JP5282940B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用操舵装置に関するものである。
車両用操舵装置として、複数の電動モータの回転力を、各電動モータ毎に、クラッチおよび減速機構を介して、操舵機構に与えて操舵補助する電動パワーステアリング装置が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特開平8−258728号公報
しかしながら、複数のモータを用いる場合、減速機構において歯車の噛み合い部の箇所が増える。このため、振動や騒音が高くなるおそれがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の電動モータを用いた場合にも、騒音の発生を抑制することができる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、操舵力を発生するためのアクチュエータ(161,162,…)と、上記アクチュエータに接続された第1の減速機構(17,17E)と、上記第1の減速機構に接続された第2の減速機構(18)と、上記第2の減速機構に接続された舵取り機構(A)と、を備え、上記第1の減速機構は、上記アクチュエータに接続された駆動部材(211,212,…)と、上記駆動部材に従動する環状の従動部材(22;221,222)とを含み、上記従動部材の内周(22a)が、上記駆動部材に伝動可能に連結されており、上記駆動部材および上記従動部材の伝動領域(B)に潤滑剤(L)が充填されていることを特徴とするものである。
本発明では、駆動部材が環状の従動部材に内接することになる。潤滑剤が従動部材の回転に伴う遠心力を受けて従動部材の内周に集まるので、従動部材の内周に潤滑剤を潤沢に保持することができる。したがって、駆動部材および従動部材の伝動領域に生ずる振動や騒音を低減することができる。潤滑剤としては、基油とポリマーと増ちょう剤とを含有した潤滑剤組成物を用いることが、騒音防止のために好ましい。
また、上記駆動部材の支軸(20)および上記従動部材の支軸(32)が、互いに平行である場合がある(請求項2)。この場合、駆動部材および従動部材の支軸の軸方向に関して、駆動部材および従動部材を同じ位置に配置することができるので、上記支軸の軸方向に関して、車両用操舵装置を小型にすることができる。
また、上記アクチュエータおよび上記第1の減速機構が、共通のハウジング(19;19E)に収容されており、上記ハウジング内に上記潤滑剤が収容されている場合がある(請求項3)。この場合、ハウジング内に収容された潤滑剤によって第1の減速機構を潤沢に潤滑することができる。
また、上記アクチュエータは複数の電動モータを含み、上記第1の減速機構の駆動部材が複数設けられ、各駆動部材は、対応する電動モータの回転軸にそれぞれ接続されている場合がある(請求項4)。この場合、複数のモータを横並びで配置するとともに、対応する電動モータの回転軸に接続された各駆動部材および従動部材を、上記回転軸の軸方向に関して同じ位置に配置することができる。したがって、電動モータの回転軸の軸方向に関して、車両用操舵装置をより小型にすることができる。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態の車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置の構成を模式的に示す概略図である。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結される中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されるピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン歯7aに噛み合うラック歯8aを有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラックバー8とを有している。ピニオン軸7およびラックバー8により、ラックアンドピニオン機構からなる舵取り機構Aが構成されている。
ラックバー8は車体に固定されるハウジング9内に図示しない複数の軸受を介して直線往復動自在に支持されている。ラックバー8の両端部はハウジング9の両側へ突出し、各端部にはそれぞれタイロッド10が結合されている。各タイロッド10は対応するナックルアーム(図示せず)を介して対応する転舵輪11に連結されている。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、この回転がピニオン歯7aおよびラック歯8aによって、自動車の左右方向に沿ってのラックバー8の直線運動に変換される。これにより、転舵輪11の転舵が達成される。
ステアリングシャフト3は、操舵部材2に連なる入力側のアッパーシャフト3aと、ピニオン軸7に連なる出力側のロアーシャフト3bとに分割されており、これらアッパーおよびロアーシャフト3a,3bはトーションバー12を介して同一の軸線上で相対回転可能に互いに連結されている。
トーションバー12を介するアッパーおよびロアーシャフト3a,3b間の相対回転変位量により操舵トルクを検出するトルクセンサ13が設けられており、このトルクセンサ13のトルク検出結果は、ECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)14に与えられる。ECU14では、トルク検出結果や車速センサ15から与えられる車速検出結果等に基づいて、操舵力(本実施の形態では操舵補助力)を発生するためのアクチュエータとしての第1および第2の電動モータ161,162を駆動制御する。
第1および第2の電動モータ161,162の出力回転が伝動装置としての第1の減速機構17および第2の減速機構18を介して減速されてピニオン軸7に伝達され、ラックバー8の直線運動に変換されて、操舵が補助される。
第1および第2の電動モータ161,162と、第1の減速機構17と、第1および第2の電動モータ161,162並びに第1の減速機構17を収容するハウジング19とを含む単一のユニットとしてのサブアセンブリSAが構成されている。
第1の減速機構17は、各電動モータ161,162の回転軸20にそれぞれ同行回転可能に連結された駆動部材としての駆動歯車211,212と、これらの駆動歯車211,212に噛み合う従動部材としての内歯歯車からなる従動歯車22とを備えている。各回転軸20が、それぞれ対応する駆動歯車211,212の支軸を構成している。
第2の減速機構18は、第1および第2の電動モータ161,162により第1の減速機構17を介して回転駆動されるウォーム軸23と、このウォーム軸23に噛み合うと共にステアリングシャフト3のロアーシャフト3bに同行回転可能に連結されたウォームホイール24を備えている。すなわち第2の減速機構18はウォームギヤ機構により構成されている。
図2を参照して、サブアセンブリSAは、互いに所定間隔を隔てて対向する第1の支持板25および第2の支持板26を有している。第1の支持板25は、第2の減速機構18を収容するギヤハウジング27に、例えば固定ねじ28を用いて締結されている。
第1の支持板25および第2の支持板26の間に、両支持板25,26間の間隔を規制するための複数の筒状のスペーサ29が介在している。そのスペーサ29に挿通された固定ねじ30を用いて、第1の支持板25および第2の支持板26が互いに固定されている。例えば、第2の支持板26のねじ挿通孔を挿通した固定ねじ30が、第1の支持板25に形成されたねじ孔31にねじ込まれることにより、両支持板25,26間にスペーサ29が挟持され、その結果、両支持板25,26が互いに固定されている。
第1の減速機構17の従動歯車22とは同行回転する支軸32が設けられている。一方、第1および第2の支持板25,26には、それぞれ、第1および第2の支持孔33,34が同一軸線上に並ぶように形成されている。従動歯車22の支軸32は、第1の支持孔33に保持された第1の軸受35によって回転可能に支持されているとともに、第2の支持孔34に保持された第2の軸受36を介して回転可能に支持されている。
第2の支持板26は、第1の支持板25に対向する第1の面37と、第1の面37とは反対側の第2の面38とを有している。第2の支持板26の第2の面38に、各電動モータ161,162のモータハウジング39が固定されている。
具体的には、第2の支持板26の第1の面37側から、第2の支持板26のねじ挿通孔40を通して、モータハウジング39の端壁41のねじ孔42にねじ込まれた固定ねじ43を用いて、モータハウジング39が、第2の支持板26に固定されている。
各電動モータ161,162のモータハウジング39の端壁41から、回転軸20が突出しており、回転軸20は、第2の支持板26に形成された挿通孔44を挿通して、第1および第2の支持板25,26間に延びている。各電動モータ161,162の回転軸20の端部にそれぞれ取り付けられた駆動歯車211,212が、共通の従動歯車22に噛み合っている。
図2および図3を参照して、第1および第2の電動モータ161,162のそれぞれの回転軸20に取り付けられた駆動歯車211,212は、内歯歯車からなる従動歯車22に内接している。すなわち、従動歯車22は、環状の本体101と、環状の本体101の一端を閉塞する環状の端壁102とを含んでいる。
上記本体101の内周に、駆動歯車211,212に噛み合う歯が形成されている。また、端壁102の中心に形成された嵌合孔103に、支軸32が同行回転可能に、例えば圧入により嵌合している。端壁102と第2の支持板26との間に、駆動歯車211,212が配置されている。
従動歯車22は本体101および端壁102を含むカップ状をなしており、そのカップ状をなす従動歯車22の内側において少なくとも伝動領域Bに、例えばグリース、潤滑油などの潤滑剤Lが充填されている。すなわち、カップ状をなす従動歯車22内の空間が潤滑剤溜まりとして機能している。そして、従動歯車22内に溜められた潤滑剤Lが、従動歯車22の回転に伴う遠心力を受けて、従動歯車22の内周22aに集まるので、従動歯車22の内周22aに潤滑剤Lを潤沢に保持することができる。したがって、従動歯車22およびこれに内接する駆動歯車211,212の伝動領域Bに生ずる振動や騒音を低減することができる。
潤滑剤Lとしては、基油とポリマーと増ちょう剤とを含有した潤滑剤組成物を用いることが、当該潤滑剤組成物に騒音防止のための良好なダンピング効果を付与できる点で好ましい。特に、良好なダンピング効果を得るためには、油膜厚さが10nm以上であることが好ましく、また、第1の減速機構17の回転抵抗の上昇を抑制しつつ良好なダンピング効果を得るためには、潤滑剤Lの複素弾性率が1KPa以上、3.3KPa以下の範囲にあれば、好ましい。
上記潤滑剤組成物を構成する基油としては、合成炭化水素油〔例えばポリαオレフィン油(PAO)〕が好ましいが、シリコーン油、フッ素油、エステル油、エーテル油等の合成油や鉱油等を用いることもできる。上記基油は、それぞれ単独で使用できる他、2種以上を併用しても良い。また、基油としては、先に説明したように、回転トルクの上昇を広い温度範囲で抑制することを考慮すると、できるだけ粘度が低いものを用いるのが好ましいが、粘度が低すぎる場合には、潤滑剤組成物の油膜厚さや複素弾性率が、上記範囲を満足しない場合を生じるおそれがある。そのため、これらの特性を併せ考慮すると、基油としては、40℃での動粘度が10mm2 /s(40℃)以上、100mm2 /s(40℃)以下、特に20mm2 /s(40℃)以上、40mm2 /s(40℃)以下であるものを用いるのが好ましい。
ポリマーとしては、上記基油と組み合わせた際に、増粘剤として機能しうる種々のポリマーが、いずれも使用可能であるが、特にPAO等の合成炭化水素油と組み合わせた際に、耐久性に優れ、長期間にわたって、増粘剤としての機能を維持できるポリマーとしては、ポリブテン、シス−1,4−ポリイソプレン等のポリイソプレン、およびポリエステルポリオールからなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられる。また、上記ポリマーとしては、所定の基油と組み合わせた際に、油膜厚さや複素弾性率が、先に説明した範囲を満足しうる潤滑剤組成物を構成できる粘度を有するものを、選択して使用することができる。
その具体的な範囲については特に限定されないが、基油として、その動粘度が、先に説明した好適な範囲を満足するものと組み合わせた際に、油膜厚さや複素弾性率が、先に説明した範囲を満足しうる潤滑剤組成物を構成するためには、ポリマーとして、40℃での動粘度が1000mm2 /s(40℃)以上、10000mm2 /s(40℃)以下、特に3000mm2 /s(40℃)以上、7000mm2 /s(40℃)以下であるものを用いるのが好ましい。また、ポリマーの含有割合についても特に限定されないが、それぞれ動粘度が上記好適な範囲を満足する基油とポリマーとを組み合わせて、油膜厚さや複素弾性率が、先に説明した範囲を満足しうる潤滑剤組成物を構成するためには、基油とポリマーと増ちょう剤の総量に占めるポリマーの含有割合が20質量%以上、40質量%以下であるのが好ましい。
増ちょう剤としては、石けん系増ちょう剤、ウレア系増ちょう剤、有機系増ちょう剤、無機系増ちょう剤等の、従来公知の種々の増ちょう剤が挙げられる。このうち、石けん系増ちょう剤としては、アルミニウム石けん、カルシウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん等の金属石けん型増ちょう剤、リチウム−カルシウム石けん、ナトリウム−カルシウム石けん等の混合石けん型増ちょう剤、アルミニウムコンプレックス、カルシウムコンプレックス、リチウムコンプレックス、ナトリウムコンプレックス等のコンプレックス型増ちょう剤等が挙げられ、特にリチウムステアレート等のリチウム石けんが好ましい。 また、ウレア系増ちょう剤としてはポリウレア等が挙げられ、有機系増ちょう剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナトリウムテレフタレート等が挙げられる。さらに無機系増ちょう剤としては、有機ベントナイト、グラファイト、シリカゲル等が挙げられる。また、潤滑剤組成物には、必要に応じて、フッ素樹脂(PTFE等)、二硫化モリブデン、グラファイト、ポリオレフィン系ワックス(アマイド等を含む)等の固体潤滑剤、リン系や硫黄系の極圧添加剤、トリブチルフェノール、メチルフェノール等の酸化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤、油性剤等を添加してもよい。
また、上記潤滑剤組成物が、緩衝材粒子をも含有しているのが好ましい。上記緩衝材粒子は、互いに噛み合う歯車の噛み合い部分に介在して、緩衝材として、駆動歯車211,212および従動歯車22の歯面間の衝突を緩衝するために機能することで、特にラトル音を低減する効果を有しており、第1の減速機構17の回転時に発生する異音を、より一層、効果的に低減することができる。
上記緩衝材粒子としては、ゴム弾性を有する軟質樹脂、およびゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる粒子が好ましい。
上記緩衝材粒子のもとになる軟質樹脂としては、例えばポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
また、ゴムとしては、例えばエチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム(U)等の耐油性のゴムが挙げられる。また、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系等の耐油性の熱可塑性エラストマーを用いて、緩衝材粒子を形成してもよい。中でも、繰り返し単位のもとになる出発原料として、ポリオールと、架橋剤と、ポリイソシアネートとを反応させて合成されるポリウレタン樹脂からなる緩衝材粒子が好ましい。
上記ポリウレタン樹脂からなる緩衝材粒子は、上記各成分の混合液を、上記各成分を溶解しない非水系の分散媒中に、液滴状に分散させた状態で反応させてポリウレタン樹脂を合成する、いわゆる分散重合法によって製造することができる。上記分散重合法によれば、分散媒中に分散した液滴の球状を維持しながら、なおかつ粒径の揃ったポリウレタン樹脂製の緩衝材粒子を、効率よく製造できるという利点がある。また、先に説明したように、上記各成分の種類と含有割合とを調整することによって、緩衝材粒子の弾性率や硬さ等を、任意の範囲で調整できるという利点もある。
緩衝材粒子の粒径は、潤滑する第1の減速機構17の構成、特にバックラッシ等に応じて、最適な範囲を設定することができる。上記分散重合法によって製造される緩衝材粒子の平均粒径を調整するためには、分散条件等を変更することによって、分散媒中に分散される混合液の液滴の粒径を変化させればよい。緩衝材粒子の形状は、不定形粒状その他の形状であっても構わないが、潤滑剤組成物の流動性を向上することや、歯面間での転がり性を向上して、第1の減速機構17の回転トルク、ひいては電動パワーステアリング装置1の操舵トルクが上昇するのを抑制すること等を考慮すると、先に説明した球状であるのが好ましい。
また、緩衝材粒子を形成する軟質樹脂等の弾性率は、例えば潤滑剤組成物の使用温度の範囲内において10-1 MPa以上、104 MPa以下、特に5×10-1 MPa以上、102 MPa以下であるのが好ましい。弾性率が上記範囲未満では、第1の減速機構17を構成する駆動歯車211,212および従動歯車22の噛み合いの衝撃を緩衝して、ラトル音を低減する効果が十分に得られず、車室内での騒音を、十分に低減できないおそれがある。潤滑剤組成物の油膜厚さ、および複素弾性率を、上記範囲内に調整するためには、例えば基油の種類や粘度、ポリマーの種類、粘度、含有割合等、増ちょう剤の種類や含有割合、緩衝材粒子の弾性率、粒径、形状、含有割合等、粘度指数向上剤、油性剤等の添加剤の種類や含有割合等を調整すればよい。
図2を参照して、第1および第2の電動モータ161,162並びに第1の減速機構17を収容するハウジング19は、第1の支持板25と筒状のカバーハウジング45とを組み合わせて構成されており、内部に収容空間104を区画している。カバーハウジング45は、一端46aが開放し第2の支持板26の周囲を取り囲む筒状部46と、その筒状部46の他端46bを閉塞する端壁47とを有している。
図4に示すように、カバーハウジング45の筒状部46の一端46aから径方向外方に延びる環状の取付フランジ48が設けられている。取付フランジ48と第1の支持板25との間には、両者の間を封止するための例えば環状のゴム板からなる封止部材105が圧縮された状態で介在している。取付フランジ48および封止部材105を挿通して第1の支持板の25のねじ孔49にねじ込まれた固定ねじ50を用いて、カバーハウジング45が、第1の支持板25に固定されている。
第1および第2の電動モータ161,162並びに第1の減速機構17を収容するための、ハウジング19内の収容空間104が、封止部材105によって、密閉されており、これにより、潤滑剤Lがハウジング19外へ漏れ出ることが防止されている。
図5を参照して、支軸32は、従動歯車22とは同行回転可能に且つ軸方向に同行移動可能に設けられている。支軸32は軸方向に浮動状に支持されている。具体的には、第1の軸受35は、第1の支持板25の第1の支持孔33に圧入された外輪51と、支軸32がルーズフィットで嵌合された内輪52と、外輪51および内輪52の間に介在する転動体53とを有する玉軸受からなる。
また、第2の軸受36は、第2の支持板26の第2の支持孔34に、圧入されて保持されたスライドメタル等のすべり軸受からなる。ただし、第2の軸受36として、玉軸受等の転がり軸受を用いるようにしてもよい。
支軸32の外周には、支軸32の軸方向に同行移動可能な環状の第1および第2の押圧板54,55が取り付けられている。第1の押圧板54は、第1の軸受35と従動歯車22との間に配置され、第1の軸受35の内輪52の端面52aと第1の押圧板54との間に、例えばゴム製の環状の弾性部材56が圧縮状態で介在している。
また、第2の押圧板55は、第2の軸受36と従動歯車22との間に配置され、第2の軸受36の端面36aと第2の押圧板55との間に、環状の弾性部材57が圧縮状態で介在している。両弾性部材56,57によって、支軸32が軸方向の双方に弾性支持されている。
したがって、従動歯車22に働くスラスト力を弾性部材56,57によって弾性的に受けることができるので、上記スラスト力に起因した、駆動歯車211,212および従動歯車22の伝達効率の低下を抑制することができ、また、上記スラスト力に起因して支軸32と各支持板25,26との間に発生する振動を抑制することができる。
すなわち、複数の小型の電動モータ161,162を用いるとともに、第1の減速機構17を高減速比にしているので、急操舵などで高速回転したときに、各部品の組立精度のばらつき等により、電動モータ161,162の回転軸20とは平行な方向に高いスラスト力が発生するおそれがある。仮に、電動モータ161,162において、回転軸20を玉軸受にて支持した場合には、部品点数が増加したり、異音が発生したりするおそれがある。これに対して、本実施の形態では、上記の弾性部材56,57によって、上記のスラスト力を吸収することができ、これにより、伝達効率の低下を抑制することができ、また、支軸32と各支持板25,26との間に発生する振動を抑制することができる。
再び、図2を参照して、ウォーム軸23は、第1の減速機構17の出力軸としての、従動歯車22の支軸32とは同軸上に配置される。ウォーム軸23は、その軸長方向に離隔する第1および第2の端部23a,23bを有し、第1および第2の端部23a,23b間の中間部に歯部23cを有する。
ウォームホイール24は、ステアリングシャフト3のロアーシャフト3bの軸方向中間部に同行回転可能に且つ軸方向移動不能に連結されている。ウォームホイール24は、ロアーシャフト3bに一体回転可能に結合される環状の芯金58と、芯金58の周囲を取り囲み外周に歯部59aを形成した合成樹脂部材59とを備える。芯金58は、例えば合成樹脂部材59の樹脂成形時に金型内にインサートされるものである。
第1の減速機構17の出力軸としての、従動ギヤ22の支軸32と、ウォーム軸2とが同軸上に並べて配置されており、支軸32およびウォーム軸23は、互いの間に介在する継手60を介して同軸的に動力伝達可能に連結されている。継手60は、支軸32とは同行回転する環状の入力部材61と、ウォーム軸23とは同行回転する環状の出力部材62と、入力部材61および出力部材62の間に介在し入力部材61および出力部材62を動力伝達可能に連結する環状の弾性部材63とを有している。
ウォーム軸23の第1および第2の端部23a,23bは、対応する第3および第4の軸受64,65をそれぞれ介してギヤハウジング27に回転可能に支持されている。第3および第4の軸受64,65は例えば玉軸受からなる。
第3および第4の軸受64,65の内輪66,67が、それぞれ、ウォーム軸23の第1および第2の端部23a,23bに一体回転可能に嵌合されている。各内輪66,67は、ウォーム軸23の対応する互いに逆向きの位置決め段部23d,23eに、それぞれ当接している。第3および第4の軸受66,67の外輪68,69は、ギヤハウジング27の対応する軸受保持孔70,71に保持されている。
軸受保持孔70に隣接するねじ部72に、環状の固定部材73がねじ込まれており、固定部材73が、第3の軸受64の外輪68の端面を押圧している。固定部材73による押圧力は、第3の軸受64の内輪66、ウォーム軸23の位置決め段部23d、23e、第4の軸受65の内輪67および外輪69を介して、軸受保持孔71の底部によって受けらている。これにより、第3の軸受64および第4の軸受65に予圧が付与されている。
また、サブアセンブリSAには、従動歯車22の回転角を検出する回転角検出装置としての回転角センサ74が備えられている。回転角センサ74は、従動歯車22の端面に同行回転可能に取り付けられた例えば環状の可動部75と、可動部75に対向するように、第1の支持板25に固定された固定部76とを備えている。固定部76に可動部75の回転変位を検出するための検出部が設けられている。回転角センサ74の出力信号は、ECU14に与えられるようになっている。
従動歯車22の回転角は、各電動モータ161,162の回転軸20の回転角に対して、駆動歯車211,212および従動歯車22のギヤ比に基づく一定の相関を有している。そこで、ECU14では、回転角センサ74によって検出された、従動歯車22の回転角と上記ギヤ比に基づいて、各電動モータ161,162の回転軸20の回転角を演算する。このため、各電動モータ161,162には、通常設けられているレゾルバ等の回転角センサを設ける必要がなく、構造を簡素化することができる。
電動モータ161,162の回転角検出のために、従動歯車22の回転角を検出する回転角センサ74の出力を用いるので、第2の減速機構18による減速の前の段階で、回転角を検出するので、例えば本車両用操舵装置1が駐車支援システムに適用された場合において、駐車支援のときに、操舵角を精度良く制御することが可能となる。
本実施の形態によれば、従動歯車22内に溜められた潤滑剤Lが、従動歯車22の回転に伴う遠心力を受けて、従動歯車22の内周22aに集まるので、従動歯車22の内周22aに潤滑剤Lを潤沢に保持することができる。したがって、従動歯車22およびこれに内接する駆動歯車211,212の伝動領域Bに生ずる振動や騒音を低減することができる。
第1および第2の電動モータ161,162と、第1の減速機構17と、およびこれらを収容するハウジング19等が、サブアセンブリSAとしてユニット化されている。したがって、例えば、各電動モータ161,162を共通とし、第1の減速機構17の減速比を変更することにより、ユニットの仕様を容易に変更することができる。これにより、上記ユニットを種々の特性の車両用操舵装置1に容易に適用することができる。
製造コストの高い電動モータの共通化を図ることにより、種々のユニットを製作するときの全体としてのコストを削減することができる。電動モータの体格を小さくできるので、サブアセンブリSA全体としての軽量化を図ることができ、ひいては、車両用操舵装置1全体としての重量を削減することができる。
特に、小型で高回転型の電動モータ161,162と高減速比の第1の減速機構17を組み合わせることで、小型でも、高出力を得ることが可能となる。また、複数の電動モータ161,162および第1の減速機構17等をサブアセンブリSAとし予め組み立てておくことができるので、組み立て性がよい。
また、第1の減速機構17が駆動歯車211,212および従動歯車22を含み、駆動歯車211,212の支軸(電動モータ161,162の回転軸20)と従動歯車22の支軸32とが平行であるので、下記の利点がある。すなわち、各電動モータ161,162の回転軸20の軸方向に関して、駆動歯車211,212および従動歯車22を同じ位置に配置することができるので、回転軸20の軸方向に関して、サブアセンブリSAを小型にすることができ、ひいては車両用操舵装置1を小型にすることができる。
第1の減速機構17の伝動方式が、互いに噛み合わされる駆動歯車211,212および従動歯車22を用いる歯車伝動であるので、動力伝達が確実である。駆動歯車211,212および従動歯車22としては、互いに噛み合う平歯車であってもよいし、互いに噛み合う山歯歯車であってもよいし、互いに噛み合うはす歯歯車であってもよい。特に、はす歯を用いた場合には、歯の噛み合い率を高くすることができるので、高出力を伝達するうえで好ましい。
また、操舵力を発生するアクチュエータとして複数の電動モータ161,162が設けられ、第1の減速機構17の複数の駆動歯車211,212のそれぞれが、対応する電動モータ161,162の回転軸20にそれぞれ接続されるとともに共通の従動歯車22に伝動可能に連結されている。したがって、下記の利点がある。すなわち、複数の電動モータ161,162を横並びで配置するとともに、対応する電動モータ161,162の回転軸20に接続された各駆動歯車211,212および従動歯車22を、上記回転軸20の軸方向に関して同じ位置に配置することができる。したがって、電動モータ161,162の回転軸20の軸方向に関して、サブアセンブリSAをより小型にすることができ、ひいては車両用操舵装置1をより小型にすることができる。
また、本実施の形態では、各電動モータ161,162に内蔵される回転角センサを廃止し、従動歯車22の回転角を検出する回転角センサ74を設けたが、これに代えて、何れか1つの駆動歯車211,212の回転角を検出する回転角センサを設けるようにしてもよい。また、これらに代えて、何れか1つの電動モータ161,162の回転軸20の回転角を検出する回転角センサを設けるようにしてもよい。
次いで、図6は本発明の別の実施の形態を示している。図6を参照して、本実施の形態が図2の実施の形態と異なるのは、図2の実施の形態では、内歯歯車からなる従動歯車22内に潤滑剤Lを充填したのに対して、本実施の形態では、サブアセンブリSAのハウジング19内において、第2の支持板26の上方位置に達するまでの潤沢な量の潤滑剤Lを充填した点にある。このため、第2の支持板26の下方にある第1の減速機構17は、潤滑剤L内にあり、長期にわたって噛み合いの騒音を低減することができる。
また、ハウジング19の一部、例えばカバーハウジング45の端壁47の少なくとも一部が、例えば、ゴム製のベローズその他の可撓性部材106で構成されている。ハウジング19内に潤沢な量で充填されている潤滑剤Lが熱膨張により容積を増大させた場合、その容積の増大を吸収するように、可撓性部材106が、図6において点鎖線で示すように外方へ膨出する。ハウジング19の収容空間104内の空気空間の容積を確保することができ、その結果、ハウジング19内の圧力上昇や温度上昇を抑制することができる。
図2の実施の形態では、アクチュエータとして2つの電動モータ161,162を用いたが、これに限らない。例えば、図7の第1の減速機構17Bに示すように、第1、第2および第3の電動モータ161,162,163を用いるようにしてもよい。この場合にも、各電動モータ161〜163の回転軸20にそれぞれ連結された駆動歯車211,212,213は、従動歯車22の周方向に等間隔で配置されることになる。
3つの電動モータ161〜163を設ける場合、3つの電動モータ161〜163のうち何れか1つの電動モータに異常が発生したときに(すなわち、フェールのときに)、残りの正常な2つの電動モータを用いて、必要な操舵を確保することが好ましい。
具体的には、下記の表1のモード1に示すように、通常動作のときは、第1の電動モータ161を左右の操舵に用い、残りの第2の電動モータ162を右操舵のみに用い、第3の電動モータ163を左操舵のみに用いる場合がある。この場合、左操舵および右操舵のそれぞれにおいて、2つの電動モータを用いることになり、各操舵のための十分な出力を得ることができる。
そして、第1、第2および第3の電動モータ161〜163の何れか1つにフェールが発生したときに、下記の表1に示すモード2,3を択一的に実行したり、モード4,5を択一的に実行したり、モード6,7を択一的に実行したりするようにしてもよい。
Figure 0005282940
表1を参照して、左右の操舵に用いていた第1の電動モータ161にフェールが発生したときには、モード2の制御を実施するようにしてもよいし、また、モード2に代えて、モード3の制御を実施するようにしてもよい。
モード2では、第1の電動モータ161に対する駆動制御を停止し、且つ、正常に機能している第2および第3の電動モータ162,163を、それぞれ、通常のときと同じように、右操舵および左操舵にそれぞれ寄与させる。ただし、フェールのときには、操舵のための出力が、通常のときの出力の半分となる。
モード3では、第1の電動モータ161に対する駆動制御を停止し、且つ、第2および第3の電動モータ162,163の双方を、左操舵にも右操舵にも寄与させるように、第2および第3の電動モータ162,163に対する駆動制御を切り換える。
次いで、右操舵に用いていた第2の電動モータ162にフェールが発生したときには、モード4の制御を実施するようにしてもよいし、また、モード4に代えて、モード5の制御を実施するようにしてもよい。
モード4では、第2の電動モータ162に対する駆動制御を停止し、且つ、正常に機能している第1の電動モータ161および第3の電動モータ163を、通常のときと同じように機能させる。すなわち、第1の電動モータ161を左操舵および右操舵に寄与させる。また、第3の電動モータ163を、左操舵のみに寄与させる。ただし、モード4では、フェールのときに右操舵のための出力が、通常のときの半分となる。
モード5では、第2の電動モータ162に対する駆動制御を停止し、且つ、正常に機能している第1の電動モータ161を、通常のときと同じように、左操舵および右操舵に寄与させる。また、通常のときに左操舵のみに寄与している第3の電動モータ163を、左操舵にも右操舵にも寄与させるように、第3の電動モータ163に対する駆動制御を切り換える。
次いで、左操舵に用いていた第3の電動モータ163にフェールが発生したときには、モード6の制御を実施するようにしてもよいし、また、モード6に代えて、モード7の制御を実施するようにしてもよい。
モード6では、第3の電動モータ163に対する駆動制御を停止し、且つ、正常に機能している第1の電動モータ161および第2の電動モータ162を、通常のときと同じように機能させる。すなわち、第1の電動モータ161を左操舵および右操舵に寄与させる。また、第2の電動モータ162を右操舵のみに寄与させる。ただし、モード6では、フェールのときに左操舵のための出力が、通常のときの半分となる。
モード7では、第3の電動モータ163に対する駆動制御を停止し、且つ、正常に機能している第1の電動モータ161を、通常のときと同じように、左操舵および右操舵に寄与させる。また、通常のときに右操舵のみに寄与している第2の電動モータ162を、左操舵にも右操舵にも寄与させるように、第2の電動モータ162に対する駆動制御を切り換える。
また、図8に示すように、4つの電動モータ161,162,163,164を用いるようにしてもよい。この場合にも、各電動モータ161,162,163,164の回転軸20にそれぞれ連結された駆動歯車211,212,213,214は、従動歯車22の周方向に等間隔で配置されることになる。
4つの電動モータ161〜164を設ける場合、下記の表2のモード1に示すように、通常動作のときは、第1および第3の電動モータ161,163を右操舵のみに用い、第2および第4の電動モータ162,164を左操舵のみに用いる場合がある。この場合、左操舵および右操舵のそれぞれにおいて、2つの電動モータを用いることになり、各操舵のための十分な出力を得ることができる。
Figure 0005282940
そして、4つの電動モータ161〜164のうち、何れか1つの電動モータに異常が発生したときには、残りの正常な3つの電動モータを用いて、必要な操舵を確保することが好ましい。例えば表2に示すように、第1の電動モータ161に異常が発生したときには、表2のモード2に示すように、第1の電動モータ161の駆動制御を停止し、且つ、第2,第3および第4の電動モータ162,163,164を、それぞれ、通常のときと同じように、左操舵のみ、右操舵のみ、左操舵のみに寄与させる。ただし、この場合、フェールのときの右操舵の出力が、通常のときの出力の半分になる。
また、表2のモード2に代えて、表2のモード3を実行するようにしてもよい。表2のモード3では、第1の電動モータ161の駆動制御を停止する。また、通常のときに左操舵のみに寄与していた第2の電動モータ162を、左操舵および右操舵に寄与するように、第2の電動モータ162に対する駆動制御を切り換える。また、第3および第4の電動モータ163,164を、それぞれ、通常のときと同じように、右操舵のみ、左操舵のみに寄与させる。
一方、4つの電動モータ161〜164のうち、何れか2つの電動モータに異常が発生したときには、残りの正常な2つの電動モータを用いて、必要な操舵を確保することが好ましい。例えば表2に示すように、第1および第2の電動モータ161,162に異常が発生したときには、表2のモード4に示すように、第1および第2の電動モータ161,162の駆動制御を停止する。また、第3および第4の電動モータ163,164を、それぞれ、通常のときと同じように、右操舵のみ、左操舵のみに寄与させる。ただし、フェールのときの操舵の出力が、通常のときの出力の半分となる。
また、表2のモード4に代えて、表2のモード5を実行するようにしてもよい。表2のモード5では、第1および第2の電動モータ161,162の駆動制御を停止する。また、通常のときに片側の操舵のみに寄与していた第3および第4の電動モータ163,164のそれぞれを、左操舵にも右操舵にも寄与させるように、第3および第4の電動モータ163,164に対する駆動制御を切り換える。この場合、フェールのときにも通常のときと同じ操舵の出力が得られる。
また、4つの電動モータ161〜164を設ける場合、下記の表3のモード1に示すように、通常動作のときは、第1の電動モータ161を左操舵および右操舵に寄与させ、第2の電動モータ162を右操舵のみに寄与させ、第3の電動モータ163を左操舵のみに寄与させ、第4の電動モータ164を休止させておく場合がある。すなわち、第4の電動モータ164をフェールのときのために待機させておく。
Figure 0005282940
そして、第1の電動モータ161に異常が発生したときには、表3のモード2に示すように、第1の電動モータ161の駆動制御を停止する。また、第2および第3の電動モータ162,163を、それぞれ、通常のときと同じように、右操舵のみ、左操舵のみに寄与させる。また、通常のときに休止していた第4の電動モータ164を、左操舵にも右操舵にも寄与させるように、第4の電動モータ164を駆動制御する。この場合、フェールのときにも通常のときと同じ操舵の出力を得ることができる。
また、第2の電動モータ162に異常が発生したときには、表3のモード3に示すように、第2の電動モータ162の駆動制御を停止する。また、第1の電動モータ161を、通常のときと同じように、左操舵および右操舵に寄与させる。また、第3の電動モータ163を、通常のときと同じように、左操舵のみに寄与させる。また、通常のときに休止していた第4の電動モータ164を、右操舵に寄与させるように、第4の電動モータ164を駆動制御する。この場合、フェールのときにも通常のときと同じ操舵の出力を得ることができる。
また、第3の電動モータ163に異常が発生したときには、表3のモード4に示すように、第3の電動モータ163の駆動制御を停止する。また、第1の電動モータ161を、通常のときと同じように、左操舵および右操舵に寄与させる。また、第2の電動モータ162を、通常のときと同じように、右操舵のみに寄与させる。また、通常のときに休止していた第4の電動モータ164を、左操舵に寄与させるように、第4の電動モータ164を駆動制御する。この場合、フェールのときにも通常のときと同じ操舵の出力を得ることができる。
次いで、図9,図10および図11は、本発明のさらに別の実施の形態を示している。図12に示すように、複数の電動モータとしての第1および第2の電動モータ161,162が設けられており、図9に示すように、各電動モータ161,162の回転軸20と、ウォーム軸23とが平行に配置され、上記回転軸20とウォーム軸23との間に、第1の減速機構17Eが配置されている。
第1および第2の電動モータ161,162と、第1の減速機構17Eと、ウォーム軸23と、ウォームホイール24の一部と、これらを収容するハウジング19Eとによって、単一のユニットとしてのサブアセンブリSA1が構成されている。
各電動モータ161,162のモータハウジング39が、ハウジング19Eに固定されている。また、ウォームホイール24の残りの部分を収容するギヤハウジング27Eと、ハウジング19Eとが、互いに対向する対向板85,86を有している。これらの対向板85,86間に、例えばゴム板などの弾性体87が介在する状態で、両対向板85,86がねじ88により、ねじ88の軸方向に相対移動可能に連結されている。サブアセンブリSA1のハウジング19Eが、ギヤハウジング27Eによって弾性体87を介して弾性的に支持されている。
具体的には、弾性体87としては、対向板85,86の全面に沿うゴム材を用いるようにしてもよいし、各ねじ88を取り囲む環状のものを用いてもよい。その場合、弾性体87としては、例えば、図10に示すような環状のゴム板を用いてもよいし、また、Oリングを用いてもよいし、また、スプリングワッシャを用いてもよいし、また、2枚の金属ワッシャ間にゴム材を挟んだ複合ワッシャを用いてもよい。
また、ハウジング19Eおよびハウジング27Eの締結は、両ハウジング19E,27Eの周囲に巻かれる締め付けバンドを用いるようにしてもよい。
図10に示すように、ギヤハウジング27Eの対向板85とハウジング19Eの対向板86との間に、環状の弾性体87が挟持された状態で、対向板85のねじ挿通孔89に挿通されたねじ88が、対向板86のねじ孔90にねじ込まれている。
再び図9を参照して、ウォーム軸23の第1および第2の端部23a,23bは、ハウジング19Eに保持された第1および第2の軸受91,92によって、回転可能に支持されている。各電動モータ161,162は、いわゆる両軸モータからなり、各電動モータ161,162の回転軸20の一端20aおよび他端20bが、モータハウジング39から互いに逆方向に突出している。
各電動モータ161,162の回転軸20の一端20aとは同行回転可能に連結された駆動歯車211が、ウォーム軸23の第1の端部23aとは同行回転可能に連結された内歯歯車からなる従動歯車221に噛み合わされている。
一方、図11に示すように、各電動モータ161,162の回転軸20の他端20bとは同行回転可能に連結された駆動歯車212が、ウォーム軸23の第2の端部23bとは同行回転可能に連結された内歯歯車からなる従動歯車222に噛み合わされている。
すなわち、第1の減速機構17Eが、2つの駆動歯車211および従動歯車221の組と、2つの駆動歯車212および従動歯車222の組という2つの並列な伝達経路を持つように構成されている。両組の減速比は互いに等しくなるようにされている。ただし、何れか一方の組を廃止するようにしてもよい。
従動歯車221および従動歯車222のそれぞれ内側には、図2の実施の形態と同じ潤滑剤Lが充填されており、騒音の低下が図られている。本実施の形態の構成要素において、図2の実施の形態と同じ構成要素には、図2の実施の形態と同じ参照符号を付してある。
本実施の形態によれば、ギヤハウジング27EおよびサブアセンブリSA1のハウジング19Eの互いの対向板85,86間に弾性体87を介在させており、両対向板85,86の直接接触を避けているので、下記の利点がある。すなわち、電動モータ161,162、第1の減速機構17Eおよびウォーム軸23を支持しているサブアセンブリSA1のハウジング19Eから、ウォームホイール24やステアリングシャフト3を支持しているギヤハウジング27E側へ振動や騒音が伝達されることを防止することができる。
また、ギヤハウジング27Eおよびハウジング19Eの対向板85,86間の間隔の設定により、ウォーム23cおよびウォームホイール24間のバックラッシの量を調整したり、管理したりすることが可能となる。
また、電動モータ161,162、第1の減速機構17Eおよびウォーム軸23を支持しているサブアセンブリSA1を弾性支持しているので、ステアリング操作を開始するときの第2の減速機構18の起動トルクを低減することができ、その結果、操舵フィーリングを向上することができる。
また、ウォーム軸23の両端23a,23bに設けられた従動歯車221,222を介してウォーム軸23に動力を伝達するので、安定してウォーム軸23を駆動することができる。
本発明の一実施の形態の車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 電動パワーステアリング装置の要部の断面図である。 電動モータおよび第1の減速機構のレイアウトを示す概略図である。 サブアセンブリのハウジングの要部の断面図である。 従動歯車の支持構造の断面図である。 本発明の別の実施の形態の車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置の要部の断面図である。 本発明のさらに別の実施の形態の第1の減速機構の概略図である。3つの電動モータを用いる例を示している。 本発明のさらに別の実施の形態の第1の減速機構の概略図である。4つの電動モータを用いる例を示している。 本発明のさらに別の実施の形態の車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置の要部の概略断面図である。 図9の電動パワーステアリング装置の要部の拡大図である。 図9の電動パワーステアリング装置の要部の模式的断面図である。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置(車両用操舵装置)、2…操舵部材、3…ステアリングシャフト、5…中間軸、7…ピニオン軸、8…ラックバー、A…ラックアンドピニオン機構(舵取り機構)、11…転舵輪、14…ECU、161,162,163,164…電動モータ(アクチュエータ)、17,17E…第1の減速機構、18…第2の減速機構、19,19E…ハウジング、SA,SA1…サブアセンブリ、20…回転軸(駆動部材の支軸)、211,212,213,214…駆動歯車(駆動部材)、22;221,222…従動歯車(従動部材)、22a…(従動部材の)内周、23…ウォーム軸、24…ウォームホイール、25…第1の支持板、26…第2の支持板、27,27E…ギヤハウジング、32…(従動部材の)支軸、L…潤滑剤、B…伝動領域

Claims (4)

  1. 操舵力を発生するためのアクチュエータと、上記アクチュエータに接続された第1の減速機構と、上記第1の減速機構に接続された第2の減速機構と、上記第2の減速機構に接続された舵取り機構と、を備え、
    上記第1の減速機構は、上記アクチュエータに接続された駆動部材と、上記駆動部材に従動する環状の従動部材とを含み、上記従動部材の内周が、上記駆動部材に伝動可能に連結されており、
    上記駆動部材および上記従動部材の伝動領域に潤滑剤が充填されていることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1において、上記駆動部材の支軸および上記従動部材の支軸が、互いに平行であることを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1において、上記アクチュエータおよび上記第1の減速機構が、共通のハウジングに収容されており、上記ハウジング内に上記潤滑剤が収容されていることを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項2または3において、上記アクチュエータは複数の電動モータを含み、
    上記第1の減速機構の駆動部材が複数設けられ、
    各駆動部材は、対応する電動モータの回転軸にそれぞれ接続されていることを特徴とする車両用操舵装置。
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