JP2015227125A - ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット - Google Patents

ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2015227125A
JP2015227125A JP2014113883A JP2014113883A JP2015227125A JP 2015227125 A JP2015227125 A JP 2015227125A JP 2014113883 A JP2014113883 A JP 2014113883A JP 2014113883 A JP2014113883 A JP 2014113883A JP 2015227125 A JP2015227125 A JP 2015227125A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pinion
rack
teeth
shaft
gear unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014113883A
Other languages
English (en)
Inventor
高之 吉田
Takayuki Yoshida
高之 吉田
一義 坪井
Kazuyoshi Tsuboi
一義 坪井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2014113883A priority Critical patent/JP2015227125A/ja
Publication of JP2015227125A publication Critical patent/JP2015227125A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

【課題】ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットにおいて、操舵時に運転者に違和感を与える事を長期間に亙って防止できる構造を、低コストで実現する。【解決手段】ピニオン軸6aの中心部に、このピニオン軸6aの上端面に開口すると共に、このピニオン軸6aの軸方向に関してピニオン歯7とラック歯9との噛合部よりも上端寄り部分に迄達する軸方向孔27を設ける。又、この軸方向孔27の奥端部と、ピニオン軸6aの外周面とを連通させる、供給孔28を設ける。そして、軸方向孔27内に、潤滑剤を充填する。【選択図】図1

Description

この発明は、自動車の操舵輪に舵角を付与する為のステアリング装置を構成する、ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットの改良に関する。
ステアリングホイールから入力された回転運動を舵角付与の為の直線運動に変換する為の機構としてラックアンドピニオンを使用する、ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを備えたステアリング装置が、例えば特許文献1〜5に記載される等により、従来から広く知られている。又、ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットは、小型且つ軽量に構成でき、しかも剛性が高く良好な操舵感を得られる為、実際に広く使用されている。図6〜8は、この様なラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを組み込んだステアリング装置の1例として、特許文献4に記載された構造を示している。このステアリング装置では、ステアリングホイール1の操作に伴って回転するステアリングシャフト2の動きを、自在継手3、3及び中間シャフト4を介して、ステアリングギヤユニット5の入力軸である、ピニオン軸6に伝達する。尚、図示の例では、電動パワーステアリング装置を組み込んでいる。この為に、内側に前記ステアリングシャフト2を回転自在に支持したステアリングコラム24の前端部に、補助力付与の為の動力源となる電動モータ25を、このステアリングコラム24の前端部に固定したハウジング26に支持する事により設けている。そして、前記電動モータ25の出力トルク(補助力)を、前記ハウジング26内に設けたギヤユニット等を介して、前記ステアリングシャフト2に付与する様にしている。尚、図8の左右方向(ピニオン軸6の軸方向)は、必ずしも使用状態での上下方向(鉛直方向)とは一致しない。上下方向は、車両への組み付け状態で適宜選択し、一般的には、後述する図1、3及び4に示す様に、ピニオン軸を、鉛直方向に対し傾斜させた状態で設置する。
何れにしても、前記ステアリングギヤユニット5は、前記ピニオン軸6の軸方向の一部に設けたピニオン歯7と、ラック軸8の前面に設けたラック歯9とを噛合させて成る。尚、このうちのラック歯9は、図9に略示する様な、捩れ角θを有するものを使用し、これに合わせて前記ピニオン歯7に関しても、同様の捩れ角を有するヘリカルギヤを使用している。前記ピニオン軸6及びラック軸8は、それぞれの一部を、ケーシング10内に収納している。このケーシング10は、それぞれが筒状である、主収納部11及び副収納部12を備える。このうちの主収納部11は、両端が開口している。又、この副収納部12は、この主収納部11の一部側方に設けられていて、一端が開口している。これら主収納部11の中心軸と副収納部12の中心軸とは、互いに捩れの位置関係にある。前記ラック軸8は、このうちの主収納部11に軸方向の変位を可能に挿通しており、両端部をこの主収納部11から突出させている。又、この主収納部11の内周面の両端寄り部分に支持した1対のラックガイド(滑り軸受)13、13を、前記ラック軸8の外周面に摺接させて、前記ラック軸8が前記主収納部11に対し、がたつきなく、軸方向に変位できる様にしている。そして、このラック軸8の両端部に、それぞれ球面継手14、14を介して、タイロッド15、15の基端部を結合している。これら両タイロッド15、15の先端部は、それぞれ図示しないナックルアームの先端部に、枢軸により結合している。尚、前記ラック軸8は、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合により、自身の中心軸周りで回転する事はない。
又、前記ピニオン軸6は、前記ピニオン歯7を形成した先半部を前記副収納部12内に、回転のみ可能に支持している。この為に、前記ピニオン軸6の先端部をこの副収納部12の奥端部に、ラジアルニードル軸受16により支持している。又、前記ピニオン軸6の中間部を前記副収納部12の開口寄り部分に、深溝型、3点接触型若しくは4点接触型等の単列の玉軸受17により、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承可能に(軸方向の変位を阻止して回転可能に)支持している。前記玉軸受17を前記ケーシング10の所定位置に支持する為、このケーシング10に抑えねじ筒18を螺着しており、この抑えねじ筒18の内周面と前記ピニオン軸6の外周面との間の隙間を、シールリング19により塞いでいる。
又、前記主収納部11の直径方向に関して、前記副収納部12と反対側部分にシリンダ部20を設け、このシリンダ部20内に、押圧ブロック21を嵌装している。そして、このシリンダ部20の開口部に螺着した蓋体22とこの押圧ブロック21との間にばね23等の弾性部材を設けて、この押圧ブロック21を前記ラック軸8に向け押圧している。これにより、このラック軸8を前記ピニオン軸6に向け弾性的に押圧して、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部のバックラッシを解消している。更には、これら両歯7、9同士の噛合部での動力伝達に伴って前記ラック軸8に加わる、前記ピニオン軸6から離れる方向の力に拘らず、前記噛合部の噛合状態を適正に維持できる様にしている。
上述の様なステアリングギヤユニット5を組み込んだステアリング装置により、左右の前輪に舵角を付与する際には、前記ステアリングホイール1の操作により前記ピニオン軸6を回転させる。すると、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合に基づいて、前記ラック軸8が軸方向に変位する。そして、このラック軸8の両端部に結合した、前記両タイロッド14、14を押し引きして、前記両前輪に所望の舵角を付与する。
上述の様なラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットの場合、悪路走行等により、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部で微小な振動が発生すると、この噛合部でフレッチング摩耗が発生する可能性がある。この様なフレッチング摩耗は、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部のうち、車両の走行中に多くの時間を占める直進状態で、これらピニオン歯7とラック歯9とが噛合する部分で著しくなる。何れにしても、前記フレッチング摩耗に基づいてこの噛合部のがたつきが大きくなると、前記ステアリングホイール1を操作する運転者に違和感を与える可能性がある。この様ながたつきに基づく違和感は、前記図6に示した、コラムアシスト式と呼ばれる電動パワーステアリング装置を組み込んだステアリング装置の様に、前記ピニオン軸6の回転トルクが大きく、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との間での動力伝達に伴いこれらピニオン歯7及びラック歯9に加わる力が大きい場合に、特に顕著になる。そこで、これらピニオン歯7とラック歯9との噛合部を、半固体状(ゲル状)のグリースにより潤滑する事が、従来から行われている。但し、前記図7、8に示した従来構造の場合、長期間の使用に伴って、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部の潤滑に供されるグリースが減少する可能性がある。即ち、これらピニオン歯7とラック歯9との歯溝内に付着したグリースの一部は、これらピニオン歯7とラック歯9との噛合に基づいて、前記ラック軸8の外周面のうち、このラック歯9から軸方向に外れた部分に押し出される傾向がある。又、前記ラック軸8の外周面に付着したグリースは、このラック軸8と共に前記ケーシング10の主収納部11内を軸方向に繰り返し移動して、このケーシング10内から排出される場合がある。
特許文献6には、円筒状としたラック軸内にグリースを充填すると共に、ピストンを設け、このグリースを、ラック歯の歯底面に設けた貫通孔を通じてこのピストンにより押し出す発明が記載されている。この様な特許文献6に記載された発明によれば、ピニオン歯とラック歯との噛合部を長期間に亙り潤滑する事ができるが、構造が複雑でコストが嵩む事が避けられない。
特開昭55−68472号公報 特開平10−217985号公報 特開2007−186185号公報 特開2009−184591号公報 特開2009−190426号公報 特開2013−82345号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ピニオン歯とラック歯との噛合部でのフレッチング摩耗の発生を抑え、操舵時に運転者に違和感を与える事を長期間に亙って防止できるラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットの構造を、低コストで実現すべく発明したものである。
本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットは、ケーシングと、ラック軸と、ピニオン軸とを備える。
このうちのラック軸は、軸方向の一部側面にラック歯を設け、前記ケーシング内に軸方向の変位を可能に支持されている。
又、前記ピニオン軸は、前記ラック軸に対し捩れの位置関係に配置され、且つ、軸方向の一部外周面に形成したピニオン歯を前記ラック歯と噛合させた状態で、前記ケーシング内に回転可能に支持されている。尚、本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットをステアリング装置に組み込んだ状態で、例えばステアリングホイールの回転力を、ステアリングシャフトや中間シャフト、自在継手等を介して前記ピニオン軸に伝達自在とする。
特に本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットに於いては、前記ピニオン軸の例えば中心部に、このピニオン軸の軸方向片端面に開口した軸方向孔を設けている。これと共に、この軸方向孔と、前記ピニオン軸の外周面とを連通させる供給孔を設けている。そして、これら軸方向孔及び供給孔を通じて、前記ピニオン歯と前記ラック歯との噛合部に、グリース等の潤滑剤を供給する。
上述の様な本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記供給孔の開口部(下流側開口部)を、前記ピニオン軸の外周面のうち、このピニオン軸の軸方向に関して前記ラック歯と前記ピニオン歯との噛合部よりも片端寄り部分(車体への組み付け状態で上側となる部分)に開口させる。
又、本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを実施する場合、請求項3に記載した発明の様に、前記供給孔を、前記ピニオン軸の円周方向に関して、前記ピニオン歯のうち、車両の直進状態で前記ラック歯と噛合する部分と一致する部分に設ける。
この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、前記ピニオン軸の軸方向片端面のうち、このピニオン軸の円周方向に関して、前記供給孔の形成方向と一致する位置に目印を設ける。
上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、前記供給孔の内径を、前記軸方向孔の内径よりも小さくする。
又、本発明を実施する場合には、請求項6に記載した発明の様に、前記供給孔の開口部(下流側開口部)を、前記ピニオン歯の歯底面に開口する。
又、本発明を実施する場合には、請求項7に記載した発明の様に、車体への取付状態(車両を水平な平坦面上に載置した状態)で、前記供給孔を、前記ピニオン軸の径方向外方に向かう程、水平面に対して上方に向かう方向に傾斜させる。
又、本発明を実施する場合には、請求項8に記載した発明の様に、前記軸方向孔及び供給孔のうちの少なくとも一方の孔の内側に、前記ピニオン歯と前記ラック歯との噛合部への潤滑剤の供給量を調整する(少なくする)為の調整部材を設ける。
又、本発明を実施する場合には、請求項9に記載した発明の様に、前記軸方向孔の開口部を止め栓により塞ぐ。
上述の様に構成する本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットによれば、ピニオン歯とラック歯との噛合部でのフレッチング摩耗の発生を抑えられ、操舵時に運転者に違和感を与える事を長期間に亙って防止できる構造を、低コストで実現できる。
即ち、ピニオン軸の軸方向孔内に充填された潤滑剤は、重力や車両走行時に加わる振動、このピニオン軸の回転に基づく遠心力により、供給孔を通じて、ピニオン歯とラック歯との噛合部に供給される。この為、これらピニオン歯とラック歯との噛合部を、前記潤滑剤により長期間に亙って潤滑する事ができ、この噛合部でフレッチング摩耗が発生する事を防止できる。
又、本発明の場合、上述の様にフレッチング摩耗を防止できる構造を、前記軸方向孔を前記ピニオン軸に設けると共に、前記供給孔を、この軸方向孔と、このピニオン軸の外周面とを連通させる状態で設ける事で実現できる。従って、前述の特許文献6に記載された発明の様に、構造が複雑になって製造コストが増大する事はない。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 同じく一部を省略して示す図1のa−a断面図。 同第2例を示す、図1と同様の図。 同第3例を示す、図1と同様の図。 同第4例を示す、図1と同様の図(A)と、ピニオン軸の端面図(B)。 ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを組み込んだ自動車用操舵装置の1例を示す部分切断側面図。 図6のb−b断面図。 図7の拡大c−c断面図。 ラック軸を取り出して図8の上方から見た状態で示す略図。
[実施の形態の第1例]
図1は、請求項1〜3、5、6、9に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて本発明の特徴は、ステアリングホイール1(図6参照)の操舵時に運転者に違和感を与える事を長期間に亙って防止できる構造を、低コストで実現する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図6〜8に示した従来構造と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。尚、図1の上下方向及び左右方向は、ステアリングギヤユニット5aを車体に取り付けた状態での上下方向(鉛直方向)及び前後方向と、それぞれ一致する。
本例のステアリングギヤユニット5aは、ピニオン軸6aの軸方向の先半部(図1の下半部)外周面に設けたピニオン歯7と、ラック軸8の前面(図1の左側面)に設けたラック歯9とを噛合させて成る。このうちのラック歯9は、捩れ角を有するものを使用し、これに合わせて前記ピニオン歯7に関しても、同様の捩れ角を有するヘリカルギヤを使用している。従って、このピニオン歯7と前記ラック歯9とは、同時に複数の歯が噛み合った状態となる。前記ピニオン軸6a及び前記ラック軸8は、それぞれの一部を、ケーシング10内に収納している。このケーシング10は、それぞれが筒状で、互いの中心軸が捩れの位置関係にある、主収納部11及び副収納部12を備える。このうちの主収納部11は、車体の幅方向に関して両端が開口している。又、この副収納部12は、この主収納部11の一部前方に設けられていて、上方に開口部を有している。前記ラック軸8は、この主収納部11に軸方向の変位を可能に挿通しており、両端部をこの主収納部11から突出させている。又、前記ピニオン軸6aは、前記ピニオン歯7を形成した先半部を前記副収容部12内に、回転のみ可能に支持している。
又、前記主収納部11の直径方向に関して、前記副収納部12と反対側部分にシリンダ部20を設け、このシリンダ部20内に、押圧ブロック21を嵌装している。そして、このシリンダ部20の開口部に螺着した蓋体22とこの押圧ブロック21との間に、押圧手段であるばね23等の弾性部材を設け、この押圧ブロック21を前記ラック軸8に向け押圧する事で、このラック軸8を前記ピニオン軸6aに向け弾性的に押圧している。
特に本例の場合には、このピニオン軸6aの中心部に、このピニオン軸6aの上端面に開口すると共に、このピニオン軸6aの軸方向に関して前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部よりも上端寄り部分に迄達する、潤滑剤(油脂等)を貯留する為の軸方向孔27を設けている。又、この軸方向孔27の奥端部(下端部)と、前記ピニオン軸6aの外周面とを連通させる、供給孔28を1つ設けている。本例の場合、この供給孔28は、前記ステアリングギヤユニット5aを車体に取り付けた状態(車両を水平な平坦面上に載置した状態)で、前記ピニオン軸6aの径方向外側に向かう程、水平面Xに対して下方に向かう方向に傾斜している。又、前記供給孔28は、前記ピニオン軸6aの円周方向に関して、前記ピニオン歯7のうち、車両の直進状態(ステアリングホイール1の中立状態)で前記ラック歯9と噛合する部分と一致する部分に設けている。更に、前記供給孔28の開口部(下流側開口部)は、前記ピニオン軸6aの外周面のうち、このピニオン軸6aの軸方向に関して、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部よりも上側に外れた部分に存在する、このピニオン歯7の歯底面に開口している。そして、前記軸方向孔27及び前記供給孔28内にグリース等の潤滑剤を充填している。本例の場合、この軸方向孔27の開口部を止め栓29により塞いでいる。即ち、この軸方向孔27の開口部に止め栓29を圧入、又はこの止め栓29の外周面に形成した雄ねじ部を前記軸方向孔27の開口側端部内周面に形成した雌ねじ部に螺合している。又、クリップやキャップにより、止め栓29の抜け止めを図っても良い。これにより、この軸方向孔27内に塵等の異物が入り込む事を防止している。尚、この様な止め栓29として、例えば、この軸方向孔27の開口部に着脱可能若しくは着脱不能に挿入される盲栓や、この開口部を開閉可能に塞ぐ給脂栓(給脂プラグ)を使用する事ができる。又、前記止め栓29の外周面と前記軸方向孔27の内周面との間にOリングを挟持したり、これら両周面同士の間にシール剤を充填したりして、これら両周面同士の間の気密性の向上を図る事もできる。
上述の様な本例のステアリングギヤユニット5aによれば、ピニオン歯7とラック歯9との噛合部でのフレッチング摩耗の発生を抑えられ、ステアリングホイール1(図6参照)の操舵時に運転者に違和感を与える事を長期間に亙って防止できる構造を、低コストで実現できる。
即ち、前記ピニオン軸6aの軸方向孔27内に充填された潤滑剤は、重力や車両走行時に加わる振動、前記ステアリングホイール1の操作に伴う前記ピニオン軸6aの回転に基づく遠心力により、前記供給孔28を通ってこのピニオン軸6aの外径側に移動し、更にこのピニオン軸6aの外周面に沿って下方に移動し、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部に供給される。又、本例の場合、前記供給孔28の内径を、前記軸方向孔27の内径よりも小さくして、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部に供給される潤滑剤の量が過剰になる事を防止している。この為、これらピニオン歯7とラック歯9との噛合部を、前記潤滑剤により長期間に亙って潤滑する事ができ、この噛合部でフレッチング摩耗が発生する事を防止できる。特に本例の場合、前記供給孔28の開口部、前記ピニオン歯7の歯底面に開口させている為、この供給孔28から送り出された潤滑剤を、前記ラック歯9を構成する各歯の両側面に塗布して、前記ピニオン歯7とこのラック歯9との噛合部を効率良く潤滑できる。更に本例の場合、前記供給孔28を、前記ピニオン軸6aの円周方向に関して、前記ピニオン歯7のうち、車両の直進状態で前記ラック歯9と噛合する部分と一致する部分に設けている。この為、前記車両の走行中に多くの時間を占める直進状態で、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部に供給される潤滑剤の量を十分に確保できる。この結果、この噛合部でがたつきが大きくなる事を防止できて、前記ステアリングホイール1を操作する運転者に違和感を与える事を防止できる。
又、本例の場合、この様に前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部でのフレッチング摩耗を防止できる構造を、前記軸方向孔27を前記ピニオン軸6aの中心部に設けると共に、前記供給孔28を、この軸方向孔27の奥端部とこのピニオン軸6aの外周面とを連通させる状態で設ける事で実現できる。従って、前述の特許文献6に記載された発明の様に、構造が複雑になって製造コストが増大する事はない。特に本例の場合、前記供給孔28の開口部を、前記ピニオン歯7の歯底面に開口させている為、この供給孔28を切削加工により形成する際の加工量を抑えられる。尚、本例の場合、前記軸方向孔27の奥端部(下端部)は、前記ピニオン軸6aの軸方向に関して前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部よりも上端寄り部分に位置している。換言すれば、前記軸方向孔27を、前記ピニオン軸6aのうち、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部の内径側部分には設けていない。この為、前記軸方向孔27を設ける事に伴って、前記ラック軸8から前記ピニオン軸6aに加わるギヤ反力に対する剛性が徒に小さくなる事はない。
尚、本発明を実施する場合に、軸方向孔27の奥端部と、ピニオン軸6aとの外周面を連通する供給孔28を、このピニオン軸6aの円周方向複数箇所に設ける事もできる。又、供給孔28は、ピニオン軸6aの放射方向に設けずに、放射方向に対して傾斜して設けても良い。又、供給孔28の開口部は、ピニオン歯7の歯底面に限らず、このピニオン歯7の歯先面に開口させたり、このピニオン歯7とラック歯9との噛合部から軸方向に外れた部分であれば、歯部に開口させる事もできる。更には、ピニオン軸6aの外周面のうち、ピニオン歯7を形成した部分から軸方向に外れた円筒部30(図1参照)に、供給孔28を開口させても良い。
[実施の形態の第2例]
図3は、請求項1〜3、5〜7、9に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。上述した実施の形態の第1例の場合、供給孔28を、車体への取付状態(車両を水平な平坦面上に載置した状態)で、ピニオン軸6aの径方向外側に向かう程、水平面に対して下方に向かう方向に傾斜する状態で設けている。この為、前記供給孔28を通じて、軸方向孔27内に充填した潤滑剤が重力により、ピニオン歯7とラック歯9の噛合部に過剰に供給されたり、車両の停止時にもこの噛合部に供給されたりする可能性がある。これに対し、本例のステアリングギヤユニット5bの場合、軸方向孔27aの奥端部と、ピニオン軸6bの外周面とを連通する供給孔28aを、車体への取付状態(車両を水平な平坦面上に載置した状態)で、このピニオン軸6bの径方向外側に向かう程、水平面Xに対して上方に向かう方向に傾斜する状態で設けている。この為、前記軸方向孔27a内に充填した潤滑剤が重力のみに基づいて、前記供給孔28aを介し、ピニオン歯7とラック歯9との噛合部に供給される事を抑えている(供給量を少なくしている)。この結果、より長期間に亙って、この噛合部に潤滑剤を供給する事ができる。尚、本例の場合、前記軸方向孔27a内に充填した潤滑剤は、ステアリングホイール1(図6参照)の操作に伴う前記ピニオン軸6bの回転に基づいて発生する遠心力や、上り坂(急な上り勾配)の走行時に前記供給孔28aが、水平面X(重力の作用方向に対し垂直な面)に対して下方に向かう方向に傾斜する事により、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部に供給される。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図4は、請求項1〜3、5〜9に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例のステアリングギヤユニット5cは、軸方向孔27aの軸方向中間部に、調整部材31を設けている(挿入若しくは圧入している)。この様な調整部材31は、例えば、ポリウレタン等の合成樹脂を発泡させて得られるスポンジや焼結金属等、多数の空孔を有する材料により造られる。即ち、前記調整部材31は、これら各空孔内に潤滑剤を保持する事で、前記軸方向孔27a中でこの調整部材31を設けた部分よりも下流側に流れる潤滑剤の量を調整する(少なくする)。尚、この様な調整部材31を前記軸方向孔27a中に複数設ける事もできる。又、この調整部材31は、供給孔28a中に設けても良い。何れにしても、本例の場合には、ピニオン歯7とラック歯9との噛合部に供給する潤滑剤の量を前記調整部材31により調整できて、この噛合部により長期間に亙って潤滑剤を供給する事ができる。特に、潤滑剤として、粘度が比較的小さい潤滑油(グリースの基油)を使用する場合に、前記調整部材31を設ける効果を顕著に得られる。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例及び第2例と同様である。
[実施の形態の第4例]
図5は、請求項1〜9に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例のステアリングギヤユニット5dは、ピニオン軸6cの上端面のうち、このピニオン軸6cの円周方向に関して、供給孔28aの形成方向と一致する位置に目印32を設けている。これにより、前記ステアリングギヤユニット5dの組立作業時に、前記供給孔28aの開口部の、前記ピニオン軸6cの円周方向に関する位相を、車両の直進状態でのピニオン歯7とラック歯9との噛合部と一致させる作業の容易化を図れる。尚、前記目印32としては、切り欠きやポンチ等により形成される凹部又は凸部、ペンキ、油性ペンによるマーク、刻印等、完成後のステアリングギヤユニット5dの機能を損なわない限り、任意のものが使用できる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例及び第2例と同様である。
本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを実施する場合に、軸方向孔及び供給孔の直径(内径)は、必ずしも長さ方向(軸方向)に亙って一定である必要はない。例えばこれら軸方向孔及び供給孔を、奥部に向かう程内径が小さくなるテーパ孔としたり、或いは、奥側の内径が小さくなった段付き円孔等としても良い。又、車体への取付状態(車両を水平な平坦面上に載置した状態)で、供給孔を水平面に対して平行に設ける事もできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 自在継手
4 中間シャフト
5、5a〜5d ステアリングギヤユニット
6、6a〜6c ピニオン軸
7 ピニオン歯
8 ラック軸
9 ラック歯
10 ケーシング
11 主収納部
12 副収納部
13 ラックガイド
14 球面継手
15 タイロッド
16 ラジアルニードル軸受
17 玉軸受
18 抑えねじ筒
19 シールリング
20 シリンダ部
21 押圧ブロック
22 蓋体
23 ばね
24 電動モータ
25 ステアリングコラム
26 ハウジング
27、27a 軸方向孔
28、28a 供給孔
29 止め栓
30 円筒部
31 調整部材
32 目印

Claims (9)

  1. ケーシングと、
    軸方向の一部側面にラック歯を設け、前記ケーシング内に軸方向の変位を可能に支持されたラック軸と、
    このラック軸に対し捩れの位置関係に配置され、且つ、軸方向の一部外周面に形成したピニオン歯を前記ラック歯と噛合させた状態で、前記ケーシング内に回転可能に支持されたピニオン軸と
    を備えたラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットに於いて、
    前記ピニオン軸に、このピニオン軸の軸方向片端面に開口した軸方向孔を設けると共に、この軸方向孔と、前記ピニオン軸の外周面とを連通させる供給孔を設けており、これら軸方向孔及び供給孔を通じて、前記ピニオン歯と前記ラック歯との噛合部に潤滑剤を供給する事を特徴とするラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット。
  2. 前記供給孔の開口部が、前記ピニオン軸の外周面のうち、このピニオン軸の軸方向に関して前記ラック歯と前記ピニオン歯との噛合部よりも片端寄り部分に開口している、請求項1に記載したラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット。
  3. 前記供給孔を、前記ピニオン軸の円周方向に関して、前記ピニオン歯のうち、車両の直進状態で前記ラック歯と噛合する部分と一致する部分に設けている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット。
  4. 前記ピニオン軸の軸方向片端面のうち、このピニオン軸の円周方向に関して、前記供給孔の形成方向と一致する位置に目印を設けている、請求項3に記載したラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット。
  5. 前記供給孔の内径を、前記軸方向孔の内径よりも小さくしている、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット。
  6. 前記供給孔の開口部が、前記ピニオン歯の歯底面に開口している、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット。
  7. 車体への取付状態で、前記供給孔が、前記ピニオン軸の径方向外方に向かう程、水平面に対して上方に向かう方向に傾斜している、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載したラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット
  8. 前記軸方向孔及び供給孔のうちの少なくとも一方の孔の内側に、前記ピニオン歯と前記ラック歯との噛合部への潤滑剤の供給量を調整する為の調整部材を設けている、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載したラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット。
  9. 前記軸方向孔の開口部を止め栓により塞いでいる、請求項1〜8のうちの何れか1項に記載したラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット。
JP2014113883A 2014-06-02 2014-06-02 ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット Pending JP2015227125A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014113883A JP2015227125A (ja) 2014-06-02 2014-06-02 ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014113883A JP2015227125A (ja) 2014-06-02 2014-06-02 ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015227125A true JP2015227125A (ja) 2015-12-17

Family

ID=54884895

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014113883A Pending JP2015227125A (ja) 2014-06-02 2014-06-02 ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015227125A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110497956A (zh) * 2019-08-12 2019-11-26 肇庆学院 一种汽车转向器的齿轮轴

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110497956A (zh) * 2019-08-12 2019-11-26 肇庆学院 一种汽车转向器的齿轮轴

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5839496B2 (ja) 遊星歯車装置
JP4939042B2 (ja) 潤滑剤組成物とそれを用いた減速機ならびにそれを用いた電動パワーステアリング装置
US10883594B2 (en) Worm reducer
JP2017109654A (ja) ステアリング装置
JP2015227125A (ja) ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット
JP4182408B2 (ja) 減速機およびこれを備える電動式動力舵取装置
JP2013226898A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5509795B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
KR102045868B1 (ko) 전동식 파워 스티어링 시스템
JP2004276725A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2014122659A (ja) 減速機、および電動パワーステアリング装置
JP5601415B2 (ja) ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット
JP2008208866A (ja) 波動歯車減速機及び伝達比可変操舵装置
JP2005001605A (ja) 車両用ラック・ピニオン式ステアリング装置
JP3847171B2 (ja) 減速機及びこれを備える電動式動力舵取装置
JP6256778B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2018123861A (ja) ウォームギアの収容構造
JP2011255818A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2013043496A (ja) ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットの製造方法
JP4140450B2 (ja) 減速機とこれを備えた電動パワーステアリング装置
JP2016142379A (ja) 動力伝達装置
JP2004019878A (ja) 減速機およびこれを備える電動式動力舵取装置
JP4200425B2 (ja) 減速機およびこれを備える電動式動力舵取装置
JP5637292B2 (ja) ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット
JP2012106560A (ja) 電動パワーステアリング装置