以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1:単動型〕
図1はこの発明に係るパイロットリレーの一実施の形態の構造を示す図である。このパイロットリレーは単動型である。同図において、1はハウジングであり、ハウジング1内には入力空気圧室2,供給空気圧室3,出力空気圧室4,排気室5およびバイアス室6が設けられている。
このハウジング1において、排気室5は、第1のダイアフラム7−1を介して出力空気圧室4と隣接するとともに第2のダイアフラム7−2を介してバイアス室6と隣接している。また、入力空気圧室2は、第3のダイアフラム7−3を介してバイアス室6と隣接している。第1〜第3のダイアフラム7−1〜7−3は、ハウジング1とスプール(移動体)8との間に設けられており、この第1〜第3のダイアフラム7−1〜7−3によってスプール8が矢印A方向およびB方向へ移動可能に支持されている。
スプール8は、出力空気圧室4に位置する開口8aと、開口8aを排気室5に連通させる排気通路8bとを有している。ハウジング1には、ハウジング1の外側にその開口部9aが臨む通路9がポペット弁組立体装着部10として設けられている。このポペット弁組立体装着部10には、ハウジング1の外側に臨む通路9の開口部9aから、その通路9の内壁面に沿って、ポペット弁組立体11が摺動可能に装着され、その通路9の底部に残された空間が出力空気圧室4とされている。
ポペット弁組立体11は、円筒状のシート部12と、このシート部12がその前面に着脱可能に取り付けられた円柱状のシート保持部13との分割構造とされており 、シート部12とシート保持部13との間に内部空間14が形成されている。シート部12の上面12aには内部空間14と出力空気圧室4とを連通させる連通孔12bが形成されている。このシート部12の上面12aが供給空気圧室3と出力空気圧室4とを画成する隔壁の役割を果たす。
シート部12とシート保持部13との間の内部空間14にはバネ15が収容されており、このバネ15に付勢された状態でポペット弁16がシート部12とシート保持部13との間に保持されている。内部空間14は供給空気圧室3と連通している。ポペット弁16は、その先端部に排気弁16aを有し、排気弁16aの後方に給気弁16bを有している。また、ポペット弁16は、その軸心を貫通する貫通孔16cを有している。
この保持状態において、ポペット弁16は、シート部12に形成された連通孔12bを貫通して、左右に移動可能にバネ15によって付勢されている。また、給気弁16bが連通孔12bを閉じる方向に付勢され、排気弁16aが連通孔12bから突出している。なお、ポペット弁16の排気弁16aと給気弁16bとの間には、その内部に形成された貫通孔16cに連通する微細連通路(ブリード穴)16dが形成されている。このポペット弁組立体11では、シート部12とシート保持部13との分割構造とされているので、バネ15および第1のポペット弁16の組み込み作業が容易である。
ポペット弁組立体11に対しては、このポペット弁組立体11をポペット弁組立体装着部10に装着した後、すなわちハウジング1の外側に臨む開口部9aからポペット弁組立体11を通路9内に押し込んだ後、その通路9の開口部9aにリング状の止板17を取り付けている。すなわち、止板17のリング面をポペット弁組立体11のハウジング1の外側に臨む面(シート保持部13の底面13a)に面接触させ、ポペット弁組立体装着部10におけるポペット弁組立体11の位置を規制している。
この単動型のパイロットリレーでは、供給空気圧室3およびバイアス室6にエアー供給管18を通して供給空気圧Psが供給され、入力空気圧室2にノズル背圧導入管19を通して入力空気圧Pnが導かれる。また、出力空気圧室4からエアー出力管20を通して出力空気圧Poがバルブ300に出力される。
なお、排気室5は大気と連通しており、ポペット弁組立体11のシート部12およびシート保持部13にはハウジング1との間にOリング21,22が装着されている。また、ポペット弁組立体11において、ポペット弁16とシート保持部13との間にはOリング23が装着されている。このOリング23によって、シート保持部13におけるバネ15が収容された部屋13bは、供給空気圧室2から隔離され、ポペット弁16の貫通孔16cと連通した1つの室とされている。
この単動型のパイロットリレーにおいて、入力空気圧Pnを増加させると、ダイアフラム7−1〜7−3が矢印A側に移動し、それに伴って、ダイアフラム7−1〜7−3に支持されているスプール8も矢印A側に移動する。すると、スプール8は、その移動に伴ってポペット弁16をバネ15の付勢力に抗して押し下げ、それに伴って、ポペット弁16の給気弁16bが連通孔12bを開く。この時、スプール8の開口8aは、ポペット弁16の排気16aによって閉じられる。これにより、エアー供給管18を通して供給空気圧室3に供給されたエアーは、連通路12aを通って出力空気圧室4内に導入され、エアー出力管20を通って、バルブ300に供給される。
一方、入力空気圧Pnを減少させると、ダイアフラム7−1〜7−3が矢印B側に移動し、それに伴って、ダイアフラム7−1〜7−3に支持されているスプール8も矢印B側に移動する。すると、バネ15の付勢力によってポペット弁16が押し上げられ、それに伴って、ポペット弁16の給気弁16bが連通孔12bを閉じる。この時、スプール8の開口8aは、ポペット弁16の排気弁16aによって開かれる。これにより、出力空気圧室4内のエアが、スプール8の開口8aより排気通路8bに入り、排気室5に排出される。
このようにして、入力空気圧室2に導かれる入力空気圧Pnによって、スプール8およびポペット弁16が動作し、その動作によって、増幅された出力空気圧Poがエア出力管20を通してバルブ300へ出力されるものとなる。この場合、入力空気圧Pnの圧力を調整することによって、出力空気圧Poが調整されるものとなる。
なお、ポペット弁16に形成されている微細連通路16dは、このポペット弁16の給気弁16bが連通孔12bを閉じようとした場合、出力空気圧室4の空気をポペット弁16に形成されている貫通孔16cを通して、スプール8の排気通路8bへ導き、排気室5に流出させて、またバネ15が収容されているシート保持部13の部屋13bに導いて、ポペット弁16の給気弁16bによる連通孔12bの閉塞(給気ポートのシール)を迅速に行わせる役割を果たす。この微細連通路16d,貫通孔16cおよび部屋13bの役割については後のデッドバンドによる給排気の非線形性の改善の項目でも詳述する。
図2にポペット弁16の周辺を拡大して示す。この単動型のパイロットリレーにおいて、ポペット弁16は、給気弁16bに連なる供給空気圧室3側の外周面16eをポペット弁16の移動を案内するガイド部として有している。また、ダイアフラム7−1の有効径をφD0、連通孔12bの径をφD1、スプール8の開口8aの径をφD2、ガイド部16eの径をφD3とし、ダイアフラム7−1の有効面積をA0、連通孔12bの断面積をA1、スプール8の開口8aの断面積をA2、ガイド部16eの断面積をA3とした場合、これらの面積A0,A1,A2,A3の関係がA0>A1>A2>A3とされている。
また、ポペット弁16の給気弁16bによって開閉される連通孔12bの径φD1が大きくされ、この連通孔12bの径φD1とダイアフラム7−1の有効径φD0との差が小さくされている。これにより、ダイアフラム7−1の有効面積A0と連通孔12bの断面積A1との差が小さくされ、G=An/Aoで表されるパイロットリレーのゲインを示す式において、出力空気圧Poを受ける有効面積Aoが小さくなり、入力空気圧Pnを受ける有効面積Anを変えないまま、高ゲイン化が図られるものとなる。
図3にポペット弁周辺の構造を本出願人が現在採用している構造(従来の構造)と対比して示す。図3(a)が従来の構造であり、この従来の構造において、ポペット弁16’で開閉される連通孔12b’の径φD1’は図3(b)に示される本実施の形態の構造(本願の構造)における連通孔12bの径φD1よりもかなり小さい(φD1>φD1’)。例えば、φD0が12mm程度であるのに対し、本願の構造における連通孔12bの径φD1が8mm程度であり、従来の構造における連通孔12b’の径φD1’は4mm程度である。
ここで、出力空気圧Poを受ける受圧面積は、本願の構造ではAo=A0−A1=(π/4)・(D0 2 −D1 2 )と表され、従来の構造ではAo’=A0−A1’=(π/4)・(D0 2 −D1’ 2 )と表される。そして、入力空気圧室2の受圧面積Anが同じならば、ゲインはそれぞれ、本願の構造ではG=An/Aoと表され、従来の構造ではG’=An/Ao’となり、Ao<Ao’なので、G>G’となる。したがって、従来の構造と比較し、本願の構造の方が高ゲインとなる。
また、本願の構造では、連通孔12bの径φD1(断面積A1)とスプール8の開口8aの径φD2(断面積A2)との関係がφD1>φD2(A1>A2)とされている。この場合、連通孔12bの径φD1(給気ポート径)とスプール8の開口8aの径φD2(排気ポート径)とをなるべく近くなるようにすると、給排気時にポペット弁16が暴れずに安定し易くなる。
また、本願の構造では、スプール8の開口8aの径φD2(断面積A2)とガイド部16eの径φD3(断面積A3)との関係がφD2>φD3(A2>A3)とされている。これにより、出力空気圧Poが供給空気圧Psとなった場合でも、給気ポートのセルフシールを確保することが可能となる。
〔給気ポートをセルフシールするための条件〕
図2は排気モード時のポペット弁近傍の様子を示している。このときポペット弁16にかかる力を以下に示す。
(1)ポペット弁排気側周辺(Po):F1=(π/4)・(D2 2 −D4 2 )・Po
(2)ポペット弁給気側周辺(Po):F2=−(π/4)・(D1 2 −D4 2 )・Po
(3)ポペット弁給気側周辺(Ps):F3=(π/4)・(D1 2 −D3 2 )・Ps
(4)ポペット弁保持用バネ力:f
以上より、給気ポートをセルフシールするための条件は、
F=F1+F2+F3+f=(π/4)・(D2 2 −D1 2 )・Po+(π/4)・(D1 2 −D3 2 )・Ps+f>0 ・・・・(1)
と表される。
この(1)式において、最も厳しくなる条件は、Po=Psのときである。これを考慮すると、上記(1)式は下記(2)式で表される。
F=(π/4)・(D2 2 −D3 2 )・Ps+f>0 ・・・・(2)
この(2)式を満たすことが給気ポートをセルフシールするための条件となる。
したがって、φD2>φD3(A2>A3)とし、上記(2)式において、(π/4)・(D2 2 −D3 2 )・Psの項を大きくすることによって、出力空気圧Poが供給空気圧Psとなった場合でも、給気ポートのセルフシールを確保することが可能となる。
また、この単動型のパイロットリレーでは、図1に示されるように、出力空気圧室4が第1のダイアフラム7−1を介して排気室5と隣接し、排気室5が第2のダイアフラム7−2を介してバイアス室6と隣接し、バイアス室6が第3のダイアフラム7−3を介して入力空気圧室2と隣接している。
このような各室の配置から分かるように、この単動型のパイロットリレーでは、入力空気圧室2と出力空気圧室4との間にバイアス室6と排気室5が設けられており、入力空気圧室2と出力空気圧室4とが隣接しておらず、ダイアフラム7−1〜7−3の中に圧力の正負の変化が激しいダイアフラムはない。このため、入力空気圧室2と出力空気圧室4とを隣接させ、その間にダイアフラムを設けるような構造と比較して、ダイアフラムの耐久性が向上する。
なお、この実施の形態では、ポペット弁16に微細連通路16dを設けるようにしたが、図4に示すように、ハウジング1に微細連通路1aを形成し、出力空気圧室4と排気室5とを連通させるようにしてもよい。また、図5に示すように、スプール8に微細連通路8cを形成し、出力空気圧室4と排気室5とを排気通路8bを介して連通させるようにしてもよい。また、図6に示すように、ハウジング1に、出力空気圧室4を大気と直接連通させる微細連通路1bを形成するようにしてもよい。本実施の形態では、ポペット弁16に微細連通路16dを設けているので、ハウジング1やスプール8には手を加えなくてもよく、微細連通路16dのメンテナンスも容易となる。
また、この実施の形態では、バイアス室6を入力空気圧室2と排気室5との間に設けたが、出力空気圧室4と排気室5との間にバイアス室6を設けるようにしてもよい。図7に出力空気圧室4と排気室5との間にバイアス室6を設けるようにした例を示す。この例では、バイアス室6を、第1のダイアフラム7−1を介して出力空気圧室4と隣接させるとともに第2のダイアフラム7−2を介し排気室5と隣接させている。また、入力空気圧室2を、第3のダイアフラム9−3を介して排気室5と隣接させている。なお、この場合、スプール8における排気通路8bは、スプール8の奥の方まで延ばして、バイアス室6の後方に位置する排気室5に開口させている。
〔デッドバンドによる給排気の非線形性の改善〕
この実施の形態において、ポペット弁16に形成されている微細連通路16dは、給気ポートの閉塞を迅速に行わせる役割を果たす。ポペット弁16の給気弁16bにはその構造上、供給空気圧Psと出力空気圧Poとの差圧と給気ポート径で決まる力が作用しており、この力が入力空気圧Pnの変化に対して給排気が切り替わらないデッドバンドの要因となる。このデッドバンドによる給排気の非線形性を改善させるために、ポペット弁16に微細連通路16dを形成し、出力空気圧Poを大気に逃がすようにしている訳である。
供給空気圧Psによりポペット弁16に掛かる力Fvは、パイロットリレーのデッドバンド(不感帯)に影響を与える。また、排気動作後、圧力バランスによりポペット弁16が整定するには、微細連通路16dによる出力空気圧Poの減圧分ΔPoと力Fvとが釣り合う必要がある。
すなわち、ポペット弁16により給気ポートを閉める力を確保しつつ、できるだけFvを小さくすることができれば、デッドバンドを減らし、かつΔPoを小さくすることができる。つまりは、より短い時間でポペット弁16を整定せることができる。
このために、本実施の形態では、ポペット弁16の給気弁側に供給空気圧Psをキャンセルさせるための部屋13bを設け、Oリング23でシールし、この部屋13bをポペット弁16の軸心に貫通して設けた貫通孔16cを介して大気圧に逃がしている。そして、実際には、給気弁16bには締め切り力が必要なため、ある程度の差圧が掛かるようにしたり、バネ15のわずかな付勢力で保持させたりしている。このような構成によって、ポペット弁16に作用する力Fvを大幅に低減させ、それによりデッドバンドを低減させ、かつΔPoを小さくさせている。
図8を用いてポペット弁16の整定時間について説明する。供給空気圧Psをキャンセルさせるための部屋13bを設けない場合(従来の構造)、図示点線で示す特性IのようにΔPoが大きくなり、ポペット弁16が整定するまでの時間T(TA)が長くなる。これに対して、供給空気圧Psをキャンセルさせるための部屋13bを設けると(本願の構造)、図示実線で示す特性IIのようにΔPoが小さくなり、ポペット弁16が整定するまでの時間T(TB)が短くなる。
なお、この場合の従来の構造とは、図3において微細連通路(ブリード穴)を例えばスプール8などに設けた構造とし、従来の構造と本願の構造とはブリード穴の穴径が同じであるものとする。このような比較から、本願の構造とすることにより、ブリード量を大きくすることなく、出力空気圧の整定が早められることが分かる。
ここで、整定するまでの時間Tとして同じ時間が許容されるものとすると(TA=TB)、本願の構造において、微細連通路(ブリード穴)16dの穴径をより小さくすることが可能となる(図9に示す特性III参照)。この場合、微細連通路16dの穴径の低減量は、そのままパイロットリレーの定常空気消費量の低減量となる。例えば、微細連通路16dの穴径を0.2〜0.25mmとすると、パイロットリレーの定常空気消費量を30〜50%低減させることが可能となる。
この例では、従来の構造と本願の構造とで整定時間Tを同じとして比較したが、逆に、ブリード量を小さくしても、出力空気圧の整定を早めることが可能である。すなわち、本願の構造とすることにより、微細連通路16dの穴径を小さくして、定常消費空気量を減少させることが可能となる。
なお、図10に示すように、ポペット弁16に出力空気圧室4とバネ15が収容されている部屋13bとを連通させる連通路を設けるようにしてもよい。この例では、ポペット弁16に出力空気圧室4に開口する微細連通路16gを設け、またポペット弁16にバネ15が収容されている部屋13b側に開口する非貫通孔16hを設け、この非貫通孔16hと微細連通路16gとを連通させることで連通路を形成している。
この場合、バネ15が収容された部屋13bは大気圧となることから、ポペット弁16により給気ポートを閉める力を確保しつつ、供給空気圧によりポペット弁16に掛かる力が大幅に低減されるものとなる。これにより、デッドバンドを減らし、かつ微細連通路16gによる出力空気圧の減圧分ΔPoを小さくし、ブリード量を大きくすることなく、出力空気圧の整定を早めることが可能となる。また、微細連通路16gの穴径を小さくして、定常消費空気量を減少させることが可能となる。
また、図11に示すように、ポペット弁16に出力空気圧室4と排気室5とを連通させる連通路を設けるようにしてもよい。この例では、ポペット弁16に出力空気圧室4に開口する微細連通路16dを設け、またポペット弁16に排気室5に開口する非貫通孔16fを設け、この非貫通孔16fと微細連通路16dとを連通させることで連通路を形成している。
この場合、排気室5は大気圧となることから、ポペット弁16により給気ポートを閉める力を確保しつつ、供給空気圧によりポペット弁16に掛かる力が大幅に低減されるものとなる。これにより、デッドバンドを減らし、かつ微細連通路16dによる出力空気圧の減圧分ΔPoを小さくし、ブリード量を大きくすることなく、出力空気圧の整定を早めることが可能となる。また、微細連通路16dの穴径を小さくして、定常消費空気量を減少させることが可能となる。
〔実施の形態2:複動型〕
図12はこの発明に係るパイロットリレーの他の実施の形態の構造を示す図である。このパイロットリレーは複動型である。同図において、51はハウジングであり、ハウジング51内には入力空気圧室52,第1の供給空気圧室53,第2の供給空気圧室54,第1の出力空気圧室55,第2の出力空気圧室56,第1の排気室57−1,第2の排気室57−2およびバイアス室58が形成されている。
このハウジング51において、第1の排気室57−1は、第1のダイアフラム59−1を介して第1の出力空気圧室55と隣接するとともに第2のダイアフラム59−2を介してバイアス室58と隣接している。また、入力空気圧室52は、第3のダイアフラム59−3を介してバイアス室58と隣接するとともに第4のダイアフラム59−4を介して第2の排気室57−2と隣接している。また、第2の排気室57−2は、第5のダイアフラム59−5を介して第2の出力空気圧室56と隣接している。第1〜第5のダイアフラム59−1〜59−5は、ハウジング51とスプール(移動体)60との間に設けられており、この第1〜第5のダイアフラム59−1〜59−5によってスプール60が矢印A方向およびB方向へ移動可能に支持されている。
スプール60は、第1の出力空気圧室55に位置する第1の開口60aと、第2の出力空気圧室56に位置する第2の開口60bと、第1の開口60aを第1の排気室57−1に連通させる第1の排気通路60c1と、第2開口60bを第2の排気室57−2に連通させる第2の排気通路60c2とを有している。スプール60において、第1の排気通路60c1と第2の排気通路60c2とは、非通路部分60dによって分断されている。
また、ハウジング51の一方側の端部には、ハウジング51の外側にその開口部61aが臨む通路61が第1のポペット弁組立体装着部62として設けられており、ハウジング51の他方側の端部には、ハウジング51の外側にその開口部63aが臨む通路63が第2のポペット弁組立体装着部64として設けられている。
第1のポペット弁組立体装着部62には、ハウジング51の外側に臨む通路61の開口部61aから、その通路61の内壁面に沿って、第1のポペット弁組立体65が摺動可能に装着され、その通路61の底部に残された空間が第1の出力空気圧室55とされている。また、第2のポペット弁組立体装着部64には、ハウジング51の外側に臨む通路63の開口部63aから、その通路63の内壁面に沿って、第2のポペット弁組立体66が摺動可能に装着され、その通路63の底部に残された空間が第2の出力空気圧室56とされている。
第1のポペット弁組立体65は、円筒状のシート部67と、このシート部67がその前面に着脱可能に取り付けられた円柱状のシート保持部68との分割構造とされており 、シート部67とシート保持部68との間に内部空間69が形成されている。シート部67の上面67aには内部空間69と第1の出力空気圧室55とを連通させる第1の連通孔67bが形成されている。このシート67の上面67aが第1の供給空気圧室53と第1の出力空気圧室55とを画成する第1の隔壁の役割を果たす。
シート部67とシート保持部68との間の内部空間69には第1のバネ70が収容されており、この第1のバネ70に付勢された状態で第1のポペット弁71がシート部67とシート保持部68との間に保持されている。内部空間69は第1の供給空気圧室53と連通している。第1のポペット弁71は、その先端部に排気弁71aを有し、排気弁71aの後方に給気弁71bを有している。また、第1のポペット弁71は、その軸心を貫通する貫通孔71cを有している。
この保持状態において、第1のポペット弁71は、シート部67に形成された第1の連通孔67bを貫通して、左右に移動可能に第1のバネ70によって付勢されている。また、給気弁71bが第1の貫通孔67bを閉じる方向に付勢され、排気弁71aが第1の貫通孔67bから突出している。なお、第1のポペット弁71の排気弁71aと給気弁71bとの間には、その内部に形成された貫通孔71cに連通する微細連通路71dが形成されている。
第2のポペット弁組立体66も第1のポペット弁組立体65と同様の構成とされている。すなわち、第2のポペット弁組立体66は、円筒状のシート部72と、このシート部72がその前面に着脱可能に取り付けられた円柱状のシート保持部73との分割構造とされており、シート部72とシート保持部73との間に内部空間74が形成されている。シート部72の上面72aには内部空間74と第2の出力空気圧室56とを連通させる第2の連通孔72bが形成されている。このシート72の上面72aが第2の供給空気圧室54と第2の出力空気圧室56とを画成する第2の隔壁の役割を果たす。
シート部72とシート保持部73との間の内部空間74には第2のバネ75が収容されており、この第2のバネ75に付勢された状態で第2のポペット弁76がシート部72とシート保持部73との間に保持されている。内部空間74は第2の供給空気圧室54と連通している。第2のポペット弁76は、その先端部に排気弁76aを有し、排気弁76aの後方に給気弁76bを有している。また、第2のポペット弁76は、その軸心を貫通する貫通孔76cを有している。
この保持状態において、第2のポペット弁76は、シート部72に形成された第2の連通孔72bを貫通して、左右に移動可能に第2のバネ75によって付勢されている。また、給気弁76bが第2の貫通孔72bを閉じる方向に付勢され、排気弁76aが第2の貫通孔72bから突出している。なお、第2のポペット弁76の排気弁76aと給気弁76bとの間には、その内部に形成された貫通孔76cに連通する微細連通路76dが形成されている。
第1のポペット弁組立体65に対しては、この第1のポペット弁組立体65を第1のポペット弁組立体装着部62に装着した後、その通路61の開口部61aにリング状の止板77を取り付けている。すなわち、止板77のリング面を第1のポペット弁組立体65のハウジング51の外側に臨む面(シート保持部68の底面68a)に面接触させ、第1のポペット弁組立体装着部62における第1のポペット弁組立体65の位置を規制している。
第2のポペット弁組立体66に対しても同様に、この第2のポペット弁組立体66を第2のポペット弁組立体装着部64に装着した後、その通路63の開口部63aにリング状の止板78を取り付けている。すなわち、止板78のリング面を第2のポペット弁組立体66のハウジング51の外側に臨む面(シート保持部73の底面73a)に面接触させ、第2のポペット弁組立体装着部64における第2のポペット弁組立体66の位置を規制している。
この複動型のパイロットリレーでは、第1の供給空気圧室53,第2の供給空気圧室54およびバイアス室58にエアー供給管79を通して供給空気圧Psが供給され、入力空気圧室52にノズル背圧導入管80を通して入力空気圧Pnが導かれる。また、第1の出力空気圧室55から第1のエアー出力管81を通して出力空気圧Po1がバルブ300に出力され、第2の出力空気圧室56から第2のエアー出力管82を通して出力空気圧Po2がバルブ300に出力される。
なお、第1の排気室57−1および第2の排気室57−2は大気と連通しており、第1のポペット弁組立体65のシート部67およびシート保持部68にはハウジング51との間にOリング83,84が装着されている。また、第2のポペット弁組立体66のシート部72およびシート保持部73にもハウジング51との間にOリング85,86が装着されている。また、第1のポペット弁組立体65において、第1のポペット弁71とシート保持部68との間にOリング87が装着されており、第2のポペット弁組立体66において、第2のポペット弁76とシート保持部73との間にOリング88が装着されている。
この複動型のパイロットリレーにおいて、入力空気圧Pnを増加させると、ダイアフラム59−1〜59−5が矢印A側に移動し、それに伴って、ダイアフラム59−1〜59−5に支持されているスプール60も矢印A側に移動する。すると、スプール60は、その移動に伴って第1のポペット弁71を第1のバネ70の付勢力に抗して押し下げ、それに伴って、第1のポペット弁71の給気弁71bが第1の連通孔67bを開く。この時、スプール60の第1の開口60aは、第1のポペット弁71の排気弁71aによって閉じられる。一方、第2のポペット弁76は、第2のバネ75の付勢力によって押し上げられ、それに伴って、第2のポペット弁76の給気弁76bが第2の連通孔72bを閉じる。この時、スプール60の第2の開口60bは、第2のポペット弁76の排気弁76aによって開かれる。
これにより、エアー供給管79を通して第1の供給空気圧室3に供給されたエアーは、第1のポペット弁組立体65の内部空間69に入り、第1の連通孔67bを通って第1の出力空気圧室55内に導入された後に、第1のエアー出力管81を通ってバルブ300に供給される。一方、バルブ300からのエアーは、第2のエアー出力管82を通って第2の出力空気圧室56内に戻った後、スプール60の第2の開口60bより排気通路60cに入り、排気室57に排出される。
一方、入力空気圧Pnを減少させると、ダイアフラム59−1〜59−5が矢印B側に移動し、それに伴って、ダイアフラム59−1〜59−5に支持されているスプール60も矢印B側に移動する。すると、スプール60は、その移動に伴って第2のポペット弁76を第2のバネ75の付勢力に抗して押し下げ、それに伴って、第2のポペット弁76の給気弁76bが第2の連通孔72bを開く。この時、スプール60の第2の開口60bは、第2のポペット弁76の排気弁76aによって閉じられる。一方、第1のポペット弁71は、第1のバネ70の付勢力によって押し上げられ、それに伴って、第1のポペット弁71の給気弁71bが第1の連通孔67bを閉じる。この時、スプール60の第1の開口60aは、第1のポペット弁71の排気弁71aによって開かれる。
これにより、エアー供給管79を介して第2の供給空気圧室4に供給されたエアーは、第2のポペット弁組立体66の内部空間74に入り、第2の連通路72bを通って第2の出力空気圧室56内に導入された後に、第2のエアー出力管82を通ってバルブ300に供給される。一方、バルブ300からのエアーは、第1のエアー出力管81を通って第1の出力空気圧室5内に戻った後、スプール60の第1の開口60aより排気通路60cに入り、排気室57に排出される。
このようにして、入力空気圧室2に導かれる入力空気圧Pnによって、スプール60および一対のポペット弁71,76が動作し、その動作によって、増幅された出力空気圧Po1およびPo2がエア出力管81および82を通してバルブ300へ出力されるものとなる。この場合、入力空気圧Pnの増加方向の圧力を調整することによって、バルブ300を正動作させる場合の出力空気圧Po1が調整されるものとなり、入力空気圧Pnの減少方向の圧力を調整することによって、バルブ300を逆動作させる場合の出力空気圧Po2が調整されるものとなる。
なお、第1のポペット弁71に形成されている微細連通路71dは、この第1のポペット弁71の給気弁71bが第1の連通孔67bを閉じようとした場合、第1の出力空気圧室55の空気を第1のポペット弁71に形成されている貫通孔71cを通して、スプール60の第1の排気通路60c1へ導き、第1の排気室57−1に流出させて、また第1のバネ70が収容されているシート保持部68の部屋68bに導いて、第1のポペット弁71にさらに付勢力を加えて、第1のポペット弁71の給気弁71bによる第1の連通孔67bの閉塞を迅速に行わせる役割を果たす。
また、第2のポペット弁76に形成されている微細連通路76dは、この第2のポペット弁76の給気弁76bが第2の連通孔72bを閉じようとした場合、第2の出力空気圧室56の空気を第2のポペット弁76に形成されている貫通孔76cを通して、スプール60の第2の排気通路60c2へ導き、第2の排気室57−2に流出させて、また第2のバネ75が収容されているシート保持部73の部屋73bに導いて、第2のポペット弁76にさらに付勢力を加えて、第2のポペット弁76の給気弁76bによる第2の連通孔72bの閉塞を迅速に行わせる役割を果たす。
この複動型のパイロットリレーにおいて、第1のポペット弁71は、給気弁71aに連なる供給空気圧室53側の外周面71eをポペット弁71の移動を案内するガイド部として有している(図13参照)。また、ダイアフラム59−1の有効径をφD01、第1の連通孔67bの径をφD11、スプール60の第1の開口60aの径をφD21、ガイド部71eの径をφD31とし、ダイアフラム59−1の有効面積をA01、第1の連通孔67bの断面積をA11、スプール60の第1の開口60aの断面積をA21、ガイド部71eの断面積をA31とした場合、これらの面積A01,A11,A21,A31の関係がA01>A11>A21>A31とされている。また、第1のポペット弁71の給気弁71bによって開閉される第1の連通孔67bの径φD11が大きくされ、この第1の連通孔67bの径φD11とダイアフラム59−1の有効径φD01との差が小さくされている。
また、第2のポペット弁76は、給気弁76aに連なる供給空気圧室54側の外周面76eを当該ポペット弁の移動を案内するガイド部として有している(図14参照)。また、ダイアフラム59−5の有効径をφD02、第2の連通孔72bの径をφD12、スプール60の第2の開口60bの径をφD22、ガイド部76eの径をφD32とし、ダイアフラム59−5の有効面積をA02、第2の連通孔72bの断面積をA12、スプール60の第2の開口60bの断面積をA22、ガイド部76eの断面積をA32とした場合、これらの面積A02,A12,A22,A32の関係がA02>A12>A22>A32とされている。また、第2のポペット弁76の給気弁76bによって開閉される第2の連通孔72bの径φD12が大きくされ、この第2の連通孔72bの径φD12とダイアフラム59−5の有効径φD02の差が小さくされている。
これにより、ダイアフラム59−1の有効面積A01と第1の連通孔67bの断面積A11との差が小さくされ、またダイアフラム59−5の有効面積A02と第2の連通孔72bの断面積A12との差が小さくされ、G=An/Aoで表されるパイロットリレーのゲインを示す式において、出力空気圧Po(Po1,Po2)を受ける有効面積Ao(Ao1,Ao2)が小さくなり、入力空気圧Pnを受ける有効面積Anを変えないまま、高ゲイン化が図られるものとなる。
また、この実施の形態2の構造では、第1の連通孔67bの径φD11(断面積A11)とスプール60の第1の開口60aの径φD21(断面積A21)との関係がφD11>φD21(A11>A21)とされている。この場合、第1の連通孔67bの径φD11(給気ポート径)とスプール60の第1の開口60aの径φD21(排気ポート径)とをなるべく近くなるようにすると、給排気時に第1のポペット弁71が暴れずに安定し易くなる。
また、この実施の形態2の構造では、第2の連通孔72bの径φD12(断面積A12)とスプール60の第2の開口60bの径φD22(断面積A22)との関係がφD12>φD22(A12>A22)とされている。この場合、第2の連通孔72bの径φD12(給気ポート径)とスプール60の第2の開口60bの径φD22(排気ポート径)とをなるべく近くなるようにすると、給排気時に第2のポペット弁71が暴れずに安定し易くなる。
また、この実施の形態2の構造では、スプール60の第1の開口60aの径φD21(断面積A21)とガイド部71eの径φD31(断面積A31)との関係がφD21>φD31(A21>A31)とされている。これにより、出力空気圧Po1が供給空気圧Psとなった場合でも、給気ポートのセルフシールを確保することが可能となる。また、スプール60の第2の開口60bの径φD22(断面積A22)とガイド部76eの径φD32(断面積A32)との関係がφD22>φD32(A22>A32)とされている。これにより、出力空気圧Po2が供給空気圧Psとなった場合でも、給気ポートのセルフシールを確保することが可能となる。
また、この複動型のパイロットリレーでは、図12に示されるようにスプール60に、第1の出力空気圧室55に位置する第1の開口60aを第1の排気室59−1に連通させる第1の排気通路60c1と、第2の出力空気圧室56に位置する第2の開口60bを第2の排気室57−2に連通させる第2の排気通路60c2とが設けられ、第1の排気通路60c1と第2の排気通路60c2とが非通路部分60dによって分断されている。この構造において、スプール60は、非通路部分60dで上下あるいは左右に分割することが可能であり、ネジ止めなどの簡易な方法でスプール60を組み立てるようにして、生産性を向上させることができる。
また、この複動型のパイロットリレーでは、第1の出力空気圧室55が第1のダイアフラム59−1を介して第1の排気室57−1と隣接し、第1の排気室57−1が第2のダイアフラム59−2を介してバイアス室58と隣接している。また、入力空気圧室52が第3のダイアフラム59−3を介してバイアス室58と隣接し、第2の出力空気圧室56が第5のダイアフラム59−5を介して第2の排気室57−2と隣接している。
このような各室の配置から分かるように、このパイロットリレーでは、入力空気圧室52と第1の出力空気圧室55との間にバイアス室58と第1の排気室59−1が設けられており、入力空気圧室52と第2の出力空気圧室56との間に第2の排気室59−2が設けられており、入力空気圧室52は第1の出力空気圧室55にも第2の出力空気圧室56にも隣接していないので、ダイアフラム59−1〜59−5の中に圧力の正負の変化が激しいダイアフラムはない。このため、入力空気圧室52と出力空気圧室55,56とを隣接させ、その間にダイアフラムを設けるような構造と比較して、ダイアフラムの耐久性が向上する。
なお、この実施の形態2では、第1のポペット弁71に微細連通路71dを、第2のポペット弁76に微細連通路76dを設けるようにしたが、図15に示すように、ハウジング51に微細連通路51a,51bを形成し、第1の出力空気圧室55と第1の排気室57−1とを微細連通路51aを通して、また第2の出力空気圧室56と第1の排気室57−2とを微細連通路51bを通して、連通させるようにしてもよい。また、図16に示すように、スプール60に微細連通路60e,60fを形成し、第1の出力空気圧室55と第1の排気室57−1とを微細連通路60eを通して、第2の出力空気圧室56と第2の排気室57−2とを微細連通路60fを通して、連通させるようにしてもよい。また、図17に示すように、ハウジング1に、微細連通路51c,51dを形成し、第1の出力空気圧室55を微細連通路51bを通して、第2の出力空気圧室56を微細連通路51cを通して、直接大気と連通させるようにしてもよい。
また、この実施の形態2では、バイアス室58を入力空気圧室52と第1の排気室57−1との間に設けたが、第1の出力空気圧室55と第1の排気室57−1との間にバイアス室58を設けるようにしてもよい。
図18に第1の出力空気圧室55と第1の排気室57−1との間にバイアス室58を設けた例を示す。この例では、バイアス室58を、第1のダイアフラム59−1を介して第1の出力空気圧室55と隣接させるとともに第2のダイアフラム59−2を介して第1の排気室57−1と隣接させている。また、入力空気圧室52を、第3のダイアフラム59−3を介して第1の排気室57−1と隣接させるとともに第4のダイアフラム59−4を介して第2の排気室57−2と隣接させている。また、第2の排気室57−2を、第5のダイアフラム59−5を介して第2の出力空気圧室56と隣接させている。
この構造でも、スプール60に、第1の開口60aを第1の排気室57−1に連通させる第1の排気通路60c1と、第2の開口60bを第2の排気室57−2に連通させる第2の排気通路60c2とが設けられ、第1の排気通路60c1と第2の排気通路60c2とが非通路部分60dによって分断されている。
この構造において、第1の排気通路60c1はスプール60の中央部分で第1の排気室57−1に開口するが、スプール60を非通路部分60dで上下あるいは左右に分割することが可能であり、ネジ止めなどの簡易な方法でスプール60を組み立てるようにして、生産性を向上させることができる。
また、この構造においても、入力空気圧室52は第1の出力空気圧室55にも第2の出力空気圧室56にも隣接していないので、入力空気圧室52と出力空気圧室55,56との間を仕切るダイアフラムは存在せず、ダイアフラムの耐久性が向上する。
また、図19に示すように、スプール60に第1の開口60aと第2の開口60bとを結ぶ貫通孔を排気通路60cとして設け、入力空気圧室52と第2の出力空気圧室56との間に第2の排気室57−2に代えてバイアス室89を設け、第1の排気室57−1を1つの排気室57とし、スプール60の第1の開口60aおよび第2の開口60bから引き込まれる空気を排気室57へ排出するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態1,2では、φD0を12mm程度、φD1を8mm程度としたが、これはあくまでも一例であり、φD0とφD1との差すなわちA0とA1との差が従来の構造のものよりも小さければよく、A0とA1との比率(2.5以下ぐらい)などによってその差を小さくしてもよい。