JP2004356295A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理ユニットへの基板の搬入および搬出時における雰囲気の漏洩による基板の清浄度の低下が十分に防止された基板処理装置および基板処理方法を提供する。
【解決手段】時間t1において、制御部はフィルタファンユニットを動作させ、基板搬送領域に流量f1のダウンフローを形成する。時間t2において、制御部はポリマー除去ユニットのシャッタを開き、フィルタファンユニットによるダウンフロー流量を増加させ、基板搬送領域に流量f4のダウンフローを発生する。時間t4において、制御部はホットプレートのシャッタを開き、フィルタファンユニットによるダウンフロー流量を増加させ、基板搬送領域に流量f3のダウンフローを発生する。時間t6において、制御部はクーリングプレートのシャッタを開き、フィルタファンユニットによるダウンフロー流量を増加させ、流量f2のダウンフローを発生する。
【選択図】 図3
【解決手段】時間t1において、制御部はフィルタファンユニットを動作させ、基板搬送領域に流量f1のダウンフローを形成する。時間t2において、制御部はポリマー除去ユニットのシャッタを開き、フィルタファンユニットによるダウンフロー流量を増加させ、基板搬送領域に流量f4のダウンフローを発生する。時間t4において、制御部はホットプレートのシャッタを開き、フィルタファンユニットによるダウンフロー流量を増加させ、基板搬送領域に流量f3のダウンフローを発生する。時間t6において、制御部はクーリングプレートのシャッタを開き、フィルタファンユニットによるダウンフロー流量を増加させ、流量f2のダウンフローを発生する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に種々の処理を行う基板処理装置および基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用ガラス基板等の基板に種々の処理を行うために基板処理装置が用いられている。例えば、半導体ウエハの製造プロセスでは、生産効率を高めるために、一連の処理の各々をユニット化し、複数の処理ユニットを統合した基板処理装置が用いられている。このような基板処理装置では、一枚の基板に対して複数の異なる処理が連続的に行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
製造対象となる基板には、高い処理精度および清浄度が求められる。そのため、上述のような基板処理装置はクリーンルーム内に設置される。基板の高い清浄度を得るためのクリーンルームとしては、ダウンフロー(下降流)が流れる形式のダウンフロークリーンルームが有効であるとされている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−45610号公報
【特許文献2】
特開平10−135307号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、基板処理装置には、基板の加熱および冷却等を行うベークユニット、基板に洗浄液を供給して基板を洗浄する洗浄処理ユニット、基板にレジスト剤を塗布するレジスト塗布ユニット、不要なレジスト剤を剥離するレジスト剥離ユニットおよびアッシング(灰化処理)ユニットまたは有機金属等のポリマー除去を行うポリマー除去ユニット等の各種処理ユニットが用途に応じて設置される。また、各々の処理ユニット間には、基板を搬送するための基板搬送路が設けられる。
【0006】
各種処理ユニットが混在する基板処理装置においては、各々の処理ユニット間で生じる問題が指摘されてきた。
【0007】
例えば、洗浄処理ユニット、レジスト塗布ユニット、レジスト剥離ユニット、ポリマー除去ユニット等の湿式の処理ユニットでは、基板に処理液を供給するため、基板の受け渡し時以外はシャッタを閉じることにより密閉空間が形成される。しかしながら、処理液を用いた処理が終了した基板の受け渡し時においては、シャッタが開くため処理ユニット内に残留する処理液のミスト(飛沫や蒸気)およびパーティクルを含む雰囲気が外部に漏洩する場合がある。
【0008】
それにより、基板が処理ユニットの近くを搬送されると、処理液のミストまたはパーティクルが基板に付着し、基板の清浄度が低下する場合がある。隣接する処理ユニット内に処理液のミストまたはパーティクルが侵入しても同様の問題が生じる。
【0009】
また、ベークユニット、アッシングユニット等の乾式の処理ユニットにおいても、基板の受け渡し時にパーティクルを含む雰囲気が処理ユニットの外部に漏洩する場合がある。それにより、処理ユニットの近くを搬送される基板上にパーティクルが付着し、基板の清浄度が低下する場合がある。隣接する処理ユニット内にパーティクルが侵入しても同様の問題が生じる。
【0010】
以上の問題を解決すべく、例えば、クリーンルームのみならず基板処理装置自体の内部で垂直層流を供給する基板処理装置が案出されている(例えば、特許文献2参照)。この基板処理装置によれば、各種処理ユニットで使用される処理液のミストおよびパーティクル等の外部への漏洩が低減される。
【0011】
近年、デバイスの高密度化および微細化に伴って、複数の処理ユニットを備える基板処理装置において、さらなる基板の清浄度の向上が望まれている。
【0012】
本発明の目的は、処理ユニットへの基板の搬入および搬出時における雰囲気の漏洩による基板の清浄度の低下が十分に防止された基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明に係る基板処理装置は、処理領域とその処理領域に隣接する搬送領域とを有し、基板を処理する基板処理装置であって、処理領域に設けられ、基板に処理を行う処理手段を収容する処理室と、搬送領域に設けられ、基板を搬送する搬送手段と、搬送領域内にダウンフローを形成するダウンフロー形成手段と、ダウンフロー形成手段を制御する制御手段とを備え、処理室は、搬送手段による処理手段に対する基板の搬入時および搬出時に基板が通過可能な開口部を有するとともに、開口部に開閉自在に設けられたシャッタを備え、制御手段は、処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が処理室のシャッタの閉鎖時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段を制御するものである。
【0014】
なおここで、ダウンフローの流量とは、下降気流の単位時間当りに流れる容量のことで、たとえば、L/min、m3 /min、m3 /h等の単位であらわすことができる。
【0015】
第1の発明に係る基板処理装置においては、処理室内に収容された処理手段により基板に処理が行われ、搬送手段により基板が搬送領域内で搬送される。搬送領域内では、ダウンフロー形成手段によりダウンフローが形成される。また、制御手段により処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が処理室のシャッタの閉鎖時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段が制御される。
【0016】
これにより、搬送領域から処理室の開口部を通して処理室内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成される。したがって、処理室のシャッタの開放時に処理室内の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。その結果、処理室への基板の搬入および搬出時における基板の清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0017】
また、処理室のシャッタの閉鎖時に、シャッタの開放時よりもダウンフローの流量が小さくなるようにダウンフロー形成手段が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0018】
複数の処理室を備え、制御手段は、複数の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が異なるようにダウンフロー形成手段を制御してもよい。
【0019】
この場合、各処理室のシャッタの開放時に、各々の処理室の雰囲気に応じてダウンフローの流量が制御されるので、各処理室の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。その結果、処理室への基板の搬入および搬出時における基板の清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0020】
また、各処理室に応じてシャッタの開放時のダウンフローの流量が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0021】
複数の処理室は、処理液を用いて基板に処理を行う湿式処理手段を収容する湿式処理室と、処理液を用いずに基板に処理を行う乾式処理手段を収容する乾式処理室とを含み、制御手段は、湿式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段を制御してもよい。
【0022】
この場合、湿式処理室に収容される湿式処理手段により処理液を用いて基板に処理が行われ、乾式処理室に収容される乾式処理手段により処理液を用いずに基板に処理が行われる。また、制御手段により湿式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段が制御される。
【0023】
これにより、湿式処理室のシャッタの開放時には、搬送領域から湿式処理室の開口部を通して湿式処理室内へ流れ込む空気の流れが比較的大きくなる。したがって、湿式処理室内の処理液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。
【0024】
一方、乾式処理室のシャッタの開放時には、搬送領域から乾式処理室の開口部を通して乾式処理室内へ流れ込む空気の流れが比較的小さくても、乾式処理室内のパーティクルを含む雰囲気が搬送領域内に漏洩することが十分に防止される。
【0025】
このように、湿式処理室および乾式処理室の処理形態に応じて各々のシャッタの開放時のダウンフローの流量が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0026】
複数の処理室は、基板に第1の温度雰囲気で処理を行う第1の処理手段を収容する第1の処理室と、基板に第1の温度雰囲気よりも低い第2の温度雰囲気で処理を行う第2の処理手段を収容する第2の処理室とを含み、制御手段は、第1の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第2の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段を制御してもよい。
【0027】
この場合、第1の処理室に収容される第1の処理手段により基板に第1の温度雰囲気で処理が行われ、第2の処理室に収容される第2の処理手段により基板に第1の温度雰囲気よりも低い第2の温度雰囲気で処理が行われる。また、制御手段により第1の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第2の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段が制御される。
【0028】
これにより、第1の処理室のシャッタ開放時には、搬送領域から第1の処理室の開口部を通して第1の処理室内へ流れ込む空気の流れが比較的大きくなる。したがって、第1の処理室内のパーティクルを含む雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。また、第1の処理室内の第1の温度雰囲気が外部に漏洩しないため第1の処理室内の熱効率が向上し、また、他の処理室への熱雰囲気の流入が確実に防止される。
【0029】
一方、第2の処理室のシャッタ開放時には、搬送領域から第2の処理室の開口部を通して第2の処理室内へ流れ込む空気の流れが比較的小さくても、第2の処理室内のパーティクルを含む雰囲気が搬送領域内に漏洩することが十分に防止されるとともに、他の処理室への影響を十分に抑制することができる。
【0030】
このように、第1および第2の処理室内の各々の温度雰囲気に応じてシャッタの開放時のダウンフローの流量が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0031】
複数の処理室は、処理液を用いて基板に処理を行う湿式処理手段を収容する湿式処理室と、処理液を用いずに基板に第1の温度雰囲気で処理を行う第1の乾式処理手段を収容する第1の乾式処理室と、処理液を用いずに基板に第1の温度雰囲気よりも低い第2の温度雰囲気で処理を行う第2の乾式処理手段を収容する第2の乾式処理室とを含み、制御手段は、湿式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第1の乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなり、第1の乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第2の乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段を制御してもよい。
【0032】
この場合、湿式処理室に収容された湿式処理手段により処理液を用いて基板に処理が行われ、第1の乾式処理室に収容された第1の乾式処理手段により処理液を用いずに基板に第1の温度雰囲気で処理が行われ、第2の乾式処理室に収容された第2の乾式処理手段により処理液を用いずに基板に第1の温度雰囲気よりも低い第2の温度雰囲気で処理が行われる。また、制御手段により湿式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第1の乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなり、第1の乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第2の乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段が制御される。
【0033】
これにより、湿式処理室のシャッタの開放時には、搬送領域から湿式処理室の開口部を通して湿式処理室内へ流れ込む空気の流れが比較的大きくなる。したがって、湿式処理室内の処理液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。
【0034】
一方、第1の乾式処理室のシャッタ開放時には、搬送領域から第1の乾式処理室の開口部を通して湿式処理室内へ流れ込む空気の流れが比較的小さくても、第1の乾式処理室内のパーティクルを含む熱雰囲気が搬送領域内に漏洩することが十分に防止される。また、第1の乾式処理室内の第1の温度雰囲気が外部に漏洩しないため第1の処理室内の熱効率が向上し、また、他の処理室への熱雰囲気の流入が確実に防止される。
【0035】
他方、第2の乾式処理室のシャッタ開放時には、搬送領域から処理室の開口部を通して第2の処理室内へ流れ込む空気の流れがさらに小さくても、第2の乾式処理室内のパーティクルを含む雰囲気が搬送領域内に漏洩することが十分に防止される。
【0036】
このように、湿式処理室、第1の乾式処理室および第2の乾式処理室の処理形態に応じて各々のシャッタの開放時のダウンフローの流量が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0037】
複数の処理室は、第1の面積の開口部を有する第1の処理室と、第1の面積よりも小さい第2の面積の開口部を有する第2の処理室とを含み、制御手段は、第1の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第2の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段を制御してもよい。
【0038】
この場合、制御手段により、第1の面積の開口部を有する第1の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第1の面積よりも小さい第2の面積の開口部を有する第2の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段が制御される。
【0039】
これにより、第1の処理室のシャッタの開放時に搬送領域から開口部を通して第1の処理室内へ流れ込む清浄な空気の量と第2の処理室のシャッタの開放時に搬送領域から開口部を通して第2の処理室内へ流れ込む清浄な空気の量とがほぼ等しくなる。それにより、第1および第2の処理室内の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実かつ効率的に防止される。したがって、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0040】
複数の処理室は異なる面積の開口部を有し、制御手段は、複数の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が開口部の面積に略比例するようにダウンフロー形成手段を制御してもよい。
【0041】
この場合、制御手段により、異なる面積の開口部を有する複数の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が開口部の面積に略比例するようにダウンフロー形成手段が制御されるので、異なる面積の開口部を有する複数の処理室の各々のシャッタの開放時に搬送領域から開口部を通して各々の処理室内へ流れ込む清浄な空気の量がほぼ等しくなる。それにより、異なる面積の開口部を有する複数の処理室内の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実かつ効率的に防止される。
【0042】
処理室は、内部の雰囲気を排気する排気部と、排気部からの排気量を調整する排気量調整手段とを有し、排気量調整手段は、処理室のシャッタの開放時における排気量を処理室のシャッタの閉鎖時における排気量よりも大きくしてもよい。
【0043】
この場合、排気部により処理室内部の雰囲気が排気され、排気量調整手段により処理室のシャッタの開放時における排気部からの排気量が、処理室のシャッタの閉鎖時における排気量よりも大きくなるように調整される。
【0044】
これにより、処理室のシャッタの開放時に搬送領域から処理室の開口部を通して処理室内へ清浄な空気の流れが十分に形成される。したがって、処理室のシャッタの開放時に処理室内の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。その結果、処理室への基板の搬入および搬出時における基板の清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0045】
また、処理室のシャッタの閉鎖時に、シャッタの開放時よりも排気部からの排気量が小さくなるようにダウンフロー形成手段が制御されるので、過剰な排気動作が防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0046】
処理室内の圧力および搬送領域内の圧力を測定する圧力測定手段をさらに備え、制御手段は、圧力測定手段により測定された圧力に基づいてダウンフロー形成手段によるダウンフローの流量を制御してもよい。
【0047】
この場合、圧力測定手段により処理室内の圧力および搬送領域内の圧力が測定され、制御手段により圧力測定手段により測定された圧力に基づいてダウンフロー形成手段によるダウンフローの流量が制御される。たとえば、処理室内の圧力>搬送領域内の圧力である場合には、搬送領域上方のダウンフローの流量を増加させ、処理室内の圧力<搬送領域内の圧力である場合には、搬送領域上方のダウンフローの流量を減少させるのがよい。
【0048】
これにより、搬送領域または処理室内の圧力状態が変化した場合にダウンフローの流量を適切に制御することで、処理室内の雰囲気が搬送領域内へ漏洩することが防止され、処理室への基板の搬入および搬出時における基板の清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0049】
また、搬送領域または処理室内の圧力状態の変化に応じてシャッタの開放時のダウンフローの流量が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0050】
第2の発明に係る基板処理方法は、処理領域とその処理領域に隣接する搬送領域とを有し、基板を処理する基板処理方法であって、処理領域に設けられ、シャッタが開閉自在に設けられた開口部を有する処理室内でシャッタを閉鎖した状態で基板に処理を行う工程と、処理室に隣接するように配置された搬送領域内にダウンフローを形成する工程と、搬送領域内で基板を搬送する工程と、シャッタを開放した状態で搬送領域内と処理室内との間で開口部を通して基板の搬入または搬出を行う工程と、シャッタの開放時におけるダウンフローの流量をシャッタの閉鎖時におけるダウンフローの流量よりも大きく制御する工程とを備えたものである。
【0051】
この場合、処理領域に設けられ、シャッタが開閉自在に設けられた開口部を有する処理室内でシャッタを閉鎖した状態で基板に処理が行われ、処理室に隣接するように配置された搬送領域内にダウンフローが形成され、搬送領域内で基板が搬送され、シャッタが開放された状態で搬送領域内と処理室内との間で開口部を通して基板の搬入または搬出が行われ、シャッタの開放時におけるダウンフローの流量がシャッタの閉鎖時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるように制御される。
【0052】
これにより、搬送領域から処理室の開口部を通して処理室内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成される。したがって、処理室のシャッタの開放時に処理室内の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。その結果、処理室への基板の搬入および搬出時における基板の清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0053】
また、処理室のシャッタの閉鎖時に、シャッタの開放時よりもダウンフローの流量が小さくなるようにダウンフロー形成手段が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る基板処理装置について図1〜図6に基づき説明する。
【0055】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る基板処理装置を説明するための模式的平面図である。
【0056】
図1に示すように、本実施の形態に係る基板処理装置100AはインデクサID、制御部2、第1〜第4の処理領域3〜6、流体ボックス71〜74、基板搬送領域9および基板受渡部10から構成されている。
【0057】
基板処理装置100Aの長手方向の一端部には、インデクサIDが配置されている。インデクサIDは、カセット1およびインデクサロボットIRを備える。カセット1には、複数の基板Wが収納される。インデクサロボットIRは、基板Wを搬送するとともに、カセット1に対して基板Wの出し入れを行い、基板受渡部10において後述の基板搬送装置CRと基板Wの受渡しを行う。インデクサIDの側部には制御部2が配置されている。
【0058】
制御部2は、基板処理装置100Aの各構成部の動作を制御する。例えば、インデクサロボットIRの動作、後述の基板搬送装置CRの動作、第1〜第4の処理領域3〜6内に設けられる各種処理ユニットの動作および後述のフィルタファンユニットの動作等を制御する。
【0059】
インデクサIDおよび制御部2に隣接して流体ボックス71,72が配置され、この流体ボックス71,72に隣接して第1および第2の処理領域3,4が配置されている。そして、基板受渡部10が、流体ボックス71と72の間、および第1および第2の処理領域3,4の間に位置している。
【0060】
また、第1および第2の処理領域3,4の各々に隣接して第3および第4の処理領域5,6が配置され、第3および第4の処理領域5,6の各々に隣接して流体ボックス73,74が配置されている。そして、第1〜第4の処理領域3〜6、流体ボックス73,74および基板受渡部10に囲まれるように基板搬送領域9が位置している。
【0061】
第1および第3の処理領域3,5にはポリマー除去ユニットSRが設けられ、第2および第4の処理領域4,6にはベークユニットBKが設けられている。ここで、本実施の形態において、ベークユニットBKは基板Wを加熱するためのホットプレートおよび基板Wを冷却するためのクーリングプレート等を含む。
【0062】
基板搬送領域9は、第1〜第4の処理領域3〜6、基板受渡部10の各々に対し基板Wを搬送する基板搬送装置CRおよびフィルタファンユニットFFU(後述の図2参照)を備える。基板搬送装置CRおよびフィルタファンユニットFFUの動作の詳細については後述する。
【0063】
流体ボックス71〜74には、上述の各種処理ユニットSR,BKへ液体または気体を供給するための処理液供給部、給気装置、排気装置およびバルブ等のうち少なくともいずれかが設けられる。処理液供給部、給気装置、排気装置およびバルブについての詳細については後述する。
【0064】
図2は、図1の基板処理装置のM−M線断面図である。第3の処理領域5には回転式処理装置50を備えるポリマー除去ユニットSRが設けられている。
【0065】
本実施の形態においては、ベークユニットBKとしてホットプレートHPおよびクーリングプレートCPが用いられる。図2によれば、第4の処理領域6には2つのホットプレートHPと1つのクーリングプレートCPとが積層されている。ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPは個々に処理ユニットを形成する。
【0066】
基板搬送領域9には、上部にフィルタファンユニットFFUが設けられ、下部に基板搬送装置CRが設けられている。
【0067】
ポリマー除去ユニットSR、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPの基板搬送領域9側の一側面(前面)には各々開口部が設けられており、その開口部の各々にはシャッタSHが取り付けられている。これら複数のシャッタSHは、基板搬送領域9の基板搬送装置CRの動作に応じて開閉動作を行う。この開閉動作の詳細については後述する。
【0068】
基板搬送領域9の基板搬送装置CRは、インデクサロボットIRから渡された基板Wを、第1または第3の処理領域3,5のポリマー除去ユニットSRに搬送し、そしてこのポリマー除去ユニットSRから受け取った基板Wを第2または第4の処理領域4,6のベークユニットBKに搬送する。そして、このベークユニットBKから受け取った基板Wを、基板受渡部10を介してインデクサロボットIRに搬送する。
【0069】
なお、基板搬送装置CRは、基板搬送装置本体CRH、略馬蹄形状の搬送アームbm4および略楕円状の支持アームbm1,bm2,bm3から構成され、いわゆる多関節アームを構成している。基板搬送装置本体CRHは矢印Zの方向に上下移動可能である。これにより、支持アームbm1,bm2,bm3が互いに支点として回転するだけで、基板搬送装置CRと周囲の各処理ユニットSR,BKとの間(矢印Xの方向)で基板Wを搬出したり搬入したりできる。
【0070】
基板搬送領域9のフィルタファンユニットFFUは、送風機FAおよびフィルタFIからなる。送風機FAにより雰囲気ガスとして空気が基板搬送領域9へ供給される。それにより、基板搬送領域9にダウンフローが形成され、清浄な空気の雰囲気に保たれる。
【0071】
フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量は、基板搬送装置CRの動作に応じて変化する。ダウンフロー流量の変化の詳細については後述する。
【0072】
第3の処理領域5のポリマー除去ユニットSRには、基板搬送領域9から不要なポリマーが付着した基板Wが搬入される。搬入された基板Wは回転式処理装置50内に保持される。回転式処理装置50が基板Wを回転するとともに、処理液供給配管41aから処理液(ポリマー除去剤)が滴下される。これにより基板W上の不要なポリマーが剥離される。その後、不要なポリマーが除去された基板Wは、基板搬送装置CRによりポリマー除去ユニットSRから搬出される。
【0073】
ポリマー除去ユニットSRの開口部に取り付けられたシャッタSHは、ポリマー除去ユニットSRに対する基板Wの搬入および搬出時に開かれ、その他において閉じられる。
【0074】
ここで、処理液供給配管41aはバルブ31sを介して処理液供給部31に接続されている。これにより、処理液供給配管41aからの処理液の滴下はバルブ31sで制御することができる。また、ポリマー除去ユニットSRの下方には、排気口41b,41eが設けられている。排気口41b,41eはバルブ33sを介して排気装置33に接続されている。なお、排気口41bは回転式処理装置50のカップ50aよりも外部に開口しており、排気口41eはカップ50aよりも内部に開口している。すなわち、排気口41bは回転式処理装置50から外部に飛散したミスト(飛沫や蒸気)やパーティクルを吸引排気し、排気口41eは回転式処理装置50の内部に飛散したミストやパーティクルを吸引排気する。
【0075】
ベークユニットBKの2つのホットプレートHPおよび1つのクーリングプレートCPの各々には、基板搬送領域9から基板Wが搬入される。2つのホットプレートHPのうちのいずれか1つのホットプレートHPに搬入された基板Wには加熱処理が施された後、クーリングプレートCPに搬入されて基板Wに冷却処理が施される。その後、冷却処理の施された基板Wは、基板搬送装置CRによりクーリングプレートCPから搬出される。
【0076】
2つのホットプレートHPおよび1つのクーリングプレートCPの開口部に取り付けられた複数のシャッタSHの各々は、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPに対する基板Wの搬入および搬出時に開かれ、その他において閉じられる。
【0077】
上記加熱処理および冷却処理時において、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPの各々には、不活性ガス供給配管42a,42b,42cからN2 ガス等の不活性ガスが導入される。
【0078】
不活性ガス供給配管42a,42b,42cは、それぞれバルブ32a,32b,32cを介して給気装置32に接続されている。これにより、給気装置32からの不活性ガスの供給はバルブ32a,32b,32cで制御することができる。
【0079】
さらに、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPの各々の下方には、排気口43a,43b,43cが設けられている。排気口43a,43b,43cはバルブ33a,33b,33cを介して排気装置33に接続されている。
【0080】
これにより、不活性ガス供給配管42a,42b,42cを通してホットプレートHPおよびクーリングプレートCP内に導入される不活性ガスおよびホットプレートHPおよびクーリングプレートCPの開口部を通して流れ込むダウンフローは、排気口43a,43b,43cを介して排気装置33へと排気される。
【0081】
上記、バルブ31s,32a,32b,32c,33a,33b,33c,33sの各々の開閉動作、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPの複数のシャッタSHの各々の開閉動作およびフィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量は、制御部2により制御される。
【0082】
ここで、制御部2により制御されるダウンフロー流量の変化とポリマー除去ユニットSR、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPのシャッタSHの開閉動作との関係について説明する。
【0083】
図3は、図1の制御部が制御するダウンフロー流量とポリマー除去ユニット、ホットプレートおよびクーリングプレートのシャッタの開閉動作との関係を示す図である。
【0084】
図3(a)は基板搬送領域9におけるダウンフロー流量の変化を示し、図3(b)はポリマー除去ユニットSRのシャッタSHの開閉動作を示す。また、図3(c)はホットプレートHPのシャッタSHの開閉動作を示し、図3(d)はクーリングプレートCPのシャッタSHの開閉動作を示す。
【0085】
図3(a)中のf1〜f4はダウンフロー流量の値を示す。なお、本例においてホットプレートHPは、図2の2つのホットプレートHPのうちいずれであってもよい。
【0086】
図3(a)の時間t0においては、基板処理装置100A本体の電源がオフされており、動作が停止している。したがって、ダウンフロー流量は0である。なお、もし必要であれば、フィルタファンユニットFFUの電源を別電源として、基板処理装置100の動作に関わらず常時動作させるようにしてもよい。
【0087】
時間t1において、基板処理装置100A本体の電源がオンされると、制御部2はフィルタファンユニットFFUを動作させる。これにより、基板搬送領域9には流量f1のダウンフローが形成される。その結果、基板搬送領域9における基板Wの搬送時には、常に一定のダウンフローが形成されるので、基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0088】
時間t2において、基板搬送領域9の基板搬送装置CRがポリマー除去ユニットSRに対して基板Wの搬入および搬出を行う場合、制御部2はポリマー除去ユニットSRのシャッタSHを開くとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を増加させる。
【0089】
これにより、基板搬送領域9には流量f4のダウンフローが発生する。その結果、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSHが開いているにもかかわらず、ポリマー除去ユニットSR内部の雰囲気(処理液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気等)が基板搬送領域9に漏洩することが防止される。
【0090】
同時に、制御部2はバルブ33sを開く。これにより、ポリマー除去ユニットSR内部の雰囲気が排気口41b,41eから排気装置33へと排気されるとともに、基板搬送領域9のダウンフローによりシャッタSHの取り付けられた開口部を通してポリマー除去ユニットSR内部に流れ込む清浄な空気が排気口41b,41eから排気装置33へと排気される。
【0091】
このように、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSHの取り付けられた開口部から排気口41b,41eへと清浄な空気の流れが形成されるので、ポリマー除去ユニットSR内部での基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0092】
時間t3において、制御部2はポリマー除去ユニットSRのシャッタSHを閉じるとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を減少させ、バルブ33sを閉じる。これにより、基板搬送領域9には再び流量f1のダウンフローが形成される。
【0093】
時間t4において、基板搬送領域9の基板搬送装置CRがホットプレートHPに対して基板Wの搬入または搬出動作を行う場合、制御部2はホットプレートHPのシャッタSHを開くとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を増加させる。
【0094】
これにより、基板搬送領域9には流量f3のダウンフローが発生する。このとき流量f3はポリマー除去ユニットSRのシャッタSHの開放時の流量f4よりもやや低く設定される。その結果、ホットプレートHPのシャッタSHが開いているにもかかわらず、ホットプレートHP内部の雰囲気(パーティクルを含む熱雰囲気等)が基板搬送領域9に漏洩することが防止される。
【0095】
同時に、制御部2は、バルブ33b,33cを開く。これにより、ホットプレートHP内部の雰囲気が排気口43b,43cから排気装置33へと排気されるとともに、基板搬送領域9のダウンフローによりシャッタSHの取り付けられた開口部を通してホットプレートHP内部に流れ込む清浄な空気が排気口43b,43cから排気装置33へと排気される。
【0096】
このように、ホットプレートHPのシャッタSHの取り付けられた開口部から排気口43b,43cへと清浄な空気の流れが形成されるので、ホットプレートHP内部での基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0097】
時間t5において、制御部2はホットプレートHPのシャッタSHを閉じるとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を減少させ、バルブ33b,33cを閉じる。これにより、基板搬送領域9には再び流量f1のダウンフローが形成される。
【0098】
時間t6において、基板搬送領域9の基板搬送装置CRがクーリングプレートCPに対して基板Wの搬入または搬出動作を行う場合、制御部2はクーリングプレートCPのシャッタSHを開くとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を増加させる。
【0099】
これにより、基板搬送領域9には流量f2のダウンフローが発生する。このときの流量f2はホットプレートHPのシャッタSHの開放時の流量f3よりもやや低く設定されている。その結果、クーリングプレートCPのシャッタSHが開いているにもかかわらず、クーリングプレートCP内部の雰囲気(パーティクルを含む熱雰囲気等)が基板搬送領域9に漏洩することが防止される。
【0100】
同時に、制御部2は、バルブ33aを開く。これにより、クーリングプレートCP内部の雰囲気が排気口43aから排気装置33へと排気されるとともに、基板搬送領域9のダウンフローによりシャッタSHの取り付けられた開口部を通してクーリングプレートCP内部に流れ込む清浄な空気が排気口43aから排気装置33へと排気される。
【0101】
このように、クーリングプレートCPのシャッタSHの取り付けられた開口部から排気口43aへと清浄な空気の流れが形成されるので、クーリングプレートCP内部での基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0102】
時間t7において、制御部2はクーリングプレートCPのシャッタSHを閉じるとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を減少させ、バルブ33aを閉じる。これにより、基板搬送領域9には再び流量f1のダウンフローが形成される。
【0103】
上記と同様に、制御部2は、基板受渡部10の基板搬送領域9側の一側面に設けられた開口部に取り付けられるシャッタSHの開閉動作に応じて、ダウンフロー流量の制御を行ってもよい。
【0104】
このように、基板搬送領域9のダウンフロー流量は、各処理ユニットに対する基板Wの搬入および搬出時(シャッタSHの開放時)に増加するとともに、基板Wの搬入および搬出対象となる処理ユニットの種類に応じて異なるように制御される。
【0105】
本例では、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSH開放時に基板搬送領域9に非常に強力なダウンフローが形成される。これにより、基板搬送領域9からポリマー除去ユニットSRの開口部を通してポリマー除去ユニットSR内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成されるので、ポリマー除去ユニットSRにおいて用いられる処理液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気が、基板搬送領域9に漏洩することが確実に防止される。また、ポリマー除去ユニットSR内に非常に強力なダウンフローによる清浄な空気の流れが形成されることにより、ポリマー除去ユニットSR内のパーティクルが基板Wに付着することが防止される。
【0106】
さらに、ホットプレートHPのシャッタSH開放時に基板搬送領域9に強力なダウンフローが形成される。これにより、基板搬送領域9からホットプレートHPの開口部を通してホットプレートHP内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成されるので、ホットプレートHP内のパーティクルを含む熱雰囲気が基板搬送領域9に漏洩することが十分に防止されるとともに、ホットプレートHP内の熱効率が向上し、また、他の処理ユニットへの熱雰囲気の流入が防止される。また、ホットプレートHP内に強力なダウンフローによる清浄な空気の流れが形成されるので、ホットプレートHP内のパーティクルが基板W上に付着することが防止される。
【0107】
また、クーリングプレートCPのシャッタSH開放時に基板搬送領域9にやや強力なダウンフローが形成される。これにより、基板搬送領域9からクーリングプレートCPの開口部を通してクーリングプレートCP内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成されるので、クーリングプレートCP内のパーティクルを含む雰囲気が基板搬送領域9に漏洩することが十分に防止される。また、クーリングプレートCP内にやや強力なダウンフローによる清浄な空気の流れが形成されるので、クーリングプレートCP内のパーティクルが基板W上に付着することが防止される。
【0108】
各処理ユニットのシャッタSHが閉じている場合は、常に所定の流量のダウンフローが形成される。これにより、基板搬送領域9における基板Wの搬送時に、パーティクルが基板W上に付着することが防止される。
【0109】
以上のように、本実施の形態に係る基板処理装置100Aにおいては、基板搬送領域9にダウンフローが常に形成されるとともに、各処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時にダウンフロー流量が変化する。これにより、複数の処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時における基板Wの清浄度の低下を十分に防止することができる。また、ダウンフローを各処理ユニットごとに適した流量に制御することにより過剰なダウンフローを防止することができるので、省エネルギー化および、コストの低減化が実現される。
【0110】
本実施の形態においては、第3の処理領域5に設けられるベークユニットBKとしては、2つのホットプレートHPおよび1つのクーリングプレートCPが用いられているが、ベークユニットBKの種類はホットプレートHPおよびクーリングプレートCPに限定されず、ベークユニットBKの設置数も3つに限定されない。
【0111】
本実施の形態に係る基板処理装置100Aにおいて、第1および第3の処理領域3,5に設けられる処理ユニットはポリマー除去ユニットSRに限らず、洗浄液、エッチング液、ポリマー除去液、レジスト剥離液、現像液、レジスト液等の処理液またはそれらの蒸気を用いて基板Wに処理を施す他の湿式処理ユニットを用いてもよい。
【0112】
また、第2および第4の処理領域4,6のホットプレートHPに代えて、ランプアニール等の枚葉式加熱処理ユニット、バッチ式熱処理炉、エッチングまたはアッシング等のプラズマ処理ユニット等の他の高温乾式処理ユニットが設けられてもよい。
【0113】
さらに、第2および第4の処理領域4,6のクーリングプレートCPに代えて、他の枚葉式冷却処理ユニット、冷風チャンバ等のバッチ式冷却処理ユニット、スピン乾燥処理ユニット等の他の低温乾式処理ユニットが設けられてもよい。
【0114】
図2に示すように、第1〜第4の処理領域3〜6の各々に設けられる各処理ユニットおよび基板搬送領域9の内部に、差圧計または絶対値圧力計等の圧力測定装置PUを設けてもよく、制御部2は圧力測定装置PUにより測定される各処理ユニットおよび基板搬送領域9の圧力に基づいてフィルタファンユニットFFUの動作を制御し、基板搬送領域9のダウンフロー流量を調整してもよい。
【0115】
この場合、各処理ユニット内の圧力状態が変化した場合にダウンフロー流量を適切に制御することで各処理ユニット内の雰囲気が基板搬送領域9内へ漏洩することが防止され、各処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時における基板Wの清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0116】
また、本実施の形態に係る基板処理装置100Aにおいては、制御部2が処理ユニットのシャッタSHの開閉に応じてダウンフロー流量を変化させているが、これに代えて、制御部2はダウンフロー流量を一定に制御し、各処理ユニットにおけるシャッタSHの開放時に各々の処理ユニットに対応するバルブ33a,33b,33c,33sを調整することにより、各処理ユニットごとの排気口41b,41e,43a,43b,43cからの排気量を調整してもよい。
【0117】
この場合、ポリマー除去ユニットSR、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPのシャッタ開放時に基板搬送領域9から各々の処理ユニットへ清浄な空気の流れが十分に形成される。したがって、各々の処理ユニットのシャッタSHの開放時に処理ユニット内の雰囲気が基板搬送領域9内に漏洩することが確実に防止される。これにより、複数の処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時における基板Wの清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0118】
なお、各処理ユニットごとの排気口41b,41e,43a,43b,43cからの排気量は、制御部2がバルブ33a,33b,33c,33sを調整する代わりに、制御部2が排気装置33を調整することにより行ってもよい。
【0119】
(第2の実施の形態)
図4は、第2の実施の形態に係る基板処理装置を説明するための模式的平面図である。
【0120】
本実施の形態に係る基板処理装置100Bは、以下の点を除き第1の実施の形態に係る基板処理装置100Aと同様の構成を有する。
【0121】
図4に示すように、本実施の形態に係る基板処理装置100Bは、第2および第4の処理領域4,6に洗浄ユニットMPが設けられる。
【0122】
第1および第3の処理領域3,5のポリマー除去ユニットSRの基板搬送領域9側の一側面(前面)には各々開口部が設けられており、その開口部の各々にはシャッタSH1が取り付けられている。また、第2および第4の処理領域4,6の洗浄ユニットMPの基板搬送領域9側の一側面(前面)には各々開口部が設けられており、その開口部の各々にはシャッタSH2が取り付けられている。洗浄ユニットMPのシャッタSH2の大きさは、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1の大きさより小さい。
【0123】
換言すれば、洗浄ユニットMPの基板搬送領域9側の一側面に設けられる開口部の面積は、ポリマー除去ユニットSRの基板搬送領域9側の一側面に設けられる開口部の面積より小さい。なお、本実施の形態に係るポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1は第1の実施の形態に係るポリマー除去ユニットSRのシャッタSHと同じである。
【0124】
本実施の形態において、第1および第3の処理領域3,5に設けられるポリマー除去ユニットSRと第2および第4の処理領域4,6に設けられる洗浄ユニットMPとは、いずれも、洗浄液(リンス液)および処理液(レジスト除去剤)等の液体を基板表面に塗布する湿式処理ユニットである。
【0125】
図5は、図4の基板処理装置のN−N線断面図である。上述のように、第3の処理領域5にはポリマー除去ユニットSRが設けられ、第4の処理領域6には洗浄ユニットMPが設けられている。
【0126】
第4の処理領域6に設けられる洗浄ユニットMPは回転式処理装置51を備える。洗浄ユニットMPには、基板搬送領域9から洗浄対象となる基板Wが搬入される。搬入された基板Wは回転処理装置51内に保持される。
【0127】
回転処理装置51が基板Wを回転するとともに、処理液供給配管41cから洗浄液(リンス液)が滴下される。これにより基板Wの表面が洗浄される。その後、洗浄の行われた基板Wは、基板搬送装置CRにより洗浄ユニットMPから搬出される。
【0128】
洗浄ユニットMPの基板搬送領域9側の一側面の開口部に取り付けられたシャッタSH2は、洗浄ユニットMPに対する基板Wの搬入および搬出時に開かれ、その他において閉じられる。
【0129】
ここで、処理液供給配管41cはバルブ31tを介して処理液供給部31に接続されている。これにより、処理液供給配管41cからの処理液の滴下はバルブ31sで制御することができる。また、洗浄ユニットMPの下方には、排気口41d,41fが設けられている。排気口41d,41fはバルブ33tを介して排気装置33に接続されている。
【0130】
これにより、洗浄ユニットMPの開口部を通して流れ込むダウンフローは、排気口41d,41fを介して排気装置33へと排気される。
【0131】
上記、バルブ31t,33tの各々の開閉動作、ポリマー除去ユニットSRおよび洗浄ユニットMPの複数のシャッタSH1,SH2の各々の開閉動作およびフィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量は、制御部2により制御される。
【0132】
ここで、制御部2により制御されるダウンフロー流量の変化とポリマー除去ユニットSRおよび洗浄ユニットMPのシャッタSH1,SH2の開閉動作との関係について説明する。
【0133】
図6は、図4の制御部が制御するダウンフロー流量とポリマー除去ユニットのシャッタおよび洗浄ユニットのシャッタの開閉動作との関係を示す図である。
【0134】
図6(a)は基板搬送領域9におけるダウンフロー流量の変化を示し、図6(b)はポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1の開閉動作を示す。また、図6(c)は洗浄ユニットMPのシャッタSHの開閉動作を示す。
【0135】
図6(a)中のfa〜fcはダウンフロー流量の値を示す。図6(a)の時間t0においては、基板処理装置100B本体の電源がオフされており、動作が停止している。したがって、ダウンフロー流量は0である。
【0136】
時間t1において、基板処理装置100B本体の電源がオンされると、制御部2はフィルタファンユニットFFUを動作させる。これにより、基板搬送領域9には流量faのダウンフローが形成される。その結果、基板搬送領域9における基板Wの搬送時には、常に一定のダウンフローが形成されるので、基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0137】
時間t2において、基板搬送領域9の基板搬送装置CRがポリマー除去ユニットSRに対して基板Wの搬入および搬出を行う場合、制御部2はポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1を開くとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を増加させる。
【0138】
これにより、基板搬送領域9には流量fcのダウンフローが発生する。その結果、基板搬送領域9には非常に強力なダウンフローが形成されるので、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1が開いているにもかかわらず、ポリマー除去ユニットSR内部の雰囲気(処理液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気等)が基板搬送領域9に漏洩することが防止される。
【0139】
同時に、制御部2は、バルブ33sを開く。これにより、ポリマー除去ユニットSR内部の雰囲気が排気口41b,41eから排気装置33へと排気されるとともに、基板搬送領域9のダウンフローによりシャッタSH1の取り付けられた開口部を通してポリマー除去ユニットSR内部に流れ込む清浄な空気が排気口41b,41eから排気装置33へと排気される。
【0140】
このように、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1の取り付けられた開口部から排気口41b,41eへと清浄な空気の流れが形成されるので、ポリマー除去ユニットSR内部での基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0141】
時間t3において、制御部2はポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1を閉じるとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を減少させ、バルブ33sを閉じる。これにより、基板搬送領域9には再び流量faのダウンフローが形成される。
【0142】
時間t4において、基板搬送領域9の基板搬送装置CRが洗浄ユニットMPに対して基板Wの搬入または搬出動作を行う場合、制御部2は洗浄ユニットMPのシャッタSH2を開くとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を増加させる。
【0143】
これにより、基板搬送領域9には流量fbのダウンフローが発生する。このときの流量fbはポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1の開放時の流量fcよりもやや低く設定される。その結果、基板搬送領域9には強力なダウンフローが形成されるので、洗浄ユニットMPのシャッタSH2が開いているにもかかわらず、洗浄ユニットMP内部の雰囲気(洗浄液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気等)が基板搬送領域9に漏洩することが防止される。
【0144】
同時に、制御部2は、バルブ33tを開く。これにより、洗浄ユニットMP内部の雰囲気が排気口41d,41fから排気装置33へと排気されるとともに、基板搬送領域9のダウンフローによりシャッタSH2の取り付けられた開口部を通して洗浄ユニットMP内部に流れ込む清浄な空気が排気口41d,41fから排気装置33へと排気される。
【0145】
このように、洗浄ユニットMPのシャッタSH2の取り付けられた開口部から排気口41dへと清浄な空気の流れが形成されるので、洗浄ユニットMP内部での基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0146】
時間t5において、制御部2は洗浄ユニットMPのシャッタSH2を閉じるとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を減少させ、バルブ33tを閉じる。これにより、基板搬送領域9には再び流量faのダウンフローが形成される。
【0147】
上記と同様に、制御部2は、基板受渡部10の基板搬送領域9側の一側面に設けられた開口部に取り付けられるシャッタSHの開閉動作に応じて、ダウンフロー流量の制御を行ってもよい。
【0148】
基板搬送領域9のダウンフロー流量は、各処理ユニットに対する基板Wの搬入および搬出時(シャッタSHの開放時)に増加するとともに、各処理ユニットに設けられるシャッタSH1,SH2の大きさ、すなわち開口部の面積の大きさに応じて異なるように制御される。
【0149】
本例では、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1の開放時に基板搬送領域9に非常に強力なダウンフローが形成される。これにより、基板搬送領域9からポリマー除去ユニットSRの開口部を通してポリマー除去ユニットSR内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成されるので、ポリマー除去ユニットSRにおいて用いられる処理液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気が、基板搬送領域9に漏洩することが確実に防止される。また、ポリマー除去ユニットSR内に非常に強力なダウンフローによる清浄な空気の流れが形成されることにより、ポリマー除去ユニットSR内のパーティクルが基板Wに付着することが防止される。
【0150】
さらに、洗浄ユニットMPのシャッタSH1より小さいシャッタSH2の開放時に基板搬送領域9に強力なダウンフローが形成される。これにより、基板搬送領域9から洗浄ユニットMPの開口部を通して洗浄ユニットMP内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成されるので、洗浄ユニットMPにおいて用いられる洗浄液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気が、基板搬送領域9に漏洩することが確実に防止される。また、洗浄ユニットMP内に強力なダウンフローによる清浄な空気の流れが形成されることにより、洗浄ユニットMP内のパーティクルが基板Wに付着することが防止される。
【0151】
ここで、上記において、各処理ユニットの開放時のダウンフロー流量は、面積の大きい開口部を有するポリマー除去ユニットSRのシャッタSHの開放時に基板搬送領域9から開口部を通してポリマー除去ユニットSR内へ流れ込む清浄な空気の流量と面積の小さい開口部を有する洗浄ユニットMPのシャッタSHの開放時に基板搬送領域9から開口部を通して洗浄ユニットMP内へ流れ込む清浄な空気の流量とはほぼ等しくなるように設定されている。それにより、ポリマー除去ユニットSRおよび洗浄ユニットMP内の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実かつ効率的に防止される。したがって、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0152】
なお、各処理ユニットの開放時のダウンフロー流量の強さは、各処理ユニットの開口部の大きさに対して略比例するように設定されることが好ましい。
【0153】
以上のように、本実施の形態に係る基板処理装置100Bにおいては、基板搬送領域9にダウンフローが常に形成されるとともに、各処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時に同一の処理形態を有する処理ユニット(湿式処理ユニット)同士であっても、各処理ユニットに設けられる開口部の面積の大きさに応じてダウンフロー流量が変化する。これにより、複数の処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時に十分に防止することができるとともに、過剰なダウンフローを防止することができるので、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0154】
本実施の形態に係る基板処理装置100Bにおいて、第1〜第4の処理領域3〜6の各々に設けられる処理ユニットは、湿式処理ユニットSRに限らず、高温乾式処理ユニットまたは低温乾式処理ユニット等の他の処理形態を有する処理ユニットであってもよい。
【0155】
図5に示すように、第1〜第4の処理領域3〜6の各々に設けられる各処理ユニットおよび基板搬送領域9の内部に差圧計または絶対値圧力計等の圧力測定装置PUを設けてもよく、制御部2は圧力測定装置PUにより測定される各処理ユニットおよび基板搬送領域9の圧力に基づいてフィルタファンユニットFFUの動作を制御し、基板搬送領域9のダウンフロー流量を調整してもよい。具体的には、第1〜第4の処理領域3〜6内の圧力>基板搬送領域9内の圧力である場合には、基板搬送領域9の上方からのダウンフローの流量を増加させ、第1〜第4の処理領域3〜6内の圧力<基板搬送領域9内の圧力である場合には、ダウンフローの流量を減少させるよう、フィルタファンユニットFFUの動作を制御する。
【0156】
この場合、各処理ユニット内の圧力状態が変化した場合にダウンフロー流量を適切に制御することで各処理ユニット内の雰囲気が基板搬送領域9内へ漏洩することが防止され、各処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時における基板Wの清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0157】
また、本実施の形態に係る基板処理装置100Bにおいては、制御部2が処理ユニットのシャッタSH1,SH2の開閉に応じてダウンフロー流量を変化させているが、これに代えて、制御部2はダウンフロー流量を一定に制御し、各処理ユニットにおけるシャッタSH1,SH2の開放時に各々の処理ユニットに対応するバルブ33s,33tを調整することにより、各処理ユニットごとの排気口41b,41d,41e,41fからの排気量を調整してもよい。
【0158】
この場合、ポリマー除去ユニットSRおよび洗浄ユニットMPのシャッタ開放時に基板搬送領域9から各々の処理ユニットへ清浄な空気の流れが十分に形成される。したがって、各々の処理ユニットのシャッタSHの開放時に処理ユニット内の雰囲気が基板搬送領域9内に漏洩することが確実に防止される。これにより、複数の処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時における基板Wの清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0159】
なお、各処理ユニットごとの排気口41b,41d,41e,41fからの排気量は、制御部2がバルブ33s,33tを調整する代わりに、制御部2が排気装置33を調整することにより行ってもよい。
【0160】
以上、第1および第2の実施の形態において、第1〜第4の処理領域3〜6の各々が処理領域に相当し、ホットプレートHP、クーリングプレートCPおよびポリマー除去ユニットSRおよび洗浄ユニットMPが処理手段に相当し、第1〜第4の処理領域3〜6内に設けられる各処理ユニットの筐体が処理室に相当し、基板搬送領域9が搬送領域に相当し、フィルタファンユニットFFUがダウンフロー形成手段に相当し、制御部2が制御手段に相当し、第1〜第4の処理領域3〜6内に設けられる各処理ユニットに設けられる開口部が開口部に相当し、シャッタSH,SH1,SH2がシャッタに相当する。
【0161】
また、ポリマー除去ユニットSRおよび洗浄ユニットMPの筐体が湿式処理室に相当し、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPの筐体が乾式処理室に相当し、ホットプレートHPの筐体が第1の処理室に相当し、クーリングプレートCPの筐体が第2の処理室に相当し、ホットプレートHPが第1の乾式処理手段に相当し、クーリングプレートCPが第2の乾式処理手段に相当し、ホットプレートHPの筐体が第1の乾式処理室に相当し、クーリングプレートCPの筐体が第2の乾式処理室に相当する。
【0162】
さらに、ポリマー除去ユニットSRの筐体に設けられる開口部が第1の面積の開口部に相当し、洗浄ユニットMPの筐体に設けられる開口部が第2の面積の開口部に相当し、排気口41b,41d,41e,41f,43a,43b,43cが排気部に相当し、制御部2、排気装置33およびバルブ33a,33b,33c,33s,33tが排気量調整手段に相当し、圧力測定装置PUが圧力測定手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る基板処理装置を説明するための模式的平面図である。
【図2】図1の基板処理装置のM−M線断面図である。
【図3】図1の制御部が制御するダウンフロー流量とポリマー除去ユニット、ホットプレートおよびクーリングプレートのシャッタの開閉動作との関係を示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係る基板処理装置を説明するための模式的平面図である。
【図5】図4の基板処理装置のN−N線断面図である。
【図6】図4の制御部が制御するダウンフロー流量とポリマー除去ユニットのシャッタおよび洗浄ユニットのシャッタの開閉動作との関係を示す図である。
【符号の説明】
2 制御部
3 第1の処理領域
4 第2の処理領域
5 第3の処理領域
6 第4の処理領域
9 基板搬送領域
33 排気装置
100A,100B 基板処理装置
33a,33b,33c,33s,33t バルブ
41b,41d,41e,41f,43a,43b,43c 排気口
SH,SH1,SH2 シャッタ
SR ポリマー除去ユニット
MP 洗浄ユニット
HP ホットプレート
CP クーリングプレート
PU 圧力測定装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に種々の処理を行う基板処理装置および基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用ガラス基板等の基板に種々の処理を行うために基板処理装置が用いられている。例えば、半導体ウエハの製造プロセスでは、生産効率を高めるために、一連の処理の各々をユニット化し、複数の処理ユニットを統合した基板処理装置が用いられている。このような基板処理装置では、一枚の基板に対して複数の異なる処理が連続的に行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
製造対象となる基板には、高い処理精度および清浄度が求められる。そのため、上述のような基板処理装置はクリーンルーム内に設置される。基板の高い清浄度を得るためのクリーンルームとしては、ダウンフロー(下降流)が流れる形式のダウンフロークリーンルームが有効であるとされている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−45610号公報
【特許文献2】
特開平10−135307号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、基板処理装置には、基板の加熱および冷却等を行うベークユニット、基板に洗浄液を供給して基板を洗浄する洗浄処理ユニット、基板にレジスト剤を塗布するレジスト塗布ユニット、不要なレジスト剤を剥離するレジスト剥離ユニットおよびアッシング(灰化処理)ユニットまたは有機金属等のポリマー除去を行うポリマー除去ユニット等の各種処理ユニットが用途に応じて設置される。また、各々の処理ユニット間には、基板を搬送するための基板搬送路が設けられる。
【0006】
各種処理ユニットが混在する基板処理装置においては、各々の処理ユニット間で生じる問題が指摘されてきた。
【0007】
例えば、洗浄処理ユニット、レジスト塗布ユニット、レジスト剥離ユニット、ポリマー除去ユニット等の湿式の処理ユニットでは、基板に処理液を供給するため、基板の受け渡し時以外はシャッタを閉じることにより密閉空間が形成される。しかしながら、処理液を用いた処理が終了した基板の受け渡し時においては、シャッタが開くため処理ユニット内に残留する処理液のミスト(飛沫や蒸気)およびパーティクルを含む雰囲気が外部に漏洩する場合がある。
【0008】
それにより、基板が処理ユニットの近くを搬送されると、処理液のミストまたはパーティクルが基板に付着し、基板の清浄度が低下する場合がある。隣接する処理ユニット内に処理液のミストまたはパーティクルが侵入しても同様の問題が生じる。
【0009】
また、ベークユニット、アッシングユニット等の乾式の処理ユニットにおいても、基板の受け渡し時にパーティクルを含む雰囲気が処理ユニットの外部に漏洩する場合がある。それにより、処理ユニットの近くを搬送される基板上にパーティクルが付着し、基板の清浄度が低下する場合がある。隣接する処理ユニット内にパーティクルが侵入しても同様の問題が生じる。
【0010】
以上の問題を解決すべく、例えば、クリーンルームのみならず基板処理装置自体の内部で垂直層流を供給する基板処理装置が案出されている(例えば、特許文献2参照)。この基板処理装置によれば、各種処理ユニットで使用される処理液のミストおよびパーティクル等の外部への漏洩が低減される。
【0011】
近年、デバイスの高密度化および微細化に伴って、複数の処理ユニットを備える基板処理装置において、さらなる基板の清浄度の向上が望まれている。
【0012】
本発明の目的は、処理ユニットへの基板の搬入および搬出時における雰囲気の漏洩による基板の清浄度の低下が十分に防止された基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明に係る基板処理装置は、処理領域とその処理領域に隣接する搬送領域とを有し、基板を処理する基板処理装置であって、処理領域に設けられ、基板に処理を行う処理手段を収容する処理室と、搬送領域に設けられ、基板を搬送する搬送手段と、搬送領域内にダウンフローを形成するダウンフロー形成手段と、ダウンフロー形成手段を制御する制御手段とを備え、処理室は、搬送手段による処理手段に対する基板の搬入時および搬出時に基板が通過可能な開口部を有するとともに、開口部に開閉自在に設けられたシャッタを備え、制御手段は、処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が処理室のシャッタの閉鎖時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段を制御するものである。
【0014】
なおここで、ダウンフローの流量とは、下降気流の単位時間当りに流れる容量のことで、たとえば、L/min、m3 /min、m3 /h等の単位であらわすことができる。
【0015】
第1の発明に係る基板処理装置においては、処理室内に収容された処理手段により基板に処理が行われ、搬送手段により基板が搬送領域内で搬送される。搬送領域内では、ダウンフロー形成手段によりダウンフローが形成される。また、制御手段により処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が処理室のシャッタの閉鎖時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段が制御される。
【0016】
これにより、搬送領域から処理室の開口部を通して処理室内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成される。したがって、処理室のシャッタの開放時に処理室内の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。その結果、処理室への基板の搬入および搬出時における基板の清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0017】
また、処理室のシャッタの閉鎖時に、シャッタの開放時よりもダウンフローの流量が小さくなるようにダウンフロー形成手段が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0018】
複数の処理室を備え、制御手段は、複数の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が異なるようにダウンフロー形成手段を制御してもよい。
【0019】
この場合、各処理室のシャッタの開放時に、各々の処理室の雰囲気に応じてダウンフローの流量が制御されるので、各処理室の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。その結果、処理室への基板の搬入および搬出時における基板の清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0020】
また、各処理室に応じてシャッタの開放時のダウンフローの流量が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0021】
複数の処理室は、処理液を用いて基板に処理を行う湿式処理手段を収容する湿式処理室と、処理液を用いずに基板に処理を行う乾式処理手段を収容する乾式処理室とを含み、制御手段は、湿式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段を制御してもよい。
【0022】
この場合、湿式処理室に収容される湿式処理手段により処理液を用いて基板に処理が行われ、乾式処理室に収容される乾式処理手段により処理液を用いずに基板に処理が行われる。また、制御手段により湿式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段が制御される。
【0023】
これにより、湿式処理室のシャッタの開放時には、搬送領域から湿式処理室の開口部を通して湿式処理室内へ流れ込む空気の流れが比較的大きくなる。したがって、湿式処理室内の処理液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。
【0024】
一方、乾式処理室のシャッタの開放時には、搬送領域から乾式処理室の開口部を通して乾式処理室内へ流れ込む空気の流れが比較的小さくても、乾式処理室内のパーティクルを含む雰囲気が搬送領域内に漏洩することが十分に防止される。
【0025】
このように、湿式処理室および乾式処理室の処理形態に応じて各々のシャッタの開放時のダウンフローの流量が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0026】
複数の処理室は、基板に第1の温度雰囲気で処理を行う第1の処理手段を収容する第1の処理室と、基板に第1の温度雰囲気よりも低い第2の温度雰囲気で処理を行う第2の処理手段を収容する第2の処理室とを含み、制御手段は、第1の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第2の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段を制御してもよい。
【0027】
この場合、第1の処理室に収容される第1の処理手段により基板に第1の温度雰囲気で処理が行われ、第2の処理室に収容される第2の処理手段により基板に第1の温度雰囲気よりも低い第2の温度雰囲気で処理が行われる。また、制御手段により第1の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第2の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段が制御される。
【0028】
これにより、第1の処理室のシャッタ開放時には、搬送領域から第1の処理室の開口部を通して第1の処理室内へ流れ込む空気の流れが比較的大きくなる。したがって、第1の処理室内のパーティクルを含む雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。また、第1の処理室内の第1の温度雰囲気が外部に漏洩しないため第1の処理室内の熱効率が向上し、また、他の処理室への熱雰囲気の流入が確実に防止される。
【0029】
一方、第2の処理室のシャッタ開放時には、搬送領域から第2の処理室の開口部を通して第2の処理室内へ流れ込む空気の流れが比較的小さくても、第2の処理室内のパーティクルを含む雰囲気が搬送領域内に漏洩することが十分に防止されるとともに、他の処理室への影響を十分に抑制することができる。
【0030】
このように、第1および第2の処理室内の各々の温度雰囲気に応じてシャッタの開放時のダウンフローの流量が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0031】
複数の処理室は、処理液を用いて基板に処理を行う湿式処理手段を収容する湿式処理室と、処理液を用いずに基板に第1の温度雰囲気で処理を行う第1の乾式処理手段を収容する第1の乾式処理室と、処理液を用いずに基板に第1の温度雰囲気よりも低い第2の温度雰囲気で処理を行う第2の乾式処理手段を収容する第2の乾式処理室とを含み、制御手段は、湿式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第1の乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなり、第1の乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第2の乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段を制御してもよい。
【0032】
この場合、湿式処理室に収容された湿式処理手段により処理液を用いて基板に処理が行われ、第1の乾式処理室に収容された第1の乾式処理手段により処理液を用いずに基板に第1の温度雰囲気で処理が行われ、第2の乾式処理室に収容された第2の乾式処理手段により処理液を用いずに基板に第1の温度雰囲気よりも低い第2の温度雰囲気で処理が行われる。また、制御手段により湿式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第1の乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなり、第1の乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第2の乾式処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段が制御される。
【0033】
これにより、湿式処理室のシャッタの開放時には、搬送領域から湿式処理室の開口部を通して湿式処理室内へ流れ込む空気の流れが比較的大きくなる。したがって、湿式処理室内の処理液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。
【0034】
一方、第1の乾式処理室のシャッタ開放時には、搬送領域から第1の乾式処理室の開口部を通して湿式処理室内へ流れ込む空気の流れが比較的小さくても、第1の乾式処理室内のパーティクルを含む熱雰囲気が搬送領域内に漏洩することが十分に防止される。また、第1の乾式処理室内の第1の温度雰囲気が外部に漏洩しないため第1の処理室内の熱効率が向上し、また、他の処理室への熱雰囲気の流入が確実に防止される。
【0035】
他方、第2の乾式処理室のシャッタ開放時には、搬送領域から処理室の開口部を通して第2の処理室内へ流れ込む空気の流れがさらに小さくても、第2の乾式処理室内のパーティクルを含む雰囲気が搬送領域内に漏洩することが十分に防止される。
【0036】
このように、湿式処理室、第1の乾式処理室および第2の乾式処理室の処理形態に応じて各々のシャッタの開放時のダウンフローの流量が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0037】
複数の処理室は、第1の面積の開口部を有する第1の処理室と、第1の面積よりも小さい第2の面積の開口部を有する第2の処理室とを含み、制御手段は、第1の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第2の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段を制御してもよい。
【0038】
この場合、制御手段により、第1の面積の開口部を有する第1の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が第1の面積よりも小さい第2の面積の開口部を有する第2の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるようにダウンフロー形成手段が制御される。
【0039】
これにより、第1の処理室のシャッタの開放時に搬送領域から開口部を通して第1の処理室内へ流れ込む清浄な空気の量と第2の処理室のシャッタの開放時に搬送領域から開口部を通して第2の処理室内へ流れ込む清浄な空気の量とがほぼ等しくなる。それにより、第1および第2の処理室内の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実かつ効率的に防止される。したがって、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0040】
複数の処理室は異なる面積の開口部を有し、制御手段は、複数の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が開口部の面積に略比例するようにダウンフロー形成手段を制御してもよい。
【0041】
この場合、制御手段により、異なる面積の開口部を有する複数の処理室のシャッタの開放時におけるダウンフローの流量が開口部の面積に略比例するようにダウンフロー形成手段が制御されるので、異なる面積の開口部を有する複数の処理室の各々のシャッタの開放時に搬送領域から開口部を通して各々の処理室内へ流れ込む清浄な空気の量がほぼ等しくなる。それにより、異なる面積の開口部を有する複数の処理室内の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実かつ効率的に防止される。
【0042】
処理室は、内部の雰囲気を排気する排気部と、排気部からの排気量を調整する排気量調整手段とを有し、排気量調整手段は、処理室のシャッタの開放時における排気量を処理室のシャッタの閉鎖時における排気量よりも大きくしてもよい。
【0043】
この場合、排気部により処理室内部の雰囲気が排気され、排気量調整手段により処理室のシャッタの開放時における排気部からの排気量が、処理室のシャッタの閉鎖時における排気量よりも大きくなるように調整される。
【0044】
これにより、処理室のシャッタの開放時に搬送領域から処理室の開口部を通して処理室内へ清浄な空気の流れが十分に形成される。したがって、処理室のシャッタの開放時に処理室内の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。その結果、処理室への基板の搬入および搬出時における基板の清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0045】
また、処理室のシャッタの閉鎖時に、シャッタの開放時よりも排気部からの排気量が小さくなるようにダウンフロー形成手段が制御されるので、過剰な排気動作が防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0046】
処理室内の圧力および搬送領域内の圧力を測定する圧力測定手段をさらに備え、制御手段は、圧力測定手段により測定された圧力に基づいてダウンフロー形成手段によるダウンフローの流量を制御してもよい。
【0047】
この場合、圧力測定手段により処理室内の圧力および搬送領域内の圧力が測定され、制御手段により圧力測定手段により測定された圧力に基づいてダウンフロー形成手段によるダウンフローの流量が制御される。たとえば、処理室内の圧力>搬送領域内の圧力である場合には、搬送領域上方のダウンフローの流量を増加させ、処理室内の圧力<搬送領域内の圧力である場合には、搬送領域上方のダウンフローの流量を減少させるのがよい。
【0048】
これにより、搬送領域または処理室内の圧力状態が変化した場合にダウンフローの流量を適切に制御することで、処理室内の雰囲気が搬送領域内へ漏洩することが防止され、処理室への基板の搬入および搬出時における基板の清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0049】
また、搬送領域または処理室内の圧力状態の変化に応じてシャッタの開放時のダウンフローの流量が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0050】
第2の発明に係る基板処理方法は、処理領域とその処理領域に隣接する搬送領域とを有し、基板を処理する基板処理方法であって、処理領域に設けられ、シャッタが開閉自在に設けられた開口部を有する処理室内でシャッタを閉鎖した状態で基板に処理を行う工程と、処理室に隣接するように配置された搬送領域内にダウンフローを形成する工程と、搬送領域内で基板を搬送する工程と、シャッタを開放した状態で搬送領域内と処理室内との間で開口部を通して基板の搬入または搬出を行う工程と、シャッタの開放時におけるダウンフローの流量をシャッタの閉鎖時におけるダウンフローの流量よりも大きく制御する工程とを備えたものである。
【0051】
この場合、処理領域に設けられ、シャッタが開閉自在に設けられた開口部を有する処理室内でシャッタを閉鎖した状態で基板に処理が行われ、処理室に隣接するように配置された搬送領域内にダウンフローが形成され、搬送領域内で基板が搬送され、シャッタが開放された状態で搬送領域内と処理室内との間で開口部を通して基板の搬入または搬出が行われ、シャッタの開放時におけるダウンフローの流量がシャッタの閉鎖時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるように制御される。
【0052】
これにより、搬送領域から処理室の開口部を通して処理室内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成される。したがって、処理室のシャッタの開放時に処理室内の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実に防止される。その結果、処理室への基板の搬入および搬出時における基板の清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0053】
また、処理室のシャッタの閉鎖時に、シャッタの開放時よりもダウンフローの流量が小さくなるようにダウンフロー形成手段が制御されるので、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る基板処理装置について図1〜図6に基づき説明する。
【0055】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る基板処理装置を説明するための模式的平面図である。
【0056】
図1に示すように、本実施の形態に係る基板処理装置100AはインデクサID、制御部2、第1〜第4の処理領域3〜6、流体ボックス71〜74、基板搬送領域9および基板受渡部10から構成されている。
【0057】
基板処理装置100Aの長手方向の一端部には、インデクサIDが配置されている。インデクサIDは、カセット1およびインデクサロボットIRを備える。カセット1には、複数の基板Wが収納される。インデクサロボットIRは、基板Wを搬送するとともに、カセット1に対して基板Wの出し入れを行い、基板受渡部10において後述の基板搬送装置CRと基板Wの受渡しを行う。インデクサIDの側部には制御部2が配置されている。
【0058】
制御部2は、基板処理装置100Aの各構成部の動作を制御する。例えば、インデクサロボットIRの動作、後述の基板搬送装置CRの動作、第1〜第4の処理領域3〜6内に設けられる各種処理ユニットの動作および後述のフィルタファンユニットの動作等を制御する。
【0059】
インデクサIDおよび制御部2に隣接して流体ボックス71,72が配置され、この流体ボックス71,72に隣接して第1および第2の処理領域3,4が配置されている。そして、基板受渡部10が、流体ボックス71と72の間、および第1および第2の処理領域3,4の間に位置している。
【0060】
また、第1および第2の処理領域3,4の各々に隣接して第3および第4の処理領域5,6が配置され、第3および第4の処理領域5,6の各々に隣接して流体ボックス73,74が配置されている。そして、第1〜第4の処理領域3〜6、流体ボックス73,74および基板受渡部10に囲まれるように基板搬送領域9が位置している。
【0061】
第1および第3の処理領域3,5にはポリマー除去ユニットSRが設けられ、第2および第4の処理領域4,6にはベークユニットBKが設けられている。ここで、本実施の形態において、ベークユニットBKは基板Wを加熱するためのホットプレートおよび基板Wを冷却するためのクーリングプレート等を含む。
【0062】
基板搬送領域9は、第1〜第4の処理領域3〜6、基板受渡部10の各々に対し基板Wを搬送する基板搬送装置CRおよびフィルタファンユニットFFU(後述の図2参照)を備える。基板搬送装置CRおよびフィルタファンユニットFFUの動作の詳細については後述する。
【0063】
流体ボックス71〜74には、上述の各種処理ユニットSR,BKへ液体または気体を供給するための処理液供給部、給気装置、排気装置およびバルブ等のうち少なくともいずれかが設けられる。処理液供給部、給気装置、排気装置およびバルブについての詳細については後述する。
【0064】
図2は、図1の基板処理装置のM−M線断面図である。第3の処理領域5には回転式処理装置50を備えるポリマー除去ユニットSRが設けられている。
【0065】
本実施の形態においては、ベークユニットBKとしてホットプレートHPおよびクーリングプレートCPが用いられる。図2によれば、第4の処理領域6には2つのホットプレートHPと1つのクーリングプレートCPとが積層されている。ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPは個々に処理ユニットを形成する。
【0066】
基板搬送領域9には、上部にフィルタファンユニットFFUが設けられ、下部に基板搬送装置CRが設けられている。
【0067】
ポリマー除去ユニットSR、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPの基板搬送領域9側の一側面(前面)には各々開口部が設けられており、その開口部の各々にはシャッタSHが取り付けられている。これら複数のシャッタSHは、基板搬送領域9の基板搬送装置CRの動作に応じて開閉動作を行う。この開閉動作の詳細については後述する。
【0068】
基板搬送領域9の基板搬送装置CRは、インデクサロボットIRから渡された基板Wを、第1または第3の処理領域3,5のポリマー除去ユニットSRに搬送し、そしてこのポリマー除去ユニットSRから受け取った基板Wを第2または第4の処理領域4,6のベークユニットBKに搬送する。そして、このベークユニットBKから受け取った基板Wを、基板受渡部10を介してインデクサロボットIRに搬送する。
【0069】
なお、基板搬送装置CRは、基板搬送装置本体CRH、略馬蹄形状の搬送アームbm4および略楕円状の支持アームbm1,bm2,bm3から構成され、いわゆる多関節アームを構成している。基板搬送装置本体CRHは矢印Zの方向に上下移動可能である。これにより、支持アームbm1,bm2,bm3が互いに支点として回転するだけで、基板搬送装置CRと周囲の各処理ユニットSR,BKとの間(矢印Xの方向)で基板Wを搬出したり搬入したりできる。
【0070】
基板搬送領域9のフィルタファンユニットFFUは、送風機FAおよびフィルタFIからなる。送風機FAにより雰囲気ガスとして空気が基板搬送領域9へ供給される。それにより、基板搬送領域9にダウンフローが形成され、清浄な空気の雰囲気に保たれる。
【0071】
フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量は、基板搬送装置CRの動作に応じて変化する。ダウンフロー流量の変化の詳細については後述する。
【0072】
第3の処理領域5のポリマー除去ユニットSRには、基板搬送領域9から不要なポリマーが付着した基板Wが搬入される。搬入された基板Wは回転式処理装置50内に保持される。回転式処理装置50が基板Wを回転するとともに、処理液供給配管41aから処理液(ポリマー除去剤)が滴下される。これにより基板W上の不要なポリマーが剥離される。その後、不要なポリマーが除去された基板Wは、基板搬送装置CRによりポリマー除去ユニットSRから搬出される。
【0073】
ポリマー除去ユニットSRの開口部に取り付けられたシャッタSHは、ポリマー除去ユニットSRに対する基板Wの搬入および搬出時に開かれ、その他において閉じられる。
【0074】
ここで、処理液供給配管41aはバルブ31sを介して処理液供給部31に接続されている。これにより、処理液供給配管41aからの処理液の滴下はバルブ31sで制御することができる。また、ポリマー除去ユニットSRの下方には、排気口41b,41eが設けられている。排気口41b,41eはバルブ33sを介して排気装置33に接続されている。なお、排気口41bは回転式処理装置50のカップ50aよりも外部に開口しており、排気口41eはカップ50aよりも内部に開口している。すなわち、排気口41bは回転式処理装置50から外部に飛散したミスト(飛沫や蒸気)やパーティクルを吸引排気し、排気口41eは回転式処理装置50の内部に飛散したミストやパーティクルを吸引排気する。
【0075】
ベークユニットBKの2つのホットプレートHPおよび1つのクーリングプレートCPの各々には、基板搬送領域9から基板Wが搬入される。2つのホットプレートHPのうちのいずれか1つのホットプレートHPに搬入された基板Wには加熱処理が施された後、クーリングプレートCPに搬入されて基板Wに冷却処理が施される。その後、冷却処理の施された基板Wは、基板搬送装置CRによりクーリングプレートCPから搬出される。
【0076】
2つのホットプレートHPおよび1つのクーリングプレートCPの開口部に取り付けられた複数のシャッタSHの各々は、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPに対する基板Wの搬入および搬出時に開かれ、その他において閉じられる。
【0077】
上記加熱処理および冷却処理時において、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPの各々には、不活性ガス供給配管42a,42b,42cからN2 ガス等の不活性ガスが導入される。
【0078】
不活性ガス供給配管42a,42b,42cは、それぞれバルブ32a,32b,32cを介して給気装置32に接続されている。これにより、給気装置32からの不活性ガスの供給はバルブ32a,32b,32cで制御することができる。
【0079】
さらに、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPの各々の下方には、排気口43a,43b,43cが設けられている。排気口43a,43b,43cはバルブ33a,33b,33cを介して排気装置33に接続されている。
【0080】
これにより、不活性ガス供給配管42a,42b,42cを通してホットプレートHPおよびクーリングプレートCP内に導入される不活性ガスおよびホットプレートHPおよびクーリングプレートCPの開口部を通して流れ込むダウンフローは、排気口43a,43b,43cを介して排気装置33へと排気される。
【0081】
上記、バルブ31s,32a,32b,32c,33a,33b,33c,33sの各々の開閉動作、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPの複数のシャッタSHの各々の開閉動作およびフィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量は、制御部2により制御される。
【0082】
ここで、制御部2により制御されるダウンフロー流量の変化とポリマー除去ユニットSR、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPのシャッタSHの開閉動作との関係について説明する。
【0083】
図3は、図1の制御部が制御するダウンフロー流量とポリマー除去ユニット、ホットプレートおよびクーリングプレートのシャッタの開閉動作との関係を示す図である。
【0084】
図3(a)は基板搬送領域9におけるダウンフロー流量の変化を示し、図3(b)はポリマー除去ユニットSRのシャッタSHの開閉動作を示す。また、図3(c)はホットプレートHPのシャッタSHの開閉動作を示し、図3(d)はクーリングプレートCPのシャッタSHの開閉動作を示す。
【0085】
図3(a)中のf1〜f4はダウンフロー流量の値を示す。なお、本例においてホットプレートHPは、図2の2つのホットプレートHPのうちいずれであってもよい。
【0086】
図3(a)の時間t0においては、基板処理装置100A本体の電源がオフされており、動作が停止している。したがって、ダウンフロー流量は0である。なお、もし必要であれば、フィルタファンユニットFFUの電源を別電源として、基板処理装置100の動作に関わらず常時動作させるようにしてもよい。
【0087】
時間t1において、基板処理装置100A本体の電源がオンされると、制御部2はフィルタファンユニットFFUを動作させる。これにより、基板搬送領域9には流量f1のダウンフローが形成される。その結果、基板搬送領域9における基板Wの搬送時には、常に一定のダウンフローが形成されるので、基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0088】
時間t2において、基板搬送領域9の基板搬送装置CRがポリマー除去ユニットSRに対して基板Wの搬入および搬出を行う場合、制御部2はポリマー除去ユニットSRのシャッタSHを開くとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を増加させる。
【0089】
これにより、基板搬送領域9には流量f4のダウンフローが発生する。その結果、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSHが開いているにもかかわらず、ポリマー除去ユニットSR内部の雰囲気(処理液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気等)が基板搬送領域9に漏洩することが防止される。
【0090】
同時に、制御部2はバルブ33sを開く。これにより、ポリマー除去ユニットSR内部の雰囲気が排気口41b,41eから排気装置33へと排気されるとともに、基板搬送領域9のダウンフローによりシャッタSHの取り付けられた開口部を通してポリマー除去ユニットSR内部に流れ込む清浄な空気が排気口41b,41eから排気装置33へと排気される。
【0091】
このように、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSHの取り付けられた開口部から排気口41b,41eへと清浄な空気の流れが形成されるので、ポリマー除去ユニットSR内部での基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0092】
時間t3において、制御部2はポリマー除去ユニットSRのシャッタSHを閉じるとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を減少させ、バルブ33sを閉じる。これにより、基板搬送領域9には再び流量f1のダウンフローが形成される。
【0093】
時間t4において、基板搬送領域9の基板搬送装置CRがホットプレートHPに対して基板Wの搬入または搬出動作を行う場合、制御部2はホットプレートHPのシャッタSHを開くとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を増加させる。
【0094】
これにより、基板搬送領域9には流量f3のダウンフローが発生する。このとき流量f3はポリマー除去ユニットSRのシャッタSHの開放時の流量f4よりもやや低く設定される。その結果、ホットプレートHPのシャッタSHが開いているにもかかわらず、ホットプレートHP内部の雰囲気(パーティクルを含む熱雰囲気等)が基板搬送領域9に漏洩することが防止される。
【0095】
同時に、制御部2は、バルブ33b,33cを開く。これにより、ホットプレートHP内部の雰囲気が排気口43b,43cから排気装置33へと排気されるとともに、基板搬送領域9のダウンフローによりシャッタSHの取り付けられた開口部を通してホットプレートHP内部に流れ込む清浄な空気が排気口43b,43cから排気装置33へと排気される。
【0096】
このように、ホットプレートHPのシャッタSHの取り付けられた開口部から排気口43b,43cへと清浄な空気の流れが形成されるので、ホットプレートHP内部での基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0097】
時間t5において、制御部2はホットプレートHPのシャッタSHを閉じるとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を減少させ、バルブ33b,33cを閉じる。これにより、基板搬送領域9には再び流量f1のダウンフローが形成される。
【0098】
時間t6において、基板搬送領域9の基板搬送装置CRがクーリングプレートCPに対して基板Wの搬入または搬出動作を行う場合、制御部2はクーリングプレートCPのシャッタSHを開くとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を増加させる。
【0099】
これにより、基板搬送領域9には流量f2のダウンフローが発生する。このときの流量f2はホットプレートHPのシャッタSHの開放時の流量f3よりもやや低く設定されている。その結果、クーリングプレートCPのシャッタSHが開いているにもかかわらず、クーリングプレートCP内部の雰囲気(パーティクルを含む熱雰囲気等)が基板搬送領域9に漏洩することが防止される。
【0100】
同時に、制御部2は、バルブ33aを開く。これにより、クーリングプレートCP内部の雰囲気が排気口43aから排気装置33へと排気されるとともに、基板搬送領域9のダウンフローによりシャッタSHの取り付けられた開口部を通してクーリングプレートCP内部に流れ込む清浄な空気が排気口43aから排気装置33へと排気される。
【0101】
このように、クーリングプレートCPのシャッタSHの取り付けられた開口部から排気口43aへと清浄な空気の流れが形成されるので、クーリングプレートCP内部での基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0102】
時間t7において、制御部2はクーリングプレートCPのシャッタSHを閉じるとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を減少させ、バルブ33aを閉じる。これにより、基板搬送領域9には再び流量f1のダウンフローが形成される。
【0103】
上記と同様に、制御部2は、基板受渡部10の基板搬送領域9側の一側面に設けられた開口部に取り付けられるシャッタSHの開閉動作に応じて、ダウンフロー流量の制御を行ってもよい。
【0104】
このように、基板搬送領域9のダウンフロー流量は、各処理ユニットに対する基板Wの搬入および搬出時(シャッタSHの開放時)に増加するとともに、基板Wの搬入および搬出対象となる処理ユニットの種類に応じて異なるように制御される。
【0105】
本例では、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSH開放時に基板搬送領域9に非常に強力なダウンフローが形成される。これにより、基板搬送領域9からポリマー除去ユニットSRの開口部を通してポリマー除去ユニットSR内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成されるので、ポリマー除去ユニットSRにおいて用いられる処理液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気が、基板搬送領域9に漏洩することが確実に防止される。また、ポリマー除去ユニットSR内に非常に強力なダウンフローによる清浄な空気の流れが形成されることにより、ポリマー除去ユニットSR内のパーティクルが基板Wに付着することが防止される。
【0106】
さらに、ホットプレートHPのシャッタSH開放時に基板搬送領域9に強力なダウンフローが形成される。これにより、基板搬送領域9からホットプレートHPの開口部を通してホットプレートHP内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成されるので、ホットプレートHP内のパーティクルを含む熱雰囲気が基板搬送領域9に漏洩することが十分に防止されるとともに、ホットプレートHP内の熱効率が向上し、また、他の処理ユニットへの熱雰囲気の流入が防止される。また、ホットプレートHP内に強力なダウンフローによる清浄な空気の流れが形成されるので、ホットプレートHP内のパーティクルが基板W上に付着することが防止される。
【0107】
また、クーリングプレートCPのシャッタSH開放時に基板搬送領域9にやや強力なダウンフローが形成される。これにより、基板搬送領域9からクーリングプレートCPの開口部を通してクーリングプレートCP内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成されるので、クーリングプレートCP内のパーティクルを含む雰囲気が基板搬送領域9に漏洩することが十分に防止される。また、クーリングプレートCP内にやや強力なダウンフローによる清浄な空気の流れが形成されるので、クーリングプレートCP内のパーティクルが基板W上に付着することが防止される。
【0108】
各処理ユニットのシャッタSHが閉じている場合は、常に所定の流量のダウンフローが形成される。これにより、基板搬送領域9における基板Wの搬送時に、パーティクルが基板W上に付着することが防止される。
【0109】
以上のように、本実施の形態に係る基板処理装置100Aにおいては、基板搬送領域9にダウンフローが常に形成されるとともに、各処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時にダウンフロー流量が変化する。これにより、複数の処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時における基板Wの清浄度の低下を十分に防止することができる。また、ダウンフローを各処理ユニットごとに適した流量に制御することにより過剰なダウンフローを防止することができるので、省エネルギー化および、コストの低減化が実現される。
【0110】
本実施の形態においては、第3の処理領域5に設けられるベークユニットBKとしては、2つのホットプレートHPおよび1つのクーリングプレートCPが用いられているが、ベークユニットBKの種類はホットプレートHPおよびクーリングプレートCPに限定されず、ベークユニットBKの設置数も3つに限定されない。
【0111】
本実施の形態に係る基板処理装置100Aにおいて、第1および第3の処理領域3,5に設けられる処理ユニットはポリマー除去ユニットSRに限らず、洗浄液、エッチング液、ポリマー除去液、レジスト剥離液、現像液、レジスト液等の処理液またはそれらの蒸気を用いて基板Wに処理を施す他の湿式処理ユニットを用いてもよい。
【0112】
また、第2および第4の処理領域4,6のホットプレートHPに代えて、ランプアニール等の枚葉式加熱処理ユニット、バッチ式熱処理炉、エッチングまたはアッシング等のプラズマ処理ユニット等の他の高温乾式処理ユニットが設けられてもよい。
【0113】
さらに、第2および第4の処理領域4,6のクーリングプレートCPに代えて、他の枚葉式冷却処理ユニット、冷風チャンバ等のバッチ式冷却処理ユニット、スピン乾燥処理ユニット等の他の低温乾式処理ユニットが設けられてもよい。
【0114】
図2に示すように、第1〜第4の処理領域3〜6の各々に設けられる各処理ユニットおよび基板搬送領域9の内部に、差圧計または絶対値圧力計等の圧力測定装置PUを設けてもよく、制御部2は圧力測定装置PUにより測定される各処理ユニットおよび基板搬送領域9の圧力に基づいてフィルタファンユニットFFUの動作を制御し、基板搬送領域9のダウンフロー流量を調整してもよい。
【0115】
この場合、各処理ユニット内の圧力状態が変化した場合にダウンフロー流量を適切に制御することで各処理ユニット内の雰囲気が基板搬送領域9内へ漏洩することが防止され、各処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時における基板Wの清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0116】
また、本実施の形態に係る基板処理装置100Aにおいては、制御部2が処理ユニットのシャッタSHの開閉に応じてダウンフロー流量を変化させているが、これに代えて、制御部2はダウンフロー流量を一定に制御し、各処理ユニットにおけるシャッタSHの開放時に各々の処理ユニットに対応するバルブ33a,33b,33c,33sを調整することにより、各処理ユニットごとの排気口41b,41e,43a,43b,43cからの排気量を調整してもよい。
【0117】
この場合、ポリマー除去ユニットSR、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPのシャッタ開放時に基板搬送領域9から各々の処理ユニットへ清浄な空気の流れが十分に形成される。したがって、各々の処理ユニットのシャッタSHの開放時に処理ユニット内の雰囲気が基板搬送領域9内に漏洩することが確実に防止される。これにより、複数の処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時における基板Wの清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0118】
なお、各処理ユニットごとの排気口41b,41e,43a,43b,43cからの排気量は、制御部2がバルブ33a,33b,33c,33sを調整する代わりに、制御部2が排気装置33を調整することにより行ってもよい。
【0119】
(第2の実施の形態)
図4は、第2の実施の形態に係る基板処理装置を説明するための模式的平面図である。
【0120】
本実施の形態に係る基板処理装置100Bは、以下の点を除き第1の実施の形態に係る基板処理装置100Aと同様の構成を有する。
【0121】
図4に示すように、本実施の形態に係る基板処理装置100Bは、第2および第4の処理領域4,6に洗浄ユニットMPが設けられる。
【0122】
第1および第3の処理領域3,5のポリマー除去ユニットSRの基板搬送領域9側の一側面(前面)には各々開口部が設けられており、その開口部の各々にはシャッタSH1が取り付けられている。また、第2および第4の処理領域4,6の洗浄ユニットMPの基板搬送領域9側の一側面(前面)には各々開口部が設けられており、その開口部の各々にはシャッタSH2が取り付けられている。洗浄ユニットMPのシャッタSH2の大きさは、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1の大きさより小さい。
【0123】
換言すれば、洗浄ユニットMPの基板搬送領域9側の一側面に設けられる開口部の面積は、ポリマー除去ユニットSRの基板搬送領域9側の一側面に設けられる開口部の面積より小さい。なお、本実施の形態に係るポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1は第1の実施の形態に係るポリマー除去ユニットSRのシャッタSHと同じである。
【0124】
本実施の形態において、第1および第3の処理領域3,5に設けられるポリマー除去ユニットSRと第2および第4の処理領域4,6に設けられる洗浄ユニットMPとは、いずれも、洗浄液(リンス液)および処理液(レジスト除去剤)等の液体を基板表面に塗布する湿式処理ユニットである。
【0125】
図5は、図4の基板処理装置のN−N線断面図である。上述のように、第3の処理領域5にはポリマー除去ユニットSRが設けられ、第4の処理領域6には洗浄ユニットMPが設けられている。
【0126】
第4の処理領域6に設けられる洗浄ユニットMPは回転式処理装置51を備える。洗浄ユニットMPには、基板搬送領域9から洗浄対象となる基板Wが搬入される。搬入された基板Wは回転処理装置51内に保持される。
【0127】
回転処理装置51が基板Wを回転するとともに、処理液供給配管41cから洗浄液(リンス液)が滴下される。これにより基板Wの表面が洗浄される。その後、洗浄の行われた基板Wは、基板搬送装置CRにより洗浄ユニットMPから搬出される。
【0128】
洗浄ユニットMPの基板搬送領域9側の一側面の開口部に取り付けられたシャッタSH2は、洗浄ユニットMPに対する基板Wの搬入および搬出時に開かれ、その他において閉じられる。
【0129】
ここで、処理液供給配管41cはバルブ31tを介して処理液供給部31に接続されている。これにより、処理液供給配管41cからの処理液の滴下はバルブ31sで制御することができる。また、洗浄ユニットMPの下方には、排気口41d,41fが設けられている。排気口41d,41fはバルブ33tを介して排気装置33に接続されている。
【0130】
これにより、洗浄ユニットMPの開口部を通して流れ込むダウンフローは、排気口41d,41fを介して排気装置33へと排気される。
【0131】
上記、バルブ31t,33tの各々の開閉動作、ポリマー除去ユニットSRおよび洗浄ユニットMPの複数のシャッタSH1,SH2の各々の開閉動作およびフィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量は、制御部2により制御される。
【0132】
ここで、制御部2により制御されるダウンフロー流量の変化とポリマー除去ユニットSRおよび洗浄ユニットMPのシャッタSH1,SH2の開閉動作との関係について説明する。
【0133】
図6は、図4の制御部が制御するダウンフロー流量とポリマー除去ユニットのシャッタおよび洗浄ユニットのシャッタの開閉動作との関係を示す図である。
【0134】
図6(a)は基板搬送領域9におけるダウンフロー流量の変化を示し、図6(b)はポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1の開閉動作を示す。また、図6(c)は洗浄ユニットMPのシャッタSHの開閉動作を示す。
【0135】
図6(a)中のfa〜fcはダウンフロー流量の値を示す。図6(a)の時間t0においては、基板処理装置100B本体の電源がオフされており、動作が停止している。したがって、ダウンフロー流量は0である。
【0136】
時間t1において、基板処理装置100B本体の電源がオンされると、制御部2はフィルタファンユニットFFUを動作させる。これにより、基板搬送領域9には流量faのダウンフローが形成される。その結果、基板搬送領域9における基板Wの搬送時には、常に一定のダウンフローが形成されるので、基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0137】
時間t2において、基板搬送領域9の基板搬送装置CRがポリマー除去ユニットSRに対して基板Wの搬入および搬出を行う場合、制御部2はポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1を開くとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を増加させる。
【0138】
これにより、基板搬送領域9には流量fcのダウンフローが発生する。その結果、基板搬送領域9には非常に強力なダウンフローが形成されるので、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1が開いているにもかかわらず、ポリマー除去ユニットSR内部の雰囲気(処理液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気等)が基板搬送領域9に漏洩することが防止される。
【0139】
同時に、制御部2は、バルブ33sを開く。これにより、ポリマー除去ユニットSR内部の雰囲気が排気口41b,41eから排気装置33へと排気されるとともに、基板搬送領域9のダウンフローによりシャッタSH1の取り付けられた開口部を通してポリマー除去ユニットSR内部に流れ込む清浄な空気が排気口41b,41eから排気装置33へと排気される。
【0140】
このように、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1の取り付けられた開口部から排気口41b,41eへと清浄な空気の流れが形成されるので、ポリマー除去ユニットSR内部での基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0141】
時間t3において、制御部2はポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1を閉じるとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を減少させ、バルブ33sを閉じる。これにより、基板搬送領域9には再び流量faのダウンフローが形成される。
【0142】
時間t4において、基板搬送領域9の基板搬送装置CRが洗浄ユニットMPに対して基板Wの搬入または搬出動作を行う場合、制御部2は洗浄ユニットMPのシャッタSH2を開くとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を増加させる。
【0143】
これにより、基板搬送領域9には流量fbのダウンフローが発生する。このときの流量fbはポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1の開放時の流量fcよりもやや低く設定される。その結果、基板搬送領域9には強力なダウンフローが形成されるので、洗浄ユニットMPのシャッタSH2が開いているにもかかわらず、洗浄ユニットMP内部の雰囲気(洗浄液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気等)が基板搬送領域9に漏洩することが防止される。
【0144】
同時に、制御部2は、バルブ33tを開く。これにより、洗浄ユニットMP内部の雰囲気が排気口41d,41fから排気装置33へと排気されるとともに、基板搬送領域9のダウンフローによりシャッタSH2の取り付けられた開口部を通して洗浄ユニットMP内部に流れ込む清浄な空気が排気口41d,41fから排気装置33へと排気される。
【0145】
このように、洗浄ユニットMPのシャッタSH2の取り付けられた開口部から排気口41dへと清浄な空気の流れが形成されるので、洗浄ユニットMP内部での基板W上へのパーティクルの付着等が低減される。
【0146】
時間t5において、制御部2は洗浄ユニットMPのシャッタSH2を閉じるとともに、フィルタファンユニットFFUによるダウンフロー流量を減少させ、バルブ33tを閉じる。これにより、基板搬送領域9には再び流量faのダウンフローが形成される。
【0147】
上記と同様に、制御部2は、基板受渡部10の基板搬送領域9側の一側面に設けられた開口部に取り付けられるシャッタSHの開閉動作に応じて、ダウンフロー流量の制御を行ってもよい。
【0148】
基板搬送領域9のダウンフロー流量は、各処理ユニットに対する基板Wの搬入および搬出時(シャッタSHの開放時)に増加するとともに、各処理ユニットに設けられるシャッタSH1,SH2の大きさ、すなわち開口部の面積の大きさに応じて異なるように制御される。
【0149】
本例では、ポリマー除去ユニットSRのシャッタSH1の開放時に基板搬送領域9に非常に強力なダウンフローが形成される。これにより、基板搬送領域9からポリマー除去ユニットSRの開口部を通してポリマー除去ユニットSR内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成されるので、ポリマー除去ユニットSRにおいて用いられる処理液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気が、基板搬送領域9に漏洩することが確実に防止される。また、ポリマー除去ユニットSR内に非常に強力なダウンフローによる清浄な空気の流れが形成されることにより、ポリマー除去ユニットSR内のパーティクルが基板Wに付着することが防止される。
【0150】
さらに、洗浄ユニットMPのシャッタSH1より小さいシャッタSH2の開放時に基板搬送領域9に強力なダウンフローが形成される。これにより、基板搬送領域9から洗浄ユニットMPの開口部を通して洗浄ユニットMP内へダウンフローによる清浄な空気の流れが十分に形成されるので、洗浄ユニットMPにおいて用いられる洗浄液のミストおよびパーティクルを含む雰囲気が、基板搬送領域9に漏洩することが確実に防止される。また、洗浄ユニットMP内に強力なダウンフローによる清浄な空気の流れが形成されることにより、洗浄ユニットMP内のパーティクルが基板Wに付着することが防止される。
【0151】
ここで、上記において、各処理ユニットの開放時のダウンフロー流量は、面積の大きい開口部を有するポリマー除去ユニットSRのシャッタSHの開放時に基板搬送領域9から開口部を通してポリマー除去ユニットSR内へ流れ込む清浄な空気の流量と面積の小さい開口部を有する洗浄ユニットMPのシャッタSHの開放時に基板搬送領域9から開口部を通して洗浄ユニットMP内へ流れ込む清浄な空気の流量とはほぼ等しくなるように設定されている。それにより、ポリマー除去ユニットSRおよび洗浄ユニットMP内の雰囲気が搬送領域内に漏洩することが確実かつ効率的に防止される。したがって、過剰なダウンフローが防止され、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0152】
なお、各処理ユニットの開放時のダウンフロー流量の強さは、各処理ユニットの開口部の大きさに対して略比例するように設定されることが好ましい。
【0153】
以上のように、本実施の形態に係る基板処理装置100Bにおいては、基板搬送領域9にダウンフローが常に形成されるとともに、各処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時に同一の処理形態を有する処理ユニット(湿式処理ユニット)同士であっても、各処理ユニットに設けられる開口部の面積の大きさに応じてダウンフロー流量が変化する。これにより、複数の処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時に十分に防止することができるとともに、過剰なダウンフローを防止することができるので、省エネルギー化およびコストの低減化が実現される。
【0154】
本実施の形態に係る基板処理装置100Bにおいて、第1〜第4の処理領域3〜6の各々に設けられる処理ユニットは、湿式処理ユニットSRに限らず、高温乾式処理ユニットまたは低温乾式処理ユニット等の他の処理形態を有する処理ユニットであってもよい。
【0155】
図5に示すように、第1〜第4の処理領域3〜6の各々に設けられる各処理ユニットおよび基板搬送領域9の内部に差圧計または絶対値圧力計等の圧力測定装置PUを設けてもよく、制御部2は圧力測定装置PUにより測定される各処理ユニットおよび基板搬送領域9の圧力に基づいてフィルタファンユニットFFUの動作を制御し、基板搬送領域9のダウンフロー流量を調整してもよい。具体的には、第1〜第4の処理領域3〜6内の圧力>基板搬送領域9内の圧力である場合には、基板搬送領域9の上方からのダウンフローの流量を増加させ、第1〜第4の処理領域3〜6内の圧力<基板搬送領域9内の圧力である場合には、ダウンフローの流量を減少させるよう、フィルタファンユニットFFUの動作を制御する。
【0156】
この場合、各処理ユニット内の圧力状態が変化した場合にダウンフロー流量を適切に制御することで各処理ユニット内の雰囲気が基板搬送領域9内へ漏洩することが防止され、各処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時における基板Wの清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0157】
また、本実施の形態に係る基板処理装置100Bにおいては、制御部2が処理ユニットのシャッタSH1,SH2の開閉に応じてダウンフロー流量を変化させているが、これに代えて、制御部2はダウンフロー流量を一定に制御し、各処理ユニットにおけるシャッタSH1,SH2の開放時に各々の処理ユニットに対応するバルブ33s,33tを調整することにより、各処理ユニットごとの排気口41b,41d,41e,41fからの排気量を調整してもよい。
【0158】
この場合、ポリマー除去ユニットSRおよび洗浄ユニットMPのシャッタ開放時に基板搬送領域9から各々の処理ユニットへ清浄な空気の流れが十分に形成される。したがって、各々の処理ユニットのシャッタSHの開放時に処理ユニット内の雰囲気が基板搬送領域9内に漏洩することが確実に防止される。これにより、複数の処理ユニットへの基板Wの搬入および搬出時における基板Wの清浄度の低下を十分に防止することができる。
【0159】
なお、各処理ユニットごとの排気口41b,41d,41e,41fからの排気量は、制御部2がバルブ33s,33tを調整する代わりに、制御部2が排気装置33を調整することにより行ってもよい。
【0160】
以上、第1および第2の実施の形態において、第1〜第4の処理領域3〜6の各々が処理領域に相当し、ホットプレートHP、クーリングプレートCPおよびポリマー除去ユニットSRおよび洗浄ユニットMPが処理手段に相当し、第1〜第4の処理領域3〜6内に設けられる各処理ユニットの筐体が処理室に相当し、基板搬送領域9が搬送領域に相当し、フィルタファンユニットFFUがダウンフロー形成手段に相当し、制御部2が制御手段に相当し、第1〜第4の処理領域3〜6内に設けられる各処理ユニットに設けられる開口部が開口部に相当し、シャッタSH,SH1,SH2がシャッタに相当する。
【0161】
また、ポリマー除去ユニットSRおよび洗浄ユニットMPの筐体が湿式処理室に相当し、ホットプレートHPおよびクーリングプレートCPの筐体が乾式処理室に相当し、ホットプレートHPの筐体が第1の処理室に相当し、クーリングプレートCPの筐体が第2の処理室に相当し、ホットプレートHPが第1の乾式処理手段に相当し、クーリングプレートCPが第2の乾式処理手段に相当し、ホットプレートHPの筐体が第1の乾式処理室に相当し、クーリングプレートCPの筐体が第2の乾式処理室に相当する。
【0162】
さらに、ポリマー除去ユニットSRの筐体に設けられる開口部が第1の面積の開口部に相当し、洗浄ユニットMPの筐体に設けられる開口部が第2の面積の開口部に相当し、排気口41b,41d,41e,41f,43a,43b,43cが排気部に相当し、制御部2、排気装置33およびバルブ33a,33b,33c,33s,33tが排気量調整手段に相当し、圧力測定装置PUが圧力測定手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る基板処理装置を説明するための模式的平面図である。
【図2】図1の基板処理装置のM−M線断面図である。
【図3】図1の制御部が制御するダウンフロー流量とポリマー除去ユニット、ホットプレートおよびクーリングプレートのシャッタの開閉動作との関係を示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係る基板処理装置を説明するための模式的平面図である。
【図5】図4の基板処理装置のN−N線断面図である。
【図6】図4の制御部が制御するダウンフロー流量とポリマー除去ユニットのシャッタおよび洗浄ユニットのシャッタの開閉動作との関係を示す図である。
【符号の説明】
2 制御部
3 第1の処理領域
4 第2の処理領域
5 第3の処理領域
6 第4の処理領域
9 基板搬送領域
33 排気装置
100A,100B 基板処理装置
33a,33b,33c,33s,33t バルブ
41b,41d,41e,41f,43a,43b,43c 排気口
SH,SH1,SH2 シャッタ
SR ポリマー除去ユニット
MP 洗浄ユニット
HP ホットプレート
CP クーリングプレート
PU 圧力測定装置
Claims (10)
- 処理領域とその処理領域に隣接する搬送領域とを有し、基板を処理する基板処理装置であって、
前記処理領域に設けられ、基板に処理を行う処理手段を収容する処理室と、
搬送領域に設けられ、基板を搬送する搬送手段と、
前記搬送領域内にダウンフローを形成するダウンフロー形成手段と、
前記ダウンフロー形成手段を制御する制御手段とを備え、
前記処理室は、前記搬送手段による前記処理手段に対する基板の搬入時および搬出時に基板が通過可能な開口部を有するとともに、前記開口部に開閉自在に設けられたシャッタを備え、
前記制御手段は、前記処理室の前記シャッタの開放時における前記ダウンフローの流量が前記処理室の前記シャッタの閉鎖時における前記ダウンフローの流量よりも大きくなるように前記ダウンフロー形成手段を制御することを特徴とする基板処理装置。 - 複数の前記処理室を備え、
前記制御手段は、前記複数の処理室の前記シャッタの開放時における前記ダウンフローの流量が異なるように前記ダウンフロー形成手段を制御することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。 - 前記複数の処理室は、
処理液を用いて基板に処理を行う湿式処理手段を収容する湿式処理室と、
処理液を用いずに基板に処理を行う乾式処理手段を収容する乾式処理室とを含み、
前記制御手段は、前記湿式処理室の前記シャッタの開放時における前記ダウンフローの流量が前記乾式処理室の前記シャッタの開放時における前記ダウンフローの流量よりも大きくなるように前記ダウンフロー形成手段を制御することを特徴とする請求項2記載の基板処理装置。 - 前記複数の処理室は、
基板に第1の温度雰囲気で処理を行う第1の処理手段を収容する第1の処理室と、
基板に前記第1の温度雰囲気よりも低い第2の温度雰囲気で処理を行う第2の処理手段を収容する第2の処理室とを含み、
前記制御手段は、前記第1の処理室の前記シャッタの開放時における前記ダウンフローの流量が前記第2の処理室の前記シャッタの開放時における前記ダウンフローの流量よりも大きくなるように前記ダウンフロー形成手段を制御することを特徴とする請求項2記載の基板処理装置。 - 前記複数の処理室は、
処理液を用いて基板に処理を行う湿式処理手段を収容する湿式処理室と、
処理液を用いずに基板に第1の温度雰囲気で処理を行う第1の乾式処理手段を収容する第1の乾式処理室と、
処理液を用いずに基板に前記第1の温度雰囲気よりも低い第2の温度雰囲気で処理を行う第2の乾式処理手段を収容する第2の乾式処理室とを含み、
前記制御手段は、前記湿式処理室の前記シャッタの開放時における前記ダウンフローの流量が前記第1の乾式処理室の前記シャッタの開放時における前記ダウンフローの流量よりも大きくなり、前記第1の乾式処理室の前記シャッタの開放時における前記ダウンフローの流量が前記第2の乾式処理室の前記シャッタの開放時における前記ダウンフローの流量よりも大きくなるように前記ダウンフロー形成手段を制御することを特徴とする請求項2記載の基板処理装置。 - 前記複数の処理室は、
第1の面積の開口部を有する第1の処理室と、
前記第1の面積よりも小さい第2の面積の開口部を有する第2の処理室とを含み、
前記制御手段は、前記第1の処理室の前記シャッタの開放時におけるダウンフローの流量が前記第2の処理室の前記シャッタの開放時におけるダウンフローの流量よりも大きくなるように前記ダウンフロー形成手段を制御することを特徴とする請求項2記載の基板処理装置。 - 前記複数の処理室は異なる面積の前記開口部を有し、
前記制御手段は、前記複数の処理室の前記シャッタの開放時におけるダウンフローの流量が前記開口部の面積に略比例するように前記ダウンフロー形成手段を制御することを特徴とする請求項2または6記載の基板処理装置。 - 前記処理室は、内部の雰囲気を排気する排気部と、前記排気部からの排気量を調整する排気量調整手段とを有し、
前記排気量調整手段は、前記処理室の前記シャッタの開放時における排気量を前記処理室の前記シャッタの閉鎖時における排気量よりも大きくすることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の基板処理装置。 - 前記処理室内の圧力および前記搬送領域内の圧力を測定する圧力測定手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記圧力測定手段により測定された圧力に基づいてダウンフロー形成手段によるダウンフローの流量を制御することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の基板処理装置。 - 処理領域とその処理領域に隣接する搬送領域とを有し、基板を処理する基板処理方法であって、
前記処理領域に設けられ、シャッタが開閉自在に設けられた開口部を有する処理室内で前記シャッタを閉鎖した状態で基板に処理を行う工程と、
前記処理室に隣接するように配置された搬送領域内にダウンフローを形成する工程と、
前記搬送領域内で基板を搬送する工程と、
前記シャッタを開放した状態で前記搬送領域内と前記処理室内との間で前記開口部を通して基板の搬入または搬出を行う工程と、
前記シャッタの開放時におけるダウンフローの流量を前記シャッタの閉鎖時におけるダウンフローの流量よりも大きく制御する工程とを備えたことを特徴とする基板処理方法。
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