JP2006144859A - 除振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、新規な除振装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の除振装置は、除振台3と、除振台3を支持する空気バネ1,2と、空気バネ1,2への給気と排気を行うバルブ20と、除振台3の位置を検出する位置検出手段4と、除振台3の加速度を検出する加速度検出手段5と、位置検出手段4の出力を用いる位置フィードバックループと、および加速度検出手段5の出力を用いる加速度フィードバックループを有している。さらに、空気バネ1,2の圧力変化を検出する圧力変化検出手段13と、圧力変化検出手段13の出力を用いる圧力変化フィードバックループを有している。また、バルブ20は流量制御型バルブである。ここで、流量制御型バルブはスプール型サーボバルブであることが好ましい。また、圧力変化フィードバックループにおいて、圧力変化検出手段13の出力を、I補償器14を通して負帰還させることが好ましい。
【選択図】 図10

Description

本発明は、新規な除振装置に関する。
従来、半導体露光装置等の超精密機器の振動制御には、空気バネ式除振装置が使われており、その除振装置内部の圧力を、サーボバルブを用いて精密に制御している(例えば、非特許文献1参照。)。
空気バネ式除振装置には、排気流量の大きい圧力制御型弁であるノズルフラッパ型空気圧サーボバルブが用いられ、変位と加速度をフィードバック信号して制御が行われている。ノズルフラッパ型空気式サーボバルブは、圧力に対して高い制御性を持っている。
一方、高精度な圧力微分計の開発がなされている(例えば、非特許文献2〜4参照。)。
S.Wakui:Incline Compensation Control Using an AirSpring Type Active Isolated Apparatus,Precision Engineering,27,170/174(2003) 加藤、川嶋、香川:等温化圧力容器を応用した圧力微分計の提案,SICEシステムインテグレーション部門講演会(SI2003),CD-ROM(2003) 加藤、川嶋、香川:等温化圧力容器を応用した圧力微分計の提案、計測自動制御学会論文集、40-6,642/647(2004) Tomonori Kato, Kenji Kawashima, Michio Yanagisawa, Toshiharu Kagawa: Application of Pressure Differentiator Using Isothermal Chamber to Isolation Table, SICE Annual Conference, CD-ROM (2004)
しかしながら、上述したノズルフラッパ型空気式サーボバルブでは、排気流量が大きいことから、ランニングコストがかかり、その削減によって省エネルギー化を実現することが強く望まれている。また、従来の手法ではノズルフラッパ型サーボバルブの応答特性によって、除振装置の性能が決まってしまうという問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、新規な除振装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の除振装置は、除振台と、前記除振台を支持する空気バネと、前記空気バネへの給気と排気を行うバルブと、前記除振台の位置を検出する位置検出手段と、前記除振台の加速度を検出する加速度検出手段と、前期位置検出手段の出力を用いる位置フィードバックループと、および前記加速度検出手段の出力を用いる加速度フィードバックループを有する除振装置において、前記空気バネの圧力変化を検出する圧力変化検出手段と、前記圧力変化検出手段の出力を用いる圧力変化フィードバックループを有し、前記バルブが流量制御型バルブであることを特徴とする。
ここで、流量制御型バルブはスプール型サーボバルブであることが好ましい。また、圧力変化フィードバックループにおいて、圧力変化検出手段の出力を、I補償器を通して負帰還させることが好ましい。また、圧力変化検出手段は、容器と、空気バネ内と前記容器内を連絡する導通路と、前記空気バネ内と前記容器内の圧力差を求める差圧計とを有する圧力微分計であることが好ましい。また、導通路は管またはスリットであることが好ましい。また、計測時の導通路内の流れは層流であることが好ましい。また、容器は等温化圧力容器であることが好ましい。また、容器は等温化具材が充填されていることが好ましい。また、等温化具材は金属細線であることが好ましい。また、差圧計はダイヤフラム式差圧計であることが好ましい。
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
本発明は、除振台と、前記除振台を支持する空気バネと、前記空気バネへの給気と排気を行うバルブと、前記除振台の位置を検出する位置検出手段と、前記除振台の加速度を検出する加速度検出手段と、前期位置検出手段の出力を用いる位置フィードバックループと、および前記加速度検出手段の出力を用いる加速度フィードバックループを有する除振装置において、前記空気バネの圧力変化を検出する圧力変化検出手段と、前記圧力変化検出手段の出力を用いる圧力変化フィードバックループを有し、前記バルブが流量制御型バルブであるので、新規な除振装置を提供することができる。
以下、除振装置にかかる発明を実施するための最良の形態について説明する。
除振装置として、ノズルフラッパ型サーボバルブを用いた空気バネ式除振装置、流量制御型バルブを用いた空気バネ式除振装置、および流量制御型バルブと圧力微分計を用いた空気バネ式除振装置について説明する。
ノズルフラッパ型サーボバルブを用いた空気バネ式除振装置
ノズルフラッパ型サーボバルブは入力電圧uに対して固定容器の圧力Pが1次遅れ系の関係になる。つまり、入力電圧がステップ的に変化した場合の圧力応答の時間波形は次式(数1)で与えられえる。
Figure 2006144859
ここでKは比例ゲイン、Tは時定数を表す。この関係をブロック線図で書くと図1となる。
空気バネ式除振装置は通常、質量、ばね、ダンパで表現される。運動方程式で表すと、次式(数2)となる。
Figure 2006144859
ここで、xは空気バネの変位、mは空気バネ上の負荷質量、Aは空気バネ内負荷を支える部分の断面積、Pは空気バネ内の圧力、kはバネ係数、bは粘性係数を表す。
よって、(2)式より圧力Pから変位xまでの関係をブロック線図で表すと図2となる。図2に示される制御対象である空気バネ式除振装置の制御では、通常、変位計を用いて変位xを、加速度計を用いて加速度dx/dtをそれぞれ計測する。それらの値をフィードバック信号として制御器に取り込んで、所定の制御方法による演算を行い、制御弁であるノズルフラッパ型サーボバルブに制御信号を与えることで、圧力Pを制御して変位および加速度の変化を最小限に押さえるように制御を行う。
制御方法としては、変位に関して目標値xに対するPI制御、加速度に対しては比例ゲインKをかけた信号をフィードバックすることが一般的である。つまり、バルブへの制御信号(通常電圧)uは次式(数3)で与えられる。
Figure 2006144859
よって、従来の制御方法をブロック線図にまとめると図3となる。ノズルフラッパ型サーボバルブは出力が圧力(不完全積分値)であり、圧力制御には大変有効であるが、排気流量が大きいという問題がある。
図4は、空気バネをアクチュエータとする従来の空気バネ式除振装置の構成を示す。同図において、1は空気バネのバッファタンク部分、2は空気バネのゴムベローズ部分を、3は除振台を示す。空気バネ1と2は除振台3を支持している。4は除振台の位置を検出する位置センサ(位置検出手段)を示す。位置センサ4としては渦電流式変位センサ、静電容量センサ、光電変換素子を応用した位置検出センサなどが使用できる。5は、除振台の加速度を検出する加速度センサ(加速度検出手段)である。6は空気の供給源を示す。7は、空気バネへ動作流体である空気の給気および排気を行うノズルフラッパ型サーボバルブである。
次に、空気バネ式支持脚12に対するフィードバック装置120の構成とその動作を説明する。まず、加速度センサ5の出力は、適切な増幅度と時定数とを有するフィルタ8−aを介してノズルフラッパ型サーボバルブ7の弁開度制御用電圧電流変換器11の前に負帰還している。この加速度フィードバックループにより機構の安定化が図られる。すなわち、ダンピングが付与される。
さらに、位置センサ4の出力は、同じく適切な増幅度と時定数とを有するフィルタ8−bを通って、設定変位との比較器9への入力となっている。ここでは、空気バネ式支持脚12の設置面に対する目標位置となる設定変位と比較され、偏差信号がPI補償器10を通って電圧電流変換器11をドライブする。サーボバルブ7の弁開度の変化によって空気バネ1と2の内圧が調整されて除振台3は目標設定変位に定常偏差なく保持できる。位置検出手段の出力を用いる位置フィードバックループが形成されている。ここで、Pは比例を、Iは積分動作をそれぞれ意味する。
流量制御型バルブを用いた空気バネ式除振装置
流量制御型バルブ、たとえばスプール型サーボバルブは、入力電圧uに対して出力が流量Gとなる。ある平衡点周りで線形近似すると、入力と出力の間の関係は、次式(数4)で示される。
Figure 2006144859
ここでKは流量ゲインを表す。
固定容器において、流量Gと圧力Pの関係は、容器内の状態変化を等温変化と仮定すると気体の状態方程式PV=WRTから次式(数5)で与えられる。
Figure 2006144859
ここで、Vは固定容器の容積、Rは気体定数、θは気体の絶対温度を表す。
(4)、(5)式より次式(数6)となる。
Figure 2006144859
つまり、スプール型サーボバルブは入力が圧力の微分値dP/dtと比例関係にあることがわかる。スプール型サーボバルブのブロック線図を図5に示す。
そこで、空気バネ式除振装置にスプール型サーボバルブを用いることが考えられる。ノズルフラッパ型サーボバルブの代わりにスプール型サーボバルブを使用して、バルブを線形近似してブロック線図で表すと図6となる。
図7は、ノズルフラッパ型サーボバルブ7をスプール型サーボバルブ20に変更した場合の装置図である。本バルブが電圧駆動であることから、図4の電圧電流変換器11が不要であること以外は図4と同様の構成かつ制御方法である。圧力制御型バルブであるノズルフラッパ型サーボバルブと異なり、スプール型サーボバルブは流量制御型バルブである。
流量制御型バルブと圧力微分計を用いた空気バネ式除振装置
ここでは、高分解能で圧力微分値が測定可能な圧力微分計の信号をフィードバックすることを考えた。それは、圧力微分値を積分したものをフィードバックする方法である。流量制御型バルブとしては、スプール型サーボバルブを用いる。ブロック線図を図8に示す。数式で表現すると次式(数7)となる。
Figure 2006144859
ここで、Kは積分時定数である。
(7)式より、入力電圧を単位ステップ関数とすると圧力の時間応答波形は次式(数8)となる。
Figure 2006144859
ここで、
Figure 2006144859
である。
(8)式からわかるように、ノズルフラッパ型サーボバルブと同じ挙動が実現できる。そこで、圧力微分計の値をフィードバックしてノズルフラッパ型サーボバルブと同等の動作を実現する方法を提案する。提案する方法は、圧力微分計の値に積分ゲインをかけてフィードバックするもので、ブロック線図で示すと図9になる。
除振装置は、図10に示すように圧力微分計(圧力変化検出手段)13の信号もフィードバックするものである。図10の空気バネ式支持脚12に対するフィードバック装置120の構成とその動作を説明する。まず、加速度センサ5と位置センサ4の出力は図4の従来の方法と同様にサーボバルブに与えられる。
さらに、空気バネの圧力変化を検出する圧力微分計13の出力が適切な増幅度と時定数とを有するフィルタ8−cを通った後に、I補償器14を通して負帰還される。このように、圧力変化検出手段の出力を用いる圧力変化フィードバックループが形成される。これによって、スプール型サーボバルブがノズルフラッパ型サーボバルブと同様な応答が可能となり、精密な圧力制御が実現可能となる。微圧制御では、圧力センサの信号を負帰還してもノイズの影響等で有効な信号として使用することが困難である。しかし、圧力微分計13を用いることによって、高分解能、低ノイズに圧力変化が測定可能となり、負帰還信号として有効となる。これらの制御信号によって、スプール型サーボバルブ20の弁開度が制御され、空気バネ1と2内の圧力が調整されて除振台3は目標変位に定常偏差なく保持できる。ここで、Pは比例を、Iは積分動作をそれぞれ意味する。サーボバルブにスプール型を用いていることで、消費流量が小さく押さえられる。また、圧力微分計を用いることで、定常振動がノズルフラッパ型サーボバルブを用いた場合と同程度にできる。
上記の例では、流量制御型バルブとして、スプール型サーボバルブを挙げた。流量制御型バルブは、このスプール型サーボバルブに限定されない。このほか、回転式流量制御サーボバルブなどを用いることができる。
圧力微分計(圧力変化検出手段)について説明する。
図11は、圧力微分計の構成を示すものである。圧力微分計は、容器と、空気バネ内と前記容器内を連絡する導通路と、前記空気バネ内と前記容器内の圧力差を求める差圧計とを有している。
容器としては、等温化圧力容器15を用いることができる。等温化圧力容器15には、等温化具材が充填されている。等温化具材としては、例えば金属細線を使用することができる。
金属細線としては、例えば銅細線を使用することができる。金属細線は、銅細線に限定されない。このほか、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの細線や、木綿、ナイロンなどを使用することができる。すなわち、材料が繊維状であり、その径が10〜50μmの範囲にあり、熱伝導度が0.05W/mK以上であれば採用することができる。
等温化圧力容器の容積に対する等温化具材の体積比は、3〜15%の範囲にあることが好ましい。体積比が3%以上であると、ほぼ等温変化を実現できるという利点がある。体積比が15%以下であると、容器内の圧力が分布せず、容器のどの個所で圧力を測定しても問題ないという利点がある。
等温化圧力容器の容積は、1.0×10−8〜1.0×10−4の範囲にあることが好ましい。容積が1.0×10−8以上であると、等温化圧力容器が構成しやすいという利点がある。容積が1.0×10−4以下であると、高応答の計測が可能であるという利点がある。
圧力微分計の計測対象としては、空気が適用できる。計測対象は空気に限定されない。このほか、窒素、水素、二酸化炭素などあらゆる気体などに適用することができる。
スリット17は、計測対象と等温化圧力容器内を連絡する導通路である。ここでは、複数のスリットを用いる。
スリットの幅は、1〜20mmの範囲にあることが好ましい。幅が1mm以上であると、圧力微分値の測定範囲を広く確保できるという利点がある。幅が20mm以下であると、高応答を確保できるという利点がある。
スリットの高さは、30〜300μmの範囲にあることが好ましい。高さが30μm以上であると、圧力微分値の測定範囲を広く確保できるという利点がある。高さが300μm以下であると、高応答を確保できるという利点がある。
スリットの長さは、1〜30mmの範囲にあることが好ましい。長さが1mm以上であると、助走区間の影響を小さくできるという利点がある。長さが30mm以下であると、小型化できかつ高応答を確保できるという利点がある。
スリットの個数は、20以下であることが好ましい。個数が20以下であると、小型化できるという利点がある。
計測時のスリット内の流れは、層流であることが好ましい。その理由は、圧力と流量に比例関係が成立し、圧力微分計が構成できるからである。
計測対象と等温化圧力容器内の圧力差を求めるために差圧計を用いる。差圧計としては、ダイヤフラム式差圧計を用いることができる。差圧計は、このダイヤフラム式差圧計に限定されない。このほか、ベローズを使用するものなどあらゆる差圧計を用いることができる。
計測対象である下部の容器内圧力Psが変化すると、複数のスリットを通って等温化圧力容器内の圧力Pcが僅かに遅れて変化し、その時の差圧Pj=Ps−Pcをダイヤフラム式差圧計で計測することにより、Psの微分値を求めることが可能である。
上記の例では、導通路としてスリットを挙げた。導通路は、このスリットに限定されない。このほか、断面が円形の管などを用いることができる。導通路内の流れは、層流であることが好ましい。
つぎに、ノズルフラッパ型サーボバルブを用いた空気バネ式除振装置、流量制御型バルブを用いた空気バネ式除振装置、および流量制御型バルブと圧力微分計を用いた空気バネ式除振装置について、除振装置としての評価を実験により行った。使用機器と実験条件は以下のとおりである。
ノズルフラッパ型サーボバルブを用いた空気バネ式除振装置
図4に示す除振装置において実験を行った。表1に示すパラメータの除振装置に適応し実験を行った。
Figure 2006144859
除振装置において、変位センサ、加速度センサ、およびノズルフラッパ型サーボバルブは以下のものを用いた。
変位センサ:PE−LS5、富士電機社製
加速度センサ:MG−102−20、特許機器社製
ノズルフラッパ型サーボバルブ:P075−221、特許機器社製
実験条件としては、まず2.5Kgの重りを除振台の上に載せ、ゆっくりと浮上させ除振台が変位1.4mmで整定したところで重りを取り除き、除振台が再び整定するまでの除振台の変位を計測した。
また、除振台を定位浮上させ十分整定させた後、除振台上の加速度信号の安定性を比較する実験を行なった。すなわち、変位1.4mmで定常浮上させている時の加速度を測定した。実験設備の設置場所、実験環境を実際の現場ほど厳密に設定していないことから、周囲の振動を拾ってしまう環境で実験を行った。
流量制御型バルブを用いた空気バネ式除振装置
図7に示す除振装置において実験を行った。除振装置のパラメータ、用いた変位センサおよび加速度センサは、上述と同様である。除振装置において、スプール型サーボバルブは以下のものを用いた。
スプール型サーボバルブ:MPYE−5−M5−SA、Festo社製
実験条件としては、上述と同様に、除振台を定位浮上させ十分整定させた後、除振台上の加速度信号の安定性を比較する実験を行なった。
流量制御型バルブと圧力微分計を用いた空気バネ式除振装置
図10に示す除振装置において実験を行った。除振装置のパラメータ、用いた変位センサ、加速度センサ、およびスプール型サーボバルブは、上述と同様である。
除振装置において、用いた圧力微分計の構成図は図11に示すとおりである。図11に示すとおり、圧力微分計は等温化圧力容器15、ダイヤフラム式差圧計18および多層構造の層流生成スリット部16によって構成されている。いま計測対象となる下部の容器内圧力Pが変化すると、スリット17を通って等温化圧力容器15内の圧力Pがわずかに遅れて変化する。そのときの差圧P=P−Pをダイヤフラム式差圧計18で計測することにより、Pの微分値を求めることが可能である。
等温化圧力容器内は常に等温であり、スリット間の流れが層流であると仮定すると、エネルギー方程式とハーゲンポアズイユの法則より、供給圧力Pの微分値と提案する圧力の出力の間には、次式(数10)の関係が導かれる(非特許文献3)。
Figure 2006144859
(9)式より、圧力微分計の出力Pdoと被測定圧力Pの微分値の間には、一次遅れの関係が成立する。
ここで、圧力微分計の出力ゲイン係数Kは、次式(数11)となる。
Figure 2006144859
上式において、μ:粘度、R:空気のガス定数、θ:容器内の温度、ρ:大気圧下における空気の密度、P:大気圧下の圧力、でありスリットに関するパラメータは表2に示す。また差圧Pを測定するために用いたダイヤフラム式差圧計は、長野計器KL−17で、測定範囲が±200Paのものを使用した。圧力微分計を加圧下(P≧ P)で使用する場合には、容器内が加圧されるほど、時定数
Figure 2006144859
は小さくなる。つまり応答の時定数を小さくするにはできるだけスリットの高さhを大きくする、容積Vを小さくする、スリットの数を増やす、スリット長さLを短くする必要がある。しかし、層流を保つこと、助走距離の影響等を考慮して設計することが求められる。さらに、等温化圧力容器内の等温変化の実現条件、動特性も考慮した。計測可能な最大圧力微分値を200kPa/sとし、表2に示す仕様で圧力微分計を設計・製作した。また等温化圧力容器内には、φ25μmの銅細線 14.4 gを封入した。
Figure 2006144859
実験条件としては、上述と同様に、重りを除振台の上に載せゆっくりと浮上させ除振台が整定したところで重りを取り除き、除振台が再び整定するまでの除振台の変位を計測した。また、上述と同様に、除振台を定位浮上させ十分整定させた後、除振台上の加速度信号の安定性を比較する実験を行なった。
除振装置の評価結果について説明する。実験結果の一例を図12に示す。この実験は空気バネを変位1.4mmで浮上させ時間10秒において2.5Kgの重りを取り除いた際の変位波形の時間応答を示したものである。図中の(a)の線がノズルフラッパ型サーボバルブを用いた従来の方法であり、(b)の線と(c)の線は流量制御型バルブと圧力微分計を用いた場合である。(b)の線は図9のブロック線図においてフィードバックのゲインK(1×10Pa/V)を小さくした場合で、(c)の線はゲインK(3×10Pa/V)を大きくした場合の結果である。(b)の線を見ると従来の方法と比較して、流量制御型バルブと圧力微分計を用いた方法で速い応答が実現できることがわかる。また、(c)の線は従来と比較して柔らかいバネが実現できることを意味する。このように、積分時定数Kを変えることによって、時定数Tが任意に調整可能となり、使用環境等に幅広く対応できる。
他の実験結果を図13に示す。スプール型サーボバルブのみで制御した場合(点線)は、ノズルフラッパ型サーボバルブを用いた制御の場合(一点鎖線)に比べ定常変動振幅が大きい。スプール型サーボバルブと圧力微分計を用いた制御の場合(実線)は、ノズルフラッパ型サーボバルブを用いた場合と比べても、遜色ないレベルの除振性能が得られていることがわかる。
また、定常で除振台が浮いている際の定常消費流量を測定した。その結果を表3に示す。スプール型サーボバルブを用いた制御方法は、従来のノズルフラッパ型サーボバルブを用いた制御方法に比べ、定常消費流量を約4分の1に押さえることができ、省エネルギーが実現できることがわかった。
Figure 2006144859
なお、上述の除振装置では、垂直方向の振動の制御について説明したが、この垂直方向に限定されるわけではない。本発明の除振装置は、このほか水平方向などあらゆる方向の振動の制御に用いることができる。
上述の例では、圧力微分計の出力を積分してフィードバックさせることを説明したが、この方法に限定されるわけではない。このほか、圧力微分値の出力をそのままフィードバックして、微分制御をすることもできる。この方法は、流量制御型バルブ(たとえばスプール型サーボバルブ)ばかりでなく、圧力制御型バルブ(たとえばノズルフラッパ型サーボバルブ)にも適用できる。
本発明で用いた圧力微分計は、流量制御型バルブと組み合せて用いることにより、圧力制御型バルブの機能をもたせることができる。すなわち、圧力微分計からの圧力微分値の出力をフィードバックしてPI制御することにより、圧力制御型バルブとして機能させることができる。
本発明の除振装置は、半導体露光装置等の超精密機器の振動制御ばかりでなく、加工装置、車両などの振動制御にも使用することができる。
以上のことから、本発明を実施するための最良の形態によれば、除振台と、前記除振台を支持する空気バネと、前記空気バネへの給気と排気を行うバルブと、前記除振台の位置を検出する位置検出手段と、前記除振台の加速度を検出する加速度検出手段と、前期位置検出手段の出力を用いる位置フィードバックループと、および前記加速度検出手段の出力を用いる加速度フィードバックループを有する除振装置において、前記空気バネの圧力変化を検出する圧力変化検出手段と、前記圧力変化検出手段の出力を用いる圧力変化フィードバックループを有し、前記バルブが流量制御型バルブであるので、新規な除振装置を提供することができる。
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
ノズルフラッパ型サーボバルブのブロック線図である。 空気バネ式除振装置のブロック線図である。 ノズルフラッパ型サーボバルブを用いた従来の空気バネ式除振装置のブロック線図である。 従来のノズルフラッパ型サーボバルブを用いた空気バネ式除振装置を示す図である。 スプール型サーボバルブのブロック線図である。 スプール型サーボバルブを用いたブロック線図である。 スプール型サーボバルブを用いた空気バネ式除振装置を示す図である。 スプール型サーボバルブにおける圧力微分値フィードバックのブロック線図である。 スプール型サーボバルブと微分計を用いる制御方法のブロック線図である。 スプール型サーボバルブと圧力微分計を用いた空気バネ式除振装置を示す図である。 圧力微分計の構成図である。 実験結果を示す図である。 定常浮上時の実験結果を示す図である。
符号の説明
1‥‥空気バネのバッファタンク部分、2‥‥空気バネのゴムベローズ部分、3‥‥除振台、4‥‥位置センサ、5‥‥加速度センサ、6‥‥空気の供給源、7‥‥ノズルフラッパ型サーボバルブ、8a,8b,8c‥‥フィルタ、9‥‥比較器、10‥‥PI補償器、11‥‥電圧電流変換器、12‥‥空気バネ式支持脚、13‥‥圧力微分計、14‥‥I補償器、15‥‥等温化圧力容器、16‥‥層流生成スリット部、17‥‥スリット、18‥‥ダイヤフラム式差圧計、19‥‥容器、20‥‥流量制御型バルブ、120‥‥フィードバック装置

Claims (10)

  1. 除振台と、前記除振台を支持する空気バネと、前記空気バネへの給気と排気を行うバルブと、前記除振台の位置を検出する位置検出手段と、前記除振台の加速度を検出する加速度検出手段と、前期位置検出手段の出力を用いる位置フィードバックループと、および前記加速度検出手段の出力を用いる加速度フィードバックループを有する除振装置において、
    前記空気バネの圧力変化を検出する圧力変化検出手段と、前記圧力変化検出手段の出力を用いる圧力変化フィードバックループを有し、
    前記バルブが流量制御型バルブである
    ことを特徴とする除振装置。
  2. 流量制御型バルブがスプール型サーボバルブである
    ことを特徴とする請求項1記載の除振装置。
  3. 圧力変化フィードバックループにおいて、圧力変化検出手段の出力を、I補償器を通して負帰還させる
    ことを特徴とする請求項1記載の除振装置。
  4. 圧力変化検出手段が、容器と、空気バネ内と前記容器内を連絡する導通路と、前記空気バネ内と前記容器内の圧力差を求める差圧計とを有する圧力微分計である
    ことを特徴とする請求項1記載の除振装置。
  5. 導通路が、管またはスリットである
    ことを特徴とする請求項4記載の除振装置。
  6. 計測時の導通路内の流れが、層流である
    ことを特徴とする請求項4記載の除振装置。
  7. 容器が、等温化圧力容器である
    ことを特徴とする請求項4記載の除振装置。
  8. 容器は、等温化具材が充填されている
    ことを特徴とする請求項4記載の除振装置。
  9. 等温化具材が金属細線である
    ことを特徴とする請求項4記載の除振装置。
  10. 差圧計がダイヤフラム式差圧計である
    ことを特徴とする請求項4記載の除振装置。
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