JP5110378B2 - 圧力増幅装置とこの圧力増幅装置を備えた電空変換器 - Google Patents

圧力増幅装置とこの圧力増幅装置を備えた電空変換器 Download PDF

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Description

本発明は、圧力増幅装置とこの圧力増幅装置を備えた電空変換器に関し、特に、入力圧の変化に応じたゲイン制御に関する。
従来から、石油、鉄鋼、化学プラントなどで導入されているプロセス制御では、配管内の流量を調整するために、バルブの開度を制御する電空変換器が用いられている。電空変換器は、入力電流信号に応じた圧力を供給する電空変換モジュール(以下、I/Pモジュールという)と、このI/Pモジュールで得られた圧力に基づきバルブを駆動する駆動出力圧を出力する圧力増幅装置とを備え、この駆動圧力を制御することでバルブの開度を制御するものである。
図5は従来の圧力増幅装置を用いた電空変換器の一例を示す構成ブロック図である。図5において、MAU(Media Access Unit)1は、外部機器との間で信号を送受信する。フィールドバスモデム2はMAU1と制御部3の間に接続され、入出力信号の変復調を行う。制御部3は、電空変換器の各部を制御する。D/A変換器4は、制御部3から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換してI/Pモジュール5に出力する。I/Pモジュール5は、受信した電気信号に応じて圧力を圧力増幅装置6に供給する。これらI/Pモジュール5および圧力増幅装置6には、外部から圧力が供給される。圧力増幅装置6は、I/Pモジュール5から入力される圧力に基づきバルブ7を駆動する駆動出力圧を出力する。圧力センサ8は、駆動出力圧を電気信号に変換してA/D変換器9に出力する。A/D変換器9は、入力信号をデジタル信号に変換して制御部3に出力する。
図5の電空変換器によるバルブ7の開度制御について説明する。まず、駆動出力圧の目標値信号がMAU1およびフィールドバスモデム2を介して制御部3に入力される。制御部3は、目標値信号と圧力センサ8からの駆動圧信号との偏差信号を演算し、D/A変換器4を介してI/Pモジュール5に出力する。
I/Pモジュール5は、入力された偏差信号に応じた圧力を発生して圧力増幅装置6に供給する。圧力増幅装置6は、供給圧力とI/Pモジュール5からの入力圧力の変化量に対して駆動出力圧の変化量を一定倍率だけ増幅し、駆動出力圧としてバルブ7および圧力センサに供給する。駆動出力圧がバルブ7に供給されることにより、バルブ7の開度が制御される。
また、圧力センサ8は駆動出力圧を電気信号に変換し、A/D変換器9を介して制御部3へフィードバックする。そして制御部3は、目標値信号と駆動圧信号との偏差を演算して、この偏差が0になるようにI/Pモジュール5を制御する。
このように、電空変換器は、I/Pモジュール5および圧力増幅装置6を用いて駆動出力圧を制御することにより、バルブ7の開度を制御する。このような電空変換器などに備えられる圧力増幅装置に関連する先行技術文献としては、次のようなものがある。
特開2004−251375号公報
図6は従来の圧力増幅装置の一例を示す断面構成図、図7は図6の圧力増幅装置における排気弁部の移動によるダイアフラムの変形説明図である。図6において、従来の圧力増幅装置は、内部に複数の空気室が形成される空間部を有する圧力増幅装置本体10(以下、ベースという)、ベース10の空間部内に移動可能に配置されるポペット20および排気弁部30、ベース10とポペット20を連結するばね21、排気弁部30をベース10の空間部内に移動自在に支持するとともに複数の独立した空気室を形成する隔壁として機能する第1〜第4のダイアフラム41〜44などで構成されている。つまり第1〜第4のダイアフラムは排気弁部30を懸架している。
ベース10の空間部の一端には、外部からの供給圧を受ける供給圧室12、入力圧が増加すると一定倍率で出力圧が増加する出力圧室13が形成され、これら供給圧室12と出力圧室13の間には、移動可能にポペット20が設けられている。このポペット20の供給圧室12側の端部はばね21を介してベース10の内壁に取り付けられている。
ベース10の空間部には、ポペット20の移動方向の延長線上で移動可能に排気弁部30が第1〜第4のダイアフラム41〜44を介して取り付けられている。第4のダイアフラム44を介して出力圧室13と対向するように排気圧室14が形成され、第3のダイアフラム43を介して排気圧室14と対向するように入力圧室15が形成され、第2のダイアフラム42を介して入力圧室15と対向するようにバイアス室16が形成され、第1のダイアフラム41を介してバイアス室16と対向するようにフィードバック室17が形成されている。
ここで、排気圧室14は出力圧室13から空気を排出し、入力圧室15は図示しないI/Pモジュールなどから入力圧を受け、バイアス室16は図示しない流路を介して供給圧室12と接続され、フィードバック室17は図示しない流路を介して出力圧室13と接続される。なお排気弁部30には出力圧室13と排気圧室14とを接続する流路が形成されている。
このような構成において、入力圧室15に供給される入力圧が増加すると、第3のダイアフラム43に圧力が加わる。このとき排気弁部30は、第3のダイアフラム43の受圧面積の方が第2のダイアフラム42の受圧面積よりも大きいので、これらの受圧面積の差分に相当する力によってダイアフラム42、43が変形することにより、図6の矢印A方向に移動する。
一方、供給圧はバイアス室16にも供給され、第1および第2のダイアフラム41、42の受圧面積の差分に相当する力が排気弁部30に作用する。
このとき、第1のダイアフラム41の受圧面積は、第2のダイアフラム42の受圧面積よりも大きいので、これらの受圧面積の差分に相当する力が矢印B方向に抵抗力として排気弁部30に作用する。
排気弁部30は、ばね21の押圧力に抵抗してポペット20を加圧し、ばね21を圧縮させる。ポペット20は、排気弁部30と接触して出力圧室13と排気圧室14とを接続する流路を閉鎖し、排気弁部30とポペット20が一体となって矢印A方向に移動する。
ポペット20が矢印A方向に移動して供給圧室12と出力圧室13とを接続する流路を徐々に開くと、この流路の隙間を介して供給圧室12から出力圧室13に空気が流入して圧力が供給される。すなわち、出力圧室13に供給される圧力は増加する。
出力圧室13に供給される圧力が増加すると、図示しない出力圧室13とフィードバック室17を接続する流路を介してフィードバック室17に供給される圧力も増加し、この出力圧の増加分がフィードバック室17にフィードバックされる。
このとき第1のダイアフラム41の受圧面積よりも第4のダイアフラム44の受圧面積が小さいので、これらの受圧面積の差分に相当する力が矢印B方向に抵抗力として排気弁部30に作用する。
このように圧力増幅装置は、外部からの入力圧が増加すると、各ダイアフラムの受圧面積に基づき一定倍率で出力圧を増加して出力する。
ここで、各第1〜第4のダイアフラム41〜44が圧力を受ける面積をAa、Ab、Ac、Adとし、排気口部面積をAfとすると、一定倍率(ゲイン)は次の式(1)のように表すことができる。ダイアフラムの面積は、ダイアフラムの受圧部分の有効径(の二乗)に比例する。
G=(Ab−Ac)/(Aa−Ad+Af)・・・(1)
このような式(1)で表されるゲインは、入力圧の増加により力学的な平衡が崩れて排気弁部30がA、B方向に移動しても、図7のように各ダイアフラムの有効径は固定値であって変化しないので、結果としてゲインは変化しない。
しかしながら、従来の圧力増幅装置は、供給される入力圧がたとえばステップ状に大きく変化する場合では、高ゲインにて入力圧の大きな変化に基づき出力圧を速やかに大きく変化させる必要があるところ、各ダイアフラムの有効径は変化しないのでゲインは変化せず、大きな出力圧変化を速やかに得ることができないという問題点があった。
また従来の圧力増幅装置は、供給される入力圧の変化が小さくて緩やかな場合では、低ゲインにて出力圧を微小に変化させて制御・出力する必要があるところ、各ダイアフラムの有効径は変化しないのでゲインは変化せず、出力圧変化を安定的に制御することが困難であるという問題点があった。
さらに従来の圧力増幅装置を備える電空変換器では、圧力増幅装置は目標出力圧が高い場合では大きな入力圧を必要とするため、外部のI/Pモジュールに大きな電流を供給して大きな入力圧を得る必要があるところ、I/Pモジュールに供給できる電流には制限があり、必要な入力圧を得ることができずバルブの開度を的確に制御できないという問題点があった。
本発明は上述の問題点を解決するものであり、その目的は、入力圧の変化が小さい場合は小さなゲインにて出力圧を安定的に微小に変化させ、入力圧の変化が大きい場合には大きなゲインにて出力圧を速やかに大きく変化させる圧力増幅装置を実現し、バルブの開度を的確に制御できる電空変換器を実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
供給圧と入力圧とが供給され、ダイアフラムの弾性変形によって前記入力圧の変化に応じて出力圧を増幅変化させる圧力増幅装置において、
前記入力圧の変化に応じて前記ダイアフラムの受圧面積が変化して前記入力圧の変化が大きい時のゲインは前記入力圧の変化が小さい時のゲインよりも高くなるように、前記ダイアフラムの外周支持部にダイアフラムの変位を調整する変位調整機構を設けたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の圧力増幅装置において、
前記圧力増幅装置は、
前記供給圧が供給される供給圧室およびバイアス室と、前記入力圧が供給される入力圧室と、前記出力圧が供給されるフィードバック室と、各圧力室を隔てる複数のダイアフラムの弾性変形によって移動する排気弁部と、前記入力圧の変化に応じて前記出力圧が変化する出力圧室と、前記供給圧室と前記出力圧室とを接続する流路を開閉するポペットとを備えていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、
請求項1または2記載の圧力増幅装置において、
前記変位調整機構は、
前記ダイアフラムの外周支持部の前記ダイアフラムと接触する外周部分がテーパ状に形成された接触調整部であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、
請求項1〜請求項3いずれかに記載の圧力増幅装置において、
前記変位調整機構は、
前記ダイアフラムの外周支持部の一部が切り欠かれ、その外周部分が前記ダイアフラムの変位に応じて前記外周支持部の前記ダイアフラムを支持する支点を変位させる切り欠き面または切り欠き面を一部に有する切り欠き部であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、
入力圧の変化に応じて出力圧を増幅変化させる圧力増幅装置を備え、前記出力圧によりバルブを動作させる電空変換器において、
前記圧力増幅装置は、供給圧と入力圧とが供給され、前記供給圧が供給される供給圧室およびバイアス室と、前記入力圧が供給される入力圧室と、前記出力圧が供給されるフィードバック室と、各圧力室を隔てる複数のダイアフラムの弾性変形によって移動する排気弁部と、前記入力圧が変化に応じて前記出力圧が変化する出力圧室と、前記供給圧室と前記出力圧室とを接続する流路を開閉するポペットとを備え、前記入力圧の変化に応じて前記ダイアフラムの受圧面積が変化してゲインが変化するように、前記ダイアフラムの外周支持部にダイアフラムの変位を調整する変位調整機構を設けたことを特徴とする。
本発明に係る圧力増幅装置によれば、入力圧の変化が小さい場合は低ゲインにて出力圧を安定的に微小に変化させ、入力圧の変化が大きい場合には高ゲインにて出力圧を速やかに大きく変化させることができ、本発明に係る電空変換器によればバルブの開度を的確に制御できる。
図1は本発明に係る圧力増幅装置の構成図であり、図6と共通する部分には同一の符号を付けて適宜説明を省略する。図6との相違点は、図1では、入力圧の変化に応じてダイアフラムの受圧面積が変化してゲインが変化するように、各ダイアフラムの外周支持部にダイアフラムの変位を調整する変位調整機構を設けたことである。
図1において圧力増幅装置は、内部に複数の空気室が形成される空間部を有するベース10、ベース10の空間部内に移動可能に配置されるポペット20および排気弁部30、ベース10とポペット20を連結するばね21、排気弁部30をベース10の空間部内に移動自在に支持するとともに複数の独立した空気室を形成する隔壁として機能する第1〜第4のダイアフラム41〜44などで構成されている。
第1のダイアフラム41は、ベース10に固着嵌装される第1の外周支持部H1と第2の外周支持部H2によってダイアフラムの外周部分を支持される。また第1のダイアフラム41は、一方の面に出力圧を受圧し、他方の面に供給圧を受圧して弾性変形する。
第2のダイアフラム42は、ベース10に固着嵌装される第2の外周支持部H2と第3の外周支持部H3によってダイアフラムの外周部分を支持される。また第2のダイアフラム42は、一方の面に供給圧を受圧し、他方の面に入力圧を受圧して弾性変形し、第1のダイアフラム41よりも受圧面積が小さく形成されている。
第3のダイアフラム43は、ベース10に固着嵌装される第3の外周支持部H3と第4の外周支持部H4によってダイアフラムの外周部分を支持される。第3のダイアフラム43は一方の表に入力圧を受圧し、他方の面に排気圧を受圧して弾性変形する入力ダイアフラムであり、第2のダイアフラム42よりも受圧面積が大きく形成されている。
第4のダイアフラム44は、ベース10に固着嵌装される第4の外周支持部H4とベース10によってダイアフラムの外周部分を支持される。また第4のダイアフラム44は、一方の面に排気圧を受圧し、他方の面に出力圧を受圧して弾性変形するフィードバックダイアフラムである。この第4のダイアフラム44は、第1のダイアフラム41よりも受圧面積が大きく形成されている。
ここで接触調整部200は、各空気室を形成する各外周支持部H1〜H4の少なくともいずれかに設けられる。接触調整部200は、たとえば図1のように第2のダイアフラム42を支持する第3の外周支持部H3に設けられる。この接触調整部200は、第2のダイアフラム42との接触端から第3のダイアフラム43が形成される方向にベース10と排気弁部30との間隙が徐々に狭まるように、テーパ状に形成されている。
図2は第2のダイアフラムと接触調整部との関係を示す構成図である。(A)は排気弁部30が基準位置にあるとき、(B)は排気弁部30が矢印A方向に移動するときの第2のダイアフラムと接触調整部との関係を示す構成図である。
図2において、たとえば排気弁部30が矢印A方向に移動すると、接触調整部200がベース10と排気弁部30との間隙を狭める形状となっているため、第2のダイアフラム42における受圧部分の有効径が小さくなり受圧面積は減少することになる。
この接触調整部200は、排気弁部30の移動量とダイアフラムの受圧面積の変化量とが比例するようあらかじめ設計され形成される。
またダイアフラムの受圧面積が変化するとゲインも比例して変化するため、排気弁部の移動量はゲインと比例関係をもつことになる。
すなわち、次の関係が得られることになる(以下「∝」は比例を表す)。
「入力圧の変化 ∝ 排気弁部の移動量 ∝ ダイアフラムの受圧面積の変化 ∝ ゲイン」
すなわち、接触調整部200は、入力圧の変化に応じてダイアフラムの受圧面積が変化してゲインが変化するように、その外周部分がダイアフラムの変位に応じてダイアフラムと接触してダイアフラムの変位を調整する。
ここで、本発明に係る圧力増幅装置の入力圧の変化の大きさに応じてゲインが変化する動作について説明する。図1において、入力圧室15に入力圧が供給されると、第3のダイアフラム43に圧力が加わり、排気弁部30が図1の矢印A方向に移動される。
排気弁部30は、第3のダイアフラム43の受圧面積の方が第2のダイアフラム42の受圧面積よりも大きいので、これらの受圧面積の差分に相当する力によってダイアフラム42、43が変形することにより、図1の矢印A方向に移動される。
排気弁部30が矢印A方向に移動すると、第2のダイアフラム42の形状が変化し、接触調整部200がベース10と排気弁部30との間隙を狭める形状となっているため、図2(B)のように第2のダイアフラム42の圧力(空気圧)を受圧面積は小さくなる。
いいかえれば第2のダイアフラム42の圧力(空気圧)を受圧する面の有効径が短くなる。このとき上述の式(1)で示すゲインGは低くなる。
このため、第2のダイアフラム42の受圧面積は、入力圧の大きさに応じて(たとえば比例して)変化し、ゲインGもまた変化する。たとえば入力圧が大きい時のゲインGは、入力圧が小さい時のゲインGよりも高くなる。
具体的には、入力圧室15に供給される入力圧が大きいときの第2のダイアフラムの受圧面積をAb”、ゲインをG”とし、入力圧が小さいときの第2のダイアフラムの受圧面積をAb’、ゲインをG’とすると以下の式(2)、(3)のように表すことができる。なお、ゲインの式は分母分子がそれぞれ負の値となるので、理解を容易にするため分母分子にそれぞれ「−1」をかけて示す。
G”=(Ac−Ab”)/(Ad−Aa―Af)・・・(2)
G’=(Ac−Ab’)/(Ad−Aa―Af)・・・(3)
そして、これらの差分をとると、式(4)のように表すことができる。ただし、Ab”<Ab’であるものとする。
G”−G’=(−Ab”+Ab’)/(Ad−Aa−Af)>0・・・(4)
つまり、本発明に係る構成の圧力増幅装置では、入力圧が大きいときのゲインG”は、入力圧が小さいときのゲインG’よりも高くなる。
このように接触調整部200が形成されることにより、入力圧の大きさに応じて第2のダイアフラム42の受圧面積が小さく(大きく)なって、ゲインも低く(高く)なる。また入力圧の変化の大きさに応じて第2のダイアフラム42の受圧面積が小さく(大きく)なるので、ゲインもまた入力圧の変化の大きさに応じて変化することになる。
この結果、本発明に係る圧力増幅装置は、入力圧の変化の大きさに応じて各ダイアフラムが変化することにより、入力室に供給される入力圧の変化が小さくて緩やかな場合は低ゲインにて出力圧を安定的に微小に変化させ、供給される入力圧がたとえばステップ状に大きく変化する場合には高ゲインにて出力圧を速やかに大きく変化させることができる。
なお、接触調整部200と同様の形状の接触調整部が各空気室を形成する少なくともいずれかの外周支持部に設けられるものでもよい。
また、各空気室を形成する少なくともいずれかの外周支持部の一部が切り欠かれ、その外周部分がダイアフラムの変位に応じてダイアフラムと接触しない切り欠き面または切り欠き面を一部に有する切り欠き部が形成されるものでもよい。また、これら接触調整部と切り欠き部のうち少なくともいずれか一つを備えるものであってもよい。
図3は、このようなダイアフラムに隣接して形成される接触調整部や切り欠き部の説明図である。(A)は全体図、(B)は排気弁部30が基準位置にあるとき、(C)は排気弁部30が矢印A方向に移動するときの第3のダイアフラムと切り欠き部との関係を示す構成図である。
接触調整部210は、たとえば図3のように第4のダイアフラム44を支持する第4の外周支持部に設けられる。この接触調整部210が、第4のダイアフラム44との接触端から第3のダイアフラム43が形成される方向にベース10と排気弁部30との間隙が徐々に狭まるように、形成される。
この場合、圧力増幅装置の出力圧が減少すると排気弁部30がB方向に移動することで第4のダイアフラム44の形状が変化するときには、接触調整部210がベース10と排気弁部30との間隙を狭める形状となっているため、第4のダイアフラム44の受圧面積は減少する。このとき上述の式(1)で示すゲインGは低くなる。
具体的には、入力圧が大きいときの第4のダイアフラムの受圧面積をAd”、ゲインをG”とし、入力圧が小さいときの第4のダイアフラムの受圧面積をAd’、ゲインをG’とすると、それぞれ以下の式(5)、(6)のように表すことができる。
G”=(Ac−Ab)/(Ad”−Aa―Af)・・・(5)
G’=(Ac−Ab)/(Ad’−Aa―Af)・・・(6)
そして、これらの式(5)、(6)によれば、G”の分母とG’分母の関係は、以下の式(7)のように表すことができる。ただし、Ad”<Ad’であるものとする。
(Ad”−Aa―Af)―(Ad’−Aa―Af)<0・・・(7)
つまり、本発明に係る構成の圧力増幅装置では、入力圧が大きいときのゲインG”は、入力圧が小さいときのゲインG’よりも高くなる。
このように上述のような接触調整部210が形成されることにより、入力圧の大きさに応じて第4のダイアフラム44の受圧面積が減少(増加)して、ゲインも低く(高く)なる。また入力圧の変化の大きさに応じて第4のダイアフラム44の受圧面積が小さく(大きく)なるので、ゲインもまた入力圧の変化の大きさに応じて変化することになる。
一方、切り欠き部220は、たとえば図3のように、入力圧室15内を形成し第3のダイアフラム43を支持する第3の外周支持部H3の一部が切り欠かれて形成される。
この場合、圧力増幅装置の出力圧が減少すると排気弁部30がB方向に移動することで第3のダイアフラム43の形状が変化するときには、切り欠き部220がベース10と排気弁部30との間隙を広げる形状となっているため、第3のダイアフラム43の受圧面積は増加する。いいかえれば外周支持部が第3のダイアフラム43を支持する支点(支点PS1→PS2)が変位する。このとき、上述の式(1)で示すゲインGは低くなる。
具体的には、入力圧が大きいときの第3のダイアフラムの受圧面積をAc”、ゲインをG”とし、入力圧が小さいときの第3のダイアフラムの受圧面積をAc’、ゲインをG’とすると、それぞれ以下の式(8)、(9)のように表すことができる。
G”=(Ac”−Ab)/(Ad−Aa―Af)・・・(8)
G’=(Ac’−Ab)/(Ad−Aa―Af)・・・(9)
そして、これらの式(8)、(9)によれば、G”の分母とG’分母の関係は、以下の式(10)のように表すことができる。ただし、Ac”>Ac’であるものとする。
G”−G’=(Ac”−Ac’)/(Ad−Aa−Af)>0・・・(10)
つまり、本発明に係る構成の圧力増幅装置では、入力圧が大きいときのゲインG”は、入力圧が小さいときのゲインG’よりも高くなる。
このように上述のような切り欠き部220が形成されることにより、入力圧の大きさに応じて第3のダイアフラム43の受圧面積が増加(減少)し、ゲインも低く(高く)なる。また入力圧の変化の大きさに応じて第3のダイアフラム43の受圧面積が小さく(大きく)なるので、ゲインもまた入力圧の変化の大きさに応じて変化する。
このため、本発明に係る圧力増幅装置は、入力室に供給される入力圧の変化が小さくて緩やかな場合は低ゲインにて出力圧を安定的に微小に変化させ、供給される入力圧がたとえばステップ状に大きく変化する場合には高ゲインにて出力圧を速やかに大きく変化させることができる。
また本発明に係る圧力増幅装置を電空変換器およびバルブポジショナに利用するものでもよい。図4は圧力増幅装置を用いた電空変換器およびバルブポジショナの一例を示す構成ブロック図である。(A)は電空変換器、(B)はバルブポジショナの説明図である。
まず(A)の電空変換器について説明する。図5と共通する部分には同一の符号を付けて適宜説明を省略する。図5との相違点は、(A)の電空変換器は本発明に係る圧力増幅装置60を備えていることである。
このような、本発明に係る圧力増幅装置を利用した電空変換器であれば、入力圧の変化が小さい場合は低ゲインにて出力圧を安定的に微小に変化させ、入力圧の変化が大きい場合には高ゲインにて出力圧を速やかに大きく変化させることができるので、I/Pモジュールに大きな電流を供給して大きな入力圧を得る必要がなく、必要最大電流を減少させ、電流のマージンを増加させることにより電空変換器の信頼性を向上させることができる。
次に(B)の本発明に係る圧力増幅装置を用いたバルブポジショナについて説明する。(A)と共通する部分に同一の符号を付けて適宜説明を省略する。(A)との相違点は、(B)のバルブポジショナ51は、バルブステムを備えるバルブ10、バルブステムの変位を検出する位置センサ8aを備えていることである。
このバルブポジショナ51におけるバルブ10の開度は、バルブ10を支持しているバルブステムの位置を変位させることにより、制御される。バルブステムの変位は、位置センサ8aによって検知されてA/D変換器9を介し位置信号として制御部3にフィードバックされる。そして制御部3は、目標値信号と位置信号との偏差を演算し、この偏差が0になるようにI/Pモジュール5を制御する。
このように本発明に係る圧力増幅装置を利用したバルブポジショナであれば、入力圧の変化が小さい場合は低ゲインにて出力圧を安定的に微小に変化させ、入力圧の変化が大きい場合には高ゲインにて出力圧を速やかに大きく変化させることができるので、I/Pモジュールに大きな電流を供給して大きな入力圧を得る必要がなく、必要最大電流を減少させ、電流のマージンを増加させることにより信頼性を向上させることができる。
以上説明したように、本発明によれば圧力増幅装置は、入力圧の変化が小さい場合は小さなゲインにて出力圧を安定的に微小に変化させ、入力圧の変化が大きい場合には大きなゲインにて出力圧を速やかに大きく変化させることができ、この圧力増幅装置を利用した電空変換器やバルブポジショナによってバルブの的確な開度制御でき、石油、鉄鋼、化学プラントにおける適切なプロセス制御への貢献が期待できる。
本発明に係る圧力増幅装置の構成図である。 第2のダイアフラムと接触調整部との関係を示す構成図である。 各ダイアフラムに隣接して形成される接触調整部や凹部の説明図である。 圧力増幅装置を用いた電空変換器およびバルブポジショナの一例を示す構成ブロック図である。 従来の圧力増幅装置を用いた電空変換器の一例を示す構成ブロック図である。 従来の圧力増幅装置の一例を示す断面構成図である。 従来の圧力増幅装置の排気弁部の移動によるダイアフラムの変形の説明図である。
符号の説明
1 MAU
2 フィールドバスモデム
3 制御部
4 D/A変換器
5 I/Pモジュール
6 圧力増幅装置
7 バルブ/空空ポジショナ
7a バルブ
8 圧力センサ
8a 位置センサ
9 A/D変換器
10 ベース
12 供給圧室
13 出力圧室
14 排気圧室
15 入力圧室
16 バイアス室
17 フィードバック室
20 ポペット
21 ばね
30 排気弁部
41 第1のダイアフラム
42 第2のダイアフラム
43 第3のダイアフラム
44 第4のダイアフラム
200、210 接触調整部
220 切り欠き部

Claims (5)

  1. 供給圧と入力圧とが供給され、ダイアフラムの弾性変形によって前記入力圧の変化に応じて出力圧を増幅変化させる圧力増幅装置において、
    前記入力圧の変化に応じて前記ダイアフラムの受圧面積が変化して前記入力圧の変化が大きい時のゲインは前記入力圧の変化が小さい時のゲインよりも高くなるように、前記ダイアフラムの外周支持部にダイアフラムの変位を調整する変位調整機構を設けたことを特徴とする圧力増幅装置。
  2. 前記圧力増幅装置は、
    前記供給圧が供給される供給圧室およびバイアス室と、前記入力圧が供給される入力圧室と、前記出力圧が供給されるフィードバック室と、各圧力室を隔てる複数のダイアフラムの弾性変形によって移動する排気弁部と、前記入力圧の変化に応じて前記出力圧が変化する出力圧室と、前記供給圧室と前記出力圧室とを接続する流路を開閉するポペットとを備えていることを特徴とする請求項1記載の圧力増幅装置。
  3. 前記変位調整機構は、
    前記ダイアフラムの外周支持部の前記ダイアフラムと接触する外周部分がテーパ状に形成された接触調整部であることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の圧力増幅装置。
  4. 前記変位調整機構は、
    前記ダイアフラムの外周支持部の一部が切り欠かれ、その外周部分が前記ダイアフラムの変位に応じて前記外周支持部の前記ダイアフラムを支持する支点を変位させる切り欠き面または切り欠き面を一部に有する切り欠き部であることを特徴とする
    請求項1〜請求項3いずれかに記載の圧力増幅装置。
  5. 入力圧の変化に応じて出力圧を増幅変化させる圧力増幅装置を備え、前記出力圧によりバルブを動作させる電空変換器において、
    前記圧力増幅装置は、
    供給圧と入力圧とが供給され、前記供給圧が供給される供給圧室およびバイアス室と、前記入力圧が供給される入力圧室と、前記出力圧が供給されるフィードバック室と、各圧力室を隔てる複数のダイアフラムの弾性変形によって移動する排気弁部と、前記入力圧が変化に応じて前記出力圧が変化する出力圧室と、前記供給圧室と前記出力圧室とを接続する流路を開閉するポペットとを備え、前記入力圧の変化に応じて前記ダイアフラムの受圧面積が変化してゲインが変化するように、前記ダイアフラムの外周支持部にダイアフラムの変位を調整する変位調整機構を設けたことを特徴とする電空変換器。
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