JP2007308068A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化することなく、ギヤハウジング内部の圧力の変化を防ぐことができる電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】ウォーム軸20の内部に連通路50を形成することで、潤滑剤が充填された第2室S2と、モータハウジング30に通じる第1室S1との間の通気が許容される。連通路50は、ウォーム軸20の中心軸線C上に延びる軸方向路51と、この軸方向路51からウォーム軸20の径方向に分岐する分岐路としての第1および第2の径方向路52,53とを備えている。充填剤が充填された第2室S2内の内部圧力の変化を防止することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、操舵補助用の電動モータの出力回転を互いに噛み合う小径ギヤおよび大径ギヤを介して舵取り機構に伝達する電動パワーステアリング装置に関するものである。
自動車用の電動パワーステアリング装置(EPS)には、互いに噛み合う小径ギアおよび大径ギヤを含む減速機が用いられる。例えばコラム型EPSでは、電動モータの出力軸の回転力を小径ギヤとしてのウォーム軸に伝え、さらに大径ギヤとしてのウォームホイールに伝えることで出力軸の回転を減速して電動モータの出力を増幅し、ステアリング操作をトルクアシストしている。
歯打ち音の発生を防止するために、ギヤハウジングではウォーム軸およびウォームホイールの噛み合い領域を含む部分に緩衝材粒子を含む潤滑剤を充填して、ウォーム軸およびウォームホイールの歯面間の衝突を緩衝することが知られている(例えば特許文献1参照)。
この場合、シール軸受を用いることが好ましいが、ギヤハウジング内が完全に密閉されると、ギヤハウジング内部圧力の変化の影響で、シール軸受のシールと可動輪との接触抵抗が大きくなる場合がある。この場合、軸受に支持されたシャフトの回転抵抗が上昇し、操舵トルクが上昇してしまう。
一方で、従来から、ギヤハウジング内部の圧力の変化を防ぐために、特許文献2のようにギヤハウジングを貫通する貫通穴を設け、ギヤハウジング内外で通気を図ることが提案されている。
特開2004−162018号公報 特開平11−11336号公報
上記特許文献2の電動パワーステアリング装置では、貫通穴を通じてギヤハウジング内に泥水や埃が侵入することを防止する必要がある。このため、貫通穴に例えばフィルタを設けているが、このフィルタの固定に、ギヤハウジングの外側から取り付けたキャップを用いている。
しかしながら、ギヤハウジングの外側にキャップ等を配置するため、ギヤハウジングが部分的に突出し、装置全体として大型化してしまう。
本発明の目的は、大型化することなく、ギヤハウジング内部の圧力の変化を防ぐことができる電動パワーステアリング装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、回転軸(27)を有する操舵補助用の電動モータ(18)と、この電動モータの回転軸と同軸に連結された小径ギヤ(20)およびこれに噛み合う大径ギヤ(21)と、小径ギヤの電動モータ側端部(23)を支持するシール軸受(31)と、このシール軸受によって互いに仕切られた、電動モータ側の第1室(S1)およびこれと反対側の第2室(S2)とを備え、この第2室には潤滑剤が充填されており、上記小径ギヤは、第1室に開口する第1開口(54)および第2室に開口する第2開口(55)を有し、第1室および第2室を互いに連通する連通路(50)を含み、この連通路は、小径ギヤの中心軸線(C)に沿って延びる軸方向路(51)と、軸方向路から軸方向と交差する方向に分岐する一対の分岐路(52,53)とを含み、一対の分岐路の一方(52)が軸方向路および第1開口を互いに連通し、他方(53)が軸方向路および第2開口を互いに連通することを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
本発明では、小径ギヤの内部に形成された連通路によって、電動モータに通じる第1室と潤滑剤が充填された第2室との間の通気が許容される。これにより、第2室の内部圧力の変化を防止することができ、潤滑剤が充填された第2室の内部圧力の変化により生じる不具合の発生を防止することができる。
また、第2室から第2開口を通じて分岐路内に流入した潤滑剤は、小径ギヤの回転に伴う遠心力を受けて、第2開口を通じて第2室へ戻される。したがって、第2室内の潤滑剤が連通路を通じて第1室に流出することを防止できる。これにより、潤滑剤の第1室への流出を阻止しつつ第1室と第2室と間の通気を許容することができる。
各上記分岐路は、第2開口から分岐路に流入する潤滑剤に対し、小径ギヤの径方向(R)に延びるものであることが好ましい(請求項2)。この場合、第2開口から分岐路に流入した潤滑剤に働く遠心力の力の方向が分岐路の延びる方向と一致する。これにより、潤滑剤が第1室に流出することをより一層防ぐことができる。
上記小径ギヤはウォーム軸を含むことが好ましい(請求項3)。
また、本発明において、上記第2室を区画するハウジング(22)を備え、ハウジングは、シール軸受の外輪(31a)を保持する環状の軸受保持部(33)を有し、軸受保持部の内周(33b)に第1室および第2室を互いに連通するための連通溝(36、62)が形成されていることが好ましい(請求項4)。この場合、上記連通路および連通溝の双方により、第1室と第2室との間が通気されるので、第2室の圧力変化をより一層防止できる。
さらに、本発明において、小径ギヤの軸方向は、水平方向(X)に対して傾斜しており、小径ギヤの回転中に、第2開口が、第2室内に充填された潤滑剤の上位面(H,H1)よりも上方を通過するようにしてあることが好ましい(請求項5)。この場合、第2開口が小径ギヤの回転中に潤滑剤の上位面よりも上方を通過する際、第2開口から分岐路に流入した潤滑剤に遠心力が作用し、潤滑剤は第2開口から排出されて第2室内に戻される。これにより、潤滑剤が連通路を通じて第1室に流出することを防止しつつ、第1室および第2室間の通気が許可される。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結されているステアリングシャフト3と、中間軸4を介してステアリングシャフト3と連結されるピニオン軸5と、ピニオン軸5の先端に形成されたピニオン歯6に噛み合うラック歯7を有し、車体の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸8とを備えている。ピニオン軸5およびラック軸8からなるラックアンドピニオン機構によって操舵機構が構成されている。
ステアリングシャフト3は、操舵部材2に連なる入力軸9と、ピニオン軸5に連なる出力軸10とに分割されている。これら入力軸9および出力軸10はトーションバー11を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。
ラック軸8は、図示しない複数の軸受を介して直線往復自在にハウジング12に支持されている。ラック軸8の両端部はハウジング12の両側へ突出し、各端部にはそれぞれタイロッド13およびナックルアーム(図示せず)を介して操向輪14が連結されている。
操舵部材2を操作することによりステアリングシャフト3が回転する。このステアリングシャフト3の回転は、ピニオン歯6およびラック7歯を介してラック軸8の車体の左右方向への直線往復運動に変換される。これにより、操向輪14の転舵が達成される。
また、操舵部材2に与えられる操舵トルクは、入力軸9および出力軸10間の相対回転変位量に基づいて、ステアリングシャフト3の近傍に設けられたトルクセンサ15が検出する。トルクセンサ15が検出したトルク値は、ECU16(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)に与えられる。ECU16は、トルク値や図示しない車速センサから与えられる車速等に基づいて、駆動回路17を介して操舵補助用の電動モータ18を駆動制御する。
ECU16の制御によって出力される電動モータ18の回転力は、減速機19により増幅され、ステアリングシャフト3の出力軸10に伝達される。出力軸10に伝達された力は、ピニオン軸5を介してラック軸8に伝達される。これにより操舵が補助される。
図2は、図1の電動パワーステアリング装置に含まれる減速機およびその周辺の構成を示す断面図である。図2を参照して、減速機19は、電動モータ18により回転駆動される小径ギヤとしてのウォーム軸20と、このウォーム軸20に噛み合う大径ギヤとしてのウォームホイール21と、ウォーム軸20およびウォームホイール21を収容するギヤハウジング22とを備えている。ギヤハウジング22は筒状に形成され、電動モータ18のモータハウジング30がギヤハウジング22の上方に連結されている。
ウォーム軸20は、電動モータ18側端部としての第1の端部23と、第1の端部23と反対側の第2の端部24と、第1および第2の端部23,24の間であり、ウォーム歯が形成された中間部26とを有する。ウォーム軸20の第1の端部23と電動モータ18の出力軸27とは筒状の継手28を介して、ウォーム軸20が電動モータ18と動力伝達可能に連結されている。
ウォームホイール21は、出力軸10に一体回転可能に結合された環状の芯金21aと、芯金21aの周囲を取り囲み外周に歯が形成された合成樹脂部材21bとを備える。芯金21aは、例えば合成樹脂部材21bの樹脂成形時に金型内にインサートされる。芯金21aの内周面は、ステアリングシャフト3の出力軸10に、例えば圧入によって連結されている。これにより、ウォームホイール21は、出力軸10に対して一体回転可能に且つ軸方向移動不能にされている。
ウォーム軸20は、第1および第2の端部23,24にそれぞれ対応する第1および第2の軸受31,32を介してギヤハウジング22に回転自在に支持されている。第1および第2の軸受31,32として片シール軸受が用いられている。
第1の軸受31の内輪31bは、ウォーム軸20の第1の端部23に圧入されている。また、ギヤハウジング22のうち、第1の端部23に対向する部分には、軸受保持部としての環状の軸受保持穴33が形成されている。この軸受保持穴33には、第1の軸受31の外輪31aが嵌合され、保持されている。
また第1の軸受31の外輪31aは、予圧調整用の環状のねじ部材39により、ウォーム軸20の中間部26側へ付勢されている。ねじ部材39はギヤハウジング22に形成されるねじ孔40にねじ込まれることにより、第1および第2の軸受31,32に予圧を付与すると共に、ウォーム軸20を軸方向に位置決めしている。予圧調整後のねじ部材39を止定するために当該ねじ部材39にロックナット41が係合されている。
第2の軸受32の内輪32bは、ウォーム軸20の第2の端部24に嵌合されており、第2の軸受32の外輪32aは、ギヤハウジング22の軸受保持穴34に圧入され、保持されている。
ウォーム軸20およびウォームホイール21の噛み合い領域Aを含む領域には、緩衝材粒子を分散した潤滑剤が充填されている。この潤滑剤の働きにより、ウォーム軸20およびウォームホイール21の歯面間の衝突を緩衝することによって、バックラッシュに起因する歯打ち音が低減される。
片シール軸受からなる上記第1および第2の軸受31,32では、シール31d,32dがウォーム軸20の中間部26側に配置されている。このため、第1の軸受31の外輪31aと内輪31bとの間および第2の軸受32の外輪32aと内輪32bとの間が封止されている。
したがって、緩衝材粒子を含む潤滑剤が、各軸受31,32内に侵入することを防ぐことができる。これにより、緩衝材粒子による軸受31,32の摩耗を防ぎ、各軸受31,32の耐久性を向上することができる。なお、第1および第2の軸受31として両シール軸受を用いてもよい。
ギヤハウジング22および第1の軸受31によって、潤滑剤が充填される第2室S2が区画されている。第2室S2にはウォーム軸20の中間部26およびウォームホイール21が収容されている。この実施形態では、潤滑剤は第2室S2内のほぼ全域に充填されている。潤滑剤は、第2室S2内において噛み合い領域Aのみに充填しても良いし、噛み合い領域Aとウォーム軸20の周縁全体に充填しても良い。
上記の潤滑剤は、潤滑剤と、緩衝材粒子とを含むものである。このうち緩衝材粒子は、平均粒径D1が50μm<D1≦300μmである必要がある。
緩衝材粒子の平均粒径D1が50μm以下では、ウォーム軸とウォームホイールとの噛み合いの衝撃を緩衝して歯打ち音を低減する効果に限界があり、減速機の騒音を大幅に低減することができない。また平均粒径D1が300μmを超える場合には電動パワーステアリング装置の操舵トルクが上昇したり、摺動音を発生して却って滅速機の騒音が大きくなったりするという問題がある。
なお緩衝材粒子の平均粒径は、歯打ち音を低減する効果をさらに向上することを考慮すると、上記の範囲内でもとくに100μm以上であるのが好ましい。また操舵トルクの上昇や摺動音の発生をより確実に防止すること考慮すると、上記の範囲内でもとくに200μm以下であるのが好ましい。
緩衝材粒子の形状は球状、粒状、薄片状、棒状等の種々の形状が選択できるが、潤滑剤組成物の流動性などを考慮すると球状または粒状が好ましく、とくに球状が好ましい。
緩衝材粒子を形成する緩衝材としては、ヤング率が0.1〜104MPaの範囲内にあるものを用いるのが好ましい。
ヤング率が0.1MPa未満のものは軟らかすぎるため、ウォーム軸とウォームホイールとの噛み合い領域に介在して衝撃を吸収し、それによって歯打ち音を減少させることで減速機の騒音を低減する効果が十分に得られないおそれがある。またヤング率が104MPaを超える場合には電動パワーステアリング装置の操舵トルクが上昇したり、摺動音を発生して却って減速機の騒音が大きくなったりするおそれがある。
なお緩衝材粒子を形成する緩衝材のヤング率は、歯打ち音を低減する効果をさらに向上することを考慮すると、上記の範囲内でもとくに0.5MPa以上であるのが好ましい。
また操舵トルクの上昇や摺動音の発生をより確実に防止すること考慮すると、上記の範囲内でもとくに102MPa以下であるのが好ましい。
緩衝材粒子のその他の特性についてはとくに限定されないが、当該緩衝材粒子を形成する緩衝材の引張り強さは1〜50MPaであるのが好ましい。
また緩衝材粒子を形成する緩衝材の硬さは、ショアーD硬さで表して10以上で、かつロックウェル硬さ(Rスケール)で表して110以下であるのが好ましい。
かかる緩衝材粒子としては、ゴム弾性を有する種々の、ゴムまたは軟質樹脂からなるものがいずれも使用可能である。
このうち軟質樹脂としては、例えばポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性または硬化性(架橋性)のウレタン樹脂等を挙げることができる。また例えばオレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系などの耐封性の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。
一方、ゴムとしては、例えばエチレン プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン プロピレン ジエン共重合ゴム(EPDM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム(U)等をあげることができる。
ただし耐熱性、耐久性などを考慮すると、硬化性のウレタン樹脂の硬化物にて形成した球状の緩衝材粒子を使用するのが好ましい。またかかる緩衝材粒子は、硬化性のウレタン樹脂の硬化度(架橋度)を調整することによってヤング率、引張り強さ、および硬さを任意に設定できるという利点もある。
緩衝材粒子は、潤滑剤100重量部に対して20〜300重量部の割合で配合するのが好ましい。
緩衝材粒子の配合割合が20重量部未満では、ウォーム軸とウォームホイールとの噛み合い領域に介在して衝撃を吸収し、それによって歯打ち音を減少させることで減速機の騒音を低減する効果が不十分になるおそれがある。また300重量部を超える場合には、電動パワーステアリング装置の操舵トルクが上昇したり、摺動音を発生して却って減速機の騒音が大きくなったりするおそれがある。
なお緩衝材粒子の、潤滑剤100重量部に対する配合割合は、歯打ち音を低減する効果をさらに向上することを考慮すると、上記の範囲内でもとくに25重量部以上であるのが好ましい。また操舵トルクの上昇や摺動音の発生をより確実に防止すること考慮すると、上記の範囲内でもとくに100重量部以下であるのが好ましい。
上記緩衝材粒子を分散させる潤滑剤としては、液状の潤滑油と半固体状のグリースのいずれを用いても良い。
このうち潤滑油としては、その動粘度が5〜200mm2/s(40℃)、とくに20〜100mm2/s(40℃)であるものを用いるのが好ましい。潤滑油としては合成炭化水素油(例えばポリαオレフイン油)が好ましいが、シリコーン油、フッ素油、エステル油、エーテル油等の合成油や鉱油などを用いることもできる。潤滑油はそれぞれ単独で使用できる、他、2種以上を併用しても良い。
また潤滑油には、必要に応じて固体潤滑剤(二硫化モリブデン、グラファイト、PTFE等)、リン系や硫黄系の極圧添加剤、トリブチルフェノール、メチルフェノール等の酸化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤、油性剤などを添加してもよい。
一方のグリースとしては、緩衝材粒子を添加した潤滑剤組成物としてのちょう度が、NLGI(National Lubricating Grease Institute)番号で表してNo.2〜No.000、とくにNo.2〜No.00となるものを用いるのが好ましい。
グリースは、従来同様に潤滑基油に、増ちょう剤を添加して形成される。
潤滑基油としては合成炭化水素油(例えばポリαオレフイン油)が好ましいが、シリコーン油、フッ素油、エステル油、エーテル油等の合成油や鉱油などを用いることもできる。潤滑基油の動粘度は5〜200mm2/s(40℃)、とくに20〜100mm2/s(40℃)であるのが好ましい。
また増ちょう剤としては、従来公知の種々の増ちょう剤(石けん系、非石けん系)が使用できる。
さらにグリースには、やはり必要に応じて固体潤滑剤(二硫化モリブデン、グラファイト、PTFE等)、リン系や硫黄系の極圧添加剤、トリブチルフェノール、メチルフェノール等の酸化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤、油性剤などを添加してもよい。
図3は、図2のウォーム軸およびその周辺の概略構成を示す断面図である。図2および図3を参照して、ウォーム軸20の内部には、上記第2室S2と、ギヤハウジング22およびモータハウジング30によって区画された第1室S1とを互いに連通する連通路50が形成されている。第1室S1とは、ギヤハウジング22内の空間において、第1の軸受31よりもモータハウジング30側にある空間S11と、これに通じ且つ大気に連通されたモータハウジング30内の空間S12とを含む空間である。連通路50により、第1室S1と第2室S2との間の通気が許容されている。
ウォーム軸20の第1の端部23の外周面42において、連通路50は第1室S1に開口する第1開口54を有している。また連通路50は、中間部26の外周面43において、第2室S2に開口する第2開口55を有している。連通路50は、第1開口54と第2開口55を連通している。連通路50は、ウォーム軸20の中心軸線C上に延びる軸方向路51と、この軸方向路51からウォーム軸20の径方向Rに分岐する分岐路としての第1および第2の径方向路52,53とを備えている。軸方向路51の一端は、ウォーム軸20の第1の端部23の先端面44に開口しており、他端が中間部26の軸方向の途中部に位置している。
第1の径方向路52は、軸方向路51および第1開口54を互いに連通している。第1開口54は、ウォーム軸20の第1の端部23の外周面42上において、筒状の継手28の先端と第1の軸受31との間に配置されている。また第2の径方向路53は、軸方向路51および第2開口55を互いに連通している。第2開口55は、ウォーム軸20の中間部26において、第1の軸受31と噛み合い領域Aとの間に配置されている。
例えばウォーム軸20とウォームホイール21との摩擦により第2室S2内が加熱された場合、加熱膨張した空気は、第2開口55から連通路50に流入し、第2の径方向路53、軸方向路51、第1の径方向路52を順に通じて、第1開口54から第1室S1へと流出する。
なお、第1および第2の径方向路52,53は、中心軸線Cに沿って見たときに、互いに重なる位置に配置されていてもよいし、互いに異なる位置に配置されていてもよい。
電動パワーステアリング装置1を車体に搭載した状態では、ウォーム軸20の中心軸線Cは、図3に示すように水平方向Xに対して傾斜している。そして、第2室S2内が加熱された場合、温度上昇により潤滑剤としてのグリース又は潤滑油の流動性を増した状態で、図3に示すように第2室S2内において、潤滑剤の上位面Hが形成されている。第1の軸受31および噛み合い領域Aの間に配置された第2の開口55は、ウォーム軸20の回転中、常に、潤滑剤の上位面Hよりも上方に位置している。したがって、潤滑剤が第2開口55から連通路50に流入することをほぼ確実に防止することができ、これにより、第2室S2の潤滑剤が連通路50を通じて第1室S1に流出することを防止することができる。
ウォーム軸20の回転中に第2開口55が潤滑剤の上位面H1(図3中に2点鎖線にて図示)を通過するようにしてもよい。すなわち、第2開口55が最上位に到達したときに第2開口55が潤滑剤の上位面H1よりも上方であればよい。この場合にも、第2開口55から第2の径方向路53に流入した潤滑剤は、潤滑剤の上位面H1の上方を通過する際、潤滑剤は第2開口55から排出されて第2室S2へと戻される。これにより、潤滑剤が連通路50を通じて潤滑剤が第1室S1に流出することを防止しつつ、第1室S1と第2室S2との間の通気が許可される。
再度図2を参照して、ギヤハウジング22には、第1室S1と第2室S2との間の通気を許容する連通溝36が形成されている。連通溝36は、軸受保持穴33の内周面33bに沿って形成され、一端が第2室S2と連通する第1溝37と、ギヤハウジング22の筒状部22aの内周面に設けられ、軸受保持穴33の内周面33bに隣接する環状段部60に形成され、第1溝37の他端と第1室S1とを連通させる第2溝38とによって形成されている。
上述した連通路50および連通溝36によって、潤滑剤が充填された第2室S2と、第1室との通気を許容することができる。言い換えれば、第2室S2は、連通路50、連通溝36、第1室S1を介して大気と連通されている。したがって、第2室S2の内部圧力が常に大気圧と同等に維持される。これにより、潤滑剤が充填された第2室S2の内部圧力の変化による不具合を防止することができる。
以上のように、この実施形態によれば、ウォーム軸20の内部に連通路50を形成することで、第1室S1と第2室S2との間で通気が許容される。これにより、第2室S2の内部圧力の変化を防止することができ、ギヤハウジング22の潤滑剤が充填される第2室S2の内部圧力の変化により生じる不具合の発生を防止することができる。
また、第2開口55から第2の径方向路53に流入した潤滑剤には、ウォーム軸20の回転に伴う遠心力が作用するので、当該潤滑剤が軸方向路51に到達することが妨げられる。これにより、第2室S2内の潤滑剤が連通路50を通じて第1室S1に流出することを防止できる。
さらに、ウォーム軸20に形成された連通路50と、ギヤハウジング22に形成された連通溝36との双方により、第1室S1および第2室S2間の通気が許容されるので、第2室S2内の圧力変化を一層防止することができる。
さらにまた、上述の説明では、ウォーム軸20の連通路50およびギヤハウジング22の連通溝36の双方で第1室S1と第2室S2との間の通気を許容するとして説明したが、ウォーム軸20の連通路50のみで第1室S1と第2室S2との間の通気を図った場合でも、上述と同様の効果を奏することができる。
図4は、本発明の他の実施形態にかかる減速機およびその近傍の要部構成を示す拡大断面図である。この図4において、前述の図2および図3に示された各部と同等の構成部分については、図2および図3と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図4を参照して、本実施の形態が図2の実施の形態と主に相違するのは、ウォーム軸20の連通路50とギヤハウジング22に形成された連通路61との双方で、第1室S1と第2室S2との間の通気を許容した点である。連通路61は、軸受保持穴33の内周面33bに沿って形成され、一端が第2室S2と連通する連通溝としての第3溝62と、ギヤハウジング22を貫通し、第3溝62の他端と第1室S1とを連通させる貫通孔63とによって形成されている。連通路61および連通路50の双方により、第1室S1および第2室S2間の通気が許容され、第2室S2内の圧力変化を防止することができる。
なお、上記の各実施形態では、図2の連通溝36や図4の連通路61をギヤハウジング22に形成した場合を説明したが、連通溝を第1の軸受31の外輪31aの外周面に形成して第1室S1と第2室S2との通気を図った場合でも、上述と同様の効果を奏することができる。
本発明は、以上の各実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
本発明の一実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 図1の電動パワーステアリング装置に含まれる減速機およびその周辺の構成を示す断面図である。 図2のウォーム軸およびその周辺の概略構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態にかかる減速機およびその近傍の要部構成を示す拡大断面図である。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置、18…電動モータ、20…ウォーム軸(小径ギヤ)、21…ウォームホイール(大径ギヤ)、22…ギヤハウジング(ハウジング)、23…第1の端部(電動モータ側端部)、27…回転軸、31…第1の軸受(シール軸受)、31a…外輪、33…軸受保持穴(軸受保持部)、33b…内周面(内周)、36…連通溝、50…連通路、51…軸方向路、52…第1の径方向路(分岐路)、53…第2の径方向路、54…第1開口、55…第2開口、62…第3溝(連通溝)、C…中心軸線、S1…第1室、S2…第2室、R…径方向、H,H1…上位面、X…水平方向

Claims (5)

  1. 回転軸を有する操舵補助用の電動モータと、この電動モータの回転軸と同軸に連結された小径ギヤおよびこれに噛み合う大径ギヤと、小径ギヤの電動モータ側端部を支持するシール軸受と、このシール軸受によって互いに仕切られた、電動モータ側の第1室およびこれと反対側の第2室とを備え、この第2室には潤滑剤が充填されており、
    上記小径ギヤは、第1室に開口する第1開口および第2室に開口する第2開口を有し、第1室および第2室を互いに連通する連通路を含み、
    この連通路は、小径ギヤの中心軸線に沿って延びる軸方向路と、軸方向路から軸方向と交差する方向に分岐する一対の分岐路とを含み、一対の分岐路の一方が軸方向路および第1開口を互いに連通し、他方が軸方向路および第2開口を互いに連通することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1において、各上記分岐路は、小径ギヤの径方向に延びるものであることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1または2において、上記小径ギヤはウォーム軸を含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、上記第2室を区画するハウジングを備え、ハウジングは、シール軸受の外輪を保持する環状の軸受保持部を有し、軸受保持部の内周に第1室および第2室を互いに連通するための連通溝が形成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、小径ギヤの軸方向は、水平方向に対して傾斜しており、
    小径ギヤの回転中に、第2開口が、第2室内に充填された潤滑剤の上位面よりも上方を通過するようにしてあることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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