JP2004360805A - 圧力増幅装置 - Google Patents

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JP2004360805A JP2003160544A JP2003160544A JP2004360805A JP 2004360805 A JP2004360805 A JP 2004360805A JP 2003160544 A JP2003160544 A JP 2003160544A JP 2003160544 A JP2003160544 A JP 2003160544A JP 2004360805 A JP2004360805 A JP 2004360805A
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慶太 百瀬
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Abstract

【課題】弁プラグの振動を抑制でき、移動体との接触による摩擦トラブルを回避でき、また不感帯の発生を抑制して、如何なる入力であっても応答の良いコントロールリレーを得る。
【解決手段】供給流体圧と入力流体圧とを受け、該入力流体圧の変化に応じて出力流体圧を変化させ、流体の圧力を増幅する圧力増幅装置であって、供給流体圧を受ける供給圧室と、供給流体圧を受けるバイアス室と、入力流体圧を受ける入力圧室と、出力流体圧を受けるフィードバック室と、バイアス室、入力圧室、フィードバック室のそれぞれに跨いでダイアフラムで支持し、且つ該ダイアフラムの弾性変形によって移動する移動体と、入力流体圧が変化すると出力流体圧が変化する出力圧室と、移動体によって頭部部位を押すことにより供給圧室と出力圧室とを接続する流路を開閉する弁プラグと、を備え、弁プラグには、該弁プラグの動きをガイドするガイド手段を備えたことである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力増幅装置に関するものであり、詳しくはバルブポジショナ・電空変換器の構成要素である流量増幅回路(コントロールリレー)に関するものである。
ここで、コントロールリレーとは、入力圧力変化量に対し、出力変化量を一定倍率に制御する機器である。ポジショナとは、バルブの駆動を外乱に抗して正確に保つために、空気圧力を加減する機器のことである。電空変換器とは、入力電流に対し、一定の圧力を発生させる機器のことである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術における圧力増幅装置は、供給流体圧Psと入力流体圧Pnとを受け、この入力流体圧Pnの変化に応じて出力流体圧Poを変化させて、流体の圧力を増幅する装置である。
【0003】
この圧力増幅装置は、空気式バルブの空気圧を制御するバルブポジショナなどの構成要素であり、開度を調整可能なコントロールバルブ(調節弁)などを、外乱に抗して正確に駆動するために、入力流体圧Pnの変化量に対して出力流体圧Poの変化量を一定倍率に制御するパイロットリレーなどに用いられる。
【0004】
この圧力増幅装置は、図4に示すように、内部を空洞に形成した弁本体111と、弁本体111の空洞内に配置した移動体(EX.PORT ASSY)112と、移動体112を弁本体111内部において維持する第1〜第4のダイアフラム113〜116と、供給圧室117と、バイアス室118と、入力圧室119と、出力圧室120と、排気圧室121と、フィードバック室122と、弁プラグ123と、ばね124と、を備えている。
【0005】
弁本体111は、装置本体を構成する収容部(ケーシング)である。この弁本体111には、空気などの流体を供給圧室117に供給する供給口117aと、空気などの流体を入力圧室119に流入させる入力口119aと、出力圧室120から流体を流出させる出力口120aと、排気圧室121から流体を流出させる排気口121aと、供給圧室117とバイアス室118とを接続する流路126と、出力圧室120とフィードバック室122とを接続する流路127と、供給圧室117と出力圧室120とを接続する流路128と、供給圧室117と出力圧室120とを接続する流入孔(ブリード孔)129とが形成されている。
【0006】
又、弁本体111には、移動体112、第1〜第4のダイアフラム113〜116、弁プラグ123及びばね124が収容されている。
【0007】
移動体112は、第1〜第4のダイアフラム113〜116の弾性変形によって移動する部材であり、出力圧室120と排気圧室121とを接続する流路130aが形成されている。
この移動体112は、第1〜第4のダイアフラム113〜116によって弁本体111内に移動自在に支持されており、第1〜第4のダイアフラム113〜116が弾性変形すると矢印A方向及び矢印B方向に移動する。
【0008】
第l〜第4のダイアフラム113〜116は、弁本体111と移動体112とを連結し、この移動体112を移動自在に支持する膜板である。
【0009】
第1のダイアフラム113は、一方の表面側に出力流体圧Poを受け、他方の表面側に供給流体圧Psを受けて弾性変形する。
【0010】
第2のダイアフラム114は、一方の表面側に供給流体圧Psを受け、他方の表面側に入力流体圧Pnを受けて弾性変形し、第lのダイアフラム113よりも受圧面積が小さく形成されている。
【0011】
第3のダイアフラム115は、一方の表面側に入力流体圧Pnを受け他方の表面側に排気流体圧Peを受けて弾性変形する入力ダイアフラムであり、第2のダイアフラム114よりも受圧面積が大きく形成されている。
【0012】
第4のダイアフラム116は、一方の表面側に排気流体圧Pe又は大気圧を受け、他方の表面側に出力流体圧Poを受けて弾性変形するフィードバックダイアフラムである。この第4のダイアフラム116は、第1のダイアフラム113よりも受圧面積が大きいために、第4のダイアフラム116と第1のダイアフラム113との受圧面積の差分に相当する力が移動体112に作用したときに移動体112を矢印B方向に移動させるように機能する。
【0013】
供給圧室117は、供給流体圧Psを受ける部屋である。この供給圧室117は、供給口117aに接続されており、この供給口117aから空気が供給されると供給流体圧Psを内部に受ける。この供給圧室117は、弁本体111の端部側に形成されており、内部にばね124を収容する。
【0014】
バイアス室118は、第3のダイアフラム115及び弁プラグ123の外側に位置し、供給流体圧Psを受ける部屋である。このバイアス室118は、一対の第1及び第2のダイアフラム113、114によって仕切られており、供給圧室117と流路126を通じて接続されているために、供給圧室117と同じ大きさの供給流体圧Psを内部に受ける。更に、このバイアス室118は、入力圧室119とフィードバック室122との問に位置しこれらに隣接して配置されている。
【0015】
このような構成からなるバイアス室118は、第lのダイアフラム113が第2のダイアフラム114よりも受圧面積が大きいために、第lのダイアフラム113と第2のダイアフラム114との受圧面積の差分に相当する押圧力を移動体112に常時作用させ、移動体112をB方向に押圧する空気ばねとして機能する。
【0016】
入力圧室119は、入力流体圧Pnを受ける部屋であり、バイアス室118と排気圧室121との間に位置し、これらに隣接して配置されるとともに、バイアス室118と弁プラグ123との間に位置する。この入力圧室119は、一対の第2及び第3のダイアフラム114、115によって仕切られており、入カ口119aから空気が流入すると入力流体圧Pnを内部に受ける。
【0017】
このような構成からなる入力圧室119は、第3のダイアフラム(入力ダイアフラム)115が第2のダイアフラム114よりも受圧面積が大きいために、第2のダイアフラム114と第3のダイアフラム115との受圧面積の差分に相当する力が移動体112に作用したときに、この移動体112を矢印A方向に移動させるように機能する。
【0018】
出力圧室120は、入力流体圧Pnが変化すると出力流体圧Poが変化する部屋であり、第4のダイアフラム116、移動体112及び弁本体111によって仕切られる空間である。この出力圧室120は、弁プラグ123が流路128を開くと弁プラグ123と流路128との間の隙間を通じて供給圧室117から空気が流入し出力流体圧Poを内部に受ける。この出力圧室120は、図示しないアクチュエータに出力口120aから空気を排出する。
【0019】
この出力圧室120は、入力圧室119とは離間して配置され、供給圧室117と排気圧室121との間に位置しこれらに隣接して配置されている。
また、図4に示すように、入力圧室119と出力圧室120との間には排気圧室121が配置されている。
【0020】
排気圧室121は、空気を排出させる部屋であり、一対の第3及び第4のダイアフラム115、116によって仕切られており、流路130a、130bから流入した空気を排気口121aから大気中に排出させる。この排気圧室121は、入力圧室119と出力圧室120との間に位置し、これらに隣接して配置されている。
【0021】
フィードバック室122は、出力流体圧Poを受ける第lのダイアフラム113を有する部屋であり、弁本体111と第lのダイアフラム113とによって仕切られており、出力圧室120と流路127を通じて接続されているために出力圧室120と同じ大きさの出力流体圧Poを内部に受ける。
【0022】
バイアス室118及びフィードバック室122は、第3のダイアフラム115及び弁プラグ123の外側に位置する。
【0023】
弁プラグ123は、供給圧室117と出力圧室120とを接続する流路128を開くポペット弁であり、流路130aを開閉する半球形状に形成した排気弁部131と、流路128を開閉する供給弁部132とで形成されている。
【0024】
この弁プラグ123は、流路128を貫通した状態で、供給圧室117と出力圧室120との間に配置され収容されており、入力流体圧Pnが増加して、移動体112が矢印A方向に移動したときに、出力流体圧Poが増加するように流路128を開く。
【0025】
ばね124は、弁プラグ123を押圧する押圧部材であり、弁プラグ123の排気弁部131が流路130aを閉鎖し、供給弁部132が流路128を閉鎖するように、この弁プラグ123を矢印B方向に常時押圧する。この、ばね124は、入力流体圧Pnが増加して、弁ブラグ123を加圧しながら移動体112が矢印A方向に移動すると圧縮される。
【0026】
次に、以上説明した構成からなる圧力増幅装置の動作を説明する。
【0027】
(平衡状態)
図4に示すように、供給口117aから供給圧室117に空気が供給されると、供給圧室117とバイアス室118とが流路126によって接続されているため、供給圧室117及びバイアス室118が供給流体圧Psを受ける。
又、入力口119aから入力圧室119に空気が流入して、入力圧室119が入力流体圧Pnを受ける。
【0028】
供給圧室117から流入孔129を通じて出力圧室120に僅かに空気が流入すると、出力圧室120と、フィードバック室122とが流路127、127aによって接続されているため、出力圧室120及びフィードバック室122が出力流体圧Poを受ける。
【0029】
このとき、ばね124が弁プラグ123を矢印B方向に押圧して、供給弁部132が流路128を閉鎖しているが、排気弁部131と流路130aとの間には僅かに隙間が形成されている。
【0030】
その結果、供給圧室117から流入孔129を通じて出力圧室120に流入する空気が、排気弁部131と流路130aとの間の隙間から排気圧室121に流入して、力学的に安定した平衡状態になっている。
【0031】
(出力増加)
図5は、圧力増幅装置において出力流体圧Poが増加したときの状態を示す動作説明図である。
入力口119aから入力圧室119に流入する空気圧力が増加すると、入力圧室119が受ける入力流体圧Pnが増加する。
【0032】
第2のダイアフラム114の受圧面積よりも第3のダイアフラム115の受圧面積が大きいため、こられの受圧面積の差分に相当する力によって第2及び第3のダイアフラム114、115が攘み、移動体112が矢印A方向に移動する。
【0033】
一方、バイアス室118が供給流体圧Psを受けると、第2のダイアフラム114の受圧面積よりも第1のダイアフラム113の受圧面積が大きいため、これらの受圧面積の差分に相当する力が、矢印B方向に抵抗力として移動体112に作用する。
【0034】
そして、ばね124の押圧力に抗して、このばね124を圧縮しながら移動体112が弁プラグ123を加圧して、排気弁部131が流路130aを閉鎖して移動体112と弁プラグ123とが一体となって矢印A方向に移動する。
【0035】
その結果、弁プラグ123が流路128を徐々に開き、供給弁部132と流路128との間の隙間を通じて供給圧室117から出力圧室120に空気が流入して、出力圧室120が受ける出力流体圧Poが増加する。
【0036】
流路128から出力圧室120に流入する空気圧力が増加すると、フィードバック室122が受ける出力流体圧Poも増加して、この出力流体圧Poの増加分がフィードバック室122にフィードバックされる。
【0037】
第1のダイアフラム113の受圧面積よりも第4のダイアフラム116の受圧面積が大きいため、こられの受圧面積の差分に相当する力が矢印B方向に抵抗力として移動体112に作用する。
このように、入力流体圧Pnが増加すると一定倍率で出力流体圧Poが増加する。
【0038】
(出力減少)
図6は、出力流体圧Poが減少したときの状態を示す動作説明図である。
【0039】
入力口119aから入力圧室119に流入する空気圧力が減少して、入力圧室119が受ける入力流体圧Pnが減少すると、第2及び第3のダイアフラム114、115の受圧面積の差分に相当する力が低下して移動体112を矢印A方向に移動する力が低下する。
【0040】
一方、バイアス室118は供給流体圧Psを受けており、第1及び第2のダイアフラム113、114の受圧面積の差分に相当する力が矢印B方向に作用するため移動体112が矢印B方向に移動する。
このため、弁プラグ123と移動体112が離間して排気弁部131が流路130aを開く。
【0041】
その結果、出力圧室120から流路130a、130bを通じて排気圧室121に空気が流入し、排気圧室121内の空気が排気口121aから大気中に排出されて、出力圧室120及びフィードバック室122が受ける出力流体圧Poが減少する。
【0042】
【特許文献1】
特願2002−004483号 (第8頁〜第10頁 第1図)
【0043】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術で示した圧力増幅装置において、入力が大きい場合、移動体(EX.PORT ASSY)112は更に弁プラグ123方向に移動して弁プラグ123を押すことにより、供給圧室117と出力圧室120の間隙が増加して供給圧室117から出力圧室120へ空気が流入し、出力圧室120の圧力が上昇する。この場合、移動体112は弁プラグ123と接触しても、ある一定以上の力が弁プラグ123に加わらないと弁プラグ123は移動しない。これは、弁プラグ123が供給圧を受けて移動体112方向に力を受けているためである。入力が増加しても弁プラグ123が移動せず、結果として出力が上昇しない現象を不感帯と呼ぶ。不感帯が発生すると、入力増加に対しても出力が増加しないため、制御上好ましくなく、できるだけ小さな不感帯にすることが望ましい。
【0044】
ここで、不感帯幅は計算で求めることができ、それは弁プラグ123と移動体112との関係において求めることができる。
不感帯:[(Af/2)−(Ax/2)]π(Psup−Pout)+KΔL……1式
最大値(Pout=0):(Af−Ax)Psup・π/4+KΔL……2式
最小値(Pout=Psup):KΔL……3式
Af:弁プラグが接触する部分の直径
As:大気開放部屋に出ている弁プラグの直径
Ax:弁プラグが移動体(EX.PORT)と接触する部分の直径
K:バネ定数
ΔL:バネ変形量
【0045】
このようにして、弁プラグ123が接触する部分の直径(Af)と大気開放部屋に出ている弁プラグ123の直径(As)と弁プラグ123が移動体112と接触する部分の直径(Ax)との関係から不感帯の幅を求めることができるのであるが、出力の応答範囲、即ち、入力に対して出力が変化する範囲が高圧側にシフトすると、不感帯が発生し、必要な圧力を得ることができない場合がある。また、出力応答範囲の高圧側シフトは機器可動中にも発生することが考えられるため、トラブル要因になり得るという問題がある。
【0046】
また、弁プラグ123はばね124のみによって支えられており不安定なため、振動する場合がある。弁プラグ123が振動した場合、予期せぬ出力の周期的変化や、移動体112との接触による磨耗トラブルを引き起こすという問題もある。
【0047】
従って、出力圧室120、入力圧室119、供給圧室117、バイアス室118、フィードバック室122の5つの部屋によって構成されるコントロールリレーに対して、不感帯の発生を抑制して、如何なる入力であっても応答の良いコントロールリレーを得ることに解決しなければならない課題を有する。
【0048】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る圧力増幅装置は、次に示す構成にすることである。
【0049】
(1)圧力増幅装置は、供給流体圧と入力流体圧とを受け、該入力流体圧の変化に応じて出力流体圧を変化させ、流体の圧力を増幅する圧力増幅装置であって、前記供給流体圧を受ける供給圧室と、前記供給流体圧を受けるバイアス室と、前記入力流体圧を受ける入力圧室と、前記出力流体圧を受けるフィードバック室と、前記バイアス室、入力圧室、フィードバック室のそれぞれに跨いでダイアフラムで支持し、且つ該ダイアフラムの弾性変形によって移動する移動体と、前記入力流体圧が変化すると前記出力流体圧が変化する出力圧室と、前記移動体によって頭部部位を押すことにより前記供給圧室と前記出力圧室とを接続する流路を開閉する弁プラグと、を備え、前記弁プラグには、該弁プラグの動きをガイドするガイド手段を備えたことである。
(2)前記ガイド手段は、弁プラグの下部に所定長さの支持部を設け、該支持部を前記供給圧室と該供給圧室に隣接する位置に設けた大気圧室とに跨り配置したことを特徴とする(1)に記載の圧力増幅装置。
(3)前記供給圧室と大気圧室とに跨る支持部に対して、Oリングを介在させてシールしたことを特徴とする(2)に記載の圧力増幅装置。
【0050】
このように、弁プラグが出力圧、供給圧室、大気圧室に跨り設置するようにし、且つ弁プラグは供給圧室と大気圧室との間にOリングを設けてシールするようにしたことで、弁プラグの左右への移動が制限されることで、弁プラグの振動を抑制でき、予期せぬ出力の周期的変化や、移動体との接触による磨耗トラブルを回避できる。
【0051】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る圧力増幅装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0052】
本発明に係る圧力増幅装置は、従来技術で説明した圧力増幅装置と同じく、供給流体圧Psと入力流体圧Pnとを受け、この入力流体圧Pnの変化に応じて出力流体圧Poを変化させて、流体の圧力を増幅する装置である。
この圧力増幅装置は、空気式バルブの空気圧を制御するバルブポジショナなどの構成要素であり、開度を調整可能なコントロールバルブ(調節弁)などを、外乱に抗して正確に駆動するために、入力流体圧Pnの変化量に対して出力流体圧Poの変化量を一定倍率に制御するパイロットリレーなどに用いられる。
【0053】
この圧力増幅装置は、図1に示すように、内部を空洞に形成した弁本体11と、弁本体11の空洞内に配置した移動体(EX.PORT ASSY)12と、移動体12を弁本体11内部において維持する第1〜第4のダイアフラム13〜16と、大気圧室35と、供給圧室17と、バイアス室18と、入力圧室19と、出力圧室20と、排気圧室21と、フィードバック室22と、底部に支持部34を備えた弁プラグ23と、ばね24と、を備えている。
【0054】
弁本体11は、装置本体を構成する収容部(ケーシング)である。この弁本体11には、大気圧室35に空気を流入させる大気圧口35aと、空気などの流体を供給圧室17に供給する供給口17aと、空気などの流体を入力圧室19に流入させる入力口19aと、出力圧室20から流体を流出させる出力口20aと、排気圧室21から流体を流出させる排気口21aと、供給圧室17とバイアス室18とを接続する流路26と、出力圧室20とフィードバック室22とを接続する流路27と、供給圧室17と出力圧室20とを接続する流路28と、供給圧室17と出力圧室20とを接続する流入孔(ブリード孔)29と、が形成されている。
【0055】
又、弁本体11には、移動体12、第1〜第4のダイアフラム13〜16、支持部34を備えた弁プラグ23及びばね24が収容されている。
弁プラグ23は、移動体12で押され、その底部に連設して形成された所定長の支持部34を設けた構造になっている。
【0056】
この弁プラグ23は、先端部を半球形状に形成した排気弁部31を備え、下端部を拡径に形成した供給弁部32とからなる。
支持部34は弁プラグ23の下端部に連設して形成した一定の径からなる所定長の長さで形成されており、供給圧室17と大気圧室35との間に設けた貫通孔33にOリング36を介在させて摺動自在に配置されている。この支持部34とOリング36とで弁プラグ23をガイドするガイド手段を形成する。
このように、弁プラグ23が出力圧室20、供給圧室17、大気圧室35に跨り設置すると共に弁プラグ23に連設した支持部34は供給圧室17と大気圧室35との間に設けたOリング36でシールするようにしたことで、所謂、不感帯幅が従来と比べて小さくすることができる。
この弁プラグ23の不感帯幅は、以下に示す計算で算出することができる。
不感帯:[(Af/2)−(Ax/2)]π(Psup−Pout)+KΔL−[(Af/2)−(Ax/2)]πPout……4式
但し、As=Af、Af−Ax=4KΔL/πPsupとする。
(1−Pout/Psup)KΔL……5式
最大値(Pout=0):KΔL……6式
最小値(Pout=Psup):0……7式
Af:弁プラグが接触する部分の直径
As:大気圧室に出ている支持部の直径
Ax:弁プラグが移動体(EX.PORT)と接触する部分の直径
K:バネ定数
ΔL:バネ変形量
【0057】
移動体12は、バイアス室18、入力圧室19、フィードバック室22のそれぞれに跨いで第1〜第4のダイアフラム13〜16で支持し、且つこの第1〜第4のダイアフラム13〜16の弾性変形によって移動する部材である。
【0058】
この移動体12には、出力圧室20と排気圧室21とを接続する流路30aが形成されている。
この移動体12は、第1〜第4のダイアフラム13〜16によって弁本体11内に移動自在に支持されており、第1〜第4のダイアフラム13〜16が弾性変形すると矢印A方向及び矢印B方向に移動する。
【0059】
第l〜第4のダイアフラム13〜16は、弁本体11と移動体12とを連結し、この移動体12を移動自在に支持する膜板である。
【0060】
第1のダイアフラム13は、一方の表面側に出力流体圧Poを受け、他方の表面側に供給流体圧Psを受けて弾性変形する。
【0061】
第2のダイアフラム14は、一方の表面側に供給流体圧Psを受け、他方の表面側に入力流体圧Pnを受けて弾性変形し、第lのダイアフラム13よりも受圧面積が小さく形成されている。
【0062】
第3のダイアフラム15は、一方の表面側に入力流体圧Pnを受け他方の表面側に排気流体圧Peを受けて弾性変形する入力ダイアフラムであり、第2のダイアフラム14よりも受圧面積が大きく形成されている。
【0063】
第4のダイアフラム16は、一方の表面側に排気流体圧Pe又は大気圧を受け、他方の表面側に出力流体圧Poを受けて弾性変形するフィードバックダイアフラムである。この第4のダイアフラム16は、第1のダイアフラム13よりも受圧面積が大きいために、第4のダイアフラム16と第1のダイアフラム13との受圧面積の差分に相当する力が移動体12に作用したときに移動体12を矢印B方向に移動させるように機能する。
【0064】
大気圧室35は、大気圧になっており、隣接する供給圧室17との壁に弁プラグ23に連設した支持部34が貫通する貫通孔33を備え、この貫通孔33にOリング36を介在させて弁プラグ23に連設した支持部34を摺動自在に支持する構造となっている。又、この大気圧室35には、弁プラグ23に連設した支持部34の底部にばね24を配置した構造となっている。
【0065】
供給圧室17は、供給流体圧Psを受ける部屋である。この供給圧室17は、供給口17aに接続されており、この供給口17aから空気が供給されると供給流体圧Psを内部に受ける。この供給圧室17は、大気圧室35との壁に設けた貫通孔33、出力圧室20との壁に設けた流路28を設け、貫通孔33に弁プラグ23に連設している支持部34がOリング36を介在させて配置され、弁プラグの供給弁部32が流路26を開閉自在にし、排気弁部31が流路30aを開閉自在にする構成になっている。
【0066】
このようにして配置されている弁プラグ23は、その支持部34が貫通孔33にOリング36を介在させて支持されているため、弁プラグ23の先端の排気弁部31に移動体12が当たり、ばね24に抗して下部方向に押されても、Oリング36に支持された状態で下部方向に移動し、また、ばね24で上部方向に押されるときも支持部34がOリング36で支持された状態で上方向に移動する。
【0067】
バイアス室18は、第3のダイアフラム15及び弁プラグ23の外側に位置し、供給流体圧Psを受ける部屋である。このバイアス室18は、一対の第1及び第2のダイアフラム13、14によって仕切られており、供給圧室17と流路26を通じて接続されているために、供給圧室17と同じ大きさの供給流体圧Psを内部に受ける。更に、このバイアス室18は、入力圧室19とフィードバック室22との問に位置しこれらに隣接して配置されている。
【0068】
次に、以上説明した構成からなる圧力増幅装置の動作を説明する。
【0069】
(平衡状態)
図1に示すように、供給口17aから供給圧室17に空気が供給されると、供給圧室17とバイアス室18とが流路26によって接続されているため、供給圧室17及びバイアス室18が供給流体圧Psを受ける。
又、入力口19aから入力圧室19に空気が流入して、入力圧室19が入力流体圧Pnを受ける。
【0070】
供給圧室17から流入孔29を通じて出力圧室20に僅かに空気が流入すると、出力圧室20と、フィードバック室22とが流路27によって接続されているため、出力圧室20及びフィードバック室22が出力流体圧Poを受ける。
【0071】
このとき、ばね24が支持部34を介して弁プラグ23を矢印B方向に押圧して、供給弁部32が流路28を閉鎖しているが、排気弁部31と流路30aとの間には僅かに隙間が形成されている。
【0072】
その結果、供給圧室17から流入孔29を通じて出力圧室20に流入する空気が、排気弁部31と流路30aとの間の隙間から排気圧室21に流入して、力学的に安定した平衡状態になっている。
【0073】
(出力増加)
図2は、圧力増幅装置において出力流体圧Poが増加したときの状態を示す動作説明図である。
入力口19aから入力圧室19に流入する空気圧力が増加すると、入力圧室19が受ける入力流体圧Pnが増加する。
【0074】
第2のダイアフラム14の受圧面積よりも第3のダイアフラム15の受圧面積が大きいため、こられの受圧面積の差分に相当する力によって第2及び第3のダイアフラム14、15が攘み、移動体12が矢印A方向に移動する。
【0075】
一方、バイアス室18が供給流体圧Psを受けると、第2のダイアフラム14の受圧面積よりも第1のダイアフラム13の受圧面積が大きいため、これらの受圧面積の差分に相当する力が、矢印B方向に抵抗力として移動体12に作用する。
【0076】
そして、ばね24の押圧力に抗して、このばね24を圧縮しながら移動体12が弁プラグ23を加圧して、排気弁部31が流路30aを閉鎖して移動体12と弁プラグ23とが一体となり且つ支持部34がOリング36でシールされた状態で支持されて矢印A方向に移動する。このとき、支持部34がOリングで支持されているため、弁プラグ23は左右方向への振動がなくなり真直ぐ下部方向(矢印A方向)に動くことができ、移動体12との当接位置がずれることなく正確に位置決めされた状態で押される。
【0077】
その結果、弁プラグ23が流路28を徐々に開き、供給弁部32と流路28との間の隙間を通じて供給圧室17から出力圧室20に空気が流入して、出力圧室20が受ける出力流体圧Poが増加する。
【0078】
流路26から出力圧室20に流入する空気圧力が増加すると、フィードバック室22が受ける出力流体圧Poも増加して、この出力流体圧Poの増加分がフィードバック室22にフィードバックされる。
【0079】
第1のダイアフラム13の受圧面積よりも第4のダイアフラム16の受圧面積が大きいため、こられの受圧面積の差分に相当する力が矢印B方向に抵抗力として移動体12に作用する。
このように、入力流体圧Pnが増加すると一定倍率で出力流体圧Poが増加する。
【0080】
(出力減少)
図3は、出力流体圧Poが減少したときの状態を示す動作説明図である。
【0081】
入力口19aから入力圧室19に流入する空気圧力が減少して、入力圧室19が受ける入力流体圧Pnが減少すると、第2及び第3のダイアフラム14,15の受圧面積の差分に相当する力が低下して移動体12を矢印A方向に移動する力が低下する。
【0082】
一方、バイアス室18は供給流体圧Psを受けており、第1及び第2のダイアフラム13、14の受圧面積の差分に相当する力が矢印B方向に作用するため移動体12が矢印B方向に移動する。
このため、弁プラグ23がばね24によりOリング36で支持部34を支持した状態で矢印B方向に動き、供給弁部32で流路28を閉鎖する。さらに移動体12が矢印B方向に動くため、移動体12が弁プラグ23と離間して排気弁部31が流路30aを開く。このとき、支持部34がOリング36で支持されて、上方向に動くため、弁プラグも真直ぐ上方向に動いて接触している移動体と位置ずれを起すことなく正確に離れる。
【0083】
その結果、出力圧室20から流路30aを通じて排気圧室21に空気が流入し、排気圧室21内の空気が排気口21aから大気中に排出されて、出力圧室20及びフィードバック室22が受ける出力流体圧Poが減少する。
【0084】
【発明の効果】
上記説明したように、本発明における圧力増幅装置は、弁プラグの下部に所定長さの支持部を設け、この支持部を供給圧室とこの供給圧室に隣接する位置に設けた大気圧室とに跨り配置すると共に支持部に対してOリングを介在させてシールしたことにより、弁プラグの振動を抑制でき、移動体との接触による摩擦トラブルを回避できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る平常状態のときの圧力増幅装置の断面図である。
【図2】本発明に係る出力増加したときの圧力増幅装置の断面図である。
【図3】本発明に係る出力減少したときの圧力増幅装置の断面図である。
【図4】従来技術における平常状態のときの圧力増幅装置の断面図である。
【図5】従来技術における出力増加したときの圧力増幅装置の断面図である。
【図6】従来技術における出力減少したときの圧力増幅装置の断面図である。
【符号の説明】
11 弁本体
12 移動体
13 第1のダイアフラム
14 第2のダイアフラム
15 第3のダイアフラム
16 第4のダイアフラム
17 供給圧室
17a 供給口
18 バイアス室
19 入力圧室
19a 入力口
20 出力圧室
20a 出力口
21 排気圧室
21a 排気口
22 フィードバック室
23 弁プラグ
24 ばね
26 流路
27 流路
28 流路
29 流入孔
30a 流路
31 排気弁部
32 供給弁部
33 貫通孔
34 支持部
35 大気圧室
35a 大気圧口
36 Oリング。

Claims (3)

  1. 供給流体圧と入力流体圧とを受け、該入力流体圧の変化に応じて出力流体圧を変化させ、流体の圧力を増幅する圧力増幅装置であって、
    前記供給流体圧を受ける供給圧室と、
    前記供給流体圧を受けるバイアス室と、
    前記入力流体圧を受ける入力圧室と、
    前記出力流体圧を受けるフィードバック室と、
    前記バイアス室、入力圧室、フィードバック室のそれぞれに跨いでダイアフラムで支持し、且つ該ダイアフラムの弾性変形によって移動する移動体と、
    前記入力流体圧が変化すると前記出力流体圧が変化する出力圧室と、
    前記移動体によって頭部部位を押すことにより前記供給圧室と前記出力圧室とを接続する流路を開閉する弁プラグと、
    を備え、
    前記弁プラグには、該弁プラグの動きをガイドするガイド手段を備えたことを特徴とする圧力増幅装置。
  2. 前記ガイド手段は、弁プラグの下部に所定長さの支持部を設け、該支持部を前記供給圧室と該供給圧室に隣接する位置に設けた大気圧室とに跨り配置したことを特徴とする請求項1に記載の圧力増幅装置。
  3. 前記供給圧室と大気圧室とに跨る支持部に対して、Oリングを介在させてシールしたことを特徴とする請求項2に記載の圧力増幅装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011137529A (ja) * 2009-12-29 2011-07-14 Yokogawa Electric Corp 電磁圧力制御器及びその製造方法
JP2012511127A (ja) * 2008-12-05 2012-05-17 フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー 流量を制御する装置
JP2012211620A (ja) * 2011-03-30 2012-11-01 Azbil Corp パイロットリレー
US9109718B2 (en) 2011-03-30 2015-08-18 Azbil Corporation Pilot relay

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