JP2007311734A - 露光装置、基板処理方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板を良好に露光でき、デバイスの生産性の低下を抑制できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置EXは、基板P上に形成された薄膜の欠陥を検出する検出装置60を備えている。液体を介して基板Pが露光される液浸露光の場合には、薄膜の欠陥による液体の流出を未然に検知して、デバイスの生産性の低下を抑制し、露光装置の障害の発生を防止する。
【選択図】図1
【解決手段】露光装置EXは、基板P上に形成された薄膜の欠陥を検出する検出装置60を備えている。液体を介して基板Pが露光される液浸露光の場合には、薄膜の欠陥による液体の流出を未然に検知して、デバイスの生産性の低下を抑制し、露光装置の障害の発生を防止する。
【選択図】図1
Description
本発明は、基板上に露光光を照射して基板を露光する露光装置、基板処理方法、及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、下記特許文献に開示されているような、基板上に液体の液浸領域を形成し、その液体を介して基板を露光する液浸露光装置が案出されている。
国際公開第99/49504号パンフレット
基板上に液体の液浸領域を良好に形成するためには、基板の液体と接触する液体接触面を所望状態にする必要がある。例えば、基板上に形成される感光材などの膜が所望状態で形成されていない場合、液浸領域が良好に形成されず、基板上から液体が流出しあるいは、所望のパターン像を基板上に露光できなくなる等の不都合が生じ、デバイスの生産性が低下してしまう。
また、基板上に所望状態で膜が形成されずに、例えばその膜の一部が基板から剥がれる可能性がある。膜の一部が剥がれた場合、その剥がれた膜の一部が異物となって、基板上に付着したり液体中に混入する可能性がある。異物が存在する状態で基板を露光した場合、基板上に形成されるパターンに欠陥が生じる等の不具合が生じ、デバイスの生産性が低下する可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、基板を良好に露光でき、デバイスの生産性の低下を抑制できる露光装置、基板処理方法、及びデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、薄膜(Rg、Tc)が形成された基板(P)に露光光(EL)を照射して基板(P)を露光する露光装置であって、基板(P)上の薄膜(Rg、Tc)の形成状態を検出する検出装置(60)を備えた露光装置(EX)が提供される。
本発明の第1の態様によれば、基板上の薄膜の形成状態を検出する検出装置を設けたので、その検出装置の検出結果を用いて、デバイスの生産性の低下を抑制するための処置を講ずることができる。
本発明の第2の態様に従えば、液体(LQ)を介して基板(P)に露光光(EL)を照射して基板(P)を露光する露光装置であって、基板(P)のエッジの状態を検出する検出装置(40、60’)を備えた露光装置(EX)が提供される。
本発明の第2の態様によれば、基板のエッジの状態を検出する検出装置を設けたので、その検出装置の検出結果を用いて、デバイスの生産性の低下を抑制するための処置を講ずることができる。
本発明の第3の態様に従えば、液体(LQ)を介して、薄膜(Rg、Tc)が形成された基板(P)に露光光(EL)を照射して基板(P)を露光する露光装置であって、露光光(EL)の光路に配置された光学系(IL)と、液体(LQ)が提供される基板(P)の薄膜(Rg、Tc)の欠陥を検出する検出装置(40、60’)とを備えた露光装置(EX)が提供される。
本発明の第3の態様によれば、液体が提供される基板の薄膜の欠陥を検出する検出装置を設けたので、その検出装置の検出結果を用いて、デバイスの生産性の低下及び露光装置の障害を抑制するための処置を講ずることができる。
本発明の第4の態様に従えば、上記態様の露光装置(EX)を用いるデバイス製造方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、良好な生産性でデバイスを製造することができる。
本発明の第5の態様に従えば、膜(Rg、Tc)が形成された基板(P)を露光処理する基板処理方法であって、基板(P)を基板保持部材(4)に保持することと;基板保持部材(4)に保持された基板(P)に液体(LQ)を介して露光光(EL)を照射して、基板(P)を露光処理することと;基板(P)に露光光(EL)を照射する前に、基板(P)の膜(Rg、Tc)の状態を検出することと;を含む基板処理方法が提供される。
本発明の第5の態様によれば、基板の膜の状態を検出した結果を用いて、デバイスの生産性の低下を抑制するための処置を講ずることができる。
本発明の第6の態様に従えば、液体(LQ)を介して露光される基板(P)の処理方法であって、基板(P)に薄膜(Rg、Tc)を形成すること(SA0)と;薄膜(Rg、Tc)の欠陥を検査すること(SA2、SB2、SC3)と;薄膜(Rg、Tc)上に液体(LQ)を供給すること(SB4、SC8)と;供給された液体(LQ)を介して基板(P)に露光光(EL)を照射すること(SA5、SB5、SC9)と;を含む基板処理方法が提供される。
本発明の第6の態様によれば、液体を介して基板が露光される前に、基板に形成された薄膜の欠陥を予め検出しているので、デバイスの生産性の低下を抑制し、露光装置の障害を未然に防ぐことができる。
本発明の第7の態様に従えば、上記態様の基板処理方法を用いて基板(P)を露光処理することと、露光された基板(P)を現像することと、現像された基板(P)を加工することを含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第7の態様によれば、良好な生産性でデバイスを製造することができる。
本発明によれば、基板を良好に露光することができ、デバイスの生産性の低下を抑制し、露光装置の障害を未然に防止することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、基板P上に露光光ELを照射して基板Pを露光処理する露光装置本体Sと、基板Pを搬送する搬送装置Hと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7と、露光処理に関する各種情報を記憶した記憶装置8とを備えている。露光装置本体Sは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ3と、露光光ELが照射される基板Pを保持して移動可能な基板ステージ4と、マスクステージ3に保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板P上に投影する投影光学系PLとを備えている。なお、ここでいう基板は半導体ウエハ等の基材上に感光材(フォトレジスト)、保護膜(トップコート膜)などの各種の膜を塗布したものを含み、マスクは基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。また、本実施形態においては、マスクとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクを用いることもできる。
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、基板P上に露光光ELを照射して基板Pを露光処理する露光装置本体Sと、基板Pを搬送する搬送装置Hと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7と、露光処理に関する各種情報を記憶した記憶装置8とを備えている。露光装置本体Sは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ3と、露光光ELが照射される基板Pを保持して移動可能な基板ステージ4と、マスクステージ3に保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板P上に投影する投影光学系PLとを備えている。なお、ここでいう基板は半導体ウエハ等の基材上に感光材(フォトレジスト)、保護膜(トップコート膜)などの各種の膜を塗布したものを含み、マスクは基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。また、本実施形態においては、マスクとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクを用いることもできる。
露光装置EXには、基板P上に薄膜を形成するコーティング装置、及び露光処理後の基板Pを現像するデベロッパ装置を含むコータ・デベロッパ装置C/Dが、インターフェースIFを介して接続されている。後述するように、基板P上に形成される薄膜とは、半導体ウエハ等の基材上に形成される感光材からなる膜、及びその感光材からなる膜を覆うトップコート膜と呼ばれる膜などが含まれる。搬送装置Hは、コータ・デベロッパ装置C/D(コーティング装置)からインターフェースIFを介して搬入された露光処理前の基板Pを露光装置本体Sの基板ステージ4へ搬送可能である。また、搬送装置Hは、露光処理後の基板Pを露光装置本体SからインターフェースIFを経てコータ・デベロッパ装置C/D(デベロッパ装置)へ搬送可能である。
また、露光装置EXは、基板P上の薄膜の形成状態を検出する検出装置60を備えている。検出装置60は、コータ・デベロッパ装置C/D(コーティング装置)から露光装置EXに対して搬入された露光処理前の基板P上の薄膜の形成状態を検出する。検出装置60は、搬送装置Hの搬送経路上に設けられている。
搬送装置Hの搬送経路上には、コータ・デベロッパ装置C/Dから露光装置EXに搬入された露光処理前の基板Pの温度調整を行う温調装置50が設けられている。温調装置50は、基板Pの裏面を保持する温調ホルダ51を備えている。検出装置60は、温調装置50近傍に設けられている。搬送装置Hは、温調装置50の温調ホルダ51に基板Pを搬入可能であるとともに、温調ホルダ51から基板Pを搬出可能である。検出装置60は、搬送装置Hによって温調装置50に搬入された基板Pの薄膜の形成状態を検出する。検出装置60は、温調ホルダ51に保持された基板P上に検出光Laを投射する投射系61と、基板Pを介した検出光Laを受光可能な受光系62とを有している。投射系61は、基板Pの表面に斜め方向から検出光Laを投射する。受光系62は、投射系61によって基板Pの表面に投射され、その表面で反射した検出光Laを受光可能である。
次に、図2を参照しながら、露光装置本体Sについて説明する。照明光学系ILは、マスクM上の所定の照明領域を均一な照度分布の露光光ELで照明するものである。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においてはArFエキシマレーザ光が用いられる。
マスクステージ3は、リニアモータ等のアクチュエータを含むマスクステージ駆動装置3Dの駆動により、マスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能である。マスクステージ3(ひいてはマスクM)の位置情報はレーザ干渉計3Lによって計測される。レーザ干渉計3Lは、マスクステージ3上に固設された移動鏡3Kを用いてマスクステージ3の位置情報を計測する。制御装置7は、レーザ干渉計3Lの計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置3Dを駆動し、マスクステージ3に保持されているマスクMの位置制御を行う。なお、移動鏡3Kは平面鏡のみでなくコーナーキューブ(レトロリフレクタ)を含むものとしてもよいし、移動鏡3Kをマスクステージ3に固設する代わりに、例えばマスクステージ3の端面(側面)を鏡面加工して形成される反射面を用いてもよい。
投影光学系PLは、マスクMのパターン像を所定の投影倍率で基板Pに投影する。投影光学系PLは、複数の光学素子を有しており、それら光学素子は鏡筒PKで保持されている。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは縮小系、等倍系、及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ4は、基板Pを保持する基板ホルダ4Hを有しており、ベース部材BP上で、基板ホルダ4Hに基板Pを保持して移動可能である。基板ホルダ4Hは、基板ステージ4上に設けられた凹部4Rに配置されており、基板ステージ4のうち凹部4R以外の上面4Fは、基板ホルダ4Hに保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さ(面一)になるような平坦面となっている。なお、基板ホルダ4Hに保持された基板Pの表面と基板ステージ4の上面4Fとの間に段差があってもよい。また、基板ステージ4の上面4Fの一部、例えば基板Pを囲む所定領域のみ、基板Pの表面とほぼ同じ高さとしてもよい。さらに、基板ホルダ4Hを基板ステージ4の一部と一体に形成してもよいが、本実施形態においては基板ホルダ4Hと基板ステージ4とを別々に構成し、例えば真空吸着などによって基板ホルダ4Hを凹部4Rに固定している。
基板ステージ4は、リニアモータ等のアクチュエータを含む基板ステージ駆動装置4Dの駆動により、基板Pを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。基板ステージ4(ひいては基板P)の位置情報はレーザ干渉計4Lによって計測される。レーザ干渉計4Lは、基板ステージ4に固設された移動鏡4Kを用いて基板ステージ4のX軸、Y軸、及びθZ方向に関する位置情報を計測する。また、基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)は、フォーカス・レベリング検出系30によって検出される。フォーカス・レベリング検出系30は、基板ホルダ4Hに保持された基板P上に検出光Lbを投射する投射系31と、基板Pを介した検出光Lbを受光可能な受光系32とを有している。投射系31は、基板Pの表面に斜め方向から検出光Lbを投射する。受光系32は、投射系31によって基板Pの表面に投射され、その表面で反射した検出光Lbを受光可能である。制御装置7は、レーザ干渉計4Lの計測結果及びフォーカス・レベリング検出系30の検出結果に基づいて基板ステージ駆動装置4Dを駆動し、基板ステージ4に保持されている基板Pの位置制御を行う。
なお、レーザ干渉計4Lは、基板ステージ4のZ軸方向の位置、及びθX、θY方向の回転情報をも計測可能としてもよく、その詳細は、例えば特表2001−510577号公報(対応国際公開第1999/28790号パンフレット)に開示されている。さらに、移動鏡4Kを基板ステージ4に固設する代わりに、例えば基板ステージ4の一部(側面など)を鏡面加工して形成される反射面を用いてもよい。また、フォーカス・レベリング検出系30はその複数の計測点でそれぞれ基板PのZ軸方向の位置情報を計測することで、基板PのθX及びθY方向の傾斜情報(回転角)を検出するものであり、本実施形態においてはこの複数の計測点の少なくとも一部を液浸領域LR(又は投影領域AR)内に設定しているが、全ての計測点を液浸領域LRの外側に設定してもよい。さらに、例えばレーザ干渉計4Lが基板PのZ軸、θX及びθY方向の位置情報を計測可能であるときは、基板Pの露光動作中にそのZ軸方向の位置情報が計測可能となるようにフォーカス・レベリング検出系30を設けなくてもよく、少なくとも露光動作中はレーザ干渉計4Lの計測結果を用いてZ軸、θX及びθY方向に関する基板Pの位置制御を行ってもよい。この場合、フォーカス・レベリング検出系30は一例として、後述の計測ステーションに設けられる。
本実施形態の露光装置EX(露光装置本体S)は、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置である。露光装置EXは、投影光学系PLの像面側の露光光ELの光路空間Kを液体LQで満たし、基板P上に液体LQの液浸領域LRを形成する液浸機構1を備えている。液浸機構1は、基板ステージ4に保持された基板Pと、その基板Pと対向する位置に設けられ、露光光ELが通過する投影光学系PLの最終光学素子FLとの間の光路空間Kを液体LQで満たす。本実施形態においては、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い最終光学素子FLのみが光路空間Kの液体LQと接触する。
液浸機構1は、光路空間Kの近傍に設けられ、光路空間Kに対して液体LQを供給する供給口12及び液体LQを回収する回収口22を有するノズル部材6と、供給管13、及びノズル部材6の供給口12を介して液体LQを供給する液体供給装置11と、ノズル部材6の回収口22、及び回収管23を介して液体LQを回収する液体回収装置21とを備えている。ノズル部材6は、投影光学系PLの最終光学素子FLを囲むように設けられた環状部材である。本実施形態においては、液体LQを供給する供給口12及び液体LQを回収する回収口22はノズル部材6の下面6Aに形成されている。ノズル部材60の下面6Aは、基板ステージ4に保持された基板Pの表面と対向している。また、ノズル部材6の内部には、供給口12と供給管13とを接続する流路、及び回収口22と回収管23とを接続する流路が形成されている。供給口12は、ノズル部材6の下面6Aにおいて、投影光学系PLの最終光学素子FL(光路空間K)を囲むように、複数の所定位置のそれぞれに設けられている。また、回収口22は、ノズル部材6の下面6Aにおいて、最終光学素子FLに対して供給口12よりも外側に設けられており、最終光学素子FL及び供給口12を囲むように環状に設けられている。なお本実施形態においては、回収口22には、例えばチタン製のメッシュ部材、あるいはセラミックス製の多孔部材が配置されている。液体供給装置11及び液体回収装置21の動作は制御装置7に制御される。液体供給装置11は清浄で温度調整された液体LQを送出可能であり、真空系等を含む液体回収装置21は液体LQを回収可能である。
なお、ノズル部材6等の液浸機構1の構造は、上述の構造に限られず、例えば、欧州特許公開第1420298号公報、国際公開第2004/055803号公報、国際公開第2004/057590号公報、国際公開第2005/029559号公報に記載されているものを用いることができる。具体的には、本実施形態においてはノズル部材6の下面が投影光学系PLの下端面(射出面)とほぼ同じ高さ(Z位置)に設定されているが、例えばノズル部材6の下面6Aを投影光学系PLの下端面よりも像面側(基板側)に設定してもよい。この場合、ノズル部材6の一部(下端部)を、露光光ELを遮らないように投影光学系PL(最終光学素子FL)の下側まで潜り込ませて設けてもよい。また、本実施形態においてはノズル部材6の下面6Aに供給口12を設けているが、例えば投影光学系PLの最終光学素子FLの側面と対向するノズル部材6の内側面(傾斜面)に供給口12を設けてもよい。
露光装置EX(露光装置本体S)は、少なくともマスクMのパターン像を基板Pに投影している間、液浸機構1を用いて、露光光ELの光路空間Kを液体LQで満たし、基板P上に液浸領域LRを形成する。露光装置EXは、投影光学系PLと基板P上に形成された液浸領域LRの液体LQとを介してマスクMを通過した露光光ELを基板P上に照射することによって、マスクMのパターン像を基板Pに投影する。また、本実施形態の露光装置EXは、光路空間Kに満たされた液体LQが、投影光学系PLの投影領域ARを含む基板P上の一部の領域に、投影領域ARよりも大きく且つ基板Pよりも小さい液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する局所液浸方式を採用している。制御装置7は、液浸機構1を制御して、液体供給装置11による液体供給動作と液体回収装置21による液体回収動作とを並行して行うことで、光路空間Kを液体LQで満たし、基板P上の一部の領域に液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する。
本実施形態においては、液体LQとして純水が用いられている。純水は、ArFエキシマレーザ光のみならず、例えば、水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)も透過可能である。
図3は、コータ・デベロッパ装置C/Dのコーティング装置によって薄膜が形成された基板Pの一例を示す図である。図3において、基板Pは、半導体ウエハ等の基材Wと、その基材W上に形成された第1膜Rgと、その第1膜Rg上に形成された第2膜Tcとを有している。第1膜Rgは、感光材(フォトレジスト)からなる膜である。第2膜Tcは、トップコート膜と呼ばれる膜であって、例えば液体LQから第1膜Rg及び基材Wの少なくとも一方を保護する機能などを有しており、液体LQに対して撥液性(撥水性)を有している。また、撥液性の膜である第2膜Tcを設けることにより、液体LQの回収性を高めることもできる。第1膜Rgは、例えばスピンコーティング方式によって、基材W上に感光材(フォトレジスト)を塗布することによって形成される。同様に、第2膜Tcも、基板P上にトップコート膜を形成するための材料を塗布することによって形成される。液体LQの液浸領域LRは、基板Pの第2膜Tc上に形成されるため、基板Pのうち第2膜Tcが液浸領域LRの液体LQと接触する液体接触面を形成する。本実施形態において、第2膜Tc上に液体LQを載置した場合の液体LQの接触角は、90°以上である。本実施形態においては、第2膜Tcを形成する形成材料(撥液性材料)として、東京応化工業株式会社製「TSP−3A」が用いられている。
図4は、検出装置60を示す図である。検出装置60は、基板P上に検出光Laを投射する投射系61と、基板Pを介した検出光Laを受光可能な受光系62とを有しており、基板P上の第2膜Tcの形成状態を光学的に検出する。上述のように、第2膜Tcは、基板P上にトップコート膜を形成するための所定の材料を塗布することによって形成されたものであり、検出装置60は、第2膜Tcの塗布状態あるいは第2膜Tcの欠陥を検出する。なお、本明細書において用語「薄膜の欠陥」とは、基板P上に形成された薄膜の状態(塗布状態)の不良のみならず、後述する基板Pのエッジの状態が不良であることをも含む概念である。
検出装置60は、搬送装置Hの搬送経路上に設けられており、基板P上に液浸領域LRが形成される前に、第2膜Tcの形成状態を検出する。すなわち、検出装置60は、液体LQを介さずに、第2膜Tcの形成状態を検出する。
制御装置7は、検出装置60を用いて基板P上の第2膜Tcの形成状態を検出するとき、検出光Laと基板Pとを相対的に移動しつつ、基板P上に検出光Laを照射する。本実施形態においては、基板Pを保持する温調ホルダ51がXY方向に移動可能に設けられており、制御装置7は、基板Pを保持した温調ホルダ51をXY方向に移動しつつ、投射系61からの検出光Laを基板Pに照射する。これにより、基板Pの表面のほぼ全域に検出光Laが投射される。なお、温調ホルダ51に保持された基板Pに対して検出装置60を動かしつつ、基板Pの表面に検出光Laを照射してもよいし、基板Pを保持した温調ホルダ51と検出装置60との両方を動かしてもよい。また、図では、投射系61から投射される検出光Laは1本であるように示されているが、投射系61は基板Pに対して複数の検出光Laを同時に投射することも可能である。この場合、受光系62には、複数の検出光Laに応じた受光面が設けられる。
検出装置60は、温調装置50に搬入された基板Pの第2膜Tcの形成状態を検出する。本実施形態においては、検出装置60は、温調装置50の温調ホルダ51に保持され、温度調整処理が施されている基板Pの第2膜Tcの形成状態を検出する。すなわち、検出装置60による基板Pの第2膜Tcの形成状態の検出処理と、温調装置50による基板Pの温度調整処理とが並行して行われる。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について、図5のフローチャート図を参照しながら説明する。
最初に、コータ・デベロッパ装置C/Dのコーティング装置により、基板P上に第1膜Rg及び第2膜Tcを形成する(ステップSA0)。次いで、このように第1膜Rg及び第2膜Tcが形成された基板Pは、液体を介して露光されるために、コータ・デベロッパ装置C/Dのコーティング装置から、露光装置EXに搬入される。基板Pは、露光装置本体Sの基板ステージ4に搬送される前に、コータ・デベロッパ装置C/D以外の種々の処理装置によって所定の処理を施される。
制御装置7は、搬送装置Hを用いて、基板Pを温調装置50に搬送する(ステップSA1)。すなわち、搬送装置Hは、基板Pを基板ステージ4に搬送する前に、温調装置50に搬入する。基板Pは、温調装置50の温調ホルダ51に保持される。温調装置50は、基板ステージ4に搬送される前の基板Pの温度を調整し、特に、基板ステージ4の基板ホルダ4Hの温度、及び/又は液浸領域LRを形成する液体LQの温度に応じて、基板Pの温度を調整する。例えば、温調装置50は、基板ホルダ4H(又は液体LQ)の温度と合致するように、基板Pの温度を調整する。
制御装置7は、温調装置50に搬入され、温調ホルダ51に保持された基板Pの第2膜Tcの形成状態を、検出装置60を用いて検出する(ステップSA2)。検出装置60は、投射系61より、基板Pの表面に対して検出光Laを照射する。制御装置7は、検出装置60を制御して検出光Laと基板Pとを相対的に移動しつつ、基板P上に検出光Laを照射する。これにより、基板Pの表面のほぼ全域における第2膜Tcの形成状態を検出することができる。基板Pの表面で反射した検出光Laは受光系62に受光される。受光系62の受光結果は制御装置7に出力される。
ここで、記憶装置8には、第2膜Tcの形成状態と受光系62の受光状態との関係が予め記憶されている。制御装置7は、記憶装置8に記憶されている記憶情報と、受光系62の受光結果とに基づいて、第2膜Tcの形成状態が所望状態であるか否かを判別する(ステップSA3)。
例えば、第2膜Tcが所望状態で形成されている場合には、基板P(第2膜Tc)に照射された検出光Laは、受光系62の受光面の所定位置に所定の光量で到達する。一方、第2膜Tcの少なくとも一部が所望状態で形成されておらず、不良状態である場合には、受光系62に到達する検出光Laの光量が、所望状態である場合に対して変化(低下)したり、あるいは受光系62の受光面に到達する検出光Laの位置が変化したり、あるいは受光系62に検出光Laが到達しない状況が発生する。「第2膜Tcが不良である」または「第2膜Tcに欠陥が存在する」とは、基板P上において第2膜Tcがまったく形成(塗布)されていないまたは部分的にしか形成されていない領域が存在していたり、所望の厚み(膜厚)で形成されていない領域が存在する状態を含む。
所望状態の基板P(第2膜Tc)に検出光Laを投射したときの受光系62での受光状態は、例えば実験及び/又はシミュレーションによって予め求めておくことができる。そのため、所望状態の基板P(第2膜Tc)に検出光Laを投射したときの受光系62での受光状態に関する情報を記憶装置8に予め記憶しておくことにより、制御装置7は、記憶装置8に記憶されている記憶情報と、受光系62の受光結果とに基づいて、第2膜Tcの形成状態が所望状態、特に液浸露光に望ましい状態であるか否かを判別することができる。
制御装置7は、受光系62の受光結果(検出装置60の検出結果)の検出結果に基づいて、搬送装置Hの動作を制御する。具体的には、ステップSA3において、受光系62の受光結果(検出装置60の検出結果)の検出結果に基づいて、第2膜Tcの形成状態が所望状態であると判断した場合、制御装置7は、温調装置50による基板Pの温度調整処理が終了した後、その基板Pを搬送装置Hを用いて、露光装置本体Sの基板ステージ4に搬送する(ステップSA4)。基板ステージ4に搬入された基板Pは、その基板ステージ4(基板ホルダ4H)に保持される。制御装置7は、基板ステージ4に保持された基板Pに対して、例えばアライメント処理等の所定の処理を施すとともに、液浸機構1を用いて基板P上に液体LQの液浸領域LRを形成する。そして、制御装置7は、基板Pの液浸露光を開始する(ステップSA5)。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを走査方向に同期移動しつつマスクMに形成されたパターン像を基板Pに露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。制御装置7は、レーザ干渉計3L、4Lを用いて、マスクM(マスクステージ3)、基板P(基板ステージ4)の位置情報を計測しながら、露光光ELに対してマスクMと基板Pを移動しつつ、基板P上に設定された複数のショット領域を液体LQを介して順次露光する。基板Pの露光処理が終了した後、制御装置7は、液浸領域LRを基板P上から退かし、搬送装置Hを用いて、その基板Pを基板ステージ4から搬出(アンロード)し、コータ・デベロッパ装置C/D(デベロッパ装置)へ搬送する。
一方、ステップSA3において、受光系62の受光結果(検出装置60の検出結果)に基づいて、第2膜Tcの形成状態が不良状態であると判断した場合、制御装置7は、搬送装置Hを用いて、その基板Pを基板ステージ4以外の所定の位置へ搬送する(ステップSA6)。例えば、制御装置7は、第2膜Tcの形成状態が不良状態であると判断した場合、その基板Pを搬送装置Hを用いて、温調装置50からコータ・デベロッパ装置C/Dへ搬送する。あるいは、制御装置7は、その基板Pを搬送装置Hを用いて、所定の退避位置へ退避する。第2膜Tcが不良であると判断された基板Pは、廃棄されてもよく、あるいは膜を形成し直して再利用してもよい。
液浸露光においては、投影光学系PLと基板Pとの間で液体LQを良好に保持して所望状態の液浸領域LRを形成するために、液体LQと基板Pの液体接触面との接触状態(接触角)が最適化される。すなわち、液浸露光においては、液体LQに応じて、基板P上の薄膜(第2膜Tc)が形成される。第2膜Tcの形成状態が不良状態である場合、投影光学系PLと基板Pとの間で液体LQを良好に保持できずに液体LQが流出したり、回収口22を介した液体LQの回収を良好に行うことができずに液体LQが基板P上に残留したり、液浸領域LRが良好に形成されずに、露光光ELの光路空間Kに気体部分が生成されるなどの不都合が生じる可能性がある。そのため、第2膜Tcの形成状態が不良状態である基板Pを基板ステージ4に搬入して液浸露光を行ってしまった場合、液体LQが流出して基板ステージ4近傍の周辺機器に被害が生じる等の不都合が生じる。特に、流出した液体が周辺機器に付着または浸入することにより露光装置の運転を停止しなければならない事態も生じ得る。例えば、コータ・デベロッパ装置C/Dの不具合で、基板上にフォトレジスト膜やトップコート膜が形成されなかった場合に、そのような事態が生じ得る。そのような膜が形成されていない基板が基板ステージに搬送されてしまうと、基板上に供給された液体が基板上に留まることができず、基板の外に流れ出る可能性がある。すなわち、基板上に予定された膜が形成されていないことは、液浸露光装置において極めて甚大な被害を及ぼすことになる。すなわち、液体を介さないで露光が行われる従来の露光(ドライ露光)では、膜の形成されていない基板を膜が適正に形成された基板に交換して再度露光すれば足り、スループットへの影響はあるものの露光装置自体の故障を招く可能性は極めて低い。これに対して液浸露光では、そのような露光装置自体の故障を未然に防ぐ必要があることが発明者の実験により明らかとなった。
あるいは、不良状態の液浸領域LRを通過した露光光ELが基板P上に照射されたり、基板P上に残留した液体LQに起因して基板P上にウォーターマークが形成されるなどして、製造されるデバイスが不良となる可能性がある。そのような不良デバイスが製造されることは、デバイスの生産性の低下を招くこととなる。この問題もまた液浸露光特有の問題である。本実施形態においては、基板ステージ4に基板Pを搬入する前に、第2膜Tcの形成状態を検出することによって、第2膜Tcの形成状態が不良状態である場合には、その基板Pを基板ステージ4に搬送することなく、例えばその基板Pをコータ・デベロッパ装置C/Dに搬送するなど、適切な処置を講ずることができる。また、その基板Pは基板ステージ4に搬送されないので、その基板P上に液浸領域LRが形成されることもない。したがって、上述の不都合の発生を防止し、デバイスの生産性の低下を抑制することができる。
以上説明したように、基板P上の薄膜(第2膜Tc)の形成状態を検出する検出装置60を設けたので、その検出装置60の検出結果を用いて、デバイスの生産性の低下を抑制し、露光装置の故障を未然に防ぐための適切な処置を講ずることができる。
また、本実施形態においては、検出装置60は、温調装置50に搬入された基板Pの第2膜Tcの形成状態を検出しており、検出装置60による基板Pの第2膜Tcの形成状態の検出処理と、温調装置50による基板Pの温度調整処理とが並行して行われる。したがって、処理効率を向上することができる。なお、検出処理と温度調整処理とは同時に行う必要はなく、検出処理の後に温度調整処理を行ってもよく、温度調整処理の後に検出処理を行ってもよい。
なお、本実施形態においては、検出装置60は、温調装置50の近傍に設けられているが、搬送装置Hの搬送経路上の任意の位置に設けることができる。例えば、基板ステージ4にロードされる前の基板Pを基板ステージ4に対して大まかに位置決めするプリアライメント装置が搬送装置Hの搬送経路上に設けられている場合には、検出装置60をそのプリアライメント装置近傍に設けることができる。そして、検出装置60は、プリアライメント装置に搬入された基板Pの第2膜Tcの形成状態を検出することができる。また、制御装置7は、検出装置60による基板Pの第2膜Tcの形成状態の検出処理と、プリアライメント装置による基板Pの位置決め処理とを並行して行うことができる。もちろん、温調装置50及び/又はプリアライメント装置以外の他の処理装置の近傍に検出装置60を設け、その処理装置に搬入された基板Pの第2膜Tcの形成状態を検出するようにしてもよい。あるいは、検出装置60は、搬送装置Hに保持された状態の基板Pの第2膜Tcの形成状態を検出するようにしてもよい。また、検出装置60を他の処理装置(温調装置50又はプリアライメント装置など)と兼用させることとしてもよい。
なお、第1実施形態においては、液浸領域LRの液体LQを介して基板Pの表面情報を取得するフォーカス・レベリング検出系30が配置されているが、これを省いて、投影光学系PLから離れた計測ステーションで、液体LQを介さずに基板Pの表面情報を取得するようにしてもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図6のフローチャート図を参照しながら説明する。本実施形態の特徴的な部分は、基板ホルダ4Hに保持された状態の基板P上の薄膜の形成状態を検出する点にある。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第2実施形態について図6のフローチャート図を参照しながら説明する。本実施形態の特徴的な部分は、基板ホルダ4Hに保持された状態の基板P上の薄膜の形成状態を検出する点にある。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
コータ・デベロッパ装置C/Dのコーティング装置で第1膜Rg及び第2膜Tcが形成された基板Pは、液体を介する露光のために露光装置EXに搬入される。基板Pは、露光装置本体Sの基板ステージ4に搬送される前に、温調装置50を含む種々の処理装置によって所定の処理を施される。温調装置50を含む種々の処理装置による処理が終了した後、制御装置7は、搬送装置Hを用いて、基板Pを基板ステージ4(基板ホルダ4H)に搬送する(ステップSB1)。
制御装置7は、基板ステージ4に搬入され、基板ホルダ4Hに保持された状態の基板P上の第2膜Tcの形成状態を、フォーカス・レベリング検出系30を用いて検出する(ステップSB2)。図7に示すように、制御装置7は、基板P上に液浸領域LRを形成する前に、フォーカス・レベリング検出系30を用いた第2膜Tcの形成状態を検出する。フォーカス・レベリング検出系30は、検出装置60とほぼ同等の構成を有しており、第2膜Tcの形成状態を光学的に検出可能である。すなわち、第2膜Tcが所望状態で形成されている場合には、投射系31によって基板P(第2膜Tc)に照射された検出光Lbは、受光系32の受光面の所定位置に所定の光量で到達する。一方、第2膜Tcの少なくとも一部が不良状態である場合には、受光系32に到達する検出光Lbの光量が、所望状態である場合に対して変化(低下)したり、あるいは受光系32の受光面に到達する検出光Lbの位置が変化する等の状況が発生する。制御装置7は、基板P上の第2膜Tcの形成状態を検出するために、投射系31から投射される検出光Lbと基板ステージ4上の基板Pとを相対的に移動しつつ、基板P上に検出光Lbを照射する。
上述の第1実施形態同様、記憶装置8には、第2膜Tcの形成状態と受光系32の受光状態との関係が予め記憶されている。制御装置7は、記憶装置8に記憶されている記憶情報と、受光系32の受光結果とに基づいて、第2膜Tcの形成状態が所望状態であるか否かを判別する(ステップSB3)。
ステップSB3において、受光系32の受光結果(フォーカス・レベリング検出系30の検出結果)に基づいて、第2膜Tcの形成状態が所望状態であると判断した場合、制御装置7は、基板ホルダ4Hに保持された基板Pに対して、例えばアライメント処理等の所定の処理を行うとともに、液浸機構1を用いて、基板ホルダ4Hに保持されている基板P上に液体LQの液浸領域LRを形成する(ステップSB4)。そして、制御装置7は、基板Pの液浸露光を行う(ステップSB5)。
基板Pの液浸露光を行うときには、制御装置7は、フォーカス・レベリング検出系30によって検出した基板Pの面位置情報に基づいて、基板Pの位置を調整しつつ、基板Pを露光する。本実施形態のフォーカス・レベリング検出系30は、基板Pの表面のうち液浸領域LRの外側に検出光Lbを投射するようになっており、液体LQを介さずに基板Pの面位置情報を検出する。なお、フォーカス・レベリング検出系30は、液体LQを介して基板Pの面位置情報を検出してもよい。
基板Pの露光処理が終了した後、制御装置7は、搬送装置Hを用いて、その基板Pを基板ステージ4から搬出(アンロード)し、コータ・デベロッパ装置C/D(デベロッパ装置)へ搬送する。
一方、ステップSB3において、受光系32の受光結果(フォーカス・レベリング検出系30の検出結果)に基づいて、第2膜Tcの形成状態が不良状態であると判断した場合、制御装置7は、搬送装置Hを用いて、その基板Pを基板ステージ4から搬出(アンロード)し、所定の位置へ搬送する(ステップSB6)。例えば、制御装置7は、第2膜Tcの形成状態が不良状態であると判断した場合、その基板Pを搬送装置Hを用いて、基板ステージ4からコータ・デベロッパ装置C/Dへ搬送する。あるいは、制御装置7は、その基板Pを搬送装置Hを用いて、所定の退避位置へ退避する。
なお、本実施形態においては、基板P上に液浸領域LRが形成される前に、第2膜Tcの形成状態を液体LQを介さずに検出しているが、基板P上に液浸領域LRを形成した後、フォーカス・レベリング検出系30を用いて、液体LQを介して、第2膜Tcの形成状態を検出するようにしてもよい。液体LQの基板Pからの流出による露光装置EXへの悪影響を未然に防止する観点からすれば、基板ステージ4に基板Pを搬入する前に、第2膜Tcの形成状態を検出するのが望ましい。
また、第2実施形態においては、検出装置60を設けなくてもよいし、検出装置60で基板P上の薄膜の形成状態をチェックした後に、基板ステージ4に搬入された基板P上の薄膜の形成状態を再チェックするようにしてもよい。
なお、上述の各実施形態では、基板Pの表面に照射した検出光の反射光に基づいて、薄膜の形成状態を検出しているが、例えば特開2002−141274号公報に開示されているような、光干渉式膜厚計を備え、基板Pの薄膜が形成された面に光を照射して反射光のスペクトルを求め、このスペクトルに基づいて膜厚(膜厚分布)を測定可能な膜厚測定装置を用いることもできる。制御装置7は、この膜厚測定装置の測定結果に基づいて、基板P上の薄膜の形成状態が所望状態であるか否かを判別することができる。
また、基板P上の薄膜の形成状態を検出するために、基板Pの表面に液体(液滴)を散布した後、その基板Pの表面に散布された液体の状態を、CCD等の撮像装置によって観察するようにしてもよい。基板P上に形成された薄膜の形成状態が所望状態である場合と不良状態である場合とでは、基板Pの表面に散布された液体の状態(液体の膜の形成状態など)が異なるため、制御装置7は、撮像装置の撮像結果を画像処理し、その処理結果に基づいて、基板P上の薄膜の形成状態を検出することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。上述のように、投影光学系PLから離れた計測ステーションで、液体LQを介さずに基板Pの表面情報(面位置情報)を取得することもでき、その基板Pの表面情報を取得するためのフォーカス・レベリング検出系を計測ステーションに設けることができる。そして、その計測ステーションに設けられたフォーカス・レベリング検出系を用いて、基板P上の薄膜の形成状態を検出することができる。本実施形態においては、その計測ステーションに設けられたフォーカス・レベリング検出系を用いて、基板P上の薄膜の形成状態を検出する場合を例にして説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第3実施形態について説明する。上述のように、投影光学系PLから離れた計測ステーションで、液体LQを介さずに基板Pの表面情報(面位置情報)を取得することもでき、その基板Pの表面情報を取得するためのフォーカス・レベリング検出系を計測ステーションに設けることができる。そして、その計測ステーションに設けられたフォーカス・レベリング検出系を用いて、基板P上の薄膜の形成状態を検出することができる。本実施形態においては、その計測ステーションに設けられたフォーカス・レベリング検出系を用いて、基板P上の薄膜の形成状態を検出する場合を例にして説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
また、本実施形態の露光装置EXは、計測ステーションに基板P上のアライメントマークを検出するマーク検出系40を備えている。本実施形態のマーク検出系40は、基板Pのエッジの状態を検出可能である。本実施形態においては、マーク検出系40は、基板P上の少なくとも一部に液体LQの液浸領域LRが形成される前に、基板ステージ4に保持された基板P上のアライメントマーク及び基板Pのエッジの状態を検出する。
図8は、第3実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。図8において、露光装置EXは、基板Pを露光する露光ステーションST1と、投影光学系PLから離れた位置に設けられ、所定の計測及び基板Pの交換を行う計測ステーションST2とを備えている。露光ステーションST1には、投影光学系PL、及びノズル部材6等が設けられており、計測ステーションST2には、フォーカス・レベリング検出系30、及びマーク検出系40等が設けられている。基板ステージ4は、露光ステーションST1の投影光学系PLからの露光光ELが照射可能な第1領域SP1と、計測ステーションST2の検出系30、40からの検出光Lb、Lcが照射可能な第2領域SP2とを含むベース部材BP上の所定領域内で、基板Pを保持して移動可能である。第1領域SP1は、投影光学系PLの下の露光光ELが照射可能な位置を含み、第2領域SP2は、検出系30、40の下の検出光Lb、Lcが照射可能な位置を含む。第1領域SP1と第2領域SP2とは異なる領域である。なお、第1領域SP1と第2領域SP2の一部が重複してもよい。基板ステージ4は、露光ステーションST1の露光光ELが照射可能な位置に基板Pを保持可能であり、計測ステーションST2の検出光Lb、Lcが照射可能な位置に基板Pを保持可能である。図8には、基板ステージ4が計測ステーションST2に配置された状態が示されている。また、露光ステーションST1と計測ステーションST2とで、基板ステージ4を駆動するアクチュエータ(リニアモータなど)及び/又はレーザ干渉計などを異ならせてもよい。
また、図8に示すように、計測ステーションST2の近傍には、基板Pの交換を行うための搬送装置Hが設けられている。制御装置7は、搬送装置Hを用いて、計測ステーションST2の基板交換位置(ローディングポジション)RPに移動した基板ステージ4から露光処理済みの基板Pをアンロード(搬出)し、露光処理されるべき基板Pを基板ステージ4にロード(搬入)する作業(基板交換作業)を実行可能である。なお、本実施形態においては、基板Pのロードとアンロードとを同一位置(基板交換位置)RPにて行うが、異なる位置にてロードとアンロードとを行うこととしてもよい。
上述の実施形態と同様、フォーカス・レベリング検出系30は、基板ステージ4に保持された基板P上に検出光Lbを投射する投射系31と、基板Pを介した検出光Lbを受光可能な受光系32とを有している。投射系31は、計測ステーションST2に配置された基板ステージ4に保持された基板Pの表面に斜め方向から検出光Lbを投射する。受光系32は、投射系31によって基板Pの表面に投射され、その表面で反射した検出光Lbを受光可能である。フォーカス・レベリング検出系30は、投影光学系PLとは離れた計測ステーションST2で、基板ステージ4に保持された基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する面位置情報)を検出する。
マーク検出系40は、基板ステージ4に保持された基板Pのアライメント情報(基板P上の複数のショット領域のX、Y、θZ方向の位置情報)を取得するための光学装置を含み、基板P上に形成されているアライメントマークを検出可能なアライメント系である。また、マーク検出系40は、基板Pのエッジの状態を検出可能である。マーク検出系40は、露光光ELとは異なる検出光Lcを対象物に照射する照射装置と、その照射装置からの検出光Lcで照明された対象物の光学像(画像)を取得する撮像装置とを含む。マーク検出系は、検出光Lcを基板Pに照射して、基板P上のマークの画像を取得する。また、マーク検出系40は、基板Pのエッジを検出光Lcで照明し、その検出光Lcで照明された基板Pのエッジの画像を取得することができる。マーク検出系40の検出結果は、制御装置7に出力される。
本実施形態のマーク検出系40は、例えば特開平4−65603号公報(対応米国特許第5,493,403号)などに開示されているような、基板P上の感光材を感光させない露光光ELとは異なる波長の検出光Lcを対象マーク(基板Pに形成されたアライメントマーク等)に照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された検出対象のマークの像と指標(マーク検出系40内に設けられた指標板上の指標マーク)の像とを撮像装置(CCD等)を用いて撮像し、それらの撮像信号を画像処理することでマークの位置を計測するFIA(Field Image Alignment)方式のアライメント系である。マーク検出系40の指標は、レーザ干渉計4Lで規定される座標系内におけるマーク検出系40の検出基準位置を規定する。マーク検出系40は、検出対象マークの像と指標との位置関係(位置ずれ)を検出することによって、マーク検出系40で規定される座標系内における検出対象マークと検出基準位置との位置関係(位置ずれ)を検出することができる。
次に、本実施形態に係る露光装置EXの動作の一例について、図9のフローチャート図を参照して説明する。本実施形態においては、制御装置7は、計測ステーションST2において、基板ステージ4に次に露光処理されるべき基板Pをロードした後、上述の実施形態と同様にして、その計測ステーションST2に存在する基板ステージ4に保持された基板P上の薄膜の形成状態を、フォーカス・レベリング検出系30を用いて検出する。また、制御装置7は、計測ステーションST2に存在する基板ステージ4に保持された基板Pのエッジの状態を、マーク検出系40を用いて検出する。また、制御装置7は、計測ステーションST2に存在する基板ステージ4に保持された基板Pの位置情報を、フォーカス・レベリング検出系30及びマーク検出系40を用いて、液体LQを介さずに取得する。ここで、基板Pの位置情報とは、投影光学系PLの像面など所定の基準面に対する基板Pの面位置情報(Z、θX、θY方向の位置情報)、及び所定の基準位置に対する基板Pのアライメント情報(基板P上の複数のショット領域のX、Y、θZ方向の位置情報)を含む。
以下の説明においては、光路空間Kを液体LQで満たさない状態を、ドライ状態、と適宜称し、光路空間Kを液体LQで満たした状態を、ウエット状態、と適宜称する。また、投影光学系PLと液体LQとを介して形成される像面を、ウエット状態で形成される像面、と適宜称する。
制御装置7は、計測ステーションST2において、基板Pの交換、及び所定の計測処理を開始する。例えば、制御装置7は、計測ステーションST2の基板交換位置RPに基板ステージ4を配置し、搬送装置Hを用いて、その基板ステージ4に露光処理されるべき基板Pをロードする。計測ステーションST2において、基板ステージ4は基板Pを保持する(ステップSC1)。
基板Pを基板ステージ4で保持した後、制御装置7は、計測ステーションST2において、基板ステージ4に保持された状態の基板P上の第2膜Tcの形成状態を、フォーカス・レベリング検出系30を用いて検出する(ステップSC2)。図8に示すように、計測ステーションST2は、基板ステージ4の上面が投影光学系PL(ノズル部材6)と対向しない位置に設けられており、制御装置7は、基板P上の少なくとも一部に液浸領域LRが形成される前に、フォーカス・レベリング検出系30を用いた第2膜Tcの形成状態を検出する。上述の第2実施形態で説明したように、第2膜Tcが所望状態で形成されている場合には、フォーカス・レベリング検出系30の投射系31によって基板P(第2膜Tc)に照射された検出光Lbは、受光系32の受光面の所定位置に所定の光量で到達する。一方、第2膜Tcの少なくとも一部が不良状態である場合には、受光系32に到達する検出光Lbの光量が、所望状態である場合に対して変化(低下)したり、あるいは受光系32の受光面に到達する検出光Lbの位置が変化する等の状況が発生する。制御装置7は、基板P上の第2膜Tcの形成状態を検出するために、投射系31から投射される検出光Lbと基板ステージ4上の基板Pとを相対的に移動しつつ、基板P上に検出光Lbを照射する。
上述の実施形態と同様、記憶装置8には、第2膜Tcの形成状態と受光系32の受光状態との関係が予め記憶されている。制御装置7は、記憶装置8に記憶されている記憶情報と、受光系32の受光結果とに基づいて、第2膜Tcの形成状態が所望状態であるか否かを判別する(ステップSC3)。
ステップSC3において、フォーカス・レベリング検出系30の検出結果に基づいて、第2膜Tcの形成状態が不良状態であると判断した場合、制御装置7は、搬送装置Hを用いて、その基板Pを基板ステージ4から搬出(アンロード)し、所定の位置へ搬送する(ステップSC10)。例えば、制御装置7は、第2膜Tcの形成状態が不良状態であると判断した場合、その基板Pを搬送装置Hを用いて、基板ステージ4からコータ・デベロッパ装置C/Dへ搬送する。あるいは、制御装置7は、その基板Pを搬送装置Hを用いて、所定の退避位置へ退避する。
ステップSC3において、受光系32の受光結果(フォーカス・レベリング検出系30の検出結果)に基づいて、第2膜Tcの形成状態が所望状態であると判断した場合、制御装置7は、基板ステージ4に保持された状態の基板Pのエッジの状態を、マーク検出系40を用いて検出する(ステップSC4)。マーク検出系40は、基板Pが基板ステージ4に保持された後に、計測ステーションST2の第2領域SP2において、基板ステージ4に保持された基板Pのエッジの状態を検出する。
図10は、マーク検出系40が基板Pのエッジの状態を検出している状態を示す模式図である。制御装置7は、計測ステーションST2において、基板ステージ4をXY方向に移動し、マーク検出系40の検出領域に、基板ステージ4に保持された基板Pのエッジを配置する。上述のように、マーク検出系40は、撮像装置を含み、マーク検出系40の検出領域に配置された基板Pのエッジの光学像(画像)を取得する。また、制御装置7は、基板ステージ4を動かして、マーク検出系40の検出領域に対して基板Pのエッジを移動しつつ、マーク検出系40による検出を行い、基板Pのエッジの全域をマーク検出系40で検出する。マーク検出系40の検出結果(撮像結果)は制御装置7に出力される。制御装置7は、マーク検出系40の検出結果に基づいて、基板Pのエッジの状態が所望状態であるか否かを判別する(ステップSC5)。
基板Pのエッジの状態は、基板Pのエッジの薄膜の形成状態を含む。本実施形態においては、基板Pのエッジの状態は、基板Pのエッジの第1膜Rg及び第2膜Tcの少なくとも一方の形成状態を含む。上述のように、第1膜Rgは、例えばスピンコーティング方式によって、基材W上に感光材(フォトレジスト)を塗布することによって形成され、第2膜Tcも、基板P上にトップコート膜を形成するための材料を塗布することによって形成される。本実施形態においては、マーク検出系40は、基板Pのエッジの第1膜Rg及び第2膜Tcの少なくとも一方の塗布状態(膜の有無、膜の剥がれ、膜の厚さなど)を検出する。
また、基板Pのエッジの状態は、基板Pのエッジの異物の有無状態(付着状態)も含む。すなわち、マーク検出系40は、基板Pのエッジに異物が存在するか否かも検出する。
本実施形態においては、記憶装置8には、基板Pのエッジの理想状態の画像情報が予め記憶されている。制御装置7は、マーク検出系40を用いて基板Pのエッジを検出(撮像)した結果を例えば画像処理し、その画像処理した結果と、記憶装置8に記憶されている基板Pのエッジの理想状態の画像情報とを比較する。制御装置7は、その比較結果に基づいて、マーク検出系40で検出(撮像)した基板Pのエッジの状態が所望状態であるか否か判別する。
ステップSC5において、マーク検出系40の検出結果に基づいて、基板Pのエッジの状態が不良状態であると判断した場合、制御装置7は、搬送装置Hを用いて、その基板Pの露光を開始することなく、その基板Pを基板ステージ4から搬出(アンロード)し、所定の位置へ搬送する(ステップSC10)。例えば、制御装置7は、基板Pのエッジの状態が不良状態であると判断した場合、その基板Pを搬送装置Hを用いて、基板ステージ4からコータ・デベロッパ装置C/Dへ搬送する。あるいは、制御装置7は、その基板Pを搬送装置Hを用いて、所定の退避位置へ退避する。ここで、基板Pのエッジの状態が不良状態であるとは、基板Pのエッジに第1膜Rg及び第2膜Tcの少なくとも一方が良好に塗布されていない状態、及び基板Pのエッジに異物が存在する状態の少なくとも一方を含む。
ステップSC5において、マーク検出系40の検出結果に基づいて、基板Pのエッジの状態が所望状態であると判断した場合、制御装置7は、基板ステージ4に保持された基板Pの位置情報を取得する動作を開始する。
制御装置7は、計測ステーションST2において、レーザ干渉計4Lで、基板Pを保持した基板ステージ4のX軸方向及びY軸方向の位置情報を計測しつつ、マーク検出系40を用いて、基板P上に複数のショット領域に対応する複数のアライメントマークを、液体を介さずに検出する(ステップSC6)。これにより、制御装置7は、レーザ干渉計4Lによって規定される座標系内における各アライメントマークのX軸方向及びY軸方向に関する位置情報を求めることができる。制御装置7の、その位置情報に基づいて、基板P上の複数のショット領域の座標位置情報(配列情報)を求めることができる。本実施形態においては、マーク検出系40の検出領域と投影光学系PL及び液体LQとを介して形成されるパターン像の投影位置との位置関係は予め計測され、記憶装置8に記憶されているので、各ショット領域を露光するときに、各ショット領域の座標位置情報に基づいて、基板P上のショット領域の各々とパターン像とを順次所望の状態に位置合わせすることができる。
また、制御装置7は、計測ステーションST2において、フォーカス・レベリング検出系30を用いて、基板ステージ4に保持されている基板Pの表面の面位置情報を、液体LQを介さずに検出する(ステップSC7)。
本実施形態では、制御装置7は、基板ステージ4の移動を制御し、基板Pを保持した基板ステージ4をXY平面内で移動しつつ、基板Pの表面の複数の検出点での面位置を、フォーカス・レベリング検出系30を用いて検出する。例えば、制御装置7は、レーザ干渉計4Lの出力をモニタしつつ、基板ステージ4を移動し、基板P表面の面内(XY平面内)における複数点での面位置情報を、フォーカス・レベリング検出系30を用いて検出する。これにより、制御装置7は、座標系内における基板Pの表面の複数の検出点における面位置情報を求めることができる。フォーカス・レベリング検出系30の検出結果は、基板PのXY平面内での位置に対応させて、記憶装置8に記憶される。フォーカス・レベリング検出系30を用いて検出される面位置情報と投影光学系PL及び液体LQとを介して形成される像面との位置関係は予め求められているので、各ショット領域を露光するときに、ステップSC7で求めたフォーカス・レベリング検出系30を用いて検出された面位置情報に基づいて、投影光学系PL及び液体LQとを介して形成される像面と基板Pの表面とを所望の状態に位置合わせることができる。
計測ステーションST2の第2領域SP2における、フォーカス・レベリング検出系30による基板P上の薄膜の形成状態の検出、マーク検出系40による基板Pのエッジの状態の検出、マーク検出系40及びフォーカス・レベリング検出系30によるアライメント情報及び面位置情報を含む基板Pの位置情報の取得等を含む各処理が終了した後、制御装置7は、基板ステージ4を、露光光ELが照射可能な露光ステーションST1の第1領域SP1に移動する。
制御装置7は、基板Pを保持した基板ステージ4を、計測ステーションST2から露光ステーションST1に移動した後、その露光ステーションST1の第1領域SP1に配置された基板ステージ4(基板P)上に、液浸機構1を用いて液浸領域LRを形成する(ステップSC8)。そして、制御装置7は、ステップSC7で求めた、基板Pの表面の面位置情報に基づいて、基板ステージ4を制御して、基板Pの表面(露光面)の位置を調整しつつ、ステップSC6で求めた、基板P上の各ショット領域の座標位置情報(配列情報)に基づいて、基板PのX軸方向、Y軸方向、θZ方向の位置を制御し、露光ステーションST1において、基板P上の複数のショット領域を順次露光する(ステップSC9)。基板ステージ4は、露光ステーションST1の第1領域SP1において、露光光ELが照射可能な位置に基板Pを保持可能であり、制御装置7は、露光ステーションST1の第1領域SP1に配置された基板ステージ4に保持されている基板P上に、液浸機構1を用いて液浸領域LRを形成し、その第1領域SP1において、基板ステージ4に保持された基板Pに投影光学系PL及び液体LQを介して露光光ELを照射して、基板Pを露光する。図11には、露光ステーションST1に配置された状態の基板ステージ4が示されている。
基板ステージ4上の基板Pに対する液浸露光処理が終了した後、制御装置7は、露光ステーションST1の基板ステージ4を計測ステーションST2に移動する。制御装置7は、計測ステーションST2に移動した基板ステージ4に保持されている露光処理済みの基板Pを、搬送装置Hを用いてアンロードする。
以上説明したように、本実施形態においても、基板P上の少なくとも一部に液体LQの液浸領域LRが形成される前に、基板P上の薄膜(第2膜Tc)の形成状態を検出するので、薄膜の形成状態が不良である場合には、その基板Pを露光ステーションST1の第1領域SP1に配置することなく、例えばその基板Pをコータ・デベロッパ装置C/Dに搬送する等、適切な処置を講ずることができる。また、その基板Pは、露光ステーションST1に配置されないので、その基板P上に液浸領域LRが形成されることもない。したがって、上述の実施形態と同様、液体LQが流出する等の不都合の発生を抑え、デバイスの生産性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態においては、基板P上の少なくとも一部に液体LQの液浸領域LRが形成される前に、基板Pのエッジの状態を検出している。基板Pのエッジにおいて、例えば第1膜Rg及び第2膜Tcの少なくとも一方の一部が基材Wから剥がれた場合、その剥がれた膜の一部が異物となって、基板上(基板上のショット領域)に付着したり、あるいは液浸露光中に、液体LQ中に混入する可能性がある。また、基板Pのエッジが不良状態であることを放置したまま、例えば、図12の模式図に示すように、基板Pのエッジ上に液浸領域LRを形成した場合、液浸露光中に、基板Pのエッジの膜の一部が剥がれて、液体LQ中に混入する可能性もある。また、基板Pのエッジに異物が付着した状態を放置したまま、液浸露光を実行した場合にも、例えば基板上のショット領域にその異物が付着したり、あるいは液浸領域LRの液体LQ中に異物が混入する可能性がある。異物が存在する状態で基板を露光した場合、基板上に形成されるパターンに欠陥が生じる等の不具合が生じ、製造されるデバイスが不良となる可能性がある。そのような不良のデバイスが製造されることは、デバイスの生産性の低下を招くこととなる。また、異物が存在する状態で基板Pを液浸露光した場合、液体LQ中の異物が、液浸領域LRの液体LQに接触する部材、例えばノズル部材6、基板ステージ4の一部、又は最終光学素子FL等に付着し、その後の露光にも影響を与える可能性がある。また、基板Pのエッジにおいて、第1膜Rg及び第2膜Tcの少なくとも一方の塗布状態が不良である可能性もある。例えば、基板Pのエッジにおいて、撥液性の膜である第2膜Tcの塗布状態が不良状態であることを放置したまま、図12の模式図に示すように、基板Pのエッジ上に液浸領域LRを形成した場合、例えば、塗布状態が不良である第2膜Tcのエッジが剥がれたり、第2膜のTcの下層の第1膜Rgが液体LQと接触して、第1膜Rgの剥がれが生じたり、第1膜Rgの構成物質(PAG,クエンチャーなど)が溶出して、最終光学素子FLの液体接触面に曇りが生じたりする可能性がある。また、基板Pの上面と基板ステージ4の上面4Fとの間のギャップに液体LQが浸入し、さらにその液体LQが基板Pの裏面側に浸入する可能性がある。基板Pの裏面側に液体LQが浸入した場合、例えば基板ホルダ4Hを濡らしてしまい、基板Pを円滑に保持できなくなったり、基板Pを基板ホルダ4Hから円滑にアンロードできなくなる可能性がある。また、基板Pの裏面に接触する搬送装置Hも濡れてしまう可能性がある。特に、液体漏れが一旦起こると、露光装置の運転を中止しなければならない事態が生じ、スループットの低下のみならず露光装置自体の故障にもつながる。すなわち、このような液体漏れから発生する問題は液浸露光装置特有の問題である。
本実施形態においては、基板P上の少なくとも一部に液体LQの液浸領域LRが形成される前に、基板Pのエッジの状態を検出することによって、エッジの状態が不良である場合には、その基板Pを露光ステーションST1の第1領域SP1に配置することなく、例えばその基板Pをコータ・デベロッパ装置C/Dに搬送する等、適切な処置を講ずることができる。また、その基板Pは、露光ステーションST1に配置されないので、その基板P上に液浸領域LRが形成されることもない。したがって、上述の不都合の発生を抑え、デバイスの生産性の低下を抑制することができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は上述の第3実施形態の変形例であって、第4実施形態の露光装置EXの第3実施形態と異なる特徴的な部分は、ベース部材BP上の所定領域内を互いに独立して移動可能な複数の基板ステージを備えた点にある。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は上述の第3実施形態の変形例であって、第4実施形態の露光装置EXの第3実施形態と異なる特徴的な部分は、ベース部材BP上の所定領域内を互いに独立して移動可能な複数の基板ステージを備えた点にある。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図13は、第4実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、例えば、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報(対応米国特許6,341,007、6,400,441、6,549,269、及び6,590,634)、特表2000−505958号公報(対応米国特許5,969,441)、特表2000−511704号公報、特開2000−323404号公報、特表2001−513267号公報、特開2002−158168号公報などに開示されているような、基板を保持して移動可能な複数の基板ステージを備えたマルチステージ(ツインステージ)型の露光装置である。
図13において、本実施形態の露光装置EXは、基板Pを保持して移動可能な2つの基板ステージ4、5を備えている。上述の第3実施形態と同様、本実施形態の露光装置EXも、投影光学系PLからの露光光ELが照射可能な第1領域SP1を含む露光ステーションST1と、検出系30、40からの検出光Lb、Lcが照射可能な第2領域SP2を含む計測ステーションST2とを備えている。第1基板ステージ4は、露光ステーションST1の第1領域SP1及び計測ステーションST2の第2領域SP2を含むベース部材BP上の所定領域内を基板Pを保持して移動可能であり、第2基板ステージ5は、第1領域SP1及び第2領域SP2を含むベース部材BP上の所定領域内を第1基板ステージ4とは独立して、基板Pを保持して移動可能である。本実施形態において、第1基板ステージ4と第2基板ステージ5とは、ほぼ同等の構成を有する。
本実施形態においては、例えば第1基板ステージ4が、計測ステーションST2の第2領域SP2に配置されているときに、第2基板ステージ5は、露光ステーションST1の第1領域SP1に配置される。
そして、本実施形態においては、露光ステーションST1の第1領域SP1において、第2基板ステージ5に保持された基板Pの露光の少なくとも一部と並行して、計測ステーションST2の第2領域SP2において、フォーカス・レベリング検出系30を用いた検出、及びマーク検出系40を用いた検出が実行される。上述の実施形態と同様、計測ステーションST2におけるフォーカス・レベリング検出系30、及びマーク検出系40を用いた検出は、基板Pの膜の状態及び基板Pのエッジの状態の少なくとも一方の検出、及び基板Pの位置情報の検出を含む。すなわち、計測ステーションST2におけるフォーカス・レベリング検出系30を用いた検出は、基板P上の薄膜の形成状態の検出、及び基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)の検出の少なくとも一方を含む。また、計測ステーションST2におけるマーク検出系40を用いた検出は、基板Pのエッジの状態の検出、及び基板Pのアライメント情報(基板P上の複数のショット領域のX、Y、θZ方向の位置情報)の検出を含む。
例えば、制御装置7は、計測ステーションST2の基板交換位置RPに第1基板ステージ4を配置し、搬送装置Hを用いて、その第1基板ステージ4に露光処理されるべき基板Pをロードする。そして、制御装置7は、計測ステーションST2において、第3実施形態と同様に、第1基板ステージ4に保持された基板Pに関する処理を開始する。一方、計測ステーションST2での処理と並行して、露光ステーションST1では、第2基板ステージ5に保持され、計測ステーションST2で計測処理済みの基板Pの露光が開始される。
露光ステーションST1における処理、及び計測ステーションST2における処理のそれぞれが終了すると、制御装置7は、第2基板ステージ5を計測ステーションST2に移動するとともに、第1基板ステージ4を露光ステーションST1に移動する。なお、本実施形態においては、第2基板ステージ5を計測ステーションST2に移動するとともに、第1基板ステージ4を露光ステーションST1に移動するとき、制御装置7は、液浸領域LRを形成し続けた状態で、その液浸領域LRを、第2基板ステージ5上から第1基板ステージ4上に移動する。例えば、図14の模式図に示すように、制御装置7は、最終光学素子FLの下面と対向する位置(投影光学系PLの直下の位置)を含む所定領域内で、基板ステージ4の上面4Fと計測ステージ5の上面5Fとを接近又は接触させた状態で、基板ステージ4と計測ステージ5とをXY平面内で一緒に移動することにより、液浸機構1によって形成された液浸領域LRを、基板ステージ4の上面4Fと計測ステージ5の上面5Fとの間で移動可能である。
そして、制御装置7は、露光処理済みの基板Pを保持した第2基板ステージ5を計測ステーションST2に移動した後、第2基板ステージ5上の基板Pを搬送装置Hを用いてアンロードする。さらに、次に露光処理されるべき基板Pが計測ステーションST2の第2基板ステージ5にロードされ、上述のように、フォーカス・レベリング検出系30及びマーク検出系40を用いた計測処理が行われる。
一方、制御装置7は、計測ステーションST2において計測処理された基板Pを保持した第1基板ステージ4を、露光ステーションST1に移動した後、その露光ステーションST1において、上述の第3実施形態と同様に、その第1基板ステージ4に保持されている基板Pを液浸露光する。
第1基板ステージ4上の基板Pに対する液浸露光処理が終了した後、制御装置7は、露光ステーションST1の第1基板ステージ4を計測ステーションST2に移動するとともに、計測ステーションST2で計測処理を終えた基板Pを保持した第2基板ステージ5を露光ステーションST1に移動する。
このようにして、第1基板ステージ4と第2基板ステージ5とが交互に露光ステーションST1に投入され、複数の基板Pが順次露光される。
以上説明したように、本実施形態においても、基板P上の少なくとも一部に液体LQの液浸領域LRが形成される前に、基板P上の薄膜の形成状態、及び基板Pのエッジの状態の少なくとも一方を検出するので、薄膜の形成状態及びエッジの状態の少なくとも一方が不良である場合には、その基板Pを露光ステーションST1の第1領域SP1に配置することなく、例えばその基板Pをコータ・デベロッパ装置C/Dに搬送する等、適切な処置を講ずることができる。また、その基板Pは、露光ステーションST1に配置されないので、その基板P上に液浸領域LRが形成されることもない。したがって、上述の実施形態と同様、デバイスの生産性の低下を抑制することができる。
なお、上述の第3、第4実施形態において、フォーカス・レベリング検出系30を用いて、基板Pのエッジの状態を検出することもできる。また、マーク検出系40を用いて、基板P上の薄膜の形成状態を検出することもできる。また、フォーカス・レベリング検出系30とマーク検出系40のいずれか一方を露光ステーションST1に設けてもよい。
また、上述の第3、第4本実施形態においては、フォーカス・レベリング検出系30が基板Pの薄膜の形成状態(及び/又は基板Pのエッジ状態)の検出にも用いられ、マーク検出系40がエッジ状態の検出(及び/又は基板Pの薄膜形成状態)の検出にも用いられているが、専ら基板Pの薄膜の形成状態、及び/又は基板Pのエッジ状態の検出に用いられる検出系を計測ステーションST2に別途設けてもよい。
また、上述の第3、第4実施形態においては、基板Pの薄膜の形成状態の検出と、基板Pのエッジ状態の検出の両方を実行しているが、どちらか一方を行うようにしてもよい。
また、上述の第1実施形態において、検出装置60で基板Pのエッジの状態も検出するようにしてもよい。また、上述の第1実施形態において、検出装置60とは別に、温調ホルダ51に保持された基板Pのエッジ状態を検出する検出装置を設けてもよい。この場合、基板Pのエッジ状態の検出装置は、例えば、上述の第3、第4実施形態のマーク検出系40のような構成とすることができる。また、上述の第1実施形態において、基板Pのエッジ状態を検出するだけでもよい。
また、上述の第2実施形態において、フォーカス・レベリング検出系30を用いて基板Pのエッジ状態を検出するようにしてもよい。この場合も、基板Pの薄膜の形成状態の検出と、基板Pのエッジ状態の検出の両方を実行してもよいし、どちらか一方を行うだけでもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態の特徴的な部分は、基板Pが基板ステージ4に保持される前に、その基板Pのエッジの状態が検出される点にある。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態の特徴的な部分は、基板Pが基板ステージ4に保持される前に、その基板Pのエッジの状態が検出される点にある。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図15は、第5実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。図15において、露光装置EXは、基板Pのエッジの状態を検出する検出装置60’を備えている。検出装置60’は、コータ・デベロッパ装置C/D(コーティング装置)から露光装置EXに対して搬入され、基板ステージ4に保持される前の、基板Pのエッジの状態を検出する。
上述の実施形態と同様、露光装置EXは、基板Pを搬送する搬送装置Hを備えている。搬送装置Hは、コータ・デベロッパ装置C/Dからの基板Pを基板ステージ4に搬送可能である。検出装置60’は、搬送装置Hの搬送経路上に設けられている。
上述の実施形態と同様、露光装置EXは、基板Pを搬送する搬送装置Hを備えている。搬送装置Hは、コータ・デベロッパ装置C/Dからの基板Pを基板ステージ4に搬送可能である。検出装置60’は、搬送装置Hの搬送経路上に設けられている。
図16は、検出装置60’を示す模式図である。検出装置60’は、露光光ELとは異なる検出光Ldを射出する照射装置61’と、その照射装置61’からの検出光Ldで照明された対象物の光学像(画像)を取得する撮像装置62’とを含む。本実施形態の検出装置60’は、例えば特開2000−136916号公報(対応欧州特許第1,001,460号)などに開示されているように、赤外レーザ光等の検出光Ldに対して基板Pを傾斜させた状態で、その基板Pのエッジを検出光Ldで照明し、その検出光Ldで照明されたエッジの画像を撮像装置62’で取得する。本実施形態においては、検出装置60’は、照射装置61’から射出された検出光Ldを基板Pのエッジに導くプリズム等を含む光学系63を有し、基板Pのエッジを透過した検出光Ld及び基板Pのエッジで反射した検出光Ldの少なくとも一方が、撮像装置62’に入射する。検出装置60’の検出結果は、制御装置7に出力される。
制御装置7は、検出装置60’の検出結果に基づいて、基板Pのエッジの状態が所望状態であるか否かを判別する。上述のように、基板Pのエッジの状態は、基板Pのエッジの薄膜の形成状態、及び基板Pのエッジの異物の有無状態の少なくとも一方を含む。
検出装置60’の検出結果に基づいて、基板Pのエッジの状態が不良状態であると判断した場合、制御装置7は、搬送装置Hを用いて、その基板Pを所定の位置へ搬送する。例えば、制御装置7は、基板Pのエッジの状態が不良状態であると判断した場合、その基板Pを搬送装置Hを用いて、コータ・デベロッパ装置C/Dへ搬送する。あるいは、制御装置7は、その基板Pを搬送装置Hを用いて、所定の退避位置へ退避する。一方、検出装置60’の検出結果に基づいて、基板Pのエッジの状態が所望状態であると判断した場合、制御装置7は、搬送装置Hを用いて、その基板Pを基板ステージ4に搬送する。基板ステージ4は、搬送装置Hからの基板Pを保持する。制御装置7は、基板ステージ4に保持された基板P上に液浸領域LRを形成し、その基板Pの液浸露光を開始する。
以上説明したように、本実施形態においても、基板P上の少なくとも一部に液体LQの液浸領域LRが形成される前に、基板Pのエッジの状態を検出するので、エッジの状態が不良である場合には、その基板Pを基板ステージ4に搬送することなく、例えばその基板Pをコータ・デベロッパ装置C/Dに搬送する等、適切な処置を講ずることができる。また、その基板Pは、基板ステージ4に搬送されないので、その基板P上に液浸領域LRが形成されることもない。したがって、上述の実施形態と同様、デバイスの生産性の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態で図16を用いて説明した検出装置60’を上述の各実施形態に適用して、基板Pのエッジの状態を検出してもよい。
なお、上述の各実施形態において、基板P上の薄膜の形成状態、及び基板Pのエッジの状態の少なくとも一方を、例えば特開2002−195956号公報に開示されているような、マクロ検査装置を用いて検出するようにしてもよい。例えば、そのマクロ検査装置を、搬送装置Hの搬送経路上に設けておくことにより、基板Pが基板ステージ4に保持される前に、又は基板Pが基板ステージに保持された後であって、基板P上の少なくとも一部に液体LQの液浸領域LRが形成される前に、基板P上の膜の状態、及び基板Pのエッジの状態の少なくとも一方を検出することができる。
なお、上述の各実施形態においては、基板P上の第2膜Tcの形成状態を検出しているが、基板P上の第2膜Tcを省略してもよい。基板P上に第2膜Tcが形成されていない場合には、検出装置は、第1膜Rgの形成状態を検出する。制御装置7は、その検出結果を用いて、デバイスの生産性の低下を抑制するための適切な処置を講ずることができる。
なお、上述の各実施形態においては、第2膜Tcとして、感光材からなる第1膜Rgを保護する機能を有するトップコート膜を例にして説明したが、例えば、反射防止膜など、他の機能を有する膜であってもよい。また、上述の実施形態においては、基材W上には第1膜及び第2膜の2層の膜が形成されているように説明したが、もちろん、1層、あるいは3層以上の複数層の膜が形成されていてもよい。制御装置7は、その基板P上の膜の形成状態を検出した検出結果を用いて、デバイスの生産性の低下を抑制するための適切な処置を講ずることができる。
なお、上述の各実施形態において、基板P上に形成される薄膜は、コーティング装置による塗布処理によって形成されており、検出装置は、その薄膜の塗布状態を検出しているが、基板P上の薄膜がコーティング以外の手法によって形成されていてもよい。例えば、反射防止膜が、CVD法、PVD法等の手法によって形成される場合があるが、上述の各実施形態の検出装置は、CVD法、PVD法等の手法によって形成された薄膜の形成状態も検出することができる。このように、コーティング(塗布)以外の手法によって形成された薄膜であっても、検出装置は、その薄膜の形成状態を検出することができる。
上述の各実施形態において、基板P上の少なくとも一部に液体LQの液浸領域LRが形成される前に、基板P上の膜の状態及び/又は基板Pのエッジの状態を検出していたが、基板Pを基板ステージ4に搬入する前に、基板Pの薄膜上に液体を供給した状態で上記検査を実行してもよい。このような検査は、基板ステージの外側であれば、任意の場所で行うことができる。例えば、露光装置本体Sの内部、露光装置EX内の温調ホルダ、搬送ホルダ上、あるいはコータ・デベロッパ装置C/D内で行ってもよい。この場合、液体LQの液浸領域LRが形成された状態を予め創り出すことができるので、液浸状態における膜を検査することができる。特に、液体の接触角などの液体と膜の物理的な接触状態を直接観測して、膜が液浸露光に良好な状態であるかを判断できるという利点がある。
なお、上述の各実施形態においては、基板P上に形成された液浸領域LRの液体LQを介して基板Pを露光する液浸露光装置を使用する場合を例にして説明したが、露光光ELの光路空間に液体を満たさず、気体を介して基板を露光する通常のドライ型露光装置にも、基板上の薄膜の形成状態を検出する検出装置を設けることができる。
上述したように、上記各実施形態における液体LQには純水を用いた。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上の感光材及び光学素子(レンズ)等に対する悪影響が少ない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの表面、及び投影光学系PLの先端に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44と言われており、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
上記各実施形態では、投影光学系PLの先端に光学素子FLが取り付けられており、この光学素子により投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整を行うことができる。なお、投影光学系PLの先端に取り付ける光学素子としては、投影光学系PLの光学特性の調整に用いる光学プレートであってもよい。あるいは露光光ELを透過可能な平行平面板であってもよい。
なお、液体LQの流れによって生じる投影光学系PLの先端の光学素子と基板Pとの間の圧力が大きい場合には、その光学素子を交換可能とするのではなく、その圧力によって光学素子が動かないように堅固に固定してもよい。
また、上述の実施形態の投影光学系は、先端の光学素子(最終光学素子FL)の像面(射出面)側の光路空間を液体で満たしているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、先端の光学素子の物体面(入射面)側の光路空間も液体で満たす投影光学系を採用することもできる。
なお、上記各実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい。例えば、露光光ELの光源がF2レーザである場合、このF2レーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはF2レーザ光を透過可能な例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)あるいはフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。この場合、液体LQと接触する部分には、例えばフッ素を含む極性の小さい分子構造の物質で薄膜を形成することで親液化処理する。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PL及び基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。
また、液体LQとしては、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。更に、石英及び蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で、液体LQと接触する投影光学系PLの光学素子(最終光学素子FLなど)を形成してもよい。液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上記各実施形態においては、干渉計システム(3L、4L)を用いてマスクステージ3及び基板ステージ4の各位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。この場合、干渉計システムとエンコーダシステムとの両方を備えるハイブリッドシステムとし、干渉計システムの計測結果を用いてエンコーダシステムの計測結果の較正(キャリブレーション)を行うことが好ましい。また、干渉計システムとエンコーダシステムとを切り換えて用いる、あるいはその両方を用いて、ステージの位置制御を行うようにしてもよい。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、第4実施形態においては、露光ステーションと計測ステーションとを二つの基板ステージが移動するマルチステージ(ツインステージ)型の露光装置を説明したが、他の実施形態の露光装置に複数の基板ステージを採用してもよい。
更に、例えば特開平11−135400号公報(対応国際公開第1999/23692号パンフレット)、特開2000−164504号公報(対応米国特許第6,897,963号)等に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLと基板Pとの間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、本発明は、特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような露光対象の基板の表面全体が液体中に浸かっている状態で露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
上記各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸領域が形成される。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスクとも呼ばれ、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含む)を用いてもよい。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
さらに、例えば特表2004−519850号公報(対応米国特許第6,611,316号)に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図17に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態に従って、基板上に薄膜を形成し、薄膜の状態を検出・評価し、マスクのパターンを基板に露光し、露光した基板を現像する基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
本発明によれば、基板を良好に露光することができ、デバイスの生産性の低下を抑制することができる。特に、液体を介して基板を露光する液浸露光装置の故障を未然に防止して、高密度な回路パターンを有するデバイスを高いスループットで生産することができる。このため、本発明は、我国の半導体産業を含むハイテク産業及びIT技術の発展に貢献するであろう。
1…液浸機構、4…基板ステージ、5…第2基板ステージ、4H…基板ホルダ、7…制御装置、8…記憶装置、30…フォーカス・レベリング検出系、31…投射系、32…受光系、40…マーク検出系、50…温調装置、60…検出装置、61…投射系、62…受光系、EL…露光光、EX…露光装置、H…搬送装置、LQ…液体、P…基板、Rg…第1膜、S…露光装置本体、SP1…第1領域、SP2…第2領域、Tc…第2膜、W…基材
Claims (49)
- 薄膜が形成された基板に露光光を照射して前記基板を露光する露光装置であって、
前記基板上の薄膜の形成状態を検出する検出装置を備えた露光装置。 - 前記薄膜は、前記基板上に所定の材料を塗布することによって形成され、
前記検出装置は、前記薄膜の塗布状態を検出する請求項1記載の露光装置。 - 前記基板上に液体の液浸領域を形成する液浸機構を備え、
前記液浸領域の液体を介して前記基板上に前記露光光を照射する請求項1記載の露光装置。 - 前記検出装置は、前記基板上に前記液浸領域が形成される前に前記薄膜の形成状態を検出する請求項3記載の露光装置。
- 前記薄膜は撥液性の膜を含む請求項3記載の露光装置。
- 前記検出装置は、前記薄膜の形成状態を光学的に検出する請求項1記載の露光装置。
- 前記検出装置は、前記基板上に検出光を投射する投射系と、前記基板を介した前記検出光を受光可能な受光系とを有する請求項1記載の露光装置。
- 前記薄膜の形成状態と前記受光系の受光状態との関係を予め記憶した記憶装置と、
前記記憶装置に記憶されている前記関係と前記受光系の受光結果とに基づいて、前記薄膜の形成状態が所望状態であるか否かを判別する判別装置とを備えた請求項7記載の露光装置。 - 前記露光光が照射される前記基板を保持する保持部材と、
前記保持部材に前記基板を搬送可能な搬送装置とを備え、
前記検出装置は、前記搬送装置の搬送経路上に設けられている請求項1記載の露光装置。 - 前記検出装置の検出結果に基づいて、前記搬送装置の動作を制御する制御装置を備えた請求項9記載の露光装置。
- 前記搬送装置の搬送経路上に設けられ、前記基板を処理する処理装置を備え、
前記検出装置は、前記処理装置に搬入された前記基板の薄膜の形成状態を検出する請求項9記載の露光装置。 - 前記露光光が照射される前記基板を保持する保持部材を備え、
前記検出装置は、前記保持部材に保持された状態の前記基板上の前記薄膜の形成状態を検出する請求項1記載の露光装置。 - 前記検出装置は、前記基板のエッジの前記薄膜の形成状態を検出する請求項1〜12のいずれか一項記載の露光装置。
- 薄膜の形成状態の検出は、薄膜の存在を検出することである請求項1記載の露光装置。
- 液体を介して基板に露光光を照射して前記基板を露光する露光装置であって、
前記基板のエッジの状態を検出する検出装置を備えた露光装置。 - 前記検出装置は、前記基板のエッジの薄膜の形成状態を検出する請求項15記載の露光装置。
- 前記薄膜は、前記基板上に所定の材料を塗布することによって形成され、
前記検出装置は、前記基板のエッジの薄膜の塗布状態を検出する請求項16記載の露光装置。 - 前記薄膜は、撥液性の膜を含む請求項16記載の露光装置。
- 前記検出装置は、前記基板のエッジに異物が存在するか否かを検出する請求項15記載の露光装置。
- 前記検出装置は、前記基板上の少なくとも一部に前記液体の液浸領域が形成される前に、前記エッジの状態を検出する請求項15記載の露光装置。
- 前記露光光が照射可能な位置に前記基板を保持可能な基板保持部材をさらに備え、
前記検出装置は、前記基板が前記基板保持部材に保持される前に、前記エッジの状態を検出する請求項20記載の露光装置。 - 前記基板保持部材に前記基板を搬送可能な搬送装置を備え、
前記検出装置は、前記搬送装置の搬送経路上に設けられている請求項21記載の露光装置。 - 前記露光光が照射可能な位置に前記基板を保持可能な第1基板保持部材をさらに備え、
前記検出装置は、前記基板が前記第1基板保持部材に保持された後に、前記エッジの状態を検出する請求項20記載の露光装置。 - 前記検出装置により前記第1基板保持部材に保持された基板のエッジの状態を検出した後に、前記第1基板保持部材を前記露光光が照射可能な第1領域内に移動する請求項23記載の露光装置。
- 前記第1基板保持部材は、前記露光光が照射可能な第1領域と前記第1領域とは異なる第2領域とを含む所定領域内で、前記基板を保持して移動可能であり、
前記検出装置は、前記第2領域において、前記第1基板保持部材に保持された前記基板のエッジの状態を検出する請求項23記載の露光装置。 - 前記所定領域内を前記第1基板保持部材とは独立して、基板を保持して移動可能な第2基板保持部材をさらに備え、
前記第1基板保持部材が前記第2領域に配置されているときに、前記第2基板保持部材は前記第1領域に配置される請求項25記載の露光装置。 - 前記第1領域において、前記第2基板保持部材に保持された基板の露光の少なくとも一部と並行して、前記第2領域において、前記検出装置による前記第1基板保持部材に保持された基板のエッジの状態の検出を実行する請求項26記載の露光装置。
- 前記第1領域において、前記第2基板保持部材に保持された基板の露光の少なくとも一部と並行して、前記第2領域において、前記第1基板保持部材に保持された基板の位置情報を取得する請求項27記載の露光装置。
- 前記検出装置は、前記位置情報を取得するための光学装置を含む請求項28記載の露光装置。
- 前記検出装置は、前記エッジの光学像を取得する撮像装置を含む請求項15記載の露光装置。
- 液体を介して、薄膜が形成された基板に露光光を照射して前記基板を露光する露光装置であって、
露光光の光路に配置された光学系と、
前記液体が提供される基板の薄膜の欠陥を検出する検出装置とを備えた露光装置。 - 前記薄膜の欠陥は、薄膜の不在である請求項31記載の露光装置。
- 前記薄膜の欠陥は、基板のエッジにおける薄膜の不良である請求項31記載の露光装置。
- 前記検出装置は、前記液体が薄膜上に存在しない状態で薄膜の欠陥を検出する請求項31記載の露光装置。
- 前記検出装置は、露光装置に基板が搬送される搬送路に設けられる請求項31記載の露光装置。
- さらに、基板の温度を調節する温調装置を備え、
前記検出装置は、温調装置に設けられている請求項31記載の露光装置。 - 前記露光装置は、露光ステーションと計測ステーションとを有し、
前記検出装置は、計測ステーションに設けられている請求項31記載の露光装置。 - さらに、基板を保持して、前記露光ステーションと前記計測ステーションとを移動可能な基板保持部材を備える請求項37記載の露光装置。
- 前記薄膜は、感光材又は保護膜である請求項31記載の露光装置。
- 請求項1、15、及び31のいずれか一項記載の露光装置を用いるデバイス製造方法。
- 膜が形成された基板を露光処理する基板処理方法であって、
前記基板を基板保持部材に保持することと;
前記基板保持部材に保持された前記基板に液体を介して露光光を照射して、前記基板を露光処理することと;
前記基板に前記露光光を照射する前に、前記基板の膜の状態を検出することと;
を含む基板処理方法。 - 前記基板の膜の状態の検出は、前記基板保持部材に前記基板を保持する前に実行される請求項41記載の基板処理方法。
- 前記基板の膜の状態の検出は、前記基板のエッジの膜の状態の検出を含む請求項41記載の基板処理方法。
- 前記基板の膜の状態の検出は、前記膜の不在の検出を含む請求項41記載の基板処理方法。
- 液体を介して露光される基板の処理方法であって、
前記基板に薄膜を形成することと;
前記薄膜の欠陥を検査することと;
前記薄膜上に液体を供給することと;
前記供給された液体を介して基板に前記露光光を照射することと;
を含む基板処理方法。 - 前記検査により薄膜の欠陥が存在しないときにのみ、前記薄膜上に液体を供給する請求項45記載の基板処理方法。
- 前記薄膜の形成と、露光光の照射と、薄膜の欠陥の検査とが、互いに異なる場所で行われる請求項45に記載の基板処理方法。
- 前記薄膜の欠陥は、薄膜の不在又は基板のエッジにおける薄膜の不良を含む請求項45記載の基板処理方法。
- 請求項41又は45に記載の基板処理方法を用いて基板を露光処理することと、露光された基板を現像することと、現像された基板を加工することを含むデバイス製造方法。
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