JP2004357879A - 車椅子の乗降補助装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車椅子の牽引に際し、牽引部材を迅速に引き出す。
【解決手段】先端にフック12を有する左右一対のベルト状の牽引部材8を巻装した巻き軸7の夫々に、牽引部材8を巻取り方向に付勢する付勢手段14を設け、左右の巻き軸7を連動する様に組み付けた従動機構部17と駆動源15を設けた原動機構部16とを、駆動源15に連動して両機構部16、17を断続するクラッチ18を介して連繋し、従動機構部17にはクラッチ18による両機構部16、17の連結解除時に巻き軸7を回転制止又は回転自在に制御するロック手段22を設けることにより、車椅子Wの乗降に際し、駆動源15の停止状態で手動操作にて牽引部材8を迅速に引き出せる様にすると共に、付勢手段14により牽引部材8を自動的に巻き取らせ、又駆動源15の作動により牽引部材8を巻取り又は繰り出すことにより、車椅子Wの乗降を補助する。
【選択図】 図1
【解決手段】先端にフック12を有する左右一対のベルト状の牽引部材8を巻装した巻き軸7の夫々に、牽引部材8を巻取り方向に付勢する付勢手段14を設け、左右の巻き軸7を連動する様に組み付けた従動機構部17と駆動源15を設けた原動機構部16とを、駆動源15に連動して両機構部16、17を断続するクラッチ18を介して連繋し、従動機構部17にはクラッチ18による両機構部16、17の連結解除時に巻き軸7を回転制止又は回転自在に制御するロック手段22を設けることにより、車椅子Wの乗降に際し、駆動源15の停止状態で手動操作にて牽引部材8を迅速に引き出せる様にすると共に、付勢手段14により牽引部材8を自動的に巻き取らせ、又駆動源15の作動により牽引部材8を巻取り又は繰り出すことにより、車椅子Wの乗降を補助する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車椅子利用者が車椅子ごと乗降する際に用いられる乗降補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、後部に設けた車椅子専用の乗降口にスロープを装備し、このスロープを介護者の誘導によって上り下りすることにより、身障者等が車椅子に座ったまま乗り降り出来る様にした車両が見受けられる。
この様な車両では、車内に車椅子牽引用の電動ウインチを搭載し、このウインチから引き出した索条等の牽引部材先端のフックを車椅子に係止し、牽引部材をウインチが巻き取る又は繰り出すことにより、スロープを上り下りする時に介護者が車椅子を押し出す力又は支える力を補助し、車椅子に座った状態で安全に乗降させる補助装置を装備している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
登録実用新案第3032294号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記装置によって介護者の負担は軽減されるものであるが、ウインチは電動であるため、車外の車椅子まで巻き取られている牽引部材を引き出すのに時間を要しており、特に、雨などの天候の悪い時には、準備に手間取って迅速に乗車させられないといった課題を有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題に鑑み、車椅子乗降用のスロープを装備した車両の車室内に設けられ、先端にフックを有する左右一対のベルト状の牽引部材を巻装した巻き軸の夫々に、牽引部材を巻取り方向に付勢する付勢手段を設け、左右の巻き軸を連動する様に組み付けた従動機構部と駆動源を設けた原動機構部とを、駆動源に連動して両機構部を断続するクラッチを介して連繋することにより、車椅子の乗降に際し、駆動源の停止状態で手動操作にて牽引部材を迅速に引き出せる様にすると共に、付勢手段により牽引部材を自動的に巻き取らせ、又駆動源の作動により牽引部材8を巻取り又は繰り出すことにより、車椅子の乗降を補助する様にして上記課題を解決する。
又、従動機構部にはクラッチによる両機構部の連結解除時に巻き軸を回転制止又は回転自在に制御するロック手段を設け、駆動源の停止状態における牽引部材の上記引出し及び巻取り以外では、巻き軸を回転制止させ、車室内で車椅子を繋いだ牽引部材が勝手に伸縮することを防止し、車椅子を定位置に固定する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜7に示す乗降補助装置は、後部がバックドアにて開閉されると共に、車室内後部側に車椅子乗車空間を形成した車両において、車椅子乗車空間の車体フロア1前方に設置している。
そして、この車両はバックドアを備えた乗降口に車椅子乗降用のスロープ(図示せず)が装備されている。
【0007】
乗降補助装置は、前部が車幅方向に長く、後部がそれよりも短い平面視略T字状の箱体2に内装されている。
箱体2底部の第一ベース3は箱体2と平面視形状が略同一に形成され、第一ベース3の前部上方には、その前部全体に対応した横長矩形状のウインチベース4を水平配置し、ウインチベース4の上方には、第一ベース3後部と同幅で第一ベース3前後部の奥行きを有する矩形状の第二ベース5を水平配置し、第二ベース5の前部上方の中央には、ウインチベース4と奥行きが略同一で第二ベース5より幅小なバネベース6を水平配置している。
【0008】
ウインチベース4の略中央には、左右一対の巻き軸7を回転自在に垂直支持し、その下端部はウインチベース4を貫通して第一ベース3上で軸受けされ、上端部は第二ベース5及びバネベース6を貫通してバネベース6上に設置したバネケース6a内で軸受けされている。
ウインチベース4における左右の巻き軸7の夫々には、上下に幅を有する薄肉帯状の合成繊維製ベルトから成る牽引部材8を巻装し、ウインチベース4の左右端上方には、この左右端形状と略同一のベースカバー9を第二ベース5と同一平面上に配し、箱体2においてウインチベース4左右端後部に対応する側壁2aに牽引部材8の挿通口10を形成している。
挿通口10近傍には、牽引部材8を摺動自在に挿通支持するガイド部材11を設けており、該ガイド部材11は、略三角形状に形成され、その底辺側に牽引部材8を挿通する縦長なスリット(牽引部材8の断面形状に略対応)を設け、該スリットに対峙する頂角部11aを側壁2aに枢着し、ガイド部材11を上下揺動自在に支持している。
又、牽引部材8の先端には、車椅子Wのフレームに係止するフック12を設けており、該フック12は、牽引部材8の巻取り状態でガイド部材11に当止めされ、フック12が箱体2内部に引き入れられることはない。
又、巻き軸7から挿通口10までの間の適所には、牽引部材8の案内ローラー13をウインチベース4と第二ベース5の間に複数架設している。
尚、巻き軸7は同一回転方向に巻き取られる様に設定されているため、左側及び右側の巻き軸7は、牽引部材8の繰り出し位置を後部側及び前部側の夫々と成している。
そして、バネケース6a内に突入した巻き軸7の上端部には、渦巻きバネから成る付勢手段14を牽引部材8の巻取り方向に付勢する様に巻着している。
【0009】
第一ベース3の後部には、正逆回転自在な電動モーターから成る駆動源15を設けた原動機構部16を設置し、第二ベース5上には、巻き軸7を組み付けた従動機構部17を設置し、該従動機構部17と原動機構部16とは、該原動機構部16の駆動源15に連動して両機構部16、17を断続する電磁クラッチ18を介して連繋しており、このクラッチ18は駆動源15の起動に応じ従動機構部17と原動機構部16とを連結し、駆動源15の停止によりその連結を解除する様に成している。
尚、クラッチ18は、電磁クラッチに限定されず、駆動源15の起動に応じ従動機構部17と原動機構部16とを連結し、駆動源15の停止によりその連結を解除する様に構成されたものであれば良い。
【0010】
従動機構部17は、クラッチ18を介して原動機構部16からの動力を巻き軸7に伝動する減速歯車機構であり、クラッチ18を介して原動機構部16からの動力が直接伝動される作動歯車19に介装歯車20を介して巻き軸7の夫々に軸着した巻き軸歯車21を噛合し、作動歯車19の回転により巻き軸7の夫々が同一方向に回転連動する様に成している。
又、従動機構部17には、クラッチ18解除(原動機構部16と従動機構部17との連結解除)時に巻き軸7を回転制止又は回転自在に制御するロック手段22を設けている。
ロック手段22は、作動歯車19に着脱自在に噛合するラック23と、該ラック23を作動させる動作機構部24とから成る。
ラック23は、その基体が前後方向に長い矩形板状にして、且つ左側後部の隅角部が鉤状に切欠され、右側縁に作動歯車19と噛合する歯列を設け、基体の前後には、左右方向に長い長孔25を設け、該長孔25に第二ベース5に突設したピン26を摺動自在に挿通し、長孔25に沿ってラック23が作動歯車19に着脱自在に移動する様に成している。
動作機構部24は、第二ベース5底部に固定した正逆回転自在な電動モータから成る別途駆動源27と、該駆動源27より上方突設すると共に、第二ベース5及びラック23を遊嵌した駆動軸27aに支点が軸着されたレバー28とから成る。
そして、レバー28の両端の夫々には、摺動ピン29、30を上方突設し、一方の摺動ピン29は、駆動軸27aを中心として第二ベース5に設けられた円弧状の案内孔31に摺動自在に装着され、他方の摺動ピン30は、第二ベース5とラック23の基体の夫々に設けた案内孔32、33に摺動自在に装着されている。
第二ベース5に設けた案内孔32は、駆動軸27aを中心とした円弧状の孔であり、この案内孔32と同一形状にして曲率中心をずらした案内孔33がラック23に設けられている。
そして、ラック23が作動歯車19より離脱した状態で両案内孔32、33の前端部32a、33aが重なり、ラック23が作動歯車19に噛合した状態で両案内孔32、33の後端部32b、33bが重なる様に設定し、摺動ピン30が案内孔32、33の前端部32a、33aに位置した時にラック23が作動歯車19より離脱し、後端部32b、33bに位置した時にラック23が作動歯車19に噛合する。
又、ラック23の駆動源27は、ラック23が作動歯車19に噛合又は離脱した時に停止するマイクロスイッチ34に接続され、離脱時に駆動源27を停止させるマイクロスイッチ34はラック23の歯列に対峙する左側に設置している。尚、図示例では噛合時に駆動源27を停止させるマイクロスイッチを省略している。
【0011】
ロック手段22は、牽引部材8が全部が繰り出された時に、これを検出してその駆動源27を作動させ、ラック23を作動歯車19に噛合し、巻き軸7を回転制止する様にも設定されている。
即ち、駆動源27は牽引部材8が全部繰り出されたことを検出する別途マイクロスイッチ35に接続しており、このマイクロスイッチ35は、ウインチベース4上において、巻き軸7の牽引部材8の巻取り径が最小(巻き軸径に相当)になった時に牽引部材8がマイクロスイッチ35のスイッチレバーを押圧する位置に設けられている。
【0012】
巻き軸7及びロック手段22(駆動源15、27)はリモートコントローラーに設けた自動、手動、巻取り、繰り出し等の各種操作ボタンにより操作されるものにして、自動ボタンをONし、巻取りボタン又は繰り出しボタンを押圧すると、駆動源27の作動により、ラッチ23が作動歯車19より離脱し、同時にクラッチ18によって原動機構部16と従動機構部17が連結して駆動源27が駆動し、その駆動力により巻き軸7が巻取り方向又は繰り出し方向に回転し、巻取りボタン又は繰り出しボタンを押圧解除すると、クラッチ18が解除され、原動機構部16と従動機構部17との連結が遮断されると共に、駆動源27によりラッチ23が作動歯車19に噛合し、巻き軸7を回転制止状態と成す様に設定されている。
又、手動ボタンをONすると、駆動源27の作動により、ラッチ23が作動歯車19より離脱し、巻き軸7を回転自在と成し、OFFすると、逆にラッチ23が作動歯車19に噛合し、巻き軸7を回転制止状態と成す様に設定されている。
【0013】
次に、乗降補助装置の動作を説明する。
先ず、牽引部材8の引出し前状態では、駆動源15が停止してクラッチ18により、原動機構部16と従動機構部17との連結は遮断されており、作動歯車19にラック23が噛合している。
そして、車外の車椅子Wをその利用者と共に乗車させる場合には、以下の手順で行われる。
(1) スロープのセット
車両後部のドアを開いて車椅子用乗降口を開口すると共に、その乗降口からスロープを地上へ掛け渡す。
(2) 車椅子への牽引部材の連結
リモートコントローラーの手動ボタンをONすることにより、ロック手段22の駆動源27を作動させ、ラック23を作動歯車19より離脱させる。
これにより、巻き軸7は回転自在な状態となり、付勢手段14の弾性力に抗してフック12を引出し、スロープ手前の車椅子Wのフレームにフック12を係止する。
このフック12の引出し時において、牽引部材8が全部引き出されると、牽引部材8の基端側がマイクロスイッチ35のスイッチレバーをONし、駆動源27を作動させ、ラック23が作動歯車19に噛合し、巻き軸7を回転制止させる。
(3) 車椅子の乗車
リモートコントローラーの自動ボタンをONし、巻取りボタンを押すと、先ず駆動源27が作動してラック23を作動歯車19より離脱させ、クラッチ18が原動機構部16と従動機構部17とを連結すると共に、駆動源15が巻取り方向に作動する。
これにより、巻き軸7が牽引部材8を巻取り、車椅子Wを牽引することにより、車椅子Wはスロープを経て車内へ移動する。
尚、牽引時には、駆動源15の駆動力と付勢手段14の弾性力により、車椅子Wは牽引される。
この移動中、車椅子Wの位置により、車椅子Wに連結されている牽引部材8は、斜め下方から上方へ指向しながら巻き戻されるが、牽引部材8はガイド部材11のスリットを挿通すると共に、牽引部材8の方向に応じてガイド部材11が上下するため、牽引部材8の帯形状が崩れずその形態が保持され、巻取り案内される。そして、車椅子Wが車室内の定位置に到達した時点で、巻取りボタンの押圧を解除すると、駆動源15が作動停止し、車椅子Wの牽引が完了する。
この時、クラッチ18が解除され、同時に駆動源27の作動により、ラック23が作動歯車19に噛合し、巻き軸7を回転制止状態と成し、牽引部材8はそれ以上伸縮しない。
車椅子Wは、牽引部材8によりそのフレームの前方が繋ぎ止められ、フレーム後方を車体フロア1に装備した適宜拘束手段(図示せず)により拘束することにより、車椅子Wが車体フロア1に固定される。
【0014】
次に、車椅子Wを降車させるには、以下の手順で行われる。
(1) 車椅子の降車
先ず、拘束手段による車椅子Wフレーム後方の拘束を解除し、乗車時と同様に車両後部のドアを開けると共に、スロープを地上へ掛け渡す。
そして、リモートコントローラーの自動ボタンをONし、繰り出しボタンを押すと、先ず駆動源27が作動してラック23を作動歯車19より離脱させ、クラッチ18が原動機構部16と従動機構部17とを連結すると共に、駆動源15が上記とは逆の繰り出し方向に作動し、巻き軸7が牽引部材8を繰り出し、その繰り出し長さに応じ車椅子Wを車外方向へ後退させ、スロープを経て地上へ移動させる。
車椅子Wが地上に到達した時点で、繰り出しボタンの押圧を解除すると、駆動源15が作動停止し、車椅子Wの牽引が完了する。
この時、クラッチ18が解除され、同時に駆動源27の作動により、ラック23が作動歯車19に噛合し、巻き軸7を回転制止状態と成し、付勢手段14による牽引部材8の自動巻取りを抑止する。
尚、この際、牽引部材8が全部引き出された場合には、マイクロスイッチ35により、ラック23が作動歯車19に噛合し、上記と同様に自動巻取りを抑止する。
(2) 牽引部材の連結解除
車外の車椅子Wからフック12を取り外し、手動ボタンをONすることにて、駆動源27を作動させてラック23を作動歯車19から離脱させることにより、巻き軸7を回転自在な状態と成し、同時に付勢手段14の弾性力により、牽引部材8は自動的に巻き取られ、その後手動ボタンをOFFすることにより、駆動源27が作動し、ラッチ23が作動歯車19に噛合する。
【0015】
【発明の効果】
要するに本発明は、先端にフック12を有する牽引部材8を巻装した巻き軸7に、牽引部材8を巻取り方向に付勢する付勢手段14を設け、巻き軸7を設けた従動機構部17と駆動源15を設けた原動機構部16とを、駆動源15に連動して両機構部16、17を断続するクラッチ18を介して連繋したので、車椅子Wにフック12を係止する際には、手動で以て牽引部材8を迅速に引き出すことができると共に、車椅子Wからフック12を外した際には、付勢手段14の弾性力により、迅速に牽引部材8を巻き戻すことができ、電動ウインチにて繰り出し及び巻き戻しを行っていた従来手法に比しその作業を飛躍的に短縮できる。
又、車椅子Wの乗降時には従来同様に牽引部材8の牽引及び繰り出しにより車椅子Wを介護者の負担を軽減して安全に乗降させられると共に、牽引時は、駆動源15の駆動力に合わせて付勢手段14の付勢力が加わるため駆動源15の負荷を低減でき、繰り出し時には付勢手段14の付勢力が一種のブレーキ作用となるため、特に車椅子Wのスロープ下り時における安全性を向上できる。
しかも、従動機構部17にはクラッチ18による両機構部16、17の連結解除時に巻き軸7を回転制止又は回転自在に制御するロック手段22を設けたので、該ロック手段22により巻き軸7を回転自在な状態と成すことにより、上記の如く、牽引部材8を自由に引出し及び巻き戻しできる様にし、車椅子Wの乗車完了時に、ロック手段22にて巻き軸7を回転制止状態に保持することにより、原動機構部16と従動機構部17との連結が遮断されていても、牽引部材8が勝手に伸縮することなく、牽引部材8にて車椅子Wを拘束して車室内の定位置に保持できる。
【0016】
ロック手段22は、牽引部材8が全部引き出された時に、巻き軸7を回転制止する様に設定したので、牽引部材8を全部引き出した時にフック12から手が離れても牽引部材8が勝手に巻き戻されることがなく便利である。
【0017】
牽引部材8は、左右一対の巻き軸7の夫々に巻装し、該巻き軸7は連動する様に従動機構部17に組み付けたので、車椅子Wのフレームの左右にフック12を介して牽引部材8を連結できると共に、左右の牽引部材8の伸縮長さが一定のため、車椅子Wの乗降時の移動が安定し、介護者による車椅子Wの誘導が楽に行え、又牽引部材8の巻取り及び繰り出しを一駆動源15にて操作できる。
【0018】
巻き軸7は垂直に支持して成るので、牽引部材8を全部巻き取った状態であっも、巻き軸を水平支持した場合に比し、巻取り径が上下方向に大きくならず、乗降補助装置全体を扁平化でき、その装置を車体フロア1上に設置した場合の突出度合を極力小さくできると共に、牽引部材8は上下方向に幅を有する薄肉な帯状のベルトから成るので、巻取り状態が収まりよく、乗降補助装置をよりコンパクト化できる。
【0019】
牽引部材8は、上下動自在に支持されたガイド部材11のスリットに摺動自在に挿通したので、車椅子Wの牽引時において、牽引部材8の傾きの変位に応じガイド部材11が上下するため、牽引部材8の帯形状が崩れず、その形態が保持されながらスムーズに巻取り案内でき、巻取り中に牽引部材8が捩れたり、ひしゃげたりした状態で正常に巻き取られず、牽引部材8が絡まってしまう様な不具合を解消できる等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗降補助装置の側面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】同上正面図である。
【図4】図3のAーA断面図である。
【図5】図3のBーB断面図である。
【図6】図3のCーC断面図である。
【図7】図5の要部拡大図である。
【符号の説明】
7 巻き軸
8 牽引部材
11 ガイド部材
12 フック
14 付勢手段
15 駆動源
16 原動機構部
17 従動機構部
18 クラッチ
22 ロック手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、車椅子利用者が車椅子ごと乗降する際に用いられる乗降補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、後部に設けた車椅子専用の乗降口にスロープを装備し、このスロープを介護者の誘導によって上り下りすることにより、身障者等が車椅子に座ったまま乗り降り出来る様にした車両が見受けられる。
この様な車両では、車内に車椅子牽引用の電動ウインチを搭載し、このウインチから引き出した索条等の牽引部材先端のフックを車椅子に係止し、牽引部材をウインチが巻き取る又は繰り出すことにより、スロープを上り下りする時に介護者が車椅子を押し出す力又は支える力を補助し、車椅子に座った状態で安全に乗降させる補助装置を装備している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
登録実用新案第3032294号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記装置によって介護者の負担は軽減されるものであるが、ウインチは電動であるため、車外の車椅子まで巻き取られている牽引部材を引き出すのに時間を要しており、特に、雨などの天候の悪い時には、準備に手間取って迅速に乗車させられないといった課題を有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題に鑑み、車椅子乗降用のスロープを装備した車両の車室内に設けられ、先端にフックを有する左右一対のベルト状の牽引部材を巻装した巻き軸の夫々に、牽引部材を巻取り方向に付勢する付勢手段を設け、左右の巻き軸を連動する様に組み付けた従動機構部と駆動源を設けた原動機構部とを、駆動源に連動して両機構部を断続するクラッチを介して連繋することにより、車椅子の乗降に際し、駆動源の停止状態で手動操作にて牽引部材を迅速に引き出せる様にすると共に、付勢手段により牽引部材を自動的に巻き取らせ、又駆動源の作動により牽引部材8を巻取り又は繰り出すことにより、車椅子の乗降を補助する様にして上記課題を解決する。
又、従動機構部にはクラッチによる両機構部の連結解除時に巻き軸を回転制止又は回転自在に制御するロック手段を設け、駆動源の停止状態における牽引部材の上記引出し及び巻取り以外では、巻き軸を回転制止させ、車室内で車椅子を繋いだ牽引部材が勝手に伸縮することを防止し、車椅子を定位置に固定する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜7に示す乗降補助装置は、後部がバックドアにて開閉されると共に、車室内後部側に車椅子乗車空間を形成した車両において、車椅子乗車空間の車体フロア1前方に設置している。
そして、この車両はバックドアを備えた乗降口に車椅子乗降用のスロープ(図示せず)が装備されている。
【0007】
乗降補助装置は、前部が車幅方向に長く、後部がそれよりも短い平面視略T字状の箱体2に内装されている。
箱体2底部の第一ベース3は箱体2と平面視形状が略同一に形成され、第一ベース3の前部上方には、その前部全体に対応した横長矩形状のウインチベース4を水平配置し、ウインチベース4の上方には、第一ベース3後部と同幅で第一ベース3前後部の奥行きを有する矩形状の第二ベース5を水平配置し、第二ベース5の前部上方の中央には、ウインチベース4と奥行きが略同一で第二ベース5より幅小なバネベース6を水平配置している。
【0008】
ウインチベース4の略中央には、左右一対の巻き軸7を回転自在に垂直支持し、その下端部はウインチベース4を貫通して第一ベース3上で軸受けされ、上端部は第二ベース5及びバネベース6を貫通してバネベース6上に設置したバネケース6a内で軸受けされている。
ウインチベース4における左右の巻き軸7の夫々には、上下に幅を有する薄肉帯状の合成繊維製ベルトから成る牽引部材8を巻装し、ウインチベース4の左右端上方には、この左右端形状と略同一のベースカバー9を第二ベース5と同一平面上に配し、箱体2においてウインチベース4左右端後部に対応する側壁2aに牽引部材8の挿通口10を形成している。
挿通口10近傍には、牽引部材8を摺動自在に挿通支持するガイド部材11を設けており、該ガイド部材11は、略三角形状に形成され、その底辺側に牽引部材8を挿通する縦長なスリット(牽引部材8の断面形状に略対応)を設け、該スリットに対峙する頂角部11aを側壁2aに枢着し、ガイド部材11を上下揺動自在に支持している。
又、牽引部材8の先端には、車椅子Wのフレームに係止するフック12を設けており、該フック12は、牽引部材8の巻取り状態でガイド部材11に当止めされ、フック12が箱体2内部に引き入れられることはない。
又、巻き軸7から挿通口10までの間の適所には、牽引部材8の案内ローラー13をウインチベース4と第二ベース5の間に複数架設している。
尚、巻き軸7は同一回転方向に巻き取られる様に設定されているため、左側及び右側の巻き軸7は、牽引部材8の繰り出し位置を後部側及び前部側の夫々と成している。
そして、バネケース6a内に突入した巻き軸7の上端部には、渦巻きバネから成る付勢手段14を牽引部材8の巻取り方向に付勢する様に巻着している。
【0009】
第一ベース3の後部には、正逆回転自在な電動モーターから成る駆動源15を設けた原動機構部16を設置し、第二ベース5上には、巻き軸7を組み付けた従動機構部17を設置し、該従動機構部17と原動機構部16とは、該原動機構部16の駆動源15に連動して両機構部16、17を断続する電磁クラッチ18を介して連繋しており、このクラッチ18は駆動源15の起動に応じ従動機構部17と原動機構部16とを連結し、駆動源15の停止によりその連結を解除する様に成している。
尚、クラッチ18は、電磁クラッチに限定されず、駆動源15の起動に応じ従動機構部17と原動機構部16とを連結し、駆動源15の停止によりその連結を解除する様に構成されたものであれば良い。
【0010】
従動機構部17は、クラッチ18を介して原動機構部16からの動力を巻き軸7に伝動する減速歯車機構であり、クラッチ18を介して原動機構部16からの動力が直接伝動される作動歯車19に介装歯車20を介して巻き軸7の夫々に軸着した巻き軸歯車21を噛合し、作動歯車19の回転により巻き軸7の夫々が同一方向に回転連動する様に成している。
又、従動機構部17には、クラッチ18解除(原動機構部16と従動機構部17との連結解除)時に巻き軸7を回転制止又は回転自在に制御するロック手段22を設けている。
ロック手段22は、作動歯車19に着脱自在に噛合するラック23と、該ラック23を作動させる動作機構部24とから成る。
ラック23は、その基体が前後方向に長い矩形板状にして、且つ左側後部の隅角部が鉤状に切欠され、右側縁に作動歯車19と噛合する歯列を設け、基体の前後には、左右方向に長い長孔25を設け、該長孔25に第二ベース5に突設したピン26を摺動自在に挿通し、長孔25に沿ってラック23が作動歯車19に着脱自在に移動する様に成している。
動作機構部24は、第二ベース5底部に固定した正逆回転自在な電動モータから成る別途駆動源27と、該駆動源27より上方突設すると共に、第二ベース5及びラック23を遊嵌した駆動軸27aに支点が軸着されたレバー28とから成る。
そして、レバー28の両端の夫々には、摺動ピン29、30を上方突設し、一方の摺動ピン29は、駆動軸27aを中心として第二ベース5に設けられた円弧状の案内孔31に摺動自在に装着され、他方の摺動ピン30は、第二ベース5とラック23の基体の夫々に設けた案内孔32、33に摺動自在に装着されている。
第二ベース5に設けた案内孔32は、駆動軸27aを中心とした円弧状の孔であり、この案内孔32と同一形状にして曲率中心をずらした案内孔33がラック23に設けられている。
そして、ラック23が作動歯車19より離脱した状態で両案内孔32、33の前端部32a、33aが重なり、ラック23が作動歯車19に噛合した状態で両案内孔32、33の後端部32b、33bが重なる様に設定し、摺動ピン30が案内孔32、33の前端部32a、33aに位置した時にラック23が作動歯車19より離脱し、後端部32b、33bに位置した時にラック23が作動歯車19に噛合する。
又、ラック23の駆動源27は、ラック23が作動歯車19に噛合又は離脱した時に停止するマイクロスイッチ34に接続され、離脱時に駆動源27を停止させるマイクロスイッチ34はラック23の歯列に対峙する左側に設置している。尚、図示例では噛合時に駆動源27を停止させるマイクロスイッチを省略している。
【0011】
ロック手段22は、牽引部材8が全部が繰り出された時に、これを検出してその駆動源27を作動させ、ラック23を作動歯車19に噛合し、巻き軸7を回転制止する様にも設定されている。
即ち、駆動源27は牽引部材8が全部繰り出されたことを検出する別途マイクロスイッチ35に接続しており、このマイクロスイッチ35は、ウインチベース4上において、巻き軸7の牽引部材8の巻取り径が最小(巻き軸径に相当)になった時に牽引部材8がマイクロスイッチ35のスイッチレバーを押圧する位置に設けられている。
【0012】
巻き軸7及びロック手段22(駆動源15、27)はリモートコントローラーに設けた自動、手動、巻取り、繰り出し等の各種操作ボタンにより操作されるものにして、自動ボタンをONし、巻取りボタン又は繰り出しボタンを押圧すると、駆動源27の作動により、ラッチ23が作動歯車19より離脱し、同時にクラッチ18によって原動機構部16と従動機構部17が連結して駆動源27が駆動し、その駆動力により巻き軸7が巻取り方向又は繰り出し方向に回転し、巻取りボタン又は繰り出しボタンを押圧解除すると、クラッチ18が解除され、原動機構部16と従動機構部17との連結が遮断されると共に、駆動源27によりラッチ23が作動歯車19に噛合し、巻き軸7を回転制止状態と成す様に設定されている。
又、手動ボタンをONすると、駆動源27の作動により、ラッチ23が作動歯車19より離脱し、巻き軸7を回転自在と成し、OFFすると、逆にラッチ23が作動歯車19に噛合し、巻き軸7を回転制止状態と成す様に設定されている。
【0013】
次に、乗降補助装置の動作を説明する。
先ず、牽引部材8の引出し前状態では、駆動源15が停止してクラッチ18により、原動機構部16と従動機構部17との連結は遮断されており、作動歯車19にラック23が噛合している。
そして、車外の車椅子Wをその利用者と共に乗車させる場合には、以下の手順で行われる。
(1) スロープのセット
車両後部のドアを開いて車椅子用乗降口を開口すると共に、その乗降口からスロープを地上へ掛け渡す。
(2) 車椅子への牽引部材の連結
リモートコントローラーの手動ボタンをONすることにより、ロック手段22の駆動源27を作動させ、ラック23を作動歯車19より離脱させる。
これにより、巻き軸7は回転自在な状態となり、付勢手段14の弾性力に抗してフック12を引出し、スロープ手前の車椅子Wのフレームにフック12を係止する。
このフック12の引出し時において、牽引部材8が全部引き出されると、牽引部材8の基端側がマイクロスイッチ35のスイッチレバーをONし、駆動源27を作動させ、ラック23が作動歯車19に噛合し、巻き軸7を回転制止させる。
(3) 車椅子の乗車
リモートコントローラーの自動ボタンをONし、巻取りボタンを押すと、先ず駆動源27が作動してラック23を作動歯車19より離脱させ、クラッチ18が原動機構部16と従動機構部17とを連結すると共に、駆動源15が巻取り方向に作動する。
これにより、巻き軸7が牽引部材8を巻取り、車椅子Wを牽引することにより、車椅子Wはスロープを経て車内へ移動する。
尚、牽引時には、駆動源15の駆動力と付勢手段14の弾性力により、車椅子Wは牽引される。
この移動中、車椅子Wの位置により、車椅子Wに連結されている牽引部材8は、斜め下方から上方へ指向しながら巻き戻されるが、牽引部材8はガイド部材11のスリットを挿通すると共に、牽引部材8の方向に応じてガイド部材11が上下するため、牽引部材8の帯形状が崩れずその形態が保持され、巻取り案内される。そして、車椅子Wが車室内の定位置に到達した時点で、巻取りボタンの押圧を解除すると、駆動源15が作動停止し、車椅子Wの牽引が完了する。
この時、クラッチ18が解除され、同時に駆動源27の作動により、ラック23が作動歯車19に噛合し、巻き軸7を回転制止状態と成し、牽引部材8はそれ以上伸縮しない。
車椅子Wは、牽引部材8によりそのフレームの前方が繋ぎ止められ、フレーム後方を車体フロア1に装備した適宜拘束手段(図示せず)により拘束することにより、車椅子Wが車体フロア1に固定される。
【0014】
次に、車椅子Wを降車させるには、以下の手順で行われる。
(1) 車椅子の降車
先ず、拘束手段による車椅子Wフレーム後方の拘束を解除し、乗車時と同様に車両後部のドアを開けると共に、スロープを地上へ掛け渡す。
そして、リモートコントローラーの自動ボタンをONし、繰り出しボタンを押すと、先ず駆動源27が作動してラック23を作動歯車19より離脱させ、クラッチ18が原動機構部16と従動機構部17とを連結すると共に、駆動源15が上記とは逆の繰り出し方向に作動し、巻き軸7が牽引部材8を繰り出し、その繰り出し長さに応じ車椅子Wを車外方向へ後退させ、スロープを経て地上へ移動させる。
車椅子Wが地上に到達した時点で、繰り出しボタンの押圧を解除すると、駆動源15が作動停止し、車椅子Wの牽引が完了する。
この時、クラッチ18が解除され、同時に駆動源27の作動により、ラック23が作動歯車19に噛合し、巻き軸7を回転制止状態と成し、付勢手段14による牽引部材8の自動巻取りを抑止する。
尚、この際、牽引部材8が全部引き出された場合には、マイクロスイッチ35により、ラック23が作動歯車19に噛合し、上記と同様に自動巻取りを抑止する。
(2) 牽引部材の連結解除
車外の車椅子Wからフック12を取り外し、手動ボタンをONすることにて、駆動源27を作動させてラック23を作動歯車19から離脱させることにより、巻き軸7を回転自在な状態と成し、同時に付勢手段14の弾性力により、牽引部材8は自動的に巻き取られ、その後手動ボタンをOFFすることにより、駆動源27が作動し、ラッチ23が作動歯車19に噛合する。
【0015】
【発明の効果】
要するに本発明は、先端にフック12を有する牽引部材8を巻装した巻き軸7に、牽引部材8を巻取り方向に付勢する付勢手段14を設け、巻き軸7を設けた従動機構部17と駆動源15を設けた原動機構部16とを、駆動源15に連動して両機構部16、17を断続するクラッチ18を介して連繋したので、車椅子Wにフック12を係止する際には、手動で以て牽引部材8を迅速に引き出すことができると共に、車椅子Wからフック12を外した際には、付勢手段14の弾性力により、迅速に牽引部材8を巻き戻すことができ、電動ウインチにて繰り出し及び巻き戻しを行っていた従来手法に比しその作業を飛躍的に短縮できる。
又、車椅子Wの乗降時には従来同様に牽引部材8の牽引及び繰り出しにより車椅子Wを介護者の負担を軽減して安全に乗降させられると共に、牽引時は、駆動源15の駆動力に合わせて付勢手段14の付勢力が加わるため駆動源15の負荷を低減でき、繰り出し時には付勢手段14の付勢力が一種のブレーキ作用となるため、特に車椅子Wのスロープ下り時における安全性を向上できる。
しかも、従動機構部17にはクラッチ18による両機構部16、17の連結解除時に巻き軸7を回転制止又は回転自在に制御するロック手段22を設けたので、該ロック手段22により巻き軸7を回転自在な状態と成すことにより、上記の如く、牽引部材8を自由に引出し及び巻き戻しできる様にし、車椅子Wの乗車完了時に、ロック手段22にて巻き軸7を回転制止状態に保持することにより、原動機構部16と従動機構部17との連結が遮断されていても、牽引部材8が勝手に伸縮することなく、牽引部材8にて車椅子Wを拘束して車室内の定位置に保持できる。
【0016】
ロック手段22は、牽引部材8が全部引き出された時に、巻き軸7を回転制止する様に設定したので、牽引部材8を全部引き出した時にフック12から手が離れても牽引部材8が勝手に巻き戻されることがなく便利である。
【0017】
牽引部材8は、左右一対の巻き軸7の夫々に巻装し、該巻き軸7は連動する様に従動機構部17に組み付けたので、車椅子Wのフレームの左右にフック12を介して牽引部材8を連結できると共に、左右の牽引部材8の伸縮長さが一定のため、車椅子Wの乗降時の移動が安定し、介護者による車椅子Wの誘導が楽に行え、又牽引部材8の巻取り及び繰り出しを一駆動源15にて操作できる。
【0018】
巻き軸7は垂直に支持して成るので、牽引部材8を全部巻き取った状態であっも、巻き軸を水平支持した場合に比し、巻取り径が上下方向に大きくならず、乗降補助装置全体を扁平化でき、その装置を車体フロア1上に設置した場合の突出度合を極力小さくできると共に、牽引部材8は上下方向に幅を有する薄肉な帯状のベルトから成るので、巻取り状態が収まりよく、乗降補助装置をよりコンパクト化できる。
【0019】
牽引部材8は、上下動自在に支持されたガイド部材11のスリットに摺動自在に挿通したので、車椅子Wの牽引時において、牽引部材8の傾きの変位に応じガイド部材11が上下するため、牽引部材8の帯形状が崩れず、その形態が保持されながらスムーズに巻取り案内でき、巻取り中に牽引部材8が捩れたり、ひしゃげたりした状態で正常に巻き取られず、牽引部材8が絡まってしまう様な不具合を解消できる等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗降補助装置の側面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】同上正面図である。
【図4】図3のAーA断面図である。
【図5】図3のBーB断面図である。
【図6】図3のCーC断面図である。
【図7】図5の要部拡大図である。
【符号の説明】
7 巻き軸
8 牽引部材
11 ガイド部材
12 フック
14 付勢手段
15 駆動源
16 原動機構部
17 従動機構部
18 クラッチ
22 ロック手段
Claims (5)
- 車椅子乗降用のスロープを装備した車両の車室内に設けられ、先端にフックを有する牽引部材を巻装した巻き軸に、牽引部材を巻取り方向に付勢する付勢手段を設け、巻き軸を設けた従動機構部と駆動源を設けた原動機構部とを、駆動源に連動して両機構部を断続するクラッチを介して連繋し、従動機構部にはクラッチによる両機構部の連結解除時に巻き軸を回転制止又は回転自在に制御するロック手段を設けたことを特徴とする車椅子の乗降補助装置。
- ロック手段は、牽引部材が全部引き出された時に、巻き軸を回転制止する様に設定されたことを特徴とする請求項1記載の車椅子の乗降補助装置。
- 牽引部材は左右一対の巻き軸の夫々に巻装され、該巻き軸は連動する様に従動機構部に組み付けられたことを特徴とする請求項1、2記載の車椅子の乗降補助装置。
- 巻き軸は垂直に支持され、牽引部材は上下方向に幅を有する薄肉な帯状のベルトから成ることを特徴とする請求項1、2又は3記載の車椅子の乗降補助装置。
- 牽引部材は、上下動自在に支持されたガイド部材のスリットに摺動自在に挿通したことを特徴とする請求項4記載の車椅子の乗降補助装置。
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