JP2009224457A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒータを反応管内に設置せずにガスノズルを加熱することができる基板処理装置の提供。
【解決手段】ウエハ1を収容する処理室32と、ウエハ1を加熱するヒータと、液体原料を気化させる気化器と、気化器が気化させたガスを処理室32内へ供給するガスノズル47とを備えたALD装置において、ガスノズル47下端部に三重管構造体80を処理室32内外にわたって設け、三重管構造体80の最内側管81内には気化ガスを流し、最内側管81の外側の中間管82内には気化ガス液化防止温度以上の温度の不活性ガスを流し、最外側管83内には低温の不活性ガスを流す。最内側管81を流れる気化ガスの液化を中間管82内を流れる高温の不活性ガスで防止できるので、ガスノズル47の詰まりを防止できる。最外側管83の表面温度が成膜温度以上になるのを最外側管83内を流れる不活性ガスで防止できるので、パーティクルの発生を防止できる。
【選択図】図5
【解決手段】ウエハ1を収容する処理室32と、ウエハ1を加熱するヒータと、液体原料を気化させる気化器と、気化器が気化させたガスを処理室32内へ供給するガスノズル47とを備えたALD装置において、ガスノズル47下端部に三重管構造体80を処理室32内外にわたって設け、三重管構造体80の最内側管81内には気化ガスを流し、最内側管81の外側の中間管82内には気化ガス液化防止温度以上の温度の不活性ガスを流し、最外側管83内には低温の不活性ガスを流す。最内側管81を流れる気化ガスの液化を中間管82内を流れる高温の不活性ガスで防止できるので、ガスノズル47の詰まりを防止できる。最外側管83の表面温度が成膜温度以上になるのを最外側管83内を流れる不活性ガスで防止できるので、パーティクルの発生を防止できる。
【選択図】図5
Description
本発明は、基板処理装置に関し、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法において、ICが作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に所望の薄膜をALD(Atomic Layer Deposition )法によって形成するのに利用して有効な基板処理装置に関する。
ICの製造方法において、ウエハに薄膜を形成する基板処理装置として、バッチ式縦形ホットウオール形ALD装置(以下、ALD装置という。)が使用されることがある。
従来のこの種のALD装置として、減圧可能な垂直の処理室を形成した反応管と、複数枚のウエハをそれぞれ間隔を置いて積層させた状態で保持するボートと、垂直方向に延在しガスを水平方向に噴出するガス噴出口が多数開設されたガスノズルと、ガスノズルに処理ガスを供給する供給管と、反応管の下端部に開口されて処理室内を排気する排気口とを備えており、複数枚のウエハを載置したボートが処理室内に搬入された状態で、処理室内を排気口によって排気しつつ、処理ガスを供給管からガスノズルに供給し、処理ガスをガスノズルから吹き出してウエハに接触させることにより、ALD膜をウエハに形成するものがある。
最近、このようなALD装置において、液体原料を気化させたガスを処理ガスとして使用することが提案されている。
蒸気圧が低い液体原料の場合であって、室温近傍領域で液化する分圧で気化ガスを供給する必要がある場合には、供給管を加熱し液化を防止する対策も提案されている。
蒸気圧が低い液体原料の場合であって、室温近傍領域で液化する分圧で気化ガスを供給する必要がある場合には、供給管を加熱し液化を防止する対策も提案されている。
しかしながら、供給管を加熱して液化を防止するALD装置においては、低温領域となる反応管内下部に位置するガスノズル下部を加熱するために、ヒータを反応管内に設置すると、次のような弊害を招くことが本発明者によって明らかにされた。
(1)反応管内に設置したヒータ自体が汚染源になる。
(2)ヒータ表面温度が成膜温度以上になり、堆積膜が厚く形成し、パーテイクルの発生源になる。
(3)セルフクリーニングを実施することができなくなる。
(4)ガスノズル下部を加熱しないと、気化ガスがガスノズル内で液化し、詰まりを引き起こす。
(1)反応管内に設置したヒータ自体が汚染源になる。
(2)ヒータ表面温度が成膜温度以上になり、堆積膜が厚く形成し、パーテイクルの発生源になる。
(3)セルフクリーニングを実施することができなくなる。
(4)ガスノズル下部を加熱しないと、気化ガスがガスノズル内で液化し、詰まりを引き起こす。
本発明の目的は、ヒータを反応管内に設置せずに、ガスノズルを加熱することができる基板処理装置を提供することにある。
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)基板を収容する処理室と、
前記基板を加熱するヒータと、
液体原料を気化させる気化器と、
前記気化器が気化させたガスを前記処理室内へ供給するガスノズルと、を備え、
前記ガスノズルは少なくとも一部に多重管構造体を備えており、
該多重管構造体のうち最内側管内には前記気化ガスが流通され、該最内側管の外側の中間管内には前記気化ガス液化防止温度以上の温度の不活性ガスが流通され、最外側管内には前記温度よりも低温の不活性ガスが流通する基板処理装置。
(2)前記多重管構造体は、前記処理室の壁を貫通して処理室内外にわたって設けられている前記(1)の基板処理装置。
(3)前記中間管内に前記不活性ガスが供給され、前記最外側管内に該不活性ガスを排出される前記(1)の基板処理装置。
(1)基板を収容する処理室と、
前記基板を加熱するヒータと、
液体原料を気化させる気化器と、
前記気化器が気化させたガスを前記処理室内へ供給するガスノズルと、を備え、
前記ガスノズルは少なくとも一部に多重管構造体を備えており、
該多重管構造体のうち最内側管内には前記気化ガスが流通され、該最内側管の外側の中間管内には前記気化ガス液化防止温度以上の温度の不活性ガスが流通され、最外側管内には前記温度よりも低温の不活性ガスが流通する基板処理装置。
(2)前記多重管構造体は、前記処理室の壁を貫通して処理室内外にわたって設けられている前記(1)の基板処理装置。
(3)前記中間管内に前記不活性ガスが供給され、前記最外側管内に該不活性ガスを排出される前記(1)の基板処理装置。
前記手段によれば、ヒータを反応管内に設置せずに、ガスノズルを加熱することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
本実施の形態において、本発明に係る基板処理装置は、ICの製造方法に使用される基板処理装置として構成されている。
本実施の形態に係る基板処理装置は、基板としてのウエハに薄膜を形成する成膜工程に使用されるものとして構成されている。
本実施の形態に係る基板処理装置は、基板としてのウエハに薄膜を形成する成膜工程に使用されるものとして構成されている。
図1に示されているように、基板としてのウエハ1はシリコン等の半導体材料が使用されて薄い円板形状に形成されており、キャリアとしてのオープンカセット(以下、カセットという。)2に収納された状態で基板処理装置10に供給される。
図1および図2に示されているように、基板処理装置10は筐体11を備えている。
筐体11はステンレス鋼材やステンレス鋼板等が使用されて略直方体の箱形状に構築されている。
筐体11の正面壁11aにはメンテナンス可能なように設けられた正面メンテナンス口12が開設され、正面メンテナンス口12には正面メンテナンス扉13がこれを開閉するように建て付けられている。
正面メンテナンス扉13にはカセット搬入搬出口14が筐体11の内外を連通するように開設されており、カセット搬入搬出口14はフロントシャッタ15によって開閉されるようになっている。
図1および図2に示されているように、基板処理装置10は筐体11を備えている。
筐体11はステンレス鋼材やステンレス鋼板等が使用されて略直方体の箱形状に構築されている。
筐体11の正面壁11aにはメンテナンス可能なように設けられた正面メンテナンス口12が開設され、正面メンテナンス口12には正面メンテナンス扉13がこれを開閉するように建て付けられている。
正面メンテナンス扉13にはカセット搬入搬出口14が筐体11の内外を連通するように開設されており、カセット搬入搬出口14はフロントシャッタ15によって開閉されるようになっている。
カセット搬入搬出口14の筐体11内側にはカセットステージ16が設置されている。カセット2はカセットステージ16の上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入され、かつまた、カセットステージ16の上から搬出される。
カセットステージ16にはカセット2が工程内搬送装置によって、カセット2内のウエハ1が垂直姿勢となりカセット2のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。カセットステージ16はカセット2を筐体後方に右回り縦方向90度回転させるように構成されており、カセット2内のウエハ1が水平姿勢となり、カセット2のウエハ出し入れ口が筐体後方を向くように動作させるようになっている。
カセットステージ16にはカセット2が工程内搬送装置によって、カセット2内のウエハ1が垂直姿勢となりカセット2のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。カセットステージ16はカセット2を筐体後方に右回り縦方向90度回転させるように構成されており、カセット2内のウエハ1が水平姿勢となり、カセット2のウエハ出し入れ口が筐体後方を向くように動作させるようになっている。
筐体11内の前後方向の略中央部には、カセット棚17が設置されており、カセット棚17は複数段複数列にて複数個のカセット2を保管するように構成されている。カセット棚17にはカセット2が収納される移載棚18が設けられている。
また、カセットステージ16の上方には予備カセット棚19が設けられており、予備カセット棚19はカセット2を予備的に保管するように構成されている。
カセットステージ16とカセット棚17との間には、カセット搬送装置20が設置されている。カセット搬送装置20はカセットエレベータ20aとカセット搬送機構20bとを備えている。カセットエレベータ20aはカセット搬送機構20bを昇降可能に構成されており、カセット搬送機構20bはカセット2を保持して搬送可能なように構成されている。
カセット搬送装置20はカセットエレベータ20aとカセット搬送機構20bとの連続動作により、カセットステージ16、カセット棚17、予備カセット棚19との間で、カセット2を搬送するように構成されている。
また、カセットステージ16の上方には予備カセット棚19が設けられており、予備カセット棚19はカセット2を予備的に保管するように構成されている。
カセットステージ16とカセット棚17との間には、カセット搬送装置20が設置されている。カセット搬送装置20はカセットエレベータ20aとカセット搬送機構20bとを備えている。カセットエレベータ20aはカセット搬送機構20bを昇降可能に構成されており、カセット搬送機構20bはカセット2を保持して搬送可能なように構成されている。
カセット搬送装置20はカセットエレベータ20aとカセット搬送機構20bとの連続動作により、カセットステージ16、カセット棚17、予備カセット棚19との間で、カセット2を搬送するように構成されている。
カセット棚17の後方にはウエハ移載機構21が設置されている。
ウエハ移載機構21はウエハ移載装置エレベータ21aおよびウエハ移載装置21bとを備えており、ウエハ移載装置エレベータ21aは筐体11の右側端部に設置されている。ウエハ移載装置エレベータ21aはウエハ移載装置21bを昇降させるように構成されている。ウエハ移載装置21bはツィーザ21cによってウエハ1を保持して、ウエハ1を水平方向に回転ないし直動可能なように構成されている。
ウエハ移載機構21はウエハ移載装置エレベータ21aおよびウエハ移載装置21bの連続動作により、ウエハ移載装置21bのツィーザ21cによってウエハ1を掬い取り、所定の位置に搬送した後に、ウエハ1を所定の位置に受け渡す。
ウエハ移載機構21はウエハ移載装置エレベータ21aおよびウエハ移載装置21bとを備えており、ウエハ移載装置エレベータ21aは筐体11の右側端部に設置されている。ウエハ移載装置エレベータ21aはウエハ移載装置21bを昇降させるように構成されている。ウエハ移載装置21bはツィーザ21cによってウエハ1を保持して、ウエハ1を水平方向に回転ないし直動可能なように構成されている。
ウエハ移載機構21はウエハ移載装置エレベータ21aおよびウエハ移載装置21bの連続動作により、ウエハ移載装置21bのツィーザ21cによってウエハ1を掬い取り、所定の位置に搬送した後に、ウエハ1を所定の位置に受け渡す。
筐体11内における後端部の片側にはボートエレベータ22が設置されている。
ボートエレベータ22の昇降台に連結された連結具としてのアーム23には、蓋体としてのシールキャップ24が水平に据え付けられている。シールキャップ24は後記する炉口を開閉するように構成されているとともに、後記するボートを垂直に支持するように構成されている。
ボートエレベータ22の昇降台に連結された連結具としてのアーム23には、蓋体としてのシールキャップ24が水平に据え付けられている。シールキャップ24は後記する炉口を開閉するように構成されているとともに、後記するボートを垂直に支持するように構成されている。
カセット棚17の上方には前側クリーンユニット25が設置されている。
前側クリーンユニット25は供給ファンや防塵フィルタ等によって構築されており、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを筐体11内の前側エリアに流通させる。
また、図1に便宜的に想像線で示されているように、ウエハ移載装置エレベータ21aおよびボートエレベータ22側と反対側である筐体11の左側端部には、後側クリーンユニット26が設置されている。
後側クリーンユニット26は供給ファンや防塵フィルタ等によって構築されており、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを筐体11内の後側エリアに流通させた後に、排気装置によって筐体11の外部に排気させる。
前側クリーンユニット25は供給ファンや防塵フィルタ等によって構築されており、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを筐体11内の前側エリアに流通させる。
また、図1に便宜的に想像線で示されているように、ウエハ移載装置エレベータ21aおよびボートエレベータ22側と反対側である筐体11の左側端部には、後側クリーンユニット26が設置されている。
後側クリーンユニット26は供給ファンや防塵フィルタ等によって構築されており、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを筐体11内の後側エリアに流通させた後に、排気装置によって筐体11の外部に排気させる。
ここで、以上の構成に係る基板処理装置10のウエハ1の搬送作動を説明する。
図1および図2に示されているように、カセット2がカセットステージ16に供給されるに先立って、カセット搬入搬出口14がフロントシャッタ15によって開放される。
その後、カセット2はカセット搬入搬出口14から搬入され、カセットステージ16の上にウエハ1が垂直姿勢であって、カセット2のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。
その後、カセット2はカセットステージ16によって、カセット2内のウエハ1が水平姿勢となり、カセット2のウエハ出し入れ口が筐体11の後方を向くように、筐体11の後方に右周り縦方向90度回転させられる。
次に、カセット2はカセット棚17ないし予備カセット棚19の指定された棚位置へカセット搬送装置20によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管される。
その後、カセット2はカセット棚17ないし予備カセット棚19からカセット搬送装置20によって移載棚18に移載される。
なお、カセット2はカセット搬送装置20によって移載棚18に直接的に搬送されることもある。
カセット2が移載棚18に移載されると、ウエハ1はウエハ移載装置21bのツィーザ21cによってカセット2からウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、後記するボートに装填(チャージング)される。ウエハ1を受け渡したウエハ移載装置21bはカセット2に戻り、次のウエハ1をボートに装填する。
図1および図2に示されているように、カセット2がカセットステージ16に供給されるに先立って、カセット搬入搬出口14がフロントシャッタ15によって開放される。
その後、カセット2はカセット搬入搬出口14から搬入され、カセットステージ16の上にウエハ1が垂直姿勢であって、カセット2のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。
その後、カセット2はカセットステージ16によって、カセット2内のウエハ1が水平姿勢となり、カセット2のウエハ出し入れ口が筐体11の後方を向くように、筐体11の後方に右周り縦方向90度回転させられる。
次に、カセット2はカセット棚17ないし予備カセット棚19の指定された棚位置へカセット搬送装置20によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管される。
その後、カセット2はカセット棚17ないし予備カセット棚19からカセット搬送装置20によって移載棚18に移載される。
なお、カセット2はカセット搬送装置20によって移載棚18に直接的に搬送されることもある。
カセット2が移載棚18に移載されると、ウエハ1はウエハ移載装置21bのツィーザ21cによってカセット2からウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、後記するボートに装填(チャージング)される。ウエハ1を受け渡したウエハ移載装置21bはカセット2に戻り、次のウエハ1をボートに装填する。
図1および図2に示されているように、筐体11の後端部の上にはALD法を実施する処理炉(以下、ALD装置という。)30が設置されている。
ALD法は、ある成膜条件(温度、時間等)の下で、成膜に用いる2種類(またはそれ以上)の原料となるガスを1種類ずつ順次に基板上に供給し、1原子層単位で吸着させ、表面反応を利用して成膜を行う方法、である。
そして、ALD法においては、複数種類の反応性ガスを1種類ずつ交互に供給することによって成膜を行う。また、膜厚の制御は、反応性ガス供給のサイクル数によって実行することができる。例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、20Åの膜を形成する場合には、複数種類のガスの供給は20サイクル実行される。
ALD法は、ある成膜条件(温度、時間等)の下で、成膜に用いる2種類(またはそれ以上)の原料となるガスを1種類ずつ順次に基板上に供給し、1原子層単位で吸着させ、表面反応を利用して成膜を行う方法、である。
そして、ALD法においては、複数種類の反応性ガスを1種類ずつ交互に供給することによって成膜を行う。また、膜厚の制御は、反応性ガス供給のサイクル数によって実行することができる。例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、20Åの膜を形成する場合には、複数種類のガスの供給は20サイクル実行される。
図2、図3および図4に示されているように、ALD装置30は反応管31を備えている。反応管31は基板であるウエハ1を処理する反応容器を構成している。反応管31は石英(SiO2 )が用いられて一体的に形成されている。反応管31は一端が開口し他端が閉塞した円筒形状に形成されており、反応管31は中心線が垂直になるように縦に配されて固定的に支持されている。
反応管31はマニホールド33の上にシールリング33Aを挟まれて載置されており、反応管31はマニホールド33が筐体11に据え付けられることにより、筐体11に水平に支持されている。反応管31およびマニホールド33の筒中空部は、複数枚のウエハ1を収容して処理する処理室32を形成している。
マニホールド33はステンレス鋼等によって上下両端が開口した円筒形状に形成されており、マニホールド33の下端には炉口34が形成されている。
炉口34は図1に示されたシャッタ27によって開閉される。
マニホールド33はステンレス鋼等によって上下両端が開口した円筒形状に形成されており、マニホールド33の下端には炉口34が形成されている。
炉口34は図1に示されたシャッタ27によって開閉される。
マニホールド33の側壁の一部には、処理室32を排気する排気管35の一端が接続されている。図4に示されているように、排気管35の他端は真空ポンプ36にAPCバルブ(メインバルブ)37を介して接続されている。
なお、APCバルブ37は、弁体を開閉することによって処理室32の排気および排気停止を実行し、かつ、弁体の開度を調節して排気量を調整することによって処理室32の圧力を制御する。
なお、APCバルブ37は、弁体を開閉することによって処理室32の排気および排気停止を実行し、かつ、弁体の開度を調節して排気量を調整することによって処理室32の圧力を制御する。
処理室32へは第一ガス供給管40および第二ガス供給管50が設けられている。第一ガス供給管40および第二ガス供給管50は複数種類、ここでは2種類の処理ガスを供給する供給経路を構成している。
第一ガス供給管40には上流方向から順に、流量制御装置(流量制御手段)である液体マスフローコントローラ41、気化器42および開閉弁である第一バルブ43が設けられている。
第一ガス供給管40にはキャリアガスを供給する第一キャリアガス供給管44が合流されている。第一キャリアガス供給管44には上流方向から順に、流量制御装置(流量制御手段)であるマスフローコントローラ(以下、第一キャリアガスMFCという場合がある。)45および開閉弁であるバルブ(以下、第一キャリアガスバルブという場合がある。)46が設けられている。
第一ガス供給管40の下流側端はガスノズル(以下、第一ノズルという。)47に接続されている。第一ノズル47は処理室32を構成している反応管31内壁とウエハ1との間における円弧状の空間に配置されており、反応管31下部から上部内壁にウエハ1の積載方向に沿って延在している。
第一ノズル47の側面には、ガスを供給する供給孔48が複数個開設されている。複数個のガス供給孔48は下部から上部にわたってそれぞれ同一の開口面積を有し、かつ、同じ開口ピッチで設けられている。
第一ガス供給管40には上流方向から順に、流量制御装置(流量制御手段)である液体マスフローコントローラ41、気化器42および開閉弁である第一バルブ43が設けられている。
第一ガス供給管40にはキャリアガスを供給する第一キャリアガス供給管44が合流されている。第一キャリアガス供給管44には上流方向から順に、流量制御装置(流量制御手段)であるマスフローコントローラ(以下、第一キャリアガスMFCという場合がある。)45および開閉弁であるバルブ(以下、第一キャリアガスバルブという場合がある。)46が設けられている。
第一ガス供給管40の下流側端はガスノズル(以下、第一ノズルという。)47に接続されている。第一ノズル47は処理室32を構成している反応管31内壁とウエハ1との間における円弧状の空間に配置されており、反応管31下部から上部内壁にウエハ1の積載方向に沿って延在している。
第一ノズル47の側面には、ガスを供給する供給孔48が複数個開設されている。複数個のガス供給孔48は下部から上部にわたってそれぞれ同一の開口面積を有し、かつ、同じ開口ピッチで設けられている。
第二ガス供給管50には上流方向から順に、流量制御装置(流量制御手段)である第一マスフローコントローラ51、開閉弁である第二バルブ53が設けられている。
第二ガス供給管50にはキャリアガスを供給する第二キャリアガス供給管54が合流されている。第二キャリアガス供給管54には上流方向から順に、流量制御装置(流量制御手段)であるマスフローコントローラ(以下、第二キャリアガスMFCという場合がある。)55および開閉弁であるバルブ(以下、第二キャリアガスバルブという場合がある。)56が設けられている。
第二ガス供給管50の下流側端はガスノズル(以下、第二ノズルという。)57に接続されている。第二ノズル57は処理室32を構成している反応管31内壁とウエハ1との間における円弧状の空間に配置されており、反応管31下部から上部内壁にウエハ1の積載方向に沿って延在している。
第二ノズル57の側面には、ガスを供給する供給孔58が複数個開設されている。複数個のガス供給孔58は下部から上部にわたってそれぞれ同一の開口面積を有し、かつ、同じ開口ピッチで設けられている。
第二ガス供給管50にはキャリアガスを供給する第二キャリアガス供給管54が合流されている。第二キャリアガス供給管54には上流方向から順に、流量制御装置(流量制御手段)であるマスフローコントローラ(以下、第二キャリアガスMFCという場合がある。)55および開閉弁であるバルブ(以下、第二キャリアガスバルブという場合がある。)56が設けられている。
第二ガス供給管50の下流側端はガスノズル(以下、第二ノズルという。)57に接続されている。第二ノズル57は処理室32を構成している反応管31内壁とウエハ1との間における円弧状の空間に配置されており、反応管31下部から上部内壁にウエハ1の積載方向に沿って延在している。
第二ノズル57の側面には、ガスを供給する供給孔58が複数個開設されている。複数個のガス供給孔58は下部から上部にわたってそれぞれ同一の開口面積を有し、かつ、同じ開口ピッチで設けられている。
ここで、第一ガス供給管40から供給される原料が液体の場合、反応ガスは第一ガス供給管40から、液体マスフローコントローラ41、気化器42および第一バルブ43を介し、第一キャリアガス供給管44と合流し、さらに、第一ノズル47を介して処理室32内に供給される。
ちなみに、第一ガス供給管40から供給される原料が気体の場合には、液体マスフローコントローラ41が気体用のマスフローコントローラに交換され、気化器42は使用しないことになる。
第二ガス供給管50からの反応ガスは、第一マスフローコントローラ51、第二バルブ53を介し、第二キャリアガス供給管54と合流し、さらに、第二ノズル57を介して処理室32に供給される。
ちなみに、第一ガス供給管40から供給される原料が気体の場合には、液体マスフローコントローラ41が気体用のマスフローコントローラに交換され、気化器42は使用しないことになる。
第二ガス供給管50からの反応ガスは、第一マスフローコントローラ51、第二バルブ53を介し、第二キャリアガス供給管54と合流し、さらに、第二ノズル57を介して処理室32に供給される。
ALD装置30はコントローラ61を備えており、コントローラ61はパネルコンピュータやパーソナルコンピュータ等によって構築されている。
便宜上、一部の図示は省略するが、図4に示されているように、コントローラ61は、真空ポンプ36、APCバルブ37、MFC41、45、51、55、バルブ43、53、56等に接続され、これらを制御する。
便宜上、一部の図示は省略するが、図4に示されているように、コントローラ61は、真空ポンプ36、APCバルブ37、MFC41、45、51、55、バルブ43、53、56等に接続され、これらを制御する。
図2に示されているように、ALD装置30は加熱装置(加熱手段)であるヒータ62を備えており、ヒータ62は反応管31の外部に反応管31の周囲を包囲するように同心円に設備されている。ヒータ62は処理室32を全体にわたって均一または所定の温度分布に加熱するように構成されている。
図3に示されているように、シールキャップ24は炉口34の内径よりも大径の外径を有する円盤形状に形成されている。シールキャップ24はシールリング24aによって炉口34を気密シールするように構成されている。
シールキャップ24の中心線上には、回転駆動装置63によって回転駆動される回転軸64が挿通されており、回転軸64はシールキャップ24と共に昇降するように構成されている。回転軸64の上端には支持台65が垂直に設置されており、支持台65の上には保持具としてのボート70が垂直に立脚されて支持されている。
シールキャップ24の中心線上には、回転駆動装置63によって回転駆動される回転軸64が挿通されており、回転軸64はシールキャップ24と共に昇降するように構成されている。回転軸64の上端には支持台65が垂直に設置されており、支持台65の上には保持具としてのボート70が垂直に立脚されて支持されている。
ボート70は上下で一対の端板71、72と、両端板71と72との間に架設されて垂直に配設された複数本の保持柱73とを備えている。複数本の保持柱73には多数条の保持溝74が長手方向に等間隔に配されて、同一平面内で互いに対向して開口するように没設されている。
そして、ウエハ1の外周縁辺が各保持柱73の多数条の保持溝74間にそれぞれ挿入されることにより、複数枚のウエハ1がボート70に水平にかつ互いに中心を揃えられた状態で整列されて保持されるようになっている。
そして、ウエハ1の外周縁辺が各保持柱73の多数条の保持溝74間にそれぞれ挿入されることにより、複数枚のウエハ1がボート70に水平にかつ互いに中心を揃えられた状態で整列されて保持されるようになっている。
本実施の形態においては、図3〜図5に示されているように、第一ノズル47には多重管構造体である三重管構造体80が下端部に設けられている。ウエハ1の金属汚染等を避けるために、三重管構造体80は石英または炭化シリコン(SiC)等によって形成されている。
三重管構造体80はエルボ管形状に形成されており、エルボ管の下腕部分が反応管31側壁を貫通し、上腕部分が垂直に立脚した状態で、反応管31に支持されている。すなわち、三重管構造体80は処理室32内外にわたって設けられている。
三重管構造体80はエルボ管形状に形成されており、エルボ管の下腕部分が反応管31側壁を貫通し、上腕部分が垂直に立脚した状態で、反応管31に支持されている。すなわち、三重管構造体80は処理室32内外にわたって設けられている。
図4および図5に示されているように、三重管構造体80は、最も内側に配置された最内側管81と、中央に配置された中間管82と、最も外側に配置された最外側管83と、を備えている。最内側管81と中間管82と最外側管83とは同心円に配置されているとともに、エルボ管形状に形成されている。
最内側管81は第一ノズル47と一体的に形成されている。最内側管81には第一ガス供給管40が第一ノズル47と反対側端である上流側端に接続されており、最内側管81内には第一ガス供給管40から気化ガスが流通される。
中間管82の外側端面はプラグ84によって閉塞されており、内側端面は開放されている。
中間管82には不活性ガス供給管49の下流側端が外側端部に接続されており、不活性ガス供給管49の上流側端は不活性ガス供給装置49aに接続されている。不活性ガス供給管49には上流方向から順に、流量制御装置(流量制御手段)であるマスフローコントローラ(以下、不活性ガスMFCという。)49bおよび開閉弁であるバルブ(以下、不活性ガスバルブという。)49cが設けられている。不活性ガス供給管49には外部ヒータ49dが設けられており、外部ヒータ49dは不活性ガス供給管49内を流通する不活性ガスを、気化ガス液化防止温度以上の温度に加熱することができる。
最外側管83の外側端面はプラグ85によって閉塞されており、内側端面もプラグ86によって閉塞されている。
最外側管83には排気管38の上流側端が外側端部に接続されており、排気管38の下流側端は真空ポンプ36に接続されている。排気管38にはAPCバルブ39が設けられている。APCバルブ39は弁体を開閉することによって最外側管83の排気および排気停止を実行し、かつ、弁体の開度を調節して排気量を調整することによって最外側管83の圧力を制御する。
最内側管81は第一ノズル47と一体的に形成されている。最内側管81には第一ガス供給管40が第一ノズル47と反対側端である上流側端に接続されており、最内側管81内には第一ガス供給管40から気化ガスが流通される。
中間管82の外側端面はプラグ84によって閉塞されており、内側端面は開放されている。
中間管82には不活性ガス供給管49の下流側端が外側端部に接続されており、不活性ガス供給管49の上流側端は不活性ガス供給装置49aに接続されている。不活性ガス供給管49には上流方向から順に、流量制御装置(流量制御手段)であるマスフローコントローラ(以下、不活性ガスMFCという。)49bおよび開閉弁であるバルブ(以下、不活性ガスバルブという。)49cが設けられている。不活性ガス供給管49には外部ヒータ49dが設けられており、外部ヒータ49dは不活性ガス供給管49内を流通する不活性ガスを、気化ガス液化防止温度以上の温度に加熱することができる。
最外側管83の外側端面はプラグ85によって閉塞されており、内側端面もプラグ86によって閉塞されている。
最外側管83には排気管38の上流側端が外側端部に接続されており、排気管38の下流側端は真空ポンプ36に接続されている。排気管38にはAPCバルブ39が設けられている。APCバルブ39は弁体を開閉することによって最外側管83の排気および排気停止を実行し、かつ、弁体の開度を調節して排気量を調整することによって最外側管83の圧力を制御する。
なお、不活性ガス供給装置49a、不活性ガスMFC49b、不活性ガスバルブ49c、外部ヒータ49d、APCバルブ39等はコントローラ61に接続され、コントローラ61によって制御される。
次に、以上の構成に係るALD装置30を使用したICの製造方法における成膜工程を、酸化ハフニウム(HfO2 )膜をウエハ1上に成膜する場合について説明する。
酸化ハフニウム膜をウエハ1上にALD装置によって形成する場合には、TEMAH(Hf[NCH3 C2 H5 ]4 、テトラキスメチルエチルアミノハフニウム)と、オゾン(O3 )とが使用される。これにより、180〜250℃の低温で、高品質の酸化ハフニウムを成膜することができる。
酸化ハフニウム膜をウエハ1上にALD装置によって形成する場合には、TEMAH(Hf[NCH3 C2 H5 ]4 、テトラキスメチルエチルアミノハフニウム)と、オゾン(O3 )とが使用される。これにより、180〜250℃の低温で、高品質の酸化ハフニウムを成膜することができる。
ボート70を処理室32に搬入後、以下の3つのステップを順次実行する。
(ステップ1)
第一ガス供給管40にはTEMAHガスを流し、第一キャリアガス供給管44にはキャリアガス(窒素ガス)を流す。すなわち、第一ガス供給管40の第一バルブ43、第一キャリアガスバルブ46および排気管35のAPCバルブ37を共に開ける。
キャリアガスは第一キャリアガス供給管44から流れ、第一キャリアガスMFC45により流量調整される。
TEMAHは第一ガス供給管40から流れ、液体マスフローコントローラ41により流量調整され、気化器42により気化され、流量調整されたキャリアガスを混合し、第一ノズル47の第一ガス供給孔48から処理室32内に供給されつつ、排気管35から排気される。
この時、APCバルブ37を適正に調整して処理室32内の圧力を所定値に維持する。
液体マスフローコントローラ41で制御するTEMAHの供給量は、0.01〜0.1g/minである。TEMAHガスにウエハ1を晒す時間は30〜180秒間である。
このとき、ヒータ62の温度はウエハの温度が180〜250℃の範囲内の所定値になるよう設定してある。
TEMAHを処理室32内に供給することで、ウエハ1上の下地膜等の表面部分と表面反応(化学吸着)する。
(ステップ1)
第一ガス供給管40にはTEMAHガスを流し、第一キャリアガス供給管44にはキャリアガス(窒素ガス)を流す。すなわち、第一ガス供給管40の第一バルブ43、第一キャリアガスバルブ46および排気管35のAPCバルブ37を共に開ける。
キャリアガスは第一キャリアガス供給管44から流れ、第一キャリアガスMFC45により流量調整される。
TEMAHは第一ガス供給管40から流れ、液体マスフローコントローラ41により流量調整され、気化器42により気化され、流量調整されたキャリアガスを混合し、第一ノズル47の第一ガス供給孔48から処理室32内に供給されつつ、排気管35から排気される。
この時、APCバルブ37を適正に調整して処理室32内の圧力を所定値に維持する。
液体マスフローコントローラ41で制御するTEMAHの供給量は、0.01〜0.1g/minである。TEMAHガスにウエハ1を晒す時間は30〜180秒間である。
このとき、ヒータ62の温度はウエハの温度が180〜250℃の範囲内の所定値になるよう設定してある。
TEMAHを処理室32内に供給することで、ウエハ1上の下地膜等の表面部分と表面反応(化学吸着)する。
ここで、蒸気圧が低い液体原料であって、室温近傍領域で液化する分圧で供給される気化ガスであるTEMAHガスは、液化防止可能な温度に維持しないと、第一ノズル47内で液化し、詰まりを引き起こす。
他方、第一ノズル47の下端部は処理室32内下部の低温領域に位置することにより、液化防止可能な温度未満に低下する可能性があるために、第一ノズル47下端部内において詰まり現象が発生する危険性がある。
処理室32内下部が低温領域になる理由は、処理室32内下部が温度低下の激しい炉口34に位置するとともに、ヒータ62の輻射熱を受け難いからである。
他方、第一ノズル47の下端部は処理室32内下部の低温領域に位置することにより、液化防止可能な温度未満に低下する可能性があるために、第一ノズル47下端部内において詰まり現象が発生する危険性がある。
処理室32内下部が低温領域になる理由は、処理室32内下部が温度低下の激しい炉口34に位置するとともに、ヒータ62の輻射熱を受け難いからである。
そこで、本実施形態においては、気化したTEMAHガスを第一ノズル47から処理室32へ供給する際に、気化ガス液化防止温度以上の温度の不活性ガスを三重管構造体80の中間管82内に流通させることにより、第一ノズル47下端部の温度を気化ガス液化防止温度以上に維持し、第一ノズル47下端部内において詰まり現象が発生するのを未然に防止する。
すなわち、不活性ガス供給管49の不活性ガスバルブ49cおよび最外側管83のAPCバルブ39を共に開き、外部ヒータ49dを駆動する。
不活性ガスは不活性ガス供給装置49aから流れ、不活性ガスMFC49bにより流量調整され、外部ヒータ49dによって加熱され、三重管構造体80の中間管82内に流れ込む。
中間管82内に流れ込んだ高温の不活性ガスは、第一ノズル47下端部を形成する最内側管81に接触することにより、最内側管81内を流通するTEMAHガスを気化ガス液化防止温度以上に加熱する。したがって、最内側管81が形成する第一ノズル47下端部内を流通するTEMAHガスの液化は防止することができるので、第一ノズル47下端部内において詰まり現象が発生するのを未然に防止することができる。
TEMAHガスを加熱した高温の不活性ガスは、中間管82の下流側端である開口端から最外側管83内に流れ込み、排気管38によって排気されて行く。最外側管83に流れ込んだ不活性ガスは最外側管83に接触することにより、最外側管83を成膜温度未満に冷却する。したがって、最外側管83表面に堆積膜が厚く形成してしまう現象を防止し、パーテイクルの発生源になるのを未然に防止することができる。
すなわち、不活性ガス供給管49の不活性ガスバルブ49cおよび最外側管83のAPCバルブ39を共に開き、外部ヒータ49dを駆動する。
不活性ガスは不活性ガス供給装置49aから流れ、不活性ガスMFC49bにより流量調整され、外部ヒータ49dによって加熱され、三重管構造体80の中間管82内に流れ込む。
中間管82内に流れ込んだ高温の不活性ガスは、第一ノズル47下端部を形成する最内側管81に接触することにより、最内側管81内を流通するTEMAHガスを気化ガス液化防止温度以上に加熱する。したがって、最内側管81が形成する第一ノズル47下端部内を流通するTEMAHガスの液化は防止することができるので、第一ノズル47下端部内において詰まり現象が発生するのを未然に防止することができる。
TEMAHガスを加熱した高温の不活性ガスは、中間管82の下流側端である開口端から最外側管83内に流れ込み、排気管38によって排気されて行く。最外側管83に流れ込んだ不活性ガスは最外側管83に接触することにより、最外側管83を成膜温度未満に冷却する。したがって、最外側管83表面に堆積膜が厚く形成してしまう現象を防止し、パーテイクルの発生源になるのを未然に防止することができる。
(ステップ2)
第一ガス供給管40の第一バルブ43を閉め、TEMAHの供給を停止する。
このとき、排気管35のAPCバルブ37は開いたままとし、処理室32内を20Pa以下となるまで真空ポンプ36によって排気し、残留TEMAHガスを処理室32内から排除する。このとき、窒素等の不活性ガスを処理室32内へ供給すると、さらに、残留TEMAHガスを排除する効果が高まる。
第一ガス供給管40の第一バルブ43を閉め、TEMAHの供給を停止する。
このとき、排気管35のAPCバルブ37は開いたままとし、処理室32内を20Pa以下となるまで真空ポンプ36によって排気し、残留TEMAHガスを処理室32内から排除する。このとき、窒素等の不活性ガスを処理室32内へ供給すると、さらに、残留TEMAHガスを排除する効果が高まる。
(ステップ3)
第二ガス供給管50にオゾンを流し、第二キャリアガス供給管54にキャリアガス(窒素ガス)を流す。すなわち、第二ガス供給管50の第二バルブ53および第二キャリアガス供給管54の第二キャリアガスバルブ56を共に開く。
キャリアガスは第二キャリアガス供給管54から流れ、第二キャリアガスMFC55により流量調整される。オゾンは第二ガス供給管50から流れ、第一マスフローコントローラ51により流量調整され、流量調整されたキャリアガスを混合し、第二ノズル57の第二ガス供給孔58から処理室32内に供給されつつガス排気管35から排気される。
この時、APCバルブ37を適正に調整して処理室32内の圧力を所定圧力値に維持する。
オゾンにウエハ1を晒す時間は10〜120秒間である。
ウエハの温度は、ステップ1のTEMAHガスの供給時と同じく、180〜250℃の範囲内の所定値となるようヒータ62を設定する。
オゾンの供給により、ウエハ1の表面に化学吸着したTEMAHとオゾンとが表面反応して、ウエハ1上に酸化ハフニウム膜が成膜される。
成膜後、第二ガス供給管50の第二バルブ53および第二キャリアガス供給管54の第二キャリアガスバルブ56を閉じ、真空ポンプ36により処理室32内を排気し、残留するオゾンの成膜に寄与した後のガスを排除する。
このとき、窒素等の不活性ガスを反応管31内に供給すると、さらに、残留するオゾンの成膜に寄与した後のガスを処理室32から排除する効果が高まる。
第二ガス供給管50にオゾンを流し、第二キャリアガス供給管54にキャリアガス(窒素ガス)を流す。すなわち、第二ガス供給管50の第二バルブ53および第二キャリアガス供給管54の第二キャリアガスバルブ56を共に開く。
キャリアガスは第二キャリアガス供給管54から流れ、第二キャリアガスMFC55により流量調整される。オゾンは第二ガス供給管50から流れ、第一マスフローコントローラ51により流量調整され、流量調整されたキャリアガスを混合し、第二ノズル57の第二ガス供給孔58から処理室32内に供給されつつガス排気管35から排気される。
この時、APCバルブ37を適正に調整して処理室32内の圧力を所定圧力値に維持する。
オゾンにウエハ1を晒す時間は10〜120秒間である。
ウエハの温度は、ステップ1のTEMAHガスの供給時と同じく、180〜250℃の範囲内の所定値となるようヒータ62を設定する。
オゾンの供給により、ウエハ1の表面に化学吸着したTEMAHとオゾンとが表面反応して、ウエハ1上に酸化ハフニウム膜が成膜される。
成膜後、第二ガス供給管50の第二バルブ53および第二キャリアガス供給管54の第二キャリアガスバルブ56を閉じ、真空ポンプ36により処理室32内を排気し、残留するオゾンの成膜に寄与した後のガスを排除する。
このとき、窒素等の不活性ガスを反応管31内に供給すると、さらに、残留するオゾンの成膜に寄与した後のガスを処理室32から排除する効果が高まる。
また、前述したステップ1〜3を1サイクルとし、このサイクルを複数回繰り返すことにより、ウエハ1上に所定の膜厚の酸化ハフニウム膜を成膜することができる。
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1)気化したTEMAHガスを第一ノズルから処理室へ供給する際に、気化ガス液化防止温度以上の温度の不活性ガスを三重管構造体の中間管内に流通させることにより、第一ノズル下端部の温度を気化ガス液化防止温度以上に維持することができるので、第一ノズル下端部内において詰まり現象が発生するのを未然に防止する。
(2)TEMAHガスを加熱した高温の不活性ガスを、中間管下流側端から最外側管内に流れ込ませることより、最外側管を成膜温度未満に冷却することができるので、最外側管表面に堆積膜が厚く形成しまう現象を防止し、パーテイクルの発生源になるのを未然に防止することができる。
(3)反応管内に第一ノズル下端部を加熱するためのヒータを設置しなくて済むため、ヒータを反応管内に設置することによる弊害の派生を回避することができる。すなわち、反応管内に設置したヒータ自体が汚染源になるのを回避することができる、ヒータ表面温度が成膜温度以上になり、堆積膜が厚く形成し、パーテイクルの発生源になるのを回避することができる、セルフクリーニングを実施することができなくなるのを回避することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、多重管構造体は三重管構造体に構成するに限らず、四重以上の構造体に構成してもよい。
多重管構造体は一系統に設けるに限らず、複数系統に設けてもよい。
また、多重管構造体はガスノズルの下端部に設けるに限らず、中間部および全体に設けてもよい。
また、多重管構造体はガスノズルの下端部に設けるに限らず、中間部および全体に設けてもよい。
中間管内と最外側管とを流体的に連結して、不活性ガスを流通させるように構成するに限らず、中間管内に高温の不活性ガスを流通させるように構成するとともに、最外側管内に低温の不活性ガスを流通させるように構成してもよい。
前記実施の形態では、気化させたTEMAHガスとオゾンガスとを交互に供給して酸化ハフニウム膜を形成する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、ヒータを反応管内に設置せずにガスノズルを加熱する必要がある基板処理装置全般に適用することができる。
前記実施の形態ではウエハに処理が施される場合について説明したが、処理対象はホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等であってもよい。
1…ウエハ(基板)、2…カセット、
10…基板処理装置、11…筐体、12…正面メンテナンス口、13…正面メンテナンス扉、14…カセット搬入搬出口、15…フロントシャッタ、16…カセットステージ、17…カセット棚、18…移載棚、19…予備カセット棚、
20…カセット搬送装置、20a…カセットエレベータ、20b…カセット搬送機構、21…ウエハ移載機構、21a…ウエハ移載装置エレベータ、21b…ウエハ移載装置、21c…ツィーザ、
22…ボートエレベータ、23…アーム、24…シールキャップ、25…前側クリーンユニット、26…後側クリーンユニット、27…シャッタ、
30…ALD装置(処理炉)、31…反応管、32…処理室、33…マニホールド、33A…シールリング、34…炉口、
35…排気管、36…真空ポンプ、37…APCバルブ、
38…排気管、39…APCバルブ、
40…第一ガス供給管、41…液体マスフローコントローラ、42…気化器、43…第一バルブ、44…第一キャリアガス供給管、45…第一キャリアガスMFC、46…第一キャリアガスバルブ、47…第一ノズル(ガスノズル)、48…第一ガス供給孔、
49…不活性ガス供給管、49a…不活性ガス供給装置、49b…不活性ガスMFC、49c…不活性ガスバルブ、49d…外部ヒータ、
80…三重管構造体(多重管構造体)、81…最内側管、82…中間管、83…最外側管、84、85、86…プラグ、
50…第二ガス供給管、51…第一マスフローコントローラ、53…第二バルブ、54…第二キャリアガス供給管、55…第二キャリアガスMFC、56…第二キャリアガスバルブ、57…第二ノズル(ガスノズル)、58…第二ガス供給孔、
61…コントローラ、
62…ヒータ、
63…回転駆動装置、64…回転軸、65…支持台、
70…ボート(保持具)、71、72…端板、73…保持柱、74…保持溝。
10…基板処理装置、11…筐体、12…正面メンテナンス口、13…正面メンテナンス扉、14…カセット搬入搬出口、15…フロントシャッタ、16…カセットステージ、17…カセット棚、18…移載棚、19…予備カセット棚、
20…カセット搬送装置、20a…カセットエレベータ、20b…カセット搬送機構、21…ウエハ移載機構、21a…ウエハ移載装置エレベータ、21b…ウエハ移載装置、21c…ツィーザ、
22…ボートエレベータ、23…アーム、24…シールキャップ、25…前側クリーンユニット、26…後側クリーンユニット、27…シャッタ、
30…ALD装置(処理炉)、31…反応管、32…処理室、33…マニホールド、33A…シールリング、34…炉口、
35…排気管、36…真空ポンプ、37…APCバルブ、
38…排気管、39…APCバルブ、
40…第一ガス供給管、41…液体マスフローコントローラ、42…気化器、43…第一バルブ、44…第一キャリアガス供給管、45…第一キャリアガスMFC、46…第一キャリアガスバルブ、47…第一ノズル(ガスノズル)、48…第一ガス供給孔、
49…不活性ガス供給管、49a…不活性ガス供給装置、49b…不活性ガスMFC、49c…不活性ガスバルブ、49d…外部ヒータ、
80…三重管構造体(多重管構造体)、81…最内側管、82…中間管、83…最外側管、84、85、86…プラグ、
50…第二ガス供給管、51…第一マスフローコントローラ、53…第二バルブ、54…第二キャリアガス供給管、55…第二キャリアガスMFC、56…第二キャリアガスバルブ、57…第二ノズル(ガスノズル)、58…第二ガス供給孔、
61…コントローラ、
62…ヒータ、
63…回転駆動装置、64…回転軸、65…支持台、
70…ボート(保持具)、71、72…端板、73…保持柱、74…保持溝。
Claims (1)
- 基板を収容する処理室と、
前記基板を加熱するヒータと、
液体原料を気化させる気化器と、
前記気化器が気化させたガスを前記処理室内へ供給するガスノズルと、を備え、
前記ガスノズルは少なくとも一部に多重管構造体を備えており、
該多重管構造体のうち最内側管内には前記気化ガスが流通され、該最内側管の外側の中間管内には前記気化ガス液化防止温度以上の温度の不活性ガスが流通され、最外側管内には前記温度よりも低温の不活性ガスが流通する基板処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008065659A JP2009224457A (ja) | 2008-03-14 | 2008-03-14 | 基板処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family Applications (1)
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JP2008065659A Pending JP2009224457A (ja) | 2008-03-14 | 2008-03-14 | 基板処理装置 |
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JP (1) | JP2009224457A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101370037B1 (ko) | 2012-12-21 | 2014-03-06 | 주식회사 나래나노텍 | H2o 가스 가열 장치 및 방법, 및 이를 구비한 기판 열처리 챔버 및 기판 열처리 장치 |
JP2017223318A (ja) * | 2016-06-17 | 2017-12-21 | Ckd株式会社 | 流体制御弁 |
-
2008
- 2008-03-14 JP JP2008065659A patent/JP2009224457A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101370037B1 (ko) | 2012-12-21 | 2014-03-06 | 주식회사 나래나노텍 | H2o 가스 가열 장치 및 방법, 및 이를 구비한 기판 열처리 챔버 및 기판 열처리 장치 |
JP2017223318A (ja) * | 2016-06-17 | 2017-12-21 | Ckd株式会社 | 流体制御弁 |
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