JP5136850B2 - 圧力増幅装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばバルブポジショナ・電空変換器の構成要素として機能する圧力増幅装置(コントロールリレー)に関するものであり、入力流体圧力変化量に対し、出力変化量を一定倍率に制御する機器である。ポジショナとは、バルブの駆動を外乱に抗して正確に保つために、空気圧力を加減する機器のことである。電空変換器とは、入力電流に対し、一定の圧力を発生させる機器のことである。
従来技術における圧力増幅装置は、供給流体圧Psと入力流体圧Pnとを受け、この入力流体圧Pnの変化に応じて出力流体圧Poを変化させて、流体の圧力を増幅する装置である。
この圧力増幅装置は、空気式バルブの空気圧を制御するバルブポジショナなどの構成要素であり、開度を調整可能なコントロールバルブ(調節弁)などを、外乱に抗して正確に駆動するために、入力流体圧Pnの変化量に対して出力流体圧Poの変化量を一定倍率に制御するパイロットリレーなどに用いられる。
図3は特開2004−360805号公報に記載された従来の圧力増幅装置の要部断面構成図である。図に示すように、内部を空洞に形成した弁本体111と、弁本体111の空洞内に配置した移動体(排気弁組立体)112と、移動体112を弁本体111内部において支持する第1〜第4ダイアフラム113〜116と、供給圧室117と、バイアス室118と、入力圧室119と、出力圧室120と、排気圧室121と、フィードバック室122と、弁プラグ123と、ばね124と、を備えている。
弁本体111は、装置本体を構成する収容部(ケーシング)である。この弁本体111には、空気などの流体を供給圧室117に供給する供給口117aと、空気などの流体を入力圧室119に流入させる入力口119aと、出力圧室120から流体を流出させる出力口120aと、排気圧室121から流体を流出させる排気口121aと、供給圧室117とバイアス室118とを接続する流路126と、出力圧室120とフィードバック室122とを接続する流路127と、供給圧室117と出力圧室120とを接続する流路128と、供給圧室117と出力圧室120とを接続する流入孔(ブリード孔)129とが形成されている。
即ち、弁本体111には、移動体112、第1〜第4ダイアフラム113〜116、弁プラグ123及びばね124が収容されている。
移動体112は、第1〜第4ダイアフラム113〜116の弾性変形によって移動する部材であり、出力圧室120と排気圧室121とを接続する流路130aが形成されている。この移動体112は、第1〜第4ダイアフラム113〜116によって弁本体111内に移動自在に支持されており、第1〜第4ダイアフラム113〜116が弾性変形すると矢印A方向及び矢印B方向に移動する。
第l〜第4ダイアフラム113〜116は、弁本体111と移動体112とを連結し、この移動体112を移動自在に支持する膜板である。
第1ダイアフラム113は、一方の表面側に出力流体圧Poを受け、他方の表面側に供給流体圧Psを受けて弾性変形する。
第2ダイアフラム114は、一方の表面側に供給流体圧Psを受け、他方の表面側に入力流体圧Pnを受けて弾性変形し、第lダイアフラム113よりも受圧面積が小さく形成されている。
第3ダイアフラム115は、一方の表面側に入力流体圧Pnを受け他方の表面側に排気流体圧Peを受けて弾性変形する入力ダイアフラムであり、第2ダイアフラム114よりも受圧面積が大きく形成されている。
第4ダイアフラム116は、一方の表面側に排気流体圧Pe又は大気圧を受け、他方の表面側に出力流体圧Poを受けて弾性変形するフィードバックダイアフラムである。この第4ダイアフラム116は、第1ダイアフラム113よりも受圧面積が大きいために、第4ダイアフラム116と第1ダイアフラム113との受圧面積の差分に相当する力が移動体112に作用したときに移動体112を矢印B方向に移動させるように機能する。
供給圧室117は、供給流体圧Psを受ける部屋である。この供給圧室117は、供給口117aに接続されており、この供給口117aから空気が供給されると供給流体圧Psを内部に受ける。この供給圧室117は、弁本体111の端部側に形成されており、内部にばね124を収容する。
バイアス室118は、供給流体圧Psを受ける部屋である。このバイアス室118は、一対の第1及び第2ダイアフラム113、114によって仕切られており、供給圧室117と流路126を通じて接続されているために、供給圧室117と同じ大きさの供給流体圧Psを内部に受ける。更に、このバイアス室118は、入力圧室119とフィードバック室122との問に位置しこれらに隣接して配置されている。
このような構成からなるバイアス室118は、第lダイアフラム113が第2ダイアフラム114よりも受圧面積が大きいために、第lダイアフラム113と第2ダイアフラム114との受圧面積の差分に相当する押圧力を移動体112に常時作用させ、移動体112をB方向に押圧する空気ばねとして機能する。
入力圧室119は、入力流体圧Pnを受ける部屋であり、バイアス室118と排気圧室121との間に位置し、これらに隣接して配置されている。この入力圧室119は、一対の第2及び第3ダイアフラム114、115によって仕切られており、入カ口119aから空気が流入すると入力流体圧Pnを内部に受ける。
このような構成からなる入力圧室119は、第3ダイアフラム(入力ダイアフラム)115が第2ダイアフラム114よりも受圧面積が大きいために、第2ダイアフラム114と第3ダイアフラム115との受圧面積の差分に相当する力が移動体112に作用したときに、この移動体112を矢印A方向に移動させるように機能する。
出力圧室120は、入力流体圧Pnが変化すると出力流体圧Poが変化する部屋であり、第4ダイアフラム116、移動体112及び弁本体111によって仕切られる空間である。この出力圧室120は、弁プラグ123が流路128を開くと弁プラグ123と流路128との間の隙間を通じて供給圧室117から空気が流入し出力流体圧Poを内部に受ける。この出力圧室120は、図示しないアクチュエータに出力口120aから空気を排出する。
この出力圧室120は、入力圧室119とは離間して配置され、供給圧室117と排気圧室121との間に位置しこれらに隣接して配置されている。
また、入力圧室119と出力圧室120との間には排気圧室121が配置されている。
排気圧室121は、空気を排出させる部屋であり、一対の第3及び第4ダイアフラム115、116によって仕切られており、流路130a、130bから流入した空気を排気口121aから大気中に排出させる。この排気圧室121は、入力圧室119と出力圧室120との間に位置し、これらに隣接して配置されている。
フィードバック室122は、出力流体圧Poを受ける第lダイアフラム113を有する部屋であり、弁本体111と第lダイアフラム113とによって仕切られており、出力圧室120と流路127を通じて接続されているために出力圧室120と同じ大きさの出力流体圧Poを内部に受ける。
弁プラグ123は、供給圧室117と出力圧室120とを接続する流路128を開く弁であり、流路130aを開閉する半球形状に形成した排気弁部131と、流路128を開閉する供給弁部132とで形成されている。
この弁プラグ123は、流路128を貫通した状態で、供給圧室117と出力圧室120との間に配置されており、入力流体圧Pnが増加して、移動体112が矢印A方向に移動したときに、出力流体圧Poが増加するように流路128を開く。
ばね124は、弁プラグ123を押圧する押圧部材であり、弁プラグ123の排気弁部131が流路130aを閉鎖し、供給弁部132が流路128を閉鎖するように、この弁プラグ123を矢印B方向に常時押圧する。この、ばね124は、入力流体圧Pnが増加して、弁ブラグ123を加圧しながら移動体112が矢印A方向に移動すると圧縮される。
次に、以上説明した構成からなる圧力増幅装置の動作を説明する。
(平衡状態)
図3に示すように、供給口117aから供給圧室117に空気が供給されると、供給圧室117とバイアス室118とが流路126によって接続されているため、供給圧室117及びバイアス室118が供給流体圧Psを受ける。
又、入力口119aから入力圧室119に空気が流入して、入力圧室119が入力流体圧Pnを受ける。
供給圧室117から流入孔129を通じて出力圧室120に僅かに空気が流入すると、出力圧室120と、フィードバック室122とが流路127、127aによって接続されているため、出力圧室120及びフィードバック室122が出力流体圧Poを受ける。
このとき、ばね124が弁プラグ123を矢印B方向に押圧して、供給弁部132が流路128を閉鎖しているが、排気弁部131と流路130aとの間には僅かに隙間が形成されている。
その結果、供給圧室117から流入孔129を通じて出力圧室120に流入する空気が、排気弁部131と流路130aとの間の隙間から排気圧室121に流入して、力学的に安定した平衡状態になっている。
(出力増加)
図4は、圧力増幅装置において出力流体圧Poが増加したときの状態を示す動作説明図である。
入力口119aから入力圧室119に流入する空気圧力が増加すると、入力圧室119が受ける入力流体圧Pnが増加する。
第2ダイアフラム114の受圧面積よりも第3ダイアフラム115の受圧面積が大きいため、こられの受圧面積の差分に相当する力によって第2及び第3ダイアフラム114、115が撓み、移動体112が矢印A方向に移動する。
一方、バイアス室118が供給流体圧Psを受けると、第2ダイアフラム114の受圧面積よりも第1ダイアフラム113の受圧面積が大きいため、これらの受圧面積の差分に相当する力が、矢印B方向に抵抗力として移動体112に作用する。
そして、ばね124の押圧力に抗して、このばね124を圧縮しながら移動体112が弁プラグ123を加圧して、排気弁部131が流路130aを閉鎖して移動体112と弁プラグ123とが一体となって矢印A方向に移動する。
その結果、弁プラグ123が流路128を徐々に開き、供給弁部132と流路128との間の隙間を通じて供給圧室117から出力圧室120に空気が流入して、出力圧室120が受ける出力流体圧Poが増加する。
流路128から出力圧室120に流入する空気圧力が増加すると、フィードバック室122が受ける出力流体圧Poも増加して、この出力流体圧Poの増加分がフィードバック室122にフィードバックされる。
第1ダイアフラム113の受圧面積よりも第4ダイアフラム116の受圧面積が大きいため、こられの受圧面積の差分に相当する力が矢印B方向に抵抗力として移動体112に作用する。即ち、入力流体圧Pnが増加すると一定倍率で出力流体圧Poが増加する。
(出力減少)
図5は、出力流体圧Poが減少したときの状態を示す動作説明図である。
入力口119aから入力圧室119に流入する空気圧力が減少して、入力圧室119が受ける入力流体圧Pnが減少すると、第2及び第3ダイアフラム114、115の受圧面積の差分に相当する力が低下して移動体112を矢印A方向に移動する力が低下する。
一方、バイアス室118は供給流体圧Psを受けており、第1及び第2ダイアフラム113、114の受圧面積の差分に相当する力が矢印B方向に作用するため移動体112が矢印B方向に移動する。
このため、弁プラグ123と移動体112が離間して排気弁部131が流路130aを開く。
その結果、出力圧室120から流路130a、130bを通じて排気圧室121に空気が流入し、排気圧室121内の空気が排気口121aから大気中に排出されて、出力圧室120及びフィードバック室122が受ける出力流体圧Poが減少する。
特開2004−360805号 特開2001−004046号 特開平6−247128号
しかしながら、従来技術で示した圧力増幅装置においては、入力が増加する場合、移動体(排気弁組立)112は弁プラグ123方向に移動し、弁プラグと移動体112が接触して排気される流量がほとんどなくなる。更に弁プラグ123を押す場合は、弁プラグと供給弁部131の間隙が増加して供給圧室117から出力圧室120へ空気が流入し、出力圧室の圧力が上昇する。この場合、移動体112は弁プラグと接触しても、ある一定以上の力が弁プラグ123に加わらないと弁プラグは移動しない。
これは、弁プラグ123が供給圧とばね124の力を受けて移動体112の方向に力を受けているためである。入力が増加しても弁プラグが移動せず、結果として出力が上昇しない現象を不感帯と呼ぶ。不感帯が発生すると、入力増加に対しても出力が増加しないため、制御上好ましくなく、できるだけ小さな不感帯にすることが望ましい。
不感帯が発生するタイミングを正確に知ることは難しいため、ソフト等により出力流体圧を適切に補正することは難しい。
なお、不感帯幅は計算で求めることができ、それは弁プラグ123と移動体112との関係において求めることができる。
不感帯:(Af/2)π・Psup−
{(Af/2)−(Ax/2)}π・Pout+KΔL・・・1式
最大値(Pout=0):(Af/2)π・Psup+KΔL・・・・・2式
最小値(Pout=Psup):(Ax/2)π・Pout+KΔL・・3式
Af:弁プラグが接触する部分の直径
Ax:弁プラグが移動体と接触する部分の直径
K:バネ定数
ΔL:バネ変形量
このようにして、弁プラグ123が接触する部分の直径(Af)と大気開放部屋に出ている弁と弁プラグ123が移動体112と接触する部分の直径(Ax)との関係から不感帯の幅を求めることができる。
従って本発明は、不感帯の発生を抑制して、如何なる入力であっても応答の良い圧力増幅装置を得ることを目的としている。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、請求項1記載の圧力増幅装置の発明においては、
供給流体圧と入力流体圧とを受け、該入力流体圧の変化に応じて出力流体圧を変化させ、流体の圧力を増幅する圧力増幅装置であって、
前記供給流体圧を受ける供給圧室と、
前記供給流体圧を受けるバイアス室と、
前記入力流体圧を受ける入力圧室と、
前記出力流体圧を受けるフィードバック室と、
前記バイアス室、入力圧室、フィードバック室のそれぞれを区切ってダイアフラムで支持し、且つ該ダイアフラムの弾性変形によって移動する移動体と、
前記入力流体圧の変化に関連して出力流体圧が変化する出力圧室と、
前記出力圧室に配置され、前記移動体によって頭部部位が押されることにより前記出力圧室と排気圧室とを接続する流路を開閉するばね(K3)により支持された第1弁プラグと、
前記移動体に一端が固定されたバーと、
該バーの他端に一端が固定されたばね(K1)と、
前記供給圧室に配置され、前記ばね(K1)によって頭部部位が押されることにより前記出力圧室と前記供給圧室とを接続する流路を開閉するばね(K2)により支持された第2弁プラグと、を備えたことを特徴とする。
請求項2においては、請求項1に記載の圧力増幅装置の発明において、
入力流体圧が一定で出力流体圧に変化がない場合、前記第2弁プラグは前記供給圧室と前記出力圧室を接続する流路を閉とし、前記第1弁プラグは出力圧室と前記排気圧室との間に所定の距離を有して出力圧室と排気圧室との流路を開とするように配置したことを特徴とする。
請求項3においては、請求項1または2に記載の圧力増幅装置の発明において、
入力流体圧が増加して出力圧が増加中の場合、前記移動体が移動して前記第1弁プラグが前記出力圧室と排気圧室の流路を閉としたと同時に、前記第2弁プラグは供給圧室と前記出力圧室の間の流路を開とするようにしたことを特徴とする。
以上説明したことから明らかなように本発明の請求項1〜3によれば、
供給流体圧を受ける供給圧室およびバイアス室と、入力流体圧を受ける入力圧室と、
出力流体圧を受けるフィードバック室と、バイアス室、入力圧室、フィードバック室のそれぞれを区切ってダイアフラムで支持し、且つ該ダイアフラムの弾性変形によって移動する移動体と、
入力流体圧の変化に関連して出力流体圧が変化する出力圧室と、出力圧室に配置され、移動体によって頭部部位が押されることにより出力圧室と排気圧室とを接続する流路を開閉するばね(K3)により支持された第1弁プラグと、移動体に一端が固定されたバーと、該バーの他端に一端が固定されたばね(K1)と、供給圧室に配置され、ばね(K1)によって頭部部位が押されることにより出力圧室と前記供給圧室とを接続する流路を開閉するばね(K2)により支持された第2弁プラグとで構成され、
入力流体圧が一定で出力流体圧に変化がない場合、第2弁プラグは供給圧室と出力圧室を接続する流路を閉とし、第1弁プラグは出力圧室と排気圧室との間に所定の距離を有して出力圧室と排気圧室との流路を開とするようにし、
入力流体圧が増加して出力流体圧が増加中の場合、移動体が所定の距離D0(D0:入力が0のときの移動体112と第一弁プラグ131の距離=ばねK1の自然長)を移動して第1弁プラグが出力圧室と排気圧室の流路を閉としたと同時に、第2弁プラグは供給圧室と出力圧室の間の流路を開とするようにした(このとき、第2弁プラグ132を下から押し上げている力と同等の力がバネ(K1)142に蓄えられている)ので、不感帯を消滅させることができ、制御性と信頼性を向上させることができる。
図1は本発明の圧力増幅装置の要部断面図である。
本発明に係る圧力増幅装置は、従来技術で説明した圧力増幅装置と同じく、供給流体圧Psと入力流体圧Pnとを受け、この入力流体圧Pnの変化に応じて出力流体圧Poを変化させて、流体の圧力を増幅する装置である。
この圧力増幅装置は、空気式バルブの空気圧を制御するバルブポジショナなどの構成要素であり、開度を調整可能なコントロールバルブ(調節弁)などを、外乱に抗して正確に駆動するために、入力流体圧Pnの変化量に対して出力流体圧Poの変化量を一定倍率に制御するパイロットリレーなどに用いられる。
図1において、図3に示す従来例と同一要素には同一符号を付して重複する説明は省略する。図1と図3では弁プラグの形状と数および取付け位置が異なっている。
即ち、第1弁プラグ131は出力圧室120の底部に一端が固定されたバネ(K31)133に支持されており、その頂部Tは移動体112に形成された空洞112aの中心に配置されている。
143は所定の長さを有するバーであり、一端が移動体112の空洞112aの開口部の外周付近の底部に固定され、他端にはばね(K1)142の一端が固定されている。そして、このばねの他端は第2弁プラグ132の頂部Tに固定されており、第2弁プラグ132は一端が供給圧室117の底部に固定されたばね(K2)140の他端に固定されている。給気弁141は出力圧室120と供給圧室117を隔てる隔壁に配置され、バー143の他端とばね(K1)142はバーの径よりも僅かに大きな孔とばねK1の直径よりも大きな径を有する凹状の孔で形成されている。
図2(a〜c)は入力と出力の関係および第1,第2弁プラグの位置関係を示す説明図である。
図2(a)は入力が一定で出力に変化がない(力学的に平衡な状態)を示すもので、第1弁プラグ131の頂部Tは移動体112の底部から所定の距離離れた位置にある。そして、第2弁プラグ132の頂部Tはバー143の他端と第2弁プラグ132の頂部の間に配置されており、供給圧室117と出力圧室120の隔壁に配置された給気弁の流路が閉じた状態となるようにばね(K2)140とばね(K1)142のばね定数が設計されている。また、このときバー143の他端と第2弁プラグ132の頂部T間の距離は移動体112の底部と第1弁プラグ131までの所定の距離に等しくなっている。
このときに移動体から印加される圧力Pは下式で表すことができる。
(φAy/2)・π・Psup+K2・d2>P(=K1・d1)・・・4式
φAy:給気弁の大径部の直径
Psup:供給圧室に供給される供給圧
K2 :ばねK2のばね定数
P :バー143が下向きに押す力
d1,d2:ばねK1,K2の圧縮量
図2(b)は出力流体圧が増加中の状態(D=0・・・移動体112の底部と第1弁プラグ131の頂部間の距離がゼロとなり接している。d1=D0・・・ばねK1がd1だけ圧縮されている)を示すもので、第1弁プラグ131の頂部Tと移動体112の底部が接した状態となる。
その結果、排気量が減少するので出力流体圧が増加する。
このとき第2弁プラグ132の頂部は給気弁141と接し閉じた状態となり不感帯を突破するだけの力を備えた状態で力学的に平衡な状態となっている。
このとき移動体から印加される圧力Pは下式で表すことができる。
(φAy/2)・π・Psup+K2・d2=P(=K1・d1)・・・5式
符号の意味は4式と同じなので省略
図2(c)は出力流体圧が図2(b)より更に増加中の状態(D=0,d1=D0)を示すもので、移動体112は更に下方に押し下げられ、同時にバー143も押し下げられている。その結果、第2弁プラグ132の頂部は給気弁141から離れ流路が開いた状態となる。
このとき移動体から印加される圧力Pは下式で表すことができる。
(φAy/2)・π×Psup+K2×d2=P(>K1×d1)・・・6式
符号の意味は4式と同じなので省略
上述の構成によれば、不感帯をなくすことができるので、制御性を向上させることができ、圧力増幅器としての信頼性を向上させることができる。
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。実施例では移動体と第1弁プラグが接触したと同時に第2弁プラグが給気弁から離れ、供給圧室から出力圧室へ空気が流入する構成としたが、移動体と第1弁プラグが接触する前に第2弁プラグが給気弁から離れ、供給圧室から出力圧室へ空気が流入する構成としてもよい。また、実施例ではバルブ開度を調節するためポジショナに搭載されるコントロールリレーに適用した例について説明したが、この例に限ることなく様々な製品のコントロールリレーに適用することができる。
また、本体,移動体,弁プラグの形状は図示の例に限るものではない。従って本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形を含むものである。
本発明に係る圧力増幅装置の要部断面図である。 入力と出力の関係および第1,第2弁プラグの位置関係を示す説明図である。 本発明に係る出力増加したときの圧力増幅装置の断面図である。 従来の圧力増幅装置における平衡状態のときの断面図である。 従来の圧力増幅装置における出力増加のときの断面図である。 従来の圧力増幅装置における出力減少のときの断面図である。
符号の説明
111 弁本体
112 移動体(排気弁組立)
112a 空洞
113 第1ダイアフラム
114 第2ダイアフラム
115 第3ダイアフラム
116 第4ダイアフラム
117 供給圧室
117a 供給口
118 バイアス室
119 入力圧室
119a 入力口
120 出力圧室
120a 出力口
121 排気圧室
121a 排気口
122 フィードバック室
123 弁プラグ
126,127,127a 流路
129 流入孔(ブリード孔)
131 第1弁プラグ
132 第2弁プラグ
133 ばね(K3)
140 ばね(K2)
141 給気弁
142 ばね(K1)26

Claims (3)

  1. 供給流体圧と入力流体圧とを受け、該入力流体圧の変化に応じて出力流体圧を変化させ、流体の圧力を増幅する圧力増幅装置であって、
    前記供給流体圧を受ける供給圧室と、
    前記供給流体圧を受けるバイアス室と、
    前記入力流体圧を受ける入力圧室と、
    前記出力流体圧を受けるフィードバック室と、
    前記バイアス室、入力圧室、フィードバック室のそれぞれを区切ってダイアフラムで支持し、且つ該ダイアフラムの弾性変形によって移動する移動体と、
    前記入力流体圧の変化に関連して出力流体圧が変化する出力圧室と、
    前記出力圧室に配置され、前記移動体によって頭部部位が押されることにより前記出力圧室と排気圧室とを接続する流路を開閉するばね(K3)により支持された第1弁プラグと、
    前記移動体に一端が固定されたバーと、
    該バーの他端に一端が固定されたばね(K1)と、
    前記供給圧室に配置され、前記ばね(K1)によって頭部部位が押されることにより前記出力圧室と前記供給圧室とを接続する流路を開閉するばね(K2)により支持された第2弁プラグと、を備えたことを特徴とする圧力増幅装置。
  2. 入力流体圧が一定で出力流体圧に変化がない場合、前記第2弁プラグは前記供給圧室と前記出力圧室を接続する流路を閉とし、前記第1弁プラグは出力圧室と前記排気圧室との間に所定の距離を有して出力圧室と排気圧室との流路を開とするように配置したことを特徴とする請求項1に記載の圧力増幅装置。
  3. 入力流体圧が増加して出力流体圧が増加中の場合、前記移動体が移動して前記第1弁プラグが前記出力圧室と排気圧室の流路を閉としたと同時に、前記第2弁プラグは供給圧室と前記出力圧室の間の流路を開とするようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の圧力増幅装置。
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