JP2009114259A - 潤滑剤組成物とそれを用いた減速機および電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】動粘度(40℃)が400ないし3000mm2/Sの基油と、増ちょう剤と、平均粒径が0.5ないし100μmの緩衝材粒子2ないし50質量%とを調合して、ちょう度をNo.2ないしNo.00とした潤滑剤組成物と、前記潤滑剤組成物を充填した減速機18と、前記減速機を組み込んだ電動パワーステアリング装置1である。
【選択図】図1
Description
本発明の潤滑剤組成物は、動粘度(40℃)が400mm2/S以上、3000mm2/S以下の基油と、増ちょう剤と、平均粒径が0.5μm以上、100μm以下の緩衝材粒子とを含み、前記緩衝材粒子の含有割合が2質量%以上、50質量%以下で、かつちょう度がNo.2ないしNo.00であることを特徴とするものである。前記本発明によれば、特に波動歯車装置やサイクロイド歯車装置等の、バックラッシを著しく小さくすることができる歯車装置からなる減速機等に使用した際に、前記減速機の回転トルク、および電動パワーステアリング装置の操舵トルクを過剰に上昇させることなしに、前記歯車装置の構造に基づいて発生する振動や異音を効果的に低減することが可能となる。
〈減速機および電動パワーステアリング装置〉
図1は、本発明の一実施形態にかかる電動パワーステアリング装置の概略図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2と一体回転可能に連結されたステアリングシャフト3と、前記ステアリングシャフト3に、自在継手4を介して連結された中間シャフト5と、前記中間シャフト5に、自在継手6を介して連結されたピニオンシャフト7と、前記ピニオンシャフト7に設けられたピニオン歯7aに噛み合うラック歯8aを有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラックバー8とを有している。ピニオンシャフト7およびラックバー8によりラックアンドピニオン機構からなる操舵機構9が構成されている。
(緩衝材粒子)
緩衝材粒子としては、ポリウレタン樹脂を構成する繰り返し単位のもとになる出発原料としてのポリオールと、架橋剤と、ポリイソシアネートとを、前記各成分を溶解しない非水系の分散媒中に、液滴状に分散させた状態で反応させてポリウレタン樹脂を合成する分散重合法によって製造した、前記ポリウレタン樹脂からなる球状の粒子を用意した。レーザー回折・散乱法を利用した粒度分布測定装置〔日機装(株)製の登録商標マイクロトラック〕を用いて測定した、前記緩衝材粒子の平均粒径(体積平均径)は40μmであった。また、下記の方法で測定された、緩衝材粒子の25℃での弾性率は12MPaであった。
図4に示すように、製造した緩衝材粒子101を、平面状とされた石英製のベース102上に載置し、その上から、先端面が平面状とされた石英製の検出棒103の、前記先端面を、緩衝材粒子101に当接させた状態で、前記緩衝材粒子101を、検出棒103によって、一定の荷重Fを加えて、ベース102の方向に圧縮した際の、前記ベース102の表面と、検出棒103の先端面との間の間隔Gを測定し、測定結果から、式(1):
に基づいて、緩衝材粒子101の弾性率Eを求める操作を実施(測定温度25℃)して、前記測定温度における、緩衝材粒子101の弾性Eを求めた。
(グリースの調製)
基油としての、動粘度(40℃)が1000mm2/sである合成炭化水素油と、リチウムステアレート系増ちょう剤とを、3本ロールミルを用いて混合しながら、さらに同じ基油と、先に用意した緩衝材粒子とを加えて混合して、潤滑剤組成物としての、緩衝材粒子の含有割合が20質量%、ちょう度がNLGI番号で表してNo.1であるグリースを調製した。
基油として、動粘度(40℃)が400mm2/sである合成炭化水素油(実施例2)、または3000mm2/sである合成炭化水素油(実施例3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、潤滑剤組成物としての、緩衝材粒子の含有割合が20質量%、ちょう度がNLGI番号で表してNo.1であるグリースを調製した。
緩衝材粒子として、分散重合法によって製造した、平均粒径(体積平均径)が0.5μm(実施例4)、または100μm(実施例5)である、ポリウレタン樹脂からなる球状の粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、潤滑剤組成物としての、緩衝材粒子の含有割合が20質量%、ちょう度がNLGI番号で表してNo.1であるグリースを調製した。なお、緩衝材粒子の25℃での弾性率は、いずれも12MPaであった。
潤滑剤組成物における、緩衝材粒子の含有割合を2質量部(実施例6)、または50質量部(実施例7)としたこと以外は実施例1と同様にして、潤滑剤組成物としての、ちょう度がNLGI番号で表してNo.1であるグリースを調製した。
〈実施例8、9〉
リチウムステアレート系増ちょう剤の含有割合を調整して、そのちょう度を、NLGI番号で表してNo.00(実施例8)、またはNo.2(実施例9)としたこと以外は実施例1と同様にして、潤滑剤組成物としてのグリースを調製した。
基油として、動粘度(40℃)が30mm2/sである合成炭化水素油を用いると共に、緩衝材粒子を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、潤滑剤組成物としての、ちょう度がNLGI番号で表してNo.1であるグリースを調製した。
〈比較例2〉
緩衝材粒子を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、潤滑剤組成物としての、ちょう度がNLGI番号で表してNo.1であるグリースを調製した。
実施例1ないし9、比較例1、2で調製したグリースを、図1に示す電動パワーステアリング装置1の、図2に示す波動歯車装置からなる減速機18に充填して、振動[dB(A)]、および操舵トルク(N・m)を測定した。そして、両測定値について、下記の基準で評価を行った。
◎:測定値が33dB(A)以下であった。振動の低減効果きわめて良好。
○:測定値が33dB(A)を超え、35dB(A)以下であった。振動の低減効果良好。
×:測定値が35dB(A)を超えていた。振動の低減効果不良。
◎:操舵トルクが2.8N・m以下であった。操舵トルクの抑制効果きわめて良好。
○:操舵トルクが2.8N・mを超え、3.0N・m以下であった。操舵トルクの抑制効果良好。
×:操舵トルクが3.0N・mを超えていた。操舵トルクが上昇した。
Claims (5)
- 動粘度(40℃)が400mm2/S以上、3000mm2/S以下の基油と、増ちょう剤と、平均粒径が0.5μm以上、100μm以下の緩衝材粒子とを含み、前記緩衝材粒子の含有割合が2質量%以上、50質量%以下で、かつちょう度がNo.2ないしNo.00であることを特徴とする潤滑剤組成物。
- 緩衝材粒子が、軟質樹脂、およびゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる粒子である請求項1に記載の潤滑剤組成物。
- サーキュラスプラインと、前記サーキュラスプラインの内側に配置されたフレクススプラインと、前記フレクススプラインを半径方向に撓ませて、前記サーキュラスプラインに対して部分的に噛み合わせると共に、前記噛み合わせ位置を周方向に移動させることにより、前記サーキュラスプラインおよびフレクススプラインの間に相対回転を生じさせるウエーブジェネレータとを備え、前記両歯車の噛み合い部分を含む領域に、請求項1または2に記載の潤滑剤組成物を充填したことを特徴とする減速機。
- 内歯歯車と、前記内歯歯車に対して部分的に噛み合わせた状態で偏心回転して、前記噛み合わせ位置を周方向に移動させることにより、前記内歯歯車に対して相対回転される外歯歯車とを備え、前記両歯車の噛み合い部分を含む領域に、請求項1または2に記載の潤滑剤組成物を充填したことを特徴とする減速機。
- 操舵補助用の電動モータの出力を、請求項3または4に記載の減速機を介して減速して、操舵機構に伝えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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