JP2004359980A - 原油タンク底板用鋼材 - Google Patents
原油タンク底板用鋼材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004359980A JP2004359980A JP2003157551A JP2003157551A JP2004359980A JP 2004359980 A JP2004359980 A JP 2004359980A JP 2003157551 A JP2003157551 A JP 2003157551A JP 2003157551 A JP2003157551 A JP 2003157551A JP 2004359980 A JP2004359980 A JP 2004359980A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- steel material
- crude oil
- bottom plate
- oil tank
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
【課 題】耐局部腐食性に優れた原油タンク底板用鋼材を提供する。
【解決手段】C:0.001 〜0.2 %、Si:0.1 〜0.4 %、Mn:0.1 〜2%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Al:0.01〜0.1 %、Ni:1.0 〜5%を含み、好ましくは残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材に、所定の寸法形状の鋼材とする熱間圧延を施したのち、0.1 〜20℃/sの冷却速度で冷却し、ベイナイト単相またはベイナイト相を含む組織とする。また、さらに、Cu、および/または、Mo、Ti、Nb、V、Bのうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Zr、Caのうちから選ばれた1種または2種を含有してもよい。
【選択図】 なし
【解決手段】C:0.001 〜0.2 %、Si:0.1 〜0.4 %、Mn:0.1 〜2%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Al:0.01〜0.1 %、Ni:1.0 〜5%を含み、好ましくは残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材に、所定の寸法形状の鋼材とする熱間圧延を施したのち、0.1 〜20℃/sの冷却速度で冷却し、ベイナイト単相またはベイナイト相を含む組織とする。また、さらに、Cu、および/または、Mo、Ti、Nb、V、Bのうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Zr、Caのうちから選ばれた1種または2種を含有してもよい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原油を輸送するタンクまたは貯蔵するタンクに用いて好適な原油タンク用鋼材に係り、とくに原油タンク底板で発生する局部腐食を防止できる原油タンク底板用鋼材に関する。なお、本発明でいう鋼材は、厚鋼板、薄鋼板、形鋼を含むものとする。
【0002】
【従来の技術】
従来、原油を輸送または貯蔵するタンク(以下、原油タンクともいう)においては、原油そのものは腐食抑制作用があるため、使用される鋼材には腐食は生じないと考えられていた。
ところが、最近、原油タンク内の、とくにタンク底板で鋼材にお椀型の局部腐食が発生することが明らかになっている。
【0003】
かかる局部腐食の原因として
(1)過剰な洗浄による原油保護フィルム(原油による、タンク内の腐食を抑制する保護的なフィルム)の離脱、
(2)原油中の硫化物の高濃度化、
(3)防爆用に封入されるイナートガス(O2 約5vol %、CO2 約13vol %、SO2 約0.01vol %、残部N2ガスを代表組成とするエンジンの排ガス)中の、O2 、CO2 、SO2 の高濃度化、
(4)微生物の関与
などの項目が挙げられているが、いずれも推定の域を出ず、未だ明確な原因は判明していない。
【0004】
そのため、現状では鋼材に防錆塗料を塗布して、鋼材を腐食環境から遮断する方法以外に有効な方法がないと考えられている。しかしながら、防錆塗料の塗布はその塗布面積が膨大であり、また約10年に1度は塗り替えが必要となるため、多大な費用がかかるという問題があった。
一方、鋼材側からの対策は現在までのところ殆どなく、対策がとられていないに等しいが、例えば特許文献1には、船舶外板、バラストタンク、カーゴオイルタンク、鉱炭船カーゴホールド等の使用環境で優れた耐食性を有する造船用耐食鋼が提案されている。特許文献1に記載された造船用耐食鋼は、C:0.01〜0.25%と、Si、Mn、P、S、Alを適正量に調整したうえで含み、さらにCu:0.01〜2.00%、Mg:0.0002〜0.015 %を含有しており、このような組成の鋼とすることにより、鋼材の耐食性および耐局部腐食性が向上するとしている。
【0005】
また、特許文献2に記載された鋼材は、C:0.003 〜0.30%と、Si、Mn、P、S、Alを適正量に調整したうえで含み、さらにCu:0.01〜2.0 %、Ni:0.01〜7.0 %、Cr:0.01〜10.0%、Mo:0.01〜4.0 %、Sb:0.01〜0.3 %、Sn:0.01〜0.3 %等を含有しており、このような組成とすることにより、耐局部腐食性が向上するとしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−17381号公報
【特許文献2】
特開2001−214236 号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載された鋼材でもなお、原油タンク底板で発生する局部腐食に対する抵抗性を安定して十分に発揮できているとは考えがたく、原油タンク底板で発生する局部腐食に対し、更なる抵抗性を付与した鋼材の開発が要望されている。
【0008】
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、原油を輸送するタンクまたは原油を貯蔵するタンクの底板として、塗装なしで用いて好適な、原油タンク底板において発生する局部腐食に対し抵抗性を有する、耐局部腐食性に優れた原油タンク底板用鋼材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するため、まず、原油の輸送タンク内または原油の貯蔵タンク内の腐食に関与する因子の抽出を行い、それら因子の組み合わせによる実験室腐食試験を行った。その結果、実原油タンクの底板で生じる局部腐食と同じ形態の局部腐食の再現に成功し、原油タンク内の底板で生じる局部腐食の支配因子および腐食機構を明確にした。
【0010】
すなわち、液中に含まれるO2およびH2S が、実原油タンクの底板で発生する局部腐食の支配因子として働くことが明らかとなった。ただし、この局部腐食は、O2を含みかつH2S を含まない試験液(O2分圧約21%のガスを含んだ水溶液)、もしくはH2S のみを含んだ試験液(H2S 分圧100 %のガスを含んだ水溶液)中では発生せず、O2とH2S が共存し、かつ低O2分圧(O2分圧:2〜8%)、低H2S 分圧(H2S 分圧:5〜20%)の環境下で生じることがわかった。O2とH2S が共存し、試験液中の両者の含有量が高い場合は全面腐食が大きいものの局部腐食は発生しない。低O2、低H2S 分圧の環境下では、まず鋼材表面に強固な腐食生成皮膜が形成され、この腐食生成皮膜がCl− 存在下で部分的に破壊されて、局部腐食が発生するのである。
【0011】
そこで、本発明者らは、低O2、低H2S 分圧の環境下で局部腐食発生に及ぼす各種合金元素の影響についてさらに検討した。その結果、Ni含有量を適正化することにより、耐局部腐食性に優れた鋼材とすることができることを見出した。また、Ni含有量を適正量としたうえで、組織をベイナイト単相あるいはベイナイトを含む組織とすることにより、耐局部腐食性がさらに向上することを見出した。
【0012】
本発明は上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、第一の本発明は、質量%で、C:0.001 〜0.2 %、Si:0.1 〜0.4 %、Mn:0.1 〜2%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Al:0.01〜0.1 %、Ni:1.0 〜5%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、ベイナイト単相またはベイナイト相を含む組織と、を有し、原油タンク底板における耐局部腐食性に優れることを特徴とする原油タンク底板用鋼材であり、また、第一の本発明では、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.5 %以下を含有する組成とすることが好ましく、また、第一の本発明では、前記各組成に加えてさらに、質量%で、Mo:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、Nb:0.2 %以下、V:0.2 %以下、B:0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることが好ましく、また、第一の本発明では、前記各組成に加えてさらに、質量%で、Zr:0.2 %以下、Ca:0.006 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることが好ましい。
【0013】
また、第二の本発明は、質量%で、C:0.001 〜0.2 %、Si:0.1 〜0.4 %、Mn:0.1 〜2%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Al:0.01〜0.1 %、Ni:1.0 〜5%を含み、好ましくは残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材に、所定の寸法形状の鋼材とする熱間圧延を施したのち、0.1 〜20℃/sの冷却速度で冷却することを特徴とする耐局部腐食性に優れる原油タンク底板用鋼材の製造方法であり、また、第二の本発明では、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.5 %以下を含有する組成とすることが好ましく、また、第二の本発明では、前記各組成に加えてさらに、質量%で、Mo:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、Nb:0.2 %以下、V:0.2 %以下、B:0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることが好ましく、また、第二の本発明では、前記各組成に加えてさらに、質量%で、Zr:0.2 %以下、Ca:0.006 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、本発明鋼材の組成限定理由について説明する。なお、以下、質量%は単に%と記す。
C:0.001 〜0.2 %
Cは、鋼材の強度を増加させる元素であり、本発明では所望の強度を得るために、0.001 %以上の含有を必要とする。一方0.2 %を超える含有は、溶接熱影響部の靱性を劣化させる。このため、Cは0.001 〜0.2 %の範囲に限定した。なお、強度、靱性の観点から、好ましくは0.005 〜0.15%、より好ましくは0.01〜0.10%である。
【0015】
Si:0.1 〜0.4 %
Siは、脱酸剤として作用するとともに、強度を増加させる元素であり、本発明では、0.1 %以上の含有を必要とするが、0.4 %を超える含有は、鋼の靱性を劣化させる。このため、Siは0.1 〜0.4 %の範囲に限定した。
Mn:0.1 〜2%
Mnは、鋼材の強度を増加させる元素であり、所望の強度を確保するために0.1 %以上を必要とする。一方、2%を超える含有は、鋼の靱性および溶接性を低下させる。このため、Mnは0.1 〜2%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.2 〜1.3 %である。
【0016】
P:0.02 %以下
Pは、粒界に偏析して鋼の靱性を低下させる有害な元素であり、できるだけ低減するのが好ましいが、0.02%を超えて含有すると靱性が顕著に低下する。このため、Pは0.02%以下に限定した。なお、0.005 %未満の低減は製造コストの増大を招くので、Pは0.005 〜0.02%とするのが好ましい。
【0017】
S:0.01%以下
Sは、非金属介在物のMnS を形成し、局部腐食の起点となり耐局部腐食性を低下させる有害な元素であり、できるだけ低減するのが好ましいが、0.01%を超える含有は、原油タンク底板の耐全面腐食性の顕著な低下を招く。このため、Sは0.01%以下に限定した。なお、0.003 %未満の低減は製造コストの増大を招くため、Sは0.003 〜0.01%するのが好ましい。
【0018】
Al:0.01〜0.1 %
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、本発明では0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.1 %を超えて含有すると、鋼の靱性が劣化する。このため、Alは0.01〜0.1 %の範囲に限定した。なお、好ましくは0.02〜0.05%である。
Ni:1.0 〜5%
Niは、1.0 %未満の含有では腐食生成皮膜を緻密化して保護性を強くし逆にむしろ局部腐食の発生を招く作用があるが、1.0 %以上の含有で、局部腐食の発生、成長を抑制する作用がある。一方、5%を超えて含有しても、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。このため、Niは1.0 〜5%の範囲に限定した。なお、好ましくは2〜3%である。
【0019】
上記した基本成分に加えて、必要に応じ、Cu:0.5 %以下、および/または、Mo:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、Nb:0.2 %以下、V:0.2 %以下、B:0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Zr:0.2 %以下、Ca:0.006 %のうちから選ばれた1種または2種を含有できる。
Cu:0.5 %以下
Cuは、Niと同様に、局部腐食の成長を抑制する作用があり、必要に応じ含有できる。0.5 %を超えて含有しても、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。このため、Cuは0.5 %以下に限定することが好ましい。
【0020】
Mo:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、Nb:0.2 %以下、V:0.2 %以下、B:0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上
Mo、Ti、Nb、V、Bはいずれも、鋼材の強度を増加させる元素であり、必要に応じ1種または2種以上を選択して含有できる。しかし、Mo:0.5 %、Ti:0.2 %、Nb:0.2 %、V:0.2 %、B:0.005 %をそれぞれ超えて含有すると、靱性が劣化する。このため、Mo:0.5 %、Ti:0.2 %、Nb:0.2 %、V:0.2 %、B:0.005 %を、それぞれの上限とすることが好ましい。
【0021】
Zr:0.2 %以下、Ca:0.006 %以下のうちから選ばれた1種または2種
Zr、Caはいずれも、非金属介在物であるMnS の形成を抑制する作用を有しており、必要に応じて選択して含有できる。しかし、Zr:0.2 %、Ca:0.006 %を、それぞれ超えて含有すると、靱性が劣化する。このため、Zr:0.2 %、Ca:0.006 %を、それぞれの上限とするのが好ましい。
【0022】
本発明の鋼材では、上記した成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、N:0.007 %以下、O:0.008 %以下が許容できる。
また、本発明鋼材は、上記した組成を有し、さらに、組織が、ベイナイト単相、またはベイナイトを含む組織を有する。ベイナイトを含む組織は、体積%で、50%以上好ましくは80%以上のベイナイト相を含み、残部をフェライト相、あるいはフェライト+パーライト相とすることが好ましい。
【0023】
つぎに、本発明鋼材の好ましい製造方法について説明する。
まず、上記した組成の溶鋼を、転炉、 電気炉等の通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法、造塊法等の通常公知の鋳造方法で鋼素材とすることが好ましい。なお、溶鋼に取鍋精錬、真空脱ガス等の処理を付加しても良いことは言うまでもない。
【0024】
ついで、得られた鋼素材を、結晶粒粗大化防止の観点から好ましくは1050〜1250℃の温度に加熱したのち、所望の寸法形状に熱間圧延するか、あるいは鋼素材の温度が熱間圧延可能な程度に高温である場合には加熱することなくあるいは均熱する程度で、ただちに所望の寸法形状に熱間圧延することが好ましい。
本発明では、鋼材の組織をベイナイト単相あるいはベイナイト相を含む組織とするため、熱間圧延では、熱間仕上圧延終了温度および熱間仕上圧延終了後の冷却速度を適正範囲とすることが好ましい。本発明では仕上圧延終了温度をAr3変態点以上とすることが好ましく、これにより、フェライト相の析出を抑制することができる。また、仕上圧延終了後の冷却速度は、0.1 〜20℃/sの範囲の冷却速度で 800℃以下、 好ましくは 500℃以上の温度域まで冷却することが好ましい。これにより、ベイナイト単相あるいはベイナイト相を含む組織とすることができる。冷却速度が0.1 ℃/s未満では、冷却中にフェライト相の析出のみが析出し、ベイナイト単相あるいはベイナイト相を含む組織が得られない。また、冷却速度が20℃/sを超えると、局部腐食抵抗性を阻害するマルテンサイト相が析出し耐局部腐食性が低下する。
【0025】
【実施例】
表1に示す組成を有する溶鋼を転炉で溶製し、連続鋳造により鋼素材(スラブ:120 mm厚)とした。これらスラブを、1200℃に加熱して、表2に示す条件で熱間圧延を施し、15mm厚の鋼板とした。なお、熱間圧延終了後、表2に示す条件で冷却した。なお、冷却停止温度以下は空冷とした。
【0026】
これら鋼板から、試験片1(5mm厚×50mm幅×100mm 長さ)を切り出し、図1に示す腐食試験装置にセットし、腐食試験を行った。腐食試験装置は、腐食試験槽2、恒温槽3の二重型の装置を用いた。
試験片1を、実原油タンク底板の腐食環境を模擬した腐食試験槽2の試験液6中へセットした。使用した試験液6は、ASTM D 1141 に規定される人工海水を試験母液とし、試験母液に5%O2+10%H2S の分圧比に調整した混合ガス4を導入したものを使用した。混合ガスのバランス調整用不活性ガスはN2ガスを用いた。試験液6の温度は、恒温槽3に入れた水7の温度を調整することにより、50℃に保持した。なお、試験期間は1ヶ月間とした。
【0027】
試験後、試験片表面に生成した錆を除去し、腐食形態を目視で観察し、局部腐食発生の有無を判定した。
得られた結果を表2に併記する。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
表2から、本発明例では、局部腐食の発生が認められないか、認められても最高深さ:0.3mm 以下であり、耐局部腐食性に優れた鋼材であることがわかる。これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、いずれも最高深さ:1mm以上の局部腐食の発生が認められた。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、原油の輸送タンク、あるいは原油の貯蔵タンク等の原油タンク底板に発生する局部腐食を抑制でき、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で使用した腐食試験装置の概要を示す模式図である。
【符号の説明】
1 試験片
2 腐食試験槽
3 恒温槽
4 混合ガス
5 ガス排出口
6 試験液
7 水
【発明の属する技術分野】
本発明は、原油を輸送するタンクまたは貯蔵するタンクに用いて好適な原油タンク用鋼材に係り、とくに原油タンク底板で発生する局部腐食を防止できる原油タンク底板用鋼材に関する。なお、本発明でいう鋼材は、厚鋼板、薄鋼板、形鋼を含むものとする。
【0002】
【従来の技術】
従来、原油を輸送または貯蔵するタンク(以下、原油タンクともいう)においては、原油そのものは腐食抑制作用があるため、使用される鋼材には腐食は生じないと考えられていた。
ところが、最近、原油タンク内の、とくにタンク底板で鋼材にお椀型の局部腐食が発生することが明らかになっている。
【0003】
かかる局部腐食の原因として
(1)過剰な洗浄による原油保護フィルム(原油による、タンク内の腐食を抑制する保護的なフィルム)の離脱、
(2)原油中の硫化物の高濃度化、
(3)防爆用に封入されるイナートガス(O2 約5vol %、CO2 約13vol %、SO2 約0.01vol %、残部N2ガスを代表組成とするエンジンの排ガス)中の、O2 、CO2 、SO2 の高濃度化、
(4)微生物の関与
などの項目が挙げられているが、いずれも推定の域を出ず、未だ明確な原因は判明していない。
【0004】
そのため、現状では鋼材に防錆塗料を塗布して、鋼材を腐食環境から遮断する方法以外に有効な方法がないと考えられている。しかしながら、防錆塗料の塗布はその塗布面積が膨大であり、また約10年に1度は塗り替えが必要となるため、多大な費用がかかるという問題があった。
一方、鋼材側からの対策は現在までのところ殆どなく、対策がとられていないに等しいが、例えば特許文献1には、船舶外板、バラストタンク、カーゴオイルタンク、鉱炭船カーゴホールド等の使用環境で優れた耐食性を有する造船用耐食鋼が提案されている。特許文献1に記載された造船用耐食鋼は、C:0.01〜0.25%と、Si、Mn、P、S、Alを適正量に調整したうえで含み、さらにCu:0.01〜2.00%、Mg:0.0002〜0.015 %を含有しており、このような組成の鋼とすることにより、鋼材の耐食性および耐局部腐食性が向上するとしている。
【0005】
また、特許文献2に記載された鋼材は、C:0.003 〜0.30%と、Si、Mn、P、S、Alを適正量に調整したうえで含み、さらにCu:0.01〜2.0 %、Ni:0.01〜7.0 %、Cr:0.01〜10.0%、Mo:0.01〜4.0 %、Sb:0.01〜0.3 %、Sn:0.01〜0.3 %等を含有しており、このような組成とすることにより、耐局部腐食性が向上するとしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−17381号公報
【特許文献2】
特開2001−214236 号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載された鋼材でもなお、原油タンク底板で発生する局部腐食に対する抵抗性を安定して十分に発揮できているとは考えがたく、原油タンク底板で発生する局部腐食に対し、更なる抵抗性を付与した鋼材の開発が要望されている。
【0008】
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、原油を輸送するタンクまたは原油を貯蔵するタンクの底板として、塗装なしで用いて好適な、原油タンク底板において発生する局部腐食に対し抵抗性を有する、耐局部腐食性に優れた原油タンク底板用鋼材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するため、まず、原油の輸送タンク内または原油の貯蔵タンク内の腐食に関与する因子の抽出を行い、それら因子の組み合わせによる実験室腐食試験を行った。その結果、実原油タンクの底板で生じる局部腐食と同じ形態の局部腐食の再現に成功し、原油タンク内の底板で生じる局部腐食の支配因子および腐食機構を明確にした。
【0010】
すなわち、液中に含まれるO2およびH2S が、実原油タンクの底板で発生する局部腐食の支配因子として働くことが明らかとなった。ただし、この局部腐食は、O2を含みかつH2S を含まない試験液(O2分圧約21%のガスを含んだ水溶液)、もしくはH2S のみを含んだ試験液(H2S 分圧100 %のガスを含んだ水溶液)中では発生せず、O2とH2S が共存し、かつ低O2分圧(O2分圧:2〜8%)、低H2S 分圧(H2S 分圧:5〜20%)の環境下で生じることがわかった。O2とH2S が共存し、試験液中の両者の含有量が高い場合は全面腐食が大きいものの局部腐食は発生しない。低O2、低H2S 分圧の環境下では、まず鋼材表面に強固な腐食生成皮膜が形成され、この腐食生成皮膜がCl− 存在下で部分的に破壊されて、局部腐食が発生するのである。
【0011】
そこで、本発明者らは、低O2、低H2S 分圧の環境下で局部腐食発生に及ぼす各種合金元素の影響についてさらに検討した。その結果、Ni含有量を適正化することにより、耐局部腐食性に優れた鋼材とすることができることを見出した。また、Ni含有量を適正量としたうえで、組織をベイナイト単相あるいはベイナイトを含む組織とすることにより、耐局部腐食性がさらに向上することを見出した。
【0012】
本発明は上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、第一の本発明は、質量%で、C:0.001 〜0.2 %、Si:0.1 〜0.4 %、Mn:0.1 〜2%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Al:0.01〜0.1 %、Ni:1.0 〜5%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、ベイナイト単相またはベイナイト相を含む組織と、を有し、原油タンク底板における耐局部腐食性に優れることを特徴とする原油タンク底板用鋼材であり、また、第一の本発明では、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.5 %以下を含有する組成とすることが好ましく、また、第一の本発明では、前記各組成に加えてさらに、質量%で、Mo:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、Nb:0.2 %以下、V:0.2 %以下、B:0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることが好ましく、また、第一の本発明では、前記各組成に加えてさらに、質量%で、Zr:0.2 %以下、Ca:0.006 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることが好ましい。
【0013】
また、第二の本発明は、質量%で、C:0.001 〜0.2 %、Si:0.1 〜0.4 %、Mn:0.1 〜2%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Al:0.01〜0.1 %、Ni:1.0 〜5%を含み、好ましくは残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材に、所定の寸法形状の鋼材とする熱間圧延を施したのち、0.1 〜20℃/sの冷却速度で冷却することを特徴とする耐局部腐食性に優れる原油タンク底板用鋼材の製造方法であり、また、第二の本発明では、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.5 %以下を含有する組成とすることが好ましく、また、第二の本発明では、前記各組成に加えてさらに、質量%で、Mo:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、Nb:0.2 %以下、V:0.2 %以下、B:0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることが好ましく、また、第二の本発明では、前記各組成に加えてさらに、質量%で、Zr:0.2 %以下、Ca:0.006 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、本発明鋼材の組成限定理由について説明する。なお、以下、質量%は単に%と記す。
C:0.001 〜0.2 %
Cは、鋼材の強度を増加させる元素であり、本発明では所望の強度を得るために、0.001 %以上の含有を必要とする。一方0.2 %を超える含有は、溶接熱影響部の靱性を劣化させる。このため、Cは0.001 〜0.2 %の範囲に限定した。なお、強度、靱性の観点から、好ましくは0.005 〜0.15%、より好ましくは0.01〜0.10%である。
【0015】
Si:0.1 〜0.4 %
Siは、脱酸剤として作用するとともに、強度を増加させる元素であり、本発明では、0.1 %以上の含有を必要とするが、0.4 %を超える含有は、鋼の靱性を劣化させる。このため、Siは0.1 〜0.4 %の範囲に限定した。
Mn:0.1 〜2%
Mnは、鋼材の強度を増加させる元素であり、所望の強度を確保するために0.1 %以上を必要とする。一方、2%を超える含有は、鋼の靱性および溶接性を低下させる。このため、Mnは0.1 〜2%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.2 〜1.3 %である。
【0016】
P:0.02 %以下
Pは、粒界に偏析して鋼の靱性を低下させる有害な元素であり、できるだけ低減するのが好ましいが、0.02%を超えて含有すると靱性が顕著に低下する。このため、Pは0.02%以下に限定した。なお、0.005 %未満の低減は製造コストの増大を招くので、Pは0.005 〜0.02%とするのが好ましい。
【0017】
S:0.01%以下
Sは、非金属介在物のMnS を形成し、局部腐食の起点となり耐局部腐食性を低下させる有害な元素であり、できるだけ低減するのが好ましいが、0.01%を超える含有は、原油タンク底板の耐全面腐食性の顕著な低下を招く。このため、Sは0.01%以下に限定した。なお、0.003 %未満の低減は製造コストの増大を招くため、Sは0.003 〜0.01%するのが好ましい。
【0018】
Al:0.01〜0.1 %
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、本発明では0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.1 %を超えて含有すると、鋼の靱性が劣化する。このため、Alは0.01〜0.1 %の範囲に限定した。なお、好ましくは0.02〜0.05%である。
Ni:1.0 〜5%
Niは、1.0 %未満の含有では腐食生成皮膜を緻密化して保護性を強くし逆にむしろ局部腐食の発生を招く作用があるが、1.0 %以上の含有で、局部腐食の発生、成長を抑制する作用がある。一方、5%を超えて含有しても、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。このため、Niは1.0 〜5%の範囲に限定した。なお、好ましくは2〜3%である。
【0019】
上記した基本成分に加えて、必要に応じ、Cu:0.5 %以下、および/または、Mo:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、Nb:0.2 %以下、V:0.2 %以下、B:0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Zr:0.2 %以下、Ca:0.006 %のうちから選ばれた1種または2種を含有できる。
Cu:0.5 %以下
Cuは、Niと同様に、局部腐食の成長を抑制する作用があり、必要に応じ含有できる。0.5 %を超えて含有しても、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。このため、Cuは0.5 %以下に限定することが好ましい。
【0020】
Mo:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、Nb:0.2 %以下、V:0.2 %以下、B:0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上
Mo、Ti、Nb、V、Bはいずれも、鋼材の強度を増加させる元素であり、必要に応じ1種または2種以上を選択して含有できる。しかし、Mo:0.5 %、Ti:0.2 %、Nb:0.2 %、V:0.2 %、B:0.005 %をそれぞれ超えて含有すると、靱性が劣化する。このため、Mo:0.5 %、Ti:0.2 %、Nb:0.2 %、V:0.2 %、B:0.005 %を、それぞれの上限とすることが好ましい。
【0021】
Zr:0.2 %以下、Ca:0.006 %以下のうちから選ばれた1種または2種
Zr、Caはいずれも、非金属介在物であるMnS の形成を抑制する作用を有しており、必要に応じて選択して含有できる。しかし、Zr:0.2 %、Ca:0.006 %を、それぞれ超えて含有すると、靱性が劣化する。このため、Zr:0.2 %、Ca:0.006 %を、それぞれの上限とするのが好ましい。
【0022】
本発明の鋼材では、上記した成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、N:0.007 %以下、O:0.008 %以下が許容できる。
また、本発明鋼材は、上記した組成を有し、さらに、組織が、ベイナイト単相、またはベイナイトを含む組織を有する。ベイナイトを含む組織は、体積%で、50%以上好ましくは80%以上のベイナイト相を含み、残部をフェライト相、あるいはフェライト+パーライト相とすることが好ましい。
【0023】
つぎに、本発明鋼材の好ましい製造方法について説明する。
まず、上記した組成の溶鋼を、転炉、 電気炉等の通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法、造塊法等の通常公知の鋳造方法で鋼素材とすることが好ましい。なお、溶鋼に取鍋精錬、真空脱ガス等の処理を付加しても良いことは言うまでもない。
【0024】
ついで、得られた鋼素材を、結晶粒粗大化防止の観点から好ましくは1050〜1250℃の温度に加熱したのち、所望の寸法形状に熱間圧延するか、あるいは鋼素材の温度が熱間圧延可能な程度に高温である場合には加熱することなくあるいは均熱する程度で、ただちに所望の寸法形状に熱間圧延することが好ましい。
本発明では、鋼材の組織をベイナイト単相あるいはベイナイト相を含む組織とするため、熱間圧延では、熱間仕上圧延終了温度および熱間仕上圧延終了後の冷却速度を適正範囲とすることが好ましい。本発明では仕上圧延終了温度をAr3変態点以上とすることが好ましく、これにより、フェライト相の析出を抑制することができる。また、仕上圧延終了後の冷却速度は、0.1 〜20℃/sの範囲の冷却速度で 800℃以下、 好ましくは 500℃以上の温度域まで冷却することが好ましい。これにより、ベイナイト単相あるいはベイナイト相を含む組織とすることができる。冷却速度が0.1 ℃/s未満では、冷却中にフェライト相の析出のみが析出し、ベイナイト単相あるいはベイナイト相を含む組織が得られない。また、冷却速度が20℃/sを超えると、局部腐食抵抗性を阻害するマルテンサイト相が析出し耐局部腐食性が低下する。
【0025】
【実施例】
表1に示す組成を有する溶鋼を転炉で溶製し、連続鋳造により鋼素材(スラブ:120 mm厚)とした。これらスラブを、1200℃に加熱して、表2に示す条件で熱間圧延を施し、15mm厚の鋼板とした。なお、熱間圧延終了後、表2に示す条件で冷却した。なお、冷却停止温度以下は空冷とした。
【0026】
これら鋼板から、試験片1(5mm厚×50mm幅×100mm 長さ)を切り出し、図1に示す腐食試験装置にセットし、腐食試験を行った。腐食試験装置は、腐食試験槽2、恒温槽3の二重型の装置を用いた。
試験片1を、実原油タンク底板の腐食環境を模擬した腐食試験槽2の試験液6中へセットした。使用した試験液6は、ASTM D 1141 に規定される人工海水を試験母液とし、試験母液に5%O2+10%H2S の分圧比に調整した混合ガス4を導入したものを使用した。混合ガスのバランス調整用不活性ガスはN2ガスを用いた。試験液6の温度は、恒温槽3に入れた水7の温度を調整することにより、50℃に保持した。なお、試験期間は1ヶ月間とした。
【0027】
試験後、試験片表面に生成した錆を除去し、腐食形態を目視で観察し、局部腐食発生の有無を判定した。
得られた結果を表2に併記する。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
表2から、本発明例では、局部腐食の発生が認められないか、認められても最高深さ:0.3mm 以下であり、耐局部腐食性に優れた鋼材であることがわかる。これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、いずれも最高深さ:1mm以上の局部腐食の発生が認められた。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、原油の輸送タンク、あるいは原油の貯蔵タンク等の原油タンク底板に発生する局部腐食を抑制でき、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で使用した腐食試験装置の概要を示す模式図である。
【符号の説明】
1 試験片
2 腐食試験槽
3 恒温槽
4 混合ガス
5 ガス排出口
6 試験液
7 水
Claims (5)
- 質量%で、
C:0.001 〜0.2 %、 Si:0.1 〜0.4 %、
Mn:0.1 〜2%、 P:0.02%以下、
S:0.01%以下、 Al:0.01〜0.1 %、
Ni:1.0 〜5%
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、ベイナイト単相またはベイナイト相を含む組織と、を有し、原油タンク底板における耐局部腐食性に優れることを特徴とする原油タンク底板用鋼材。 - 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.5 %以下を含有することを特徴とする請求項1に記載の原油タンク底板用鋼材。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Mo:0.5 %以下、Ti:0.2 %以下、Nb:0.2 %以下、V:0.2 %以下、B:0.005 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の原油タンク底板用鋼材。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Zr:0.2 %以下、Ca:0.006 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の原油タンク底板用鋼材。
- 質量%で、
C:0.001 〜0.2 %、 Si:0.1 〜0.4 %、
Mn:0.1 〜2%、 P:0.02%以下、
S:0.01%以下、 Al:0.01〜0.1 %、
Ni:1.0 〜5%
を含む組成を有する鋼素材に、所定の寸法形状の鋼材とする熱間圧延を施したのち、0.1 〜20℃/sの冷却速度で冷却することを特徴とする耐局部腐食性に優れる原油タンク底板用鋼材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003157551A JP2004359980A (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | 原油タンク底板用鋼材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003157551A JP2004359980A (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | 原油タンク底板用鋼材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004359980A true JP2004359980A (ja) | 2004-12-24 |
Family
ID=34051220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003157551A Pending JP2004359980A (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | 原油タンク底板用鋼材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004359980A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106011658A (zh) * | 2016-07-11 | 2016-10-12 | 武汉钢铁股份有限公司 | 一种耐海洋气候耐蚀钢及其生产方法 |
JP2017190522A (ja) * | 2016-04-11 | 2017-10-19 | Jfeスチール株式会社 | 鋼材 |
CN108546882A (zh) * | 2018-06-01 | 2018-09-18 | 钢铁研究总院 | 一种Cu析出增强型高强耐火耐蚀钢及其制造方法 |
-
2003
- 2003-06-03 JP JP2003157551A patent/JP2004359980A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017190522A (ja) * | 2016-04-11 | 2017-10-19 | Jfeスチール株式会社 | 鋼材 |
CN106011658A (zh) * | 2016-07-11 | 2016-10-12 | 武汉钢铁股份有限公司 | 一种耐海洋气候耐蚀钢及其生产方法 |
CN108546882A (zh) * | 2018-06-01 | 2018-09-18 | 钢铁研究总院 | 一种Cu析出增强型高强耐火耐蚀钢及其制造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4577158B2 (ja) | 原油タンク用耐食鋼材 | |
JP4525686B2 (ja) | 原油タンク用耐食鋼材および原油タンク | |
TWI460285B (zh) | 原油槽用熱軋型鋼及其製造方法 | |
JP4605117B2 (ja) | Lpg・アンモニア運搬船用タンクに用いられる鋼材 | |
JPH0120221B2 (ja) | ||
CN111433382B (zh) | 具有优异的抗高温氧化性的铁素体不锈钢及其制造方法 | |
JP3570376B2 (ja) | 耐原油タンク腐食性に優れた鋼材およびその製造方法 | |
JP2005290479A (ja) | 原油タンク底板用鋼材 | |
US9816163B2 (en) | Cost-effective ferritic stainless steel | |
WO2010109870A1 (ja) | 耐局部腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼 | |
JP5428999B2 (ja) | Lpg・アンモニア混載用鋼材の製造方法 | |
JP7271261B2 (ja) | 高純度フェライト系ステンレス鋼及び高純度フェライト系ステンレス鋼鋳片 | |
CN111108225B (zh) | 钢板及其制造方法 | |
JP2004099921A (ja) | 耐海水性鋼およびその製造方法 | |
JP2004359980A (ja) | 原油タンク底板用鋼材 | |
JP4048874B2 (ja) | 原油タンク底板用鋼材 | |
KR101125886B1 (ko) | 강산 염수용액 내에서 전면부식 및 국부부식 저항성과 용접열영향부 인성이 우수한 고강도 선박용 강재 및 그 제조방법 | |
JPH0218379B2 (ja) | ||
JP3266247B2 (ja) | 熱間加工性に優れた二相ステンレス鋼 | |
JP6818145B2 (ja) | 硫化物を含む結露環境における耐食性に優れた鋼材及びその製造方法 | |
JP2005097709A (ja) | 原油タンク底板用鋼材 | |
JPH0465141B2 (ja) | ||
JP2838468B2 (ja) | 熱間圧延での割れを防止するCr−Ni系ステンレス合金の製造方法 | |
KR100215727B1 (ko) | 시그마상 형성이 억제된 고내식성 듀플렉스 스테인리스강 | |
JPH0435551B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060427 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080422 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20080507 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080909 |