材12の表面に被着させることが可能である。明らかに、油15の存在は、接着剤10と基材12との間の接着剤接触を妨げ、結合強度を全くもたらさないか、または低い結合強度しかもたらさない。図2は、本発明の構造接着剤と油汚れ無機基材との間の界面での自己配列分子の作用の理論図の概略図である。この図において、接着剤10は、自己配列フィルム14を形成する自己配列フィルム(すなわち自己配列分子)11向けの前駆物質を含む。このフィルム14は無機基材表面12から油15を押し退け、よって接着剤結合を形成することが可能になる。
【0017】
本明細書で記載した接着剤組成物は、本明細書で開示した接着剤によって互いに結合された少なくとも二個の基材を有する物品を製造するために用いることが可能である。好ましくは、基材は金属基材または金属酸化物基材である。好ましくは、基材は、高温(例えば、約71℃以下)、高湿度(例えば、約100%以下)、塩水(例えば、2重量%〜6重量%の濃度)またはそれらの組合わせにさらされた後に強度を保持する接着剤結合によって互いに接着される。
【0018】
あるいは、材料の選択に応じて、自己配列分子の接着剤組成物への組み込みは、基材に低表面エネルギー保護被膜を被着させる独特の方法を提供することが可能である。例えば、図3は、感圧接着剤20から無機基材22への低表面エネルギー(例えば、アルキル末端またはフルオロアルキル末端自己配列単分子層)材料の供給の概略図である。この図において、感圧接着剤20は、自己配列フィルム24を形成する自己配列フィルム(すなわち自己配列分子)21向けの前駆物質を含む。このフィルム24は、接着剤20が基材に貼合され、放置して適切な時間にわたり保圧される時に無機基材22上に形成される。接着剤20を除去すると、自己配列フィルム24が被覆された基材22が残る。
【0019】
かかる低表面エネルギー保護被膜は、一般に、アルキル末端またはフルオロアルキル末端自己配列フィルム前駆物質を用いて調製される。かかる被膜(すなわちフィルム)は、Zisman臨界表面張力またはGirifalco−Good−Fowkes処理などの標準接触角法によって測定して、約35ダイン/cm未満の表面エネルギーを示す。かかる技術は、A.W.Adamson,Physical Chemistry of Surface,4th ed.,John Wiley & Sons,Ch.10,1982に記載されている。低表面エネルギーフィルムは、反射防止多層フィルムスタックなどのガラス基材および光学的基材のための汚れ防止被膜(例えば、シラン)の領域で有用でありうる。かかる物品は、フィルムスタックの光学的特性を損なわないように厚さが極めて均一で約100オングストローム未満の長持ちする耐摩耗性低表面エネルギー処理を必要とする。本発明の接着剤組成物を用いて他の低表面エネルギー材料を沈着させて金属含有表面(例えば、金属および金属酸化物)を改質することが可能である。これらには、例えば、炭化水素チオール、弗化炭化水素チオール、カルボン酸、ホスフェート、ホスホネート誘導体およびベンゾチアゾールが挙げられる。
【0020】
本発明の接着剤組成物は、接着剤成分と接着剤組成物が被着される表面の少なくとも一つの特性(例えば、表面エネルギー、湿潤特性、輸送特性、接着剤結合耐久性、初期結合強度)を改質することが可能な現場(in situ)自己配列フィルムの前駆物質とを含む。本明細書において、「現場(in situ)自己配列フィルム」は、本発明の接着剤を基材に被着させると直ぐに基材/接着剤界面で形成される(典型的には単分子層の形をとる)フィルムである。したがって、自己配列フィルムは、別個の層(例えば、別個の下塗層または剥離層)として被着されない。本明細書において、フィルムは、各層がおよそ5オングストローム〜30オングストロームの厚さでフィルム全体が500オングストローム未満の厚さである単分子層または多分子層を指している。最も好ましい層厚さは単分子である。
【0021】
現場(in situ)自己配列フィルム向けの前駆物質は、接着剤組成物が被着される表面の少なくとも一つの特性を改質することが可能である。自己配列の効果は多くの方法で検出することが可能である。低表面エネルギーフィルムの用途の場合、周知されている接触角技術および分光分析技術によって、効果の存在を検出することが可能である。耐久性強化のための自己配列フィルムの用途の場合、フィルムの効果は電気化学インピーダンス分光分析(EIS)によって検出することが可能である。典型的には、表面は、表面と接着剤成分との間の相互作用の改質を引き起こすために少なくとも一つの特性に関して改質される。表面の少なくとも一つの特性のこの改質は、現場(in situ)自己配列フィルムの前駆物質のない同じ接着剤組成物と比べて、別個の下塗または下塗技術を使用せずに接着剤成分の表面への改善された接着性をもたらすことが可能である。あるいは、表面の少なくとも一つの特性のこの改質は、現場(in situ)自己配列フィルムの前駆物質のない同じ接着剤組成物と比べて、別個の剥離材料なしで接着剤成分の表面からの改善された剥離をもたらすことが可能である。
【0022】
自己配列分子は自己配列フィルムを形成する。本明細書で用いられる「自己配列」(およびその変形)は、原子および分子を秩序だった官能単位に自発的に配列させることを指している。自己配列のプロセスを設計し始動させることができるが、一旦自己配列が開始されると、自己配列は自己自身の内部計画にしたがって進行する。自己配列の産物は、その形と機能が系の構成材料部分によって決定されるエネルギー的に安定な系である。分子の自己配列から生じる分子構成が表面全体にわたって必ずしも均一ではないことは当業者によって理解されるであろう。したがって、かかる均一性は、本発明の組成物および方法を用いて形成されるフィルムの要件ではない。
【0023】
典型的には、得られる自己配列フィルムは、単分子層より厚いことが可能であるけれども、単分子層の厚さ(典型的には約30オングストローム未満の厚さである)のフィルムである。フィルムは連続または不連続であることが可能である。連続フィルムとは、接着剤と基材との間の界面全体を埋める自己配列分子の層を意味する。不連続フィルムとは、各島が自己配列分子から形成されるが、自己配列分子のない接着剤が基材に接触している島間の空間を伴った島で生じるフィルムを意味する。
【0024】
接着剤組成物は、好ましくは少なくとも約一ヶ月の貯蔵安定性を有する。貯蔵安定性は、自己配列フィルム前駆物質が分散される接着剤の種類に応じて決まる。貯蔵安定性は貯蔵条件に応じても決まる。例えば、幾つかの一液性エポキシ接着剤は、妥当な貯蔵安定性を得るためにフリーザー内で貯蔵されなければならない場合がある。
【0025】
特に好ましい実施形態において、本発明は、接着剤と構造式Y−Z−(CQ−W−Xを有する少なくとも一種の前駆物質から調製された(不連続単分子層の形であることが可能である)自己配列フィルムとを含む、基材(例えば、テープの裏地、金属表面、ガラス表面など)に接着された接着剤を提供する。
Y−Z−(CQ−W−X
式中、Yは、H、ハロゲン、接着剤成分と相互作用することが可能な官能基、または接着剤成分と相互作用することが可能な少なくとも一個の官能基を任意に含む有機基(好ましくは、特定の実施形態において、有機基はパーフルオロアルキル基である)であり、Zは共有結合または有機連結基であり、QはHまたはFであり、Wは共有結合または有機連結基であり、Xは、接着剤組成物が配置される基材と相互作用する非イオン基であり、nは少なくとも約7である。但し、かかる前駆物質において、(CQ基はCHF基も交互CHCF基も含まない。
【0026】
接着剤が配置される基材は、所望の用途に応じて広範囲の材料のどれであることも可能である。基材は、接着剤物品または他の基材中で典型的に用いられる裏当て材料を含むことが可能である。接着剤物品(例えばテープ)のための裏当て材料の例には、紙、高分子フィルム、織布、不織布、金属フォイル、ガラスクロスなどが挙げられる。基材は、自己配列フィルムを沈着することにより保護されるべき材料を含むことが可能である。低エネルギー保護フィルムが供給されるかかる基材の例には、金属、金属酸化物、ガラスおよびセラミックから製造された光学部品、電子部品または装飾部品が挙げられる。基材は、腐食保護および接着剤結合耐久性の強化のために接着剤が被着されるべき材料を含むことが可能である。接着剤の接着性を強化するために下塗されるかかる基材の例には、スチール、亜鉛メッキ鋼、亜鉛およびアルミニウムなどの金属、ならびにガラスが挙げられる。
【0027】
自己配列フィルム前駆物質
前駆物質は構造式Y−Z−(CQ−W−Xの化合物である。式中、Yは、H、ハロゲン、接着剤成分と相互作用(例えば、共有性またはイオン性であることが可能である物理的または化学的に相互作用すること)することが可能な官能基、または接着剤成分と相互作用(例えば、共有性またはイオン性であることが可能である物理的または化学的に相互作用すること)することが可能な少なくとも一個の官能基を任意に含む有機基であり、Zは共有結合または有機連結基であり、QはHまたはFであり、Wは共有結合または有機連結基であり、Xは、接着剤組成物が配置される基材(例えば、テープの裏地、金属表面、ガラス、ガラスクロス、またはXが親和性を示すあらゆる表面)と相互作用する非イオン有機基であり、nは少なくとも約7(好ましくは、nは約20以下、より好ましくは、nは7〜16である)である。但し、(CQがCHF基も交互CHCF基も含まないことを条件とする。この場合、この化合物は、中性(pH約7)水中0.1重量%より多い化合物の混合物が多相組成物を生じさせる点で特徴付けられる中性水に実質的に不溶性である。多相とは、二相以上の相、例えば、固体と液体水または二種の不混和性液体が存在することを意味する。例えば楕円偏光法などの技術を用いて当業者によって、この式の化合物の自己配列性を容易に評価することが可能である。
【0028】
本明細書で用いられる「有機基」という用語は、脂肪族基、環式基、あるいは脂肪族基と環式基の組合わせ(例えば、アルカリール基またはアラルキル基)として分類される炭化水素基を意味する。本発明の内容において、「脂肪族基」という用語は、飽和または不飽和、直鎖または分岐の炭化水素基を意味する。この用語は、例えば、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基を包含するように用いられる。「アルキル基」または「アルキレン基」という用語は、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ヘプチル、ドデシル、オクタデシル、アミルおよび2−エチルヘキシルなどを含む飽和の直鎖または分岐炭化水素基を意味する。「アルケニル基」または「アルケニレン基」という用語は、ビニル基などの一個以上の炭素−炭素二重結合を有する不飽和の直鎖または分岐炭化水素基を意味する。「アルキニル基」または「アルキニレン基」という用語は、一個以上の炭素−炭素三重結合を有する不飽和の直鎖または分岐炭化水素基を意味する。「環式基」という用語は、脂環式基、芳香族基、ヘテロ環式基として分類される閉環炭化水素基を意味する。「脂環式基」という用語は、脂肪族基の特性に似た特性を有する環式炭化水素基を意味する。「芳香族基」または「アリール基」あるいは「アリーレン基」という用語は、一核または多核の芳香族炭化水素基を意味する。「ヘテロ環式基」という用語は、環中の原子の一個以上が炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素、硫黄など)である閉環炭化水素基を意味する。
【0029】
置換は本発明の化合物中で予期される。本出願全体を通して用いられる特定の用語の議論および列挙を単純化する手段として、「基」および「部分」という用語は、置換を見込んでいるか、または置換されうる化学物質と置換を見込んでいないか、またはそう置換されえない化学物質との間を区別するために用いられる。したがって、「基」という用語が化学的置換基を表現するために用いられる時、記載された化学材料は、非置換基と、カルボニル基または他の従来の置換基のみでなく例えば鎖中にO、NまたはS原子を有する当該基とを含む。「部分」という用語が化学的化合物または置換基を表現するために用いられる時、非置換化学材料のみを含めることが意図されている。例えば、「アルキル基」という言葉は、メチル、エチル、プロピルおよびt−ブチルなどの純飽和炭化水素アルキル置換基のみでなく、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルスルホニル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボキシルなどの技術上知られているアルキル置換基保有の別置換基(例えば、官能基またはヘテロ原子)も含むことが意図されている。したがって、「アルキル基」は、エーテル基、ハロアルキル、ニトロアルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、スルホアルキルなどを含む。他方、「アルキル部分」という言葉は、メチル、エチル、プロピル、t−ブチルおよびシクロヘキシルなどの純飽和炭化水素アルキル置換基のみを含めることに限定される。
【0030】
好ましくは、Yは、H、ハロゲン(すなわち、ハロゲン原子)、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、または任意にチオール基、アミノ基、ヒドロキシル基、ハロゲンを任意に含むC〜C15有機基(より好ましくはC〜C10有機基)またはそれらの組合わせである。かかる有機基は、あらゆる置換基の一個以上を含むことが可能である。特定の好ましい実施形態において、Yは接着剤成分と化学的に相互作用する(すなわち、共有結合またはイオン結合を形成する)基である。かかる基の例には、アミノ基(−NH)、
【化1】
Figure 2004510001
【化2】
Figure 2004510001
ヒドロキシル基(−OH)、
【化3】
Figure 2004510001
ビニル基(−CH=CH)、
チオール基(−SH)、
【化4】
Figure 2004510001
【化5】
Figure 2004510001
が挙げられ、ここでRはHまたはメチルあるいはそれらの組合わせであることが可能である。
【0031】
特定の好ましい実施形態において、ZおよびWはそれぞれ独立して共有結合である。特定の好ましい他の実施形態において、ZおよびWはそれぞれ独立して有機連結基であり、その基は、飽和または不飽和であってもよい直鎖、分岐または環式構造を含むことが可能である。好ましくは、各二価のZ基またはW基は、独立して、ヘテロ原子および/または官能基を含む直鎖基である。例には、一個以上のヘテロ原子(例えば、酸素、窒素または硫黄)、官能基(例えば、カルボニル、アミドまたはスルホンアミド)またはその両方で置換された、炭素原子数2〜16(好ましくは3〜10)の、二価アルキレン基、アリーレン基またはそれらの混合基が挙げられる。ZおよびWのために好ましい構造は、それらが自己配列を抑制しないように選択されるべきである。
【0032】
特定の好ましい実施形態において、Xは、チオール基(−SH)、モノホスフェート基、ホスホネートまたはホスホン酸基(−P(O)(OH))、ヒドロキサム酸基(−C(O)NHOH)、カルボン酸基(−C(O)OH)、イソニトリル基、シリル基、ヘテロ環式芳香族基(例えば、
【化6】
Figure 2004510001
【化7】
Figure 2004510001
【化8】
Figure 2004510001
【化9】
Figure 2004510001
またはジスルフィド基(−S−S−)である。より好ましくは、Xは、チオール基、モノホスフェート基、ホスホネート基、カルボン酸基、シリル基またはベンゾトリアゾール基である。酸化アルミニウム表面の場合、好ましくは、Xはホスホン酸基(−P(O)(OH))、ヒドロキサム酸基(−C(O)NHOH)またはカルボン酸基(−C(O)OH)を含む。酸化鉄表面またはスチール表面の場合、好ましくは、Xはヒドロキサム酸基(−C(O)NHOH)を含む。酸化銅の場合、好ましくは、Xはヒドロキサム酸基(−C(O)NHOH)、チオール基(−SH)、モノホスフェート基、ホスホネートまたはホスホン酸基、トリアゾリル基、チアゾリル基、ベンズイミダゾリル基またはピリジニル基を含む。酸化珪素またはガラスの場合、好ましくは、Xは式SiR(式中、各Rは独立して−OCH、−OCHCH、アセトキシまたはClである(好ましくはCl))のシリル基を含む。金、銅および銀の場合、好ましくは、Xはチオール基(−SH)またはジスルフィド基(−S−S−)である。白金の場合、好ましくは、Xは
【化10】
Figure 2004510001
を含む。
【0033】
本明細書で前述した二つの実施形態の各々において、自己配列フィルム前駆物質のために好ましい式を以下に記載する。
【0034】
自己配列フィルム前駆物質は、所望の結果をもたらす量で接着剤組成物中に存在する。典型的にはかつ好ましくは、前駆物質は、被着されたままの接着剤の重量を基準にして0.1重量%〜2重量%の量で接着剤組成物中に存在する。
【0035】
接着剤成分
接着剤組成物の接着剤成分は多様な接着剤から選択することが可能である。接着剤成分は、熱硬化性接着剤、すなわち、硬化した材料を不可逆的に形成する化学薬品、樹脂およびオリゴマーから配合される接着剤であることが可能である。「熱硬化性」接着剤という用語は、熱および/またはE−ビーム、紫外線、可視光線などの他のエネルギー源を利用すると直ぐに、あるいは化学的触媒および水分などを添加すると経時的に、不可逆的に硬化する反応系から形成される接着剤を指すように本明細書で用いられる。「反応性」という用語は、接着剤の成分が重合、架橋またはその両方のいずれかによって、上述したメカニズムのいずれかを用いて互いに反応(または自己反応)することを意味する。
【0036】
好ましい熱硬化性接着剤は、特に自己下塗接着剤組成物中の構造接着剤を含む。これは、木材、複合材または金属などの、これも著しい凝集強度を有する基材を接着するために用いられる凝集強度が高い材料である。実用的な接着剤結合強度は構造接着剤に関して室温で典型的には6.9MPaを超える。あるいは、高強度材料を結合するために用いられる材料として構造接着剤を定義することができ、かかる様式で作られた接着剤結合は使用中に耐クリープ性である。かかる接着剤は、通常は性質として極性であり、高い表面エネルギーを有し、硬化した接着剤は多くの型の環境浸食に耐性である。かかる接着剤には、エポキシ、アクリル、ポリウレタンなどが挙げられる。
【0037】
特定の好ましい実施形態において、接着剤はエポキシ接着剤である。エポキシ接着剤は、反応性樹脂がオキシラニル(エポキシド)基で官能化される広い等級(class)の接着剤である。本接着剤は、一種以上のオキシラン−官能性樹脂を含み、任意に非反応性充填剤(例えば、白土およびタルクなどの無機粉末)を含み、任意に厚さ制御方法としてガラスビーズまたは繊維状マットを含み、任意にゴム改質剤(例えば、B.F.Goodrich製のCTBN1300x8などのエポキシ末端ブタジエンニトリルゴム(CTBN))を含み、オキシラン基と反応性である硬化剤も含む。オキシラン基と反応する硬化剤は、エポキシ接着剤の当業者に対して周知であり、それらの硬化剤には、ジアミン、ポリアミン、ジチオール、ポリチオール、ジフェノール、ポリフェノール、ジ酸無水物、ポリ酸無水物、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、イミダゾール、イミダゾール金属錯体、およびカチオン重合を開始させる特定の金属塩などが挙げられる。
【0038】
エポキシ接着剤は、この接着剤を貯蔵安定性にすることができる方法に広く分類することが可能である。一液性エポキシ接着剤において、硬化剤は、貯蔵条件下で不溶性であるが硬化条件(例えば、熱)下で可溶性になるように選択される。かかる一種の硬化剤はジシアンジアミドである。あるいは、硬化反応が光によって開始される硬化剤を選択してもよい。かかる一種の材料はジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートである。かかる配合物において、接着剤は暗所で安定性であろうが、光にさらされる時に硬化するであろう。貯蔵安定性を達成するもう一つの方法は、二液性エポキシ接着剤を配合することである。この場合、オキシラン官能性樹脂は硬化剤とは別個の容器内で貯蔵される。硬化が必要とされる時、二成分を適切な比率で混合し硬化を開始させる。
【0039】
類似の配合物も、アクリル、ウレタン、フェノール、ポリイミドおよびシアネートエステル接着剤化学薬品、ならびに幾つかの他の構造接着剤化学薬品のために記載することが可能である。A.V.Pocius,Adhesion and Adhesives Technology,An Introduction,Hansen Publishers,Ch.8,1997を参照すること。
【0040】
接着剤は、特に低表面エネルギー接着剤組成物中の感圧接着剤であることが可能である。感圧接着剤を識別する周知の一つの手段はDahlquist基準である。この基準は、Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology,Donatas Satas(Ed.),2nd Edition,p.172,Van Nostrand Reinhold,New York,NY,1989に記載されたように1x10−6cm/ダインより大きい1秒クリープコンプライアンスを有する接着剤として感圧接着剤を定義している。あるいは、弾性率が第一近似に基づいてクリープコンプライアンスの逆数であるので、感圧接着剤は、1×10cm/ダイン未満のヤング率を有する接着剤として定義してもよい。感圧接着剤を識別する周知のもう一つの手段は、感圧接着剤が室温で活発に且つ永久に粘着性であり、指圧または手圧より大きい圧力を要せずに単に接触すると様々な異なる表面に強く接着し、1985年8月に感圧テープ協議会によって提示されたGlossary of Terms Used in the Pressure Sensitive Tape Industryに記載されたように残留物を残さずに平滑表面から除去されうることである。適する感圧接着剤のもう一つの定義は、感圧接着剤が、25℃での周波数に対する弾性率のグラフにプロットされた時、好ましくは、約0.1ラジアン/秒(0.017Hz)の周波数で約2×10〜4×10ダイン/cmの弾性率の範囲、および約100ラジアン/秒(17Hz)の周波数で約2×10〜8×10ダイン/cmの弾性率の範囲のような点によって定義された領域内の室温貯蔵弾性率を有することである(例えば、Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology(Donatas Satas,Ed.),2nd Edition,Van Nostrand Rheinhold,New York,1989のp.173の図8−16を参照すること)。本発明の方法で用いるために適する感圧接着剤を識別するために、これらの方法のどれも使用することができる。
【0041】
本発明において有用な感圧接着剤の例には、粘着性付与天然ゴム、合成ゴム、粘着性付与スチレンブロックコポリマー、(メタ)アクリレート、ポリ(アルファ−オレフィン)およびシリコーンが挙げられる。特定の実施形態において、感圧接着剤は、アクリル、ポリオレフィン(例えば、ポリ(アルファ−オレフィン)、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、スチレン−ブタジエンランダムコポリマーエラストマー樹脂または粘着性付与ゴム樹脂である。
【0042】
有用な天然ゴム感圧接着剤は、一般には、素練り天然ゴム、天然ゴム100部に対して25部〜300部の一種以上の粘着性付与樹脂および典型的には0.5部〜2.0部の一種以上の酸化防止剤を含有する。天然ゴムは、明るいペールクレープグレードからより暗いリブド・スモークド・シートまで及んでもよく、天然ゴムには、CV−60(制御型粘度ゴムグレード)およびSMR−5(リブド・スモークド・シートゴムグレード)のような例が挙げられる。天然ゴム内で用いられる粘着性付与樹脂には、一般に、ウッドロジンおよびその水素添加誘導体、種々の軟化点のテルペン樹脂、および石油系樹脂が挙げられるが、それらに限定されない。特殊目的のために他の材料を天然ゴム接着剤に添加することができ、この場合、その添加は、可塑剤、顔料、および感圧接着剤を部分的に加硫する硬化剤を含むことが可能である。
【0043】
感圧接着剤のもう一つの有用な等級は合成ゴムを含む接着剤である。かかる接着剤は、自己粘着性であるか、または非粘着性で粘着性付与剤を必要とする一般にはゴム状のエラストマーである。
【0044】
自己粘着性合成ゴム感圧接着剤には、例えば、ブチルゴム、イソブチレンと3%未満のイソプレンのコポリマー、ポリイソブチレン、イソプレンのホモポリマー、ポリブタジエンまたはスチレン/ブタジエンゴムが挙げられる。
【0045】
一般に粘着性付与剤を必要とする合成ゴム感圧接着剤は、溶融加工するのが一般により容易でもある。それらは、ポリブタジエンまたはスチレン/ブタジエンゴム、10部〜200部の粘着性付与剤および一般にゴム100部当たり0.5部〜2.0部の酸化防止剤を含む。合成ゴムの例は、スチレン/ブタジエンゴムである商品名AMERIPOL101IAでBF Goodrichから入手できる合成ゴムである。有用な粘着性付与剤には、ロジンの誘導体、ポリテルペン、C脂肪族オレフィン誘導樹脂およびC芳香族/脂肪族オレフィン誘導樹脂が挙げられる。
【0046】
スチレンブロックコポリマー感圧接着剤は、一般に、A−B型またはA−B−A型のエラストマーおよび樹脂を含み、ここでAは熱可塑性ポリスチレンブロックを表し、Bはポリイソプレン、ポリブタジエンまたはポリ(エチレン/ブチレン)のゴム状ブロックを表す。ブロックコポリマー感圧接着剤中で有用な種々のブロックコポリマーの例には、Shell Chemical Co.から商品名KRATON D1107P、KRATON G1657、KRATON G1750XおよびKRATON D1118Xで入手できるものなどの直鎖、放射状、星形および傾斜スチレン−イソプレンブロックコポリマーが挙げられる。ポリスチレンブロックは、回転楕円面状、円柱状またはブロックコポリマー感圧接着剤に二相構造をもつようにさせる板状のドメインを形成する傾向がある。ゴム相と関連する(associate with)樹脂は、一般に、感圧接着剤中で粘着性を発現する。ゴム相と関連する樹脂の例には、Goodyearから商品名ESCOREZ1300およびWINGTACKで入手できるものなどの脂肪族オレフィン誘導樹脂、Hercules,Inc.から商品名FORALおよびSTAYBELITE Ester10で入手できるものなどのロジン樹脂、Exxonから商品名ESCOREZ5000で入手できるものなどの水素添加炭化水素、Hercules,Inc.から商品名PICCOLYTE Aで入手できるものなどのポリテルペン、商品名PICCOFYN A100で入手できるものなどの石油源またはターペンチン源から誘導されたテルペンフェノール樹脂が挙げられる。熱可塑性相と関連する樹脂は感圧接着剤を硬くする傾向がある。
【0047】
(メタ)アクリル感圧接着剤は、一般に−20℃以下のガラス転移温度を有し、例えば、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートおよびn−ブチルアクリレートなどのC〜C12アルキルエステル成分100〜80重量%、および例えば、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドンおよびスチレンモノマーなどの極性成分0〜20重量%を含んでもよい。好ましくは、(メタ)アクリル感圧接着剤は、0〜20重量%のアクリル酸および100〜80重量%のイソオクチルアクリレートを含む。(メタ)アクリル感圧接着剤は自己粘着性であってもよく、または粘着性付与されてもよい。(メタ)アクリレートのために有用な粘着性付与剤は、Hercules,Inc.から商品名FORAL85で入手可能なものなどのロジンエステル、Hercules,Inc.から商品名PICCOTEX LC−55WKで入手可能なものなどの芳香族樹脂、Hercules,Inc.から商品名PICCOTAC95で入手可能なものなど脂肪族樹脂、Arizona Chemical Co.から商品名PICCOLYTE A−115およびZONAREZ B−100で入手可能なものなどのテルペン樹脂である。特殊目的のために水素添加ブチルゴム、顔料、および感圧接着剤を部分的に加硫する硬化剤を含む他の材料を添加することができる。
【0048】
ポリ(1−アルケン)感圧接着剤とも呼ばれるポリ(アルファ−オレフィン)感圧接着剤は、一般に米国特許第5,112,882号(バブ(Babu)ら)に記載されたように、上にグラフトされた放射線活性化性官能基を有してもよい実質的に架橋されていないポリマーまたは架橋されていないポリマーのいずれかを含む。ポリ(アルファ−オレフィン)ポリマーは自己粘着性であってもよく、および/または一種以上の粘着性付与材料を含んでもよい。
【0049】
粘着性付与材料は、典型的には、ポリ(アルファ−オレフィン)ポリマーに混和性である樹脂である。ポリ(アルファ−オレフィン)ポリマー中の粘着性付与樹脂の全量は、特定の用途に応じてポリ(アルファ−オレフィン)ポリマー100部当たり0〜150重量部の範囲である。有用な粘着性付与樹脂には、C〜C不飽和炭化水素モノマーの重合によって誘導される樹脂、ポリテルペンおよび合成ポリテルペンなどが挙げられる。この種類のCオレフィンフラクションに基づくかかる市販の樹脂の例には、Goodyear Tire and Rubber Co.から商品名WINGTACKで入手できるものが挙げられる。特殊目的のために酸化防止剤、充填剤、顔料および放射線活性化架橋剤を含む他の材料を添加することができる。
【0050】
シリコーン感圧接着剤は、二種の主要成分、すなわち、ポリマーまたはガムと粘着性付与樹脂を含む。ポリマーは、典型的には、ポリマー鎖の末端上の残留シラノール官能基(SiOH)を含む高分子量のポリジメチルシロキサンまたはポリジメチルジフェニルシロキサン、またはポリジオルガノシロキサンソフトセグメントとウレア末端ハードセグメントとを含むブロックコポリマーである。粘着性付与樹脂は、一般に、トリメチルシロキシ基(OSiMe)で末端封止されているとともに幾つかの残留シラノール官能基も含む三次元シリケート構造である。粘着性付与樹脂の例には、ニューヨーク州ウォーターフォードのGeneral Electric Co.Silicone Resins Division製のSR545、およびカリフォルニア州トランスのShin−Etsu Silicones of America,Inc.製のMQD−32−2が挙げられる。典型的なシリコーン感圧接着剤の製造は米国特許第2,736,721号(デクスター(Dexter))に記載されている。シリコーンウレアブロックコポリマー感圧接着剤の製造は米国特許第5,214,119号(レア(Leir)ら)に記載されている。
【0051】
特殊目的のために顔料、可塑剤および充填剤を含む他の材料を接着剤成分に添加することができる。充填剤は、典型的には感圧接着剤100部当たり0〜10部の量で用いられる。使用できる充填剤の例には、酸化亜鉛、シリカ、カーボンブラック、顔料、金属粉末および炭酸カルシウムが挙げられる。
【0052】
自己下塗接着剤組成物
構造接着剤と高強度高エネルギー表面(例えば、金属、ガラス)との間の殆どの接着剤結合は水分による浸食を受けやすい。水分の浸食は、基材を適切な表面調製で処理することにより、および多分それに加えて腐食抑制下塗の被着によって軽減することができる。表面調製には、金属表面のエッチング(例えば、ニッケルの弗化水素酸エッチング、スチールの酸エッチング、アルミニウムのクロム酸/硫酸エッチング)が挙げられ、そしてアルミニウム、マグネシウムおよびチタンの陽極酸化などのプロセスも挙げてもよい。さらに、一旦金属が表面調製されると、こうして作り出された高エネルギー表面は腐食に対して保護する必要があり、後で下塗層を被着させてもよい。
【0053】
多くの金属は、低強度および低耐久性の接着剤結合を生じさせそうな条件で接着剤工場に到着する。多くの金属は油で汚れている。さらに、幾つかの製造プロセスは油の使用を必要とする。例えば、幾つかの金属は、所望の形状を獲得するために「深絞り」されなければならない。深絞りは、より容易に金属を造形するために油の使用を必要とする。上述した表面調製(例えば、酸エッチング)は、典型的には油除去工程後に行われて、これらの汚染物を除去する。明らかに、上述した工程のすべては、接着剤結合を生じさせるコストを大幅に増加させる。多くの可能な手順において、有害な酸が用いられる。明らかに、現場(in situ)化学反応(chemistry)によって基材の表面を下塗する接着剤系を有することは明確な利点であろう。本発明の接着剤は、かかる手段を提供する。
【0054】
自己下塗接着剤組成物の接着剤成分は、好ましくは熱硬化性接着剤、より好ましくは構造接着剤である。それらの接着剤は、好ましくは金属含有(例えば、金属または金属酸化物)基材上で用いられる。より好ましくは、接着剤は、一方の反応液が自己配列フィルム向けの前駆物質と組み合わされ、それらが反応しようとするまで他方の反応液が分離されて提供されうる二液性エポキシ接着剤である。
【0055】
金属表面または油汚れ金属表面などの基材への接着剤成分の接着性を強化するために、自己配列フィルム前駆物質は、好ましくは、構造式Y−Z−(CQ−W−Xを有する化合物からなる群から選択される。式中、Yは、接着剤成分と相互作用することが可能な官能基、または接着剤成分と相互作用することが可能な少なくとも一個の官能基を任意に含む有機基であり、QはHである。より好ましくは、Yは、接着剤成分と化学的に相互作用する(すなわち、共有結合またはイオン結合を形成する)基である。かかるY基の例には、アミノ基(−NH)、
【化11】
Figure 2004510001
【化12】
Figure 2004510001
ヒドロキシル基(−OH)
【化13】
Figure 2004510001
ビニル基(−CH=CH)、チオール基(−SH)、
【化14】
Figure 2004510001
または
【化15】
Figure 2004510001
が挙げられ、ここでRはHまたはメチルであることが可能である。Y基は、好ましくは、接着剤成分中の一次樹脂と共反応性であるように選択される。
【0056】
好ましくは、Z、WおよびXは、自己配列フィルム前駆物質に関して一般に上で定義された通りである。基材への接着剤成分の接着性を強化する特定の好ましい実施形態において、ZおよびWは、それぞれ独立して共有結合である。好ましくは、Xは、金属含有基材、特に油で汚染されている(典型的には約0.4mg/cm以下の炭化水素油、または約0.6mg/cm以下の乳化油を有する)金属含有基材への接着性を強化する基である。基材への接着剤成分の接着性を強化する特定の特に好ましい実施形態において、YはOHであり、WおよびZは共有結合であり、Xはヒドロキサム酸またはカルボン酸であり、QはHである。
【0057】
自己配列フィルム前駆物質は、所望の結果を提供する量で接着剤組成物中に存在する。例えば、前駆物質は、1エポキシド当量当たり約0.05ミリモル〜約0.25ミリモルの量でエポキシド接着剤組成物中に存在する。いかなる理論によっても縛られたくない一方で、過度な実験をせずに当業者によって決定されうる最適濃度が前駆物質の中心部分の長さ「n」に関連することは明らかである。
【0058】
低表面エネルギーフィルムの供給のための接着剤組成物
低表面エネルギーフィルムを供給する組成物の接着剤成分は、好ましくは感圧接着剤である。好ましくは、感圧接着剤は、アクリル、ポリオレフィン(例えば、ポリ(アルファ−オレフィン))、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、スチレン−ブタジエンランダムコポリマーエラストマー樹脂または粘着性付与ゴム樹脂である。
【0059】
基材に低表面エネルギー保護フィルムを供給するために、自己配列フィルム前駆物質は、好ましくは構造式Y−Z−(CQ−W−Xの前駆物質である。式中、Yは、H、F、または式C2m+1(mは約10以下である)のパーフルオロアルキル基であり、Zは共有結合であり、QはHまたはFであり、Wは共有結合または有機連結基であり、Xは、接着剤組成物が配置される基材と相互作用する非イオン基であり、nは少なくとも約7である。但し、(CQがCHF基も交互CHCF基も含まないことを条件とする。この場合、22℃の中性水中の前駆物質の少なくとも約0.1重量%は多相組成物を形成する。特定の特に好ましい実施形態において、YはFであり、Zは共有結合であり、QはFである。
【0060】
基材に低表面エネルギー保護フィルムを供給するために、自己配列フィルム前駆物質は、より好ましくは、アルキル置換チオール、弗化アルキル置換チオール、シラン、ホスホン酸、モノホスフェートエステルおよびベンゾトリアゾールからなる群から選択される。特定の例には、1−オクタデシルチオール、1−オクタデシルホスホン酸、オクタデシルトリクロロシラン、C17(CH11SH,C15CHOCHCHCHSiCl、C17CHCHSiClおよびC17CHCHOPO(OH)が挙げられる。
【0061】
ガラスまたは酸化珪素の処理のために、好ましくは、接着剤は、式−SiR(式中、R基は独立して−OCH、OCHCH、アセトキシおよびClからなる群から選択される)のシリル基などのシリル基を含む化合物で変性される。他の好ましい実施形態は、金基材の処理のためにアルキルチオール、アルミニウム基材または銅基材の処理のためにアルキルまたは弗化アルキルモノホスフェートあるいはホスホン酸、および銅基材の処理のためにアルキルまたは弗化アルキルベンゾトリアゾールで変性された接着剤を含む。
【0062】
前駆物質は、所望の結果を達成するとともに特定の系ごとに実験によって確立されなければならないレベルで接着剤中に存在する。自己配列フィルム前駆物質は、典型的には約2重量%(wt%)以下、好ましくは約1重量%以下、より好ましくは0.1重量%〜1重量%のレベルで接着剤に添加される。少なすぎると劣ったフィルムが生じる一方で、多すぎると接着剤の大部分の特性を変えうる。
【0063】
一実施形態において、フッ素化シランがヘプタンなどの有機溶媒中の接着剤の溶液に添加される。接着剤および溶媒は、典型的には、シランに向けて化学的に反応性でないように選択される。トリクロロシランは、自己配列プロセスでより反応性であるので、トリアルコキシシランなどの他の誘導体より好ましい。しかし、溶液は、典型的には、シランが偶発的な水分を捕捉しないように、そして加水分解および縮合によってより表面活性でないオリゴマー物質を生じさせないように、混合後可能な限り速やかに用いられる。したがって、自己配列フィルムの形成に向けたシラン−変性接着剤溶液の活性は溶液が古くなるとともに低下する。そして、組成物は、反射防止ガラスおよび接着剤組成物に貼合された高分子フィルムなどの対象の基材上に被覆される。その後、構造体は、自己配列が発生することを可能にするために、オーブンで処理されることが可能であるか、または室温で貯蔵されることが可能である。典型的には、これは、接着剤組成物と反射防止ガラスの界面にシランが拡散し、そこでシランが吸着水と反応することにより発生する。適切な滞留時間後に、プラスチックフィルムおよび接着剤成分を除去すると、フッ素化シロキサン処理面を露出させる。
【0064】
単分子厚さの自己配列フィルムを供給するために感圧接着剤を使用するのは、溶液浸漬被覆法などの、低表面エネルギー自己配列保護フィルムを供給する従来の方法と比べて多くの理由で有利である。例えば、本発明の組成物を使用すると、およそ分/部で必要でありうる浸漬被覆より遙かに短い時間尺度で本接着剤組成物を被覆し貼合せることができるので、遙かにより速い処理を見込むことが可能である。そして、貼合せ構造が保存されつつ表面官能化が発生する。また、処理しようとする表面に接着剤を接触したままにすることができるかぎり、浸漬被覆後の部品の洗浄はもう問題ではない。得られた自己配列フィルムが一切の残りの接着剤残留物の容易な除去を見込んでいるので、エンドユーザーは、部品を用いる時に接着剤および貼合せフィルムの除去後に表面の一切の必要な最終洗浄を行うことが可能である。また、輸送および貯蔵中に、貼合せフィルムは、表面、特に鏡面または反射防止面などの傷付きやすい表面に追加保護を提供することが可能である。さらに、自己配列フィルムは、浸漬被覆または気相処理で行われるより容易に本発明の接着剤組成物を用いて表面の特定の領域に被着させることが可能である。
【0065】
本発明の目的および利点を以下の実施例によってさらに例示するが、これらの実施例で挙げた特定の材料および材料の量、ならびにその他の条件および詳細は本発明を不当に限定すると解釈されるべきではない。
【0066】
実施例
重ね剪断強度の試験
以下の修正を加えて、引張荷重による剪断における接着剤の強度特性(金属対金属)に関する試験のASTM標準方法(規格分類番号D1002−72)にしたがって重ね剪断強度を測定した。
(1)基材は、厚さ0.0762cmまたは0.1524cm×幅2.54cm×長さ10.16cmのAlcoa6111アルミニウム合金シートであった。一方の基材をもう一方の基材と重ね、3.22cmの接触面積を設けたいわゆる「指試験片」中で結合を作った。
(2)接着する前に、アセトンによる溶媒ワイピングによって基材を洗浄した(幾つかの基材をこの状態のままにした)。
(3)そして、所定の塗布量を達成するのに適切な量の油を分配し、その後クーポン表面全体を覆うように手で油を塗りつけることにより、油を基材表面の幾つかの上に沈着させた。基材を一晩放置して、油の流れおよびレベルを均一厚さの層にさせた。次の2種の油を用いた。炭化水素油Quaker Q61A−US(塗布量0.4mg/cm)および乳化油Fuchs DB4265(塗布量0.6mg/cm)。
(4)約0.015〜0.020cmの結合線厚さを達成するためにガラスビーズのスペーサーを用い、以下に記載した接着剤組成物(現場(in situ)自己配列フィルム向けの前駆物質入りおよび前駆物質なし)を用いてASTM規格に準拠して重ねパネルを作製した。
(5)1時間にわたり以下で規定した高温で接着剤試験片を硬化させ、その後、24時間にわたり室温で熟成させた。
(6)重ね剪断データを3サンプルの平均として報告する。
【0067】
材料
自己配列フィルム前駆物質
10−ウンデセノイルヒドロキサム酸は以下に記載したHA−1およびHA−2前駆物質の合成のための出発材料である。10−ウンデセノイルクロリド(70.96g、0.35モル、Aldrich Chemical Co.から入手可能)、ヒドロキシルアミンヒドロクロリド(25.71g、0.37モル、Aldrich Chemical Co.から入手可能)、ピリジン(47.5g、0.6モル)および乾燥テトラヒドロフラン(すべての成分を溶媒和にするのに十分なもの、約50ml)の混合物を室温で1時間にわたり攪拌し、その後、もう1時間にわたり還流させた。反応混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチル(400ml)に溶解し、溶液を0.25M KHSO(2×100ml)、飽和NaHCO(1×100ml)および飽和NaCl(1×100ml)で抽出した。酢酸エチル溶液を水で洗浄し、NaSO上で乾燥した。酢酸エチルを真空下でロータリーエバポレータで除去し、残留物をジクロロメタンとヘキサンの1:1溶液に溶解した。溶液を通してアンモニアを泡立たせて、アンモニウム塩として微量の遊離酸を沈殿させた。溶液を濾過して酸塩沈殿物を除去し、溶媒をロータリーエバポレータで除去して、10−ウンデセノイルヒドロキサム酸を生成させた。
【0068】
HA−1(11−[(1,2−ジヒドロキシエチル)スルファニル]−N−ヒドロキシウンデカンアミド)を以下の手順によって合成した。メチルエチルケトン(約35ミリリットル(ml))中の10−ウンデセノイルヒドロキサム酸(15g、0.075モル)、1−チオグリセロール(8.1g、0.0748モル、Aldrich Chemical Companyから入手可能)およびESACURE KB−1(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタノン、0.06g、ペンシルバニア州エクストンのSartomer Co.から入手可能な光開始剤)の溶液に約10センチメートル(cm)の距離で1時間(hr)にわたりUV線(300ナノメートル(nm)と400nmとの間の発光を有する蛍光バックライト、最高発光は351nm)を照射した。反応混合物を濾過して、11−[(1,2−ジヒドロキシエチル)スルファニル]−N−ヒドロキシウンデカンアミド)の定量的収率を得た。単離した固形物を酢酸エチル(約25ml)に溶解した。溶液を冷蔵庫に入れ、放置して沈殿させた。沈殿物を溶液から濾過し、冷却された酢酸エチル(0℃未満)で洗浄した。NMRによって特性決定したこの生成物を特に精製せずに用いた。
【0069】
2−メルカプトエタノール(5.84g、0.0748モル、ウィスコンシン州ミルウォーキーのAldrich Chemical Co.から入手可能)を1−チオグリセロールの代わりに用いたことを除いて、HA−1の調製のために用いた手順と実質的に同じ手順によってHA−2(N−ヒドロキシ−11−[2−(ヒドロキシエチル)スルファニル]ウンデカンアミド)を調製した。
【0070】
HA−3(N−ヒドロキシ−ヘプタデカンアミド)はAldrich Chemical Co.から市販されている。
【0071】
HA−4(2−[2−(ヒドロキシアミノ)−2−オキソエチル]ヘプタデカン酸)を次の通り調製した。混合物を26℃で1.5時間にわたり攪拌することにより塩酸ヒドロキシルアミン(18.07g、0.26モル)をピリジン(18.49g、0.26モル)に溶解した。n−ヘキサデシル無水コハク酸(88.14g、0.27モル、日本国東京のTokyo Kasei Kogyo Co.Ltd.から入手可能)を溶液に添加し、その後、アセトニトリル(約50ml)を添加した。得られた混合物を2時間にわたり還流し、冷却し、ロータリーエバポレータを用いて溶媒を減圧下で除去した。水(100ml)中の塩酸(10%)を得られた残留物に添加し、混合物を濾過して懸濁固体を回収した。濾液を水中に分散させて、塩酸ピリジニウム反応副生物を溶解し、分散液を濾過し、固形物を保持した。水による洗浄プロセスおよび濾過を数回繰り返して、固形物として2−[2−(ヒドロキシアミノ)−2−オキソエチル]ヘプタデカン酸を生じさせた。
【0072】
12−HDDA
Aldrich Chemical Co.から市販されている12−ヒドロキシドデカン酸。
【0073】
16−HHDA
Aldrich Chemical Co.から市販されている16−ヒドロキシヘキサデカン酸。
【0074】
GA(グリコール酸)
Aldrich Chemical Co.から市販されているグリコール酸。
【0075】
フルオロケミカルトリクロロシラン
15CHOCHCHCHSiClを米国特許第5,274,159号(Pelleriteら)の実施例1に記載されたように調製した。
【0076】
フルオロケミカルベンゾトリアゾール
17CHCHOHと国際特許出願WO99/37626号(Korbaら)の実施例1および2に記載されたベンゾトリアゾール−5−カルボン酸とを反応させることにより、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを調製した。
【0077】
フルオロケミカルモノホスフェート
17CHCHOHと米国特許第4,145,382号(Hayashiら)および第5,685,880号(Matsutaniら)に記載されたポリリン酸またはPOClとを反応させることにより、C17CHCHOPO(OH)を調製した。
【0078】
フルオロケミカルチオール
17(CH11SHをM.W.Tsaoら,Langmuir,13,4317(1997)に記載されたように調製した。
【0079】
オクタデシルチオール
Aldrich Chemical Co.から市販され、特に精製せずに使用した。
【0080】
接着剤
二液性エポキシ接着剤
基本的配合を表1に示している2種のエポキシ系二液性接着剤、エポキシ接着剤Aおよびエポキシ接着剤Bを調製して、前駆物質の効果を評価した。
【0081】
【表1】
Figure 2004510001
【0082】
三口ガラスフラスコまたはビーカーのいずれかに成分を添加し、均質樹脂混合物が得られるまで攪拌することにより、二液性エポキシ接着剤を配合した。約80℃〜100℃の温度で前駆物質を樹脂混合物に添加した。二成分エポキシ接着剤組成物の個々の液を接着剤結合が調製されるまで分離しておいた。
【0083】
エポキシ樹脂Aの混合比(樹脂の量対硬化剤の量)は樹脂約122重量部対硬化剤138重量部であり、エポキシ接着剤Bの混合比は樹脂約131重量部対硬化剤49.5重量部であった。両方の接着剤は約4時間でガラス状に変わり、室温で約24時間で完全に硬化した。
【0084】
接着剤A
イリノイ州ベルウッドのSanford Corporationから入手したRubber Cement、ヘプタン中12%固形物。
【0085】
接着剤B
米国特許第5,644,007号(Davidsonら)の実施例11で用いられた方法にしたがって固有粘度1.7dl/gのポリ−1−ヘキセンを調製した。ポリマーをトルエン中で20%に希釈し、透明粘性溶液を生じさせた。
【0086】
接着剤C
ブチルアクリレート(148.0g、ニュージャージー州マウントオリーブのBASF Corp.から入手可能)、アクリル酸(12.0g、BASF Corp.から入手可能)、2−ブタノン(240.0g)および2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)(0.24g、デラウェア州ウィルミントンのE.I.DuPont DeNemours Co.から商品名VAZO67で入手可能)を1リットルのガラス瓶に投入した。1リットル/分の流速で2分にわたり窒素パージすることにより内容物の酸素を除去した。瓶を密封し、55℃の回転水浴に24時間にわたり入れて、モノマーの本質的に完全な重合を行った。測定された%固形物は37.3重量%であった。0.15g/dlの濃度での酢酸エチル中の固有粘度は0.609dl/gであった。
【0087】
実施例1
HA−1(混合されたエポキシ接着剤A、5g中の30mg)を含有する上記のエポキシ接着剤Aの基本配合を有する二液性エポキシ接着剤組成物を調製した。重ね剪断試験片を重ね剪断試験法に記載されたように作製し、0.254センチメートル/分(cm/分)の速度でSintech引張試験機(ミネソタ州イーデンプレーリーのMTS Systems Corp.から入手可能)を用いて試験片を破壊するまで伸ばした。前駆物質を含むサンプルと前駆物質のない同じ組成物を有する対照接着剤サンプルに関する重ね剪断データを表2で報告している。
【0088】
【表2】
Figure 2004510001
【0089】
約0.5重量%のみで存在する前駆物質HA−1は、油汚れなしアルミニウムおよび同じアルミニウムの油汚れサンプルに対する初期重ね剪断強度を実質的に高め、最大の変化(約10倍)は乳化油の場合に観察された。炭化水素油の場合、剪断性能は約3倍増加した一方で、油汚れなし表面の場合、前駆物質HA−1入りのモデル接着剤を用いた時に剪断強度は2倍増加した。試験片の検査によると、すべての破壊が金属への接着剤の接着性破壊であったことが示された。かかる結果は、金属の表面上の油の被膜を消滅させるとともに初期実用接着剤結合強度を大幅に高める「自己下塗」接着剤として機能する本発明の接着剤の能力を示している。
【0090】
実施例2
上のエポキシ接着剤Aの基本配合を有する6種の一連の二液性エポキシ接着剤組成物を上に記載したように調製した。各組成物は表3に示した濃度レベルで前駆物質を含有していた。表3で示したようなアルミニウム金属表面、冷間圧延鋼金属表面および亜鉛メッキ鋼金属表面上で6種の接着剤組成物を用いて、重ね剪断試験片を重ね剪断試験法に記載されたように作製した。対照接着剤組成物は、前駆物質のないエポキシ接着剤Aに関する基本組成物であった。
【0091】
【表3】
Figure 2004510001
【0092】
表3のデータは本発明の幾つかの態様を実証している。第一に、研究した最短鎖二官能性材料であるグリコール酸によってさえ、重ね剪断強度に改善がある。第二に、テール官能基(Y)のない前駆物質は、二官能性類似基より劣った性能を示す(HA−1またはHA−2に対するHA−3を対比すること)。第三に、エポキシ接着剤Aに前駆物質を添加すると、種々の油汚れ金属への改善された初期接着性をもたらす。
【0093】
実施例3
表4に示した濃度レベルで前駆物質HA−1を用いて、エポキシ接着剤AおよびB(上述したもの)のサンプルを調製した。前駆物質のない二種のエポキシ接着剤組成物のサンプルも対照サンプルとして調製した。重ね剪断試験片を接着剤組成物で作製し、上記の重ね剪断試験手順に記載されたように試験した。その結果を表4で報告している。
【0094】
【表4】
Figure 2004510001
【0095】
表4のデータは、エポキシ接着剤の配合の大きな変更を行う時でさえも、初期重ね剪断強度の改善を実現できることを示している。
【0096】
実施例4
表5に示したように一定範囲の濃度にわたって種々の前駆物質を組み込んだエポキシ接着剤A基本組成物を用いて一連の接着剤組成物を調製した。油汚れアルミニウム基材(0.4mg/cmのQ61で油汚れしたAl6111)を用いて重ね剪断試験片を作製し、上記の重ね剪断試験法に記載されたように試験した。その結果を表5で報告している。
【0097】
【表5】
Figure 2004510001
【0098】
この表のデータは、前駆物質により得ることができる最適性能とエポキシ接着剤A中の前駆物質の濃度との間の関係が存在することを実証している。前駆物質に関する式中の「n」と最適濃度との間の相関関係も存在すると思われ、より長い鎖は、より低い濃度で最適濃度を有する。前駆物質に関する式中の「n」の大きな値を有する前駆物質は高濃度でエポキシ接着剤Aに可溶性ではない。反応性Y官能基をもたない前駆物質が最適な性能改善も検出可能な性能改善も示さないことにも注意すること。
【0099】
実施例5
表6に示した濃度レベルで前駆物質HA−1を用いて、エポキシ接着剤A(表1において上で記載されたもの)のサンプルを調製した。重ね剪断試験片を接着剤組成物で作製し、溶媒洗浄スチールおよび油汚れスチールを用いて、上の重ね剪断試験手順に記載したように試験した。その結果を表6で報告している。
【0100】
【表6】
Figure 2004510001
【0101】
表6のデータは、亜鉛メッキ鋼のためのHA−1前駆物質に関する最適濃度を示しており、それはAl6111の場合とは異なる。この結果は、亜鉛メッキ鋼対アルミニウムの表面に関するヒドロキサム酸の異なる親和性によるらしい。したがって、前駆物質は、無機基材への本明細書で示した構造式中のX基の親和性と調和するように選択される。
【0102】
実施例6
(混合されたエポキシ接着剤A、5g当たり)32mgのHA−1を用いて、および用いずに、エポキシ接着剤Aのサンプルを上に記載したように調製した。0.4mg/cmのQ61で油汚れしていたAl6111クーポンを用いて作製された重ね剪断クーポンを作製し、表7に示した種々の温度に前もって設定されていたオーブン内に直ちに入れた。接着剤を前もって設定された温度で1時間にわたり硬化させ、その後、表7に報告している重ね剪断強度を室温で測定した。
【0103】
【表7】
Figure 2004510001
【0104】
表7のデータは、著しい重ね剪断強度が硬化温度のより広い範囲にわたって達成できる点で、接着剤AへのHA−1の添加が、より大きな処理可能性(processing window)をもたらすことを実証している。これは、改善された結合強度が、おそらく、存在する前駆物質と合わせた接着剤による基材の濡れの改善であることを示している。
【0105】
実施例7
上のエポキシ接着剤Aの基本配合を有する4種の二液性エポキシ接着剤組成物を上に記載したように調製した。各組成物は表8および9に示した濃度レベルで前駆物質を含有していた。表8および9で示したようなアルミニウム金属表面および亜鉛メッキ鋼金属表面上で4種の接着剤組成物を用いて、重ね剪断試験片を重ね剪断試験法に記載されたように作製した。対照接着剤組成物は、前駆物質のないエポキシ接着剤Aに関する基本組成物であった。
【0106】
重ね剪断試験片の半分を初期剪断強度について試験し、ASTM規格B117に記載された手順に準拠して維持された塩噴霧チャンバに半分を入れた。種々のサンプルに関する重ね剪断データを表8および9に報告している。
【0107】
【表8】
Figure 2004510001
【0108】
【表9】
Figure 2004510001
【0109】
表8および9のデータは、反応性Y基を含む前駆物質が前駆物質を含有しない接着剤に比べて初期結合強度を大幅に高め、結合耐久性も大幅に改善することを示している。100%ほどに高い結合強度保持がHA−1を含有する接着剤について認められた一方で、前駆物質を含有しない接着剤または有効でない前駆物質は、初期結合強度の39%程度を保持したにすぎなかった。表8および9のデータは、前駆物質の鎖長が重要な要素であることも実証している。短鎖長前駆物質(GA)を添加すると初期結合強度を改善したが、塩噴霧試験に供されると強度を保持しなかった。比較によれば、より長い鎖長の前駆物質(HA−1または12HDDA)を添加すると、改善された初期剪断強度と塩噴霧試験に供された後の結合強度の保持の両方を示した。
【0110】
実施例8
一連の電気化学インピーダンス分光分析(EIS)測定によって、接着剤Aで作製された金属被膜の耐久性を試験した。本発明の接着剤組成物を被膜としてAl6111試験クーポンに被着させ、ASTM規格「Practice for VERIFICATION OF ALGORITHM AND EQUIPMENT FOR ELECTROCHEMICAL IMPEDANCE MEASUREMENT」規格分類番号G106−89およびASTM規格「Practice for CONVERSIONS APPLICABLE TO ELECTROCHEMICAL MEASUREMENT IN CORROSION TESTING」規格分類番号G3−89に記載されたようにクーポンを電気インピーダンス測定に供した。この種のデータの解釈の説明は、「Electrochemical Impedance:Analysis and Interpretation」,(J.R.Scully,D.C.Silverman and M.Kending,Eds),ASTM Publications,484pp(1993)に見出せる。かかる測定において、9.3cm×24.8cmのAl6111パネルを溶媒拭き取りによって清浄にし、Meyer棒(#20)を用いて試験接着剤で被覆し、接着剤を80℃で1時間にわたり硬化させた。
【0111】
エポキシ接着剤Aの2つのサンプルを上で記載したように調製した。一方は長鎖前駆物質(混合されたエポキシ接着剤Aの5g当たり30mgの16HHDA)を含有し、他方は短鎖前駆物質(混合されたエポキシ接着剤Aの5g当たり30mgのGA)を含有していた。前駆物質のないエポキシ接着剤Aをこの研究のための対照として用いた。0.5M・NaCl電解質に被覆表面のみを露出させて、電気化学フラットセルに被覆パネルを装着した。被膜を無傷で残し(すなわち、穴を意図的に作らなかった)、露出表面積は厳密に1cmであった。
【0112】
図4は、エポキシ接着剤A(前駆物質なし)で被覆されたAl6111パネルについて行われたEIS測定の概要を示している。加えたAC電位(20mVピーク−ピーク)の周波数に対して両対数尺度でインピーダンス(|Z|)のモジュラスをプロットする。時間ラベル(t)は腐食溶液への暴露の時間を指す。曲線42(時間=0−47時間)の系列などの直線は、被膜が塩水によって破られなかった容量性インピーダンス状況を示している。曲線44(時間=230−336時間)および曲線46(時間=140−215時間)の系列などのS状線は、塩水が被膜を破った結果として導電性成分が回路に添加されたことを示している。140時間後に、塩水が被膜を破ったことは明白である。
【0113】
図5は、(混合されたエポキシ接着剤A、5g当たり)30mgのGAを被膜に添加したことを除いて、図4に示した測定で用いられた方式と同様の方式で行われた測定のプロットを示している。図5で提示したデータ概要の曲線52(時間=67時間)、54(時間=260時間)および56(時間=170時間)は、図4の曲線42、44および46と被膜の状態で類似段階を表している。図5のデータは、改善された耐環境応力性と必ずしも相関しない初期接着性をGAがたとえ改善できるとしても、GAを含有する被膜が約170時間の暴露後に塩水によって破られたことを示し、よって前の記述を補強している。
【0114】
図6は、(混合されたエポキシ接着剤A、5g当たり)30mgの16HHDAを被膜に添加したことを除いて、図4および5に示した測定で用いられた方式と同様の方式で行われた測定のプロットを示している。この図で提示したデータ概要の曲線62(時間=0〜356時間)は、腐食性塩水への356時間の暴露後でさえ電極が本質的に容量性のままであるように30mgの16HHDAが被覆電極の電気化学応答を変えることを明らかに示している。
【0115】
実施例9
0.5重量%のオクタデシルチオールを添加(ヘプタン中の10重量%溶液として添加)し、接着剤が透明で均質になるまでロールミキサーでサンプル容器を転動させることにより、接着剤Bのサンプルを変性した。#40線巻ロッド(ニューヨーク州ウェブスターのRD Specialtiesから入手)を用いて、変性接着剤および未変性接着剤のサンプルを油汚れのないポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ0.051mm、ミネソタ州セントポールの3M Co.から入手)上に被覆した。被覆した接着剤サンプルを120℃で2分にわたり強制空気炉内に面を広げつつ入れて溶媒を除去した。エタノールとクロロホルムの混合物(体積で1:1)を含む超音波浴に浸漬することにより、M.W.Tsaoら,Langmuir,13,4317(1997)に記載された手順を用いて金の150nmスパッターフィルムが被覆されていた金被覆シリコンウェハ(<111>配向、P型、ホウ素ドープ試験ウェハ、ニューハンプシャー州ナシュアのSilicon Sense,Inc.から入手できる)の断片を脱脂した。その後、断片を空気プラズマ(ニューヨーク州オシニングのHarrick Instrumentsから得られたPDC−3xGプラズマクリーナー/スタビライザー)中に10分にわたり入れた。指圧をウェハに加えて一切の気泡を押し出し、その後、120℃で維持された強制空気炉内で貼合せ体を15分にわたり加熱することにより、接着剤サンプルを清浄ウェハ(金側)に貼合せた。炉から取り出し、冷却後に、接着剤およびフィルムを金ウェハから注意深く引き剥がした。チオール含有サンプルに関しては、剥離は非常に容易であり、接着剤は金表面からきれいに分離し、目に見える残留物を残さなかった。対照(非変性)サンプルに関しては、剥離は顕著により難しく、接着剤の除去はかなりきれいであったが、幾つかの小さい接着剤スポットが金上に残った。その後、接触角ゴニオメータ(ニュージャージー州マウンテンレークのRame−Hart,Inc.から入手)およびMILLIPORE(マサツセッチュ州ベッドフォード)水濾過装置からの18モームの脱イオン水を用いて、処理したウェハを水静的接触角の測定に供した。5マイクロリットルの数滴の両側での測定の平均からの結果は次の通りであった。チオール−処理されたものは108度、チオールのない対照は76度(被覆しなかった金ウェハは、一般に30度を下回る極端に低い値をもたらした)。サンプルを石油エーテル(沸点30〜60℃)に10分にわたり浸漬し、窒素ストリーム下で乾燥した後に接触角を再測定した時、本質的に同じ結果を得た。
【0116】
石油エーテルに浸漬することを省いたことを除き、チオール含有接着剤からの自己配列フィルムを保有する同じように処理された金ウェハ上で、液体窒素冷却MCT検出器および80度入射角に設定されたグレージング角付属品(Harrick Instrumentsから入手)が装備されたGalaxy Series4020フーリエ変換赤外線分光分析計(ウィスコンシン州マジソンのMattson Instrumentsから入手)を用いて赤外線反射/吸収スペクトルも得た。4cm−1解像度で1024走査の合計を平均した。スペクトルは、2849および2918cm−1でのCH帯ならびに2877および2964−1でのCH帯を示し、周波数および相対強度は、エタノール中のチオールの希釈溶液に被膜を浸漬することにより調製された金上のオクタデシルチオールの自己配列単分子層フィルムについて観察されたのと本質的に同じであった(例えば、H.Ronら,J.Phys.Chem.B,102,9861(1998)を参照すること)。かかるデータは、感圧接着剤から沈着したフィルムの秩序だった単分子層的性質を示している。それに反して、チオールのない接着剤から金上に調製された対照サンプルのスペクトルは、これらの帯を全く示さず、むしろ、無秩序な炭化水素吸着を示す、より高いエネルギーにシフトした広くて弱いピークのみを示した。2サンプルを石油エーテルに10分にわたり、その後イソプロパノールに10分にわたり浸漬し、その後窒素ストリーム下で乾燥させた後に赤外線スペクトル測定を繰り返した。オクタデシルチオールフィルムは、溶媒浸漬後に赤外線スペクトルの検出可能な変化を示さなかったのに対して、チオールなしで調製された対照サンプルは、浸漬後に赤外C−H帯強度の大幅な低下を示した。
【0117】
実施例10
ヘプタン中のオクタデシルチオールの10重量%溶液0.1gまたは0.25gを添加し、ロールミキサーでサンプル容器を15分転動させて、チオールを分散させ、0.1または0.25重量%のチオールを含有する均質接着剤を得ることにより、接着剤Aのサンプル(10g)を変性した。実施例9に概説した手順を用いて、かかる接着剤をPETフィルム上に被覆し、乾燥させ、清浄金被覆シリコンウェハに貼合せた。一組の貼合せ体を120℃の強制空気炉内で15分にわたり加熱し、冷却し、フィルムおよび接着剤を引き剥がした。もう一組を室温で一晩保った後に、フィルムおよび接着剤を除去した。その後、実施例9に概説した手順を用いて、変性されていない接着剤を用いて調製された対照サンプルに加えてウェハサンプルを水静的接触角の測定に供した。サンプルをヘプタンに15分にわたり浸漬し、その後窒素ストリーム下で乾燥させる前と乾燥させた後の両方で接触角を測定した。結果を以下の表10に示している。
【0118】
【表10】
Figure 2004510001
【0119】
実施例11
ヘプタン(0.34g)中のフルオロケミカルチオール(0.05g)の溶液と接着剤B(10g)の混合物を透明で均質になるまでロールミキサーで回転させた。実施例9に概説した手順を用いて、接着剤をPETフィルム上に被覆し、乾燥させ、清浄金被覆シリコンウェハに貼合せた。貼合せ体を室温で3日にわたり放置し、その後、フィルムおよび接着剤を引き剥がした。実施例9に概説した手順を用いて、水静的接触角およびヘキサデカン静的接触角を測定した。ウェハサンプルをヘプタンに15分にわたり、イソプロパノールに15分にわたり浸漬し、窒素下で乾燥させ、接触角測定を繰り返した。かかる測定からの結果を表11に示している。
【0120】
【表11】
Figure 2004510001
【0121】
かかる接触角は、フッ素化チオールによる金表面の改質を示している。実施例9に記載したグレージング角技術を用いて、室温で5日にわたり接着剤と接触したままにしたことを除いて同じ条件下で処理されたもう一つの金被覆ウェハサンプルも吸着フィルムの赤外線スペクトルの測定に供した。こうして得たスペクトルは、エタノール中の希釈溶液からチオールの自己配列によって調製されたサンプルから得られたスペクトル(M.W.Tsaoら,Langmuir,13,4317(1997))と殆ど同じであり、よって接着剤から供給されたフィルムの秩序だった単分子層的性質を示した。
【0122】
実施例12
接着剤C(7.5g)フルオロケミカルベンゾトリアゾール(2−ブタノン中の1重量%溶液2.5g)との混合物を透明で均質になるまで数分にわたりロールミキサーで回転させた。同じ手順を用いて、ベンゾトリアゾールの代わりにフルオロケミカルモノホスフェートを利用して類似サンプルを調製した。実施例10に概説した手順を用いて、かかる変性接着剤をPETフィルム上に被覆し、乾燥させ、銅被覆シリコンウェハ(カリフォルニア州サンホセのWeferNetから入手可能)の断片上に貼合せた。貼合せ体を120℃の強制空気炉内で15分にわたり加熱した。冷却後、フィルムおよび接着剤を引き剥がして、清浄な処理銅表面を残した。その後、実施例9に概説した手順を用いて、水静的接触角を測定した。ウェハサンプルをヘプタンに15分にわたり、イソプロパノールに15分にわたり浸漬した後、測定を繰り返した。結果を表12に示している。
【0123】
【表12】
Figure 2004510001
【0124】
対照非変性接着剤については結果を得ることができなかった。接着剤およびフィルムを基材から引き剥がした時、この貼合せ体がシリコンウェハから銅被膜を完全に除去したからである。したがって、かかる接着剤は銅からの接着剤の除去のための剥離力も低下させる。
【0125】
実施例13
接着剤A中の0.2重量%フルオロケミカルトリクロロシランの混合物をネジ蓋付きバイアル内で調製し、ロールミキサーで数分にわたり回転させてシランの溶解を可能にした。プラスチックピペットを用いて、この変性接着剤の一部を顕微鏡ガラススライド上に広げ、溶媒を蒸発させ、接着剤を厚さ0.051mmのPETフィルムの断片に貼合せた。この構造体を室温で3日にわたり放置した。フィルムおよび接着剤をガラスから除去し、容易な剥離をもたらすとともに清浄ガラス表面を露出させた。処理された領域は、黒のパーマネントマーカーインキ(Sanford Corporationから入手できる商品名SHARPIE)のビーディングを生じさせることが見出された。さらに、乾燥ティッシュで拭うことによりインキを除去でき、インキビーディング挙動の浸食を伴わずに、この試験を数回繰り返すことができた。それに反して、未処理ガラススライドに被着したインキは、乾燥拭き取りによって完全に除去することができなかった。
【0126】
実施例14
トルエン中の1重量%溶液として添加された0.1重量%フルオロケミカルトリクロロシランで接着剤Bのサンプルを変性し、均質になるまで30〜60分にわたりロールミキサーで回転させた。1:1(v/v)エタノール:クロロホルム混合物を含む超音波浴に数分にわたり浸漬し、その後、Harrick PDC−3xGプラズマクリーナー/スタビライザーを用いる空気プラズマに10分にわたりさらすことにより、CDAR/CFL/CDAR反射防止ガラスクーポン(ミネソタ州ファリボーのViratec Thin Filmsから入手可能)を浄化した。その後、#40線巻ロッドを用いてガラスクーポンにシラン変性接着剤を被覆し、数分にわたり空気中で室温において乾燥させた後、接着剤を厚さ0.051mmの一枚のPETフィルムに貼合せた。この貼合せ体を120℃の強制空気炉内で15分にわたり加熱し、冷却し、フィルムおよび接着剤を引き剥がした。接着剤の大部分はフィルム上に留まったが、ガラス上に残る少量の接着剤残留物は、清浄乾燥ティッシュで拭うことにより容易に除去された。これはガラス表面の反射防止特性も取り戻した。実施例9で概説した手順を用いて、水静的接触角およびヘキサデカン静的接触角をこの基材上で測定し、水で111度、ヘキサデカンで72度という結果をもたらした。かかる値は、ヘプタンなどの溶媒中の溶液から供給されたこのシランの自己配列フィルム上で得られた値と似ており、ARガラス上のフルオロケミカル表面の存在に関する証拠を提供する。
【0127】
本明細書で記載された例証的な実施形態および実施例によって本発明が不当に限定されるべきことを意図しておらず、かかる実施例および実施形態は例としてのみ提示され、以下の通り本明細書で規定された請求の範囲によってのみ本発明の範囲が限定されることを意図していないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
油汚れ無機基材の表面上の従来の構造接着剤の概略図である。
【図2】
本発明の構造接着剤と油汚れ無機基材との間の界面での自己配列分子の作用の理論概略図である。
【図3】
感圧接着剤からの低表面エネルギー(例えば、アルキル末端またはフルオロアルキル末端)自己配列フィルムの供給の概略図である。
【図4】
電気化学インピーダンス分光分析(EIS)のグラフである。
【図5】
グリコール酸を含むエポキシ接着剤で被覆されたアルミニウムパネルに関する電気化学インピーダンス分光分析(EIS)測定のグラフである。
【図6】
16−ヒドロキシヘキサデカン酸を含むエポキシ接着剤で被覆されたアルミニウムパネルに関する電気化学インピーダンス分光分析(EIS)測定のグラフである。

Claims (26)

  1. 接着剤成分と接着剤組成物が被着される表面の特性を改質することが可能な現場自己配列フィルムの前駆物質とを含む接着剤組成物であって、前記前駆物質が構造式:
    Y−Z−(CQ−W−X
    (式中、Yは、H、ハロゲン、前記接着剤成分と相互作用することが可能な官能基、または前記接着剤成分と相互作用することが可能な官能基を任意に含む有機基であり、Zは共有結合または有機連結基であり、QはHまたはFであり、Wは共有結合または有機連結基であり、Xは、前記接着剤組成物が配置される基材と相互作用する非イオン基であり、nは少なくとも約7であり、但し、(CQがCHF基又は交互CHCF基を含まないことを条件とする)であり、
    22℃の中性水中における少なくとも約0.1重量%の前記前駆物質は多相組成物を形成する、接着剤組成物。
  2. 接着剤成分と約35ダイン/cm未満の表面エネルギーを有する現場自己配列低表面エネルギーフィルムの前駆物質とを含む接着剤組成物であって、前記前駆物質が構造式:
    Y−Z−(CQ−W−X
    (式中、Yは、H、F、または式C2m+1(mは約10以下である)のパーフルオロアルキル基であり、Zは共有結合であり、QはHまたはFであり、Wは共有結合または有機連結基であり、Xは、前記接着剤組成物が配置される基材と相互作用する非イオン基であり、nは少なくとも約7であり、但し、(CQがCHF基又は交互CHCF基を含まないことを条件とする)であり、
    22℃の中性水中において少なくとも約0.1重量%の前記前駆物質は多相組成物を形成する、接着剤組成物。
  3. 接着剤成分と現場自己配列フィルムの前駆物質とを含む自己下塗接着剤組成物であって、前記前駆物質が構造式:
    Y−Z−(CQ−W−X
    (式中、Yは、前記接着剤成分と相互作用することが可能な官能基、または前記接着剤成分と相互作用することが可能な官能基を任意に含む有機基であり、Zは共有結合または有機連結基であり、QはHであり、Wは共有結合または有機連結基であり、Xは、前記接着剤組成物が配置される基材と相互作用する非イオン基であり、nは少なくとも約7である)であり、
    22℃の中性水中における少なくとも約0.1重量%の前記前駆物質は多相組成物を形成する、接着剤組成物。
  4. Yは、H、ハロゲン、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、あるいはハロゲン、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基およびそれらの組合わせを任意に含むC〜C15有機基からなる群から選択される、請求項1または3に記載の接着剤組成物。
  5. YはFであり、Zは共有結合であり、QはFである、請求項1または3に記載の接着剤組成物。
  6. Yは前記接着剤成分と化学的に相互作用する基である、請求項1または3に記載の接着剤組成物。
  7. Yは、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ヒドロキシル基、オキシラニル基、ビニル基、チオール基、アジリジニル基、チイラニル基およびそれらの組合わせからなる群から選択される、請求項1または3に記載の接着剤組成物。
  8. Zは共有結合である、請求項1または3に記載の接着剤組成物。
  9. 前記有機連結基Zは、約2〜約16個の炭素原子を有する、一個以上のヘテロ原子、官能基あるいはその両方で置換された二価アルキレン基、アリーレン基またはそれらの混合基である、請求項1または3に記載の接着剤組成物。
  10. Wは共有結合である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  11. 前記有機連結基Wは、約2〜約16個の炭素原子を有する、一個以上のヘテロ原子、官能基あるいはその両方で置換された二価アルキレン基、アリーレン基またはそれらの混合基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  12. Xは、チオール基、モノホスフェート基、ホスホネート基またはホスホン酸基、ヒドロキサム酸基、カルボン酸基、イソニトリル基、シリル基、ヘテロ環式芳香族基またはジスルフィド基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  13. nは約20以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  14. nは約7〜約16である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  15. 前記接着剤成分は感圧接着剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  16. 前記接着剤成分は熱硬化性接着剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  17. 前記熱硬化性接着剤は構造接着剤である、請求項16に記載の接着剤組成物。
  18. 前記自己配列フィルムの前駆物質は、アルキル−またはフッ素化アルキル−置換チオール、シラン、ホスホン酸、モノホスフェートエステルおよびベンゾトリアゾールからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  19. 前記自己配列フィルムの前駆物質は、1−オクタデシルチオール、1−オクタデシルホスホン酸、オクタデシルトリクロロシラン、C17(CH11SH、C15CHOCHCHCHSiCl、C17CHCHSiClおよびC17CHCHOPO(OH)からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  20. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の前駆物質から調製された自己配列フィルムと接着剤成分とを含む、基材に接着された接着剤。
  21. 請求項20に記載の接着剤によって互いに接着された二個の基材を含む物品。
  22. 表面の特性を改質する方法であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物を表面に被着させる工程を含む方法。
  23. 表面上に低表面エネルギーフィルムを提供する方法であって、請求項2に記載の接着剤組成物を表面に被着させる工程を含む方法。
  24. 前記接着剤成分を除去する工程をさらに含む、請求項23に記載の方法。
  25. 表面を下塗する必要をなくす方法であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自己下塗接着剤組成物を表面に被着させる工程を含む方法。
  26. 接着剤成分と自己配列フィルム前駆物質とを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物を調製する方法であって、前記接着剤成分と構造式:
    Y−Z−(CQ−W−X
    (式中、Yは、H、ハロゲン、前記接着剤成分と相互作用することが可能な官能基、または前記接着剤成分と相互作用することが可能な官能基を任意に含む有機基であり、Zは共有結合または有機連結基であり、QはHまたはFであり、Wは共有結合または有機連結基であり、Xは、前記接着剤組成物が配置される基材と相互作用する非イオン基であり、nは少なくとも約7であり、但し、(CQがCHF基も交互CHCF基も含まないことを条件とする。)
    を有する前駆物質であって22℃の中性水中において0.1重量%の前記前駆物質は多相組成物を形成する前駆物質を組合わせる工程を含む、接着剤組成物を調製する方法。
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