JP2016094159A - 減速機および電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】減速機のトルク効率を向上し、ウォームおよびウォームホイールの摩耗を防止して、ラトル音の発生を抑制した減速機およびその減速機を使用した電動パワーステアリング装置を提供する。【解決手段】互いに噛み合うウォーム11およびウォームホイール12と、潤滑するグリースGと、ウォーム11およびウォームホイール12を収容するハウジング7とを備えるとともに、ハウジング7に、ウォームホイール12の外周との間に径方向に間隔を隔てて配設される略円筒状の内部空間Bを備え、内部空間Bより重力方向下部方向に凹んだグリース溜まり部7dを形成し、その円周方向両側にウォームホイール12およびハウジング7間でラビリンスシール7e、7fを形成し、ウォームホイール12の一部をグリース溜まり部7bのグリースGに浸漬するとともに、ウォームホイール12に付着した一部のグリースGをラビリンスシール7e、7fで掻き落とすようにした。【選択図】図2
Description
本発明は、減速機および減速機を備えた電動パワーステアリング装置に関するものである。
一般に電動パワーステアリング装置においては、操舵補助用の電動モータの回転軸の回転を、減速機を介して減速し、ステアリングシャフトに伝えることで、運転者のステアリング操作をトルクアシストしている。
減速機としては、通常、互いに噛み合うウォームおよびウォームホイールと、当該ウォームおよびウォームホイールを収容するハウジングとを備え、ウォームおよびウォームホイールの噛み合い部を潤滑するグリースを充填したものが用いられる。
減速機としては、通常、互いに噛み合うウォームおよびウォームホイールと、当該ウォームおよびウォームホイールを収容するハウジングとを備え、ウォームおよびウォームホイールの噛み合い部を潤滑するグリースを充填したものが用いられる。
充填されたグリースは、ウォームおよびウォームホイールの噛み合い部に介在して油膜を形成し、ステアリング操作による転舵機構の動作のトルクアシスト時の摩擦トルクを低下させて効率を向上させる。また、ウォームおよびウォームホイールの摩耗を防止してバックラッシの増加によるラトル音を防止している。
練り状のグリースは、ウォームホイールの側面あるいはハウジングの内部に付着すると、ウォームホイールの歯溝に戻りにくい。
これに対し、特許文献1では、ハウジングの内部に互いに噛合うウォームとウォームホイールを互いに交差する軸線回りに回転可能に設け、ハウジングの内部にウォームホイールの外周の一部を包囲する包囲部を設け、この包囲部は、ウォームホイールの外周および側面との間隔が左右の回転方向に沿って減少する一対の第1の区間と、一対の第1の区間の間に設けられ、ウォームホイールの外周および側面との間隔が最も小さくなる第2の区間とを有し、ウォームホイールの歯溝から排除され、ウォームホイールの外周および側面に付着したグリースを、ウォームホイールの回転に伴って包囲部によりウォームホイールの歯溝に戻すことが開示されている。
また、特許文献2では、デファレンシャルケースの内部に互いに噛合うピニオンギヤおよびリングギヤを互いに交差する軸線回りに回転可能に設け、デファレンシャルケースの内部の下方に油溜まりを設け、油溜まりの潤滑油をリングギヤで掻き揚げ、ピニオンギヤおよびリングギヤの噛合い箇所に供給するとともに、ピニオンギヤを回転可能に支持する軸受にも供給し、デファレンシャルケースの内面およびピニオンギヤおよびリングギヤの外面に撥油加工を施し、潤滑油を油溜まりに集めやすくしたことが開示されている。
特許文献1の装置は、包囲部によりウォームホイールの外周および側面に付着したグリースをウォームホイールの歯溝に戻すだけで、ハウジングの内部へ飛散したグリースをウォームホイールの歯溝に戻す構造になっていない。
特許文献2の装置は、グリースに比べて流動性の良い潤滑油を使用しており、リングギヤの外周に付着した余分なグリースを取り除く構造になっていない。
そこで、本発明の目的は、グリースの飛散を抑えながら、グリースを確実に回収し、ウォームホイールの歯溝にグリースを必要量だけ供給し、減速機のトルクアシスト時のトルク効率を向上し、ウォームおよびウォームホイールの摩耗を防止して、ラトル音の発生を抑制した減速機およびその減速機を使用した電動パワーステアリング装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、互いに噛み合うウォームおよびウォームホイールと、前記ウォームおよびウォームホイールを潤滑するグリースと、前記ウォームおよびウォームホイールを収容するハウジングとを備えるとともに、前記ハウジングに、前記ウォームホイールの外周の配設される略円筒状の内部空間を備え、前記ハウジングに前記内部空間より重力方向下部方向に凹んだグリース溜まり部を形成し、前記グリース溜まり部の前記ウォームホイールの円周方向両側に前記ウォームホイールおよび前記ハウジング間でラビリンスシールを形成し、前記ウォームホイールの一部を前記グリース溜まり部のグリースに浸漬するとともに、前記ウォームホイールに付着した一部の前記グリースを前記ラビリンスシールで掻き落とすようにしたことを要旨としている。
請求項1の構成によれば、ハウジング内に重力方向下部方向に凹んだ凹部のグリース溜まり部を形成することで、ハウジング内に飛散したグリースが重力でグリース溜り部へ回収されて、常時グリースが充填されたグリース溜まり部を形成している。そして、ウォームホイールの両方向回転に伴ってウォームホイールの一部がグリース溜まり部を通過してグリース溜まり部のグリースをすくい取ることで、ウォームホイールにグリースが供給される。さらに、グリース溜まり部のウォームホイールの円周方向両側に設けられたラビリンスシールによって、過剰なグリースを掻き落とすと同時に、ウォームホイールの歯溝へ必要量のグリースを押し込むので、グリースの拡散量を少なくして、減速機のトルクアシスト時のトルク効率を向上し、ウォームおよびウォームホイールの摩耗を防止して、ラトル音の発生を抑制できる。
請求項2に記載の発明は、前記グリースは、混和ちょう度が280から300であることを要旨としている。
請求項2の構成によると、280から300の混和ちょう度を有するグリースは、従来のものに比べて高い流動性を示すため、ウォームホイールの回転に伴って、ハウジング内に飛散してもグリース溜まり部に速やかに回収される。そして、新たなグリースとして、ウォームホイールの回転に伴ってウォームホイールの歯溝に速やかに供給される。そのため、減速機のトルクアシスト時のトルク効率を向上し、ウォームおよびウォームホイールの摩耗を防止して、ラトル音の発生を抑制できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の減速機を備えた電動パワーステアリング装置であることを要旨としている。
請求項3の構成によると、請求項1または請求項2の減速機を電動パワーステアリング装置に組み込むことにより、トルクアシスト時のトルク効率を向上し、ウォームおよびウォームホイールの摩耗を防止して、ラトル音の発生を抑制した電動パワーステアリング装置を提供できる。
本発明によれば、グリースの飛散を抑えながら、グリースを確実に回収し、ウォームホイールの歯溝にグリースを必要量だけ供給し、減速機のトルクアシスト時のトルク効率を向上し、ウォームおよびウォームホイールの摩耗を防止して、ラトル音の発生を抑制した減速機および電動パワーステアリング装置を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態を示すもので、減速機、およびそれを組み込んだ電動パワーステアリング装置の概略断面図である。また図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置において、ステアリングホイール1を取り付けている入力軸2と、操舵装置49に連結されている出力軸3とが、トーションバー4を介して同軸的に連結されている。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置において、ステアリングホイール1を取り付けている入力軸2と、操舵装置49に連結されている出力軸3とが、トーションバー4を介して同軸的に連結されている。
入力軸2および出力軸3を支持するハウジング5は、車体(図示せず)に取り付けられている。ハウジング5は、互いに嵌め合わされるアッパーハウジング6と、ロアーハウジング7とによって構成されている。具体的には、ロアーハウジング7は筒状をなし、その上端の環状縁部7aが、トルクセンサー9および制御基板10等が収容されているアッパーハウジング6の下端外周の環状段部6aに嵌め合わされている。
減速機48は、ロアーハウジング7とロアーハウジング7に収容されているウォームギヤ機構から構成されている。
ウォームギヤ機構8は、出力軸3の軸方向中間部に、一体回転可能で、かつ、軸方向移動が規制されたウォームホイール12と、このウォームホイール12と噛み合わされていると共に、電動モータMの回転軸32に、スプライン継手33を介して連結されるウォーム11(図2参照)とを備えている。
ウォームギヤ機構8は、出力軸3の軸方向中間部に、一体回転可能で、かつ、軸方向移動が規制されたウォームホイール12と、このウォームホイール12と噛み合わされていると共に、電動モータMの回転軸32に、スプライン継手33を介して連結されるウォーム11(図2参照)とを備えている。
このうち、ウォームホイール12は、出力軸3に一体回転可能に結合された、環状の芯金12aと、芯金12aの周囲を取り囲んで外周面部に歯が形成された、合成樹脂部材12bとを備えている。芯金12aは、例えば、合成樹脂部材12bの樹脂成形時に、芯金12aをインサートして合成樹脂部材12bとが一体化されている。出力軸3は、軸方向において、第一転がり軸受13および第二転がり軸受14を軸方向に挟んで回転自在に支持されている。
第一転がり軸受13の外輪15は、アッパーハウジング6の下端の筒状突起6b内に設けられた軸受保持孔16に嵌め入れられて、保持されている。また、外輪15は、その上端面が、環状の段部17に当接されることで、アッパーハウジング6に対する軸方向上方への移動が規制されている。一方、第一転がり軸受13の内輪18は、出力軸3に、締まりばめによって嵌め合わされている。また、内輪18の下端面は、ウォームホイール12の芯金12aの上端面に当接されている。
第二転がり軸受14の外輪19は、ロアーハウジング7の軸受保持孔20に嵌め入れられて、保持されている。また外輪19は、その下端面が、環状の段部21に当接されることで、ロアーハウジング7に対する、軸方向下方への移動が規制されている。一方、第二転がり軸受14の内輪22は、出力軸3に、一体回転可能で、かつ、軸方向の相対移動が規制された状態で、取り付けられている。また、内輪22は、出力軸3の段部23と、出力軸3のネジ部に締め込まれるナット24との間に挟持されている。
トーションバー4は、入力軸2および出力軸3を貫通している。トーションバー4の上端4aは、連結ピン25により、入力軸2と一体回転可能に連結され、下端4bは、連結ピン26により、出力軸3と一体回転可能に連結されている。出力軸3の下端は、図示しない中間軸を介して、先に説明したように、ラックアンドピニオン機構等の操舵装置49に連結されている。
入力軸2の上部は、例えば、針状ころ軸受からなる第三転がり軸受29を介して、アッパーハウジング6に回転自在に支持されている。入力軸2の下部の縮径部30と、出力軸3の上部の孔31とは、入力軸2および出力軸3の相対回転を、所定の範囲に規制するように、回転方向に所定の遊びを設けて、嵌め合わされている。
図2に示すように、ウォーム11は、ロアーハウジング7によって保持される第四転がり軸受34および第五転がり軸受35によって、それぞれ、回転自在に支持されている。第四転がり軸受34の内輪36および第五転がり軸受35の内輪37は、ウォーム11の、対応するくびれ部に嵌合されている。外輪38、39は、ロアーハウジング7の軸受保持孔40、41に、それぞれ保持されている。ロアーハウジング7は、ウォーム11を収容する筒状部7bを含んでいる。
図2に示すように、ウォーム11は、ロアーハウジング7によって保持される第四転がり軸受34および第五転がり軸受35によって、それぞれ、回転自在に支持されている。第四転がり軸受34の内輪36および第五転がり軸受35の内輪37は、ウォーム11の、対応するくびれ部に嵌合されている。外輪38、39は、ロアーハウジング7の軸受保持孔40、41に、それぞれ保持されている。ロアーハウジング7は、ウォーム11を収容する筒状部7bを含んでいる。
ウォーム11の一端部11aを支持する第四転がり軸受34の外輪38は、ロアーハウジング7の段部42に当接して位置決めされている。一方、内輪36は、ウォーム11の位置決め段部43に当接されることによって、他端部11b側への移動が規制されている。また、ウォーム11の、他端部11b(継手側端部)の近傍を支持する第五転がり軸受35の内輪37は、ウォーム11の位置決め段部44に当接されることによって、一端部11a側への移動が規制されている。
外輪39は、予圧調整用のねじ部材45によって、第四転がり軸受34側へ付勢されている。ねじ部材45は、ロアーハウジング7に形成されるねじ孔46にねじ込まれることで、一対の転がり軸受34、35に予圧を付与すると共に、ウォーム11を、軸方向に位置決めし、ねじ部材45に係合されるロックナット47で予圧調整後のねじ部材45を止定している。
図1に示すように、操舵装置49は、例えば出力軸3に、中間軸を介して一体回転可能に設けられたピニオン50と、ピニオン50に噛み合い、車両の左右方向に延びるラック軸51とを含むラックアンドピニオン機構からなる。
ラック軸51は、その軸長方向に直線往復動自在に支持されている。ラック軸51の両端部にはそれぞれタイロッド52が結合されている。各タイロッド52は、図示しないナックルアームを介して対応する転舵輪53に連結されている。
ラック軸51は、その軸長方向に直線往復動自在に支持されている。ラック軸51の両端部にはそれぞれタイロッド52が結合されている。各タイロッド52は、図示しないナックルアームを介して対応する転舵輪53に連結されている。
ステアリングホイール1が操作されて入力軸2および出力軸3が回転されると、前記回転が、ピニオン50およびラック軸51によって、自動車の左右方向に沿うラック軸51の直線運動に変換されて、転舵輪53が転舵される。
図2を参照して、本発明の一実施形態のロアーハウジング7について詳述する。ロアーハウジング7は、略円筒状の円筒部7cを備え、円筒部7cの内周面とウォームホイール12の外周12cとの間に径方向に一定間隔の内部空間Bを備えている。
円筒部7cの内周面の重力方向下部に、内径側へ突出するとともに、内周側に水平面を有する肉厚部が形成されている。肉厚部のところだけ、内部空間Bが少ないか殆ど無い状態である。
肉厚部に重力方向下部方向に凹んだグリース溜まり部7dを形成し、グリース溜まり部7dによって肉厚部とウォームホイール12との干渉を避けるとともに、グリース溜まり部7dのウォームホイール12の円周方向両側にウォームホイール12および肉厚部間でラビリンスシール7eおよびラビリンスシール7fを形成している。ラビリンスシール7eおよびラビリンスシール7fは、ウォームホイール12の円周方向において、グリース溜まり部7dに向かうにつれて、径方向の間隔が小さくなるように設定されている。
円筒部7cの内周面の重力方向下部に、内径側へ突出するとともに、内周側に水平面を有する肉厚部が形成されている。肉厚部のところだけ、内部空間Bが少ないか殆ど無い状態である。
肉厚部に重力方向下部方向に凹んだグリース溜まり部7dを形成し、グリース溜まり部7dによって肉厚部とウォームホイール12との干渉を避けるとともに、グリース溜まり部7dのウォームホイール12の円周方向両側にウォームホイール12および肉厚部間でラビリンスシール7eおよびラビリンスシール7fを形成している。ラビリンスシール7eおよびラビリンスシール7fは、ウォームホイール12の円周方向において、グリース溜まり部7dに向かうにつれて、径方向の間隔が小さくなるように設定されている。
グリース溜まり部7dにグリースGを図3の破線で示す位置まで満杯にした状態で、ウォームホイール12の歯部12eがグリース溜り部12dのグリースGの液面から最大深さDだけ浸漬する。
ウォームホイール12の歯部12eの先端と、肉厚部との間の、ラビリンスシール7eおよびラビリンスシール7fはウォームホイール12の径方向のラビリンス距離Lの最短距離が1.6mm以下であるのが好ましい。これにより、ラビリンスシール7eおよびラビリンスシール7fは過剰なグリースGを掻き落とすと同時に、ウォームホイール12の歯溝12fへ必要量のグリースGを押し込むように機能する。
ロアーハウジング7のグリ−ス溜まり部7dに充填される練り状のグリースGとしては、混和ちょう度が280から300を用いられている。
なお前記グリースGの練り状の程度をあらわすための混和ちょう度を、本発明の実施形態では、ちょう度計(JISK2220)によって測定した値でもって表すこととする。
なお前記グリースGの練り状の程度をあらわすための混和ちょう度を、本発明の実施形態では、ちょう度計(JISK2220)によって測定した値でもって表すこととする。
混和ちょう度が280未満では、硬い練り状のグリースとなり、流動性が低く、一旦噛み合い部Cから掻きだされたり、回転による遠心力によって飛ばされたりしたら、そこにとどまり、油溜まり部7dに回収されない恐れがある。逆に、混和ちょう度が300以上では軟らかくなりすぎて、歯同士の噛合いによって油膜切れが発生し、ウォームホイール12とウォーム11が固体接触して、摩耗を促進し、たりラトル音が発生するおそれがある。
前記グリースGのもとになる基油としては、例えば合成炭化水素油〔例えばポリ−α−オレフィン油(PAO)〕、シリコーン油、フッ素油、エステル油、エーテル油等の合成油や、あるいは鉱油等の1種または2種以上が挙げられる。特に合成炭化水素油が好ましい。
また増ちょう剤としては、例えば石けん系増ちょう剤、ウレア系増ちょう剤、有機系増ちょう剤、無機系増ちょう剤等の種々の増ちょう剤の1種または2種以上が挙げられる。
また増ちょう剤としては、例えば石けん系増ちょう剤、ウレア系増ちょう剤、有機系増ちょう剤、無機系増ちょう剤等の種々の増ちょう剤の1種または2種以上が挙げられる。
このうち石けん系増ちょう剤としては、例えばアルミニウム石けん、カルシウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん等の金属石けん型増ちょう剤、リチウム−カルシウム石けん、ナトリウム−カルシウム石けん等の混合石けん型増ちょう剤、アルミニウムコンプレックス、カルシウムコンプレックス、リチウムコンプレックス、ナトリウムコンプレックス等のコンプレックス型増ちょう剤等の1種または2種以上が挙げられる。
またウレア系増ちょう剤としてはポリウレア等が挙げられ、有機系増ちょう剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナトリウムテレフタラート等の1種または2種が挙げられる。さらに無機系増ちょう剤としては、例えば有機ベントナイト、グラファイト、シリカゲル等の1種または2種以上が挙げられる。
またグリースGには、必要に応じてフッ素樹脂(PTFE等)、二硫化モリブデン、グラファイト、ポリオレフィン系ワックス(アマイド等を含む)等の固体潤滑剤、リン系や硫黄系の極圧添加剤、トリブチルフェノール、メチルフェノール等の酸化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤、油性剤等の1種または2種以上を添加しても良い。
またグリースGには、必要に応じてフッ素樹脂(PTFE等)、二硫化モリブデン、グラファイト、ポリオレフィン系ワックス(アマイド等を含む)等の固体潤滑剤、リン系や硫黄系の極圧添加剤、トリブチルフェノール、メチルフェノール等の酸化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤、油性剤等の1種または2種以上を添加しても良い。
これにより、280から300の混和ちょう度を有する比較的低粘度のグリースGが、例えば電動パワーステアリング装置に組み込んだ減速機48へ充填した場合、減速機48の動作時に、従来のものに比べて高い流動性を示すため、ウォーム11およびウォームホイール12の回転に伴ってウォームホイール12の歯溝12fから掻き出されても、掻き出されたグリースGが、重力作用によりグリース溜まり部7dに回収される。
また、ハウジング7の円筒部7cの内周面に撥油性の被膜を設ける。被膜としては、フッソ樹脂、シリコーン樹脂、DLC等が考えられる。
この撥油性の被膜により、グリースGがハウジング7の円筒部7cの内周面に飛散したグリースが、より流動しやすくなり、確実にグリース溜まり部7dに回収されやすい効果が期待できる。
この撥油性の被膜により、グリースGがハウジング7の円筒部7cの内周面に飛散したグリースが、より流動しやすくなり、確実にグリース溜まり部7dに回収されやすい効果が期待できる。
図3を使用して、上記構成による減速機48のウォームホイール12の右回転時の動作を説明する。
図3は、減速機48のウォームホイール12の右回転時のウォームホイール12とハウジング7の図2のX部拡大図を示している。
図3は、減速機48のウォームホイール12の右回転時のウォームホイール12とハウジング7の図2のX部拡大図を示している。
図3に示すように、ウォームホイール12の右回転時は、グリース溜まり部7dに充填したグリースGに、ウォームホイール12の歯部12eが最大深さDだけ浸漬するため、ウォームホイール12が回転してグリース溜まり部7dを通過するたびに、グリース溜まり部のグリースGをすくい取る。そして、ウォームホイール12および肉厚部間のラビリンスシール7eにより過剰なグリースGは掻き落とされて、同時に、ウォームホイール12の歯溝12fへ必要量のグリースGを押し込むのでウォーム11およびウォームホイール12の噛み合い部Cに必要量が供給される。
また、内部空間Bに充填したグリースGが、ウォーム11およびウォームホイール12の噛み合い部CからグリースGがかき出されても、重力作用により落下し、グリース溜まり部7dに回収される。
図4を使用して、ウォームホイール12の左回転時の動作を説明する。
図4は、減速機のウォームホイール12の左回転時のウォームホイール12とロアーハウジング7の図2のX部拡大図を示している。
図4は、減速機のウォームホイール12の左回転時のウォームホイール12とロアーハウジング7の図2のX部拡大図を示している。
図4に示すように、ウォームホイール12の左回転時にも、ウォームホイール12の右回転時と同じように、グリース溜まり部7dに充填したグリースGが、ウォームホイール12が回転してグリース溜まり部7dを通過するたびに、ウォームホイール12および肉厚部間のラビリンスシール7fにより過剰なグリースGは掻き落とされて、同時にウォームホイール12の歯溝12fに必要量が供給される。
また、ウォーム11およびウォームホイール12の噛み合い部CからからグリースGがかき出されても、重力作用により落下し、グリース溜まり部7dに回収される。
上記構成によって、前記ウォーム11とウォームホイール12の歯面間の摺動の摩擦係数を、前記油膜による潤滑によって良好に低減できる上、前記油膜によって歯面同士の衝突を緩和してラトル音が生じるのを防止できる。
また、グリースGの飛散を減らすとともにグリースGの充填量を必要最小限に抑えることができる。
また、グリースGの飛散を減らすとともにグリースGの充填量を必要最小限に抑えることができる。
なお本発明は、図1〜図4の実施形態には限定されない。例えば本発明の減速機の構成は、電動パワーステアリング装置以外の他の装置用の減速機に適用することができる。その他、本発明の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で、種々の変更を施すことができる。
1:操舵部材、3:ステアリングシャフト、3a:入力軸、3b:出力軸、4:トーションバー、14:トルクセンサ、7:ロアーハウジング、7a:筒状部、7b:円筒部、7c:内周面、7d:グリース溜まり部、7e:ラビリンスシール、7f:ラビリンスシール、M:電動モータ、11:ウォーム、11a:一端部、11b:他端部、12:ウォームホイール、12a:芯金、12b:歯、12c:合成樹脂部材、32:回転軸、33:スプライン継手、34:軸受、35:軸受、26:内輪、27:内輪、28:外輪、29:外輪、30:軸受保持孔、31:軸受保持孔、45:ねじ部材、B:空間(内部空間)、C:噛み合い部、D:最大深さ、L:ラビリンス距離、G:グリース、48:減速機、50:ピニオンシャフト、51:ラックバー、49:転舵機構、10:ラックハウジング、52:タイロッド、53:転舵輪
Claims (3)
- 互いに噛み合うウォームおよびウォームホイールと、前記ウォームおよびウォームホイールを潤滑するグリースと、前記ウォームおよびウォームホイールを収容するハウジングとを備えるとともに、前記ハウジングに、前記ウォームホイールの外周との間に径方向に間隔を隔てて配設される略円筒状の内部空間を備え、前記ハウジングに前記内部空間より重力方向下部方向に凹んだグリース溜まり部を形成し、前記グリース溜まり部の前記ウォームホイールの円周方向両側に前記ウォームホイールおよび前記ハウジング間でラビリンスシールを形成し、前記ウォームホイールの一部を前記グリース溜まり部のグリースに浸漬するとともに、前記ウォームホイールに付着した一部の前記グリースを前記ラビリンスシールで掻き落とすようにしたことを特徴とする減速機。
- 前記グリースは、混和ちょう度が280から300であることを特徴とする請求項1に記載の減速機。
- 請求項1または請求項2に記載の減速機を備えた電動パワーステアリング装置。
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