JP2004359949A - 手洗い洗濯用スベリ性改善剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a) 粘土鉱物及び(b) 多糖類からなる群より選ばれる少なくとも1 種を含有してなる手洗い洗濯用スベリ性改善剤、該スベリ性改善剤と界面活性剤及び/又はビルダーとを含有する手洗い洗濯用洗剤組成物、並びに前記スベリ性改善剤の存在下に手洗いで洗濯を行なう方法。
【選択図】なし
Description
このスベリ性の向上は、近年の非イオン性界面活性剤を配合した洗剤を用いて手洗い洗濯を行なう場合、特に重要な改善点となる。非イオン性界面活性剤は、耐硬水性が良好であるうえに、皮脂汚れなどの油性汚れの洗浄力が際立っており、且つ生分解性が非常に良好であるなどの特徴を有している。
さらに今回、非イオン界面活性剤の配合比率の増加に伴い、被洗浄物間のスベリ性が低下し手洗い感が劣化するという問題も初めて発見し、このスベリ性改善剤が非イオン界面活性剤の存在下において特に有用であることを見出した。
〔1〕 (a) 粘土鉱物及び(b) 多糖類からなる群より選ばれる少なくとも1 種を含有してなる手洗い洗濯用スベリ性改善剤、
〔2〕 前記〔1〕記載のスベリ性改善剤と界面活性剤及び/又はビルダーとを含有する手洗い洗濯用洗剤組成物、並びに
〔3〕 前記〔1〕記載のスベリ性改善剤の存在下に手洗いで洗濯を行なう方法に関する。
本発明におけるスベリ性改善剤は、使用する洗剤組成物の組成・形態・製造法等によって限定されず、全ての洗剤組成物に対してその効果を発現できる。
洗剤組成物の例としては、例えば特許庁公報10(1998)-25(7159) 周知慣用技術集(衣料用粉末洗剤)に記載の組成及び製造方法にて得られる洗剤組成物等が挙げられる。
また、洗濯液とは、前記洗剤組成物が溶解・懸濁された、等の洗濯を行うための液をいう。
(a) 成分 粘土鉱物
粘土鉱物としては、特に限定されないが、カチオン交換性層状シリケートであり、水膨潤性が著しく、カチオン性又は有極性の無機又は有機物質を結晶構造層間に抱持(インターカレート)して層間複合体を形成するものが好ましい。このような粘土鉱物の一例として膨潤性スメクタイト系粘土鉱物が挙げられる。膨潤性スメクタイト系粘土鉱物は、粘土鉱物に属する一群のカチオン交換性層状シリケートであり、天然物としてはベントナイトの主成分として良く知られているモンモリロナイトの他、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト等が挙げられ、合成物として膨潤性弗素系雲母類等が挙げられる。
これらの中では、ヘクトライト及びモンモリロナイトが好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。
これらの粘土鉱物は、単独で使用しても又は2種以上を併用してもよい。
(b) 成分の多糖類としては、糖骨格を有する水への溶解性を呈する多糖類が好ましく、具体的には、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、グァーガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース(HBMC)等が挙げられる。水への溶解性を呈するとは、実際の使用場面において極端な溶け残りを生じない状態を言う。中でも、同量使用時のスベリ性改善、泡質の改善(クリーミー感)の観点から、好ましくはHEC、CMC及びグァーガムであり、より好ましくはHEC及びCMCであり、HECが最も好ましい。
本発明の洗濯方法は、本発明のスベリ性改善剤の存在下に手洗いで洗濯を行う方法であり、例えば、スベリ性改善剤を洗剤成分の一部としてあるいは洗剤成分と別に洗濯液に添加して手洗いで洗濯を行う方法等が挙げられる。
◎手洗い洗濯条件
本発明における手洗い洗濯の評価方法を以下に説明する。25℃に調整した89.3mgCaCO3 / リットルに相当する2リットルの硬水(Ca/Mgモル比7/ 3) を直径30cm、深さ13cm、容量8.2Lのポリプロピレン製洗面器(YAZAKI製) の中に満たし、15gとなるように秤量したスベリ性改善剤含有洗剤組成物を水中に投入した後、水が洗面器より飛散しない程度に手によって攪拌し続ける。攪拌開始から30秒後に綿100%のTシャツ(グンゼ製白、L サイズ) を洗面器の中の洗浄水にTシャツ全体が十分に濡れるように浸した後、Tシャツの後背部よりTシャツの胸部を両手で握り、Tシャツの胸部どうしを擦り合わせる。このとき擦り合わせる部分は洗浄水から出した状態で行う。3回から5回擦り合わせる毎に一旦洗浄水に擦り合わせる部分を浸す。擦り合わせるときの擦り易さをスベリ性として判定し、1〜5ランクとする。上記の調整水のみでこの評価を行った場合、Tシャツのしわがスベリ性を阻害し、また擦り合わせる部分に泡が無いため非常に擦りにくく、スベリ性が悪い。このときをスベリ性:1とする。各ランクの状態を下記に示す。
ランク1:スベリ性が非常に低く、きしみ感があり、手洗い洗濯が非常にしにくい。
ランク2:スベリ性が低く、きしみ感があり、手洗い洗濯がしにくい。
ランク3:スベリ性が中程度できしみ感がなく手洗い洗濯できる。
ランク4:スベリ性が高く、きしみ感がなく、手洗い洗濯がしやすい。
ランク5:スベリ性が非常に高く、きしみ感がなく、手洗い洗濯が非常にし易い。
なお、上記試験において、6人のパネラー評価結果の平均値を求めランクとする。
(比較例1)
水325kg、50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液200kg、40重量%の2号シリケート水溶液125kg、炭酸ナトリウム25kg、硫酸ナトリウム217.5kg、ポリエチレングリコール5kg、染料2.5kg、ゼオライト100kgを混合して均質なスラリーを調製した後、スラリーを噴霧乾燥し、洗剤組成物を得た。得られた洗剤組成物のスベリ性を表1に示す。スベリ性ランク:2の洗剤組成物であった。
水465kg、50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液48kg、40重量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液135kg、炭酸ナトリウム120kg、硫酸ナトリウム60kg、亜硫酸ナトリウム9kg、染料3kg、ゼオライト300kgを混合し均質なスラリーを得た。このスラリーを噴霧乾燥し、ベース顆粒を得た。
このベース顆粒100重量部と、非イオン性界面活性剤15重量部と陰イオン性界面活性剤15重量部とポリエチレングリコール1重量部からなる混合液とを攪拌混合し、洗剤組成物を得た。得られた洗剤組成物のスベリ性を表1に示す。スベリ性ランク:1の洗剤組成物であった。
比較例1 で得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L )に投入し、続いてベントナイト(Laviosa 製detersoft GIB ,組成:モンモリロナイト95%、以下同じ)を0.4kg添加し、傾斜
角30°、回転数20r/m で3分間混合して、スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られたスベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表1に示す。スベリ性ランク:3.5のスベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
ベントナイト(Laviosa 製detersoft GIB ,組成:モンモリロナイト95%
、以下同じ)の添加量を0.8kgにする以外は、実施例1と同様にしてスベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られたスベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表1に示す。スベリ性ランク:4のスベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
ハイスピードミキサー(三井三池(株) 製、容量2L 、ジャケット付)にベントナイト(Laviosa 製detersoft GIB )を0.4kgとラウリル硫酸ナトリウム
(花王(株)製、エマール10パウダー)を0.086kg投入し、ジャケットに80℃の温水を10L/分で流しながら、主軸を3600r/mで混合物温度が70℃になるまで攪拌した。その後、予め70℃に昇温したポリエチレングリコール(花王(株)製、K-PEG6000 )を0.086kg添加し3分間攪拌を継続した後、混合物を抜き出した。次に得られた混合物を押出造粒機((株)ダルトン製、ドームグラン)により孔径φ1mmのスクリーンを通して押し出して圧密化した。得られた押出物を冷却した後、整粒機((株)ダルトン製のパワーミル)にて解砕し、スベリ性改善剤造粒物(ベントナイト70%、ラウリル硫酸ナトリウム15%、ポリエチレングリコール15%)を得た。
比較例2で得られた洗剤組成物4.0kgを実施例1と同様にしてコンクリートミキサーに投入し、続いてベントナイト( 粉砕品:平均粒径20μm)を0.8kg添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3 分間混合して、スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られたスベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表1に示す。スベリ性ランク:3のスベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
比較例2の製造工程において、ベース顆粒と混合液を攪拌混合する工程(表面改質工程)に同時に表1に示す比率のベントナイト(粉砕品:平均粒径20μm)を投入して得られたスベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表1に示す。スベリ性ランク:4のスベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
比較例1で得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L )に投入し、続いてヒドロキシエチルセルロース( ハーキュレス製:NATROSOL250HHX) を0.12kg添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3 分間混合して、スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。スベリ性ランク:3のスベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
ヒドロキシエチルセルロースの添加量を0.4kgにする以外は、実施例9と同様にしてスベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られたスベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表1に示す。スベリ性ランク:5のスベリ性改善剤含有洗剤組成物であった。
比較例1で得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L )に投入し、続いてカルボキシルメチルセルロース (日本製紙製:F10MC)を0.4kg添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3 分間混合して、スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られたスベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表1に示す。スベリ性ランク:3のスベリ性改善剤含有洗剤組成物であった。
比較例1で得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L )に投入し、続いてベントナイト(Laviosa 製detersoft GIB )を0.2kgとカルボキシルメチルセルロース (日本製紙製:F10MC)
を0.2kg添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3 分間混合して、スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られたスベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表1に示す。スベリ性ランク:3のスベリ性改善剤含有洗剤組成物であった。
〔評価基準〕
○:粘度鉱物又は多糖類を配合していない洗剤を用いた場合と同様
Claims (6)
- (a) 粘土鉱物及び(b) 多糖類からなる群より選ばれる少なくとも1 種を含有してなる手洗い洗濯用スベリ性改善剤。
- (a) 粘土鉱物が膨潤性スメクタイト系粘土鉱物である請求項1 記載の手洗い洗濯用スベリ性改善剤。
- (a) 粘土鉱物がモンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト及び膨潤性弗素系雲母類からなる群より選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載の手洗い洗濯用スベリ性改善剤。
- (b) 多糖類が、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース及びグァーガムからなる群より選ばれる1種以上を含有してなる請求項1記載の手洗い洗濯用スベリ性改善剤。
- 請求項1〜4いずれか1項に記載のスベリ性改善剤と界面活性剤及び/又はビルダーとを含有する手洗い洗濯用洗剤組成物。
- 請求項1〜4いずれか1項に記載のスベリ性改善剤の存在下に手洗いで洗濯を行なう方法。
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