JP2004360729A - 減速機とこれを備えた電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】減速機50は、ウォーム軸11とウォームホイール12のうちの少なくとも一方を永久磁石化し、かつ両歯車の噛み合い部分Aを含む領域に、潤滑剤と、磁性体を内包した緩衝材粉末とを含む潤滑剤組成物を充てんした。また電動パワーステアリング装置は、操舵補助用のモータMの出力を、上記減速機50を介して減速して、舵取機構に伝える。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウォームなどの小歯車と、ウォームホイールなどの大歯車とを有する減速機と、かかる減速機を備えた電動パワーステアリング装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の電動パワーステアリング装置には減速機が用いられる。例えばコラム型EPSでは、電動モータの回転を、減速機において、ウォーム等の小歯車からウォームホイール等の大歯車に伝えることで減速するとともに出力を増幅したのち、コラムに付与することで、ステアリング操作をトルクアシストしている。
減速機構としての小歯車と大歯車との噛み合いには適度なバックラッシが必要である。しかし、例えば歯車の正逆回転時や、石畳み等の悪路を走行してタイヤからの反力が入力された際などに、バックラッシに起因して歯打ち音が発生する場合があり、これらの音が車室内に騒音として伝わると運転者に不快感を与えることになる。
【0003】
このため従来は、適正なバックラッシとなるように小歯車と大歯車との組み合わせを選別して減速機を組み立てる、いわゆる層別組み立てをしているが、かかる方法では生産性が著しく低いという問題がある。また層別組み立てをしたとしても、ウォームホイールの軸の偏芯による操舵トルクのむらが発生するという別の問題がある。
そこで、例えばウォーム軸をウォームホイールヘ向けて偏倚可能とするとともに、ウォーム軸をその偏倚方向へ付勢するばね体などの付勢手段を設けることでバックラッシをなくするようにした、電動パワーステアリング装置における減速機などが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−43739号公報(第0007欄〜第0009欄、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1などの減速機は構造が極めて複雑になり、製造コストがかさむという問題がある。
そこで本発明の目的は、騒音を、小歯車と大歯車とを組み合わせた際のバックラッシの大きさに関係なく、また構造を複雑化することなく、これまでよりも小さくすることができる減速機と、それを用いた電動パワーステアリング装置とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の減速機は、小歯車および大歯車を備えた減速機であって、上記小歯車および大歯車のうちの少なくとも一方を永久磁石化し、かつ両歯車の噛み合い部分を含む領域に、潤滑剤と、磁性体を内包した緩衝材粉末とを含む潤滑剤組成物を充てんしたことを特徴とするものである。
また緩衝材粉末としては、ゴムまたは軟質樹脂からなる粉末中に、磁性体の微粒子を分散させた構造を有するものが好ましい。
【0007】
さらに本発明の電動パワーステアリング装置は、操舵補助用のモータの出力を、上記の減速機を介して減速して、舵取機構に伝えることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、小歯車および大歯車のうちの少なくとも一方を永久磁石化するとともに、潤滑剤組成物中に、磁性体を内包した緩衝材粉末を分散することによって、当該緩衝材粉末を、永久磁石の磁力によって常に、上記両歯車の噛み合い部分の近傍に集中的に存在させ、そしてより効率よく、両歯車の噛み合い部分に介在させて、減速機の騒音を低減することができる。
【0009】
すなわち発明者の検討によると、両歯車がいずれも永久磁石化されておらず、なおかつ緩衝材粉末が磁性体を内包していない場合、当該緩衝材粉末は、減速機の駆動時に、小歯車の高速回転に伴って生じる遠心力によって飛ばされたり、あるいは大歯車によって運ばれたりして、両歯車の噛み合い部分から離れたハウジングの隅などの、潤滑剤の流れのない部分に滞留しやすい。
そして、潤滑剤組成物に加えた緩衝材粉末のかなりの部分が上記のように両歯車の噛み合い部分から離れた部分に滞留すると、当該緩衝材粉末による、上記噛み合い部分に介在して減速機の騒音を低減する効果が不十分になるおそれがある。
【0010】
また潤滑剤組成物中に緩衝材粉末を多めに含有させて、噛み合い部分に介在する量を増加させることも考えられるが、その場合には潤滑剤組成物の粘度が上昇して操舵トルクが大きくなるという別の新たな問題を生じる。
これに対し本発明によれば、永久磁石化したいずれか一方の歯車の表面に、その磁力によって緩衝材粉末を吸着させて、小歯車の高速回転に伴う遠心力によって飛ばされるのを抑制することができる。また、大歯車と小歯車の回転に伴ってハウジング内に発生する潤滑剤の流れと、永久磁石の磁力とによって、小歯車の高速回転に伴って飛ばされたり、大歯車によって運ばれたりして滞留した緩衝材粉末を再び、両歯車の噛み合い部分に集めることもできる。
【0011】
このため、潤滑剤組成物の粘度を上昇させるおそれのない少量の緩衝材粉末を、前記のように大歯車と小歯車との噛み合い部分の近傍に集中的に存在させて、効率よく、騒音低減のために機能させることができる。
しかもグリース等の潤滑剤に単に、磁性体を内包した緩衝材粉末を添加するとともに、小歯車および大歯車のうち少なくとも一方を永久磁石化するだけで、減速機の構造を複雑化することなく、コスト安価に騒音を低減することもできる。
【0012】
なお緩衝材粉末は、前記のようにゴムまたは軟質樹脂からなる粉末中に、磁性体の微粒子を分散させた構造とするのが、製造が容易で安価である上、当該粉末に、上記ゴムや軟質樹脂の軟らかさを保持させて、緩衝作用を十分に発揮させることができるため好ましい。
さらに本発明の電動パワーステアリング装置は、操舵補助用のモータの出力を、上記の減速機を介して減速して舵取機構に伝えるものゆえ、車室内での騒音をコスト安価に低減できる点で好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態にかかる電動パワーステアリング装置の概略断面図である。また図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。
図1を参照して、この例の電動パワーステアリング装置では、ステアリングホイール1を取り付けている入力軸としての第1の操舵軸2と、ラックアンドピニオン機構等の舵取機構(図示せず)に連結される出力軸としての第2の操舵軸3とがトーションバー4を介して同軸的に連結されている。
【0014】
第1および第2の操舵軸2、3を支持するハウジング5は、例えばアルミニウム合金からなり、車体(図示せず)に取り付けられている。ハウジング5は、互いに嵌め合わされるセンサハウジング6とギヤハウジング7により構成されている。具体的には、ギヤハウジング7は筒状をなし、その上端の環状縁部7aがセンサハウジング6の下端外周の環状段部6aに嵌め合わされている。ギヤハウジング7は減速機構としてのウォームギヤ機構8を収容し、センサハウジング6はトルクセンサ9および制御基板10等を収容している。ギヤハウジング7にウォームギヤ機構8を収容することで減速機50が構成されている。
【0015】
ウォームギヤ機構8は、第2の操舵軸3の軸方向中間部に一体回転可能でかつ軸方向移動を規制されたウォームホイール12と、このウォームホイール12と噛み合い、かつ電動モータMの回転軸32に、スプライン継手33を介して連結されるウォーム軸11(図2参照)とを備える。
このうちウォームホイール12は、第2の操舵軸3に一体回転可能に結合される環状の芯金12aと、芯金12aの周囲を取り囲んで外周面部に歯を形成する合成樹脂部材12bとを備えている。芯金12aは、例えば合成樹脂部材12bの樹脂成形時に金型内にインサートされるものである。
【0016】
上記のうちウォーム軸11を永久磁石化するためには、当該ウォーム軸11を、例えば炭素鋼、タングステン鋼、KS鋼、アルニコなどの硬磁性材料で形成し、なおかつ磁化させればよい。
一方、ウォームホイール12を永久磁石化するためには、合成樹脂部材12bを、いわゆるプラスチック磁石材料にて成形するとともに磁化させればよい。また図示していないが、ウォームホイール12自体は金属にて一体に形成し、その歯面に、プラスチック磁石材料にて成形し、磁化させた永久磁石の層を形成してもよい。あるいはウォームホイール12自体を上記の硬磁性材料で形成して磁化させるとともに、その歯面に、合成樹脂部材と同じ通常の合成樹脂からなる層を形成してもよい。
【0017】
ウォーム軸11とウォームホイール12は、いずれか一方を永久磁石化してあればよく、他方は永久磁石化してもよいし、一次磁石として機能しうる軟鉄、ケイ素鋼、パーマロイなどの軟磁性材料によって形成してもよい。また樹脂材料その他、磁石として機能しない材料で形成してもよい。
とくにウォーム軸11とウォームホイール12のうちの一方を永久磁石化し、かつ他方を、永久磁石と接触することで磁化される一次磁石として機能する軟磁性材料によって形成した場合、後者の磁極は、両者の相対回転に伴う、前者の磁極との位置の変化に応じて刻々、最適な状態に変化する。このためウォーム軸11とウォームホイール12との間で生じる磁場によって、両者の噛み合い部分の近傍に、磁性体を内包した緩衝材粉末を、より良好に、集中的に存在させることができる。
【0018】
かかる永久磁石と一次磁石の組み合わせの具体例としては、例えば前記例示のいずれかの構成によって永久磁石化したウォームホイール12と、軟磁性材料にて形成したウォーム軸11との組み合わせや、あるいは永久磁石化したウォーム軸11と、それ自体を軟磁性材料で形成するとともに、その歯面に、合成樹脂部材と同じ通常の合成樹脂からなる層を形成したウォームホイール12との組み合わせなどを挙げることができる。
【0019】
第2の操舵軸3は、ウォームホイール12を軸方向の上下に挟んで配置される第1および第2の転がり軸受13、14により回転自在に支持されている。
第1の転がり軸受13の外輪15は、センサハウジング6の下端の筒状突起6b内に設けられた軸受保持孔16に嵌め入れられて保持されている。また外輪15の上端面は環状の段部17に当接しており、センサハウジング6に対する軸方向上方への移動が規制されている。
【0020】
一方、第1の転がり軸受13の内輪18は、第2の操舵軸3に締まりばめにより嵌め合わされている。また内輪18の下端面は、ウォームホイール12の芯金12aの上端面に当接している。
第2の転がり軸受14の外輪19は、ギヤハウジング7の軸受保持孔20に嵌め入れられて保持されている。また外輪19の下端面は、環状の段部21に当接し、ギヤハウジング7に対する軸方向下方への移動が規制されている。
【0021】
一方、第2の転がり軸受14の内輪22は、第2の操舵軸3に一体回転可能で、かつ軸方向の相対移動を規制されて取り付けられている。また内輪22は、第2の操舵軸3の段部23と、第2の操舵軸3のねじ部に締め込まれるナット24との間に挟持されている。
トーションバー4は、第1および第2の操舵軸2、3を貫通している。トーションバー4の上端4aは、連結ピン25により第1の操舵軸2と一体回転可能に連結され、下端4bは、連結ピン26により第2の操舵軸3と一体回転可能に連結されている。第2の操舵軸3の下端は、図示しない中間軸を介して、前記のようにラックアンドピニオン機構等の舵取機構に連結されている。
【0022】
連結ピン25は、第1の操舵軸2と同軸に配置される第3の操舵軸27を、第1の操舵軸2と一体回転可能に連結している。第3の操舵軸27はステアリングコラムを構成するチューブ28内を貫通している。
第1の操舵軸2の上部は、例えば針状ころ軸受からなる第3の転がり軸受29を介してセンサハウジング6に回転自在に支持されている。第1の操舵軸2の下部の縮径部30と第2の操舵軸3の上部の孔31とは、第1および第2の操舵軸2、3の相対回転を所定の範囲に規制するように、回転方向に所定の遊びを設けて嵌め合わされている。
【0023】
次いで図2を参照して、ウォーム軸11は、ギヤハウジング7により保持される第4および第5の転がり軸受34、35によりそれぞれ回転自在に支持されている。
第4および第5の転がり軸受34、35の内輪36、37は、ウォーム軸11の対応するくびれ部に嵌合されている。また外輪38、39は、ギヤハウジング7の軸受保持孔40、41にそれぞれ保持されている。
【0024】
ギヤハウジング7は、ウォーム軸11の周面の一部に対して径方向に対向する部分7bを含んでいる。
また、ウォーム軸11の一端部11aを支持する第4の転がり軸受34の外輪38は、ギヤハウジング7の段部42に当接して位置決めされている。一方、内輪36は、ウォーム軸11の位置決め段部43に当接することによって他端部11b側への移動が規制されている。
【0025】
またウォーム軸11の他端部11b(継手側端部)の近傍を支持する第5の転がり軸受35の内輪37は、ウォーム軸11の位置決め段部44に当接することによって一端部11a側への移動が規制されている。また外輪39は、予圧調整用のねじ部材45により、第4の転がり軸受34側へ付勢されている。ねじ部材45は、ギヤハウジング7に形成されるねじ孔46にねじ込まれることにより、一対の転がり軸受34、35に予圧を付与すると共に、ウォーム軸11を軸方向に位置決めしている。47は、予圧調整後のねじ部材45を止定するため、当該ねじ部材45に係合されるロックナットである。
【0026】
ギヤハウジング7内において、ウォーム軸11とウォームホイール12の噛み合い部分Aを少なくとも含む領域には、先に述べたように緩衝材粉末を分散した潤滑剤組成物が充填される。すなわち潤滑剤組成物は、噛み合い部分Aのみに充填しても良いし、噛み合い部分Aとウォーム軸11の周縁全体に充填しても良いし、ギヤハウジング7内全体に充填しても良い。
(潤滑剤組成物)
潤滑剤組成物としては、潤滑油やグリース等の潤滑剤に、磁性体を内包した緩衝材粉末を分散したものを用いる。
【0027】
また緩衝材粉末としては、前記のようにゴムまたは軟質樹脂からなる粉末中に、磁性体の微粒子を分散させた構造を有するものが好ましい。
かかる緩衝材粉末を形成する軟質樹脂としては、例えばヤング率が1〜105MPa程度のものが好ましい。軟質樹脂のヤング率が1MPa未満では緩衝材粉末が軟らかくなりすぎ、逆に105MPaを超える場合には硬くなりすぎるため、このいずれの場合にも緩衝作用が低下するおそれがある。
【0028】
かかる軟質樹脂としては、例えばポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性または硬化性のウレタン樹脂等を挙げることができる。また、例えばオレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系などの耐油性の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。
一方、ゴムとしては、例えばエチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム(U)等をあげることができる。
【0029】
また緩衝材粉末は自己潤滑性を有しているのが好ましく、そのような自己潤滑性を有する緩衝材粉末としては、上記のうちポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、フッ素系熱可塑性エラストマーにて形成したものや、滑剤としてフッ素樹脂を添加した合成樹脂製、合成ゴム製の粉末を挙げることができる。
緩衝材粉末に分散させる磁性体の微粒子としては、永久磁石化したウォーム軸11および/またはウォームホイール12に、その磁力によって吸着させることのできる種々の磁性体の微粒子を用いることができ、その具体例としては、前述した硬磁性材料や軟磁性材料の微粒子を挙げることができる。
【0030】
磁性体の微粒子の粒径は、緩衝材粉末の粒径より小さければ構わないが、緩衝材粉末による緩衝作用を阻害しないためには、緩衝材粉末の粒径の50%以下、とくに30%以下程度であるのが好ましい。
また磁性体の微粒子の含有割合は、緩衝材粉末の総量に対して5〜50重量%であるのが好ましい。含有割合がこの範囲未満では、永久磁石化したウォーム軸11および/またはウォームホイール12に、その磁力によって良好に吸着されないおそれがあり、逆に上記の範囲を超える場合には、相対的に軟質樹脂やゴムの割合が少なくなって、緩衝材粉末が硬くなるため、良好な緩衝作用を発揮できないおそれがある。
【0031】
緩衝材粉末の平均粒径は、0.1〜400μmの範囲内であるのが好ましい。平均粒径が0.1μm未満では十分な緩衝作用が得られないおそれがあり、逆に400μmを超える場合には潤滑剤から分離しやすくなって、均一な潤滑剤組成物が得られないおそれがある。
なお緩衝作用をより一層、向上することを考慮すると、緩衝材粉末の平均粒径は、上記の範囲内でも10μm以上、とくに50μm以上、さらには100μm以上であるのが好ましい。
【0032】
また、平均粒径が10μm以上である緩衝材粉末と、10μm未満である緩衝材粉末とを併用すると、平均粒径の大きい緩衝材粉末の隙間を平均粒径の小さい緩衝材粉末が埋めるため、緩衝作用をさらに向上することができる。
緩衝材粉末の形状は球状、粒状、薄片状、棒状等の種々の形状が選択できるが、潤滑剤組成物の流動性などを考慮すると、とくに球状または粒状が好ましい。
緩衝材粉末は、潤滑剤100重量部に対して40〜200重量部の割合で配合するのが好ましい。
【0033】
緩衝材粉末の割合が40重量部未満では、当該緩衝材粉末による緩衝作用が不十分になるおそれがあり、逆に200重量部を超える場合には潤滑剤組成物の流動性が低下して、潤滑剤として機能しえなくなるおそれがある。
上記緩衝材粉末を分散させる潤滑剤としては、液状の潤滑油と半固体状のグリースのいずれを用いても良い。
このうち潤滑油としては、その動粘度が5〜200mm2/s(40℃)であるものを用いるのが好ましい。
【0034】
潤滑油としては、合成炭化水素油(例えばポリαオレフィン油)が好ましいが、シリコーン油、フッ素油、エステル油、エーテル油等の合成油や鉱油などを用いることもできる。潤滑油は、それぞれ単独で使用できる他、2種以上を混合しても良い。
また潤滑油には、必要に応じて固体潤滑剤(二硫化モリブデン、グラファイト、PTFE等)、リン系や硫黄系の極圧添加剤、トリブチルフェノール、メチルフェノール等の酸化防止剤、防錆剤、金属活性剤、粘度指数向上剤、油性剤などを添加してもよい。
【0035】
一方、グリースとしては、緩衝材粉末を添加した潤滑剤組成物としてのちょう度が、NLGI(National Lubricating Grease Institute)番号で表してNo.0〜No.000であるものを用いるのが好ましい。
グリースは、従来同様に潤滑基油に、増ちょう剤を添加して形成される。
潤滑基油としては、合成炭化水素油(例えばポリαオレフィン油)が好ましいが、シリコーン油、フッ素油、エステル油、エーテル油等の合成油や鉱油などを用いることもできる。潤滑基油の動粘度は5〜200mm2/s(40℃)であるのが好ましく、20〜100mm2/s(40℃)であるのがさらに好ましい。
【0036】
また増ちょう剤としては、従来公知の種々の増ちょう剤(石けん系、非石けん系)が使用できる。
さらにグリースには、やはり必要に応じて固体潤滑剤(二硫化モリブデン、グラファイト、PTFE等)、リン系や硫黄系の極圧添加剤、トリブチルフェノール、メチルフェノール等の酸化防止剤、防錆剤、金属活性剤、粘度指数向上剤、油性剤などを添加してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、一実施形態にかかる電動パワーステアリング装置の概略断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
Claims (3)
- 小歯車および大歯車を備えた減速機であって、上記小歯車および大歯車のうちの少なくとも一方を永久磁石化し、かつ両歯車の噛み合い部分を含む領域に、潤滑剤と、磁性体を内包した緩衝材粉末とを含む潤滑剤組成物を充てんしたことを特徴とする減速機。
- 緩衝材粉末が、ゴムまたは軟質樹脂からなる粉末中に、磁性体の微粒子を分散させた構造を有する請求項1記載の減速機。
- 操舵補助用のモータの出力を、請求項1記載の減速機を介して減速して、舵取機構に伝えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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