JP2004507113A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、基板を有し、その内部に集積されている少なくとも1つの部品を含み、その主要側面に金属被覆が備えられている半導体装置に関するものである。金属被覆の少なくとも一部の下に、基板に配された絶縁層が備えられている。絶縁層が、トレンチ格子の形状なので高周波数信号のために、寄生容量と望ましくない信号電力損失とを減少できる。
Description
本発明は、以下に示すような基板を有する半導体装置に関するものである。すなわち、この基板は、この基板に集積されている少なくとも1つの部品(特にトランジスタ)を有しており、この部品を取り囲むトレンチ溝(Trench−Graben)を備えている。また、この基板の第1主要側面に金属被覆が設けられており、基板に配された絶縁層が、この金属被覆の少なくとも一部の下に配されている。
【0001】
導体経路を介した数ギガヘルツより上の領域の信号伝送時における大面積の受動素子、または、大面積の接続素子を用いた信号供給時および信号出力時におけるいわゆる接触パッドには、著しい信号電力損失や、寄生容量による信号品質悪化が生じる。この寄生容量は、上記した金属領域と半導体基板との間の容量連結が原因であり、回避することはできない。
【0002】
高いギガヘルツ領域においても良好かつ低損失の信号伝送を効果的に実現するためには、信号損失をできるだけ小さく保つ必要がある。これは、例えば、電気通信分野および半導体装置の測定学的調査(messtechnischen Untersuchung)の双方における、半導体装置の操作のためである。
【0003】
信号伝送特性の測定および試験のために、いわゆるsパラメータ測定が実施される。この測定では、50GHzまでの信号周波数を有する高周波数の小信号を、接続素子から、金属製の「オン・ウエハー」導入配線を介して、できるだけ損失および歪みを少なく、測定される半導体装置に転送される。信号供給のために、いわゆるHF検査ヘッド(Probekopf)が、ウエハー上の接続素子に置かれる。そして、このHF検査ヘッドは、信号を出力し、伝送・反射された信号部分を50Ωシステムで測定装置へ転送する。接続素子から測定される半導体装置への配線は、通常は10〜数100μmである。信号周波数に応じて、伝送・反射された信号電力が正確に測定される。特に、高ギガヘルツ領域の信号周波数では、半導体装置の基板への容量性の信号入力連結が原因で、接続素子において、望ましくない信号電力損失(Signalleistungsverlusten)が生じる。
【0004】
寄生容量、インダクタンス、および、直列抵抗を減少させるために、接続素子と導線(導体経路)とを、できるだけ小さくすることが知られている。しかし、この処置は、測定装置の検査ヘッドを使用可能にしておくために、厳しく制限されている。同じく、小型化についても、接続素子の最小表面によって、制限されている。なぜなら、半導体装置のHF設計の場合、作動周波数(Arbeitsfrequenz)の上昇につれて、電流密度も恒常的に上昇するため、導線(Zuleitungen)もしくは導体経路を、縮小するよりはむしろより拡大する必要がるからである。これは、同時に現れる伝導インダクタンス(Leitungsinduktivitaeten)および直列抵抗の増加を、許容可能な限度内に止めるためである。
【0005】
信号電力損失は、基板抵抗(Substratwiderstandes)の上昇によっても減少させられる。しかし、基板における特定の抵抗の上昇に伴って、著しくラッチアップになりやすくなるとともに、異なる回路ブロック間における基板の誤連結(Substratverkopplung)を大きく増加させてしまう。従って、特定の基板抵抗については、プロセス技術的な考慮により、上昇させられる限度が狭くなっている。
【0006】
集積コイルにおける損失減少のために、文献「シリコン上の一体構造RFインダクタ用の新埋め込み酸化物絶縁」(”Novell Burried Oxide Isolation for Monolitic RF Inductors on Silicon” von H.B. Erzgraeber, T. Grabolla, H.H. Richter, P. Schiley und A. Wolff, IEDM 98, 頁535〜539)から、集積コイルの下側の基板に、絶縁層を備えることが知られている。この際、トレンチを非常に深くする、トレンチ絶縁技術が使用される。この技術では、残っている平行なシリコンの垂直辺が完全に酸化される。文献に記載の方法は、集積コイルの品質改善に使用される。この際、関連性のある損失は、深い基板にある渦電流(Wirbelstroemen)に見出せる。この基板が原因で、比例して深いトレンチが必要であり、このことが、製造を複雑にする。ここで実施される「激しい」酸化工程(”harten” Oxidationsschritt)によって、基板のバイポーラトランジスタおよびCMOSトランジスタが破壊される。その結果、ここで提案される方法は、条件付でしか実施できない。
【0007】
本発明の目的は、信号損失を減少することにより、信号伝送を改善可能な半導体装置、および、このような半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
上記した第1の目的は、請求項1の特徴を有する半導体装置によって達成される。また、上記の方法は、請求項13の特徴に記載されている。好ましい態様は、各従属請求項に記載されている。
【0009】
本発明では、トレンチ格子(Trench−Gitter)の形状で実現されている絶縁層が備えられている。ここで、トレンチ格子および集積部品を取り囲んでいるトレンチ溝については、同じ方法工程において製造できる。
【0010】
本発明の理解は、基板における容量性の電流損失が、金属被覆の面積および信号周波数に正比例する一方、基板と信号を導く金属被覆との間の間隔には正比例しないという認識に基づいている。信号伝送の際の主な損失効果は、高周波数信号の半導体基板への入力連結である。金属被覆面ユニットA毎の、面積を特定した容量性の伝導率(flaechenspezifische kapazitative eitfaehigkeit)は、
yA=2πfε0εr/d
によって得られる。ここで、fは信号周波数、ε0は真空誘電率、εrは金属被覆と基板との間の絶縁物質の誘電率、dは金属被覆と基板との間の空間的な隔たりである。できるだけ小さなεrを有する物質を使用することにより、固有伝導率(spezifische Leitfaehigkeit)を大きく減少できる。この物質は、「低k誘電体」という名称で知られている。
【0011】
上記の式に基づいて、さらに、金属被覆と基板との間の間隔dを大きくすることにより、固有伝導率を減少できる。
【0012】
本発明は、多数の最新の半導体テクノロジーにおいて使用可能なプロセス技術によってこのような間隔を形成し、このことによって、寄生容量を著しく減少させる、非常に簡単で効果のある可能性を提案する。
【0013】
トレンチ格子の形状を有する絶縁層を基板に備えることにより、間隔dを、使用可能なトレンチの深さに応じて、係数2から3だけ拡大できる。トレンチ格子の領域では、必要に応じて、低オームのフィールド埋め込み(Feldimplantation)を省略できる。トレンチ格子に残っている柱(Saeulen)は、半導体基板から構成され、高オームである。金属被覆の下に存在する基板が高オームなほど、渦電流および基板表皮効果(Substrat−Skin−Effekt)によってその中に生じる損失は小さい。
【0014】
トレンチ格子の製造は非常に簡単である。なぜなら、製造方法は、従来技術により知られているからである。付加的なプロセス工程は必要ない。なぜなら、1つの基板における全てのトランジスタの回りに、トレンチ溝が完成されるからである。言い換えれば、このことは、トレンチ格子と、集積部品を取り囲んでいるトレンチ溝とが、同じ方法工程において製造されることを意味している。変形マスクを使用することのみが必要である。
【0015】
トレンチは、ドライエッチングプロセス、続く湿式化学洗浄、および、続く絶縁体(例えば、PSGガラス)による溝の充填により形成できる。残存基板柱の完全な酸化をさらに行えるが、行う必要はない。格子の形体(Gestaltung)は、適切なマスクを選択することで形成できる。
【0016】
従って、本発明は、完全には酸化されていない半導体残留柱または残留垂直辺を備えていてもよい。これらは、トレンチ格子の溝の菱形パターンまたは長方形パターンによって最小化されている。このことにより、付加的なマスクもしくは付加的なプロセス工程なしで、低コストで製造可能な、最適化された半導体部品を形成できる。
【0017】
絶縁層は、基板の第1主要側面に達していることが好ましい。トレンチ格子は、長方形もしくは菱形に形成されていることが好ましい。トレンチ格子のセルを、トレンチエッチングの後に行う可能な(しかし必須ではない)酸化工程において溝のエッチング深さまで基板材料を酸化するようなサイズとすれば、強く絶縁された、約εr=3.3の小さな誘電率を備えた酸化シリコンを作成できる。できるだけ完全な酸化を達成するためには、格子のセルを、長方形または菱形とすることが特に好ましい。
【0018】
基本的には、主要側面の全域にトレンチ格子を備えることができる(半導体装置の部品は除く)。しかし、金属被覆の、高周波数信号に関して感度のよい位置の下にだけ、トレンチ格子を備えることで十分である。通常、金属被覆は、外部接触可能な接触素子(接触バッド)、ポリシリコン抵抗、導体経路、場合によっては集積コイルも備えている。そして、本発明では、接続素子、集積コイル、導体経路、または集積ポリシリコン抵抗の少なくともいくつかの下に、絶縁層を備えている。例えば外部接触可能な接続素子または集積コイルのような面積の大きな部品では、特に、高周波数信号の信号経路に存在する接続素子の下にだけ、絶縁層を備える必要がある。
【0019】
1つの実施形態では、接続素子,集積コイル,導体経路の少なくとも信号重要部分(signalkritische Teile)、または、集積ポリシリコン抵抗の下に、絶縁層の割り当てらた領域がそれぞれ備えられている。このとき、絶縁層の領域が、各接続素子,各集積コイル,導体経路の選択された部分または各集積ポリシリコン抵抗を越えて、横側に突出ていると好ましい。このことにより、信号損失を減少できる。
【0020】
半導体装置は、測定ヘッド(Messkoepfen)の接触のための接続素子を備えていれば、半導体試験構造でも、半導体チップでも、ウエハーであってもよい。測定ヘッドと接続するために備えられている接続素子では、正しい測定のために寄生容量が減少されなければならない。これは、できる限り正確な測定値を得るためである。
【0021】
基板に対して容量的に連結するものは常にRC部であり、信号電力は、基板抵抗Rのみにおいて失われる。従って、損失を最小化するためには、以下に示すような2つの方法がある。
【0022】
【数1】
【0023】
基板として、特にシリコンが好ましい。なぜなら、シリコンは、多くの最新製造テクノロジーによって非常に低オームであり、これによって基板損失が高くてもよいからである。ガリウム砒素基板を使用する際には、シリコン製の基板を使用する場合には生じない、望ましくない信号損失が生じる。なぜならガリウム砒素ウエハーは、基本的に高オームだからである。
【0024】
基本的に、本発明は、各任意のウエハー材料に使用できる。しかし、その効果は、加工の行われるウエハー材料に強く依存する。ウエハー材料の抵抗は、0.01Ωcmから10MΩcmの間であればよい。
【0025】
本発明とその長所とを、以下の図に基づいてさらに説明する。
図1は、本発明の半導体装置の細部を示す断面図である。図2は、接続素子と、その下に備えられている絶縁層との関係を示す俯瞰図である。図3は、トレンチ格子の実施例を示す説明図である。図4は、複数の接続素子を有する半導体装置の一部を示す俯瞰図である。図5は、トレンチ格子の具体的な構成を有する、本発明に基づく半導体装置の断面図である。
【0026】
図1は、本発明の半導体装置の細部を示す断面図である。好ましくはシリコンから構成されている基板1の第1主要側面Iに、金属被覆2が形成されている。基板1には、少なくとも1つの部品が、基板に位置する窪み(Wannen)の形状で備えられている。このような部品の代わりに、窪み14と基板1とにより構成されるダイオードがある。当然、本発明の半導体装置は、任意に相互に接続可能な多数の部品を含んでいる。
【0027】
金属被覆(Metallisierung)2は、本実施例では、2つの金属被覆面から構成されている。各金属被覆面は、導体経路6・7を備えている。導体経路6・7は、酸化物層10によって相互に分離されている。導体経路7を有する第1金属被覆面と、基板1の第1主要側面Iとの間に、更なる酸化物層11が形成されている。最上金属被覆面(導体経路6)を保護するために、酸化物層9または不活性部(Passivierung)が、同じく形成されている。この酸化物層9または不活性部は、既知の方法で備えられる、受け入れ部を有している。この受け入れ部を介して外部接触可能な接続素子4は、導体経路6に接続される。下側および上側金属被覆面の導体経路は、貫通接触部(Durchkontaktierungen)8によって、相互に接続可能であるが、そのように構成する必要はない。下部金属被覆面は、例えば、ポリシリコン抵抗5を備えている。ポリシリコン抵抗は、多くの場合、より大きな面積を必要とするので、基板に対する無視できない容量の原因となる。このようなポリシリコン抵抗を通して高周波数電流を印加する際に、ポリシリコン抵抗は、周波数に応じた値となる。なぜなら、このとき、ポリシリコン抵抗は、主にRC部のように機能するからである。このような基板に対する容量については、ポリシリコン抵抗5の下側の絶縁層3によって、著しく小さくすることが可能である。
【0028】
本発明は、当然、2つの金属被覆面だけを有する実施例に制限されず、任意の数の金属被覆面に使用できる。
【0029】
数ギガヘルツの領域の高周波数信号を、接続素子4に供給することもある。そこで、接続素子4の金属被覆と、基板1との間の寄生容量を小さくするために、本発明では、絶縁層3を、接続素子4の下側に備えている。絶縁層3は、トレンチ格子の形状に形成されており、基板1の第1主要側面Iに達している。損失電力(Verlustleistung)に繋がることになる寄生容量を、最も効果的に減少させるため、絶縁層3は、接続素子4の側面の境界を越えて横側へ突出していることが図1の断面図からよく分かる。トレンチ格子の可能な具体的な構成を図5に示す。
【0030】
ポリシリコン抵抗も、基板に対して重大な容量的連結を有している。従って、同様に、ポリシリコン抵抗5の下側に、絶縁層3が備えられている。この絶縁層3は、同じくポリシリコン抵抗5を越えて横側へ突出している。
【0031】
金属被覆の保護すべき部分を越えた絶縁層3の横側への突出は、接続素子4と、横側へ突出している絶縁層3との俯瞰図を示している図2から、同じく明らかである。
【0032】
図1から、絶縁層3(部品以外)は、基板の全体の主要側面Iを覆ってはならないことがさらによく分かる。金属被覆の高周波数信号が流れる部分、または、高周波数信号が入力連結または出力連結される部分の下のみに絶縁層を備えることで十分である。
【0033】
図3に、本発明のトレンチ格子の設計例を示す。この図では、基板にエッチングされた溝を13により示している。また、エッチング工程の後に残存基板柱を、12により示す。エッチングされた溝は、絶縁体、好ましくは、PSGガラスにより充填される。
【0034】
この構成では、トレンチ格子の個々のセルが互いに隣接して形成されていることが好ましい。これは、任意の連続的な参加工程において、残存基板物質(柱12)を、最小化する、あるいは、プロセス技術的に可能であれば全面的に削除することでなされる。
【0035】
基板がシリコンから構成されている場合、任意選択の酸化工程の後に、酸化シリコンが生じる。基板は、非常に絶縁されており、比較的小さな誘電率を備えているので、レイアウト処置のみによって、特定の容量性の伝導率を係数2から3だけ減少させることができる。
【0036】
本発明の更なる長所は、半導体基板におけるHF妨害信号の拡散を減少できることである。トレンチ格子を常用することによって、全てのHF重要信号経路(HF−kritischen Signalpfaden)で、複雑な混合信号チップ設計(Mixed−Signal−Chip−Design)における極めて重要な信号混信を、同じく良好に回避できる。
【0037】
図4は、本発明の半導体装置の一部を示す俯瞰図である。例として、3つの接続素子4a,4b,4cを、各導体経路6a,6b,6cとともに示している。例えば、接続素子4cに供給電圧が印加され、他の2つの接続素子4a・4bには高周波数信号が入力される。これら接続素子4a・4bの下にのみ、それぞれトレンチ格子3a,3bが備えられている。1つのトレンチ格子を、接続素子4a・4bの下側に備えるようにしてもよい。接続素子4cには高周波数信号が印加されていないので、トレンチ格子はここでは必要ない。原則的には、金属被覆面に部品のみを有している各重要信号線経路(jede kritische Signalleitungsstrecke)の下にトレンチ格子がある。特に、高周波数信号を流す導体経路は重要である。
【0038】
図5は、トレンチ格子の可能な具体的な構成例を有する、本発明の半導体装置の断面図である。トレンチ格子は、接続素子の下側に配置され、接続素子を越えて横側へと突出している。この実施例では、基板1にエピタキシー層15が形成されている。このエピタキシー層側に、例えば、熱またはCVD析出によって形成されている絶縁体14が配置されている。第1主要側面Iに達している他の絶縁体17は、溝13を充填する際にともに形成される。絶縁体17と溝13とは、双方とも、好ましくはPSGガラスから構成される。図5から、溝13の間に基板柱12が生じて残っていることがよく分かる。これら残存半導体柱は、垂直方向において、基板1と同じドーピング特性を有している。従って、残存柱は、ウエハーの基本ドーピング(Grunddotierung)を備えている。図5に記載のエピタキシー層は、必須のものではない。エピタキシー層と基板との間に、比較的広い空間電荷ゾーン(Raumladungszone)を有する従来のPN遷移が残っている。なぜなら、低くドーピングされたPN遷移であることが好ましいからである。PN空間電荷ゾーンは、絶縁層と同じように機能し、基板1に対して更なる直列的な容量を生じる。
【0039】
さらに、図5では、いわゆる「チャネルストッパー」を示している領域16が、基板1に示されている。これら領域16は、例えば、埋め込み領域(implatierten Bereiche)であり、必ずしも必要なわけではないが、好ましいものである。望ましい作用を得るために、溝13は、約5nmだけ基板1内に延びていれば十分である。この深さであれば、高周波数信号を接続素子4に供給する際に、よい信号品質が得られる。当然、溝は、非常に深くてもよい。溝の深さは、基本的には、使用される半導体物質、および、接続素子に供給される信号の周波数に応じたものである。
【0040】
半導体プロセスにおいて使用可能なトレンチ技術の使用によって、金属被覆構造と基板との間の寄生容量を係数2から3だけ減少できる。トレンチ技術は、これまで基板における部品間の電気絶縁を著しく改善するため、および、部品ごとに必要なチップ面を顕著に小型化するために開発されており、現在では、広範囲にわたって使用されている。本発明は、既知のトレンチ技術の更なる使用可能性を開示し、このことにより、高周波数構造の場合に半導体基板への高周波数信号伝送を著しく改善する、簡単でコストのかからない可能性を提供する。
【0041】
本発明は、同様に、HF部品の試験の際に使用できる。これは、測定ヘッドに接触する測定端子の下にトレンチ格子を備えることで実現できる。これにより、導線、すなわち、試験される部品に対する導体経路の下に絶縁層が備えられている場合、妨害性のある容量性連結を著しく減少できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の細部を示す断面図である。
【図2】接続素子と、その下に備えられている絶縁層との関係を示す俯瞰図である。
【図3】トレンチ格子の実施例を示す図である。
【図4】複数の接続素子を有する半導体装置の一部を示す俯瞰図である。
【図5】トレンチ格子の具体的な構造を有する、本発明に基づく半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 金属被覆
3 絶縁層
4 接続素子
5 ポリシリコン抵抗
6,7 導体経路
8 貫通接触部
9,10,11 酸化物層
12 基板壁
13 溝
【0001】
導体経路を介した数ギガヘルツより上の領域の信号伝送時における大面積の受動素子、または、大面積の接続素子を用いた信号供給時および信号出力時におけるいわゆる接触パッドには、著しい信号電力損失や、寄生容量による信号品質悪化が生じる。この寄生容量は、上記した金属領域と半導体基板との間の容量連結が原因であり、回避することはできない。
【0002】
高いギガヘルツ領域においても良好かつ低損失の信号伝送を効果的に実現するためには、信号損失をできるだけ小さく保つ必要がある。これは、例えば、電気通信分野および半導体装置の測定学的調査(messtechnischen Untersuchung)の双方における、半導体装置の操作のためである。
【0003】
信号伝送特性の測定および試験のために、いわゆるsパラメータ測定が実施される。この測定では、50GHzまでの信号周波数を有する高周波数の小信号を、接続素子から、金属製の「オン・ウエハー」導入配線を介して、できるだけ損失および歪みを少なく、測定される半導体装置に転送される。信号供給のために、いわゆるHF検査ヘッド(Probekopf)が、ウエハー上の接続素子に置かれる。そして、このHF検査ヘッドは、信号を出力し、伝送・反射された信号部分を50Ωシステムで測定装置へ転送する。接続素子から測定される半導体装置への配線は、通常は10〜数100μmである。信号周波数に応じて、伝送・反射された信号電力が正確に測定される。特に、高ギガヘルツ領域の信号周波数では、半導体装置の基板への容量性の信号入力連結が原因で、接続素子において、望ましくない信号電力損失(Signalleistungsverlusten)が生じる。
【0004】
寄生容量、インダクタンス、および、直列抵抗を減少させるために、接続素子と導線(導体経路)とを、できるだけ小さくすることが知られている。しかし、この処置は、測定装置の検査ヘッドを使用可能にしておくために、厳しく制限されている。同じく、小型化についても、接続素子の最小表面によって、制限されている。なぜなら、半導体装置のHF設計の場合、作動周波数(Arbeitsfrequenz)の上昇につれて、電流密度も恒常的に上昇するため、導線(Zuleitungen)もしくは導体経路を、縮小するよりはむしろより拡大する必要がるからである。これは、同時に現れる伝導インダクタンス(Leitungsinduktivitaeten)および直列抵抗の増加を、許容可能な限度内に止めるためである。
【0005】
信号電力損失は、基板抵抗(Substratwiderstandes)の上昇によっても減少させられる。しかし、基板における特定の抵抗の上昇に伴って、著しくラッチアップになりやすくなるとともに、異なる回路ブロック間における基板の誤連結(Substratverkopplung)を大きく増加させてしまう。従って、特定の基板抵抗については、プロセス技術的な考慮により、上昇させられる限度が狭くなっている。
【0006】
集積コイルにおける損失減少のために、文献「シリコン上の一体構造RFインダクタ用の新埋め込み酸化物絶縁」(”Novell Burried Oxide Isolation for Monolitic RF Inductors on Silicon” von H.B. Erzgraeber, T. Grabolla, H.H. Richter, P. Schiley und A. Wolff, IEDM 98, 頁535〜539)から、集積コイルの下側の基板に、絶縁層を備えることが知られている。この際、トレンチを非常に深くする、トレンチ絶縁技術が使用される。この技術では、残っている平行なシリコンの垂直辺が完全に酸化される。文献に記載の方法は、集積コイルの品質改善に使用される。この際、関連性のある損失は、深い基板にある渦電流(Wirbelstroemen)に見出せる。この基板が原因で、比例して深いトレンチが必要であり、このことが、製造を複雑にする。ここで実施される「激しい」酸化工程(”harten” Oxidationsschritt)によって、基板のバイポーラトランジスタおよびCMOSトランジスタが破壊される。その結果、ここで提案される方法は、条件付でしか実施できない。
【0007】
本発明の目的は、信号損失を減少することにより、信号伝送を改善可能な半導体装置、および、このような半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
上記した第1の目的は、請求項1の特徴を有する半導体装置によって達成される。また、上記の方法は、請求項13の特徴に記載されている。好ましい態様は、各従属請求項に記載されている。
【0009】
本発明では、トレンチ格子(Trench−Gitter)の形状で実現されている絶縁層が備えられている。ここで、トレンチ格子および集積部品を取り囲んでいるトレンチ溝については、同じ方法工程において製造できる。
【0010】
本発明の理解は、基板における容量性の電流損失が、金属被覆の面積および信号周波数に正比例する一方、基板と信号を導く金属被覆との間の間隔には正比例しないという認識に基づいている。信号伝送の際の主な損失効果は、高周波数信号の半導体基板への入力連結である。金属被覆面ユニットA毎の、面積を特定した容量性の伝導率(flaechenspezifische kapazitative eitfaehigkeit)は、
yA=2πfε0εr/d
によって得られる。ここで、fは信号周波数、ε0は真空誘電率、εrは金属被覆と基板との間の絶縁物質の誘電率、dは金属被覆と基板との間の空間的な隔たりである。できるだけ小さなεrを有する物質を使用することにより、固有伝導率(spezifische Leitfaehigkeit)を大きく減少できる。この物質は、「低k誘電体」という名称で知られている。
【0011】
上記の式に基づいて、さらに、金属被覆と基板との間の間隔dを大きくすることにより、固有伝導率を減少できる。
【0012】
本発明は、多数の最新の半導体テクノロジーにおいて使用可能なプロセス技術によってこのような間隔を形成し、このことによって、寄生容量を著しく減少させる、非常に簡単で効果のある可能性を提案する。
【0013】
トレンチ格子の形状を有する絶縁層を基板に備えることにより、間隔dを、使用可能なトレンチの深さに応じて、係数2から3だけ拡大できる。トレンチ格子の領域では、必要に応じて、低オームのフィールド埋め込み(Feldimplantation)を省略できる。トレンチ格子に残っている柱(Saeulen)は、半導体基板から構成され、高オームである。金属被覆の下に存在する基板が高オームなほど、渦電流および基板表皮効果(Substrat−Skin−Effekt)によってその中に生じる損失は小さい。
【0014】
トレンチ格子の製造は非常に簡単である。なぜなら、製造方法は、従来技術により知られているからである。付加的なプロセス工程は必要ない。なぜなら、1つの基板における全てのトランジスタの回りに、トレンチ溝が完成されるからである。言い換えれば、このことは、トレンチ格子と、集積部品を取り囲んでいるトレンチ溝とが、同じ方法工程において製造されることを意味している。変形マスクを使用することのみが必要である。
【0015】
トレンチは、ドライエッチングプロセス、続く湿式化学洗浄、および、続く絶縁体(例えば、PSGガラス)による溝の充填により形成できる。残存基板柱の完全な酸化をさらに行えるが、行う必要はない。格子の形体(Gestaltung)は、適切なマスクを選択することで形成できる。
【0016】
従って、本発明は、完全には酸化されていない半導体残留柱または残留垂直辺を備えていてもよい。これらは、トレンチ格子の溝の菱形パターンまたは長方形パターンによって最小化されている。このことにより、付加的なマスクもしくは付加的なプロセス工程なしで、低コストで製造可能な、最適化された半導体部品を形成できる。
【0017】
絶縁層は、基板の第1主要側面に達していることが好ましい。トレンチ格子は、長方形もしくは菱形に形成されていることが好ましい。トレンチ格子のセルを、トレンチエッチングの後に行う可能な(しかし必須ではない)酸化工程において溝のエッチング深さまで基板材料を酸化するようなサイズとすれば、強く絶縁された、約εr=3.3の小さな誘電率を備えた酸化シリコンを作成できる。できるだけ完全な酸化を達成するためには、格子のセルを、長方形または菱形とすることが特に好ましい。
【0018】
基本的には、主要側面の全域にトレンチ格子を備えることができる(半導体装置の部品は除く)。しかし、金属被覆の、高周波数信号に関して感度のよい位置の下にだけ、トレンチ格子を備えることで十分である。通常、金属被覆は、外部接触可能な接触素子(接触バッド)、ポリシリコン抵抗、導体経路、場合によっては集積コイルも備えている。そして、本発明では、接続素子、集積コイル、導体経路、または集積ポリシリコン抵抗の少なくともいくつかの下に、絶縁層を備えている。例えば外部接触可能な接続素子または集積コイルのような面積の大きな部品では、特に、高周波数信号の信号経路に存在する接続素子の下にだけ、絶縁層を備える必要がある。
【0019】
1つの実施形態では、接続素子,集積コイル,導体経路の少なくとも信号重要部分(signalkritische Teile)、または、集積ポリシリコン抵抗の下に、絶縁層の割り当てらた領域がそれぞれ備えられている。このとき、絶縁層の領域が、各接続素子,各集積コイル,導体経路の選択された部分または各集積ポリシリコン抵抗を越えて、横側に突出ていると好ましい。このことにより、信号損失を減少できる。
【0020】
半導体装置は、測定ヘッド(Messkoepfen)の接触のための接続素子を備えていれば、半導体試験構造でも、半導体チップでも、ウエハーであってもよい。測定ヘッドと接続するために備えられている接続素子では、正しい測定のために寄生容量が減少されなければならない。これは、できる限り正確な測定値を得るためである。
【0021】
基板に対して容量的に連結するものは常にRC部であり、信号電力は、基板抵抗Rのみにおいて失われる。従って、損失を最小化するためには、以下に示すような2つの方法がある。
【0022】
【数1】
【0023】
基板として、特にシリコンが好ましい。なぜなら、シリコンは、多くの最新製造テクノロジーによって非常に低オームであり、これによって基板損失が高くてもよいからである。ガリウム砒素基板を使用する際には、シリコン製の基板を使用する場合には生じない、望ましくない信号損失が生じる。なぜならガリウム砒素ウエハーは、基本的に高オームだからである。
【0024】
基本的に、本発明は、各任意のウエハー材料に使用できる。しかし、その効果は、加工の行われるウエハー材料に強く依存する。ウエハー材料の抵抗は、0.01Ωcmから10MΩcmの間であればよい。
【0025】
本発明とその長所とを、以下の図に基づいてさらに説明する。
図1は、本発明の半導体装置の細部を示す断面図である。図2は、接続素子と、その下に備えられている絶縁層との関係を示す俯瞰図である。図3は、トレンチ格子の実施例を示す説明図である。図4は、複数の接続素子を有する半導体装置の一部を示す俯瞰図である。図5は、トレンチ格子の具体的な構成を有する、本発明に基づく半導体装置の断面図である。
【0026】
図1は、本発明の半導体装置の細部を示す断面図である。好ましくはシリコンから構成されている基板1の第1主要側面Iに、金属被覆2が形成されている。基板1には、少なくとも1つの部品が、基板に位置する窪み(Wannen)の形状で備えられている。このような部品の代わりに、窪み14と基板1とにより構成されるダイオードがある。当然、本発明の半導体装置は、任意に相互に接続可能な多数の部品を含んでいる。
【0027】
金属被覆(Metallisierung)2は、本実施例では、2つの金属被覆面から構成されている。各金属被覆面は、導体経路6・7を備えている。導体経路6・7は、酸化物層10によって相互に分離されている。導体経路7を有する第1金属被覆面と、基板1の第1主要側面Iとの間に、更なる酸化物層11が形成されている。最上金属被覆面(導体経路6)を保護するために、酸化物層9または不活性部(Passivierung)が、同じく形成されている。この酸化物層9または不活性部は、既知の方法で備えられる、受け入れ部を有している。この受け入れ部を介して外部接触可能な接続素子4は、導体経路6に接続される。下側および上側金属被覆面の導体経路は、貫通接触部(Durchkontaktierungen)8によって、相互に接続可能であるが、そのように構成する必要はない。下部金属被覆面は、例えば、ポリシリコン抵抗5を備えている。ポリシリコン抵抗は、多くの場合、より大きな面積を必要とするので、基板に対する無視できない容量の原因となる。このようなポリシリコン抵抗を通して高周波数電流を印加する際に、ポリシリコン抵抗は、周波数に応じた値となる。なぜなら、このとき、ポリシリコン抵抗は、主にRC部のように機能するからである。このような基板に対する容量については、ポリシリコン抵抗5の下側の絶縁層3によって、著しく小さくすることが可能である。
【0028】
本発明は、当然、2つの金属被覆面だけを有する実施例に制限されず、任意の数の金属被覆面に使用できる。
【0029】
数ギガヘルツの領域の高周波数信号を、接続素子4に供給することもある。そこで、接続素子4の金属被覆と、基板1との間の寄生容量を小さくするために、本発明では、絶縁層3を、接続素子4の下側に備えている。絶縁層3は、トレンチ格子の形状に形成されており、基板1の第1主要側面Iに達している。損失電力(Verlustleistung)に繋がることになる寄生容量を、最も効果的に減少させるため、絶縁層3は、接続素子4の側面の境界を越えて横側へ突出していることが図1の断面図からよく分かる。トレンチ格子の可能な具体的な構成を図5に示す。
【0030】
ポリシリコン抵抗も、基板に対して重大な容量的連結を有している。従って、同様に、ポリシリコン抵抗5の下側に、絶縁層3が備えられている。この絶縁層3は、同じくポリシリコン抵抗5を越えて横側へ突出している。
【0031】
金属被覆の保護すべき部分を越えた絶縁層3の横側への突出は、接続素子4と、横側へ突出している絶縁層3との俯瞰図を示している図2から、同じく明らかである。
【0032】
図1から、絶縁層3(部品以外)は、基板の全体の主要側面Iを覆ってはならないことがさらによく分かる。金属被覆の高周波数信号が流れる部分、または、高周波数信号が入力連結または出力連結される部分の下のみに絶縁層を備えることで十分である。
【0033】
図3に、本発明のトレンチ格子の設計例を示す。この図では、基板にエッチングされた溝を13により示している。また、エッチング工程の後に残存基板柱を、12により示す。エッチングされた溝は、絶縁体、好ましくは、PSGガラスにより充填される。
【0034】
この構成では、トレンチ格子の個々のセルが互いに隣接して形成されていることが好ましい。これは、任意の連続的な参加工程において、残存基板物質(柱12)を、最小化する、あるいは、プロセス技術的に可能であれば全面的に削除することでなされる。
【0035】
基板がシリコンから構成されている場合、任意選択の酸化工程の後に、酸化シリコンが生じる。基板は、非常に絶縁されており、比較的小さな誘電率を備えているので、レイアウト処置のみによって、特定の容量性の伝導率を係数2から3だけ減少させることができる。
【0036】
本発明の更なる長所は、半導体基板におけるHF妨害信号の拡散を減少できることである。トレンチ格子を常用することによって、全てのHF重要信号経路(HF−kritischen Signalpfaden)で、複雑な混合信号チップ設計(Mixed−Signal−Chip−Design)における極めて重要な信号混信を、同じく良好に回避できる。
【0037】
図4は、本発明の半導体装置の一部を示す俯瞰図である。例として、3つの接続素子4a,4b,4cを、各導体経路6a,6b,6cとともに示している。例えば、接続素子4cに供給電圧が印加され、他の2つの接続素子4a・4bには高周波数信号が入力される。これら接続素子4a・4bの下にのみ、それぞれトレンチ格子3a,3bが備えられている。1つのトレンチ格子を、接続素子4a・4bの下側に備えるようにしてもよい。接続素子4cには高周波数信号が印加されていないので、トレンチ格子はここでは必要ない。原則的には、金属被覆面に部品のみを有している各重要信号線経路(jede kritische Signalleitungsstrecke)の下にトレンチ格子がある。特に、高周波数信号を流す導体経路は重要である。
【0038】
図5は、トレンチ格子の可能な具体的な構成例を有する、本発明の半導体装置の断面図である。トレンチ格子は、接続素子の下側に配置され、接続素子を越えて横側へと突出している。この実施例では、基板1にエピタキシー層15が形成されている。このエピタキシー層側に、例えば、熱またはCVD析出によって形成されている絶縁体14が配置されている。第1主要側面Iに達している他の絶縁体17は、溝13を充填する際にともに形成される。絶縁体17と溝13とは、双方とも、好ましくはPSGガラスから構成される。図5から、溝13の間に基板柱12が生じて残っていることがよく分かる。これら残存半導体柱は、垂直方向において、基板1と同じドーピング特性を有している。従って、残存柱は、ウエハーの基本ドーピング(Grunddotierung)を備えている。図5に記載のエピタキシー層は、必須のものではない。エピタキシー層と基板との間に、比較的広い空間電荷ゾーン(Raumladungszone)を有する従来のPN遷移が残っている。なぜなら、低くドーピングされたPN遷移であることが好ましいからである。PN空間電荷ゾーンは、絶縁層と同じように機能し、基板1に対して更なる直列的な容量を生じる。
【0039】
さらに、図5では、いわゆる「チャネルストッパー」を示している領域16が、基板1に示されている。これら領域16は、例えば、埋め込み領域(implatierten Bereiche)であり、必ずしも必要なわけではないが、好ましいものである。望ましい作用を得るために、溝13は、約5nmだけ基板1内に延びていれば十分である。この深さであれば、高周波数信号を接続素子4に供給する際に、よい信号品質が得られる。当然、溝は、非常に深くてもよい。溝の深さは、基本的には、使用される半導体物質、および、接続素子に供給される信号の周波数に応じたものである。
【0040】
半導体プロセスにおいて使用可能なトレンチ技術の使用によって、金属被覆構造と基板との間の寄生容量を係数2から3だけ減少できる。トレンチ技術は、これまで基板における部品間の電気絶縁を著しく改善するため、および、部品ごとに必要なチップ面を顕著に小型化するために開発されており、現在では、広範囲にわたって使用されている。本発明は、既知のトレンチ技術の更なる使用可能性を開示し、このことにより、高周波数構造の場合に半導体基板への高周波数信号伝送を著しく改善する、簡単でコストのかからない可能性を提供する。
【0041】
本発明は、同様に、HF部品の試験の際に使用できる。これは、測定ヘッドに接触する測定端子の下にトレンチ格子を備えることで実現できる。これにより、導線、すなわち、試験される部品に対する導体経路の下に絶縁層が備えられている場合、妨害性のある容量性連結を著しく減少できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の細部を示す断面図である。
【図2】接続素子と、その下に備えられている絶縁層との関係を示す俯瞰図である。
【図3】トレンチ格子の実施例を示す図である。
【図4】複数の接続素子を有する半導体装置の一部を示す俯瞰図である。
【図5】トレンチ格子の具体的な構造を有する、本発明に基づく半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 金属被覆
3 絶縁層
4 接続素子
5 ポリシリコン抵抗
6,7 導体経路
8 貫通接触部
9,10,11 酸化物層
12 基板壁
13 溝
Claims (15)
- 基板(1)を有し、この基板は、この基板に集積されている少なくとも1つの部品、特にトランジスタを有し、さらにこの部品を取り囲んでいるトレンチ溝を備えており、この基板の第1主要側面(I)に金属被覆(2)が設けられており、この金属被覆(2)の少なくとも一部の下に、基板(1)に配された絶縁層(3)が備えられている半導体装置であって、
上記の絶縁層(3)が、トレンチ格子の形状で実現されており、このトレンチ格子と、集積部品を取り囲んでいるトレンチ溝とを、同じ方法工程において製造できることを特徴とする、半導体装置。 - 上記トレンチ格子が、基板の第1主要側面(I)に達していることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
- 上記トレンチ格子が、溝(13)および柱(12)を備え、この溝(13)が絶縁体によって充填されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体装置。
- 上記トレンチ格子の柱(12)が、基板物質から構成されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置。
- 上記トレンチ格子の上記柱(12)が、酸化物から構成されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置。
- 上記金属被覆(2)が、外部接触可能な接続素子(4)、集積コイル、導体経路(6,7)、集積キャパシタまたはポリシリコン抵抗(5)を備え、接続素子、集積コイルのいくつか、導体経路、集積キャパシタ、または集積ポリシリコン抵抗の一部の下に、上記絶縁層(3)が備えられていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体装置。
- 上記接続端子(4)、集積コイル、導体経路(6,7)の少なくとも一部、集積キャパシタまたは集積ポリシリコン抵抗(5)の下に、絶縁層(3)の割り当てられている領域がそれぞれ備えられていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体装置。
- 上記絶縁層(3)の領域が、各接続素子(4)、集積コイル、集積キャパシタ、または、集積ポリシリコン抵抗(5)を越えて横側へ突出していることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の半導体装置。
- 上記トレンチ格子が、長方形または菱形に形成されていることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の半導体装置。
- 上記半導体装置が、半導体チップであることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の半導体装置。
- 上記半導体装置が、ウエハーであり、接続素子が、測定ヘッドに対する接触のために備えられていることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載の半導体装置。
- 上記基板が、シリコンまたはガリウム砒素から構成されていることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の半導体装置。
- 基板(1)を有し、この基板は、この基板に集積されている少なくとも1つの部品を備え、この基板の第1主要側面(I)に金属被覆(2)が設けられており、この金属被覆(2)の少なくとも一部の下に、基板(1)に配された絶縁層(3)が備えられており、この絶縁層(3)は、トレンチ格子の形状に実現されており、トレンチ格子と集積部品を取り囲んでいるトレンチ溝とが同じ方法工程において製造される半導体装置の製造方法。
- 上記トレンチ格子の溝が、絶縁体によって充填される請求項13に記載の方法。
- 上記絶縁層が、基板の、後の方法工程において高周波数信号の信号経路に存在する接続素子が生成される位置に、生成されることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
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Legal Events
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---|---|---|---|
A762 | Written abandonment of application |
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