JP3811409B2 - 処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体デバイスの製造プロセスでは,ウェハ表面にレジスト液を塗布するレジスト塗布処理,ウェハに所定のパターンを照射して露光する露光処理,露光後のウェハに対して現像を行う現像処理,ウェハ上に形成された薄膜を食刻するエッチング処理,ウェハ上に付着した不純物又はレジストパターンを除去する剥離洗浄処理等が行われる。従来これらの処理は,それぞれ別個の処理ユニットで行われるが,これらの処理ユニットのうち,塗布処理を行う塗布処理ユニットや現像処理を行う現像処理ユニット等で構成される装置と,そこに接続される露光処理を行う露光処理ユニットとで,一つの塗布現像処理装置を構成していた。また,エッチング処理,洗浄処理は,例えば単独のエッチング装置,洗浄処理装置で行われていた。
【0003】
上述の各種処理は,その精度が周りの処理環境に大きく左右されるので,厳密に制御された雰囲気,例えば清浄で,かつ所定の温度,湿度の制御された雰囲気内で行われなければならない。このため,上述の塗布現像処理装置では,その上部に清浄で所定の温度,湿度に調節された気体を供給する気体供給機構が設けられており,その下部には,処理装置内に供給された気体を排気する排気機構が設けられている。この気体供給機構と排気機構により,塗布現像処理装置全体にダウンフローが形成され,所定の処理環境が維持されていた。また,塗布現像処理装置から排気された気体は,不純物等が除去された後,所定の温度,湿度に調節され,再度塗布現像処理装置の上部から供給されていた。また,エッチング装置に関しては,複数のエッチング装置が同じ向きに並べられ,当該各エッチング装置のウェハの出し入れ部がクリーンルーム内に設置されていた。このため,エッチング処理前後のウェハの清浄度が確保されていた。また,同様に洗浄処理装置もクリーンルーム内で使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,このようにエッチング装置の前記出し入れ部,洗浄処理装置等の設置されたクリーンルームや塗布現像処理装置全体の雰囲気を制御すると,その雰囲気制御範囲が広いので,所定気体の供給量,排気量が多くなる。このため,気体の消費量が多くなり,さらに気体を供給排気するにあたってのファン,気体の温湿度調節器,不純物除去器等にかかる電力量が多くなるので,クリーンルーム,塗布現像処理装置全体のランニングコストが増大していた。また,塗布現像処理装置では,排気される気体も多く,空調気体の回収率が低いため,一度使用した気体を循環させ再利用したとしても,新しい気体を多量に補充しなければならず,気体の消費量は,依然として多かった。さらに,この塗布現像処理装置外への気体漏れや,外気の塗布現像処理装置への進入は,塗布現像処理装置内の処理環境に影響を与え,厳密な雰囲気制御が困難になっていた。
【0005】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,塗布処理,露光処理,現像処理,エッチング処理,洗浄処理等の一連の処理において,低コストで,かつ高精度な雰囲気制御を実現できる基板の処理装置を提供することをその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば,基板に対して複数の処理を行う処理装置であって,所定の雰囲気に維持可能で,かつ当該雰囲気が循環可能な閉鎖通路を備え,当該閉鎖通路内に,この処理装置に搬入された基板を載置する搬入載置部と,基板に対して塗布液を塗布して塗布処理を行う塗布処理部と,基板に対して露光処理を行う露光処理部と,基板に対して現像処理を行う現像処理部と,基板に対してエッチング処理を行うエッチング処理部と,基板に対して洗浄処理を行う洗浄処理部と,この処理装置から搬出される基板を載置する搬出載置部と,がこの順番で当該閉鎖通路に沿って配置され,さらに,前記搬入載置部の基板を,前記各処理部に前記順番で搬送し前記搬出載置部に戻すことのできる搬送手段を備え,前記閉鎖通路は,平面から見て略環状に形成されており,作業員が前記略環状の閉鎖通路の内側に出入りするための出入り口を備え,前記閉鎖通路の内側の側壁には,閉鎖通路内の前記処理部又は/及び前記搬送手段のメンテナンスを行うための扉が設けられていることを特徴とする処理装置が提供される。
【0007】
この発明によれば,塗布処理部,露光処理部,現像処理部,洗浄処理部等の処理部が同じ閉鎖通路内に配置されているので,従来に比べて雰囲気制御が容易であり,処理中若しくは処理前後の環境を厳密に制御できる。特に,塗布処理,露光処理,現像処理は,厳密な雰囲気制御が要求されるので,その効果は大きい。また,前記各処理部は閉鎖通路内に納められているので,処理部周辺の雰囲気が処理装置外に漏れることが少なく,例えばその分雰囲気維持のための気体の供給量を減らすことができるので,気体供給装置等のエネルギ消費量を低減できる。さらに,閉鎖通路が環状で,閉鎖通路内の雰囲気を循環させることができるので,この観点からも気体の供給量を減らし,この結果,必要エネルギーの低減が図られる。
また,かかる場合,作業員が閉鎖通路の内側からメンテナンス作業を行うことができる。したがって,環状の閉鎖通路を備えた前記処理装置においても,メンテナンス作業を好適に行うことができる。なお,ここでいう「略環状」には,リング状のもののみならず,多角形の枠形状,例えば長方形の枠形状も含まれる。
【0008】
前記搬送手段は,前記搬入載置部と搬出載置部との間で基板を搬送できるようにしてもよい。これにより,基板を閉鎖通路内で循環させ,例えば塗布処理から始まって洗浄処理で終わる一連の処理を,複数回行うことができる。したがって,例えば一連の処理の途中で不良が発覚した基板を洗浄処理部において元の未処理の状態に戻し,当該基板を前記搬入載置部側に搬送して,基板に再度一連の処理を施すことが可能になる。また,このような繰り返し処理を,基板を閉鎖通路内から出さずに行うことができるので,基板に不純物が付着すること等を防止できる。
前記処理装置は,前記閉鎖通路内に所定の気体を供給する気体供給装置を備えていてもよい。これにより,閉鎖通路内の雰囲気を一定の雰囲気に維持することができる。
また,別の観点による本発明は,基板に対して複数の処理を行う処理装置であって,所定の雰囲気に維持可能で,かつ当該雰囲気が循環可能な閉鎖通路を備え,当該閉鎖通路内には,この処理装置に搬入された基板を載置する搬入載置部と,基板に対して塗布液を塗布して塗布処理を行う塗布処理部と,基板に対して露光処理を行う露光処理部と,基板に対して現像処理を行う現像処理部と,基板に対してエッチング処理を行うエッチング処理部と,基板に対して洗浄処理を行う洗浄処理部と,この処理装置から搬出される基板を載置する搬出載置部と,がこの順番に当該閉鎖通路に沿って配置され,さらに,前記搬入載置部の基板を,前記各処理部に前記順番で搬送し前記搬出載置部に戻すことのできる搬送手段を備え,前記閉鎖通路は,平面から見て略環状に形成されており,前記閉鎖通路内の搬入載置部と搬出載置部との間には,仕切板が設けられ,前記閉鎖通路内の仕切板の搬入載置部側には,前記閉鎖通路内に所定の気体を供給する供給管が接続され,前記閉鎖通路内の仕切板の搬出載置部側には,前記閉鎖通路内の気体を吸引する吸引管が接続されていることを特徴とする。
また,前記仕切板には,基板を通過させるための通過口が設けられ,前記搬送手段は,前記搬入載置部と搬出載置部との間で基板を搬送できてもよい。
前記処理装置は,作業員が前記略環状の閉鎖通路の内側に出入りするための出入り口を備えていてもよい。
【0009】
参考例として,基板に対して複数の処理を行う処理装置であって,所定の雰囲気に維持可能で,かつ当該雰囲気が循環可能な閉鎖通路を備え,当該閉鎖通路内には,基板に対して塗布液を塗布して塗布処理を行う塗布処理部と,基板に対して露光処理を行う露光処理部と,基板に対して現像処理を行う現像処理部と,基板に対してエッチング処理を行うエッチング処理部と,基板に対して洗浄処理を行う洗浄処理部と,がこの順番に配置され,さらに,前記閉鎖通路内に基板を搬入するための搬入口と,前記閉鎖通路内から基板を搬出するための搬出口と,前記搬入口から搬入された基板を前記各処理部に前記順番で搬送し前記搬出口から搬出できる搬送手段と,を備え,前記搬出口と搬入口には,シャッタが設けられていることを特徴とする処理装置が提供される。
【0010】
この例によれば,各処理部が閉鎖通路内に設けられているので,各処理部の雰囲気制御がより簡単になり,厳密な雰囲気制御が可能になる。また,各処理部が閉鎖通路に覆われ,かつ閉鎖通路内の雰囲気が循環可能であるので,雰囲気制御のための気体の供給量を低減することができ,この結果例えば気体供給装置等の電力消費量を低減できる。また,基板の搬入出口にシャッタが設けられているので,雰囲気維持がより厳密により簡単に行われ,電力消費量をさらに低減できる。
【0011】
本発明の処理装置は,前記閉鎖通路内に基板を搬入するための搬入口と,前記閉鎖通路内から基板を搬出するための搬出口を備え,前記搬出口と搬入口には,シャッタが設けられていてもよい。
前記閉鎖通路内には,前記洗浄処理の終了した基板を待機させる待機部が備えられ,前記搬送手段は,前記待機部の基板を前記各処理部に前記順番で搬送できるようにしてもよい。これにより,例えば一連の処理の途中で不良が発覚した基板に対し洗浄処理を施して,当該基板を未処理の状態に戻した後,当該基板を一旦閉鎖通路内で待機させ,その後所定のタイミングで再度一連の処理をやり直すことができる。
【0012】
前記搬送手段は,前記閉鎖通路内に備えられていてもよい。このように搬送手段を閉鎖通路内に設けることにより,搬送手段が閉鎖通路に出入りすることがないので,閉鎖通路の気密性が向上する。したがって,基板の処理をより厳密に制御された雰囲気内で行うことができる。
【0014】
前記閉鎖通路内には,基板に対して所定の検査を行う検査部が備えられていてもよい。これにより,基板の検査を一連の処理の途中で行うことができる。また,当該検査を閉鎖通路内で行うことができるので,基板の汚染を防止できる。また,検査部は,前記現像処理部と前記エッチング処理部との間に配置されていてもよい。かかる場合,現像処理が行われた後で,エッチング処理が開始される前に基板の検査を行うことができる。エッチング処理が行われると,基板上に形成されている下地膜が蝕刻され,その後基板上のレジスト膜等の塗布膜を剥離し洗浄しても基板を未処理の状態に戻すことが困難なので,塗布,現像処理の不良をエッチング処理の前に検出することは有効である。なお,前記所定の検査には,塗布処理で基板表面に形成された塗布膜の厚みを測定する膜厚検査,現像処理後の現像線幅を検査する線幅検査,基板の表面欠陥を検出する欠陥検査,基板の下地膜と露光パターンとの重なり具合を検査する重なり検査等が含まれる。
【0015】
また,前記検査部は,前記エッチング処理が行われる前の基板を検査できるものであり,この処理装置は,当該検査部の検査結果に基づいて,当該検査された基板を前記エッチング処理部に搬送するか,若しくは前記洗浄処理部に搬送するかを選択できる制御装置を備えていてもよい。この制御装置によって,検査結果で不良と判定された基板を洗浄処理部に搬送し,良と判定された基板をエッチング処理部に搬送することができる。したがって,洗浄処理部に搬送された不良の基板は,例えば基板上の塗布膜等が剥離洗浄され,未処理の状態に戻された後,再度基板の一連の処理を初めからやり直すことができる。一方,エッチング装置に搬送された基板は,一連の処理の続きを行うことができる。
【0016】
前記処理装置は,前記検査部の検査結果に基づいて,前記各処理部の処理条件を変更する制御装置を備えていてもよい。かかる場合,各処理部の適正化が図られ,歩留まりの向上が図られる。なお,前記処理条件には,塗布処理部の基板保持部の回転数,当該基板保持部の加速度,塗布液を供給するノズルの位置,現像処理部の現像時間,現像液温度,露光処理部における光源の光線の強さ,露光時間,光源と基板との位置合わせ,光源の焦点位置と基板との距離等が含まれる。
【0018】
前記閉鎖通路には,閉鎖通路内の前記処理部又は/及び前記搬送手段のメンテナンスを行うための扉が設けられていてもよい。かかる場合,閉鎖通路内に配置された各処理部や搬送手段のメンテナンスを適切に行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかる処理装置としてのウェハ製造装置1の構成の概略を示す斜視図であり,図2は,ウェハ製造装置1の構成の概略を示す平面図である。
【0020】
図1及び図2に示すようにウェハ製造装置1は,所定の雰囲気に維持可能で,当該雰囲気が循環可能な閉鎖通路としてのダクト2を備えている。ダクト2は,例えば断面が方形に形成された直線状の4つの通路2a〜2dからなり,この4つの通路2a〜2dを平面から見て長方形の4辺上に配置し,通路2a〜2dを順に連結した形状を有している。
【0021】
通路2aには,図2に示すように例えばこのウェハ製造装置1に対してウェハWを搬入出するための搬入出部10が設けられている。搬入出部10は,例えば複数の未処理のウェハWを収容するカセットを載置する搬入載置部としての搬入ステージ11と,処理の終了したウェハWを収容するカセットを載置する搬出載置部としての搬出ステージ12とを備えている。搬入ステージ11は,例えばウェハ製造装置1の正面側(図2の下方向;X方向負方向側)で,搬出ステージ12は,ウェハ製造装置1の背面側(図2の上方向;X方向正方向側)に配置されている。この搬入ステージ11,搬出ステージ12には,それぞれ複数,例えば2つのカセットをX方向に一列に載置することができる。なお,搬入ステージ11と搬出ステージ12上に載置されるカセットは,X方向負方向側から順にカセットC1,C2,C3,C4とする。
【0022】
そして,ダクト2の外側面2eであって,この搬入ステージ11と搬出ステージ12に載置された各カセットに対応する位置には,カセットの搬入口13と,搬出口14とがそれぞれ設けられている。したがって,ウェハ製造装置1に対するウェハWの搬入出は,カセット単位で行われる。各搬入口13と搬出口14には,それぞれシャッタSが設けられており,このシャッタSによりダクト2内の雰囲気を維持することができる。
【0023】
通路2aには,この通路2aに沿って搬送レール16が設けられており,この搬送レール16上には,搬送装置17が移動自在に設けられている。搬送装置17は,例えば水平方向に伸縮自在なアームを備え,Z方向(垂直方向)に移動自在で,かつθ方向(Z軸を中心とする回転方向)に回転自在である。これにより,搬送装置17は,搬送レール16上を移動して,搬入ステージ11上のカセット,搬出ステージ12上のカセット,通路2bの後述するアドヒージョンユニット22,23,通路2dの残渣洗浄ユニット72及び剥離洗浄ユニット73等にアクセスし,ウェハWを搬送できる。なお,この搬送装置17により,搬出ステージ12側のウェハWを,搬入ステージ11側に搬送することも可能である。
【0024】
また,通路2aの搬入ステージ11と搬出ステージ12との間には,作業員がダクト2の内側面2fの内側のメンテナンス部18に出入りするため出入り口19が設けられている。出入り口19は,通路2aの下部に設けられており,作業員は搬送レール16の下方を潜ってメンテナンス部18に出入りすることができる。
【0025】
ウェハ製造装置1の正面側に位置する通路2bには,各種所定の処理ユニットが単段又は多段に搭載された4つの処理ユニット群G1〜G4が通路2a側から順に設けられている。
【0026】
通路2aに最も近い第1の処理ユニット群G1には,例えば図3に示すようにウェハWを冷却処理する冷却ユニット20,21,レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョンユニット22,23が下から順に4段に設けられている。冷却ユニット20,21は,例えば所定温度に冷却された冷却板上にウェハWを所定時間載置させることにより冷却処理が行われるようになっている。
【0027】
第2の処理ユニット群G2には,ウェハWにレジスト液を塗布する塗布処理を行うための塗布処理部としての塗布処理ユニット24,25が下から順に2段に配置されている。この塗布処理ユニット24,25は,例えばウェハWの中心部に所定量のレジスト液を供給し,当該ウェハWを回転させ,ウェハW上のレジスト液をウェハW表面全面に拡散させることにより,ウェハWに塗布処理を行うようになっている。
【0028】
第3の処理ユニット群G3には,冷却ユニット30,31,ウェハWを加熱処理する加熱ユニット32,33が下から順に4段に設けられている。加熱ユニット32,33は,例えば所定温度に加熱された熱板にウェハWを載置することにより,ウェハWに加熱処理を行うようになっている。第4の処理ユニット群G4には,ウェハWを露光処理する露光処理部としての露光処理ユニット34が設けられている。露光処理ユニット34は,例えば光源から所定パターンの光線をウェハWに照射することで,ウェハWに露光処理するものである。この露光処理ユニット34では,露光強度,露光時間,露光焦点(光源の焦点位置とウェハWとの距離),露光合わせ位置(光源とウェハWとの位置合わせ)等の所定の露光条件に従って露光処理が行われる。
【0029】
通路2bには,図2に示すように例えば前記搬送装置17と同様の機能を有する搬送装置35が設けられており,通路2bに沿った搬送レール36上を移動し,各処理ユニット群G1〜G4の各処理ユニットに対してアクセスし,ウェハWを搬送できる。
【0030】
通路2aのメンテナンス部18を挟んだ反対側に位置する通路2cには,例えば2つの処理ユニット群G5,G6が通路2b側から順に設けられている。第5の処理ユニット群G5には,図4に示すように冷却ユニット40,41,加熱ユニット42,43が下から順に設けられており,第6の処理ユニット群G6には,ウェハWを現像処理する現像処理部としての現像処理ユニット44,45が下から順に設けられている。現像処理ユニット44,45は,例えばウェハW上に現像液を液盛りし,所定時間静止現像することで,ウェハWを現像処理するものである。
【0031】
この通路2cにも,図2に示すように搬送装置17と同様の搬送装置46が設けられており,この搬送装置46は,通路2cに沿った搬送レール47上を移動できる。搬送装置46は,例えば処理ユニット群G5,G6内の各処理ユニットの他に,露光処理ユニット34と後述する通路2dの加熱ユニット52,53にもアクセスでき,通路2c内,通路2b,2c間及び通路2c,2d間でのウェハWの搬送を行うことができる。
【0032】
ウェハ製造装置1の背面側であって,通路2cと通路2aを繋ぐ通路2dには,例えば3つの処理ユニット群G7〜G9と検査ユニット群Kが備えられている。これらの第7の処理ユニット群G7,検査ユニット群K,第8の処理ユニット群G8,第9の処理ユニット群G9は,通路2c側から順に配置されている。第7の処理ユニット群G7には,例えば図5に示すように冷却ユニット50,51と加熱ユニット52,53が下から順に4段に設けられている。
【0033】
検査ユニット群Kには,検査部としての線幅検査ユニット60,重なり検査ユニット61,欠陥検査ユニット62が下から順に設けられている。
【0034】
線幅検査ユニット60は,例えば現像線幅を検査するものであり,重なり検査ユニット61は,上層部のレジストパターンと下地パターンの重なり具合を検査するものである。また,欠陥検査ユニット62は,レジスト膜の表面の傷,現像斑,現像欠陥等を検査するものである。
【0035】
線幅検査ユニット60は,例えば図6に示すようにウェハWを水平に保持する保持部64と,三次元移動自在で,ウェハWを撮像するための撮像手段であるCCDカメラ65と,照明手段66と,CCDカメラ65で得られたデータを処理する処理部であるコンピュータ67とを備えている。そして,保持部64に保持されたウェハW表面をCCDカメラ65によって撮像し,当該撮像データをコンピュータ67により解析することによって検査が行われる。この検査結果や各種データは,後述する主制御装置80に出力できる。なお,重なり検査ユニット61,欠陥検査ユニット62の主な構成は,線幅検査ユニット60と同様であり,説明を省略する。
【0036】
第8の処理ユニット群G8には,図5に示すようにウェハWに形成された薄膜を選択的に食刻するエッチング処理部としてのエッチングユニット70が設けられている。このエッチングユニット70は,例えば平行平板プラズマ発生装置にてプラズマを発生させて所定のエッチングガスをプラズマ化し,これによりウェハWに所定のエッチング処理を行うことができる。
【0037】
第9の処理ユニット群G9には,ウェハW上に付着した不純物等を残渣洗浄する洗浄処理部としての残渣洗浄ユニット72と,ウェハW上に形成された薄膜を剥離洗浄するための洗浄処理部としての剥離洗浄ユニット73が下から順に2段に設けられている。
【0038】
通路2dには,図2に示すように通路2dに沿って搬送レール74上を移動する搬送装置75が備えられており,通路2d内の各処理ユニット及び検査ユニット60〜62間のウェハWの搬送を行うことができる。なお,搬送装置75は,搬送装置17と同様の機能を有し,Z方向に移動し,かつθ方向にも回転できる。なお,本実施の形態における搬送手段は,搬送装置17,35,46及び75で構成される。
【0039】
このウェハ製造装置1では,ウェハWの塗布処理,露光処理,現像処理,エッチング処理,洗浄処理等の一連のフォト・リソ処理を,ウェハWをダクト2に沿って順次各処理ユニットに搬送していくことにより行うことができる。
【0040】
上述した各処理ユニット群G1〜G9の各処理ユニット,検査ユニット群Kの各検査ユニット60〜62及び搬送装置17,35,46,75等は,主制御装置80によりその動作が制御されている。すなわち主制御装置80は,各処理ユニットにおけるユニットレシピやこのウェハ製造装置1全体の処理レシピ等を管理しており,当該ユニットレシピや処理レシピに応じて各処理ユニット,各検査ユニット,搬送装置17,35,46,75等を制御できる。
【0041】
また,主制御装置80には,線幅検査ユニット60,重なり検査ユニット61及び欠陥検査ユニット62による検査結果に基づいて,各処理ユニットの所定のパラメータを補正する補正プログラムが組み込まれている。ここで所定のパラメータとは,例えば加熱ユニット32,33,42,43,52,53及び冷却ユニット20,21,30,31,40,41,50,51の各熱処理ユニットにおける設定温度,塗布処理ユニット24,25におけるウェハWの回転速度,塗布処理温度,塗布液供給部であるノズル位置,露光処理ユニット34における露光強度,露光時間,露光焦点,露光合わせ位置,現像処理ユニット44,45における静止現像時間,エッチングユニット70におけるエッチング処理時間,エッチングガスの組成比等の処理条件である。そして,主制御装置80は,この補正プログラムを適宜実行させ,検査結果に基づいた各処理ユニットのフィードバック又はフィードフォワード制御を行い,各処理ユニットにおける処理の適正化を図ることができる。
【0042】
ダクト2上には,図1に示すようにダクト2内に所定の温度,湿度に調整された気体を供給する気体供給装置90が設けられている。気体供給装置90は,例えばダクト2内の気体を吸引する吸引管91と,ダクト2に供給する気体を調整し,当該気体を所定の圧力で圧送する本体92と,調整された気体をダクト2内に供給する供給管93と,本体91に新しい気体を補給する補給管94等で構成されている。
【0043】
本体92は,例えば気体内の不純物を除去するフィルタ機能,気体の温度,湿度を調節する温湿度調節機能を有している。供給管93は,例えばウェハ製造装置1の正面側のダクト側面であって,通路2cの延長線上に繋げられ,供給管93の噴出口は,ウェハ製造装置1の背面側に向けられている。したがって,供給管93から噴出された気体は,ダクト2内を反時計周りに流れる。吸引管91は,例えばウェハ製造装置1の正面側の外側面2eであって,通路2aの延長線上に繋げられており,例えばダクト2内を反時計回りで流れる気体を効率よく吸引できる。補給管94は,例えば工場側の気体供給装置(図示せず)に接続されている。かかる構成により,ダクト2内の気体を吸引管91から吸引し,本体92で清浄化し,温度,湿度を調節して,供給管93からダクト2内に戻すことができる。また,必要な場合には,新しい気体を補給管94から補給することができる。
【0044】
ダクト2内には,図1,図3〜5に示すように各通路2a〜2d毎にフィルタFが設けられている。このフィルタFによって,例えば気体供給装置90からダクト2内に供給された気体を清浄な状態で循環させることができる。なお,ダクト2内に,不純物を除去するフィルタを備えたファンを設けて,積極的に循環させてもよい。
【0045】
各通路2b,2c,2dの外側面2eには,それぞれメンテナンス用の扉Mが設けられている。メンテナンス用の扉Mは,通路2b〜2d内の各処理ユニット群に対応する位置に設けられている。これにより,例えば作業員がダクト2内の各処理ユニットのメンテナンスを行うことができる。なお,各扉Mは,閉鎖した時にダクト2の気密性が確保されるように,例えば図示しないシール部材を備えた構造になっている。
【0046】
また,各通路2b〜2dの内側面2f,すなわちメンテナンス部18側にもメンテナンス用の扉Mが設けられており,ダクト2の内側からも各処理ユニット,各搬送装置17,35,46,75等のメンテナンス作業を行うことができる。
【0047】
次に,以上のように構成されたウェハ製造装置1で行われる一連のフォト・リソ処理について説明する。図7は,このフォト・リソ処理のフローを示す。
【0048】
先ず,ダクト2内には,気体供給装置90から所定の気体,例えばエアが供給される。このときのエアは,例えば温度23℃,湿度45%に調節されている。ダクト2内では,例えば気体供給装置90の供給圧力により反時計周りのエアの流れが形成される。これにより,ダクト2内は,所定のエア雰囲気に維持される。一方,吸引管91からは,逐次ダクト2内の雰囲気が少しずつ吸引され,ダクト2内の雰囲気交換が行われている。また,ダクト2への供給圧力を排気圧力より高くし,外気に対してダクト2内を陽圧にして,外気のダクト2内への進入を防止する。
【0049】
ダクト2内が所定の雰囲気に維持された状態で,ウェハWの処理が開始される。先ず,シャッタSが開放され,搬入口13から複数の未処理のウェハWがカセットC1に収容された状態で搬入され,搬入ステージ11上に載置される。このダクト2内へのカセットC1の搬入は,例えばウェハ製造装置1の外部の搬送手段(図示しない)により行われる。カセットC1の搬入が終了すると,直ちにシャッタSが閉じられる。
【0050】
そして,搬送装置17によりカセットC1から一枚の未処理のウェハWが取り出され,第1の処理ユニット群G1のアドヒージョンユニット22に搬送される。アドヒージョンユニット22では,例えばウェハW上に蒸気状のHMDSが塗布され,後に塗布されるレジスト液とウェハWとの密着性が向上される。続いてウェハWは,搬送装置35によって冷却ユニット20に搬送され,所定温度に冷却される。冷却されたウェハWは,第2の処理ユニット群G2の,例えば塗布処理ユニット24に搬送され,ウェハW上にレジスト液が塗布される。この塗布処理では,レジスト液を供給されたウェハWが所定の回転速度で回転され,ウェハW上にレジスト膜が形成される。
【0051】
続いて,ウェハWは,搬送装置35によって第3の処理ユニット群G3の加熱ユニット32に搬送され,ここでプリベーキング処理される。その後,ウェハWは冷却ユニット30に搬送され冷却処理される。第3の処理ユニット群G3で冷却処理されたウェハWは,第4の処理ユニット群G4の露光処理ユニット34に搬送され,光線により所定の回路パターンが露光される。露光処理が終了すると,今度は搬送装置46によって第5の処理ユニット群G5の加熱ユニット42に搬送され,ポストエクスポージャーベーキング処理が行われる。その後ウェハWは,冷却ユニット40に搬送され,所定温度に冷却される。
【0052】
続いて,ウェハWは,搬送装置46によって第6の処理ユニット群G6の現像処理ユニット44に搬送される。ここで,ウェハWには,現像液が液盛りされ,ウェハWは,所定時間静止現像される。現像処理が終了すると,ウェハWは,搬送装置46によって第7の処理ユニット群G7の加熱ユニット50に搬送され,ポストベーキング処理された後,冷却ユニット52に搬送され冷却される。こうして冷却処理の終了したウェハWは,搬送装置75により隣の検査ユニット群Kに搬送され,各検査ユニット60〜62で所定の検査が行われる。
【0053】
各検査ユニット60〜62では,それぞれ線幅検査,重なり検査,欠陥検査の合否が判定される。そして,3つの検査で合格したウェハWは,搬送装置75により次の処理の行われる第8の処理装置群G8のエッチングユニット70に搬送される。一方,それ以外のウェハW,すなわち一つの検査でも不合格のあった不良ウェハWは,搬送装置75により第9の処理装置群G9の剥離洗浄ユニット73に搬送される。なお,この搬送装置75によるウェハWの選別搬送は,主制御装置80により制御されている。つまり主制御装置80は,ウェハWの検査結果に基づいて,当該ウェハWをエッチングユニット70に搬送するか,剥離洗浄ユニット73に搬送するかを選択している。
【0054】
前記不良ウェハWは,剥離洗浄ユニット73においてウェハW上のレジスト膜が剥がされ,洗浄される。これにより,不良ウェハWは,このフォト・リソ処理が行われる前の状態に戻される。そして,このウェハWは,例えば搬送装置17により,予め搬出ステージ12に載置されている空のカセットC3に一次的に収容される。そして,例えばこのロットの最後の未処理ウェハがカセットC1からアドヒージョンユニット22に搬送された後に,続けてカセットC3のウェハWが通路2aを通って第1の処理装置群G1のアドヒージョンユニット23に搬送される。こうして,一旦不良とされたウェハWに対して再度一連のフォト・リソ処理が施される。なお,搬入出部10にウェハWを収容できるバッファを別途設け,不良ウェハWをこのバッファに収容するようにしてもよい。
【0055】
また,不合格のウェハWがあった時,その検査結果が主制御装置80に出力され,補正プログラムが実行される。そして,検査結果に基づいて所定の処理ユニットの所定のパラメータが補正される。例えば線幅検査の検査データに基づいて現像処理ユニット44の静止現像時間や露光処理ユニット34の露光強度が補正される。また,重なり検査の検査データに基づいて露光処理ユニット34の露光合わせ位置が補正され,欠陥検査の検査データに基づいて塗布処理ユニット24のノズル位置,露光処理ユニット34の露光焦点が補正される。
【0056】
一方,全ての検査に合格し,エッチングユニット70に搬送されたウェハWは,当該エッチングユニット70において所定部分の食刻が行われる。その後,搬送装置75により第9の処理ユニット群G9の残渣洗浄ユニット72に搬送され,エッチング処理でウェハW上に付着した不純物が除去される。洗浄の終了したウェハWは,例えば搬送装置17により搬出ステージ12に予め待機していたカセットC4に収容される。そして,カセットC4に所定枚数のウェハが収容されると,搬出口14からカセット単位でウェハ製造装置1外に搬出され,一連のフォト・リソ処理が終了する。
【0057】
以上の実施の形態では,環状のダクト2内に各処理ユニットを設けたので,各処理ユニットにおける処理環境を厳密に制御することができる。また,ダクト2内から外部に漏れる気体が少ないので,ダクト2内の雰囲気を制御する際の気体の供給量を減らすことができ,これに伴って気体供給装置90等の電力消費量を削減できる。
【0058】
また,上記気体供給装置90により,ダクト2内の雰囲気を所定雰囲気に置換できる。ダクト2の通路2aの下部に出入り口19を設けたので,作業員がダクト2の内側からメンテナンスを行うことができる。ダクト2に設けられたメンテナンス用の扉Mにより,ダクト2内の各処理ユニットのメンテナンスを好適に行うことができる。また,搬送装置17,35,46及び75をダクト2内に設けたので,搬送時にウェハWをダクト2外に出す必要がなく,ダクト2内の雰囲気を維持しながらウェハWの搬送を行うことができる。
【0059】
ダクト2内に検査ユニット60〜61を備えたので,ウェハWをダクト2外に出すことなくウェハWの検査を行うことができる。また,処理中のウェハWの不良を迅速に検出することができる。検査結果に基づいて各処理ユニットの所定のパラメータを変更する主制御装置80により,各種処理の適正化が図られる。
【0060】
搬入ステージ11と搬出ステージ12との間でウェハWを搬送する搬送装置17を備えたので,検査不合格のウェハWを元の状態に戻した後,第1の処理装置群G1のアドヒージョンユニット22に搬送することができる。したがって,不合格のウェハWをダクト2外に出すことなく,当該ウェハWのフォト・リソ処理を再度やり直すことができる。このように,ウェハWをダクト2内において循環させることによって,一連の処理を繰り返し行うことができる。上述したように不合格のウェハWを洗浄し,元の状態に戻すようにしたので,そのウェハWに再度処理を施すことができ,不良品となって廃棄されるウェハの数を減らすことができる。
【0061】
なお,以上の実施の形態では,気体供給装置90における供給管93の噴出口の向きと供給圧によってダクト2内のエアを循環させていたが,より積極的に,処理時のウェハWの搬送方向と同じ方向にエアを循環できるようにしてもよい。図8は,かかる一例を示すものであり,気体供給装置100の供給管101と吸引管102とが,通路2aの外側壁に接続される。供給管101は,吸引管102より通路2b側に接続される。通路2a内であって,供給管101と吸引管102の接続部の間には,仕切板103が設けられ,通路2aの通路2b側と通路2d側とが仕切られる。この仕切板103には,ウェハWを通過させるための通過口104が設けられ,当該通過口104には,シャッタPが取り付けられる。そして,ウェハWの処理時には,供給管101から所定の供給圧力のエアがダクト2内に供給され,吸引管102からは,所定の吸引圧力でダクト2内の雰囲気を吸引する。この結果,ダクト2内に,処理時のウェハWの搬送経路に一致した半時計回りの循環気流が形成される。こうすることによって,各処理ユニットの処理環境を厳密に維持できる。
【0062】
以上の実施の形態で記載した搬送装置17,35,46及び75は,各通路2a〜2dに一台ずつ備えられていたが,例えば図9に示すように搬送装置105が隣り合う処理ユニット群G1〜G9及び検査ユニットK毎に備えられていてもよい。かかる場合,処理の終了したウェハWを直ちに次の処理ユニットに搬送できるので,処理のスループットを向上させることができる。また,図10に示すように各通路2a〜2dの搬送レール16,36,47,74が連結され,複数の通路2a〜2dに搬送装置17,35,46及び75が移動できるようにしてもよい。かかる場合,隣り合う通路間の基板の搬送をスムースに行うことができる。なお,ダクト2の内側壁の内側に全ての処理ユニット及び検査ユニットにアクセスできる搬送装置を設け,その搬送装置で各処理ユニット及び検査ユニット間のウェハWの搬送を行うようにしてもよい。なお,上述の搬送装置の数は,処理ユニットの数等によって任意に変更できる。
【0063】
以上の実施の形態では,ウェハWを収容するカセットCを載置する搬入ステージ11と搬出ステージ12をダクト2内に設けていたが,例えば搬入ステージと搬出ステージをダクト2外に設け,ダクト2内の搬送装置17がダクト2外のカセットに直接アクセスし,ウェハWの搬入出を行うようにしてもよい。
【0064】
図11は,かかる一例を示すものであり,ウェハ製造装置105には,搬入ステージ110と搬出ステージ111とがダクト2の通路2aの外側に隣接して設けられている。この搬入ステージ110と搬出ステージ111に載置されるカセットD1,D2,D3,D4は,例えば図12に示すように筐体112が略六面体状に形成され,側面の一面112aに上下動自在又は取り外し可能なドア113を有している。筐体112内には,複数の支持具114が取り付けられており,複数のウェハWが水平に収容できるようになっている。
【0065】
ダクト2における通路2aの外側面2eには,図11に示すようにカセットD1,D2内のウェハWをダクト2内に搬入するための複数の搬入口115と,ダクト2からカセットD3,D4内にウェハWを搬出するための複数の搬出口116とが設けられている。この搬入口115と搬出口116は,前記筐体112の一面112aに適合する形状に形成されている。すなわち,前記一面112aを搬入口115又は搬出口116に合致させた際には,当該搬入口115や搬出口116がカセットD1,D2,D3,D4により塞がれ,ダクト2内の雰囲気が搬入口115や搬出口116から漏れないようになっている。
【0066】
カセットD1,D2,D3,D4は,ドア113を,搬入口115又は搬出口116に接着した状態で搬入ステージ110又は搬出ステージ111に載置できる。また,搬入口115と搬出口116には,シャッタSが設けられており,所定のタイミングで搬入口115と搬出口116を開閉できる。一方,通路2aには,ウェハWを収容できる待機部としてのバッファBが備えられており,このバッファBには,例えば搬送装置17がアクセスできる。
【0067】
そして,フォト・リソ処理が行われる際には,例えば未処理のウェハWを収容したカセットD1が搬入ステージ110に載置され,カセットD1のドア113がダクト2のシャッタSに密着される。その後シャッタSとドア113が開放され,搬送装置17によりカセットD1内のウェハWがダクト2内に搬入される。ダクト2内に搬入されたウェハWは,上述した実施の形態と同様にダクト2に沿って反時計回りに順次各処理ユニットに搬送され,処理される。そして,最後の洗浄処理が終了すると,予め搬出ステージ111に載置されているカセットD4のドア113とシャッタSが開放され,搬送装置17により当該カセットD4内にウェハWが収容される。ウェハWの収容が終了すると,ドア113とシャッタSが閉じられ,その後当該カセットD4が図示しない搬送装置によりウェハ製造装置105外に搬送される。
【0068】
一方,処理中の検査で不合格になったウェハWは,剥離洗浄された後,一旦バッファBに収容される。そして,例えば上述した実施の形態同様に同じロットの最後のウェハに続いて,搬送装置17により第1の処理ユニット群G1に搬送され,再度一連の処理が施される。
【0069】
この一例では,ダクト2内に各処理ユニット等が備えられており,各処理ユニットにおけるウェハWの処理環境を厳密に制御することができる。また,ウェハWの搬入出の際にダクト2内の雰囲気が外部に漏れることがないので,ダクト2内の処理環境を厳格に制御できる。また,バッファBを備えたので,検査不合格のウェハWを待機させ,所定のタイミングで処理のやり直しを行うことができる。なお,シャッタSがカセットD1〜D4のドア113を保持し,カセットD1〜D4の一面112aを開閉すると共に,搬入口115又は搬出口116も開閉するようにしてもよい。
【0070】
ウェハ製造装置1に搭載する処理ユニットの種類,数は,本実施の形態のものに限られず,任意に変更できる。また,本発明は,ウェハW以外の基板例えばLCD基板,マスク基板,レクチル基板等の処理装置にも適用できる。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば,適切な処理環境を維持するための消費電力等を削減できるので,ランニングコストを低減できる。また,高精度な雰囲気制御が実現でき,歩留まりも向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかるウェハ製造装置の斜視図である。
【図2】図1のウェハ製造装置の構成の概略を示す平面図である。
【図3】通路2bの縦断面の説明図である。
【図4】通路2cの縦断面の説明図である。
【図5】通路2dの縦断面の説明図である。
【図6】検査ユニットの構成の概略を示す説明図である。
【図7】フォト・リソ処理のフロー図である。
【図8】気体供給装置の他の配置例を示すウェハ製造装置の斜視図である。
【図9】搬送装置の他の配置例を示すウェハ製造装置の平面図である。
【図10】搬送レールを連結した場合のウェハ製造装置の平面図である。
【図11】ウェハ製造装置の他の構成例を示す平面図である。
【図12】カセットの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ウェハ製造装置
2 ダクト
2a〜2d 通路
11 搬入ステージ
12 搬出ステージ
17,35,46,75 搬送装置
90 気体供給装置
G1〜G9 処理ユニット群
K 検査ユニット群
W ウェハ
Claims (14)
- 基板に対して複数の処理を行う処理装置であって,
所定の雰囲気に維持可能で,かつ当該雰囲気が循環可能な閉鎖通路を備え,
当該閉鎖通路内には,この処理装置に搬入された基板を載置する搬入載置部と,基板に対して塗布液を塗布して塗布処理を行う塗布処理部と,基板に対して露光処理を行う露光処理部と,基板に対して現像処理を行う現像処理部と,基板に対してエッチング処理を行うエッチング処理部と,基板に対して洗浄処理を行う洗浄処理部と,この処理装置から搬出される基板を載置する搬出載置部と,がこの順番に,当該閉鎖通路に沿って配置され,
さらに,前記搬入載置部の基板を,前記各処理部に前記順番で搬送し前記搬出載置部に戻すことのできる搬送手段を備え,
前記閉鎖通路は,平面から見て略環状に形成されており,作業員が前記略環状の閉鎖通路の内側に出入りするための出入り口を備え,
前記閉鎖通路の内側の側壁には,閉鎖通路内の前記処理部又は/及び前記搬送手段のメンテナンスを行うための扉が設けられていることを特徴とする,処理装置。 - 前記搬送手段は,前記搬入載置部と搬出載置部との間で基板を搬送できることを特徴とする,請求項1に記載の処理装置。
- 前記閉鎖通路内に所定の気体を供給する気体供給装置を備えることを特徴とする,請求項1又は2のいずれかに記載の処理装置。
- 基板に対して複数の処理を行う処理装置であって,
所定の雰囲気に維持可能で,かつ当該雰囲気が循環可能な閉鎖通路を備え,
当該閉鎖通路内には,この処理装置に搬入された基板を載置する搬入載置部と,基板に対して塗布液を塗布して塗布処理を行う塗布処理部と,基板に対して露光処理を行う露光処理部と,基板に対して現像処理を行う現像処理部と,基板に対してエッチング処理を行うエッチング処理部と,基板に対して洗浄処理を行う洗浄処理部と,この処理装置から搬出される基板を載置する搬出載置部と,がこの順番に,当該閉鎖通路に沿って配置され,
さらに,前記搬入載置部の基板を,前記各処理部に前記順番で搬送し前記搬出載置部に戻すことのできる搬送手段を備え,
前記閉鎖通路は,平面から見て略環状に形成されており,
前記閉鎖通路内の搬入載置部と搬出載置部との間には,仕切板が設けられ,
前記閉鎖通路内の仕切板の搬入載置部側には,前記閉鎖通路内に所定の気体を供給する供給管が接続され,
前記閉鎖通路内の仕切板の搬出載置部側には,前記閉鎖通路内の気体を吸引する吸引管が接続されていることを特徴とする,処理装置。 - 前記仕切板には,基板を通過させるための通過口が設けられ,
前記搬送手段は,前記搬入載置部と搬出載置部との間で基板を搬送できることを特徴とする,請求項4に記載の処理装置。 - 作業員が前記略環状の閉鎖通路の内側に出入りするための出入り口を備えていることを特徴とする,請求項4又は5のいずれかに記載の処理装置。
- 前記閉鎖通路には,閉鎖通路内の前記処理部又は/及び前記搬送手段のメンテナンスを行うための扉が設けられていることを特徴とする,請求項4〜6のいずれかに記載の処理装置。
- 前記閉鎖通路内に基板を搬入するための搬入口と,前記閉鎖通路内から基板を搬出するための搬出口を備え,
前記搬出口と搬入口には,シャッタが設けられていることを特徴とする,請求項1〜7のいずれかに記載の処理装置。 - 前記閉鎖通路内には,前記洗浄処理の終了した基板を待機させる待機部が備えられ,
前記搬送手段は,前記待機部の基板を前記各処理部に前記順番で搬送できることを特徴とする,請求項1〜8のいずれかに記載の処理装置。 - 前記搬送手段は,前記閉鎖通路内に備えられていることを特徴とす る,請求項1〜9のいずれかに記載の処理装置。
- 前記閉鎖通路内には,基板に対して所定の検査を行う検査部が備えられていることを特徴とする,請求項1〜9のいずれかに記載の処理装置。
- 前記検査部は,前記現像処理部と前記エッチング処理部との間に配置されることを特徴とする,請求項11に記載の処理装置。
- 前記検査部は,前記エッチング処理が行われる前の基板を検査できるものであり,
この処理装置は,当該検査部の検査結果に基づいて,当該検査された基板を前記エッチング処理部に搬送するか,若しくは前記洗浄処理部に搬送するかを選択する制御装置を備えたことを特徴とする,請求項11又は12のいずれかに記載の処理装置。 - 前記検査部の検査結果に基づいて,前記各処理部の処理条件を変更する制御装置を備えたことを特徴とする,請求項11〜13のいずれかに記載の処理装置。
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