以下、本発明の実施の形態に係る基板処理装置について図面を用いて説明する。以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等をいう。
(A)第1の実施の形態
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。なお、図1ならびに後述する図2〜図4、図15および図16には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。なお、各方向において矢印が向かう方向を+方向、その反対の方向を−方向とする。また、Z方向を中心とする回転方向をθ方向としている。
図1に示すように、基板処理装置500は、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14およびインターフェースブロック15を含む。また、インターフェースブロック15に隣接するように露光装置16が配置される。露光装置16においては、液浸法により基板Wに露光処理が行われる。
以下、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14およびインターフェースブロック15の各々を処理ブロックと呼ぶ。
インデクサブロック9は、各処理ブロックの動作を制御するメインコントローラ(制御部)30、複数のキャリア載置台40およびインデクサロボットIRを含む。インデクサロボットIRには、基板Wを受け渡すためのハンドIRHが設けられる。
反射防止膜用処理ブロック10は、反射防止膜用熱処理部100,101、反射防止膜用塗布処理部50および第1のセンターロボットCR1を含む。反射防止膜用塗布処理部50は、第1のセンターロボットCR1を挟んで反射防止膜用熱処理部100,101に対向して設けられる。第1のセンターロボットCR1には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH1,CRH2が上下に設けられる。
インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間には、雰囲気遮断用の隔壁17が設けられる。この隔壁17には、インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS1,PASS2が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS1は、基板Wをインデクサブロック9から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS2は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からインデクサブロック9へ搬送する際に用いられる。
また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示せず)が設けられている。それにより、基板載置部PASS1,PASS2において基板Wが載置されているか否かの判定を行うことが可能となる。また、基板載置部PASS1,PASS2には、固定設置された複数本の支持ピンが設けられている。なお、上記の光学式のセンサおよび支持ピンは、後述する基板載置部PASS3〜PASS13にも同様に設けられる。
レジスト膜用処理ブロック11は、レジスト膜用熱処理部110,111、レジスト膜用塗布処理部60および第2のセンターロボットCR2を含む。レジスト膜用塗布処理部60は、第2のセンターロボットCR2を挟んでレジスト膜用熱処理部110,111に対向して設けられる。第2のセンターロボットCR2には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH3,CRH4が上下に設けられる。
反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間には、雰囲気遮断用の隔壁18が設けられる。この隔壁18には、反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS3,PASS4が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS3は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS4は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられる。
現像処理ブロック12は、現像用熱処理部120,121、現像処理部70および第3のセンターロボットCR3を含む。現像処理部70は、第3のセンターロボットCR3を挟んで現像用熱処理部120,121に対向して設けられる。第3のセンターロボットCR3には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH5,CRH6が上下に設けられる。
レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間には、雰囲気遮断用の隔壁19が設けられる。この隔壁19には、レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS5,PASS6が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS5は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から現像処理ブロック12へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS6は、基板Wを現像処理ブロック12からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられる。
レジストカバー膜用処理ブロック13は、レジストカバー膜用熱処理部130,131、レジストカバー膜用塗布処理部80および第4のセンターロボットCR4を含む。レジストカバー膜用塗布処理部80は、第4のセンターロボットCR4を挟んでレジストカバー膜用熱処理部130,131に対向して設けられる。第4のセンターロボットCR4には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH7,CRH8が上下に設けられる。
現像処理ブロック12とレジストカバー膜用処理ブロック13との間には、雰囲気遮断用の隔壁20が設けられる。この隔壁20には、現像処理ブロック12とレジストカバー膜用処理ブロック13との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS7は、基板Wを現像処理ブロック12からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS8は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13から現像処理ブロック12へ搬送する際に用いられる。
レジストカバー膜除去ブロック14は、露光後ベーク用熱処理部140,141、レジストカバー膜除去用処理部90および第5のセンターロボットCR5を含む。露光後ベーク用熱処理部141はインターフェースブロック15に隣接し、後述するように、基板載置部PASS11,PASS12を備える。レジストカバー膜除去用処理部90は、第5のセンターロボットCR5を挟んで露光後ベーク用熱処理部140,141に対向して設けられる。第5のセンターロボットCR5には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH9,CRH10が上下に設けられる。
レジストカバー膜用処理ブロック13とレジストカバー膜除去ブロック14との間には、雰囲気遮断用の隔壁21が設けられる。この隔壁21には、レジストカバー膜用処理ブロック13とレジストカバー膜除去ブロック14との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS9,PASS10が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS9は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13からレジストカバー膜除去ブロック14へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS10は、基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に用いられる。
インターフェースブロック15は、送りバッファ部SBF、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1、第6のセンターロボットCR6、エッジ露光部EEW、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットPASS−CP(以下、P−CPと略記する)、基板載置部PASS13、インターフェース用搬送機構IFRおよび第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2を含む。なお、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1は、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理を行い、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2は、露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理を行う。第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2の詳細は後述する。
また、第6のセンターロボットCR6には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH11,CRH12(図4参照)が上下に設けられ、インターフェース用搬送機構IFRには、基板Wを受け渡すためのハンドH1,H2(図4参照)が上下に設けられる。インターフェースブロック15の詳細については後述する。
本実施の形態に係る基板処理装置500においては、Y方向に沿ってインデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14およびインターフェースブロック15が順に並設されている。
図2は、図1の基板処理装置500を+X方向から見た概略側面図であり、図3は、図1の基板処理装置500を−X方向から見が概略側面図である。なお、図2においては、基板処理装置500の+X側に設けられるものを主に示し、図3においては、基板処理装置500の−X側に設けられるものを主に示している。
まず、図2を用いて、基板処理装置500の+X側の構成について説明する。図2に示すように、反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用塗布処理部50(図1参照)には、3個の塗布ユニットBARCが上下に積層配置されている。各塗布ユニットBARCは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック51およびスピンチャック51上に保持された基板Wに反射防止膜の塗布液を供給する供給ノズル52を備える。
反射防止膜用処理ブロック10の下部には、配管、継ぎ手、バルブ、流量計、レギュレータ、ポンプ、温度調節器および反射防止膜の塗布液を貯留する貯留タンク等の流体関連機器を収納する収納部10Aが設けられている。
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用塗布処理部60(図1参照)には、3個の塗布ユニットRESが上下に積層配置されている。各塗布ユニットRESは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック61およびスピンチャック61上に保持された基板Wにレジスト膜の塗布液を供給する供給ノズル62を備える。
レジスト膜用処理ブロック11の下部には、配管、継ぎ手、バルブ、流量計、レギュレータ、ポンプ、温度調節器およびレジスト膜の塗布液を貯留する貯留タンク等の流体関連機器を収納する収納部11Aが設けられている。
現像処理ブロック12の現像処理部70には、5個の現像処理ユニットDEVが上下に積層配置されている。各現像処理ユニットDEVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック71およびスピンチャック71上に保持された基板Wに現像液を供給する供給ノズル72を備える。
現像処理ブロック12の下部には、配管、継ぎ手、バルブ、流量計、レギュレータ、ポンプ、温度調節器および現像液を貯留する貯留タンク等の流体関連機器を収納する収納部12Aが設けられている。
レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用塗布処理部80には、3個の塗布ユニットCOVが上下に積層配置されている。各塗布ユニットCOVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック81およびスピンチャック81上に保持された基板Wにレジストカバー膜の塗布液を供給する供給ノズル82を備える。レジストカバー膜の塗布液としては、レジストおよび水との親和力が低い材料(レジストおよび水との反応性が低い材料)を用いることができる。例えば、フッ素樹脂である。塗布ユニットCOVは、基板Wを回転させながら基板W上に塗布液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジスト膜上にレジストカバー膜を形成する。
レジストカバー膜用処理ブロック13の下部には、配管、継ぎ手、バルブ、流量計、レギュレータ、ポンプ、温度調節器およびレジストカバー膜の塗布液を貯留する貯留タンク等の流体関連機器を収納する収納部13Aが設けられている。
なお、各塗布ユニットCOVおよび収納部13Aには、各構成要素の動作を検出する複数のカメラまたはセンサ(後述の図5参照)が設けられている。詳細は後述する。
レジストカバー膜除去ブロック14のレジストカバー膜除去用処理部90には、3個の除去ユニットREMが上下に積層配置されている。各除去ユニットREMは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック91およびスピンチャック91上に保持された基板Wに剥離液(例えばフッ素樹脂)を供給する供給ノズル92を備える。除去ユニットREMは、基板Wを回転させながら基板W上に剥離液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジストカバー膜を除去する。
なお、除去ユニットREMにおけるレジストカバー膜の除去方法は上記の例に限定されない。例えば、基板Wの上方においてスリットノズルを移動させつつ基板W上に剥離液を供給することによりレジストカバー膜を除去してもよい。
また、レジストカバー膜除去ブロック14の下部には、配管、継ぎ手、バルブ、流量計、レギュレータ、ポンプ、温度調節器および剥離液を貯留する貯留タンク等の流体関連機器を収納する収納部14Aが設けられている。
第1のインターフェースブロック15内の+X側には、エッジ露光部EEWおよび3個の第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2が上下に積層配置される。各エッジ露光部EEWは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック98およびスピンチャック98上に保持された基板Wの周縁を露光する光照射器99を備える。
次に、図3を用いて、基板処理装置500の−X側の構成について説明する。図3に示すように、反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用熱処理部100,101には、2個の加熱ユニット(ホットプレート)HPおよび2個の冷却ユニット(クーリングプレート)CPがそれぞれ積層配置される。また、反射防止膜用熱処理部100,101には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用熱処理部110,111には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、レジスト膜用熱処理部110,111には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
現像処理ブロック12の現像用熱処理部120,121には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、現像用熱処理部120,121には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
レジストカバー膜用処理ブロック130,131のレジストカバー膜用熱処理部130には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、レジストカバー膜用熱処理部130,131には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
レジストカバー膜除去ブロック14の露光後ベーク用熱処理部140には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置され、露光後ベーク用熱処理部141には2個の加熱ユニットHP、2個の冷却ユニットCPおよび基板載置部PASS11,PASS12が上下に積層配置される。また、露光後ベーク用熱処理部140,141には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
次に、図4を用いてインターフェースブロック15について詳細に説明する。
図4は、インターフェースブロック15を+Y側から見た概略側面図である。図4に示すように、インターフェースブロック15内において、−X側には、送りバッファ部SBFおよび3個の第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1が積層配置される。また、インターフェースブロック15内において、+X側の上部には、エッジ露光部EEWが配置される。
エッジ露光部EEWの下方において、インターフェースブロック15内の略中央部には、戻りバッファ部RBF、2個の載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS13が上下に積層配置される。エッジ露光部EEWの下方において、インターフェースブロック15内の+X側には、3個の第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2が上下に積層配置される。
また、インターフェースブロック15内の下部には、第6のセンターロボットCR6およびインターフェース用搬送機構IFRが設けられている。第6のセンターロボットCR6は、送りバッファ部SBFおよび第1の洗浄/乾燥処理ユニットSDと、エッジ露光部EEW、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS13との間で上下動可能かつ回動可能に設けられている。インターフェース用搬送機構IFRは、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS13と、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2との間で上下動可能かつ回動可能に設けられている。
(2)基板処理装置の動作
次に、本実施の形態に係る基板処理装置500の動作について図1〜図4を参照しながら説明する。
(2−1)インデクサブロック〜レジストカバー膜除去ブロックの動作
まず、インデクサブロック9〜レジストカバー膜除去ブロック14の動作について簡単に説明する。
インデクサブロック9のキャリア載置台40の上には、複数枚の基板Wを多段に収納するキャリアCが搬入される。インデクサロボットIRは、ハンドIRHを用いてキャリアC内に収納された未処理の基板Wを取り出す。その後、インデクサロボットIRは±X方向に移動しつつ±θ方向に回転移動し、未処理の基板Wを基板載置部PASS1に載置する。
本実施の形態においては、キャリアCとしてFOUP(front opening unified pod)を採用しているが、これに限定されず、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)等を用いてもよい。
さらに、インデクサロボットIR、第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6およびインターフェース用搬送機構IFRには、それぞれ基板Wに対して直線的にスライドさせてハンドの進退動作を行う直動型搬送ロボットを用いているが、これに限定されず、関節を動かすことにより直線的にハンドの進退動作を行う多関節型搬送ロボットを用いてもよい。
基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wは、反射防止膜用処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により受け取られる。第1のセンターロボットCR1は、その基板Wを反射防止膜用熱処理部100,101に搬入する。
その後、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用熱処理部100,101から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用塗布処理部50に搬入する。この反射防止膜用塗布処理部50では、露光時に発生する低在波やハレーションを減少させるために、塗布ユニットBARCにより基板W上に反射防止膜が塗布形成される。
次に、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用塗布処理部50から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用熱処理部100,101に搬入する。その後、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用熱処理部100,101から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS3に載置する。
基板載置部PASS3に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により受け取られる。第2のセンターロボットCR2は、その基板Wをレジスト膜用熱処理部110,111に搬入する。
その後、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用塗布処理部60に搬入する。このレジスト膜用塗布処理部60では、塗布ユニットRESにより反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジスト膜が塗布形成される。
次に、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用塗布処理部60から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用熱処理部110,111に搬入する。その後、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS5に載置する。
基板載置部PASS5に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wを基板載置部PASS7に載置する。
基板載置部PASS7に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック13の第4のセンターロボットCR4により受け取られる。第4のセンターロボットCR4は、その基板Wをレジストカバー膜用塗布処理部80に搬入する。このレジストカバー膜用塗布処理部80では、塗布ユニットCOVによりレジスト膜が塗布形成された基板W上にレジストカバー膜が塗布形成される。
なお、後述するように、レジストカバー膜用処理ブロック13においては、複数のカメラおよびセンサにより各構成要素の動作が検出される。さらに、その検出結果に基づいて、レジストカバー膜用塗布処理部80のスレーブコントローラ(制御部)400(後述の図5参照)により、基板W上にレジストカバー膜が正常に形成されているか否かの判定が行われる。以下、スレーブコントローラ400による上記の判定処理をレジストカバー膜判定処理と呼ぶ。
本実施の形態に係る基板処理装置500においては、レジストカバー膜判定処理によりレジストカバー膜が正常に形成されていると判定された基板Wと、正常に形成されていないと判定された基板Wとに対して、レジストカバー膜の塗布処理後の工程でそれぞれ異なる処理が施される。以下、レジストカバー膜判定処理によりレジストカバー膜が正常に形成されていると判定された基板Wを正常基板と呼び、レジストカバー膜が正常に形成されていないと判定された基板Wを不良基板と呼ぶ。
まず、正常基板に対するレジストカバー膜除去ブロック14〜インデクサブロック9の動作を説明する。不良基板に対するレジストカバー膜除去ブロック14〜インデクサブロック9の動作は、後述する。
基板載置部PASS11に載置された基板Wは、インターフェースブロック15の第6のセンターロボットCR6により受け取られ、後述するように、インターフェースブロック15および露光装置16において所定の処理が施される。インターフェースブロック15および露光装置16において基板Wに所定の処理が施された後、その基板Wは、第6のセンターロボットCR6によりレジストカバー膜除去ブロック14の露光後ベーク用熱処理部141に搬入される。
露光後ベーク用熱処理部141においては、基板Wに対して露光後ベーク(PEB)が行われる。その後、第6のセンターロボットCR6は、露光後ベーク用熱処理部141から基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS12に載置する。
なお、本実施の形態においては露光後ベーク用熱処理部141により露光後ベークを行っているが、露光後ベーク用熱処理部140により露光後ベークを行ってもよい。
基板載置部PASS12に載置された基板Wは、レジストカバー膜除去ブロック14の第5のセンターロボットCR5により受け取られる。第5のセンターロボットCR5は、その基板Wをレジストカバー膜除去用処理部90に搬入する。レジストカバー膜除去用処理部90においては、レジストカバー膜が除去される。
次に、第5のセンターロボットCR5は、レジストカバー膜除去用処理部90から処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS10に載置する。
基板載置部PASS10に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック13の第4のセンターロボットCR4により基板載置部PASS8に載置される。
基板載置部PASS8に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wを現像処理部70に搬入する。現像処理部70においては、露光された基板Wに対して現像処理が施される。
次に、第3のセンターロボットCR3は、現像処理部70から現像処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを現像用熱処理部120,121に搬入する。その後、第3のセンターロボットCR3は、現像用熱処理部120,121から熱処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS6に載置する。
基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により基板載置部PASS4に載置される。基板載置部PASS4に載置された基板Wは反射防止膜用処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により基板載置部PASS2に載置される。
基板載置部PASS2に載置された基板Wは、インデクサブロック9のインデクサロボットIRによりキャリアC内に収納される。これにより、基板処理装置500における基板Wの各処理が終了する。
次に、不良基板に対するレジストカバー膜除去ブロック14〜インデクサブロック9の動作を説明する。ここでは、正常基板に対するレジストカバー膜除去ブロック14〜インデクサブロック9の動作と異なる点を説明する。
インターフェースブロック15および露光装置16において基板Wに所定の処理が施された後、正常基板に対しては、露光後ベーク用熱処理部140,141において露光後ベークが行われる。一方、不良基板に対しては、露光後ベークが行われず、不良基板は、露光後ベーク用熱処理部140,141において所定の時間待機する。待機時間は、露光後ベークのための所要時間と等しくなるように設定される。その後、不良基板は、第6のセンターロボットCR6により露光後ベーク用熱処理部140,141から取り出される。
また、レジストカバー膜除去用処理部90において、不良基板に対しては、レジストカバー膜の除去処理が行われず、不良基板は、レジストカバー膜除去用処理部90において所定の時間待機する。待機時間は、レジストカバー膜の除去処理の所要時間と等しくなるように設定される。
また、現像処理部70において、不良基板に対しては、現像処理が行われなわれず、不良基板は、現像処理部70において所定の時間待機する。待機時間は、現像処理に要する時間と等しくなるように設定される。
また、基板処理装置500において各処理が終了した後、インデクサブロック9に不良基板が戻される際には、オペレータに対する警告処理が行われる。警告処理は、例えば警告ブザーまたは警告ランプ等により行われる。この場合、オペレータは、基板処理装置500内において不良基板が発生したことを認識し、不良基板を回収する等の処置をとる。
なお、インデクサブロック9に基板Wが戻された際に、レジストカバー膜判定処理の結果に基づいて、正常基板と不良基板とが予め定められたキャリア載置台40に自動的に振り分けられることにより、不良基板の回収を可能としてもよい。
(2−2)インターフェースブロックの動作
次に、インターフェースブロック15の動作について詳細に説明する。
インターフェースブロック15においては、正常基板と不良基板とでそれぞれ異なる処理が施される。
まず、正常基板に対するインターフェースブロック15の動作について説明する。
インデクサブロック9に搬入された基板Wは、所定の処理を施された後、レジストカバー膜除去ブロック14(図1)の基板載置部PASS11に載置される。
基板載置部PASS11に載置された基板Wは、インターフェースブロック15の第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wをエッジ露光部EEW(図4)に搬入する。このエッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部に露光処理が施される。
次に、第6のセンターロボットCR6は、エッジ露光部EEWからエッジ露光済みの基板Wを取り出し、その基板Wを第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1のいずれかに搬入する。第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1においては、上述したように露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
ここで、露光装置16による露光処理の時間は、通常、他の処理工程および搬送工程よりも長い。その結果、露光装置16が後の基板Wの受け入れをできない場合が多い。この場合、基板Wは送りバッファ部SBF(図4)に一時的に収納保管される。本実施の形態では、第6のセンターロボットCR6は、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1から洗浄および乾燥処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを送りバッファ部SBFに搬送する。
次に、第6のセンターロボットCR6は、送りバッファ部SBFに収納保管されている基板Wを取り出し、その基板Wを載置兼冷却ユニットP−CPに搬入する。載置兼冷却ユニットP−CPに搬入された基板Wは、露光装置16内と同じ温度(例えば、23℃)に維持される。
なお、露光装置16が十分な処理速度を有する場合には、送りバッファ部SBFに基板Wを収納保管せずに、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1から載置兼冷却ユニットP−CPに基板Wを搬送してもよい。
続いて、載置兼冷却ユニットP−CPで上記所定温度に維持された基板Wが、インターフェース用搬送機構IFRの上側のハンドH1(図4)により受け取られ、露光装置16内の基板搬入部16a(図1)に搬入される。
露光装置16において露光処理が施された基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRの下側のハンドH2(図4)により基板搬出部16b(図1)から搬出される。インターフェース用搬送機構IFRは、ハンドH2により、その基板Wを第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2のいずれかに搬入する。第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2においては、上述したように露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2において洗浄および乾燥処理が施された基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1(図4)により取り出される。インターフェース用搬送機構IFRは、ハンドH1により、その基板Wを基板載置部PASS13に載置する。
基板載置部PASS13に載置された基板Wは、第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14(図1)の露光後ベーク用熱処理部141に搬送する。
なお、除去ユニットREM(図2)の故障等により、レジストカバー膜除去ブロック14が一時的に基板Wの受け入れをできないときは、戻りバッファ部RBFに露光処理後の基板Wを一時的に収納保管することができる。
次に、不良基板に対するインターフェースブロック15の動作について説明する。ここでは、正常基板に対するインターフェースブロック15の動作と異なる点を説明する。
レジストカバー膜除去ブロック14(図1)の基板載置部PASS11から第6のセンターロボットCR6により受け取られた基板Wは、エッジ露光部EEWに搬入されずに、送りバッファ部SBF(図4)に搬入される。送りバッファ部SBFにおいて、基板Wは所定時間待機する。
所定時間経過後、第6のセンターロボットCR6により基板Wは送りバッファ部SBFから取り出される。その後、第6のセンターロボットCR6はその基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14(図1)の露光後ベーク用熱処理部141に搬送する。
このように、インターフェースブロック15に搬入された不良基板は、送りバッファ部SBFで待機し、そのまま、インターフェースブロック15から搬出される。すなわち、不良基板に対しては、エッジ露光部EEWにおけるエッジ露光処理、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1における洗浄/乾燥処理、載置兼冷却ユニットP−CPにおける温調処理、露光装置16における露光処理、および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2における洗浄/乾燥処理が行われない。
送りバッファ部SBFにおける不良基板の待機時間は、インターフェースブロック15および露光装置16における正常基板の処理時間と等しくなるように設定される。すなわち、インターフェ−スブロック15における不良基板の滞在時間とインターフェ−スブロック15および露光装置16における正常基板の滞在時間とが等しくなるように設定される。
(3)レジストカバー膜判定処理
次に、レジストカバー膜用処理ブロック13におけるレジストカバー膜判定処理の詳細について説明する。
(3−1)構成
まず、塗布ユニットCOVおよびその周辺部分の構成について説明する。
図5は、塗布ユニットCOVおよびその周辺部分の構成を説明するための図である。図5に示すように、塗布ユニットCOVは、基板Wを水平に保持するとともに、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック81を備える。
スピンチャック81は、チャック回転駆動機構436によって回転される回転軸425の上端に固定されている。また、スピンチャック81には吸気路(図示せず)が形成されており、スピンチャック81上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの裏面をスピンチャック81に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。なお、吸着式スピンチャック81の代わりに、基板Wの端面を保持するメカ式スピンチャックを用いてもよい。
スピンチャック81に保持された基板Wの周囲を取り囲むように飛散防止カップ440が設けられている。飛散防止カップ440の上面側には開口部441が設けられ、飛散防止カップ440の下部には排液口442および複数の排気口443が設けられている。排気口443は工場内の排気設備に接続される。飛散防止カップ440の内面には、外側下方に傾斜する傾斜面440aが形成されている。
飛散防止カップ440は、図示しない昇降駆動機構により上下方向に移動する。第4のセンターロボットCR4(図1)がスピンチャック81上に基板Wを載置する際、またはスピンチャック81上の基板Wを取り出す際には、飛散防止カップ440の上端部の高さがスピンチャック81上の基板Wの高さよりも低くなるように飛散防止カップ440が移動する。スピンチャック81上の基板Wに塗布液が供給される際には、飛散防止カップ440は、傾斜面440aが基板Wの外周端面に対向する位置(以下、基板処理位置と呼ぶ)に移動する。
また、スピンチャック81上の基板Wの下方には、基板Wの裏面を洗浄するためのリンス液を吐出するバックリンスノズル445が設けられている。リンス液としては、例えば純水、炭酸水、水素水、電解イオン水、HFE(ハイドロフルオロエーテル)または洗浄用の溶剤等が用いられる。
スピンチャック81の上方には、基板W上にレジストカバー膜の塗布液を吐出する供給ノズル82が上下動可能かつ基板Wの上方位置と基板Wの外方の待機位置との間で移動可能に設けられている。
供給ノズル82の先端部には、液吐出センサ444が取り付けられている。液吐出センサ444は、赤外波長領域の光を照射する投光部444a、および赤外線波長領域において高い受光感度を有する受光素子を内蔵した受光器444bを備える。投光部444aおよび受光部444bは、供給ノズル82の先端部の僅かに鉛直下方の領域を挟んで互いに対向するように配置されている。
供給ノズル82から塗布液が正常に吐出されている期間、すなわち、供給ノズル82から鉛直下方に向けて塗布液が吐出されている期間には、投光部444aからの光が塗布液により遮られる。そのため、受光部444bは投光部444aからの光を受光しない。
一方、塗布液の吐出を停止している期間、または供給ノズル82の詰まり等に起因して塗布液が正常に吐出されていない期間には、投光部444aからの光が塗布液により遮られない。そのため、受光部444bは投光部444aからの光を受光する。液吐出センサ444は、スレーブコントローラ400に吐出信号DIを与える。
受光部444bが投光部444aからの光を受光している場合は、液吐出センサ444からスレーブコントローラ400に与えられる吐出信号DIが非検出状態(例えば、ハイレベル)となる。受光部444bが投光部444aからの光を受光していない場合は、液吐出センサ444からスレーブコントローラ400に与えられる吐出信号DIが検出状態(例えば、ローレベル)となる。
供給ノズル82には、塗布液供給管445が接続されている。塗布液供給管445は、流量計451、サックバックバルブ446、フィルタF、供給ポンプ447および逆止弁448を介してレジストカバー膜の塗布液が貯留される貯留タンク449へ延びている。流量計451、サックバックバルブ446、フィルタF、供給ポンプ447、逆止弁448および貯留タンク449は図2に示す収納部13Aに収納されている。
流量計451は、塗布液供給管445を通して供給ノズル82に供給される塗布液の流量を測定し、その測定結果を流量信号FIとしてスレーブコントローラ400に与える。
サックバックバルブ446は、基板処理装置500の外部に設けられる加圧空気源に接続されている。加圧空気源からサックバックバルブ446に加圧空気が供給されることにより、供給ノズル82の先端部に残留する塗布液が僅かに上流側へ引き戻される。それにより、基板Wの処理時以外に供給ノズル82から塗布液が落下することが防止される。
フィルタFは、塗布液に混入した不純物を除去する。それにより、清浄な塗布液が基板Wに供給される。
供給ポンプ447は、モータ447aを備える。モータ447aが駆動されることにより、貯留タンク449内の塗布液が塗布液供給管445を通して供給ノズル82に供給される。モータ447aには、脱調センサ447bが取り付けられている。脱調センサ447bは、モータ447aの脱調を検出し、スレーブコントローラ400に脱調信号SOを与える。
また、供給ポンプ447と塗布液供給管445との接続部分には、圧力計447cが取り付けられている。圧力計447cは、供給ポンプ447の供給圧力(以下、ポンプ圧と呼ぶ)を測定し、その測定結果を圧力信号PIとしてスレーブコントローラ400に与える。
逆止弁448は、塗布液が供給ポンプ447から貯留タンク449へ逆流することを防止する。
また、スピンチャック81の上方には、CCDカメラ450がスピンチャック81上の基板Wの中心部を撮影するように設置されている。なお、図5においては、CCDカメラ450と基板Wとの間に、供給ノズル82の一部および液吐出センサ444の一部が位置するが、実際には、CCDカメラ450は、供給ノズル82および液吐出センサ444が障害とならずに基板Wの中心部を撮影することができるように配置されている。
供給ノズル82から基板Wに塗布液が吐出される際には、基板W上における塗布液の塗布状況がCCDカメラ450により静止画像として連続的に撮影される。
CCDカメラ450により撮影された静止画像の画像データIDは、スレーブコントローラ400に与えられる。
また、スピンチャック81上の基板Wの中心部上方と基板Wの周縁部上方との間で直線移動可能に膜厚センサ460が設けられている。膜厚センサ460は、基板Wの中心部上方と周縁部上方との間で移動しつつ、基板W上の膜厚を連続的に測定し、その測定結果を膜厚信号CTとしてスレーブコントローラ400に与える。
なお、図5においては、1つの塗布ユニットCOVおよび1つの供給系について説明したが、実際には、図2に示すように、レジストカバー膜用処理ブロック13には3つの塗布ユニットCOVが設けられており、収納部13Aには、この3つの塗布ユニットCOVに対応する3つの供給系が設けられている。これらの塗布ユニットCOVおよび供給系のそれぞれに図5に示す複数のセンサおよびカメラが設けられている。
(3−2)動作およびレジストカバー膜判定処理
次に、上記の図5を参照して、塗布ユニットCOVの動作について説明する。
まず、第4のセンターロボットCR4(図1)によりスピンチャック81上に基板Wが載置され、その基板Wがスピンチャック81により保持される。その後、供給ノズル82が基板Wの中心部の直上に移動するとともに、飛散防止カップ440が、上述の基板処理位置に移動する。
続いて、チャック回転駆動機構436により回転軸425が回転し、それに伴ってスピンチャック81に保持された基板Wが回転する。
次に、供給ノズル82から基板Wの中心部に向けて塗布液が吐出される。基板W上に吐出された塗布液は、基板Wの回転に伴う遠心力により、基板Wの中心部から周縁部へと広がる。
所定時間経過後、塗布液の吐出が停止される。続いて、バックリンスノズル445から基板Wの裏面に向けてリンス液が吐出される。それにより、基板Wの裏面に付着した塗布液が洗い流される。
次いで、リンス液の吐出が停止されるとともに、回転軸425の回転数が上昇し、基板Wの裏面に付着したリンス液が振り切られる。それにより、基板Wが乾燥される。
その後、回転軸425の回転が停止され、基板Wの回転が停止する。そして、第4のセンターロボットCR4(図1)により基板Wが塗布ユニットCOVから搬出される。これにより、塗布ユニットCOVにおける一連の動作が終了する。
本実施の形態では、上記の動作に並行して、スレーブコントローラ400により、基板W上にレジストカバー膜が正常に形成されているか否かの判定処理(レジストカバー膜判定処理)が行われる。
ここで、レジストカバー膜の形成状態の正否について説明する。図6(a)および図6(b)には、レジストカバー膜が正常に形成されている場合の基板Wの上面図および側面図が示される。図6(c)および図6(d)には、レジストカバー膜が正常に形成されていない場合の基板Wの上面図および側面図が示される。なお、図6においては、基板Wおよびレジストカバー膜RCVのみが示されるが、実際には、基板Wとレジストカバー膜RCVとの間に、上記の反射防止膜およびレジスト膜が形成されている。
図6(a)および図6(b)に示すように、基板Wの一面に均一な厚みで一様にレジストカバー膜RCVが形成されている場合には、レジストカバー膜RCVが正常に形成されているといえる。
一方、図6(c)および図6(d)に示すように、レジストカバー膜RCVの表面が不均一な状態であったり、基板Wの周縁部の一部にレジストカバー膜RCVが形成されていない場合には、レジストカバー膜RCVが正常に形成されているとはいえない。このような状態で、基板Wが露光装置16に搬送されると、液浸法による露光処理の際に、基板W上に供給される液体が基板Wの外方に流出する場合がある。
この場合、流出した液体により露光装置16の電気系統等が損傷を受けて露光装置16の動作不良が発生したり、また、液体で覆われていない基板Wの部分に露光処理が施されて基板Wの露光不良が発生するおそれがある。
また、基板Wの外方に流出した液体が雰囲気中のパーティクル等を含むことによって汚染物となり、基板Wの処理不良を招くおそれがある。
そこで、本実施の形態では、レジストカバー膜判定処理により不良基板であると判定された基板Wは、上記のように、インターフェースブロック15から露光装置16に搬送されない。それにより、露光装置16の動作不良および基板Wの処理不良が防止される。
次に、スレーブコントローラ400によるレジストカバー膜判定処理の詳細について説明する。
図7は、スレーブコントローラ400によるレジストカバー膜判定処理の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、まず、供給ノズル82から基板Wに塗布液が吐出されている期間、スレーブコントローラ400は、脱調センサ447bから与えられる脱調信号SOに基づいて、供給ポンプ447のモータ447aの脱調が発生していないか否かを判定する(ステップS1)。
供給ポンプ447のモータ447aの脱調が発生している場合、スレーブコントローラ400は、塗布ユニットCOVにおいて処理中の基板Wが不良基板であると判定する(ステップS7)。供給ポンプ447のモータ447aの脱調が発生していない場合、スレーブコントローラ400は続いてステップS2の判定を行う。
ステップS2においては、スレーブコントローラ400は、圧力計447cから与えられる圧力信号PIに基づいて、供給ポンプ447のポンプ圧が予め設定された規定値の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS2)。
供給ポンプ447のポンプ圧が予め設定された規定値の範囲内にない場合、スレーブコントローラ400は、塗布ユニットCOVにおいて処理中の基板Wが不良基板であると判定する(ステップS7)。供給ポンプ447のポンプ圧が予め設定された規定値の範囲内にある場合、スレーブコントローラ400は、続いてステップS3の判定を行う。
ステップS3においては、スレーブコントローラ400は、流量計451から与えられる流量信号FIに基づいて、塗布液供給管445を通して供給ノズル82に供給される塗布液の流量が予め設定された規定値の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS3)。
塗布液の流量が予め設定された規定値の範囲内にない場合、スレーブコントローラ400は、塗布ユニットCOVにおいて処理中の基板Wが不良基板であると判定する(ステップS7)。塗布液の流量が予め設定された規定値の範囲内にある場合、スレーブコントローラ400は、続いてステップS4の判定を行う。
ステップS4においては、スレーブコントローラ400は、CCDカメラ450から与えられる画像データIDに基づいて、基板W上における塗布液の塗布状況が正常か否かを判定する(ステップS4)。具体的には、例えば正常な塗布状況の画像データを予めスレーブコントローラ400に記憶させておき、その画像データと、CCDカメラ450から与えられる画像データIDとの近似率を算出する。算出された近似率がしきい値以上であればスレーブコントローラ400は塗布液の塗布状況が正常であると判定し、近似率がしきい値よりも低ければスレーブコントローラ400は塗布状況が正常でないと判定する。
なお、正常な塗布状況とは、塗布液が基板Wの中心部から周縁部に向かって一様に広がる場合をいう。すなわち、塗布液が基板Wの中心部からずれた位置に吐出されている場合、または基板W上で塗布液が偏った方向に広がる場合等には、CCDカメラ450から与えられる画像データIDと予めスレーブコントローラ400に記憶される画像データとの近似率が低くなる。したがって、その場合は塗布状況が正常でないと判定される。
ステップS4において、基板W上における塗布液の塗布状況が正常でない場合、スレーブコントローラ400は、塗布ユニットCOVにより処理中の基板Wが不良基板であると判定する(ステップS7)。基板W上における塗布液の塗布状況が正常である場合、スレーブコントローラ400は、続いてステップS5の判定を行う。
ステップS5においては、スレーブコントローラ400は、液吐出センサ444から与えられる吐出信号DIの状態に基づいて、供給ノズル82から塗布液が正常に吐出されているか否かを判定する(ステップS5)。
塗布液が正常に吐出されていない場合、スレーブコントローラ400は、塗布ユニットCOVにより処理中の基板Wが不良基板であると判定する(ステップS7)。塗布液が正常に吐出されている場合、スレーブコントローラ400は、続いてステップS6の判定を行う。
ステップS6においては、基板Wの乾燥が行われた後であって、基板Wの回転が停止される前に、膜厚センサ460により基板W上の膜厚が測定される。ここで、スレーブコントローラ400は、膜厚センサ460から与えられる膜厚信号CTに基づいて、基板W上の膜厚が予め設定された規定値の範囲内にあるかを判定する(ステップS6)。
基板W上の膜厚が予め設定された規定値の範囲内にない場合、スレーブコントローラ400は、塗布ユニットCOVにより処理中の基板を不良基板と判定する(ステップS7)。基板W上の膜厚が予め設定された規定値の範囲内にある場合、スレーブコントローラ400は、塗布ユニットCOVにより処理中の基板Wが正常基板であると判定する(ステップS8)。
このようにして、スレーブコントローラ400は、塗布ユニットCOVにおいて処理中の基板Wに対して、レジストカバー膜が正常に形成されているかまたは正常に形成されていないかの判定を行う。
スレーブコントローラ400によるレジストカバー膜判定処理の結果は、メインコントローラ30に与えられる。メインコントローラ30は、スレーブコントローラ400から与えられる判定結果に基づいて、基板処理装置500の各構成要素を制御し、上述のように、正常基板と不良基板とでそれぞれ異なる処理を施す。
なお、本実施の形態では、ステップS1からステップS6までの判定の条件のうち、少なくとも1つの条件が満たされていなければ、処理中の基板Wが不良基板であると判定するが、他の方法により処理中の基板Wの判定を行ってもよい。
例えば、ステップS1からステップS6までの判定の条件のうち、規定の個数以上の条件が満たされていない場合に、処理中の基板Wが不良基板であると判定してもよい。
また、ステップS1からステップS6のそれぞれの判定に対して判定の重要度に応じたレベルを予め設定し、条件が満たされない判定のレベルの加算値に基づいて、処理中の基板Wが正常基板であるか不良基板であるかの判定を行ってもよい。例えば、ステップS1〜ステップS3の判定にレベル2を設定し、ステップS4〜ステップS6の判定にレベル1を設定する。また、しきい値を4とする。ステップS1〜ステップS6の判定の結果、ステップS1,S2,S5の条件が満たされない場合には、条件が満たされない判定のレベルの加算値が5となる。この場合、スレーブコントローラ400は、処理中の基板Wが不良基板であると判定する。
また、ステップS1からステップS6までの判定に加えてまたはステップS1からステップS6までの判定に代えて、例えば、塗布液の濃度が規定値の範囲内にあるか否か、または基板Wの偏心があるか否か等の判定を行ってもよい。この場合、塗布液の濃度を検出する濃度センサおよび基板Wの偏心を検出する偏心センサが設けられる。また、これらの判定のうち少なくとも1つを選択して、処理中の基板Wが正常基板であるか不良基板であるかの判定を行ってもよい。
また、本実施の形態では、塗布ユニットCOVにおいて、基板Wを回転させた状態で基板Wへの塗布液の供給を開始し、基板Wを回転させたままの状態で基板Wへの塗布液の供給を終了するが、基板Wを回転させることなく基板Wへの塗布液の供給を完了してもよく、または基板Wを停止した状態で基板Wへの塗布液の供給を開始し、基板Wを回転させた状態で基板Wへの塗布液の供給を終了してもよい。
(4)洗浄/乾燥処理ユニット
次に、第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2について図面を用いて詳細に説明する。上記のように、洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2においては、正常基板に対してのみ、処理が施される。なお、第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2は同様の構成のものを用いることができる。
(4−1)構成
図8は、第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2の構成を説明するための図である。図8に示すように、第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2は、基板Wを水平に保持するとともに、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック621を備える。
スピンチャック621は、チャック回転駆動機構636によって回転される回転軸625の上端に固定されている。また、スピンチャック621には吸気路(図示せず)が形成されており、スピンチャック621上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの裏面をスピンチャック621に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。
スピンチャック621の外方には、第1の回動モータ660が設けられている。第1の回動モータ660には、第1の回動軸661が接続されている。また、第1の回動軸661には、第1のアーム662が水平方向に延びるように連結され、第1のアーム662の先端に洗浄処理用ノズル650が設けられている。
第1の回動モータ660により第1の回動軸661が回転するとともに第1のアーム662が回動し、洗浄処理用ノズル650がスピンチャック621により保持された基板Wの上方に移動する。
第1の回動モータ660、第1の回動軸661および第1のアーム662の内部を通るように洗浄処理用供給管663が設けられている。洗浄処理用供給管663は、バルブVaおよびバルブVbを介して洗浄液供給源R1およびリンス液供給源R2に接続されている。
このバルブVa,Vbの開閉を制御することにより、洗浄処理用供給管663に供給する処理液の選択および供給量の調整を行うことができる。図8の構成においては、バルブVaを開くことにより、洗浄処理用供給管663に洗浄液を供給することができ、バルブVbを開くことにより、洗浄処理用供給管663にリンス液を供給することができる。
洗浄処理用ノズル650には、洗浄液またはリンス液が、洗浄処理用供給管663を通して洗浄液供給源R1またはリンス液供給源R2から供給される。それにより、基板Wの表面へ洗浄液またはリンス液を供給することができる。洗浄液としては、例えば、純水、純水に錯体(イオン化したもの)を溶かした液またはフッ素系薬液などが用いられる。リンス液としては、例えば、純水、炭酸水、水素水および電解イオン水HFE(ハイドロフルオロエーテル)のいずれかが用いられる。
スピンチャック621の外方には、第2の回動モータ671が設けられている。第2の回動モータ671には、第2の回動軸672が接続されている。また、第2の回動軸672には、第2のアーム673が水平方向に延びるように連結され、第2のアーム673の先端に乾燥処理用ノズル670が設けられている。
第2の回動モータ671により第2の回動軸672が回転するとともに、第2のアーム673が回動し、乾燥処理用ノズル670がスピンチャック621により保持された基板Wの上方に移動する。
第2の回動モータ671、第2の回動軸672および第2のアーム673の内部を通るように乾燥処理用供給管674が設けられている。乾燥処理用供給管674は、バルブVcを介して不活性ガス供給源R3に接続されている。このバルブVcの開閉を制御することにより、乾燥処理用供給管674に供給する不活性ガスの供給量を調整することができる。
乾燥処理用ノズル670には、不活性ガスが、乾燥処理用供給管674を通して不活性ガス供給源R3から供給される。それにより、基板Wの表面へ不活性ガスを供給することができる。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガスが用いられる。
基板Wの表面へ洗浄液またはリンス液を供給する際には、洗浄処理用ノズル650は基板の上方に位置し、基板Wの表面へ不活性ガスを供給する際には、洗浄処理用ノズル650は所定の位置に退避される。
また、基板Wの表面へ洗浄液またはリンス液を供給する際には、乾燥処理用ノズル670は所定の位置に退避され、基板Wの表面へ不活性ガスを供給する際には、乾燥処理用ノズル670は基板Wの上方に位置する。
スピンチャック621に保持された基板Wは、処理カップ623内に収容される。処理カップ623の内側には、筒状の仕切壁633が設けられている。また、スピンチャック621の周囲を取り囲むように、基板Wの処理に用いられた処理液(洗浄液またはリンス液)を排液するための排液空間631が形成されている。さらに、排液空間631を取り囲むように、処理カップ623と仕切壁633との間に、基板Wの処理に用いられた処理液を回収するための回収液空間632が形成されている。
排液空間631には、排液処理装置(図示せず)へ処理液を導くための排液管634が接続され、回収液空間632には、回収処理装置(図示せず)へ処理液を導くための回収管635が接続されている。
処理カップ623の上方には、基板Wからの処理液が外方へ飛散することを防止するためのガード624が設けられている。このガード624は、回転軸625に対して回転対称な形状からなっている。ガード624の上端部の内面には、断面く字状の排液案内溝641が環状に形成されている。
また、ガード624の下端部の内面には、外側下方に傾斜する傾斜面からなる回収液案内部642が形成されている。回収液案内部642の上端付近には、処理カップ623の仕切壁633を受け入れるための仕切壁収納溝643が形成されている。
このガード624には、ボールねじ機構等で構成されたガード昇降駆動機構(図示せず)が設けられている。ガード昇降駆動機構は、ガード624を、回収液案内部642がスピンチャック621に保持された基板Wの外周端面に対向する回収位置と、排液案内溝641がスピンチャック621に保持された基板Wの外周端面に対向する排液位置との間で上下動させる。ガード624が回収位置(図8に示すガードの位置)にある場合には、基板Wから外方へ飛散した処理液が回収液案内部642により回収液空間632に導かれ、回収管635を通して回収される。一方、ガード624が排液位置にある場合には、基板Wから外方へ飛散した処理液が排液案内溝641により排液空間631に導かれ、排液管634を通して排液される。以上の構成により、処理液の排液および回収が行われる。
(4−2)動作
次に、上記構成を有する第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2の処理動作について説明する。なお、以下に説明する第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2の各構成要素の動作は、図1のメインコントロ−ラ(制御部)30により制御される。
まず、基板Wの搬入時には、ガード624が下降するとともに、図1の第6のセンターロボットCR6またはインターフェース用搬送機構IFRが基板Wをスピンチャック621上に載置する。スピンチャック621上に載置された基板Wは、スピンチャック621により吸着保持される。
次に、ガード624が上述した排液位置まで移動するとともに、洗浄処理用ノズル650が基板Wの中心部上方に移動する。その後、回転軸625が回転し、この回転に伴ってスピンチャック621に保持されている基板Wが回転する。その後、洗浄処理用ノズル650から洗浄液が基板Wの上面に吐出される。これにより、基板Wの洗浄が行われる。
なお、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1においては、この洗浄時に基板W上のレジストカバー膜の成分が洗浄液中に溶出する。また、基板Wの洗浄においては、基板Wを回転させつつ基板W上に洗浄液を供給している。この場合、基板W上の洗浄液は遠心力により常に基板Wの周縁部へと移動し飛散する。したがって、洗浄液中に溶出したレジストカバー膜の成分が基板W上に残留することを防止することができる。
なお、上記のレジストカバー膜の成分は、例えば、基板W上に純水を盛って一定時間保持することにより溶出させてもよい。また、基板W上への洗浄液の供給は、二流体ノズルを用いたソフトスプレー方式により行ってもよい。
所定時間経過後、洗浄液の供給が停止され、洗浄処理用ノズル650からリンス液が吐出される。これにより、基板W上の洗浄液が洗い流される。
さらに所定時間経過後、回転軸625の回転速度が低下する。これにより、基板Wの回転によって振り切られるリンス液の量が減少し、図9(a)に示すように、基板Wの表面全体にリンス液の液層Lが形成される。なお、回転軸625の回転を停止させて基板Wの表面全体に液層Lを形成してもよい。
次に、リンス液の供給が停止され、洗浄処理用ノズル650が所定の位置に退避するとともに乾燥処理用ノズル670が基板Wの中心部上方に移動する。その後、乾燥処理用ノズル670から不活性ガスが吐出される。これにより、図9(b)に示すように、基板Wの中心部のリンス液が基板Wの周縁部に移動し、基板Wの周縁部のみに液層Lが存在する状態になる。
次に、回転軸625(図8参照)の回転数が上昇するとともに、図9(c)に示すように乾燥処理用ノズル670が基板Wの中心部上方から周縁部上方へと徐々に移動する。これにより、基板W上の液層Lに大きな遠心力が作用するとともに、基板Wの表面全体に不活性ガスを吹き付けることができるので、基板W上の液層Lを確実に取り除くことができる。その結果、基板Wを確実に乾燥させることができる。
次に、不活性ガスの供給が停止され、乾燥処理ノズル670が所定の位置に退避するとともに回転軸625の回転が停止する。その後、ガード624が下降するとともに図1の第6のセンターロボットCR6またはインターフェース用搬送機構IFRが基板Wを搬出する。これにより、第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2における処理動作が終了する。なお、洗浄および乾燥処理中におけるガード624の位置は、処理液の回収または排液の必要性に応じて適宜変更することが好ましい。
なお、上記実施の形態においては、洗浄液処理用ノズル650から洗浄液およびリンス液のいずれをも供給できるように、洗浄液の供給およびリンス液の供給に洗浄液処理用ノズル650を共用する構成を採用しているが、洗浄液供給用のノズルとリンス液供給用のノズルとを別々に分けた構成を採用してもよい。
また、リンス液を供給する場合には、リンス液が基板Wの裏面に回り込まないように、基板Wの裏面に対して図示しないバックリンス用ノズルから純水を供給してもよい。
また、基板Wを洗浄する洗浄液に純水を用いる場合には、リンス液の供給を行う必要はない。
また、上記実施の形態においては、スピン乾燥方法により基板Wに乾燥処理を施すが、減圧乾燥方法、エアーナイフ乾燥方法等の他の乾燥方法により基板Wに乾燥処理を施してもよい。
また、上記実施の形態においては、リンス液の液層Lが形成された状態で、乾燥処理用ノズル670から不活性ガスを供給するようにしているが、リンス液の液層Lを形成しない場合あるいはリンス液を用いない場合には洗浄液の液層を基板Wを回転させて一旦振り切った後で、即座に乾燥処理用ノズル670から不活性ガスを供給して基板Wを完全に乾燥させるようにしてもよい。
(5)本実施の形態における効果
(5−1)レジストカバー膜判定処理による効果
本実施の形態では、レジストカバー膜用処理ブロック13において基板W上にレジストカバー膜が形成される際に、スレーブコントローラ400によりレジストカバー膜が正常に形成されているか否かを判定するレジストカバー膜判定処理が行われる。このレジストカバー膜判定処理の結果に基づいて、レジストカバー膜が正常に形成されていない不良基板は、露光装置16へ搬送されない。すなわち、露光装置16には、レジストカバー膜が正常に形成された正常基板のみが搬送される。
それにより、露光装置16においては、レジストカバー膜が所定の厚みで均一に形成された基板Wのみに対して液浸法による露光処理が行われるため、基板W上に供給される液体が、基板W上ではじかれたり、基板の外方に流出することが防止される。
したがって、露光装置16の電気系統等の損傷が防止されるとともに、液体で覆われていない基板Wの部分に露光処理が行われることが防止される。その結果、露光装置16の動作不良および基板Wの露光不良が防止される。
また、基板Wの外方に流出した液体が雰囲気中のパーティクル等を含んで汚染物となることが防止され、基板Wの処理不良が防止される。
また、本実施の形態では、インターフェースブロック15における不良基板の滞在時間は、インターフェースブロック15および露光装置16における正常基板の滞在時間と等しくなるように設定される。
それにより、連続的に処理される複数の基板Wに正常基板と不良基板とが含まれる場合においても、インターフェースブロック15における処理の前後で、複数の基板Wの処理間隔が乱れることが防止される。それにより、スループットを維持しつつ、正常基板のみを露光装置16に搬送することができる。
また、露光後ベーク用熱処理部140,141、レジストカバー膜除去用処理部90および現像処理部70において、不良基板の待機時間が各処理の所要時間と等しくなるように設定される。それにより、正常基板と不良基板とが混在する複数の基板Wを連続的に処理する場合においても、スループットを維持しつつ、正常基板と不良基板とで異なる処理を行うことができる。
(5−2)正常基板に対する各処理の効果
以下、正常基板に対する各処理の効果について説明する。
(5−2―a)露光処理後の基板の乾燥処理による効果
本実施の形態に係る基板処理装置500においては、インターフェースブロック15の第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2において、露光処理後の基板Wの乾燥処理が行われる。それにより、露光処理時に基板Wに付着した液体が、基板処理装置500内に落下することが防止される。
また、露光処理後の基板Wの乾燥処理を行うことにより、露光処理後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することが防止されるので、基板Wの汚染を防止することができる。
また、基板処理装置500内を液体が付着した基板Wが搬送されることを防止することができるので、露光処理時に基板Wに付着した液体が基板処理装置500内の雰囲気に影響を与えることを防止することができる。それにより、基板処理装置500内の温湿度調整が容易になる。
また、露光処理時に基板Wに付着した液体がインデクサロボットIRおよび第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6に付着することが防止されるので、露光処理前の基板Wに液体が付着することが防止される。それにより、露光処理前の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することが防止されるので、基板Wの汚染が防止される。その結果、露光処理時の解像性能の劣化を防止することができるとともに露光装置16内の汚染を防止することができる。
また、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2から現像処理部70へ基板Wを搬送する間に、レジストの成分またはレジストカバー膜の成分が基板W上に残留した洗浄液およびリンス液中に溶出することを確実に防止することができる。それにより、レジスト膜に形成された露光パターンの変形を防止することができる。その結果、現像処理時における線幅精度の低下を確実に防止することができる。
これらの結果、基板処理装置500の電気系統の異常等の動作不良を防止することができるとともに、基板Wの処理不良を確実に防止することができる。
また、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2においては、基板Wを回転させつつ不活性ガスを基板Wの中心部から周縁部へと吹き付けることにより基板Wの乾燥処理を行っている。この場合、基板W上の洗浄液およびリンス液を確実に取り除くことができるので、洗浄後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することを確実に防止することができる。それにより、基板Wの汚染を確実に防止することができるとともに、基板Wの表面に乾燥しみが発生することを防止することができる。
(5−2−b)露光処理後の基板の洗浄処理による効果
第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2においては、乾燥処理前に基板Wの洗浄処理が行われる。この場合、露光処理時に液体が付着した基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着しても、その付着物を取り除くことができる。それにより、基板Wの汚染を防止することができる。その結果、基板の処理不良を確実に防止することができる。
(5−2−c)レジストカバー膜の塗布処理の効果
露光装置16において基板Wに露光処理が行われる前に、レジストカバー膜用処理ブロック13において、レジスト膜上にレジストカバー膜が形成される。この場合、露光装置16において基板Wが液体と接触しても、レジストカバー膜によってレジスト膜が液体と接触することが防止されるので、レジストの成分が液体中に溶出することが防止される。
(5−2−d)レジストカバー膜の除去処理の効果
現像処理ブロック12において基板Wに現像処理が行われる前に、レジストカバー膜除去ブロック14において、レジストカバー膜の除去処理が行われる。この場合、現像処理前にレジストカバー膜が確実に除去されるので、現像処理を確実に行うことができる。
(5−2−e)露光処理前の基板の洗浄および乾燥処理による効果
露光装置16において基板Wの露光処理が行われる前に、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1において基板Wの洗浄処理が行われる。この洗浄処理時に、基板W上のレジストカバー膜の成分の一部が洗浄液またはリンス液中に溶出し、洗い流される。そのため、露光装置16において基板Wが液体と接触しても、基板W上のレジストカバー膜の成分は液体中にほとんど溶出しない。また、露光処理前の基板Wに付着した塵埃等を取り除くことができる。これらの結果、露光装置16内の汚染が防止される。
また、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1においては、基板Wの洗浄処理後に基板Wの乾燥処理が行われる。それにより、洗浄処理時に基板Wに付着した洗浄液またはリンス液が取り除かれるので、洗浄処理後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が再度付着することが防止される。その結果、露光装置16内の汚染を確実に防止することができる。
また、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1においては、基板Wを回転させつつ不活性ガスを基板Wの中心部から周縁部へと吹き付けることにより基板Wの乾燥処理を行っている。この場合、基板W上の洗浄液およびリンス液を確実に取り除くことができるので、洗浄後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することを確実に防止することができる。それにより、基板Wの汚染を確実に防止することができるとともに、基板Wの表面に乾燥しみが発生することを防止することができる。
(5−2−f)インターフェースブロックの効果
インターフェースブロック15においては、第6のセンターロボットCR6がエッジ露光部EEWへの基板Wの搬入出、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1への基板Wの搬入出、送りバッファ部SBFへの基板Wの搬入出、載置兼冷却ユニットP−CPへの基板の搬入、および基板載置部PASS13からの基板Wの搬出を行い、インターフェース用搬送機構IFRが載置兼冷却ユニットP−CPからの基板Wの搬出、露光装置16への基板Wの搬入出、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2への基板Wの搬入出、および基板載置部PASS13への基板Wの搬入を行っている。このように、第6のセンターロボットCR6およびインターフェース用搬送機構IFRによって効率よく基板Wの搬送が行われるので、スループットを向上させることができる。
また、インターフェースブロック15において、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2は、X方向の側面の近傍にそれぞれ設けられている。この場合、インターフェースブロック15を取り外すことなく、第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2のメインテナンスを基板処理装置500の側面から容易に行うことができる。
また、第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2により、1つの処理ブロック内で、露光処理前および露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥を行うことができる。したがって、基板処理装置500のフットプリントの増加を防止することができる。
(5−2−g)インターフェース用搬送機構の効果
インターフェースブロック15においては、載置兼冷却ユニットP−CPから露光装置16に基板Wを搬送する際、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2から基板載置部PASS13へ基板Wを搬送する際には、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1が用いられ、露光装置16から第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2へ基板を搬送する際には、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH2が用いられる。
すなわち、液体が付着していない基板Wの搬送にはハンドH1が用いられ、液体が付着した基板Wの搬送にはハンドH2が用いられる。
この場合、露光処理時に基板Wに付着した液体がハンドH1に付着することが防止されるので、露光処理前の基板Wに液体が付着することが防止される。また、ハンドH2はハンドH1より下方に設けられるので、ハンドH2およびそれが保持する基板Wから液体が落下しても、ハンドH1およびそれが保持する基板Wに液体が付着することを防止することができる。それにより、露光処理前の基板Wに液体が付着することを確実に防止することができる。その結果、露光処理前の基板Wの汚染を確実に防止することができる。
(5−2−h)載置兼冷却ユニットP−CPを配設したことによる効果
インターフェースブロック15において、露光装置16による露光処理前の基板Wを載置する機能と、基板Wの温度を露光装置16内の温度に合わせるための冷却機能とを兼ね備えた載置兼冷却ユニットP−CPを設けることにより、搬送工程を削減することができる。基板の厳密な温度管理が要求される液浸法による露光処理を行う上では、搬送工程を削減することは重要となる。
上記により、スループットを向上することが可能となるとともに、搬送のアクセス位置を削減することができるので信頼性を向上することが可能となる。
特に、2個の載置兼冷却ユニットP−CPを設けていることにより、さらにスループットを向上することができる。
(6)洗浄/乾燥処理ユニットの他の例
図8に示した洗浄/乾燥処理ユニットにおいては、洗浄処理用ノズル650と乾燥処理用ノズル670とが別個に設けられているが、図10に示すように、洗浄処理用ノズル650と乾燥処理用ノズル670とを一体に設けてもよい。この場合、基板Wの洗浄処理時または乾燥処理時に洗浄処理用ノズル650および乾燥処理用ノズル670をそれぞれ別々に移動させる必要がないので、駆動機構を単純化することができる。
また、図8に示す乾燥処理用ノズル670の代わりに、図11に示すような乾燥処理用ノズル770を用いてもよい。
図11の乾燥処理用ノズル770は、鉛直下方に延びるとともに側面から斜め下方に延びる分岐管771,772を有する。乾燥処理用ノズル770の下端および分岐管771,772の下端には不活性ガスを吐出するガス吐出口770a,770b,770cが形成されている。
各吐出口770a,770b,770cからは、それぞれ図11の矢印で示すように鉛直下方および斜め下方に不活性ガスが吐出される。つまり、乾燥処理用ノズル770においては、下方に向かって吹き付け範囲が拡大するように不活性ガスが吐出される。
ここで、乾燥処理用ノズル770を用いる場合には、第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2は以下に説明する動作により基板Wの乾燥処理を行う。
図12は、乾燥処理用ノズル770を用いた場合の基板Wの乾燥処理方法を説明するための図である。
まず、図9(a)で説明した方法により基板Wの表面に液層Lが形成された後、図12(a)に示すように、乾燥処理用ノズル770が基板Wの中心部上方に移動する。
その後、乾燥処理用ノズル770から不活性ガスが吐出される。これにより、図12(b)に示すように、基板Wの中心部のリンス液が基板Wの周縁部に移動し、基板Wの周縁部のみに液層Lが存在する状態になる。なお、このとき、乾燥処理用ノズル770は、基板Wの中心部に存在するリンス液を確実に移動させることができるように基板Wの表面に近接させておく。
次に、回転軸625(図8参照)の回転数が上昇するとともに、図12(c)に示すように乾燥処理用ノズル770が上方へ移動する。これにより、基板W上の液層Lに大きな遠心力が作用するとともに、基板W上の不活性ガスが吹き付けられる範囲が拡大する。その結果、基板W上の液層Lを確実に取り除くことができる。なお、乾燥処理用ノズル770は、図8の第2の回動軸672に設けられた回動軸昇降機構(図示せず)により第2の回動軸672を上下に昇降させることにより上下に移動させることができる。
また、乾燥処理用ノズル770の代わりに、図13に示すような乾燥処理用ノズル870を用いてもよい。図13の乾燥処理用ノズル870は、下方に向かって徐々に直径が拡大する吐出口870aを有する。
この吐出口870aからは、図13の矢印で示すように鉛直下方および斜め下方に不活性ガスが吐出される。つまり、乾燥処理用ノズル870においても、図12の乾燥処理用ノズル770と同様に、下方に向かって吹き付け範囲が拡大するように不活性ガスが吐出される。したがって、乾燥処理用ノズル870を用いる場合も、乾燥処理用ノズル770を用いる場合と同様の方法により基板Wの乾燥処理を行うことができる。
また、図8に示す洗浄/乾燥処理ユニットの代わりに、図14に示すような洗浄/乾燥処理ユニットを用いてもよい。
図14に示す洗浄/乾燥処理ユニットが図8に示す洗浄/乾燥処理ユニットと異なるのは以下の点である。
図14の洗浄/乾燥処理ユニットにおいては、スピンチャック621の上方に、中心部に開口を有する円板状の遮断板682が設けられている。アーム688の先端付近から鉛直下方向に支持軸689が設けられ、その支持軸689の下端に、遮断板682がスピンチャック621に保持された基板Wの上面に対向するように取り付けられている。
支持軸689の内部には、遮断板682の開口に連通したガス供給路690が挿通されている。ガス供給路690には、例えば、窒素ガスが供給される。
アーム688には、遮断板昇降駆動機構697および遮断板回転駆動機構698が接続されている。遮断板昇降駆動機構697は、遮断板682をスピンチャック621に保持された基板Wの上面に近接した位置とスピンチャック621から上方に離れた位置との間で上下動させる。
図14の洗浄/乾燥処理ユニットにおいては、基板Wの乾燥処理時に、図15に示すように、遮断板682を基板Wに近接させた状態で、基板Wと遮断板682との間の隙間に対してガス供給路690から不活性ガスを供給する。この場合、基板Wの中心部から周縁部へと効率良く不活性ガスを供給することができるので、基板W上の液層Lを確実に取り除くことができる。
(7)2流体ノズルを用いた洗浄/乾燥処理ユニットの例
(7−1)2流体ノズルを用いた場合の構成および動作
上記実施の形態においては、第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2おいて、図8に示すような洗浄処理用ノズル650および乾燥処理用ノズル670を用いた場合について説明したが、洗浄処理用ノズル650および乾燥処理用ノズル670の一方または両方の代わりに図16に示すような2流体ノズルを用いてもよい。
図16は、洗浄および乾燥処理に用いられる2流体ノズル950の内部構造の一例を示す縦断面図である。2流体ノズル950からは、気体、液体、および気体と液体との混合流体を選択的に吐出することができる。
本実施の形態の2流体ノズル950は外部混合型と呼ばれる。図16に示す外部混合型の2流体ノズル950は、内部本体部311および外部本体部312により構成される。内部本体部311は、例えば石英等からなり、外部本体部312は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂からなる。
内部本体部311の中心軸に沿って円筒状の液体導入部311bが形成されている。液体導入部311bには図8の洗浄処理用供給管663が取り付けられる。これにより、洗浄処理用供給管663から供給される洗浄液またはリンス液が液体導入部311bに導入される。
内部本体部311の下端には、液体導入部311bに連通する液体吐出口311aが形成されている。内部本体部311は、外部本体部312内に挿入されている。なお、内部本体部311および外部本体部312の上端部は互いに接合されており、下端は接合されていない。
内部本体部311と外部本体部312との間には、円筒状の気体通過部312bが形成されている。外部本体部312の下端には、気体通過部312bに連通する気体吐出口312aが形成されている。外部本体部312の周壁には、気体通過部312bに連通するように図8の乾燥処理用供給管674が取り付けられている。これにより、乾燥処理用供給管674から供給される不活性ガスが気体通過部312bに導入される。
気体通過部312bは、気体吐出口312a近傍において、下方に向かうにつれて径小となっている。その結果、不活性ガスの流速が加速され、気体吐出口312aより吐出される。
液体吐出口311aから吐出された洗浄液と気体吐出口312aから吐出された不活性ガスとが2流体ノズル950の下端付近の外部で混合され、洗浄液の微細な液滴を含む霧状の混合流体が生成される。
図17は、図16の2流体ノズル950を用いた場合の基板Wの洗浄および乾燥処理方法を説明するための図である。
まず、図8で示したように、基板Wはスピンチャック621により吸着保持され、回転軸625の回転に伴い回転する。この場合、回転軸625の回転速度は例えば約500rpmである。
この状態で、図17(a)に示すように、2流体ノズル950から洗浄液および不活性ガスからなる霧状の混合流体が基板Wの上面に吐出されるとともに、2流体ノズル950が基板Wの中心部上方から周縁部上方へと徐々に移動する。これにより、2流体ノズル950から混合流体が基板Wの表面全体に吹き付けられ、基板Wの洗浄が行われる。
次いで、図17(b)に示すように、混合流体の供給が停止され、回転軸625の回転速度が低下するとともに、基板W上に2流体ノズル950からリンス液が吐出される。この場合、回転軸625の回転速度は例えば約10rpmである。これにより、基板Wの表面全体にリンス液の液層Lが形成される。なお、回転軸625の回転を停止させて基板Wの表面全体に液層Lを形成してもよい。また、基板Wを洗浄する混合流体中の洗浄液として純水を用いる場合には、リンス液の供給を行わなくてもよい。
液層Lが形成された後、リンス液の供給が停止される。次に、図17(c)に示すように、基板W上に2流体ノズル950から不活性ガスが吐出される。これにより、基板Wの中心部の洗浄液が基板Wの周縁部に移動し、基板Wの周縁部のみに液層Lが存在する状態になる。
その後、回転軸625の回転速度が上昇する。この場合、回転軸625の回転速度は例えば約100rpmである。これにより、基板W上の液層Lに大きな遠心力が作用するので、基板W上の液層Lを取り除くことができる。その結果、基板Wが乾燥される。
なお、基板W上の液層Lを取り除く際には、2流体ノズル950が基板Wの中心部上方から周縁部上方へと徐々に移動してもよい。これにより、基板Wの表面全体に不活性ガスを吹き付けることができるので、基板W上の液層Lを確実に取り除くことができる。その結果、基板Wを確実に乾燥させることができる。
(7−2)2流体ノズルを用いた場合の効果
図16の2流体ノズルにおいては、2流体ノズル950から吐出される混合流体は洗浄液の微細な液滴を含むので、基板W表面に凹凸がある場合でも、洗浄液の微細な液滴により基板Wに付着した汚れが剥ぎ取られる。それにより、基板W表面の汚れを確実に取り除くことができる。また、基板W上の膜の濡れ性が低い場合でも、洗浄液の微細な液滴により基板W表面の汚れが剥ぎ取られるので、基板W表面の汚れを確実に取り除くことができる。
したがって、特に、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1に2流体ノズルを用いた場合には、露光処理前に加熱ユニットHPによって基板Wに熱処理が施される際に、レジスト膜またはレジストカバー膜の溶剤等が加熱ユニットHP内で昇華し、その昇華物が基板Wに再付着した場合でも、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1において、その付着物を確実に取り除くことができる。それにより、露光装置16内の汚染を確実に防止することができる。
また、不活性ガスの流量を調節することにより、基板Wを洗浄する際の洗浄力を容易に調節することができる。これにより、基板W上の有機膜(レジスト膜またはレジストカバー膜)が破損しやすい性質を有する場合には洗浄力を弱くすることで基板W上の有機膜の破損を防止することができる。また、基板W表面の汚れが強固な場合には洗浄力を強くすることで基板W表面の汚れを確実に取り除くことができる。このように、基板W上の有機膜の性質および汚れの程度に合わせて洗浄力を調節することにより、基板W上の有機膜の破損を防止しつつ、基板Wを確実に洗浄することができる。
また、外部混合型の2流体ノズル950では、混合流体は2流体ノズル950の外部において洗浄液と不活性ガスとが混合されることにより生成される。2流体ノズル950の内部においては不活性ガスと洗浄液とがそれぞれ別の流路に区分されて流通する。それにより、気体通過部312b内に洗浄液が残留することはなく、不活性ガスを単独で2流体ノズル950から吐出することができる。さらに、洗浄処理用供給管663からリンス液を供給することにより、リンス液を2流体ノズル950から単独で吐出することができる。したがって、混合流体、不活性ガスおよびリンス液を2流体ノズル950から選択的に吐出することが可能となる。
また、2流体ノズル950を用いた場合においては、基板Wに洗浄液またはリンス液を供給するためのノズルと、基板Wに不活性ガスを供給するためのノズルとをそれぞれ別個に設ける必要がない。それにより、簡単な構造で基板Wの洗浄および乾燥を確実に行うことができる。
なお、上記の説明においては、2流体ノズル950により基板Wにリンス液を供給しているが、別個のノズルを用いて基板Wにリンス液を供給してもよい。
また、上記の説明においては、2流体ノズル950により基板Wに不活性ガスを供給しているが、別個のノズルを用いて基板Wに不活性ガスを供給してもよい。
(B)他の実施の形態
上記実施の形態では、露光後ベーク用熱処理部140,141、レジストカバー膜除去用処理部90および現像処理部70において、不良基板に対しては、それぞれの処理が行われないが、必要に応じて、不良基板に対しても正常基板と同様の処理を施してもよい。
上記実施の形態では、塗布ユニットCOVにおいて基板W上のレジストカバー膜の形成状態が検出されるが、他のユニットまたは複数のユニットにおいて基板W上のレジストカバー膜の形成状態が検出されてもよい。
例えば、インターフェースブロック15のエッジ露光部EEWにおいて、膜厚センサにより基板W上の膜厚測定を行ってもよい。
レジストカバー膜用処理ブロック13は設けなくてもよい。この場合、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1における洗浄処理時に、レジスト膜の成分の一部が洗浄液中に溶出する。それにより、露光装置16においてレジスト膜が液体と接触しても、レジストの成分が液体中に溶出することが防止される。その結果、露光装置16内の汚染を防止することができる。
また、レジストカバー膜用処理ブロック13を設けない場合には、レジストカバー膜除去ブロック14を設けなくてよい。それにより、基板処理装置500のフットプリントを低減することができる。なお、レジストカバー膜用処理ブロック13およびレジストカバー膜除去ブロック14を設けない場合には、基板Wの露光後ベークは、現像処理ブロック12の現像用熱処理部121で行われる。
また、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2、塗布ユニットBARC,RES、COV、現像処理ユニットDEV、除去ユニットREM、加熱ユニットHP、冷却ユニットCPおよび載置兼冷却ユニットP−CPの個数は、各処理ブロックの処理速度に合わせて適宜変更してもよい。例えば、エッジ露光部EEWを2個設ける場合は、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2の個数を2個にしてもよい。
(C)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13およびレジストカバー膜除去ブロック14が処理部に相当し、インターフェースブロック15が受け渡し部に相当し、塗布ユニットRESが感光膜形成ユニットに相当し、塗布ユニットCOVが保護膜形成ユニットに相当し、スレーブコントローラ400、液吐出センサ444、流量計451、脱調センサ447b、圧力計447c、CCDカメラ450および膜厚センサ460が判定手段に相当する。
また、現像処理ユニットDEVが現像処理ユニットに相当し、第3のセンターロボットCR3が第1の搬送手段に相当し、送りバッファ部SBFが基板格納部に相当し、第6のセンターロボットCR6およびインターフェース用搬送機構IFRが第2の搬送手段に相当し、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1が洗浄ユニットに相当し、第2の洗浄/乾燥処理ユニットが乾燥処理ユニットに相当し、供給ノズル82がノズルに相当し、液吐出センサ444がノズル検出器に相当し、CCDカメラ450が撮像装置に相当し、膜圧センサ460が膜厚測定器に相当し、供給ポンプ447がポンプに相当し、圧力計447cがポンプ圧測定器に相当し、脱調センサ447が脱腸検出器に相当し、塗布液供給管445が供給管に相当し、流量計451が流量測定器に相当し、スレーブコントローラ400が吐出状態判定部、画像判定部、膜厚判定部、ポンプ圧判定部、脱調判定部および流量判定部に相当する。