以下、本発明の実施の形態に係る基板処理装置について図面を用いて説明する。以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等をいう。
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。なお、図1ならびに後述する図2〜図4には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。なお、各方向において矢印が向かう方向を+方向、その反対の方向を−方向とする。また、Z方向を中心とする回転方向をθ方向としている。
図1に示すように、基板処理装置500は、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14およびインターフェースブロック15を含む。また、インターフェースブロック15に隣接するように露光装置16が配置される。露光装置16においては、液浸法により基板Wに露光処理が行われる。
以下、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14およびインターフェースブロック15の各々を処理ブロックと呼ぶ。
インデクサブロック9は、各処理ブロックの動作を制御するメインコントローラ(制御部)30、警報装置30b、複数のキャリア載置台40およびインデクサロボットIRを含む。インデクサロボットIRには、基板Wを受け渡すためのハンドIRHが設けられる。
反射防止膜用処理ブロック10は、反射防止膜用熱処理部100,101、反射防止膜用塗布処理部50および第1のセンターロボットCR1を含む。反射防止膜用塗布処理部50は、第1のセンターロボットCR1を挟んで反射防止膜用熱処理部100,101に対向して設けられる。第1のセンターロボットCR1には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH1,CRH2が上下に設けられる。
インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間には、雰囲気遮断用の隔壁17が設けられる。この隔壁17には、インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS1,PASS2が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS1は、基板Wをインデクサブロック9から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS2は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からインデクサブロック9へ搬送する際に用いられる。
また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示せず)が設けられている。それにより、基板載置部PASS1,PASS2において基板Wが載置されているか否かの判定を行うことが可能となる。また、基板載置部PASS1,PASS2には、固定設置された複数本の支持ピンが設けられている。なお、上記の光学式のセンサおよび支持ピンは、後述する基板載置部PASS3〜PASS13にも同様に設けられる。
レジスト膜用処理ブロック11は、レジスト膜用熱処理部110,111、レジスト膜用塗布処理部60および第2のセンターロボットCR2を含む。レジスト膜用塗布処理部60は、第2のセンターロボットCR2を挟んでレジスト膜用熱処理部110,111に対向して設けられる。第2のセンターロボットCR2には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH3,CRH4が上下に設けられる。
反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間には、雰囲気遮断用の隔壁18が設けられる。この隔壁18には、反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS3,PASS4が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS3は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS4は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられる。
現像処理ブロック12は、現像用熱処理部120,121、現像処理部70および第3のセンターロボットCR3を含む。現像処理部70は、第3のセンターロボットCR3を挟んで現像用熱処理部120,121に対向して設けられる。第3のセンターロボットCR3には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH5,CRH6が上下に設けられる。
レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間には、雰囲気遮断用の隔壁19が設けられる。この隔壁19には、レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS5,PASS6が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS5は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から現像処理ブロック12へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS6は、基板Wを現像処理ブロック12からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられる。
レジストカバー膜用処理ブロック13は、レジストカバー膜用熱処理部130,131、レジストカバー膜用塗布処理部80および第4のセンターロボットCR4を含む。レジストカバー膜用塗布処理部80は、第4のセンターロボットCR4を挟んでレジストカバー膜用熱処理部130,131に対向して設けられる。第4のセンターロボットCR4には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH7,CRH8が上下に設けられる。
現像処理ブロック12とレジストカバー膜用処理ブロック13との間には、雰囲気遮断用の隔壁20が設けられる。この隔壁20には、現像処理ブロック12とレジストカバー膜用処理ブロック13との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS7は、基板Wを現像処理ブロック12からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS8は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13から現像処理ブロック12へ搬送する際に用いられる。
レジストカバー膜除去ブロック14は、露光後ベーク用熱処理部140,141、レジストカバー膜除去用処理部90および第5のセンターロボットCR5を含む。露光後ベーク用熱処理部141はインターフェースブロック15に隣接し、後述するように、基板載置部PASS11,PASS12を備える。レジストカバー膜除去用処理部90は、第5のセンターロボットCR5を挟んで露光後ベーク用熱処理部140,141に対向して設けられる。第5のセンターロボットCR5には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH9,CRH10が上下に設けられる。
レジストカバー膜用処理ブロック13とレジストカバー膜除去ブロック14との間には、雰囲気遮断用の隔壁21が設けられる。この隔壁21には、レジストカバー膜用処理ブロック13とレジストカバー膜除去ブロック14との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS9,PASS10が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS9は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13からレジストカバー膜除去ブロック14へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS10は、基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に用いられる。
インターフェースブロック15は、第1の検査ユニットEE1、送りバッファ部SBF、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1、第6のセンターロボットCR6、エッジ露光部EEW、第2の検査ユニットEE2、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットPASS−CP(以下、P−CPと略記する)、基板載置部PASS13、インターフェース用搬送機構IFRおよび第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2を含む。
なお、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1は、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理を行い、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2は、露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理を行う。また、第1の検査ユニットEE1は、露光処理前の基板Wの状態の検査を行い、第2の検査ユニットEE2は、露光処理後の基板Wの状態の検査を行う。第1および第2の検査ユニットEE1,EE2の詳細については後述する。
また、第6のセンターロボットCR6には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH11,CRH12(図4参照)が上下に設けられ、インターフェース用搬送機構IFRには、基板Wを受け渡すためのハンドH1,H2(図4参照)が上下に設けられる。インターフェースブロック15の詳細については後述する。
本実施の形態に係る基板処理装置500においては、Y方向に沿ってインデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14およびインターフェースブロック15が順に並設されている。
図2は、図1の基板処理装置500を+X方向から見た概略側面図であり、図3は、図1の基板処理装置500を−X方向から見た概略側面図である。なお、図2においては、基板処理装置500の+X側に設けられるものを主に示し、図3においては、基板処理装置500の−X側に設けられるものを主に示している。
まず、図2を用いて、基板処理装置500の+X側の構成について説明する。図2に示すように、反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用塗布処理部50(図1参照)には、3個の塗布ユニットBARCが上下に積層配置されている。各塗布ユニットBARCは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック51およびスピンチャック51上に保持された基板Wに反射防止膜の塗布液を供給する供給ノズル52を備える。
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用塗布処理部60(図1参照)には、3個の塗布ユニットRESが上下に積層配置されている。各塗布ユニットRESは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック61およびスピンチャック61上に保持された基板Wにレジスト膜の塗布液を供給する供給ノズル62を備える。
現像処理ブロック12の現像処理部70には、5個の現像処理ユニットDEVが上下に積層配置されている。各現像処理ユニットDEVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック71およびスピンチャック71上に保持された基板Wに現像液を供給する供給ノズル72を備える。
レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用塗布処理部80には、3個の塗布ユニットCOVが上下に積層配置されている。各塗布ユニットCOVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック81およびスピンチャック81上に保持された基板Wにレジストカバー膜の塗布液を供給する供給ノズル82を備える。レジストカバー膜の塗布液としては、レジストおよび水との親和力が低い材料(レジストおよび水との反応性が低い材料)を用いることができる。例えば、フッ素樹脂である。塗布ユニットCOVは、基板Wを回転させながら基板W上に塗布液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジスト膜上にレジストカバー膜を形成する。
レジストカバー膜除去ブロック14のレジストカバー膜除去用処理部90には、3個の除去ユニットREMが上下に積層配置されている。各除去ユニットREMは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック91およびスピンチャック91上に保持された基板Wに剥離液(例えばフッ素樹脂)を供給する供給ノズル92を備える。除去ユニットREMは、基板Wを回転させながら基板W上に剥離液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジストカバー膜を除去する。
なお、除去ユニットREMにおけるレジストカバー膜の除去方法は上記の例に限定されない。例えば、基板Wの上方においてスリットノズルを移動させつつ基板W上に剥離液を供給することによりレジストカバー膜を除去してもよい。
インターフェースブロック15内の+X側には、エッジ露光部EEWおよび3個の第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2が上下に積層配置される。各エッジ露光部EEWは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック98およびスピンチャック98上に保持された基板Wの周縁を露光する光照射器99を備える。
次に、図3を用いて、基板処理装置500の−X側の構成について説明する。図3に示すように、反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用熱処理部100,101には、2個の加熱ユニット(ホットプレート)HPおよび2個の冷却ユニット(クーリングプレート)CPがそれぞれ積層配置される。また、反射防止膜用熱処理部100,101には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用熱処理部110,111には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、レジスト膜用熱処理部110,111には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
現像処理ブロック12の現像用熱処理部120,121には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、現像用熱処理部120,121には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用熱処理部130,131には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、レジストカバー膜用熱処理部130,131には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
レジストカバー膜除去ブロック14の露光後ベーク用熱処理部140には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置され、露光後ベーク用熱処理部141には2個の加熱ユニットHP、2個の冷却ユニットCPおよび基板載置部PASS11,PASS12が上下に積層配置される。また、露光後ベーク用熱処理部140,141には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
次に、図4を用いてインターフェースブロック15について詳細に説明する。
図4は、インターフェースブロック15を+Y側から見た概略側面図である。図4に示すように、インターフェースブロック15内において、−X側には、第1の検査ユニットEE1、送りバッファ部SBFおよび3個の第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1が積層配置される。また、インターフェースブロック15内において、+X側の上部には、エッジ露光部EEWが配置される。
エッジ露光部EEWの下方において、インターフェースブロック15内の略中央部には、第2の検査ユニットEE2、戻りバッファ部RBF、2個の載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS13が上下に積層配置される。エッジ露光部EEWの下方において、インターフェースブロック15内の+X側には、3個の第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2が上下に積層配置される。
また、インターフェースブロック15内の下部には、第6のセンターロボットCR6およびインターフェース用搬送機構IFRが設けられている。第6のセンターロボットCR6は、第1の検査ユニットEE1、送りバッファ部SBFおよび第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1と、エッジ露光部EEW、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS13との間で上下動可能かつ回動可能に設けられている。インターフェース用搬送機構IFRは、第2の検査ユニットEE2、載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS13と、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2との間で上下動可能かつ回動可能に設けられている。
なお、上記の塗布ユニットBARC,RES、COV、現像処理ユニットDEV、除去ユニットREM、加熱ユニットHP、冷却ユニットCP、載置兼冷却ユニットP−CP、第1および第2の検査ユニットEE1,EE2、第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2の個数は、各処理ブロックの処理速度に合わせて適宜変更してもよい。
(2)基板処理装置の動作
次に、本実施の形態に係る基板処理装置500の動作について図1〜図4を参照しながら説明する。
(2−1)インデクサブロック〜レジストカバー膜除去ブロックの動作
まず、インデクサブロック9〜レジストカバー膜除去ブロック14の動作について簡単に説明する。
インデクサブロック9のキャリア載置台40の上には、複数枚の基板Wを多段に収納するキャリアCが搬入される。インデクサロボットIRは、ハンドIRHを用いてキャリアC内に収納された未処理の基板Wを取り出す。その後、インデクサロボットIRは±X方向に移動しつつ±θ方向に回転移動し、未処理の基板Wを基板載置部PASS1に載置する。
本実施の形態においては、キャリアCとしてFOUP(front opening unified pod)を採用しているが、これに限定されず、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)等を用いてもよい。
さらに、インデクサロボットIR、第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6およびインターフェース用搬送機構IFRには、それぞれ基板Wに対して直線的にスライドさせてハンドの進退動作を行う直動型搬送ロボットを用いているが、これに限定されず、関節を動かすことにより直線的にハンドの進退動作を行う多関節型搬送ロボットを用いてもよい。
基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wは、反射防止膜用処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により受け取られる。第1のセンターロボットCR1は、その基板Wを反射防止膜用熱処理部100,101に搬入する。
その後、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用熱処理部100,101から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用塗布処理部50に搬入する。この反射防止膜用塗布処理部50では、露光時に発生する低在波やハレーションを減少させるために、塗布ユニットBARCにより基板W上に反射防止膜が塗布形成される。
次に、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用塗布処理部50から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用熱処理部100,101に搬入する。その後、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用熱処理部100,101から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS3に載置する。
基板載置部PASS3に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により受け取られる。第2のセンターロボットCR2は、その基板Wをレジスト膜用熱処理部110,111に搬入する。
その後、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用塗布処理部60に搬入する。このレジスト膜用塗布処理部60では、塗布ユニットRESにより反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジスト膜が塗布形成される。
次に、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用塗布処理部60から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用熱処理部110,111に搬入する。レジスト膜用熱処理部110,111において、レジスト膜の加熱処理および冷却処理が順に行われる。その後、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS5に載置する。
基板載置部PASS5に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wを基板載置部PASS7に載置する。
基板載置部PASS7に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック13の第4のセンターロボットCR4により受け取られる。第4のセンターロボットCR4は、その基板Wをレジストカバー膜用塗布処理部80に搬入する。このレジストカバー膜用塗布処理部80では、塗布ユニットCOVによりレジスト膜が塗布形成された基板W上にレジストカバー膜が塗布形成される。
次に、第4のセンターロボットCR4は、レジストカバー膜用塗布処理部80から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジストカバー膜用熱処理部130,131に搬入する。レジストカバー膜用熱処理部130,131において、レジストカバー膜の加熱処理および冷却処理が順に行われる。その後、第4のセンターロボットCR4は、レジストカバー膜用熱処理部130,131から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS9に載置する。
基板載置部PASS9に載置された基板Wは、レジストカバー膜除去ブロック14の第5のセンターロボットCR5により受け取られる。第5のセンターロボットCR5は、その基板Wを基板載置部PASS11に載置する。
基板載置部PASS11に載置された基板Wは、インターフェースブロック15の第6のセンターロボットCR6により受け取られ、後述するように、インターフェースブロック15および露光装置16において所定の処理が施される。インターフェースブロック15および露光装置16において基板Wに所定の処理が施された後、その基板Wは、第6のセンターロボットCR6によりレジストカバー膜除去ブロック14の露光後ベーク用熱処理部141に搬入される。
露光後ベーク用熱処理部141においては、基板Wに対して露光後ベーク(PEB)が行われる。その後、第6のセンターロボットCR6は、露光後ベーク用熱処理部141から基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS12に載置する。
なお、本実施の形態においては露光後ベーク用熱処理部141により露光後ベークを行っているが、露光後ベーク用熱処理部140により露光後ベークを行ってもよい。
基板載置部PASS12に載置された基板Wは、レジストカバー膜除去ブロック14の第5のセンターロボットCR5により受け取られる。第5のセンターロボットCR5は、その基板Wをレジストカバー膜除去用処理部90に搬入する。レジストカバー膜除去用処理部90においては、除去ユニットREMにより基板W上のレジストカバー膜が除去される。
次に、第5のセンターロボットCR5は、レジストカバー膜除去用処理部90から処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS10に載置する。
基板載置部PASS10に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック13の第4のセンターロボットCR4により基板載置部PASS8に載置される。
基板載置部PASS8に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wを現像処理部70に搬入する。現像処理部70においては、露光された基板Wに対して現像処理が施される。
次に、第3のセンターロボットCR3は、現像処理部70から現像処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを現像用熱処理部120,121に搬入する。その後、第3のセンターロボットCR3は、現像用熱処理部120,121から熱処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS6に載置する。
基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により基板載置部PASS4に載置される。基板載置部PASS4に載置された基板Wは反射防止膜用処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により基板載置部PASS2に載置される。
基板載置部PASS2に載置された基板Wは、インデクサブロック9のインデクサロボットIRによりキャリアC内に収納される。これにより、基板処理装置500における基板Wの各処理が終了する。
(2−2)インターフェースブロックの動作
次に、インターフェースブロック15の動作について詳細に説明する。
上述したように、インデクサブロック9に搬入された基板Wは、所定の処理を施された後、レジストカバー膜除去ブロック14(図1)の基板載置部PASS11に載置される。
基板載置部PASS11に載置された基板Wは、インターフェースブロック15の第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wをエッジ露光部EEW(図4)に搬入する。このエッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部に露光処理が施される。
次に、第6のセンターロボットCR6は、エッジ露光部EEWからエッジ露光済みの基板Wを取り出し、その基板Wを第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1のいずれかに搬入する。第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1においては、上述したように露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
次に、第6のセンターロボットCR6は、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1から洗浄および乾燥処理済みの基板を取り出し、その基板Wを第1の検査ユニットEE1に搬入する。第1の検査ユニットEE1においては、上述したように露光処理前の基板Wの状態が検査される。第1の検査ユニットEE1における具体的な検査内容については後述する。
ここで、第1および第2の検査ユニットEE1,EE2における検査結果は、メインコントローラ30に与えられる。メインコントローラ30は、その検査結果に基づいて基板Wの状態が正常か否かを判定するとともに、正常な基板Wと異常がある基板Wとでそれぞれ異なる処理が施されるように各処理ブロックを制御する。
第1の検査ユニットEE1における検査で異常があった基板Wは、その後の処理が行われることなく回収される。具体的には、異常があった基板Wは、第6のセンターロボットCR6によってベベル部検査ユニットEEから取り出された後、送りバッファ部SBFに搬入される。そして、1ロットの基板Wの処理の終了後に、作業者によって送りバッファ部SBFの基板Wが回収され、廃棄またはリワーク(再処理)等の処置が別途施される。なお、異常がある基板Wを収納するためのバッファ部を送りバッファ部SBFとは別に設けてもよい。
また、異常があった基板Wが、第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6によってインデクサブロック9に戻され、インデクサロボットIRによってキャリアC(図1)に回収されてもよい。
以下、正常な基板Wに対するインターフェースブロック15の動作を説明する。
正常な基板Wは、第6のセンターロボットCR6によって第1の検査ユニットEE1から取り出された後、載置兼冷却ユニットP−CPに搬入される。載置兼冷却ユニットP−CPに搬入された基板Wは、露光装置16内と同じ温度(例えば、23℃)に維持される。
続いて、載置兼冷却ユニットP−CPで上記所定温度に維持された基板Wが、インターフェース用搬送機構IFRの上側のハンドH1(図4)により受け取られ、露光装置16内の基板搬入部16a(図1)に搬入される。
なお、露光装置16による露光処理の時間は、通常、他の処理工程および搬送工程よりも長い。その結果、露光装置16が後の基板Wの受け入れをできない場合が多い。この場合、基板Wは送りバッファ部SBFに一時的に収納保管される。本実施の形態では、第6のセンターロボットCR6が、第1の検査ユニットEE1から取り出した基板Wを送りバッファ部SBFに搬送する。
露光装置16において露光処理が施された基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRの下側のハンドH2(図4)により基板搬出部16b(図1)から搬出される。インターフェース用搬送機構IFRは、ハンドH2により、その基板Wを第2の検査ユニットEE2に搬入する。第2の検査ユニットEE2においては、上述したように露光処理後の基板Wの状態の検査が行われる。第2の検査ユニットEE2における具体的な検査内容については後述する。
第2の検査ユニットEE2における検査で基板Wに異常があった場合、警報装置30bにより作業者に警報が発せられる。警報装置30bは、例えばブザーまたはランプを含む。
露光装置16には正常な基板Wのみが搬入されるので、露光処理後の基板Wに異常があった場合、露光装置16内において基板Wに異常が発生したと考えられる。作業者は、警報装置30bにより警報が発せられると、基板処理装置500および露光装置16の動作を停止させ、露光装置16のメンテナンスを行う。
なお、第2の検査ユニットEE2において基板Wが正常であると判定された場合でも、第2の検査ユニットEE2における検査結果が第1の検査ユニットEE1における検査結果に比べて悪化していれば、上記同様に警報装置30bによる警報が発せられてもよい。
第2の検査ユニットEE2における検査で異常があった基板Wは、その後の処理が行われることなく回収される。具体的には、異常があった基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRによって第2の検査ユニットEE2から取り出された後、基板載置部PASS13に載置される。そして、第6のセンターロボットCR6がその基板Wを基板載置部PASS13から取り出し、戻りバッファ部RBFに搬入する。1ロットの基板Wの処理の終了後に、作業者によって戻りバッファ部RBFの基板Wが回収され、廃棄またはリワーク(再処理)等の処置が別途施される。なお、異常があった基板Wを収納するためのバッファ部を戻りバッファ部RBFとは別に設けてもよい。
また、異常があった基板が、インターフェース用搬送機構IFRおよび第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6によってインデクサブロック9に戻され、インデクサロボットIRによってキャリアC(図1)に回収されてもよい。
第2の検査ユニットEE2における検査で正常であった基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH2によって第2の検査ユニットEE2から取り出された後、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2のいずれかに搬入される。第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2においては、上述したように露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2において洗浄および乾燥処理が施された基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1(図4)により取り出される。インターフェース用搬送機構IFRは、ハンドH1により、その基板Wを基板載置部PASS13に載置する。
基板載置部PASS13に載置された基板Wは、第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14(図1)の露光後ベーク用熱処理部141に搬送する。
なお、除去ユニットREM(図2)の故障等により、レジストカバー膜除去ブロック14が一時的に基板Wの受け入れをできないときは、戻りバッファ部RBFに露光処理後の基板Wを一時的に収納保管することができる。
(3)検査ユニット
図5は、第1および第2の検査ユニットEE1,EE2により検査される基板Wの模式的断面図である。図6は、第1の検査ユニットEE1の構成を示す模式的側面図である。
(3−1)基板
まず、第1および第2の検査ユニットEE1,EE2による検査時の基板Wの状態について説明する。図5に示すように、基板Wは、平坦な表面および裏面を有するとともに、その外周部にベベル部BEを有する。ベベル部BEは、基板Wの表面に連続的につながるように傾斜する上ベベル領域BE1および基板Wの裏面に連続的につながるように傾斜する下ベベル領域BE2を含む。
第1および第2の検査ユニットEE1,EE2での検査時には、基板Wの表面に、反射防止膜F1、レジスト膜F2およびレジストカバー膜F3が重ねて形成されている。図5の例では、基板Wの表面上において、反射防止膜F1を覆うようにレジスト膜F2が形成され、レジスト膜F2を覆うようにレジストカバー膜F3が形成されている。
なお、膜F1〜F3の形成状態はこれに限定されず、例えばレジスト膜F2が反射防止膜F1の周縁部を除く領域上に形成されてもよく、または、膜F1〜F3が上ベベル領域BE1上まで広がるように形成されてもよい。
(3−2)検査ユニットの構成
次に、第1の検査ユニットEE1,EE2の構成について説明する。なお、第2の検査ユニットEE2は、図6に示す第1の検査ユニットEE1と同様の構成を有する。
図6に示すように、第1の検査ユニットEE1には、基板Wを水平に保持するとともに、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック521が設けられる。
スピンチャック521は、チャック回転駆動機構522によって回転される回転軸523の上端に固定されている。また、スピンチャック521には吸気路(図示せず)が形成されており、スピンチャック521上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの裏面をスピンチャック521に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。
スピンチャック521の上方には、マクロ検査カメラ531が配置されている。マクロ検査カメラ531は、基板W上のレジストカバー膜F1の全体を撮像する。マクロ検査カメラ531により得られた画像データID1は、メインコントローラ30に与えられる。
スピンチャック521により保持される基板Wのベベル部BE近傍には、ベベル検査カメラ532a,532bが配置されている。ベベル検査カメラ532aは、基板Wの上ベベル領域BE1(図5)を撮像し、ベベル検査カメラ532bは、基板の下ベベル領域BE2(図5)を撮像する。
スピンチャック521によって基板Wを回転させることにより、基板Wの上ベベル領域BE1および下ベベル領域BE2の全体を撮像することができる。ベベル検査カメラ532aにより得られた画像データID2およびベベル検査カメラ532bにより得られた画像データID3は、メインコントローラ30に与えられる。
なお、図6の例では基板Wの上ベベル領域BE1と下ベベル領域BE2とが別個のベベル検査カメラ532a,532bにより撮像されるが、共通のベベル検査カメラによって基板Wの上ベベル領域BE1および下ベベル領域BE2が撮像されてもよい。
スピンチャック521により保持される基板Wの表面に近接するように、膜質検査器533が配置されている。膜質検査器533は、例えば分光光度計を含み、基板W上のレジストカバー膜F3に種々の波長の光を照射し、その反射光に基づいてレジストカバー膜の成分を分析する。
スピンチャック521によって基板Wを回転させることにより、レジストカバー膜F3の複数の部分において、成分分析を行うことができる。膜質検査器533により得られた成分データCDは、メインコントローラ30に与えられる。
スピンチャック521により保持される基板Wの側方には、接触角測定器534が配置されている。接触角測定器534は、レジストカバー膜F3上における液体の接触角を測定する。この場合、図示しない液体供給部によって基板W上に液体(例えば純水)が滴下され、その液体の接触角が測定される。膜質検査器533により得られた接触角データADは、メインコントローラ30に与えられる。
スピンチャック521により保持される基板Wの中心部上方と周縁部上方との間で移動可能に膜厚測定器535が配置されている。膜厚測定器535は、基板Wの中心部上方と周縁部上方との間で移動しつつ、基板W上のレジストカバー膜F3の膜厚を連続的に測定し、その測定結果を膜厚データCTとしてメインコントローラ30に与える。
なお、マクロ検査カメラ531による撮像時には、マクロ検査カメラ531が基板Wの表面の全体を撮像することができるように膜質検査器533、接触角測定器534および膜厚測定器535が基板Wの外方に移動する。
(3−3)基板状態判定処理
メインコントローラ30は、与えられた画像データID1〜ID3、成分データCD、接触角データADおよび膜厚データCTに基づいて基板状態判定処理を行う。これにより、メインコントローラ30は、基板Wの状態が正常であるか否かを判定する。
図7は、メインコントローラ30による基板状態判定処理のフローチャートである。
図7に示すように、メインコントローラ30は、まず、マクロ検査カメラ531からの画像データID1に基づいて、基板W上のレジストカバー膜F3に外観上の欠陥があるか否かを判定する(ステップS1)。レジストカバー膜F3の外観上の欠陥としては、形成領域のずれ、パーティクルの付着、および剥離等がある。
レジストカバー膜F3に外観上の欠陥がある場合、メインコントローラ30は、その基板Wに異常があると判定する(ステップS6)。
レジストカバー膜F3に外観上の欠陥がない場合、メインコントローラ30は、ベベル検査カメラ532a,532bからの画像データID2,ID3に基づいて、基板Wのベベル部BEが汚染されているか否かを判定する(ステップS2)。
基板Wのベベル部BEが汚染されている場合、メインコントローラ30は、その基板Wに異常があると判定する(ステップS6)。
基板Wのベベル部BEが汚染されていない場合、メインコントローラ30は、膜質検査器533からの成分データCDに基づいて、レジストカバー膜F3の成分比が正常であるか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、予め記憶された成分比の標準値と膜質検査器533によって得られた成分比との誤差が算出される。算出された誤差が規定範囲内にある場合、レジストカバー膜F3の成分比が正常であると判定され、規定範囲内にない場合、レジストカバー膜F3の成分比が異常であると判定される。
レジストカバー膜F3の成分比が異常である場合、メインコントローラ30は、その基板Wに異常があると判定する(ステップS6)。
レジストカバー膜F3の成分比が正常である場合、メインコントローラ30は、接触角測定器534からの接触角データADに基づいて、レジストカバー膜F3上における液体の接触角が規定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS4)。この場合、露光装置16における露光処理時に、基板W上に安定に液体を保持することができるように、接触角の規定範囲が設定される。
レジストカバー膜F3上における液体の接触角が規定範囲内にない場合、メインコントローラ30は、その基板Wに異常があると判定する(ステップS6)。
レジストカバー膜F3上における液体の接触角が規定範囲内にある場合、メインコントローラ30は、膜厚測定器535からの膜厚データCTに基づいて、レジストカバー膜F3の膜厚が規定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS5)。
レジストカバー膜F3の膜厚が規定範囲内にない場合、メインコントローラ30は、その基板Wに異常があると判定する(ステップS6)レジストカバー膜F3の膜厚が規定範囲内にある場合、メインコントローラ30は、その基板Wが正常であると判定する(ステップS7)。
なお、ベベル部BEの上ベベル領域BE1にレジストカバー膜F3が形成される場合、メインコントローラ30は、ベベル検査カメラ532aからの画像データID2に基づいて、上ベベル領域BE1上でレジストカバー膜F3が剥離しているか否かを判定してもよい。この場合、上ベベル領域BE1上でレジストカバー膜F3が剥離していれば、メインコントローラ30は、その基板Wに異常があると判定する。
(4)実施の形態の効果
本実施の形態では、露光装置16における露光処理前の基板Wの状態が第1の検査ユニットEE1において検査される。第1の検査ユニットEE1における検査で基板Wに異常があれば、その基板Wは露光装置16に搬入されない。
この場合、レジストカバー膜F3が一部でも剥離していれば、その基板Wは露光装置16に搬入されない。これにより、露光処理時に、レジストカバー膜F3が剥離した部分からレジスト膜F2等の成分が溶出することが防止される。その結果、露光レンズの汚染および損傷が防止される。
また、基板Wのベベル部BEが汚染されていれば、その基板Wは露光装置16に搬入されない。そのため、基板Wのベベル部BEの汚染が露光装置16内に伝播することが防止される。
また、レジストカバー膜F3の成分比に異常があると、露光処理時に、基板W上で液体を安定に保持することができず、または、レジストカバー膜F3の成分がその液体中に溶出する。そこで、レジストカバー膜F3の成分比に異常があれば、その基板Wは露光装置16に搬入されない。それにより、露光処理時に基板W上に供給された液体が基板Wの周囲に流出すること、およびレジストカバー膜F3から溶出した成分によって露光装置16内が汚染されることが防止される。
また、レジストカバー膜F3上における液体の接触角が適正でないと、露光処理時に、基板W上で液体を安定に保持することができない。そこで、レジストカバー膜F3上における液体の接触角が規定範囲内になければ、その基板Wは露光装置16に搬入されない。それにより、基板W上に供給された液体が基板Wの周囲に流出することが防止される。
また、レジストカバー膜F3の膜厚が適正でないと、露光処理時に、レジスト膜F2等の成分の溶出を十分に防止することができず、または、レジストカバー膜F3が剥離する可能性が高くなる。そこで、レジストカバー膜F3の膜厚が規定範囲内になければ、その基板Wは露光装置16に搬入されない。それにより、露光処理時におけるレジスト膜F2等の成分の溶出、およびレジストカバー膜F3の剥離が十分に防止される。
また、第1の検査ユニットEE1における基板Wの状態の検査は、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1よる基板Wの洗浄および乾燥処理後に行われる。洗浄液またはリンス液等の液体を用いて基板Wの洗浄処理および乾燥処理を行う場合、その処理中にレジストカバー膜F3の剥離が発生しやすい。そのため、洗浄および乾燥処理後の基板Wの状態を検査することにより、洗浄および乾燥処理時に発生したレジストカバー膜F3の剥離を確実に検出することができる。
また、本実施の形態では、露光装置16における露光処理後の基板Wの状態が第2の検査ユニットEE2において検査される。この場合、露光処理前後の基板Wの状態の変化を検出することができる。それにより、露光装置16内で基板Wに異常が発生したことを迅速に認識することができる。したがって、露光装置16内での異常発生後、迅速に露光装置16のメンテナンスを行うことができる。その結果、露光レンズの汚染を最小限に抑えることができる。
第1および第2の検査ユニットEE1,EE2では、レジストカバー膜F3の外観が検査される。露光処理前後におけるレジストカバー膜F3の外観の変化により、露光装置16内でレジストカバー膜F3が剥離したことを迅速に認識することができる。この場合、レジストカバー膜F3が剥離した部分からレジスト膜F2等の成分が溶出する可能性がある。または、剥離したレジストカバー膜F3の部分が汚染物として露光装置16内に滞留する可能性がある。したがって、迅速に露光装置16のメンテナンスを行うことにより、露光レンズの汚染を最小限に抑えることができる。
また、露光処理前後におけるレジストカバー膜F3の外観の変化により、露光装置16内でレジストカバー膜F3にパーティクル等の汚染物が付着したことを迅速に認識することができる。この場合、露光装置16内が汚染されている可能性がある。したがって、迅速に露光装置16のメンテナンスを行うことにより、露光レンズの汚染を最小限に抑えることができる。
また、第1および第2の検査ユニットEE1,EE2では、基板Wのベベル部BEの状態が検査される。露光処理前後における基板Wのベベル部BEの状態の変化により、露光装置16内で基板Wのベベル部BEが汚染されたことを迅速に認識することができる。この場合も、露光装置16内が汚染されている可能性がある。したがって、迅速に露光装置16のメンテナンスを行うことにより、露光レンズの汚染を最小限に抑えることができる。
また、第1および第2の検査ユニットEE1,EE2では、レジストカバー膜F3の成分、膜厚およびレジストカバー膜F3上における液体の接触角が検査される。これらが露光処理前後で変化している場合、露光処理時にレジストカバー膜F3の成分が溶出した可能性がある。したがって、迅速に露光装置16のメンテナンスを行うことにより、露光レンズの汚染を最小限に抑えることができる。
また、第2の検査ユニットEE2における基板Wの状態の検査は、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2による洗浄および乾燥処理前に行われる。上記のように、洗浄液またはリンス液等の液体を用いて基板Wの洗浄処理および乾燥処理を行うと、レジストカバー膜F3の剥離が発生しやすい。そのため、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2による洗浄および乾燥処理前に基板Wの状態を検査することにより、正確に露光処理直後の基板Wの状態を認識することができる。
(5)変形例
(5−1)
上記実施の形態では、第1および第2の検査ユニットEE1,EE2の各々において、レジストカバー膜F3の外観検査、ベベル部BEの汚染の検査、レジストカバー膜F3の成分の検査、レジストカバー膜F3上における液体の接触角の検査、およびレジストカバー膜F3の膜厚の検査が行われるが、これらの検査がそれぞれ個別の装置において行われてもよい。
具体的には、レジストカバー膜F3の外観検査装置、ベベル部検査装置、レジストカバー膜F3の成分検査装置、レジストカバー膜F3上における液体の接触角の検査装置およびレジストカバー膜F3の膜厚検査装置がそれぞれ設けられる。基板Wは、露光装置16に搬入される前に、これらの検査装置に順に搬入され、それぞれの検査が行われる。また、基板Wは、露光装置16から搬出された後に、これらの検査装置に順に搬入され、それぞれの検査が行われる。
この場合も、上記実施の形態と同様に、各検査装置での検査結果に応じてその後の基板Wの処理を制御することにより、露光装置16内の汚染を防止することができる。また、露光処理前後の基板Wの状態の変化を検出することにより、露光装置16内で基板Wに異常が発生したことを迅速に認識することができる。それにより、適切なタイミングで露光装置16のメンテナンスを行うことができる。
(5−2)
上記実施の形態では、インターフェースブロック15において露光処理前および露光処理後の基板Wの検査が行われるが、これに限らず、インターフェースブロック15と露光装置16との間に、露光処理前後の基板Wの検査を行うためのブロックが別途設けられてもよい。
この場合、第1および第2の検査ユニットEE1,EE2がそのブロックに設けられてもよく、個別の検査をそれぞれ行う複数の装置がそのブロックに設けられてもよい。
(5−3)
上記実施の形態では、露光処理前の基板Wの状態の検査が第1の検査ユニットEE1において行われ、露光処理後の基板Wの状態の検査が第2の検査ユニットEE2において行われるが、露光処理前の基板Wの検査と露光処理後の基板Wの検査とが共通の検査ユニットにおいて行われてもよい。
(5−4)
上記実施の形態では、第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2がインターフェースブロック15に設けられるが、レジストカバー膜用処理ブロック13またはレジストカバー膜除去ブロック14等の他のブロックに第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2が設けられてもよい。
(5−5)
上記実施の形態では、第2の検査ユニットEE2における露光処理後の基板Wの状態の検査が、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2による洗浄および乾燥処理の前に行われるが、第2の検査ユニットEE2における露光処理後の基板Wの状態の検査が、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2による洗浄および乾燥処理の後に行われてもよい。
(6)他の実施の形態
上記実施の形態では、レジスト膜F2を覆うようにレジストカバー膜F3が形成され、レジストカバー膜F3に液体が接触する状態で露光処理が行われるが、これに限らず、他の膜に液体が接触する状態で露光処理が行われてもよい。
例えば、レジスト膜F2が高い疎水性を有する場合、レジストカバー膜F3を形成しなくてもよい。その場合、レジスト膜F2に液体が接触する状態で露光処理が行われる。
また、この場合には、第1および第2の検査ユニットEE1,EE2の各々において、レジスト膜F2の外観検査、ベベル部BEの汚染の検査、レジスト膜F2の成分の検査、レジスト膜F2上における液体の接触角の検査、およびレジスト膜F2の膜厚の検査が行われる。
(7)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14が処理部の例であり、インターフェースブロック15が受け渡し部の例であり、塗布ユニットRES,COVが成膜ユニットの例であり、レジスト膜用熱処理部110,111またはレジストカバー膜用熱処理部130,131が熱処理ユニットの例であり、メインコントローラ30が制御部の例である。
また、マクロ検査カメラ531が外観検査装置の例であり、ベベル検査カメラ532a,532bがベベル部検査装置の例であり、膜質検査器533が成分検査装置の例であり、接触角測定器534が接触角検査装置の例であり、膜厚測定器535が膜厚検査装置の例であり、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1が洗浄処理ユニットの例であり、レジスト膜F2またはレジストカバー膜F3が第1の膜の例であり、レジスト膜F2が第2の膜の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。